JP2000137294A - 視野制御シート、背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ - Google Patents

視野制御シート、背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ

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JP2000137294A
JP2000137294A JP10308811A JP30881198A JP2000137294A JP 2000137294 A JP2000137294 A JP 2000137294A JP 10308811 A JP10308811 A JP 10308811A JP 30881198 A JP30881198 A JP 30881198A JP 2000137294 A JP2000137294 A JP 2000137294A
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Japan
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light
angle
visual field
refractive index
control sheet
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JP10308811A
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English (en)
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Hiroshi Yamaguchi
博史 山口
Kenichi Ikeda
健一 池田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面近傍の透過率特性が改善された視野制御
シートを提供する。 【解決手段】 ルーバー状の光吸収壁列を形成する光吸
収材料の屈折率n2を基材となる光透過性材料の屈折率
n1より僅かに低くする。これにより、全反射限界角θ
a=sin-1[n1*sin{cos-1(n2/n1)}]以下の角度で入射す
る光は光吸収壁列の側面で全反射され視野制御シートを
透過する。全反射限界角θa以上の角度で入射する光に
ついては、光吸収材料の屈折率n2を光透過材料の屈折
率n1と等しく設定した場合と同様な特性を示し、限界
視野角θmax=sin-1[n1*sin{tan- 1(h/t)}]に影響するこ
ともない。従って、視野制御シートの本来の機能である
視野制限機能を損なうことなく、正面近傍の視認性のみ
を向上することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は入射する光線の入射
角度によって透過率を変化させることにより視野領域を
限定する視野制御シート、および、透過率の入射角依存
性を利用してコントラストを高める背面投射型スクリー
ン、更に、そのような背面投射型スクリーンを用いた背
面投写型ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】透明基材の内部にルーバー状の光吸収壁
列を形成したシート(以下視野制御シート)は光の入射
角度によって透過率が変化する特性(視野制御特性)を
有し、ディスプレイの前面に設置して現金自動支払機な
どの覗き込み防止などに用いられている。
【0003】その構造および機能を図面を用いて説明す
る。図5は視野制御シートの断面図である。視野制御シ
ート1は透明材料(光透過性材料)を基材として、幅
d、高さhの光吸収壁2を一定のピッチpで配列してい
る。従って透明部(基材部)3の幅tはp−dである。
【0004】この様な状態で視野制御シート1の法線方
向から光が入射すると透明部3に入射する成分は光吸収
壁2の側面で吸収されることが無い。この場合、光吸収
壁列が形成されていない場合の透過率を1とした相対透
過率Tはt/pとなる。
【0005】シートの法線方向に対して斜交入射する光
