JP3023860B2 - 透過散乱型光学装置及びそれを用いた透過散乱型表示装置 - Google Patents

透過散乱型光学装置及びそれを用いた透過散乱型表示装置

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JP3023860B2
JP3023860B2 JP3189210A JP18921091A JP3023860B2 JP 3023860 B2 JP3023860 B2 JP 3023860B2 JP 3189210 A JP3189210 A JP 3189210A JP 18921091 A JP18921091 A JP 18921091A JP 3023860 B2 JP3023860 B2 JP 3023860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部入力に応答してそ
の光散乱特性が変化する透過散乱型光学素子を用いた透
過散乱型光学装置及びそれを用いた透過散乱型表示装置
に関する
【0002】
【従来の技術】従来から光学特性を電圧により変化させ
る表示素子としては、液晶表示素子がく知られてい
る。特に実用化が目覚ましい液晶光学素子としては、一
対の偏光膜を用いたツイストネマチック(TN)型液晶
光学素子があり、時計、電卓、ワープロ、パソコン等種
々の表示素子として用いられている。
【0003】しかし、これらのTN型液晶光学素子は、
偏光膜を用いているために、コントラスト比を高くしよ
うとすると光の損失が大きく、表示が暗い表示になると
いう欠点を有していた。これは屋外で用いるような反射
型専用の液晶光学素子の場合には、それほど問題にはな
らないものであったが、バックライトを用いる等した透
過型液晶光学素子の場合には、バックライトの光量を大
きくしないと暗いという問題点があった。
【0004】一方、偏光膜を使用しない液晶光学素子と
して、透過散乱型の液晶光学素子として動的散乱(DS
M)型液晶光学素子も従来から知られている。また、最
近では、液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液
樹脂複合体を用いた液晶光学素子が注目されてきて
いる。
【0005】しかし、これらの透過散乱型液晶光学素子
は散乱時には光が直進するわけではないが、透過してく
るものであり、透過時には光が直進して透過してくるこ
とになる。このため、反射型で用いれば、透過部分では
観察者側の背景が写り込みやすく、また透過型で用いれ
ば、透過部分では背後の背景が見えることになり、視認
性が低下するという問題点を有していた。
【0006】このような透過散乱型光学素子を用いて、
明るく、高コントラストな表示を実現することが望まれ
ている。このため、透過散乱型光学素子の背後に黒色の
吸収面を配置したり、背後から指向性の強い光を入射さ
せるためにルーバーを配置したりすることも提案されて
いる。
【0007】さらに、例えば、特開昭62−121485号に
は、透過散乱型光学素子の背後に円筒形のレンズと、そ
の焦点近傍に光吸収手段とを配置することにより、高コ
ントラストな透過散乱型光学装置を得ることが記載され
ている。さらに、特開昭50-81797号や米国特許 4726662
号には、透過散乱型光学素子の背後に、吸収面を設けた
プリズムを配置することが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−121485号に
示された透過散乱型光学装置は、観察者の視角を大きく
するためには、レンズの観察者と反対の側の焦点近傍に
設けた光吸収手段の幅を大きくしなくてはならなく、背
後からの光の入射量が少なくなる。例えば、視角を上下
±30°、即ち、60°とすると約57%以上と、背後からの
照明の光量損失が大きくなるという問題点、精密なレン
ズ設計が必要という問題点、光吸収手段を個々のレンズ
の焦点近傍に正確に配置する必要があるというような問
題点を有していた。
【0009】一方、ルーバーを使用した場合には、観察
者の視角の範囲の背後がルーバーの光吸収面とされてい
ればい。この場合には、視角を正面にすることができ
ない。即ち、正面からいずれかの方向に傾いた方向とせ
ざるを得ないという問題点を有していた。
【0010】特開昭50-81797号に示された透過散乱型光
学装置では、背後の照明からの光が前面側のガラス面表
面で全反射させるように光吸収膜付のプリズムを配置す
ることにより、背後の照明からの光が直接観察者に到達
しないようにされている。このため、視角は広くなる
が、暗い表示しか得られい。
【0011】また、米国特許 4726662号の透過散乱型光
学装置では、三角柱状プリズムや錐体状プリズムであっ
て、その1面を吸収面にしたプリズムが配置されること
が示されている。
【0012】図3及び図4は、それらの例の側面図を示
している。図3において、21は透過散乱型光学素子、22
は断面が直角三角形状の三角柱状プリズム、24は側面、
25は他の側面であって光を吸収する吸収面を示してお
り、図4において、31は透過散乱型光学素子、32は頂角
が直角の四角錐状プリズム、34は側面、35は他の側面で
あって光を吸収する吸収面を示している。
【0013】図3に示すような三角柱状プリズムを用い
た場合には、観察者の視覚がほぼ下側90°であり、プリ
ズムを逆向きにした場合には上側90°となる。このた
め、正面方向から見るようなものには使用できない。ま
た、このようなプリズムに、吸収面25の全面にのみ着色
層を厳密に形成したり、側面24の全面にのみ反射層を厳
密に形成したりすることは、隣接面にまでそれらの層が
付着しやすく、厳密に形成することは製造工程上困難で
あり、生産性が悪い。
【0014】また、Ψ 2 が45°の場合、光入射許容角の
平均値は54°程度であり、無指向性の光を出す照明を用
いた場合、最大透過率は30%以下しか得られない。さら
に、この吸収面上に反射面を形成することにより、プリ
ズムの外側から吸収面に入射する光を反射させて再利用
することもできるが、この効率はあまり大きくならな
い。
【0015】また、図4に示すような四角錐状プリズム
を用いた場合には、視角はやはりほぼ下側90°となる。
ただし、この場合には水平よりも上側から見ても直ちに
視認不可になるのではなく、黒い部分に光が入り込んで
くるので、徐々に灰色になり、ついには背景と区別でき
なくなる。このため、やはり、正面方向に視角要求され
る用途には適していない。
