JP6089605B2 - スクリーン及びスクリーンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、映写機から投射された映像光を視認可能に表示するスクリーン及び該スクリーンの製造方法に関する。
通常、映写機から投射された映像光を視認可能に表示するスクリーンは、反射型、透過型を問わず映写機から投射された映像光を表示することを目的としており、観察者からみてスクリーンの反対側(背面側)を観察することができない。透過型のスクリーンでは背面から投射された映像光を観察者側(正面側)に透過することにより映像を表示するので背面側からの光を透過することは可能である。しかしながらこのような透過型のスクリーンでは、映像光の視野角を広げること等を目的として表面に凹凸が設けられたり、光散乱層が設けられたりしており、光の透過は可能であるが背面側の様子を観察することはできない。
特許文献1には、スクリーン面に沿って1次元又は2次元方向に多数並べて配列され、光を透過可能な単位形状と、単位形状が並ぶ間に形成され、光を吸収する光吸収部と、少なくとも単位形状の裏面側に設けられ、単位形状を通過した前記映像光を反射し、かつ、映像光が投影される投影側とは反対側である裏面側からの光を透過可能な反射透過層と、を備える半透過型反射スクリーンが開示されている。また、特許文献2には、光を透過可能であり、略平行平板状に形成された基材層と、基材層の映像源側とは反対側である裏面側に突出してスクリーン面に沿って1次元又は2次元方向に多数並べて配列され、光を透過可能な単位形状と、単位形状の裏面側頂部に設けられ、単位形状を通過した映像光を反射する反射層と、を備え、単位形状は、隙間を空けて配列されており、単位形状同士が配列される間には、基材層又は基材層と平行な平面が露出した状態となっている背景透過部が設けられている半透過型反射スクリーンが開示されている。これらのスクリーンによれば、前方からの映像光を反射面により反射させて観察可能としながらも、裏面側の背景を前方から観察することができる。
特開2006−243693号公報 特開2006−337944号公報
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示されているような従来のスクリーンでは、背面側から正面側に光が透過したとき、画面に虹状の色ムラが生じることがあった。
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、虹状の色ムラの発生を抑制できるスクリーン及び該スクリーンの製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンであって、透光性を有するシート状の基材層と、基材層の一方の面に形成された、光を散乱する光散乱層と、を備え、光散乱層が、基材層上に間隔を有して複数並列され、基材層側の面とその反対側の面とが平行である、光を透過する光透過部と、複数の光透過部間に配置され、光を散乱する部材が分散されて光を散乱する光散乱部と、を有し、複数の光透過部の並列方向に平行な厚さ方向断面において、光透過部と光散乱部との界面が曲線又は折れ線状である、スクリーンである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスクリーンにおいて、光散乱部の並列ピッチが100μm以上である。
本発明において「光散乱部の並列ピッチ」とは、光散乱層の平面視において、光散乱部の並列方向の一方から見たときに、一の光散乱部の該一方の端部と、該一の光散乱部と隣合う他の光散乱部の該一方の端部との距離を意味する(図3のp、図5のP1〜P6参照)。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスクリーンにおいて、光散乱層が、並列ピッチが異なる光散乱部を有する。
「並列ピッチが異なる」とは、一の光散乱部とこれに隣合う光散乱部との並列ピッチと、他の光散乱部とこれに隣合う光散乱部の並列ピッチと、が異なることを意味する(図5のP1〜P6参照)。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光散乱部が白色又は銀色の顔料を含有して散乱反射により光を散乱する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のスクリーンにおいて、顔料が導電性を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光散乱部が透明な樹脂と、該透明な樹脂とは屈折率が異なる粒子状の光散乱剤と、を含み、光散乱部中を光が透過することにより光を散乱する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光透過部及び光散乱部が、スクリーンが鉛直に配置された姿勢で所定の断面を有して水平方向に延びる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光透過部及び光散乱部が、所定の断面を有して円弧状に延びる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光散乱部が格子状に形成されている。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光透過部と光散乱部との界面に黒化層が形成されている。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のスクリーンにおいて、光透過部が光を散乱させることなく透過する。
本発明において「光を散乱させることなく透過する」とは、光を散乱させる材料等を意図的に添加することなく形成されていることを意味し、光が透過するときに不可避的に若干の散乱が生じることは許される。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、基材層上に光透過部が所定の間隔で形成された中間シートに、光散乱部となるべき組成物を過剰に供給し、ブレードにより組成物を掻き取ることにより該組成物を光透過部間に充填させる工程を具備する、スクリーンの製造方法である。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、光散乱部の凹凸形状に対応した溝を有する金型に光散乱部となるべき組成物を過剰に供給し、ブレードにより組成物を掻き取るとともに溝に該組成物を充填させる工程と、金型に基材層を接触させて該組成物を硬化させて基材層上に光散乱部を形成した中間シートを作製する工程と、中間シートに光透過部となるべき組成物を供給して光透過部を形成する工程と、を含む、スクリーンの製造方法である。
