JP3250885B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3250885B2
JP3250885B2 JP23737693A JP23737693A JP3250885B2 JP 3250885 B2 JP3250885 B2 JP 3250885B2 JP 23737693 A JP23737693 A JP 23737693A JP 23737693 A JP23737693 A JP 23737693A JP 3250885 B2 JP3250885 B2 JP 3250885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は光散乱型の液晶表示装置、中でも
ポリマー等による3次元微細構造と液晶とから形成され
る液晶分散膜を有するいわゆる高分子分散型の液晶表示
装置を用いた反射型表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】従来最も一般的な液晶モードは、TN(t
wisted nematic)モードやSTN(su
per twisted nematic)モードであ
るが、これらのモードでは電気光学特性における急峻性
の不十分さや、二枚の偏光子を用いなければならないと
いうことのために、表示が暗くなってしまう。液晶に二
色性色素を添加してゲスト−ホスト(GH)型として構
成する場合は、偏光子は一枚でも表示することが可能と
なるためにある程度明るくなるが、この場合コントラス
トは著しく低下してしまう。カラー表示を行なう場合に
は、大きなコントラストを必要とするため、TNまたは
STNモードのGH型を採用するのは不可能である。D
AP型(またはVAN型)、水平配向セルを用いたEC
B型も含め、これら複屈折モードを用いてカラー液晶表
示装置を構成するためには、上述の理由によりバックラ
イトを非常に明るくする必要がある。液晶素子そのもの
は、他の表示素子とは比較にならない程消費電力の小さ
なものであるが、明るい照明手段を備えることによっ
て、その特筆すべき特長は著しく損なわれてしまう。ま
た、液晶素子は本来薄い平面型の構成となっているの
に、このような照明手段を備えることによって、せっか
くの薄型構造が損なわれてしまう。モノクロ表示を行う
場合でも、バックライトを用いない場合は、表示の暗さ
のために表示品質は充分なものとはいえない。各画素毎
にTFTやMIMなどの素子を設けた、いわゆるアクテ
ィブマトリクス型の構成では、TNモードでの電気光学
特性における急峻性の不十分さをカバーすることができ
るために、アクティブマトリクスを用いない上述の単純
マトリクス型液晶素子よりもかなり明るい表示が可能と
なるが、やはり二枚の偏光子を用いることによって、バ
ックライトを用いずに充分な明るさを得ることは不可能
である。また、偏光子は高価なものであるために、二枚
の偏光子を用いるということはコスト上かなり不利とな
る。偏光子(偏光板)を液晶素子に貼りあわせる工程も
容易なものではなく、気泡の巻き込みやシワの発生が無
いように貼りあわせるのは困難である。このための歩留
低下も無視し得ない。更に、一般の偏光板は延伸したポ
リビニルアルコール(PVA)にヨウ素を含ませるか、
ヨウ素を含んだPVAを延伸するなどして作られている
ために、耐熱性、耐湿性の点で著しく劣っており、現在
の液晶素子の信頼性は偏光板によって決定されていると
言っても過言ではない。一方、近年、ポリマーのマトリ
クス中に液晶の小さな球を分散させたポリマーの分散型
液晶の提案がなされ(ファーガソン:特開昭58−50
1631)、液晶層の厚さの影響を受けにくい、大面積
化が可能、偏光板が不要等の特長を持つことから注目さ
れている。また特開平1−198725には、光硬化型
樹脂が形成する三次元網目構造中に液晶を分散させたポ
リマーネットワーク型液晶を表示素子の液晶層に用いる
ことにより、ポリマー分散型液晶と同様の特長のほか
に、低電圧駆動、優れた急峻性などの利点が得られるこ
とが示されている。これらの液晶素子は、液晶層の光散
乱性を利用して光変調、表示を行うために、ゲスト−ホ
