JP2008309829A - 光拡散シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な構造を持つ遮光層パターンであっても、不要な成分の残差が無く正確な形状を持つ開口部を形成できる光拡散シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】表面に凸部と凹部とが形成された金型の前記凹部に遮光性樹脂を充填する遮光性樹脂塗布工程と、片面に光透過性粘着層を持つ光透過性基材を前記金型に前記光透過性粘着層の面を向けて所定の圧力で密着させる積層工程と、前記凹部に充填された前記遮光性樹脂を前記光透過性基材上に転写した後に硬化させて遮光層を形成する硬化工程と、前記遮光層を前記金型から離型する離型工程と、から成る光拡散シートの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】表面に凸部と凹部とが形成された金型の前記凹部に遮光性樹脂を充填する遮光性樹脂塗布工程と、片面に光透過性粘着層を持つ光透過性基材を前記金型に前記光透過性粘着層の面を向けて所定の圧力で密着させる積層工程と、前記凹部に充填された前記遮光性樹脂を前記光透過性基材上に転写した後に硬化させて遮光層を形成する硬化工程と、前記遮光層を前記金型から離型する離型工程と、から成る光拡散シートの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、光拡散シート用遮光層の製造方法に関し、特に、リアプロジェクションテレビの透過型スクリーンに用いられる光拡散シートの製造方法に関係するものである。
光拡散シートは投射された画像光線を拡散し視野角を広げる機能を有するデバイスであり、主に、液晶テレビ(LCD)及びプラズマテレビ(PDP)、リアプロジェクションなどの電子ディスプレイの画像表示基板前面に設置される。
光拡散シートには、遮光層の無いタイプと開口部が形成された遮光層を持つタイプとに大別される。遮光層を持つ光拡散シートは、遮光層が外光を吸収し黒輝度の上昇を抑えるため、ディスプレイ画像の明所コントラストを向上させることが出来る。
図4(a)に、従来の光拡散シートの断面図に示す。ベース材となる光透過性基材2の上に断面が三角形状をした複数の遮光層3が互いに平行にされており、光透過性基材2と遮光層3との上に全体を覆うようにレンズ層4が形成されている。レンズ層4の表面には、光入射面6が形成されており、隣接する遮光層3の間には光を透過させるための開口部5が設けられている。光出射面7は、開口部5の下に形成されている光透過性基材2上に形成されている。遮光層3の傾斜面は、遮光層3の材料とレンズ層6の材料との屈折率差と光入射角度とで決まる全反射を利用して光入射面6に垂直に入射する光線を反射させる反射レンズとして機能するように作られている(例えば、特許文献1参照。)。
図4(a)の点線は、プロジェクターTVの光学系から投影された画像光線8を示す。画像光線8は、この光入射面6に垂直に入射し、レンズ層4を直進して遮光層3の傾斜面9で反射されて開口部5に向かって集光する。この集光された光が開口部5を通過して光透過性基材2を拡散通過し、光出射面7から拡散光が出射され観察者に到達する。そのため、遮光層3との間に形成された開口部5の形状は、精度よく開口していなければならない。
図5(a)は、図4(a)で説明した遮光層パターンの斜視図である。図5(a)に示すように、略三角形状の遮光部3が奥行方向に連続し、平行配列されたストライプ型がある。この遮光層を作成するための金型12が図5(b)であり、遮光層となる金型凹部13は、分かり易くするために黒塗りで表示している。遮光層パターンの他の例として、図6(a)に示すクロス型遮光層がある。図6(b)は、その金型12であり、図4(b)と同様に遮光層を形成するための金型凹部13を黒塗りで示している。さらに別の遮光層パターンとして、図7(a)に示す蝿目型の遮光層がある。図7(b)は、その金型12を示し、同様に遮光層を形成するための金型凹部13を黒塗りで示している。
