JP4127517B2 - 拡散シートおよび透過型スクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出光面側に単位光学要素が複数配置された拡散シートと、この拡散シートを用いた透過型スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光源と、この光源からの映像を拡大・投影するための透過型スクリーンと、を備えた背面投射型プロジェクションテレビに代表される映像表示装置が知られている。これらの装置に使用される透過型スクリーンとしては、一般にフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせたものが知られている。フレネルレンズシートは、光源からの光を略平行光に調整する機能を有する。なお、フレネルレンズシートは、光源からの光を平行光に調整する他、出光側に集光させたり、発散させる場合があるため、本明細書において、フレネルレンズシートからの出光は略平行光とする。
【0003】
そして、レンチキュラーレンズは、透過型スクリーンに対して様々な角度の位置から映像が見られるよう、フレネルレンズシートにより調整された略平行光を観察者方向への発散光に調整するものである。レンチキュラーレンズは、具体的には、入射光を主として水平方向に拡散させるとともに、垂直方向にも拡散させる。
【0004】
レンチキュラーレンズシートとしては、出光する側に曲面を有する複数のレンチキュラーレンズと、その間に外光の反射を防止する光吸収部(ブラックストライプとも呼ばれる。)とを備えたものがよく知られている(特許文献2、特許文献3参照)。また、台形柱形状の側面に全反射面を備えるレンチキュラーレンズを複数個平行に並べたものや(特許文献1参照)、全反射面を備え、全反射面の傾き角および台形形状の高さが異なる2種以上のレンズ素子をユニットとして構成されているレンチキュラーレンズシート(特許文献4参照)等が知られている。
【特許文献1】
特開2002−006112号公報
【特許文献2】
特開昭57−165830号公報
【特許文献3】
特開昭59−140434号公報
【特許文献4】
特開昭57−068727号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1におけるレンチキュラーレンズシート70の構造においては、図12(a)に示すように、光源からの光が、フレネルレンズから直進して出光する(L2’)他、台形のレンズの一側面で反射し、出光面では屈折されて出光し(L1’)、また、台形のレンズの他の側面で反射し、出光面では屈折されて出光する(L3’)。このように、台形形状のレンチキュラーレンズシートから出光される光は、こうした三つの光群(L1’,L2’,L3’)で形成される。従って、こうしたレンチキュラーレンズシートから出光される光について観察角度に対する映像の明るさ(ゲイン)を測定すると、それぞれの光群に対応する3つのゲインピークを有する急勾配を含むゲイン曲線が描かれる(図12(b))。
【0005】
観察者が、このレンチキュラーレンズシートを使用した背面投射型プロジェクションテレビを、背面投射型プロジェクションテレビの正面から、映像を観察する場合、テレビの中央部をゲイン曲線の0°位置での明るさで観察することになる。テレビの両端部は、テレビからどの程度離れて映像を観察するかによって異なるが、テレビ画面の縦横比が3:4の量産品の場合で、スクリーン高さの5倍離れた距離から観察する条件では、左右端は±7.6°位置での明るさで観察することになる。そのため、3つのゲインピークを有する急勾配を含む曲線となる明るさ分布(ゲイン曲線)を持つレンチキュラーレンズシートの場合、観察者は明るさ均一性(ブライトユニフォミティー)の悪い映像を観察することとなる。たとえば、左右端の観察角度とゲイン曲線の極小値を示す角度が、ほぼ一致する場合、テレビ中央部の明るさと両端部の明るさの差が極端に大きくなり、そのため、観察者は明るさ均一性の極端に悪い映像を観察することとなる。
【0006】
また、観察者がこのレンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンの一方端側から他方端側に向かって水平方向に移動しながら、映像を観察した場合、画面中央部の映像が暗明暗明暗明暗と極端に変化して観察される。それに、上記の明るさ均一性の悪さが付加されて、明るさ均一性の良い映像が観察できないという問題が生じる。
【0007】
特許文献2に記載のレンチキュラーレンズにおいては、出光面側に曲面を有するため、レンズを支えるための支持板を接合することができない。そのため、出光面側がレンズによる凹凸形状となり、その表面を手拭きできないのでレンズに傷や汚れが付きやすいという問題があった。
【0008】
さらに、特許文献3に記載のレンチキュラーレンズにおいては、外光を吸収、遮蔽する光吸収部を形成することができず、観察者がディスプレーを見たときに、明暗のコントラストが低く、映像が見えにくいという問題があった。
【0009】
特許文献4に記載のレンチキュラーレンズにおいては、形状が複雑であるため、レンチキュラーレンズを微細化して映像の精度を上げることが困難であった。
【0010】
本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートと同様の役割を発揮し、正面から観察した時に画面内の明るさ均一性が良く、さらに、観察者が水平方向に移動しながら観察した場合においても、明暗の変化が少なく、かつ、画面内の明るさ均一性の良い、見やすい映像を提供できる背面投射型プロジェクションテレビに使用される拡散シートと、これを用いた透過型スクリーン、を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の両底辺間の距離が、長い底辺の長さの120%以上400%以下であることに特徴を有する。
【0012】
この発明によれば、全反射面となる略台形形状の各側面で反射した光の出光方向が単位レンズ部中を直進する光の方向に寄ることになる。この拡散シートによるゲインを測定すると、中央にピークを持つなだらかなゲイン曲線が得られる。このようなゲイン曲線を有するため、本発明の拡散シートによれば、観察者が水平方向に移動した場合にも、映像面内の特定部の明るさが極端に変化せず、映像面の明るさ均一性に優れた映像が提供できる。具体的には、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど映像が暗く観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、明るさ均一性に優れ、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0013】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、上記拡散シートであって、前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状が等脚台形形状であることが好ましい。この発明によれば、単位レンズ部における全反射面となる略台形形状の各側面で反射した光が左右対称の方向に出光するため、左右対称のゲイン曲線が得られる。そのため、正面の観察位置において、左右同様の明るさを示す。また、正面から左右方向に移動しても映像の明るさのムラが少ない拡散シートを提供することができる。
