JP2002318425A - 背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ - Google Patents

背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ

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JP2002318425A
JP2002318425A JP2001252050A JP2001252050A JP2002318425A JP 2002318425 A JP2002318425 A JP 2002318425A JP 2001252050 A JP2001252050 A JP 2001252050A JP 2001252050 A JP2001252050 A JP 2001252050A JP 2002318425 A JP2002318425 A JP 2002318425A
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light
fine particles
diffusion
lenticular lens
lens sheet
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JP2001252050A
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English (en)
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Hiroshi Yamaguchi
博史 山口
Kenichi Ikeda
健一 池田
Osamu Sakai
修 酒井
Toru Tatsumi
透 立見
Satoshi Aoki
聡 青木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的な特性の樹脂材料のみを用いて拡散特
性の波長依存性が小さい背面投射型スクリーンを提供す
る。 【解決手段】 少なくともレンチキュラレンズシート3
2及びフレネルレンズシート31を含む背面投射型スク
リーン3であって、レンチキュラレンズシート32が樹
脂材料からなる基材内に前記基材の屈折率と異なる屈折
率を有する樹脂材料からなる光拡散微粒子を含み、前記
光拡散微粒子が、0.5μm≦ΔNl×dl≦0.9μ
mを満たす。ただし、ΔNlは光拡散微粒子とレンチキ
ュラレンズシート基材との屈折率差、dlは光拡散微粒
子の平均粒径である。これにより、拡散特性の波長依存
性を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本第I発明及び本第II発明
は、いずれも背面投射型スクリーンおよびこれを用いた
背面投射型ディスプレイ(背面投射型画像表示装置)に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】[第I
発明について]近年TV受像機を中心に大画面に対する
ニーズが高まっており、大画面表示に適した装置として
背面投射型ディスプレイが注目されている。背面投射型
ディスプレイとしては画像源としてCRTを用いるのが
一般的である。更に、より軽量コンパクトを実現するも
のとして液晶などの空間変調素子を用いる方式も提案さ
れており注目されている。
【0003】まず、画像源としてCRTを用いる方式に
ついて説明する。図6はその基本構成を模式的に表した
ものである。
【0004】このディスプレイでは、3原色の単色CR
T1(1R、1G、1B)に形成された画像をそれぞれ
に対応する投射レンズ2(2R、2G、2B)によって
拡大投影し、スクリーン3上で重ねあわせてカラー画像
を形成する。ここで、添え字R、G、Bはそれぞれ赤、
緑、青に対応する。結像面に設置されるスクリーン3に
は、図示したように中心部から周辺部に向かって発散的
であって部分的には極めて指向性が強い光が入射する。
また、各部に入射する光は赤緑青で異なる角度を持って
いる。スクリーン3には、このような投射光を適切に配
光して良好な画像認識を可能にする働きが求められる。
【0005】スクリーン3として単純な光拡散シートを
用いても最低限の画像観察は可能である。しかし、投射
光は前述のように発散的に入射するので周辺部は外向き
の指向性を有することになり、スクリーン正面から観察
した場合には中心輝度に比べて周辺輝度が極端に暗くな
り、斜めから観察した場合には近い方の端部は明るく遠
い方の端部は極端に暗くなるなど、画面の明るさに顕著
な不均一が生じる。
【0006】このような不均一性を排除するために、一
般に、拡散手段より投射側にフレネルレンズシート31
が配置される。フレネルレンズシート31は、投射レン
ズ2からスクリーン3に発散的に入射する投射光を略平
行光に変換する作用を有する。この作用によって緑の投
射光はスクリーン面に垂直な平行光に変換され、青およ
び赤の投射光はスクリーン面の法線に対して水平面内で
一定の角度を有する平行光に変換される。このような状
態で投射光を単純に拡散すると、緑の投射光がスクリー
ン面の法線方向に対称に出射されるのに対し、赤および
青の投射光は非対称に出射され、見る方向によって色変
わりを生じる。この現象は「カラーシフト」と呼ばれ、
画像品位の低下をもたらす。
【0007】そこで、指向性が鋭い投射光を拡散して様
々な角度から観察可能にするとともに上記カラーシフト
を低減するために、BSペアレンチと呼ばれる特殊な構
造を有するレンチキュラレンズシート32が用いられて
いる。その機能を図7を用いて説明する。
【0008】図7はレンチキュラレンズシート32の水
平方向断面拡大図であり、緑の投射光の光線軌跡を実線
(G)で、赤の投射光の光線軌跡を破線(R)で示して
いる。図示したように入射側レンチキュラレンズ321
と出射側レンチキュラレンズ322とを光軸を共有する
ようにペアで配置することによって、斜め入射する赤光
線の出射角度を補正して緑光線と同様にスクリーン法線
方向に対称な拡散を実現してカラーシフトを低減する。
さらに、入射側レンチキュラレンズ321の集光作用に
よって、出射面での光の透過部分が限定されるため、光
不透過部に光吸収層323を設けることが可能になる。
この光吸収層は黒色でストライプ状に形成されるためブ
ラックストライプ、あるいは略してBSと呼ばれ、明る
い環境下でのスクリーンによる外光の拡散反射を大きく
低減してコントラストを改善する。
【0009】なお、通常、レンチキュラレンズは垂直方
向を長手方向として形成され、レンチキュラレンズによ
る屈折は水平方向にのみ作用して垂直方向の拡散に寄与
しない。そこで、レンチキュラレンズシートの内部に基
材とは異なる屈折率を有する材料からなる光拡散微粒子
を分散させることにより垂直方向にも光を拡散すること
も行われている。基材と光拡散微粒子との界面で、その
屈折率差Δnに基づきスネルの法則により光線が屈折さ
れ光を等方に拡散する。この屈折作用は基材と光拡散微
粒子との屈折率の差が大きいほど強く、従って、基材と
光拡散微粒子の屈折率差が大きいほど大きな拡散を示
す。
【0010】一般に、物質には波長が短くなるほど屈折
率が高くなる傾向があり、これは屈折率の波長分散と呼
ばれ、アッベ数νdで表現される。屈折率の高い材料ほ
ど分散は大きくなり、アッベ数νdは小さくなる傾向に
ある。光学樹脂材料として代表的な物質の屈折率ndと
アッベ数νdとの関係を表1および図10に示す。
【0011】
【表1】
【0012】この様に基材および光拡散微粒子を一般的
透明樹脂材料から選択し、両者間に屈折率差Δnを持た
せるためには、高屈折率高分散材料と低屈折率低分散材
料とを組み合わせざるを得ない。その結果、屈折率差Δ
nにも波長依存性が生じ、波長が短いほど屈折率差Δn
が大きくなる傾向になる。
【0013】光拡散微粒子と基材とをこのような一般的
材料の組み合わせで形成した場合、波長が短いほど屈折
率差Δnが大きくなって強い拡散を示す。その結果、波
長の短い青色の光線に対する拡散が波長の長い赤色の光
線に対する拡散より強いという拡散の波長依存性が生じ
る。
【0014】レンチキュラレンズシートの基材として
は、屈折率約1.49のPMMA(ポリメタクリル酸メ
チル)、屈折率1.52程度のMS樹脂(スチレンとM
MA(メタクリル酸メチル)との共重合体)などの透光
性樹脂が用いられる。この場合、光拡散微粒子として
は、屈折率が基材よりも0.02〜0.07程度大きな
MS樹脂よりなる真球状のビーズが用いられることが多
い。基材および光拡散微粒子に用いるMS樹脂材料の屈
折率は、MMAとスチレンとの配合比率により調整する
ことができる。MMAの屈折率は約1.49、スチレン
の屈折率は約1.59であるから、MS樹脂の屈折率は
1.49から1.59の範囲で調整可能である。MS樹
脂の波長分散は屈折率ndが大きくなるほど大きくなり
(屈折率ndが大きくなるほどアッベ数νdは小さくな
る)、図10の相関直線上にのる。
【0015】この様な材料構成でレンチキュラレンズを
形成した場合、前述の理由により基材と光拡散微粒子と
の屈折率差Δnに波長依存性が生じ、波長が短いほど屈
折率差Δnが大きくなり強い拡散を示す傾向を生じやす
い。その結果、波長の短い青色の光線に対する拡散が波
長の長い赤色の光線に対する拡散より強いという拡散の
波長依存性が生じる。特に、背面投射スクリーンには前
述のように非常に指向性の高い光が入射するので、正面
方向から見れば赤みを帯び、観察角度が大きくなるほど
(斜めから見るほど)青みを帯びるという色変動が顕著
に現れる。ただし、レンチキュラレンズシートを用いた
背面投射型スクリーンで水平方向の拡散は主としてレン
チキュラレンズによる屈折作用で行うため、色変動は垂
直方向で顕著になる。
【0016】この観察角度による色変動は、前述の3原
色の画像源を水平配置したことによるカラーシフトとは
原因が異なり、前述のペアレンチ構造で低減できるもの
ではない。
【0017】背面投射型スクリーンとしては、図8に示
すように、レンチキュラレンズシート32の内部には光
拡散微粒子を分散せず、光拡散シート33をその観察側
に配置した構成もある。このように構成すると、レンチ
キュラレンズシート32の内部で拡散されBS部に入射
することによる光損失が低減され、効率を向上するとと
もに、水平方向のカラーシフトを低減することが可能に
なる。
【0018】この構成でも、光拡散シート33に分散す
る光拡散微粒子と基材に用いる樹脂材料との波長分散特
性による前述の垂直方向の色変動は、レンチキュラレン
ズシートの内部に光拡散微粒子を分散した場合と同様に
発生しやすい。
【0019】さらに、図9に模式的に示すような液晶パ
ネルなどの空間変調素子5を画像源としてランプ4から
の光を変調する方式では、一般に投射レンズ6の前で3
原色画像を合成して1本の投射レンズで画像投射を行う
ため、前述のカラーシフト補正が不要となる。この場
合、出射面をフラットにし、該出射面の光不透過部にB
S(ブラックストライプ)を形成した透明レンチキュラ
レンズシート34と光拡散シート33とを透明接着剤で
接合したシートを用いることも提案されている。このよ
うに構成すると光拡散シート33に入射する外光は、そ
の裏面で拡散反射される前にBSによって効果的に吸収
されるので明るい環境下でのコントラストを改善するこ
とができる。
【0020】この構成では水平方向のカラーシフトを発
生しないが、一般的樹脂材料を用いたとき垂直方向の色
変動が発生しやすいという状況は同様である。
【0021】拡散の波長依存性を軽減する手段として、
「基材より高屈折率高分散材料からなる光拡散微粒子と
基材より高屈折率低分散材料からなる光拡散微粒子」の
ように、それぞれの拡散特性の波長依存性を打ち消すよ
うな複数の光拡散微粒子を組み合わせる方法が提案され
ている(特開平11−338057号公報)。この方法
によれば、トータルとして拡散の波長依存性を軽減して
観察角度による色変動の小さな特性を実現できる。
【0022】背面投射型スクリーンでは、上記のように
視野角の確保のためではなく、シンチレーションと呼ば
れる画面のギラツキを軽減するために、透光性基材に光
拡散微粒子を分散した構造を用いる場合がある。シンチ
レーションは、特に図9に示したような液晶パネルなど
の空間変調素子5を用いた方式において顕著となる。こ
の理由は、この方式ではCRT投射方式に比べて画像源
のサイズが小さいために拡大倍率が大きく、用いる投射
レンズ6のFナンバーも大きいために、スクリーン3に
到達する投射光の指向性が格段に高いためである。この
場合は、フレネルレンズシート31に光拡散微粒子が分
散される。このような方法によれば、スペックルまたは
シンチレーションを低減することが可能になる。
【0023】特開平11−338057号公報に開示さ
れているように、互いに拡散の波長依存性を打ち消し合
うような複数の光拡散微粒子を用いれば、光拡散シート
の拡散の波長依存性を軽減することができる。しかしな
がら、この場合、一方の光拡散微粒子の材料として、基
材より高屈折率低分散または低屈折率高分散の材料が必
要になる。基材および光拡散微粒子の材料として樹脂を
用いる場合、光学用途に応用可能な透光性材料としてM
MA、スチレン以外にもポリカーボネートなどを利用で
きるが、これら樹脂材料は屈折率が高いほど分散が大き
いという前述の傾向を有しており、上記組み合わせは実
現できない。
【0024】上記組み合わせを実現するためには、樹脂
に比べて高屈折率かつ低分散の傾向がある透明ガラス材
料を用いて樹脂基材よりも高屈折率低分散な光拡散微粒
子を構成する以外、現実的な選択肢はない。しかしなが
ら、ガラス材料からなる光拡散微粒子を用いて光拡散シ
ートまたは背面投射型スクリーンを形成すると、樹脂材
料からなる光拡散微粒子のみを用いた場合に比べて切断
の際の刃へのダメージが大きくなる。また、より一般的
な樹脂製光拡散微粒子に比べて製造コストが高くなると
いう課題があった。
【0025】そこで、本第I発明の第1の目的は、上記
課題を解決し、一般的な特性の樹脂材料を用いて拡散特
性の波長依存性が小さい背面投射型スクリーンを提供す
ることにある。
【0026】また、シンチレーションを軽減するために
