JP2007011303A - 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置 - Google Patents

遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007011303A
JP2007011303A JP2006146908A JP2006146908A JP2007011303A JP 2007011303 A JP2007011303 A JP 2007011303A JP 2006146908 A JP2006146908 A JP 2006146908A JP 2006146908 A JP2006146908 A JP 2006146908A JP 2007011303 A JP2007011303 A JP 2007011303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly
light
eye lens
lens sheet
shielding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006146908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4736953B2 (ja
Inventor
Tomomi Haga
友美 芳賀
Shinichi Matsumura
伸一 松村
Yukio Miyaki
幸夫 宮木
Tsutomu Nagahama
勉 長浜
Hiroyuki Kiso
弘之 木曽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2006146908A priority Critical patent/JP4736953B2/ja
Priority to KR1020060049490A priority patent/KR20060126378A/ko
Priority to TW095119736A priority patent/TW200712744A/zh
Priority to US11/445,194 priority patent/US7626761B2/en
Priority to DE602006009336T priority patent/DE602006009336D1/de
Priority to EP06011547A priority patent/EP1729155B1/en
Publication of JP2007011303A publication Critical patent/JP2007011303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4736953B2 publication Critical patent/JP4736953B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00009Production of simple or compound lenses
    • B29D11/00278Lenticular sheets
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0012Arrays characterised by the manufacturing method
    • G02B3/0025Machining, e.g. grinding, polishing, diamond turning, manufacturing of mould parts
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0012Arrays characterised by the manufacturing method
    • G02B3/0031Replication or moulding, e.g. hot embossing, UV-casting, injection moulding
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0037Arrays characterized by the distribution or form of lenses
    • G02B3/005Arrays characterized by the distribution or form of lenses arranged along a single direction only, e.g. lenticular sheets
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0037Arrays characterized by the distribution or form of lenses
    • G02B3/0056Arrays characterized by the distribution or form of lenses arranged along two different directions in a plane, e.g. honeycomb arrangement of lenses
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B21/00Projectors or projection-type viewers; Accessories therefor
    • G03B21/54Accessories
    • G03B21/56Projection screens
    • G03B21/60Projection screens characterised by the nature of the surface
    • G03B21/62Translucent screens
    • G03B21/625Lenticular translucent screens

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】背面投影型画像表示装置用の透過型スクリーンにおいて、高透過率及び高コントラストを実現する。
【解決手段】フライアイレンズ12が一主面に設けられたフライアイレンズシートの他主面に感光性粘着層14を形成し、フライアイレンズ12を通して感光性粘着層14に対して紫外線を照射し、感光性粘着層14に対して粘着/非粘着パターンを形成し、支持体18の一主面に、カーボン粒子を45wt%以上65wt%以下含有する黒色層17が設けられてなる黒色転写フィルム19を、感光性粘着層14の表面に接触させて引き剥がす。これにより、透過部15aが二次元的に形成された遮光層15を有するフライアイレンズシートを作製することができる。
【選択図】図18