【0014】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、前記単位レンズ部の該切断面における略台形形状が等脚台形形状であり、該等脚台形形状の側辺と長い底辺との間の角度が異なる2種類以上の単位レンズ部が配列されることに特徴を有する。
【0015】
この発明によれば、拡散シートのゲインを測定すると、5つ以上のピーク(極大値)の裾が重なり合い、全体として中心にピークのあるなだらかなゲイン曲線が得られる。特に、等脚台形の側辺と長い底辺との間の角度が異なる複数の単位レンズ部があることにより、複数の方向に全反射面である側面で反射した光が出光する。そして、各出光角度において明るさのピークができることとなり、各ピークの裾が重なるため、拡散シートの正面付近からは、極端に暗く映像が観察されることがなくなる。さらに、この拡散シートにおいては、複数の出光角度があることにより、映像を観察する側の視野角を広げることも可能となる。
【0016】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の一の側辺と長い底辺との間の角度Aと、他の側辺と長い底辺との間の角度Bとが異なることに特徴を有する。
【0017】
この発明によれば、隣り合う単位レンズ部が接する部分の底角(側辺と長い底辺との間の角)を等しい角度となるように並べた拡散シートとすると、全反射面である側面で反射した光が少なくとも4つの方向に出光し、フレネルレンズから直進する光をあわせて、5つ以上の方向に出光する。そのため、ゲインを測定すると、5つ以上のピークの裾が重なり合い、中心にピークのある全体としてなだらかなゲイン曲線が得られる。従って、拡散シートの正面方向の位置において極端に暗く映像が観察されることがなくなる。さらに、この拡散シートにおいては、複数の出光角度があることにより、映像を観察する側の視野角を広げることも可能となる。また、拡散シート成形用の金型を切削するバイトの形状を単純にすることが可能であり、バイト作製工程が容易となる。
【0018】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の少なくとも一の側辺を1以上の基点を有する折れ線状に形成したことに特徴を有する。
【0019】
この発明によれば、単位レンズ部を、切断面における略台形形状の少なくとも一の側辺を1以上の基点を有する折れ線状に形成したことにより、全反射面となる略台形形状の側面に複数の平面を備えるようにしている。これより、光源からの光の出光方向が増え、単位レンズ部の両側面を同様に形成することで、ゲイン測定によるピークが5以上できることとなる。そして、それぞれのピークが得られる角度同士が近いため、中心にピークがあり全体としてなだらかなゲイン曲線が得られる。このように、本発明の拡散シートによれば、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0020】
上記課題を解決する本発明の拡散シートは、略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の側辺が曲線であることに特徴を有する。
【0021】
この発明によれば、全反射面となる略台形形状の側面が曲面であることにより、光源からの光の出光角度が増えるため、ゲイン曲線において中心にピークがあるなだらかな曲線となる。このように、本発明の拡散シートによれば、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0022】
上記本発明においては、前記光吸収部の切断面における出光面側の底辺の長さが、前記単位レンズ部の切断面における長い底辺の長さの40%以上100%未満であることに特徴を有する。この発明によれば、各単位レンズ部の間に形成される光吸収部の割合が高くなるため、映像のコントラストを高めることができ、観察者に映像が見やすくなる。
【0023】
上記本発明においては、前記単位レンズ部の出光面側に拡散剤を含有する支持板を備えることに特徴を有する。この発明によれば、支持板上に他の機能を有する層の形成が可能となり、また、各単位レンズ部から出光した一方向向きの光が、拡散剤によって拡散されて複数の方向に進行するために、観察者の位置による映像の明るさのムラを減少させることができる。なお、本発明の拡散シートに、拡散剤を含有する支持板を備えた場合には、上述したゲイン曲線における中心ピーク以外の極大値が消える場合もある。
【0024】
上記本発明においては、前記支持板における出光面側が平坦に形成されることが好ましい。この発明によれば、映像を平面に表現することができ、観察者に映像が見やすくなる。また、拡散シートの表面が曲面でなく、凹凸がないために、簡単に手で拭くことができ、拡散シートの表面に傷やホコリをつきにくくすることができる。
【0025】
上記本発明においては、前記支持板は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。この発明によれば、外部光に含まれる紫外線を吸収して、内部の単位レンズ部等を構成するプラスチック材料の劣化(変色、変質等)を防止することができる。また、上記本発明においては、前記単位レンズ部は、放射線硬化型樹脂で形成されることが好ましい。この発明によれば、型形状に忠実に成形された単位レンズ部からなる拡散シートを得ることができる。
【0026】
上記本発明においては、隣り合う前記単位レンズ部の該切断面における長い底辺の間に幅2μm以上の前記光吸収部を設けることに特徴を有する。また、上記本発明においては、隣り合う前記単位レンズ部の間に設けられた前記光吸収部は、入光側の頂点が曲率半径1μm以上である略三角形形状であることに特徴を有する。
【0027】
これらの発明によれば、拡散シートの単位レンズ部群を形成するための金型の凸部に相当する部分の先端を尖らせずにすむため、拡散シート用金型の強度を高めることができる。
【0028】
上記課題を解決する本発明の透過型スクリーンは、上記本発明の拡散シートと、その入光面側にフレネルレンズシートと、を備えることに特徴を有する。この発明によれば、上述の拡散シートを備えるため、観察者が正面、および正面以外の位置(但し、好適に映像を観察できる視野角度内)から観察した場合でも、観察者が水平方向に移動しながら観察した場合にも、映像面内における明るさのムラがなく、見やすいディスプレーを提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の拡散シートおよび透過型スクリーンについて、図面を参照して説明する。
【0030】
(拡散シート)
図1は、本発明の拡散シート100の斜視図である。拡散シート100は、略台形柱の形状をした単位レンズ部11が、上底面、下底面のうち広い面を有する側を透明樹脂フィルム基材22上に接触したかたちで複数個連続して配列されている。この隣り合う台形柱形状のレンズの間には、略三角柱形状の光吸収部12が形成されている。なお、この単位レンズ部11は、レンチキュラーレンズとも呼ばれ、拡散シート100は、レンチキュラーレンズシートとも呼ばれる。