フレネルレンズシートにも光拡散微粒子を分散すると、
解像力の劣化、効率の低下などの副作用を生じる。解像
力の劣化は、フレネルレンズシートの1点で拡散された
光がレンチキュラレンズシートに到達するまでに広が
り、レンチキュラレンズレンズシートで再度拡散される
ことにより発生する。解像力の劣化は、フレネルレンズ
シートに付与される拡散特性および2つの拡散要素の間
隔に比例して増大する。一方、効率の低下は、レンチキ
ュラレンズシートの出射面に設けられたBSによって吸
収されて損失する成分がフレネルレンズシートでの拡散
によって増加するために発生する。効率の低下は、フレ
ネルレンズシートでの拡散が大きいほど顕著になる。
【0027】上記副作用を軽微に抑えながらシンチレー
ションの低減効果を得ることが望ましいが、これに適し
た拡散のプロフィールまたはその実現手段について十分
な知見が得られていないのが現状である。
【0028】そこで、本第I発明の第2の目的は、上記
現状に鑑み、シンチレーションを低減しながらフレネル
レンズシートでの拡散による副作用を低減した背面投射
型スクリーンを提供することを目的とする。
【0029】本第I発明は、さらに、上記背面投射型ス
クリーンを用いた背面投射型ディスプレイを提供するこ
とを目的とする。
【0030】[第II発明について]近年TV受像機を中
心に大画面に対するニーズが高まっており、大画面表示
に適した装置として背面投射型ディスプレイが注目され
ている。背面投射型ディスプレイとしては画像源として
CRTを用いるのが一般的であったが液晶パネル等によ
る光変調を利用する装置が開発され、更に軽量コンパク
トを実現するものとして期待されている。その基本構成
を模式的に図16に示す。
【0031】ランプ4から照射した光を液晶パネル5に
よって空間変調して形成した画像を投射レンズ6によっ
て拡大投射する。なお、実際の装置においては、カラー
表示を実現するために3枚の液晶パネルを用いるのが一
般的であり、その場合ランプ4からの光を赤、緑、青の
成分に分解する色分解光学系、3枚の液晶パネルを透過
した光を合成する色合成光学系等を有し複雑な構造とな
るが、ここではそれらを割愛している。
【0032】また、空間変調を用いる同種の装置として
は、変調素子として反射型の液晶素子を用いるもの、更
には角度を可変できる多数の微細なミラーを構成した素
子(微細ミラーデバイス)を用いる方式などがある。
【0033】結像面に設置される背面投射型スクリーン
3には、図のように中心部から周辺部に向かって発散的
で、部分的には極めて指向性の鋭い光が入射する。その
指向性の度合いは投射指向角θによって表され、投射倍
率Mと投射レンズのFナンバーFを用いて、 θ=tan-1[1/{2×F×(M+1)}] ≒1/{2×F×(M+1)} と表すことが出来る。
【0034】ちなみに、画像源をCRTとする装置の場
合は、5インチ程度のCRTを用いるため、50インチ
クラスのディスプレイで投射倍率Mは約10、Fナンバ
ーは蛍光体からの拡散光を取り込むために小さく設定さ
れ約1程度なので、投射指向角θは0.05(約3゜)
程度になる。
【0035】一方、液晶パネルなどの画像変調素子を用
いる方式では、1インチ程度の素子を用い、また、素子
の特性から比較的指向性の高い照明光を用いる必要があ
るため、投射レンズのFナンバーは3程度と大きく、投
射指向角θは0.003(約0.2゜)程度と小さく、
スクリーンに入射する投射光の指向性は極めての強い。
【0036】スクリーン3はこの様な投射光を適切に配
光して良好な画像認識を可能にする働きをする。
【0037】スクリーン3には、単純な拡散手段(拡散
板)を用いても最低限の画像観察は可能である。しかし
ながら、投射光は前述のように発散的に入射するので周
辺部では外向きの指向性を有することになり、スクリー
ン正面から観察した場合には中心輝度に比べて周辺輝度
が極端に暗くなり、斜めから観察した場合には近い方の
端部は明るく遠い方の端部は極端に暗くなる等、画面の
明るさに顕著な不均一を生じる。
【0038】この様な不均一性を低減するために、拡散
手段より投射側にフレネルレンズシート35を配置する
のが一般的である。
【0039】フレネルレンズシート35は、投射レンズ
6からスクリーン3に発散的に入射する投射光を主指向
性がほぼスクリーン面に垂直な平行光に変換する働きを
する。
【0040】この様に、スクリーン各部での光の主指向
方向をスクリーン面に垂直な方向に変換した後に拡散す
れば、どの様な方向から観察しても画面全体に渡ってほ
ぼ均一な明るさを実現することが出来る。
【0041】さらに、拡散手段としては単純な等方拡散
板を用いる代わりに積層レンチキュラレンズシート36
を用いるのが一般的である。
【0042】観察範囲として、水平方向には様々な角度
から良好な画像認識が要求されるのに対し、垂直方向に
ついては立った状態と座った状態という限られた範囲内
で良好な画像認識が出来ればよく、異方性拡散によって
光を必要領域に有効に配分すれば全体に明るい画像を提
供できる。積層レンチキュラレンズシート36はその異
方性拡散を実現する。
【0043】積層レンチキュラレンズシート36は、B
S(ブラックストライプ)付きレンチキュラレンズフィ
ルム362と、光拡散層3612及び透明層3611が
一体的に形成された拡散シート361とからなる。図1
7に示すように、レンチキュラレンズフィルム362
は、入射面に垂直方向を長手方向とするレンチキュラレ
ンズ3621を有する。レンチキュラレンズ3621の
焦点位置が出射面とほぼ一致するように、レンチキュラ
レンズフィルム362の厚みが設定されている。従っ
て、レンチキュラレンズフィルム362に入射した投射
光は出射面近傍に集光された後出射する。レンチキュラ
レンズフィルム362の出射面には、投射光が通過しな
い、垂直方向を長手方向とするストライプ状の光不透過
領域が形成され、その光不透過領域にはストライプ状の
光吸収層(ブラックストライプ:BS)3622が設け
られる。BS付きレンチキュラレンズフィルム362の
出射面と拡散シート361の拡散層3612の側の面と
は、透明接着剤あるいは透明粘着材363で密着され
る。
【0044】図17に示すように、レンチキュラレンズ
フィルム362に形成されるレンチキュラレンズ362
1の配列ピッチPlは画素とのモアレを軽減し、高い解
像力を得るために極力小さいことが望ましい。ピッチP
lを細かくするためにはレンチキュラレンズフィルムの
出射面の光不透過領域に形成するブラックストライプ3
622の形成ピッチも細かくする必要がある。従来、光
不透過領域に正確にファインピッチのブラックストライ
プを形成するのが困難であったが、現在ではレンチキュ
ラレンズによる集光機能を利用して選択露光する方法が
開発され、0.2mm程度以下のファインピッチが可能
になっている。この場合、レンチキュラレンズフィルム
362に求められる拡散角を実現し、出射面に光を集光
するために、その厚みtlは0.3mm以下になる。
【0045】拡散シート361はPMMA(ポリメチル
メタクリレート)あるいはMS樹脂(スチレン(屈折率
1.59)とMMA(メタクリル酸メチル)(同1.4
9)との共重合体)などの透明材料を基材として、拡散
層3612部分にのみ、前記基材を構成する透明材料の
屈折率より僅かに大きな屈折率を有する光拡散微粒子を
分散させる。拡散シート361の厚みは積層レンチキュ
ラレンズシート36全体を安定に保持できる機械強度を
得るために2mm程度が一般的であり、拡散層3612
の厚みは0.1〜0.2mm程度とし、透明層3611
を1.9〜1.8mm程度としている。
【0046】なお、拡散シート361を二層構造とせ
ず、約2mmの厚み全体に拡散材を分散しても同様な拡
散機能を実現することが出来るが、上記二層構造に比べ
解像力に劣り、特に視野角を広くするために大きな拡散
特性を付与した場合に顕著な解像力劣化を生じやすい。
【0047】このように構成することにより、フレネル
レンズシート35によってほぼ平行光に変換された投射
光は、水平方向にはレンチキュラレンズ3621の屈折
作用と拡散層3612中の光拡散微粒子との相乗作用に
よって相対的に広い範囲に拡散され、垂直方向には拡散
層3612中の光拡散微粒子の作用のみによって相対的
に狭い範囲に拡散され、上記異方拡散が実現される。
【0048】上記の様な光変調素子を用いた背面投射型
ディスプレイでは、画像源としてCRTを用いた装置で
は顕在化しなかったシンチレーションという現象が問題
になっている。シンチレーションとは、微細な明暗によ
り画面にギラつきを生じる現象でスペックルとも呼ばれ
る。
【0049】光変調素子を用いた背面投射型ディスプレ
イでシンチレーションが特に顕在化する理由は、前述の
様にスクリーンに入射する投射光の指向性がCRTを用
いたディスプレイに比べ格段に鋭く、空間的コヒーレン
スが高いため光拡散微粒子で拡散した光が互いに干渉す
るためと考えられている。
【0050】この様なシンチレーションを低減する方法
として、特開平8−313865号公報では、拡散要素
を一定の距離を隔てて2層設けることを提案している。
この場合、その内部に光拡散微粒子を分散するのが一般
的な積層レンチキュラレンズシートを拡散要素とするこ
とに加えて、積層レンチキュラレンズシートとともにス
クリーンの基本要素であるフレネルレンズシート35を
拡散要素とするのが一般的である。
【0051】特開平10−293361号公報および特
開平10−293362号公報には、フレネルレンズシ
ートに付与する適切な拡散特性をヘイズ値で規定してい
る。
【0052】この様に、積層レンチキュラレンズシート
36に加えて、フレネルレンズシート35にも光拡散微
粒子を分散すると、シンチレーションを低減することが
可能になるが、背面投射型ディスプレイとして好ましく
ない副作用を生じる。
【0053】第1の副作用はフレネルレンズシート35
で拡散した光のうち比較的大きな角度で積層レンチキュ
ラレンズシート36に入射する成分がレンチキュラレン
ズフィルム362に設けられたブラックストライプ36
22によって吸収され損失すると言う問題である。
【0054】シンチレーションはフレネルレンズシート
35に付与する拡散特性が大きいほどその低減効果が大
きいが、拡散特性が大きいほど前記吸収損失が大きくな
る。
【0055】第2の副作用はフレネルレンズシート35
と積層レンチキュラレンズシート36との間に空隙が生
じると解像力が急激に劣化すると言う問題である。
【0056】フレネルレンズシート35および積層レン
チキュラレンズシート36は一般的に樹脂で形成される
ため、環境の温度、湿度の変化によって反り変形を生じ
易い。この様な環境変化によってフレネルレンズシート
35と積層レンチキュラレンズシート36との間に空隙
が発生するのを軽減するためには、両者が密接するよう
に予め両者に反りを付与して周辺を固定する方法がある
が、この様な手段を用いても、考え得る環境変化におい
て前記空隙の発生を完全に防止するのは困難である。
【0057】また、この様に積層レンチキュラレンズシ
ート36およびフレネルレンズシート35に予め反りを
付与すると、装置に装着した状態でスクリーン表面に湾
曲が生じる。この様な状態では、場所によって投射倍率
の分布を生じ、投写像に画像歪みが発生する。また、外
光の反射像にも歪みを生じ、特に電源をオフした状態で
見苦しいものになる。
【0058】本第II発明は、上記の問題を解決し、シン
チレーションの発生を軽微なものとしながらブラックス
トライプによる吸収損失が発生せず、環境変化によって
解像力が劣化することの無い背面投射型スクリーンとこ
れを用いた背面投射型ディスプレイとを提供することを
目的とする。
【0059】
【課題を解決するための手段】[第I発明について]上
記第1の目的を達成するために、本第I発明の背面投射
型スクリーンでは、内部に拡散要素として分散する光拡
散微粒子を、基材との屈折率の差Δnと平均粒径dとの
積Δn×dが0.5〜0.9の範囲内となるように設定
することとした。これにより、基材よりも高屈折率低分
散または低屈折率高分散といった特殊な特性の材料から
なる光拡散微粒子を用いる必要がなく、一般的な樹脂材
料からなる光拡散微粒子を用いて、波長依存性の小さな
拡散特性を実現できる。
【0060】また、上記第2の目的を達成するために、
本第I発明の背面投射型スクリーンにおいては、フレネ
ルレンズシートに分散する光拡散微粒子による光の拡散
を、光拡散シートまたはレンチキュラレンズシートに分
散する光拡散微粒子による光の拡散よりも小さいものと
し、かつフレネルレンズシートに分散する光拡散微粒子
を、上記Δn×dが0.1〜0.3の範囲内となるよう
に設定することとした。これにより、解像力の低下や光
損失などの副作用を小さく抑えながらシンチレーション
を効果的に低減できる。
【0061】また、本第I発明の背面投射型ディスプレ
イは、上記の本第I発明の背面投射型スクリーンを備え
るので、観察方向による色調の変化が少なく、シンチレ
ーションが軽微で解像力に優れた画像表示を実現でき
る。
【0062】[第II発明について]上記目的を達成する
ために、本第II発明の背面投射型ディスプレイおよび背
面投射型スクリーンは、積層レンチキュラレンズシート
に設けた拡散層をレンチキュラレンズアレイの焦点面か
ら外れた位置であって、シンチレーション低減に有効で
かつ解像力劣化の軽微な所定の範囲内に設ける。更に、
好ましくは、実質的に光拡散材を含まない透明なフレネ
ルレンズシートを用いる。
【0063】即ち、本第II発明の第1の背面投射型ディ
スプレイは、空間変調素子と、前記空間変調素子により
形成された画像が背面に投写され、その反対側の面から
画像を観察する背面投射型スクリーンとを備えた背面投
射型ディスプレイであって、前記背面投射型スクリーン
は、前記空間変調素子からの投射光を略平行光に変換す
る第1のスクリーン要素と、前記略平行光を拡散する第
2のスクリーン要素とを含み、前記第2のスクリーン要
素は、前記投射側の面に形成された垂直方向を長手方向
として配列されたレンチキュラレンズアレイと、前記レ
ンチキュラレンズアレイより観察側に形成された拡散層
と、前記レンチキュラレンズアレイと前記拡散層との間
の透明層とを含み、前記拡散層の投射側の面と前記レン
チキュラレンズアレイの焦点面との距離t1が以下の式