線はその入射角度θiに応じて光吸収壁2の側面による
吸収成分を生じ、その絶対値が特定の限界角度θmax
を越えると相対透過率Tは零になる。光線の出射角θo
は入射角θiと等しい。
【0006】入射角度θiが|θi|<θmaxにおけ
る相対透過率Tは、透明部3での光線角度をθmとして
下記式(1)で得られる。
【0007】
【数1】 T={t−h*tan(|θm|)}/p ・・・(1)
【0008】式(1)で右辺分子が零になる条件は
【0009】
【数2】 θm=tan-1(t/h) ・・・(2)
【0010】であり、式(2)を満たす入射角θiが限
界角度θmaxである。
【0011】入射角度θiと透明部3での光線角度θm
の間には透明部3を形成する透明材料の屈折率をnとし
て以下の式(3)の関係が成り立つ。
【0012】
【数3】 n*sin(θm)=sin(θi) ・・・(3)
【0013】以上の式(2)および式(3)から、限界
角θmaxは下記式(4)で表現できる。
【0014】
【数4】 θmax=sin-1[n*sin{tan-1(t/h)}] ・・・(4)
【0015】以上を整理すると
【0016】
【数5】 T=[t−h*tan{|sin-1(sin(θi)/n)|}]/p : |θi|≦θmax T=0 : |θi|>θmax ・・・(5)
【0017】である。
【0018】これをグラフとして図6に示す。
【0019】図6で、横軸は規格化入射角度θi/θm
axであり、縦軸は光吸収壁列が存在しない場合の透過
率を1とした相対透過率Tである。
【0020】視野制御シートのこの様な特性を利用して
様々な応用が考えられる。
【0021】第1にのぞき込み防止を目的とする応用が
ある。例えば、現金自動支払機などでは暗証番号などの
入力操作を他人からのぞき込まれることは当然歓迎され
ない。視野制御シートをディスプレイの前面に設置する
と、操作する人からは画像が認識でき、斜めからの観察
では画像を認識出来ないようにすることが可能であり、
覗き込みを防止することが出来る。この様な覗き込み防
止は現金自動支払機のディスプレイのみならず外出先で
携帯型情報端末を操作する場合に情報の漏洩を防止する
ためなどに有効である。この種の応用では垂直方向を長
手方向とする光吸収壁列を設けて水平斜め方向からの覗
き込みを防止するのが一般的である。
【0022】第2にディスプレイの前面に装着して画像
のコントラスト向上を図る応用がある。例えばカーナビ
ゲーションのモニターディスプレイに装着すれば、強い
光が画面に照射された場合の反射光を軽減して、昼間の
太陽光のもとでもコントラストの高い良好な画像視認性
を確保することが期待できる。この場合、視野制御機能
によって特定の角度領域以外から観察した場合画像が暗
くなり視認性が低下する。運転者および同乗者に対して
良好な視認性を確保するために、水平方向を長手方向と
する光吸収壁列を設けるのが一般的である。
【0023】第3に背面投射型ディスプレイのスクリー
ンに用いて、コントラストの向上を図る応用がある。
【0024】上記第1および第2の応用では、ディスプ
レイの前面に装着することによりディスプレイが本来有
している視野角を制限するように作用する。第1の応用
では視野角の制限自体が目的である。第2の応用ではコ
ントラストの向上が目的であり視野角の制限はどちらか
と言えば副作用に類するが、特定領域からの観察を前提
としているため実用上の障害にはなっていない。
【0025】これに対して第3の応用は視野角の制限を
伴わずにコントラストの向上を図るものである。その技
術は特開平7−056109号公報、特願平9−261
679号などに開示されている。その技術について簡単
に説明する。
【0026】背面投射型ディスプレイは、投射管(自発
光)あるいは液晶などの空間変調素子(照射光の空間変
調)などに形成した画像を投射レンズによってスクリー
ンの背面より拡大投射し、スクリーンの前面から観察す
るものである。
【0027】背面投射型ディスプレイとして現在最も一
般的な構成は、画像源として赤、緑、青の単色CRTを
用い、それぞれの画像を対応する3本の投射レンズによ
って拡大投射してスクリーン上で重ね合わせ、カラー画
像として表示する方式である。その基本構成の平面配置