Description

本発明は、一主面にフライアイレンズが設けられ他主面に遮光層が設けられた遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置に関する。
従来より、液晶などの光学素子を用いて光源からの透過光を変調した映像を表示する画像表示装置が知られている。これらの映像表示装置においては、観察者側に存在する蛍光灯などの外光が画像表示装置の表示面で反射し、映像光のコントラストが落ちて画像品位が低下するという問題がある。
映像光のコントラストを向上させるためには、映像光源の強度を上げる手法、もしくは画像表示装置の外光反射を落とす方法があるが、奥行きや質感のある深い色を表現するためには、後者の手法である画像表示装置の外光反射を抑えることが特に重要である。
例えば、近年注目を集めているリアプロジェクションテレビ(背面投影(投射)型画像表示装置)においては、光源からの映像光に対して高い透過率を有し、一方では外光の反射率を抑えるために、片側にシリンドリカルレンズが形成され他面に外光を吸収する遮光層(ブラックストライプ)が形成された透過型スクリーンが用いられている(下記特許文献1参照)。
また、シリンドリカルレンズシートに遮光層を位置精度よく形成するために、感光性粘着層を用いた透過型スクリーンの製造方法が知られている(下記特許文献2参照)。この方法は、まず、レンズシートの観察面側に感光性粘着層を形成する。感光性粘着層には、感光することで粘着性が消失するポジ型粘着剤が用いられる。次いで、レンズシートのレンズ面側から紫外線等の感光源を照射し感光性/粘着層を露光する。これにより、感光性粘着層の集光部が感光し粘着性が失われる。続いて、粘着非粘着パターンが形成された感光性粘着層に、支持基材に支持された黒色層を貼り合わせた後、支持基材を剥がすことで、感光性粘着層の粘着パターン上に黒色層を転写する。以上のようにして、レンズシートの観察面に所定形状の遮光パターンが形成される。
特開平10−293362号公報 特開平9−120102号公報
ところで、近年における表示画像の高精細化に伴い、透過型スクリーンにおいては表示画像の高コントラスト化が望まれている。画像の高コントラスト化を図るためには、画像光の透過率の低下を抑制しながら遮光部の面積率を高くするとともに、遮光層に形成される透過部を微細化することが必要とされる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、画像光の透過率の低下を抑制しながら遮光部の面積率を高められるとともに、透過部の微細化を図ることができる遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の遮光層付フライアイレンズシートは、フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートと、フライアイレンズシートの他主面に設けられた遮光層と、フライアイレンズシートと遮光層との間に形成され粘着/非粘着パターンを有する感光性粘着層とを備え、上記遮光層は、上記粘着パターン上に形成された遮光部と、上記非粘着パターン上に形成されフライアイレンズを透過した光を透過させる透過部とを有し、上記透過部は、フライアイレンズによる集光部に対応する位置に設けられ、上記遮光部はカーボン粒子を含有するとともに当該カーボン粒子の含有量が45wt%以上65wt%以下である。
この構成により、透過部を遮光層上に二次元的に形成できるようになり、透過率の低下を抑制しつつ遮光面積を増大させてコントラストの向上を図ることが可能となる。
また、遮光部を構成するカーボン粒子の含有量を45wt%以上65wt%以下とすることにより、感光性粘着層の粘着/非粘着パターンに対応して透過部を高精度に形成できるようになり、透過部の微細化を図ることが可能となる。カーボン粒子の含有量が45wt%未満では黒色濃度が不足し遮光性能が劣化する。一方、カーボン粒子の含有量が65wt%超ではカーボン粒子が過剰になり、ひび割れやカーボン粒子の脱落が懸念される。
遮光層の面積は、遮光部の面積と透過部の面積の総和となる。好適には、遮光部の面積を遮光層全体の面積の75%以上とすることで、コントラストの高い画像表示が可能となる。
遮光部の面積率(遮光層全体に対する遮光部の面積比率)は、透過部の加工精度に大きく依存する。従って、遮光部の形成を感光性粘着層の粘着パターンに対する黒色層の転写によって実現する場合、非粘着パターン上に位置する透過部の形成をより高精度に行うためには、この非粘着パターンの遮光層側表面に凹部を形成することが好ましい。凹部の形成により、非粘着パターン上への黒色層の接触領域を大幅に低減でき、非粘着パターン上への黒色層の残留を抑えて精度の高い透過部の形成が可能となる。
好適には、非粘着パターン上の凹部の形成深さは0.05μm以上とする。0.05μm以下では透過部の形成精度の向上が図れない。凹部の形成は、感光性粘着層の露光部の収縮を利用することができる。
また、遮光層の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。0.5μm未満では黒濃度が不足し外光遮断特性が劣化するからであり、2.0μm超では塗膜が厚くなりすぎてひび割れの発生が懸念されるからである。
フライアイレンズのレンズピッチは、35μm以上150μm以下が好ましい。35μm未満では集光部が小さくなり過ぎて透過部の形成が困難になるからであり、150μm超ではモアレの発生が懸念されるからである。
フライアイレンズシートは、フライアイレンズとこれを支持するフィルム状の支持基材で構成することができる。支持基材の厚さは35μm以上105μm以下であることが好ましい。この範囲から外れると集光の形状がぼけてしまい、透過部の形成精度が悪化するからである。
以上のような構成の遮光層付フライアイレンズは、フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートの他主面に感光性粘着層を形成する工程と、フライアイレンズを通して感光性粘着層に対して紫外線を照射し、感光性粘着層に対して粘着/非粘着パターンを形成する工程と、支持基材の一主面に、カーボン粒子を45wt%以上65wt%以下含有する黒色層が設けられてなる黒色転写フィルムを、感光性粘着層表面に接触させた後引き剥がすことで、フライアイレンズによる集光部に対応する位置に透過部を形成する工程とを備える。
本発明に係る遮光層付フライアイレンズは、フレネルレンズと組み合わせることで、背面投影型画像表示装置用の透過型スクリーンとして構成される。
以上述べたように、本発明によれば、遮光部の面積率が大きく、透過率が良好な透過型スクリーンを得ることができ、表示画像の高コントラスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(第1の実施形態)
[背面投影型の画像表示装置の全体構成]
図1は、本発明の第1の実施形態による背面投影型の画像表示装置の一構成例を示す模式図である。この背面投影型の画像表示装置は、プロジェクタ1および透過型スクリーン2とを備え、プロジェクタ1から投影された画像を、透過型スクリーン2を透過させて表示するものである。
プロジェクタ1は、映像を透過型スクリーン2に拡大投影するものである。このプロジェクタとしては、例えば液晶表示素子またはデジタルライトプロセッシング(DLP(登録商標))素子などをライトバルブとしたものを用いることができる。また、液晶表示素子を備えるプロジェクタ1としては、例えば、透過型液晶表示素子または反射型液晶表示素子を備えるものを用いることができる。透過型スクリーン2は、プロジェクタ1により投影された画像を表示する。
[透過型スクリーンの全体構成]
図1に示すように、この第1の実施形態による透過型スクリーン2は、プロジェクタ1からの投影光を略平行光として出射する作用をもつフレネルレンズシート20と、このフレネルレンズシート20から出射された平行光を受け、水平方向および垂直方向に広げ、表示光として出射する遮光層付フライアイレンズシート10とを備える。この透過型スクリーン2は、フレネルレンズシート20がプロジェクタ1の側となり、遮光層付フライアイレンズシート10が観察者側となるようにして配置される。透過型スクリーン2の大きさは特に限定されることはなく、例えば、縦786mm×横1362mm(対角60インチ)などの大きさの長方形状を有する。
フレネルレンズシート20の観察者側となる面にはフレネルレンズ24が設けられている。一方、フレネルレンズシート20のプロジェクタ側となる面は平面状とされている。また、遮光層付フライアイレンズシート10のプロジェクタ側となる面にはフライアイレンズ12が設けられている。一方、遮光層付フライアイレンズシート10の観察者側となる面には遮光層15が設けられている。なお、必要に応じて、この遮光層15上に粘着剤層16を介して拡散板等のプラスチック板3を設けるようにしてもよい。これらのフレネルレンズシート20と遮光層付フライアイレンズシート10とは、それぞれのレンズ部が互いに向かい合うように配置される。
以下に、フレネルレンズシート20および遮光層付フライアイレンズシート10の構成について、より具体的に説明する。
[フレネルレンズシートの構成]
フレネルレンズシート20は、基板21と、フレネルレンズ24が一主面に設けられたフィルム23とを備え、この基板21とフィルム23とが接着層22を介して接着されている。基板21としては、透明性を有する材料からなるものが用いられ、例えばガラス基板が用いられる。
フィルム23としては、透明性を有するプラスチックなどの材料からなるフィルムを用いることができ、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることができる。フレネルレンズ24は、例えば、フレネルレンズシート20の中心からプリズムが同心円状に配された構成を有する。このフレネルレンズ24の作製方法としては、公知の作製方法を用いることができ、例えば、紫外線硬化樹脂により作製する方法を用いることができる。
[遮光層付フライアイレンズシートの構成]
遮光層付フライアイレンズシート10は、フライアイレンズシート13と、このフライアイレンズシート13の観察者側となる面に設けられた感光性粘着層14と、この感光性粘着層14上に設けられた遮光層15と、この遮光層15上に粘着剤層16を介して設けられたプラスチック板3とを備える。フライアイレンズシート13は、支持基材であるフィルム11と、そのプロジェクタ側となる面に設けられたフライアイレンズ12とを有する。遮光層付フライアイレンズシート10の大きさは、目的とする透過型スクリーンの大きさに合わせて形成され、例えば、縦786mm×横1362mm(対角60インチ)などの大きさの長方形状を有する。
図2Aは、遮光層付フライアイレンズシート10のプロジェクタ側の外観を示す斜視図である。図2Bは、遮光層付フライアイレンズシート10の観察者側の外観を示す斜視図である。図2Aおよび図2Bに示すように、遮光層付フライアイレンズシート10の横方向にx軸を設定し、遮光層付フライアイレンズシート10の縦方向にy軸を設定し、遮光層付フライアイレンズシート10の厚さ方向にz軸を設定する。なお、図2Bでは、遮光層15の構成の説明を容易とするために、プラスチック板3の図示を省略している。
フライアイレンズシート13は、フレネルレンズシート20から出射された平行光を集光するためのものである。感光性粘着層14は、後述するように、遮光層15を形成するときに用いられるものである。遮光層15は、外光を吸収して透過型スクリーン2に表示される画像のコントラストを向上させるためのものである。プラスチック板3は、フライアイレンズシート13の剛性及び自立性を向上させるためと、フライアイレンズシート13を透過した光を拡散するためのものである。なお、プラスチック板3としては、光拡散機能のない透明なプラスチック板を用いてもよい。その場合、拡散機能を付与するために、拡散シートをプラスチック板の表面に貼り合わせてもよい。
図2Aに示すように、フライアイレンズシート10のプロジェクタ側となる面には、複数のフライアイレンズ12が稠密配置されている。なお、各フライアイレンズ12上に付された「+」の印は、レンズの頂点の位置を示す。
図2Bに示すように、遮光層15には、プロジェクタ側となる面に設けられたフライアイレンズ12と対応する位置に透過部15aが設けられている。この透過部15aは、遮光層15に設けられた開口部であり、この透過部15aを介してフライアイレンズ12により集光された光が観察者側に向けて出射される。この遮光層15の透過部15a以外の領域は、外光を吸収する遮光部15bとして機能する。
図3Aは、フライアイレンズ12の一例を示す平面図である。フライアイレンズ12は、フライアイレンズシート13に対して垂直な方向から見ると、正方形または長方形などの四角形状を有する。複数のフライアイレンズ12は、x軸方向およびy軸方向に周期的に配列されてなる稠密アレイを構成している。x軸方向のレンズピッチXは、好ましくは35μm以上150μm以下に設定され、例えば100μmに設定される。y軸方向のレンズピッチYは、好ましくは35μm以上150μm以下に設定され、例えば60μmに設定される。35μm未満であると、集光部があまりにも小さくなってしまうため、透過部15aの形成が困難となってしまう。150μmを超えると、モアレの発生が懸念される。
図3Bは、遮光層15の一例を示す平面図である。図4および図5は、透過部15aの形状例を示す模式図である。遮光層15に設けられた複数の透過部15aは、x軸方向およびy軸方向に周期的に配されている。透過部15aの形状は、フライアイレンズ12のレンズ設計に応じて定まり、例えばほぼ四角形状に設定される。ほぼ四角形状としては、四角形状のほか、四角形の4辺を中心に向かって湾曲させてなる形状(図4A参照)、四角形状のx軸方向(横方向)またはy軸方向(縦方向)の2辺を中心に向かって湾曲させた形状(図4B、図4C参照)、四角形の4辺を外側に向かって湾曲させてなる形状(図5A参照)、四角形状のx軸方向(横方向)またはy軸方向(縦方向)の2辺を外側に向かって湾曲させた形状(図5B、図5C参照)を挙げることができる。なお、これら各図に示した遮光部15aの開口形状はあくまでも模式図であって、図示するようなきれいな直線または曲線で形成されるものに限られず、ギザギザした、あるいはでこぼこした直線または曲線で形成されたものも含まれる。
また、フライアイレンズ12のレンズ設計によって、透過部15aの形状を図6A,Bに示す楕円形状や、図6Cに示すほぼX型形状に設定することができる。特に、透過部15aをほぼX型形状とすることにより、スクリーンの視野角特性の向上を図れることが確認されている。なお、X型形状の透過部15aは、図4Aを参照して説明したように四角形状の透過部15aの4辺を内側に湾曲させた形態の発展型であり、本明細書では図4A及び図6Cのような透過部の形状を「変調されたX形状」ともいう。
図7Aは、フライアイレンズ12の一形状例を示す斜視図である。図7Bは、フライアイレンズ12のxz断面の一例を示す断面図である。図7Cは、フライアイレンズ12のyz断面の一例を示す断面図である。このフライアイレンズ12は、例えば球面形状または非球面形状を有する。フライアイレンズが非球面形状を有する場合には、その非球面は、例えば以下の式(1)により表される。
Figure 2007011303
式(1)において、Cx、Cy、kx、kyは以下を示す。
Cx:x軸方向中心曲率
Cy:y軸方向中心曲率
kx:x軸方向の非球面係数
ky:y軸方向の非球面係数
表1は、上述の式(1)におけるCx、Cy、kx、ky、x軸方向(横方向)のレンズピッチ(x−pitch)、y軸方向(縦方向)のレンズピッチ(y−pitch)の組合せの幾つかの例を示す。なお、これらの数値はあくまでも一例であり、透過率や遮光部面積率など、要求されるスクリーンの特性に応じて適宜設定される。
Figure 2007011303
一方、スクリーンの輝度を上げる場合には、上下視野角が比較的狭くなるようにフライアイレンズを設計することで対応が可能である。この場合、透過部15aの形状は、図8Aに示すような直線形状または図8Bに示すような変調された直線形状に形成するのが好適である。なお、「変調された直線形状」は、透過部のエッジが直線的でなく、ギザギザあるいはでこぼこした直線形状を意味している。
ここで、従来より透過型スクリーンとしてフレネルレンズシートと組み合わされて使用されていたシリンドリカルレンズシートにおいても透過部の形状は直線状であるが、この場合、左右方向の視野角を制御するのみに留まる。これに対して、本実施形態では、フライアイレンズシートで透過部を直線形状とすることで、左右方向の視野角は勿論、上下方向の視野角もある程度制御可能となる。これにより、高輝度のスクリーンが得られることになり、シリンドリカルレンズシートを用いた従来の透過型スクリーンに比べて優位となる。
図9は、図8A,Bに示した形状の透過部を得ることができるフライアイレンズの一形状例を示している。この場合、y方向断面のレンズの曲率は、x方向断面のレンズの曲率よりもはるかに小さい非球面形状レンズとなる。フライアイレンズがこのような非球面形状を有する場合には、その非球面は、例えば以下の式(2)により表される。また、表2に、上述の式(2)におけるCx、Cy、kx、ky、x軸方向のレンズピッチ(x−pitch)、y軸方向のレンズピッチ(y−pitch)の組合せの幾つかの例を示す。なお、これらの数値はあくまでも一例であり、透過率や遮光部面積率など、要求されるスクリーンの特性に応じて適宜設定される。
Figure 2007011303
Figure 2007011303
[遮光層付フライアイレンズシートの製造方法]
透過型スクリーン2において、観察者側に配置される遮光層付フライアイレンズシート10の製造方法は、(1)レーザ加工により母型を作製する母型の作製工程と、(2)母型を原型に電鋳などの処理により複製金型を作製する複製金型の作製工程と、(3)複製金型によりフライアイレンズシートを作製するシートの作製工程、(4)フライアイレンズシート上に遮光層を形成する遮光層の形成工程とを備える。
この第1の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法を以下の順序で説明する。
(1)母型の作製工程
(2)複製金型の作製工程
(3)シートの作製工程
(4)遮光層の形成工程
(1)母型の作製工程
図10Aは、母型のレンズ成形面を示す模式図である。図10Bは、母型のレンズ成形面の一構成単位を拡大して示す模式図である。図10Aおよび図10Bに示すように、母型の成形面には、上述のフライアイレンズの形状に対応した複数の凹部が、縦方向および横方向に周期的に配設されている。
このフライアイレンズシートを形成するための母型は、例えば、KrFエキシマレーザーを使用したマスクイメージング法を用いて、被加工物である基板を加工することにより形成することが可能である。この基板の材料としては、プラスチック材料を用いることができる。なお、被加工物は、プラスチック材料などからなる基板に限定されるものではなく、シートまたはフィルムを被加工物として用いるようにしてもよい。また、被加工物の材料は、プラスチックに限定されるものではなく、金属またはガラスなどを用いてもよい。
また、被加工物であるプラスチック基板の材料としては、公知のプラスチックを用いることができる。この場合、プラスチックの耐熱性、ガラス転移点により加工性や加工後の表面形状が変化するため、加工条件に応じて適宜選択することが好ましく、ポリカーボネートを用いることが最も好ましい。また、母型はプレス法や成型用スタンパを用いた方法、切削法により作製することも可能である。この場合、加工基板の材料としては、プラスチックにとどまらず、金属を用いることもできる。
被加工物に形成されたマスク像を移動する方法として、例えば、レーザ光に対して被加工物を載せるステージを移動させる方法と、被加工物に対してレーザ光を移動させる方法がある。図11Aは、レーザ光Lの照射位置を固定とし、被加工物33を支持するステージ30を縦方向および横方向に移動させることで、被加工物33上に形成されたマスク像を移動させる例を示している。図11Bは、ステージ30を固定とし、このステージ30に支持された被加工物33に対してレーザ光Lを縦方向および横方向に移動させることで、被加工物33上に形成されたマスク像を移動させる例を示している。
一方、図11A,Bに示した平面ステージ以外にも、図12A,Bに模式的に示すような一方向に回転する回転ステージを用いてもよい。図示する回転ステージ機構は、駆動ローラ39の駆動力を受けて回転軸36のまわりに回転するドラム37の外周面または内周面に被加工物33を取り付け、被加工物33に対してレーザヘッド38をドラム36の軸方向に沿って移動させることで、被加工物33上に形成されたマスク像を移動させる例を示している。
図13は、レーザ加工の原理を示す模式図である。図14A,Bは、レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。なお、図13において、矢印35は、紙面に対して垂直な方向を示す。この発明の第1の実施形態による母型の作製工程では、レーザ加工により母型の形成が行われる。このレーザ加工を施すためのレーザ加工機としては、例えばベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用できる。
図14A,Bに示すように、マスク31には、複数の開口部または遮光部31aが設けられている。これらの複数の開口部または遮光部31aは、複数の行および/または列をなすように設けられている。このマスク31の開口部または遮光部31aを介してレーザ光Lを被加工物33上に照射して、被加工物33上にマスク像を形成することにより、レーザ光Lのエネルギーにより被加工物が加工される。このマスク31の材料としては、レーザ光Lの照射に対して耐えることができるものが選ばれ、例えば金属マスクや石英に金属を蒸着してなるマスクが選ばれる。
開口部または遮光部31aの形状は、この開口部または遮光部31aおよびレンズ32を介してレーザ光Lを照射してマスク像を被加工物33上に形成するとともに、このマスク像を被加工物33上の一方向に向かって移動させることにより、球面または非球面形状の溝(凹み)または突起(凸)を形成できるように選ばれる。また、被加工物33としては、プラスチック材料を用いることができ、例えばポリカーボネートを用いることができる。
球面または非球面状の溝を形成できる開口部または遮光部31aの形状としては、図14A,Bに示すようにマスク移動方向に沿って対称(上下対称)な形状のほか、例えば半円形状または爪状など、端部が円弧状に湾曲した形状を挙げることができる。図14A,Bにおいて、白領域はマスク開口領域を示しており、黒領域はマスク遮光領域を示している。そして、これらの湾曲した辺の側が、マスク像の移動方向またはそれとは反対の方向となるように、マスク像の移動方向を規定するようにする。このようにすることで、マスク像を一方向に向かって移動させた場合に、図14Aに示すマスクを用いたときは、マスク像の中心部が通過する位置により多くのレーザ光Lを照射することができる。これにより、球面または非球面形状の溝を形成することができる。
なお、被加工物33上に球面又は非球面状の突起を形成する場合には、図14Bに示すように開口領域と遮光領域とが反転したマスクを用いればよい。
以下、図13を参照しながら、母型の作製工程について説明する。
まず、被加工物33の上方にマスク31を配し、このマスク31を介してレーザ光Lを被加工物33上に対して照射して、被加工物33上にマスク像を形成すると共に、矢印34に示すように被加工物33を横方向に移動させる。これにより、マスク像が被加工物33上を横方向に移動されて、被加工物33上が連続的に加工される。この工程により、被加工物33上にストライプ状の溝が形成される。
次に、マスク31を面内方向に90度回転して配して、このマスク31を介してレーザ光Lを被加工物33上に対して照射して、被加工物33上にマスク像を形成すると共に、矢印35に示すように被加工物33を縦方向に移動させる。これにより、マスク像が被加工物33上を縦方向に移動されて、被加工物33上が連続的に加工される。以上により、目的とする母型が作製される。
なお、母型の作製方法は上記の例に限られない。例えば図15は、他の母型作製方法を説明する原理図、図16は当該方法に用いられるマスクの構成の一例を示す模式図である。なお、この母型作製方法に用いられるレーザー加工機としては、英国エキシテック社製レーザ微細加工装置「MicrAblater M2000」を使用することができる。
図16に示すように、マスク31Aには複数の開口部が形成されている。開口部の形状は、図15に示すように開口部を介してレーザ光Lを照射してマスク像を被加工物33上に形成するとともに、マスク像を被加工物33上の一方向に向かって移動させることにより、球面または非球面状のレンズを形成できるように選ばれる。具体的に、図16に示すマスク31Aの開口部の形状としては、目的のレンズ形状の高さ方向を複数の断面に分割し、それらをマスク像の移動方向に並べたものになる。
マスク31Aを用いた母型の作製方法を図15を参照して説明すると、まず、被加工物33の上方にマスク31Aを配置し、このマスク31Aを介してレーザ光Lを被加工物33上に照射して被加工物33上にマスク像を形成する(図15A)。すると、それぞれの開口部の形状に対応した部分の被加工物33が加工される。次に、矢印で示すように被加工物33をマスク31の1パターン分、つまりマスク31Aの一つの開口部の中心と隣の開口部の中心の距離だけ横方向に移動させレーザ光Lを照射する(図15B)。これにより、被加工物33の高さ方向で2段階の加工が施される。同様に、マスク31Aを1パターン分の距離だけ横方向に移動させ、加工を行うと、図15Cに示すように高さ方向で3段階の加工ができる。このように順次1パターンずつ横方向に移動させた後にレーザを照射することにより、マスク31Aの移動方向のパターン数だけ被加工物33が高さ方向に加工されることになる。マスク31Aに形成するパターン数を例えば100以上とすることで、被加工物33上に高さ方向に滑らかな曲線からなるレンズ形状を作製することができる。
(2)複製金型の作製工程
まず、例えば無電解メッキ法により、上述のようにして作製された母型の凹凸パターン上に導電化膜を形成する。ここで、導電化膜は、例えばニッケルなどの金属からなる金属被膜である。そして、導電化膜が形成された母型を電鋳装置に取り付け、例えば電気メッキ法により、ニッケルメッキ層などの金属メッキ層を導電化膜上に形成する。その後、母型から金属メッキ層を剥離する。これにより、母型とは反対の凹凸パターンを有する複製金型が得られる。
次に、上述のようにして得られた複製金型の凹凸が形成された側の面に、例えば電気メッキ法により、例えばニッケルメッキ層などの金属メッキ層を形成する。その後、複製金型から金属メッキ層を剥離する。以上により、母型と同様の凹凸形状を有する複製金型が作製される。
(3)フライアイレンズシートの作製工程
図17は、フライアイレンズシートの作製工程の一例を示す模式図である。
まず、図17Aに示すように、上述のようにして作製された複製金型41の凹凸パターン上に、例えば紫外線硬化樹脂などの樹脂材料を流し込む。その後、図17Bに示すように、複製金型41上に、支持基材となるフィルム11を重ね合わせる。そして、例えばゴムローラなどにより、フィルム11に対して力を加えて樹脂材料の厚みを均一にする。
次に、例えばフィルム11の側から紫外線を照射して、例えば紫外線硬化樹脂などの樹脂材料を硬化させる。その後、図17Cに示すように、硬化した紫外線硬化樹脂などの樹脂材料を複製金型41から剥離する。以上により、フィルム11の一主面にフライアイレンズ12が形成されて、目的とするフライアイレンズシート13が作製される。
フライアイレンズ12を形成する樹脂材料は、紫外線硬化樹脂に特に限定されるものではなく、透光性を有するものであれば用いることができるが、着色、ヘイズにより透過光の色相、透過光量が変化することは好ましくない。製造の容易性の点から、紫外線、電子線または熱により硬化できる樹脂が好ましく、紫外線で硬化できる感光性樹脂が最も好ましい。例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。
また、感光性樹脂には、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を適宜用いることができる。感光性樹脂の厚みとしては特に限定はないが、厚いと次工程で感光性粘着層を硬化させるときに照射するUV光に対して、吸収が大きくなるため200μm以下の厚さとすることが好ましい。
フィルム11としては、例えば透明性を有するプラスチックフィルムを使用することができる。このようなフィルムとしては、公知の高分子フィルムを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、アラミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセルロース、ポリスルフォン、ポリプ、ジアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂など、公知の樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができる。
