JP4288784B2 - 画像投影用スクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示技術の分野に属するものであり、特にプロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダーなどのスクリーンとして好適な画像投影用スクリーンに関する。本発明の画像投影用スクリーンは、特にLCD(液晶)プロジェクターやDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)プロジェクター等のようにマトリックス状に配置された画素表示部を有するライトバルブに形成された光学像が投写される画像投影用スクリーンに好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、背面投写型プロジェクションテレビにおいては、投写された画像を観察側の広い角度範囲で明るく観察することが要求されており、特に水平方向に広く拡散し、垂直方向にはそれより狭い範囲ではあるが適度に拡散するようにした視野範囲に異方性のある画像投影用スクリーンが用いられている。
このような画像投影用スクリーンとしては、シートの片面または両面に垂直方向に延びたレンチキュラーレンズを並設するとともに、このようにして光拡散性を持たせた拡散シート中に更に光拡散材を含有させ、レンチキュラーレンズにより光を水平方向には広く拡散し、光拡散材により垂直方向にもある程度光拡散させるようにしたレンチキュラーレンズシートが一般的に用いられている。
【0003】
一方、画像投影用スクリーンと組み合わせて用いられる投写像源としては、CRTに代わって、LCDやDMDといったマトリックス状の画素構造を用いて表示を行うデバイスを用いたプロジェクターが普及してきている。このようなプロジェクターは、その構造上、CTRプロジェクターのように地磁気の影響を受けることがなく、静止画を観察することの多いパソコンなどのコンピューターの表示装置のための画像光源としては極めて好ましい。このようなLCDやDMDをプロジェクターとして用いる画像投影用スクリーンにおいては、プロジェクションテレビなどに使用される40〜60インチのものに加えて、比較的近接した位置から観察するパソコンモニターのような14〜40インチ程度の比較的小さい面積のものにまで使用されるため、新たな性能が要求されてきている。
【0004】
すなわち、▲1▼レンチキュラーレンズの内部に添加した光拡散材が投写光と干渉して発生するスペックルもしくはシンチレーションと呼ばれるスクリーン表面の微細凹凸や拡散材がぎらつく現象(以下、「スペックル」と記載)の解消、そして、▲2▼近年では従来のVGA、SVGAから、XGA、SXGAなどの高画素数のものを鮮明に解像することなどが要求される。
【0005】
このような要求性能に関して、特にLCDやDMDを用いたプロジェクター用のスクリーンに限らず、背面投写型プロジェクションテレビなどで使用されている透過型スクリーンとして、それぞれ次のような解決策が提案されている。
【0006】
上記▲1▼に関しては、特開平8−313865号公報、米国特許第567543号公報、米国特許第3712707号後方、特開昭55−12980号公報に、光拡散層を分割したり、板厚方向に光拡散材の濃度勾配を設けたりすることによって、スペックルの低減を図る方法が提案されている。
【0007】
上記▲2▼に関しては、特開昭55−12980号公報に、人間の目の解像力(5〜10本/mm)を上回る解像力のスクリーンを得るためには、拡散層の厚みを100μm以下に薄く形成することが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来技術においては、前記のような要求性能を全て満足できるものではなかった。特に、スペックルの低減と高解像度とは、一般的にトレードオフの関係にあり、スペックルの低減を図ると解像度が低下し、解像度を高めるとスペックルが顕著になるものであった。例えば、特開平8−313865号公報では、光拡散層を分割し、第1光拡散層の入射面から第2光拡散層の出射面までの距離を1.5mm以上とすることでスペックルを軽減させることはできるものの、XGAやSXGAなどの高画素数の場合には、解像度が低下し高解像度の投写映像を提供できるものではなかった。また、特開昭55−12980号公報のように拡散層の厚みを100μm以下とすると、高解像度の投写映像を得られるものの、スペックルの発生が顕著になり高品位な投写映像を提供できるものではなかった。
