JP2007333948A - スクリーン、リアプロジェクタ及び画像表示装置 - Google Patents

スクリーン、リアプロジェクタ及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】投射光によるシンチレーションを確実に防止し、かつ、表示ムラやぎらつきの発生を回避することによって、高画質化を図ることのできるスクリーン、リアプロジェク及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】投射光を受けることによって画像を表示するスクリーン20であって、光透過性を有する一対の光透過性板材23,24と、光透過性板材23,24間に形成される光散乱空間25内に配置され、分散媒40と、光散乱空間25内に配置され、流体の温度変化に応じて変形可能な散乱フィラー41と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スクリーン、リアプロジェクタ及び画像表示装置に関するものである。
近年、プロジェクタが急速に普及してきている。主に、ビジネスプレゼンテーション用途で用いられてきたフロント投射型プロジェクタの他、最近ではリア型プロジェクタが、大型テレビ(PTV;プロジェクションテレビ)の一形態として認知度を高めてきている。プロジェクション方式の最大の利点は、液晶テレビ、PDP等の直視型ディスプレイに比べて低価格で同画面サイズの商品を供給できることである。しかし、直視型においても低価格化が進展しておりプロジェクタ表示装置にもより高い画質性能が求められつつある。
プロジェクタは、アークランプ等の光源から射出された光を液晶ライトバルブの光変調素子に照射し、光変調素子により変調された投射光をスクリーンに投射することで画像をスクリーンに表示するものである。このとき、スクリーンには、画像が表示されるだけでなく、スクリーン全面がぎらついて見える。これは、光線の干渉に伴う輝度ムラによるもので、スペックルノイズ、所謂シンチレーションと呼ばれる。
ここで、シンチレーションの発生原理について述べる。
図18(a),(b)に示すように、光源70から照射された光が液晶ライトバルブを透過してスクリーン74へと投射される。スクリーン74に投射された投射光は、スクリーン74に含まれる各散乱材72により回折し、それらが二次波源のように振舞うことによって拡散される。図18(b)に示すように、二次波源による2つの球面波が、互いの位相関係に応じて光の強めあいや弱めあいを起こすことによって、スクリーン74と鑑賞者との間に明暗の縞模様(干渉縞)となって現れる。この干渉縞が発生する像面Sに鑑賞者の焦点が合わせられると、鑑賞者は干渉縞をスクリーンをぎらつかせるシンチレーションとして認識する。
シンチレーションは、スクリーン面に結像された画像を見ようとする鑑賞者によって、スクリーン面と鑑賞者の間にあたかもベール、レース布、くもの巣を張ったかのような不快感を与える。また、鑑賞者はスクリーン上の画像とシンチレーションとの2重の像を見ることになり、それぞれに視点を合わせようとするため大きな疲労を招く。したがって、このシンチレーションは、鑑賞に堪えないほど大きなストレスを鑑賞者に与えてしまう。
最近では、従来の高圧水銀ランプに替わる新しい光源の開発が進められており、特にレーザ光源は、エネルギー効率、色再現性、長寿命、瞬時点灯等の点で次世代プロジェクタ用光源として期待が高まっている。しかしながら、レーザ光源によるスクリーン上の投射光は、隣接する領域の光線の位相が揃っていることから干渉性が非常に高いものとなる。レーザ光源のコヒーレント長は数十メートルにも及ぶこともあるため、同一の光源を分割して再合成すると、コヒーレント長より短い光路差を経て合成された光が強い干渉を引き起こすことになり、高圧水銀ランプよりもはっきりとしたシンチレーション(干渉縞)が出現してしまう。
よって、特にレーザ光源を用いたプロジェクタの製品化においてシンチレーションの低減は必須技術となっている。
このようなシンチレーションの低減対策として以下の技術が開示されている。
特許文献1は、スクリーンの拡散性を最適化したもので、拡散層、透明層(レンチキュラーレンズ)、拡散層の3層構造からなるスクリーンが記載されている。このように、散乱層が複雑化することによって干渉斑のランダム性は大きくなる。そのため、斑のうち細かい成分(空間周波数が小さい干渉縞)が多くなると、何らかの視線移動が起きたときに人間の眼の残像特性により光が積分平均化されるという効果が生じ得る。特に、動画鑑賞の場合は頻繁に視線移動が行われるため、シンチレーションの低減が期待できる。
特許文献2は、光、電場、磁場、熱、応力等を光散乱層に付与し、当該光拡散層に含有されている光散乱体の形状、相対的位置関係や屈折率を時間的に変化させるというスクリーンである。このように、光拡散層による散乱波の散乱分布や位相を時間的に変化させることによってシンチレーションの発生防止が期待できる。
特開平11−038512号公報 特開2001−100316号公報
しかしながら、特許文献1では、最終散乱面の散乱状態は固定されているため、散乱面上の各点から発した光線間の干渉がなすスクリーンと鑑賞者の間における空間の位相分布も固定されており、干渉斑も固定した像として視認されてしまう。よって、完全に干渉斑が消えるということにはならず、特に、干渉性の高いレーザ光源を具備するプロジェクタでは殆ど効果を得ることができない。また、このような高散乱化による構成では、画像ボケを併発する虞があることから、高画質化を図るという本来の課題を解決することができなくなる。
