JP2019200392A - 透過型スクリーン - Google Patents

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Yoshinori Iguchi
義規 井口
幸宏 垰
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幸宏 垰
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Abstract

【課題】映像の視認性に優れた透過型スクリーンの提供。【解決手段】映像光が投射される第1の面A及びこれとは反対側の第2の面Bを有し、第1の透明樹脂及び高屈折率材料を含む第1の光散乱層26と、第1の光散乱層26よりも第1の面A側に配置された、第2の透明樹脂及び低屈折率部を含む第2の接合層兼第2の光散乱層18と、を含み、前記第1の透明樹脂の屈折率n1と前記高屈折率材料の屈折率n2との差の絶対値が0.2以上、前記n2が1.5〜3.5、前記第2の透明樹脂の屈折率n3と前記低屈折率部の屈折率n4との差の絶対値が0.05〜0.5、前記n4が1.0〜2.15、前記n2−前記n4で表される差が0.5以上である、透過型スクリーン1。【選択図】図1

Description

本発明は、投影機から投射された映像光を投影機と反対側にいる観察者に映像として視認可能に表示する透過型スクリーンに関する。
スクリーンには、投影機から投射された映像光を投影機と反対側にいる観察者に映像として視認可能に表示する透過型スクリーンと、投影機から投射された映像光を投影機と同じ側にいる観察者に映像として視認可能に表示する反射型スクリーンとがある。
透過型スクリーンとしては、第1の透明基材と第2の透明基材との間に、透明樹脂及び光散乱材料を含む光散乱層を有する透過型透明スクリーンが提案されている。
前記透過型透明スクリーンにおいては、投影機から投射され、第1の透明基材側の表面から入射した映像光が、光散乱層において散乱することによって結像し、投影機と反対側にいる観察者に映像として視認可能に表示される。また、前記透過型透明スクリーンにおいては、投影機から映像光を透過型透明スクリーンに投射しない場合、観察者が透過型透明スクリーンの向こう側の光景を透視できる。
しかし、前記透過型透明スクリーンにおいては、外光(投影機側の光景の光、観察者側の照明又は太陽から照射された光等)が光散乱層において散乱するため、透過型透明スクリーン全体が白濁して見える。そのため、投影機から映像光を透過型透明スクリーンに投射しない状態であっても、観察者が透過型透明スクリーンの向こう側の光景を透視しにくい問題がある。また、投影機から映像光を透過型透明スクリーンに投射している状態であっても、光散乱層において不要な光の散乱が生じるため、映像のコントラストが低下し、観察者が映像を視認しにくい問題がある。
そこで、不要な散乱光を吸収させるため、光散乱層に光吸収材料を含有させた、又は光散乱層よりも観察者側に、透明材料及び光吸収材料を含む光吸収層を設けた透過型透明スクリーンが提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1の透過型透明スクリーンの映像の視認性は未だ充分ではない。
国際公開第2016/068087号
本発明の目的は、投影された映像の視認性に優れた透過型スクリーンの提供にある。
本発明は、以下の〔1〕〜〔8〕の構成を有する、透過型スクリーンを提供する。
〔1〕映像光が投射される第1の面及びこれとは反対側の第2の面を有し、
第1の透明樹脂及び高屈折率材料を含む第1の光散乱層と、前記第1の光散乱層よりも前記第1の面側に配置された、第2の透明樹脂及び低屈折率部を含む第2の光散乱層と、を含み、
前記第1の透明樹脂の屈折率nと前記高屈折率材料の屈折率nとの差の絶対値が0.2以上、前記nが1.5〜3.5、前記第2の透明樹脂の屈折率nと前記低屈折率部の屈折率nとの差の絶対値が0.05〜0.5、前記nが1.0〜2.15、前記n−前記nで表される差が0.5以上である、透過型スクリーン。
〔2〕前記高屈折率材料の割合が、前記第1の光散乱層100質量%のうち、0.01〜5質量%である前記〔1〕の透過型スクリーン。
〔3〕前記第1の光散乱層の厚さが0.001〜0.1mm、前記第2の光散乱層の厚さが0.1〜2.0mmである前記〔1〕又は〔2〕の透過型スクリーン。
〔4〕第1の透明基材と、第1の接合層と、前記第1の光散乱層を含むシートと、第2の接合層と、第2の透明基材とがこの順に積層された積層構造を含み、前記第2の接合層が前記第2の光散乱層である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの透過型スクリーン。
〔5〕前記第1の光散乱層が光吸収材料をさらに含む、又は前記第1の光散乱層よりも前記第2の面側に、透明材料及び光吸収材料を含む光吸収層をさらに含む前記〔1〕〜〔4〕のいずれかの透過型スクリーン。
〔6〕ヘーズが80〜100%、全光線透過率が10〜70%、拡散反射率が1〜10%である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかの透過型スクリーン。
〔7〕前記低屈折率部が、前記第2の透明樹脂中に設けられた気泡及び前記気泡に内包された低屈折率材料粒子からなる前記〔1〕〜〔6〕のいずれかの透過型スクリーン。
〔8〕前記低屈折率材料粒子の平均一次粒子径が、0.1〜50μmである前記〔7〕の透過型スクリーン。
本発明の透過型スクリーンは、投影された映像の視認性に優れる。
一実施形態に係る透過型スクリーンの模式断面図である。 図1に示す透過型スクリーンにおける光散乱を説明する模式図である。 他の実施形態に係る透過型スクリーンの模式断面図である。 図3に示す透過型スクリーンを第2の面側から見た正面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「第1の面」とは、透過型スクリーンの最表面であって、投影機から映像光が投射される側の表面を意味する。
「第2の面」とは、透過型スクリーンの最表面であって、第1の面とは反対側の表面を意味する。
「シート」は、枚葉のものであってもよく、連続した帯状のものであってもよい。
「接合層」は2つの面を接合する機能を有する層であり、接着剤や粘着剤により形成される層をいう。接合される2つの面の少なくとも一方が熱融着性の材料からなる面であり、2つの面が熱融着により接合されている場合、接合される2つの面の少なくとも一方が硬化性樹脂材料の硬化物から形成された面であり、硬化性樹脂材料の硬化とともに2つの面が接合されている場合、などにおいては接合機能は接合される面自体によってもたらされることより接合層はないものとする。
「熱融着性樹脂」は、熱融着により接合性を示す、比較的低い温度で軟化する熱可塑性樹脂を意味する。