【0016】このため、正面方向に視角があり、明るい
表示が可能であって、製造が容易な透過散乱型光学装置
が望まれていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、外部入力に応答してそ
の光散乱特性が変化する透過散乱型光学素子の透過散乱
光学材料層の背後に、プリズムをその底面が透過散乱型
光学素子の背面に密着するように配置した透過散乱型光
学装置において、そのプリズムをその断面が三角形状ま
たは三角形状の頂部近傍の一部が切り欠かれた形状のプ
リズムとし、そのプリズムの2つの側面が底面に対して
なす角Ψ1 、Ψ2 が、65°≦Ψ1 ≦90°かつ65°≦Ψ2
≦90°であり、少なくともΨ1 、Ψ2 のいずれかは90°
でない角度であり、そのプリズムの頂部近傍を吸収面と
したことを特徴とする透過散乱型光学装置を提供する。
【0018】また、その断面が三角形状のプリズムが三
角柱状のプリズムであり、65°≦Ψ1 ≦87°かつ65°≦
Ψ2 ≦87°とするか、その断面が三角形状のプリズムが
錐体状プリズムであり、その錐体状プリズムの側面に直
交する面であって底面に直交する面上での当該側面と底
面とのなす角Ψの全てが65°≦Ψ≦87°としたことを特
徴とする透過散乱型光学装置を提供する。
【0019】さらに、それらの断面が三角形状のプリズ
ムが、その頂部近傍で切り欠かれた形状の多角形状のプ
リズムとされ、その頂部近傍の切り欠かれた形状の面が
吸収面とされたことを特徴とする透過散乱型光学装置、
及び、それらの断面が三角形状のプリズムの底面から頂
部までの高さをH0、底面から吸収面の下端までの高さを
それぞれH1、H2としたときに、0.30≦H1/H0≦0.70かつ
0.30≦H2/H0≦0.70とすることを特徴とする透過散乱型
光学装置、及び、外部入力に応答してその光散乱特性が
変化する透過散乱型光学素子の透過散乱光学材料層の背
後に、プリズムをその底面が透過散乱型光学素子の背面
に密着するように配置した透過散乱型光学装置におい
て、そのプリズムをその断面が三角形状または三角形状
の頂部近傍の一部が切り欠かれた形状のプリズムとし、
そのプリズムの2つの側面が底面に対してなす角Ψ 1
Ψ 2 が、65°≦Ψ 1 ≦90°かつ65°≦Ψ 2 ≦90°であ
り、少なくともΨ 1 、Ψ 2 のいずれかは90°でない角度
であり、そのプリズムの頂部近傍を吸収面とし、プリズ
ムの側面に内向きの反射面を設けたことを特徴とする透
過散乱型光学装置、並びに、照明を配置し、表示装置に
用いたことを特徴とする透過散乱型表示装置を提供す
る。
【0020】本発明の透過散乱型光学装置では、外部入
力に応答してその光散乱特性が変化する透過散乱光学材
料層を有する透過散乱型光学素子を用いる。この透過散
乱光学材料層の背後に、その底面を透過散乱光学材料層
にほぼ平行に配置し、プリズムの側面と底面とのなす角
Ψが65°≦Ψ≦90°となるように、その頂部近傍の側面
を吸収面とした断面が三角形状のプリズムを連接して配
置する。または、その頂部近傍で切り欠かれた形状の多
角形状のプリズム、より好ましくは断面が台形になるよ
うに、その底面にほぼ平行な面で切断された断面が台形
状のプリズムであり、その上面を吸収面としたプリズム
を連接して配置する。
【0021】これにより、視角がほぼ正面から対称に得
られ、背後からの照明の光量損失が少なく、明るい表示
が得られるとともに、高コントラスト比を得ることがで
きる。
【0022】なお、前述した米国特許 4726662号に示さ
れた透過散乱型光学装置では、前述したように三角形状
のプリズムまたは錐体状のプリズムであって、その1面
を吸収面にしたプリズムを背後配置しているので、視
角が正面ではなく、正面からいずれかの方向に傾いた方
向となる。
【0023】これに対して、本発明の透過散乱型光学装
置では、断面が三角形状のプリズムの側面と底面とのな
す角Ψが65°≦Ψ≦90°となるようにされており、その
頂部近傍に吸収面が形成されている。このため、透過散
乱型光学素子の透過部分を直進した光は、断面が三角形
状のプリズムにその底面から入射し、プリズムの側面で
反射するか直接頂部近傍の側面の吸収面や、上面のある
場合には上面の吸収面に到達し、その一部のみが反射し
て観察者側に戻ってくることになるので、その部分は黒
く見える。この断面が三角形状のプリズムは具体的に
は、断面三角形状の三角柱状のプリズムか錐体状プリズ
ムが使用できる。
【0024】この断面が三角形状のプリズムの頂部近傍
に吸収面を形成することにより、1つの側面全体を吸収
面にした場合に比して、視角を正面方向とすることがで
きる。
【0025】また、このプリズムの側面の内、吸収面や
反射面等の遮光面を設けていない部分からプリズム内に
光が入射するので、背後の照明の光も充分利用可能にな
り、比較的明るい表示が可能になる。
【0026】なお、本発明はこのプリズムの側面の吸収
面を設けていない面にプリズム内部に対して光を反射す
る反射面を設けて、観察者側からの照明を利用する反射
型表示方式にも使用できる。この場合にも、観察者側か
ら入射する光の内、プリズム側に散乱された光も部分的
に再利用可能になり、比較的明るい表示が可能になる。
【0027】図1は、本発明の断面が三角形状のプリズ
ムを用いた透過散乱型光学装置の断面図を示している。
この図1も後記する図2も、分かりやすくするためにプ
リズムを上下に2個として示してあるが、実際には図の
上下奥行方向に複数のプリズムが連接されて配置され
る。
【0028】図1において、 1は透過散乱型光学素子、
2は透過散乱型光学素子の背後に配置された断面が三角
形状のプリズム、 3は観察者、 4A、4Bはプリズムの側
面、 5A、5Bはその側面の吸収面、 6A、6Bは吸収面に設け
られた着色層、 7はプリズムの底面、 8は背後に配置さ
れた照明を表している。
【0029】なお、図中のΨ1 、Ψ2 は断面が三角形状
のプリズムの側面の底面になす角、H0はプリズムの底面
から頂部までの高さ、H1、H2はプリズムの底面から吸収
面の下端までの高さ、Wは底面の幅を表している。
【0030】本発明の断面が三角形状のプリズムとして
は、三角柱状のプリズムであって、その2つの側面と底
面とのなす角Ψ(Ψ1 、Ψ2 )がいずれも65°≦Ψ≦90
°とし、少なくともいずれかの角度は90°でない角度と
したプリズムか、錐体状プリズムであって、その錐体状
プリズムの側面に直交する面であって底面に直交する面
上での当該側面と底面とのなす角Ψの全てが65°≦Ψ≦