また、特許文献2では、光散乱体の形状や相対的位置関係、屈折率などを変化させるには多大な駆動エネルギーを要することになる。また、これらの駆動手段を用いた場合、散乱層へのエネルギー伝達効率も低く、振動、音、不要電磁波、排熱となって快適な鑑賞を阻害する虞がある。さらに、散乱層がフォーカス方向に移動してしまうような構成では、画像の大きさが変化してしまう。これにより、水平方向における画像の輪郭線の位置も変わってしまい、画像ボケが生じる原因となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、投射光によるシンチレーションを確実に防止して表示ムラやぎらつきの発生を回避することによって高画質化を図ることができる、低エネルギー且つ低騒音のスクリーン、リアプロジェク及び画像表示装置を提供することにある。
本発明のスクリーンは、上記課題を解決するために、投射光を受けることによって画像を表示するスクリーンであって、光透過性を有する複数の光透過性板材と、光透過性板材間に形成される光散乱空間内に配置され、気体又は液体のうち少なくとも一方を含んでなる流体と、光散乱空間内に配置され、流体の雰囲気変化に応じて変形可能な散乱材と、を有することを特徴とする。
本発明のスクリーンによれば、光散乱空間内の温度或いは湿度の変化に応じて変形可能な散乱材によって、投射光が散乱及び回折し、投射光が散乱状態が様々に変化して視認されていた干渉縞が動いたり干渉縞のパターンがより複雑に変化することになる。その結果、投射光が人間の眼の残像特性によって積分平均化され、干渉縞が視認されなくなる。つまり、人間の眼には、残像により画像がある一定時間保持された状態となるので画像が均一に表示されて見えるという特性がある。これにより、スクリーンと鑑賞者との間に生じていた干渉縞が解消されてシンチレーションが低減する。よって、シンチレーションによる不快感(表示ムラやぎらつき感)もなくなり鑑賞者の疲労も軽減される。また、光の散乱に伴う画像ボケが生じることもないため、投射光による画像が良好に視認される。以上のことから、高輝度、高解像度、高品位な画像を得ることができるようになる。
さらに、散乱材が温度或いは湿度の変化に応じて変形可能なため、エネルギーの消費や騒音が殆どなく、従来のようにスクリーン自体を動かす必要もないことからコスト削減及び製品性能の向上を図ることができる。
また、雰囲気変化が温度変化であることが好ましい。
このような構成によれば、流体の温度変化に応じて散乱材が変形可能となる。これにより、干渉縞のパターンが複雑に変化して、シンチレーションを低減させることができる。
また、散乱材は、熱膨張係数が異なる金属層から構成されるフィラーからなることを特徴とするも好ましい。
このような構成によれば、散乱材は、流体の温度変化に応じて、熱膨張係数が高い金属層が延伸するとともに熱膨張係数が小さい金属層が収縮しながら変形することになる。そのため、散乱材の温度の変化の度合(光散乱空間内の温度)を調整することによって、複数の散乱材の形状を略一斉に変化させることができる。
また、雰囲気変化が湿度変化であることが好ましい。
このような構成によれば、流体の湿度変化に応じて散乱材が変形可能となる。これにより、干渉縞のパターンが複雑に変化して、シンチレーションを低減させることができる。
また、散乱材は、吸湿膨張係数が異なる樹脂層から構成されるフィラーからなることも好ましい。
このような構成によれば、散乱材は、流体の湿度変化に応じて、光散乱空間内の湿度勾配に応じて吸湿と蒸散を繰り返し、これに伴って吸湿膨張係数が高い樹脂が延伸し、吸湿膨張係数が小さい樹脂が収縮しながら変形することになる。このように、光散乱空間内の湿度を調整することによって、複数の散乱材の形状を略一斉に変化させることができる。
また、散乱材は、流体の流動に合わせて移動することも好ましい。
このような構成によれば、散乱材は、変形しながら流体の流動に合わせて移動することになるので、干渉縞のパターン変化をより複雑化することができ、シンチレーションを効果的に低減させることができる。
また、散乱材は、光散乱空間内において固定されていることも好ましい。
このような構成によれば、予め散乱材をスクリーンの面方向に均一に固定させておくことによって、散乱材が偏ったり、互いに干渉し合うことで変形が阻害されたりすることを防ぐことができる。
また、流体を光散乱空間内で流動させる流動手段を有することも好ましい。
このような構成によれば、温度或いは湿度に変化勾配を付与するとともに適宜調整することができる。
また、流体を加熱する加熱手段を備えることも好ましい。
このような構成によれば、散乱材の変形が効率良く且つ確実に行われるように、流体の温度を適宜調整することができる。
また、封入体が液体からなり、流体を過熱する加熱手段を備えることも好ましい。
このような構成によれば、例えば、加熱手段により液体(流体)が蒸発して光散乱空間内が蒸気(流体)で満たされて、光散乱空間内の湿度変化に応じて、散乱材が吸湿及び蒸散を繰り返しながら変形することになる。このとき、加熱手段の加熱温度を調整することにより、光散乱空間内の湿度にゆらぎ(湿度変化の周期)を与えることができるので、散乱材を変形−復帰させることが可能となる。これにより、投射光の散乱状態が人間の眼の残像時間の速さで複雑に変化し、画像をより高輝度且つ高解像度で鑑賞することができるようになる。