フィルム11が例えばPETフィルムのような結晶配向性を有するプラスチックフィルムの場合は、単一レンズの短辺方向(ピッチの狭い方の辺)とフィルム11の熱収縮の大きい方向を合わせることが好ましい。熱収縮の大きい方向とは、結晶配向性を有するフィルムの場合、一般的に製膜時の流れ方向(製膜方向)を意味する。単一レンズの短辺方向にフィルムの熱収縮の大きい方向を合わせることで、フライアイレンズシート作製時に加わる加工歪みを軽減することができる。
フィルム11の厚さは、例えば35μm以上105μm以下であることが好ましい。この範囲からはずれると、フライアイレンズ12のレンズピッチを35μm以上150μm以下に規定した場合に、集光ポイントがはずれてしまい、集光の形状がぼけてしまう。
また、フライアイレンズシート13の作製方法はこの例に限定されるものではなく、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、環状オレフィン系樹脂等の透明な熱可塑性樹脂を任意の方法で成形するようにしてもよい。このようにして成形する場合には、支持基材となるフィルム11は無くてもよい。
(4)遮光層の作製工程
図18は、遮光層の作製工程の一例を示す模式図である。
まず、図18Aに示すように、上述のようにして作製されたフライアイレンズシート13のレンズ面とは反対側の平坦面に、例えば紫外線感光樹脂粘着層などの感光性粘着層14を形成する。この感光性粘着層14の形成方法としては、例えば、フィルム11の表面に感光性粘着剤を直接塗布する方法、感光性粘着層14を支持体上に剥離可能に形成し、この感光性粘着層14をフィルム11の表面に貼り合わせて、支持体を剥離する方法などが挙げられる。
感光性粘着層14を構成する材料としては、少なくとも1つの有機重合体からなる熱粘着性の結合剤、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、1つの光重合開始剤を主成分とするものを用いることができる。
上記有機合成体からなる熱粘着性の結合剤は、上記の各成分と相溶性であることが望ましい。一般的な有機重合体の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ジアリルフタレート樹脂、各種合成ゴム、例えばブタジエン−アクリルニトリル共重合体などを挙げることができる。
光重合化合物としてはラジカル重合が可能なエチレン性不飽和基を有する、付加重合または架橋可能な公知モノマー、オリゴマー、ポリマーを制限することなく使用することができる。例えばビニル基、またはアクリル基を有するモノマー、オリゴマーまたは末端または側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマーである。その例としては例えばアクリル酸及びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N-ビニル複素環類、アクリルエーテル類、アクリルエステル類、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクルアミド、スチレン、アクリルニトリル、N-ビニルピロリドン、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテルヒドロキシブチルビニルエーテル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが好適に使用でき、これらの化合物は1種または2種以上を混合して用いることができる。
前記材料成分の混合比は概ね、有機重合体からなる熱粘着性の結合剤20〜80wt%、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物20〜80wt%である。
次に、図18Bに示すように、未硬化状態の感光性粘着層14に、フライアイレンズ12の側から紫外線(UV平行光)を照射する。これにより、フライアイレンズ12により紫外線が集光部14aに集光されて、感光性粘着層14のうち集光部14aの感光性粘着層14が硬化される。すなわち、集光部14aの感光性粘着層14は粘着性が失われる。これに対して、紫外線が集光されない非集光部14bの感光性粘着層14は、粘着性が維持される。
次に、図18Cに示すように、感光性粘着層14上に、黒色転写フィルム19の黒色層17を貼り合わせた後、支持体18を剥離する。これにより、図18Dに示すように、黒色層17のうち集光部14aに対応する部分(非粘着パターン領域)が支持体18と共に剥離されて、図4〜図6または図8に示した四角形状、X形状、直線形状またはこれらの変調された形状を有する透過部15aが形成されるとともに、集光部14a以外の領域に対応する部分(粘着パターン領域)に、黒色層17が残存してなる遮光部15bが形成される。以上により、図18Eに示すように、透過部15aと遮光部15bとからなる遮光層15が観察者側となる面に設けられた遮光層付フライアイレンズシート10が得られる。その後、必要に応じて、プラスチック板3を遮光層15上に形成する。
黒色転写フィルム19は樹脂とカーボンブラックを混合した塗料を、支持体18に塗工することにより得られる。
上記カーボンブラックとしては、市販のカーボンブラックを使用することができる。例えば、三菱化成社製の#980B、#850B、MCF88B、#44B、キャボット社製のBP−800、BP−L、REGAL−660、REGAL−330、コロンビアンカーボン社製のRAVEN−1255、RAVEN−1250、RAVEN−1020、RAVEN−780、RAVEN−760、デグサ社製のPrintex−55、Printex−75、Printex−25、Printex−45、SB−550等がある。これらを単独、あるいは混合して使用することができる。
カーボンブラックと配合するバインダー樹脂としては、変成または非変成の塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用でき、この他、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステルも使用できる。また、特定の使用方式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等を用いてもよい。
本実施形態では、塗料におけるカーボンブラックの含有量を45wt%以上65wt%以下としている。
カーボン含有量が65wt%を超える場合は、樹脂に対してカーボンが過剰となり、カーボンブラックが脱落し易くなる。このため、集光部14aに対応して透過部15aを高精度に形成することが困難となる。また、カーボンブラックの集光部への脱落及び、転写工程内での脱落は、レンズシートおよび作業環境を汚染するので望ましくない。
また、カーボンブラックの含有量が45wt%に満たない場合は、樹脂が過剰となるため塗膜強度が強く、集光部と非集光部の境界に倣って塗膜が切れず、非集光部に付着すべき黒色層が不足する。あるいは集光部に黒色層が残存することが起きる。非集光部の黒色層不足、集光部への黒色層の残存は、投影像のコントラストが低下したり投影像が欠けるため望ましくない。
このようにカーボンブラックの含有量を規定することで、集光部14aに対応して四角形状、X形状、直線形状またはこれらの変調された形状の透過部15aを高精度に形成できる。また、フライアイレンズ12のレンズ形状に基づいて、透過部15aの意図する形状を再現性高く形成できるので、透過部15aの微細化が可能となる。カーボン含有量を50wt%以上60wt%以下とするのが最も好ましい。
黒色層17には、カーボンブラックとバインダー樹脂の他に、必要に応じて有機顔料、無機顔料などの添加剤、分散向上のための分散剤を含有させることができる。
黒色層17となる塗料の形成は上記した各成分と必要に応じて溶剤とを常法により撹拌機で混合し、支持体18に塗布し、乾燥あるいは硬化すればよい。
上記塗料の支持体18としては、公知のプラスチックフィルムを用いることが可能である。必要に応じて、プラスチックフィルム表面にアンダーコート層を形成し、プラスチックフィルムと黒色層17との剥離強度を調整することが可能である。
黒色層17の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下が好ましい。厚みが0.5μmに満たない場合は黒色濃度が低下し、外光を十分に遮断することができない。また、濃度ムラが顕著となり望ましくない。厚みが2.0μmを超える場合は、感光性粘着層に黒色転写層17を貼合し加圧した際に塗膜にひび割れが生じ望ましくない。黒色層17の厚みは0.7μm以上1.5μm以下が最も好ましい。
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
上述の第1の実施形態では、平板状の被加工物をレーザ加工して母型を作製する場合を例として説明したが、この第2の実施形態では、図12A,Bに示したように円筒状を有する被加工物をレーザ加工して母型を作製する場合について説明する。
遮光層付フライアイレンズシートの製造方法以外のことは、上述の第1の実施形態と同様であるので、以下では遮光層付フライアイレンズシートの製造方法について説明する。
この発明の第2の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法を以下の順序で説明する。
(1)母型の作製工程
(2)複製金型の作製工程
(3)シートの作製工程
(4)遮光層の形成工程
(1)母型の作製工程
まず、円筒形状を有する被加工物を準備する。被加工物の材料としては、公知のプラスチックを用いることができる。この場合、プラスチックの耐熱性、ガラス転移点により加工性や加工後の表面形状が変化するため、加工条件に応じて適宜選択することが好ましく、ポリカーボネートを用いることが最も好ましい。
次に、この円筒形状を有する被加工物の内周面上に、レーザ照射系を移動させる。このレーザ照射系には、被加工物を所望の形状に加工するためのマスクが装着されている。このマスクとしては、例えば、上述の第1の実施形態におけるものと同様のものを用いることができる。
次に、マスクを介してレーザ光を被加工物の内周面に対して照射することにより、被加工物の内周面上にマスク像を形成すると共に、レーザ照射系を被加工物の一方の開口端から他方の開口端に向けて移動させる。これにより、レーザ光のマスク像が一方の開口端から他方の開口端に向けて移動され、被加工物の内周面に一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が形成される。
そして、同様の工程を、被加工物をその中心軸を回転軸として適宜回転させながら繰り返す。これにより、一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が、被加工物の内周面全体に形成される。
次に、レーザ照射系を一方の開口端に移動させる。そして、マスクを介してレーザ光を被加工物の内周面に対して照射することにより、被加工物の内周面上にマスク像を形成すると共に、被加工物の中心軸を回転軸として一定速度で回転させる。これにより、レーザ光のマスク像が内周面の円周上を移動して、内周面の円周上が加工される。そして、同様の工程を、レーザ照射系を一方の開口端から他方の開口端の方向に向けて適宜移動しながら繰り返す。以上により、目的とする母型が得られる。
なお、マスクの開口が半円形状または爪状を有する場合には、例えば、マスク像がその湾曲した辺の側の方向またはそれと反対の方向に移動するように、レーザ照射系に対するマスクの装着位置を設定するようにする。
(2)複製金型の作製工程
まず、例えば無電解メッキ法により、上述のようにして作製された母型の内周面上に導電化膜を形成する。ここで、導電化膜は、例えばニッケルなどの金属からなる金属被膜である。そして、導電化膜が形成された母型を電鋳装置に取り付け、例えば電気メッキ法により、ニッケルメッキ層などの金属メッキ層を導電化膜上に形成する。その後、母型を例えばレーザ光でカットして、母型から金属メッキ層を剥離する。これにより、母型とは反対の凹凸パターンを有する複製金型が得られる。
(3)シートの製造工程
図19は、フライアイレンズシートの製造工程を説明するための模式図である。まず、図19を参照して、フライアイレンズシートの製造方法に用いられるシートの製造装置について説明する。図19に示すように、このシートの製造装置は、加圧ロール52、樹脂ディスペンサ54、剥離ロール55、UVランプ(紫外線ランプ)56および複製金型57を備える。
基材シート(基材フィルム)51は、帯状の形状を有する。基材シート51の材料としては、例えば透明性を有するプラスチックフィルムを使用することができる。このようなフィルムとしては、公知の高分子フィルムを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、アラミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセルロース、ポリスルフォン、ポリプ、ジアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂など、公知の樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができる。この基材シート51は、巻軸に予め巻き取られて巻物状とされ、シートの製造装置の所定位置に回転可能に装着される。
複製金型57は、上述の(1)〜(2)の工程により得られた金型ロールであり、フライアイレンズ12を基材シート51の一主面に多数連続して形成するためのものである。複製金型57は、円柱状の形状を有し、その円柱面には、フライアイレンズ12を形成するための微細形状の型が設けられている。また、複製金型57は、その中心軸を回転軸として回転可能に装着され、複製金型57の回転に伴って基材シート51が送り出される。
加圧ロール52は、基材シート51を加圧して複製金型57の円柱面に密着させるためのものである。加圧ロール52は、円柱状の形状を有し、その半径は、例えば複製金型57の半径よりも小さく選ばれる。加圧ロール52は、その中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。
剥離ロール55は、フライアイレンズ12が一主面に形成された基材シート51を、金型ロール57から剥離するためのものである。剥離ロール55は、円柱状の形状を有し、その半径は、例えば複製金型57の半径よりも小さく選ばれる。剥離ロール55は、その中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。
樹脂ディスペンサ54は、紫外線硬化樹脂53を滴下するためのものであり、紫外線硬化樹脂の滴下位置を調整できるように移動可能に構成されている。UVランプ56は、紫外線を照射可能に構成され、複製金型57によって搬送される基材シート51に対して紫外線を照射する。
次に、図19を参照しながら、フライアイレンズシートの製造方法について説明する。
まず、微細形状が表面に設けられた複製金型57に基材シート51を巻き付けて、加圧ロール52と剥離ロール55でニップする。そして、樹脂ディスペンサ54から基材シート51上に紫外線硬化樹脂53を滴下して、基材シート51を複製金型57に圧着しながら送り出す。これにより、複製金型57の円柱面と基材シート51との間に紫外線硬化樹脂が充填されるとともに紫外線硬化樹脂に混在する気泡が除去され、複製金型57の金型形状が紫外線硬化樹脂層に転写される。なお、紫外線硬化樹脂53の滴下位置は上記の例に限られず、例えば、複製金型57と基材シート51との間に紫外線硬化樹脂53を滴下して、複製金型57と基材シート51との間に樹脂だまりを形成しながらシートを製造するようにしてよい。
紫外線硬化樹脂53としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコン樹脂等を例示することができるが、特に限定されるものではない。なお、樹脂は紫外線硬化樹脂に限定されるものではなく、エネルギーを吸収して硬化する種々の樹脂を用いることができ、例えば、電子線または熱により硬化できる樹脂を用いることができる。
そして、複製金型57の下方から紫外線を基材シート51に対して照射して紫外線硬化樹脂53を硬化させた後、回転している剥離ロール55により複製金型57から基材シート51を引き剥がす。これにより、フライアイレンズ12を有する光学層が基材シート51上に形成されて、目的とするフライアイレンズシート13が得られる。
(4)遮光層の形成工程
遮光層の形成工程については、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(第3の実施形態)
図20は、本発明の第3の実施形態による背面投影型の画像表示装置の一構成例を示す模式図である。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態において、遮光層付フライアイレンズシート10は、フライアイレンズ12が一主面に形成されたフライアイレンズシート13と、フライアイレンズシート13の他主面に設けられた遮光層15と、これらフライアイレンズシート13と遮光層15との間に形成された感光性粘着層14とを備えている。
感光性粘着層14は、上述の第1の実施形態と同様に、粘着/非粘着パターンを有している。遮光層15は、感光性粘着層14の粘着パターン上に形成された遮光部15bと、非粘着パターン上に形成されフライアイレンズ12を透過した光を透過させる透過部15aとを有している。そして、透過部15aは、フライアイレンズ12による集光部に対応する位置にそれぞれ設けられている。感光性粘着層14に対する遮光層15の形成は、図18を参照して説明したように黒色転写フィルム19を用いた黒色層17の転写によって行われる。
本実施形態において、感光性粘着層14の非粘着パターンに対応する領域には凹部44が形成されている。感光性粘着層14の非粘着パターンの表面に凹部44が形成されることにより、感光性粘着層14の露光後、黒色転写フィルム19の貼付けの際に、黒色層17が非粘着パターン上に貼り付きにくくなる。これにより、黒色転写フィルム19の剥離時に、感光性粘着層14の非粘着パターン上に位置する黒色層17が支持体18とともに感光性粘着層14から分離され易くなり、非粘着パターンにおける黒色層の残存が発生しにくくなる。
従って、本実施形態によれば、上述の第1の実施形態に比べて、透過部15aの形状精度を高めることができ、透過率を低下させることなく遮光部15bの面積率(遮光層15全体に対する遮光部15bの面積の比率)を大きくして表示画像のコントラスト向上を図ることができる。また、フライアイレンズ12の集光領域が粘着性を失うほどの強い紫外線の照射光量を必要としないので、生産コストの低減を図ることも可能となる。
この凹部44は、感光性粘着層14の非粘着パターンの遮光層15側表面に、0.05μm以上、好ましくは1μm以上の深さで形成されている。凹部44の形成深さが0.05μm未満だと、感光性粘着層14の非粘着パターン上に対する黒色層の接触領域の低減が図れなくなり、非粘着パターン上に黒色層が残存するおそれがあるからである。
感光性粘着層14の非粘着パターンに対する凹部44の形成方法としては、感光性粘着層14の紫外線の露光時における集光部の熱収縮あるいは硬化収縮による変形を利用するのが好適である。これにより、感光性粘着層14に対する粘着/非粘着パターンの形成工程と同時に凹部44の形成工程を行うことができる。
本実施形態では、感光性粘着層14として、露光時に集光部の粘着性が消失すると同時に、集光部の熱収縮あるいは硬化収縮が起こることで遮光層15側の表面が凹状に変形する粘着性高分子樹脂層が好適に用いられる。このような感光性粘着層14としては、上述の第1の実施形態において挙げた種々の光重合化合物の中で、特に、硬化時の収縮が大きいものを使用するのが好適である。
なお、凹部44の形状は特に制限されず、黒色転写フィルムの黒色層との物理的接触を低減できる程度の形状であればよい。凹部44は矩形状に形成されるのが好ましいが、これ以外にも、クレーター状その他の形状であってもよい。
また、凹部44の形成方法は、上述した感光性粘着層14の露光時における熱収縮あるいは硬化収縮によるものに限らず、例えば、露光前または露光後における感光性粘着層14の非粘着パターン上に対するプレス処理、ブラスト処理などで機械的に凹部44を形成するようにしてもよい。
一方、感光性粘着層14に対する遮光層15の形成工程において、感光性粘着層14の非粘着パターン上における透過部15aの形成を高精度に行うために、遮光部15bを構成する黒色層17(図18)の凝集力を制限するのが好ましい。本実施形態では、黒色層17の凝集力をマルテンス硬度30N/mm2以上200N/mm2以下に規定している。
黒色層17のマルテンス硬度が200N/mm2を超えると、黒色層17の転写時に塗膜の切れが悪くなり、フライアイレンズ12で集光したとおりに透過部15aを形成することが困難となる。フライアイレンズの場合は透過部の形状がマトリクス状(二次元)となり、レンチキュラーレンズの場合よりも遮光層の形成が複雑化する。塗膜凝集力が高くなると透過部の形状が集光部と一致せず透過率の低下及び黒ムラを招く。一方、黒色層17のマルテンス硬度が30N/mm2未満では、塗膜凝集力が低くなりすぎて工程で粉落ちが生じ、作業性の低下あるいは透過部の付着を招き透過率低下の原因となる。
なお、本発明で用いたマルテンス硬度とは、試験荷重が負荷された状態(押し込み)で測定される硬さであり、負荷増加時の荷重−押し込み深さ曲線の値から求められる。マルテンス硬度には、塑性及び弾性変形の両方の成分が含まれる。
マルテンス硬度は、四角錐圧子及び三角錐圧子について定義される。具体的には、以下の式で示されるように、試験荷重Fを、接触ゼロ点から圧子の侵入した表面積Asで除した値と定義される。
マルテンス硬度=F/As=F/26.43h2
ここで、表面積Asとは、
1)ビッカース圧子(四角錐圧子)の場合
As=(4sin(α/2)/cos2(α/2))×h2
2)バーコビッチ圧子(三角錐圧子)の場合
As=(3√3tanα/cosα)×h2
である。
以上のように、黒色層17の塗膜強度をマルテンス硬度で30N/mm2以上200N/mm2以下、更に好ましくは、50N/mm2以上100N/mm2以下とすることにより、透過部のエッジ部分をシャープに形成できるようになるため、遮光部面積率を低下させることなく透過率の高いフライアイレンズシートを作製することができる。また、四角形状やX形状、直線形状など、透過部の形状に関係なく所望の透過部形状を高精度に形成することができるようになる。
勿論、レンチキュラーレンズ(シリンドリカルレンズ)を用いた透過型スクリーンの遮光層を本発明に係る黒色層17で構成することも可能である。この場合においても、直線形状の透過部を精度良く形成することが可能となるので、遮光部面積率を低下させることなく透過率の向上を図れるようになる。
なお、感光性粘着層14の非粘着領域上への黒色層17の付着を抑えるために、黒色転写フィルム19の支持体18(図18)がある程度の剛性を有するのが好適である。支持体18の構成材料としては、公知のプラスチックフィルムが使用可能であるが、例えば、PETフィルムを使用する場合には12μm以上50μm以下の厚みがあることが好ましい。
支持体18の厚みが12μm未満である場合、支持体18の剛性が乏しいため透過部15aの凹部44に黒色層18が付着しやすくなる。この場合、凹部44の形成深さを大きくする必要が生じる。また、支持体18の厚みが50μmを超えると、黒色転写フィルム19の貼り合わせ時にかかる応力によって、凹部44が潰れる可能性がある。この場合、黒色転写フィルムの貼り合わせ時に最適圧力の制御が必要となる。
(第4の実施形態)
図20に示したように、透過型スクリーン2においては、プロジェクタ1からの光はフレネルレンズシート20で平行光に補正された後、遮光層付フライアイレンズシート10に入射する。このとき、遮光層付フライアイレンズシート10にうねりやゆがみが生じていると光の入射角が乱れるため、画像のゆがみやぼやけが生じる。従って、遮光層付フライアイレンズシート10はフレネルレンズシート20に対して平行度が必要とされる。
遮光層付フライアイレンズシート10は、フライアイレンズシート13自体が薄く剛性及び自立性に欠けるため、遮光層15に粘着剤層16を介してプラスチック板3を接着することで剛性及び自立性を確保し、画像の乱れを生じないように構成されている。プラスチック板はガラス板に比べて軽量かつ安価であり、破損の危険が少ないという利点を有している。
しかしながら、プラスチック板は吸湿性、耐熱性がガラス板に比べて劣るため、高湿、低温、高温環境下で膨張、収縮する。また、フライアイレンズシートは線膨張係数が異なる樹脂層の積層体で構成されているため、上記と同様な環境下で寸法変化を生じる。従って、これらプラスチック板の膨張、収縮やフライアイレンズシートの寸法変化によって、表示画像にゆがみが生じるという問題を有している。特に、遮光層に透過部を2次元的に配置して画像のコントラスト向上を図る遮光層付フライアイレンズシートにおいては、シートあるいはプラスチック板の変形によって入射角が変化し画像にゆがみが生じるとともに、透過率低下により画像が暗くなる不具合が生じる。
そこで、本実施形態では、フライアイレンズシートにプラスチック板を粘着剤層を介して貼り合わせた構成のスクリーンにおいて、プラスチック特有の熱、湿度などの環境的影響による寸法変化を抑制することで、スクリーンならびに画像のゆがみを改善するようにしている。
以下、図1または図20を参照して具体的に説明するが、特に説明のない部分は上述の各実施形態と同様に構成されているものとする。
プラスチック板3は、透明性を有する公知のプラスチック板が使用される。このようなプラスチック板としては、公知の高分子で形成された板を使用することができ、具体的には、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセルロース、ポリスルフォン、ポリプ、ジアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂など、公知の樹脂板の中から適宜選択して用いることができる。
プラスチック板3に用いられる樹脂材料は、高温、低温、高湿環境下での寸法変化が小さいことが好ましく、プラスチック板単体での吸水率が0.2%以下であることが好ましい。例えば、メチルメタクリレート−スチレン共重合体のスチレン比率を上げることで吸水率を低下させることが可能である。
プラスチック板3の厚さは、例えば0.5mm以上2.5mm以下であることが好ましい。プラスチック板3は、フライアイレンズシート13のレンズ面のうねりを抑制するために厚い方が好ましいが、厚すぎると樹脂の吸収により透過率が低下し、コスト、重量も増大する。
また、プラスチック板3に光の拡散機能を付与することも可能である。この場合、プラスチック板を構成する樹脂中に任意の拡散剤を添加し製膜することで得ることができる。
拡散剤としては、公知の各種無機及び有機フィラーを用いることができる。具体的には、架橋アクリル微粒子、スチレン微粒子、架橋ポリエチレン微粒子、シリカ微粒子等が挙げられるが、これに限定されない。プラスチック板の透過率を低下させることなく拡散機能を有することが好ましく、樹脂と拡散剤の屈折率差が適当なものが用いられる。拡散剤の粒径は任意に選択でき、例えば0.5μm以上50μm以下、好ましくは、1μm以上30μm以下の粒径の拡散剤が用いられる。粒径が小さくなると散乱の影響が大きくなるため透過率が低下する。拡散剤の種類、粒径等は、必要な拡散特性に応じて適宜選択することができる。
なお、環境保存時にプラスチック板3の反りが生じることを見込んで、当該反り方向とは反対側に反らせてプラスチック板3を作製するようにしてもよい。
プラスチック板3の粘着剤貼合面と反対側(観察者側表面)に耐傷性向上を目的としたハードコート層を形成してもよい。ハードコート層を構成する材料としては、公知の透明樹脂を使用することが可能である。例えば、硬化型樹脂として、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のケイ素アルコキシドの重合体やエーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化性樹脂、フェノキシ系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系放射線(紫外線)硬化性樹脂等がある。これらの中でも、多官能アクリレート系樹脂等の放射線硬化性樹脂は、放射線の照射により比較的短時間に架橋度の高い層が得られることから、製造プロセスへの負担が少なく、膜密度が高いという特徴があり、最も好ましく用いられる。
