以下、図面に基づき説明する。なお、図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれから変更している。また、各図面において、見易さのために繰り返しとなる符号を一部省略している場合がある。
<ルーバーフィルム>
1つの例にかかるルーバーフィルムの製造方法によって製造されるルーバーフィルムについて説明する。図1は、このルーバーフィルムの製造方法によって製造されるルーバーフィルムの一例であるルーバーフィルム11を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示したルーバーフィルム11の一部を拡大して示した図である。
図1及び図2に示したルーバーフィルム11は、光を透過可能にフィルム面に沿って並列された光透過部12、12、…と、光透過部12、12、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部13、13、…とを備えており、光透過部12、12、…及び光吸収部13、13、…は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備えている。ルーバーフィルム11は、このような光透過部12、12、…及び光吸収部13、13、…を備えることによって、表示機器に備えられた際に、光源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有することができる。ルーバーフィルム11の機能については、後に説明する。
光透過部12、12、…は、映像光を透過する機能を有する部位で、図1及び図2に表れる断面において、略台形の断面を有する要素である。当該略台形断面における上底及び該上底より長い下底がルーバーフィルム11のフィルム面に沿う方向に配置されている。また、光透過部12、12、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部12、12、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物としては、紫外線などの光で硬化させられるものが好ましく、例えば、以下に挙げる光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち光透過部12、12、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。なお、上記光重合開始剤(S1)は、光透過部構成組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
次に、光吸収部13、13、…について説明する。光吸収部13、13、…は、光透過部12、12、…の間に配置され、図1及び図2に表れる断面において略台形面を有する要素である。当該略台形断面における上底及び該上底より長い下底がルーバーフィルム11のフィルム面に沿う方向に配置されている。また、当該略台形断面の下底に相当する面が光透過部12、12、…の上底間に並列されている。そして、光吸収部13、13、…の下底、及び光透過部12、12、…の上底によりルーバーフィルム11の一方の面が形成されている。当該略台形断面における斜辺は、ルーバーフィルム11のフィルム面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合、断面は略矩形となる。また、光吸収部13、13、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく、折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。さらに、光吸収部13、13、…の断面は、略三角形であってもよい。
また、光吸収部13、13、…は、光透過部12、12、…の屈折率Npより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部12、12…の屈折率Npと光吸収部13、13、…の屈折率NbとをNp>Nbとすることにより、光透過部12、12、…に入射した光源からの映像光を、光吸収部13、13、…と光透過部12、12、…との界面でスネルの法則によって反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp>Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率と光吸収部の屈折率とを同じにしてもよく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さくすることも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部13、13、…は、光吸収粒子14、14、…と光吸収粒子14、14、…を分散させたバインダー15とを含む光吸収部構成組成物が光透過部12、12、…間の溝に充填されることにより構成されている。