また、散乱材は、画素より小さいことも好ましい。
このような構成によれば、輝度ムラが解消されて画像のコントラストをより向上させることができる。
本発明のリアプロジェクタは、光を射出する光源と、光源から射出された光を変調する光変調素子と、上記スクリーンと、光変調素子により変調された光をスクリーン上に投射する投射手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のリアプロジェクタによれば、上記のようなスクリーンを備えているため、シンチレーションを確実に低減することができるとともに、画像のボケやゴースト等の発生並びにぎらつき感の発生が抑制された高画質な投射画像を得ることができるリアプロジェクタを提供することができる。
また本発明の画像表示装置は、光を射出する光源と、上記スクリーンと、前記スクリーン上で前記光源から射出された光を走査する走査部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記スクリーンを備えるため、シンチレーションを低減させた画像表示装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をx方向、水平面内においてx方向と直交する方向をy方向、x方向及びy方向のそれぞれに直交する方向をz方向とする。
[第1の実施の形態]
図1(a)は本実施形態に係るリアプロジェクタ120の概略構成を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示すリアプロジェクタ120の側断面図である。本実施形態に係るリアプロジェクタ120は、光源から射出された光を光変調素子により変調し、この変調した光をスクリーン20に拡大投射するリア投射型プロジェクタである。
図1(a)に示すように、リアプロジェクタ120は、筐体90と、筐体90の前面側に取り付けられ、画像が投射されるスクリーン20とを備えている。スクリーン20の下方の筐体90にはフロントパネル88が設けられ、フロントパネル88の左右側にはスピーカからの音声を出力する開口部38が設けられている。
次に、リアプロジェクタ120の筐体90の内部構造について説明する。
図1(b)に示すように、リアプロジェクタ120の筐体90内部の下方には投射光学系150が配設されている。投射光学系150とスクリーン20との間には反射ミラー92,94が設けられており、投射光学系150から出射された光が反射ミラー92,94によって反射され、スクリーン20に拡大投射されるようになっている。
次に、リアプロジェクタ120の投射光学系150の概略構成について説明する。
図2は、リアプロジェクタ120の投射光学系150の構成を示す概略図である。なお、同図においては、簡略化のためリアプロジェクタ120を構成する筐体90は省略している。
図2に示すように、投射光学系150は、光源102と、光源102から出射された光を変調する光変調素子100と、光変調素子100により変調された光を投射する投射レンズ114とを備えている。本実施形態においては、光変調素子100として液晶ライトバルブ100R、100G、100Bが用いられている。
投射光学系150は、ハロゲンランプ等の白色の光源からなる光源102が設けられている。この光源102から出射された光は、内部に配置された3枚のミラー106を経て、2枚のダイクロイックミラー108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応する液晶ライトバルブ100R(赤色)、100G(緑色)及び100B(青色)にそれぞれ導かれる。ここで、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bは、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。
また、B(青)色の光は他のR(赤)色やG(緑)色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ122、リレーレンズ123及び出射レンズ124からなるリレーレンズ系121を介して導かれるようになっている。
液晶ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム112に3方向(液晶ライトバルブ100R、100G、100B)から入射する。ダイクロイックプリズム112は、R色及びB色の光を90度に屈折させると共に、G色の光を直進させ、各液晶ライトバルブ100R、100G、100Bの各光出射部からの光を合成するようになっている。そして、合成された各光出射部の光を投射レンズ114を介して、スクリーン20上に投射する。
(スクリーンの構成)
次に、リアプロジェクタ120のスクリーン20の概略構成について説明する。
図3は、フォーカス方向(z方向)におけるスクリーン20の概略構成を示す側断面図であって、図4はスクリーン本体の斜視図である。
図3に示すように、スクリーン20は、スクリーン本体21と、フレネルレンズ22aを有したフレネルレンズシート22と、レンチキュラーレンズ58を有したレンチキュラレンズアレイ57とを有して構成されており、鑑賞者側からレンチキュラレンズアレイ57、スクリーン本体21、フレネルレンズシート22の順に、投射される光路上に積層されている。
また、レンチキュラレンズアレイ57の鑑賞者側の面には、ブラックマスク(符図示)が格子状に形成されている。さらに、保護層を設けておくことによって埃や塵が付着したりキズが付くことを防ぐことができる。