スト型以外で直視型の表示素子を構成するのは非常に困
難であり、投射型ディスプレイとしての開発が盛んに行
われてきた。しかし、投射型として用いるのであれば、
強力なランプのほかに、さらに投射光学系も必要とな
り、バックライトを用いた場合以上に液晶素子本来の薄
型の構成から離れたものとなってしまう。また、ゲスト
−ホスト型では、二色性色素に含まれる不純物や、光分
解による生成物によって、信頼性の点で劣ることが多
く、しかも光硬化樹脂を用いてポリマーと液晶の分散構
造を作ろうとする場合には、色素が光硬化反応を阻害す
ることもあり、材料系に大きな制約がある。
【0003】
【目的】本発明は以上の従来技術の問題点の解決を目的
としてなされたものであり、その目的は、散乱型の液晶
表示モードを用いた高コントラストで低電圧駆動であ
り、しかも大面積にわたって均一な表示が可能であり、
しかも高速応答性の液晶表示装置を提供することにあ
る。
【0004】
【構成】本発明によれば、内面に透明な画素電極を有
し、離間対向配置された1対の透明基板と、該基板間に
液晶層が挾持され、該液晶層に電圧が印加された場合と
印加されない場合とで、光を透過する状態と光を散乱す
る状態とに変化することを利用した反射型液晶表示装置
において、観察者方向に対して液晶層の裏側に、視認方
向から入射する特定範囲の入射角の光を透過し、それ以
外の入射角度範囲で入射する光を散乱する角度選択性を
有する選択的光拡散手段と、該拡散手段の裏側に光吸収
手段とを設けたことを特徴とする液晶表示装置を提供す
ることによって前記目的を達成した。本発明における選
択的光拡散手段は、前記のように視認方向から入射する
特定範囲の入射角の光を透過し、それ以外の入射角度範
囲で入射する光を拡散する角度選択性を有するものであ
り、特に液晶層が透明状態の場合に、反射光を観察者に
視認されない方向へ液晶表示装置より出射させる角度範
囲で拡散するものが好ましい。本発明の液晶表示装置を
高分子分散型の液晶セルを用いた場合を例にして構成例
により詳細に説明する。図1は従来の高分子分散型の反
射型液晶表示装置の一例を示したものである。液晶分散
層13が、内面に透明電極12a、12bを有する透光
性基板11a、11bに挟まれて液晶セル10が構成さ
れている。液晶分散層13は液晶13aと、該液晶部を
微細領域に分割するように形成され、高分子物質などか
らなる支持体13bとから構成されている。液晶セル1
0の下側には黒色のフイルムのような光吸収手段20が
設けられている。液晶セル10に電圧を印加していない
場合、液晶分散層13は支持体壁面によって配向が乱さ
れた状態にあり、そのために液晶分散層13中には微小
な屈折率のゆらぎを生ずる。このような状態において、
図2に示すように外部からの入射光50は液晶分散層1
3によって散乱される。入射光50の後方散乱成分の一
部501は視認方向に進み、観察者の目40に入り白色
表示となる。液晶層に電圧を印加すると液晶は電界方向
(液晶層の厚み方向)に平行に配向し、屈折率のゆらぎ
が小さくなるため、図3に示すように入射光50はほと
んど散乱されることなく進み、光吸収層20に到達して
吸収され黒表示となって観察される。しかしながら、本
構成のような場合、図2に示すように液晶層が光散乱状
態にあっても前方散乱成分502の割合が大きく、半分
以上の光が光吸収層によって吸収されてしまう。その結
果、十分な白さが得られずコントラストの低い表示とな
ってしまう。図4および5は本発明の液晶表示装置の構
成を示したものである。液晶セル10は従来例と同一で
あるが、液晶層の下側、本例では液晶セルの下側であっ
て、光吸収手段20の間に観察者方向を含む特定の範囲
の入射角の光を透過し、それ以外の入射角度で入射する
光を散乱、好ましくは観察者により視認されない方向へ
散乱する角度選択性を有する選択的光散乱手段30が設
けられている。図6、7および8は参考例として選択的
光反射手段を用いた場合の作用を説明したものである。
61と62は入射光が透過する場合と反射する場合の入
射角の境界である。選択的光反射手段30は図6に示す
ように入射角iがic1、ic2より小さい入射光51
は透過し、それより大きい角度からの入射光52は反射