90°とし、少なくともいずれかの角度は90°でない角度
としたプリズムが使用できる。
【0031】この錐体状プリズムは、通常四角錐とされ
ることが多いが、三角錐、六角錐でもよく、連接されて
いればよい。もっとも、ドットマトリクス状の画素であ
れば、その画素の形状の底面形状を持つ錐体状プリズム
としてもよい。この場合には、厳密には透過散乱型光学
素子の背面全面を覆うような連接したプリズムでなく、
画素の部分全面を覆うプリズムとしてもよいので、円錐
状のプリズムも使用できる。
【0032】中でも、視角の点からは65°≦Ψ≦87°と
することが好ましく、特に、75°≦Ψ≦87°とすること
が好ましい。
【0033】この吸収面は、各側面の頂部近傍に設けら
れるが、この近傍としてはH1/H0、H2/H0が30〜70%と
なるようにされることが好ましい。即ち、三角柱状のプ
リズムの場合にはその2側面で、四角錐状のプリズムの
場合にはその4側面で上記範囲とされる。通常は、視角
を正面から対称になるようにしたいので、角度Ψ1 、Ψ
2 を同じにして、吸収面も範囲も各側面とも同じにする
ことが好ましい。
【0034】吸収面は、その面に到達した光が吸収され
ればよいものであり、例えば着色層を塗布して製造され
ればよい。また、その外面上に外に向いた反射層を形成
して、背後の照明の光を有効活用するようにしてもよ
い。
【0035】吸収面の底面への投影面積が、底面の面積
の50%以下にすることが明るさの点から見て好ましい。
特に、断面が台形状の場合には、その吸収面上に反射層
を設けて光の有効活用を図りにくいので、50%以下にす
ることが好ましい。
【0036】吸収面の範囲を各側面とも同じにする場合
には、プリズムの製造自体も容易になり、例えば三角柱
状のプリズムの場合にも、錐体状のプリズムの場合に
も、着色塗料中に特定位置までプリズムを頂部を下向き
にして浸して製造できる。
【0037】図2は、断面が台形状のプリズムを用いた
本発明の透過散乱型光学装置の断面図を示している。
【0038】図2において、11は透過散乱型光学素子、
12は透過散乱型光学素子の背後に配置された断面が三角
形状のプリズム、13は観察者、14A、14B はプリズムの側
面、14Cはプリズムの上面、15はその上面の吸収面、16
は吸収面に設けられた着色層、17はプリズムの底面、18
は背後に配置された照明を表している。なお、図中の
Ψ、H0、H1、H2については、H0が側面を延ばしていった
際に交差する点の底面からの高さであるほかは、図1の
場合と同じである。
【0039】この場合には、断面が三角形状のプリズム
が、その頂部近傍で切り欠かれた形状の多角形状のプリ
ズムとされている。この例では、底面に平行な面で切断
されたような形状とされ、断面が台形にされている。こ
の切断位置が、H1及びH2で表され、上記したような範囲
とされる。このため、H1とH2とを異ならせて上面を斜め
とすることもできる。しかし、この場合にも、視角を正
面から対称になるようにし、かつ製造が容易であること
から、断面が台形となるようにすることが好ましい。
【0040】なお、ここで説明都合上切り欠くという
表現をしているが、これは切断という工程があることを
意味していなく、できた形状を示すために用いているに
すぎないものであり、そのような形状をキャスティン
グ、プレス、射出成形等で製造してもいことは明らか
である。
【0041】また、この図1と図2との中間の形態、例
えば、図2のプリズムで上面のみでなく、側面の一部に
まで吸収面が形成されいたり、上面が平面状でなく、
錐体状、球面状に形成されていたりしてもよい。
【0042】以上の説明では、主として照明を背後に配
置して、背後からの入射光を利用する例を説明してき
た。しかし、本発明は観察者側に照明を配置して反射型
の表示装置として利用することもできる。この場合に
は、プリズムの側面の吸収面でない面にプリズム内部に
対して反射面とした反射面を設ける。つまり、プリズム
の側面に内向きの反射面を設ける。もっとも、ドットマ
トリクス状の画素の場合には、特定画素の明るさが隣接
画素の散乱状態によって変わることを防ぐために、画素
の形状とプリズムの底面形状を合わせることが好まし
い。
【0043】本発明の外部入力に応答してその光散乱特
性が変化する透過散乱型光学素子は、電圧、熱、磁場等
の外部入力に応じて、透過散乱光学材料層の特性が変化
し、透過状態と散乱状態とになる公知の光学素子が使用
できる。具体的には、液晶を用いた液晶光学素子が好ま
しく、動的散乱を利用したDSM型液晶光学素子、液晶
が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶樹脂複合
体を用いた液晶光学素子等がある。
【0044】特に、透過散乱光学材料層に、後者の液晶
樹脂複合体を用いた液晶光学素子は、散乱性能が良い
とともに、配向処理が不要、液体状態でないので基板間
隙制御が容易であるなど、製造が容易であり、さらに大
型化も容易である。
【0045】この透過散乱型光学素子の透過散乱光学材
料層の背後に、断面が三角形状のプリズムを配置する。
三角柱状プリズムの場合には、三角柱の側面の1つを底
面として透過散乱型光学素子の背面に密着させ、他の2
つの側面を背後に向ける。この2つの側面の交わる線が
頂部となり、その近傍の両側面に吸収面を形成する。錐
体状プリズムの場合には、その底面を透過散乱型光学素
子の背面に密着させ、そのプリズムの頂部近傍の各側面
を吸収面とする。
【0046】また、この断面が三角形状のプリズムは、
その頂部近傍で切り欠かれた形状としてもよい。
【0047】この断面が三角形状のプリズムの側面で吸
収面とされていない部分は、観察者側から入射する光の
ある視角範囲の光を全反射することになる。この側面で
反射した光の多くは側面または上面の吸収面に到達す
る。
【0048】図5は、この状態を示した断面図であり、
矢印で示した観察者側からの斜めの入射光は、プリズム
により定まる特定の入射角以下の入射角の光はプリズム
の側面で反射され、反射を繰り返してついには吸収面45
に到達する。
【0049】これにより、観察者側から見た場合、透過
散乱型光学素子の透過部分では、光が直進し、プリズム
の側面で、そのプリズムの有する屈折率により定まる特
定の入射角度範囲以内の角度で入射する光は全反射さ
れ、ほとんどその頂部近傍の吸収面に入射するあるいは
直接吸収面に入射することにより吸収される。このた
め、透過部分では観察者側には光はほとんど到達しな
