JP2022189700A - 樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】合わせガラスのヘイズを低くしながらコントラストの高い画像表示を実現する樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーンの提供。【解決手段】樹脂フィルムは、2枚の厚さ2.5mmの基準ガラスを樹脂フィルムを介して接着させて得た合わせガラスの一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、合わせガラスの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である。合わせガラスは、樹脂フィルムが一対のガラス部材の間に配置される。スクリーンは、一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、画面表示用スクリーンに好適に使用される、樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーンに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の各種乗り物の窓ガラス、建築物等の窓ガラスに広く使用されている。合わせガラスは、一般的に一対のガラス間に、熱可塑性樹脂などで構成される樹脂フィルムを介在させ、一体化させたものが広く知られている。
また、プロジェクターより投影された画像を透明スクリーンに映し出す技術が実用化されている。近年、自動車等の車両用窓ガラス、パーテンション、ショーウィンドウなどの建築物等の窓ガラスに広告などを投影表示するニーズが高まってきており、合わせガラスを透明スクリーンとして使用することが試みられている。例えば、特許文献1には、ガラス板などの2枚の透明基材と、透明基材の間に中間膜として配置された樹脂フィルムとを備え、該樹脂フィルムに光拡散性微粒子を含有させた合わせガラスが、透明スクリーンとして使用されることが開示されている。
国際公開第2016/143566号
しかしながら、透明スクリーン用に使用される合わせガラスは、プロジェクターによって合わせガラスに映し出される画像のコントラストを高くするために、光拡散性微粒子による光拡散を大きくしようとすると、合わせガラスのヘイズが高くなっていた。一方、合わせガラスのヘイズを低下させると、拡散性微粒子による光拡散が小さくなり、プロジェクターによって合わせガラスに映し出される画像のコントラストが低くなっていた。このように、従来の樹脂フィルムを有する合わせガラスでは、ヘイズを低くしながら、プロジェクターによって映し出される画像のコントラストを高くすることが難しいという問題があった。
そこで、本発明は、合わせガラスのヘイズを低くしながら、合わせガラスを画像表示用のスクリーンに使用しても、コントラストの高い画像表示を実現できる樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーンを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]光拡散粒子と熱可塑性樹脂とを含む光拡散層を備える樹脂フィルムであって、
2枚の厚さ2.5mmの基準ガラスを前記樹脂フィルムを介して接着させて得た合わせガラスの一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、前記合わせガラスの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である、樹脂フィルム。
[2]前記樹脂フィルム100質量%中、前記光拡散粒子の含有量が、0.00001質量%以上1質量%以下である上記[1]に記載の樹脂フィルム。
[3]前記光拡散層に含有される熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である上記[1]又は[2]に記載の樹脂フィルム。
[4]前記光拡散層が可塑剤をさらに含む上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
[5]各層が熱可塑性樹脂を備える3層以上の樹脂層を備え、
前記3層以上の樹脂層が、前記光拡散層と、第2及び第3の樹脂層を含み、
前記光拡散層が、前記第2及び第3の樹脂層の間に配置されている、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
[6]前記第2及び第3の樹脂層が可塑剤をさらに含み、
前記光拡散層における熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量が、前記第2及び第3の樹脂層それぞれにおける熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量よりも多い上記[5]に記載の樹脂フィルム。
[7]前記第2及び第3の樹脂層それぞれに含有される熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である上記[5]又は[6]に記載の樹脂フィルム。
[8]前記光拡散粒子が銀ナノ粒子である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
[9]前記光拡散層の厚みを面方向に沿う一方向に5cm間隔で測定した際、前記光拡散層の最大厚みと最小厚みとの差が40μm以下である上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
[10]合わせガラス用中間膜である、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
[11]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の樹脂フィルムと、一対のガラス部材とを備え、前記樹脂フィルムが一対のガラス部材の間に配置される合わせガラス。
[12]一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である、スクリーン。
本発明によれば、合わせガラスのヘイズを低くしながらコントラストの高い画像表示を実現する樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーンを提供できる。
本発明の樹脂フィルム、及び合わせガラスの一実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の樹脂フィルム、及び合わせガラスの一実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の樹脂フィルム、及び合わせガラスの一実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る画像表示システムを示す模式図である。 輝度の測定方法を示す模式図である。
以下、本発明について実施形態を参照にしつつ詳細に説明する。
<樹脂フィルム>
本発明の樹脂フィルムは、光拡散粒子と熱可塑性樹脂とを含む光拡散層を備える。本発明の樹脂フィルムは、後述する通り、画像表示用のスクリーンに使用されることが好ましい。本発明の樹脂フィルムは、光拡散粒子を含む光拡散層を備えることで、樹脂フィルムに照射された光が光拡散層で拡散されるので、その拡散光により、照射された光に対応する画像を、本フィルムを備えるスクリーンに表示することができる。
樹脂フィルムは、後述する通り、合わせガラス用中間膜であることが好ましく、中でも合わせガラスによって構成される画像表示用のスクリーンに使用されることがより好ましい。
(輝度)
本発明の樹脂フィルムを介して2枚の基準ガラスを接着させて合わせガラスを得た場合、得られた合わせガラスは以下の条件を満たす。合わせガラスの一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、合わせガラスの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上となる。
なお、基準ガラスは、厚さ2.5mmのクリアガラスであり、より詳細にはJIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmのクリアガラスであり、可視光透過率90.4%のものを用いるとよい。
なお、輝度測定時のソーラーシミュレーターの出力は最大出力の30%とする。
上述の最大値と最小値との比が0.1未満であると、樹脂フィルムを拡散透過した光における第1の主面の反対側の第2の主面に対して垂直な方向と成す角度が大きな方向の輝度が小さくなるので、樹脂フィルムを使用した画像表示用のスクリーンに表示される画像のコントラストが低くなる。そのため、様々な角度から鮮明に表示される画像を視認することが難しくなる。
このような観点から、上述の最大値と最小値との比は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.4以上である、さらに好ましくは0.6以上であり、よりさらに好ましくは0.7以上である。また、上述の最大値と最小値との比の範囲の上限値は、通常1.0である。
光拡散粒子の種類、光拡散粒子の含有量、熱可塑性樹脂の種類などを選択することにより、上述の最大値と最小値との比を0.1以上とすることができる。
本発明の樹脂フィルムは、2枚の基準ガラスを、樹脂フィルムを介して接着させて作製された合わせガラスの一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、合わせガラスの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が45°の方向から測定された輝度が、50cd/m以上であることが好ましい。上記下限値以上とすると、本発明の樹脂フィルムを画面表示用のスクリーンに使用すると、画像を鮮明に表示できる。上記輝度は、100cd/m以上がより好ましく、150cd/m以上がさらに好ましい。また、上記輝度は、10,000cd/m以下であることが好ましい。上記上限値以下とすると、樹脂フィルムを窓ガラスなどに使用した際に、外光などが樹脂フィルムで必要以上に拡散して迷光などが発生することを防止できる。上記輝度は、8,000cd/m以下がより好ましい。
なお、輝度測定時のソーラーシミュレーターの出力は最大出力の30%とする。
(透過率)
2枚の厚さ2.5mmの基準ガラスを本発明の樹脂フィルムを介して接着させて得た合わせガラスの透過率が70%以上であることが好ましい。なお、透過率は、可視光線透過率を意味し、JIS R3212(2015)に準拠して、測定することで求めることができる。
上記透過率を70%以上とすると、一定の透明性を担保でき、各種の窓ガラスに好適に使用することができ、例えば、自動車のフロントガラスなどにも使用することができる。より高い透明性を確保する観点から、透過率は、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
透過率は、樹脂フィルムの透明性確保の観点から、高ければ高いほどよいが、実用的には99%以下であり、また、樹脂フィルムにおいて光を適切に拡散する観点から、97%以下であることが好ましい。
(ヘイズ値)