「ヘーズ」とは、透過型スクリーンの第1の面側(又は第2の面側)から入射し、第2の面側(又は第1の面側)に透過した透過光のうち、前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率を意味する。すなわち、JIS K 7136:2000(ISO 14782:1999)に記載された方法によって測定される、通常のヘーズである。ヘーズは、前記方法に従い、ISO/CIE10526に規定するCIE標準のD65光源を用いて23±2℃で測定したときの値である。
「全光線透過率」は、透過型スクリーンの第1の面側(又は第2の面側)から入射角0゜で入射した入射光に対する、第2の面側(又は第1の面側)に透過した全透過光の割合(百分率)を意味する。すなわち、JIS K 7361:1997(ISO 13468−1:1996)に記載された方法によって測定される、通常の全光線透過率である。全光線透過率は、D65光源を用いて測定したときの値である。
「拡散反射率」は、透過型スクリーンの第1の面側(又は第2の面側)から入射角0゜で入射した入射光に対する、第1の面側(又は第2の面側)に反射した正反射光から0.044rad(2.5°)以上それた反射光の割合(百分率)を意味する。拡散反射率を測定する際には、測定対象の第1の面側(又は第2の面側)とは反対側の第2の面側(又は第1の面側)から透過型スクリーンに光が入射しないように反対側の面に暗幕を被せる。また、入射光の径と同程度のアパーチャーを測定対象に密着させてセットする。
拡散反射率及び屈折率は、ナトリウムランプのd線(波長589nm)を用いて23±2℃で測定したときの値である。
「入射角」は、光の入射方向と透過型スクリーンの表面の法線とがなす角度である。
「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される算術平均粗さである。粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとした。
「溶解度パラメータ」(以下、SP値とも記す。)は、Hildebrandによって導入された正則溶液論により定義された値である。
「平均一次粒子径」は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製のマイクロトラックMT3000II)を用いて測定されるメジアン径である。具体的には、レーザー光を粒子に照射し、前方散乱光の回折光の輝度と大きさ、または側方および後方散乱光の情報から粒子径分布を求め、そのメジアン径を平均一次粒子径とする。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1〜4における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。図2〜4において、図1に示した構成と同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る透過型スクリーン1の概略構成を示す断面図である。
透過型スクリーン1は、第1の透明基材12と、第2の透明基材14との間に、スクリーンシート20(第1の光散乱層を含むシート)が配置されたものである。
スクリーンシート20は、第1の透明フィルム22と、第2の透明フィルム24と、第1の透明フィルム22と第2の透明フィルム24との間に設けられた第1の光散乱層26とを含む。
第1の透明基材12とスクリーンシート20とは、第1の接合層16によって接着され、第2の透明基材14とスクリーンシート20とは、第2の接合層兼第2の光散乱層18によって接着されている。
したがって、透過型スクリーン1は、第2の面B側から、第1の透明基材12と第1の接合層16とスクリーンシート20と第2の接合層兼第2の光散乱層18と第2の透明基材14とがこの順に積層された積層構造を含む。透過型スクリーン1の第1の面Aは第2の透明基材14の表面であり、第2の面Bは、第1の透明基材12の表面である。
透過型スクリーン1は、透過型スクリーン1の第1の面A側に配置された投影機100から投射された映像光Lを、投影機100と反対側にいる観察者Xに映像として視認可能に表示する。
以下、透過型スクリーン1を基準として投影機100側(図1では右側)を後方とも記し、透過型スクリーン1を基準として観察者X側(図1では左側)、つまり投影機100側とは反対側を前方とも記す。
(透明基材)
第1の透明基材12及び第2の透明基材14(以下、まとめて「透明基材」とも記す。)は、スクリーンシート20を前方及び後方の両側から挟むことで、スクリーンシート20を保護する。
透明基材の材料としては、ガラス、透明樹脂等が挙げられる。各透明基材の材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
透明基材を構成するガラスとしては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス等が挙げられる。
透明基材がガラス板である場合、ガラス板は、未強化ガラス板、強化ガラス板のいずれでもよい。未強化ガラス板は、溶融ガラスを板状に成形し、徐冷したものである。成形方法としては、フロート法、フュージョン法等が挙げられる。強化ガラス板は、物理強化ガラス板、化学強化ガラス板のいずれでもよい。物理強化ガラス板は、均一に加熱したガラス板を軟化点付近の温度から急冷し、ガラス板表面とガラス板内部との温度差によってガラス板表面に圧縮応力を生じさせることで、ガラス板表面を強化したものである。化学強化ガラス板は、イオン交換法等によってガラス板表面に圧縮応力を生じさせることで、ガラス板表面を強化したものである。ガラス板は、耐久性を向上させるために、ハードコーティングが施されていてもよい。
透明基材を構成する透明樹脂としては、硬化性樹脂の硬化物や熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)等が挙げられる。
透明基材は、平板状、湾曲部を有する形状、のいずれであってもよい。透明基材が平板状である場合、透過型スクリーン1を平面スクリーンにできる。透明基材が湾曲部を有する場合、透過型スクリーン1を曲面スクリーンにできる。
曲面スクリーンは、観察者Xに向けて凸の形状を有するもの、観察者Xに向けて凹の形状を有するもの、のいずれでもよい。したがって、透明基材が湾曲部を有する場合、湾曲部は、前方に向けて凸の形状を有するもの、前方に向けて凹の形状を有するもの、のいずれでもよい。
透明基材としては、複屈折がないものが好ましい。
透明基材の厚さは、基材としての耐久性が保たれる厚さであればよい。透明基材の厚さは、例えば0.01mm以上であってよく、0.05mm以上であってよく、0.1mm以上であってよい。また、透明基材の厚さは、例えば10mm以下であってよく、5mm以下であってよく、0.5mm以下であってよく、0.3mm以下であってよく、0.15mm以下であってよい。
透明基材の表面の算術平均粗さRaは、0.3μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。算術平均粗さRaが0.3μm以下であると、第1の面A及び第2の面Bにおいて、投影機100から投射された映像光Lが散乱しにくいため、第1の面A及び第2の面Bにおいて結像しにくい。その結果、二重像の形成を抑制できる。
