本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。なお、各図において、見易さのため、繰り返しとなる符号や詳細な説明はおこなわない構成については符号を省略している。また、各図において同様の構成のものには同符号を付し、適宜詳細な説明は省略することがある。
初めに第一実施形態にかかるシートコイル1の構成について説明する。図1は、シートコイル1を概略的に示した斜視図である。図2は、図1に示したII−IIにおける帯状のシート10aの断面の一部を示し、その層構成を模式的に表した図である。図3は、帯状のシート10aの一部をシート面法線方向から見た概略図である。
シートコイル1から巻き出した帯状のシート10aから所定の大きさのシートを切り出すことによって、該シートを光学シート、又は光学シートの一部として利用することができる。なお、光学シートとは、表示装置に配置されたときに光源より観察者側に備えられ、光源からの光を適切に制御したり、観察者側から照射された光(いわゆる外光)を適切に遮蔽してコントラストを向上させたりすることができる機能を有するシート状の部材である。
図2において、紙面上側が光学シートとした場合に観察者側となる側であり、紙面下側が光学シートとした場合に光源側となる側である。図2に示したように、帯状のシート10a(以下、単に「シート10a」ということがある。)は、第1の基材層11、第1の光学機能層12、粘着剤層17a、第2の基材層21、第2の光学機能層22、及びAG層18を有する積層シートである。以下に各層について説明する。
第1の基材層11は、後で詳しく説明する第1の光学機能層12を形成するための基材となる層である。第1の基材層11を構成する材料の主成分は透光性を有していれば特に限定されることはない。「主成分」とは、層を構成する材料全体に対して50質量%以上含有されている成分のことを意味する(以下同じ。)。第1の基材層11を構成する材料の主成分としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でも性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETが好ましい。第1の基材層11を構成する樹脂中には、主成分以外に他の樹脂や各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を加えても良い。
第1の基材層11の厚さは特に限定されることはないが、PETを主成分とする場合には50μm以上200μm以下であることが好ましく、75μm以上125μm以下であることがさらに好ましい。
第1の光学機能層12は、光源側からの光の進路を制御可能であるとともに、迷光や外光を適切に吸収可能な機能を有する層である。第1の光学機能層12は、図2に表れる断面において、略台形である光透過部13と、該光透過部13の間に形成された断面が略台形の凹部13a(図4参照)内に形成される光吸収部14とを備えている。図4には、第1の光学機能層12のうち、1つの光吸収部14とこれに隣接する光透過部13とを拡大して示した。
光透過部13は光を透過する部位であり、図2、図4に表れる断面において、基材層11側となる面に下底を有し、これとは反対側の面に下底より短い上底を有する略台形の断面の要素である。そして、光透過部13は、シート面に沿った方向に所定の間隔で並列される。従って、その間には、略台形断面を有する凹部13aが形成されている。凹部13aは、光透過部13の上底側に下底を有し、光透過部13の下底側に上底を有する台形状の断面を有した溝であり、ここに後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部14が形成される。
光透過部13が並列される周期(ピッチ)は、特に限定されることはないが、30μm以上100μm以下であることが好ましい。
光透過部13は屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部13は、例えば後述する光透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。詳しくは後で説明する。屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
次に、光吸収部14について説明する。光吸収部14は、上記した光透過部13間の凹部13aに形成され、全体として光を吸収することができるように構成されている。従って、その形状は概ね凹部13aに沿うものとなっている。
光吸収部14は、光透過部13の屈折率Npより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されることが好ましい。光透過部13の屈折率Npと光吸収部14の屈折率NbとをNp>Nbとしたときには、光吸収部14と光透過部13との界面において、屈折率差と該界面への入光角との関係に基づいて、一部の映像光をこの界面で適切に反射させて観察者に出光させることができる。これにより、界面で反射することなく光透過部13を透過した映像光に加え、このように界面で反射した映像光が観察者に提供され、明るい映像とすることができる。また、外光や迷光の一部は、界面で反射することなく光吸収部14に入射して吸収され、コントラスト向上等の映像の質の向上が図られている。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。屈折率差が大きいほど界面で反射する光が多くなる。
本実施形態では、光吸収部14は、光吸収粒子16を含有することにより光吸収性能を有するものとされている。このような光吸収部14は、例えば、光吸収粒子16を分散させたバインダ(光吸収部構成組成物)を凹部13aに充填して形成することができる。この実施形態では、バインダの屈折率がNbである。光吸収部14を形成する材料や方法等は後で詳しく説明する。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
また、第1の光学機能層12の厚さは特に限定されることはないが、80μm以上150μm以下であることが好ましく、より好ましくは95μm以上125μm以下である。