これにより、光透過部12、12、…と光吸収部13、13、…との界面でスネルの法則によって反射せずに光吸収部13、13、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子14、14、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を光吸収粒子14、14、…で適切に吸収することができ、映像のコントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダー15が上記の屈折率Nbである材料により構成される。当該バインダーとして用いられるものは特に限定されないが、紫外線などの光によって硬化されるものが好ましく、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいはルーバーフィルム11の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子14、14、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部13、13、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子14、14、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下で
あることが好ましい。光吸収部13、13、…を形成する際には、後に説明するように、着色粒子を含有する光吸収部構成組成物を光透過部12、12、…間の溝に充填しつつ、ドクターブレードを用いて余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子がドクターブレードと光透過部12、12、…との間の隙間を抜け難くなることを防止し、光透過部12、12、…上に着色粒子が残留することを防止できる。
また、光透過部を構成する材料によっては、光吸収部の表面は光透過部の表面に対して、同一平面上(平滑)に充填される場合もあれば、凹部状に充填される場合もある。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することを挙げることができる。
光吸収部13、13、…は、上記光吸収部構成組成物を用いて、後に詳述するようにして形成することができる。
<ルーバーフィルムの製造方法>
図3は一つの形態にかかるルーバーフィルムの製造方法のフローチャートである。図4は、一つの形態にかかるルーバーフィルムの製造方法を説明する概念図である。図5は、光透過部形成工程を説明する概念図である。図6は、光吸収部形成工程を説明する概念図である。以下、図1及び図2に示したルーバーフィルム11の製造方法を例にして、図1〜図6を参照しつつ、ルーバーフィルムの製造方法について説明する。
本例のルーバーフィルムの製造方法は、光を透過可能にフィルム面に沿って並列された光透過部12、12、…と、光透過部12、12、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部13、13、…とを備えたルーバーフィルム11を製造する方法である。具体的には、基材10上に光透過部12、12、…を形成する光透過部形成工程S2(以下、単に「工程S2」と表記する場合がある。)、及び光透過部12、12、…間に光吸収部13、13、…を形成する光吸収部形成工程S3(以下、単に「工程S3」と表記する場合がある。)を経て、基材10上にルーバーフィルム11を形成する工程と、基材10とルーバーフィルム11とを剥がす剥離工程S4(以下、単に「工程S4」と表記する場合がある。)と、を含んでいる。また、工程S4において基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がすことを容易にする剥離層18を、基材10のルーバーフィルム11が形成される側の面に付与する、剥離層形成工程S1(以下、単に「工程S1」と表記する場合がある。)を含むことが好ましい。以下、これらの工程について説明する。
(剥離層形成工程S1)
工程S1は、工程S4において基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がすことを容易にする剥離層18を、基材10のルーバーフィルム11が形成される側の面に付与する工程である。