透明基材の表面の算術平均粗さRaは、製造のしやすさ、コストの点から、0.001μm以上が好ましい。
なお、透過型スクリーン1の最外層が透明基材ではない場合(例えば、透明フィルム、光散乱層、光吸収層等である場合)であっても、透過型スクリーン1の第1の面A及び第2の面Bにおける好ましい算術平均粗さRaは、最外層が透明基材である場合と同様である。
(透明フィルム)
第1の透明フィルム22及び第2の透明フィルム24(以下、まとめて「透明フィルム」とも記す。)は、第1の光散乱層26を前方及び後方の両側から支持する。典型的には、一方の透明フィルムが基材フィルム、他方が第1の光散乱層26を保護する保護フィルムとして用いられる。基材フィルムは、第1の光散乱層26の形成に用いられる基材である。保護フィルムは、第1の光散乱層26を保護する。
透明フィルムは、樹脂フィルムであってもよく、薄いガラスフィルムであってもよい。各透明フィルムの材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
透明フィルムの厚さは、ロールツーロールプロセスを適用できる厚さが好ましく、例えば、0.01〜0.5mmが好ましく、0.05〜0.3mmがより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
(第1の光散乱層)
第1の光散乱層26は、前方及び後方からの光の一部を散乱し、前方及び後方からの光の他の一部を透過する。第1の光散乱層26は、後方から映像光が投影されている状態では、投影された映像光を散乱させることで、前方の観察者Xに対し映像を表示する。
第1の光散乱層26は、第1の透明樹脂及び高屈折率材料を含む。高屈折率材料は、第1の透明樹脂内に分散されている。
第1の透明樹脂としては、光硬化性樹脂(光硬化性アクリル樹脂、光硬化性エポキシ樹脂等)の硬化物、熱硬化性樹脂(熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂等)の硬化物、熱可塑性樹脂(ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、ETFE、熱可塑性シリコーン等)等が挙げられる。
光硬化性樹脂は、比較的低分子量の硬化性化合物と光重合開始剤や光により活性化する硬化剤とを含む組成物であり、紫外線等の光の照射により硬化して固体状の硬化樹脂となる。熱硬化性樹脂は、比較的低分子量の硬化性化合物と熱重合開始剤や硬化剤とを含む組成物であり、加熱により硬化して固体状の硬化樹脂となる。例えば、硬化性アクリル樹脂は、アクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基を1つ以上有する硬化性化合物と光や熱によりラジカルを発生する重合開始剤とを含む組成物である。
第1の透明樹脂となる硬化性樹脂のSP値は、18(J/cm1/2以上が好ましく、20(J/cm1/2以上がより好ましい。第1の透明樹脂となる硬化性樹脂のSP値が18(J/cm1/2以上であると、光散乱材料等に表面処理を施すことなく、第1の透明樹脂内に光散乱材料等を分散しやすくなる。また、光散乱材料等に表面処理を施す必要がないので、コストを低く抑えることができる。第1の透明樹脂となる硬化性樹脂のSP値は、高湿下での保存性の点から、40(J/cm1/2以下が好ましい。
高屈折率材料の屈折率nは、1.5〜3.5であり、1.8〜3.2が好ましく、2.1〜2.9がより好ましい。
と第1の透明樹脂の屈折率nとの差の絶対値(|n−n|)は0.2以上であり、0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
が前記範囲の下限値以上、かつ|n−n|が前記下限値以上であると、第1の透明樹脂と高屈折率材料との界面で光が強く散乱し、映像の視認性が優れる。nが前記範囲の上限値以下であると、経済性が優れる。
|n−n|は、経済性の点からは、1.5以下が好ましい。
多くの樹脂材料の屈折率は、1.3〜1.65の屈折率を持つ。したがって、nは、典型的には1.3〜1.65である。
高屈折率材料としては、酸化チタン(屈折率:2.5〜2.7)、酸化ジルコニウム(屈折率:2.4)、ダイヤモンド(屈折率:2.4)、硫化亜鉛(屈折率:2.2)、酸化亜鉛(屈折率:2.0)、酸化カルシウム(屈折率:1.8)、酸化アルミニウム(屈折率:1.76)、硫酸バリウム(屈折率:1.64)、炭酸カルシウム(屈折率:1.6)、炭酸マグネシウム(屈折率:1.5)等が挙げられる。
高屈折率材料は、典型的には粒子状である。高屈折率材料の平均一次粒子径は、0.02〜1μmが好ましく、0.03〜0.8μmがより好ましく、0.15〜0.6μmがさらに好ましい。高屈折率材料の平均一次粒子径が、散乱する光の波長と同程度かやや小さいと、第1の光散乱層26に入射した光を屈折させずに散乱させる機能が強くなり、光が前方に散乱される確率が大きくなる。散乱する光の波長と同程度かやや小さいと、とは、散乱する光の波長と同程度から10分の1程度を意味する。
高屈折率材料の割合は、第1の光散乱層26の100質量%のうち、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が特に好ましい。高屈折率材料の割合が前記範囲の下限値以上であると、スクリーンとして充分に機能し得る。高屈折率材料の割合が前記範囲の上限値以下であると、外光反射を抑制でき、映像のコントラストがより優れる。
第1の光散乱層26は、光吸収材料をさらに含むことが好ましい。光吸収材料は、第1の光散乱層26の内部を伝播する光の一部を吸収することで、透過型スクリーン1の内部における光の反射の繰り返しによる光の伝播を抑制する。その結果、映像がぼやけることが抑制され、映像の視認性が向上する。
第1の光散乱層26が光吸収材料を含む場合、光吸収材料は典型的には第1の透明樹脂内に分散されている。
光吸収材料としては、無機着色材料、有機着色材料等が挙げられる。無機着色材料としては、カーボン系材料(カーボンブラック、ナノダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン等)、チタンブラック、黒色シリカ、及び主として銀を含む微粒子材料(例えば銀の窒化物、硫化物及び酸化物)等が挙げられる。有機着色材料としては、有機顔料、有機染料等が挙げられる。光吸収材料の2種以上を混合して、色味を調整してもよい。
光吸収材料としては、耐久性の点から、無機着色材料、又は有機顔料が好ましく、ヘーズ、全光線透過率及び透明感のバランスが得られやすい点から、カーボン系材料及びチタンブラックがより好ましく、カーボンブラック及びチタンブラックが特に好ましい。
光吸収材料は、典型的には粒子状である。光吸収材材料の粒子径は、できるだけ小さいことが好ましい。具体的には、光吸収材料の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、1〜60nmがさらに好ましい。平均一次粒子径が小さいほど、同じ材料かつ同じ体積濃度である場合に、全光線透過率が低くなりやすい。
