JP2016066089A - 映像源ユニット、及び表示装置 - Google Patents
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【課題】映像源からの映像光を効率よく観察者に提供することができ、かつ、視野角を広げることができる映像源ユニットを提供する。
【解決手段】映像源と、観察者側に配置される複数の層を有する光学シートと、を備え、光学シートは、台形断面を有して光を透過可能にシート面に沿って並列される屈折率Npである光透過部、及び光透過部間に楔形の断面を有して並列される屈折率Nbである光吸収性を有する低屈折率部を具備する光拡散層を備え、低屈折率部の光吸収性は、低屈折率部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されており、低屈折率部の楔形の斜辺部がシート面法線に対してなす角をθb、映像源側から拡散層に入射する映像光の発散角の半値角をθ0、空気の屈折率をN0としたとき、Np>Nb、及び、sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb}が成立し、半値角θ0が10度以下である。
【選択図】図2
【解決手段】映像源と、観察者側に配置される複数の層を有する光学シートと、を備え、光学シートは、台形断面を有して光を透過可能にシート面に沿って並列される屈折率Npである光透過部、及び光透過部間に楔形の断面を有して並列される屈折率Nbである光吸収性を有する低屈折率部を具備する光拡散層を備え、低屈折率部の光吸収性は、低屈折率部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されており、低屈折率部の楔形の斜辺部がシート面法線に対してなす角をθb、映像源側から拡散層に入射する映像光の発散角の半値角をθ0、空気の屈折率をN0としたとき、Np>Nb、及び、sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb}が成立し、半値角θ0が10度以下である。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶テレビ等の表示装置、及びここに用いられる映像源ユニットに関し、詳しくは映像源からの光を効率よく出射することのできる表示装置、及び映像源ユニットに関する。
液晶テレビ等の表示装置は、表示すべき映像・画像を出射する液晶パネル等の映像源を備えるとともに、該映像源からの映像光の質を高めて観察者側に透過させる光学シートを備えている。
当該光学シートは、より質の高い映像を観察者に提供するため、各種機能を有する層が積層されて成る場合が多い。
当該光学シートは、より質の高い映像を観察者に提供するため、各種機能を有する層が積層されて成る場合が多い。
特許文献1には従来の光学シートの1つの例が開示されている。これによれば、光学シート(二次元視野拡大部材)は、光透過可能にシート面に沿って並列された断面形状台形の光透過部(単位レンズ部)と、該光透過部間に光吸収可能に設けられた断面形状三角形の光吸収部(レンズ間部分)とを有する層を備えている。この層により、映像光を反射して観察者に提供するとともに、外光や迷光を吸収することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、光吸収部に入射する入射光の入射角度が制御されておらず、光吸収部により吸収される映像光も少なくなかった。そこで、映像源からの映像光を効率よく観察者に提供することができる表示装置、及び映像源ユニットの開発が望まれており、そのような表示装置、及び映像源ユニットに関する技術が、特許文献2に記載されている。
特許文献2に記載された表示装置、及び映像源ユニットによれば、映像源からの映像光を効率よく観察者に提供することができる。しかしながら、特許文献2に記載された表示装置、及び映像源ユニットでは、視野角を広げることについては十分な検討がなされておらず、映像源からの映像光を効率よく観察者に提供できたとしても、視野角を十分に広げられない場合があった。
そこで本発明は、映像源からの映像光を効率よく観察者に提供することができ、かつ、視野角を広げることができる表示装置、及び映像源ユニットを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、映像を出射する映像源と、該映像源より観察者側に配置され、映像源からの光を制御して観察者側に透過可能である複数の層を有する光学シートと、を備える映像源ユニットであって、光学シートは、台形断面を有して光を透過可能にシート面に沿って並列される屈折率Npである光透過部、及び光透過部間に楔形の断面を有して並列される屈折率Nbである光吸収性を有する低屈折率部を具備する光拡散層を備え、低屈折率部の光吸収性は、低屈折率部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されており、低屈折率部の楔形の斜辺部がシート面法線に対してなす角をθb、映像源側から拡散層に入射する映像光の発散角の半値角をθ0、空気の屈折率をN0としたとき、
Np>Nb、及び、
sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb}
が成立し、半値角θ0が10度以下であることを特徴とする映像源ユニットである。
Np>Nb、及び、
sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb}
が成立し、半値角θ0が10度以下であることを特徴とする映像源ユニットである。