を模式的に図7に示す。
【0028】図7で4はCRT、5は投射レンズであ
り、添え字R、G、Bはそれぞれ赤、緑、青の単色画像
に対応することを示す。CRT4に形成された3原色の
画像は投射レンズ5によって拡大投射されスクリーン6
上で重ね合わされる。
【0029】図7から明らかなように、投射光はスクリ
ーン中心から周辺に向かって発散的にスクリーン6に入
射する。また、局所的には非常に指向性鋭く入射し、そ
の投射角範囲(図中θt)は投射レンズのFナンバーと
投射倍率で決まり、±3゜程度である。
【0030】スクリーン6は、様々な角度から画像とし
て認識できるように、投射光を適切に配光する働きをす
る。
【0031】通常スクリーン6は、フレネルレンズシー
ト7及びレンチキュラレンズアレイシート8によって構
成される。
【0032】フレネルレンズシート7は、スクリーンの
中心から周辺に向かって発散的に入射する投射光を収束
して略平行光にする働きをする。
【0033】レンチキュラレンズアレイシート8は略平
行光に変換された投射光を拡散して、様々な角度から画
像として認識可能にする働きをする。レンチキュラレン
ズアレイシート8にはその入射側および出射側に垂直方
向を長手方向とするレンチキュラレンズアレイを形成
し、その内部に拡散材を配合するのが一般的である。こ
のように構成することにより、それぞれ異なる角度で入
射する赤、緑、青の光線の指向性をそろえると共に、水
平方向にはレンチキュラレンズの屈折作用と拡散材の等
方拡散による広い視野角が得られ、垂直方向には拡散材
の等方拡散作用のみによる相対的に狭い視野角を実現す
る。この様な異方拡散特性により有限な光を適視範囲に
有効に配分して明るいディスプレイを実現する。なお、
出射光の非出射領域にブラックストライプ8aを設ける
ことにより、外光を吸収してコントラスト低下の軽減を
はかるのが一般的である。
【0034】フレネルレンズシート7でマクロに収束さ
れた投射光は、局所的には鋭い指向性を保っている。そ
の指向性を利用して光吸収壁列と投射光がほぼ平行にな
るように設置し、光吸収壁列を透過した後に拡散するよ
うにスクリーンを構成する。
【0035】特開平7−056109号公報では、フレ
ネルレンズシート7とレンチキュラレンズアレイシート
8の間に視野制御シートを設置する構成が示されてい
る。この様に構成することにより、背面投射型ディスプ
レイが外光によって照射された場合にその外光がフレネ
ルレンズシート7に入射することを阻止することによ
り、フレネルレンズシート7部分での反射によるコント
ラスト低下を防止することが期待できる。
【0036】また、特願平9−261679号では、レ
ンチキュラレンズアレイシート8の内部に拡散材を分散
せず、その前面(観察側)に、水平方向を長手方向とす
る光吸収壁列と光拡散層とを有する拡散板を、光拡散層
を観察側にして配置する。この様に構成すればフレネル
レンズシート7での反射のみならず、レンチキュラレン
ズアレイシート8による反射および拡散板の裏面での反
射を低減して、外光によるコントラスト低下を大きく低
減することが期待できる。
【0037】上記どちらの場合でも投射光が鋭い指向性
を保った状態で光吸収壁列を透過した後拡散するので、
光吸収壁列の存在によって視野角が制限されることはな
い。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】この様に、視野制御シ
ートを用いればディスプレイの覗き込み防止、コントラ
スト向上などが期待できる。
【0039】しかしながら、従来の視野制御シートでは
光吸収壁列の方向と視点方向の僅かな不一致、あるいは
光吸収壁列の方向と光軸設定の僅かな不一致によって輝
度低下、効率低下などを生じるという問題があった。
【0040】たとえば、覗き込み防止のためにディスプ
レイの前面に視野制御シートを設置した場合、光吸収壁
列の方向と視点の方向が完全に一致した場合最大輝度を
示し明るく鮮明な画像認識が可能になるが、視点が僅か
でもずれると急激に画面の輝度が低下して視認性が損な
われる。図5におけるθmaxを大きく設定するとこの
問題を緩和することが出来るが、画像観察が可能な範囲
が広がり本来の覗き込み防止効果が損なわれる。