する性質を有する。図7は、素子に電圧を印加して液晶
層を透明状態としたときの作用を説明した図である。選
択的光反射手段30への入射角がic以下である入射光
51は透明状態にある液晶分散層13を透過し、選択的
光反射手段30に入射する。光は選択的光反射手段30
をも透過して光吸収手段20に至り、吸収されて観察者
40には到達しない。一方、入射角がicより大きな入
射光52は選択的光反射手段30により反射されて観察
者側に戻るが、図のように反射角rが大きければ観察者
40には到達しない。このため、この状態で素子は黒く
観察される。図8は液晶層が散乱状態にある場合の光路
を模式的に示したものである。入射光51は液晶分散層
13によって散乱され、後方散乱成分の一部511は観
察者40に到達する。前方散乱成分の一部であって選択
的光反射手段30に対する入射角がic以下の成分51
2は選択的光反射手段を透過して、吸収手段20に吸収
されるが、入射角がic以上の成分513は反射されて
再度液晶分散層13に入射して再度散乱され、その前方
散乱成分の一部は観察者に到達する。一方入射光52も
液晶分散層13によって散乱され後方散乱成分の一部5
21は観察者に到達する。また、光強度の強い前方散乱
成分のうちの多く(例えば522、523)は選択的光
反射手段に対する入射角がic以上となるため選択的光
反射手段30によって反射されて再度液晶分散層13に
入射し、再度散乱されて、比較的光強度の強い前方散乱
成分としてその一部が観察者40に到達する。結局、観
察者には入射光の後方散乱成分521、511のほか
に、最初に液晶層で散乱を受けた前方散乱成分のうちの
選択的光反射手段から反射される成分の光の一部もが到
達することとなる。後者は図1で説明した従来の方式で
はすべて光吸収手段によって無駄に吸収されていた成分
であり、このような入射光の有効利用によって本発明の
液晶表示装置はきわめて明るい白表示を行うことができ
る。本発明において、拡散反射板、または鏡のようにど
のような入射角をもった光も反射するような一般的な反
射素子を使用したのでは、液晶層が光散乱性の状態と透
明な状態の間で変化しても光は観察者方向へ反射され、
明暗の差は全く生じないか、鏡を用いた場合では照明光
の方向が特定の狭い方向に限られている場合のみ明暗の
差が生じる。図9は、本発明で用いられる選択的光拡散
手段の作用を説明したものである。選択的光拡散手段3
02は、本図に示すように入射角iがic11,ic2
2より小さい入射角光(例えば図中51)は透過し、そ
れ以外の角度からの入射光(例えば図中52)は散乱す
る性質を有する。61と62は入射光が透過する場合と
反射する場合の入射角の境界である。図10は、素子に
電圧を印加して液晶分散層15を透明状態としたときの
作用を説明した図である。選択的拡散手段への入射角が
ic(=ic11=ic22)以下である入射光51
は、透明状態にある液晶分散層13を透過し、選択的光
拡散手段302に入射する。光は選択的光拡散手段30
2をも透過して光吸収手段20に至り、吸収されて観察
者40には到達しない。一方、入射角がicより大きな
入射光52は選択的光拡散手段302により散乱され、
ごく一部は観察者側に戻るが、後方散乱成分であるため
に強度は極弱く、観察者40にはほとんど到達しない。
このため、この状態で素子は黒く観察される。図11
は、液晶層が散乱状態にある場合の光路を模式的に示し
たものである。入射光51は、液晶層によって散乱さ
れ、後方散乱成分の一部511は、観察者40に到達す
る。前方散乱成分の一部であって選択的光拡散手段30
2に対する入射角がic以下の成分512は、選択的光
拡散手段を透過して、吸収手段20に吸収されるが、入
射角がic以上の成分513は、散乱されてその一部は
再度液晶層13に入射して再度散乱され、その前方散乱
成分の一部は観察者40に到達する。一方、入射光52
も液晶分散層13によって散乱され後方散乱成分の一部
521は観察者に到達する。また、光強度の強い前方散
乱成分のうちの多く(例えば522)は、選択的光拡散
手段に対する入射角がic以上となるため選択的光拡散
手段30によって散乱され、その一部は再度液晶層13