光吸収材料の平均一次粒子径は、光散乱材料の平均一次粒子径以下であることが好ましい。光吸収材料の平均一次粒子径と光散乱材料の平均一次粒子径との比(光吸収材料の平均一次粒子径/光散乱材料の平均一次粒子径)は、0.001〜1が好ましい。光吸収材料の平均一次粒子径/光散乱材料の平均一次粒子径が前記範囲内であると、前方散乱方向に光を効率よく取り出すことができ、スクリーンゲインを上げることができる。
光吸収材料の割合は、第1の光散乱層26の100質量%のうち、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。光吸収材料の割合が前記範囲の下限値以上であると、映像のぼやけを効果的に抑制できる。光吸収材料の割合が前記範囲の上限値以下であると、投影された映像の輝度が高く、映像の視認性がより優れる。
第1の光散乱層26の厚さは、0.001〜0.1mmが好ましく、0.005〜0.05mmがより好ましい。第1の光散乱層26の厚さが前記範囲の下限値以上であると、光散乱の効果が充分に発揮される。第1の光散乱層26の厚さが前記範囲の上限値以下であると、映像の解像度が優れる。
(スクリーンシート)
スクリーンシート20は、可撓性を有しなくてもよいが、可撓性を有することが好ましい。
スクリーンシート20の厚さは、スクリーンシート20の製造方法や投影する映像の視認性等に応じて任意に設定できるが、例えば0.02〜1.5mmが好ましい。
スクリーンシート20のヘーズは、3〜30%が好ましい。ヘーズが前記範囲の下限値以上であると、視野角が広がる。ヘーズが前記範囲の上限値以下であると、映像視認性に優れる。
スクリーンシート20の全光線透過率は、15〜95%が好ましい。全光線透過率が前記範囲の下限値以上であると、映像視認性に優れる。全光線透過率が前記範囲の上限値以下であると、映像輝度に優れる。
スクリーンシート20の拡散反射率は、0.1〜10%が好ましい。拡散反射率が前記範囲の下限値以上であると、視野角に優れる。拡散反射率が前記範囲の上限値以下であると、映像視認性に優れる。
スクリーンシート20は、例えば、下記の手順にて製造できる。
光硬化性樹脂、高屈折率材料及び必要に応じて光吸収材料を含むペーストを調製する。次いで、第1の透明フィルム22の表面に前記ペーストを塗布し、塗布したペーストの上に第2の透明フィルム24を重ねる。次いで、第1の透明フィルム22の側又は第2の透明フィルム24の側から前記ペーストに光(紫外線等)を照射し、光硬化性樹脂を硬化させて、第1の透明樹脂内に高屈折率材料及び必要に応じて光吸収材料が分散された第1の光散乱層26を形成することによって、スクリーンシート20を得る。
スクリーンシート20はまた、下記の手順にて製造できる。
溶剤、熱融着性樹脂、高屈折率材料及び必要に応じて光吸収材料を含む溶液を調製する。次いで、第1の透明フィルム22の表面に前記溶液を塗布し、乾燥させ、その上に第2の透明フィルム24を重ね、その後、熱融着性樹脂を加熱軟化し冷却して第1の光散乱層26を形成することによって、スクリーンシート20を得る。
スクリーンシート20はまた、下記の手順にて製造できる。
熱可塑性樹脂、高屈折率材料及び必要に応じて光吸収材料を押出成形することによって、第1の光散乱層26を形成することによって、スクリーンシート20を得る。例えば、第1の透明フィルム22、第2の透明フィルム24を形成するための熱可塑性樹脂とともに3層押出成形することによってスクリーンシート20を得る。第1の光散乱層26は、マスターバッチ方式を用いて形成してもよい。すなわち、あらかじめ熱可塑性樹脂、高屈折率材料及び必要に応じて光吸収材料を溶融混練してマスターバッチを製造し、押出成形の際にそのマスターバッチと熱可塑性樹脂を溶融混練して押し出し、第1の光散乱層26を形成することができる。
(第1の接合層)
第1の接合層16は、第1の透明基材12とスクリーンシート20の第1の透明フィルム22とを接合する層である。
第1の接合層16は、接着剤や粘着剤から形成され、透明樹脂を含む。透明樹脂としては、熱融着性樹脂、光硬化性樹脂の硬化物、熱硬化性樹脂の硬化物等が挙げられる。
接着剤や粘着剤は、溶媒を含む液状物であってもよい。溶媒を含む液状物の場合は少なくとも一方の接合面に塗布後溶媒を除去して接着や粘着に供される。粘着剤や熱融着性樹脂からなる接着剤の場合は、そのシートやフィルムを使用することもできる。
硬化性樹脂からなる接着剤の場合は、第1の透明基材12と第1の透明フィルム22との間で硬化性樹脂を硬化させることにより第1の接合層16が形成される。熱融着性樹脂からなる接着剤の場合は、第1の透明基材12と第1の透明フィルム22と間で熱融着性樹脂を加熱軟化して冷却することにより第1の接合層16が形成される。粘着剤の場合は第1の透明基材12と第1の透明フィルム22との間で粘着剤の層を圧着することにより第1の接合層16が形成される。
接着剤の材料としては、熱融着性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
熱融着性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、可塑化ポリビニルアセタール、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレン−エチルアクリレートコポリマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、アクリル系熱硬化性樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ポリウレタン系硬化性樹脂等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、アクリル系光硬化性樹脂、光硬化性エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート系光硬化性樹脂等が挙げられる。
第1の接合層16の厚さは、接合層としての機能が保たれる厚さであればよく、例えば、0.01〜1.5mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましく、0.3〜0.8mmが特に好ましい。
(第2の接合層兼第2の光散乱層)
第2の接合層兼第2の光散乱層18は、第2の透明基材14とスクリーンシート20の第2の透明フィルム24とを接合する層(第2の接合層)であり、また、前方及び後方からの光の一部を散乱し、前方及び後方からの光の他の一部を透過する層(第2の光散乱層)である。
第2の接合層兼第2の光散乱層18は、第2の透明樹脂及び低屈折率部を含む。低屈折率部は、第2の透明樹脂内に分散して設けられている。
第2の透明樹脂としては、第1の接合層16における透明樹脂と同様のものが挙げられる。第2の透明樹脂は、第1の接合層16における透明樹脂と同じものでも異なるものでもよく、同じものが好ましい。