このような様々なパターンの遮光層を作成するためには、遮光性樹脂を塗布した金型12に光透過性基材2を押圧ロールにて押圧して金型凹部13に充填された遮光性樹脂を硬化した後、光透過性基材2に転写する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、別の方法として、遮光性樹脂を金型凹部13に塗布し、開口部となる金型凸部端面15をドクターブレードでワイプして遮光性樹脂を除去した後、透明樹脂をコートした光透過性基材2を積層した後、金型凹部13に充填された遮光性樹脂を硬化離型する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特表2003−504691号公報(第58頁、図13A)
特開平4−304443号公報(第4頁、第4図)
特開2004−4148号公報(第47頁、第20図)
しかしながら、特許文献2に開示した技術で遮光層パターンを作製する際に、押圧されている光透過性基材2と金型凸部15との間に僅かでも隙間が生じれば、この隙間に遮光性樹脂が浸透して、図4(b)に示すように開口部5に残渣10が残り、開口部5を塞いでしまう。また、特許文献3に開示した技術では、ドクターブレードのワイプ方向に垂直な凸部15のエッジ部に遮光性樹脂が残るので、押圧されている光透過性基材2と金型凸部15との間に僅かでも隙間が生じれば、特許文献2と同じように開口部5に遮光性樹脂の残渣10が残り、開口部5を塞いでしまう。これらの問題は、遮光層パターンが複雑になるほど、多く発生する。そのため、従来の構成では、複雑な構造を持つ遮光層パターンの開口部を正確に形成することが困難という課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複雑な構造を持つ遮光層パターンであっても、不要な成分の残差が無く正確な形状を持つ開口部を形成できる光拡散シートの製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の光拡散シートの製造方法は、表面に凸部と凹部とが形成された金型の前記凹部に遮光性樹脂を充填する遮光性樹脂塗布工程と、片面に光透過性粘着層を持つ光透過性基材を前記金型に前記光透過性粘着層の面を向けて所定の圧力で密着させる積層工程と、前記凹部に充填された前記遮光性樹脂を前記光透過性基材上に転写した後に硬化させて遮光層を形成する硬化工程と、前記遮光層を前記金型から離型する離型工程と、から成ることを特徴とするものである。
本発明の遮光層の製造方法によれば、微細なストライプ型及びクロス型、蝿目型の遮光層パターンといった複雑な構造をもつ遮光層パターンにおいても、遮光性樹脂残渣の無い高精度でクリアーな開口部を有する光拡散シート用遮光層を製造することができる。また、本発明の遮光層の製造方法によれば、上下視野角を拡大した高視野角及び高精細、高コントラスト(微細な開口部形成による遮光層比率の増加)な透過型スクリーン用光拡散シートを提供ができる。
以下に、本発明の光拡散シート用遮光層の製造方法における実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施例における光拡散シート用遮光層の製造方法を示す工程図、 図2は、本発明の実施例における製造方法を実施する製造装置を示す模式図、図3は、本発明の実施例における製造方法により製造される光拡散シート及びその金型を示す立体構造図である。
図1は、本発明の実施例における光拡散シート用遮光層の製造方法を示す工程図、 図2は、本発明の実施例における製造方法を実施する製造装置を示す模式図、図3は、本発明の実施例における製造方法により製造される光拡散シート及びその金型を示す立体構造図である。
図1には、図1(a)の金型準備工程、図2(b)の遮光性樹脂塗布工程、図1(c)の遮光性樹脂除去工程、図1(d)の積層工程、図1(e)の硬化工程、図1(f)の離型工程からなる本発明の実施例における遮光層の製造方法と図1(g)のレンズ層形成工程とを示している。以下、光拡散シートの製造工法の詳細を説明する。
図1(a)の金型準備工程は、金型表面の異物や油膜などを除去し、表面を清浄な状態にする工程である。この金型12は、略三角形の遮光層3を成型する金型凹部13と、開口部5を形成する金型凸部14の端面15と、で作製されたものである。金型12は、一般に基材に鍍金された無酸素銅を切削研磨し平坦化した後、ダイヤモンドバイトで凹部を切削加工して作製することができるが、これに限らず、複雑な形状の金型では、レーザー加工法にて反転型を製作し、その反転型から電鋳法にて金属型を製作する方法もある。金型に使用する素材としては、樹脂の微細成形で発生し易いアンカー効果による離型不良を回避するために、表面エネルギーの低いニッケルが好適に用いられるが、金型にフッ素コーティング、クロムメッキ等の表面処理を施しても良い。