に入射し、再度散乱されて、その一部が観察者40に到
達する。結局、観察者には入射光の後方散乱成分52
1、511のほかに、最初に液晶層で散乱を受けた前方
散乱成分のうちの選択的拡散手段から後方散乱される成
分の光の一部もが到達することとなる。後者は、図1で
説明した従来の方式ではすべて光吸収手段によって無駄
に吸収されていた成分であり、このような入射光の有効
利用によって選択的光拡散手段302を利用する場合に
も本発明の液晶表示素子はきわめて明るい白表示を行う
ことができる。以上の説明のように、本発明に用いる選
択的光拡散手段は、少なくとも観察者方向を含む角度範
囲からの入射光を透過し、それ以外の入射角範囲の光を
反射するか、散乱させるような特性を持つことが必要で
ある。このような選択的光散乱手段としては、日本板硝
子からアングル21という商品名で市販されている視野
選択ガラス等が具体的に例示される。また、本発明で使
用する選択的光拡散手段30と光吸収手段20とは、両
者を少なくとも一部接触して順次設けてもよいし、ま
た、両者を離して設けても良い。両者を離して設けた場
合には、両者の間から周囲光または照明光源からの光を
入射できるようにすることができる。
【0005】前記参考例として示した選択的光反射手段
としては、板状透明基質の表面に形成されたプリズム群
を形成したプリズムアレイシ−トが挙げられる。図12
に示すプリズムアレイシート29は、本発明の好ましい
選択的光反射手段の1具体例を示したものである。該図
のプリズムアレイシート29は、一方向に長い形状をし
たプリズムの複数の列からなり、かつ該プリズムの列の
方向が長手方向に実質的に同一であるプリズムアレイシ
ートで構成されたものである。図12は各プリズムアレ
イの断面が略三角形となっているものである。説明のた
め、図12の下には三方向の定義を記した。光反射素子
の厚み方向がz、プリズムアレイの長手方向がy、これ
らに垂直な方向がxである。各プリズムの頂角αが90
°で、材質の屈折率が1.586のときを例にとり、こ
の反射素子の光反射(透過)特性を説明する。図13
に、各プリズムの頂角αが90゜のプリズムアレイシー
ト29に対して垂直に入射する光80の光路を示した。
シート面に対して垂直に入射した光80は、プリズムへ
の入射点90とプリズムからの出射点100で屈折し、
30°の角度を持つ出射光110として出射する。すな
わち、シート面に垂直に入射した光はプリズムアレイシ
ートを透過する。入射光の方向を、プリズムアレイに垂
直な方向(x方向)に倒していくと、出射角度は急速に
大きくなり、入射角がシート面に対して36°以上にな
ると、シートから空気への界面で全反射が起こり、入射
光はシートによって反射されるようになる。全反射の起
っている状態を図14に示した。プリズムの稜面120
側に入射した光130は、入射角度Aが36°以上にな
ると、プリズムと空気との界面150で全反射され、入
射角と同じ角度Aを持った出射光140として反射され
る。以上のように、頂角αが90°、屈折率が1.58
6であるポリカーボネート製プリズムアレイシートを例
にとると、入射角が0°からx方向に36°未満のとき
は光は主に透過し、36°以上のときは反射される。入
射光がy方向に傾いたときは上記のような特別なことは
起こらない。xとyの中間的な方向に傾いたときは、x
とyのそれぞれの方向に傾いたときの中間的な特性とな
る。各プリズムの断面が略三角形の場合は、屈折率の大
きさやプリズム頂角αの大きさ、および三角形の対称性
によって上記とは少し異なった特性となるが、基本的に
は同様で、入射角の小さな光は主に透過し、入射角の大
きな光は主に反射する。光散乱素子の裏側に配置される
光吸収手段としては、着色されたガラス、金属、プラス
チックなどの光を吸収するものであれば使用可能であ
る。一般的には黒色に着色したものを好ましく用い、こ
の場合には素子は白黒の表示となる。また、色を有する
場合には着色/白色の表示となる。光吸収手段を塗布な
どの方法でプリズム下面に形成することも可能である
が、この場合には、プリズム底面での全反射が起こるよ
うにプリズムの屈折率よりも十分小さい屈折率の材料で