2枚の厚さ2.5mmの基準ガラスを本発明の樹脂フィルムを介して接着させて得た合わせガラスのヘイズ値が15%以下であることが好ましい。ヘイズ値を上記上限値以下とすることで、樹脂フィルムの透明性を確保できる。ヘイズ値は、透明性をより高くする観点から、10%以下であることがより好ましく、6%以下であることがさらに好ましく、4%以下であることがよりさらに好ましい。また、上記ヘイズ値は、光拡散粒子により一定量の光を拡散させて適切に画像表示を行う観点から、例えば0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上である。なお、ヘイズ値は、JIS K6714に準拠して測定できる。
[光拡散粒子]
本発明の樹脂フィルムに使用される光拡散粒子としては、シリカなどの酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルミナなどの酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウムなどの半金属又は金属酸化物粒子、アルミニウム、銀、プラチナ、金、チタン、ニッケル、スズ、インジウム、ダイヤモンド、スズ-コバルト合金などの金属粒子、ダイヤモンド粒子などが挙げられる。これら粒子を使用することで、樹脂フィルムの透明性を確保しつつ、光拡散性、画像表示のコントラストなどを良好にしやすくなる。上記の中でも、透明性、光拡散性、画像表示のコントラストを高め、かつ上記した最大値と最小値との比を高くしやすくする観点から、金属粒子が好ましく、銀粒子が特に好ましい。
光拡散粒子は、上記した半金属又は金属酸化物粒子、金属粒子、ダイヤモンド粒子などのいずれかをコアとして、異なる材料により被膜されたコア-シェル粒子であってもよい。より具体的には、上記金属粒子をコアとして、上記した半金属又は金属酸化物や、半金属又は金属酸化物とポリマーとの複合体をシェルとする金属粒子(コア-シェル粒子)などであってもよい。また、半金属又は金属酸化物をコアとして金属をシェルとするコア-シェル粒子であってもよい。
例えば、銀粒子(好ましくは後述する銀ナノ粒子)は、銀粒子をコアとして、シリカ、アルミナ又はこれらの混合物と、ポリビニルピロリドンなどのポリマーの複合物などをシェルとする粒子であってもよい。また、コア-シェル粒子としては、シリカをコアとして、銀もしくはその他金属をシェルとする粒子であってもよい。
光拡散粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光拡散粒子の平均粒子径は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましい。上記範囲内であることで、可視光線が光拡散粒子により適切に拡散され、合わせガラスに画像を表示した際の画像のコントラストを良好にできる。合わせガラスに表示される画像のコントラストを良好にする観点から、光拡散粒子の平均粒子径は、3nm以上50μm以下であることが好ましく、5nm以上20μm以下であることがより好ましく、10nm以上5μm以下であることが好ましい。
なお、光拡散粒子の平均粒子径は、レーザー回折/散乱法により測定できる。
光拡散粒子は、可視光線を適切に光拡散させ、最大値と最小値との比を高くする観点から、いわゆるナノ粒子であることが好ましい。したがって、光拡散粒子としては、銀ナノ粒子がさらに好ましい。なお、ナノ粒子とは、平均粒子径が1μm以下(1000nm以下)の粒子である。
樹脂フィルム全体における光拡散粒子の含有量は、樹脂フィルム100質量%中、0.00001質量%以上1質量%以下であることが好ましい。光拡散粒子の含有量が上記下限値以上とすることで、樹脂フィルムにおいて、適度に光拡散することができ、適切に画像表示することができる。また、上記上限値以下とすることで、光拡散粒子によって必要以上に遮光されることなく、樹脂フィルムの透明性を確保でき、ヘイズ値及び透過率を上記した所望の範囲内に調整しやすくなる。これら観点から、光拡散粒子の樹脂フィルム100質量%中の含有量は、より好ましくは0.00005質量%以上、さらに好ましくは0.0001質量%以上であり、また、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
また、光拡散粒子の光拡散層における含有量は、光拡散層100質量%中、0.00005質量%以上2質量%以下であることが好ましい。光拡散層における光拡散粒子の含有量が上記下限値以上とすることで、光拡散層において、適度に光拡散することができ、適切に画像表示することができる。また、上記上限値以下とすることで、光拡散粒子によって必要以上に遮光されることなく、樹脂フィルムの透明性を確保しやすくなる。上記観点から、光拡散粒子の光拡散層100質量%中の含有量は、より好ましくは0.0001質量%以上、さらに好ましくは0.0005質量%以上であり、また、より好ましくは1質量以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.03質量%以下である。
[層構成]
本発明の樹脂フィルムは、各層が熱可塑性樹脂を有する1層又は2層以上の樹脂層を有し、そのうちの1つが、光拡散粒子と熱可塑性樹脂とを含む光拡散層である。すなわち、樹脂フィルムは、光拡散層単層からなる樹脂フィルムであってもよいし、2層以上の樹脂層を有し、そのうちの1つが光拡散層であってもよい。
以下、樹脂フィルムの層構成の具体例を、図面を用いてより詳細に説明する。図1は、樹脂層として単層の樹脂層を有する樹脂フィルム10を示す。樹脂フィルム10は、光拡散層(第1の樹脂層)11からなり、例えば合わせガラスに使用される場合、光拡散層11の両面が、合わせガラス25を構成するためのガラス部材21、22に接着するとよい。
図2は、樹脂層として2層の樹脂層を有する樹脂フィルム16を示す。樹脂フィルム16は、図2に示すように、上記した光拡散層11に加えて、第2の樹脂層12を有する。第2の樹脂層12は、第1の樹脂層11の一方の面に設けられる。例えば合わせガラスに使用される場合、樹脂フィルム16では、第2の樹脂層12の光拡散層11側とは反対側の面、及び光拡散層11の第2の樹脂層12側とは反対側の面が、合わせガラス20を構成するためのガラス部材21、22に接着される接着面となるとよい。
図3は、樹脂層として3層の樹脂層を有する樹脂フィルム17を示す。樹脂フィルム17は、光拡散層11、第2の樹脂層12に加えて、第3の樹脂層13を有する。第3の樹脂層13は、光拡散層11の第2の樹脂層12が設けられる一方の面とは反対側の面(他方の面)に設けられる。すなわち、光拡散層11が、第2の樹脂層12及び第3の樹脂層13の間に配置される。例えば合わせガラスに使用される場合、樹脂フィルム17は、第2の樹脂層12、第3の樹脂層13の外側の面(すなわち、光拡散層11が設けられる側の面とは反対側の面)が、合わせガラス27を構成するガラス部材21、22に接着する面となるとよい。
また、樹脂フィルムは、4層以上の樹脂層を有してもよく、その場合、第2及び第3の樹脂層12、13の一方又は両方のさらに外側に1以上の樹脂層を有してもよく、その最外層の樹脂層が、ガラス部材との接着面となるとよい。
また、樹脂フィルムとしては、樹脂フィルム19のように、少なくとも3層の樹脂層を有する態様が好ましい。このような態様によれば、第1の樹脂層(光拡散層)11の両面に他の樹脂層が設けられることになるので、合わせガラスにおいて、光拡散粒子を含有する光拡散層11以外の樹脂層が、ガラス部材21、22に接着することになり、ガラス部材21、22に対する接着性が良好となる。また、各樹脂層の可塑剤の量や、ポリビニルアセタール系樹脂の水酸基量などを調整することで、樹脂フィルムに遮音性などを付与しやすくなる。
ただし、樹脂フィルムは、上記した樹脂層以外の層を有してもよく、例えば、各樹脂層の間に接着層、バリア層などの他の層が配置されてもよい。また、各ガラス部材と樹脂層の間にも接着層などの他の層が配置されてもよい。
また、以上の層構成の説明において、樹脂フィルムは、合わせガラス用中間膜として、合わせガラスに使用される例を説明したが、合わせガラス用中間膜として使用される必要はない。例えば、樹脂フィルムは、いわゆる外貼り用途で使用されてもよい。すなわち、樹脂フィルムは、一方の面がガラス部材の表面に接着される一方で、他方の面がガラス部材に接着されなくてもよい。
光拡散層(第1の樹脂層)は、上記のとおり熱可塑性樹脂を含有し、光拡散粒子が熱可塑性樹脂中に分散される。光拡散層は、熱可塑性樹脂を含有することで、第1の樹脂層を他の樹脂層、ガラス部材などに接着させやくなる。なお、以下の説明においては、光拡散層(第1の樹脂層)に使用する熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂(1)として説明することがある。
光拡散層(第1の樹脂層)に使用する熱可塑性樹脂(1)としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、及び熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これら樹脂を使用することで、第1の樹脂層の他の樹脂層、ガラス部材などに対する接着性を確保しやすくなり、合わせガラス用中間膜として好適に使用できる。上記の中では、熱可塑性樹脂(1)としては、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂を使用することでガラス部材に対する接着性、特にガラス部材が無機ガラスである場合の接着性を良好しやすく、合わせガラス用中間膜として特に好適に使用できる。また、耐貫通性、遮音性などの合わせガラスに必要とされる特性が得られやすくなる。
第1の樹脂層において熱可塑性樹脂(1)として使用される熱可塑性樹脂は、1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、第1の樹脂層に使用する熱可塑性樹脂の詳細は後述する。
本発明の第1の樹脂層は、さらに可塑剤を含有することが好ましい。なお、第1の樹脂層に含有される可塑剤は、可塑剤(1)ということがある。第1の樹脂層は、可塑剤(1)を含有することにより柔軟となり、その結果、合わせガラスの柔軟性を向上させ、耐貫通性や遮音性を向上させやすくなる。また、光拡散粒子及び可塑剤を含むことにより、合わせガラスを画像表示用のスクリーンに使用した際、表示される画像のコントラストをより一層高めることができる。これは、可塑剤を含むことで、第1の樹脂層と光拡散粒子との屈折率差が大きくなることに起因するためと考えられる。
また、第1の樹脂層が可塑剤を有することで、合わせガラスなどを構成するガラス部材、又は樹脂フィルムを構成する他の樹脂層などに対する接着性を高めることが可能になる。可塑剤(1)は、熱可塑性樹脂(1)としてポリビニルアセタール樹脂(1)を使用する場合に含有させると特に効果的である。可塑剤(1)の詳細については後述する。
第1の樹脂層において、熱可塑性樹脂(1)100質量部に対する可塑剤(1)の含有量(以下、含有量(1)と記載することがある)は、例えば20質量部以上であり、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは40質量部以上である。含有量(1)を上記下限以上とすると、樹脂フィルムの柔軟性が高くなり、樹脂フィルムの取扱いが容易になる。また、含有量(1)は、合わせガラス用中間膜として使用した際の遮音性の観点からより多くすることが好ましく、そのような観点から、含有量(1)は、50質量部以上であることがよりさらに好ましい。なお、このように、含有量(1)を50質量部以上とする場合、樹脂フィルムは、第2の樹脂層を有することが好ましく、第2及び第3の樹脂層を有することがさらに好ましい。