図1(b)の遮光層塗布工程は、金型12の表面に遮光性樹脂11を塗布して、金型凹部13に遮光性樹脂11を充填する工程である。遮光性樹脂11は、光吸収性の良い黒色が好適に使われ、その材質としては、化学反応硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、ホットメルト樹脂または電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良いが、高い製造タクトを求める場合は、常温で硬化速度の速い電離放射線硬化性樹脂が望ましい。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性や電子線硬化性があるが、黒色顔料を多くし遮光性をより高めたい場合は、紫外線による遅延硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂が好適である。
図1(c)の遮光性樹脂除去工程は、金型12の表面に塗布された余剰な遮光性樹脂11をドクターブレード17で除去する工程である。開口部5となる金型凸部15にドクターブレード17の先端を軽く当ててワイプするが、ここでは、遮光層樹脂11が金型凸部端面15に薄膜状又は部分的に残って良い(遮光性樹脂の残渣10)。
図5(b)のようなストライプ型遮光層の金型の場合、金型凸部端面15の長手方向にドクターブレード17をワイプすると遮光性樹脂の残渣15が残りにくいが、遮光層パターンのピッチが小さくなると金型凸部端面15のエッジ部に遮光性樹脂の残渣15が目立ってくる。また、図6(b)のようなクロス型遮光層の金型の場合、金型凹部13内の遮光性樹脂11がドクターブレード17の先端で引き摺られ、金型凸部端面15のエッジ部に付着した遮光性樹脂11がぬれ広がるなどによって遮光性樹脂の残渣10が形成される。一方、ドクターブレード17を金型凸部端面15に強く当てた場合、金型凸部端面15に遮光性樹脂11が残渣として残るだけでなく、金型凹部13に充填された遮光層樹脂11を抉り取ってしまい、金型凹部13への遮光性樹脂充填不足が発生する。ドクターブレード17の位置調整が難しい場合は、ドクターブレード17が金型凸部端面15に接触しない状態で余剰な遮光性樹脂11を除去してもよい。
図1(d)の積層工程は、片面に光透過性粘着層5が形成された光透過性基材2を用い、光透過性基材2の他面を金型12に押圧し光透過性粘着層9を金型凸部端面15に密着させて積層する工程である。光透過性基材2の押圧は、余剰な遮光性樹脂及び空気を追い出すようにロールなどを用いて行うことが望ましい。ロールの線圧は、光透過性粘着層5の表面が、金型凸部15の隣接間高さばらつきや、金型凸部端面15の凹凸に追従して密着し、金型凸部端面15の遮光性樹脂残渣10が除去されるような力を実験により求めるが、約2kg/cm以上が目安である。ここで、粘着層9は、ガラス転移点(Tg)が室温よりかなり低い温度の材料で、被着材に濡れ易く、基材を押し付けることにより、粘着の層が被着体の細かい凹凸に食い込み易い材料であって、アクリル系、シリコーン系、合成ゴム系などの材質があり、粘着力、層厚、光透過率、保持力、使用環境、被着体の表面粗さや濡れ性などを考慮して適宜選択される。一方、光透過性基材2は、PET、PP、アクリルなどがあり、使用目的により反射防止、光拡散、表面保護などの機能が付与される。
図1(e)の硬化工程は、金型凹部13内に充填され遮光層樹脂11を硬化成型して、光透過性粘着層9の表面に遮光層3を形成する工程である。ここで、遮光性樹脂11が、電離放射線硬化性の場合は、電離放射線20を照射する。電離放射線としては、紫外線、電子線がある。紫外線は、遮光性の高い樹脂を、透過しないので電子線を照射して硬化する電子線硬化性樹脂を選択することが望ましい。また、化学反応硬化性及び熱硬化性など樹脂も適宜選択可能である。
図1(f)の離型工程は、光透過性基材2を金型12の片面から引き離し、遮光層3を金型凹部から離型する工程である。この段階で、遮光層シートの形態が完成する。