い。
【0050】一方、本発明では透過散乱型光学素子の背
後に照明を配置した場合、背後からの照明による光は、
プリズムの吸収面でない側面、即ち、プリズムの台座近
傍の側面から入射し、透過散乱型光学素子に入射する。
この場合に、入射光は全てプリズムの側面の傾斜角及び
屈折率により定まる特定の角度の範囲内の角度で透過散
乱型光学素子面より観察者側に出射する。それにより定
まる視角範囲内の観察者には直接この入射光は伝わらな
い。
【0051】このため、前述したように吸収面を黒色と
すると、いずれの光も観察者にはほとんど到達しなく、
黒く見えることになる。もっとも、吸収面の色を黒以外
の赤、青、緑等にしておくことにより、その色の光のみ
が戻ってくるので、その色が認識される。
【0052】逆に、透過散乱型光学素子の散乱部分で
は、観察者側から入射する光はそのまま散乱され、背後
の照明による光はプリズムの側面から斜めに入射して、
同様に散乱される。この散乱光の内、観察者側に向かう
光はそのまま観察者に白く認識される。
【0053】これにより、黒または特定の色と、白の表
示が得られる。この場合、電圧の印加により透過−散乱
を制御する液晶光学素子を用いて、白地に黒い表示を得
るためには、電圧を印加しない状態で散乱状態となって
いる液晶光学素子を用いる必要がある。これには、前述
した液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶
樹脂複合体を用いた液晶光学素子が最適である。
【0054】このほか、吸収面の着色層の色を黒色以外
の色、例えば赤色にすれば、白と赤の表示が得られる。
さらにこれに、背後の照明の色を青い光にすれば、暗紫
と青の表示が得られる。
【0055】この断面が三角形状のプリズムの吸収面の
大きさは、視角の広さと明るさとによって適宜定められ
ればよいが、前述のようにおおむねプリズムの高さH0
頂部側30〜70%程度とされればよい。断面が台形状のプ
リズムとする場合には、切断する面の高さがおおむねプ
リズムの高さH0の頂部側30〜70%程度とされればよい。
【0056】本発明で用いる照明は、タングステンラン
プ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ、冷陰極放電管、熱陰極放電管、LED、EL等
の公知の照明用照明をはじめ、太陽光、室内照明等の外
部の光を導光してきて用いるようなものでもよい。さら
に必要に応じて、平面鏡、球面鏡、楕円面鏡、放物面鏡
等の反射鏡、レンズ、光ファイバ等の導光手段を組み合
わせたものも使用できる。
【0057】本発明の透過散乱型光学装置の透過散乱型
光学素子は、透過散乱光学材料層により人為的に透過
たは散乱を制御できるものであれば使用できる。中で
も、液晶を使用するものが低消費電力で信頼性が高いた
め好ましい。特に、一対の電極付きの基板間に液晶が硬
化物マトリクス中に分散保持された液晶硬化物複合体
層を挟持し、電圧の印加により散乱状態と透過状態とを
制御しうるものが最適である。
【0058】この液晶硬化物複合体層を挟持した透過
散乱型光学素子の液晶硬化物複合体層としては、液晶
が硬化物マトリクス中に分散保持されているものであれ
ば使用できる。具体的には、液晶が独立した液泡を形成
してマイクロカプセル状に封じ込められていてもよい
し、それらの液泡が連通していてもよいし、細かな孔の
多数開いた硬化物マトリクスの孔の部分に液晶が充填さ
れているものであってもよい。
【0059】このような液晶硬化物複合体層を一対の
電極付きの基板間に挟持し、その電極間に電圧を印加す
ると、その電圧の印加状態により、その液晶の屈折率が
変化し、硬化物マトリクスの屈折率と液晶の屈折率との
関係が変化し、両者の屈折率が一致した時には透過状態
(入射光がそのまま直進する)となり、屈折率が異なっ
た時には散乱状態(入射光がそのまま直進せずに散乱す
る)となる。
【0060】具体的には、電圧を印加している状態で、
硬化物マトリクスを構成するところの硬化させられた硬
化物の屈折率が、液晶の常光屈折率(no)と一致するよう
にされる。
【0061】これにより、得られた硬化物の屈折率と液
晶物質の屈折率とが一致した時に光が透過し、一致しな
い時に光が散乱(白濁)することになる。この素子の散
乱性は、従来のDSM(動的散乱モード)の透過散乱型
光学素子の場合よりも高いので、オンオフ比が高く取れ
る。
【0062】この液晶硬化物複合体層は、通常、液晶
と硬化物マトリクスの原料との混合物を準備して、電極
基板上に流延供給して硬化させるか、通常の液晶セルの
ように一対の電極付の基板の周辺をシール材でシール
し、注入口から混合物を注入して硬化させて、液晶が硬
化物マトリクス中に分散保持されるようされればよい。
【0063】この硬化物マトリクスとしては、樹脂マト
リクス、セラミックマトリクス等があるが、製造法上容
易であり、屈折率の調整も容易であるので、樹脂マトリ
クスの使用が好ましい。
【0064】中でも、樹脂マトリクスの原料として、密
閉系で硬化可能な光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用
い、これを液晶に溶解した溶液を用いて、光硬化または
熱硬化することにより、生産性が良く、前述の流延供給
法及び注入法の両方の製造方法が適用可能である。特
に、光硬化性樹脂を用い、光硬化する製造方法が好まし
い。
【0065】この素子に、この硬化工程の際に特定の部
分のみに充分に高い電圧を印加した状態で硬化させる
または液晶の相転移点以上に加熱した状態で硬化させる
ことにより、その部分を常に光透過状態とすることもで
きる。また、中間程度の電圧を印加して硬化させる、ま
たは、充分に高い電圧を印加した状態で半硬化させ、そ
の後電圧を印加せずに硬化を完了させることにより、任
意の中間調(散乱時の散乱度が任意の散乱度)の表示も
得ることができる。これにより、部分的に枠、文字等の
固定表示を行ったり、写真像の表示を行ったりすること
ができる。
【0066】この硬化物マトリクスの屈折率と、使用す
る液晶の常光屈折率(no)とを一致させた透過散乱型液
晶光学素子を用い、それらを完全に一致させることが好
ましいものであるが、透過状態に悪影響を与えない程度
に、ほぼ一致するようにしておけば使用可能である。こ
れは、液晶により樹脂マトリクスが膨潤して、樹脂マト
リクス自体が本来持っていた屈折率よりも液晶の屈折率
に近づくため、この程度の差があっても、光はほぼ透過
するようになるためである。