また、可塑剤(1)の含有量(1)は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは85質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。含有量(1)を上記上限以下とすると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
また、第1の樹脂層では、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、第1の樹脂層全量基準で、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
[第1の樹脂層以外の樹脂層]
樹脂フィルムにおいて、第1の樹脂層以外の各樹脂層は、熱可塑性樹脂を含有する層である。各樹脂層の樹脂として熱可塑性樹脂を使用すると、各樹脂層を他の樹脂層やガラス部材などに接着させやくなる。
なお、以下の説明においては、第2及び第3の樹脂層それぞれに使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(2)、熱可塑性樹脂(3)ということがある。
第1の樹脂層以外の各樹脂層に使用する熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性樹脂(2)、(3))としては、特に限定されないが、それぞれ、例えば、熱可塑性樹脂(1)として使用できる樹脂として列挙したものから適宜選択して使用できる。また、上記した中では、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂を使用することでガラス部材に対する接着性、特にガラス部材が無機ガラスである場合の接着性を良好しやすく、合わせガラス用中間膜として好適に使用できる。また、耐貫通性、遮音性などの合わせガラス用中間膜に必要とされる特性が得られやすくなる。
第1の樹脂層以外の樹脂層に使用する熱可塑性樹脂は、各樹脂層において、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の樹脂層以外の各樹脂層に使用する熱可塑性樹脂は、接着性を向上させる観点などから、熱可塑性樹脂(1)と同種の樹脂であることが好ましい。したがって、樹脂フィルムが第1及び第2の樹脂層を有し、かつ熱可塑性樹脂(1)がポリビニルアセタール樹脂である場合、熱可塑性樹脂(2)もポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(3)は、熱可塑性樹脂(1)及び熱可塑性樹脂(2)と同種の樹脂であることが好ましい。したがって、樹脂フィルムが第1~第3の樹脂層を有し、かつ熱可塑性樹脂(1)がポリビニルアセタール樹脂である場合、熱可塑性樹脂(2)、(3)がいずれもポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
なお、第1の樹脂層以外の樹脂層に使用する熱可塑性樹脂の詳細は後述する。
樹脂フィルムにおいて、第1の樹脂層以外の各樹脂層も可塑剤を含むことが好ましい。すなわち、樹脂フィルムにおいて第2の樹脂層は、可塑剤を含むことが好ましい。また、第3の樹脂層は可塑剤を含むことが好ましい。したがって、樹脂フィルムが複数の樹脂層を有する場合、第1及び第2の樹脂層の両方が可塑剤を含むことが好ましい。また、樹脂フィルムが第1、第2及び第3の樹脂層を有する場合、第1、第2及び第3の樹脂層のいずれもが可塑剤を含むことがさらに好ましい。
なお、第2及び第3の樹脂層それぞれに含有される可塑剤は、可塑剤(2)、可塑剤(3)ということがある。
また、第2の樹脂層における熱可塑性樹脂(2)100質量部に対する可塑剤(2)の含有量は含有量(2)と記載することがあり、第3の樹脂層における熱可塑性樹脂(3)100質量部に対する上記可塑剤(3)の含有量は含有量(3)と記載することがある。
樹脂フィルムは、上記した各樹脂層が、可塑剤を含有することにより柔軟となり、その結果、合わせガラス用中間膜として使用した際に、合わせガラスの柔軟性を向上させ耐貫通性も向上する。さらには、ガラス板などのガラス部材又は樹脂フィルムの他の樹脂層に対する高い接着性を発揮することも可能になる。また、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれにおいても、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂それぞれを使用する場合に、可塑剤を含有させると特に効果的である。第1の樹脂層以外の樹脂層に使用する可塑剤(例えば、可塑剤(2)、(3))それぞれは、可塑剤(1)と同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。また、第1の樹脂層以外の樹脂層に使用する可塑剤(例えば、可塑剤(2)、(3))は互いに同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
また、第1の樹脂層以外の各樹脂層に使用する可塑剤はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれにおける、熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量(例えば、含有量(2)、(3))は、好ましくは10質量部以上である。可塑剤の含有量を上記下限以上とすると、樹脂フィルムの柔軟性が高くなり、樹脂フィルムの取扱いが容易になる。これら観点から、上記可塑剤の含有量は、それぞれより好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは24質量部以上である。
また、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれにおける可塑剤の含有量(例えば、含有量(2)、(3))は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは45質量部以下である。これら含有量それぞれを上記上限以下とすると、樹脂フィルムの曲げ剛性などの機械特性が良好となる。
合わせガラスの遮音性を高めるためには、第1の樹脂層における可塑剤の含有量(1)は、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれにおける可塑剤の含有量よりも多くすることが好ましい。すなわち、可塑剤の含有量(1)は、含有量(2)よりも多くすることが好ましく、また、含有量(1)は、上記含有量(3)よりも多いことが好ましい。
そして、含有量(1)は、樹脂フィルムが第1~第3の樹脂層を有する場合、上記含有量(2)及び(3)の両方よりも多いことがさらに好ましい。
また、含有量(1)が、各樹脂層における可塑剤の含有量それぞれより多い場合、含有量(1)と、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれにおける可塑剤の含有量(例えば、含有量(2)、(3))の差の絶対値は、それぞれ、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。このように、含有量の差の絶対値を大きくすると合わせガラスの遮音性をより一層高めやすくなる。また、上記差の絶対値はそれぞれ、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
また、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれでは、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、各樹脂層全量基準で、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
第1の樹脂層以外の各樹脂層(例えば、第2の樹脂層、第3の樹脂層)は、上記した光拡散粒子を含有してもよいし、含有しなくてもよいが、樹脂フィルム全体における光拡散粒子の含有量が、上記範囲内となるように設計されるとよい。したがって、第1の樹脂層以外の各樹脂層は、上記した光拡散粒子を含有していてもその含有量が少量であり、あるいは、光拡散粒子を含有しないことが好ましく、光拡散粒子を含有しないことがより好ましい。
上記のとおりに第1の樹脂層以外の各樹脂層に光拡散粒子を含有させず、又は含有させても少量とすることで、各樹脂層において、光拡散がほとんど生じないようになる。それにより、樹脂フィルムを画像表示用のスクリーンに使用した際、表示される画像のコントラストを高めることができる。第1の樹脂層以外の各樹脂層(例えば、第2の樹脂層、第3の樹脂層それぞれ)における光拡散粒子の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1質量%未満、好ましくは0.0005質量%未満、より好ましくは0.00001質量%未満、さらに好ましくは0質量%である。
(樹脂フィルムの厚み)
樹脂フィルムの厚み(すなわち、樹脂フィルム全体の厚み)は、特に限定されないが、好ましくは100μm以上3.0mm以下である。樹脂フィルムの厚みを100μm以上とすることで、樹脂フィルムの接着性、及び合わせガラス用中間膜として使用した際の合わせガラスの耐貫通性などを良好にできる。また、3.0mm以下とすることで、樹脂フィルムの厚みが必要以上に大きくなることを防止し、透明性も確保しやすくなる。樹脂フィルムの厚みはより好ましくは200μm以上であり、さらに好ましくは400μm以上である。また、より好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。なお、以下の説明において、樹脂フィルムの厚み、光拡散層の厚み、第1の樹脂層以外の樹脂層の厚みは、特に断りがない限り平均厚みを意味し、具体的には実施例記載の測定方法により測定できる。
(光拡散層の厚み)
本発明において、光拡散層(第1の樹脂層)の厚みは、好ましくは20μm以上400μm以下である。光拡散層(第1の樹脂層)の厚みを上記範囲内とすることで、光拡散層で一定の光拡散が生じて、画像表示用のスクリーンに使用した場合に、適度な輝度で画像表示しやすくなる。これら観点から、光拡散層(第1の樹脂層)の厚みは、より好ましくは40μm以上、更に好ましくは60μm以上であり、また、より好ましくは250μm以下、更に好ましくは200μm以下である。
光拡散層の厚みは、樹脂フィルムにおいてほぼ一定であることが好ましい。具体的には、光拡散層の厚みを面方向に沿う一方向に5cm間隔で測定した際、光拡散層の最大厚みと最小厚みとの差が、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることがさらに好ましい。このように、光拡散層の最大厚みと最小厚みとの差を小さくすると、透過率及びヘイズ値が均一になり、画面表示スクリーンに使用した場合には画像をムラなく表示させることができる。