本発明によれば、虹状の色ムラの発生を抑制できるスクリーン及び該スクリーンの製造方法を提供することができる。
スクリーン100を説明する斜視図である。 スクリーン100の断面を示し、層構成を模式的に表した図である。 スクリーン100の光散乱層を拡大して示した図である。 図4(a)は光散乱層114aを拡大して示した図である。図4(b)は光散乱層114bを拡大して示した図である。 光散乱層114cの断面図である。 スクリーン100の光散乱層の製造過程の一場面を表した図である。 光散乱層114’を拡大して示した図である。 スクリーン200の断面を示し、層構成を模式的に表した図である。 スクリーン200の光散乱層の製造過程の一場面を表した図である。 スクリーン300の形態を説明する図である。 スクリーン400の形態を説明する図である。 スクリーン500を説明する斜視図である。 スクリーン500の断面を示し、層構成を模式的に表した図である。 スクリーン600の断面を示し、層構成を模式的に表した図である。 スクリーン700の形態を説明する図である。 スクリーン800の形態を説明する図である。 光散乱層114cを拡大して示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は当該実施形態に限定されるものではない。また、以下に示す各図では、分かりやすさのため形状を誇張して記載することがあり、見やすさのため繰り返しとなる符号は省略することがある。
[反射スクリーン]
図1はスクリーン100の斜視図であり、映写機10と併せて示した。本実施形態のスクリーン100は、反射型のスクリーンのうち、常設されるタイプのもの(固定型反射スクリーン)である。従って、図1からわかるようにスクリーン100はAで表した観察者の側が正面となり、正面側に映写機10が設置され、これとは反対側(背面側物体Bが存在する側)が背面側となる。
図2は、スクリーン100を設置した姿勢(すなわち、スクリーン面を鉛直に立てた姿勢)において図1にII−IIで示した線に沿った鉛直方向におけるスクリーン100の厚さ方向断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。
スクリーン100は、背面側からパネル111、該パネル111に貼合された積層体112を備えている。そして積層体112は、背面側から接着層113、基材層117、光散乱層114、接着層118、及びハードコート層119を備えている。以下、スクリーン100を構成するこれらの構成要素について説明する。図2では、図2の紙面左が背面側、紙面右が正面側(観察者側)、紙面上方が天、紙面下方が地となる。
パネル111は、ガラスパネルや樹脂パネル等、透光性を有する板状のパネルである。従って、パネル111を構成する部材としては公知の板ガラスや樹脂パネルを用いることができる。これにより固定型のスクリーンとして安定した設置が可能となる。
接着層113は、パネル111に積層体112を接着するための層である。接着層113に用いられる材料としては、上記の目的を果たせて透光性を備えている各種材料を用いることができる。これには例えば公知の粘着剤、接着剤、紫外線硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤を挙げることができる。ただし、接着層113を構成する材料は、スクリーン100の性質上、透光性に加えて耐候性にも優れることが好ましい。また、紫外線による劣化防止のため、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
接着層113の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。接着層113が薄過ぎるとパネル111と積層体112との密着性が低下する虞がある。また、接着層113が厚過ぎると接着層113の厚さを均一にすることが困難になる。
次に、基材層117について説明する。基材層117は、後に詳述する光散乱層114を形成するための基材となる層である。従って、基材層117は透光性を有するとともに光散乱層114の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層117を構成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分(50質量%以上。以下、同じ。)とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
基材層117の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層117の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。例えば、基材層117が薄過ぎればしわが生じやすくなる。また、基材層117が厚過ぎれば、スクリーン100を製造する工程のうち中間工程において巻き取りが困難になる。
ここで基材層114の屈折率は後述する光散乱層114の光透過部115の屈折率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし両者間で屈折率差があるとその界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
次に、光散乱層114について説明する。光散乱層114は光透過部115及び光散乱部116を有し、図2に示した断面を有して図1に破線で表したように延在する。すなわち、図2に表れる断面を有して光透過部115及び光散乱部116がスクリーン面に沿った一方向(本実施形態では水平方向)に延びるように配置されるとともに、該一方向とは異なる方向のスクリーン面に沿って(本実施形態では鉛直方向)複数の光透過部115が配列されている。一方、光散乱部116は光透過部115の間に配置されている。図3には光散乱層114の一部を拡大した図を示した。