図2に戻って、第2の基材層21、及び第2の光学機能層22について説明する。第2の基材層21及び第2の光学機能層22は、表裏が反対であること以外は、第1の基材層11及び第1の光学機能層12とそれぞれ同様の構成とすることができる。すなわち、第2の基材層21は第1の基材層11と同様の構成とすることができ、第2の光学機能層22に備えられた光透過部23及び光吸収部24は、それぞれ第1の光学機能層12に備えられた光透過部13及び光吸収部14と同様の構成とすることができる。
図3に示したように、第1の光学機能層12に備えられた光透過部13及び光吸収部14の並列方向と、第2の光学機能層22に備えられた光透過部23及び光吸収部24の並列方向とは、ともにシート10aの長手方向及び幅方向に対して傾斜している。また、第1の光学機能層11に備えられる光透過部13及び光吸収部14の並列方向と、第2の光学機能層21に備えられる光透過部23及び光吸収部24の並列方向とが、シート10aのシート面法線方向から見て交差している。この交差角αは特に限定されることはないが、シート10aから切り出した光学シートを表示装置に用いた場合に、該表示装置の視野角を適切に制御し、所謂覗き見防止等の効果を奏しやすくする等の観点からは、例えば45°以上90°以下であることが好ましく、90°であることがより好ましい。
第2の光学機能層22と第1の光学機能層12とを表裏反対の形状にすることによって、後述するようにして両者を同一形状の金型を用いて作製することが可能となるとともに、図3に示したようにシート10aのシート面法線方向から見て光透過部13及び光吸収部14の並列方向と光透過部23及び光吸収部24の並列方向とを交差させることができる。ただし、本発明は第2の光学機能層と第1の光学機能層とが表裏反対の形状である形態に限定されず、第1の光学機能層に備えられる光透過部及び光吸収部の並列方向と、第2の光学機能層に備えられる光透過部及び光吸収部の並列方向とが、シート面法線方向から見て交差していればよい。
次に、シート10aから切り出した光学シートを表示装置に用いた場合における、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22での光源側からの光の光路例について説明する。図5(A)は、第1の光学機能層12の断面(光吸収部14の延在方向に対して直交する断面)の一部と、当該断面における光路例を示す図である。また、図5(B)は、第2の光学機能層22の(光吸収部24の延在方向に対して直交する断面)の一部と、当該断面における光路例を示す図である。図5(A)及び図5(B)において矢印L1〜L4が光路例を示しているが、これは概念的に示したものであり、反射角度等を正確に示すものではない。
図5(A)に示したように、第1の光学機能層12は光透過部13と光吸収部14との界面に達した光L1、L2を正面方向(シート面法線方向)に対する角度が大きい方向に向けて反射させることができる。よって、第1の光学機能層12によれば、光透過部13の並列方向及びシート面法線方向に平行な面内において、光を拡散させることができる。一方、第2の光学機能層22は光透過部23と光吸収部24との界面に達した光L3、L4を正面方向(シート面法線方向)に近い方向に向けて反射させることができる。よって、第2の光学機能層22によれば、光透過部23の並列方向及びシート面法線方向に平行な面内において、正面方向に集光させることができる。したがって、シート10aから切り出された光学シートによれば、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
次に、粘着剤層17aについて説明する。粘着剤層17aは、粘着剤又は接着剤を含む組成物(以下、「粘着剤組成物」ということがある。)によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることが可能な公知のものを用いることができる。ただし、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることによって、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22の表面に生じる凹凸への粘着剤層17aの追従性が良くなり、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22と粘着剤層17aとの間に気泡が生じることを防ぎやすくなる。また、粘着剤層17aを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
粘着剤層17aの厚さは、例えば20μm以上50μm以下であることが好ましい。粘着剤層17aの厚さを20μm以上とすることで、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22の表面に生じる凹凸への追従性を高め、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22と粘着剤層17aとの間に気泡を巻き込む不具合の発生を抑制できる。また粘着剤層17aの厚さを50μm以下とすることで、粘着剤層17aを構成する粘着剤組成物を均一な厚さに塗布しやすくなる。
さらに、粘着剤層17aを構成する粘着剤組成物の貯蔵弾性率は0.1MPa以上0.8MPa以下であることが望ましい。粘着剤組成物の貯蔵弾性率を0.8MPa以下とすることで、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22の表面に生じる凸凹への追従性を高め、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22と粘着剤層17aとの間に気泡を巻き込む不具合の発生を抑制できる。また、粘着剤組成物の貯蔵弾性率を0.1MPa以上とすることで、粘着剤組成物が軟らかくなり過ぎず、粘着剤組成物のはみ出しによる汚れの等の不具合の発生を抑制し、粘着剤組成物を取扱いやすくなる。また、本実施形態においては、粘着剤層17aが第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22との間に備えられているため、一つの層(粘着剤層17a)で、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22の表面生じる凹凸を埋めることができる。