光拡散層の最大厚みと最小厚みとの差は、小さければ小さいほどよく、0μm以上であればよい。
なお、面方向に沿う一方向とは、光拡散層のMD(Machine Direction)が判明する場合には、MDであり、MDが判明しない場合には任意の一方向である。
(第1の樹脂層以外の樹脂層の厚み)
第1の樹脂層以外の樹脂層(例えば、第2の樹脂層、又は第2及び第3の樹脂層)それぞれの厚みは、特に限定されないが、50μm以上1.3mm以下であることが好ましい。50μm以上とすることで、樹脂フィルムの接着性、及び合わせガラス用中間膜として使用した際に合わせガラスの耐貫通性などを良好にできる。また、1.3mm以下とすることで、樹脂フィルムの厚みが必要以上に大きくなることを防止し、透明性も確保しやすくなる。これら観点から、第1の樹脂層以外の樹脂層それぞれの厚みは、100μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましく、また、1mm以下がより好ましく、650μm以下がさらに好ましい。
第1の樹脂層以外の樹脂層(例えば、第2の樹脂層、又は第2及び第3の樹脂層)の厚みはそれぞれ、第1の樹脂層の厚みより大きいことが好ましい。これら樹脂層を厚くすることで、合わせガラスにおいて遮音性が確保しやすくなり、また、樹脂フィルムのガラス部材に対する接着性も向上しやすい。これら観点から、第1の樹脂層の厚みに対する、第1の樹脂層以外の樹脂層(例えば、第2の樹脂層、又は第2及び第3の樹脂層)の厚みの比はそれぞれ、1.2以上が好ましく、1.4以上がより好ましく、1.8以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
以下、各樹脂層に使用されるポリビニルアセタール樹脂の詳細について説明する。なお、以下の説明においては、各樹脂層に使用されるポリビニルアセタール樹脂の共通の構成については、単に「ポリビニルアセタール樹脂」として説明する。第1、第2、及び第3の樹脂層それぞれに使用されるポリビニルアセタール樹脂の個別の構成については、「ポリビニルアセタール樹脂(1)」、「ポリビニルアセタール樹脂(2)」、「ポリビニルアセタール樹脂(3)」として説明する。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドでアセタール化して得られる。すなわち、ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)のアセタール化物であることが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)は、例えば、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステルをけん化することにより得られる。ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70~99.9モル%である。ポリビニルアセタール樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上、よりさらに好ましくは1500以上である。平均重合度を上記下限以上とすると、合わせガラスの耐貫通性が高くなる。また、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度を上記上限以下とすると、樹脂フィルムの成形が容易になる。
また、可塑剤の含有量を多くする場合には、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度を高くすることが好ましい。したがって、第1の樹脂層においては、例えば可塑剤の含有量(1)を55質量部以上とする場合などにおいて、ポリビニルアセタール樹脂(1)の平均重合度を2000以上とすることも好適であり、2500以上としてもよい。
また、ポリビニルアセタール樹脂(1)の平均重合度は、他の樹脂層におけるポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂(2)、(3))それぞれの平均重合度より低くしてもよいし、同じとしてもよいし、高くしてもよい。ただし、ポリビニルアセタール樹脂(1)の平均重合度は、他の樹脂層を形成するためのポリビニルアセタール樹脂の平均重合度より高くすることが好ましい。このように、ポリビニルアセタール樹脂(1)の平均重合度を高くすると、第1の樹脂層においては、例えば可塑剤の含有量を多くしても各種性能が維持しやすくなる。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、ポリビニルアセタール樹脂の原料となるPVAの平均重合度と同じであり、PVAの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
アセタール化に使用するアルデヒドは特に限定されないが、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられ、より好ましくは炭素数が3~5のアルデヒド、さらに好ましくは炭素数が4又は5のアルデヒド、特に好ましくは炭素数4のアルデヒドである。
上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド又はn-バレルアルデヒドが好ましく、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド又はn-バレルアルデヒドがより好ましく、n-ブチルアルデヒド又はn-バレルアルデヒドが更に好ましく、n-ブチルアルデヒドが最も好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリビニルアセタール樹脂に含まれているアセタール基の炭素数は特に限定されないが、1~10であることが好ましく、より好ましくは3~5、さらに好ましくは4又は5、特に好ましくは4である。アセタール基としては、具体的にはブチラール基が特に好ましく、したがって、ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。すなわち、本発明においては、第1の樹脂層における熱可塑性樹脂(1)が、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましく、第1及び第2の樹脂層における熱可塑性樹脂(1)、(2)のいずれもが、ポリビニルブチラール樹脂であることがより好ましい。また、第1~3の樹脂層を有する場合、第1~第3の樹脂層における熱可塑性樹脂(1)、(2)、(3)の全てが、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。すなわち、樹脂フィルムは、複数の樹脂層を有する場合、全ての樹脂層における熱可塑性樹脂がポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、また、例えば38モル%以下、好ましくは34モル%以下である。上記水酸基の含有率を上記下限以上とすると、樹脂フィルムの接着力がより一層高くなる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)が可塑剤を吸収して、合わせガラスの遮音性を高くする観点から、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは27モル%以下である。また、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率を20モル%以上とすると反応効率が高く生産性に優れる。
第1の樹脂層以外の樹脂層において使用されるポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂(2)、(3))の水酸基の各含有率はそれぞれ、例えば20モル%以上、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上である。上記水酸基の含有率を下限以上とすると、遮音性を維持しつつ、曲げ剛性をより高くすることができる。また、第1の樹脂層以外の樹脂層において使用されるポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂(2)、(3))の水酸基の各含有率は、好ましくは38モル%以下、より好ましくは36モル%以下、更に好ましくは34モル%以下である。上記水酸基の含有率を上記上限以下とすると、ポリビニルアセタール樹脂の合成時、ポリビニルアセタール樹脂が析出し易くなる。
遮音性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、第1の樹脂層以外の樹脂層において使用されるポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率より低いことが好ましい。したがって、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。また、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセタール化度は、好ましくは47モル%以上、より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上であり、また、好ましくは85モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。上記アセタール化度を上記下限以上とすると、ポリビニルアセタール樹脂(1)と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度を上記上限以下とすると、樹脂中の残留アルデヒド量を軽減できる。なお、アセタール化度とは、アセタール基がブチラール基であり、ポリビニルアセタール樹脂(1)がポリビニルブチラール樹脂の場合には、ブチラール化度を意味する。
第1の樹脂層以外の樹脂層において使用されるポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂(2)、(3))の各アセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上であり、さらに好ましくは63モル%以上である。また、好ましくは85モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。上記アセタール化度を上記下限以上とすると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度を上記上限以下とすると、樹脂中の残留アルデヒド量を軽減できる。
上記アセタール化度は、主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。アセタール化度(ブチラール化度)は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出するとよい。
ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上である。また、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなり、可塑剤を大量に配合しやすくする観点から、上記アセチル化度は、さらに好ましくは7モル%以上、特に好ましくは9モル%以上である。また、ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度は、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは24モル%以下、特に好ましくは20モル%以下である。上記アセチル化度を上記上限以下にすると、樹脂フィルムの耐湿性が高くなる。
第1の樹脂層以外の樹脂層において使用されるポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂(2)、(3))の各アセチル化度は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記上限以下であると、樹脂フィルムの耐湿性が高くなる。また、特に限定されないが、好ましくは0.01モル%以上であり、より好ましくは0.1モル%以上である。
上記アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂)
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、ガラス板などに対する接着性が良好となり、さらに、樹脂フィルムを合わせガラス用中間膜として使用した際には合わせガラスの耐貫通性が良好になりやすくなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、樹脂フィルムの破断強度が高くなり、合わせガラスの耐衝撃性が良好になる。
(アイオノマー樹脂)
アイオノマー樹脂としては、特に限定はなく、様々なアイオノマー樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー、パーフルオロカーボン系アイオノマー、テレケリックアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー等が挙げられる。これらの中では、スクリーンの機械強度、耐久性、透明性などが良好になる点、ガラス板が無機ガラスである場合ガラス板との接着性に優れる点から、エチレン系アイオノマーが好ましい。
エチレン系アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが透明性と強靭性に優れるため好適に用いられる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、少なくともエチレン由来の構成単位および不飽和カルボン酸由来の構成単位を有する共重合体であり、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、1-ブテン等が挙げられる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が有する全構成単位を100モル%とすると、エチレン由来の構成単位を75~99モル%有することが好ましく、不飽和カルボン酸由来の構成単位を1~25モル%有することが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和または架橋することにより得られるアイオノマー樹脂であるが、該カルボキシル基の中和度は、通常は1~90%であり、好ましくは5~85%である。
アイオノマー樹脂におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属が挙げられ、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
アイオノマー樹脂の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の製造方法によって、製造することが可能である。例えばアイオノマー樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いる場合には、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸とを、高温、高圧下でラジカル共重合を行い、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を製造する。そして、そのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と、上記のイオン源を含む金属化合物とを反応させることにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを製造することができる。
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂としては、イソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られるポリウレタン、イソシアネート化合物と、ジオール化合物、さらに、ポリアミンなどの鎖長延長剤を反応させることにより得られるポリウレタンなどが挙げられる。また、ポリウレタン樹脂は、硫黄原子を含有するものでもよい。その場合には、上記ジオールの一部又は全部を、ポリチオール及び含硫黄ポリオールから選択されるものとするとよい。ポリウレタン樹脂は、有機ガラスとの接着性を良好にすることができる。そのため、ガラス板が有機ガラスである場合に好適に使用される。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリオレフィンが挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、一般的に、ハードセグメントとなるスチレンモノマー重合体ブロックと、ソフトセグメントとなる共役ジエン化合物重合体ブロック又はその水添ブロックとを有する。スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン-イソプレンジブロック共重合体、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン/イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、並びにその水素添加体が挙げられる。
上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよく、不飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよい。上記脂肪族ポリオレフィンは、鎖状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよく、環状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよい。樹脂フィルムの保存安定性、及び、遮音性を効果的に高める観点からは、上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであることが好ましい。
上記脂肪族ポリオレフィンの材料としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、trans-2-ブテン、cis-2-ブテン、1-ペンテン、trans-2-ペンテン、cis-2-ペンテン、1-ヘキセン、trans-2-ヘキセン、cis-2-ヘキセン、trans-3-ヘキセン、cis-3-ヘキセン、1-ヘプテン、trans-2-ヘプテン、cis-2-ヘプテン、trans-3-ヘプテン、cis-3-ヘプテン、1-オクテン、trans-2-オクテン、cis-2-オクテン、trans-3-オクテン、cis-3-オクテン、trans-4-オクテン、cis-4-オクテン、1-ノネン、trans-2-ノネン、cis-2-ノネン、trans-3-ノネン、cis-3-ノネン、trans-4-ノネン、cis-4-ノネン、1-デセン、trans-2-デセン、cis-2-デセン、trans-3-デセン、cis-3-デセン、trans-4-デセン、cis-4-デセン、trans-5-デセン、cis-5-デセン、4-メチル-1-ペンテン、及びビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
(可塑剤)
以下、各樹脂層それぞれに使用される可塑剤の詳細について説明する。なお、以下の説明においては、各樹脂層に使用される可塑剤(例えば、可塑剤(1)~(3))についてまとめて説明する。
各樹脂層に使用される可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸エステル可塑剤及び有機亜リン酸エステル可塑剤などのリン系可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。なお、液状可塑剤とは、常温(23℃)、常圧(1気圧)で液状となる可塑剤である。
一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと、一塩基性有機酸とのエステルが挙げられる。グリコールとしては、各アルキレン単位が炭素数2~4、好ましくは炭素数2又は3であり、アルキレン単位の繰り返し数が2~10、好ましくは2~4であるポリアルキレングリコールが挙げられる。また、グリコールとしては、炭素数2~4、好ましくは炭素数2又は3であり、繰り返し単位が1であるモノアルキレングリコールでもよい。
グリコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げられる。
一塩基性有機酸としては、炭素数3~10の有機酸が挙げられ、具体的には、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、2-エチルペンタン酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、n-ノニル酸及びデシル酸などが挙げられる。
好ましい一塩基性有機酸エステルとしては、以下の式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022189700000001

上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数2~10の有機基を表し、R3はエチレン基、イソプロピレン基又はn-プロピレン基を表し、pは3~10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、好ましくは炭素数5~10、より好ましくは炭素数6~10である。R1及びR2の有機基は、炭化水素基が好ましく、より好ましくはアルキル基である。
また、具体的なグリコールエステルとしては、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,2-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,2-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレートなどが挙げられる。
また、多塩基性有機酸エステルとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の炭素数4~12の二塩基性有機酸と、炭素数4~10のアルコールとのエステル化合物が挙げられる。炭素数4~10のアルコールは、直鎖でもよいし、分岐構造を有していてもよいし、環状構造を有してもよい。