従来のルーバーフィルムの製造方法では、ルーバーフィルム単体では剛性が弱いため、その補強を目的として基材を用いていた。当該基材上にルーバーフィルムを形成することによって、製造時等におけるルーバーフィルムの強度を確保していた。特に、紫外線硬化型樹脂を用いてルーバーフィルムを作製する場合、基材は必須であった。さらに、従来のルーバーフィルムの製造方法で製造されたルーバーフィルムは、表示機器などに組み込まれた後も基材を備えたままにするため、ルーバーフィルムと基材とが分離しないように、強固に接着させていた。
一方、本例のルーバーフィルムの製造方法では、工程S4において基材10とルーバーフィルム11とを分離する。そのため、工程S1において剥離層18を設けておくことが好ましい。剥離層18は、ルーバーフィルム11の製造時に、基材10とルーバーフィルム11とを仮に接着させておくことを目的とする層であり、その接着力は後で工程S4において基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がせる程度にする必要がある。ただし、剥離層18の接着力は、工程S2などにおいて基材10とルーバーフィルム11とが分離しない程度の接着力を有する必要がある。すなわち、後に説明するように、工程S2が光透過部12、12、…の形状に対応した溝を有する金型ロール32を用いて光透過部12、12、…を形成する工程である場合、剥離層18は、工程S2において金型ロール32と光透過部12、12、…とを引き剥がすのに要する力より強い接着力で基材10とルーバーフィルム11とを接着させる接着力を有する必要がある。
上述したような剥離層18を構成する材料としては、接着力を調整可能な、公知の接着性樹脂を用いることができる。当該接着性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂とメラミン系樹脂とを所定の割合で含む混合樹脂を用いることができる。当該混合樹脂において、アクリル系樹脂とメラミン系樹脂との混合比率は、アクリル系樹脂10質量部以上90質量部以下、メラミン系樹脂10質量部以上90質量部以下であることが好ましい。当該混合樹脂において、アクリル系樹脂の量が多くなると接着力が強くなり、メラミン系樹脂の量が多くなると接着力が弱くなる。当該混合樹脂に含まれるアクリル系樹脂としては、官能性モノマーを共重合したアクリル系樹脂が挙げられる。当該アクリル系樹脂としては、例えば、三菱レイヨン株式会社製のダイヤナールHR606、東レ株式会社製のコータックスSA107〜302、DIC株式会社製のアクリデックA405〜409等の製品がある。また、当該混合樹脂に含まれるメラミン系樹脂としては、ブタノール変性またはメタノールしたメラミン系樹脂が挙げられる。当該ブチル化メラミン樹脂としては、例えば、MTアクアポリマー株式会社製のユーバン20SB、日立化成工業株式会社製のメラン24等があり、当該メチル化メラミン樹脂としては、例えば、MTアクアポリマー株式会社製のサイメル325、DIC株式会社製のL−105−60等がある。このような混合樹脂を用いて剥離層18を形成する方法は特に限定されない。例えば、グラビアコーター等を用いて当該混合樹脂を塗布して乾燥し、当該混合樹脂からなる剥離層18を形成する方法が考えられる。
なお、剥離層18は、基材10のルーバーフィルム11が形成される側の面の全面に形成する必要はなく、剥離層18を形成する上記目的を果たせる範囲で形成されていればよい。
また、本例のルーバーフィルムの製造方法において工程S1は必須ではなく、工程S4において、加熱や加湿などによって基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がすことも可能である。
(光透過部形成工程S2)
工程S2は、図4(a)に示すように、基材10上に光透過部12、12、…を形成する工程である。なお、図4(a)には剥離層18を介して基材10上に光透過部12、12、…が形成された例を示しているが、上述したように、剥離層18は必須ではない。
光透過部12、12、…は、例えば、図5に示した装置を用いることによって形成できる。すなわち、光透過部12、12、…を形成するには、まず、所定のピッチで光透過部12、12、…の形に対応した形の溝を有する金型ロール32を準備する。次に、当該金型ロール32とニップロール31との間に基材10を送り込む。図5に示した矢印xは、基材10を送り込む方向である。この基材10の送り込みに合わせて、光透過部構成組成物36の液滴を供給装置35によって金型ロール32と基材10との間に供給し続ける。供給装置35から基材10上に光透過部構成組成物36を供給するとき、金型ロール32と基材10との間に、光透過部構成組成物36が溜まったバンクが形成されるようにする。このバンクにおいて、光透過部構成組成物36が基材10の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール32と基材10との間に供給された光透過部構成組成物36は、金型ロール32およびニップロール31間の押圧力により、基材10と金型ロール32との間に充填される。その後、照射装置34によって基材10上の光透過部構成組成物36に紫外線などを照射し、光透過部構成組成物36を硬化させることによって光透過部12、12、…を形成することができる。光透過部12、12、…が形成された後、基材10上に光透過部12、12、…が形成されたシートは、剥離ロール33を介して引かれることによって、金型ロール32から引き剥がされる。