光透過部115は、光を透過する部位であり、光透過部115のうち基材層117側の面とその反対側面(接着層113側の面)とは平行に形成されている。これによって、後に説明するようにスクリーン100を通して背面側の景色がさらに見やすくなる。好ましくは、光透過部115は光を散乱させることなく透過する。なお、「光を散乱させることなく透過する」とは、光と散乱させる材料等を意図的に添加することなく形成された部位であることを意味し、材料中を光が透過するときに不可避的に散乱が生じることは許容される。
光透過部115を構成する材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
光散乱部116は、隣り合う2つの光透過部115間の凹部(溝)に形成される部位である。光散乱部116は、光透過部115間の凹部(溝)に光散乱部116を構成する材料が充填されることにより形成されている。従って、光散乱部116も当該凹部に基づいた断面を具備している。
光散乱部116は、ここに照射された光を散乱反射することができるように構成された部分である。そのため、光散乱部116には光を散乱反射させるための材料が充填されている。光を散乱反射ための材料は特に限定されることはないが、例としては、白色顔料や銀色顔料等の光散乱剤を混ぜた硬化性樹脂や粘着剤が挙げられる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が挙げられる。銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロムなどの金属が挙げられる。これにより効率よく光を散乱反射させることができる。また、上記硬化性樹脂としては光透過部115を構成する材料と同様のものを用いることができる。
また、光散乱部116を透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料で構成してもよい。透明なバインダー樹脂としては光透過部115と同様なものを用いることができる。一方、当該透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、ガンツ化成株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
なお、光散乱部116の屈折率は光透過部115の屈折率と同じであることが好ましい。これにより光透過部115と光散乱部116との界面における屈折、及びこれによる波長分散を防止することができ、画面に観察される虹状のムラ(模様)の発生を抑制できる。
また、光散乱部116には導電性を有する材料を用いることもできる。これによればいわゆるタッチパネルとして構成することが可能となり、その機能を付加することが可能である。光散乱部116に導電性を付与するための手段は特に限定されることはないが、光を散乱反射するための材料に金属等の導電性の材料を用いることを挙げることができる。
さらに、本実施形態では光散乱部116は次のような特徴を有する構成を備えている。図2〜図4を参照しつつ説明する。
図2及び図3に表れる断面(光透過部115の並列方向に平行なシート厚方向断面)において、光透過部115と光散乱部116との界面は折れ線状になっている。ただし、本発明はかかる形態に限定されず、厚さ方向断面において光透過部と光散乱部との界面が曲線または折れ線状であればよい。すなわち、図4(a)及び図4(b)に例示したような形態であってもよい。図4(a)は光散乱層114の変形例にかかる光散乱層114aの一部を拡大した図であり、図3に相当する図である。光散乱層114aは光透過部115との界面が階段状に形成された光散乱部116aを備えている。一方、図4(b)は光散乱層114の変形例にかかる光散乱層114bの一部を拡大した図であり、図3に相当する図である。光散乱層114bは光透過部115との界面が光散乱層114bの内側に凸となる曲線状に形成された光散乱部116bを備えている。
本発明者は、スクリーンの背面側から光が透過した際に該スクリーンの画面(表面)に虹状の色ムラが発生する原因は、回折現象であることを知見した。上述したように厚さ方向断面において光透過部と光散乱部との界面を曲線または折れ線状とすることによって、回折現象による虹状の色ムラの発生することを抑制できる。
なお、光散乱部で光を散乱反射させ易くするという観点からは、光散乱部と光透過部との界面を微小な凹凸が無数に形成された面であるマット面としてもよい。
光散乱部116の並列ピッチは特に限定されないが、20μm以上200μm以下であることが好ましい。光散乱部116の並列ピッチが狭すぎると、微細形状になるので加工が困難になる。一方、光散乱部116の並列ピッチが広すぎると、金型で成形する際に材料の離型性が低下する傾向にある。ただし、上述した回折現象に起因する虹状の色ムラの発生することを抑制する観点からは、光散乱部116の並列ピッチは100μm以上であることが好ましい。光散乱部116の並列ピッチを大きくすることによっても、上述した回折現象に起因する虹状の色ムラの発生することを抑制できる。また、上記虹状の色ムラの発生をより抑制しやすくする観点から、光散乱部同士の間隔がランダムであることが好ましい。光散乱部116同士の間隔がランダムであるとは、複数の隣り合う光散乱部116によって形成される複数の間隔の中に、幅の異なる間隔が含まれることを意味する。図5は光散乱層114の変形例にかかる光散乱層114cを示した図である。光散乱層114cは光散乱部116cの並列ピッチが光散乱部116の並列ピッチと異なる以外は、光散乱層114と同様である。図5に例示した形態では、光散乱部116cの並列ピッチP1〜P6の大きさが全て異なっている。このように光散乱部同士の間隔をランダムにすることによって、上述した回折現象に起因する虹状の色ムラの発生をより抑制しやすくする。
光散乱部116の断面のうち、基材層117とは反対側(本実施形態では観察者側)の幅は特に限定されないが、5μm以上150μm以下であることが好ましい。この幅が狭すぎると微細形状になるので加工が困難になる。一方、この幅が広すぎると金型で成形する際に材料の離型性が低下する傾向にある。