ここで、発散角、及び発散角の半値角は図7のように定義される。すなわち、発散角は映像光の広がり角(視野角)、発散角の半値角は、最も高い輝度(本例では正面輝度(a))の半分の輝度(0.5a)となる角度である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像源ユニットにおいて、低屈折率部には、光透過部との界面を形成しない面に凹みを具備している。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の映像源ユニットにおいて、低屈折率部には、平均粒子径が1μm以上4μm以下の光吸収粒子が含まれている。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の映像源ユニットにおいて、屈折率Nbと屈折率Npとの比(Nb/Np)が、0.93以上0.97以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の映像源ユニットを具備することを特徴とする、表示装置である。
本発明の表示装置及び映像源ユニットによれば、映像源からの映像光を効率よく観察者に提供することができ、かつ、視野角を広げることができる。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は一つの実施形態にかかる映像源ユニット1を具備する表示装置50を模式的に示した分解斜視図である。図1では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図1からわかるように、表示装置50は、前面側筐体51と背面側筐体52とにより形成される筐体の内側に、映像源ユニット1を備えている。本実施形態の表示装置50は液晶表示装置であり、映像源ユニット1は液晶ディスプレイパネルユニットである。表示装置50には、映像源ユニット1の他にもその筐体内に表示装置に備えられるべき公知の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
図2は図1に表した映像源ユニット1の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図2では紙面右が観察者側である。
図2に示した映像源ユニット1は、バックライト2、プリズムシート3、集光シート4、偏光板5、液晶パネル6、偏光板7、粘着剤層9、及び光学シート10を備えている。これら各層は図2に示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。以下に各層について説明する。以下に示す図では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略することがある。
バックライト2は、液晶パネル6の光源として機能する。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるバックライトを用いることができる。これには例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下、LED)や冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:以下、CCFL)等の発光源をプリズムシート3の一方の面に面して略均等に配置して面状の光源とする形式や、LEDやCCFL等の発光源をプリズムシート3の縁(エッジ)側に配置して導光板等を利用して最終的に面状に光を出射するエッジ入力型とする形式等を挙げることができる。
プリズムシート3は、バックライト2からの光を液晶パネル6の法線方向に集光するシートである。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるプリズムシート3を用いることができる。プリズムシート3はその形状により、バックライト2の面に粘着剤により直接粘着されていてもよいし、所定の間隙を有して配置されていてもよい。
集光シート4は、バックライト2からの光のうち、液晶パネル6のパネル面の法線方向に平行に近い光のみを透過する、又はバックライト2からの光の角度を液晶パネル6のパネル面の法線方向に平行となる方向に近づけるシートである。すなわち、光源からの光の発散角の半値角を小さくする機能を有するシートである。集光シート4は、このような機能を有するシートであれば特に限定されるものではない。集光シート4の具体例を図3(a)及び図3(b)に示した。
図3(a)は、集光シート4の一例である集光シート4’を概略的に示した断面図である。図3(a)では紙面右が観察者側となり、集光シート4’は図3(a)に示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。集光シート4’は、シート状に形成された本体部4a’と、本体部4a’の面のうちバックライト2側の面、すなわち入光側面に設けられた単位プリズム部4b’と、を有している。
この集光シート4’は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、液晶パネル6のパネル面法線方向に平行な光の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。この集光機能は主として、集光シート4’のうち単位プリズム部4b’によって発揮される。
図3(a)に示すように、本体部4a’は、単位プリズム部4b’を支持する平板状のシート状部材として機能する。そして、本体部4a’の面のうちバックライト2側の面とは反対側の面が出光側面となる。本実施形態において、本体部4a’の出光側面は、平坦(平ら)で平滑な面として形成されている。ただし、出光側面は平滑面であることに限定されることはなく、微小な凹凸が付された面(いわゆるマット面)であってもよく、必要に応じた表面形態を適用することが可能である。
単位プリズム部4b’は、図3(a)によく表れているように、複数の単位プリズム4c’が本体部4a’の入光側面に沿って並べられるように配置されている。より具体的には、複数の単位プリズム4c’は柱状の部材であり、図3(a)に表れる断面を有して紙面奥/手前方向に延びている。また、複数の単位プリズム4c’は、単位プリズム4c’が延びている方向に直交する方向に並列されている。
