JP3205132B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3205132B2
JP3205132B2 JP18731393A JP18731393A JP3205132B2 JP 3205132 B2 JP3205132 B2 JP 3205132B2 JP 18731393 A JP18731393 A JP 18731393A JP 18731393 A JP18731393 A JP 18731393A JP 3205132 B2 JP3205132 B2 JP 3205132B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、光散乱型の液晶表示素子、特に
ポリマー等による3次元微細構造と液晶とから形成され
る液晶分散膜を有するいわゆる高分子分散型の液晶表示
素子を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子の表示方式には、ツイステッ
ドネマティックモードやスーパーツイステッドネマティ
ックモードに代表されるような偏光板を用いて液晶によ
る複屈折や旋光性を利用したものと、動的散乱モードや
相転移モードに代表されるような偏光板を用いずに液晶
による光散乱を利用した方式がある。このうち光散乱方
式は偏光板を必要としないため、偏光板による光の損失
(吸収)を伴わず、より明るい表示が可能となるという
特徴を有している。光散乱方式の一つに、近年盛んに開
発が進められている高分子分散型の液晶表示素子があ
る。これは、樹脂等の支持体により液晶を液滴状に分散
させたり、液晶中に樹脂の網目構造を形成した液晶分散
膜を電極付基板で挾持した構造を有している。この方式
では、一般に電圧を印加していない状態では、支持体に
よって液晶の配向が乱された状態にあり、微少な屈折率
のゆらぎのために光を散乱する。本素子に電圧を印加す
ると、液晶が正の誘電異方性を有する場合には液晶分子
は電界方向に配列し、屈折率のゆらぎが低減するために
透明状態となる。本方式は、表示の明るさに加えて、応
答速度が速いという利点を併せ持っている。このような
光散乱型液晶表示素子を反射型で直視型表示装置として
用いる場合、一般的には素子の背後を黒色背景とするこ
とにより、素子が透明状態の時に黒表示とし、素子が散
乱状態の時には素子による後方光散乱によって白を表示
する方式が簡便である。しかしながら、このような光散
乱型の液晶表示素子の後方散乱光強度は小さいため、十
分な白さを得ることができなかった。例えば、図1は従
来の高分子分散型の反射型液晶表示素子の一例を示した
ものである。液晶分散層からなる液晶層13が、内面に
透明電極12a、12bを有する透光性基板11a、1
1bに挾まれて液晶セル10が構成されている。液晶分
散層は液晶13aと、該液晶部を微細領域に分割するよ
うに形成され、高分子物質などからなる支持体13bと
から構成されている。液晶セルの下側には黒色のフィル
ムのような光吸収手段20が設けられている。液晶セル
に電圧を印加していない場合、液晶は支持体壁面によっ
て配向が乱された状態にあり、そのために液晶層中には
微少な屈折率のゆらぎを生ずる。このような状態におい
て、図4に示すように外部からの入射光50は液晶層1
3によって散乱される。後方散乱成分の一部501は視
認方向に進み、観察者の目40に入り白色表示となる。
液晶層に電圧を印加すると液晶は電界方向(液晶層の厚
み方向)に平行に配向し、屈折率のゆらぎが小さくなる
ため、図3に示すように入射光50はほとんど散乱され
ることなく進み、光吸収層20に到達して吸収され黒表
示となって観察される。しかしながら、本構成の場合、
図2に示すように液晶層が光散乱状態にあっても前方散
乱成分502の割合が大きく、半分以上の光が光吸収層
によって吸収されてしまう。その結果、十分な白さが得
られずにコントラストの低い表示となってしまう。その
ような問題点を解消するために液晶層の厚さを厚くする
等の対策が採用されている。しかるに、このような対策
は素子の駆動電圧を高くしてしまうという問題があっ
た。特に、高分子分散型の液晶表示素子は、他の散乱型
に較べて元々動作電圧が高いためこの問題は非常に重要
であった。また、別の方式として液晶セルの裏側に鏡面
を設け、さらに、外光の正反射光が直接視認されないよ
うに黒色面を設けた外光遮断手段を素子の上面に設けた