【0031】
単位レンズ部11は、光吸収部12との境となる略台形柱形状の側面111において、光が全反射するように構成されている。従って、単位レンズ部の屈折率n1と、光吸収部の屈折率n2とは、n1>n2の関係を満たすようにする。そのため、その各部を構成する材料は、この関係を満たすように選択される。
【0032】
なお、単位レンズ部11において、光を全反射する略台形柱の両側面を全反射部111という。拡散シート100においては、単位レンズ部11の長軸方向に対する垂直切断面における略台形形状の長い底辺112側から光源からの光が入射され、略台形形状の短い底辺113側から光が出ていく。この略台形形状の長い底辺を入光面112といい、短い底辺を出光面113という。
【0033】
単位レンズ部11の材料は、上述の屈折率の関係を満たすように選択される他、特に限定されず、従来からレンチキュラーレンズとして用いられている樹脂等を用いればよい。具体的には、放射線硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。このうち、放射線硬化型樹脂を用いることにより、型形状に忠実な成形をおこなうことが可能となる。
【0034】
単位レンズ部11の大きさは、特に限定されないが、通常、切断面における略台形形状の長い底辺(入光面)112が50〜80μm、両底辺(112と113)間の距離(レンズ高さ)が100〜170μm、略台形柱の長軸方向の長さが50〜150cm程度である。本発明の拡散シート100においては、このように各単位レンズ部11を微細化して映像の精度を上げることが可能となる。
【0035】
光吸収部12は、出光面113側から入る外部光および出光面113から単位レンズ部11に入射して略台形形状の側辺に達した外部光を、吸収または/および遮光して、外部からの光の反射を防止する。このように、光吸収部12は、観察される映像のコントラストが低下しないように設けられている。光吸収部12の材料としては、上述の屈折率の関係を満たすよう選択される他は特に限定されず、例えば、シリコンやフッ素を導入した低屈折率アクリレート系樹脂等が用いられる。また、光吸収部12には、外部光を吸収、遮光等するために、光吸収粒子が添加される。光吸収粒子としては、例えば、カーボン等の顔料、赤、青、黄、黒等の複数の染料、又はこれらの顔料及び/又は染料で着色されたアクリル系架橋粒子等が用いられる。
【0036】
また、本発明の拡散シート100は、図2において水平方向の切断面(単位レンズ部の長軸方向に対して垂直に切断した面)を示すように、略台形形状が並んだかたちとなっている。本発明においては、この形状が正確には台形でない場合もあるが、便宜的に台形と考えて説明する。なお、この略台形形状は、その両底辺(上底と下底)が平行に構成されている。また、本発明において、右、左とは、拡散シートを透過型スクリーンに用いて使用した状態における右、左を示す。
【0037】
本発明の拡散シートの大きさは、特に限定されないが、通常、縦50cm×横70cm×厚さ0.1cm〜縦150cm×横200cm×厚さ0.5cm程度である。
【0038】
(第1実施形態)
図2を参照して、本発明の第1実施形態の拡散シートについて説明する。図2に示すように、この拡散シート101は、単位レンズ部11の切断面における略台形形状の両底辺(112と113)間の距離hが、長い底辺(入光面)112の長さpの120%以上400%以下であることを特徴とする。この両底辺間の距離hは、長い底辺112の長さpの200%以上400%以下であることが好ましく、200%以上250%以下であることがより好ましく、200%以上230%以下であることが最も好ましい。こうした範囲にすることにより、出光方向を絞ることができ、かつ光吸収部12において外光を吸収しやすくなる。なお、こうしたh/pの値は、大きくなるにつれて、拡散シートの成形後に金型から取り外す際の離型性が悪くなる他、拡散シートの成形のための金型の作製が困難になるため、その上限値を上述のように400%とした。
【0039】
なお、単位レンズ部11の長い底辺112の長さpは、ピッチpともいう。また、両底辺間の距離hは、レンズ高さhともいう。
【0040】
このような構成の拡散シート101とすることにより、図3(b)に示すように、中心にピークを有する全体としてなだらかなゲイン曲線が得られるという作用がある。
【0041】
具体的には、上述の構成としたことにより図3(a)に示すように、拡散シート101からの光の出光方向が主に3通り(L1,L2,L3)となる。3通りとは、全反射面111で反射せずに直進する方向(L2)で1通り、全反射面111で反射して中心に近い角度に左右に進む方向(L1,L3)で2通り、の合計である。本実施形態においては、全反射面111が入光面112に対して急峻な角度になるため、この全反射面111で反射した光は中心に近い角度に出光することとなる。これにより、図3(b)に示すように、ゲイン曲線において、全体としてなだらかなピークが1つできることになる。このように、本実施形態の拡散シート101は、ゲイン曲線において大きな極小値ができないため、出光面113側から光源からの映像を観察した場合に、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、シート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるにつれて徐々に暗くなる。そのため、本実施形態の拡散シート101は、観察者が水平方向に移動した場合にも、映像の明るさが極端に異なって観察されることがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が静止して観察した場合にも1の映像面内における明るさのムラがなく、明るさ均一性に優れた映像を観察することができ、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0042】
こうした第1実施形態の拡散シート101は、単位レンズ部11の断面形状を等脚台形形状とすることもできるし、その他、第2実施形態から第5実施形態に説明する形状とすることもできる。
【0043】
(第2実施形態)
図4を参照して、本発明の第2実施形態の拡散シートについて説明する。図4(a)に示すように、この拡散シート102は、単位レンズ部11の、切断面における略台形形状が等脚台形形状であり、その側辺111と長い底辺112との間の角度θが異なる2種類以上の単位レンズ部11を複数個配列されることを特徴とする。
【0044】
具体的には、一の単位レンズ部11aの全反射面(切断面における等脚台形の側辺)111aと入光面(長い底辺)112との間の角度θ1と、他の単位レンズ部11bの全反射面111bと入光面112との間の角度θ2とを異ならせ、この各単位レンズ部を任意の組合せで複数個配列させる。
【0045】
図4(a)においては、角度θ1を有する単位レンズ部11aと、角度θ2を有する単位レンズ部11bと、の2種類の単位レンズ部を交互に配列しているが、これに限定されるものではなく、11a、11a、11b、11b、11a、11a、11b・・・等のように一定単位ずつ周期的に配列してもよく、ランダムに並べてもよい。また、角度θを3種類以上として、3種類以上の単位レンズ部を配列して拡散シート102とすることもできる。