【0067】この透過散乱型光学素子を表示に用いるた
めには、所望のパターンで電極をパターニングすればよ
いが、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)等の能動素
子を配置してドットの集合により種々の表示を表示する
ようにしてもよい。
【0068】この電極は両方の基板とも通常透明電極と
するが、その一部に低抵抗のリード等の目的で金属等の
不透明電極を併設してもい。
【0069】本発明では、この透過散乱型光学素子の前
面側または背面側にガラス板、プラスチック板等の保護
板を積層するとかカラーフィルターを積層して色調整し
てもよいし、個々の表示パターンを多色化するために、
カラーフィルターやカラー照明を用いてもい。
【0070】前述の液晶硬化物複合体層を構成する硬
化物マトリクス、特に樹脂マトリクスの原料としては、
各種樹脂の材料であるモノマー、オリゴマー、溶媒によ
り溶解されるポリマー等があり、液晶と混合して混合物
とされて用いられる。この場合、硬化物マトリクスの原
料が液晶に溶解して、均質溶液となっているものを使用
することが好ましいが、ラテックス状になっているもの
等も使用できる。
【0071】基板上に混合物を流延供給する場合には、
溶媒を留去したり、硬化時にガス等の副生物を発生させ
るものも使用できるが、セル中に液晶を注入して後硬化
させる場合には、密閉系内で溶媒の留去が不要で硬化時
にガス等の副生物を発生せずに硬化可能な混合物を使用
する。
【0072】このため、前述のごとく光硬化性樹脂材料
を用いることが生産性上好ましく、特に、光硬化性ビニ
ル系樹脂材料の使用が好ましい。具体的には、光硬化性
アクリル系樹脂材料が例示され、特に、光照射によって
重合硬化するアクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。
【0073】これらの場合用いられる液晶は、ネマチッ
ク液晶、スメクチック液晶等があり、単独で用いても組
成物を用いてもいが、動作温度範囲、動作電圧など種
々の要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利とい
える。特に、ネマチック液晶の使用が好ましい。
【0074】また、液晶硬化物複合体層に使用される
液晶は、光硬化性樹脂材料を用いた場合には、光硬化性
樹脂材料を均一に溶解することが好ましく、光露光後の
硬化物は溶解しない、もしくは溶解困難なものとされ、
組成物を用いる場合は、個々の液晶の溶解度ができるだ
け近いものが望ましい。
【0075】液晶硬化物複合体層を製造する際、硬化
物マトリクスと液晶とは25:75〜75:25程度の割合にな
るように硬化物マトリクスの原料と液晶とを混合して混
合物とすればよく、液状なしは粘稠物として使用され
ればよい。
【0076】液晶硬化物複合体層を製造する場合、従
来の通常の液晶表示素子のようにセルを形成し注入口か
ら注入することもできるが、電極付きの基板上に硬化物
マトリクスの原料と液晶との混合物を供給し、対向する
基板を重ね合わせるようにすることにより、透過散乱型
光学素子を極めて生産性良く製造できる。
【0077】この基板間ギャップは、 5〜100 μmにて
動作することができるが、印加電圧オン・オフ時のコン
トラストを配慮すれば、液晶硬化物複合体層の場合に
は 7〜40μmに設定することが適当である。
【0078】この透過散乱型液晶光学素子は、液晶中に
2色性色素や単なる色素、顔料を添加したり、硬化物マ
トリクスとして着色したものを使用したりしてもよい。
【0079】電極付の基板にプラスチック基板を使用す
ることにより、連続プラスチックフィルムを使用した長
尺の透過散乱型光学素子が容易に製造できる。また、本
発明の透過散乱型光学素子は、一般に通常の液晶表示素
子とほぼ同じ程度の大きさになるため、ガラス基板を用
いて通常の液晶表示素子と同様にセルを形成して、注入
するようにしても生産性の低下はほとんどない。
【0080】このように液晶硬化物複合体層を用いた
透過散乱型液晶光学素子とすることにより、上下の透明
電極が短絡する危険性が低く、かつ、通常のTN型の液
晶表示素子のように配向や基板間隙を厳密に制御する必
要もなく、透過状態と散乱状態とを制御しうる透過散乱
型液晶光学素子を極めて生産性良く製造できる。
【0081】この透過散乱型液晶光学素子は、駆動のた
めに電圧を印加する時には、液晶の配列が変化するよう
な交流電圧を印加すればよい。具体的には、 5〜 100V
で10〜1000Hz程度の交流電圧を印加すればよい。また、
この透過散乱型光学素子の観察者側にレンズ、プリズ
ム、フィルター等を配置して視角を変えたり、色を変え
たりしてもよい。
【0082】
【作用】図3のような場合、観察者は正面方向から反時
計回りに位置を変えていくと、透過部分では直進した光
が側面24に当たり反射して吸収面25に当たる、または、
直接吸収面25に当たるようになる。このため、図3の例
のような構造にすれば、観察者の視角は、その下方に関
してはほぼ90°に近い位置までとなる。
【0083】逆に、この観察者の位置を時計方向に上方
に変えていくと、直進した光が側面24に当たり、プリズ
ムと背後の空気の屈折率とにより定まる全反射臨界角に
対応した特定の角度に到達すると、側面24では全反射さ
れずに背後に出射するようになる。一方、この場合に
は、背後の照明からの光も入射してくることになるの
で、観察者には背後の照明の光が直接視認され、見にく
くなる。
【0084】透過散乱型光学素子21の透過散乱光学材料
層が散乱状態の部分では、観察者側から入射した光も背
後の照明からの光も散乱し、観察者には位置にほとんど
無関係にその散乱光を見ることになり、白く見えること
になる。
【0085】これにより、白、黒の表示が得られ、下方
はほぼ90°近くまで、上方はプリズムと背後の空気の屈
折率とにより定まる特定の角度まで、具体的には 5〜20
°程度まで見えることになり、正面方向に視角の中心が
来ないことになる。また、前述したごとく、背後からの
無指向の入射光は約30%しか有効利用できない。
【0086】図4のプリズムの場合にも、頂角が90°で
あって、1側面のみを全面吸収面としているので、視角
がほぼ対称にならない。一方、本発明の図1や図2の場
合には、観察者の視角は正面方向からほぼ対称になる。
断面が2等辺三角形である三角柱状のプリズムを用いた
場合には、左右方向の視角はほぼ全域となり、上下方向
の視角は±30〜40°程度の等しいかほぼ等しい視角を持