次に、AG層18について説明する。AGはアンチグレアの意味であり、AG層18は、観察者が画面を見た時のぎらつきを防止することができる機能を有する層である。AG層18は、例えば、通常に入手できる防眩フィルムによって構成することができる。なお、本実施形態ではここをAG層18としたが、本実施形態及び後に説明する他の実施形態において、AG層18の代わりにAR層やHC層が配置されていてもよい。AR層は「アンチリフレクション層」を意味し、反射を防止することができる層である。HC層は「ハードコート層」を意味し、光学シートの表面を保護することができる層である。
図2に示した形態において、シート10aの最も光源側となる側(図2の紙面下側)の層は第1の基材層11となっているが、シート10aから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように、第1の基材層11の光源側となる側(紙面下側)の面には、さらに粘着剤層が備えられていてもよい。
これまでに説明したシートコイル1によれば、シート10aが2層の光学機能層12、22を有しており、当該シート10aから所定の大きさのシートを切り出すことによって、光学機能層を2層有する光学シートを得ることができる。このようなシートコイル1を用いれば、上述した枚葉に積層する態様に比べて光学シートを低コストで製造することが可能になる。また、シートコイル1を用いれば、光学シートを量産する場合、枚葉に積層する態様に比べ、全ての光学シートについて光学的性能を同一になるように制御して製造することが容易になる。枚葉に積層する態様では、光学機能層を備えたシートを複数用意してから、製造する光学シート毎にこれらを積層する。そのため、製造される光学シートによって光学機能層の積層される角度(光透過部及び光吸収部の並列方向や、1つの光学機能層に備えられる光透過部及び光吸収部と他の光学機能層に備えられる光透過部及び光吸収部との交差角)にズレが生じる虞がある。一方、シートコイル1を用いれば、このようなズレの発生を抑えることができる。すなわち、シートコイル1を用いて光学シートを量産する場合、全ての光学シートで交差角αが同じになるように制御して製造することが容易になる。従って、シートコイル1によれば、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。
次に上記のような構成を有するシートコイル1の製造方法について説明する。
シートコイル1は、シート10aをコイル状に巻回することによって得られる。シート10aは、例えば、第1の基材層11上に、並列方向がシート10aの長手方向及び幅方向に対して傾斜するように光透過部13を形成するとともに、該光透過部13間に光吸収部14を形成して第1の光学機能層12を備えた第1の積層シート(不図示)を作製する第1工程と、第2の基材層21上に、並列方向がシート10aの長手方向及び幅方向に対して傾斜するように光透過部23を形成するとともに、該光透過部23間に光吸収部24を形成して第2の光学機能層22を備えた第2の積層シート(不図示)を作製する第2工程と、第1の積層シート及び第2の積層シートを貼合する工程と、を経ることによって作製できる。
上記第1工程は、第1の基材層11となる層を含む基材11’上に第1の光学機能層12を形成した第1の積層シートを製造する工程とすることができる。図6、図7はその工程の一部を概略的に説明する図である。
はじめに、第1の基材層11となる層を含む基材11’の上に、光透過部13を形成して中間的なシートである中間シート10’を得る。光透過部13を形成するには、所定のピッチで光透過部13に対応した形状の溝を有する金型コイル120を準備する。次に、図6に示したように、当該金型コイル120とニップコイル121との間に基材11’を送り込む。図6に示した矢印VIは、基材11’を送り込む方向である。基材11’の送り込みに合わせて、金型コイル120と基材11’との間に供給装置から光透過部構成組成物13’の液滴を供給し続ける。供給装置から基材11’上に光透過部構成組成物13’を供給するとき、金型コイル120と基材11’との間に、光透過部構成組成物13’が溜まったバンク122が形成されるようにする。このバンク122において、光透過部構成組成物13’が基材11’の幅方向(図6における紙面奥/手前方向)に広がる。
光透過部構成組成物13’としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)と、反応性希釈モノマー(M1)と、を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、及び反応性希釈モノマー(M1)は、それぞれ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、金型離型剤、光重合開始剤を添加してもよく、塗膜の改質や塗布適性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントコイル剤、脱泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
上記のようにして金型コイル120と基材11’との間に供給された光透過部構成組成物13’は、金型コイル120及びニップコイル121間の押圧力により、基材11’と金型コイル120との間に充填される。その後、光照射装置123によって光透過部構成組成物13’に光を照射し、光透過部構成組成物13’を硬化させることによって光透過部13を成型することができる。第1の基材層11上に光透過部13が成型された中間シート10’は、剥離コイル124を介して引かれることによって、金型コイル120から引き剥がされる。
次に、図7に示すように、中間シート10’の光透過部13間に、光吸収部14を形成して、第1の光学機能層12を得る。具体的には、光透過部13上に光吸収部構成組成物125を供給し、ドクターブレード126によって該光吸収部構成組成物125を光透過部13間の溝13aに充填する。その後、余剰分の光吸収部構成組成物125を掻き落とし、光透過部13間の溝13aに残った光吸収部構成組成物125に光を照射して硬化させる。これにより、光吸収部14を形成することができる。なお、図7に示した矢印VIIは中間シート10’の送り方向である。