また、図3(a)からわかるように、単位プリズム4c’は、本体部4a’のバックライト2側の面から突出した二等辺三角形の断面を有している。
以上のような構成からなる集光シート4’は、押し出し成型により、又は、本体部4a’上に単位プリズム4c’を賦型することにより、製造することができる。集光シート4’をなす材料は特に限定されることはないが、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることが好ましい。これには例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
本実施形態では上記のように断面形状が三角形である単位プリズムについて説明したが、これに限定されるものでなく、当該三角形の頂点部が短い上底となる台形であってもよい。また斜面の形状が折れ線状や曲線であってもよい。
図3(b)は集光シート4の他の一つの例である集光シート4’’を概略的に示した断面図である。図3(b)では紙面右が観察者側となり、集光シート4’’は図3(b)に示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。集光シート4’’は図3(b)に表れる断面において、光を透過可能に所定の間隔でシート面に沿った方向に並列された光透過部4a’’、4a’’…を有している。さらに集光シート4’’は、光透過部4a’’、4a’’、…間に設けられ、光透過部4a’’、4a’’、…との関係で光を反射する界面を形成する光反射部4b’’、4b’’…を備えている。また、光透過部4a’’、4a’’、…はベースとなる透光性を有する基材4c’’の面に形成されている。
ここで、光透過部4a’’は、図3(b)に表れる断面において、光源側に短い上底、観察者側に長い下底を有する略台形である。一方、光反射部4b’’は、同断面において、光源側に面するように1つの底辺を有し、観察者側に頂点を有する三角形である。
集光シート4’’によれば、上記したように、光透過部4a’’と光反射部4b’’との界面で光を反射することが可能とされているとともに、図3(b)からわかるように、当該界面が観察者側に広がるように形成される。従って、界面に達することのない光はそのまま光透過部4a’’及び基材4c’’を透過して出射される。このように界面に達することのない光は入射時点においてすでにシート出光面の法線方向に対して平行に近い角度を有した光である。
一方、入射の際にシート出光面の法線方向に対して大きな角度を有している光は、光透過部4a’’と光反射部4b’’との界面に達し、該界面で反射する。このとき当該界面は上記したように傾斜しているので、反射光はシート出光面の法線方向に平行に近い向きとなる。
集光シート4’’によれば、上記したように、光透過部4a’’と光反射部4b’’との界面で光を反射することが可能とされているとともに、図3(b)からわかるように、当該界面が観察者側に広がるように形成される。従って、界面に達することのない光はそのまま光透過部4a’’及び基材4c’’を透過して出射される。このように界面に達することのない光は入射時点においてすでにシート出光面の法線方向に対して平行に近い角度を有した光である。
一方、入射の際にシート出光面の法線方向に対して大きな角度を有している光は、光透過部4a’’と光反射部4b’’との界面に達し、該界面で反射する。このとき当該界面は上記したように傾斜しているので、反射光はシート出光面の法線方向に平行に近い向きとなる。
以上のように集光シート4’’によれば、入射の際にシート出光面(液晶パネル6のパネル面)の法線に対して平行に近い光のみでなく、当該法線に対して大きな角度を有する光の向きを制御して当該法線に平行な方向に近づけて出光することができる。
このような集光シート4’’の反射可能な界面を形成する手段は特に限定されるものでなく、公知の手段を用いることができる。これには例えば光反射部4b’’に、光透過部4a’’を構成する材料より低い屈折率の材料を充填することにより反射界面を形成できる。この場合には、後述する光拡散層12と同様の方法で集光シート4’’を製造することができる。また、その他、光反射部4b’’の内面に蒸着等により光反射可能な膜を成膜してもよい。
集光シート4は上述したように光源側から入射した光をシート出光面の法線に対して平行に近づくように出射できるものであればよく、例示した以外にも公知の集光シートを用いることができる。また、集光シート4は、プリズムシート3の面に粘着剤により直接粘着されていてもよいし、所定の間隙を有して配置されていてもよい。
偏光板5、7は、液晶パネル6を挟むように配置される一対の光学要素であり、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。当該偏光板5、7と液晶パネル6を透過したバックライト2の光が映像光となり観察者側に出射される。
ここで、光源側に配置された偏光板5は、集光シート4に粘着剤等により直接粘着されていてもよいし、所定の間隙を有して配置されていてもよい。
ここで、光源側に配置された偏光板5は、集光シート4に粘着剤等により直接粘着されていてもよいし、所定の間隙を有して配置されていてもよい。
液晶パネル6は、映像源ユニット1における映像源を構成する要素の1つであり、ここに出射されるべき映像情報が表されている。より具体的には、液晶パネル6には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶パネル6の配向は変化するようになる。光源側(すなわち入光側)に配置された偏光板5を透過した特定方向の偏光成分(例えばP波)は、電界印加された液晶パネル6を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶パネル6を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶パネル6への電界印加の有無によって、偏光板5を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、偏光板5の出光側に配置された偏光板7をさらに透過するか、又は、偏光板7で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。このようにして、光源からの光の透過または遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。