スクリーン本体21は、図4に示すように、所定の画像領域Aを確保する大きさを有した平面視矩形状(正方形状でも良い)の一対の光透過性板材23,24間に形成される光散乱空間25内に、投射光を散乱させる散乱体26が充填されて構成されている。
光透過性板材23,24にはガラスや透過性樹脂等からなる板材が用いられ、その厚みは適用する製品サイズに応じている。このスクリーン本体21は、図4に示す枠状のフレーム12によってシーリングされ筐体90へと取り付けられている(図1(b)参照)。
次に、スクリーン本体21のシーリング構造について説明する。
図5はパッキン材27を示したスクリーン本体21の平面図、図6は図5のC−C断面図である。
図5,6に示すように、スクリーン本体21は、光透過性板材23,24間に光散乱空間25を形成すべく配置される平面視矩形環状のパッキン材27によって、その側周が閉塞されている。パッキン材27は4つの角柱状のパッキン28からなり、各パッキン28の一方の端部における側辺に他のパッキン28の端部を突き合わせることにより、図示するような表示領域Aを確保する矩形環状に構成される。
そして、図6に示すように、所定間隔をおいて対向配置される光透過性板材23,24間の側周にパッキン材27を介在させた状態で、これらをバネ部材29で挟持することによって構成されている。バネ部材29は、スクリーン本体21の側方を覆う板部30と、板部30の幅方向両側から起立するとともに先端に向かって互いの間隔が狭小となるべく湾曲した一対の弾性部31,31とにより構成され、これら弾性部31,31の付勢力によって光透過性板材23,24及びパッキン材27が固定されている。このバネ部材29は、光透過性板材23,24の各側辺に設けられ、各バネ部材29が枠状に組み合わされた状態で、図4,5に示すようなフレーム12としての役割を担うことになる。光透過性板材23,24及びパッキン材27は、このようなバネ部材29によって挟持されている。
また、図6に示すように、バネ部材29と光透過性板材23,24との間に緩衝材32を介在させることによって、適度な押圧力が負荷されるとともに光透過性板材23,24の表面に傷が付くのを防止することができる。断面視コ字状を呈する緩衝材32は枠形状に形成されており、その凹部32a内にパッキン材27を介在させた光透過性板材23,24の側部を周方向に亘って嵌入させるようにして取り付けられる。これにより、光透過性板材23,24及びパッキン材27の位置を規制することができて、バネ部材29を装着する前の仮固定が可能となる。このように、接着剤を用いることなく各部材を組み立てることができるため、組立作業が容易である。
このような構成により、光透過性板材23,24間において閉塞された空間(光散乱空間25)が形成されることになる。上記したシーリング方法により、光散乱空間25は完全に密閉された空間となることから、内部に充填される散乱体26が液漏れすることはない。
スクリーン本体21は、図9に示すように、光散乱空間25内に通じる流入口34及び流出口35を、それぞれスクリーン本体21の下方左右両側に有している。さらに、これら流入口34及び流出口35を光散乱空間25の外側で連結する経路上にポンプ36(流動手段)を備えており、光散乱空間25及びポンプ36間を連通させるよう構成されている。ポンプ36は、静粛性の良いロータリーポンプであることが好ましい。
上述したように、光散乱空間25内には散乱体26が充填されている。散乱体26は、水等の分散媒40(流体)中に温度変化に応じて変形可能な散乱フィラー41(散乱材)及び球状の光散乱粒子42を多数分散してコロイド状となったものである。
光散乱粒子42としては、従来のものを用いることができ、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、ガラスビース、アクリル樹脂系等の共重合体、又はシリコーン樹脂系等の非晶質の有機系材料が好適に用いられる。
図7に戻って、散乱フィラー41は、バイメタル箔から形成され、平面視において矩形状を呈するとともに画素より十分に小さい大きさで形成されている。詳しくは、互いに熱膨張率の異なる2種の金属層44,45から形成されるフィルム状のもので、亜鉛−銅合金からなる第1の金属層44と、第1の金属層44の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する鉄−ニッケル合金からなる第2の金属層45とから構成されている。このような散乱フィラー41を一度に多数形成可能な大きさを有する亜鉛−銅合金板と鉄−ニッケル合金板とを冷間圧接でラミネートし、フィルム状に圧延したあと所定形状に細断することによって、多数の散乱フィラー41が形成される。このようにして、積層方向において熱膨張率の異なる第1の金属層44及び第2の金属層45からなる散乱フィラー41が形成される。
図8に示すように、亜鉛−銅合金からなる第1の金属層44は、鉄−ニッケル合金からなる第2の金属層45に比べて熱膨張率が大きいため、散乱フィラー41は周囲の温度変化に応じてその形状を変化させることができる。例えば、温度が上昇するにしたがって、熱膨張率の大きい第1の金属層44が延伸するとともに熱膨張率の小さい第2の金属層45が収縮することから、散乱フィラー41は弓状に湾曲するように変形する(図8(a)参照)。一方、温度が下降するにしたがってその形状は元の形状に復帰するべく変形していくようになる(図8(b)参照)。このように、ラミネートされた金属層44,45の熱膨張率差による熱応力を利用することにより、自律的に変形可能な散乱フィラー41を形成することができる。