プラスチック板3へのハードコート層の形成方法としては、プラスチック板上に任意の方法で上記樹脂を塗工後、放射線(紫外線)照射や加熱処理により層を硬化させる。塗工方式としては、例えば、マイクログラビアコート法、マイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、コンマコート法、ダイコート法、ナイフコート法、スピンコート法などの各種塗工方法が用いられる。
また、ハードコート層に微粒子を含有させることにより、アンチグレア性、帯電防止性を付与することが可能である。含有させる微粒子を平均粒径0.5μm以上15μm以下とすることにより、ハードコート層表面に微細な凹凸を形成するのが好ましい。なお、ハードコート層に含有させる微粒子としては、公知の各種無機及び有機フィラーを用いることができる。
一方、フライアイレンズシート13にプラスチック板3を接着するための粘着剤層16としては、透明性を有するものであれば特に制限なく使用できる。例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが用いられる。
本実施形態において、この粘着剤層16には、遮光層付フライアイレンズシート10を構成するフライアイレンズシート13やプラスチック板3などの各種樹脂層の収縮、膨張を緩和する機能をもたせている。このため、粘着剤層16の厚みは20μm以上125μm以下、好ましくは25μm以上75μm以下とされ、かつ適度な架橋密度をもつものがよく、具体的には100℃以上200℃以下でのヤング率(弾性率、更に詳しくは貯蔵弾性率)が1×104Pa以上1×105Pa以下とされる。
上記温度下でのヤング率が1×105Paを超えると、架橋密度が高くなり過ぎて粘着剤層が硬くなり、応力に対する緩和効果を期待できなくなる。ヤング率が1×104Pa未満では粘着剤層が軟らかくなり過ぎて、プラスチック板3が自重でフライアイレンズシートからずり落ちるおそれが生じる。また、粘着剤層16の厚みが20μm以下になると、応力に対する緩和効果が期待できなくなり、125μmより厚くなると透過率低下、作業性の低下、コスト上昇を招く。
フライアイレンズシートに対するプラスチック板3の貼合せ工程では、フライアイレンズシートの遮光層15の観察者側表面に粘着剤層16を形成した後、この粘着剤層16の上にプラスチック板3を貼り合わせる。なお、これに限らず、粘着剤層16をプラスチック板3の一方の面に形成した後、粘着剤層16をプラスチック板3とともに遮光層15に貼り合わせるようにしてもよい。
ところで、フライアイレンズシート13の熱収縮は、フライアイレンズ12を支持するフィルム11の寸法変化による影響が大きい。このため、フィルム11の製膜時の流れ方向をスクリーンの長手方向(水平方向)と一致させてフライアイレンズシート13を作製するのが好ましい。
フィルム11の製膜時の流れ方向は、フィルム11の幅方向と比較して歪みが大きく、熱に対する寸法変化が大きい。特に、製膜時に延伸されてなるプラスチックフィルムにおいては顕著である。スクリーンに関しては、その長辺方向の変形よりも短辺方向の変形の方が画像のゆがみが大きい。従って、フィルム11の歪みの少ない方向をスクリーンの短辺方向に配向させることで、熱収縮による画像の歪みを低く抑えることができる。
なお、フィルム11の製膜時の幅方向(製膜時の流れ方向と直交する方向)の熱収縮率は、150℃、30分の条件で、0.4%以下であるのが好ましい。フィルム11の熱収縮を低く抑えるにはアニール処理を施すことが好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜15)
[実施例1]
(1)黒色転写フィルムの作製
以下に示す原料を配合し、ボールミルにて任意の時間分散後、5μm口径のフィルターを通し、カーボン含有量が65wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 130重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)70重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製「ルミラー」)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。
[黒色転写フィルムの評価]
(a)全光線透過率測定
(1)で作製した黒色転写フィルムの全光線透過率を測定した。その結果、全光線透過率は0.1%であった。評価装置は村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150型を用いた。評価条件はJIS K−7361に準拠した。
(b)粉落ちの確認
(1)で作製した黒色転写フィルムの表面を綿棒で軽く払拭し、黒色付着の有無を目視にて確認した。黒色付着が顕著な場合は次工程以降で、汚染の可能性があるため、判定をNGとして以降の工程を取りやめることとした。
本実施例1においては、黒色の付着は見られなかった。
(2)複製金型の作製
母型を作製するための加工装置としては、ベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用した。マスクとしては、複数の爪状の開口部が複数列配列されているものを用いた。なお、被加工物としてはポリカーボネートからなる基板を用いた。
まず、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を横方向に移動させて、レーザ光により連続的に横方向に加工して溝を作製した。次に、マスクを面内方向に90°回転させた後、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を縦方向に移動させて、レーザ光により連続的に縦方向に加工して溝を作製した。以上の工程により、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有する母型が作製された。
次に、上述のようにして得られた母型上に、例えば無電解メッキ法により、ニッケルからなる導電化膜を形成した。そして、導電化膜が形成された母型を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により、ニッケルメッキ層を導電化膜上に形成した後、母型からニッケルメッキ層を剥離した。以上の工程により、母型とは反対の凹凸パターンを有する複製金型が得られた。
次に、上述のようにして得られた複製金型の凹凸が形成された側の面に、電気メッキ法により、ニッケルメッキ層を形成した後、このニッケルメッキ層を複製金型から剥離した。以上の工程により、母型と同様の凹凸形状を有する複製金型が得られた。
(3)フライアイレンズシートの形成
まず、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有するフライアイレンズの複製金型に、UV硬化樹脂(東亜合成社製:アロニックス)を流し込み、厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡績社製:A4300)を重ね、ゴムローラで1kgの荷重を加えながらレンズ厚みを均一にした。次に、PETフィルム上から1000mJ/cm2のUV光を照射し、UV硬化樹脂を硬化し、フライアイレンズシートを得た。
(4)遮光パターンの形成
次に、上述のようにして得られたフライアイレンズシートに感光性粘着剤(東亜合成社製)を貼合し、レンズ側からUV平行光(500mJ/cm2)を照射し粘着非粘着のパターンを形成した。
(5)遮光パターンの転写
その後、フライアイレンズシートの感光性粘着層の面側に、(1)で得た黒色転写フィルムを貼合した。黒色転写フィルムの余剰部分を引っ張ることで、黒色転写フィルムをフライアイレンズシートから引き剥がし、感光性粘着層の粘着部に黒色層を転写し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。以上の工程により、縦786mm×横1362mmの大きさを有する遮光層付フライアイレンズシートが得られた。
[実施例2]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=76μm、Y=46μm
基材のプラスチックフィルム:35μm
[実施例3]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=150μm、Y=90μm
基材のプラスチックフィルム:75μm
[実施例4]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光層面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=150μm、Y=120μm
基材のプラスチックフィルム:105μm
[実施例5]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率93%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=76μm、Y=46μm
基材のプラスチックフィルム:38μm
[実施例6]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムの塗料を作製した。そして、前記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が0.5μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。
次に、実施例1のフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を前記黒色転写フィルムを用いて形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例7]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムの塗料を作製した。そして、前記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が2μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。
次に実施例1のフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を上記黒色転写フィルムを用いて形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例8]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例1と同一工程で、カーボン含有量45wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 110重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)90重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
次に、上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。作製した黒色転写フィルムの全光線透過率は1.5%であった。
次に、実施例1のフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を前記黒色転写フィルムを用いて形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例9]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に実施例1のフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率91%を目標値とする遮光層を上記黒色転写フィルムを用いて作製した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例10]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、レンズシート表面に反射防止コート(旭硝子製サイトップCTL−107Mをディップ法で120nm塗布)を施した。そして、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:50μm
レンズ表面に反射防止処理を行うことで、入射光に対して表面反射が低減され、全光線透過率が高くなった。レンズ表面の反射防止処理法としては、特に限定されることはなく、公知の技術を適用することが可能である。例えば公知の反射防止コート剤を薄層塗布してもよいし、レンズ表面に微細な凹凸をつけることで反射防止を行うことができる。
[実施例11]
以下に示す原料を配合し、実施例1と同一工程で、カーボン含有量45wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 110重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)90重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上述のようにして得られた塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が0.5μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。作製した黒色転写フィルムの全光線透過率は2.0%であった。
次に、実施例1のフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を前記黒色転写フィルムを用いて形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例12]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が四角形状で遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=55μm、Y=35μm
基材のプラスチックフィルム:50μm
[実施例13]
以下に示す原料を配合し、ボールミルにて任意の時間分散後、5μm口径のフィルターを通し、カーボン含有量が50wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアン社製 RAVEN−1255 100重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)100重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製「ルミラー」)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、120℃にて3分熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。
[黒色転写フィルムの評価]
作製した黒色転写フィルムの全光線透過率は0.5%であり、粉落ちは見られなかった。
実施例1と同一の方法でレンズアレイ型を作製し、実施例1と同一材料及び工程でフライアイレンズシートを作製した。レンズピッチ、単レンズの曲率、及び基材プラスチックフィルムの厚みは以下の通りにした。
(作製条件)
曲率:式(1)において、Cx、Cy、kx、kyは以下を示す。
Cx=0.0220
Cy=0.0220
kx=−1.0
ky=0.8
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:75μm
上記レンズシートに実施例1と同一工程にて、透過部の開口形状がX形状で遮光部面積率が90%を目標値とする遮光層を作製した。
[実施例14]
黒色転写フィルムの塗料組成が異なる他は、実施例14と同一工程、同一材料にて、スクリーンを形成した。
以下に示す原料を配合し、ボールミルにて任意の時間分散後、5μm口径のフィルターを通し、カーボン含有量が60wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 120重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)80重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製「ルミラー」)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、120℃にて3分熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。
作製した黒色転写フィルムの全光線透過率は0.2%であり、粉落ちは見られなかった。
[実施例15]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。フライアイレンズは上下方向の視野角を絞った非球面レンズ形状とした。基材のプラスチックフィルムの厚さは75μmとした。実施例1と同一方法で金型を作製後、フライアイレンズシートを作製し、透過部の開口形状が直線形状で遮光部面積率70%を目標値とする遮光層を前記黒色転写フィルムを用いて形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
[比較例1]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=250μm、Y=150μm
基材のプラスチックフィルム:125μm
[比較例2]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、遮光部面積率85%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=50μm、Y=30μm
基材のプラスチックフィルム:25μm
[比較例3]
まず、黒色層の乾燥後の塗布厚を2.5μmとした他は実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製し、遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:50μm
[比較例4]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例1と同一工程で、カーボン含有量40wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 80重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)120重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
次に、上述のようにして得られた塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が0.5μmとなるように塗布、調整し、60℃にて48時間熱処理を行った。
そして、上述のようにして得られた黒色転写フィルムの全光線透過率を測定したところ2.3%であり、黒色濃度が薄かったため、次工程からの評価をとりやめた。
[比較例5]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例1と同一工程で、カーボン含有量80wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 160重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)40重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
次に、上述のようにして得られた塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が0.5μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。
そして、上述のようにして得られた黒色転写フィルムの粉落ちを確認したところ、NGであったため、次工程からの評価をとりやめた。
[比較例6]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製した。遮光部面積率80%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:50μm
[比較例7]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製した。遮光部面積率65%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:50μm
[比較例8]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてフライアイレンズシートを作製した。遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm、Y=60μm
基材のプラスチックフィルム:75μm
[比較例9]
まず、実施例1と同一材料及び工程で黒色転写フィルムを作製した。
次に、下記の条件にてレンチキュラーレンズシートを作製した。遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。記載条件以外は実施例1と同一材料、同一工程にて作製した。
(作製条件)
レンズピッチ:X=100μm
基材のプラスチックフィルム:75μm
[評価方法]
これら実施例1〜15および比較例1〜9に係る遮光層を付加したフライアイレンズシートについて、下記の評価を行った。
[遮光層付フライアイレンズシートの評価]
(a)遮光部面積率の測定及び透過部形状の確認
上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズシートの任意場所を1cm角で切り出し、遮光層表面を光学顕微鏡で撮影し、画像解析ソフトを使用し、遮光部の面積率を測定した。同時に、光学顕微鏡で透過部の形状を観察した。
(b)全光線透過率の測定
上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズシートのレンズ側から光を入射し測定した。評価装置は村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150型を用いた。評価条件はJIS K−7361に準拠した。
(c)コントラストの評価
ソニー社製リアプロジェクションテレビ(グランドベガ)のレンチキュラーレンズスクリーンを切り取り、上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズスクリーンを、前記切り取り部に嵌め込み固定した。画像を映し、従来のレンチキュラーレンズ(シリンドリカルレンズ)スクリーンで構成された部分と比較を行い、以下の3段階の指標で評価した。
×:従来よりコントラストが劣る
△:従来とコントラストが同等
○:従来よりコントラストが優れている
以上の実施例及び比較例の測定結果を表3、表4及び表5に示す。
Figure 2007011303
Figure 2007011303
Figure 2007011303
実施例1〜15の遮光層付フライアイレンズシートは、遮光層を構成する遮光部のカーボン含有量が45wt%以上65wt%以下であるため、目的とする開口形状の透過部を高精度に形成することができた。すなわち、遮光部の面積率が高く、透過部における全光線透過率も高く、良好な結果が得られた。
また、実施例15の遮光層付フライアイレンズシートは、遮光部目標面積率を70%としたため、従来品同等のコントラストとなったが、上下視野角が従来品と比較して広く、良好な結果が得られた。
レンチキュラーレンズを用いて遮光層形成を行った比較例9のレンズシートでは、最適化した露光条件により遮光層を形成したが、遮光部面積率が70%となるレンズシートしかできず、従来品同等のコントラストとなった。
そして、上述の(a)、(b)、(c)の評価結果に基づき、遮光部面積率、黒色層の厚さ、レンズピッチ、PETフィルム厚さについて評価した。以下に、その評価結果について説明する。
[遮光部面積率の評価]
遮光部面積率が80%となる比較例6の遮光層付フライアイレンズシートにおいては、従来品と同等のコントラストであった。
遮光部面積率が65%となる比較例7の遮光層付フライアイレンズシートにおいては、従来品と比較してコントラストが劣っていた。
実施例5の遮光層付フライアイレンズシートでは、遮光部面積率が93%となるように作製したが、実際は95%となった。開口部に黒色層が残存したため、透過率が低下したが、従来品同等のコントラストが得られた。
以上の検討結果により、上記遮光部が占める面積が、上記遮光層全体の面積の70%以上であることが好ましいことがわかる。
[黒色層の評価]
黒色層の塗膜厚が2.0μmを超える比較例3の遮光層付フライアイレンズシートにおいては、遮光層の表面にひび割れが発生する不具合がみられた。
また、塗膜厚が0.5μm未満の黒色層を用いて遮光層付フライアイレンズシートを作製したところ、外光を十分に遮光することができず、従来品と比較してコントラストが劣っていた。
以上の評価結果により、黒色転写フィルムの黒色層の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましいことがわかる。
[レンズピッチの評価]
レンズピッチが200μmを超え、基材プラスチックフィルムの厚みが125μmである比較例1の遮光層付フライアイレンズシートにおいては、遮光部面積率が90%であり、レンズ側からの全光線透過率が90%である。入射光に対して欠落のない、良好な特性が得られた。しかし、フライアイレンズシートのレンズピッチが大きいためスクリーン上の画素ピッチによってはモアレ縞の発生が認められた。
レンズピッチが35μmに満たない比較例2の遮光層付フライアイレンズシートにおいては、遮光部面積率が85%となるように作製したが、集光部の面積が小さいために、狙い通りの遮光層を付けることができず、開口部に黒色層が残存したため、全光線透過率が33%の暗いレンズシートとなった。
以上の評価結果により、レンズピッチは、35μm以上150μm以下であることが好ましいことがわかる。
[PETフィルム厚さの評価]
比較例8では、PETフィルムの厚みによりレンズの集光位置からずらしたところで、感光性粘着層の感光を行ったところ、開口形状が不定形となり、かつ黒色層が残存したため、全光線透過率が65%に満たないレンズシートとなった。従来品と比較してコントラストが劣っていた。
[スクリーン評価]
次に、上述のようにして得られた実施例1の透過型スクリーンの拡散特性(輝度分布)を評価した。
図21に、実施例1の透過型スクリーンにおける水平方向の拡散特性(輝度分布)を示す。図22に、実施例1の透過型スクリーンにおける垂直方向の拡散特性(輝度分布)を示す。図21及び図22の横軸は、スクリーンの法線方向に対する角度を示している。なお、図22において、約−20度以下の領域で輝度分布が無くなっているのは、測定条件によるものであり、実施例1のスクリーンの性能とは何ら関係ない。
図21から、スクリーンの法線方向で輝度が最も高く、法線方向から水平方向にずれるに従って輝度が徐々に低下することがわかる。また、図22から、スクリーンの法線方向で輝度が最も高く、法線方向から垂直方向にずれるに従って輝度が徐々に低下することがわかる。すなわち、図21及び図22から、1枚のフライアイレンズシートにより水平方向と垂直方向に広く光を拡散し、それに異方性があることがわかる。
また、レンチキュラーレンズシートを備えた比較例9の透過型スクリーンでも、実施例1と同様に拡散特性の評価を行った。この比較例9の透過型スクリーンでは、水平方向の拡散特性に関しては、スクリーンの法線方向で輝度が最も高く、法線方向から水平方向にずれるに従って輝度が徐々に低下するのに対して、垂直方向の拡散特性に関しては、スクリーンの法線方向で輝度が最も高く、法線方向から垂直方向にずれると急激に輝度が低下してしまうことがわかった。
以上により、実施例1の透過型スクリーンは、水平方向と垂直方向に広く光を拡散することができるという、比較例9の透過型スクリーンでは到底奏することができない格別な効果を奏するものである。
次に、参考として、キーエンス社製デジマイクロスコープ「VHX200」を用いて遮光層を観察した結果について説明する。図23Aは、遮光部面積率92%の遮光層の観察結果を示す。図23Bは、遮光部面積率88%の遮光層の観察結果を示す。図23Cは、遮光部面積率80%の遮光層の観察結果を示す。なお、図23A〜図23Cに示す遮光層付フライアイレンズシートは、実施例1とほぼ同様にして作製されたものである。