具体的には、セバシン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、ジ-(2-ブトキシエチル)アジペート、ジブチルカルビトールアジペート、混合型アジピン酸エステルなどが挙げられる。また、油変性セバシン酸アルキドなどでもよい。混合型アジピン酸エステルとしては、炭素数4~9のアルキルアルコール及び炭素数4~9の環状アルコールから選択される2種以上のアルコールから作製されたアジピン酸エステルが挙げられる。
有機リン系可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等のリン酸エステルなどが挙げられる。
可塑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤は、上記したなかでも、ジ-(2-ブトキシエチル)アジペート(DBEA)、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)及びトリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエートから選択されることが好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)及びトリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエートから選択されることがより好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジ-2-エチルブチレートから選択されることが更に好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートが特に好ましい。
[その他の添加剤]
本発明の樹脂フィルムは、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。本発明の樹脂フィルムは、これら添加剤を含有することで、耐久性が高められ、太陽光などの光照射環境下で長期間使用した後においても画像表示が良好になる。耐久性をより高める観点から、樹脂フィルムは、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を少なくとも含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。
また、上記添加剤は、少なくとも光拡散層に含有させとよいが、光拡散層に加えて、他の樹脂層(例えば、第2の樹脂層、又は第2及び第3の樹脂層)にも含有させることも好ましい。
また、光拡散層は、上記の中でも紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。また、光拡散層に加えて、他の樹脂層(例えば、第2の樹脂層、又は第2及び第3の樹脂層)も、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、マロン酸エステル骨格を有する化合物、シュウ酸アニリド骨格を有する化合物、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物、トリアジン骨格を有する化合物、ベンゾエート骨格を有する化合物、ヒンダードアミン骨格を有する化合物等を使用できる。これらのなかでは、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物(ベンゾトリアゾール系化合物)が好ましい。
紫外線吸収剤は、太陽光などに含まれる紫外線を吸収して、太陽光などの照射により樹脂フィルムが劣化することを防止して、耐久性を向上させる。
ベンゾトリアゾール系化合物の好ましい具体例としては、以下の一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022189700000002

(式(1)において、Rは、水素原子、炭素数が1~8のアルキル基、又は炭素数4~20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1~8のアルキル基を表す。Xはハロゲン原子又は水素原子である。Y及びYはそれぞれ独立に水酸基又は水素原子であり、Y及びYの少なくともいずれか1つが水酸基である。)
式(1)において、R、Rのアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。アルコキシカルボニルアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。R、Rとして、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。Rは、これらに加えて、メトキシカルボニルプロピル基、オクチルオキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。なかでも、Rは、水素原子又はアルキル基、特に、水素原子、メチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、オクチル基であることが好ましい。RとRとは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Xのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。
及びYはいずれか一方のみが水酸基でもよいし、両方が水酸基でもよい。また、Yが少なくとも水酸基であることが好ましい。
また、式(1)で示される化合物の具体例としては、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、3-[3-tert-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、3-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチル、2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
各樹脂層(例えば、光拡散層、第2及び第3の樹脂層)における紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上2質量部以下であることが好ましい。0.01質量部以上とすることで、太陽光に含まれる紫外線によって各樹脂層が劣化することを適切に防止でき、耐久性を高めることができる。また、2質量部以下とすることで、紫外線吸収剤により、樹脂層に色目がついたりすること防止でき、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
紫外線吸収剤の上記含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上1.1質量部以下が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン酸系化合物、硫黄系化合物などが挙げられる。酸化防止剤は、樹脂フィルムが酸化劣化することを防止して、耐久性を向上させる。上記の中では、耐久性を向上させる観点から、フェノール系化合物が好適である。
上記フェノール系化合物は、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及びビス(3,3’-t-ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
上記リン酸系化合物は、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリデシルフォスファイト、2-エチル-2-ブチルプロピレン-4,6-トリ第三ブチルフェノールホスファイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、トリス[2-第三ブチル-4-(3-第三ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル]ホスファイト等が挙げられる。
上記硫黄系化合物は、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類や、ペンタエリスリトールテトラ(β-ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
各樹脂層(例えば、光拡散層、第2及び第3の樹脂層)における酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上2質量部以下であることが好ましい。0.01質量部以上とすることで、樹脂フィルムの酸化劣化を適切に防止でき、耐久性を高めることができる。また、2質量部以下とすることで、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
紫外線吸収剤の上記含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.04質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましく、0.06質量部以上1.1質量部以下が更に好ましい。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤であることが好ましい。光安定剤は、太陽光などに含まれる紫外線などの照射により樹脂フィルムが劣化することを防止する。
上記ヒンダードアミン光安定剤としては、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基、アルコキシ基又は水素原子が結合しているヒンダードアミン光安定剤等が挙げられる。劣化をより一層抑える観点からは、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基又はアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤が好ましい。上記ヒンダードアミン光安定剤は、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基が結合しているヒンダードアミン光安定剤であることが好ましく、ピペリジン構造の窒素原子にアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤であることも好ましい。
光安定剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、BASF社製「Tinuvin765」及び「Tinuvin622SF」、並びにADEKA社製「アデカスタブ LA-52」等が挙げられる。
また、上記ピペリジン構造の窒素原子にアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、BASF社製「TinuvinXT-850FF」及び「TinuvinXT-855FF」、並びにADEKA社製「アデカスタブ LA-81」等が挙げられる。