II−1を満たし、前記拡散層の観察側の面と前記レンチ
キュラレンズアレイの焦点面との距離t2が以下の式II
−2を満たすことを特徴とする。
【0064】式II−1 : t1≧fl 式II−2 : t2≦fl×Pg/Pl ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
面との距離、Pgはスクリーン上の画素ピッチ、Plは
レンチキュラレンズアレイの配列ピッチである。
【0065】かかる第1の背面投射型ディスプレイによ
れば、式II−1を満足することによりシンチレーション
の発生を軽微なものとすることができ、式II−2を満足
することにより高い解像力を実現できる。
【0066】また、本第II発明の第2の背面投射型ディ
スプレイは、前記拡散層の観察側の面と前記レンチキュ
ラレンズアレイの焦点面との距離t2が、上記第1の背
面投射型ディスプレイの式II−2に代えて、以下の式II
−3を満たすことを特徴とする。
【0067】 式II−3 : t2≦Pg/2/tan(γi) ここで、γiは拡散層の拡散によって輝度が正面方向の
1/10になる観察角度γの前記透明層内換算角であ
り、前記透明層の屈折率nを用いて式II−4で与えられ
る。
【0068】 式II−4 : γi=asin(sin(γ)/n) かかる第2の背面投射型ディスプレイによれば、式II−
1を満足することによりシンチレーションの発生を軽微
なものとすることができ、式II−3を満足することによ
り高い解像力を実現できる。
【0069】次に、本第II発明の第1の背面投射型スク
リーンは、空間変調素子により形成された画像が背面に
投写され、その反対側の面から画像を観察する背面投射
型スクリーンであって、前記空間変調素子からの投射光
を略平行光に変換する第1のスクリーン要素と、前記略
平行光を拡散する第2のスクリーン要素とを含み、前記
第2のスクリーン要素は、前記投射側の面に形成された
垂直方向を長手方向として配列されたレンチキュラレン
ズアレイと、前記レンチキュラレンズアレイより観察側
に形成された拡散層と、前記レンチキュラレンズアレイ
と前記拡散層との間の透明層とを含み、前記拡散層の投
射側の面と前記レンチキュラレンズアレイの焦点面との
距離t1が以下の式II−1を満たし、前記拡散層の観察
側の面と前記レンチキュラレンズアレイの焦点面との距
離t2が以下の式II−5を満たすことを特徴とする。
【0070】式II−1 : t1≧fl 式II−5 : t2≦fl/Pl×0.7 ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
面との距離、Plはレンチキュラレンズアレイの配列ピ
ッチである。また、t1の単位はflに準じ、t2の単
位はmmである。
【0071】かかる第1の背面投射型スクリーンによれ
ば、式II−1を満足することによりシンチレーションの
発生を軽微なものとすることができ、式II−5を満足す
ることにより高い解像力を実現できる。
【0072】また、本第II発明の第2の背面投射型スク
リーンは、前記拡散層の観察側の面と前記レンチキュラ
レンズアレイの焦点面との距離t2が、上記第1の背面
投射型スクリーンの式II−5に代えて、以下の式II−6
を満足することを特徴とする。
【0073】 式II−6 : t2≦0.35/tan(γi) ここで、γiは拡散層の拡散によって輝度が正面方向の
1/10になる観察角度γの前記透明層内換算角であ
り、前記透明層の屈折率nを用いて式II−7で与えられ
る。また、t2の単位はmmである。
【0074】 式II−7 : γi=asin(sin(γ)/n) かかる第2の背面投射型スクリーンによれば、式II−1
を満足することによりシンチレーションの発生を軽微な
ものとすることができ、式II−6を満足することにより
高い解像力を実現できる。
【0075】
【発明の実施の形態】[第I発明について]まず、個々
の実施形態について説明する前に、発明の基礎となった
事項について記述する。本発明者らは、様々な屈折率、
粒径の光拡散微粒子を用いた光拡散シートを試作してス
クリーンを構成し、背面投射型ディスプレイに装着して
その特性を詳細に検討した結果、屈折率波長分散が基材
と異なる材料からなる光拡散微粒子を単独で用いても、
その粒径と屈折率とを最適化することにより拡散特性の
波長依存性を軽減し得ることを見出した。
【0076】光拡散シートの試作には、基板材料として
屈折率1.49のMMAを用い、光拡散微粒子としては
MMAとスチレンの共重合樹脂(MS樹脂)を用いた。
光拡散微粒子としては、MS樹脂の配合比率を調整する
ことにより、屈折率が1.52〜1.55(屈折率差Δ
n:0.03〜0.06)、平均粒径が4μm〜13.
3μmの範囲で9種類作製した。
【0077】こうして得た光拡散シートを用いて図9に
示すようにスクリーン3を構成し、背面投射型ディスプ
レイに装着して白色表示して、画面中央部分の表示光の
輝度および色温度を正面方向(法線方向)を基準として
垂直方向に角度を変えて測定した。
【0078】前述の様に、スクリーン3には非常に指向
性の高い光が入射する。これを、フレネルレンズシート
31で平行化した後、レンチキュラレンズシート34で
水平方向にのみ拡散しているので、光拡散シート33に
は水平方向にのみ拡散され垂直方向には鋭い指向性を保
った状態で光が入射する。
【0079】上記構成で、フレネルレンズシート31お
よびレンチキュラレンズシート34には光拡散微粒子を
配合しておらず透明である。従って、垂直方向への拡散
要素としては光拡散シート33に配合した光拡散微粒子
のみであり、上記測定によって光拡散微粒子の拡散特性
を評価することが出来る。
【0080】なお、背面投射型スクリーンの代わりにほ
ぼ完全反射とみなし得る白色拡散板を用いて反射光を測
定したところ、測定角に依存しない一様な反射輝度およ
び色温度を得た。その色温度は約11000Kであっ
た。
【0081】上記の9種類の光拡散微粒子の中から、屈
折率1.53(Δn=0.04),平均粒径4.0μm
(Δn×d=0.16μm)、屈折率1.53(Δn=
0.04),平均粒径7.2μm(Δn×d=0.29
μm)、屈折率1.55(Δn=0.06),平均粒径
13.3μm(Δn×d=0.80μm)の3種の光拡
散微粒子を用いた光拡散シートの色温度および輝度の評
価結果を図1および図2に示す。
【0082】図1および図2で、横軸は輝度がピーク値
の1/3に減衰する角度(β角と呼ばれほぼ実用視野範
囲と考えられる)で規格化した測定角度(規格化角度)
である。このように規格化角度を用いることによって、
拡散パターンまたは色温度特性を拡散の絶対量によらず
比較することができる。
【0083】Δn×d=0.16の光拡散微粒子を用い
た場合、正面方向の色温度が低く、観察角度(スクリー
ンの法線となす角度)が大きくなるに従って色温度が高
くなっている(図1)。これは、波長の短い青光線の拡
散が波長の長い赤光線の拡散より大きく、正面近傍には
赤光線の配分比率が相対的に大きく、観察角度が大きく
なるに従って青光線の配分比率が大きくなることを示し
ており、Δnの波長依存性に応じて拡散の波長依存性が
発生すると仮定したシミュレーション結果とほぼ一致す
る。また、拡散パターンは正面近傍への拡散に優れ、相
対的に大きな角度方向への配分の少ないプロフィールに
なっている(図2)。
【0084】Δn×d=0.29μmの光拡散微粒子を
用いた場合も、Δn×d=0.16の場合と同様、Δn
の波長依存性に応じて拡散の波長依存性が発生した。こ
の光拡散微粒子は、光源が透けて見える、いわゆるシー
スルーを低減するために、従来から光拡散シートに使用
されていたものに相当する。
【0085】Δn×dを大きくすると上記傾向は緩和さ
れ、Δn×d=0.80の光拡散微粒子を用いた場合で
は正面近傍で観察角度が大きくなると色温度が逆に低下
している(図1)。このように、Δn×dを大きくする
と、図1に示す曲線が略U字形から略W字形へと変化し
た。また、拡散パターンは、Δn×dを大きくすると正
面近傍の拡散が相対的に小さくなり大きな角度方向への
配分の大きなプロフィールになる(図2)。
【0086】さらに詳細に検討した結果、正面近傍の拡
散に優れたパターンを実現するためには光拡散微粒子の
Δn×dを0.2μm近傍に設定するのが好ましく、
0.1μm〜0.3μmの範囲では拡散パターンにほと
んど変化がないことが確認された。この範囲よりもΔn
×dを大きくすると拡散パターンが相対的に正面方向で
鋭く裾を引くパターンになるとともに、その拡散パター
ンに波長依存性が生じて波長が短いほど正面方向に鋭く
裾を引く傾向が顕著になった。この傾向は、屈折率差Δ
nの波長依存性による拡散特性の波長依存性を緩和する
ように作用すると考えられる。
【0087】上記9種の試作拡散シートについて、この
色温度シフトの模様を、β角での測定色温度の正面色温
度からの変化量としてグラフ化したのが図3である。図
3において横軸は用いた光拡散微粒子の基材との屈折率
差Δnと平均粒径dの積Δn×d、縦軸はβ角での色温
度シフト(正面方向での色温度からの変化量)であり、
それぞれの実測値を黒色の四角「■」でプロットし、近
似直線を付与している。色温度シフト(正面→β角)は
Δn×d=0.7μm近傍で極小化される。上記9種の
試作範囲で最も色温度シフトが小さかったのは、屈折率
1.55(Δn=0.06)平均粒径13.3μm(Δ
n×d=0.80μm)の光拡散微粒子を用いたもので
あり色温度シフトは−410Kであった。このサンプル
は図1および図2にその特性を示したうちの1種であ
る。
【0088】ただし、この光拡散微粒子は平均粒径が1
3.3μmと比較的粒径が大きいため、所定視野角を実
現するために多大の光拡散微粒子を分散する必要が有
り、また、光拡散シートの表面粗さが大きくなり積層時
に不良を発生しやすいという問題があった。
【0089】そこで、上記から得られた知見を元に最適
条件であるΔn×d≒0.7を満たし、より少ない配合
量で効果的な拡散を実現し、表面状態を改善するため
に、平均粒径6.4μm、屈折率1.59(Δn×d=
0.64μm)のスチレン製光拡散微粒子を試作して、
同様にスクリーンを構成し評価した。その結果、色温度
シフト600Kと良好な結果を得た。その実測値を図3
に「*」で示している。
【0090】この様に、新たに試作した光拡散微粒子を
用いても、前記9種の光拡散微粒子によって得た相関直
線上の特性を有すること確認し、Δn×dによって色温
度シフトを制御し得ると言う知見の妥当性を検証すると
共に、比較的大粒径の光拡散微粒子を用いた場合とほぼ
等価な拡散特性を、より少ない光拡散微粒子の配合割合
で実現し得ることを見出した。
【0091】なお、実用上支障がない範囲は、色温度シ
フトが2000K以内である。図3より、Δn×dを
0.5μm〜0.9μmの範囲に設定すれば、実用視野
角βの範囲で実用上支障のない色温度特性を実現できる
ことが確認できる。さらに良好な色温度特性を得るため
には、Δn×dを0.6μm〜0.8μmとすることが
好ましい。
【0092】以上は、MMA、スチレンおよびその共重
合体から選ばれる少なくとも1種を材料として基材およ
び光拡散微粒子を構成した結果についての検討である
が、透光性樹脂材料を用いる限り屈折率の大きな材料ほ
ど屈折率の波長分散も大きいという傾向は同様であり、
例えば光拡散微粒子としてポリカーボネート材料を用い
ても同様な結果が得られる。
【0093】また、上記では試作、評価を簡便にするた
め図9に示すスクリーン3の光拡散シート33内に光拡
散微粒子を分散させた場合で説明したが、図6の様なス
クリーン構成でレンチキュラレンズシート32の内部に
光拡散微粒子を配合した場合でも、垂直方向の拡散が配
合した光拡散微粒子に依存する点で上記と共通であり、
図1から図3に示した特性と同様の特性を示す。
【0094】以上の検討結果をもとに、良好な特性を実
現する背面投射型スクリーン、およびこのスクリーンを
用いた背面投射型ディスプレイについて、本第I発明の
好ましい実施形態を説明する。
【0095】(実施の形態I−1)本実施形態の背面投
射型スクリーンは、例えば図6に示した構成を有し、少
なくともレンチキュラレンズシート32およびフレネル
レンズシート31を含み、レンチキュラレンズシート3
2が樹脂材料からなる基材内に、この基材の屈折率と異
なる屈折率を有する樹脂材料からなる光拡散微粒子を含
み、この光拡散微粒子が以下の式I−1を満たす。
【0096】式I−1 : 0.5μm ≦ ΔNl×
dl ≦ 0.9μm ただし、式I−1においてΔNlは光拡散微粒子とレン
チキュラレンズシート基材との屈折率差、dlは光拡散
微粒子の平均粒径である。
【0097】基材および光拡散微粒子には、図10に示
したような屈折率が高いほどアッベ数νdが小さくなる
(分散は大きくなる)と言う特性を有する一般的樹脂材
料を組み合わせて用いることが出来る。
【0098】即ち、光拡散微粒子を構成する材料の屈折
率をn1,アッベ数をν1とし、その光拡散微粒子を分
散するレンチキュラレンズシート32の材料の屈折率を
n2,アッベ数をν2としたとき、下記式I−3を満た
すように、光拡散微粒子及びレンチキュラレンズシート
32の樹脂材料を選択して使用することができる。
【0099】式I−3 : (n1−n2)×(ν1−
ν2) < 0 この背面投射型スクリーン3は、図6に例示されている
ように、互いに平行に配置され、ともに透光性樹脂材料
を基材とするレンチキュラレンズシート32およびフレ
ネルレンズシート31を含んでいる。
【0100】レンチキュラレンズシート32は、MM
A、スチレンまたはその共重合樹脂などの透光性樹脂を
基材として、その内部に基材とは屈折率が異なる上記透
光性樹脂からなる光拡散微粒子を等方拡散要素として分
散させて作製することができる。ここで、製法に特に制
限はなく、例えば、キャスト法、射出成形法、押し出し
成形法などで予め形成した平板状の光拡散シートを熱プ
レスしてレンチキュラレンズ形状を付与する方法、また
は所望するレンチキュラレンズ形状の反転形状に加工し
たロール状の金型を用いて樹脂を押し出しながら付形す
るロール押し出し成形法などを適用できる。
【0101】式I−1に示したように、光拡散微粒子の
基材との屈折率差Δnと平均粒径dの積Δn×dを0.