【0046】
このような拡散シート102とすることにより、図4(b)に示すように、ゲイン曲線において少なくとも5つのピーク(極大値)の裾が重なり合い、中心にピークを有する全体としてなだらかな曲線が得られる作用がある。特に、この拡散シート102においては、各単位レンズ部11の切断面における等脚台形の側辺111と長い底辺112との間の角度が異なることによって、複数の方向に全反射面111で反射した光が進行するので(図4(a)中θ1’、θ2’参照)、各出光角度において明るさのピークができることとなり、この各ピークの裾が重なるため、拡散シート102の正面付近からは、極端に暗く映像が観察される部分がなくなる。また、この拡散シート102においては、複数の出光角度を与えることにより、映像を観察する側の視野角を広げることが可能となる。
【0047】
このように、本実施形態の拡散シート102は、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0048】
こうした第2実施形態の拡散シート102は、第4実施形態、第5実施形態に説明する形状とすることもできる。なお、第5実施形態に説明する形状とする場合には、その切断面における略台形形状の側辺111と長い底辺112との間の平均角度が、第2実施形態に規定する各角度となる。
【0049】
(第3実施形態)
図5を参照して、本発明の第3実施形態の拡散シートについて説明する。図5に示すように、この拡散シート103は、単位レンズ部11が、切断面における略台形形状の一の側辺111cと長い底辺112との間の角度A(θ3)と、他の側辺111dと長い底辺112との間の角度B(θ4)と、が異なることを特徴とする。
【0050】
具体的には、単位レンズ部11の1の全反射面(台形の一の側辺)111cと入光面(長い底辺)112との間の角度θ3と、他の全反射面(台形の他の側辺)111dと入光面112との間の角度θ4とを異ならせ、この各単位レンズ部11を任意の組合せで複数個配列させる。
【0051】
図5においては、角度θ3と角度θ4との2種類の角度を有する一の単位レンズ部11を、隣り合う単位レンズ部11の角度θ3となる辺同士、角度θ4となる辺同士が接するように配列しているが、これに限定されるものではなく、配列の仕方を異ならせてもよい。また、全反射面111と入光面112との間の角度が上述のθ3、θ4と異なる単位レンズ部11をさらに組み合わせて配列することも可能である。ただし、図5とは異なる形状の拡散シートとした場合にも、その単位レンズ部は、拡散シートの正面から画面全体を観察した場合に左右対称の映像の明るさを得られるよう配列することが好ましい。
【0052】
このような拡散シート103とすることにより、上述の第2実施形態と同様の拡散特性に優れる作用が得られる(図5中θ3’、θ4’参照)。具体的には、図4(b)に示すのと同様のゲイン曲線が得られる。さらに、図5に示すような拡散シート103は、拡散シート成形用の金型を切削する金型切削用工具(バイト等)の形状を単純にすることが可能であり、切削用工具の作製工程が容易となる。また、切削用工具の強度不足により、金型や工具の破損を招くことが少なくなる。拡散シート103をこの形状とすることにより、十分な強度が得られる金型を安全に切削して作製することができる。
【0053】
また、本実施形態の拡散シート103は、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0054】
こうした第3実施形態の拡散シート103は、第4実施形態、第5実施形態に説明する形状とすることもできる。なお、第5実施形態に説明する形状とする場合には、その切断面における略台形形状の側辺111と長い底辺112との間の平均角度が、第3実施形態に規定する各角度となる。
【0055】
(第4実施形態)
図6を参照して、本発明の第4実施形態の拡散シートについて説明する。図6に示すように、この拡散シート104は、単位レンズ部11が、切断面における略台形形状の少なくとも一の側辺111を1以上の基点dを有する折れ線状に形成したこと特徴とする。
【0056】
具体的には、単位レンズ部11の切断面における1の全反射面(台形の一の側辺)111は、基点dにより入光面112側の全反射面111eと出光面113側の全反射面111fとに分けられる。この入光面112側の全反射面111eと入光面(長い底辺)112との間の角度θ5と、同じ側の全反射面111における出光面113側の全反射面111fと入光面112との間の角度θ6とを異ならせ、この各単位レンズ部11を任意の組合せで複数個配列させる。
【0057】
なお、図6においては、単位レンズ部11における両方の全反射部111を折れ線状に形成しているが、単位レンズ部11によって片方の全反射部111のみを折れ線状に形成してもよい。
【0058】
また、図6においては、角度θ5と角度θ6との2種類の角度を有する一の単位レンズ部11のみを連続して配列しているが、これに限定されるものではなく、他の角度の組合せを有する単位レンズ部を組み合わせて配列することも可能である。例えば、図6においては、全反射面111を略台形形状の内側に凸な形状としているが、略台形形状の外側に凸な形状としてもよい。
【0059】
また、図6においては、単位レンズ部11の一の全反射面111において、基点dを1つとし、2種類の角度を有するようにしたが、基点dを2以上設けて3種類以上の角度を有するようにしてもよく、限定されるものではない。
【0060】
ただし、上述のような図6とは異なる形状の拡散シートとした場合にも、拡散シートの単位レンズ部の各全反射面は、左右対称の映像の明るさを得られるよう形成することが好ましい。
【0061】
このような拡散シート104とすることにより、光源からの光の出光角度が増える(図6中θ5’、θ6’参照)。そのため、明るさのピークが得られる角度同士が近くなり、各ピークの裾が重なり合う。こうした拡散シート104のゲインを測定すると、中心にピークを有し、全体としてなだらかなゲイン曲線(図4(b)に示すのと同様のゲイン曲線)が得られる。このように、本実施形態の拡散シート104は、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0062】
なお、第4実施形態の拡散シート104を成形する成形型は、例えば、図11に示すような切削用工具60を用いて作製することができる。切削用工具60としては、その先端の片側を全反射面111fと入光面112との間の角度θ6にあわせて180°−θ6の角度とし、その先端の逆側を全反射面111eと入光面112との間の角度θ5にあわせて180°−θ5の角度とした切削用工具60Aと、その先端の片側を全反射面111eと入光面112との間の角度θ5にあわせて180°−θ5の角度とし、その逆側を全反射面111fと入光面112との間の角度θ6にあわせて180°−θ6の角度とした切削用工具60Bとを用いる。まず、切削用工具60Aを用いて成形型材料62を切削し、略台形形状の右側のθ6の全反射面111fと、左側のθ5の全反射面111eとを形成する(図11(1))。次いで、切削用工具60Bを用いて成形型材料62の同じ位置を切削し、略台形形状の右側のθ5の全反射面111eと、左側のθ6の全反射面111fとを形成する(図11(2))。このようにして、拡散シート104を形成する拡散シート用成形型63を作製することができる。