【0041】コントラスト向上を目的としてディスプレ
イの前面に視野制御シートを設置した場合も同様に僅か
な視点のズレによって輝度が低下する。この問題を緩和
するためにθmaxを大きく設定するとコントラスト向
上効果が損なわれる。
【0042】背面投射型ディスプレイのスクリーンに応
用する場合は、光吸収壁列の方向と投射光の方向に僅か
なズレが生じた場合、光吸収壁の側面での吸収により投
射光の透過効率が低下する。この場合、透過光は光吸収
壁列を透過後に拡散するので、視野方向による顕著な輝
度低下を生じるのではなく、相対的な視野角特性を維持
して透過効率の損失に応じた輝度低下が観察領域全てに
渡って生じることになる。投射光の方向と光吸収壁列の
方向に誤差が生じる要因としては、投射光が僅かに有し
ている拡散性、フレネルレンズシートの収束設定に応じ
て周辺部で発生する光軸の傾き等がある。この問題を緩
和するためにθmaxを大きく設定すると外光の吸収効
果が小さくなり、コントラスト向上効果が低下する。
【0043】本発明は、上記の問題点を解決し、特定の
入射角度以上の光の出射を阻止するという本来の機能を
維持した上で正面近傍の透過率特性が改善された視野制
御シートを提供することを目的とする。また、本発明
は、光吸収壁によって外光を効果的に吸収しながら、光
吸収壁の側面での投射光の吸収を抑えることにより、投
射光の光損失を最小限に抑えながら外光反射を大きく低
減することができる背面投射型スクリーンを提供するこ
とを目的とする。更に、そのような背面投射型スクリー
ンを使用することにより、光利用効率が高くコントラス
トに優れた背面投射型ディスプレイを提供することを目
的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の視野制御シートは、光透過性材料からな
る基材部と光吸収材料からなるルーバー状光吸収壁列と
を含み、前記光吸収材料の屈折率が、前記光透過性材料
の屈折率より低いことを特徴とする。かかる構成によれ
ば、ルーバー状光吸収壁の側面に斜行入射する光線につ
いて、その入射角が特定の角度以下であれば、入射方向
と光吸収壁列の方向がある程度異なっても光線は光吸収
壁と基材部の界面で全反射するので光吸収壁列の側面で
吸収されることがない。従って、特定の入射角度以上の
光の出射を阻止するという本来の機能を維持した上で、
法線方向から特定角度内の透過率特性が改善される。よ
って、視点がある程度ずれても画面の明るさが低下する
こと無く、しかも大きな覗き込み防止効果、コントラス
ト向上効果を発揮する視野制御シートを実現できる。
【0045】また、本発明の背面投射型スクリーンは、
投射側から観察側に向かって、フレネルレンズシート、
垂直方向を長手方向とするレンチキュラレンズが配列さ
れたレンチキュラレンズアレイシート、および光拡散板
を備え、前記光拡散板は光透過性基材の内部に光吸収材
料からなるルーバー状の光吸収壁列と光拡散層とを有
し、前記光吸収材料の屈折率は前記光透過性基材の屈折
率より低く、前記光吸収壁列は水平方向を長手方向と
し、前記光拡散層より投射側に設けられていることを特
徴とする。かかる構成によれば、投射光の光拡散板への
入射方向とルーバー状光吸収壁列の配列方向との間に僅
かなズレが生じても、投射光が光吸収壁の側面で吸収さ
れることがなく、光利用効率の低下が生じない。従っ
て、光吸収壁列によって外光を効果的に吸収しながら、
光吸収壁の側面での投射光の吸収を抑えることができる
ので、投射光の光損失を最小限に抑えながら外光反射を
大きく低減することができる背面投射型スクリーンを提
供することができる。
【0046】また、本発明の背面投写型ディスプレイ
は、上記背面投射型スクリーンを有することを特徴とす
る。かかる構成によれば、スクリーンの設置角度が投射
光学系の光軸と僅かにずれても明るさが低下することが
ない。従って、光利用効率が高くコントラストに優れた
背面投射型ディスプレイが得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)屈折率n1の透
明材料(光透過性材料)からなる基材の内部に屈折率n
2の光吸収材料からなるルーバー状光吸収壁列を形成