図23A〜図23Cからわかるように、透光部は、多少の歪みが生じているもののほぼ四角形状を有していることがわかる。また、図24に、実施例13、実施例14のように遮光層の透過部形状がX形状(あるいは変調されたX形状)のサンプル写真を示す。なお、遮光層の透過部形状が直線形状(あるいは変調された直線形状)の形成例は、図8A,Bに示したとおりである。
(実施例16〜21)
[実施例16]
(1)黒色転写フィルムの作製
以下に示す原料を配合し、ボールミルにて任意の時間分散後、5μm口径のフィルターを通し、カーボン含有量が60wt%の黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 120重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)80重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製ルミラー)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。
[黒色転写フィルムの評価]
(a)全光線透過率測定
(1)で作製した黒色転写フィルムの全光線透過率を測定した。その結果、全光線透過率は0.1%であった。評価装置は村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150型を用いた。評価条件はJIS K−7361に準拠した。
(b)マルテンス硬度の測定
(1)で作製した黒色転写フィルムの黒色層のマルテンス硬度を以下の条件で測定した。その結果、80N/mm2であった。
評価装置:ピコデンター(フィッシャー・インストルメンツ社製微小硬度計)
なお、高分子フィルムのような弾性体上に塗膜が形成されている場合、測定時の押し込み深さによっては、基材弾性率を含む硬度となりうる。本測定は、黒色層のみの硬度を正確に測定するため、基材弾性率が影響しない押し込み深さ(塗膜の全厚の1/10)での測定を行った。
(2)複製金型の作製
母型を作製するための加工装置としては、ベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用した。マスクとしては、図13Bに例示したように、複数の爪状の遮光領域が複数列配列されているものを用いた。なお、被加工物としてはポリカーボネートからなる基板を用いた。
まず、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を横方向に移動させて、レーザ光により連続的に横方向に加工して溝を作製した。次に、マスクを面内方向に90°回転させた後、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を縦方向に移動させて、レーザ光により連続的に縦方向に加工して溝を作製した。以上の工程により、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有する母型が作製された。
次に、上述のようにして得られた母型上に、例えば無電解メッキ法により、ニッケルからなる導電化膜を形成した。そして、導電化膜が形成された母型を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により、ニッケルメッキ層を導電化膜上に形成した後、母型からニッケルメッキ層を剥離した。以上の工程により、母型とは反対の凹凸パターンを有する複製金型が得られた。
(3)フライアイレンズシートの形成
まず、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有するフライアイレンズの複製金型に、UV硬化樹脂(東亜合成社製:アロニックス)を流し込み、厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡績社製:A4300)を重ね、ゴムローラで1kgの荷重を加えながらレンズ厚みを均一にした。次に、PETフィルム上から1000mJ/cm2のUV光を照射し、UV硬化樹脂を硬化し、フライアイレンズシートを得た。
(4)遮光パターンの形成
次に、上述のようにして得られたフライアイレンズシートに感光性粘着層を形成するために、下記の組成成分をロールミルにて混合して塗料を作製し、塗工した。100℃10分で乾燥し、厚さ約20μmの感光性粘着層を形成した。
(塗料組成)
アクリル酸エステル 55重量部
トリメチロールプロパン トリアクリレート 40重量部
光開始剤 イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 5重量部
レンズ側からUV平行光(100mJ/cm2)を照射し、感光性粘着層の集光領域に凹部を形成した。
(凹部の深さ測定)
上記感光性粘着層の一部をサンプリングし、凹部の凹み量(深さ)を測定した。測定には非接触三次元形状測定機NH−3(三鷹光器(株)製)を使用した。その結果、凹部の凹み量は1.8μmであった。
(5)遮光パターンの転写
その後、フライアイレンズシートの感光性粘着層の面側に、(1)で得た黒色転写フィルムを貼合した。黒色転写フィルムの余剰部分を引っ張ることで、黒色転写フィルムをフライアイレンズシートから引き剥がし、感光性粘着層の粘着部に黒色層を転写し、遮光層を形成した。以上の工程により、縦786mm×横1362mmの大きさを有する遮光層付フライアイレンズシートが得られた。
そして、遮光層の面側に両面粘着シート(スリーエム社製)を貼合し、レンズシートと反対面に拡散板を貼り付けフライアイレンズスクリーンを得た。
[実施例17]
まず、実施例16と同一材料及び工程で黒色転写フィルム及びフライアイレンズシートを作製した。次に、感光性粘着層を下記の塗料により形成し、レンズ側からUV平行光(200mJ/cm2)を照射し、感光性粘着層の集光領域に凹部を形成した。凹部の凹み量は3μmであった。次に、黒色層を転写し、遮光層を形成した。記載条件以外は実施例16と同一材料、同一工程にて作製した。
(塗料組成)
アクリル酸エステル 50重量部
ジペンタエリスリトール ヘキサアクリレート 40重量部
イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 5重量部
[実施例18]
まず、実施例16と同一材料及び工程で黒色転写フィルム及びフライアイレンズシートを作製した。次に感光性粘着層を形成し、レンズ側からUV平行光(50mJ/cm2)を照射し、感光性粘着層の集光領域に凹部を形成した。凹部の凹み量は0.05μmであった。次に黒色層を転写し、遮光層を形成した。記載条件以外は実施例16と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例19]
まず、実施例16と同一材料及び工程で黒色転写フィルム及びフライアイレンズシートを作製した。次に感光性粘着層を形成し、レンズ側からUV平行光(500mJ/cm2)を照射し、感光性粘着層の集光領域に凹部を形成した。凹部の凹み量は7μmであった。次に黒色層を転写し、遮光層を形成した。記載条件以外は実施例16と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例20]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例16と同一工程で黒色転写フィルムを作製した。全光線透過率は0.05%以下(装置の検出限界以下)、マルテンス硬度は30N/mm2であった。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 150重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)50重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
以降は実施例16と同一材料及び工程にて遮光層付フライアイレンズシートを作製した。感光性粘着層の集光領域に形成した凹部の凹み量は1.8μmであった。
[実施例21]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例16と同一工程で黒色転写フィルムを作製した。全光線透過率は0.5%、マルテンス硬度は200N/mm2であった。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 110重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)90重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
以降は実施例16と同一材料及び工程にて遮光層付フライアイレンズシートを作製した。感光性粘着層の集光領域に形成した凹部の凹み量は1.8μmであった。
[比較例10]
まず、実施例16と同一材料及び工程で黒色転写フィルム及びフライアイレンズシートを作製した。全光線透過率は0.1%、マルテンス硬度は80N/mm2であった。次に、感光性粘着層を下記の塗料により形成し、レンズ側からUV平行光(100mJ/cm2)を照射し、感光性粘着層の集光領域に凹部を形成した。凹部の凹み量は0.03μmであった。次に、黒色層を転写し、遮光層を形成した。記載条件以外は実施例16と同一材料、同一工程にて作製した。
(塗料組成)
アクリル酸エステル 60重量部
2−エチルヘキサノールアクリレート 35重量部
イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 5重量部
[比較例11]
以下に示す原料を配合し、実施例16と同一工程で黒色転写フィルムを作製した。全光線透過率は0.05%以下(装置の検出限界以下)、マルテンス硬度は20N/mm2であった。黒色層の塗膜凝集力が弱く、粉落ちが発生したため、次工程からの評価をとりやめた。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 140重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)60重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
[比較例12]
まず、以下に示す原料を配合し、実施例16と同一工程で黒色転写フィルムを作製した。全光線透過率は1.5%、マルテンス硬度は220N/mm2であった。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 80重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)120重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
以降は実施例16と同一材料及び工程にて遮光層付フライアイレンズシートを作製した。感光性粘着層の集光領域に形成した凹部の凹み量は1.8μmであった。
[評価方法]
これら実施例16〜21および比較例10〜12に係る遮光層を付加したフライアイレンズシートについて、下記の評価を行った。
[遮光層付フライアイレンズシートの評価]
(a)遮光部面積率の測定及び透過部形状の確認
上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズシートの任意場所を1cm角で切り出し、遮光層表面を光学顕微鏡で撮影し、画像解析ソフトを使用し、遮光部の面積率を測定した。同時に、光学顕微鏡で透過部の形状を観察した。
(b)全光線透過率の測定
上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズシートのレンズ側から光を入射し測定した。評価装置は村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150型を用いた。評価条件はJIS K−7361に準拠した。
(c)コントラストの評価
ソニー社製リアプロジェクションテレビ(グランドベガ)のレンチキュラーレンズシートを切り取り、上記実施例及び比較例の遮光層付フライアイレンズシートを、前記切り取り部に嵌め込み固定した。画像を映し、従来のレンチキュラーレンズ(シリンドリカルレンズ)シートで構成された部分と比較を行い、以下の3段階の指標で評価した。
×:従来よりコントラストが劣る
△:従来とコントラストが同等
○:従来よりコントラストが優れている
以上の実施例及び比較例の測定結果を表6及び表7に示す。
Figure 2007011303
Figure 2007011303
実施例16,17,20,21の遮光層付フライアイレンズシートは、遮光部の面積率が高く、透過部における全光線透過率も高く、良好な結果であった。
実施例18は凹部の凹み量が0.05μmと小さく透過部の一部に黒色層が付着したが、全光線透過率は従来品よりも良好であった。
また、実施例19は凹部の凹み量が大きいため、感光性粘着層と拡散板の粘着剤層との間に空気層が形成され、界面反射が発生して全光線低下率が若干低下した。しかし、従来品よりも良好であった。
また、透過部の凹部が0.05μmに満たない比較例10のフライアイレンズスクリーンにおいては、透過部に黒色層が残存したため、全光線透過率が60%の暗いレンズシートとなった。
マルテンス硬度が200N/mm2を超える比較例12のフライアイレンズスクリーンにおいては、黒色層の塗膜凝集力が高く、レンズの集光形状どおりに遮光層を形成することが困難であった。その結果、遮光部面積率が低く、コントラストが劣る結果となった。
(実施例22〜27)
[実施例22]
(1)黒色転写フィルムの作製
以下に示す原料を配合し、ボールミルにて任意の時間分散後、5μm口径のフィルターを通し、黒色転写フィルムの塗料を調整した。
(塗料組成)
カーボンブラック:コロンビアンカーボン社製 RAVEN−1255 130重量部
バインダー樹脂:ポリエステルポリウレタン(東洋紡績社製UR−8300)70重量部
溶剤:メチルエチルケトン 500重量部
トルエン 500重量部
上記塗料を厚さ12μmのPET(東レ社製「ルミラー」)の面上に乾燥後の塗膜厚が1μmとなるように塗布、乾燥し、60℃にて48時間熱処理を行った。以上の工程により、目的とする黒色転写フィルムを得た。
(2)複製金型の作製
母型を作製するための加工装置としては、ベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用した。マスクとしては、複数の爪状の開口部が複数列配列されているものを用いた。なお、被加工物としてはポリカーボネートからなる基板を用いた。
まず、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を横方向に移動させて、レーザ光により連続的に横方向に加工して溝を作製した。次に、マスクを面内方向に90°回転させた後、マスクを介して被加工物上にマスク像を形成すると共に、被加工物を縦方向に移動させて、レーザ光により連続的に縦方向に加工して溝を作製した。以上の工程により、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有する母型が作製された。
次に、上述のようにして得られた母型上に、例えば無電解メッキ法により、ニッケルからなる導電化膜を形成した。そして、導電化膜が形成された母型を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により、ニッケルメッキ層を導電化膜上に形成した後、母型からニッケルメッキ層を剥離した。以上の工程により、母型とは反対の凹凸パターンを有する複製金型が得られた。
次に、上述のようにして得られた複製金型の凹凸が形成された側の面に、電気メッキ法により、ニッケルメッキ層を形成した後、このニッケルメッキ層を複製金型から剥離した。以上の工程により、母型と同様の凹凸形状を有する複製金型が得られた。
(3)フライアイレンズシートの形成
まず、X=100μm、Y=60μmのレンズピッチを有するフライアイレンズの複製金型に、UV硬化樹脂(東亜合成社製:アロニックス)を流し込み、厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡績社製:A4300)を重ね、ゴムローラで1kgの荷重を加えながらレンズ厚みを均一にした。次に、PETフィルム上から1000mJ/cm2のUV光を照射し、UV硬化樹脂を硬化し、フライアイレンズシートを得た。
(熱収縮率の測定)
上記PETフィルムの製膜時幅方向の熱収縮率(スクリーン短辺方向)を測定した。測定機は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR TMA/SS6000」を用いた。測定条件は150℃30分とした。その結果、熱収縮率は0.2%であった。
(4)遮光パターンの形成
次に、上述のようにして得られたフライアイレンズシートに感光性粘着剤(東亜合成社製)を貼合し、レンズ側からUV平行光(500mJ/cm2)を照射し粘着/非粘着のパターンを形成した。
(5)遮光パターンの転写
その後、フライアイレンズシートの感光性粘着層の面側に、(1)で得た黒色転写フィルムを貼合した。黒色転写フィルムの余剰部分を引っ張ることで、黒色転写フィルムをフライアイレンズシートから引き剥がし、感光性粘着層の粘着部に黒色層を転写し、遮光部面積率90%を目標値とする遮光層を形成した。以上の工程により、縦786mm×横1362mmの大きさを有する遮光層付フライアイレンズシートが得られた。
(6)プラスチック板へのハードコート層形成
プラスチック板(日本アクリエース社製、MS板)の片面に無溶剤型マット剤含有ハードコート剤(中国塗料製)をバーコーターにて塗布し、UV照射機(ウシオ電機社製)で500mJ/cm2照射して硬化させることにより、厚み10μmのハードコート層を形成した。
(7)粘着剤層形成
上記プラスチック板のもう一方の面に粘着剤層を形成するために、下記の組成成分をロールミルにて混合して塗料を作製し、塗工した。100℃5分で乾燥し、約50μmの粘着剤層を形成した。
(塗料組成)
アクリル酸ブチル 90重量部
アクリル酸 5重量部
酢酸ビニル 5重量部
イソシアネート架橋剤 3重量部
(ヤング率の測定)
粘着剤層のヤング率を測定した。測定装置はアイティー計測制御(株)製粘弾性測定装置「DVA−220」を使用した。測定条件は引っ張り(5Hz)条件とした。粘弾性カーブを測定し、100℃〜200℃における貯蔵弾性率の最大値、最小値をグラフから読み取ったところ、最小2×104Pa(100℃)、最大5×104Pa(200℃)であった。
(8)貼合
上記フライアイレンズシートの基材フィルムの流れ方向をプラスチック板(あるいはスクリーン)の長辺方向に配し、貼り合わせを行った。貼り合わせには、高精度貼合機(三共株式会社製、HAL)を使用した。
[実施例23]
まず、実施例22と同一材料及び同一工程で黒色転写フィルム及び遮光層付フライアイレンズシートを作製した。次に、プラスチック板の片面に実施例22と同一材料で10μm厚みのハードコート層を形成した。プラスチック板のもう一方の面に、下記組成の粘着剤層を形成した。粘着剤層の厚みは20μmとした。ヤング率は最小1×104Pa(100℃)、最大5×104Pa(200℃)であった。フライアイレンズシートの基材フィルムの流れ方向をプラスチック板の長辺方向に配し、実施例22と同一工程で貼り合わせ、フライアイレンズスクリーンを作製した。
(塗料組成)
アクリル酸ブチル 80重量部
アクリル酸 10重量部
酢酸ビニル 10重量部
イソシアネート架橋剤 1重量部
記載条件以外は実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例24]
粘着剤層の厚みを125μmにした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。
[実施例25]
粘着剤層の厚みを50μm、塗料組成を下記とした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。粘着剤層のヤング率は最小4×104Pa(100℃)、最大9×104Pa(200℃)であった。プラスチック板は反りつき板を使用した。
(塗料組成)
アクリル酸ブチル 80重量部
アクリル酸 10重量部
酢酸ビニル 5重量部
イソシアネート架橋剤 5重量部
[実施例26]
フライアイレンズシートの基材フィルムの厚みを38μmとした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。熱収縮率は0.4%であった。
[実施例27]
フライアイレンズシートの基材フィルムの厚みを100μmとした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。熱収縮率は0.05%であった。
[比較例13]
粘着剤層の厚みを150μmにした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。
[比較例14]
粘着剤層の厚みを10μmにした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。
[比較例15]
粘着剤層の厚みを50μm、塗料組成を下記とした以外は、実施例22と同一材料、同一工程にて作製した。粘着剤層のヤング率は最小7×104Pa(100℃)、最大5×105Pa(200℃)であった。
(塗料組成)
アクリル酸ブチル 85重量部
アクリル酸 10重量部
酢酸ビニル 5重量部
イソシアネート架橋剤 20重量部
[比較例16]
まず、実施例22と同一材料及び同一工程で黒色転写フィルム及び遮光層付フライアイレンズシートを作製した。このとき、フライアイレンズシートの基材フィルムの流れ方向をプラスチック板(あるいはスクリーン)の短辺方向に配し、実施例22と同一工程で貼り合わせ、フライアイレンズスクリーンを作製した。基材フィルムの熱収縮率は1.0%であった。
[評価方法]
以上の実施例22〜27および比較例13〜16に係るフライアイレンズスクリーンについて、環境試験前後において下記の評価を行った。
(環境試験条件)
1.25℃50%の環境下で反り量測定と画像ゆがみ確認
2.60℃90%の環境下で24時間保存後、反り量測定
3.25℃50%の環境下で24時間放置後、反り量測定と画像ゆがみ確認
[スクリーン反り量の評価]
プラスチック板のハードコート面を表に配し、向かって左上を支持点とし、スクリーンを吊した。スクリーンの上下(短辺方向)の中央に糸をはり、糸からプラスチック板までの垂直距離を金尺で測定した。各環境での反り量を記録し、(最大値−最小値)を反り変化量とした。
[画像ゆがみの評価]
ソニー社製リアプロジェクションテレビ(グランドベガ)のレンチキュラースクリーンを取り外し、上記実施例及び比較例のフライアイレンズスクリーンをはめ込み固定した。環境保存前後で5cmピッチの格子パターンを映し、画像のゆがみの有無を確認した。
以上の実施例及び比較例の測定結果を表8及び表9に示す。
Figure 2007011303
Figure 2007011303
実施例22〜27の遮光層付フライアイレンズシートは、環境保存中の反り変動が少なく、環境保存後に初期の形状にほぼ復帰した。画像のゆがみ、遮光部余剰による透過率低下がなく良好であった。
比較例13に関しては、画像評価では良好であったが、粘着層の厚みが厚く、製造工程での作業性の問題、材料のコストアップが懸念される。
粘着剤層の厚みが20μmに満たない比較例14のフライアイレンズスクリーンは環境保存中の反り変動が大きく、保存後常温に戻した後の初期値からの変化量は−7mmであった。反りが−側に変動すると、フレネルレンズシートとの平行度が大きく変化するため画像のゆがみが顕著になるが、比較例14においても同様の現象を確認した。
粘着剤層のヤング率が1×105Paを超える比較例15においても、保存後常温に戻した後の初期値からの変化量は−3mmとなり、画像のゆがみが確認された。
フライアイレンズシートの基材フィルムの流れ方向をスクリーンの短辺方向に配した比較例16においては、基材フィルムの熱収縮が大きい流れ方向をスクリーン短辺側に配したため、保存後常温に戻した後の初期値からの変化量は−10mmとなり、画像のゆがみが確認された。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の各実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値を用いてもよい。
また、この発明が適用可能な光学系は、特に限定されるものではなく、例えば、リアプロジェクションテレビ用スクリーン、透過型液晶素子を用いたリアプロジェクションテレビ、DLP素子を用いたリアプロジェクションテレビ、反射型液晶素子(LCOS)を用いたリアプロジェクションテレビに対して適用することができ、これらの装置に対してこの発明を適用した場合、良好な画像コントラストを得ることができるという効果を得ることができる。
また、レンズピッチのアスペクト比(X,Yの比率)は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、所望とする遮光層付フライアイレンズシートおよび透過型スクリーンなどの特性に応じて、レンズピッチのアスペクト比を適宜選択することができる。
また、上述の各実施形態では、母型から複製金型を作製し、この複製金型を用いてフライアイレンズシートを作製する場合を例として説明したが、母型から直接フライアイレンズシートを作製するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、四角形状、X形状、直線形状およびこれらの変調された形状のフライアイレンズシートを作製する場合を例として説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、x軸方向(横方向)、y軸方向(縦方向)の加工にそれぞれ用いられるマスクの形状を適宜変化させることで、任意の形状に被照射対象物を加工することができる。
また、上述の各実施形態では、四角形状、X形状、直線形状およびこれらの変調された形状のレンズを有する遮光層付フライアイレンズシートに対して、この発明を適用する場合を例として説明したが、レンズの形状はこれに限定されるものではなく、例えば三角形、五角形、六角形または八角形などの多角形のレンズを有する遮光層付フライアイレンズシートに対しても適用可能である。また、フライアイレンズシートの母型を作製する工程において、被加工物を横方向と縦方向に加工するときに、それぞれの方向に応じて、マスクの形状を変化させることで任意の形状を加工することができる。
また、上述の各実施形態では、プロジェクタと透過型スクリーンとが分離された背面投影型の表示装置に対してこの発明を適用する場合について説明したが、箱形キャビネット内にプロジェクタとスクリーンとが収納されて一体化された背面投影型の表示装置に対してこの発明を適用することもできる。
本発明の第1の実施形態による背面投影型画像表示装置の一構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの平面図である。 透過部の形状例を示す模式図である。 透過部の形状例を示す模式図である。 透過部の形状例を示す模式図である。 フライアイレンズの一形状例を示す模式図である。 透過部の開口形状が直線形状および変調された直線形状である遮光層の要部のサンプル写真である。 図6に示した透過部形状を形成するフライアイレンズの一形状例を示す模式図である。 母型のレンズ成形面を示す模式図である。 母型のレンズ成形面の加工工程におけるレーザ加工方法を説明する模式図である。 母型のレンズ成形面の加工工程におけるレーザ加工方法を説明する模式図である。 レーザ加工の原理を示す模式図である。 レーザ加工に用いられるマスク像の一例を示す図である。 レーザ加工方法の変形例を示す模式図である。 図15に示すレーザ加工方法に用いられるマスクの一例を示す模式図である。 フライアイレンズシートの作製工程の一例を示す模式図である。 遮光層の作製工程の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態において説明するフライアイレンズシートの作製工程を示す模式図である。 本発明の第3,第4の実施形態において説明する背面投影型画像表示装置の一構成例を示す模式図である。 実施例1の透過型スクリーンにおける水平方向の拡散特性(輝度分布)を示す特性図である。 実施例1の透過型スクリーンにおける垂直方向の拡散特性(輝度分布)を示す特性図である。 遮光層の観察結果を示す略線図であり、Aは遮光部面積率92%を示し、Bは遮光部面積率88%を示し、Cは遮光部面積率80%を示す。 透過部形状が変調されたX形状の遮光層のサンプル写真を示す図である。
符号の説明
1…プロジェクタ、2…透過型スクリーン、3…プラスチック板、10…遮光層付フライアイレンズシート、11…フィルム(支持基材)、12…フライアイレンズ、13…フライアイレンズ、14…感光性粘着層、15…遮光層、15a…透過部、15b…遮光部、16…粘着剤層、20…フレネルレンズシート、21…基板、22…接着層、23…フィルム、44…凹部