【0009】
また、実公昭51−18782号公報、米国特許第3650608号公報、米国特許第3576364号公報などでは、1枚の液晶板を光拡散層として用い、これを電場を用いて動的に配向制御して動的散乱を引き起こし、スペックルを除去するという方法が提案されている。しかし、このような方法では、液晶分子を電場を用いて動的に配向させるために、液晶の異方性により透過光の偏光の一部が欠損し透過光の強度が低下し、投影像が暗くなるという問題点を有していた。これに加えて、液晶プロジェクターなどでは投写像のコントラストを高める目的で画像投影用スクリーンに偏光膜を装着する場合があるが、このような画像投影用スクリーンに電場配向液晶を使用すると、この液晶との偏光透過軸のずれによる透過光の強度の低下が問題となる。さらに、1枚の液晶板を光拡散層として使用しただけでは、スペックルや明るさの変化が認知され、投影された画像を観察する場合に不快感を感じるという問題点も有していた。
【0010】
そこで、本発明は、液晶プロジェクターなどと組み合わせて使用される場合にも、スペックルの発生が殆どなく、高解像度で高品位な投写映像が得られる画像投影用スクリーンを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決させるための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み、画像投影用スクリーンを構成する光拡散層の散乱波の散乱分布を時間的に変化させることによって、画像投影用スクリーンの解像度を低下させることなくスペックルを解消できることを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明の画像投影用スクリーンは、投写光で光学像が投影される画像投影用スクリーンであって、該画像投影用スクリーンを構成する光拡散層において散乱波の散乱分布および/または位相を時間的に変化させることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
一般に、画像投影用スクリーンに発生するスペックルは、投影される入射光がレーザ光のように完全にコヒーレントされた光、キセノンランプなどのような白色ランプ光のように部分的にコヒーレント性を有する光である場合に、入射光が光拡散層を通過する際にそれに含まれる光散乱体により形成される散乱波(コヒーレント成分)が複雑、ランダムに干渉する結果、発生すると考えられている。白色ランプ光のように部分的にコヒーレント性を有する光が入射する場合には、レーザ光ほど顕著なスペックルは発生しないものの、白色光源が点光源に近づくに従って入射光のコヒーレント性が高くなりスペックルの発生が著しくなってくる。同様に、光源から画像投影用スクリーンまでの距離を長くしたり、光源からの光を狭い出射範囲内に絞り込んだ場合にも、入射光のコヒーレント性が高くなりスペックルの発生が著しくなってくる。
【0013】
また、このようなスペックルは、光拡散層での散乱波の散乱角θが大きいほど軽減され、位相の乱れた散乱波の広い領域からの重ね合わせが起こることにより軽減されることが知られている。このようにスペックルを軽減する方法として、2つの光拡散層の間に間隙を設けたり、画像投影用スクリーンへの入射立体角を広げる方法が挙げられるが、これらの方法では画像の解像度を著しく低下さえるというものであった。
【0014】
そこで、本発明においては、画像投影用スクリーンに入射した光が光拡散層を通過することによって形成される散乱波の散乱分布や位相を時間的に変化させることにより、画像投影用スクリーンの解像度の低下を招くことなくスペックルの発生を軽減ないし除去するものである。
【0015】