【0063】
(第5実施形態)
図7を参照して、本発明の第5実施形態の拡散シートについて説明する。図7に示すように、この拡散シート106は、単位レンズ部11が、切断面における略台形形状の側辺111gが曲線になっていることを特徴とする。全反射面となる略台形形状の側辺111gが曲線となっていることにより、入光面112から入射される平行光があたる全反射面111gの位置によって反射角が異なり、反射後の光の進行方向がそれぞれ異なることになる。
【0064】
図7においては、略台形形状の側辺における曲線が、両側辺とも略台形の内側に凸な形状としているが、両側辺を略台形の外側に凸な形状としてもよく、一の側辺を略台形の内側に凸な形状とし、他の側辺を略台形の外側に凸な形状としてもよい。これらの曲線は、全て同一の形状とする必要はなく、各単位レンズ部11によって異なっている方が、全反射部111における反射後の光を様々な方向に進行させることができ、観察者の位置による映像の明るさが均一化されてよい。ただし、図7とは異なる形状の拡散シートとした場合にも、拡散シートの単位レンズ部の各全反射面は、拡散シートの正面から画面全体を観察した場合に左右対称の映像の明るさを得られるよう形成することが好ましい。
【0065】
このような拡散シート105とすることにより、光源からの光の出光角度が増えるため、ゲインを測定すると、中心にピークがあるなだらかなゲイン曲線(図4(b)に示すのと同様のゲイン曲線)が得られる作用がある。このように、本実施形態の拡散シート105は、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0066】
(変形形態)
以上説明した本発明の第1から第5実施形態の拡散シートは、以下のような形態とすることができる。
【0067】
まず、図2に示すように、この拡散シート101は、光吸収部12の切断面における三角形形状の出光面側の底辺の長さwが、単位レンズ部11の切断面における長い底辺(入光面)112の長さpの40%以上100%未満にすることができる。この光吸収部12の底辺の長さwは、単位レンズ部11の長い底辺112の長さpの55%以上100%未満であることが好ましく、55%以上70%以下であることがより好ましく、さらに、55%以上65%以下であることが最も好ましい。これらの値は、w/pで表される。拡散シート101をこのような構成とすることにより、各単位レンズ部11の間に形成される光吸収部12の割合が高くなるため、映像のコントラストを高めることができ、観察者に映像が見やすくなる。さらに、w/pを上述の範囲にすることにより、室内照明などの外光のスクリーンへの映りこみを良好に抑えることができる。
【0068】
また、図10に示すように、単位レンズ部11の出光面113側に拡散剤を含有する支持板21を備えることができる。本発明の拡散シート100においては、各単位レンズ部11が、略台形柱形状となっているために出光面113が平坦であり、このように支持板21を設けることができる。支持板21を設けることによって、拡散シート100の出光面113側に、反射防止処理により反射防止層23を形成をしたり、表面硬化処理により表面硬化層24をすることができる。なお、これらの各層は、拡散シート100の出光面113側に支持板21を介して設けられる。反射防止処理により、室内照明などの外光の映りこみを抑えることができる。また、表面硬化処理により、スクリーンへの接触及び汚れの拭き取りに対してスクリーン表面の傷がつきにくくなる作用がある。
【0069】
そして、支持板21に含有される拡散剤により、各単位レンズ部11から出光した光が、支持板21における拡散剤の粒子に入光および出光する際に屈折し、また、拡散剤粒子の外面で反射することにより、拡散されて複数の方向に進行する。そのため、映像の明るさのムラをさらに減少させることができる。この拡散剤は、支持板21を形成する樹脂等とは屈折率の異なる樹脂等からなる粒子であり、支持板21中に分散されている。そうした拡散剤としては、アクリル架橋ビーズ,ガラスビーズ等が用いられる。なお、本発明の拡散シートに、拡散剤を含有する支持板を備えた場合には、上述したゲイン曲線における中心ピーク以外のピークが、拡散剤による拡散により消える場合もある。
【0070】
また、支持板21における出光面113側を平坦に形成することが好ましい。出光面113側が平坦であることにより、映像をゆがみなく表現することができ、観察者に見やすくなる。また、拡散シート100の表面が曲面でなく、凹凸がないために、簡単に手で拭くことができ、拡散シート100の表面に傷やホコリをつきにくくすることができる。
【0071】
さらに、支持板21には、紫外線吸収剤を含有させることができる。支持板21に紫外線吸収剤を含有させることにより、外部光に含まれる紫外線を吸収して、内部の単位レンズ部11等を構成するプラスチック材料の劣化(変色、変質等)を防止することができる。なお、本発明においては、支持板21に紫外線吸収剤を含有させることに、支持板21自体を、紫外線吸収作用を有する材料で形成することも含むものとする。支持板21自体に紫外線吸収作用を持たせるために、アクリル酸エステル系の樹脂板等を用いることができる。また、支持板21として紫外線を吸収しにくい樹脂を用いた場合には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、サリチレート系等の紫外線吸収剤を含有させることができる。
【0072】
また、本発明の拡散シート100は、図8に示すように、隣り合う単位レンズ部11の切断面における入光面(長い底辺)112の間に所定の幅121を有する光吸収部12を設けることができる。この所定の幅121は、例えば、2μm以上10μm以下とすることができる。また、本発明の拡散シート100は、図9に示すように、隣り合う単位レンズ部11の間に設けられた光吸収部12を、切断面における入光面112側の頂点が曲線となっている略三角形形状に構成してもよい。この頂点位置122の曲線は、例えば、曲率半径を1μm以上5μm以下とすることができる。この頂点位置122の曲線は、拡散シート用の金型を作製する際、頂点位置122に対応する部分にメッキをつけ、この金型を用いて拡散シートを成形することにより形成される。
【0073】
このような構成とすることにより、拡散シート100の単位レンズ部11群を形成するための金型の凸部に相当する部分の先端を尖らせずにすむため、拡散シート用金型の強度を高めることができる。また、このように金型の強度が増すため、金型の凸部が左右に倒れることを防止できる。
【0074】
上述した本発明の拡散シート100においては、単位レンズ部11の長軸方向に垂直な切断面における略台形形状の入光面にあたる長い底辺112と全反射面である側辺111との間の角度θは、75°〜89°程度、好ましくは、80°〜84°程度とする。なお、第5実施形態においては、全反射面111が曲面となるため、正確な角度ではないが、平均角度が上述のような値となるようにする。全反射面111が曲面である場合の平均角度は、全反射面111の両端を結んだ直線と長い底辺112との間の鋭角を測定した値である。
【0075】
(拡散シートの製造方法)