上記ピペリジン構造の窒素原子に水素原子が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、BASF社製「Tinuvin770DF」、及びクラリアント社製「Hostavin N24」等が挙げられる。
各樹脂層(例えば、光拡散層、第2及び第3の樹脂層)における光安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上0.5質量部以下であることが好ましい。0.001質量部以上とすることで、樹脂フィルムの紫外線などによる劣化を適切に防止でき、耐久性を高めることができる。また、0.5質量部以下とすることで、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
光安定剤の上記含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.005質量部以上0.4質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上0.2質量部以下がより好ましい。
樹脂フィルムを構成する各樹脂層は、必要に応じて、上記添加剤以外にも、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、結晶核剤、カルボン酸金属塩、遮熱材料等を適宜含有してもよい。
[樹脂フィルムの製造方法]
樹脂フィルムは、各層を形成するための樹脂組成物を得て、樹脂組成物から樹脂フィルムを構成する各層(第1の樹脂層、第2の樹脂層、第3の樹脂層など)を成形し、必要に応じて各層を積層して一体化させることで製造できる。また、複数層の場合には、共押出などにより樹脂フィルムを構成する各層を成形しつつ各層を積層して一体化することで製造してもよい。
各層を形成するための樹脂組成物は、公知の方法で熱可塑性樹脂、必要に応じて配合される、光拡散粒子、可塑剤、その他の添加剤などの樹脂組成物を構成する成分を混練装置などにより混合して得るとよい。例えば、共押出機などの押出機を用いて、樹脂フィルムを構成する各層を成形する場合には、押出機にて樹脂組成物を構成する成分を混合するとよい。
<合わせガラス>
本発明は、さらに合わせガラスを提供するものである。本発明の合わせガラスは、一対のガラス部材と、一対のガラス部材の間に配置される樹脂フィルムとを備える。樹脂フィルムは、合わせガラス用中間膜として使用されるとよく、一対のガラス部材は、樹脂フィルムを介して接着されればよい。なお、合わせガラスにおける樹脂フィルムの構成は、上記で説明したとおりであるので、その説明は省略する。合わせガラスは、後述する通り典型的にはスクリーンとして使用される。
合わせガラスにおいて、各ガラス部材は、樹脂フィルム10の両表面それぞれに積層されている。例えば、図1に示すように、単層の第1の樹脂層11を有する樹脂フィルム10では、第1の樹脂層11の両表面にガラス部材21、22それぞれが積層されるとよい。図2に示すように、第1の樹脂層11と第2の樹脂層12を有する樹脂フィルム10では、第2の樹脂層12の表面に一方のガラス部材21が、第1の樹脂層11の表面に他方のガラス部材22が積層されるとよい。図3に示すように、第1~第3の樹脂層11、12、13を有する樹脂フィルム17では、第2の樹脂層12の表面に一方のガラス部材21が積層され、第3の樹脂層13の表面に他方のガラス部材22が積層されるとよい。
(ガラス部材)
合わせガラスで使用するガラス部材としては、ガラス板を使用すればよい。ガラス板は、無機ガラス、有機ガラスのいずれでもよいが、無機ガラスが好ましい。無機ガラスとしては、特に限定されないが、クリアガラス、クリアフロートガラス、フロート板ガラス、強化ガラス、着色ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、紫外線吸収板ガラス、赤外線反射板ガラス、赤外線吸収板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。
また、有機ガラスとしては、一般的に樹脂ガラスと呼ばれるものが使用され、特に限定
されないが、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板、ポリエステル板などから構成される有機ガラスが挙げられる。
2枚のガラス部材は、互いに同種の材質から構成されてもよいし、別の材質から構成されてもよい。例えば、一方が無機ガラスで、他方が有機ガラスであってもよいが、2枚のガラス部材の両方が無機ガラスであるか、又は有機ガラスであることが好ましい。
上記ガラス部材それぞれの厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以上5mm以下、より好ましくは0.7mm以上3mm以下である。
合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、2枚のガラス部材の間に、樹脂フィルムを挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバッグに入れて減圧吸引したりして、2枚のガラス部材と樹脂フィルムとの間に残留する空気を脱気する。その後、約70~110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120~150℃及び1~1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。また、上記合わせガラスの製造時に、例えば複数の樹脂層を積層して一体化して、樹脂フィルムを成形しながら合わせガラスを製造してもよい。
[スクリーン]
本発明の一実施形態において、樹脂フィルムは、スクリーンに使用される。スクリーンは、画像表示用スクリーンである。具体的には、プロジェクターなどを構成する光源装置からの光が合わせガラスの一方の面に照射され、その照射された光が、樹脂フィルムにて拡散して、スクリーン上にて画像として表示されるとよい。スクリーンは、好ましくは上記した合わせガラスであるが、上記した樹脂フィルムを備える限り合わせガラスである必要はない。スクリーンは、例えばガラス部材の一方の面に樹脂フィルムが接着され、該樹脂フィルムが別のガラス部材に接着しない、いわゆる外貼りのスリーンでもよい。合わせガラス以外のスリーンにおいても、ガラス部材は、上記で説明したガラス部材と同様のものが使用されてもよい。
画像表示スクリーンは、背面投射型であってもよいし、正面投射型であってもよいが、背面投射型であることが好ましい。背面投射型として使用することで、高コントラストの画像表示を実現しやすくなる。
なお、背面投射型の画像表示スクリーンは、合わせガラスの一方の面に光源装置からの光を照射し、かつ合わせガラスの他方の面から画像観察を行わせるスクリーンである。また、正面投射型の画像表示スクリーンは、合わせガラスの一方の面に光源装置からの光を照射し、かつ合わせガラスの一方の面(すなわち、光源装置からの光が照射された面)から、画像観察を行わせるスクリーンである。
本発明のスクリーンは、一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上であるとよい。上述の最大値と最小値との比が0.1未満であると、スクリーンを拡散透過した光における他方の面に対して垂直な方向と成す角度が大きな方向の輝度が小さくなるので、スクリーンに表示される画像のコントラストが低くなる。そのため、様々な角度から鮮明に表示される画像を視認することが難しくなる。また、上述の最大値と最小値との比が0.1未満であると、画像を表示していないときのスクリーンのヘイズが高くなる。
このような観点から、上述の最大値と最小値との比は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.4以上である、さらに好ましくは0.6以上であり、よりさらに好ましくは0.7以上である。また、上述の最大値と最小値との比の範囲の上限値は、通常1.0である。
なお、輝度測定時のソーラーシミュレーターの出力は最大出力の30%とする。
スクリーンに使用される上記樹脂フィルムにおける光拡散粒子の種類、光拡散粒子の含有量、熱可塑性樹脂の種類などを選択することにより、上述の最大値と最小値との比を0.1以上とすることができる。
また、本発明のスクリーンにおいて、一方の面に対して垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、スクリーンの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が45°の方向から測定された輝度の好適値は、上記2枚の基準ガラスを樹脂フィルムを介して接着させて作製された合わせガラスにおいて述べた好適値と同じである。また、スクリーンの透過率及びヘイズ値についての好適値は、上記2枚の基準ガラスを樹脂フィルムを介して接着させて作製された合わせガラスにおいて述べた値と同じであり、これら記載についても省略する。なお、スクリーンの透過率は、JIS R3212(2015)に準拠して、測定することで求めることができ、ヘイズ値はJIS K6714に準拠して測定できる。
なお、輝度測定時のソーラーシミュレーターの出力は最大出力の30%とする。
本発明は、上記のように合わせガラスを画像表示用のスクリーンとして使用した画像表示システムも提供する。画像表示システムは、上記した合わせガラスと、合わせガラスの一方の面に、光を照射する光源装置とを備え、光源装置からの光によって合わせガラスに画像を表示する。画像表示システムは、上記の通り、背面投射型でも、正面投射型のいずれでもよいが、背面投射型であることが好ましい。
以下、背面投射型の画像表示システムの一実施形態について、図4を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る画像表示システム30は、合わせガラス31と、光源装置32とを備える。合わせガラス31は、上記した合わせガラスのいかなる構造を有するものでもよい。画像表示システム30は、光源装置32が合わせガラス31の一方の面(背面31B)に光を照射し、その照射した光により合わせガラス31の他方の面(前面31F)から画像を表示させる。前面31F側に表示された画像は、合わせガラス31の前方に居る観察者OBによって視認される。前面31Fから表示される画像は、動画などの映像でもよいが、静止画や、文字、アイコン、商標などからなるメッセージ、ロゴなどでもよく、特に限定されない。
光源装置32は、背面投射型の画像表示システムに従来使用されている光源を用いることができ、例えば、映像などの各種画像を映し出すことが可能なプロジェクターを使用する。プロジェクターとしては、いわゆるDLP(登録商標)プロジェクターとして知られる、デジタルミラーデバイスを用いた映像表示システムなどを使用することが好ましい。
また、固定アイコン、固定メッセージなど、映し出す画像を変化させずに表示させる場合には、プロジェクターを使用する必要はなく、画像に応じた一定の光を合わせガラス31に照射する光源装置を使用してもよい。
なお、背面投射型において、合わせガラス31に照射される光は、表示画像に対して、左右反転した画像に対応した光である。左右反転した画像に対応した光を照射する方法は、特に限定されず、画像信号を調整することで左右反転させてもよいし、反転ミラーなどを使用してもよい。
画像表示システム30において、光源装置32から発せられた光は、合わせガラス31に直接照射されてもよいが、反射ミラー、反転ミラーなどの光学部材を介して合わせガラス31に照射されてもよい。