し、図5に示す様な断面を有する視野制御シートを形成
する。形成方法としては、例えば、透明材料と光吸収材
料とを交互に積層した後固化し、側面部よりスライスす
る方法等公知の方法が採用できる。
【0048】透明部(基材部)に入射した光は、透明部
での光線角度θmの絶対値がcos -1(n2/n1)よ
り小さい場合、透明材料と光吸収材料の界面(ルーバー
状光吸収壁の側面)で全反射して光吸収材料によって吸
収されることがない。θmの絶対値がcos-1(n2/
n1)より大きくなると界面での反射率は急激に低下し
て界面に入射した光は光吸収材料によって吸収される。
光線入射角θiと透明部での光線角度θmとの間には、
【0049】
【数6】 n1*sin(θm)=sin(θi) ・・・(6)
【0050】の関係が成立するので、前記全反射をもた
らす入射角(全反射限界角)θaは、
【0051】
【数7】 θa=sin-1[n1*sin{cos-1(n2/n1)}] ・・・(7)
【0052】で得られる。
【0053】入射角θiの絶対値が前記θaより大きい
場合界面反射率が近似的に零で、ルーバー状光吸収壁の
側面に入射する光が完全吸収されるとすれば、ルーバー
状光吸収壁列が存在しない場合の透過率を1とした相対
透過率Tは、
【0054】
【数8】 T=t/p : |θi|<θa T=[t−h*tan{|Sin-1(Sin(θi)/n)|}]/p : θa≦|θi|≦θmax T=0 : |θi|>θmax ・・・(8)
【0055】となる。
【0056】この特性を従来の視野制御シートの特性と
合わせて図1に示す。図1では従来の視野制御シートの
特性を破線で、本発明の視野制御シートの特性を実線で
示している。
【0057】光吸収壁列を形成する光吸収材料の屈折率
と基材部を形成する透明材料の屈折率が等しい従来の視
野制御シートでは、光の入射方向がルーバー状光吸収壁
列の方向から僅かでもずれると急激に透過率が低下する
のに対し、本発明の視野制御シートでは入射角θiが±
θa以下の範囲の光に対し入射角0度の光と等しい相対
透過率を示す。
【0058】一方、入射角θiが全反射限界角θaを越
える光に対しては従来の視野制御シートと等しい特性を
示す。
【0059】また、限界角θmaxは従来の視野制御シ
ートと同様に遮光壁列の高さh、透明部の幅tおよび透
明材料の屈折率n1によって式(8)に基づいて決定さ
れる。従って本発明の構成によって限界角θmaxが増
加することはなく、前記h、t、n1を等しく設定した
従来の視野制御シートと等しい値になる。
【0060】この様に、本発明の構成によれば限界角θ
maxを増加させることなく、正面近傍で僅かな角度誤
差が生じても相対透過率が低下することがない視野制御
シートが得られる。
【0061】(実施の形態2)図2は本発明の背面投射
型スクリーンの実施の形態を模式的に示す斜視図であ
る。
【0062】投射側から観察側に向かってフレネルレン
ズシート7、レンチキュラレンズアレイシート8、光拡
散板9の順に配置する。レンチキュラレンズアレイシー
ト8の出射側にはブラックストライプ8aが形成されて
いる。
【0063】光拡散板9は、透明材料を基材とし、光吸
収材料からなるルーバー状の光吸収壁列10と光拡散層
11を有し、前記光吸収材料の屈折率n2は前記透明材
料の屈折率n1より小さく、前記光吸収壁列10は水平
方向を長手方向として形成し、前記光拡散層11より投
射側に設ける。その結果、透明材料部から光吸収材料部
へ入射する光のうち、界面となす角がcos-1(n2/
n1)以内の光は全反射して透明材料部へ戻る。
【0064】光吸収材料の屈折率n2は、投射光が光吸
収壁の側面に入射する斜行入射成分を考慮してその大部
分を全反射するように設定する。
【0065】例えば透明材料の屈折率n1が1.5で、
斜行入射の要因として図7でθtとして示した投射角±
3゜と光吸収壁列10の角度設定誤差±2゜の合計±5
゜が見込まれる場合について考える。
【0066】前記条件で投射光とルーバー状光吸収壁の
側面のなす最大角度は7.5゜となるので、cos
-1(n2/n1)>7.5゜になるように、n2/n1
<0.991、すなわちn2<1.487であれば光吸
収壁の側面での吸収を生じることがない。