低屈折率部の屈折率nは、1.0〜2.15であり、1.0〜2.0が好ましく、1.2〜1.8がより好ましく、1.4〜1.6が特に好ましい。
と第2の透明樹脂の屈折率nとの差の絶対値(|n−n|)は0.05〜0.5であり、0.1〜0.4が好ましく、0.15〜0.3がより好ましい。
−nで表される差は0.5以上であり、0.7以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
が前記範囲の下限値以上、かつ|n−n|が前記下限値以上であると、光散乱の効果が充分に発揮される。
が前記範囲の下限値以上、|n−n|が前記上限値以下、かつn−nが前記下限値以上であると、投影機100から投影された映像光の拡散反射が抑制されて前方に出射しやすくなり、光の利用効率が高まる。その結果、透過型スクリーン1に表示される映像の輝度が高くなり、透過型スクリーン1が明るい環境に置かれている場合でも、映像を良好に視認できる。
は、nと同様に、典型的には1.3〜1.65である。
−nで表される差は、経済性の点からは、2.0以下が好ましい。
低屈折率部としては、低屈折率材料粒子、空隙等が挙げられる。
低屈折率材料としては、酸化亜鉛(屈折率:2.0)、酸化カルシウム(屈折率:1.8)、酸化アルミニウム(屈折率:1.76)、硫酸バリウム(屈折率:1.64)、炭酸カルシウム(屈折率:1.6)、炭酸マグネシウム(屈折率:1.5)、ポーラスシリカ(屈折率:1.3以下)、中空シリカ(屈折率:1.3以下)等が挙げられる。なお、高屈折率材料の「高屈折率」、低屈折率部及び低屈折率材料の「低屈折率」はそれぞれ相対的なものである。
空隙の形状は、例えば球状、楕円状等が挙げられる。空隙内は、真空でもよく、ガスが存在していてもよい。ガスとしては、空気、二酸化炭素等が挙げられる。
好ましい一態様において第2の接合層兼第2の光散乱層18は、第2の透明樹脂中に設けられた気泡及び前記気泡に内包された低屈折率材料粒子からなる低屈折率部を有する。換言すれば、本態様の第2の接合層兼第2の光散乱層18は、第2の透明樹脂と、第2の透明樹脂中に分散した低屈折率材料粒子とを含み、前記低屈折率材料粒子の周囲に空隙が形成されたものである。気泡部分の屈折率は、低屈折率材料の屈折率よりも低く、1.0〜1.2程度であるため、拡散反射をより低減できる。また、低屈折率材料粒子が内包されていることで、屈折率の違いにより、低屈折率材料粒子の表面でも光が散乱し、散乱強度が強くなる。
上記態様の第2の接合層兼第2の光散乱層18は、例えば、発泡性低屈折率材料の粒子を用いて形成される。第2の透明樹脂中に発泡性低屈折率材料の粒子を分散させ、前記粒子を発泡させると、粒子の周囲に空隙が形成される。
発泡性低屈折率材料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。炭酸カルシウム粒子は、加熱することによって酸化カルシウムと二酸化炭素に分解する。そのため、炭酸カルシウム粒子を発泡させると、二酸化炭素及び酸化カルシウム粒子を内包する気泡が形成される。気泡に内包される粒子は1つでもよく2つ以上でもよい。
なお、上記態様のように、1つの低屈折率部のなかに屈折率が互いに異なる複数の領域がある場合、それら複数の領域のうち屈折率が最も大きい領域の屈折率をnとする。
異なる複数の領域の一部(例えば気泡に内包される低屈折率材料粒子)の屈折率が、上記n、|n−n|、n−nのいずれか1以上を満たさないものであってもよい。
低屈折率部が低屈折率材料粒子からなる場合、又は気泡及び前記気泡に内包された低屈折率材料粒子からなる場合、低屈折率材料粒子の平均一次粒子径は、0.1〜50μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましく、1〜8μmが特に好ましい。低屈折率材料粒子の平均一次粒子径が前記範囲の下限値以上であると、レイリー散乱で映像の色調が変化することを抑制できる。低屈折率材料粒子の平均一次粒子径が前記範囲の上限値以下であると、光散乱の効果が充分に発揮される。
低屈折率材料粒子の平均一次粒子径は、第2の接合層兼第2の光散乱層18の製造に用いる低屈折率材料粒子について予め測定した平均一次粒子径を、第2の接合層兼第2の光散乱層18における低屈折率材料粒子の平均一次粒子径とみなすことができる。あるいは、第2の接合層兼第2の光散乱層18から低屈折率材料粒子を回収し、回収した低屈折率材料粒子について測定した平均一次粒子径とみなすことができる。低屈折率材料粒子は、例えば、第2の透明樹脂が可溶、かつ低屈折率材料粒子が不溶である溶剤で第2の透明樹脂を溶解することにより回収できる。前記した光吸収材料の平均一次粒子径も同様である。
低屈折率部の数は、第2の接合層兼第2の光散乱層18の単位面積当たり、10×10〜10×1015個/mが好ましく、10×10〜10×1012個/mがより好ましい。低屈折率部の数が前記範囲の下限値以上であると、光散乱性に優れる。低屈折率部の数が前記範囲の上限値以下であると、透過性に優れる。
第2の接合層兼第2の光散乱層18の厚さは、0.1〜2.0mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1.0mmが特に好ましい。第2の接合層兼第2の光散乱層18の厚さが前記範囲の下限値以上であると、光散乱の効果としての機能が充分に発揮される。また、接合層としての機能も充分に発揮される。第2の接合層兼第2の光散乱層18の厚さが前記範囲の上限値以下であると、透過性に優れる。
第2の接合層兼第2の光散乱層18の厚さは、第1の光散乱層26の厚さよりも厚いことが好ましい。これにより、第2の面B側(観察者X側)が明るい環境である場合でも、透過型スクリーン1に表示される映像の背景が、第2の面B側から入射した光によって明るくなりにくく、映像の視認性が向上する。
第2の接合層兼第2の光散乱層18の厚さ(mm)/第1の光散乱層26の厚さ(mm)で表される比は、5〜1000が好ましく、50〜100がより好ましい。
第2の接合層兼第2の光散乱層18のヘーズは、90〜100%が好ましく、93〜97%がより好ましい。ヘーズが前記範囲の下限値以上であると、投影された映像光の散乱強度が強く、拡散反射率が高くても、表示される映像の輝度を高めて視認性を向上させやすい。
第2の接合層兼第2の光散乱層18の拡散反射率は、1〜10%が好ましく、3〜8%がより好ましい。拡散反射率が前記範囲の下限値以上であると、散乱性に優れる。拡散反射率が前記範囲の上限値以下であると、透過性に優れる。
(透過型スクリーンの光学特性)
透過型スクリーン1のヘーズは、80〜100%が好ましく、90〜100%がより好ましく、95〜100%がさらに好ましい。ヘーズが前記範囲の下限値以上であると、投影された映像光の散乱強度が強く、拡散反射率が高くても、表示される映像の輝度を高めて視認性を向上させやすい。ヘーズが前記範囲の上限値以下であると、映像視認性に優れる。透過型スクリーン1のヘーズは、第1の面A側から入射し、第2の面B側に透過した光について測定する。