そして、散乱体26の粘性は、光散乱粒子42及び散乱フィラー41の分散密度によって決定されることから、所望とする製品特性に合わせて適宜設定されるものとする。このとき、光散乱粒子42及び散乱フィラー41が均一な分散率となるように設定する。
散乱体26は、図9に示すように、光散乱空間25の流出口35から流出した散乱体26を流入口34へと再び導く経路上に備えられたポンプ36(流動手段)によって所定間隔で送り出され、光散乱空間25及びポンプ36間を循環する。図示するように、流入口34及び流出口35がスクリーン本体21の下方における左右方向(x方向)両側に位置していることから、散乱フィラー41及び光散乱粒子42が光散乱空間25内を複雑に流動しながら、全体的には、散乱体26が左右方向(x方向)に流動していくことになる。このように、散乱体26が面方向に流動することから、光の散乱化に伴う画像ボケやゴースト等が生じることはない。
上記構成をなすスクリーン20は、図1(b)に示すように、レンチキュラーレンズ58の長手方向が水平方向に対して垂直となるように筐体90に組み付けられる。リアプロジェクタ120は、投射光学系150等の駆動により筐体90内が高温になることから、筐体90に取り付けられているスクリーン20の背面側と視認面側とで温度差が生じることになる。つまり、図9,10に示すように、外気に接している視認面側の光透過性板材23に比べて背面側の光透過性板材24の方が高温となるため、光散乱空間25内ではフォーカス方向(z方向)に温度勾配が生じることになる。また、ポンプ36を駆動させることによって循環する分散媒40(散乱体26)が光散乱空間25内を冷却することによって、光透過性板材23側から放熱が行われ、光散乱空間25内におけるフォーカス方向(z方向)の温度勾配を大きくすることができる。よって図11に示すように、筐体90内部の発熱及びスクリーン表面からの排熱ポテンシャルが作用することにより、散乱フィラー41の変形が確実に生じるようになる。
なお、図9においては、投射光学系150からの投射光をスクリーン20側へと屈曲させる背面ミラーを省略してある。
次に、散乱フィラー41の変形について詳しく述べる。
光散乱空間25内に充填されている散乱体26は、上述したようにポンプ36によって循環しているため、その流動に伴って光散乱粒子42及び散乱フィラー41が複雑に光散乱空間25内を移動することになる。このとき、散乱フィラー41は光散乱空間25内の温度勾配に応じて変形しながら移動する。図10に示すように、散乱フィラー41は、光散乱空間25内の高温領域側(光透過性板材24側)に移動するに従って熱膨張率の小さい第2の金属層45側を内方にして反り返るように変形していき、低温領域側(光透過性板材23側)に移動するに従って平板状に形状復帰していく。このような変形を繰り返しながら光散乱空間25内を面方向に移動する散乱フィラー41と、散乱フィラー41と同様に移動する光散乱粒子42とによって、投射光の散乱状態が時間を追って様々に変化する。すると、視認される投射光の干渉縞が動いたり干渉縞のパターンが複雑に変化し、その結果、鑑賞者の残像効果(残像特性)によって積分平均化されることでシンチレーションが効果的に低減することになる。
人間の眼の残像特性、その条件は人によって様々であるが、通常の室内の明るさにおける残像時間は凡そ20msであるとされている。そのため、散乱体26の流動速度をポンプ36により調整することによって、散乱フィラー41が、スクリーンの面方向に移動しながら光散乱空間25内の高温領域及び低温領域を頻繁に行き来するようになり、それに伴い、散乱フィラー41が変形―復帰を繰り返えす。その結果、投射光が散乱・回折し、これに伴って生成される干渉縞のパターンが人間の眼の残像時間以上の速さで様々に変化することになる。すると、視覚の反応時間内に見る際に干渉縞が平均化され、その結果、鑑賞者は画像の輝度が均一であるかのような認識をする。つまり、人間の眼の残像特性によって、画像が所定時間保持された状態となり全画面が均一に表示されて見えることになる。
このように、温度変化に応じて変形可能な散乱フィラー41が変形−復帰を繰り返すことによって、回折の角度変化が複雑に変化することになる。また、散乱フィラー41及び光散乱粒子42が光散乱空間25内を移動していることから、散乱フィラー41及び光散乱粒子42の相対的位置関係がそれぞれ変化し、回折の角度変化をより複雑化することができる。これにより、干渉縞のピッチ及び位置変化が激しくなる。すると、干渉縞が視認されなくなって画像のぎらつき感が抑制される。これはシンチレーションが低減したことを意味し、高輝度、高解像度、高品位な画像を得ることができるようになる。散乱体26は、光散乱空間25内を連続的に循環することから、投射光の散乱状態を確実且つ長期的に変化させることができる。これにより、シンチレーション低減の効果を持続させることができる。また、全体的に、散乱体26がスクリーンの面方向へと流動するため、画像ボケが生じることはない。