本実施形態では、上記バックライト2、プリズムシート3、集光シート4、偏光板5、液晶パネル6、偏光板7により映像源8が構成されている。
粘着剤層9は、光学シート10を映像源8に粘着するために粘着剤が配置された層である。粘着剤層9に用いられる粘着剤は、光を透過させるとともに、適切な粘着性を有すればその材質は特に限定されるものではない。ここで粘着剤とは、接着剤の一種を意味し、接着剤のうち接着の際には単に適度な加圧(通常、軽く手で押圧する程度)のみにより、表面の粘着性のみで接着可能なものである。粘着剤の接着力発現には、通常特に、加熱、加湿、放射線(紫外線や電子線等)照射といった物理的なエネルギー及び作用が不要で、かつ重合反応等の化学反応も不要である。また、粘着剤は、接着後も再剥離可能な程度の接着力を経時的に維持し得るものである。その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
光学シート10は、基材層11、光拡散層12、粘着剤層17、TACフィルム層18、及び防眩層(AG層)19を備えている。以下、これらの層について説明する。
基材層11は、該基材層11の一方の面上に光拡散層12を形成するためのベースとなる基材として機能する層で、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分として形成されている。PETが用いられる場合、PETを主成分として含有していれば良く、他の樹脂が含まれてもよい。ここで主成分とは基材層全体に対して50質量%以上を意味する。また、各種添加剤を添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ここでは基材層11としてPETフィルムを用いる場合を説明したが、必ずしもPETを材料とすることはなく、その他にもポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、又はポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」を用いることができる。本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする樹脂が好ましい材料であるとして説明した。
光拡散層12は、シートの厚さ方向断面において略台形である光透過部13、13、…と、該光透過部13、13、…の間に配置された低屈折率部14、14、…とを備えている。図5に2つの低屈折率部14、14及びこれに隣接する光透過部13、13、13に着目した拡大図を示した。図2、図5を参照しつつ光拡散層12について説明する。
光透過部13、13、…は、基材層11側(映像源8側)が下底、他方の側(観察者側)が上底となるように配置された略台形断面を有する要素である。光透過部13、13、…は、屈折率がNpである光透過性樹脂で構成されている。
光透過部13、13、…を構成する組成物としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(S1)を配合したものであって、紫外線等を照射することで硬化する光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物、ベンゾイルホルメート化合物、チオキサントン化合物、ベンゾフェノン、リン酸エステル化合物、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部13の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Npの大きさは特に限定されることはないが、上記例示したような適用材料の入手性の観点から1.45〜1.60であることが好ましい。当該光透過部13、13、…内を映像光が透過することにより観察者側に映像光が提供される。
低屈折率部14、14、…は、光透過部13、13、…の間に配置される部位である。低屈折率部14、14、…の断面形状は光透過部13、13、…の上底側を底辺とし、これに対向する頂点が光透過部13、13、…の下底側となるような略三角形である。なお、図2には断面形状が略三角形である低屈折率部14、14、…を例示しているが、低屈折率部の形態は当該形態に限定されない。図4は、他の実施形態にかかる光拡散層12’を概略的に示した断面図である。光拡散層12’は、光透過部13’及び低屈折率部14’の形状が光透過部13及び低屈折率部14の形状と異なる以外は、光拡散層12と同様である。すなわち、光拡散層12’自体の機能や光拡散層12’を構成する各部の機能は光拡散層12と同様であるので、詳細な説明は省略する。図4に示したように、低屈折率部の断面形状は略台形であってもよい。
上記低屈折率部14、14、…は、屈折率がNbである物質が充填されたバインダー部15、15、…と、該バインダー部15、15、…に混入された光吸収粒子16、16、…とを備えている。当該低屈折率部14、14、…に外光が入射して吸収されることにより、外光が映像光に及ぼす影響を減じることができ、コントラストを向上させることができる。
バインダー部15、15、…に充填されるバインダー材は、光透過部13、13、…の屈折率Npよりも小さい屈折率Nbである材料により構成される。Nbの大きさは特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点から1.45〜1.60であることが好ましい。
