JP5442628B2 - レーザー光用の光拡散セル、これを用いた光源装置および画像表示装置 - Google Patents

レーザー光用の光拡散セル、これを用いた光源装置および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置等の画像表示装置に使用されるレーザー光源からのレーザー光により表示画像に生じるスペックルノイズを除去するための、レーザー光用の光拡散セルと、これを用いたレーザー光源装置及び画像表示装置に関する。
近年、半導体レーザーを画像表示装置の光源に利用する動向がある。従来、これらの光源としては、超高圧水銀ランプや、LED等が用いられてきた。しかしながら、色再現性の向上や色表現域の拡大が常に求められている。誘導放射で得られるレーザー光は、非常に帯域の狭い発光スペクトルを有するために、純粋な一色を表現する能力に優れている。そして、レーザーによる3原色(赤、緑、青)を組合せると、従来からの光源に比べて、非常に高い色域表現が可能な点で優れている。そのため、画像表示装置用の魅力的な光源となっている。そして、現在においては、可視光レーザー発生装置のサイズ、消費電力、そしてコスト等の実用化にあたって障害となっていた問題が克服され、実際に半導体レーザーを光源とした、広い色域を表現できる大型のリアプロジェクションテレビが生産されている。
上記3原色に対応する3種類のレーザー光(例えば、青:460nm、緑:532nm,赤635nm)の組合せを使用すると、NTSC色域の150〜170%の範囲を確保することができ、既存の他のどの方式のディスプレイよりも実物に近い映像が得られることが分かっている。例えば、ブラウン管を使ったCRTディスプレイの表現できる色域は、NTSC色域の60〜70%であり、液晶ディスプレイに比べると優れているが、上記の3種類のレーザー光の組合せで表現できる色域に比べればかなり狭い。
なお、上記におけるNTSC色域とは、アメリカのNational Television System Committee(NTSC)によって策定されているアナログテレビジョン方式の色域の基準規格である。
上記の様に、3原色のレーザー光の組合せは色域の表現にすぐれているが、そのままではスペックルノイズが発生するという問題がある。即ち、レーザー光源から射出される光は、非常に干渉しやすいコヒーレント光であるため、そのまま画像表示に応用した場合、最終的に投影される画像には、明部と暗部が画像の全体に渡ってチラつく、スペックルノイズと呼ばれる光ムラが常に発生する。そのために、レーザー光をそのまま利用した場合、従来から利用されている光源を用いた画像表示装置と比べて、視認性が悪くなってしまう。それを改善し、半導体レーザーを画像表示装置の光源として利用するには、スペックルノイズを低減または除去し、インコヒーレントな光へと近づけ、視認性への悪影響を防ぐことが不可欠である。なお、スペックルノイズの無い投影光はインコヒーレントな光と呼ばれる。
この問題に対して、種々の解決法が提案されている。例えば、特許文献1では回転する拡散素子(例えば擦りガラス)に、レーザー光を通過させて、スクリーン上へ投影される画像のスペックルパターンを動かす方法が開示されている。拡散素子の回転速度が十分に速いと、観察者の目がスペックルを検出し得なくなり、スペックルが消失したように見える。しかしながら、拡散素子を回転させる機構を画像表示装置に搭載する必要があり、画像表示装置が複雑化する不利がある。
特許文献2には、レーザー光でスクリーン上を走査しながら画像を表示するタイプの装置が記載されている。該装置によれば、スクリーン上の走査方向に周期的にシリンドリカルレンズを配置したレンチキュラーレンズによって、レーザー光の走査が進むにしたがって、レンズの焦点への光の入射角が変化し、スクリーンに投影される光のスペックルパターンも変化する結果、スペックルノイズが低減される。この装置は、駆動機構を用いない利点はあるものの、投影する特殊スクリーンが常に必要である。また、走査方式タイプの装置にのみ用いられる等、制限が多い。
特許文献3および特許文献4では、レーザー光のスペックルノイズを低減させるファイバーバンドル素子を作製する技術が開示されている。任意の2本の光ファイバーの長さの差が光源のコヒーレンス長よりも大きい、多数の光ファイバーから構成されるファイバーバンドルを用いることを特徴とする。スペックルノイズは光ファイバーの数が多いほど低減される。そのため、性能の良いファイバーバンドルを得るためには、数十から数百の長さの異なる光ファイバーが必要となる。このことは製造コスト高に繋がると考えられる。また、該バンドルを装置に組み込むためには、比較的大きな体積を必要とすると思われ、従来のレーザー光源を用いた画像表示装置への組み込みには有利とは言えない。
特許文献5には、レーザー照明光学装置に関するもので、該光学系における光束を光路差が異なる複数の階段状反射鏡で分割反射させることにより、スペックルノイズを低減する方法が開示されている。この方法によれば、分割した光束の光路長をコヒーレント長より長くすることによって、空間的コヒーレンスを低下させる。その結果、干渉性の弱い光束が合成され、スペックルノイズが低減する。この方法では、階段状反射鏡の分割数が多いほど、スペックルノイズの低減効果は大きい。そのため、低減効果を大きくすると、スペックル解消部の容積が大きくなることが考えられ、特許文献3および特許文献4のファイバーバンドルの場合と同じ問題が生じると思われる。
特許文献6には、微粒子の分散質と透光性の分散媒より成る流体組成物が封入されている拡散素子と微粒子の振動印加手段の両者を備え、素子内にコヒーレントなレーザー光を通過させる際に振動印加手段によって分散質(微粒子)を微小振動させることによって、スペックルノイズを低減させる方法が開示されている。 この方法では、該微小振動を、交流の電界の変化、磁界の変化又は超音波等により強制的に行う。該微粒子の微小振動で拡散されたレーザーの拡散光は、そのスペックルパターンがランダムに高速に変化する。人はこの高速に変化するスペックルパターンを関知することができなくなり、スペックルノイズが除去される。この方法では特許文献1等の機械的駆動部を必要とする方法に比べると小型できる可能性を有する。しかしながら、該特許文献6には、微粒子の平均粒子径、電界、磁界若しくは超音波の強さ、分散液中における微粒子濃度、等に関する具体的な技術開示は全くなく、実際に、これらをどのようにしたとき、どの程度のスペックルが除去されるか全く開示が無く、単なる一つのアイデアの開示に過ぎない。
特開平6−208089 特開平5−173094 特開平6−167640 特開平11−223795 特開平7−335523 特開平11−218726
前記のように、半導体レーザーを使った可視光源は、発光スペクトル輝線の波長範囲が狭く、純度の高い単色を表現でき、その結果画像表示装置は優れた色再現性を有するが、上記のように、スペックルノイズの低減または除去が必要とされる。上記特許文献1乃至6等のスペックルノイズの低減または除去手段が知られているが、そこに記載の技術においては何れも上記のように種々の問題点を含んでいる。そのため、より簡便なスペックルノイズの除去手段の開発が求められている。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定な平均粒子径を有する微粒子がコロイド状に安定して分散している分散液は、意外にも、外部からの強制振動手段無しで、その微粒子が有するブラウン運動により、レーザー光をインコヒーレントの光に変換し、スペックルノイズを充分に除去できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は液体を封入できる少なくとも対向する2枚の基板を有する透明セル内に、粒径100nm以上1.5μm以下、特に120〜500nmの微粒子と光を透過する液体媒質を含む微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セル、入射光の反射光を再帰的に利用する反射機構を備えた該光拡散セル、前記いずれかの光拡散セルと該光拡散セルにレーザー光を入射するための半導体レーザー光源を備えたレーザー光源装置、及び、該光拡散セル若しくは該光源装置を備えた画像表示装置に関するものである。以下に、より詳しく本発明を説明する。
即ち、本発明は、
(1) 液体を封入することのできる透明セル内に、粒径120〜500nmの微粒子と光を透過する液体媒質を含み、微粒子濃度が微粒子分散液の全重量に対して、0.1重量%以上で、25重量%以下であり、粘度が、0.1mPa・s以上10000mPa・s以下である微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルであって、該光拡散セルの、レーザー光の入射側の面に、該光拡散セルからの後方への散乱光を、レーザー光の出射側に反射させる反射機構を有するレーザー光用の光拡散セル、
(2) 微粒子分散液が、ラテックス、又は、無機微粒子の分散液、である上記(1)に記載のレーザー光用の光拡散セル、
(3) ラテックスにおける分散微粒子が、アクリルポリマー微粒子又はスチレンポリマー微粒子である上記(2)に記載のレーザー光用の光拡散セル、