光吸収部構成組成物は、バインダ構成組成物中に光吸収粒子が分散されたものである。当該バインダ構成組成物として用いられるものは特に限定されないが、例えば、光硬化型プレポリマー(P2)、と反応性希釈モノマー(M2)とを配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、(メタ)アクリレート系のものが挙げられる。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、及び反応性希釈モノマー(M2)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、添加剤として、光重合開始剤、シリコーン、消泡剤、レベリング剤及び溶剤等をさらに添加してもよい。
光吸収粒子としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられる。ただし、光吸収粒子はこれらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を光吸収粒子として使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記のバインダの中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒径は、1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。ここで「平均粒径」とは、質量分布法による粒度測定で得られるものを意味する。
なお、光を吸収させるための手段は、本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、光吸収部を構成する光吸収部構成組成物全体を顔料や染料によって着色し、全体が着色された光吸収部を形成することを挙げられる。
以上に説明した方法より、第1の基材層11及びこれに積層された第1の光学機能層12を有する第1の積層シートを得ることができる。このようにして作製された第1の積層シートをコイル状に巻き取り、第1のシートコイルを得る。
次に第2の積層シートを製造する上記第2工程について説明する。第2の積層シートは、上記した第1の積層シートとは別に製造されるシートで、シート10aのうち第2の基材層21及び第2の光学機能層22となる層を含むシートである。
第2の積層シートは、第2の光学機能層22を形成するために基材として、基材11’にかえて第2の光学機能層22を形成する側とは反対側の面にAG層18が形成された基材を用いる以外は、上述した第1の積層シートと同様にして製造できるため、詳細な説明は省略する。このようにして製造された第2の積層シートをコイル状に巻き取り、第2のシートコイルを得る。
第2の光学機能層22は第1の光学機能層12と表裏が反対ではあるが同じ形状を有しているため、第2の光学機能層22に備えられた光透過部23の成型には第1の光学機能層12に備えられた光透過部13の成型に用いる金型と同じものを用いることができる。したがって、シート10aは低コストで製造することができ、該シート10aから切り出すことによって得られる光学シートも低コストで製造することがでる。
次に、粘着剤層17aとなる層を介して第1の積層シートの第1の光学機能層12側の面と、第2の積層シートの第2の光学機能層22側の面とを貼合する。第1の積層シートと第2の積層シートとを貼合する方法は特に限定されない。例えば、第1の積層シートの第2の積層シートと貼合される側の面、又は第2の積層シートの第1の積層シートと貼合される側の面に粘着剤層17aを形成しておき、上記第1のシートコイル及び第2のシートコイルを巻き出しつつ、粘着剤層17aを介して両者を貼合することができる。
次に、第二実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10b(以下、単に「シート10b」ということがある。)について説明する。図8は帯状のシート10bの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10bは、AG層18が第2の基材層21上に形成されておらず、他の基材層19上に形成されており、当該基材層19と第2の基材層21とが粘着剤層17bを介して貼合されている以外は、上述したシート10aと同様である。
粘着剤層17bは、粘着剤組成物によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができ、基材層19と第2の基材層21とを適切に貼合可能な公知のものを特に限定することなく用いることができる。また、粘着剤層17bを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
図8に示した形態において、シート10bの最も光源側となる側(図8の紙面下側)の層は第1の基材層11となっているが、シート10bから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように、第1の基材層11の光源側となる側(紙面下側)の面には、さらに粘着剤層が備えられていてもよい。
このようなシート10bは、例えば、第1の基材層11及び第1の光学機能層12を有する積層シートと、第2の光学機能層22及び第2の基材層21を有する積層シートと、基材層19及びAG層18を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17、17bを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。
第二実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第二実施形態に係るシートコイルによれば、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。ただし、層数を少なくすることによって、より生産性の向上及び生産コストの低減を図れるという点では、上記第一実施形態にかかるシートコイル1の方が好ましい。
また、シート10bから切り出された光学シートによれば、シート10aから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