当該バインダーとして用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)及び光重合開始剤(S2)を配合したものであって、紫外線等を照射することで硬化する光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、及びブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、(メタ)アクリレート系のものを挙げられる。
また、光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)及び光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート及びメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)及び反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、又は光拡散層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いることができる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤及び溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
ここで、光透過部13、13、…の屈折率Npとバインダー部15、15、…の屈折率Nbと比(Nb/Np)は、特に限定されることはないが、0.93以上0.97以下であることが好ましい。このように、光透過部13、13、…の屈折率より低屈折率部14、14、…の屈折率を低くすることにより、その界面において所定の条件を満たした光を反射することができる。ただし、Np、Nbは、映像源8から出射される映像光における発散角の半値角、及び低屈折率部の斜辺がなす角との間で後述する関係を満たすものとする。
光吸収粒子16、16、…は、入手性及び製造上の観点から平均粒径が1μm以上の粒子が好ましく、これはカーボン等の粒子又は赤、青、黄、黒等の染料にて所定の濃度に着色されている。これには例えば市販の着色樹脂粒子を使用することもできる。当該光吸収粒子16、16、…の屈折率は特に限定されるものではない。
平均粒径がこれよりも小さいと、光透過部と低屈折率部との界面に多くの光吸収粒子が密集され、全反射されるべき映像光の一部が吸収されやすくなる虞がある。平均粒径を1μm以上とすることにより、当該界面に光吸収粒子が配置される量を抑えることができ、適切な全反射を確保することが可能となる。
ここで、低屈折率部14、14、…の光吸収性能は目的によって適宜調整可能であるが、該低屈折率部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることが好ましい。透過率が40%〜70%とするための手段は特に限定されるものではないが、例えば光吸収粒子の含有量等を調整することを挙げることができる。
さらに、低屈折率部14、14、…の斜辺(シート厚さ方向に延在する2つの辺)は、シート面法線に対してθbの角度を有している。当該角度θbが満たすべき大きさは後で詳しく説明する。
本実施形態では、所定条件(入射角)で光透過部13と低屈折率部14との界面に到達した光を反射することができる機能に加え、光を吸収する機能も有するように低屈折率部14を構成したが、低屈折率部は必ずしも光を吸収する機能を有していなくてもよい。すなわち、少なくとも低屈折率部は後述するような、光透過部との界面で所定の光を反射し視野角を広げる方向に出射することができればよい。
粘着剤層17は、光拡散層12をTACフィルム層18に粘着するために粘着剤が配置された層である。粘着剤層17に用いられる粘着剤は光を透過させるとともに、光拡散層12を他に接着させることができればその材質は特に限定されるものではない。ここで粘着剤とは、接着剤の一種を意味し、接着剤のうち接着の際には単に適度な加圧(通常、軽く手で押圧する程度)のみにより、表面の粘着性のみで接着可能なものである。粘着剤の接着力発現には、通常特に、加熱、加湿、放射線(紫外線や電子線等)照射といった物理的なエネルギー及び作用が不要で、かつ重合反応等の化学反応も不要である。また、粘着剤は、接着後も再剥離可能な程度の接着力を経時的に維持し得るものである。その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
TACフィルム層18は、トリアセチルセルロースにより形成されるフィルムであり、保護膜として用いられる。TACフィルム層18に用いられるTACフィルムは通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるTACフィルムを適用することが可能である。
AG層19は、観察者が画面を見た時のぎらつきを防止することができるフィルム(防眩フィルム)である。当該防眩フィルムは通常に入手できるAGフィルムを適用することが可能である。本実施形態ではここをAG層としたが、AG層の代わりにAR層が配置されていてもよい。AR層は「アンチリフレクション層」を意味し、反射を防止することができる層である。
ここで光学シート10には上記の他、必要に応じて各機能を有するフィルムが積層されてもよい。これには例えば光拡散粒子を含有したフィルム等を挙げることができる。当該フィルムにより、映像光をさらに拡散させることができる。
以上のような映像源ユニット1を備える表示装置により、例えば映像光は次のような光路を進行する。図5に光路例を示した。表示装置を作動させると、図5に示したように映像光L1は、光透過部13を透過して観察者側に出射される。