光散乱部116の厚さ方向の大きさ(図3の紙面左右方向)は特に限定されないが、10μm以上200μm以下であることが好ましい。光散乱層114が薄過ぎると光散乱部116の高さ(厚さ方向の大きさ)が不足して所望の光学的効果が低減してしまったり、光散乱部116の加工自体が困難になったりする虞がある。一方、光散乱層114が厚過ぎると逆に光散乱部116が高くなりすぎ、そのための金型の製造、及び金型からの材料の離型性が低下し、生産性が悪くなる虞がある。
図2に戻って、接着層118について説明する。接着層118は、ハードコート層119を基材層117の面のうち光散乱層114とは反対側の面に貼り付けるための層である。接着層118に用いられる材料としては、上記の目的を果たせて透光性を備えている各種材料を用いることができる。これには例えば公知の粘着剤、接着剤、紫外線硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤を挙げることができる。ただし、接着層118を構成する材料は、スクリーン100の性質上、透光性に加えて耐候性にも優れることが好ましい。また、紫外線による劣化防止のため、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
接着層118の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。接着層118が薄過ぎるとハードコート層119と光散乱層114との密着性が低下する虞がある。また、接着層118が厚過ぎると接着層118の厚さを均一にすることが困難になる。
ハードコート層119は、表面保護を目的として、スクリーン100のうちパネル111とは反対側の最表面に設けられる層である。ハードコート層119は透明な樹脂層として形成することができ、擦り傷、表面汚染に対する耐性の観点から、硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
ハードコート層119を構成する材料としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。当該電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどが挙げられる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
また、ハードコート層119には、耐汚染性向上の機能を追加してもよい。これは例えばシリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加することにより可能となる。さらにその他の機能として帯電防止性向上、撥水性向上の機能を有するものとしてもよい。
帯電防止性向上のために用いることができる材料としては、電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)とを共存)などが挙げられ、イオン導電タイプではリチウム塩系材料等が挙げられる。
また、撥水性向上のために用いることができる材料としては、フッ素系化合物等が挙げられる。
以上説明した構成を具備するスクリーン100は例えば次のようにして製造することができる。
スクリーン100は、パネル111に積層体112を貼合することによって製造することができる。積層体112は、例えば次のように作製することができる。
積層体112のうち、光散乱層114は金型ロールを用いる方法により形成する。すなわち、円筒状であるロールの外周面に光散乱層114の光透過部115の形状に対応した複数の溝が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層117となる基材を挿入する。このとき基材の一方の面には接着層113が予め形成されていることが好ましい。その際には、接着層113が他にくっついてしまわないように、接着層113の表面のうち基材と反対側の表面には剥離シートが付けられている。そして、基材のうち接着層113が配置されていない側の面と金型ロールとの間に光透過部115を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された溝内に光透過部115を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部115を構成する組成物としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。すなわち、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)を配合した光硬化型樹脂組成物を用いることができる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部116の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された光透過部115を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、光透過部115を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層117及び基材層117上に並列された光透過部115を離型する。
次に、複数の光透過部115間に形成された凹部に光散乱部116を形成する。図6にその過程の一場面を表した。上記した光散乱部116を構成する組成物120(電離放射線硬化性樹脂やその他公知の硬化性樹脂に、上記した光を反射して散乱する材料を所定の濃度で分散させた組成物)を光透過部115間の凹部115aに過剰に供給する。次いで、ブレード121により光透過部115の上面をスキージして余分な組成物を掻きとって除去するとともに、凹部115a内に組成物を充填する。
このようにして充填された組成物120に対して適切な硬化方法を適用して硬化性樹脂を硬化させる。これにより光散乱部116が形成され、光散乱層114となる。
次に、光散乱層114のうち基材層117とは反対側に、接着層118を介してハードコート層119を積層する。なお、接着層118が紫外線硬化樹脂、光硬化性樹脂等からなる場合には、積層後に紫外線又は光を照射して硬化させればよい。