なお、基材10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材10がPETを主成分とする場合、基材10には他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材10を構成する材料の主成分は、必ずしもPETである必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材10を構成することが好ましい。
(光吸収部形成工程S3)
工程S3は、図4(b)に示すように、工程S2で基材10上に形成した光透過部12、12、…の間に光吸収部13、13、…を形成する工程である。光吸収部13、13、…は、例えば、図6に示した装置を用いることによって形成できる。すなわち、図6に示すように、まず、基材10上に光透過部12、12、…が形成されたシートの該光透過部12、12、…上に光吸収部構成組成物38を供給し、光透過部12、12、…間の溝13’、13’、…に、光吸収部構成組成物38を充填する。このとき、ドクターブレード37によって光吸収部構成組成物38を光透過部12、12、…間の溝13’、13’、…に充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物38を掻き落とす。その後、光透過部12、12、…間の溝13’、13’、…に残った光吸収部構成組成物38に紫外線などを照射して硬化させることにより、光透過部12、12、…間に光吸収部13、13、…を形成することができる。なお、図6に示した矢印yは、基材10上に光透過部12、12、…が形成されたシートの送り方向である。
このとき、光透過部12、12、…の弾性率は10MPa以上2000MPa未満であることが好ましい。光透過部12、12、…の弾性率が2000MPa以上になると、硬くなり、ワレや欠けの不具合が発生したり、上記のようにして光吸収部13、13、…を形成する際に、ルーバーフィルム11の表面に外観不良を生じたり、ルーバーフィルム11の透過率が低下したりする虞がある。すなわち、光透過部12、12、…が硬すぎると、光透過部12、12、…上に供給した光吸収部構成組成物38のうち余剰分をドクターブレード37で掻き取る際、ドクターブレード37を光透過部12、12、…に押し付けても光透過部12、12、…が変形しないため、余剰分の光吸収部構成組成物38を掻き落としきれない虞がある。光透過部12、12、…の弾性率を上記範囲にすると、ドクターブレード37を押し付けた際、光透過部12、12、…の変形により、余剰分の光吸部構成組成物38の掻き取り不良をなくし、ルーバーフィルム11の表面に外観不良を生じたり、ルーバーフィルム11の透過率が低下したりすることを防止できる。なお、光透過部12、12、…の弾性率が10MPa以下だと光透過部12、12、…が軟らか過ぎるため、図5に示した過程において、光透過部12、12、…が金型ロール32から離型し難くなる。
(剥離工程S4)
工程S4は、工程S2及び工程S3を経て基材10上にルーバーフィルム11が形成されたシートについて、基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がす工程である。基材10とルーバーフィルム11とを引き剥がす方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。まず、基材10上にルーバーフィルム11が形成されたシートの端部において、基材10とルーバーフィルム11との界面にカッターナイフのような鋭利な物の先端を挿入し、基材10とルーバーフィルム11とを剥離させる。このとき、事前に当該シートを湿熱環境下に保持しておけば、基材10とルーバーフィルム11との剥離が容易になる。シートの端部において基材10とルーバーフィルム11とを剥離させれば、後は弱い力で基材10とルーバーフィルム11との剥離を進展させることができる。シートの幅方向全域において基材10とルーバーフィルム11との剥離を進展させた後、ルーバーフィルム11を柱状体等に巻きつけて転がせば、基材10とルーバーフィルム11との剥離が容易になる。