5μm〜0.9μmの範囲に設定すれば、光拡散微粒子
および基材に一般的波長分散特性の材料を用いながら、
実用視野角βの範囲で色温度変動が2000K以下の色
温度特性の優れた背面投射型スクリーンを実現できる。
【0102】なお、上記構成では、正面近傍の拡散作用
が相対的に小さくなるため、背面投射型ディスプレイと
して構成した時にホットバンドと呼ばれる水平方向に伸
びる帯状の明るい領域(輝線)が観察される場合があ
る。
【0103】このような場合には、レンチキュラレンズ
シート32に、式I−1を満たす上記光拡散微粒子を主
たる拡散要素として添加し、更に副たる拡散要素として
レンチキュラレンズシート32の基材の屈折率とは異な
る屈折率を有する樹脂材料からなり、以下の式I−5を
満たす光拡散微粒子を添加することが好ましい。
【0104】式I−5: 0.1μm ≦ ΔNs×d
s ≦ 0.3μm ただし、式I−5おいてΔNsは副たる拡散要素となる
光拡散微粒子とこれを含むレンチキュラレンズシート基
材との屈折率差、dsは副たる拡散要素となる光拡散微
粒子の平均粒径である。
【0105】このように構成すれば、正面近傍の拡散を
改善して光源が透けて見えるなどの欠点を防止すること
ができる。ただし、この副たる光拡散微粒子の添加は光
源が透けて見えるなどの欠点が改善されるのに必要かつ
最低量とすることが好ましい。副たる光拡散微粒子によ
る視野角に対する作用が主たる光拡散微粒子による作用
より大きくなると拡散の色温度特性が損なわれる場合が
あるためである。
【0106】一般的に拡散機能は、分散する光拡散微粒
子の濃度Aが高いほど、光拡散微粒子を含有する層(拡
散層)の厚みtが大きいほど、光拡散微粒子の平均粒径
dが小さいほど、基材との屈折率差Δnが大きいほど高
くなり、A×t/d×Δnにほぼ比例する。
【0107】そこで、上記弊害を防止するためには、主
たる拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径dm、配合
体積濃度Am、主たる拡散要素となる光拡散微粒子を含
む基材層の積層厚みtm、主たる拡散要素となる光拡散
微粒子とこれを含む基材との屈折率差ΔNmと、副たる
拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径ds、配合体積
濃度As、副たる拡散要素となる光拡散微粒子を含む基
材層の積層厚みts、副たる拡散要素となる光拡散微粒
子とこれを含む基材との屈折率差ΔNsとが下記式I−
6満たす様にこれらを設定することが好ましい。
【0108】式I−6: Am×tm/dm×ΔNm
> As×ts/ds×ΔNs なお、レンチキュラレンズシート32内に主たる光拡散
微粒子と副たる光拡散微粒子とを含有させる場合、レン
チキュラレンズシート32を多層構成として、主たる光
拡散微粒子と副たる光拡散微粒子とを共通する層に分散
含有させても良く、あるいは、主たる光拡散微粒子と副
たる光拡散微粒子とを異なる層に別々に分散含有させて
も良い。前者の場合、上記式I−6における積層厚みt
mと積層厚みtsとは一致する。
【0109】前記ホットバンドを低減する別の方法とし
て、フレネルレンズシート31の投射側の面に水平方向
を長手方向とするレンチキュラレンズアレイを形成する
のも効果的である。
【0110】レンチキュラレンズは空気との界面での屈
折作用により光を限られた角度範囲に効果的に拡散する
ため、正面近傍の拡散特性に優れホットバンドを低減す
る効果が大きい。ただし、この拡散角を大きくしすぎる
とレンチキュラレンズ32に分散した光拡散微粒子によ
る拡散との多重拡散により解像力を損なうので、ホット
バンドを低減するために必要かつ最小限に抑えるのが好
ましい。具体的には、フレネルレンズシート31の投射
側の面に設けるレンチキュラレンズによる上記拡散角度
範囲は±3°程度以下であることが好ましい。
【0111】また、モアレ低減、シンチレーション低減
などの目的でフレネルレンズシート31の内部にも光拡
散微粒子を分散させる場合は、フレネルレンズシート3
1の基材をなす樹脂材料の屈折率と異なる屈折率を有す
る樹脂材料からなり、以下の式I−4を満たす光拡散微
粒子を分散させることが好ましい。
【0112】式I−4: 0.1μm ≦ ΔNf×d
f ≦ 0.3μm ただし、式I−4おいてΔNfはフレネルレンズシート
に含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材と
の屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる光
拡散微粒子の平均粒径である。
【0113】この場合は、フレネルレンズシート31に
含まれる光拡散微粒子による光の拡散がレンチキュラレ
ンズシート32に含まれる光拡散微粒子による光の拡散
よりも小さい範囲内で、フレネルレンズシート31に光
拡散微粒子を添加することが好ましい。
【0114】フレネルレンズシート31に光拡散微粒子
を添加するとともに、レンチキュラレンズシート32に
上記副たる拡散要素となる光拡散微粒子を添加してもよ
い。これらの光拡散微粒子の合計量は、視野角に対する
これらの光拡散微粒子による作用が式I−1を満たす主
たる拡散要素となる光拡散微粒子による作用よりも小さ
い範囲とすることが好ましい。
【0115】(実施の形態I−2)本実施形態の背面投
射型スクリーンは、例えば図8又は図9に示した構成を
有し、少なくとも光拡散シート33、レンチキュラレン
ズシート32(又は34)およびフレネルレンズシート
31を含み、光拡散シート33が樹脂材料からなる基材
内にこの基材の屈折率と異なる屈折率を有する樹脂材料
からなる光拡散微粒子を含み、この光拡散微粒子が以下
の式I−2満たす。
【0116】式I−2: 0.5μm ≦ ΔNp×d
p ≦ 0.9μm ただし、式I−2おいてΔNpは光拡散微粒子と光拡散
シート基材との屈折率差、dpは光拡散微粒子の平均粒
径である。
【0117】基材および光拡散微粒子には、図10に示
したような屈折率が高いほどアッベ数νdが小さくなる
(分散は大きくなる)と言う特性を有する一般的樹脂材
料を組み合わせて用いることが出来る。
【0118】即ち、光拡散微粒子を構成する材料の屈折
率をn1,アッベ数をν1とし、その光拡散微粒子を分
散する光拡散シート33の材料の屈折率をn2,アッベ
数をν2としたとき、下記式I−3を満たすように、光
拡散微粒子及び光拡散シート33の樹脂材料を選択して
使用することができる。
【0119】式I−3 : (n1−n2)×(ν1−
ν2) < 0 この背面投射型スクリーンは、図8又は図9に例示され
ているように、互いに平行に配置され、ともに透光性樹
脂材料を基材とする光拡散シート33、レンチキュラレ
ンズシート32(又は34)およびフレネルレンズシー
ト31を含んでいる。
【0120】光拡散シート33は、MMA、スチレンま
たはその共重合樹脂などの透光性樹脂を基材として、そ
の内部に基材とは屈折率が異なる上記透光性樹脂からな
る光拡散微粒子を等方拡散要素として分散させて作製す
ることができる。ここで、製法に特に制限はなく、例え
ば、キャスト法、射出成形法、押し出し成形法などを適
用できる。
【0121】本実施形態でも、式I−2に示したよう
に、光拡散微粒子の基材との屈折率差Δnと平均粒径d
の積Δn×dを0.5μm〜0.9μmの範囲に設定す
ることにより、光拡散微粒子および基材に一般的波長分
散特性の材料を用いながら、実用視野角βの範囲で色温
度変動が2000K以下の色温度特性の優れた背面投射
型スクリーンを実現できる。
【0122】なお、上記構成では、正面近傍の拡散作用
が相対的に小さくなるため、背面投射型ディスプレイと
して構成した時にホットバンドと呼ばれる水平方向に伸
びる帯状の明るい領域(輝線)が観察される場合があ
る。
【0123】このような場合には、実施の形態1と同様
に、光拡散シート33に、式I−2を満たす上記光拡散
微粒子を主たる拡散要素として添加し、更に副たる拡散
要素として光拡散シート33の基材の屈折率とは異なる
屈折率を有する樹脂材料からなり、以下の式I−5を満
たす光拡散微粒子を添加することが好ましい。
【0124】式I−5: 0.1μm ≦ ΔNs×d
s ≦ 0.3μm ただし、式I−5おいてΔNsは副たる拡散要素となる
光拡散微粒子とこれを含む光拡散シート基材との屈折率
差、dsは副たる拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒
径である。
【0125】このように構成すれば、正面近傍の拡散を
改善して光源が透けて見えるなどの欠点を防止すること
ができる。ただし、この副たる光拡散微粒子の添加は光
源が透けて見えるなどの欠点が改善されるのに必要かつ
最低量とすることが好ましい。副たる光拡散微粒子によ
る視野角に対する作用が主たる光拡散微粒子による作用
より大きくなると拡散の色温度特性が損なわれる場合が
あるためである。
【0126】また、実施の形態1と同様の理由から、主
たる拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径dm、配合
体積濃度Am、主たる拡散要素となる光拡散微粒子を含
む基材層の積層厚みtm、主たる拡散要素となる光拡散
微粒子とこれを含む基材との屈折率差ΔNmと、副たる
拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径ds、配合体積
濃度As、副たる拡散要素となる光拡散微粒子を含む基
材層の積層厚みts、副たる拡散要素となる光拡散微粒
子とこれを含む基材との屈折率差ΔNsとが下記式I−
6満たす様にこれらを設定することが好ましい。
【0127】式I−6: Am×tm/dm×ΔNm
> As×ts/ds×ΔNs なお、光拡散シート33内に主たる光拡散微粒子と副た
る光拡散微粒子とを含有させる場合、光拡散シート33
を多層構成として、主たる光拡散微粒子と副たる光拡散
微粒子とを共通する層に分散含有させても良く、あるい
は、主たる光拡散微粒子と副たる光拡散微粒子とを異な
る層に別々に分散含有させても良い。前者の場合、上記
式I−6における積層厚みtmと積層厚みtsとは一致
する。
【0128】また、ホットバンドを低減するために、フ
レネルレンズシート31の投射側の面に水平方向を長手
方向とするレンチキュラレンズアレイを形成するのが効
果的なのは実施の形態1と同様である。また、このと
き、フレネルレンズシート31の投射側の面に設けるレ
ンチキュラレンズによる拡散角度範囲は±3°程度以下
であることが好ましいことも、実施の形態1と同様であ
る。
【0129】また、モアレ低減、シンチレーション低減
などの目的でフレネルレンズシート31の内部にも光拡
散微粒子を分散させる場合は、フレネルレンズシート3
1の基材をなす樹脂材料の屈折率と異なる屈折率を有す
る樹脂材料からなり、以下の式I−4を満たす光拡散微
粒子を分散させることが好ましい。
【0130】式I−4: 0.1μm ≦ ΔNf×d
f ≦ 0.3μm ただし、式I−4おいてΔNfはフレネルレンズシート
に含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材と
の屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる光
拡散微粒子の平均粒径である。
【0131】この場合は、フレネルレンズシート31に
含まれる光拡散微粒子による光の拡散が光拡散シート3
3に含まれる光拡散微粒子による光の拡散よりも小さい
範囲内で、フレネルレンズシート31に光拡散微粒子を
添加することが好ましい。
【0132】フレネルレンズシート31に光拡散微粒子
を添加するとともに、光拡散シート33に上記副たる拡
散要素となる光拡散微粒子を添加してもよい。これらの
光拡散微粒子の合計量は、視野角に対するこれらの光拡
散微粒子による作用が式I−2を満たす主たる拡散要素
となる光拡散微粒子による作用よりも小さい範囲とする
ことが好ましい。
【0133】(実施の形態I−3)本実施形態の背面投
射型スクリーンは、例えば図6に示した構成を有し、少
なくともレンチキュラレンズシート32およびフレネル
レンズシート31を含み、レンチキュラレンズシート3
2およびフレネルレンズシート31がそれぞれ樹脂材料
からなる基材内に各基材の屈折率とは異なる屈折率を有
する樹脂材料からなる光拡散微粒子を含み、フレネルレ
ンズシート31に含まれる光拡散微粒子による光の拡散
がレンチキュラレンズシート32に含まれる光拡散微粒
子による光の拡散よりも小さく、フレネルレンズシート
31に含まれる光拡散微粒子が以下の式I−4を満た
す。
【0134】式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×
df ≦ 0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