以上の図1(a)から(f)までが、本発明の遮光層の製造方法である。図1(g)のレンズ層形成工程は、上記工程で製作された遮光層シートの遮光層3の面から、光透過性樹脂を塗布し、硬化成型してレンズ層を形成する工程である。光透過性樹脂には、化学反応性、熱硬化性、電離放射線硬化性などの樹脂の使用が可能であるが、高い製造タクトが必要な場合、電離放射線硬化性樹脂が望ましい。ここでは、レンズ層の表面が平坦な場合を示したが、凸レンズの形状に加工された金型を用いて球面レンズやプリズムレンズなどに成型しても良い。また、レンズ層4の平坦面に機能性光学シートを貼り付けても良い。
以上のように、光透過性粘着層9の表面を金型凸部の端面に押圧して遮光性樹脂の残渣を排出し密着させて積層する請求項1に示す発明を導入した光拡散シート用遮光層の製造方法を用いることによって、開口部5の残渣10を解消し、高精度でクリアーな開口部5を有する遮光層を製造することが可能となり、高精細で高コントラスト、高視野角な光拡散シートを得ることができる。
次に、実施の形態の具体的な実施例をあげてさらに詳しく説明する。本発明の実施例1として、上下視野角拡大構造の光拡散シート用として、クロス型の遮光層パターンにおける遮光層を持つ光拡散シートを製造した。実施例1の製造に当たり、金型12は、金属基材に無酸素胴を鍍金した表面を平滑研磨した後、開き角20度の三角形ダイヤモンドバイトを用い、ピッチ水平65μm、垂直95μm、深さ120μmで機械加工して作製した図6(b)に示すクロス型の遮光層パターンを有する平板状のものを用いた。
まず、化学反応硬化性のウレタンアクリレート系樹脂に平均粒径20nmのカーボン粒子を5重量%混合して作製した遮光性樹脂11をバーコーターを用いて図6(b)の金型12の表面に塗布し、片面に厚み約25μmのアクリル系光透過性粘着層9が形成された厚み100μmのポリエチレンテレフタレートの光透過性基材2を、光透過性粘着層9が金型12に接するようプレス機にて押圧し、遮光性樹脂11を除去しながら金型凸部端面15に光透過性粘着層9の表面を密着させた。次に、一定時間放置し、金型凹部13に充填した遮光性樹脂11を硬化成型し、光透過性粘着層9の表面に遮光層3を形成する。そして、光透過性基材2を金型12から引き剥がすようにして、遮光層3を金型凹部13から剥離して、クロス型遮光層のサンプルを製造した。
一方、比較例として、上記の積層工程に光透過性粘着層9を用いない従来の製造方法を用いた遮光層シートを作製し、実施例1と比較した。実施例1と比較例との開口部10の上面を光学顕微鏡観察で、断面をSEMで観察して残渣10を評価。その結果、比較例では、開口部10のエッジに遮光層樹脂11の浸透による残渣10が形成されていたが、実施例1では、残渣が見られずクリアーであった。
以上のように、本発明の遮光層の製造方法を用いることによって、従来の方法では困難であったクロス型の遮光層パターンにおいても、残渣10の問題を解消し、高精度でクリアーな開口部5の形成が可能となり、上下視野角を拡大する光拡散シートを提供することができる。
次に、本発明の実施例2として、蝿目型の遮光層パターンにおける遮光層を持つ光拡散シートを製造した。図3は、本発明の製造方法を用いて製造したリアプロジェクションTVに用いられる透過型スクリーンの光透過性シートを示す。遮光層3とレンズ層4の界面にあたる遮光層の傾斜面で映像光線を反射させる全反射型で形成した長丸状のマイクロレンズを蝿目配列した全方向視野角型の光拡散シートである。遮光層パターンの断面は、高さ60μmの略三角形状で、長丸形状マイクロレンズの光入射面側のサイズは、水平方向27.5μm、垂直方向33.5μm、開口部寸法は水平方向10μm、垂直方向17.5μmとした。使用した金型の斜視図を図7(b)に示す。
金型12は、まず、レーザー加工法を用いて樹脂板を成型品と同形状(反転型)に形成した後、その反転型を電鋳法(エレクトロフォーミング)を用いてニッケルのシート金型を作製した。そのシート金型その金属ロールに巻きつけ固着して、金型ロールにした。蝿目型のように千鳥配置された多数のマイクロレンズ有する大画面用の金型加工の場合、従来のダイヤモンドを用いた機械加工法では実用的な時間に完成することが困難である。これに対して、レーザー加工法と電鋳法を組み合わせた工法は、複雑な微細形状の加工速度に優れているので、実用的な時間内で完成できるが、平坦面の加工精度が機械加工に劣る。ここで製作した金型の精度は、金型凸部14の高さばらつきが約2μm、金型凸部端面15の平面度が約1μmであった。