このように、本例のルーバーフィルムの製造方法によれば、光学性能に寄与しない基材を取り除くことによって、ルーバーフィルムとしての機能は保持しつつ、軽量化及び薄肉化されたルーバーフィルムを得ることができる。一方、ルーバーフィルムを安定的に生産するには、製造時においてある程度の強度を持たせる必要があり、かかる観点から基材の果たすべき役割は大きい。本例のルーバーフィルムの製造方法によれば、ルーバーフィルムの製造時には基材を用いているため、ルーバーフィルムを安定的に生産することができる。
本例の製造方法によって製造されたルーバーフィルムは、液晶パネルやエレクトロルミネセンス(EL)パネル等の各種表示機器を備えた表示装置に用いることができる。以下には、本例の製造方法によって製造されたルーバーフィルムを液晶パネルに用いた例について説明する。
<液晶パネル>
次に、1つの例にかかる液晶パネルについて説明する。図7は、一つの形態にかかる液晶パネル4を備えた表示機器の一部について、その構成を概略的に示す断面図である。図7において、紙面右側が観察者側である。
図7に示した液晶パネル4は、2枚の偏光板41、45、及び該2枚の偏光板41、45の間に配置される液晶層43を備える液晶パネルである。また、2枚の偏光板41、45のうち、液晶パネル4が表示機器に組み込まれた際に観察者側となる方の偏光板45の観察者側の面に、粘着剤層48を介してルーバーフィルム11が貼合されるとともに、該ルーバーフィルム11が液晶パネル4の最外層となっている。液晶パネル4の構成についてさらに詳細に説明すると、液晶層44はTFT基板42及びCF基板44に挟持されており、偏光板41は粘着剤層46を介してTFT基板42に貼合されており、偏光板45は粘着剤層47を介してCF基板44に貼合されている。以下、液晶パネル4を構成するこれらの要素について説明する。
ルーバーフィルム11は、上述したルーバーフィルムの製造方法によって製造されたものであり、光を透過可能にフィルム面に沿って並列された光透過部12、12、…と、該光透過部12、12、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部13、13、…とを備えている。また、ルーバーフィルム11の厚さ方向の断面において、光吸収部13、13、…の断面形状は、上底及び該上底より長い下底を有する略台形である。さらに、ルーバーフィルム11は、光吸収部13、13、…の略台形断面の下底が偏光板45側となるように配置されている。
ルーバーフィルム11は従来のルーバーフィルムには備えられていた基材を有していないので、液晶パネル4にルーバーフィルム11を備えつつ、液晶パネル4の軽量化及び薄肉化を可能にしている。この液晶パネルを搭載可能な装置に特に制限はないが、軽量化及び薄肉化が可能であるという観点から、軽量化及び薄肉化が重要視される携帯電話等の携帯端末に好適に用いることができる。
また、ルーバーフィルム11に基材がないことによって、液晶パネル4を表示機器に備えさせた場合に、外光の反射面が一つ減ることになる。すなわち、従来はルーバーフィルムと基材との界面が外光の反射面になっていたが、ルーバーフィルム11には基材がないため、当該反射面をなくすことができる。外光の反射面を減らすことによって、映像光のコントラストを向上させることができる。
また、従来は、通常、液晶パネルを表示機器に組み込んだ後に、該表示機器の表示面にルーバーフィルムを貼合していた。すなわち、液晶層とルーバーフィルムとの距離が離れており、映像光が結像する領域から離れた位置にルーバーフィルムが備えられていた。このような場合、映像光の反射等によって、いわゆるゴーストが発生する虞がある。一方、液晶パネル4によれば、液晶パネルにルーバーフィルムが備えられていることによって光源とルーバーフィルムとが近くなり、ゴーストの発生を抑制することができる。
また、液晶パネル4がルーバーフィルム11を備えていることによって、従来は液晶パネルを表示装置に設置した後に該表示装置の表示面に後からルーバーフィルムを貼っていたが、その手間を省くことができる。
また、以下に説明するように、ルーバーフィルム11は、光源側から入射された映像光を集光することによって、いわゆる覗き見を防止することができる。さらに、映像光を集光することによって、光源から発せられる光を弱くしても表示される映像を認識できるようになるため、消費電力を抑えることができる。さらに、屋外での視認性を向上させることもできる。
図8は、図7に示した液晶パネル4のうち、ルーバーフィルム11に入射した光の光路例を表した概念図である。
光源1側からルーバーフィルム11に入射した映像光L11は、ルーバーフィルム11を透過して、通常に観察者側に出射される。また、上述したように光透過部12、12、…と光吸収部13、13、…とに屈折率差を与えることによって、映像光L12、L13は、光透過部12、12、…と光吸収部13、13、…との界面で反射されて観察者側に出射される。このとき光吸収部13、13、…の斜辺を上述したように傾斜させることによって、当該斜辺による反射の前後で光の角度が変わり、映像光を表示機器の表示面の正面方向に集光させることができる。