光吸収層を構成する必要がある。以上のように本発明は
選択的光散乱手段の入射角選択性を利用して散乱型液晶
表示装置のコントラストを向上させ、明るい表示が可能
となるのであるが、これには次のような問題が生じるこ
とがあった。図13,14で示した例で説明すると、画
素が透明な状態のときに、x方向に臨界角36°以上に
傾いた光はプリズムアレイシートによってほぼ全反射さ
れるため、反射光15の方向から観察したとき透明な画
素も明るく視認されてしまい、コントラストが著しく小
さくなる。一般に、照明光に対して正反射方向から表示
素子を観察することはないが、正面から観察した場合で
あっても、x方向からの照明によって著しくコントラス
トが低下することが確認された。
【0006】本発明に用いることのできる液晶の表示方
式は、電圧印加などによって光散乱性が変化するもので
あればすべて用いることができ、従来公知の動的散乱方
式、相転移方式、高分子分散方式などのネマティック液
晶を利用した方式、スメクティック液晶の熱電気光学効
果を利用した方式、強誘電性液晶の光散乱を利用した方
式などを用いることができる。これらの表示方式は、一
般に光散乱性を上げて高コントラストを得ようとする
と、動作電圧が上昇してしまうという問題がある。たと
えば、液晶層厚の増加、相転移方式におけるコレステリ
ックピッチの減少、高分子分散方式における液晶ドロッ
プレットの微小化などはいずれも散乱性を上げる効果が
あるが、いずれも駆動電圧を高くしてしまう悪影響があ
る。本発明をこれらの方式に適用した場合、従来と同じ
液晶セルを用いた場合には散乱性の向上による高コント
ラスト化が、コントラストを従来と同じにした場合に
は、駆動電圧の低下を図ることができる。これらの方式
の中でも、液晶層が液晶領域と該液晶領域を微細に分割
するよう構成された支持体とから構成されるいわゆる高
分子分散型の液晶表示装置では、低電圧駆動と光散乱性
の両立が特に困難であるため本発明を適用した場合には
上記の利点は特に顕著となる。用いることのできる高分
子分散層の内部構造は特に限定されず、エマルジョン法
等で作製された分散膜に代表される液晶がほぼ球形の液
滴として支持体中に分散されたドロップレット構造や、
光重合法において形成されやすく、支持体が網目状構造
を形成し、網目中の液晶が互いに連通したネットワーク
構造など、ポリマーなどの支持体がなんらかの形で液晶
部を微細領域に分割した構造であれば用いることができ
る。ここでいう微細とは、概ね0.2μmから10μm
の範囲の大きさをいう。液晶分散層の厚さは、従来公知
の高分子分散型の液晶表示装置と同様でよく、3μmか
ら30μmの範囲が一般的である。また、液晶と支持体
の割合も従来公知の高分子分散型の表示素子と同様でよ
く、膜全体に対して液晶が40%から90%の範囲が一
般的である。このような、分散構造を形成させる方法と
していくつかの方法が報告されている。例えば、ポリビ
ニルアルコール等の水溶性ポリマーの水溶液と液晶との
乳化液を塗布乾燥させる方法(エマルジョン法)、可溶
性ポリマーと液晶を溶媒に溶解させて均一溶液を調製
し、該溶液を塗布乾燥させ乾燥時にポリマーと液晶を相
分離させる方法(溶媒蒸発法)、アクリルモノマー等の
光重合性物質と液晶と光重合開始剤とを上下基板間の空
隙に封入し、紫外線を照射して光重合性物質を重合さ
せ、相分離させる方法(光重合法)、熱重合性物質−例
えば、エポキシ化合物とその硬化剤−と液晶の混合物を
上下基板間に封入後、加熱により重合させ、相分離させ
る方法(熱重合法)などである。
【0007】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0008】実施例1 日本化薬社製のプレポリマーKAYARAD HX62
0にメルク社製の光重合開始剤Darocurll73
を3重量%添加して、光硬化性樹脂組成物を調製した。
透明導電膜を有するガラス基板を6μmのスペーサを介
して重ね合わせ、セルギャップが6μmの液晶セルを作
製した。メルク社製の液晶組成物BL036と光硬化性
樹脂組成物を液晶組成物の割合が70重量%となるよう
に混合し、液が均一となる温度まで加熱して液晶セル中