方式が知られている(特公昭45−21729)。この
場合、画素が散乱状態にある時には正反射方向以外の方
向からの入射角の光の散乱光を視認させることにより白
表示が得られ、画素が透明状態にある場合には観察者の
目には光が到達しないため黒表示が得られる。しかしな
がら、この方式では表示装置が平板形状とならなかった
り、白部の明るさが不足する等の問題があった。このよ
うな問題に鑑みて本発明者らは、光吸収層と特定範囲の
入射角に対してのみ反射特性を示し、それ以外の入射角
度範囲の光を透過する角度選択性光反射板と散乱型の液
晶表示素子を順次積層した構造により明るい白背景が得
られる反射型の液晶表示素子を発明した(特願平5−3
1267号)。しかし、本素子は明るい環境では優れた
表示品質が得られるものの、暗い環境では明るさが不足
する問題があった。
【0003】
【目的】本発明は以上の従来技術の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、散乱型の液晶表示モード
を用いた高コントラストで低電圧駆動が可能な平板形状
の液晶表示素子を提供することにある。
【0004】
【構成】本発明は、内面に透明な画素電極を有し、離間
対向配置された一対の透明基板と、該基板間に挾持さ
れ、電界印加により光散乱性が変化する液晶層を有する
液晶セルとを備えた液晶表示素子において、液晶層の裏
側に、視認方向を含む特定の範囲の入射角の光を透過
し、それ以外の入射角範囲の光を視認方向以外の方向へ
反射する光透過/反射の切り替り角度選択性を有する選
択的光反射手段と、該選択的光反射手段に、前記反射角
度範囲内で反射する光を少なくとも一部は有する照明光
を照射する光源装置と、該光源装置の裏側に光吸収手段
とを有することを特徴とする反射型液晶表示素子に関す
る。
【0005】本発明の液晶表示素子を高分子分散型の液
晶セルを用いた場合を例にして構成例により詳細に説明
する。図4は、本発明になる液晶表示素子の構成例を示
したものである。液晶セル10は従来例と同一である
が、液晶層の下側−本例では液晶セルの下側−であっ
て、光吸収手段20の間に特定の範囲の入射角の光を透
過し、他の方向の光を視認方向以外の方向に反射する角
度選択性を有する選択的光反射手段30と、選択的光反
射手段に光照射するための光源装置80が設けられてい
る。図5は、本発明に用いる選択的光反射手段の作用を
説明したものである。選択的光反射手段は本図に示すよ
うに入射角iがic1(またはic2)より小さい入射
光(例えば図中51)は透過し、それ以外の角度からの
入射光(例えば図中52)は反射する性質を有する。6
1と62は入射光が透過する場合と反射する場合の入射
角の境界である。光源装置80は、選択的光反射手段3
0の反射角度範囲(i>ic1、i>ic2)を含む角
度範囲で照明光が反射手段に入射するよう配置されてい
る。本例では光源装置80は冷陰極管、熱陰極管などの
ランプと反射板、遮光部83およびルーバー84によっ
て照射角度を調整している。
【0006】次に、本発明の作用について説明する。図
6は、素子に電圧を印加して液晶層を透明状態としたと
きの作用を説明した図である。選択的反射手段への入射
角がic1以上である照明光52は選択的光反射手段に
よって反射され、透明状態にある液晶層13を透過す
る。しかしながら本透過光は観察者40の目には到達し
ない。入射角がic1以下である照明光51は選択的反
射手段30を透過し、光吸収手段に到達して吸収され
る。このようにして液晶層が透明状態の場合には、選択
的光反射手段の反射光の角度範囲外にある観察者には照
明光は到達せず、黒表示が得られる。図7は、素子に電
圧を印加しないかまたはしきい値電圧以下の電圧を印加
して液晶層を散乱状態としたときの作用を説明した図で
ある。選択的反射手段への入射角がic1以上である照
明光52は選択的光反射手段によって反射され、散乱状
態にある液晶層13に入射し、散乱される。散乱光の一
部531は光路を曲げられて観察者40の目には到達す
る。入射角がic1以下である照明光51は選択的反射
手段30を透過し、光吸収手段に到達して吸収される。
このようにして液晶層が散乱状態の場合には、選択的光
反射手段からの反射光が観察者に到達するようになり、
白表示が得られる。なお、本説明で明らかなように、観
察者に到達する光は光強度の強い前方散乱光であるので
従来例の後方散乱を用いた場合に較べ、はるかに明るい
白背景が得られる。なお、照明光の選択的光反射手段へ