本発明において、散乱波の散乱分布や位相を時間的に変化させるとは、例えば、散乱光を周期的に揺さぶる場合、その揺さぶる速度を10Hz以上、好ましくは30Hz以上、より好ましくは50Hz以上とし、人の目で感知できない程度の速度で時間的に変化させることである。このように、光拡散層に含まれる光散乱体により形成される散乱波の散乱分布や位相を、人の目では感知できない程度の速度で動的に変動させることによって、特異的な静的干渉パターン(スペックルパターン)が形成されず、観察者が投影された画像を観察した場合のぎらつき感を軽減させることができる。さらに、散乱光の動的変化によってスペックルの軽減効果をより高めるためには、散乱波の散乱分布や位相を時間的に変化させる光拡散層(以下、第1の光拡散層という。)の他に、観察者と第1の光拡散層との間に1つ以上の光拡散層(以下、第2の光拡散層という。)を設けて、散乱光の動的変化をより感知し難くすることが好ましい。
【0016】
このように観察者と第1の光拡散層との間に1つ以上の光拡散層を設けた画像投影用スクリーンの構成を図1に示した。図中、1は第1の光拡散層、2は第2の光拡散層、3は透明樹脂層である。(a)は、第1の光拡散層1と第2の光拡散層2とが分離し、その間に間隙を設けたものである。(b)は第2の光拡散層2の観察側に透明樹脂層3を形成したもので、(c)は第1の光拡散層1と第2の光拡散層とを透明樹脂層3を介して一体化したものである。また、(d)は、第1の光拡散層1の表面が凹凸形状を有するものである。本発明においては、画像投影用スクリーンの構成は、これらに限定されずに、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズシート、偏光膜などを、適宜組み合わせて使用することもできる。
【0017】
本発明の光散乱体としては、比較的偏光選択性のない光学的に等方的なものが好ましく、例えば、図2の(a)〜(d)に示したように、楕円状、球状、アメーバ状、針状などの種々の形状のものを使用することができる。また、(e)に示したようなスピノーダル分解様の入り組んだ変調構造でマトリックス中に分散したものでもよい。これら光散乱体は、光散乱体を光拡散層のマトリックス中に添加して分散させてもよいし、マトリックスの重合中にポリマーブレンドの非相溶系の相分離現象を利用して発現させてもよいし、溶融状態からの結晶化現象によって発現させてもよい。
【0018】
光散乱体のサイズは、あまり小さいと画像投影用スクリーンとしての光散乱効率が低下するため、光拡散層を必要以上に厚したり、光散乱体を多量に含有させる必要があり解像度の低下を招き、逆に大きすぎると光散乱分布がより前方散乱側に偏るため、良好な光拡散特性が得られなくなるため、適当なサイズのものを使用することが好ましい。例えば、光散乱体が球状である場合には、その粒子径が0.2〜50μm程度のものが好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは2〜10μmである。なお、スピノーダル分解様の変調構造を有しているものでは、そのサイズが比較的小さいものであっても拡散効率を高めることができる。
【0019】
また、光散乱体としては、そのサイズが光の波長に対してあまり大きくないものが好ましい。これは、光散乱体の相関サイズをaとし、光散乱体の変形、移動、回転、振動などによる形状や位置の変化をΔXとし、屈折率の変化がない場合に、ΔX<aであると光散乱体間の相関性が一部保持され、干渉による静的な光散乱形態が最終的に残存してしまうことになり、ぎらつき感は軽減されるもののスペックルを完全に除去することができない傾向にあるためである。このため、光散乱体のサイズ(a)は、次の式(1)を満足する関係にあることが好ましく、さらに好ましくは式(2)の関係にある場合である。
【0020】
【数2】
Figure 0004288784
【数3】
Figure 0004288784
本発明においては、光散乱体の形状や位置の変化(ΔX)は、数μm程度で十分にスペックルの軽減、除去効果がある。また、比較的偏光選択性のない光学的に等方的な光散乱体を使用することにより、画像投影用スクリーンに偏光膜を組み合わせて使用した場合でも、偏光透過軸のずれによる光強度の減衰の問題がなく、明るい画像が得られるものである。
【0021】
光散乱乱体の屈折率は、海島構造の光拡散層では、その散乱効率の観点からマトリックスとの屈折率差が0.03以上であることが好ましく、より好ましくは0.05以上である。この光散乱体の屈折率は、光拡散層内で屈折率分布を有するように設定することもできる。また、光拡散層の厚さや光散乱体の分布は、光散乱体の形状や濃度によって、画像投影用スクリーンとしての光拡散特性を考慮して、適宜設定することができる。