(4) 無機微粒子が、酸化アルミニウム微粒子である上記(2)に記載のレーザー光用の光拡散セル、
() 透明セルが、全光線透過率85%以上の、無機素材またはプラスチック素材よりなる上記(1)〜()のいずれか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル、
)レーザー光用の光拡散セルに充填された状態における微粒子分散液の光利用率が、60〜95%である、上記(1)〜()の何れか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル。
() 上記(1)〜()のいずれか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル及び半導体レーザー光源からなる光源装置、
() 上記(1)〜()のいずれか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル及び半導体レーザー光源からなる光源装置を備えた画像表示装置、
() フロントプロジェクターまたはリアプロジェクション方式ディスプレイである上記()に記載の画像表示装置、
(10) バックライト方式の液晶表示装置である上記()又は()に記載の画像表示装置、
(11) コヒーレントなレーザー光を、液体を封入することのできる透明セル内に、平均粒径120〜500nmの微粒子と光を透過する液体媒質を含み、微粒子濃度が微粒子分散液の全重量に対して、0.1重量%以上で、25重量%以下であり、粘度が、0.1mPa・s以上10000mPa・s以下である微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルであって、該光拡散セルの、レーザー光の入射側の面に、該光拡散セルからの後方への散乱光を、レーザー光の出射側に反射させる反射機構を有するレーザー光用の光拡散セル内、又は上記(2)〜()のいずれか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル内を通過させ、インコヒーレントな出射光とするレーザースペックルノイズの低減方法、
に関する。

本発明のレーザー光用の光拡散セルは、外部力を加えて、微粒子を強制的に振動又は運動させる必要は無く、該本発明の光拡散セルをレーザー光の通路に設置し、レーザー光を透過させるだけで、コヒーレントなレーザー光をインコヒーレントなレーザー光に変え、スペックルノイズを効率よく低減若しくは無くすことができる。また、該光拡散セルは、分散液の厚みが0.5mm〜5mm程度でも充分にスペックルノイズを除去できるので、占有体積が小さく、構成する部材点数も少ないスペックルノイズ除去素子であり、従来の種々のレーザー光源装置又は画像表示装置に、簡単に組み込むことができる。例えば、フロントプロジェクター、リアプロジェクション方式ディスプレイ、バックライトを有する液晶表示装置等の画像表示装置に用いることができる。また、スペックルノイズ解消素子が、振動・駆動装置や、電気回路を必要としないことから、組み込む画像表示装置に余分な占有体積が必要なく、大型化したり、部材点数を多数増やすことなく、スペックルノイズを容易に除くことができる。
本発明の反射機構を有するレーザー光用の光拡散セル、及び半導体レーザー光源を有する本発明の光源装置の実施形態の一例を示した断面図 本発明の反射機構を有するレーザー光用の光拡散セル及び半導体レーザー光源を有する本発明の光源装置の実施形態の一例を示した断面 本発明のレーザー光用の光拡散セルを備えた、半導体レーザー光を利用したエッジライト方式の面光源の構成図
本発明を詳細に説明する。
本発明のレーザー光用の光拡散セルは、レーザー光による投影画像に見られるスペックルノイズを除去するために使用される。該光拡散セルは、液体を封入することのできる透明セル、及びそのセル内に封入された、光透過性の液体媒質中に、平均粒径100nm以上で、1.5μm以下の微粒子をコロイド状に分散させた微粒子分散液とから構成されている。
液体を封入することのできる透明セル(図1の1及び図2の1)は、少なくとも対向する透明な2枚の基板を有し、その基板の間に液体が封入できる様になっているセル(容器)が好ましい。透明セルは透明性の高いものが好ましく、特に、レーザー光の入射側と出射側にあたる対向する2枚の基板はレーザー光源からのレーザー光の透過率が高ければ高いほど好ましい。該透明セル内が空の状態のレーザー光の全光線透過度は80〜100%、好ましくは85〜100%、更に好ましくは90〜100%である。例えば、該透明セルは、ガラス素材またはプラスチック素材で構成され、使用するレーザー光を吸収しないものが好ましい。該透明セルの材料に関しては後記する。
液体媒質(光透過性液体媒質)に分散された微粒子(図1の2及び図2の2)は、平均粒子径100nm以上、1.5μm以下である。この微粒子を、コロイド状に分散している分散液においては、コロイドが有する一般的な性質、すなわち、チンダル現象やブラウン運動が観察される。この分散液をレーザー光が透過すると、コヒーレントな入射光が、インコヒーレントな出射光となり、レーザー光での投影画像に生じるスペックルノズルが除去される。これは、レーザー光源より発射され、該光拡散セルに入射したレーザー光は、チンダル現象によって散乱されると共に、該微粒子のブラウン運動によって、散乱のパターンがランダムに変化させられる。その結果、レーザー光の空間的コヒーレンスが減少し、そして、スペックルノイズが効果的に低減されると思われる。
また、本発明のレーザー光を利用した画像表示装置においては、本発明の光拡散セルに入射したレーザー光の全光線透過率が大きい方が望ましい。しかし、チンダル現象では後方散乱も大きいため、本発明の光拡散セルの好ましい態様においては、後方に散乱した光(後方散乱光)を再帰的に利用する反射機構(即ち、レーザー光の入射側への散乱光を、レーザー光の出射側に反射させる反射機構)(図1の5及び図2の5)を備え、全光線透過率を向上させる。反射機構を有する本発明の光拡散セルでは、後方に散乱した光は、該反射機構によって再帰的に前方(レーザー光の出射方向)へと反射され、前方散乱光と共に、出射される。前方散乱光と再帰反射光(反射機構により反射され、レーザー光の出射方向に出射された光)の総和が本発明の光拡散セル(又は光源装置)より出射される拡散光(図1及び図2の6)となる。
本発明の光拡散セル(反射機構無し)におけるレーザー光の全光線透過率{(透過光量/入射光量)×100}は、50〜90%が好ましく、より好ましくは60〜90%であり、更に好ましくは、70〜90%であり、反射機構を備えた場合の全光線透過率は60〜95%、より好ましくは、70〜95%であり、更に好ましくは75〜95%程度である。
本発明の光拡散セル又は光源装置において、スペックルノイズの低減のためには、液体媒質に分散された微粒子が、ブラウン運動を行うことが重要である。例えば、媒質の粘度が高く、微粒子の運動に対する自由度が低い分散系や、媒質がゲル化しており微粒子が運動できないような分散系では、スペックルノイズの低減効果は見られない。
本発明の上記拡散セル内に封入される分散液は、レーザー光の透過時の粘度で、分散微粒子がスペックルノイズを減らすのに充分なブラウン運動をできる粘度が好ましい。従って、その点からは分散液粘度は低ければ低いほど好ましい。しかし、コロイド粒子が液体媒質中に安定に分散している必要もあることから、本発明においては、後記するように、分散微粒子の種類により、好ましい範囲は多少異なるが、通常、分散液の25℃の粘度が、0.1mPa・s以上で、10000mPa・s以下である。より好ましくは、該粘度が0.1mPa・s以上で、5000mPa・s以下であり、更に好ましくは、0.1mPa・s以上で、1000mPa・s以下である。更に、コロイド粒子が長期的により安定に分散しているという観点からは、該粘度が0.5mPa・s以上で、500mPa・s以下、若しくは300mPa・s以下が好ましく、1mPa・s以上で、100mPa・s以下の場合より好ましく、更に好ましくは50mPa・s以下である。最も好ましくは1mPa・s以上で、10mPa・s以下の場合である。
本発明に用いる微粒子の平均粒子径は、100nm以上1.5μm以下程度であり、100nm以上で、1.2μm以下が好ましい。100nm以上で、900nm以下であればより好ましい。ブラウン運動の速度は、粒子径が小さくなるにつれて速くなるが、平均粒子径があまり小さすぎると、レーザースペックルの低減又は除去が不十分又は為されない。また、大きすぎても、ブラウン運動の速度が遅くなるため、レーザースペックルの低減又は除去が不十分又は為されない。微粒子の種類により多少の違いはあるが、一定の範囲内、例えば100nm以上、好ましくは120nm以上、より好ましくは150nm以上、更に好ましくは180nm以上であれば、小さい方がスペックル解消作用は大きい。従って、上記の上限の平均粒子径は一つの好ましい目安であり、1000nm以下、更には500nm以下、更には300nm以下の場合、一層好ましい。より好ましい平均粒子径は120〜1000nm、更に好ましくは150〜500nm、最も好ましくは180〜300nmの場合である。