本発明の拡散シート100は、以下のように製造される。まず、上述した単位レンズ部11の略台形柱形状を提供できる成形型(金型)を作製する。この成形型は、型材料に単位レンズ部11が形成されることとなる略台形柱型の凹部を順次切削していくことにより作製される。この成形型は、平面形状である場合と、ロール形状である場合がある。ロール形状の成形型を作成する場合には、成形型の材料を旋盤に設置し、型材料を回転させながら略台形柱型の凹部をバイト等により順次切削することができる。こうして作製された各成形型を用いて拡散シートを成形するが、この拡散シートの成形方法として、以下の3種類が挙げられる。
【0076】
第1の成形方法として、ロール形状の成形型を用いる成形方法を説明する。回転可能に軸を固定されたロール形状の成形型とローラとの間に拡散シート100の基材22となるPETフィルムを通過させるとともに、このPETフィルムとロール形状の成形型との間に単位レンズ部11用の樹脂を流し込む。この樹脂をPETフィルムと共にロール金型に沿って通過させ、樹脂を複数の単位レンズ部11の形状にする。PETフィルムと単位レンズ部用の樹脂は、ロール形状の成形型とローラの間を通過した後、紫外線が照射され、樹脂が硬化する。その後、硬化した樹脂とPETフィルムとからなるシートをロール成形型から離型する。この工程が連続的に行われることにより、拡散シートの主な部分が作製される。
【0077】
第2の成形方法として、平面形状の成形型を用いる成形方法を説明する。平面形状の成形型に、単位レンズ部用の樹脂を埋め込むように塗布し、その上にPETフィルムである基材22を載せ、紫外線を照射し、樹脂を硬化させる。その後、このシートを成形型から剥離することにより、拡散シートの主な部分が作製される。
【0078】
第3の成形方法として、平面形状の成形型を用いる成形方法を説明する。平面形状の成形型に、基材22となる厚さ30〜200μm程度のPETフィルム上に上述した単位レンズ部11用の材料を備えたシートをのせる。そして、この材料を略台形柱形状の単位レンズ部11となるように形成して、このシートを成形型から剥離することにより、拡散シート100の主な部分が作製される。
【0079】
以上のいずれかの方法により成形型から剥離したシートの、各単位レンズ部11の間の溝に、上述した光吸収部12用の材料からなる黒色樹脂を埋め込まれるように塗布(コーティング)し、光吸収部12を形成する。このようにして、本発明の拡散シートが製造される。
【0080】
(透過型スクリーン)
図10は、本発明の透過型スクリーンの概略を示す、使用状態で上面から見た断面図である。透過型スクリーン50は、上記本発明の拡散シート100と、その入光面112側にフレネルレンズシート30とを有する。この透過型スクリーン50は、プロジェクションテレビ等に使用される。フレネルレンズシート30は、図示しない映像投影装置から投影された映像光を、略平行に出光し、拡散シート100へと導くためのシートである。
【0081】
本発明の拡散シートを用いた透過型スクリーンは、観察者が水平方向に移動した場合においても明暗の変化が少なく、正面から観察した場合、左右対称の明るさ分布の良い映像が観察される。そして、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。そのため、観察者が水平方向に移動した場合にも、観察者が正面、およびそれ以外の位置から静止して観察した場合にも、映像面内における明るさ均一性が良く、映像の見やすいディスプレーを提供することができる。
【0082】
【実施例】
(実施例1)
単位レンズ部のピッチp70μm、レンズ高さh140μm、ピッチpに対する光吸収部の出光面側の底辺の長さwの割合(w/p)56%、入光面と全反射面との間の角度θ82°の等脚台形形状が複数並ぶように、切削加工された拡散シート用のロール金型を準備した。このロール金型に、硬化後の屈折率n1が1.55のUV樹脂を埋め込み、厚さ50μmのPETフィルム基材を用いて拡散シートを作製した。
【0083】
その各単位レンズ部の等脚台形形状の間のV型の溝に、光吸収部を形成した。光吸収部は、屈折率n2が1.49のアクリル系塗料中に平均粒子径3μmの黒色ビーズを分散させた光吸収剤を用いて形成した。このようにして、図2に示した拡散シートを形成した。
【0084】
この拡散シートの出光面に、拡散剤および紫外線吸収剤を含有するMS樹脂からなり、厚み2mmの支持板を接着し、この拡散シートと従来公知のフレネルレンズをあわせて透過型スクリーンを得た。
【0085】
(実施例2)
単位レンズ部の一の台形形状における入光面と全反射面との間の角度θ1を80°、他の台形形状における入光面と全反射面との間の角度θ2を82°とし、この二種の台形形状を交互に配列し、表1に示す形状にした他は、実施例1と同様にして図4に示した拡散シートを形成した。また、実施例1と同様にして、透過型スクリーンを得た。
【0086】
(実施例3)
単位レンズ部の一の台形形状における入光面と片方の全反射面との間の角度θ3を80°、同じ台形形状における入光面ともう一方の全反射面との間の角度θ4を82°とし、この台形形状を、隣り合う台形柱形状のθ3となる角度の辺同士が接し、また、θ4となる角度の辺同士が接するように連続して配列し、表1に示す形状にした他は、実施例1と同様にして図5に示した拡散シートを形成した。また、実施例1と同様にして、透過型スクリーンを得た。
【0087】
(実施例4)
単位レンズ部の一の台形形状において、全反射面の切断面を折れ線状にし、入光面側の全反射面と入光面の間の角度θ5を80°、同じ台形形状における出光面側の全反射面と入光面の間の角度θ6を82°とし、この一つの台形形状を隣り合う台形形状の入光面と全反射面との間の角度が同じになるように配列し、表1に示す形状にした他は、実施例1と同様にして図6に示した拡散シートを形成した。また、実施例1と同様にして、透過型スクリーンを得た。
【0088】
(比較例1)
一の台形形状における入光面と全反射面との間の角度を78°となるように配列し、表1に示す形状にした他は、実施例1と同様にして図12に示した拡散シートを形成した。また、実施例1と同様にして、透過型スクリーンを得た。
【0089】
【表1】
Figure 0004127517
(評価結果)
実施例1〜4、および比較例1により作製された透過型スクリーンを背面投写型プロジェクションテレビに設置して、そのスクリーンに映写される映像を評価した。各実施例においては、いずれの観察角度によっても、明るさ均一性の良い映像が観察された。一方、比較例においては、正面からの観察時でも、明るさ均一性が悪く、さらに、観察角度によって明暗のムラが強調される映像が観察された。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の両底辺間の距離が、長い底辺の長さの120%以上400%以下であることにより、全反射面となる略台形柱形状の各側面で反射した光の出光方向が単位レンズ部中を直進する光の出光方向に寄ることになる。このように、本発明の拡散シートによれば、観察者が水平方向に移動した場合に、映像面内の明るさが極端に変化せず、映像面の明るさ均一性に優れた映像が提供できる。具体的には、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、1の映像面内における明暗のムラがなく、明るさ均一性に優れ、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。