また、所定の条件で入射した映像光L2は、光透過部13と低屈折率部14との界面で全反射されて観察者側に出射される。このとき低屈折率部14の斜辺は上記したように傾斜しているので、当該斜辺による反射の前後で光の角度が変わり、視野角が広がる方向への映像光の出射が可能となる。これにより広い視野角を得ることができる。
迷光L3は、光透過部13と低屈折率部14との界面で反射されることなく低屈折率部14に進行し、光吸収粒子16により吸収される。一方、外光である外光L4は、低屈折率部14内に侵入して光吸収粒子16により吸収される。このように、所定の条件で入光した外光の一部や迷光が光吸収粒子により吸収されるのでコントラストを向上させることが可能となる。
以下、さらに表示装置について詳しく説明する。図6に説明図を示した。図6は、映像源8から出射される映像光L11の発散角の半値角をθ0としたときに当該映像光L11が光透過部13と低屈折率部14との界面で全反射する条件を説明するものである。
図6から、光透過部13に入射するL11の角度θaは、空気層を考慮し、N0を空気の屈折率としたとき、スネルの法則から次の式(1)により表わされる。
θa=sin−1(N0・sinθ0/Np) (1)
一方、光透過部13と低屈折率部14との界面への入射角は、式(2)で表わすことができる。
θc=90°−(θa+θb) (2)
ここで、光透過部13と低屈折率部14との界面で全反射となる条件は、当該入射角が式(3)以上であることが必要である。
θc≧sin−1(Nb/Np) (3)
従って、式(4)が成立する。
sin−1(Nb/Np)≦90°−(θa+θb) (4)
以上より、式(4)に式(1)を代入して、式(5)が成立すればよい。
sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb} (5)
θa=sin−1(N0・sinθ0/Np) (1)
一方、光透過部13と低屈折率部14との界面への入射角は、式(2)で表わすことができる。
θc=90°−(θa+θb) (2)
ここで、光透過部13と低屈折率部14との界面で全反射となる条件は、当該入射角が式(3)以上であることが必要である。
θc≧sin−1(Nb/Np) (3)
従って、式(4)が成立する。
sin−1(Nb/Np)≦90°−(θa+θb) (4)
以上より、式(4)に式(1)を代入して、式(5)が成立すればよい。
sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb} (5)
以上の条件を満たす映像源ユニット1、及びこれを備える表示装置により、光透過部13、13、…と低屈折率部14、14、…との界面で全反射して観察者側に出射される映像光を増やすことができ、映像光の利用効率を向上させることができる。すなわち、発散角の半値角θ0を考慮することにより、映像光の多くの部分を効率よく光透過部13、13、…と低屈折率部14、14、…との界面で反射させることが可能となる。
さらに、上記式(5)の条件を満たしつつ、半値角θ0を10度以下とすることによって、拡散層12から出射する光がシート出光面の法線と成す角度(図6のθd。)を大きくすることができる。すなわち、視野角を広げることができる。半値角θ0を10度以下とするには、例えば、上記した映像源8に備えられる集光シート4を光源に応じて適宜設計することによって実現することができる。上記した集光シート4によれば半値角θ0を適切に制御しやいため、上記式(5)を満たして映像光を効率よく光透過部13、13、…と低屈折率部14、14、…との界面で反射させることが可能となり、かつ視野角を拡大させることができる。
(実施例)
実施例として、図2に示した層構成を有する映像源ユニットを作製し、光拡散層の屈折率、光透過部と低屈折率部との界面がシート出光面の法線と成す角であるθb、及び、光拡散層に入射する映像光の発散角の半値角θ0を変えることにより、式(5)に含まれる条件を変更して光が透過する効率、及び映像源ユニットから出射する光の角度を調べた。なお、バックライト(2)には、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を配置した。また、集光シート(4)として、短い上底を光源側、長い下底を観察者側に向けた台形断面である光透過部がシート面に沿って並列され、該光透過部間は、該光透過部よりも低い屈折率を具備する三角形断面を有するもの(図3(b)参照)を用いた。
実施例として、図2に示した層構成を有する映像源ユニットを作製し、光拡散層の屈折率、光透過部と低屈折率部との界面がシート出光面の法線と成す角であるθb、及び、光拡散層に入射する映像光の発散角の半値角θ0を変えることにより、式(5)に含まれる条件を変更して光が透過する効率、及び映像源ユニットから出射する光の角度を調べた。なお、バックライト(2)には、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を配置した。また、集光シート(4)として、短い上底を光源側、長い下底を観察者側に向けた台形断面である光透過部がシート面に沿って並列され、該光透過部間は、該光透過部よりも低い屈折率を具備する三角形断面を有するもの(図3(b)参照)を用いた。
表1には、各例における光拡散層の光透過部の屈折率Np、低屈折率部の屈折率Nb、光透過部と低屈折率部との界面がシート出光面の法線と成す角であるθb、光拡散層に入射する映像光の発散角の半値角であるθ0をそれぞれ表した。また、表1には併せて光利用効率を表わした。ここで、「光利用効率」とは、光源から出射された全ての光を1としたときに観察者側に出光される光の割合を示す。さらに表1には各例について式(5)の条件を満たすか否か(満たす場合は「○」、満たさない場合は「×」を記した。)と、映像源ユニットから出光する光の角度(図6のθd)も表わした。
表1に示したNo.1〜No.3の光拡散層は次のように製造した。
<光透過部の構成組成物の調整>