上記分散液中にコロイド状に分散する微粒子(コロイド微粒子)としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、無機顔料微粒子等の無機微粒子や、リポソーム、ミセル、染料微粒子、有機顔料微粒子、ラテックス微粒子(ポリマー微粒子)等の有機微粒子等が挙げられる。
これらの微粒子のコロイド状分散液としては、コロイダルシリカ、分散シリカゾル、酸化チタン微粒子又は酸化アルミニウム微粒子のコロイド状分散液、分散染料液、顔料分散液、ラテックスなどが挙げられる。これらの微粒子分散液は一般に公知であり、市販でも入手可能である。この中では、ラテックス、又は酸化アルミニウム微粒子のコロイド状分散液が好ましい。本発明者らの検討によれば、これらの好ましい微粒子分散液を用いた場合、その他の微粒子分散液を用いた場合に比べて、レーザースペックルの低減効果が大きい。
透明セルに封入されるコロイド状分散液におけるこれらの微粒子の濃度は、レーザースペックルを充分に低減できる濃度であれば良く、分散微粒子により、最適範囲は異なる。通常分散液の全重量に対して、0.01重量%以上70重量%以下の範囲であり、好ましくは、0.1重量%以上で、50重量%以下、より好ましく25重量%以下、更に好ましくは10%以下である。また、場合により、好ましい該濃度は0.2重量%以上で、25重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。最も好ましくは、ラテックスの場合、0.2重量%以上で、5重量%以下である。酸化アルミニウム等の無機微粒子の場合、1重量%以上で、10重量%以下、更に好ましくは2重量%以上で、10重量%以下、最も好ましくは2重量%〜7重量%である。
透明セルに封入されるコロイド状分散液における、液体媒質(分散媒)はレーザー光源からのレーザー光を吸収しない液体媒質が好ましく、通常水又は、水と混和可能な有機溶媒と水との混合液が好ましく、最も好ましくは水である。
本発明においてラテックスは、ポリマー微粒子のコロイド状分散液を意味し、天然ゴムラテックス等の天然ラテックスと、合成ラテックスの双方を含む。
これらのラテックスは微粒子の平均粒子径が上記の範囲に入れば、一般に公知のラテックスを何れも使用することが出来る。
合成ラテックスに分散している微粒子(合成ラテックス微粒子)は、ラジカル重合性単量体を乳化重合して得られるポリマー微粒子である。ポリマー微粒子としては、平均粒子径が上記の範囲に入れば何れも使用可能であり、後記するラジカル重合性単量体のホモポリマー又はコポリマーを挙げることができる。
本発明で使用するポリマー微粒子を合成するための、ラジカル重合性単量体としては、通常ポリマーの合成に常用されているビニル単量体(エチレン性二重結合を有する化合物)を挙げることができる。具体的には共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体(芳香族ビニル単量体)、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体、カルボン酸ビニルエステル系単量体、アミノ基含有エチレン性単量体類、ハロゲン化ビニル、及び、スルホン酸基又はリン酸基含有ビニル単量体などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
例えば、好ましいポリマー微粒子として、アクリルポリマー微粒子又はスチレンポリマー微粒子を挙げることができる。
アクリルポリマーとしては、アクリル単量体(アクリル骨格を有する単量体)の重合によって得られるポリマー、又は、アクリル単量体と、それと共重合可能なビニル単量体との共重合により得られ、且つ、アクリル単量体成分を最も多い成分として含み、その含量がポリマー構成全成分の少なくとも25モル%以上、好ましくは40モル%以上であるポリマーを挙げることができる。例えば、1種又は2−4種の(メタ)アクリル酸C1−C12アルキルエステル重合により得られる(メタ)アクリル酸エステルポリマー、アクリル単量体とブタジエンとの共重合によって得られる(メタ)アクリルブタジエンポリマー、(メタ)アクリルニトリルの単独重合によって得られる(メタ)アクリルニトリルポリマー、アクリル単量体とスチレン化合物単量体との重合により得られるアクリルスチレンポリマーなどを挙げることができる。アクリルポリマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルポリマーが好ましい。
また、スチレンポリマーとしては、スチレン化合物単量体(スチレン骨格を有する単量体)のポリマー、又は、スチレン化合物単量体と、それと共重合可能なビニル単量体との共重合により得られるポリマーで、且つ、スチレン化合物単量体成分を最も多い成分として含み、その含量がポリマー構成全成分の少なくとも25モル%以上、好ましくは40モル%以上であるポリマーを挙げることができる。例えばスチレンの単独重合によって得られるポリスチレン、スチレンブタジエンポリマー、スチレンアクリルポリマー等が挙げられ、ポリスチレンが好ましい。
本発明におけるこれらのポリマーの微粒子は通常乳化重合によって得ることができる。また、これらのポリマーは、ポリマー中にカルボキシル基等が導入されて変性されたものであってもよい。
好ましいアクリルポリマーの合成に使用されるアクリル単量体(アクリル骨格を有する単量体)としては、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸(C1−C12)アルキルエステル(アルキル基上にヒドロキシ基等の置換基を有していてもよい)、(メタ)アクリルアミド単量体および(メタ)アクリロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアクリル単量体を挙げることができる。アクリルポリマーの合成に使用されるアクリル成分以外の単量体としては、アクリル単量体と共重合可能なアクリル単量体以外のビニル単量体を挙げることができる。
アクリル単量体と共重合可能な、アクリル単量体以外の好ましいビニル単量体としては、スチレン化合物単量体(例えばスチレン、α−メチルスチレン等)、塩化ビニル、酢酸ビニル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、エチレン、C4〜C8共役ジエン(例えば1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン)などを挙げることができ、スチレン化合物単量体又はC4〜C8共役ジエン等がより好ましい。
より好ましいアクリルポリマーは、1種又は2種〜4種のアクリル単量体の重合により得られたアクリルポリマーである。
なお、本明細書においては、「(メタ)アクリル酸」又は「(メタ)アクリロニトリル」等の用語は、「アクリル酸又はメタクリル酸」又は「アクリロニトリル又はメタクリロニトリル」等の意味で使用される。
好ましいスチレンポリマーの合成に使用されるスチレン化合物単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ブロモスチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン及びα−エチルスチレン等のスチレンのベンゼン環上に、ハロゲン原子又はC1−C3アルキル基を置換基として有するスチレン化合物又はスチレンのビニル基上にC1−C3アルキル基を置換基として有するスチレン化合物を挙げることができる。
スチレン化合物単量体と共重合可能な、スチレン化合物単量体以外の好ましいビニル単量体としては、上記アクリル単量体、塩化ビニル、酢酸ビニル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、エチレン、及び、C4〜C8共役ジエン(例えば1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン)などを挙げることができる。
スチレンポリマーとしては上記の通り、ポリスチレンが好ましい。
本発明で使用する合成ラテックスは前記ラジカル重合性単量体を、常法により乳化重合することにより得ることができる。平均粒子径が上記の範囲内のラテックスは一般に公知であり、それらの公知のラテックスをそのまま、又は必要に応じて水又はその他の有機溶剤、好ましくは水混和性の有機溶媒、で希釈して、透明セルへ封入する分散液として使用することが出来る。
ラテックスの一例を挙げれば、特開2009−144101、特開2008−101121、特開2007−84777、特開2003−268018、特開2003−252667、特開2002−226668又は特開2002−97214等に記載のラテックス等を挙げることができ、これらのラテックスにおいて分散微粒子の平均粒子径が100nm以上で、1.5μm以下のラテックスを使用すればよい。
これらのラテックス中に分散しているポリマー微粒子の重合度は特に限定されない。通常数平均分子量で5,000以上1,000,000以下、好ましくは50,000以上300,000以下程度である。
好ましいラテックスとしては、アクリルポリマー微粒子をコロイド状に分散しているアクリルラテックス又はスチレンポリマー微粒子をコロイド状に分散しているスチレンポリマーラテックスを挙げることができる。