Claims (25)

  1. フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートと、前記フライアイレンズシートの他主面に設けられた遮光層と、前記フライアイレンズシートと前記遮光層との間に形成され粘着/非粘着パターンを有する感光性粘着層とを備え、
    前記遮光層は、前記粘着パターン上に形成された遮光部と、前記非粘着パターン上に形成され前記フライアイレンズを透過した光を透過させる透過部とを有し、
    前記透過部は、前記フライアイレンズによる集光部に対応する位置に設けられ、
    前記遮光部はカーボン粒子を含有するとともに、前記カーボン粒子の含有量が45wt%以上65wt%以下である
    ことを特徴とする遮光層付フライアイレンズシート。
  2. 前記透過部の形状が四角形状または変調された四角形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  3. 前記透過部の形状がX形状または変調されたX形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  4. 前記透過部の形状が直線形状または変調された直線形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  5. 前記フライアイレンズが、非球面形状を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  6. 前記遮光部が占める面積が、前記遮光層全体の面積の70%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  7. 前記非粘着パターンの前記遮光層側表面には凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  8. 前記凹部の深さは0.05μm以上である
    ことを特徴とする請求項7に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  9. 前記遮光層の厚みが、0.5μm以上2.0μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  10. 前記遮光部の透過率が、2.0%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  11. 前記遮光部のマルテンス硬度は、30N/mm2以上200N/mm2以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  12. 前記フライアイレンズのピッチが、35μm以上150μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  13. 前記フライアイレンズは、フライアイレンズと、前記フライアイレンズを支持するフィルム状の支持基材とを有し、
    前記支持基材の厚みが、35μm以上105μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  14. 前記遮光層付加後のフライアイレンズシートのレンズ側からの全光線透過率が、65%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  15. 前記遮光層には透明な粘着剤層を介してプラスチック板が貼り合わされており、
    前記粘着剤層の厚みが20μm以上125μm以下であり、かつ、
    100℃以上200℃以下における弾性率が1×104以上1×105Paである
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  16. 前記プラスチック板は、光拡散機能を有している
    ことを特徴とする請求項15に記載の遮光層付フライアイレンズシート。
  17. フレネルレンズシートと、遮光層付フライアイレンズシートとを備え、
    前記遮光層付フライアイレンズシートは、フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートと、前記フライアイレンズシートの他主面に設けられた遮光層と、前記フライアイレンズシートと前記遮光層との間に形成され粘着/非粘着パターンを有する感光性粘着層とを備え、
    前記遮光層は、前記粘着パターン上に形成された遮光部と、前記非粘着パターン上に形成され前記フライアイレンズを透過した光を透過させる透過部とを有し、
    前記透過部は、前記フライアイレンズによる集光部に対応する位置に設けられ、
    前記遮光部はカーボン粒子を含有するとともに、前記カーボン粒子の含有量が45wt%以上65wt%以下である
    ことを特徴とする透過型スクリーン。
  18. 前記フライアイレンズシートは、フライアイレンズと、このフライアイレンズを支持するフィルム状の支持基材とを有しており、
    前記支持基材の製膜時の流れ方向がスクリーンの長辺方向に配向されている
    ことを特徴とする請求項17に記載の透過型スクリーン。
  19. 前記支持基材の製膜時の幅方向の熱収縮率は、0.4%以下である
    ことを特徴とする請求項18に記載の透過型スクリーン。
  20. プロジェクタと、前記プロジェクタから投影された画像を透過表示する透過型スクリーンとを備え、
    前記透過型スクリーンは、フレネルレンズシートと、遮光層付フライアイレンズシートとを備え、
    前記遮光層付フライアイレンズシートは、フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートと、前記フライアイレンズシートの他主面に設けられた遮光層と、前記フライアイレンズシートと前記遮光層との間に形成され粘着/非粘着パターンを有する感光性粘着層とを備え、
    前記遮光層は、前記粘着パターン上に形成された遮光部と、前記非粘着パターン上に形成され前記フライアイレンズを透過した光を透過させる透過部とを有し、
    前記透過部は、前記フライアイレンズによる集光部に対応する位置に設けられ、
    前記遮光部はカーボン粒子を含有するとともに、前記カーボン粒子の含有量が45wt%以上65wt%以下である
    ことを特徴とする背面投影型画像表示装置。
  21. フライアイレンズが一主面に設けられたフライアイレンズシートの他主面に感光性粘着層を形成する工程と、
    前記フライアイレンズを通して前記感光性粘着層に対して紫外線を照射し、前記感光性粘着層に対して粘着/非粘着パターンを形成する工程と、
    支持体の一主面に、カーボン粒子を45wt%以上65wt%以下含有する黒色層が設けられてなる黒色転写フィルムを、前記感光性粘着層表面に接触させた後引き剥がすことで、前記フライアイレンズによる集光部に対応する位置に透過部を形成する工程とを備える
    ことを特徴とする遮光層付フライアイレンズシートの製造方法。
  22. 前記感光性粘着層の非粘着パターンに凹部を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項21に記載の遮光層付フライアイレンズシートの製造方法。
  23. 前記フライアイレンズシートは、
    レーザ光を被加工物に照射して母型を作製する母型作製工程と、
    前記母型または当該母型に基づいて作製された複製金型を用いてフライアイレンズを形成するシート作製工程とを経て製造され、
    前記母型作製工程は、
    マスクの開口を介してレーザ光のマスク像を前記被加工物上に形成しながら、前記マスク像を一方向に移動させる工程を有する
    ことを特徴とする請求項21に記載の遮光層付フライアイレンズシートの製造方法。
  24. 前記母型作製工程は、
    マスクの開口を介してレーザ光のマスク像を前記被加工物上に形成しながら、前記マスク像を第1の方向に移動させる第1の工程と、
    マスクの開口を介してレーザ光のマスク像を前記被加工物上に形成しながら、前記マスク像を前記第1の方向とは異なる第2の方向に移動させる第2の工程とを有する
    ことを特徴とする請求項23に記載の遮光層付フライアイレンズシートの製造方法。
  25. 前記被加工物は円筒状を有しており、この円筒状の被加工物の外周面または内周面上に前記マスク像を形成しながら、前記マスク像を前記円筒状の被加工物の軸方向に沿って移動させる
    ことを特徴とする請求項23に記載の遮光層付フライアイレンズシートの製造方法。
JP2006146908A 2005-06-03 2006-05-26 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置 Expired - Fee Related JP4736953B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006146908A JP4736953B2 (ja) 2005-06-03 2006-05-26 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置
KR1020060049490A KR20060126378A (ko) 2005-06-03 2006-06-01 차광층 부착 플라이아이렌즈시트 및 그 제조방법, 투과형스크린 및 배면투영형 화상 표시장치
TW095119736A TW200712744A (en) 2005-06-03 2006-06-02 Fly-eye lens sheet with light-shielding layer, method for manufacturing the same, transmission type screen and rear projection image display device
US11/445,194 US7626761B2 (en) 2005-06-03 2006-06-02 Fly's-eye lens sheet having light-shielding layer, method for fabricating the same, transmissive screen, and rear projection image display device
DE602006009336T DE602006009336D1 (de) 2005-06-03 2006-06-02 Fliegenaugenlinsenfolie mit Lichtschutzschicht, Verfahren zur deren Herstellung, Durchlichtschirm und Rückprojektionsanzeigevorrichtung
EP06011547A EP1729155B1 (en) 2005-06-03 2006-06-02 Fly's-eye lens sheet having light-shielding layer, method of fabricating the same, transmission screen and rear projection image display device