光硬化性オリゴマーとしてビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物を13.0質量部、キシリレンジイソシアネートを8.0質量部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)(以下同じ)を0.01質量部混合し、80℃で6時間反応させる。その後2−ヒドロキシエチルアクリレート2.0質量部を加え、80℃で3時間反応させウレタンアクリレート系オリゴマーを得る。このようにして得られたウレタンアクリレート系オリゴマーを23.0質量部、光硬化性モノマーとしての9,9’−ビス(4−ヒドロキシエチル)フルオレンエチレンオキシド変性ジアクリレートを22.0質量部、フェノキシエチルアクリレートを55.0質量部、金型離型剤としてのトリデカノールのリン酸エステル[モノエステル:ジエステル=モル比1:1]を0.05質量部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を2.0質量部、混合し、均一化して光透過部の構成組成物を得た。
<光透過部の構成組成物の調整>
光硬化性オリゴマーとしてビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物を13.0質量部、キシリレンジイソシアネートを8.0質量部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)(以下同じ)を0.01質量部混合し、80℃で6時間反応させる。その後2−ヒドロキシエチルアクリレート2.0質量部を加え、80℃で3時間反応させウレタンアクリレート系オリゴマーを得る。このようにして得られたウレタンアクリレート系オリゴマーを23.0質量部、光硬化性モノマーとしての9,9’−ビス(4−ヒドロキシエチル)フルオレンエチレンオキシド変性ジアクリレートを22.0質量部、フェノキシエチルアクリレートを55.0質量部、金型離型剤としてのトリデカノールのリン酸エステル[モノエステル:ジエステル=モル比1:1]を0.05質量部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を2.0質量部、混合し、均一化して光透過部の構成組成物を得た。
<光透過部の形成>
光透過部は所定の形状の溝を表面に具備する金型ロールを用いて形成した。具体的には次の通りである。すなわち、円筒状の円周方向に延び、断面が略台形である溝が円筒軸方向に複数配列されている金型ロールを準備する。より詳しくは、溝の断面において底側である下底幅が23μm、溝のピッチは46μmとして、斜面角度θbを変更して、光透過部に相当する台形形状を切削し、低屈折率部に相当する三角形状を有する金型ロールである。このような金型ロールとニップロールとの間に、基材層となる厚さ100μmのPET(A4300東洋紡績製)を通すとともに、金型ロールとPETとの間に上記のように調整した光透過部の構成組成物を供給する。その後、そのPET側から高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部の構成組成物を硬化させる。そして金型ロールから光透過部を離型し、光透過部を含むシート(中間部材)を形成した。このとき光透過部の屈折率(Np)は1.58であった。
光透過部は所定の形状の溝を表面に具備する金型ロールを用いて形成した。具体的には次の通りである。すなわち、円筒状の円周方向に延び、断面が略台形である溝が円筒軸方向に複数配列されている金型ロールを準備する。より詳しくは、溝の断面において底側である下底幅が23μm、溝のピッチは46μmとして、斜面角度θbを変更して、光透過部に相当する台形形状を切削し、低屈折率部に相当する三角形状を有する金型ロールである。このような金型ロールとニップロールとの間に、基材層となる厚さ100μmのPET(A4300東洋紡績製)を通すとともに、金型ロールとPETとの間に上記のように調整した光透過部の構成組成物を供給する。その後、そのPET側から高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部の構成組成物を硬化させる。そして金型ロールから光透過部を離型し、光透過部を含むシート(中間部材)を形成した。このとき光透過部の屈折率(Np)は1.58であった。
<低屈折率部の構成組成物の調整>
光重合成分として、ウレタンアクリレートを34.0質量部、エポキシアクリレートオリゴマーを14.0質量部、光硬化性モノマーとして、トリプロピレングリコールジアクリレートを28.0質量部、メトキシトリエチレングリコールアクリレートを4.0質量部、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラックを25%含有したアクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)を20.0質量部、光重合開始剤として、1−ヒドロキーシシクロヘキシルーフェニルーケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を7.0質量部、混合し、均一化して低屈折率部の構成組成物を得た。このとき光吸収粒子を除いた部分(バインダー)の屈折率(Nb)は1.49であった。
光重合成分として、ウレタンアクリレートを34.0質量部、エポキシアクリレートオリゴマーを14.0質量部、光硬化性モノマーとして、トリプロピレングリコールジアクリレートを28.0質量部、メトキシトリエチレングリコールアクリレートを4.0質量部、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラックを25%含有したアクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)を20.0質量部、光重合開始剤として、1−ヒドロキーシシクロヘキシルーフェニルーケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を7.0質量部、混合し、均一化して低屈折率部の構成組成物を得た。このとき光吸収粒子を除いた部分(バインダー)の屈折率(Nb)は1.49であった。