また、散乱フィラー41の変形状態は条件によって異なる。例えば、光散乱空間25内の温度勾配によってその変形速度が緩慢になったりする。しかしながら、スクリーン本体21内の光散乱空間25内に保持される散乱体26は、フォーカス方向に厚みのある体積散乱体であることから、たとえ、散乱フィラー41の変形が緩慢であったとしても、散乱フィラー41の変形によって光散乱粒子42の位置関係が様々に変化するため、人間の眼の残像時間に対して十分高速に干渉縞のパターンを変化せしめることが可能となる。これにより、特定の干渉縞パターンが視認されることをなくすことができる。このように、単独では緩慢な変形であったとしても、フォーカス方向で重なる複数の散乱フィラーの変形が作用することによって、全体として効果的な散乱作用を奏することができる。
本実施形態では、温度変化に応じて自律的に変形可能な散乱フィラー41及び光散乱粒子42により投射光が散乱・回折することから、従来のようにスクリーン自体を動かす必要もなく、低エネルギー、低騒音で干渉縞のパターン変化させることができる。したがって、コスト削減を図りつつ、高輝度、高解像度、高品位な画像を得ることができ、製品の高性能化を実現することが可能となる。
さらに、光散乱フィラー41の変形−復帰を人間の残像時間以下の速さで高速変形させることによって、干渉縞を防止するようにしても良い。
また、スクリーン本体21は、パッキン材27及びバネ部材29によって液漏れすることなくシーリングされ、性能安定性を長期に亘って確保したものとなっている。
なお、リアプロジェクタ120は、筐体90内で発生した熱を放熱するための冷却装置を備えても良い。冷却装置として例えばファンを具備したものとすると、筐体90内では高温のファン気流が循環し、筐体90内の温度分布が均一となる。そのため、光透過性板材24の面方向に温度差が生じることを防ぐことができるので、光散乱空間25における高温領域が面方向に亘って確保される。これにより、散乱フィラー41の変形率がスクリーン20の面方向で不均一となることを阻止でき、より確実にシンチレーションを低減させることができる。
また、流入口34及び流出口35をスクリーン本体21の左右方向(x方向)両側に配置したが、上下方向(y方向)両側に配置するよう構成しても良い。
また、ヒーター等の加熱手段を用いて、光散乱空間25内に温度勾配を積極的に発生させるようにしても良い。さらに、光散乱粒子42の形状を球状としたがこれに限ったものではなく不定形としても良い。
[第2の実施の形態]
以下に示す第2実施形態のリアプロジェクタの基本構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態のスクリーンの構成が異なるだけである。よって、以下では、スクリーンの構成についてのみ説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、図12〜16において、図1〜11と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。なお、本実施形態のスクリーン50は、図12に示すように、スクリーン本体51に、第1実施形態と同様のレンチキュラレンズアレイ57及びフレネルレンズシート22を積層してなるものである。
本実施形態のスクリーン本体51は、図13に示すように、光散乱空間25の下方にヒーター52(加熱手段)を備えて構成されている。ヒーター52は、スクリーン本体51の底部における左右方向(x方向)をムラなく均等に加熱可能なもので、図12に示すように、光散乱空間25内に封入されている低沸点の液体53(流体)を蒸発させる機能を担う。また、蒸気(流体)で満たされた光散乱空間25内には、光透過性板材24の内面全体に均一に分散されて固定された、多数の散乱フィラー54が存在している。なお、図13においても、投射光学系150からの投射光をスクリーン50側へと屈曲させる背面ミラーを省略してある。
散乱フィラー54は、画素より十分小さい大きさで形成され、平面視において矩形状を呈している。ここで、図7に戻って説明すると、散乱フィラー54は、互いに吸湿膨張(伸縮)係数の異なる2種の樹脂層60,61から形成されるフィルム状のもので、第1の樹脂層60と、第1の樹脂層60の吸湿膨張係数よりも小さい吸湿膨張係数を有する第2の樹脂層61とから構成されている。例えば、第1の樹脂層60の材料としては、湿度膨張係数が18ppm℃RHのポリイミド、湿度膨張係数が10ppm℃RHのポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられ、第2の樹脂層61としては、吸湿率が非常に低い液晶ポリマフィルム(LCP)等が挙げられる。このようにして、積層方向において湿度膨張係数の異なる第1の樹脂層60及び第2の樹脂層61からなる散乱フィラー54が形成される。
第1の樹脂層60は、第2の樹脂層61に比べて吸湿膨張係数が大きいため、散乱フィラー54は周囲の湿度変化に応じてその形状を変化させることができる。例えば、図8に示すように、湿度が上昇するにしたがって、吸湿膨張率の大きい第1の樹脂層60が延伸することによって吸湿膨張率の小さい第2の樹脂層61が屈曲し、散乱フィラー54は弓状に湾曲するように変形する(図8(a)参照)。一方、湿度が下降するにしたがってその形状は元の形状に復帰するべく変形していくようになる(図8(b)参照)。つまり、湿度低下に伴い、第1の樹脂層60が吸湿した水分を蒸散しながら収縮していくことにより原形へと戻ることになる。第2の樹脂層61は、第1の樹脂層60の形状変化に追従して変形する。このように、樹脂層60,61の吸湿膨張率差による吸湿応力を利用することにより、自律的に変形可能な散乱フィラー54とすることができる。