の入射角は、選択的反射手段が反射をおこす入射角の角
度範囲を含むことが必須であるが、この範囲の入射角成
分が多いほど明るい表示が得られるために好ましく、す
べての照明光が選択的反射手段が反射を起こす入射角の
角度範囲であることが最も好ましい。図8は、第二の光
源装置90を備えた構成例である。この場合には白背景
をより明るくすることができ、明るさの均一性も向上さ
せることができる。なお、光源装置近傍の画素と離れた
画素の明るさを均一にするために、光源装置に近づくほ
ど入射する光を減ずるような光量制御手段をランプと液
晶層の間の光路内に設けることが好ましい。以上の説明
は素子に設けた光源装置による照明光について記述した
が、実際には室内照明、太陽光などの外光も表示に寄与
し、明るい外光のもとではさらに明るい表示とすること
ができる上、光源装置を作動させずに反射型の表示素子
として用いることも可能である。
【0007】以上の説明のように、本発明に用いる選択
的光反射手段は、少なくとも観察者方向を含む角度範囲
からの入射光を透過し、それ以外の入射角範囲の光を反
射する特性を持つことが必要である。なお、仮に、観察
者の方向からの入射角を反射する特性を有する場合、光
の逆進性の性質から、反射方向からの外光などの入射光
の反射光が観察されてしまい、コントラストが低下して
しまう。このような選択的光反射手段としては、板状透
明基質に形成されたプリズム群を特に好ましく用いる。
図9は、選択的光反射手段30の好ましい具体例を示し
たものである。アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂な
どの透光性板状基質の表面に微少なプリズム群が形成さ
れている。本例の選択的反射手段の作用を図10の断面
図を用いて説明する。この例では頂角αが90゜のプリ
ズムが形成されている。本例での板状基質の屈折率は
1.41である。入射角iが45゜である入射光53は
底面に45゜の入射角で入射するが、全反射の臨界角δ
cと等しいため底面で全反射され、絶対値が入射角と等
しく、法線Nに対して対称な方向に出射する(光線53
1)。入射角がさらに大きい光54も底面で全反射され
る(光線541)。一方、入射角が45゜より小さい光
55、56は底面への入射角が全反射の臨界角δc以下
であるため反射手段30を透過する。図11は、本例の
反射率と入射角の関係を示したものである。正面方向か
らの入射光に対して透過し、斜め入射に対して反射する
特性が得られている。一般的に観察者の方向は素子の表
示面の法線方向または法線方向から30゜以内の角度で
傾いた方向で設計するのが好ましい。本例では入射角4
5゜が透過/反射の切り替り角となるため、観察者の方
向に反射光が到達することが無い。本例の構成におい
て、透過−反射の切り替わる入射角度ic1、ic2は
プリズムの構造を変えることにより調整可能である。具
体的には、図12に示したプリズムの頂角α、プリズム
底面の傾斜角β、プリズムの傾斜角γを変えることによ
りicを調整可能である。頂角を小さくすることにより
透過光の角度範囲(Δic=ic1−ic2)は小さく
なり、頂角を大きくすることによりΔicを大きくでき
る。icが小さい場合、入射角のマージンが広くなり、
素子の散乱部からの光強度が大きくなり、高いコントラ
ストが得られるが、視野角が狭くなるという問題があ
る。逆に、icを大きくすると視野角が広くなる代わり
に、入射角のマージンが狭くなる、反射モードでの使用
の際、明るさが低下するなどの問題がある。好ましいi
cの範囲は30゜から55゜の範囲であり、35゜から
50゜の範囲がより好ましい。このようなicを得るた
めには、プリズムとして用いることのできるガラスやプ
ラスチックの屈折率範囲(1.4〜1.65)を考慮し
てプリズムの頂角が30゜から150゜の範囲とするこ
とが好ましく、40゜から140゜の範囲がより好まし
い。底面の傾斜角とプリズムの傾斜角は共に選択透過角
度範囲を法線に対して非対称とすることができる。好ま
しい観察方向(法線から30゜以内)を考慮すると、底
面の傾斜角は20゜以内が好ましく、プリズムの傾斜角
は30゜以内であることが好ましい。また、明るさの均
一性や視野角を考慮してプリズム群を構成するプリズム
形状を異ならせしめ、該プリズム群が複数種の光透過/
反射の切り替り角度を有するプリズムで構成させること
もできる。
【0008】以上の説明では、一次元に配列したプリズ