アクリルラテックスとしては、前記したアクリル単量体からなる群から選択される少なくとも一種のアクリル単量体の乳化重合により得られるアクリルラテックス、及び、上記したアクリル単量体からなる群から選択される少なくとも一種のアクリル単量体と、前記これと共重合可能なアクリル単量体以外の好ましい単量体として挙げた単量体からなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体との乳化重合によって得られるアクリルラテックス等を挙げることができる。通常1〜4種のアクリル単量体の乳化重合により得られるアクリルラテックスが好ましい。
上記アクリルポリマーが、コポリマーの場合、上記したアクリル単量体からなる群から選択される少なくとも一種のアクリル単量体成分が、コポリマーの全体に対して、20〜100モル%のアクリル単量体成分(但し、アクリル単量体成分が100モル%の時は、上記したアクリル単量体からなる群から選択される少なくとも二種のアクリル単量体成分、以下同じ)、好ましくは25〜100モル%であり、これと共重合可能な好ましいその他の単量体として挙げた単量体からなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体成分が0〜80モル%、好ましくは0〜75モル%であるアクリルコポリマー微粒子を挙げることができる。
これらのアクリルラテックスは一般によく知られており、前記特開2007−84777、特開2003−268018、特開2003−252667又は特開2002−226668等にも記載されている。また、市販もされているので、それらをそのまま、若しくは適宜、上記濃度範囲に希釈して、透明セルへの充填用アクリルラテックスとすることができる。
例えば市販のアクリルラテックス(アクリルエマルションともいう)としては、大日本インキ化学工業株式会社製;ボンコートRTM(以下、上付RTMは登録商標を示す)又はウォーターゾールRTM、日本触媒株式会社製;アクリセットRTM、又はユーダブルRTM、昭和高分子株式会社製;ポリゾールRTM、日本アクリル株式会社製;プライマルRTM、BASFディスパージョン株式会社製;アクロナール、旭化成工業株式会社製:ポリトロンRTM、ポリデュレックスRTM、ダウケミカル社製;UCAR(商標)Latex120又はUCAR(商標)Latex9037等があげられる。
スチレンポリマーラテックスとしては、前記のスチレン化合物単量体の少なくとも1種の乳化重合により得られるスチレンポリマーラテックス、及び、前記のスチレン化合物単量体の少なくとも1種と、それと共重合可能な、スチレン化合物単量体以外のビニル単量体の少なくとも1種との乳化重合によって得られる、スチレンポリマーラテックス等を挙げることができる。
上記スチレンポリマーがコポリマーである場合、スチレン化合物単量体成分が、コポリマーの全体に対して、20〜100モル%(但し、スチレン化合物単量体成分が100モル%のときは、前記スチレン化合物単量体のうち少なくとも2種の単量体成分、以下同じ)、より好ましくは25〜100モル%であり、これと共重合可能な、前記スチレン化合物単量体以外のビニル単量体のうち少なくとも1種の単量体成分が0〜80モル%、より好ましくは0〜75モル%である、スチレンポリマーが好ましい。
スチレンポリマーラテックスとしては、スチレンの単独重合、又は、スチレンとブタジエンの重合によって得られたポリスチレンラテックスが特に好ましい。
ポリスチレンラテックスは、様々な粒子径及び濃度を有する製品が市販されているので、それらをそのまま、若しくは適宜、上記濃度範囲に希釈して、透明セルへの充填用スチレンラテックスとすることができる。例えば市販のポリスチレンラテックスとしては、日本ゼオン株式会社製NipolRTM LX407BPシリーズ( 変性SB : 粒子径200〜400)、 AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,0.2micron 等があげられる。
ラテックス微粒子の分散液粘度は、0.1mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましく、0.1mPa・s以上5000mPa・s以下であればより好ましい。さらに、0.1mPa・s以上1000mPa・s以下であればさらに好ましい。更に好ましい粘度については、前記分散液の粘度の個所で述べた通りである。粘度が低いほどブラウン運動は速くなる。
本発明においては、ラテックス微粒子は通常水又は、水と混和可能な有機溶媒と水との混合液中に安定なコロイド状態で分散している。透明セルに封入される分散液中のラテックス微粒子の濃度は、該分散微粒子がコロイド状に安定に分散し、スペックルノイズを充分除去することができ、且つレーザー光の透過量ができるだけ多い方が好ましい。
これらはラテックスの種類によっても異なり、また、媒質とラテックス微粒子の屈折率の相対関係等により、散乱や拡散の強度は異なるため、一概に定めることは難しい。一般的には、該濃度は前記分散微粒子の濃度範囲であれば良く、0.01重量%から70重量%程度までであり、0.05重量%から60重量%の範囲が好ましく、0.1重量%から30重量%がより好ましい。更に好ましいラテックス微粒子の濃度は0.2重量%以上で、10重量%以下であり、最も好ましくは0.2重量%以上で、5重量%以下である。
また、本発明で使用する微粒子分散液は、所望により、分散液中に、微粒子の分散安定性のために、界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤は分散微粒子の重量に対して、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%程度である。
また、本発明で使用する微粒子分散液、好ましくは、ラテックス水分散液に、有機溶剤(好ましくは、微粒子分散液混和性有機溶媒)又は、該有機溶剤以外のラテックス水分散液に可溶な溶質(以下可溶性溶質という)を加え、光拡散性を調整することができる。
該有機溶剤としては、分散液が均一系になるものであれば、どのような溶剤も用いることができる。有機溶剤を加える主たる目的は、媒質の屈折率調整のためである。使用しうる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類(好ましくはC1−C7アルコール、より好ましくはC2−C4アルコール);アセトン等のケトン類、ベンジルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基系の溶剤;N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系または窒素含有の溶剤;並びに、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
これらの有機溶媒は、コロイドの安定性を損なうおそれの無いものが好ましく、通常、水と混和性の溶媒が好ましい。例えばC2−C4アルコール又はアセトン等が好ましい。これらの溶媒は、ラテックスの希釈液としても利用できる。
これらの溶媒の添加量は、透明セルへ充填する分散液の総量に対して、0〜98重量%程度である。
前記の、有機溶剤以外の可溶性溶質としては、微粒子分散液に可溶なものであればどのような化合物も使うことができる。可溶性物質を加える主たる目的は、媒質の屈折率調整のためである。添加する量が多いほど、媒質の屈折率を大きくすることができる。使用しうる可溶性物質としては、硫酸カリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、芒硝、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩や、前記有機溶媒に属しない水溶性のアルコール、有機酸、ケトン、アミン、ニトロアルカン、エーテル、アルデヒド又は環状エーテル等の水溶性有機化合物、特に、ショ糖、乳糖、麦芽糖等の水溶性糖類が挙げられる。可溶性物質を加える量としては、添加後の分散液の粘度、分散微粒子の濃度等が好ましい範囲の値であれば問題なく、溶解可能な限り添加することができる。
通常、これらの可溶性物質は、透明セルに充填する分散液総量に対して、0〜50重量%程度であり、好ましくは0〜30重量%程度である。
ラテックス水分散液に有機溶剤を加えたり、可溶性物質を添加したりする方法、またはラテックスの材料設計等によって、コロイド分散液の粒子と媒質の屈折率バランスを変化させて、光拡散性を調整することができる。具体的には、前方散乱と後方散乱の光量を調整できる。画像表示装置に利用する場合には、光デバイスが順番に配置された光路を通過させるために、前方散乱の光量が大きい方が好ましい。本発明の好ましい態様においては、透明セルのレーザー光の入射側に、反射機構を設けるので、その場合、後方散乱光についても、その反射機構で、レーザー光の出射側に反射させることにより、再利用することができるので、後方散乱光が多少多くても、全光線透過率を上げることができる。
本発明の光拡散セルにおける前方散乱係数(後記の前方散乱係数の評価の項に記載の式(1)により算出される)は、通常高い方が好ましいが、本発明の好ましい態様においては、前記のようには後方散乱光も反射機構により利用できるので、1〜1.5の範囲、より好ましくは1.05〜1.3程度の範囲でも、充分に利用可能である。