散乱フィラー54は、図14に示すように、接着層55を有した光透過性板材24の内面24a(光散乱空間側の面)全体に均一に配置され固定されている。散乱フィラー54は、長手方向をz方向に沿わせた状態(水平姿勢)で互いに重ならないように配置され、その長手方向一端側が光透過性板材24の内面24aに接着固定されている。このように、スクリーンの面方向に均一に配置され、個々の散乱フィラー54が互いに干渉することなく自在に変形可能な状態で設けられている。
また、光散乱空間25内に多数の光散乱粒子42が配置されている。これら光散乱粒子42は、光散乱空間25内の蒸気の流れに沿って自在に浮遊可能なものとなっている。
スクリーン本体51は、図15に示すように、光散乱空間25がパッキン材27に予め設けられた貫通孔63によって外方と通じるよう構成しておくことが好ましい。通常、貫通孔63内にはゴム栓64が着脱可能に嵌入された状態となっており、光散乱空間25内に液体53を注入したり排出したりするためのメンテナンス部として機能する。
このような構成のスクリーン本体51は、図13,14に示すように、ヒーター52による加熱を時間毎に制御することで、光散乱空間25内の湿度に「ゆらぎ」を与えたものとなっている。例えば、ヒーター52を所定時間運転させて低沸点の液体53を蒸発させ、光散乱空間25内の水蒸気量が飽和状態に達したならば、ヒーター52の運転を停止する。そして、光散乱空間25内の湿度が所定濃度まで低下すると、再びヒーター52を運転させて液体53を蒸発させる。このように、ヒーター52の運転を制御することで、光散乱空間25内に時間的な湿度勾配が生じることになる。つまり、「ゆらぎ」とは、光散乱空間25内の湿度が時間的に変化することをいう。
したがって、散乱フィラー54は、光散乱空間25内の湿度変化(湿度のゆらぎ)に応じて吸湿及び蒸散を繰り返えしながら屈曲変形及び原形復帰を行うことによって、光散乱粒子42が移動して、投射光の散乱状態が様々に変化する。これにより、視認される干渉縞が動いたり干渉縞のパターンが人間の眼の残像時間以上の速さで複雑に変化することになる。その結果、投射光が人間の眼の残像特性によって積分平均化され、干渉縞が視認されなくなる。
なお、散乱フィラーは、図16に示すように画素より十分小さい産毛状のフィルム片であっても良い。この散乱フィラー66は、ホットプレス等で図16(a)に示すような初期形状が与えられてあり、湿度の上昇と共に膨張して延伸する(図16(b)参照)。
また、低沸点の液体として、例えばアルコール等の揮発性の液体を用いることもできる。この場合、光散乱空間25内を減圧することによって容易に蒸発するため、ヒーター52等の加熱手段を備える必要がなくなる。これにより、部品点数が減ることからコストが削減されると同時にスクリーン本体51を小型化することができる。
また、散乱フィラーは、光散乱空間25内を浮遊するよう構成しても良い。
[第3実施の形態]
次に、本実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、光変調素子ではなく走査部を用いた画像表示装置である。なお、その他スクリーンの構成は、上記第1実施形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17は、リアプロジェクタ120(画像表示装置)の概略構成を示す断面図である。本実施形態のリアプロジェクタ120は、図17に示すように、レーザ光を射出する光源102と、コリメート光学系104とビーム整形光学系105とを含むレンズ光学系103と、入射されたレーザ光を2次元方向に走査するスキャナ82と、走査された光を拡大投射する投射レンズ114と、投射された光をスクリーン20に向けて反射する反射ミラー109とを備えている。光源102は、赤色のレーザ光を射出する赤色レーザダイオード102Rと、緑色のレーザ光を射出する緑色レーザダイオード102Gと、青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオード102Bとを有する。
レーザダイオード102R,102G,102Bから出射されたレーザ光は、レンズ光学系103を介してスキャナ82に入射する。入射したレーザ光は、スキャナ82により2次元方向にスキャン(走査)され、投射レンズ114、反射ミラー109を介してスクリーン20に投射される。このようにして、本実施形態のリアプロジェクタ120は、光源102から射出されたレーザ光をスキャナ82によりスクリーン20上で光を走査させることにより画像を形成するようになっている。
本実施形態のようにレーザ光源を用いたスキャン型のリアプロジェクタ120においても、スクリーン20内を光散乱粒子42を含む散乱体26が流動しているため、上記実施形態と同様の作用効果が得られ、効果的にシンチレーションを低減させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
上記実施形態においては、上記構成を有するスクリーン20をリアプロジェクタ120に採用したが、フロント投射型プロジェクタのスクリーンに採用することも可能である。
さらに、上記実施形態では、光変調素子として透過型の液晶ライトバルブを用いた例を示したが、反射型の液晶ライトバルブ、および、微小ミラーアレイデバイスを光変調素子として用いることができる。その際には、投射光学系の構成は適宜変更される。