ムにて記載したが、図13のように2次元配列したプリ
ズムを用いることも可能である。図14から図17は、
同様の効果(角度選択性のある反射特性)を有する選択
的反射手段の断面構造例を模式的に示したものである。
プリズム断面は先の例のように二等辺三角形の形状に限
られるものではなく、素子の表示面に対して傾斜した面
を有する構造体の集合物であれば効果が発現する。これ
らの場合、傾斜した二つの面の成す角αが先の好ましい
範囲にあることが望ましい。また、図18のように複数
種の構造が混在した構造であってもよい。ここに示した
5種の構造例はいずれも素子の表示面に平行であるか異
なる傾斜角の面を合わせ持つ。そのため上述のicが不
明瞭となるが、逆にこの効果のため、視感上違和感が少
なくなるという利点もある。図19と図20は、プリズ
ムが傾斜している場合と、プリズム底面が傾斜している
場合の構成例と全反射の臨界角itにある光線の光路6
1、62を示したものである。これらの例では透過光の
角度範囲を法線方向に対して非対称とすることができる
ため、素子を斜め方向から観察するような用途には特に
適している。図21は、本発明に関わる選択的光反射手
段の別の構成例を示したものである。この例で、選択的
光反射手段のプリズム構造31の上に他の層32が設け
られている。32、33はプリズム構造の保護や、屈折
角の制御などの目的で形成される。上述のような入射角
選択性を持たせるためには32はプリズム構造31より
小さい屈折率の材料で形成する必要がある。以上の説明
のように本発明に関わる選択的光反射手段は板状透明基
質のいずれの場所に形成されていてもよい。
【0009】選択的光反射手段を形成する材料として
は、ガラス等の無機物、ポリスチレン、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリオレフィン類、ポリアリレー
ト、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリアク
リレート、エポキシ樹脂、ポリシリコーン、ポリビニル
アルコール、アセチルセルロースなどの樹脂類など透明
な素材であればほとんどのものを使用することができ
る。用いる材料の屈折率は1.4から1.6の範囲が一
般的である。プリズム構造のピッチ(図8参照)は、
0.05mm〜1mmの範囲が好ましく、0.1mmか
ら0.5mmの範囲がより好ましい。ピッチが短すぎる
場合には、プリズム構造の形成自体が困難となり、コス
トが高くなる。また、大きすぎる場合にはプリズム構造
が観察者に視認されるため表示品質上好ましくない。選
択的反射手段の裏側に配置される光吸収手段としては、
着色されたガラス、金属、プラスチックなど光を吸収す
るものであれば使用可能である。一般的には黒色に着色
したものを好ましく用い、この場合には素子は白黒の表
示となる。また、色を有する場合には着色/白色の表示
となる。光吸収手段は選択反射手段と離して設けること
が好ましい。光吸収手段を塗布などの方法でプリズム下
面に形成することも可能であるが、この場合には、プリ
ズム底面での全反射が起こるようにプリズムの屈折率よ
りも十分小さい屈折率の材料で光吸収層を構成する必要
がある。
【0010】本発明に用いることのできる液晶の表示方
式は、電圧印加などによって光散乱性が変化するもので
あればすべて用いることができ、従来公知の動的散乱方
式、相転移方式、高分子分散方式などのネマティック液
晶を利用した方式、スメクティック液晶の熱電気光学効
果を利用した方式、強誘電性液晶の光散乱を利用した方
式などを用いることができる。これらの表示方式は、一
般に光散乱性を上げて高コントラストを得ようとする
と、動作電圧が上昇してしまうという問題がある。例え
ば、液晶層厚の増加、相転移方式におけるコレステリッ
クピッチの減少、高分子分散方式における液晶ドロップ
レットの微小化などはいずれも散乱性を上げる効果があ
るが、いずれも駆動電圧を高くしてしまう悪影響があ
る。本発明をこれらの方式に適用した場合、従来と同じ
液晶セルを用いた場合には散乱性の向上による高コント
ラスト化が、コントラストを従来と同じにした場合に
は、駆動電圧の低下を図ることができる。これらの方式
の中でも、液晶層が液晶領域と該液晶領域を微細に分割
するよう構成された支持体とから構成されるいわゆる高
分子分散型の液晶表示素子では、低電圧駆動と光散乱性
の両立が特に困難であるため本発明を適用した場合には
上記の利点は特に顕著となる。本発明で使用することの
できる高分子分散層の内部構造は特に限定されず、エマ
ルジョン法等で作製された分散膜に代表される液晶がほ
ぼ球形の液滴として支持体中に分散されたドロップレッ
ト構造や、光重合法において形成されやすく、支持体が
網目状構造を形成し、網目中の液晶が互いに連通したネ
ットワーク構造など、ポリマーなどの支持体がなんらか
の形で液晶部を微細領域に分割した構造であれば用いる
ことができる。ここでいう微細とは、概ね、0.2μm
から10μmの範囲の大きさをいう。液晶分散層の厚さ
は、従来公知の高分子分散型の液晶表示素子と同様でよ
く、3μmから30μmの範囲が一般的である。また、
液晶と支持体の割合も従来公知の高分子分散型の表示素
子と同様でよく、膜全体に対して液晶が40%から90
%の範囲が一般的である。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 日本化薬社製のプレポリマーKAYARAD HX62
0にメルク社製の光重合開始剤Darocur1173
を3重量%添加して、光硬化性樹脂組成物を調製した。
透明導電膜を有するガラス基板を7μmのスペーサーを
介して重ね合わせ、セルギャップが6μmの液晶セルを
作製した。メルク社製の液晶組成物BL036と光硬化
性樹脂組成物を液晶組成物の割合が70重量%となるよ
うに混合し、液が均一となる温度まで加熱して液晶セル
中に注入した。これに、高圧水銀灯によって光照射して
プレポリマーを重合させることにより液晶とポリマーを
相分離させて高分子分散型の液晶層を有する液晶セル1
を作製した。液晶セル1の直下に、頂角が90゜でピッ
チが0.3mmのプリズムを図8のような構造で有する
ポリカーボネート製品(屈折率1.58)の選択的反射
板を平行に配置した。本反射板の選択透過光範囲は、表
示面法線に対して対称で±36゜の範囲であり、それ以
上入射角の大きな入射光に対しては反射板として機能し
た。さらに選択的反射板の直下に表面が粗面化された黒
色のフィルムからなる光吸収手段を設けた。選択的反射
板の端部であってその上部には4Wの熱陰極管と反射
板、遮光板、着色ルーバーからなる光源装置を配置し、
反射板への照明光の入射角を45゜以下となるようにし
て液晶表示素子Aを作製した。参照試料として選択的反
射手段を設けずに図1の構成の反射型液晶表示素子R1
を作製した。これらの液晶表示素子を室内の蛍光灯下で
正面から観察したところ、20Vの電圧印加によってい
ずれの素子も良好な黒表示となったが、電圧無印加時の
散乱光強度は明らかに本発明になるAが優れていた。ま
た、Aは照明光を切った状態においてもR1より明るい
白背景が得られた。
【0012】実施例2〜9 実施例1において、表1のようにプリズム構造の異なる
選択的反射板を用いて同様にして液晶表示素子を作製し
た。用いる材質により好ましい頂角範囲は異なるが、頂
角を30゜〜150゜の範囲内で選択することにより高
コントラストの表示を行うことが可能であった。
【表1】
【0013】
【効果】本発明になる反射型液晶表示素子は、散乱型の
液晶層と角度選択性を有する光反射手段と該選択的光反
射手段の反射角度範囲内で、照明光の少なくとも一部が
反射する光源装置とを有するため、散乱光強度の大きい
前方散乱を用いることができ、きわめて明るい白表示が
行える。また、選択的光反射手段の角度選択性を利用す
ることにより、非散乱画素は黒表示となり、印刷物のよ
うな明瞭で高コントラストの白黒表示が可能である。ま
た、液晶層の光散乱性を大きくしなくとも強い光散乱が
得られるため、同じコントラストを得るための駆動電圧
は低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高分子分散型の液晶表示素子の一例の断
面構造を模式的に示す図である。
【図2】図1の液晶セルの電圧非印加状態の光の径路を
示す図である。
【図3】図1の液晶セルの電圧印加状態の光の径路を示
す図である。
【図4】本発明の液晶表示素子の一例の断面構造を模式
的に示す図である。
【図5】本発明の選択的光反射手段の作用を模式的に説
明した図である。
【図6】本発明の液晶表示素子の電圧印加状態の光の径
路を示す図である。
【図7】本発明の液晶表示素子の電圧非印加またはしき
い値電圧以下の電圧印加時の液晶層の光散乱状態を示す
図である。
【図8】2個の光源装置を備えた本発明の液晶表示素子
の1例の断面構造を模式的に示す図である。
【図9】本発明の選択的光反射手段の好ましい1具体例
を示す図である。
【図10】図9の選択的光反射手段の作用を示す該手段
の断面図である。
【図11】図9の選択的光反射手段の反射角と入射角の
関係を示す図である。
【図12】本発明の光反射手段を構成するプリズム群の
プリズムの頂角α、底面の傾斜角βおよびプリズムの傾
斜角γの関係を示す図である。
【図13】本発明の選択的光反射手段が、二次元配列し
たプリズムで構成された1例の斜視図である。
【図14】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ムの断面構造の1例を示す図である。
【図15】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ムの断面構造の他の例を示す図である。
【図16】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ムの断面構造の他の例を示す図である。
【図17】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ムの断面構造の他の例を示す図である。
【図18】本発明の選択的光反射手段が、複数種の異な
る形状のプリズムで構成されるものの1例の断面図であ
る。
【図19】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ム群のプリズムが傾斜しているもの1例の断面図であ
る。
【図20】本発明の選択的光反射手段を構成するプリズ
ム群のプリズムの底面が傾斜しているものの1例の断面
図である。
【図21】プリズム構造の上に他の層が設けられている
本発明の光反射手段の1例の断面図である。
【符号の説明】
10 液晶セル 11a 透光性基板 11b 透光性基板 12a 透明電極 12b 透明電極 13 液晶層 13a 液晶 13b 支持体 20 光吸収層 30 選択的光反射手段 40 観察者の目 50 入射光 51 入射光 52 入射光 53 入射光 54 入射光 55 入射光 56 入射光 61 光透過/反射の切り替り角度 62 光透過/反射の切り替り角度 80 光源装置 83 遮光部 84 ルーバー 501 後方散乱成分の一部 502 前方散乱成分の一部 531 反射光 541 反射光 ic1 光透過/反射の切り替り角度 ic2 光透過/反射の切り替り角度 p ピッチ α プリズムの頂角 β プリズム底面の傾斜角 γ プリズムの傾斜角 α1 プリズムの頂角 α2 プリズムの頂角 α3 プリズムの頂角 δ 全反射の臨界角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 530 G02F 1/1334

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に透明な画素電極を有し、離間対向
    配置された一対の透明基板と、該基板間に挾持され、電
    界印加により光散乱性が変化する液晶層を有する液晶セ
    ルとを備えた液晶表示素子において、液晶層の裏側に、
    視認方向を含む特定の範囲の入射角の光を透過し、それ
    以外の入射角範囲の光を視認方向以外の方向へ反射する
    光透過/反射の切り替り角度選択性を有する選択的光反
    射手段と、該選択的光反射手段に、前記反射角度範囲内
    で反射する光を少なくとも一部は有する照明光を照射す
    る光源装置と、該光源装置の裏側に光吸収手段とを有す
    ることを特徴とする反射型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 選択的光反射手段が、板状透明基質に形
    成されたプリズム群である請求項1記載の液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】 前記プリズム群を構成するプリズムの光
    透過/反射の切り替り角度が、複数種のもので構成され
    ている請求項2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 選択的光反射手段の光透過/反射の切り
    替り角度が30゜〜55゜の範囲内である請求項1、2
    または3記載の液晶表示素子。
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