以上のように作製した積層体112を接着層113によりパネル111に貼合することでスクリーン100を製造することができる。
スクリーン100には上記した各層のいずれかに、他の機能を付加させるための構成を備えてもよい。これには例えば、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、又は近赤外線吸収剤を添加し、紫外線吸収機能、熱線吸収機能、又は近赤外線吸収機能を備えさせることが挙げられる。
近赤外線吸収機能は、近赤外線吸収剤(近赤外線吸収色素)を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。近赤外線吸収色素としては、800nm以上1100nm以下の波長領域の光を吸収するものを用いることが好ましい。該波長領域の近赤外線の透過率が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。一方で、近赤外線吸収色素は可視光領域、即ち、380nm以上780nm以下の波長領域で、十分な透過率を有することが好ましい。
紫外線吸収機能は、以下に例示する紫外線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL、全てBASFジャパン株式会社製)や、トリアジン系紫外線吸収剤(TINUVIN 1577 ED、BASFジャパン株式会社製)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(CHIMASSORB 81、CHIMASSORB 81 FL、全てBASFジャパン株式会社製)、ベンゾエート系紫外線吸収剤(TINUVIN 120、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
熱線吸収機能は、以下に例示する熱線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。熱線吸収剤としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)又はスズドープ酸化インジウム(ITO)、フタロシアニン化合物等の金属酸化物超微粒子などが挙げられる。
次に、スクリーン100を図1のようにして設置したときの作用について説明する。図2に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。以下同様である。
映写機10(図1参照)から投射された映像光L101は、ハードコート層119、及び接着層118を透過して光散乱層114の光散乱部116に到達する。光散乱部116に到達した映像光L101は、光散乱部116によって散乱反射される。そして、散乱反射された光の一部が映写機10側、すなわち観察者側に向きが変えられる。そしてスクリーン100から出射して観察者に映像として提供される。
スクリーン100によれば、光散乱部116に達した映像光が吸収されることなく散乱反射されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機10からの映像光を効率よく観察者側に反射させて出射することが可能である。
一方、スクリーン100の背面側からスクリーン100を通過して観察者に達する光はL102による。すなわち、背面側からの光L102は光散乱部116に達することなくスクリーン100を透過して観察者に観察される。従って、基材層117の面(パネル111の面)に対して平行な面である光透過部115の基材層117側の面及びその反対側の面を介して背面側からの光が観察者に提供されるので、明確に明るくスクリーン100の背面側を観察することができる。
例えばこのようなスクリーン100を、これまでオフィス等で用いられていたスクリーンの代わりにする等、従来のスクリーン用途に用いることができる。これに加えその他にも、ガラス張りで店内を視認できる店舗のショーウィンドウのガラスにスクリーン100を適用し、スクリーン100に効果的な映像を投射すれば、映像と店内とをいずれも視認することができ、ディスプレイ効果を向上させることができる。
次に、変形例について説明する。図7にはスクリーン100の変形例を説明する図を示した。図7は当該変形例のうち光散乱層114’の一部を拡大した図であり、図3に相当する図である。図7からわかるように本変形例では光散乱部116’の背面側に黒色の層である黒化層116xが形成されている。
これによれば、さらに図7に示した光路例L104のような背面側からの外光を黒化層116xにて吸収することができるので、スクリーンに映像を表示するときにコントラストの向上を図ることができる。また、本例の場合、映像光はそのほとんどが黒化層116xに届く前に散乱反射されるので、映像光の吸収量は少ない。
黒化層116xは外光を吸収できる程度に黒い材料で構成されていればよい。また、黒化層116xと光散乱部116’との間には、金属(例えば、銅、アルミニウム、銀など)を含む層が形成されていてもよい。当該金属を含む層によって映像光を観察者側に反射させることができる。
次に、他の変形例について説明する。図8は変形例にかかるスクリーン200の層構成を説明する図であり、図2に相当する図である。スクリーン200では、積層体212において、基材層117の位置がスクリーン100の積層体112に対して異なるのみである。すなわち、スクリーン200では基材層117が光散乱層114の観察者側に配置される。このような構成でも光散乱層114の形態はスクリーン100と同じであるから、同様の効果を奏するものとなる。
スクリーン200のうち、光散乱層114は次のように製造することができる。図9(a)〜図9(c)にスクリーン200における光散乱層114の製造方法の一場面を説明する図を示した。
すなわち、光散乱部116の凹凸形状を形成可能な溝を有する金型を準備し、図9(a)に表れるように、該溝に光散乱部116となるべき組成物125を充填する。当該充填は、金型に対して組成物125を過剰に供給し、これをブレードによりスキージすることにより行うことができる。そして図9(a)に示したように金型に対して基材層117を接触させ、直線矢印で示した方向から光を当てる等して適切な硬化方法により組成物125を硬化させる。これを離型させると、図9(b)に表れているように基材層117上に光散乱部116が配列された中間シートを得ることができる。
次に、図9(c)に示したように、基材層117のうち光散乱部116が配置された側から光透過部115となるべき組成物を供給して光透過部115を形成する。これにより光散乱層114が形成される。
次に、他の変形例について説明する。図10は変形例にかかるスクリーン300の層構成を説明する図であり、図10(a)はスクリーン300の正面図、図10(b)は図10(a)にXb−Xbで示した線に沿った厚さ方向断面図である。
図10(b)からわかるように、スクリーン300の幅方向中央(図10(a)のXb−Xbの位置)における各層の形態はスクリーン100と同じである。しかしながら、スクリーン300では、図10(a)からわかるように、光散乱層314の光透過部315及び光散乱部316の長手方向に延びる形態が、スクリーン100の光散乱層114とは異なる。すなわち、光透過部315及び光散乱部316は正面視で円弧状に延びている。そして複数の光透過部315及び光散乱部316は同心円状に並べられている。
次に、他の変形例について説明する。図11は変形例にかかるスクリーン400について説明する図であり、図11(a)はスクリーン400の正面図、図11(b)はスクリーン400の鉛直方向における厚さ方向断面図、図11(c)はスクリーン400の水平方向における厚さ方向断面図である。図11(b)及び図11(c)ではいずれもハードコート層119が配置された側が観察者側である。
図11(a)からわかるように、スクリーン400では、光散乱層414において、水平方向に延びる光散乱部316及び鉛直方向に延びる光散乱部416が交差するように格子状に配置されている。そして光散乱部316及び光散乱部416に囲まれるように光透過部415が形成される。
ここで、水平方向に延びる光散乱部316は図11(b)からわかるように上記したスクリーン100の光散乱部116と同様の形態である。一方、鉛直方向に延びる光散乱部416は図11(c)からわかるように、スクリーン100の光散乱部116とは並列方向が異なる以外は同様の形態である。なお、光散乱部416に充填される材料は上記した光散乱部116と同様のものを適用することができる。
[透過スクリーン]
図12はスクリーン500の斜視図であり、映写機20と併せて示した。本実施形態のスクリーン500は、透過型のスクリーンのうち、常設されるタイプのもの(固定型透過スクリーン)である。従って、図12からわかるようにスクリーン500はAで表した観察者の側が正面側となり、これとは反対側である背面側(背面側物体Bが存在する側)に映写機20が設置される。
図13は、スクリーン500を設置した姿勢(スクリーン面を鉛直に立てた姿勢)において図12にXII−XIIで示した線に沿った鉛直方向におけるスクリーン500の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。
スクリーン500は、背面側からパネル111、及び該パネル111に貼合された積層体512を備えている。そして、積層体512は、背面側から接着層113、基材層117、光散乱層514、接着層118、及びハードコート層119を備えている。
従って、スクリーン500は上記説明したスクリーン100の光散乱層114の代わりに光散乱層514を適用した点で異なる。さらに詳しくは、スクリーン100の光散乱層114の光散乱部116に代えて光散乱部516を適用した点で相違する。従って、ここでは光散乱部516について説明する。
光散乱部516は、ここに照射された光を散乱させつつ透過することができるように構成されている。そのため、光散乱部516には光を透過しつつ散乱させるための材料が充填されている。
光散乱部516において光を透過しつつ散乱させる材料としては、例えば、透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料が好ましい。透明なバインダー樹脂としては、光散乱部116と同様に硬化性樹脂や粘着剤を用いることができる。
一方、透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、ガンツ化成株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。これにより効率よく光を透過散乱することができる。
なお、光散乱部516の屈折率は光透過部115の屈折率と同じであることが好ましい。これにより光透過部115と光散乱部516との界面における屈折、及びこれによる波長分散を防止することができ、画面に観察される虹状のムラ(模様)の発生を抑制できる。
光散乱部516のその他の構成は光散乱部116と同様である。
また、スクリーン500の製造方法についても、光散乱部516に充填すべき材料を上記のものに変更するのみでスクリーン100と同様の方法を適用することが可能である。
次に、スクリーン500を図12のようにして設置したときの作用について説明する。図13に模式的な光路例を示した。
映写機20(図12参照)から投射された映像光L501は、パネル111、接着層113及び基材層117を透過して光散乱層514の光散乱部516に到達する。光散乱部516に到達した映像光L501は、光散乱516の作用により透過散乱される。そして、散乱された光は、スクリーン500から出射して観察者に映像として提供される。このようにスクリーン500によれば効率よく映像を観察者に提供することが可能である。
スクリーン500の背面側からスクリーン500を通過して観察者に達する光はL502による。すなわち、背面側からの光L502は光散乱部516に達することなくスクリーン500を透過して観察者に観察される。従って、基材層117の面(パネル111の面)に対して平行な面である光透過部115の基材層117側の面及びその反対側の面を介して背面側からの光が観察者に提供されるので、明確に明るくスクリーン500の背面側を観察することができる。
図14は変形例にかかるスクリーン600の層構成を説明する図であり、図13に相当する図である。スクリーン600では、積層体612において、光散乱層614の光散乱部616の形態がスクリーン500の光散乱部516に対して異なる。すなわち、スクリーン600では図14からもわかるように、光散乱部616の厚さ方向大きさ(図14の紙面左右方向大きさ)が複数の光散乱部616で異なるように構成されている。より具体的には、鉛直方向下部に配置されている光散乱部616から上部に配置されている光散乱部616につれて厚さ方向大きさが大きくなるように構成されている。
これによれば、スクリーン600の下方に配置された映写機20(図12参照)に近い光散乱部616側で厚さ方向が小さく、映写機20に遠い光散乱部616側で厚さ方向が大きいので、映像光をより均一に観察者側に提供することが可能となる。
図15は他の変形例にかかるスクリーン700について説明する図であり、図15(a)はスクリーン700の正面図、図15(b)は図15(a)のXVb−XVbで示した線に沿った厚さ方向断面図である。
図15(b)からわかるように、スクリーン700の幅方向中央(図15(a)のXVb−XVbの位置)における各層の形態はスクリーン600と同じである。しかしながら、スクリーン700では、図15(a)からわかるように、光透過部715及び光散乱部716の長手方向に延びる形態が、スクリーン600と異なる。すなわち、光透過部715及び光散乱部716は正面視で円弧状に延びている。そして複数の光透過部715及び光散乱部716は同心円状に並べられている。
これにより、特にスクリーン700の幅方向に両端部近傍において映像光の水平方向成分を観察者側に偏向することができ、水平方向においても均一性高く観察者に映像光を提供することができる。
図16はさらに他の変形例にかかるスクリーン800について説明する図であり、図16(a)はスクリーン800の正面図、図16(b)はスクリーン800の鉛直方向における厚さ方向断面図、図16(c)はスクリーン800の水平方向における厚さ方向断面図である。図16(b)、図16(c)ではいずれもハードコート層119が配置された側が観察者側である。
図16(a)からわかるように、スクリーン800では、光散乱層814において、水平方向に延びる光散乱部616及び鉛直方向に延びる光散乱部816が交差するように格子状に配置されている。そして光散乱部616及び光散乱部816に囲まれるように光透過部815が形成される。
ここで、水平方向に延びる光散乱部616は図16(b)からわかるように上記したスクリーン600と同様の形態である。
一方、鉛直方向に延びる光散乱部816は図16(c)からわかるように、所定の断面形状を有して構成されている。光散乱部816の断面形状は、図16(c)に示したようにスクリーン800の水平方向において映像光の均一性を向上することができる形状であることが好ましい。
これにより、鉛直方向、水平方向のいずれにも均一性の高い明るい映像光を観察者に提供することができる。
ここで、光散乱部816に充填される材料は上記した光散乱部516と同様のものを適用することができる。
以上説明したスクリーン500、600、700、及び800の各形態についても光散乱層114’と同様に光散乱部の背面側に黒色の層である黒化層を形成することにより、背面側からの外光を黒化層にて吸収することができ、コントラストの向上を図ることが可能である。
また、以上では固定型のスクリーンについて説明したが、パネル111の代わりに可撓性を有する保護層を適用することにより巻き取り及び展開可能なロール型スクリーンとすることができる。保護層は基材層117と同様の材料により構成することが可能である。
また、これまでの本発明の説明では、図6に例示したように光透過部を形成した後に光散乱部を形成する形態の光散乱層において、光散乱部の基材層とは反対側の面(光透過部間の溝の開口側の面)が平滑である形態を例示して説明したが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、図17に例示したように、光散乱部116dの基材層117とは反対側の面に凹部116eが形成されている形態でもよい。図17は光散乱層114の変形例にかかる光散乱層114cの一部を拡大した図であり、図3に相当する図である。凹部116eは、図6に例示したような方法で光透過部115間の凹部に光散乱部116dを構成する組成物を充填して余剰分の該組成物をブレードで掻き落とした際や、該組成物が硬化して収縮した際に形成される。凹部116eの深さ(シート厚方向の大きさ)は、図6に例示したような方法で光透過部115間の凹部に光散乱部116dを構成する組成物を充填して余剰分の該組成物をブレードで掻き落とす際に、該ブレードを光透過部115側に押さえつける力の大きさを調整することによって形成できる。すなわち、ブレードを光透過部115側に押さえつける力を大きくする程、深く凹部116eを形成することができる。このように凹部116eを形成すると、凹部116eの界面においても光を散乱させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明について説明する。ただし、本発明は実施例の形態に限定されるものではない。
(実施例1)
基材層としてポリエステルフィルム(コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ100μm、東洋紡績株式会社製)を用意し、当該基材層の一方の面側に上述したようにして光透過部を形成した。すなわち、光硬化型樹脂組成物(屈折率1.55)を基材層に塗布して所定の金型で賦型した後、当該光硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させ、金型から離型して光透過部を形成した。次に、光透過部間に、光散乱部を構成するための組成物(屈折率1.55のバインダーに酸化チタン20部を混合した。)を用いて上述したようにして光散乱部を形成した。すなわち、光透過部間に形成された凹部に光散乱部を構成するための上記組成物を過剰に供給し、ブレードによりスキージして余分な組成物を掻きとって除去するとともに凹部に組成物を充填し、凹部に充填された組成物に紫外線を照射して硬化させることによって光散乱部を形成した。このようにして基材層と、該基材層の一方の面側に形成された光散乱層と、を有する光学シートを作製した。なお、当該光学シートにおける光透過部のピッチ(図3のp参照)は150μm、光透過部の正面側の幅(図3のw1参照)は75μm、光散乱部の正面側の幅(図3のw2参照)は75μm、光透過部の背面側の幅(図3のw3参照)は145μm、光散乱部の背面側の幅(図3のw4参照)は5μm、光散乱部の厚さ(図3のt参照)は200μmとなるようにした。また、光散乱部と光透過部との界面の断面形状は、光散乱部の内側に凸となるような曲線状(図4(b)参照)で、平均斜面角度(シート面法線方向に対する前記曲線接線の角度の平均)が10度、且つ、見込角(一の光透過部について、隣接する光散乱部との界面の最も背面側の点と、反対側に隣接する光散乱部との界面の最も正面側の点とを結ぶ線のシート面に対する角度。図3のθ1参照)が49度となるようにした。