次に、第三実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10c(以下、単に「シート10c」ということがある。)について説明する。図9は帯状のシート10cの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10cは、シート10aに対して下記の点で異なる。すなわち、第1の基材層11及び第1の光学機能層12が第2の基材層21及び第2の光学機能層22より観察者側となる側に配置され(第2の基材層21及び第2の光学機能層22が第1の基材層11及び第1の光学機能層12より光源側となる側に配置され)、第1の基材層11と第2の基材層21とが粘着剤層17cを介して貼合されている。さらに、AG層18が第2の光学機能層22上に形成されている。
粘着剤層17cは、粘着剤又は接着剤を含む組成物(以下、「粘着剤組成物」ということがある。)によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができ、第1の基材層11と第2の基材層21とを適切に貼合可能な公知のものを特に限定することなく用いることができる。また、粘着剤層17cを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
図9に示した形態において、シート10cの最も光源側となる側(図9の紙面下側)の層は第2の光学機能層22となっているが、第2の光学機能層22の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10cから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第2の光学機能層22を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10cは、例えば、第1の基材層11及び第1の光学機能層12を有する積層シートと、第2の基材層21及び第2の光学機能層22を有する積層シートとを製造し、粘着剤層17cを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。なお、AG層18は上記積層シートを貼合する前に形成してもよく、貼合後に形成してもよい。
第三実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第三実施形態に係るシートコイルによれば、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。ただし、層数を少なくすることによって、より生産性の向上及び生産コストの低減を図れるという点では、上記第一実施形態にかかるシートコイル1の方が好ましい。
また、シート10cから切り出された光学シートによれば、シート10aから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
次に、第四実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10d(以下、単に「シート10d」ということがある。)について説明する。図10は帯状のシート10dの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10bは、AG層18が第2の光学機能層22上に形成されておらず、他の基材層19上に形成されており、当該基材層19と第2の光学機能層22とが粘着剤層17dを介して貼合されている以外は、上述したシート10cと同様である。
粘着剤層17dは、粘着剤組成物によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができ、基材層19と第1の光学機能層12とを適切に貼合可能な公知のものを特に限定することなく用いることができる。ただし、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることによって、第1の光学機能層12の表面に生じる凹凸への粘着剤層17dの追従性が良くなり、第1の光学機能層12と粘着剤層17dとの間に気泡が生じることを防ぎやすくなるからである。また、粘着剤層17dを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
図10に示した形態において、シート10dの最も光源側となる側(図10の紙面下側)の層は第2の光学機能層22となっているが、第2の光学機能層22の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10dから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第2の光学機能層22を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10dは、例えば、第2の基材層21及び第2の光学機能層22を有する積層シートと、第1の基材層11、及び第1の光学機能層12を有する積層シートと、基材層19及びAG層18を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17c、17dを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。
第四実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第四実施形態に係るシートコイルによれば、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。ただし、層数を少なくすることによって、より生産性の向上及び生産コストの低減を図れるという点では、上記第一実施形態にかかるシートコイル1の方が好ましい。
また、シート10dから切り出された光学シートによれば、シート10aから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
次に、第五実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10e(以下、単に「シート10e」ということがある。)について説明する。図11は帯状のシート10eの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10eは、シート10aに対して下記の点で異なる。すなわち、第1の基材層11及び第1の光学機能層12に代えて第1の基材層31及び第1の光学機能層32を備えており、第1の基材層31と第2の光学機能層22とが粘着剤層17eを介して貼合されている。