【0022】
本発明において、光拡散層による散乱波の散乱分布や位相を時間的に変化させるためには、光拡散層に含有されている光散乱体の形状、相対的位置関係や屈折率を時間的に変化させることによって行うことができる。また、光拡散層の形態を変化させるとによって、相対的に光散乱体の形状などを変化させることもできる。このように、光拡散層に含有されている光散乱体の形状、相対的位置関係や屈折率、光拡散層の形態を時間的に変化させるためには、光拡散層に光、電場、磁場、熱、応力を時間的に変化させながら、あるいは断続的に、連続的に付与する散乱分布変化手段を設け、これら光、電場、磁場、熱、応力によって光散乱体の形状、相対的位置関係や屈折率を時間的に変化させる。
【0023】
散乱分布変化手段によって光散乱体の形状を変化させる方法としては、例えば、図3の(a)に示したように、光散乱体として高分子電解質ゲルを分散させた光拡散層を透明電極4で挟み印加電圧を変化させることで、高分子電解質ゲルに膨潤、収縮、屈曲などの形状変化を誘発させる方法、大きな電気極性を持った分子が会合あるいは結合してなる光散乱体を分散させた光拡散層に電場を作用させることにより光散乱体を再配列さる方法、図3の(b)に示したように、大きな磁気極性を持った光散乱体を分散させた光拡散層に磁気コイル5などを用いて磁場を作用させることにより光散乱体を再配列さる方法などが挙げられ、また、光散乱体などに圧電材料を使用することもできる。
【0024】
散乱分布変化手段として熱を利用する場合は、例えば、光散乱体として結晶転移温度が低く、温度変化に対する結晶変化速度の早い結晶性高分子、有機低分子結晶、無機結晶、コロイド結晶などを使用して、熱による結晶転移で形状変化を起こさせる方法、コロイド粒子やゲル状粒子などからなる光散乱体を用いて熱による膨潤、収縮によって形状変化を起こさせる方法などが挙げられる。このような熱を利用した散乱分布変化手段としては、一般的に使用されている種々の熱源が利用できるが、投影画像に障害を及ぼさない赤外線などの不可視光線を用いることが好ましい。また、図3の(c)に示したように、光拡散層の面方向に機械的振動応力を加えて、光散乱体の形状を変化させることもできる。
【0025】
以上のようにして散乱分布変化手段によって光散乱体の形状を変化させる場合には、光拡散層の厚さを数十μm〜100μm程度とすることが好ましい。特に、電場を作用させる場合には、このような厚さの光拡散層とすることによって、電極間の距離が短くなり比較的低い電圧で大きな電場を印加することができ、効率的に光散乱体の形状を変化させることができる。
【0026】
散乱分布変化手段として光散乱体の相対的位置関係を変化させる方法としては、光散乱体の並進運動、非対称回転、散乱、重心の振動などによる相対的位置関係を変化する方法が挙げられる。例えば、光散乱体として電荷を帯びたコロイドを分散させた光拡散層に電場を印加することによって、コロイドを電気永動などの推進運動や拡散をさせ相対的位置関係を変化させる方法、光散乱体として大きな電気極性を持った分子が会合あるいは結合してなる光散乱体を分散させた光拡散層に電場を作用させる方法、大きな磁気極性を持った光散乱体を分散させた光拡散層にコイルなどを用いて磁場を作用させる方法などが挙げられる。また、散乱分布変化手段として熱を利用する方法としては、例えば、図3の(a)に示したものと同様に、透明抵抗膜などを用いた電極板で光拡散層を挟み、光拡散層の温度を変化させることによって、光散乱体をミクロブラウン運動やマクロブラウン運動をさせる方法、熱により光拡散層を膨潤、収縮、変形させる方法などがあげられる。このような熱を利用した散乱分布変化手段としては、一般的に使用されている種々の熱源が利用できるが、投影画像に障害を及ぼさない赤外線などの不可視光線を用いることが好ましい。
【0027】
散乱分布変化手段として光散乱体の表面あるいは内部の屈折率を変化させる方法としては、光散乱体として大きな電気極性あるいは磁気極性を持った分子が会合あるいは結合してなる光散乱体、電場や磁場などによって屈折率変化を起こす有機非線型光学材料、無機非線型光学材料、電気光学材料などからなる光散乱体を分散させた光拡散層に電場や磁場などを作用させる方法などが挙げられる。なお、ここでいう光散乱体の屈折率とは、光拡散現象に関与する次の式(3)で示される複素屈折率(n)である。