に注入した。これに高圧水銀灯によって光照射してプレ
ポリマーを重合させることにより液晶とポリマーを相分
離させて高分子分散型の液晶層を有する液晶セル1を作
製した。液晶セル1の直下に、日本板硝子製の視野選択
ガラスアングル21−cタイプ(ic1=26.5°、
ic2=−26.5°)をセルに平行に配置した。さら
に選択的反射板の直下に表面が粗面化された黒色のフィ
ルムからなる光吸収手段を設け、図4に示した構造の本
発明になる反射型液晶表示素子Aを作製した。参考試料
として選択的拡散手段を設けずに図1の構成の反射型液
晶表示素子R1を作製した。これらの液晶表示素子を室
内の蛍光灯下で正面から観察したところ、20Vの電圧
印加によっていずれの素子も良好な黒表示となったが、
電圧無印加時の散乱光強度は明らかに本発明になるAが
優れていた。
【0009】実施例2 実施例1において、選択的光拡散手段としてic1=+
26.5°である片方向にのみ散乱特性を有する選択的
拡散板を用いて同様にして液晶表示素子Bを作製した。
液晶表示素子BとR1を室内の蛍光灯下で正面から観察
したところ、20Vの電圧印加によっていずれの素子も
良好な黒表示となったが、電圧無印加時の散乱光強度は
明らかに本発明になるBが優れていた。
【0010】
【表1】 〇:良好 △:許容可能
【0011】
【効果】1.本発明になる反射型液晶表示素子は、選択
的光拡散手段により、非散乱性画素に影響を与えること
なく、散乱画素からの光の前方散乱成分を再度液晶層に
導入するため強い反射光強度が得られ、そのため高いコ
ントラストの反射型液晶表示素子を提供できる。また、
液晶層の光散乱性を大きくしなくとも強い光散乱が得ら
れるため、同じコントラストを得るための駆動電圧は低
くなる。 2.本発明の液晶表示素子の液晶層として高分子分散型
の液晶を用いた場合には、高コントラストに加えて高速
応答性も得られるため、動画表示にも対応できる。 3.ギラツキがなく自然な白色が得られる。 4.液晶セルと散乱手段の間及び散乱手段と光吸収層の
間に空気層を設ける必要がなく、量産に適している。 5.光学的に簡便な構造とすることができ、また不要な
界面反射光を減らすことができ、シャープな黒を表示す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光散乱型液晶表示素子の1例の断面構造
を模式的に示す図である。
【図2】液晶層が光散乱状態である従来の光散乱型液晶
表示素子への入射光の光路を示す図である。
【図3】液晶層が光透過状態である従来の光散乱型液晶
表示素子への入射光の光路を示す図である。
【図4】本発明の液晶表示素子の1例の断面構造を模式
的に示す図である。
【図5】本発明の液晶表示素子の1例の断面構造を模式
的に示す図である。
【図6】参考例である選択的光反射手段の作用を説明し
た図である。
【図7】参考例の液晶表示素子の液晶層が透明状態の光
路を示す図である。
【図8】参考例の液晶表示素子が散乱状態の光路を示す
図である。
【図9】本発明で用いる選択的光拡散手段の作用を説明
した図である。
【図10】本発明の液晶表示素子の液晶層が透明状態の
場合の選択的光拡散手段の光路を説明した図である。
【図11】本発明の液晶表示素子の液晶層が散乱状態で
あり、かつ選択的光拡散手段を用いた場合の光路を説明
した図である。
【図12】参考例である透光性板状基質の表面に微小な
プリズム群が形成された選択的光反射手段を模式的に示
す斜視図である(頂角α=90°のプリズム)。
【図13】参考例である各プリズムの頂角αが90°で
ある光反射素子の断面、および該素子に垂直な方向に入
射した光の進行を示す図である。
【図14】参考例である各プリズムの頂角αが90°で
ある光反射素子の断面、および該素子のプリズム稜面に
入射角36°で入射した光の進行を示す図である。
【符号の説明】