本発明における微粒子分散液としては、レーザー光源から発せられるレーザー光の利用効率(光利用率)が高いものであることが好ましい。微粒子分散液の光利用率は、後記実施例に示す通り、鏡上に、空の透明セルをおいて、色彩色差計のストロボ光を、透明セルの上から光を出射し、透明セルを透過して反射してきた光の量を色彩色差計で、反射率として測定し、次ぎに、微粒子分散液を該透明セルに充填し、同様に反射率を測定した後、後記式(2)により算出することができる。この微粒子分散液の光利用率の好ましい範囲は、50〜95%程度であり、好ましくは60〜95%程度であり、より好ましくは70〜95%程度である。最も実用的には、80〜90%程度である。
この光利用率は高ければ高いほどよいが、光利用率を挙げるため、分散微粒子濃度を薄めすぎると、スペックルノイズの除去が不十分となるおそれがあるので、前記の微粒子分散濃度で、光利用率が上記範囲になるように調整するのが好ましい。
本発明における無機微粒子分散液の粘度は、0.15mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましく、0.15mPa・s以上5000mPa・s以上であればより好ましい。さらに、0.15mPa・s以上1000mPa・s以下であればさらに好ましい。更に好ましい分散液の粘度については前記した通りである。無機微粒子としては、酸化アルミニウム微粒子が好ましく、ラテックス分散液と同様に、粘度が低いほどブラウン運動の速度は速くなる。本発明で使用する酸化アルミニウム微粒子分散液は、アルミナゾル等として公知であり、市販品を利用できる。市販品としては触媒化成株式会社製のカタロイドRTMAS−3等を挙げることができる。
本発明のレーザー光用の光拡散セルに封入される好ましい分散液についてまとめると、下記の通りである。%は重量%で、分散液全体に対する割合である。
(i)液状分散媒に、平均粒子径100nm以上で、1.5μm以下の微粒子を、分散液全体に対して、0.1%〜30%濃度で含有し、粘度が0.1mPa・s以上で、1000mPa・s以下である微粒子分散液。
(ii)液状分散媒が水、又は、水と混和可能な有機溶媒と水の混合液で、液状分散媒の総量に対して、水の含量が2%〜100%であり、残部が水と混和可能な有機溶媒である上記(i)に記載の微粒子分散液。
(iii)混和可能な有機溶媒がアセトンである上記(i)又は(ii)に記載の微粒子分散液。
(iv)液状分散媒が水である上記(i)又は(ii)に記載の微粒子分散液。
(v)ラテックス、又は無機微粒子分散液である上記(i)〜(iv)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(vi)ラテックスがアクリルラテックス又はスチレンラテックスである上記(v)に記載の微粒子分散液。
(vii)無機微粒子が酸化アルミニウム微粒子である上記(v)に記載の微粒子分散液。
(viii)更に、水溶性糖類を、微粒子分散液の総量に対して、1〜50%濃度で含む、上記(i)〜(vii)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(ix)水溶性糖類が、ショ糖、乳糖及び麦芽糖からなる群から選択される少なくとも一種である上記(viii)に記載の微粒子分散液。
(x)分散微粒子の平均粒子径が、150nm〜500nm、より好ましくは、180nm〜300nmである上記(i)〜(vii)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(xi)微粒子分散液の微粒子含量が、微粒子分散液の総量に対して、0.2%〜10%である上記(i)〜(x)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(xii)微粒子分散液の粘度が、0.5mPa・s以上で、500mPa・s以下である上記(i)〜(xi)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(xiii)微粒子分散液の粘度が、1mPa・s以上で、10mPa・s以下である上記(i)〜(xii)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
(xiv)前記透明セルに充填された状態において、微粒子分散液の光利用率が、60〜95%である上記(i)〜(xii)の何れか一項に記載の微粒子分散液。
本発明に用いられる透明セルは、好ましくは、少なくとも対向する2枚の基板(より詳しくは、レーザー光の進行方向に垂直に面する1対の平行な平面の壁面)を有し、内部に、本発明で使用する分散液を封入できる空間を有して、平行な壁面の周囲が封止できる構造を有する。一対の平面間の内部間隔(分散液を封入できる間隔:以下内容厚みとも言う)は、分散粒子の種類、濃度、使用される液体媒体等により異なるので、一概には言えないが、レーザー光の透過光量を多くする点から、できるだけ薄い方が好ましい。製造の容易さの面からは、通常、0.1mm以上で5mm以下程度が好ましい。より好ましくは0.1mm以上で、4mm以下程度、更に好ましくは0.1mm以上で3mm以下程度である。
また、透明セルの大きさは、その光源等の大きさに合わせれば良く、通常、上記平面の光の透過部分の大きさで、0.04cm2〜100cm2程度、好ましくは0.2cm2〜100cm2程度である。透明セルの上記の平行な壁面(基板)の厚さは容器の強度が保持できればよく、特に限定されない。通常0.05mm〜5mm程度、より好ましくは0.1mm〜2mm程度、更に好ましくは0.1mm〜1mm程度である。
該透明セルの形態は特に限定されず、該透明セルを設置するレーザー光源又は画像表示装置に合わせて、任意の形状にすることができる。最も普通には、4〜8角柱型、又は円柱型などである。
本発明に用いられる透明セルの材料(特に上記一対の平行な平面の壁面(基板)の材料)としては、無色透明の無機基板および無色透明のプラスチック基板が挙げられる。何れの場合も、レーザー光源からのレーザー光の波長に吸収がないものが好ましい。無機基板としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板等が透明性も高く好適に利用できる。プラスチック基板としては、例えばポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、MS樹脂、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ノルボルネン・変性ノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、シクロヘキサジエン系ポリマー、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フルオレン系樹脂、シリコーン系樹脂、有機・無機ハイブリッド樹脂、ポリ乳酸(PLA)樹脂、熱可塑性エラストマー等の材料を使った基板を挙げることができ、光源に利用するレーザー光の波長に吸収が無い材料が、好適に利用できる。
画像表示装置に重要な特性としては、画像の視認性が良好で、且つ光源から発せられる光が減衰無く利用されて、画面が十分に明るく、画像が見やすいことである。また、近年省エネルギー活動が推奨される中で、画像表示装置の低消費電力化が、セット/パネル・メーカーにとって、画質や機能の向上と同様に最重要テーマの一つになっている。これらの観点から、レーザー光源の光利用効率の向上は重要である。そのため、本発明の光拡散セルの基板のレーザー光の全光線透過率は高いほど良く、80%以上の全光線透過率を有することが好ましく、85%以上がより好ましく、透過率90%以上であればさらに好ましい。上限は100%であるが、実際には1%程度の吸収は避けられないので、99%程度であり、最も好ましい基板で、レーザー光の全光線透過率は90〜99%程度である。
本発明のレーザー光用の光拡散セルは、上記透明セル(好ましくはレーザー光の全光線透過率が80%以上の透明セル)内に、前記微粒子分散液、好ましくは前記(i)〜(xiii)の何れか一項に記載の微粒子分散液を含む。
該光拡散セルにおける前方散乱係数F(後記する式(1)により算出される)は、1より大きい方が好ましい。通常本発明の光拡散セルにおいては該前方散乱係数Fは前記の様に、1より大きく、1.5以下程度である。
また、該光拡散セルにおけるレーザー光の入射光量に対する出射光量は40%以上で、90%以下程度であり、後記反射機構を備えることにより、50%以上、95%以下程度に上げることができる。
本発明の光拡散セル及び光源装置の好ましい態様においては、該光拡散セルのレーザー光の入射側に隣接して反射機構を有する。反射機構は、本発明の光拡散セルへ入射した光のうち、後方へ散乱した光を反射して出射側へと導き、光利用効率を高める機能を有する。反射機構としては、上記の機能を有すれば、特に限定されない。通常それらとしては、反射板又は反射用フィルムの設置、又は反射用コーティング(蒸着などの含む)等が挙げられる。反射板又は反射用フィルムの設置は、本発明の光拡散セルのレーザー光の入射側の基板の面に、接着その他の常法で、例えば図1又は図2に示すように取り付ければ良い。また、反射用コーティングとしては、本発明の光拡散セルのレーザー光の入射側の基板のいずれかの面へのコーティングを挙げることができる。