透過型スクリーン1の全光線透過率は、10〜70%が好ましく、20〜60%がより好ましく、30〜50%がさらに好ましく、35〜45%が特に好ましい。全光線透過率が前記範囲の下限値以上であると、透過性に優れる。全光線透過率が前記範囲の上限値以下であると、映像視認性に優れる。透過型スクリーン1の全光線透過率は、第1の面A側から入射し、第2の面B側に透過した光について測定する。
透過型スクリーン1の拡散反射率は、1〜10%が好ましく、2〜8%がより好ましく、3〜6%がさらに好ましい。拡散反射率が前記範囲の下限値以上であると、散乱性に優れる。拡散反射率が前記範囲の上限値以下であると、透過性に優れる。透過型スクリーン1の拡散反射率は、第2の面B側から入射し、第2の面B側に反射した光について測定する。
透過型スクリーン1のヘーズは、第1の光散乱層26中の高屈折率材料や光吸収材料の濃度や粒子径を調整したり、第1の光散乱層26の厚さを調整したり、第2の接合層兼第2の光散乱層18の単位面積当たりの低屈折率部の数を調整したりすることにより、前記範囲にすることができる。高屈折率材料の濃度を低くしたり、光吸収材料の平均一次粒子径を小さくしたり、低屈折率部の数を少なくしたりすると、ヘーズは小さくなりやすい。
透過型スクリーン1の全光線透過率は、光吸収材料の濃度や種類を調整したり、第1の光散乱層26の厚さを調整したり、高屈折率材料の種類、粒子径及び凝集状態を調整したり、第2の接合層兼第2の光散乱層18の単位面積当たりの低屈折率部の数を調整したりすることにより、前記範囲にすることができる。
透過型スクリーン1の拡散反射率は、低屈折率部の濃度を調整したり、高屈折率材料や光吸収材料の濃度を調整したり、第1の光散乱層26の厚さを調整したり、反射防止膜等を成膜したりすることにより、前記範囲に制御できる。
透過型スクリーン1における隣り合う各層間の屈折率差は、各層界面における反射率が0.5%以内に抑えられる点から、0.2以内が好ましく、各層界面での反射率が0.1%程度となる点から、0.1以内がより好ましい。
(透過型スクリーンの製造方法)
透過型スクリーン1は、第1の透明基材12とスクリーンシート20と第2の透明基材14とを、第1の接合層16、第2の接合層兼第2の光散乱層18を介して積層することにより製造される。第1の透明基材12とスクリーンシート20との接合及びスクリーンシート20と第2の透明基材14との接合は、同時に行ってもよく順次行ってもよい。
接合層(第1の接合層16、又は第2の接合層兼第2の光散乱層18)を形成する接着剤又は粘着剤が熱融着性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む場合は、熱処理によって接合が行われる。一方、前記接着剤又は粘着剤が光硬化性樹脂を含む場合は、紫外線等の光の照射によって接合が行われる。
例えば、第1の接合層16が硬化性樹脂の硬化物からなる場合、スクリーンシート20の接合面である第1の透明フィルム22の表面と第1の透明基材12の表面との間に硬化性樹脂層を形成し、その硬化性樹脂を硬化させて接合する。第1の接合層16が熱融着性樹脂からなる場合は、スクリーンシート20の第1の透明フィルム22の表面と第1の透明基材12の表面との間に熱融着性樹脂層を形成し、その熱融着性樹脂層を加熱加圧して融着させ、冷却して接合する。第1の接合層16が粘着剤からなる場合は、スクリーンシート20の第1の透明フィルム22の表面と第1の透明基材12の表面との間に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を加圧して接合する。第2の透明フィルム24の表面と第2の透明基材14の表面との接合も同様に行うことができる。
本実施形態の透過型スクリーン1は、図1に示すように、投影機100と組み合わされ、映像表示システムとして用いられる。投影機100は、透過型スクリーン1の第1の面A側に配置される。
図1に示すように、投影機100から透過型スクリーン1に映像光Lを投射すると、透過型スクリーン1の第1の面Aから入射した映像光Lが、第2の接合層兼第2の光散乱層18に入射して散乱し、第2の接合層兼第2の光散乱層18で前方に散乱した光が第1の光散乱層26に入射して散乱することによって結像し、投影機100とは反対側にいる観察者Xに映像として視認可能に表示される。
投影機100としては、透過型スクリーン1に映像光Lを投射できるものであればよく、公知のプロジェクタ等が挙げられる。プロジェクタとしては、10〜90cmの至近距離からの映像光Lの投射が可能であり、映像表示システムの省スペース化が図れる点、及び入射角が大きい映像光Lの投射が可能であり、投影機100と透過型スクリーン1との間を人が横切りにくい点から、短焦点プロジェクタが好ましい。
以上説明した透過型スクリーン1にあっては、第1の光散乱層26よりも第1の面A側に、第2の接合層兼第2の光散乱層18を含むため、投影された映像の視認性に優れる。
図2に示すように、投影機100から投影された映像光Lは、第1の面Aから透過型スクリーン1に入射した後、第2の接合層兼第2の光散乱層18において一部が散乱し、残りは透過する。第2の接合層兼第2の光散乱層18を透過した光は、第1の光散乱層26において一部が散乱し、残りは透過する。
第2の接合層兼第2の光散乱層18は、低屈折率部の屈折率nが低く、第2の透明樹脂との屈折率の差が小さいため、第1の光散乱層26に比べ、入射した光の散乱強度は弱いが、拡散反射が少ない。そのため、第2の接合層兼第2の光散乱層18に入射した映像光が効率良く前方へ散乱する。
第1の光散乱層26は、高屈折率材料の屈折率nが低屈折率部の屈折率nに比べて高い。そのため、第1の透明樹脂との屈折率の差も大きい傾向がある。そのため、第2の接合層兼第2の光散乱層18から第1の光散乱層26に入射した光を強く散乱でき、表示される映像の輝度が高まる。
したがって、観察者X側が屋外等の明るい環境、例えば照度が1000ルクス以上の環境であっても、透過型スクリーン1に表示された映像を視認しやすい。
特に、第1の光散乱層26が光吸収材料をさらに含む場合には、観察者X側から入射する外光の多くが、第1の光散乱層26に含まれる光吸収材によって吸収され、拡散反射光を抑制できる。そのため、外光によって透過型スクリーン1全体が明るくなることを抑制でき、映像のコントラストが向上し、映像の視認性がさらに向上する。
(他の実施形態)
以上、本発明の透過型スクリーンについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
例えば、透過型スクリーン1においては、スクリーンシート20の第1の面A側の全体に第2の接合層兼第2の光散乱層18が積層されているが、図3に示すように、スクリーンシート20の第1の面A側の一部に第2の接合層兼第2の光散乱層18が積層され、残部に、低屈折率部を含まない第2の接合層32,34が積層されてもよい。
第2の接合層32,34はそれぞれ、第1の接合層16と同様のものを用いればよい。