(実施例2)
光散乱部と光透過部との界面の断面形状が異なる以外は、実施例1と同様にして光学シートを作製した。すなわち、光散乱部と光透過部との界面の断面形状を、光散乱部の外側(隣接する光透過部側)に凸となるような曲線状となるようにした。
(実施例3)
光散乱部と光透過部との界面の断面形状が異なる以外は、実施例1と同様にして光学シートを作製した。すなわち、光散乱部と光透過部との界面の断面形状が階段状(図4(a)参照)となるようにした。
(比較例1)
光散乱部と光透過部との界面の断面形状が異なる以外は、実施例1と同様にして光学シートを作製した。すなわち、光散乱部の断面形状が、正面側から背面側に向かって幅が狭くなる等脚台形となるようにした。
上記のようにして作製した実施例1、2、3及び比較例1の光学シートを、それぞれアクリル系粘着剤を用いてスクリーンの観察者側に貼合して観察した。その結果、実施例1、2、3の光学シートは比較例1の光学シートに比べて虹状の色ムラの発生を抑制することができた。
10 映写機
20 映写機
100、200、300、400 スクリーン(反射スクリーン)
111 パネル
112、212 積層体
113 接着層
114、114a、114b、114’、314、414 光散乱層
115、315、415 光透過部
116、116a、116b、316、416 光散乱部
116x 黒化層
117 基材層
118 接着層
119 ハードコート層
500、600、700、800 スクリーン(透過スクリーン)
514、614、714、814 光散乱層
715、815 光透過部
516、616、716、816 光散乱部

Claims (13)

  1. 映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンであって、
    透光性を有するシート状の基材層と、
    前記基材層の一方の面に形成された、光を散乱する光散乱層と、を備え、
    前記光散乱層が、
    前記基材層上に間隔を有して複数並列され、前記基材層側の面とその反対側の面とが平行である、光を透過する光透過部と、
    複数の前記光透過部間に配置され、光を散乱する部材が分散されて光を散乱する光散乱部と、を有し、
    複数の前記光透過部の並列方向に平行な厚さ方向断面において、前記光透過部と前記光散乱部との界面が曲線又は折れ線状である、スクリーン。
  2. 前記光散乱部の並列ピッチが100μm以上である、請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記光散乱層が、前記並列ピッチが異なる前記光散乱部を有する、請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. 前記光散乱部が白色又は銀色の顔料を含有して散乱反射により光を散乱する、請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン。
  5. 前記顔料が導電性を有する、請求項4に記載のスクリーン。
  6. 前記光散乱部が透明な樹脂と、該透明な樹脂とは屈折率が異なる粒子状の光散乱剤と、を含み、前記光散乱部中を光が透過することにより光を散乱する請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン。
  7. 前記スクリーンを鉛直に配置した姿勢において、前記光透過部及び前記光散乱部が水平方向に延在する、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーン。
  8. 前記光透過部及び前記光散乱部が円弧状に延在する、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーン。
  9. 前記光散乱部が格子状に形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーン。
  10. 前記光透過部と前記光散乱部との界面に黒化層が形成されている請求項1〜9のいずれかに記載のスクリーン。
  11. 前記光透過部が光を散乱させることなく透過する、請求項1〜10のいずれかに記載のスクリーン。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、
    前記基材層上に複数の前記光透過部が所定の間隔で形成された中間シートを作製する工程と、
    前記中間シート上に前記光散乱部となるべき組成物を過剰に供給し、ブレードを用いて前記組成物を掻き取ることにより前記組成物を前記光透過部間に充填する工程と、を含む
    、スクリーンの製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、
    前記光散乱部の凹凸形状に対応した溝を有する金型に前記光散乱部となるべき組成物を過剰に供給し、ブレードにより前記組成物を掻き取るとともに前記溝に前記組成物を充填させる工程と、
    前記金型に前記基材層を接触させて前記組成物を硬化させ、前記基材層上に前記光散乱部を形成した中間シートを作製する工程と、
    前記中間シート上に前記光透過部となるべき組成物を供給して前記光透過部を形成する工程と、を含む、スクリーンの製造方法。
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