【0091】
上記本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部は、該切断面における略台形形状が等脚台形形状であることにより、単位レンズ部における全反射面となる略台形柱形状の各側面で反射した光が左右対称の方向に出光するため、正面から観察した場合、左右対称の明るさ分布の良い映像が観察される。そして、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。このような性能を持つ拡散シートを提供することができる。
【0092】
本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部の該切断面における略台形形状が等脚台形形状であり、該等脚台形形状の側辺と長い底辺との間の角度が異なる2種類以上の単位レンズ部が配列されることにより、出光方向が5以上になり、映像面から均一な明るさが得られる。特に、等脚台形の側辺と長い底辺との間の角度が異なる複数の単位レンズ部があることにより、複数の方向に全反射面である側面で反射した光が進行するので、拡散シートの正面方向の位置からは、極端に暗く映像が観察されることがなくなる。さらに、この拡散シートにおいては、複数の出光角度があることにより、映像を観察する側の視野角を広げることも可能となる。そのため、本発明の拡散シートを用いた透過型スクリーンは、観察者が水平方向に移動した場合においても明暗の変化が少なく、正面から観察した場合、左右対称の明るさ分布の良い映像が観察される。そして、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。そのため、観察者が水平方向に移動した場合にも、観察者が正面、およびそれ以外の位置から静止して観察した場合にも、映像面内における明るさ均一性の良い映像の見やすいディスプレーを提供することができる。
【0093】
本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の一の側辺と長い底辺との間の角度Aと、他の側辺と長い底辺との間の角度Bとが異なることにより、隣り合う単位レンズ部が接する部分の底角(側辺と長い底辺との間の角)を同じに形成した拡散シートとすると、全反射面である側面で反射した光が少なくとも4つの方向に出光し、フレネルレンズから直進する光をあわせて、5つ以上の方向に出光する。そのため、明るさ均一性の良い映像が得られる。従って、拡散シートの正面付近の位置からは、極端に暗く映像が観察されることがなくなる。さらに、この拡散シートにおいては、複数の出光角度があることにより、映像を観察する側の視野角を広げることも可能となる。そのため、観察者が水平方向に移動しながら映像を観察した場合にも、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、映像面内における明るさ均一性の良い映像を提供することができる。また、拡散シート成形用の金型を切削するバイトの形状を単純にすることが可能であり、バイト作製工程が容易となる。
【0094】
本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部を、切断面における略台形形状の少なくとも一の側辺を1以上の基点を有する折れ線状に形成したことにより、全反射面となる略台形形状の側面に複数の平面を備えるようにしている。これより、光源からの光の出光方向が増え、単位レンズ部の両側面を同様に形成することで、出光方向が5以上できることとなる。そして、それぞれの出光角度同士が近いため、明るさ均一性の良い映像が得られる。このように、本発明の拡散シートによれば、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。また、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。
【0095】
本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部の切断面における略台形形状の側辺が曲線であることにより、全反射面となる略台形形状の側面が曲面となる。これより、光源からの光の出光方向が増え、明るさ均一性の良い映像が得られる。そのため、本発明の拡散シートによれば、観察者が拡散シート面に対して正面から見た場合が最も明るく、観察者がその点から水平方向に移動してシート面に対する垂線と視線とのなす角が大きくなるほど暗く映像が観察されるが、その際徐々に暗く映像が観察されるため、観察者にとって映像が自然で見やすいものとなる。このように、本発明の拡散シートを用いた透過型スクリーンは、観察者が水平方向に移動した場合においても明暗の変化が少なく、正面から観察した場合、左右対称の明るさ分布の良い映像が観察される。そして、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。
【0096】
上記本発明の拡散シートによれば、光吸収部の切断面における出光面側の底辺の長さが、単位レンズ部の切断面における長い底辺の長さの40%以上100%未満であることにより、各単位レンズ部の間に形成される光吸収部の割合が高くなるため、映像のコントラストを高めることができ、観察者に映像が見やすくなる。
【0097】
上記本発明の拡散シートによれば、単位レンズ部の出光面側に拡散剤を含有する支持板を備えることより、支持板上に他の機能を有する層の形成が可能となり、また、各単位レンズ部から出光した光が、拡散剤によって拡散されて複数の方向に進行するために、観察者の位置による映像の明るさのムラを減少させることができる。
【0098】
上記本発明の拡散シートによれば、支持板における出光面側が平坦に形成されることにより、映像を平面に表現することができ、観察者に映像が見やすくなる。また、拡散シートの表面が曲面でなく、凹凸がないために、簡単に手で拭くことができ、拡散シートの表面に傷やホコリをつきにくくすることができる。
【0099】
上記本発明の拡散シートによれば、支持板は、紫外線吸収剤を含有することにより、外部光に含まれる紫外線を吸収して、内部の単位レンズ部等を構成するプラスチック材料の劣化(変色、変質等)を防止することができる。また、上記本発明においては、単位レンズ部を放射線硬化型樹脂で形成することができ、型形状に忠実に成形された単位レンズ部からなる拡散シートを得ることができる。
【0100】
上記本発明の拡散シートによれば、隣り合う単位レンズ部の該切断面における長い底辺の間に幅2μm以上の光吸収部を設けるか、または、隣り合う単位レンズ部の間に設けられた光吸収部は、入光側の頂点が曲率半径1μm以上である略三角形形状であることにより、拡散シートの単位レンズ部群を形成するための金型の凸部に相当する部分の先端を尖らせずにすむため、金型の強度を高めることができる。
【0101】