第2の接合層兼第2の光散乱層18は、低屈折率部を含むためヘーズが高い。一方、スクリーンシート20及び低屈折率部を含まない第2の接合層32,34はヘーズが低い。そのため、透過型スクリーンを観察者Xから見たときに、図4に示すように、第2の接合層兼第2の光散乱層18が設けられている部分は、第1の面A側の光景(透過型スクリーンの向こう側に見える像)が見えない背景不透視部Cとなり、第2の接合層兼第2の光散乱層18が設けられていない部分(低屈折率部を含まない第2の接合層32,34が設けられている部分)は、第1の面A側の光景が見える背景透視部D,Eとなる。透過型スクリーンを窓や仕切りとして配置する場合、背景透視部D,Eがあることで、開放感が向上する。背景透視部D,Eには第1の光散乱層26が存在するため、背景透視部D,Eもスクリーンとして利用できる。
透過型スクリーン1は2枚の透明基材を含むが、透過型スクリーンが含む透明基材は1枚でもよく3枚以上でもよい。透過型スクリーンが透明基材を含まなくてもよい。
透過型スクリーンが第2の透明基材14を含まない場合、第2の光散乱層は、第2の接合層を兼ねる必要はない。
第2の光散乱層を第2の接合層とは別に設けてもよい。例えばスクリーンシート20の第2の透明フィルム24の表面に第2の光散乱層を設け、第2の光散乱層と第2の透明基材14とを、低屈折率部を含まない第2の接合層で接合してもよい。
スクリーンシート20において、第1の光散乱層26を前方のみ又は後方のみから透明フィルムで支持してもよい。すなわち、基材フィルムと保護フィルムのいずれか一方がなくてもよい。保護フィルムがない場合でも、第1の透明基材12又は第2の透明基材14で第1の光散乱層26を保護できる。基材フィルムがない場合、第1の光散乱層26は、第1の透明基材12の表面に形成することができる。
第1の光散乱層は、第1の透明樹脂で形成されたシートの表面に高屈折率材料を埋め込んだり焼結したりすることで形成されてもよい。この場合、基材フィルムが不要である。この場合、高屈折率材料は、第1の光散乱層の前面(第2の面)付近に埋め込んだり焼結したりすることが好ましい。第1の光散乱層の前面付近に高屈折率材料があると、投影機100からの光の正反射光を抑制することが出来る。さらに、この場合、第1の透明基材12を設けず、第1の光散乱層を最外層としてもよい。
透過型スクリーンは、第1の光散乱層26よりも第2の面B側に、透明材料及び光吸収材料を含む光吸収層をさらに含んでいてもよい。この場合、第1の光散乱層26が光吸収材料を含む場合と同様に、観察者X側から入射する外光の多くが光吸収材料によって吸収され、拡散反射光を抑制できる。そのため、透過型スクリーン1全体が外光によって明るくなることを抑制でき、映像のコントラストが向上し、映像の視認性がさらに向上する。
透明材料としては、透明樹脂、ガラス等が挙げられる。透明樹脂としては、第1の透明樹脂と同様のものを用いればよい。光吸収材料としては、上述した第1の光散乱層26の光吸収材料と同様のものを用いればよい。光吸収材料の割合は、光吸収層の100質量%のうち、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。
光吸収層の厚さは、1〜200μmが好ましい。光吸収層の厚さが1μm以上であれば、光吸収の効果が充分に発揮される。光吸収層の厚さが200μm以下であれば、ロールツーロールプロセスにて光吸収層を形成しやすい。
第1の光散乱層26と光吸収層とは、直接積層されてもよく、他の層を介して積層されてもよい。第1の光散乱層26と光吸収層との間に他の層が存在していても、第1の光散乱層26よりも第2の面B側に光吸収層が存在すれば、光吸収層による効果を発揮できる。
光吸収層は国際公開第2016/068087号公報に記載の方法により形成できる。
なお、光吸収層は、マトリックス成分を含まない無機薄膜又は有機薄膜であってもよい。無機薄膜の材料としては、Cr、Mo、Ti、Ta、NiCr、Zn等の金属、Cr、Mo、Ta等の酸化物又は窒化物、グラフェン等のカーボン材料が挙げられる。
透過型スクリーンは、不図示の機能層をさらに有してもよい。機能層としては、光の反射を低減させる光反射防止層、光の一部を減衰させる光減衰層、赤外線の透過を抑える赤外線遮蔽層等、電圧を印加して振動し、スピーカーとして機能する振動層、音の透過を抑制する遮音層等が挙げられる。これらの機能層の数、機能層の位置は特に限定されない。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
例2、例6は実施例、例1、例3〜5は比較例である。
(例1)
紫外線硬化性のアクリル樹脂モノマー(日立化成社製、ヒタロイド(登録商標)7981、SP値:24.0(J/cm1/2、屈折率1.52)の15gに、高屈折率材料(酸化チタン微粒子、平均一次粒子径:0.2μm、屈折率2.6)の15gを加え、脱気しながら10分間混練し、光散乱材料を得た。次いで、前記光散乱材料の調製に用いたのと同じ紫外線硬化性のアクリル樹脂モノマーの26gに対して、前記光散乱材料の0.08gを加え、さらに光吸収材料(カーボンブラックの酢酸ブチル分散液、固形分:30質量%、カーボンブラックの平均一次粒子径:30nm)の0.08g(固形分:0.024g)を加え、脱気しながら10分間混練し、例1のペーストを得た。
透明なポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ75μm)の表面に、例1のペーストを塗布し、前記ペーストの上に別のPETフィルムを重ねた。PETフィルムの間のペーストに紫外線を照射して第1の光散乱層を形成し、例1のスクリーンシートを得た。得られたスクリーンシートのヘーズは15.3%、全光線透過率は61.3%、拡散反射率は1.9%であった。第1の光散乱層の厚さは10μmであった。
ソーダライムガラス板(松浪ガラス社製、厚さ:3mm、Ra:0.005μm)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(以下、EVAと記す。)フィルム(厚さ:400μm、EVAの屈折率:1.49)、例1のスクリーンシート、前記と同じEVAフィルム(厚さ:400μm)、前記と同じソーダライムガラス板(厚さ:3mm)の順に積層し、真空加熱圧着を行い、例1の透過型スクリーンを得た。
例1で用いたEVAフィルムのヘーズは1.0%、拡散反射率は0.2%であった。また、このEVAフィルムは、低屈折率部を含まないものであった。
例1の透過型スクリーンの光学特性(ヘーズ、全光線透過率、拡散反射率)及び視認性の評価し、評価結果を表1に示した。視認性は以下の基準で評価した。
<視認性の評価>
○(good):照度10,000ルクスの室外で、透過型スクリーンから1m離れた位置に設置されたプロジェクタから透過型スクリーンに映像光を投影した状態で、透過型スクリーンに表示された映像の視認性に優れる。
△(average):照度10,000ルクスの室外で、透過型スクリーンから1m離れた位置に設置されたプロジェクタから透過型スクリーンに映像光を投影した状態で、透過型スクリーンに表示された映像の視認性に劣る。
×(bad):照度10,000ルクスの室外で、透過型スクリーンから1m離れた位置に設置されたプロジェクタから透過型スクリーンに映像光を投影した状態で、透過型スクリーンに表示された映像を視認できない。