図2は、本発明による光拡散シート用遮光層の製造方法を実施した製造装置を示した模式図である。この方法は、ロールトゥーロールの連続プロセスで製造できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できる。なお、図2に記載の(a)から(g)は、図1の(a)から(g)の工程に対応して示しえいる。
まず、図2(a)部の金型準備工程では、金型ロール16の金型凹面13に異物などの付着が無い清浄な状態にする。ここでは、特別な清浄化機構を設けず、金型の表面に樹脂剥離性の良好ないニッケル素地を用いた。 図2(b)部の遮光性樹脂塗布工程では、ロール金型16の金型表面に遮光性樹脂11を塗布する。遮光性樹脂11には、平均粒径20nmのカーボン粒子を5重量%含有したウレタン系の電子線硬化性樹脂を用いた。図2(c)の遮光性樹脂除去工程では、ドクターブレード17の先端を金型凸部端面15から僅かに浮かせて、余剰の遮光性樹脂を除去した。図2(e)の積層工程では、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの光透過性基材2の表面に厚み25μmのアクリル系の光透過性粘着層9が形成された粘着フィルムを供給し、光透過性粘着層9をロール金型16の金型凸部端面15に押圧ロール18で圧力約2kg/cmで押圧して、金型凸部端面15の表面から遮光性樹脂11を排出しながら、金型凸部端面15の表面に光透過性粘着層9の表面を密着した。ここで、金型凸部の高さばらつきや端面15に微少な湾曲や凹凸があっても、光透過性遮光層9は柔軟性に富むため、隙間なく密着される。なお、押圧ロール18を通過した後も、押圧ロール18と離型ロール21とで光透過性基材2を金型ロール16に押圧しているので、金型凸部端面15の表面と柔軟性のある光透過性粘着層9の表面の密着性は維持されている。 図2(e)の硬化工程では、電離放射線源19から電離放射線20を、遮光性樹脂11に照射して硬化し、光透過性粘着層9の表面に遮光層3が形成される。ここでは、電離放射線として電子線を用いた。
図2(f)の離型工程では、離型ロール21を用いて光透過性基材2を巻きだし、金型ロール16の金型凹部から遮光層3を剥離する。
図2(f)の離型工程では、離型ロール21を用いて光透過性基材2を巻きだし、金型ロール16の金型凹部から遮光層3を剥離する。
上記図2(a)から図2(f)までの遮光層の製造方法で作製した遮光層シートを評価する目的で、積層工程に光透過性粘着層9を用いない従来の製造方法を用いた遮光層シートも作製して比較例とした。
実施例2と比較例の開口部10の上面は、落射光及び透過光による光学顕微鏡観察を行い、開口部10の断面はSEM観察により評価した。その結果、比較例の光透過性粘着層9を用いない方法では、開口部10のエッジに遮光層樹脂11の浸透による残渣10と、金型凸部端面15の隣接高さばらつき2μm及び平坦度1μmに対応する厚みで遮光層樹脂の残渣11が形成されていたが、実施例2では、開口部5の残渣問題が解消され、高精度でシャープなエッジを有する遮光層3が形成されていた。
以上のように、本発明の遮光層の製造方法を用いることによって、従来の方法では困難であった金型が、前記遮光層パターンの反転型を加工するレーザー加工法と、前記反転型から金属型を形成する電鋳法とで作製された前記金型であっても、残渣10の問題を解消し、高精度でクリアーな開口部5の形成が可能であり、全方位に視野を拡大する蝿面型の光拡散シートを提供することができる。
次に、光拡散シートのレンズ層形成工程について説明する。上記本発明の遮光層の製造方法で製造した遮光層シートの遮光層3の面側から、低屈折率のアクリル系紫外線硬化性の光透過性樹脂を塗布し、遮光層3の傾斜面へ約1μm厚さにコートする。そして、紫外線照射を行い硬化した後、さらにその上面に、高屈折率のアクリル系紫外線硬化性の光透過性樹脂を塗布し、遮光層3の凹部を埋めて、レベリングした後、紫外線照射を行い硬化してレンズ層を形成した。
以上の製造方法により作製した光拡散シートは、従来の方法で作製したサンプルに比べて10%以上の全光透過率の上昇が見られ、シミュレーションによる設計値と同等の結果を得ることができた。
本発明の製造方法を用いて製造した光拡散シートは、光出射面側に位置する光透過性基材と、前記光透過性基材の光入射面側に光透過部となる開口部を介在して配列される複数の略断面三角形状の遮光層と、前記遮光層の光入射面側に位置するレンズ層と、を含む透過型スクリーン用光拡散シートに好適であり、光透過性基材2と遮光層3の間に光透過性粘着層9が介在する請求請4に記載の構成を有する光拡散シートとなる(図3参照)。