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005164857 2005-06-03
JP2005164857 2005-06-03
JP2005164858 2005-06-03
JP2005164858 2005-06-03
JP2006146908A JP4736953B2 (ja) 2005-06-03 2006-05-26 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007011303A true JP2007011303A (ja) 2007-01-18
JP4736953B2 JP4736953B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=36930200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006146908A Expired - Fee Related JP4736953B2 (ja) 2005-06-03 2006-05-26 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7626761B2 (ja)
EP (1) EP1729155B1 (ja)
JP (1) JP4736953B2 (ja)
KR (1) KR20060126378A (ja)
DE (1) DE602006009336D1 (ja)
TW (1) TW200712744A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105423A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Nitto Denko Corporation バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP2009076463A (ja) * 2007-02-28 2009-04-09 Nitto Denko Corp バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP2009086208A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toppan Printing Co Ltd 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置
JP2009210749A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Toppan Printing Co Ltd 光学シート、これを用いたディスプレイ用バックライト・ユニットおよびディスプレイ
TWI553394B (zh) * 2015-01-09 2016-10-11 台達電子工業股份有限公司 屏幕以及多屏幕系統
WO2018189989A1 (ja) * 2017-04-12 2018-10-18 株式会社ダイセル 接着剤層付き光学部品アレイ