反射板又は反射用フィルムとしては、樹脂中に白色顔料を混入したフィルムまたは板や、白色塗装あるいは白色印刷したアルミニウム板、鏡面を呈した金属板やアルミニウムなどの金属箔、あるいはアルミニウムや銀などの金属蒸着を施したフィルムや板等、用いるレーザー光の波長を全反射できる反射板又は反射フィルムであればどのようなものも用いることができる。
また、反射用コーティングとしては、白色塗装(印刷等も含む)、又は金属蒸着等を挙げることができる。反射機構の反射率としては、高ければ高いほど好ましい。例えば、該反射率は好ましくは60%以上であり、より好ましくは75%以上、更に好ましくは90%以上である。上限は100%であるが、通常は95〜98%程度である。
本発明の光源装置は、前記の本発明のレーザー光用の光拡散セルとレーザー光源から構成される。本発明のレーザー光源装置に用いられる本発明のレーザー光用の光拡散セルとしては、前記(i)〜(xiii)の何れか一項に記載の微粒子分散液を含むレーザー光用の光拡散セルが好ましく、更に好ましい態様においては、該光拡散セルが前記、反射機構を有する場合である。
本発明の光源装置で使用するレーザー光源としては特に限定が無く、レーザー光源であれば何れも使用することができる。例えば、赤色レーザー光源、青色レーザー光源又は緑色レーザー光源等の何れをも使用することができる。これらの光源は何れも市販されており、市場から入手が可能である
本発明の光拡散セル又は光源装置を使った画像表示装置としては、プロジェクション方式の画像表示装置、がある。この方式の画像表示装置においては、プロジェクション・ランプ(本発明においてはレーザー光プロジェクションランプ)が光源となり、小型のディスプレイを光スイッチングに用い、最終的なサイズに拡大された投射光によって画像を表示する。本発明の光源装置は、その光源として使用される。また、本発明の光拡散セルを用いる場合は、該プロジェクションランプと画像拡大レンズとの間の、レーザー光通路に、適宜設置すればよい。該プロジェクション方式の画像表示装置の中で、画像を前方に拡大投影するフロントプロジェクターは、ホームシアター等の家庭向け用途や、プレゼンテーション等のビジネス用途が主流であったが、最近デジタルマルチメディアブロードキャスト(DMB)のような、移動式マルチメディア放送サービスが提供されるにつれて、携帯可能な小型のプロジェクション画像表示装置も要求されて来ている。このような小型のプロジェクション画像表示装置は、将来的にフロントプロジェクターの用途を拡大する役割を担うと考えられている。本発明の光源装置は、このような小型のフロントプロジェクターにも用いることができる。
また、プロジェクションテレビのようなリアプロジェクション方式の画像表示装置は、基本的なフロントプロジェクション方式の構造を踏襲するが、光源から放出された光路をミラーを通じて折り曲げることで映像を内部のスクリーンに投影させる点が異なる。フロントプロジェクション方式のディスプレイ装置は、スクリーンまでの広い空間が必要であるが、リアプロジェクション方式であれば、周囲が暗くなくても映像を見ることができ、スクリーン前方に浪費する空間が必要ない。本発明の光拡散セル又は光源装置は、このようなリアプロジェクション方式の画像表示装置にも用いることができる。
レーザー光源は他の光源を用いるディスプレイ技術に比べると、色再現性に優れるので、イメージング特性を改善できるため、プロジェクタに限らず他の装置へ応用が期待されている。一例として、点光源のレーザー光を面光源化してバックライトとして用いる試みがある。本発明のレーザー光用の光拡散セル及びそれを用いたレーザー光源装置は、スペックル解消効果と点光源を拡散して面光源化する機能を両方有することから、図3に示すレーザー光を用いたエッジライト方式のバックライトへ利用でき、コンパクトなサイズで色純度の高い液晶ディスプレイのような画像表示装置を設計できる。
また、半導体レーザー光源を使えば、単色光の発光輝線を利用して、高速に表示色を切り替える、カラーフィルターの要らないフィールドシーケンシャル方式の表示も可能である。本発明のレーザー光用の光拡散セル、又は該光拡散セルを用いた本発明のレーザー光源装置はそのようなフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置に使用することが可能である。半導体レーザー光源と合わせて、該光拡散セルを用いるか、又は該拡散セルを用いた本発明のレーザー光源装置を使うと、各色のスペックルを機械的な駆動部分無しで常に解消可能であり、簡単にレーザー光を使ったフィールドシーケンシャル方式の画像表示装置を実現できる。画像表示装置としては、ライトバルブや光学系の構造は特に限定はされず、例えば透過型の液晶表示装置や、半透過型の液晶表示装置が挙げられる。
従って、本発明の画像表示装置は、如何なる方式の画像表示装置であるか関係なく、レーザー光源と本発明のレーザー光用の光拡散セルを備えた画像表示装置又は本発明のレーザー光源装置を備えた画像表示装置を全て含む。
本発明のレーザー光用の光拡散セル又は、本発明のレーザー光源装置はインコヒーレントなレーザー光を出射する機能を有する。本質的にコヒーレントな半導体レーザー光は、本発明の、特定な平均粒子径を有する微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルを通過する際に、ブラウン運動による動的な光散乱によって、コヒーレンス長以上のゆらぎ効果を受けて、本来の高い干渉性を失い、インコヒーレントな光となる。その結果、スペックルノイズが現れなくなる。
本発明のレーザー光用の光拡散セルを、図3のように、半導体レーザー発振機(レーザー光源)のレーザー光の出射口の近くに配置して、出射された光を直ぐにインコヒーレントな光に変えてもよいし、レーザー光の出射口とは離れた、投射までのレーザー光の通路の途中に配置して、投射前のいずれかの位置で、インコヒーレントな光に変えて良い。
また、本発明の画像表示装置は、必要に応じて、拡散した光を再度収束させるレンズやその他の光学部品をレーザー光の通路に有してもよい。追加する光学部品は画像表示装置によって異なり、例えばプロジェクション方式の場合は、拡散した光を再度収束させるレンズを備えて、拡散した光を一度収束させてから各光学系を通過させることが好ましい。また、レーザー光を液晶表示装置のバックライトに利用する場合には、レーザー光源の光をバックライト全体に渡って均一に拡散させるための光学部品を備えるのが好ましい。
本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例で使用する%は、特に断りの無い限り、重量%である。
参考例1
(1)ポリマー微粒子の平均粒径1000nm(粒径は日機装株式会社のマイクロトラック超微粒子粒度分布計(W)UPA−150を使って測定した。以下同じ)、固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液(AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,1micron)を、固形分0.2重量%になるまで水で希釈し、均一に分散するよう振り混ぜ、評価用分散液とした。この評価用分散液の粘度は、2.6mPa・s(25℃)であった。(粘度は、東機産業株式会社のVISCOMETER TVB−10にて測定した。以下同じ)この評価用分散液を、全光線透過率91%のガラスで作製した内容厚み2mmのセル(外形厚み4mm、縦30mm、横30mm)(容量1.8mL)に充填し、レーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)を作製した。
(2)反射機構としてアルミ蒸着PETフィルムを、図2に示すように入射口用の直径3mmの円形の孔を開け、上記(1)で得られた光拡散セルの背面に貼付し、反射機構を備えたレーザー光用の光拡散セルを得た。この光拡散セルを用いて、スペックルノイズの有無を下記評価方法1及び2で評価した。また、前方散乱係数および光利用率は、反射機構を設ける前のレーザー光用拡散セルを用いて評価した。結果を表1に示した。
(1)スペックルノイズの評価方法
評価方法1
半導体レーザー発振機として、乾電池駆動のプレゼンテーション用グリーンレーザーポインターを使い、1mWの出力のレーザー光を、上記で作製した反射機構を備えたレーザー光用の光拡散セルに、図2に示すように出射し、該拡散セルを通過して得られる拡散光を、暗室中で、該拡散セルより15cm離れた白色紙で作製したスクリーンへ投影した。その時の投影光のスペックルノイズの有無を観察した。
スペックルノイズは、投影された拡散光のチラつきとして現れ、拡散セルを通過させない場合の投影光では多数のちらつきが観察される。そこでそれとの比較により、スペックルノイズの低減効果を評価した。評価基準は下記の通りである。
評価基準
○:投影光のちらつきがほとんど見られない。
△:ちらつきが見られるが、レーザー光用の光拡散セルを透過させないときに比べて、ほぼ半減若しくはそれ以下である。
×:拡散セルを透過させないときと比べて、同程度にチラつきが多数観察される。
評価方法2