本発明の透過型スクリーンによれば、上記本発明の拡散シートと、その入光面側にフレネルレンズシートと、を備えることにより、観察者が水平方向に移動した場合においても明暗の変化が少なく、正面から観察した場合、左右対称の明るさ分布の良い映像が観察される。そして、観察者が正面以外の位置から静止して観察した場合にも、明るさ均一性に優れた映像が観察される。そのため、観察者が水平方向に移動した場合にも、観察者が正面、およびそれ以外の位置から静止して観察した場合にも、映像面内における明るさ均一性が良く、映像の見やすいディスプレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡散シートの構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の拡散シートの第1実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の拡散シートにおける光の進行方向を示す断面図と、その観察位置における映像の明るさ(ゲイン曲線)を示すグラフである。
【図4】本発明の拡散シートの第2実施形態の一例を示す断面図と、その観察位置における映像の明るさ(ゲイン曲線)を示すグラフである。
【図5】本発明の拡散シートの第3実施形態の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の拡散シートの第4実施形態の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の拡散シートの第5実施形態の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の拡散シートの変形形態の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の拡散シートの変形形態の他の一例を示す断面図である。
【図10】本発明の透過型スクリーンの一例を示す断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態の拡散シートを形成する拡散シート用成形型の製造方法の一例を示す断面図である。
【図12】従来の拡散シートにおける光の進行方向を示す断面図と、その観察位置における映像の明るさ(ゲイン曲線)を示すグラフである。
【符号の説明】
100、101、102、103、104、105 拡散シート
11、11a、11b 単位レンズ部
111、111a、111b、111c、111d、111e、111f、111g 全反射面(略台形形状の側辺)
112 入光面(略台形形状の長い底辺)
113 出光面(略台形形状の短い底辺)
12 光吸収部
21 支持板
22 基材
23 反射防止層
24 表面硬化層
30 フレネルレンズシート
50 透過型スクリーン
70 従来のレンチキュラーレンズシート
p 単位レンズ部の略台形形状の長い底辺の長さ(ピッチ)
h 単位レンズ部の略台形形状の両底辺間の距離(レンズ高さ)
w 光吸収部の略三角形形状の出光面側の底辺の長さ
L1、L2、L3、L1’、L2’、L3’ 光の出光方向
θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6 入光面と全反射面との間の角度
θ1’、θ2’、θ3’、θ4’、θ5’、θ6’ 単位レンズ部から出光する光の角度
d 基点

Claims (13)

  1. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部の該切断面における略台形形状が等脚台形形状であり、該等脚台形形状の側辺と長い底辺との間の角度が異なる2種類以上の単位レンズ部が周期的又はランダムに配列されることを特徴とする拡散シート。
  2. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部の該切断面における略台形形状の一の側辺と長い底辺との間の角度Aと、他の側辺と長い底辺との間の角度Bとが異なる2種類以上の単位レンズ部が周期的又はランダムに配列されることを特徴とする拡散シート。
  3. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の両底辺間の距離が、長い底辺の長さの120%以上400%以下であり、
    隣り合う前記単位レンズ部の該切断面における長い底辺の間に幅2μm以上の前記光吸収部を設けたことを特徴とする拡散シート。
  4. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の両底辺間の距離が、長い底辺の長さの120%以上400%以下であり、
    隣り合う前記単位レンズ部の間に設けられた前記光吸収部は、入光面側の頂点が曲率半径1μm以上である略三角形形状であることを特徴とする拡散シート。
  5. 前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状が等脚台形形状であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の拡散シート。
  6. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の少なくとも一の側辺を1以上の基点を有する折れ線状に形成したこと特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記 載の拡散シート。
  7. 略台形柱からなる単位レンズ部を、長軸方向が互いに平行になるように、かつ、単位レンズ部の略台形柱の長軸方向に垂直な切断面の略台形形状における長い底辺の面が全て入光面側の一平面上にあるように複数個配列し、出光面側から入る外部光を吸収または/および遮光する光吸収部が隣り合う単位レンズ部の間の溝に形成され、前記単位レンズ部の切断面における側辺において光を全反射する拡散シートであって、
    前記単位レンズ部は、該切断面における略台形形状の側辺が曲線であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の拡散シート。
  8. 前記光吸収部の切断面における出光面側の底辺の長さが、前記単位レンズ部の切断面における長い底辺の長さの40%以上100%未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の拡散シート。
  9. 前記単位レンズ部の出光面側に拡散剤を含有する支持板を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の拡散シート。
  10. 前記支持板における出光面側が平坦に形成されることを特徴とする請求項9に記載の拡散シート。
  11. 前記支持板は、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の拡散シート。
  12. 前記単位レンズ部は、放射線硬化型樹脂で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の拡散シート。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の拡散シートと、その入光面側にフレネルレンズシートと、を備えることを特徴とする透過型スクリーン。
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