光拡散微粒子の平均粒径である。
【0135】あるいは、本実施形態の背面投射型スクリ
ーンは、例えば図8又は図9に示した構成を有する。こ
の場合は、少なくとも光拡散シート33、レンチキュラ
レンズシート32(又は34)およびフレネルレンズシ
ート31を含み、光拡散シート33およびフレネルレン
ズシート31がそれぞれ樹脂材料からなる基材内に各基
材の屈折率とは異なる屈折率を有する樹脂材料からなる
光拡散微粒子を含み、フレネルレンズシート31に含ま
れる光拡散微粒子による光の拡散が光拡散シート33に
含まれる光拡散微粒子による光の拡散よりも小さく、フ
レネルレンズシート31に含まれる光拡散微粒子が以下
の式I−4を満たす。
【0136】式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×
df ≦ 0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
光拡散微粒子の平均粒径である。
【0137】本実施形態では、ΔNf×dfを0.1μ
m〜0.3μmの範囲に設定することにより、正面近傍
の拡散効果に優れ、シンチレーション低減に有効な拡散
特性を実現できる。また、相対的に大きな角度方向への
拡散成分が小さいので解像力の劣化を生じにくく、ま
た、BS付きのレンチキュラレンズシートと組み合わせ
ても光を損失する割合が小さい。
【0138】フレネルレンズシート31は、MMA、ス
チレンまたはその共重合樹脂などの透光性樹脂を基材と
して、その内部に基材とは屈折率の異なる上記透光性樹
脂からなる光拡散微粒子を等方拡散要素として分散させ
て作製することができる。ここで、製法に特に制限はな
く、例えば、キャスト法、射出成形法、押し出し成形法
などで予め形成した平板状の光拡散シートを熱プレスし
てフレネルレンズ形状を付与する方法、または上記光拡
散シートを基材としてその表面に紫外線硬化樹脂を用い
てフレネルレンズ形状を付与する方法などを適用でき
る。
【0139】本実施形態のフレネルレンズシートは、特
に実施の形態1または2に記載の色温度特性を改善した
レンチキュラレンズシートまたは光拡散シートと組み合
わせると、色温度特性の改善に付随して顕著になる傾向
になるホットバンドを緩和する効果を得ることができ
る。
【0140】(実施の形態I−4)本実施の形態の背面
投射型ディスプレイは、図4に示した構成を有し、上記
で説明した背面投射型スクリーンを備えている。なお、
図4は、主要要素の配置が分かるように透視図としてい
る。
【0141】このディスプレイでは、CRT1(1R、
1G、1B)に形成した3原色の画像をそれぞれの投射
レンズ2(2R、2G、2B)によって拡大投射する。
ミラー71によって折り曲げられた3原色画像はスクリ
ーン3上で重ね合わされてカラー画像として結像し、ス
クリーン3の作用によって拡散されて様々な角度から画
像として観察可能になる。これらの部材は、装置内への
外光の侵入を防止するキャビネット72の内部に配置さ
れている。
【0142】スクリーン3は、図6又は図8に例示した
ように構成される。スクリーン3が図6の構成を採る場
合はレンチキュラレンズシート32の内部に、また、ス
クリーン3が図8の構成を採る場合には光拡散シート3
3の内部に、上記で説明したようにΔn×dが0.5μ
m〜0.9μmの範囲になるように設定された光拡散微
粒子が含まれている。このように構成すれば、光拡散微
粒子による拡散の波長依存性を小さく抑えることがで
き、実用視野角βの範囲で色温度変動が2000K以下
の色温度特性の優れた背面投射型ディスプレイを実現で
きる。
【0143】(実施の形態I−5)本実施の形態の背面
投射型ディスプレイは、図5に示した構成を有し、上記
で説明した背面投射型スクリーンを備えている。なお、
図5も、主要要素の配置が分かるように透視図としてい
る。
【0144】このディスプレイには、光学エンジン(プ
ロジェクション・オプティクス・ユニット)9が備えら
れている。光学エンジン9の内部には、光源となるラン
プ、照明光学系、色分解光学系、液晶パネル、色合成光
学系などが適宜配置され、照射光を液晶パネルによって
空間変調して画像を形成する。この画像は投射レンズ6
によって拡大投射される。ミラー71によって折り曲げ
られた投射光は、スクリーン3上で結像し、このスクリ
ーンの作用によって拡散されて様々な角度から画像とし
て観察可能になる。これらの部材は、装置内への外光の
侵入を防止するキャビネット72の内部に配置されてい
る。
【0145】スクリーン3は、図6、図8又は図9に例
示したように構成すればよいが、カラーシフト補正が不
要であるという特徴を生かすべく図9に例示した構成と
することが好ましい。フレネルレンズシート31には、
上記で説明したようにΔn×dが0.1μm〜0.3μ
mの範囲になるように設定された光拡散微粒子が含まれ
ている。このように設定すれば、正面近傍の拡散効果に
優れ、シンチレーション低減に有効な拡散特性を実現で
きる。また、相対的に大きな角度方向への拡散成分が小
さいので解像力の劣化を生じにくく、また、BS付きの
レンチキュラレンズシート34と組み合わせても光を損
失する割合が小さい。
【0146】さらに、スクリーン3が図9、図8の構成
を採る場合は光拡散シート33の内部に、また、スクリ
ーン3が図6の構成を採る場合はレンチキュラレンズシ
ート32の内部に、Δn×dが0.5〜0.9の範囲に
なるように設定された光拡散微粒子を分散させれば、観
察角度による色相の変化が小さな背面投射型ディスプレ
イとすることができる。
【0147】[第II発明について]本発明者らは検討の
結果、従来の背面投射型ディスプレイに用いられていた
積層レンチキュラレンズシートの拡散層がほぼレンチキ
ュラレンズアレイの焦点面付近に設けられていたことが
シンチレーションの顕著化に影響していることを見出し
た。
【0148】図17は従来の背面投射型ディスプレイに
用いられていた積層レンチキュラレンズシートの部分拡
大図であり、光線軌跡を併せて記載している。
【0149】図17の様に、従来の積層レンチキュラレ
ンズシート36はレンチキュラレンズフィルム362と
光拡散シート361とを透明接着層363で積層してな
る。上記接着層363は通常20〜50μm程度の厚み
である。
【0150】図17から明らかなように、投写光はレン
チキュラレンズ3621の焦点面において焦点近傍に集
光される。ブラックストライプ3622は焦点面近傍の
光不透過領域に設けているので投射光を損なうことな
く、効果的に外光を吸収して外光によるコントラスト低
下を防止する。
【0151】拡散層3612は、前記焦点面から透明接
着層363の厚み分だけ離れた、焦点面の極近傍に設け
られる。その結果、投写光は拡散層3612の限られた
領域に集光され、その集光部分の光拡散微粒子は極めて
強い光強度で照射され、それ以外の領域の光拡散微粒子
は拡散に関与しない。
【0152】本発明者らは、このように局所的に強い光
で照射された光拡散微粒子が顕著なシンチレーションを
発生することを見出した。
【0153】以下、上記観点から到達した本第II発明の
実施の形態について説明する。
【0154】(実施の形態II−1)図11は本第II発明
の背面投射型ディスプレイの実施の形態を模式的に示す
水平方向断面図である。図11において、従来の背面投
射型ディスプレイを示した図16と同一の構成要素には
同一の符号を付してそれらについての詳細な説明を省略
する。なお、図示を省略しているが、図5に示したよう
に、投射レンズ6よって拡大投射された投射光を折り曲
げるミラーと、光学系を内部に保持し、外光の侵入を防
止するキャビネットとを有していても良い。
【0155】図11で本第II発明に特徴的なのは、従来
の背面投射型ディスプレイではシンチレーション低減の
為にフレネルレンズシートに拡散材を配合していたのに
対し、透明なフレネルレンズシート81を用いている点
と、積層レンチキュラレンズシート82のレンチキュラ
レンズアレイ焦点面と拡散層8212との間に透明層8
23を形成している点である。
【0156】図12は本第II発明の背面投射型ディスプ
レイの積層レンチキュラレンズシート82部分を拡大し
た水平方向部分拡大図であり、併せて投射光の軌跡を記
載している。
【0157】図12に示すように、レンチキュラレンズ
フィルム822は、入射面に垂直方向を長手方向とする
レンチキュラレンズ8221を有する。レンチキュラレ
ンズ8221の焦点位置が出射面とほぼ一致するよう
に、レンチキュラレンズフィルム822の厚みが設定さ
れている。レンチキュラレンズフィルム822の出射面
には、投射光が通過しない、垂直方向を長手方向とする
ストライプ状の光不透過領域が形成され、その光不透過
領域にはストライプ状の光吸収層(ブラックストライ
プ)8222が設けられる。
【0158】821は拡散シートであり、拡散層821
2と透明層8211とが積層されてなる。レンチキュラ
レンズフィルム822の光吸収層8222の形成面と、
拡散シート821の拡散層8212側の面とが、透明層
823を介して積層される。
【0159】図12でflはレンチキュラレンズアレイ
の谷間部とレンチキュラレンズアレイの焦点面までの距
離、t1はレンチキュラレンズアレイの焦点面から拡散
層8212の投射側(空間変調素子側)の面までの距
離、t2はレンチキュラレンズアレイの焦点面から拡散
層8212の観察側の面までの距離であり、本第II発明
はt1を適切に設定することによりシンチレーションの
発生を軽微とし、t2を適切に設定することにより高い
解像力を維持するものである。
【0160】以下、まずはシンチレーションを軽微にす
るための条件について述べる。
【0161】透明層823の厚みはレンチキュラレンズ
アレイの谷間部とレンチキュラレンズアレイの焦点面と
の距離fl以上であり、結果として拡散層8212の投
写側の面とレンチキュラレンズアレイの焦点面との距離
t1を前記fl以上とする。
【0162】t1≧fl 図12の様な構成で、レンチキュラレンズアレイの作用
によって焦点面付近に集光した光はレンチキュラレンズ
8221のピッチPl以上の幅で拡散層8212に入射
する。その結果、一つのレンチキュラレンズ単位に入射
した光が拡散層8212に到達して形成する有効領域に
おける平均照度を、投射光の該レンチキュラレンズに対
する入射照度以下とすることが出来る。なお、個々のレ
ンチキュラレンズ8221による拡散層8212への入
射領域周辺部では隣接するレンチキュラレンズからの投
射光も入射するが、それらは入射角が大きく異なるため
干渉してシンチレーションを発生することがない。
【0163】この様に、上記構成を用いれば従来のレン
チキュラレンズアレイの焦点面付近に拡散層を形成した
従来の構成と比較して、光拡散微粒子が局所的に極めて
強い光強度で照射されることが緩和されるので、シンチ
レーションを大きく低減し、拡散材を配合しない透明な
フレネルレンズシート81を用いても十分な表示品位を
得ることが出来る。
【0164】拡散層8212とレンチキュラレンズアレ
イ焦点面との距離は大きければ大きいほどシンチレーシ
ョンは低減される。本発明者らの検討によれば、焦点面
に拡散層8212を形成した場合に比べ顕著な効果を得
るためには、拡散層8212とレンチキュラレンズアレ
イ焦点面との距離は前記fl以上が必要であり、前記f
lの3倍程度が好ましい。
【0165】以上の様に設定すればシンチレーションを
大きく低減すること可能になるが、拡散層8212とレ
ンチキュラレンズアレイ焦点面との距離を大きくとりす
ぎると、解像力が劣化する。
【0166】次いで、本第II発明の第2の要点である解
像力を維持する条件について述べる。
【0167】拡散層8212とレンチキュラレンズアレ
イ焦点面との距離を大きくとった場合の解像力劣化のメ
カニズムについて図13を用いて説明する。見通しの良
い議論をするために、拡散領域が観察側の面(レンチキ
ュラレンズアレイの焦点面からt2の位置)に集中した
モデルを考察する。拡散層8212はレンチキュラレン
ズアレイの焦点面から離れた位置に形成されるほど解像
力の劣化が大きいと考えられるので、上記より投射側に
拡散層8212が分布する本第II発明の場合、上記モデ
ルでの解像力以上の解像力を実現できると考えられる。
【0168】レンチキュラレンズアレイの配列ピッチP
lのレンチキュラレンズ単位に入射した光はレンチキュ
ラレンズ8221の焦点を通過した後、図13の様な経
路を経て拡散層8212に到達した後、図で楕円で示し
た拡散層8212の拡散特性に応じて拡散される。正面
から観察した場合、図13の右側に示すように、上記楕
円の法線方向成分に応じた強度分布で広がりをもったビ
ームとして観察される。
【0169】そのビームの幅Dbは図13から明らかな
ように Db=t2×Pl/fl である。
【0170】本第II発明の背面投射型ディスプレイは、
拡散層8212の観察側の面に拡散機能が集中したと仮
定した場合でも、上記ビーム幅Dbが画素ピッチPg以
下になるように、拡散層8212の観察側の面とレンチ
キュラレンズアレイ焦点面との距離をt2を以下の様に
設定する。
【0171】Db=t2×Pl/fl≦Pg t2≦Pg/Pl×fl この様に設定することにより、装置の表現し得る最大空
間周波数1/(2×Pg)においてもスクリーンによる
解像力劣化の軽微な、解像力に優れた背面投射型ディス
プレイを実現できる。
【0172】なお、上記説明でフレネルレンズシート8
1および透明層823における透明とは、光の拡散を意
図した拡散材を実質的に含まないという意味であり、拡
散作用が全く無いことを意味するものではない。例えば
通常透明板と呼ばれるものでも微量の不純物の存在など
構造不均一性により若干の拡散性を有する。比較的軽微
な拡散性を定量化するためにヘイズ値という指標が良く
用いられるが、ヘイズ値が1%以下であれば高度な透明
であり、ヘイズ値が10%以下なら実質的に拡散作用を
有しないレベルとして透明と表現する。「透明」に関す
る上記の定義は本第I発明及び本第II発明の全てに適用
される。
【0173】また、拡散層8212の観察側に設けた透
明層8211は機械強度を高めるために設けているが、
光学的には何らの寄与もしておらず、積層レンチキュラ
レンズシート82が保持できれば省略可能である。
【0174】(実施の形態II−2)拡散層8212によ
る拡散角を小さくして垂直視野角を制限し、正面輝度を
優先する場合、上記実施の形態II−1に示したものと別
の指標によって解像力劣化を防止する条件を規定でき
る。
【0175】この場合も背面投射型ディスプレイの構成
自体は図11と同様であり、拡散層8212の投写側の
面とレンチキュラレンズアレイの焦点面との距離t1を
以下の様に設定してシンチレーションを低減する点も実
施の形態II−1と同様である。
【0176】t1≧fl拡散層8212の拡散特性を平
行光線が垂直入射した場合の観察輝度Iを観察角度θの
関数fとして以下の様に与えられるものとする。
【0177】I=I0×f(θ) I/I0=f(θ) ここでI0は拡散層法線方向の輝度であり、必然的にf
(0)=1である。
【0178】図14はこの様な拡散特性の拡散層821
2がレンチキュラレンズアレイ焦点面から距離t2だけ
離れた位置に存在するもとして、インパルス状の入射光
が有限の広がりをもったビームスポットとして観察され
る模様を模式的に示した図である。
【0179】図14では、多重拡散による解像力劣化の
みを議論するために、インパルス状の入力を仮定し、レ
ンチキュラレンズのピッチは無限小で、その焦点面から
水平方向に完全拡散光として1点から出射するものとす
る。また、拡散層8212の厚みは無限小として、拡散
層8212の観察側は空気との界面であると仮定する。
なお、拡散層8212の観察側に透明層8211が形成
された場合も以下の議論におけるビームスポットの広が
るメカニズムは同様である。
【0180】レンチキュラレンズアレイの焦点面の光軸
上の1点から光軸方向に(φ=0で)出射した光は、光
軸上で拡散層に入射した後拡散され光軸方向には相対強
度1で出射する。
【0181】一方、レンチキュラレンズアレイの焦点面
の1点から角度φで出射した光は拡散層上の光軸からt
an(φ)×t2だけ隔たった位置P(φ)に入射した
後θ=asin(n×sin(φ))を主指向方向とし
て拡散される。この拡散光の光軸方向成分は上記拡散層
8212の拡散強度分布に従いf(θ)になる。
【0182】光軸方向から観察した場合、P(φ)の位
置から見たその部分の光線強度は、f(θ)となり、結
果として図14右側に示したようなプロファイルのスポ
ットとして観察される。
【0183】今、f(θ)=1/10を満たすθをγと
する。
【0184】f(γ)=1/10 観察角γに対応する媒体角度γiは以下の式によって算
出される。
【0185】γi=asin(sin(γ)/n) Pγ=2×tan(γi)×t2の間隔でインパルス状
の入力があったと仮定して観察される画像のプロファイ
ルを示したのが図15である。
【0186】インパルス状の画像信号のそれぞれは上記
のメカニズムにより破線に示したようなプロファイルの
ビームスポットになる(図15A)。
【0187】ピッチ間隔Pγを上記の様に設定している
ので、各ビームスポットは各画像信号の中間点で相対強
度0.1の点で交わる。
【0188】光軸方向の観察者からは、それらのビーム
スポットを重ね合わせとして、図15Bに示すような画
像が観察される。各ビームスポットの画像位置からPγ
以上離れた位置での強度はほぼゼロと見なし得るので、
この画像パターンのピーク値はほぼ1であり、ボトム値
はピーク値の約0.2となる。
【0189】画像パターンの変調度Mは一般に M=(ピーク値−ボトム値)/(ピーク値+ボトム値) で算出される。従って図15Bの画像パターンの変調度
は0.8/1.2≒0.67である。
【0190】従って、入力画像信号のピッチが上記Pγ
以上であれば変調度は0.67以上、入力画像信号のピ
ッチが上記Pγ以下であれば変調度は0.67以下にな
る。
【0191】一般に変調度10%以上が解像限界とされ
るが、解像力劣化を検知レベル程度に抑えるためには7
0%程度以上の変調度が必要になる。
【0192】以上、モデルを単純にして議論を明確にす
るためにインパルス状信号を仮定したが、実際の表示素
子の変調信号は矩形状である。ピッチPgの画素構造を
有する背面投射型ディスプレイの表現可能な最大空間周
波数信号の信号ピッチは2×Pgであるが、上記矩形状
の幅を考慮すると、画素ピッチPgが上記インパルス状
入力を仮定した場合の信号間隔に対応すると考えられ
る。従って、ディスプレイの表現可能な最大空間周波数
1/(2×Pg)の入力信号に対する変調度を0.67
以上にするための条件は Pγ≦Pg 2×tan(γi)×t2≦Pg t2≦Pg/2/tan(γi) 本第II発明の背面投射型ディスプレイは、レンチキュラ
レンズアレイの焦点面から拡散層8212の観察側の面
までの距離t2を上記関係式を満たすように設定してい
るので、装置の表現し得る最大空間周波数1/(2×P
g)においてもスクリーンによる変調度を0.67以上
として、解像力に優れた背面投射型ディスプレイを実現
できる。
【0193】また、拡散層8212の投射側の面とレン
チキュラレンズアレイ焦点面との距離t1をfl以上に
設定しているので焦点面付近に拡散層を設定した場合に
比べシンチレーションを大幅に低減できる。従来シンチ
レーション低減の為にフレネルレンズシートに拡散材を
混入していたが、この拡散材の混入を無くす、あるいは
混入量を大幅に減らすことができ、フレネルレンズシー
トに拡散材を混入することによって生じていた効率低
下、エアギャップが生じた場合の急激な解像力劣化を解
消あるいは大幅に低減できる。
【0194】(実施の形態II−3)以上、装置に用いる
表示素子の表示能力を最大限に生かすという観点から規
定したが、人間の視覚特性から必要な解像力を実現する
本第II発明の背面投射型スクリーンの実施の形態を説明
する。
【0195】スクリーンの構成そのものは図11に示し
たものと同様であり、拡散層8212の投写側の面とレ
ンチキュラレンズアレイの焦点面との距離t1を以下の
様に設定してシンチレーションを低減する点も実施の形
態II−1およびII−2と同様である。
【0196】t1≧fl人間の視力は解像し得る間隔を
角度に換算した値を分単位で求め、その逆数をとって表
す。例えば目の解像力が角度1分に対応する場合が視力
1、0.5分の場合が視力2、2分の場合が視力0.5
である。
【0197】一方、背面投射型プロジェクターは大画面
用途に適しており対角50インチ以上の大画面が主流で
ある。一般に画像観察に適した視距離は画面高さの3倍
程度とされる。50インチ,横縦比4:3画面の高さは
約0.75mなので適視距離は約2.3mである。
【0198】人間の視力として平均的な視力1、距離
2.3mに対応する幅Psは Ps=2.3m×tan(1分) ≒0.7mm 背面投射型スクリーンとしては0.7mmの間隔を充分
に解像できれば、背面投射型ディスプレイに用いる表示
素子の画素数に関わり無く充分な解像能力を備えている
と考えられる。
【0199】本第II発明の背面投射型スクリーンは、イ
ンパルス状の入力信号に対するビームスポットの広がり
Dbが上記Ps=0.7mm以下になるように、拡散層
8212の観察側の面からレンチキュラレンズアレイ焦
点面までの距離をt2を以下の様に設定する。
【0200】Db=t2×Pl/fl≦0.7mm t2≦0.7mm/Pl×fl この様に設定することにより、0.7mmの間隔を充分
に解像して、背面投射型ディスプレイに用いる表示素子
の画素数に関わり無く充分な解像能力を備えた背面投射
型スクリーンを実現できる。
【0201】また、拡散層8212の投射側の面とレン
チキュラレンズアレイ焦点面との距離t1をfl以上に
設定しているので焦点面付近に拡散層を設定した場合に
比べシンチレーションを大幅に低減できる。従来シンチ
レーション低減の為にフレネルレンズシートに拡散材を
混入していたが、この拡散材の混入を無くす、あるいは
混入量を大幅に減らすことができ、フレネルレンズシー
トに拡散材を混入することによって生じていた効率低
下、エアギャップが生じた場合の急激な解像力劣化を解
消あるいは大幅に低減できる。
【0202】(実施の形態II−4)また、拡散層821
2による拡散角を小さくして垂直視野角を制限し、正面
輝度を優先する場合、前記実施の形態II−2で記述した
論理と同様の指標によって解像力劣化を防止する条件を
規定できる。
【0203】この場合も背面投射型ディスプレイの構成
自体は図11と同様であり、拡散層8212の投写側の
面とレンチキュラレンズアレイの焦点面との距離t1を
以下の様に設定してシンチレーションを低減する点も実
施の形態II−1ないしII−3と同様である。
【0204】t1≧fl 実施の形態II−3で示したように、背面投射型スクリー
ンとして必要な解像間隔は0.7mmである。
【0205】本第II発明の背面投射型スクリーンは、実
施の形態II−2で記述した背面投射型ディスプレイの表
示し得る最大空間周波数に対応する信号間隔2×Pgを
上記0.7mmに置き換えて、拡散層8212の観察側
の面とレンチキュラレンズアレイ焦点面との距離をt2
を以下の様に設定する。
【0206】2×tan(γi)×t2≦0.7mm t2≦0.35mm/tan(γi) この様に設定することにより、0.7mmの間隔を充分
に解像して、背面投射型ディスプレイに用いる表示素子
の画素数に関わり無く充分な解像能力を備えた背面投射
型スクリーンを実現できる。
【0207】また、拡散層8212の投射側の面とレン
チキュラレンズアレイ焦点面との距離t1をfl以上に
設定しているので焦点面付近に拡散層を設定した場合に
比べシンチレーションを大幅に低減できる。従来シンチ
レーション低減の為にフレネルレンズシートに拡散材を
混入していたが、この拡散材の混入を無くす、あるいは
混入量を大幅に減らすことができ、フレネルレンズシー
トに拡散材を混入することによって生じていた効率低
下、エアギャップが生じた場合の急激な解像力劣化を解
消あるいは大幅に低減できる。
【0208】
【実施例】以下、本第II発明の実施例を比較例と共に説
明する。
【0209】以下の、実施例および比較例において、投
写系は全て縦720画素、横1280画素の表示素子を
用い、対角52インチの16:9画面(縦648mm横
1151mm)に7%のオーバースキャンで投写してい
る。
【0210】従ってスクリーン上の画素ピッチPgは
0.96mmである。
【0211】また、レンチキュラレンズフィルムとして
は屈折率n=1.5のアクリル樹脂を材料として、レン
チキュラレンズピッチPl=0.15mm、レンズ屈折
による最大出射角を45°(媒体内換算角28°)に設
定している。上記設定でレンチキュラレンズアレイの谷
部と焦点面との距離flは約0.14mmである。
【0212】レンチキュラレンズフィルム822は、そ
の出射面が前記焦点面になるように厚みを設定し、その
出射面の光不透過部に幅100μm(レンチキュラレン
ズピッチの2/3)の光吸収層(ブラックストライプ)
8222を形成している。
【0213】以下の実施例および比較例では、以上のレ
ンチキュラレンズフィルム822を用い、拡散層821
2の形成条件の異なる積層レンチキュラレンズシート8
2を作成している。
【0214】(実施例1)屈折率約1.5のアクリル樹
脂をベースとして屈折率1.55のMS樹脂(MMAと
スチレンの共重合体)よりなる平均粒径6μmの光拡散
微粒子を分散したペレットと、アクリル樹脂のみからな
るペレットをそれぞれ別の押し出し機より押し出してダ
イの内部で重ね合わせて0.1mmの拡散層および1.
9mmの透明層の二層構造を有する厚み2mmの拡散シ
ートを作成した。この拡散シートに平行光を照射して拡
散光の輝度分布を測定した結果、以下の様な特性を得
た。以下のα角とは、測定輝度が法線方向から測定した
輝度の1/2になる方向を法線方向からの角度で示した
ものであり、γは同じく1/10になる角度である。
【0215】α : 16° γ : 38° これらを媒体内の角度に換算した値αi、γiは以下の
様になる αi: 11° γi: 24° 以上の拡散シートと前記レンチキュラレンズフィルムと
を、屈折率1.5の透明材料からなる厚み0.3mmの
透明シートを介して、厚み0.025mmの粘着材で接
合して積層レンチキュラレンズシートを作成した。レン
チキュラレンズフィルムの接合面はブラックストライプ
の形成された出射面、拡散シートの接合面は拡散層の形
成された側の面である。
【0216】以上の構成で、レンチキュラレンズアレイ
焦点面であるレンチキュラレンズフィルム出射面と拡散
層の投写側の面との距離t1は0.35mmであり、前
記fl=0.14mmより充分大きい(2.5倍)。
【0217】また、前記焦点面から拡散層の観察側の面
までの距離t2は0.45mmである。この値と前記P
lおよびflから算出されるビーム換算幅Dbは Db=t2×Pl/fl=0.48mm であり、画素ピッチPg=0.96mmに比べ充分小さ
い(1/2)。
【0218】図11に示すように、前記投写系の結像面
に前記投写系の焦点距離に見合うフレネルレンズシート
を設置して更にその観察側にこの積層レンチキュラレン
ズシートを設置して画像を観察した。フレネルレンズシ
ートとしては基材に拡散材を含まない透明なもの(ヘイ
ズ値3%以下)を用いた。
【0219】その結果、良好なシンチレーションおよび
高い解像力を確認した。
【0220】(実施例2)実施例1で説明した工程と同
じ工程を用い、光拡散微粒子の配合量を減量して、以下
の特性の拡散シートを作成した。拡散層および透明層の
厚みは実施例1と同じく0.1mmおよび1.9mmで
ある。
【0221】α = 9° γ = 20° これらを媒体内の角度に換算すると αi= 6° γi= 13° 以上の拡散シートと前記レンチキュラレンズフィルムと
を厚み1mmのアクリルシートを介して実施例1と同様
に厚み0.025mmの粘着材で接合して積層レンチキ
ュラレンズシートを作成した。
【0222】以上の構成で、レンチキュラレンズアレイ
焦点面であるレンチキュラレンズフィルム出射面と拡散
層の投写側の面との距離t1は1.05mmであり、前
記fl=0.14mmより充分大きい(7倍以上)。
【0223】また、前記焦点面から拡散層の観察側の面
までの距離t2は1.15mmである。この値と前記γ
iから算出される変調度0.75以上を示す最大信号ピ
ッチPγは Pγ=2×t2×tan(γi)=0.53mm であり、画素ピッチPg=0.96mmに比べ充分小さ
い(1/2)。
【0224】この積層レンチキュラレンズシートを実施
例1と同様に透明なフレネルレンズシートと組み合わせ
て前記投写系を用いて画像を観察した結果、良好なシン
チレーションおよび高い解像力を確認した。
【0225】(比較例1)実施例1に用いた拡散シート
を用いて、透明シートを介さずに直接レンチキュラレン
ズフィルムに同様の粘着材を用いて接合し積層シートを
作成した。
【0226】以上の構成で、レンチキュラレンズアレイ
焦点面であるレンチキュラレンズフィルム出射面と拡散
層の投写側の面との距離t1は0.025mmであり、
前記fl=0.14mmより顕著に小さい。
【0227】また、前記焦点面から拡散層の観察側の面
までの距離t2は0.125mmである。この値と前記
Plおよびflから算出されるビーム換算幅Dbは Db=t2×Pl/fl=0.13mm であり、画素ピッチPg=0.96mmに比べ充分小さ
い。
【0228】この積層シートを実施例1および2と同様
に透明なフレネルレンズシートと組み合わせて前記投写
系を用いて画像を観察した結果、解像力は充分であった
が極めて強い強度のシンチレーションが観察され見苦し
い画像となった。
【0229】(比較例2)比較例1に用いた積層レンチ
キュラレンズシートと、基材内に拡散材を分散したフレ
ネルレンズシートとを組み合わせて前記投写系を用いて
同様の画像観察を行った。ヘイズ値と言う指標が比較的
軽微な拡散性を定量化するために良く用いられるが、こ
のフレネルレンズシートの基材のヘイズ値は約50%で
あった。
【0230】まず、フレネルレンズシートと積層レンチ
キュラレンズシートとが密接した状態で観察した。比較
例1に比べシンチレーションの改善効果が認められたが
実施例1および2に比べると明らかに強度の強いシンチ
レーションが確認された。この状態で解像力は充分なレ
ベルであった。
【0231】次いで、フレネルレンズシートと積層レン
チキュラレンズシートとの間に約3mmの空隙を設けた
状態で観察した。この様な空隙は、温度、湿度などが変
化した場合に発生し得るものである。この状態で、シン
チレーションは殆ど検知できないレベルにまで低減され
たが、明らかな解像力劣化を生じボケた印象の画像とな
った。
【0232】また、投射光の出射照度は透明フレネルレ
ンズシートを用いた実施例1,2および比較例1の92
%であり、8%の透過損失が確認された。
【0233】(比較例3)実施例1に用いた拡散シート
を拡散層が観察側になるようにレンチキュラレンズフィ
ルムを同様の手段で接合して積層レンチキュラレンズシ
ートを作成した。
【0234】以上の構成で、レンチキュラレンズアレイ
焦点面であるレンチキュラレンズフィルム出射面と拡散
層の投写側の面との距離t1は1.925mmであり、
前記fl=0.14mmより充分大きい。
【0235】また、前記焦点面から拡散層の観察側の面
までの距離t2は2.025mmである。この値と前記
Plおよびflから算出されるビーム換算幅Dbは Db=t2×Pl/fl=2.2mm であり、画素ピッチPg=0.96mmより大きい。
【0236】この積層シートを実施例1、2および比較
例1と同様に透明なフレネルレンズシートと組み合わせ
て前記投写系を用いて画像を観察した結果、シンチレー
ションは殆ど検知できないレベルにまで低減されたが、
明らかな解像力劣化を生じボケた印象の画像となった。
【0237】以上の実施例および比較例の設定条件およ
び評価結果を一覧表として表2に示す。表3は表2中の
判定条件、評価結果に記した○、△、×の付与基準であ
る。
【0238】
【表2】
【0239】
【表3】
【0240】
【発明の効果】[第I発明について]以上詳細に説明し
て明らかなように、本第I発明の背面投射型スクリーン
によれば、拡散特性の波長依存性を抑制し、基材よりも
高屈折率低分散または低屈折率高分散といった特殊な特
性の材料からなる光拡散微粒子を用いる必要がなく一般
的な樹脂材料を用いることが可能となる。また、本第I
発明の背面投射型スクリーンによれば、解像力の低下、
効率の低下などの副作用を最低限に抑えながらシンチレ
ーションを低減することが可能になる。さらに、本発明
の背面投射型ディスプレイによれば、観察方向による色
調の変化が少なく、シンチレーションが軽微で解像力に
優れた画像表示を実現できる。
【0241】[第II発明について]以上詳細に説明して
明らかなように、本第II発明の背面投射型ディスプレイ
および背面投射型スクリーンによれば、シンチレーショ
ンが軽微で解像力に優れた高品位な画像表示を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光拡散シートの観察角度と色温度との関係を
示すグラフである。
【図2】 光拡散シートの観察角度と相対輝度との関係
を示すグラフである。
【図3】 光拡散シートの屈折率差と粒径の積と色温度
シフトとの関係を示すグラフである。
【図4】 本第I発明の背面投射型ディスプレイの一実
施形態を示す斜視図である。
【図5】 本第I発明の背面投射型ディスプレイの別の
一実施形態を示す斜視図である。
【図6】 本第I発明の背面投射型スクリーンの一実施
形態を3管式背面投射型ディスプレイに適用した状態を
示す図である。
【図7】 BSペアレンチキュラレンズシートの部分拡
大断面図である。
【図8】 本第I発明の背面投射型スクリーンの別の一
実施形態を3管式背面投射型ディスプレイに適用した状
態を示す図である。
【図9】 本第I発明の背面投射型スクリーンの更に別
の一実施形態を空間変調素子方式の背面投射型ディスプ
レイに適用した状態を示す図である。
【図10】 代表的な光学樹脂材料の屈折率とアッベ数
との関係を示すグラフである。
【図11】 本第II発明の背面投射型ディスプレイの一
実施の形態を模式的に示す水平方向断面図である。
【図12】 本第II発明の背面投射型スクリーンを構成
する積層レンチキュラレンズシートの要部を示した水平
方向断面図である。
【図13】 本第II発明の背面投射型ディスプレイの一
実施の形態におけるビームスポットの広がりを説明する
ための水平方向断面図である。
【図14】 本第II発明の背面投射型ディスプレイの一
実施の形態におけるビームスポットの広がりを説明する
ための水平方向断面図である。
【図15】 本第II発明の背面投射型ディスプレイの一
実施の形態におけるビームスポットの広がりによる変調
度を説明するための図である。
【図16】 従来の背面投射型ディスプレイの構成を模
式的に示した水平方向断面図である。
【図17】 従来の背面投射型スクリーンを構成する積
層レンチキュラレンズシートの要部を示した水平方向断
面図である。
【符号の説明】
1,1R,1G,1B CRT 2,2R,2G,2B 投射レンズ 3 スクリーン 31 フレネルレンズシート 32 レンチキュラレンズシート 321 入射側レンチキュラレンズ 322 出射側レンチキュラレンズ 323 ブラックストライプ(BS) 33 光拡散シート 34 レンチキュラレンズシート 35 拡散フレネルレンズシート 36 積層レンチキュラレンズシート 361 拡散シート 3611 透明層 3612 光拡散層 362 レンチキュラレンズフィルム 3621 レンチキュラレンズ 3622 光吸収層(ブラックストライプ) 363 接着層 4 ランプ 5 液晶パネル 6 投射レンズ 71 折り返しミラー 72 キャビネット 81 透明フレネルレンズシート 82 積層レンチキュラレンズシート 821 拡散シート 8211 透明層 8212 拡散層 822 レンチキュラレンズフィルム 8221 レンチキュラレンズ 8222 光吸収層(ブラックストライプ) 823 透明層 9 光学エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/74 H04N 5/74 C 9/31 9/31 D (72)発明者 酒井 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 立見 透 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 青木 聡 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H021 BA24 2H042 BA02 BA12 BA14 BA19 5C058 BA23 BA35 EA01 EA36 5C060 GA02 GB06 GC06 JA00 JA19 JB06

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともレンチキュラレンズシート及
    びフレネルレンズシートを含み、 前記レンチキュラレンズシートが樹脂材料からなる基材
    内に前記基材の屈折率と異なる屈折率を有する樹脂材料
    からなる光拡散微粒子を含み、 前記光拡散微粒子が以下の式I−1を満たすことを特徴
    とする背面投射型スクリーン。 式I−1 : 0.5μm ≦ ΔNl×dl ≦
    0.9μm ただし、式I−1においてΔNlは光拡散微粒子とレン
    チキュラレンズシート基材との屈折率差、dlは光拡散
    微粒子の平均粒径である。
  2. 【請求項2】 少なくとも光拡散シート、レンチキュラ
    レンズシート及びフレネルレンズシートを含み、 前記光拡散シートが樹脂材料からなる基材内に前記基材
    の屈折率と異なる屈折率を有する樹脂材料からなる光拡
    散微粒子を含み、 前記光拡散微粒子が以下の式I−2を満たすことを特徴
    とする背面投射型スクリーン。 式I−2 : 0.5μm ≦ ΔNp×dp ≦
    0.9μm ただし、式I−2においてΔNpは光拡散微粒子と光拡
    散シート基材との屈折率差、dpは光拡散微粒子の平均
    粒径である。
  3. 【請求項3】 前記光拡散微粒子を構成する材料の屈折
    率n1とアッベ数ν1及びその光拡散微粒子を分散する
    基材となる材料の屈折率n2とアッベ数ν2が下記式I
    −3を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    背面投射型スクリーン。 式I−3 : (n1−n2)×(ν1−ν2) <
  4. 【請求項4】 前記フレネルレンズシートが樹脂材料か
    らなる基材内に前記基材の屈折率と異なる屈折率を有す
    る樹脂材料からなる光拡散微粒子を含み、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子によ
    る光の拡散が前記レンチキュラレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子による光の拡散よりも小さく、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子が以
    下の式I−4を満たす請求項1に記載の背面投射型スク
    リーン。 式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×df ≦