つ。その作用を図5に基づいて説明する。
【0087】図5は断面が台形状のプリズム42を用いた
場合の光の伝搬状況を示した断面図である。透過散乱型
光学素子41からプリズム42側に、法線方向からみて特定
の入射角θ以下の角度で入射した光50は、プリズム内部
を伝搬する光50A となり、その側面44A、44B で反射して
光50B、50C、50D となり、最終的に吸収面45に到達する。
また、入射角θより入射角が小さい光はより少ない回
数の反射の後もしくは直接吸収面45に到達する。これら
の場合のみが光がほとんど反射してこない。この全反射
する角度で外部からプリズム内に光が入射することはな
いので、背後からも光が直接入射して逆行しないので、
黒く見えることになる。
【0088】逆に、ある入射角度以上の光はプリズム側
面から外部に出てしまうことになる。このため、外部か
らの光も内部に入ってくることになり、この視角に位置
する観察者は背後の照明が直接見えることになり、黒く
見えることにならない。
【0089】また、図2のプリズムの代わりに、図1の
プリズムを用いた場合にも、動作はほぼ同じとなる。こ
のため、図2のプリズムの方が奥行きが短くなり、かつ
吸収面の面積も小さくなるので、コンパクトになるとと
もに製造が容易となり好ましい。
【0090】また、プリズムの側面の内、吸収面以外を
プリズム内部に対する反射面で覆って、反射型の表示装
置として使用することもできる。この場合、観察者側か
らのある入射角θ以下の光については、反射面が設けら
れていない場合と同様吸収面45に到達して吸収される。
逆に、入射角θを超える光も、プリズム側面で反射され
るので、反射を繰り返して観察者側に出射してくること
になる。
【0091】この場合、この出射角は入射角に対応した
領域に出射するので、入射角θ以下に対応した視角域に
位置する観察者は照明を見ることはなく、黒く見えるこ
とになる。しかし、入射角θ以上に対応した視角域に位
置する観察者は照明を見ることになり、黒く見えること
にならない。これにより、その画素が透過状態であれば
黒く見えるようにすることができる。また、その画素が
散乱状態であれば、プリズム側から戻ってきた光も再度
散乱され、より表示が明るくなることになる。
【0092】図6は、背後の照明の光を有効利用するた
めの外向きの反射層を吸収面の上に形成したところを示
す断面図である。この例では、吸収面55の着色層56の外
面上に外向きの反射層59が設けられており、背後の照明
からの光60は反射層で反射されて吸収層の無いプリズム
側面からプリズム内に入射する。これにより背後の照明
の利用効率が向上し、明るい表示が可能になる。
【0093】図7(A)、(B)、(C)、(D) は、本発明の他の例
を示す断面図である。図7(A) は、Ψ1 >Ψ2 とした例
であり、吸収面61、62 は同じ位置に形成(H1=H2)して
いるので、視角は完全に対称にはならない。より対称に
近づけるためには、吸収面の下端の位置H1、H2を非対称
にする。
【0094】図7(B) は、頂部近傍で底面に平行に切り
欠いた形状、即ち、断面が台形状のプリズムであって、
吸収面63、64、65が上面のみでなく両側面まで伸びている
プリズムを用いた例である。この場合も、底面から両側
面を延長した頂点までの距離H0に対して、H1、H2は前記
したように30〜70%とされる。
【0095】図7(C) は、頂部近傍で底面に非平行に切
り欠いた形状の例であり、その切り欠き面が吸収面66と
されている。この場合も、底面から両側面を延長した頂
点までの距離H0に対して、H1、H2は前記したように30〜
70%とされる。この例では、その吸収面66上に外向きの
反射面71が形成されている。
【0096】図7(D) は、頂部近傍で底面に非平行に切
り欠いた形状の他の例であり、切り欠き面が山形になっ
ており、その切り欠き面が吸収面67、68 とされている。
この例でも、その吸収面67、68 上に外向きの反射面72、7
3 が形成されている。また、このほか、(D) の山形面を
断面が円弧になるようにしてもよく、上記の例を組み合
わせたような形状のプリズムを用いてもよい。
【0097】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。 実施例 1〜 4 日の字表示が可能なようにパターニングしたITOによ
る電極を設けたガラス基板を2枚用い、20μmのスペー
サーを介在させて周辺をシール材でシールして、空セル
を作成した。
【0098】2-エチルヘキシルアクリレート 7部及び2-
ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリルオリゴマ
ー(東亜合成化学(株)製「M-1200」)24部、光硬化開
始剤としてメルク社製「ダロキュアー1116」 0.9部と液
晶としてBDH社製「E-8」64部とを均一に溶解して、
液晶混合物を製造した。
【0099】この液晶混合物を、前記した空セルに注入
して、30秒間紫外線を照射して露光して透過散乱型液晶
光学素子を作成した。この透過散乱型液晶光学素子は樹
脂マトリクスを構成するところの硬化させられた樹脂の
屈折率が、液晶の常光屈折率(no)とほぼ等しくなるよう
にされているので、電圧を印加しない状態で、両者の屈
折率が異なり、全体が散乱(白濁)状態となり、所望の
電極間に交流電圧(AC35V、50Hz)を印加すると、その部分
のみが透過状態となった。
【0100】Ψ1 =Ψ2 =86°の断面が2等辺三角形状
の三角柱状のアクリル製プリズム(屈折率=1.50、底面
の幅W=10mm、底面から頂部までの距離H0=71.5mm)の
頂部近傍(H1=H2=37mm)を両側面とも黒色に塗装し、
吸収面とした。
【0101】このプリズムを図1のように透過散乱型液
晶光学素子に密着させて、視角を調査したところ、柱の
軸方向である左右方向にはほぼ±90°近くまで、上下方
向はほぼ±30°であった。また、明るさは背後からの平
行光線による照明の場合、プリズムを配置しない場合の
散乱部分の明るさの約50%であった。同じ材質のプリズ
ムを用い、形状を変えた例を以下の表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】なお、実施例 1は図5で説明した反射回数
が 4回以下の例に相当し、実施例 2〜 4はそれぞれ反射
回数 3回以下、 2回以下、 1回以下の例である。
【0104】実施例 5〜 8 実施例 1のアクリル製プリズムの代わりに、屈折率の高