半導体レーザー発振機として、乾電池駆動のプレゼンテーション用グリーンレーザーポインターを使い、この光を拡散セルに通過させ生じる拡散光を、内部を硫酸バリウムコーティングされた積分球内に入射させて、積分球内壁の反射投影光を観察した。評価基準は上記評価方法1の場合と同じである。
(2)前方散乱係数の評価
光拡散性すなわち前方散乱能力の評価として、前方散乱係数を評価した。
前方散乱係数Fの算出方法;
色彩色差計(コニカミノルタ株式会社製)を用い、鏡面反射板(鏡)の上に反射機構を有しないレーザー光用の光拡散セルを設置し、該セル表面に、正面から色彩計測用のストロボ光を照射して、L*(CIE−1976 L*a*b*表色系、JIS Z 8729による)値(Lb)測定した。同様に光吸収体(黒のフェルト布)上に、反射機構を有しないレーザー光用の光拡散セルを設置したときのL*値(Ld)を測定した。そして、前方散乱係数Fを下記式(1)にて算出した。Lbは前方散乱の程度を示しており、この値が高いほど前方散乱が大きい。また、Ldは後方散乱の程度を示しており、この値が大きいほど後方散乱が大きい。従って、前方散乱係数Fの値が大きいほど、前方に散乱する成分の割合が大きい結果となる。
F=Lb/Ld 式(1)
(3)光利用率の評価
反射機構を有しないレーザー光用の光拡散セルの透過光及び拡散光の総和を、光利用率として評価した。
光利用率(X)の算出方法:
色彩色差計(コニカミノルタ株式会社製)を用い、鏡面反射板(鏡)の上に、内部に微粒子分散液を充填していない空の反射機構を有しないレーザー光用の光拡散セルを設置し、該セル表面に、正面から色彩計測用のストロボ光を照射して、Yxy表示系における反射率Y(Ya)を測定した。鏡面反射板を設置していることにより、透過光および拡散光の総和を測定したことになる。同様に、内部に微粒子分散液を充填したレーザー光用の光拡散セルの反射率Y(Yb)を測定し、下記式(2)にて算出した。Xは、レーザー光用の光拡散セルに入射する光を、出射光として利用できる程度を示しており、この値が大きいほど光の利用効率が大きい。
X=Yb/Ya×100 式(2)
実施例
ポリマー微粒子の平均粒径200nm、固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液(AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,0.2micron)を、固形分0.6重量%になるまで水で希釈したこと以外は、参考例1と同様の操作により光拡散セルを作製した。このセルを参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、この固形分(ポリマー微粒子含量)0.6重量%に希釈したラテックス水分散液の粘度は1.4mPa・s(25℃)であった。
実施例
ポリマー微粒子の平均粒径200nm、固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液(AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,0.2micron)を、固形分0.6重量%になるまで25%ショ糖溶液で希釈したこと以外は、参考例1と同様の操作により光拡散セルを作製した。このセルを参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、この固形分(ポリマー微粒子含量)0.6重量%に希釈したラテックス水分散液の粘度は3.9mPa・s(25℃)であった。
参考例2
酸化アルミニウム微粒子の平均粒径100nm、固形分(アルミニウム微粒子含量)7重量%の酸化アルミニウム水分散液(触媒化成株式会社製アルミナゾル、カタロイドRTMAS−3)を、固形分(アルミニウム微粒子含量)4重量%になるまで水で希釈した分散液を用いること以外は、参考例1と同様の操作により光拡散セルを作製した。このセルを参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、このアルミニウム微粒子含量約4重量%のアルミニウム水分散液の粘度は4.0mPa・s(25℃)であった。
比較例1
ゼランガム(純正化学株式会社製)0.4gと純水80gをフラスコに入れてホットスターラーで95℃まで昇温しながら溶解した。このゼランガム溶液を80℃まで冷やして塩化カルシウム0.05gを添加し、無色透明な溶液を得た。この溶液を希釈液兼ゲル化液とした。ポリマー微粒子の平均粒径1000nm、固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液(AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,1micron)を、固形分(ポリマー微粒子含量)0.2%になるまで上記80℃の希釈液兼ゲル化液で希釈し、均一に分散するよう振り混ぜ、ガラスで作製した内容厚み2mmのセルに充填した。反射機構としてアルミ蒸着PETフィルムを使い、参考例1と同様にして反射機構付きのレーザー光用の光拡散セルを作製した。室温に放置したところ、セル内の分散液はコロイド粒子を封じ込めたゲル化物となった。このセルについて、参考例1と同様にスペックルノイズの有無、前方散乱係数及び光利用率を評価した。結果を表1に示した。
比較例2
ポリマー微粒子の平均粒径50nm、固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液(AlfaAesar社製ポリスチレンLatex microsphere,0.05micron)を、希釈しないでそのまま利用する以外は、参考例1と同様の操作により光拡散セルを作製した。このセルのスペックルノイズの有無、前方散乱係数及び光利用率を参考例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、この固形分(ポリマー微粒子含量)2.5重量%のラテックス水分散液の粘度は2.1mPa・s(25℃)であった。
比較例3
平均粒径3μmのアクリルポリマー微粒子(綜研化学株式会社製MX−300)を、固形分(ポリマー微粒子含量)2重量%になるよう水を加えた分散液(分散液粘度2.9mPa・s、25℃)を用いた以外は、参考例1と同様の操作により比較用のレーザー光用の光拡散セルを作製した。このセルについて参考例1と同様にスペックルノイズの有無、前方散乱係数及び光利用率を評価した。結果を表1に示した。
この分散系は、安定なコロイド分散液ではなく10分ほど静置すると粒子が沈降するために、表1から判る様に、スペックルノイズの低減効果がなく、好ましくないことが分かった。
Figure 0005442628
実施例
(1)ポリマー微粒子の平均粒径220nm、固形分(ポリマー微粒子含量)約31重量%のアクリルラテックス水分散液を、固形分(ポリマー微粒子含量)0.6重量%になるまで水で希釈し、均一に分散するよう振り混ぜ、評価用分散液とした。この評価用分散液の粘度は3.1mPa・s(25℃)であった。この評価用分散液を、無色透明ガラスで作製した内容厚み2mmの四角形のセル(外形厚み4mm、縦30mm、横30mm)(容量1.8ml)に充填し、本発明のレーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)を作製した。
(2)反射機構としてアルミ蒸着PETフィルムを、図2に示すように入射口用の直径3mmの円形の孔を開け、上記(1)で得られた光拡散セルの背面に貼付し、反射機構を備えた本発明のレーザー光用の光拡散セルを得た。
この反射機構を備えた光拡散セルを用いて、スペックルノイズの有無を参考例1のスペックルノイズ評価方法1及び2に記載の方法で評価した。
また、前方散乱係数を、反射機構を設ける前のレーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)を用いて、上記(1)におけるセルを用いる以外は参考例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
実施例
ポリマー微粒子の平均粒径220nm、固形分(ポリマー微粒子含量)約31重量%のアクリルラテックス水分散液を、固形分(ポリマー微粒子含量)約0.6重量%になるまでアセトンで希釈したこと以外は、実施例と同様の操作により、本発明のレーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)、及び反射機構を備えた光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、この固形分(ポリマー微粒子含量)約0.6重量%に希釈したアクリルラテックス水分散液の粘度は1.3mPa・s(25℃)であった。
実施例
微粒子の平均粒径120nm、固形分(ポリマー微粒子含量)約42重量%のアクリルラテックス水分散液を、固形分(ポリマー微粒子含量)約2重量%になるまで水で希釈したこと以外は、実施例と同様の操作により本発明のレーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)、及び反射機構を備えた光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、この固形分(ポリマー微粒子含量)約2重量%に希釈したアクリルラテックス水分散液の粘度は3.6mPa・s(25℃)であった。