本発明の樹脂フィルム及び合わせガラスは、様々な分野で使用でき、例えば各種の窓ガラスに使用する。より具体的には、自動車、鉄道車輌、航空機、船舶などの乗り物用窓ガラス、又は建築用窓ガラスなどに使用可能である。樹脂フィルム又は合わせガラスは、各種の窓ガラスに使用することで、窓ガラスに映像、メッセージ、ロゴなどの各種画像を表示できる。また、家庭用電気機器などの各種の電気機器のディスプレイとし使用してもよい。これらの中では、窓ガラスに使用することが好ましく、自動車の窓ガラスに使用することがより好ましい。自動車の窓ガラスとしては、上記の通り、透過率を高くできることから、フロントガラス、サイドガラス、リアガラスのいずれにも使用することができる。
例えば、建築用窓ガラスに使用する場合には、建築物内部に光源装置を設置し、窓ガラスの内側の表面に光源装置からの光を照射して、窓ガラスの外側の面に、各種の画像を表示するとよい。同様に、乗り物用窓ガラスに使用する場合には、乗り物内部に光源装置を設置し、窓ガラスの外側の面に各種の画像を表示するとよい。
また、建築、乗り物用の窓ガラスの外側の面に光源装置からの光を照射して、窓ガラスの内側の面に画像を表示してもよい。具体的には、自動車のボンネット、トランクなどに光源装置を設置して、フロントガラス、サイドガラス、リアガラスなどに外側から光を照射して、これらガラスの内側の面に画像を表示してもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各種物性の測定及び評価は、以下のように行った。
[各樹脂層の厚み]
各樹脂層の厚みは、オリンパス社製マイクロスコープ「DSX500」を用いて、10点平均によりにより測定した。
[光拡散層の最大厚み及び最小厚み]
光拡散層について、MDに沿って5cm間隔でオリンパス社製マイクロスコープ「DSX500」を用いて厚みを測定して、その最大値及び最小値をそれぞれ光拡散層の最大厚み及び最小厚みとした。
[光拡散粒子の平均粒子径]
光拡散粒子の平均粒子径は、堀場製作所社製「LA-960」を用いて、レーザー回折/散乱法により測定した。
[透過率]
各実施例、比較例で得た合わせガラスの透過率は、JIS R3212(2015)に準拠して分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて可視光線透過率を測定した。
[ヘイズ値]
各実施例、比較例で得たヘイズ値はJIS K6714に準拠して、村上色彩社製HAZE METER「HM-150N」を用いて測定した。
[輝度]
暗室下にて、図5に示すように、ソーラーシミュレーター(朝日分光社製、「HAL-320W」)の出射端50を、合わせガラス51の一方の面51Aに対して垂直方向に30cm(距離L1)離れた位置に配置し、合わせガラス51にソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射した。合わせガラス51の他方の面51Bの測定位置からの距離L2が35mとなる位置に配置した輝度計52(トプコンテクノハウス社製、「SR-3AR」)によって、合わせガラス51の他方の面51Bにおける輝度を測定した。なお、測定位置は、照射された光の光束中心と一致する位置であり、また、輝度は、他方の面51Bの垂直方向に対する角度θが30°、45°、60°及び75°となる位置から輝度計52によってそれぞれ測定した。
なお、輝度測定時のソーラーシミュレーターの出力は最大出力の30%とした。
[表示画像のコントラスト]
各実施例、比較例で得られた合わせガラスの一方の面に、プロジェクター(RICOH社製、商品名「IPSiO PJ X3241N」)から映像を照射して、合わせガラスを他方の面から観察した。そのとき、映像が鮮明に見えた場合を「〇」と評価し、映像が不鮮明に見えた場合を「×」と評価した。
各実施例、比較例で使用した成分は、以下のとおりである。
(ポリビニルアセタール樹脂)
PVB1:ポリビニルブチラール樹脂、平均重合度1700、水酸基量30.5mol%、アセチル化度1mol%、アセタール化度68.5mol%
PVB2:ポリビニルブチラール樹脂、平均重合度3000、水酸基量24mol%、アセチル化度12mol%、アセタール化度64mol%
(可塑剤)
3GO:トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、
(光拡散粒子)
銀ナノ粒子:銀粒子をコアとする、コア-シェル構造を有する粒子(Lux Labs, Inc.製「銀ナノ球体」)
[実施例1]
(樹脂フィルムの作製)
共押出機において、ポリビニルアセタール樹脂としてのPVB1を100質量部と、可塑剤としての3GOを40質量部と、光拡散粒子としての銀ナノ粒子とを混練して、第1の樹脂層用の樹脂組成物を得た。ここで、銀ナノ粒子は、第1の樹脂層全量に対する含有量が0.0015質量%となるように加えた。また、共押出機において、ポリビニルアセタール樹脂としてのPVB1を100質量部と、可塑剤としての3GOを40質量部とを混練し、第2及び第3の樹脂層用の樹脂組成物を得た。
上記共押出機において、得られた第1~第3層用の樹脂組成物を共押出することにより、厚み325μmの第2の樹脂層、厚み110μmの第1の樹脂層、及び厚み325μmの第3の樹脂層からなる3層構造の樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムのサイズは、30cm×30cmであった。
(合わせガラスの作製)
JIS R3202(2011)に準拠した、2枚のクリアガラス(縦5cm×横5cm×厚み2.5mm、可視光透過率90.4%、セントラル硝子社製)と、5cm×5cmの樹脂フィルムとを用意し、樹脂フィルムを2枚のクリアガラスで挟み込み、積層体を得た。この積層体をゴムバッグ内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブン内に移し、更に90℃で30分間保持して真空プレスし、積層体を仮圧着した。オートクレーブ中で135℃及び圧力1.2MPaの条件で、仮圧着された積層体を20分間圧着し、ガラス板/第2の樹脂層/第1の樹脂層/第3の樹脂層/ガラス板からなる合わせガラスを得た。
[実施例2]
可塑剤の配合量を40質量部から60質量部に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
[比較例1]
樹脂フィルムとして、スクリーン用透明フィルム(商品名「KALEIDO SCREEN」、ENEOS株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
Figure 2022189700000003

※表1における「部数/phr」は、各樹脂層におけるポリビニルアセタール樹脂100質量部に対する含有量(質量部)である。
※表1における「部数/wt%」は、光拡散粒子の光拡散層における含有量(質量%)である。
以上のように、各実施例では、特定の光拡散粒子を使用した。そして、合わせガラスの一方の面に対して垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、合わせガラスを拡散透過した光における他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向の輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上となるように調整した。その結果、合わせガラスのヘイズを低くしながら、画面表示のコントラストを高くすることできた。
それに対して、比較例の合わせガラスは、光拡散粒子を含有するものの、上述の最大値と最小値との比が0.1以上となるように調整されていないので、合わせガラスのヘイズを低くしながら、画面表示のコントラストを高くすることできなかった。
10、16、17 樹脂フィルム(合わせガラス用中間膜)
11 第1の樹脂層(光拡散層)
12 第2の樹脂層
13 第3の樹脂層
21、22 ガラス部材
25、26、27、31 合わせガラス(スクリーン)
30 画像表示システム
32 光源装置
OB 観察者

Claims (12)

  1. 光拡散粒子と熱可塑性樹脂とを含む光拡散層を備える樹脂フィルムであって、
    2枚の厚さ2.5mmの基準ガラスを前記樹脂フィルムを介して接着させて得た合わせガラスの一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、前記合わせガラスの他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である、樹脂フィルム。
  2. 前記樹脂フィルム100質量%中、前記光拡散粒子の含有量が、0.00001質量%以上1質量%以下である請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記光拡散層に含有される熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. 前記光拡散層が可塑剤をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  5. 各層が熱可塑性樹脂を備える3層以上の樹脂層を備え、
    前記3層以上の樹脂層が、前記光拡散層と、第2及び第3の樹脂層を含み、
    前記光拡散層が、前記第2及び第3の樹脂層の間に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  6. 前記第2及び第3の樹脂層が可塑剤をさらに含み、
    前記光拡散層における熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量が、前記第2及び第3の樹脂層それぞれにおける熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量よりも多い請求項5に記載の樹脂フィルム。
  7. 前記第2及び第3の樹脂層それぞれに含有される熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である請求項5又は6に記載の樹脂フィルム。
  8. 前記光拡散粒子が銀ナノ粒子である、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  9. 前記光拡散層の厚みを面方向に沿う一方向に5cm間隔で測定した際、前記光拡散層の最大厚みと最小厚みとの差が40μm以下である請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  10. 合わせガラス用中間膜である、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂フィルムと、一対のガラス部材とを備え、前記樹脂フィルムが一対のガラス部材の間に配置される合わせガラス。
  12. 一方の面に対して、垂直な方向からソーラーシミュレーターによる疑似太陽光を照射したとき、他方の面に対して垂直な方向と成す角度が30°、45°、60°及び75°の方向から測定された輝度のうち最大値と最小値との比が0.1以上である、スクリーン。
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