【0067】上記の様に構成されたスクリーンの機能に
ついて順次説明する。
【0068】投射光はフレネルレンズシート7の作用に
よって略平行光となってレンチキュラレンズアレイシー
ト8に入射する。レンチキュラレンズアレイシート8は
その内部に拡散材を含まず透明で、前記略平行光を水平
方向に屈折・拡散する機能を有し、垂直方向には何らの
屈折・拡散作用を持たない。
【0069】その結果、光拡散板9に入射する投射光の
主指向方向は光拡散板9の面の法線方向で、水平方向に
大きく拡散され、垂直方向には投射光が有していた強い
指向性を保持する。投射光の指向性即ち光拡散板9に入
射する光の垂直方向の指向性は前述のように図7の投射
角θtで表され±3゜程度である。
【0070】光拡散板9の入射側には水平方向を長手方
向とする光吸収壁列10が設けられており、前述の投射
角θtおよび光吸収壁列10の角度設定誤差などによっ
て、光拡散板9に入射する投射光のうち光吸収壁列10
の側面に入射する成分が存在するが、上記の入射角度範
囲では全反射するように光吸収壁列10の屈折率n2を
透明材料部の屈折率n1より小さく設定しているので吸
収されることがない。
【0071】この様に光吸収壁列10にほとんど吸収さ
れることなく透過した投射光は出射側に設けた光拡散層
11に伝達される。光拡散層11は投射光を等方拡散し
て垂直方向にも視認領域を確保すると同時に水平方向で
はレンチキュラレンズ作用による急峻な配光を滑らかに
してレンチキュラレンズ作用の及ばない領域ににも光を
拡散する。
【0072】天井照明を主体とする外光は、垂直方向に
大きな角度を持って入射する成分が支配的で、光吸収壁
列10に対しcos-1(n2/n1)より大きな角度で
入射するので、光拡散板9に入射後そのほとんどが光吸
収壁列10に吸収され、光拡散板9の裏面で反射して観
察側に戻る成分をほとんど生じない。
【0073】従って、投射光の光吸収壁列10での光損
失を最小限に抑えながら、外光反射を大きく低減するこ
とができる背面投射型スクリーン6が得られる。
【0074】(実施の形態3)図3は本発明の背面投射
型ディスプレイ15の実施の形態を模式的に示す斜視図
であり、主要要素の配置が分かるように透視図としてい
る。
【0075】図3で4はCRT、5は投射レンズであ
り、添え字のR、G、Bはそれぞれ赤、青、緑の単色画
像に対応することを示す。CRT5に形成された単色画
像は投射レンズ5によって拡大投射されミラー12で折
り返された後スクリーン6上で重ね合わされる。スクリ
ーン6には図2に示した実施の形態2に記載のスクリー
ンが用いられている。
【0076】図4は、ミラーによる折り返しを展開した
状態での垂直断面図である。垂直断面で示しているため
水平方向に配列されている3つのCRT4および3つの
投射レンズ5のうち緑の単色画像に対応するCRT4G
および投射レンズ5Gのみが表示されているが、赤およ
び青の画像源に対応する投射光もその垂直方向成分につ
いては同様である。また、図示したように、レンチキュ
ラレンズアレイシート8の垂直断面形状は略矩形にな
り、垂直方向には光を屈折・拡散する作用を持たない。
【0077】フレネルレンズシート7で平行化された投
射光は垂直成分については、レンチキュラレンズアレイ
シート8では何らの作用を受けることなく透過して光拡
散板9に入射し、光拡散板9に設けた光吸収壁列10を
透過した後、光拡散層11によって拡散される。
【0078】このとき、投射光が光吸収壁列10と極力
平行になるように、フレネルレンズシート7の焦点距離
を投射距離と等しく設定し、投射レンズ5の光軸をスク
リーン6面の法線方向と一致するように設定する。しか
しながら、フレネルレンズシート7の焦点距離が投射距
離と完全に一致しない場合は上下端部で光線の傾きを生
じる。また、図3の様に組み上げる際にある程度の機構
的誤差は避けられず中心部でも光吸収壁列10と投射光
の方向を完全に一致させることは困難であり、±2゜程
度の誤差は不可避的である。
【0079】さらに、元々投射光は±3゜程度の投射角
θtに応じた拡散性を有しており、光吸収壁の側面に入
射する成分を皆無にすることは原理的に不可能である。
【0080】従来これら光吸収壁の側面へ入射する成分