本発明の遮光層の製造工法を用いた光拡散シートは、高精度でクリアーな開口部5の形成が得られるという効果の他に、光透過性基材2と遮光層3の間に弾力性のある光透過性粘着層9が存在することで、温度や力が加わって光拡散シートが変形した場合でも、光透過性基材2から遮光層3の脱落が起こりにくいという効果がある。
本発明の遮光層の製造方法によれば、高精度でクリアーな開口部を有する遮光層パターンの製造が可能になり、上下視野角を拡大した高視野角(クロス型、蝿目型遮光層)及び高精細(微細化した遮光層ピッチ)、高コントラスト(開口部の縮小による光層比率増加)に設計された殿透過型スクリーン用光拡散シートを提供することができる。
また、本発明の光拡散シート用遮光層の製造方法は、特にレアプロジェクションの当が型スクリーンにて適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、LCDやPDPなどのディスプレイ画面にも適用可能である。
本発明の光拡散シート用遮光層の製造方法によれば、遮光性樹脂残渣の無い高精度でクリアーな開口部を有する光拡散シート用遮光層の製造方法などとして有用である。
1 光拡散シート
2 光透過性基材
3 遮光体
4 レンズ層
5 開口部
6 光入射面
7 光出射面
8 映像光線
9 光透過性粘着層
10 遮光性樹脂の残渣
11 遮光性樹脂
12 金型
13 金型凹部
14 金型凸部
15 金型凸部の端面
16 金型ロール
17 ドクターブレード
18 押圧ロール
19 電離放射線源
20 電離放射線
21 離型ロール
2 光透過性基材
3 遮光体
4 レンズ層
5 開口部
6 光入射面
7 光出射面
8 映像光線
9 光透過性粘着層
10 遮光性樹脂の残渣
11 遮光性樹脂
12 金型
13 金型凹部
14 金型凸部
15 金型凸部の端面
16 金型ロール
17 ドクターブレード
18 押圧ロール
19 電離放射線源
20 電離放射線
21 離型ロール
Claims (8)
- 表面に凸部と凹部とが形成された金型の前記凹部に遮光性樹脂を充填する遮光性樹脂塗布工程と、
片面に光透過性粘着層を持つ光透過性基材を前記金型に前記光透過性粘着層の面を向けて所定の圧力で密着させる積層工程と、
前記凹部に充填された前記遮光性樹脂を前記光透過性基材上に転写した後に硬化させて遮光層を形成する硬化工程と、
前記遮光層を前記金型から離型する離型工程と、から成る光拡散シートの製造方法。 - 前記金型の前記凹部は前記遮光層の遮光部に対応し、前記金型の凸部は前記遮光層の光を通過させる開口部に対応するように形成されている請求項1に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記遮光性樹脂は、化学反応硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、ホットメルト樹脂または電離放射線硬化性樹脂のいずれかである請求項1に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記電離放射線硬化性樹脂は、紫外線による遅延硬化性樹脂あるいは電子線硬化性樹脂の何れかからなる請求項3に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記電離放射線硬化性樹脂は、平均粒径20nmのカーボン粒子を5重量%含有したウレタン系の樹脂である請求項4に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記光透過性粘着層のガラス転移点は25℃を越えない請求項1に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記光透過性基材は、PET、PP、アクリルの何れかからなる請求項1に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記積層工程において、前記光透過性基材を2kg/cm以上の力で前記金型に押圧して前記金型の凸部端面の表面に前記光透過性粘着層の表面を密着する請求項1に記載の光拡散シートの製造方法。
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2007
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