い鉛ガラス製プリズム(屈折率=1.84)を用いて、視角
を調査した結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】なお、実施例 5は図5で説明した反射回数
が 5回以下の例に相当し、実施例 6〜 8はそれぞれ反射
回数 4回以下、 3回以下、 2回以下の例である。
【0107】実施例 9〜16 実施例 1〜 8の吸収面の着色層の外面に反射層を形成し
たプリズムを用いたところ、背後からの光の利用が増加
し、いずれも反射層を形成しない場合に比して明るくな
った。
【0108】実施例17〜24 実施例 1〜 8の三角柱状のプリズムに代えて、底面が正
方形であり、対称形の四角錐状のプリズムの4側面の頂
部近傍に吸収面を設けたプリズムを用いて、視角を調査
した結果を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】これにより、実施例 1〜 8に比して、左右
方向の視角が上下方向と同じになったが、明るさは大幅
に向上した。
【0111】実施例25〜32 実施例 1〜 8の断面が三角形状のプリズムの吸収面を形
成した部分を、底面に平行に切り欠いた形状、即ち、図
2に示すような断面が台形状のプリズムを形成し、その
上面に着色層を形成した。
【0112】この台形状プリズムを用いて、実施例 1〜
8と同様に評価したところ、視覚、明るさは実施例 1〜
8と同等であり、奥行きがH1(=H2)となるため、実装
時に要する奥行きが大幅に減少し、小型化しやすいもの
であった。また、無指向性のバックライトを用いても、
実施例 1〜 8に比べ、プリズム先端部の吸収面による影
が少ないため、明るさが低下することはなかった。
【0113】実施例33〜40 実施例17〜24の断面が三角形状のプリズムの吸収面を形
成した部分を、底面に平行に切り欠いた形状、即ち、図
2に示すような断面が台形状のプリズムを形成し、その
上面に着色層を形成した。
【0114】この台形状プリズムを用いて、実施例17〜
24と同様に評価したところ、視覚、明るさは実施例17〜
24と同等であり、奥行きがH1(=H2)となるため、実装
時に要する奥行きが大幅に減少し、小型化しやすいもの
であった。また、無指向性のバックライトを用いても、
実施例17〜24に比べ、プリズム先端部の吸収面による影
が少ないため、明るさが低下することはなかった。
【0115】実施例41、42 実施例32のプリズムに代え、Ψ1 =75.6°、Ψ2 =90°
とし、底面の幅W=10mm、底面から頂部までの距離H0
39mm)の頂部近傍をH1=H2=14mmの位置で切り欠いた形
状とし、その上面を黒色に塗装し、吸収面とした。この
場合には、視野角は上方向57°、下方向30°であり、三
角柱状のプリズムの場合には、明るさが37%であり、四
角錐状のプリズムの場合には、明るさが59%であった。
【0116】実施例43 実施例 1のプリズムに代え、Ψ1 =84.2°、Ψ2 =78.5
°とし、底面の幅W=10mm、底面から頂部までの距離H0
=32.8mm)の頂部近傍(H1=16.7mm、H2=14.1mm)を両
側面とも黒色に塗装し、吸収面とした。このプリズムを
用いた場合の視野角は上下とも30°であり、明るさは45
%であった。
【0117】実施例44 実施例43のプリズムを図7(C) に示すように、H1=16.7
mm、H2=14.1mmの位置で切り欠いて、その斜めの上面を
黒色に塗装し、吸収面とした。さらに吸収面の上にアル
ニウムの反射層を形成した。このプリズムを用いた場
合の視野角は、実施例43と同等であった。また、平行光
及び無指向性光に対し、明るさは約45%と同程度であっ
たが、上方より入射する光の多い室内では明るさがさら
に向上した。
【0118】実施例45 実施例25のプリズムの代わりに、図7(B) に示すよう
に、切り欠く位置をH1=H2=37mmとせずにそれぞれ45mm
とし、その上面全面及び側面のH1=H2=37mm位置まで吸
収面とした。さらにその吸収面の上を白色塗料で覆っ
た。このプリズムを用いた場合にも、視野角は実施例25
と同等であったが、明るさはさらに向上した。
【0119】実施例46 実施例25のプリズムの代わりに、図7(D) に示すよう
に、切り欠く位置をH1=H2=37mmとし、ピーク部分を45
mmとして、その2つの上面全面を吸収面とした。このプ
リズムを用いた場合にも、視野角及び明るさは実施例25
と同等であった。
【0120】実施例47 日の字表示用にパターニングしたITOによる電極を設
けた透過散乱型液晶光学素子の代わりに、各画素のTF
T(薄膜トランジスタ)を形成したマトリクス状の透過
散乱型液晶光学素子を用いて、透過散乱型液晶光学装置
とした。
【0121】プリズムの形状は、底面が正方形であり、
対称形の四角錐状のアクリル製プリズムであり、角度Ψ
1(=Ψ2)=81o 、H0=3.16mm、H1 (=H2) =1.4mm 、W
=1mm とした。図2に示すように底面に平行に切り欠い
た形状の面を吸収面とするプリズムとした。
【0122】この表示装置の視角は上下方向、左右方向
とも約±30°、表示コントラスト比は約10の値が得られ
た。明るさは、背後からの平行光線による照明の場合、
プリズムを配置しない時の散乱部分の明るさの約65%で
あった。
【0123】実施例48 実施例47の透過散乱型液晶光学素子を用い、プリズムの
みを替えた。プリズムの形状は、断面が2等辺三角形状
の三角柱状のアクリル製プリズムであり、角度Ψ1(=Ψ
2)=85o 、H0=5.7mm 、H1 (=H2) =1.4mm 、W=0.5m
m とした。図1に示すようにプリズムの頂部近傍の両側
面を吸収面とするプリズムとした。
【0124】この表示装置の視角は上下方向約±30°、
左右方向±90°、表示コントラスト比は約10の値が得ら
れた。明るさは、背後からの平行光線による照明の場
合、プリズムを配置しない時の散乱部分の明るさの約48
%であった。
【0125】実施例49 実施例47のプリズムの側面をアルミニウムの反射層で覆
って、液晶光学素子の前方から光をあてて純粋の反射型
の表示装置とした。視野角は上下方向、左右方向とも約
±30°、コントラスト比は約10の値が得られた。明るさ
は、観察者側からの平行光線による照明の場合、プリズ
ムを配置しない時の散乱部分の明るさの約 6倍であっ
た。
【0126】ただし、透過散乱型液晶光学素子の画素と