実施例
ポリマー微粒子の平均粒径120nm、固形分(ポリマー微粒子含量)約42重量%のアクリルラテックス水分散液を、固形分(ポリマー微粒子含量)約2重量%になるまで25重量%ショ糖水溶液で希釈した(希釈後の分散液の粘度は5.8mPa・s(25℃))こと以外は、実施例と同様の操作により本発明のレーザー光用の光拡散セル(反射機構無し)、及び反射機構を備えた光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
参考例3
酸化アルミニウム微粒子の平均粒径100nm、固形分(酸化アルミニウム微粒子含量)約7重量%の酸化アルミニウム水分散液(触媒化成株式会社製 アルミナゾル、カタロイドRTMAS−3)を、固形分(酸化アルミニウム微粒子含量)約4重量%になるまで水で希釈したこと以外は、実施例と同様の操作により光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、このアルミニウム微粒子含量約4重量%のアルミニウム水分散液の粘度は4.0mPa・s(25℃)であった。
比較例4
ゼランガム(純正化学株式会社製)0.4gと純水80gをフラスコに入れてホットスターラーで95℃まで昇温しながら溶解した。このゼランガム溶液を80℃まで冷やして塩化カルシウム0.05gを添加し、無色透明な溶液を得た。この溶液を希釈液兼ゲル化液とした。ポリマー微粒子の平均粒径230nm、固形分(ポリマー微粒子含量)約51重量%のアクリルラテックス水分散液を、固形分(ポリマー微粒子含量)1.275%になるまで上記80℃の希釈液兼ゲル化液で希釈し、均一に分散するよう振り混ぜ、ガラスで作製した内容厚み2mmのセルに充填し、反射機構無しのレーザー光用の光拡散セルを作製した。また、反射機構としてアルミ蒸着PETフィルムを使い、実施例と同様にして反射機構つきのレーザー光用の光拡散セルを作製した。室温に放置したところ、セル内の分散液はコロイド粒子を封じ込めたゲル化物となった。このセルを実施例と同様にスペックルノイズの有無の評価を行った。結果を表2に示した。
なお、このレーザー光用の光拡散セルでは、表2から判る様に、スペックルノイズの軽減効果がないため、他の評価は省略した。
比較例5
ポリマー微粒子の平均粒径85nm、固形分(ポリマー微粒子含量)40重量%のアクリルラテックス水分散液をそのまま利用した(分散液粘度2.9mPa・s(25℃))こと以外は、実施例と同様にして反射機構つきの比較用レーザー光用の光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様にスペックルノイズの有無の評価を行った。結果を表2に示した。
なお、このレーザー光用の光拡散セルでは、表2から判る様に、スペックルノイズの軽減効果がないか、若しくは充分でないため、他の評価は省略した。
比較例6
平均粒径3μmのアクリルポリマー微粒子(綜研化学株式会社製MX−300)に、固形分(ポリマー微粒子含量)約2重量%になるよう水を加えた分散液(分散液粘度2.9mPa・s、25℃)を用いた以外は、実施例と同様にして、比較用のレーザー光用の光拡散セルを作製した。このセルを実施例と同様にスペックルノイズの有無の評価を行った。結果を表2に示した。
なお、このレーザー光用の光拡散セルでは、表2から判る様に、スペックルノイズの軽減効果が無いため、他の評価は省略した。
また、この分散系は、安定なコロイド分散液ではなく10分ほど静置すると粒子が沈降することから、スペックルノイズの低減効果が無く、その点でも好ましくないことが分かった。
Figure 0005442628
上記表1及び表2から次のことが明らかである。
(1)比較例1及び4から、媒体中に分散した平均粒子径100nm〜1.5μmの範囲に入る微粒子であっても、ゲル化媒体に分散させた微粒子では、スペックルノイズの軽減を行うことができない。これは該微粒子のブラウン運動がゲル化媒体により阻害されるためと考えられる。
(2)比較例2、3、5及び6のように、ブラウン運動可能な水媒体中に分散した微粒子であっても、平均粒子径が50nm又は85nmと小さすぎたり、また、3μmと大きすぎる場合、スペックルノイズの軽減が無いか、あっても充分でない。更に、比較例3及び6のように、平均粒子径が3μmと大きい場合には、コロイドの安定性が悪く、スペックルノイズ軽減用の、レーザー光用の光拡散セルには不適当である。
(3)実施例1〜6及び参考例1〜3から、平均粒子径100nm〜1.5μmの範囲に入る微粒子を安定なコロイド状に分散させた分散液は、レーザー光により生ずるスペックルノイズを除去、または顕著に軽減するのに適しており、該分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルは、スペックルノイズを除去、または顕著に軽減するのに適していることが判る。
実施例10
レーザー光源に、本発明の参考例1で得られた反射機構付きのレーザー光用の光拡散セルを、該光源の出射口に付けて、図2に示す配置で取り付け、本発明のレーザー光源装置を作成した。
また、得られたレーザー光源装置を、従来のプロジェクターの光源に変えて、取り付けることにより、本発明のレーザー光源装置を備えたプロジェクターを得ることが出来る。
本発明のレーザー光用の光拡散セル、及びそれを備えたレーザー光源装置は、スペックルノイズ除去のための機械的な駆動装置又は電気的な振動印加手段無しに、該光拡散セル又は該レーザー光源装置を用いるだけで、レーザー光を用いた画像表示装置での投射画像のスペックルノイズを除去、または顕著に軽減することができ、更に、どのような方式の該画像表示装置にも容易に設置することができることから、該画像表示装置におけるスペックルノイズの除去に非常に有用である。また、該光拡散セルは、構成が単純で、占有体積も少なく、製造も容易であることから、該画像表示装置での、スペックルノイズ除去のためのコストを最小限に押さえることできる。そして、本発明の該光拡散セル又は該レーザー光源装置を備えた、本発明の画像表示装置(例えばフロントプロジェクターおよびリアプロジェクション方式テレビ、液晶表示装置等)は、スペックルノイズが無く、色再現性、及び視認性に優れる。
1:透明セル
2:分散微粒子
3:液体媒質
4:レーザー発振機
5:反射機構
6:拡散光(インコヒーレントな半導体レーザー光)
7:レーザー発振機
8:コヒーレントな半導体レーザー光
9:本発明のレーザー光用の光拡散セル
10:導光板
11:導光板で進行方向を変え、広い面積より出射された拡散光(インコヒーレント光)

Claims (11)

  1. 液体を封入することのできる透明セル内に、粒径120〜500nmの微粒子と光を透過する液体媒質を含み、微粒子濃度が微粒子分散液の全重量に対して、0.1重量%以上で、25重量%以下であり、粘度が、0.1mPa・s以上10000mPa・s以下である微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルであって、該光拡散セルの、レーザー光の入射側の面に、該光拡散セルからの後方への散乱光を、レーザー光の出射側に反射させる反射機構を有するレーザー光用の光拡散セル。
  2. 微粒子分散液が、ラテックス又は、無機微粒子の分散液、である請求項1に記載のレーザー光用の光拡散セル。
  3. ラテックスにおける分散微粒子が、アクリルポリマー微粒子又はスチレンポリマー微粒子である請求項2に記載のレーザー光用の光拡散セル。
  4. 無機微粒子が、酸化アルミニウム微粒子である請求項2に記載のレーザー光用の光拡散セル。
  5. 透明セルが、全光線透過率85%以上の、無機素材またはプラスチック素材よりなる請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル。
  6. レーザー光用の光拡散セルに充填された状態における微粒子分散液の光利用率が、70〜95%である、請求項1〜の何れか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のレーザー光用の光拡散セル及び半導体レーザー光源からなる光源装置。
  8. 請求項1〜6に記載のレーザー光用の光拡散セル及び半導体レーザー光源からなる光源装置を備えた画像表示装置。
  9. フロントプロジェクターまたはリアプロジェクション方式ディスプレイである請求項に記載の画像表示装置。
  10. バックライト方式の液晶表示装置である請求項8又は9に記載の画像表示装置。
  11. コヒーレントなレーザー光を、液体を封入することのできる透明セル内に、平均粒径120〜500nmの微粒子と光を透過する液体媒質を含み、微粒子濃度が微粒子分散液の全重量に対して、0.1重量%以上で、25重量%以下であり、粘度が、0.1mPa・s以上10000mPa・s以下である微粒子分散液を封入したレーザー光用の光拡散セルであって、該光拡散セルの、レーザー光の入射側の面に、該光拡散セルからの後方への散乱光を、レーザー光の出射側に反射させる反射機構を有する光拡散セル内を通過させ、インコヒーレントな出射光とするレーザースペックルノイズの低減方法。
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