10 液晶セル 11a 透光性基板 11b 透光性基板 12a 透明電極 12b 透明電極 13 液晶分散層 13a 液晶 13b 支持体(高分子相) 14 外周シール層 20 光吸収手段(黒色フィルム) 22 照明光 26 入射光 27 入射光 29 プリズムアレイシート 30 選択的光反射手段あるいは選択的光拡散手段 301 選択的光反射手段 302 選択的光拡散手段 32 プリズム構造上に他の層を設けた光反射手段 40 観察者 50 入射光 501 後方散乱成分 502 前方散乱成分 51 入射光 511 入射光の観察者方向に進む後方散乱成分 512 選択的光反射手段に対する入射角がic以下の
入射光の前方散乱成分 513 選択的光反射手段に対する入射角がic以上の
入射光の前方散乱成分 52 入射光 521 入射光の観察者方向に進む後方散乱成分 522 選択的光反射手段に対する入射角がic以上の
前方散乱成分 523 選択的光反射手段に対する入射角がic以上の
前方散乱成分 61 入射光が透過する場合と反射する場合の境界 62 入射光が透過する場合と反射する場合の境界 80 頂角90゜のプリズムアレイシートに対して垂直
に入射する光 90 入射点 100 出射点 110 出射光 120 プリズム稜面 130 入射光 140 出射光 150 プリズムと空気との界面 ic 光散乱手段への入射光が透過する場合と反射ある
いは拡散する場合の境界角度 ic1 光散乱手段への入射光が透過する場合と反射す
る場合の境界角度 ic11 光散乱手段への入射光が透過する場合と拡散
する場合の境界角度 ic2 光散乱手段への入射光が透過する場合と反射す
る場合の境界角度 ic22 光散乱手段への入射光が透過する場合と拡散
する場合の境界角度 ic3 光散乱手段への入射光が透過する場合と反射す
る場合の境界角度 i 入射角 r 反射角 α プリズムの頂角 α1 プリズムの頂角 α2 プリズムの頂角 α3 プリズムの頂角 β プリズム底面の傾斜角 γ プリズムの傾斜角 δc 全反射の臨界角 A 入射角度 B 入射角度 N 法線 z プリズムアレイの厚み方向 y プリズムアレイの長手方向 x 前記yとzに対して垂直な方向 θ 照明光22の入射角 φ 方位角(プリズムの長手方向yと、入射光のxy面
への投影ベクトルの成す角) d ピッチ h 液晶分散層と選択的光反射または光拡散手段との間
の距離 l 画素のピッチ △ic1 非散乱時に表示部上端からの反射光が観察さ
れない角度範囲 △ic1′ 非散乱時に表示部上端からの反射光が観察
されない角度範囲 △ic2 非散乱時に表示部中央からの反射光が観察さ
れない角度範囲 △ic2′ 非散乱時に表示部中央からの反射光が観察
されない角度範囲 △ic3 非散乱時に表示部下端からの反射光が観察さ
れない角度範囲 △ic3′ 非散乱時に表示部下端からの反射光が観察
されない角度範囲 △ic4 表示部上端の透過角度範囲 △ic5 表示部末端の透過角度範囲 △ic6 表示部下端の透過角度範囲
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−212125(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 520 G02F 1/137

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に透明な画素電極を有し、離間対向
    配置された1対の透明基板と、該基板間に液晶層が挾持
    され、該液晶層に電圧が印加された場合と印加されない
    場合とで、光を透過する状態と光を散乱する状態とに変
    化することを利用した反射型液晶表示装置において、観
    察者方向に対して液晶層の裏側に視認方向から入射する
    特定範囲の入射角の光を透過し、それ以外の入射角度範
    囲で入射する光を散乱する角度選択性を有する選択的光
    拡散手段と、該拡散手段の裏側に光吸収手段とを設けた
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 液晶層が、液晶領域と該液晶領域を微細
    に分割するよう構成された支持体とから構成されること
    を特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
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