さらに、光散乱粒子42の直径、屈折率、配置密度などは適宜調整されるものとし、封入体として例えば水を利用することによって環境に配慮しつつ低コスト化を実現することができる。なお、散乱材としては、光散乱粒子42のような固体の分散質に限らず、例えば、水中に油脂を乳化して分散させたエマルジョン(乳濁液)のような液体の分散質であってもよい。
本発明の実施形態に係るリアプロジェクタの概略構成図である。 本発明の実施形態に係るリアプロジェクタの投射光学系の概略構成図である。 第1実施形態に係るスクリーンの概略構成を示す断面図である。 第1実施形態に係るスクリーン本体の概略構成を示す断面斜視図である。 第1実施形態に係るスクリーン本体のパッキン材を示す概略構成図である。 図5のC―C断面図である。 第1実施形態に係る散乱フィラーを示す概略構成図である。 第1実施形態に係る散乱フィラーの変形状態を示す説明図である。 第1実施形態に係るスクリーンの概略構成を示す説明図である。 第1実施形態に係る光散乱空間内の温度勾配を示す説明図である。 第1実施形態に係るスクリーン本体の概略構成を示す側断面図である。 第2実施形態に係るスクリーン本体の概略構成を示す側断面図である。 第2実施形態に係るスクリーンの概略構成を示す説明図である。 第2実施形態に係るスクリーン本体の概略構成を示す要部拡大図である。 第2実施形態に係るメンテナンス部を示す要部拡大図である。 散乱フィラーの他の実施形態及びその変形状態を示す説明図である。 第3実施形態に係るリアプロジェクタの概略構成図である。 シンチレーションの原理を説明するための図である。
符号の説明
20…スクリーン、21,51…スクリーン本体、23,24…光透過性板材、25…光散乱空間、26…散乱体、27…パッキン材、28…パッキン、29…バネ部材、30…板部、31…弾性部、32…緩衝材、34…流入口、35…流出口、36…ポンプ(流動手段)、38…開口部、40…分散媒(流体)、41,54…散乱フィラー(散乱材)、42…光散乱粒子、44…第1の金属層、45…第2の金属層、52…ヒーター、53…低沸点液体(封入体)、55…接着層、57…レンチキュラレンズアレイ、58…レンチキュラーレンズ、60…第1の樹脂層、61…第2の樹脂層、63…貫通孔、64…ゴム栓、70…光源、88…フロントパネル、90…筐体、92,94…反射ミラー、100…光変調素子,液晶ライトバルブ、102…光源、106…ミラー、108…ダイクロイックミラー、114…投射レンズ、120…リアプロジェクタ(画像表示装置)、121…リレーレンズ系、122…入射レンズ、123…リレーレンズ、124…出射レンズ、150…投射光学系

Claims (12)

  1. 投射光を受けることによって画像を表示するスクリーンであって、
    光透過性を有する複数の光透過性板材と、
    前記光透過性板材間に形成される光散乱空間内に配置され、気体又は液体のうち少なくとも一方を含んでなる流体と、
    前記光散乱空間内に配置され、前記流体の雰囲気変化に応じて変形可能な散乱材と、を有することを特徴とするスクリーン。
  2. 前記雰囲気変化が温度変化であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  3. 前記散乱材は、熱膨張係数が異なる複数の金属層から構成されるフィラーからなることを特徴とする請求項2記載のスクリーン。
  4. 前記雰囲気変化が湿度変化であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  5. 前記散乱材は、吸湿膨張係数が異なる複数の樹脂層から構成されるフィラーからなることを特徴とする請求項4記載のスクリーン。
  6. 前記散乱材は、前記流体の流動に合わせて移動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスクリーン。
  7. 前記散乱材は、前記光散乱空間内において固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスクリーン。
  8. 前記流体を前記光散乱空間内で流動させる流動手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスクリーン。
  9. 前記流体が液体からなり、
    該流体を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスクリーン。
  10. 前記散乱材は、画素より小さいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスクリーン。
  11. 光を射出する光源と、
    前記光源から射出された光を変調する光変調素子と、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のスクリーンと、
    前記光変調素子により変調された光を前記スクリーン上に投射する投射手段と、を備えることを特徴とするリアプロジェクタ。
  12. 光を射出する光源と、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のスクリーンと、
    前記スクリーン上で前記光源から射出された光を走査する走査部と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
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