    0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
    トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
    との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子の平均粒径である。
  5. 【請求項5】 前記フレネルレンズシートが樹脂材料か
    らなる基材内に前記基材の屈折率と異なる屈折率を有す
    る樹脂材料からなる光拡散微粒子を含み、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子によ
    る光の拡散が前記光拡散シートに含まれる光拡散微粒子
    による光の拡散よりも小さく、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子が以
    下の式I−4を満たす請求項2に記載の背面投射型スク
    リーン。 式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×df ≦
    0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
    トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
    との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子の平均粒径である。
  6. 【請求項6】 前記レンチキュラレンズシートが、主た
    る拡散要素として式I−1を満たす光拡散微粒子を含
    み、副たる拡散要素として前記レンチキュラレンズシー
    トの基材の屈折率と異なる屈折率を有する樹脂材料から
    なり下記式I−5を満たす光拡散微粒子をさらに含む請
    求項1又は4に記載の背面投射型スクリーン。 式I−5 : 0.1μm ≦ ΔNs×ds ≦
    0.3μm ただし、式I−5においてΔNsは副たる拡散要素とな
    る光拡散微粒子とこれを含む基材との屈折率差、dsは
    副たる拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径である。
  7. 【請求項7】 前記光拡散シートが、主たる拡散要素と
    して式I−2を満たす光拡散微粒子を含み、副たる拡散
    要素として前記光拡散シートの基材の屈折率と異なる屈
    折率を有する樹脂材料からなり下記式I−5を満たす光
    拡散微粒子をさらに含む請求項2又は5に記載の背面投
    射型スクリーン。 式I−5 : 0.1μm ≦ ΔNs×ds ≦
    0.3μm ただし、式I−5においてΔNsは副たる拡散要素とな
    る光拡散微粒子とこれを含む基材との屈折率差、dsは
    副たる拡散要素となる光拡散微粒子の平均粒径である。
  8. 【請求項8】 前記主たる拡散要素となる光拡散微粒子
    の平均粒径dm、配合体積濃度Am、前記主たる拡散要
    素となる光拡散微粒子を含む基材層の積層厚みtm、前
    記主たる拡散要素となる光拡散微粒子とこれを含む基材
    との屈折率差ΔNmと、前記副たる拡散要素となる光拡
    散微粒子の平均粒径ds、配合体積濃度As、前記副た
    る拡散要素となる光拡散微粒子を含む基材層の積層厚み
    ts、前記副たる拡散要素となる光拡散微粒子とこれを
    含む基材との屈折率差ΔNsとが下記式I−6を満たす
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の背面投射型ス
    クリーン。 式I−6 : Am×tm/dm×ΔNm > As×
    ts/ds×ΔNs
  9. 【請求項9】 前記フレネルレンズシートの投射側の面
    に、水平方向を長手方向とするレンチキュラレンズアレ
    イが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の背面投射型スクリーン。
  10. 【請求項10】 少なくともレンチキュラレンズシート
    及びフレネルレンズシートを含み、 前記レンチキュラレンズシート及び前記フレネルレンズ
    シートがそれぞれ樹脂材料からなる基材内に各基材の屈
    折率と異なる屈折率を有する樹脂材料からなる光拡散微
    粒子を含み、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子によ
    る光の拡散が前記レンチキュラレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子による光の拡散よりも小さく、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子が以
    下の式I−4を満たすことを特徴とする背面投射型スク
    リーン。 式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×df ≦
    0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
    トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
    との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子の平均粒径である。
  11. 【請求項11】 少なくとも光拡散シート、レンチキュ
    ラレンズシート及びフレネルレンズシートを含み、 前記光拡散シート及び前記フレネルレンズシートがそれ
    ぞれ樹脂材料からなる基材内に各基材の屈折率と異なる
    屈折率を有する樹脂材料からなる光拡散微粒子を含み、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子によ
    る光の拡散が前記光拡散シートに含まれる光拡散微粒子
    による光の拡散よりも小さく、 前記フレネルレンズシートに含まれる光拡散微粒子が以
    下の式I−4を満たすことを特徴とする背面投射型スク
    リーン。 式I−4 : 0.1μm ≦ ΔNf×df ≦
    0.3μm ただし、式I−4においてΔNfはフレネルレンズシー
    トに含まれる光拡散微粒子とフレネルレンズシート基材
    との屈折率差、dfはフレネルレンズシートに含まれる
    光拡散微粒子の平均粒径である。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の背
    面投射型スクリーンを備えたことを特徴とする背面投射
    型ディスプレイ。
  13. 【請求項13】 空間変調素子と、前記空間変調素子に
    より形成された画像が背面に投写され、その反対側の面
    から画像を観察する背面投射型スクリーンとを備えた背
    面投射型ディスプレイであって、 前記背面投射型スクリーンは、前記空間変調素子からの
    投射光を略平行光に変換する第1のスクリーン要素と、
    前記略平行光を拡散する第2のスクリーン要素とを含
    み、 前記第2のスクリーン要素は、前記投射側の面に形成さ
    れた垂直方向を長手方向として配列されたレンチキュラ
    レンズアレイと、前記レンチキュラレンズアレイより観
    察側に形成された拡散層と、前記レンチキュラレンズア
    レイと前記拡散層との間の透明層とを含み、 前記拡散層の投射側の面と前記レンチキュラレンズアレ
    イの焦点面との距離t1が以下の式II−1を満たし、前
    記拡散層の観察側の面と前記レンチキュラレンズアレイ
    の焦点面との距離t2が以下の式II−2を満たすことを
    特徴とする背面投射型ディスプレイ。 式II−1 : t1≧fl 式II−2 : t2≦fl×Pg/Pl ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
    面との距離、Pgはスクリーン上の画素ピッチ、Plは
    レンチキュラレンズアレイの配列ピッチである。
  14. 【請求項14】 空間変調素子と、前記空間変調素子に
    より形成された画像が背面に投写され、その反対側の面
    から画像を観察する背面投射型スクリーンとを備えた背
    面投射型ディスプレイであって、 前記背面投射型スクリーンは、前記空間変調素子からの
    投射光を略平行光に変換する第1のスクリーン要素と、
    前記略平行光を拡散する第2のスクリーン要素とを含
    み、 前記第2のスクリーン要素は、前記投射側の面に形成さ
    れた垂直方向を長手方向として配列されたレンチキュラ
    レンズアレイと、前記レンチキュラレンズアレイより観
    察側に形成された拡散層と、前記レンチキュラレンズア
    レイと前記拡散層との間の透明層とを含み、 前記拡散層の投射側の面と前記レンチキュラレンズアレ
    イの焦点面との距離t1が以下の式II−1を満たし、前
    記拡散層の観察側の面と前記レンチキュラレンズアレイ
    の焦点面との距離t2が以下の式II−3を満たすことを
    特徴とする背面投射型ディスプレイ。 式II−1 : t1≧fl 式II−3 : t2≦Pg/2/tan(γi) ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
    面との距離、Pgはスクリーン上の画素ピッチ、γiは
    拡散層の拡散によって輝度が正面方向の1/10になる
    観察角度γの前記透明層内換算角であり、前記透明層の
    屈折率nを用いて以下の式II−4で与えられる。 式II−4 : γi=asin(sin(γ)/n)
  15. 【請求項15】 前記第1のスクリーン要素が実質的に
    拡散材を含まない透明材料によって形成されたフレネル
    レンズシートであることを特徴とする請求項13又は1
    4に記載の背面投射型ディスプレイ。
  16. 【請求項16】 前記第2のスクリーン要素の前記レン
    チキュラレンズアレイの焦点面近傍の光不透過部に光吸
    収層が設けられていることを特徴とする請求項13〜1
    5のいずれかに記載の背面投射型ディスプレイ。
  17. 【請求項17】 空間変調素子により形成された画像が
    背面に投写され、その反対側の面から画像を観察する背
    面投射型スクリーンであって、 前記空間変調素子からの投射光を略平行光に変換する第
    1のスクリーン要素と、前記略平行光を拡散する第2の
    スクリーン要素とを含み、 前記第2のスクリーン要素は、前記投射側の面に形成さ
    れた垂直方向を長手方向として配列されたレンチキュラ
    レンズアレイと、前記レンチキュラレンズアレイより観
    察側に形成された拡散層と、前記レンチキュラレンズア
    レイと前記拡散層との間の透明層とを含み、 前記拡散層の投射側の面と前記レンチキュラレンズアレ
    イの焦点面との距離t1が以下の式II−1を満たし、前
    記拡散層の観察側の面と前記レンチキュラレンズアレイ
    の焦点面との距離t2が以下の式II−5を満たすことを
    特徴とする背面投射型スクリーン。 式II−1 : t1≧fl 式II−5 : t2≦fl/Pl×0.7 ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
    面との距離、Plはレンチキュラレンズアレイの配列ピ
    ッチである。また、t1の単位はflに準じ、t2の単
    位はmmである。
  18. 【請求項18】 空間変調素子により形成された画像が
    背面に投写され、その反対側の面から画像を観察する背
    面投射型スクリーンであって、 前記空間変調素子からの投射光を略平行光に変換する第
    1のスクリーン要素と、前記略平行光を拡散する第2の
    スクリーン要素とを含み、 前記第2のスクリーン要素は、前記投射側の面に形成さ
    れた垂直方向を長手方向として配列されたレンチキュラ
    レンズアレイと、前記レンチキュラレンズアレイより観
    察側に形成された拡散層と、前記レンチキュラレンズア
    レイと前記拡散層との間の透明層とを含み、 前記拡散層の投射側の面と前記レンチキュラレンズアレ
    イの焦点面との距離t1が以下の式II−1を満たし、前
    記拡散層の観察側の面と前記レンチキュラレンズアレイ
    の焦点面との距離t2が以下の式II−6を満たすことを
    特徴とする背面投射型スクリーン。 式II−1 : t1≧fl 式II−6 : t2≦0.35/tan(γi) ここで、flはレンチキュラレンズアレイの谷部と焦点
    面との距離、γiは拡散層の拡散によって輝度が正面方
    向の1/10になる観察角度γの前記透明層内換算角で
    あり、前記透明層の屈折率nを用いて以下の式II−7で
    与えられる。 式II−7 : γi=asin(sin(γ)/n) また、t1の単位はflに準じ、t2の単位はmmであ
    る。
  19. 【請求項19】 前記第1のスクリーン要素が実質的に
    拡散材を含まない透明材料によって形成されたフレネル
    レンズシートであることを特徴とする請求項17又は1
    8に記載の背面投射型スクリーン。
  20. 【請求項20】 前記第2のスクリーン要素の前記レン
    チキュラレンズアレイの焦点面近傍の光不透過部に光吸
    収層が設けられていることを特徴とする請求項17〜1
    9のいずれかに記載の背面投射型スクリーン。
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