プリズムとが1対1で対応していない場合には、駆動時
に隣接画素の表示状態の影響を受けた。このため、階調
表示に関する品位は実施例47に比べてやや劣った。しか
し、画素とプリズムとを1対1で対応するようにしたと
ころ、隣接画素の表示状態の影響をほとんど受けなくな
った。
【0127】
【発明の効果】以上のごとく、本発明によれば、電気的
に散乱状態と透過状態とを制御しうる透過散乱型光学素
子と、構造断面が三角形状または三角形状の頂部近傍の
一部が切り欠かれた形状のプリズムであって、そのプリ
ズムの2つの側面が底面に対してなす角Ψ1 、Ψ2 が、
65°≦Ψ1 ≦90°かつ65°≦Ψ2 ≦90°であり、少なく
ともΨ1 、Ψ2 のいずれかは90°でない角度であり、そ
のプリズムの頂部近傍を吸収面としたプリズムと、照明
とを組み合わせることにより、観察者の視角がほぼ正面
方向にあり、照明の光量損失が少なく、明るい表示が得
られるとともに、高コントラスト比を得ることができ
る。
【0128】照明は、通常のバックライトでも使用でき
るし、外光を使用することもできる。さらに、反射鏡、
レンズ等を併用して指向性の強い光を供給することによ
り、さらに明るい表示が可能になる。
【0129】特に、プリズムの頂部近傍を切り欠いたよ
うな形状とすることにより、奥行きも小さくてすみ、小
型化でき、明るく、白い背景の表示を容易に得ることが
でき、家電製品用表示器、ラップトップパソコン、ワー
プロ、テレビ等各種の用途に使用できる。
【0130】また、液晶が硬化物マトリクス中に分散保
持された液晶樹脂複合体を用いた透過散乱型液晶光学
素子は、屈折率の制御により透過−散乱を制御している
ので、入射光が吸収されなく、従来のTN型液晶表示素
子等に比して通常2倍以上明るく、高光量を入射して
も、透過散乱型光学素子の温度上昇をほとんど生じな
く、信頼性が高いものでもある。
【0131】本発明は、このほか、本発明の効果を損し
ない範囲内で種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過散乱型光学装置の基本的な構成を
示す断面図である。
【図2】本発明の透過散乱型光学装置の基本的な構成を
示す断面図である。
【図3】従来の透過散乱型光学装置の例を示す断面図で
ある。
【図4】従来の透過散乱型光学装置の例を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の透過散乱型光学装置の光の進行を説明
する断面図である。
【図6】本発明の透過散乱型光学装置の光の進行を説明
する断面図である。
【図7】本発明の透過散乱型光学装置の他の例の断面図
である。
【符号の説明】
透過散乱型光学素子: 1、11、21、31、41、51 プリズム : 2、12、22、32、42、52 観察者 : 3、13 側面 : 4A、4B、14A、14B、24、34、44A、44B、5
4 吸収面 : 5A、5B、15、25、35、45、55、61〜68 着色層 : 6A、6B、16、56 底面 : 7、17、27、37 照明 : 8、18 反射層 : 59、71、72、73
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−171002(JP,A) 特開 平3−175421(JP,A) 特開 平3−226718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13357

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部入力に応答してその光散乱特性が変化
    する透過散乱型光学素子の透過散乱光学材料層の背後
    に、プリズムをその底面が透過散乱型光学素子の背面に
    密着するように配置した透過散乱型光学装置において、
    そのプリズムをその断面が三角形状または三角形状の頂
    部近傍の一部が切り欠かれた形状のプリズムとし、その
    プリズムの2つの側面が底面に対してなす角Ψ1 、Ψ2
    が、65°≦Ψ1 ≦90°かつ65°≦Ψ2 ≦90°であり、少
    なくともΨ1 、Ψ2 のいずれかは90°でない角度であ
    り、そのプリズムの頂部近傍を吸収面としたことを特徴
    とする透過散乱型光学装置。
  2. 【請求項2】面が三角形状のプリズムが三角柱状のプ
    リズムであり、65°≦Ψ1 ≦87°かつ65°≦Ψ2 ≦87°
    するか、または、断面が三角形状のプリズムが錐体状
    プリズムであり、その錐体状プリズムの側面に直交する
    面であって底面に直交する面上での当該側面と底面との
    なす角Ψの全てが65°≦Ψ≦87°とした請求項1記載の
    透過散乱型光学装置。
  3. 【請求項3】面が三角形状のプリズムが、その頂部近
    傍で切り欠かれた形状の多角形状のプリズムとされ、そ
    の頂部近傍の切り欠かれた形状の面が吸収面とされた
    求項1または2記載の透過散乱型光学装置。
  4. 【請求項4】面が三角形状のプリズムの底面から頂部
    までの高さをH0、底面から吸収面の下端までの高さを
    れぞれH1、H2としたときに、0.30≦H1/H0≦0.70かつ0.
    30≦H2/H0≦0.70とした請求項1、2または3記載の
    過散乱型光学装置。
  5. 【請求項5】外部入力に応答してその光散乱特性が変化
    する透過散乱型光学素子の透過散乱光学材料層の背後
    に、プリズムをその底面が透過散乱型光学素子の背面に
    密着す るように配置した透過散乱型光学装置において、
    そのプリズムをその断面が三角形状または三角形状の頂
    部近傍の一部が切り欠かれた形状のプリズムとし、その
    プリズムの2つの側面が底面に対してなす角Ψ 1 、Ψ 2
    が、65°≦Ψ 1 ≦90°かつ65°≦Ψ 2 ≦90°であり、少
    なくともΨ 1 、Ψ 2 のいずれかは90°でない角度であ
    り、そのプリズムの頂部近傍を吸収面とし、プリズムの
    側面に内向きの反射面を設けたことを特徴とする透過散
    乱型光学装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載の透過
    散乱型光学装置に、照明を配置して表示装置に用いた透
    過散乱型表示装置。
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