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWM307132U (en) * 2006-09-22 2007-03-01 Eternal Chemical Co Ltd Optic film
KR101298025B1 (ko) * 2006-09-25 2013-08-26 엘지디스플레이 주식회사 렌티큘러방식 입체영상표시장치의 제조방법.
KR100964109B1 (ko) * 2006-09-29 2010-06-16 삼성코닝정밀소재 주식회사 외광 차폐 필름 및 이를 포함하는 디스플레이 필터
JP4642823B2 (ja) * 2007-09-13 2011-03-02 株式会社日立製作所 照明装置及び液晶表示装置
DE102007056402A1 (de) * 2007-11-23 2009-05-28 Osram Gesellschaft mit beschränkter Haftung Optisches Bauelement und Beleuchtungsvorrichtung
US8089208B2 (en) * 2007-12-21 2012-01-03 Zeon Corporation Planar light source device
JP5510883B2 (ja) * 2008-08-01 2014-06-04 日本電気硝子株式会社 レンズアレイ
KR20110063652A (ko) * 2008-09-09 2011-06-13 키모토 컴파니 리미티드 적층판 및 표시장치
EP2309296A1 (de) * 2009-09-11 2011-04-13 GLP German Light Products GmbH Trägerstruktur für eine mehrzahl von linsen, linse, linsensystem und optisches system
TWI408331B (zh) * 2009-12-17 2013-09-11 Ind Tech Res Inst 雙面光學膜片量測裝置與方法
JP2012194455A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Enplas Corp レンズアレイ
US9052518B2 (en) * 2012-11-30 2015-06-09 Lumenco, Llc Slant lens interlacing with linearly arranged sets of lenses
US9714756B2 (en) 2013-03-15 2017-07-25 Morgan Solar Inc. Illumination device
CN105051454B (zh) 2013-03-15 2019-06-18 摩根阳光公司 光板、具有改善界面的光学组件及具有改善的制造容差的光板
US9595627B2 (en) 2013-03-15 2017-03-14 John Paul Morgan Photovoltaic panel
US9960303B2 (en) 2013-03-15 2018-05-01 Morgan Solar Inc. Sunlight concentrating and harvesting device
KR101511117B1 (ko) * 2014-01-07 2015-04-10 주식회사 토비스 양면 디스플레이장치
TWI506353B (zh) 2014-06-20 2015-11-01 Delta Electronics Inc 投影螢幕與應用其之投影系統
US10302847B2 (en) * 2015-05-22 2019-05-28 Microsoft Technology Licensing, Llc Micro injection-molded articles
JP6834609B2 (ja) * 2017-03-07 2021-02-24 デクセリアルズ株式会社 画像表示装置の製造方法
CN113238387A (zh) * 2021-05-07 2021-08-10 广景视睿科技(深圳)有限公司 一种复眼镜片模组、照明装置及dlp光机模组

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000321675A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Toppan Printing Co Ltd マイクロレンズアレイシートとその製造方法及びそのシートを用いた背面透過型スクリーン
JP2002174703A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Toppan Printing Co Ltd レンズアレイシートおよび透過型スクリーン
JP2003098313A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Optonix Seimitsu:Kk 非球面レンズアレイ、金型の製造方法、および非球面レンズアレイの製造方法
JP2003177476A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Toppan Printing Co Ltd 透過型スクリーン
JP2004045586A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Toppan Printing Co Ltd 遮光層を有するマイクロレンズアレイシート
JP2004271798A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Toppan Printing Co Ltd マイクロレンズアレイシート及びその製造方法、並びに転写シート
JP2004357061A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Nec Corp 送信電力ホッピング通信方式および方法
JP2005070489A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Toppan Printing Co Ltd レンズシート及びこのレンズシートを用いた透過型スクリーン

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL8503526A (nl) * 1985-12-20 1987-07-16 Philips Nv Doorzichtprojektiescherm.
US5611611A (en) * 1994-10-05 1997-03-18 Hitachi, Ltd. Rear projection type display system
JP3243166B2 (ja) 1995-08-18 2002-01-07 凸版印刷株式会社 レンチキュラーシートへの遮光パターンの形成方法
JP3697832B2 (ja) * 1997-04-18 2005-09-21 ソニー株式会社 背面投射型ディスプレー装置及びスクリーンユニット
JP4171933B2 (ja) * 1997-09-12 2008-10-29 ソニー株式会社 平面型レンズの製造方法
JP2004145252A (ja) * 2002-08-30 2004-05-20 Seiko Epson Corp 透過型スクリーン及びリア型プロジェクタ
JP3731592B2 (ja) * 2003-09-08 2006-01-05 セイコーエプソン株式会社 透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ
JP2005164858A (ja) 2003-12-01 2005-06-23 Ntt Docomo Tohoku Inc サーバ、広告送信制御方法、車両及び広告掲示システム
JP4197153B2 (ja) 2003-12-01 2008-12-17 ローランド株式会社 電子楽器
FR2878391B1 (fr) 2004-11-24 2007-04-27 Gen Electric Procede pour realiser un reseau en etoile forme de bus de type can a l'aide d'un repetiteur

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000321675A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Toppan Printing Co Ltd マイクロレンズアレイシートとその製造方法及びそのシートを用いた背面透過型スクリーン
JP2002174703A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Toppan Printing Co Ltd レンズアレイシートおよび透過型スクリーン
JP2003098313A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Optonix Seimitsu:Kk 非球面レンズアレイ、金型の製造方法、および非球面レンズアレイの製造方法
JP2003177476A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Toppan Printing Co Ltd 透過型スクリーン
JP2004045586A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Toppan Printing Co Ltd 遮光層を有するマイクロレンズアレイシート
JP2004271798A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Toppan Printing Co Ltd マイクロレンズアレイシート及びその製造方法、並びに転写シート
JP2004357061A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Nec Corp 送信電力ホッピング通信方式および方法
JP2005070489A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Toppan Printing Co Ltd レンズシート及びこのレンズシートを用いた透過型スクリーン

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008105423A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Nitto Denko Corporation バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP2009076463A (ja) * 2007-02-28 2009-04-09 Nitto Denko Corp バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP4700722B2 (ja) * 2007-02-28 2011-06-15 日東電工株式会社 バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP2011155010A (ja) * 2007-02-28 2011-08-11 Nitto Denko Corp バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
TWI427365B (zh) * 2007-02-28 2014-02-21 Nitto Denko Corp Backlight system and optical sheet with adhesive
TWI502250B (zh) * 2007-02-28 2015-10-01 Nitto Denko Corp Backlight system and optical sheet with adhesive
JP2009086208A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toppan Printing Co Ltd 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置
JP2009210749A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Toppan Printing Co Ltd 光学シート、これを用いたディスプレイ用バックライト・ユニットおよびディスプレイ
TWI553394B (zh) * 2015-01-09 2016-10-11 台達電子工業股份有限公司 屏幕以及多屏幕系統
WO2018189989A1 (ja) * 2017-04-12 2018-10-18 株式会社ダイセル 接着剤層付き光学部品アレイ
JP2018180232A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 株式会社ダイセル 接着剤層付き光学部品アレイ

Also Published As

Publication number Publication date
TW200712744A (en) 2007-04-01
JP4736953B2 (ja) 2011-07-27
DE602006009336D1 (de) 2009-11-05
EP1729155B1 (en) 2009-09-23
TWI327253B (ja) 2010-07-11
KR20060126378A (ko) 2006-12-07
US7626761B2 (en) 2009-12-01
EP1729155A1 (en) 2006-12-06
US20060285214A1 (en) 2006-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4736953B2 (ja) 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置
JP4412425B2 (ja) プリズムシート、それを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置
US20170348943A1 (en) Optical body, optical film adhesive body, and method for manufacturing optical body
US8420161B2 (en) Method for producing anti-glare film
KR101088123B1 (ko) 광확산 필름 및 스크린
US11693156B2 (en) Optical body, film adhesive body, and method for manufacturing optical body
US10732341B2 (en) Optical body, method for manufacturing optical body, and light-emitting apparatus
TW201527787A (zh) 包含第一微結構層及塗層之微結構漫射體、光學堆疊、以及方法
WO2012105357A1 (ja) 積層体及び積層体の製造方法
US8998429B2 (en) Printed material and photographic material
JP2007328117A (ja) レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投射型の画像表示装置
JP2007147935A (ja) レンズシート、透過型スクリーンおよび背面投射型映像表示装置
CN100510785C (zh) 蝇眼透镜片及制造方法、透射型屏幕、背投型图像显示装置
KR102046200B1 (ko) 에지라이트형 백라이트장치 및 광확산성 부재
JP5961959B2 (ja) 光学シート、面光源装置及び液晶表示装置
JP2009198749A (ja) 光線制御部材
JP3698028B2 (ja) 透過型スクリーン
US8089697B2 (en) Prismatic laminate and method for making the same
JP2016090945A (ja) 光学部材、光学部材の製造方法、面光源装置、映像源ユニット、及び液晶表示装置
JP2023513542A (ja) 光学フィルムおよびこれを含むマイクロledディスプレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070219

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100506

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees