JP4129275B2 - 透視可能な透過型スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクターから投影された映像をスクリーンを挟んでプロジェクターの反対側から視認することができる背面投射の透過型スクリーンに関し、特に、特殊な散乱特性を有する光散乱層を用いることにより、極めて透明性に優れ、背景を視認可能な透過型スクリーンに関する。
従来、透過型スクリーンで実用化されているものといえば、高輝度で高コントラスト化するために偏光フィルム、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等を使ったものが殆どであった(特許文献1)。しかし、このような従来の透過型スクリーンは、偏光フィルムやレンズシートを使用している為に高価であると共に、スクリーンの向う側を見ることは殆ど不可能であった。
ところで店舗のショーウィンドウ等には、ポスターを貼ったりスプレーペイントを施す等をすることで購買意欲を喚起させるような広告表現が採られている。しかし、このような広告表現は静的なものであり、貼り直したり塗り直したりしない限り、その広告の内容は変わるものではない。そこで、動的な広告をショーウィンドウ等にプロジェクター等を用いて投影することが考えられるが、ショーウィンドウ等では透明性が高いために投影した映像が結像することなく素通りしてしまう。
これに対し、従来の透過型スクリーンをショーウィンドウに貼れば、背面から投影された映像を見ることができるようにはなるが、透過型スクリーンには透視性が無いため、商品を外から見ることが出来なくなってしまい、ショーウィンドウの意味をなさなくなってしまう。
特開平6−165095号公報
そこで、本発明の目的は、ショーウィンドウや透明な窓ガラス等の透明体に貼りつけたり、そのような透明体と兼用したりすることで、視認者とは反対のスクリーンの向う側が透視可能であり、且つプロジェクターからの映像を鮮明に映し出すことが可能な透過型スクリーンを提供することである。
本発明者らは、透視可能な材料において映像を映し出すことが可能な条件について鋭意研究した結果、前方散乱性を有する材料をスクリーンに応用することにより、スクリーンの向う側が透視可能なのにも拘らず映像を鮮明に映し出すことが出来ることを見出し、本課題を解決するに至った。前方散乱性とは、入射した光が進行方向に対して殆ど全て前方に散乱して後方に散乱されることのない性質を意味し、このような前方散乱は、Mie散乱、すなわち光の波長よりも十分に粒子径の大きい球状誘電体粒子による散乱によって生じる。
即ち、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、前方散乱性の光散乱層を有し、前記光散乱層の少なくとも一方の面に透明体を有することを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、光散乱層が球状微粒子を含有する透明バインダーからなることを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透視可能な透過型スクリーンの少なくとも一方の表面に反射防止層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、球状微粒子の平均粒径が1.0μm〜10.0μmであり、前記透明バインダーの屈折率に対する前記球状微粒子の相対屈折率nが0.91<n<1.09(但し、n≠1)であることを特徴とするものである。
さらに本発明の透視可能な透過型スクリーンは、ヘーズが3.0%以上で、像鮮明度が60.0%以上であることを特徴とするものである。
尚、本発明においてへーズとは、JIS−K7105におけるヘーズの値のことであり、H=[Td/Tt]×lOO(%)〔H:ヘーズ、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率〕の式から求められる値である。
また、本発明における像鮮明度とは、JIS−K7105における像鮮明度の値のことであり、透過法を用いて光学くし0.125mmの時の最高波高〔M〕及び最低波高〔m〕を読み取って次式によって求めた値である。
像鮮明度〔C(0.125)〕={M−m}/{M+m}×lOO(%)
本発明での像鮮明度の値は、試験片の縦方向と横方向の測定結果の平均値として表している。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透明バインダーがガラス若しくは高分子樹脂であることを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透明体がガラス若しくは高分子樹脂であることを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透明体が光散乱層よりもプロジェクター側に配置されてなることを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透明体が光散乱層よりもプロジェクター側に配置されているものであって、透明体の屈折率が光散乱層の透明バインダーの屈折率よりも低いことを特徴とするものである。
また、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、透明体が光散乱層よりも視認者側に配置されてなることを特徴とするものである。
また、本究明の透視可能な透過型スクリーンは、透明体が光散乱層よりも視認者側に配置されているものであって、透明体の屈折率が光散乱層の透明バインダーの屈折率よりも高いことを特徴とするものである。
本発明の透視可能な透過型スクリーンによれば、前方散乱性を有する光散乱層と透明体とを組み合わせてスクリーンを構成することにより、スクリーンの透視性を維持しつつ、且つプロジエクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができる透過型スクリーンを提供することができる。
光散乱層および透明体の、プロジエクターに対する配置は任意であり、その配置に応じて、透明体の屈折率と光散乱層を構成する透明バインダーの屈折率を調整することにより、スクリーンに対し、ななめから投影した映像光を垂線方向に向かわせることができる。これにより視野角の広いスクリーンを得ることができる。
本発明の透視可能な透過型スクリーンについて、さらに詳細に説明する。
図1〜図4に、本発明の透過型スクリーンの実施形態を示す。
図示するように、本発明の透過型スクリーン1(以下、適宜「スクリーン」と省略する。)は、前方散乱性の光散乱層2と、透明体3を有するものであり、光散乱層2と他の層とを積層或いは重ねたものを含む。以下、光散乱層2および他の構成要素について詳述する。
前方散乱性の光散乱層2は、具体的には透明バインダー内部にMie散乱条件を満たす球状微粒子を分散したものである。
ここで球状微粒子を含有する透明バインダーとしては、透明であると共に球状微粒子を均一に分散保持できるものであればよく、固体に限定されず液体や液晶などの流動体であってもよい。但し、光散乱層単体でスクリーンの形状を維持する等の為には、ガラスや高分子樹脂であることが好ましい。
ガラスとしては、光散乱層の透視性が失われるものでなければ特に限定されるものではないが、一般にはケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラスが実用的であり、特にケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラスが好ましい。
透明バインダーとしてガラスを用いる場合、例えば石灰とケイ酸を主成分とする原料中に球状微粒子を含有させて板ガラスを形成し、その表面を研磨することで平面化してミガキ板ガラス化することが好ましい。これにより、透視性を高くすることができて、本発明のスクリーンには好適なものとなる。
高分子樹脂としては、光散乱層の透視性が失われるものでなければ特に限定されず、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。これら高分子樹脂は、溶融して球状微粒子を含有させてシート化することにより光散乱層を形成して、単層構造の光散乱層が得られ、これを透明体と組み合わせてスクリーンとすることができる。或いは、球状微粒子と共に塗料化したものを他の透明体などに製膜することにより、例えば図4に示す構造のスクリーンとすることができる。
透明バインダー中に含有させる球状微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、二酸化チタン等の無機系の微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、シリコーン樹脂等の有機系の微粒子を使用することができる。特に球形の形状を得易い点で有機系の微粒子が好適である。
光散乱層に良好な前方散乱性を付与するために、球状微粒子の粒子径は、平均粒径で1.0μm〜10.0μmであることが好ましく、2.0μm〜6.0μmであることがより好ましい。平均粒径を1.0μm以上、10.0μm以下とすることにより散乱光線中の後方散乱光の占める割合を十分少なくさせることができる。これにより、スクリーンの透視性を維持しつつ、且つプロジェクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができるようになる。
また光散乱層に良好な前方散乱性を付与するために、透明バインダーの屈折率に対する球状微粒子の相対屈折率(球状微粒子の屈折率を透明バインダーの屈折率で割った値で、以下単に「相対屈折率」という。)nは、0.91<n<1.09(但しn≠1)であることが好ましい。相対屈折率nを0.91よりも大きい値若しくは1.09よりも小さい値とすることにより散乱光線中の後方散乱光の占める割合を十分少なくさせることができ、スクリーンの透視性を維持しつつ、且つプロジェクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができるようになる。
以上のような条件を満たす球状微粒子であれば、単独でも2種以上の混合でも使用できる。2種以上の混合の場合には、屈折率の異なる2種以上の球状微粒子であってもよく、単に粒子径の異なる2種以上の球状微粒子であってもよい。
以上のように、ある範囲の平均粒径の球状微粒子をある範囲の屈折率比を持つバインダーに分散させた前方散乱性を有する光散乱層を用いることにより、従来のスクリーンで用いられていた表面凹凸等によって映像光を散乱させる光散乱層では得られない透視性を維持しつつ、プロジェクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができるようになる。
本発明の透過型スクリーンは、光散乱層の少なくとも一方の面に、平坦な面を有する他の透明体を積層した構造とする。
光散乱層単層で構成した場合には、粒子がスクリーン表面に突出して表面凹凸を形成し、表面散乱により透視性を低下させる可能性があるが、光散乱層の少なくとも一方の面に他の透明体を有する構造とすることにより、このような表面凹凸の形成を抑制し、透視性の低下を防止することができる。
透明体としては、光散乱層の透明バインダーと同様のガラスを板ガラス化したものや、高分子樹脂をシート化したものを用いることができる。
このような透明体は、高分子樹脂を球状微粒子と共に塗料化して光散乱層を製膜する際の基材となる。または透明体上に形成された光散乱層に、直接或いは透明な接着層や粘着層を介して別の透明体を積層することも可能である。図1〜3は、光散乱層の両側に透明体を有する積層体を例示したものである。
例えば、光散乱層2を透明中間膜(接着層)4等を用いて板ガラスに挟み込んで合わせガラス化し、図2に示すような構造としたり、高分子樹脂シートとショーウィンドウガラス等の間に粘着層5等を用いて挟み込んで、図1に示す構造の積層体として、スクリーン1を構成することができる。なお、図1に示すスクリーン1は、高分子樹脂からなる透明体3にハードコート層6を設けている。
接着層や粘着層としては、透明性を阻害しない材料であれば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等の合成樹脂、天然ゴム系、再生ゴム系、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系等のゴム系樹脂など公知の接着剤や粘着剤を用いることができる。
本発明のスクリーンをこのような積層体で構成する場合には、光散乱層2よりもプロジェクター側に配置される透明体3は、その屈折率が光散乱層2の透明バインダーの屈折率よりも低いことが好適である。一方、光散乱層2よりも視認者側に配置される透明体3は、その屈折率が光散乱層2の透明バインダーの屈折率よりも高いことが好適である。
このように積層体を構成する光散乱層2や透明体3の屈折率をプロジェクター側から視認者側に向かって高くすることにより、スクリーンに対し、ななめから投影した映像光を垂線方向に向かわせることができる。この様子を図5に示す。
一般に、透過型スクリーンの場合、スクリーンの垂線と平行して光を投影した場合、ホットスポットという現象(プロジェクターからの直接光がそのまま視認者に見えてしまう現象)が避けられない。これを回避するために、スクリーン1(太枠実線)の垂線7(2点鎖線)に対してある程度の角度を持たせて投影する。この場合、積層体を構成する材料の屈折率に上述したような傾斜を持たせることにより、光の屈折作用により映像光8(実線矢印)をスクリーン1の垂線方向に向かわせことができる。ここで、特に光散乱層2の透明バインダーの屈折率を高くすることが重要である。
また、このような構成において、光散乱層2で散乱された散乱映像光9(破線矢印)は、やはり光の屈折作用によって、スクリーン1の垂線方向から広がった角度でスクリーン1を透過するようになり、視野角を広げることになる。
さらに本発明のスクリーンは、少なくとも一方の表面に反射防止層(図示せず)を有していてもよい。これにより、プロジェクターから投射された映像の光量低下を防止して、視認者により鮮明な画像として視認させることができるようになる。
反射防止層は、層界面による光の干渉作用を利用して反射光を打ち消しあう性能を有する層であり、公知の反射防止層を用いることができる。具体的には、酸化ケイ素やフッ化リチウムなどの透明性の高い低屈折率層を、反射防止を目的とする主波長の1/4となる光学膜厚となるように設けた単層のものや、このような低屈折率層に酸化チタンや酸化亜鉛などの高屈折率層や、中屈折率層などを適宜積層したものなどを用いることができる。
以上のように本発明のスクリーンは、前方散乱性を有する光散乱層を備え、適宜他の透明体を組み合わせたものであり、スクリーン全体の光学特性として、ヘーズが3.0%以上、好ましくは7.0%以上、より好ましくは15.0%以上である。また像鮮明度は60.0%以上、好ましくは65.0%以上、より好ましくは70.0%以上であることが望ましい。
なお、ヘーズおよび像鮮明度は、光散乱層の前方散乱性が得られる範囲において、光散乱層に含まれる球状微粒子の含有量や光散乱層の厚さを適宜調整することにより、上述した範囲に調整することが可能である。
このようにヘーズを3.0%以上とし、且つ像鮮明度を60.0%以上とすることにより、スクリーン1に十分な透視性を付与しつつ、且つプロジェクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができるようになる。
以下、本発明の実施例について説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り、重量基準である。
[実施例1]
ポリビニルブチラール樹脂(重合度1700、ブチラール化度66モル%)100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコール−2−エチルブチレート40重量部とを混合し、110℃のロールで混練して厚み0.5mmの透明中間膜4を作製した。
一方、厚み3mmのフロートガラス板3(屈折率1.51)の片面に、下記の組成の光散乱層塗布液aを塗布し、乾燥することにより乾燥塗膜厚35μmの光散乱層2を形成したガラス板3を作製した。
<光散乱層塗布液a:相対屈折率n=0.92>
・ポリスチレン系樹脂(スタイロン666:屈折率1.59:旭化成工業社)
100部
・アクリル樹脂粒子
(テクポリマーMBX−5:屈折率1.47:平均粒径5.0μm:積水化成品工業社)
2部
・メチルエチルケトン 75部
・トルエン 75部
つづいて上記光散乱層2を形成したガラス板3の光散乱層2の側に、前記透明中間膜4と、厚み3mmのフロートガラス板3(屈折率1.51)とをこの順で重ね合わせ、これをゴム製バッグに入れ、真空度1.3kPaに減圧した後、120℃で加熱しながら30分間保持した。その後、冷却して減圧を解き、これをゴム製バッグから取り出し、これをオートクレーブ容器に入れて140℃、1.3MPaに加熱加圧しながら20分間保持し、冷却して、図2の構造の透視可能な透過型スクリーン1を作製した。
このようにして得られたスクリーン1に、液晶プロジェクター(XV−P3:シャープ社)を用いてスクリーン1の垂線から約30°の下方向から映像を投影したところ、投影面とは反対の面から鮮明な画像を視認することができた。また、本実施例1で得られたスクリーン1は透視性を有しているため、スクリーン1越しにその向う側を十分視認することが可能であった。
尚、本実施例1で得られたスクリーン1のヘーズは30.4%で、像鮮明度は90.3%であった。
[実施例2]
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム3(ルミラーT−60:屈折率1.64:東レ社)の一方の面に下記組成のハードコート層塗布液を塗布、乾燥することにより乾燥塗膜厚5μmのハードコート層6を形成した後、高圧水銀灯により紫外線を1〜2秒照射した。もう一方の面には、下記の組成の光散乱層塗布液b及び粘着層塗布液を順次塗布し、乾燥することにより乾燥塗膜厚35μmの光散乱層2と乾燥塗膜厚10μmの粘着層5を積層形成した。ついでこの粘着層5の面を厚み5mmのフロートガラス板3(屈折率1.51)と貼り合わせて、図1の構造の透過型スクリーン1を作製した。
<ハードコート層塗布液>
・紫外線硬化型アクリレート系樹脂
(ユニディック17−806:固形分80%:大日本インキ化学工業社)
30部
・光重合開始剤(イルガキュア651:チバガイギー社)
1部
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
<光散乱層塗布液b:相対屈折率n=0.92>
・ポリエステル系樹脂(ケミット1249:屈折率1.56:東レ社)
100部
・シリコーン樹脂粒子
(トスパール120:屈折率1.44:平均粒径2.0μm:ジーイー東芝シリコーン社)
1.5部
・メチルエチルケトン 75部
・トルエン 75部
<粘着層塗布液>
・アクリル系粘着剤
(オリバインBPSllO9:屈折率1.47:固形分40%:東洋インキ製造社)
100部
・イソシアネート硬化剤(オリバインBHS8515:固形分38%:東洋インキ製造社)
2.4部
・酢酸エチル 100部
このようにして得られたスクリーン1に、液晶プロジェクター(XV-P3:シヤープ社)を用いて、スクリーン1の構成中で屈折率の低いガラス3面側に、その垂線から約30°の下方向から映像を投影した。投影面とは反対の屈折率の高いフィルム3面側からそのスクリーン1を視認したところ、鮮明な画像を視認することができた。また、本実施例2で得られたスクリーン1は透視性を有しているため、スクリーン1越しにその向う側を十分視認することが可能であった。
尚、本実施例2で得られたスクリーン1のヘーズは22.7%で、像鮮明度は91.6%であった。
[実施例3]
厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム3(ルミラーT−60:屈折率1.64:東レ社)の片面に下記組成の光散乱層塗布液cを塗布し、乾燥することにより乾燥塗膜厚35μmの粘着性光散乱層2を形成して、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム3(フジタックFT80:屈折率1.49:富士写真フィルム社)と貼り合わせて、図3の構造の透視可能な透過型スクリーン1を作製した。
<光散乱層塗布液c:相対屈折率n=1.06>
・ウレタン系接着剤
(タケラックA−971:屈折率1.50:固形分50%:武田薬品工業社)
100部
・イソシアネート硬化剤(タケネートA−3:固形分75%:武田薬品工業社)
7.6部
・ポリスチレン樹脂粒子
(テクポリマーSBX−6:屈折率1.59:平均粒径6.0μm:積水化成品工業社)
0.7部
このようにして得られたスクリーン1に、液晶プロジェクター(XV−P3:シャープ社)を用いて、スクリーン1の構成中で屈折率の低いトリアセチルセルロースフィルム3面側に、その垂線から約30°の下方向から映像を投影した。投影面とは反対の屈折率の高いポリエチレンテレフタレートフィルム3面側からそのスクリーン1を視認したところ、鮮明な画像を視認することができた。
また、本実施例3で得られたスクリーン1は透視性を有しているため、スクリーン1越しにその向う側を十分視認することが可能であった。
尚、本実施例3で得られたスクリーン1のヘーズは9.8%で、像鮮明度は92.1%であった。
[実施例4]
実施例3で得たスクリーン1の両面に反射防止コーティング剤(OA−201F:日産化学工業社)を厚み約100nmになるように塗布、乾燥して、反射防止処理を施した透視可能な透過型スクリーン1を作製した。
このようにして得られたスクリーン1に、液晶プロジェクター(XV−P3:シャープ社)を用いて、スクリーン1の屈折率の低いトリアセチルセルロースフィルム3面側に、その垂線から約30°の下方向から映像を投影した。投影面とは反対の屈折率の高いポリエチレンテレフタレートフィルム3面側からそのスクリーン1を視認したところ、より鮮明な画像を視認することができた。また、本実施例4で得られたスクリーン1は透視性を有しているため、スクリーン1越しにその向う側を十分視認することが可能であった。
尚、本実施例4で得られたスクリーン1のへーズは9.7%で、像鮮明度は92.2%であった。
[比較例]
厚み5mmのフロートガラス板に、液晶プロジェクター(XV−P3:シャープ社)を用いてその垂線から約30°の下方向から映像を投影し、投影面とは反対の面からそのフロートガラス板を視認した。その結果、フロートガラス板越しにその向う側を視認することはできたが、映像は視認することはできなかった。
尚、本比較例のフロートガラス板のヘーズは0.8%で、像鮮明度は98.2%であった。
本発明の透視可能な透過型スクリーンによれば、光散乱層として前方散乱性の光散乱層を採用することにより、スクリーンの透視性を維持しつつ、且つプロジエクターから投射された映像を鮮明な画像として投影することができる透過型スクリーンを提供することができる。
従って、本発明のスクリーンは、フレネルレンズやレンチキュラーレンズなどの高価なレンズシートを使わなくとも透過型スクリーンとすることができる共に、このようなレンズシートを使った際には得られない透視性を得ることができるようになる。また、前方散乱性の光散乱層を有するスクリーンは、このようなレンズシートの形状によって生じるプロジェクターからスクリーンヘの投影角度の制限も受けなくすることができるようにもなる。
また、本発明のスクリーンによれば、光散乱層の透明バインダーの絶対的な屈折率を高くしつつ、スクリーンを構成する積層体の光散乱層や透明体の屈折率をプロジェクター側から視認者側に向かって相対的に高くすることにより、スクリーンの垂線方向に対して角度を持たせて投影した映像を、スクリーンの垂線方向に向かわせることができるようになり、スクリーンの垂線方向への輝度を高めることができるようになると共に、視野角をも広げることができるようになる。
また、本発明のスクリーンによれば、プロジェクターから投射する映像の発光強度を調節することにより、例えば、発光強度を十分高くすることによって、スクリーン上に投影された画像を極めて鮮明なものとでき、発光強度を適度に抑えることによって、スクリーン越しの背景と投影された映像を同時に視認可能にすることもできる。
本発明の透視可能な透過型スクリーンの一実施例を示す断面図 本発明の透視可能な透過型スクリーンの他の実施例を示す断面図 本発明の透視可能な透過型スクリーンの他の実施例を示す断面図 本発明の透視可能な透過型スクリーンの他の実施例を示す断面図 本発明の透視可能な透過型スクリーンにプロジェクターから映像を投影した場合の光路を示す概念図。
符号の説明
1・・・透視可能な透過型スクリーン
2・・・光散乱層
3・・・透明体
4・・・透明中間膜
5・・・粘着層
6・・・ハードコート層
7・・・スクリーン1の垂線
8・・・直接映像の光路
9・・・散乱映像の光路
10・・・視認者

Claims (8)

  1. 光散乱層の両面に、平坦な面を有する透明体の平坦な面を積層した構造を有し、
    前記透明体は板ガラスまたは高分子樹脂シートであり、
    前記光散乱層は、透明バインダーと、平均粒径が1.0μm〜10.0μmであって前記透明バインダーの屈折率に対する相対屈折率nが0.91<n<1.09(但し、n≠1)である球状微粒子を含有する前方散乱性の光散乱層であることを特徴とする透視可能な透過型スクリーン。
  2. 前記透視可能な透過型スクリーンの少なくとも一方の表面に反射防止層を有することを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3. 請求項1記載の透視可能な透過型スクリーンであって、へーズが3.0%以上で、像鮮明度が60.0%以上であることを特徴とする透過型スクリーン。
  4. 前記透明バインダーがガラス若しくは高分子樹脂であることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  5. 前記透明体が前記光散乱層よりもプロジェクター側に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  6. 前記透明体の屈折率が前記光散乱層の前記透明バインダーの屈折率よりも低いことを特徴とする請求項5記載の透過型スクリーン。
  7. 前記透明体が前記光散乱層よりも視認者側に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  8. 前記透明体の屈折率が前記光散乱層の前記透明バインダーの屈折率よりも高いことを特徴とする請求項7記載の透過型スクリーン。
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