(例2)
例1で用いたソーダライムガラス板、例1で用いたEVAフィルム、例1のスクリーンシート、不透明EVAフィルム(ブリヂストン社製、EVASAFE(登録商標)#101 Milky White、厚さ:400μm)、例1で用いたソーダライムガラス板の順に積層し、真空加熱圧着を行い、例2の透過型スクリーンを得た。
例2で用いた不透明EVAフィルムのヘーズは95%、拡散反射率は3.0%であった。また、この不透明EVAフィルムの1cm×1cmの領域を電子顕微鏡により観察したところ、不透明EVAフィルムは、EVA中に、気泡及び前記気泡に内包された低屈折率材料粒子からなる低屈折率部を10×10個(1m当たり10×1011個)有していた。前記低屈折率材料粒子は、炭酸カルシウムに由来するものであった。前記低屈折率材料粒子の平均一次粒子径は5μmであった。また、低屈折率部の屈折率は、1.6であった。
例2の透過型透明スクリーンを例1と同様に評価し、評価結果を表1に示した。
(例3)
例1で用いた紫外線硬化性のアクリル樹脂モノマーの26gに対して、例1で用いた高屈折率材料の0.8gを加え、脱気しながら10分間混練し、例3のペーストを得た。
例1で用いた透明なPETフィルムの表面に、例3のペーストを塗布し、前記ペーストの上に別のPETフィルムを重ねた。ペーストに紫外線を照射して第1の光散乱層を形成し、例3のスクリーンシートを得た。得られたスクリーンシートのヘーズは71.3%、全光線透過率は40.7%、拡散反射率は8.8%であった。第1の光散乱層の厚さは10μmであった。
例1で用いたソーダライムガラス板(厚さ:3mm)、例1で用いたEVAフィルム(厚さ:400μm)、例3のスクリーンシート、例1で用いたEVAフィルム(厚さ:400μm)、例1で用いたソーダライムガラス板(厚さ:3mm)の順に積層し、真空加熱圧着を行い、例3の透過型スクリーンを得た。
例3の透過型透明スクリーンを例1と同様に評価し、評価結果を表1に示した。
(例4)
例1のスクリーンシートの代わりに市販のスクリーンシート(きもと社製、「DILADスクリーン」(商品名)フィルム、光散乱材料を含み、光吸収材料を含まない。)を用いた以外は、例1と同様にして例4の透過型スクリーンを得た。
例4で用いたスクリーンシートのヘーズは24.4%、全光線透過率は71.2%、拡散反射率は3.1%であった。
例4の透過型透明スクリーンを例1と同様に評価し、評価結果を表1に示した。
(例5)
例1のスクリーンシートの代わりに市販のスクリーンシート(三菱製紙、「彩美s<SaiVis>」(商品名)フィルム、光散乱剤を含み、光吸収剤を含まない。)を用いた以外は、例1と同様にして例5の透過型透明スクリーンを得た。
例5で用いたスクリーンシートのヘーズは21.6%、全光線透過率は82.3%、拡散反射率は4.4%であった。
例5の透過型透明スクリーンを例1と同様に評価し、評価結果を表1に示した。
(例6)
ポリビニルブチラール(以下、PVBと記す。)(積水化学社製、SP値:23.0(J/cm1/2、屈折率1.49)の15gに、例1で用いた高屈折率材料の15gを加え、脱気しながら10分間混練し、光散乱材料を得た。次いで、前記光散乱材料の調製に用いたのと同じPVBの26gに対して、前記光散乱材料の0.08gを加え、さらに例1で用いた光吸収材料の0.08g(固形分:0.024g)を加え、脱気しながら10分間混練し、例6のペーストを得た。
例1で用いた透明なPETフィルムの表面に、例6のペーストを塗布し、乾燥させ第1の光散乱層を形成し、例6のスクリーンシートを得た。得られたスクリーンシートのヘーズは99.1%、全光線透過率は40.2%、拡散反射率は4.8%であった。第1の光散乱層の厚さは10μmであった。
例1で用いたソーダライムガラス板(厚さ:3mm)、例1で用いたEVAフィルム(厚さ:400μm)、例6のスクリーンシート、例2で用いた不透明EVAフィルム(厚さ:400μm)、例1で用いたソーダライムガラス板(厚さ:3mm)の順に積層し、真空加熱圧着を行い、例6の透過型スクリーンを得た。
例6の透過型透明スクリーンを例1と同様に評価し、評価結果を表1に示した。
Figure 2019200392
例2、例6の透過型スクリーンは、映像の視認性に優れていた。
一方、例1、例3〜5の透過型スクリーンは、第2の光散乱層を含まないため、映像の視認性に劣っていた。
1 透過型スクリーン
12 第1の透明基材
14 第2の透明基材
16 第1の接合層
18 第2の接合層兼第2の光散乱層
20 スクリーンシート(第1の光散乱層を含むシート)
22 第1の透明フィルム
24 第2の透明フィルム
26 第1の光散乱層
100 投影機
X 観察者

Claims (8)

  1. 映像光が投射される第1の面及びこれとは反対側の第2の面を有し、
    第1の透明樹脂及び高屈折率材料を含む第1の光散乱層と、前記第1の光散乱層よりも前記第1の面側に配置された、第2の透明樹脂及び低屈折率部を含む第2の光散乱層と、を含み、
    前記第1の透明樹脂の屈折率nと前記高屈折率材料の屈折率nとの差の絶対値が0.2以上、前記nが1.5〜3.5、前記第2の透明樹脂の屈折率nと前記低屈折率部の屈折率nとの差の絶対値が0.05〜0.5、前記nが1.0〜2.15、前記n−前記nで表される差が0.5以上である、透過型スクリーン。
  2. 前記高屈折率材料の割合が、前記第1の光散乱層100質量%のうち、0.01〜10質量%である請求項1に記載の透過型スクリーン。
  3. 前記第1の光散乱層の厚さが0.001〜0.1mm、前記第2の光散乱層の厚さが0.1〜2.0mmである請求項1又は2に記載の透過型スクリーン。
  4. 第1の透明基材と、第1の接合層と、前記第1の光散乱層を含むシートと、第2の接合層と、第2の透明基材とがこの順に積層された積層構造を含み、前記第2の接合層が前記第2の光散乱層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。
  5. 前記第1の光散乱層が光吸収材料をさらに含む、又は前記第1の光散乱層よりも前記第2の面側に、透明材料及び光吸収材料を含む光吸収層をさらに含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。
  6. ヘーズが80〜100%、全光線透過率が10〜70%、拡散反射率が1〜10%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。
  7. 前記低屈折率部が、前記第2の透明樹脂中に設けられた気泡及び前記気泡に内包された低屈折率材料粒子からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。
  8. 前記低屈折率材料粒子の平均一次粒子径が、0.1〜50μmである請求項7に記載の透過型スクリーン。
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