<低屈折率部の形成>
上記で得られた低屈折率部の構成組成物を供給装置から、上記中間部材上に供給した。中間部材の進行方向と略垂直に配置されたドクターブレードを用いて、供給した低屈折率部の構成組成物を中間部材の溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の低屈折率部の構成組成物を掻き落とした。その後、紫外線を照射して低屈折率部の構成組成物を硬化させ、硬化した低屈折率部の構成組成物によって低屈折率部を形成した。この状態では、低屈折率部の表面は凹みが5μm発生していたため、再度同様の充填及び掻き取りを行い、凹みを2μmとした。
上記で得られた低屈折率部の構成組成物を供給装置から、上記中間部材上に供給した。中間部材の進行方向と略垂直に配置されたドクターブレードを用いて、供給した低屈折率部の構成組成物を中間部材の溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の低屈折率部の構成組成物を掻き落とした。その後、紫外線を照射して低屈折率部の構成組成物を硬化させ、硬化した低屈折率部の構成組成物によって低屈折率部を形成した。この状態では、低屈折率部の表面は凹みが5μm発生していたため、再度同様の充填及び掻き取りを行い、凹みを2μmとした。
以上のようにして形成した光拡散層の面のうち、基材層とは反対側の面に粘着剤層を介して、紫外線賦型、又はコーティングにてAG層が表面に形成されたTACフィルム層を貼合した。これにより基材層、光拡散層、粘着剤層、TACフィルム層、及びAG層の積層体をロール状に巻き取った。
次に、PVAフィルムのヨウ素化合物を染色して、内部に浸透させ、延伸し、ホウ酸を加えて架橋処理を施した。これにより偏光層が帯状に形成され、これを巻き取ってロール状にした。このとき、偏光層の偏光方向が帯状の長手方向となるように形成した。得られた偏光層を洗浄した後、上記基材層、光拡散層、粘着剤層、TACフィルム層、及びAG層の積層体のうち、基材層に粘着剤を介して積層した。これにより偏光層、基材層、光拡散層、粘着剤層、TACフィルム層、及びAG層の積層体を形成した。ここで行われる積層は、両方のロールを巻き戻しつつ積層し、得られた積層体をまたロール状に巻き取る態様で行った。
表1のNo.4〜No.6は、材料組成比を調整して光拡散層の光透過部を屈折率1.60の材料にて構成した以外は上述した方法と同様の方法で作製した。
表1からわかるように、上記した式(5)を満たし、かつ半値角θ0が10度のものは、いずれも光利用効率が高く、視野角も広くすることができた。一方、式(5)を満たさないものはいずれも光利用効率が低く、式(5)を満たしたとしても半値角θ0が10度を超えるものは、視野角が狭くなった。
1 映像源ユニット
2 バックライト
3 プリズムシート
4 集光シート
5 偏光板
6 液晶パネル
7 偏光板
8 映像源
9 粘着剤層
10 光学シート
11 基材層
12 光拡散層
13 光透過部
14 低屈折率部
15 バインダー部
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
18 TACフィルム層
19 AG層
2 バックライト
3 プリズムシート
4 集光シート
5 偏光板
6 液晶パネル
7 偏光板
8 映像源
9 粘着剤層
10 光学シート
11 基材層
12 光拡散層
13 光透過部
14 低屈折率部
15 バインダー部
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
18 TACフィルム層
19 AG層
Claims (5)
- 映像を出射する映像源と、該映像源より観察者側に配置され、前記映像源からの光を制御して前記観察者側に透過可能である複数の層を有する光学シートと、を備える映像源ユニットであって、
前記光学シートは、台形断面を有して光を透過可能にシート面に沿って並列される屈折率Npである光透過部、及び前記光透過部間に楔形の断面を有して並列される屈折率Nbである光吸収性を有する低屈折率部を具備する光拡散層を備え、
前記低屈折率部の光吸収性は、前記低屈折率部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されており、
前記低屈折率部の楔形の斜辺部がシート面法線に対してなす角をθb、前記映像源側から前記光拡散層に入射する映像光の発散角の半値角をθ0、空気の屈折率をN0としたとき、
Np>Nb、及び、
sin−1(Nb/Np)≦90°−{sin−1(N0・sinθ0/Np)+θb}
が成立し、
前記半値角θ0が10度以下であることを特徴とする映像源ユニット。 - 前記低屈折率部には、前記光透過部との界面を形成しない面に凹みを具備している請求項1に記載の映像源ユニット。
- 前記低屈折率部には、平均粒子径が1μm以上4μm以下の光吸収粒子が含まれている請求項1又は2に記載の映像源ユニット。
- 前記屈折率Nbと前記屈折率Npとの比(Nb/Np)が、0.93以上0.97以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の映像源ユニット。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の映像源ユニットを具備することを特徴とする、表示装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161122 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170523 |