また、映像光L15は、光透過部12、12、…と光吸収部13、13、…との屈折率差に基づいて、その界面で反射することなく、光吸収部13、13、…に侵入した映像光である。このような映像光L15は、光吸収粒子14により吸収される。また、迷光もこのような態様により吸収させることができる。一方、外光として観察者側からルーバーフィルム11に入射した外光L14は、光吸収部13に入射して光吸収粒子14により吸収される。このように外光の一部が光吸収部13、13、…に吸収されてコントラストを向上させることができる。
図7に戻って、粘着剤層46、47、48について説明する。粘着剤層46、47、48は粘着剤を含む層である。粘着剤層46、47、48に用いる粘着剤としては、公知の粘着材、接着剤を用いることができ、光学的に透明で使用環境下での剥離、著しい変色が無く、また他の部材へ損傷を与えないものがよい。
偏光板41、45は、液晶層44を挟むように配置される一対の光学要素であり、吸収軸方向に平行な振動面を有する偏光を吸収する一方、吸収軸方向に直交する振動面を有する偏光光を透過する機能を有する。このような偏光板41、45としては、通常の液晶パネルに備えられているものを用いることができる。
TFT基板42には、液晶層43側にTFTなどのアクティブ素子とサブ画素となる電極が配列されている。CF基板44は、液晶層43側にブラック・マトリックス(BM)やR(赤)、G(緑)、B(青)というカラーフィルタが配列され、さらに透明電極による共通電極またはコモン電極と呼ばれるものが基板全面に作られる。液晶層43には、ここに出射されるべき映像情報が表されている。このようなTFT基板42、液晶層43、及びCF基板44としても、通常の液晶パネルに備えられているものを用いることができる。
液晶パネル4は、図7に示すように表示機器に組み込んで用いることができる。図7に示した表示機器は、光源1、反射層2を備えた導光板3、空気層Bを介して導光板3より観察者側に配置された液晶パネル4、空気層Aを介して該液晶パネル4より観察者側に配置され保護板6、及び保護板6の観察者側に形成された機能層7を備えている。
光源1は、通常の液晶表示装置に用いられるものを用いることができる。図7には、縁(エッジ)に光源1を配置して反射層2等を利用して最終的に面状に光を出射するエッジ入力型とする形態を例示している。しかしながら、このような形態に限定されず、光源を面内に略均等に配置して面状の光源とする形式等でもよい。光源1からの光が映像光となり、液晶パネル4等を透過して観察者側に出射される。
反射層2及び導光板3は、光源1からの光を液晶パネル4に向けて出射する目的で備えられる。光源1からの光は、導光板3内を全反射しながら伝播し、適切な場所から液晶パネル4側に出射される。導光板3には、通常、光源1からの光を制御するためのプリズム、レンズ、エンボス等が、表面又は裏面に、連続的又はランダムに設けられている。反射層2は、導光板3の液晶パネル4側とは反対側に向かう光を液晶パネル4側に反射するために設けられている。このような反射層2及び導光板3としては、通常の液晶表示装置に用いられるものを用いることができる。
保護板6は、通常、表示装置の筐体等に固定されており、液晶パネル4と保護板6との間には空気層Aが形成される。そして、液晶パネル4は、ルーバーフィルム11が該空気層Aと接するように配設される。
保護板6は、映像光を透過可能な透明な基材を有しており、通常、該基材の周縁部には着色層(不図示)が形成されている。保護板6を備えることによって、表示機器の観察者側の面を保護することができる。また、保護板6に着色層を付与することによって、表示機器の画像表示領域の周辺部に設置されている端子、バックライト等の部材を、観察者側から見えないようにすることができる。
保護板6に用いる基材としては、透明であり、適度な機械的強度を有する材料及び厚みのものを用いることができる。当該基材に用いる材料の具体例としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂(AS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の有機材料や、ガラス、セラミックス等の無機材料を挙げることができる。なお、基材は一層で構成されていても良く、無機材料からなるシートと有機材料からなるシートを積層して構成しても良い。
保護板6に設けられる着色層は上記のように、表示機器の意匠性を向上させるために任意に設けられる層である。着色層の色は特に限定されず、黒色、褐色、白色、紺色、赤色、金色、銀色などを例示することができる。このような着色層は、例えば、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、転写印刷などの印刷法によって形成することができる。