【0028】
【数4】
Figure 0004288784
(ここで、nは実数項で屈折率計などで測定される屈折率を示し、nは複素項で光散乱時に光散乱体による光の吸収(損失)効果として寄与する項を示し、jは複素表示を示す。)
光散乱体の散乱分布は、この屈折率分布の形態により決定されるものであり、式(3)のn、nが変化することにより、散乱波の位相が変化する。同様に、光散乱現象は屈折率揺らぎにより規定されるものであり、光散乱体の屈折率分布が変化することは、光散乱体の形状が変化することと同様の効果が得られる。
【0029】
光散乱体の屈折率のみが変化する場合には、屈折率の変化量が大きいことが要求される。これは、屈折率の変化により散乱波の位相を変えることは可能となるが、光散乱体全体の散乱波の干渉に関する屈折率分布の相関関係が光散乱体の形状や位置関係が変化しないため、部分的に屈折率分布の相関関係が保持されやすくなるためである。光拡散層中に、ある割合で一定の屈折率分布の相関関係が保持されるということは、定常的な静的干渉が残存することであり、スペックルが発現する可能性があるものである。
【0030】
本発明においては、光拡散層を構成するマトリックスあるいは光散乱体の材料としては、液状物、ゲル状物、ゴム状物、熱可塑性樹脂などが好ましい。このような材料を使用することにより、上記のように光、電場、磁場、熱、応力などの外部エネルギーのわずかな供給によって、光散乱体の形状や相対的位置関係などを変化させることもできるし、このようなエネルギーの供給をしなくても光散乱体の形状や相対的位置関係などを変化させることもできる場合がある。特に、このような液状物、ゲル状物、ゴム状物、熱可塑性樹脂としては、これらの分子運動の平均緩和時間が短いものほど好ましく、例えば、準弾性光散乱手法などで評価される平均分子運動の緩和時間で0.5秒以下程度のものが好ましく、より好ましくは0.1秒以下、さらに好ましくは20秒(周波数で50Hzに相当)以下である。ここで、液状物としては、コロイド溶液、乳化液、高分子溶液、電解液、有機溶媒、水などの一般的な液体状のものが使用できる。また、ゲル状物としては、化学的に架橋したゲル、物理的に架橋したゲルなどの有機または無機のゲル物質を使用することができるが、中でも、ゾルゲル転移温度が室温より低いものが好ましく、このゾルゲル転移温度がより低いものほど好ましい。さらに、ゴム状物、熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が室温より低いものが好ましく、より好ましくはガラス転移温度が室温よりも大幅に低いものである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の画像投影用スクリーンは、光、電場、磁場、熱、応力などによって光散乱体の形状、相対的位置関係、屈折率などを時間的に変化させ、その光拡散層の散乱波の散乱分布および/または位相を時間的に変化させることにより、スペックルの発生が殆どなく、高解像度で高品位な投写映像が得られる画像投影用スクリーンを提供することができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の画像投影用スクリーンの構成を示す模式図である。
【0034】
【図2】本発明で使用される光散乱体の形状を示す模式図である。
【0035】
【図3】本発明の散乱分布変化手段の具体例を示す模式図である。
【0036】
【符号の説明】
1 第1の光拡散層
2 第2の光拡散層
3 透明樹脂層
4 透明電極
5 磁気コイル

Claims (1)

  1. 投写光で光学像が投影される画像投影用スクリーンであって、該画像投影用スクリーンを構成する第1の光拡散層において散乱波を10Hz以上の速度で周期的に揺さぶり、かつ観察者と前記第1の拡散層との間に1つ以上の第2の光散乱層を設けてなり、
    前記第1の光拡散層にを付与する散乱分布変化手段が設けられ、該散乱分布変化手段により前記光拡散層に含まれる、スピノーダル分解様の入り組んだ変調構造でマトリックス中に分散してなる光散乱体の形状、相対位置、屈折率の少なくとも1つを熱による結晶転移により時間的に変化させることを特徴とする画像投影用スクリーン。
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