は損失となっていたが、実施の形態2に記載のスクリー
ン6を用いた本発明の背面投射型ディスプレイでは、光
吸収壁の側面に入射するこれらの成分の大部分を透過さ
せる。光吸収壁列10を構成する光吸収材料の屈折率n
2を基材部となる透明材料の屈折率n1の0.991倍
程度に設定することにより、全反射限界角θaを5゜と
してそれ以下の角度で入射する光を全反射するからであ
る。
【0081】光吸収壁列10は天井光を主体とする外光
を効果的に吸収して外光によるコントラスト低下を低減
する目的で設けられるものであり、光吸収壁列の高さh
(図5参照)は相対的に高いほど限界角度θmaxが小
さくなり効果が大きい。従来の構成では前述の側面での
損失を軽減するためにある程度大きなθmaxを設定す
る必要があり、θmax=20゜程度が限界であった。
本発明の背面投射型ディスプレイでは限界角θmaxを
全反射限界角θa近くまで小さくしても損失を発生する
ことが無く、例えば10゜程度のθmaxが可能にな
り、外光反射の低減効果についても向上できる。
【0082】以上により、本実施の形態によれば、光利
用効率が高く、外光反射が少ないために、コントラスト
に優れた背面投写型ディスプレイを得ることができる。
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明して明らかなように、本
発明の視野制御シートによれば、特定の角度以上の光の
出射を阻止するという本来の機能を維持した上で正面近
傍の透過率特性を改善することが可能であり、覗き込み
防止などに応用した場合僅かな視点のズレによって視認
性を大きく損なうことがない。
【0084】また、本発明の背面投射型スクリーンおよ
び背面投射型ディスプレイによれば、光吸収壁によって
外光を効果的に吸収しながら光吸収壁の側面で投射光が
吸収されることが無く、投射光の光損失を最小限に抑え
ながら外光反射を大きく低減した背面投射型スクリーン
が可能になり、光利用効率が高くコントラストに優れた
背面投射型ディスプレイを実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の視野制御シートの特性を示すグラフ
【図2】本発明の背面投射型スクリーンの実施の形態の
一例を示す斜視図
【図3】本発明の背面投射型ディスプレイの実施の形態
の一例を示す斜視図
【図4】図3の背面投射型ディスプレイの作用を説明す
るための垂直断面図
【図5】視野制御シートの構造と動作を示す断面図
【図6】従来の視野制御シートの特性を示すグラフ
【図7】一般的な背面投射型ディスプレイの基本構成図
【符号の説明】
1 視野制御シート 2 光吸収壁 3 透明部 4 CRT 5 投射レンズ 6 スクリーン 7 フレネルレンズシート 8 レンチキュラレンズアレイシート 9 光拡散板 10 水平方向を長手方向とする光吸収壁列 11 光拡散層 12 ミラー 13 キャビネット 15 背面投射型ディスプレイ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性材料からなる基材部と光吸収材
    料からなるルーバー状光吸収壁列とを含み、前記光吸収
    材料の屈折率が、前記光透過性材料の屈折率より低いこ
    とを特徴とする視野制御シート。
  2. 【請求項2】 投射側から観察側に向かって、フレネル
    レンズシート、垂直方向を長手方向とするレンチキュラ
    レンズが配列されたレンチキュラレンズアレイシート、
    および光拡散板を備え、 前記光拡散板は光透過性基材の内部に光吸収材料からな
    るルーバー状の光吸収壁列と光拡散層とを有し、 前記光吸収材料の屈折率は前記光透過性基材の屈折率よ
    り低く、 前記光吸収壁列は水平方向を長手方向とし、前記光拡散
    層より投射側に設けられていることを特徴とする背面投
    射型スクリーン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の背面投射型スクリーン
    を有することを特徴とする背面投射型ディスプレイ。
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