機能層7は、一層または複数の層からなる積層体によって構成することができる。機能層7に備えられる層としては、例えば、ハードコート層が挙げられる。ハードコート層は、表示機器の最も観察者側に配置されており、表示機器の表示面を構成する。したがって、ハードコート層は、外部との接触に起因した擦傷に対する耐性が付与されている。このようなハードコート層は、例えば、光硬化型樹脂を硬化させることによって形成できる。当該光硬化型樹脂の具体例としては、アクリルウレタン系の光硬化型樹脂を挙げることができる。また、ハードコート層は、表示機器の表示面を構成するため、場合によっては防眩機能を有していることが好ましい。防眩機能を有するハードコート層によれば、表示機器の表示面での外光の反射や外部像の写りこみを防止して、表示機器の表示面に表示される映像の視認性を向上させることができる。なお、機能層7に備えられる層はハードコート層に限定されず、従来の表示機器に備えられるものを適宜備えさせることができる。
なお、これまでの説明では、ルーバーフィルム11が液晶パネル4の最外層であるとともに一方の面が粘着剤層48を介して偏光板45に貼合されている形態を例示して説明したが、液晶パネルはかかる形態に限定されない。ルーバーフィルムは、液晶パネルを構成する他の層間に適宜配置することが可能である。例えば、図7に示したような層構成であれば、CF基板44と偏光板45との間、TFT基板42と偏光板41との間、偏光板41の導光板3側の面等にルーバーフィルム11を配置することができる。また、これまでの説明では、液晶パネルが本例の製造方法で製造されたルーバーフィルムを備える形態について説明したが、表示機器は、かかる形態に限定されない。例えば、ルーバーフィルムは保護板等に貼合してもよい。さらに、ルーバーフィルムが配置される向きは、用途によっては、図示した方向と表裏が逆向きでもよい。
以下、参考例の説明を行う。
(参考例1)
表1に示した寸法のルーバーフィルムを作製した。具体的には以下の通りである。なお、表1に示した寸法は、図1に示した文字に対応している。
図1に示した箇所の寸法がそれぞれ表1に示した寸法となるような金型ロールを準備した。この金型ロールとニップロールとの間に、基材(東洋紡績株式会社製、A4300)を送り込んだ。この基材の送り込みに合わせて、光透過部構成組成物を金型ロールと基材との間に供給し、光透過部構成組成物が金型ロールの溝に充填されるように、金型ロールおよびニップロールで該光透過部構成組成物を押圧した。その後、基材側から高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、光透過部を形成した。
次に、光吸収部構成組成物を供給装置から上で得られた光透過部上に供給し、ドクターブレードを用いて光吸収部構成組成物を光透過部間の溝に供給するとともに、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とした。その後、基材が備えられる側とは反対側から紫外線を照射して光吸収部構成組成物を硬化させ、硬化した光吸収部構成組成物によって、光吸収部を形成した。以上のようにして、基材上に光透過部及び光吸収部を有するルーバーフィルムを形成した。
次に、(メタ)アクリル系樹脂粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100質量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25質量部、溶剤MIBK30質量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤組成物を調製した。当該粘着剤組成物を、厚みが25μm、幅方向に1370mmとなるように、ルーバーフィルムの基材とは反対側の面に塗工し、80℃で3分乾燥した。乾燥後に、得られた塗膜上に更に、離型処理PETフィルム(離型フィルム、厚み:38μm、幅1380mm)を被覆した。
上記のようにして基材上にルーバーフィルムを形成した後、80℃、湿度90%の雰囲気に24時間放置した後、基材とルーバーフィルムとを引き剥がした。その結果、ルーバーフィルムと基材とを引き剥がして基材を有さないルーバーフィルムを作製することができた。
(参考例2)
光透過部構成組成物及び光吸収部構成組成物として他の紫外線硬化型樹脂を用いるとともに、金型ロールの寸法を変更した以外は参考例1と同様にしてルーバーフィルムを作製した。参考例2において作製したルーバーフィルムの寸法は、表1の通りである。参考例2においても、ルーバーフィルムと基材とを引き剥がして基材を有さないルーバーフィルムを作製することができた。