第1の基材層31は第1の光学機能層32の基材となる層であるが、第1の基材層11と同様の構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。第1の光学機能層32は、第1の光学機能層12に対して光透過部(光吸収部)の並列方向が異なる以外は、同様の構成とすることができる。これまでに説明した実施形態では、第1の光学機能層と第2の光学機能層とを同一形状とし、表裏を反対にすることによって、第1の光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向と、第2の光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向とを、シート面法線方向から見て交差するように配置することができた。しかしながら本実施形態では、第1の光学機能層32と第2の光学機能層22とで、光透過部(光吸収部)の並列方向を変えなければ、第1の光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向と、第2の光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向とを、シート面法線方向から見て交差するように配置することができない。
粘着剤層17eは、粘着剤組成物によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができ、第1の基材層31と第2の光学機能層22とを適切に貼合可能な公知のものを特に限定することなく用いることができる。ただし、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることによって、第2の光学機能層22の表面に生じる凹凸への粘着剤層17eの追従性が良くなり、第2の光学機能層22と粘着剤層17eとの間に気泡が生じることを防ぎやすくなるからである。また、粘着剤層17eを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
図11に示した形態において、シート10eの最も光源側となる側(図11の紙面下側)の層は第1の光学機能層32となっているが、第1の光学機能層32の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10eから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第1の光学機能層32を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10eは、例えば、第1の基材層31及び第1の光学機能層32を有する積層シートと、第2の基材層21、及び第2の光学機能層22を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17eを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。なお、AG層18は上記積層シートを貼合する前に形成してもよく、貼合後に形成してもよい。
第五実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様に、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。
また、シート10eから切り出された光学シートによれば、第1の光学機能層32が第2の光学機能層22と同様に基材層31より光源側となる側に配置されており、第2の光学機能層22と同様に光源側からの光を集光させる機能を有する。したがって、シート10eから切り出された光学シートによれば、表示装置の光源側に配置することによって、光源側からの光を正面方向に集光させ、該表示装置の視野角を狭めるとともに正面輝度を向上させることができる。
次に、第六実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10f(以下、単に「シート10f」ということがある。)について説明する。図12は帯状のシート10fの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10fは、AG層18が第2の基材層21上に形成されておらず、他の基材層19上に形成されており、当該基材層19と第2の基材層21とが粘着剤層17bを介して貼合されている以外は、上述したシート10eと同様である。
図12に示した形態において、シート10fの最も光源側となる側(図12の紙面下側)の層は第1の光学機能層32となっているが、第1の光学機能層32の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10fから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第1の光学機能層32を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10fは、例えば、第1の基材層31及び第1の光学機能層32を有する積層シートと、第2の光学機能層22及び第2の基材層21を有する積層シートと、基材層19及びAG層18を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17e、17bを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。
第六実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様に、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。
また、シート10fから切り出された光学シートによれば、シート10eから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、光源側からの光を正面方向に集光させ、該表示装置の視野角を狭めるとともに正面輝度を向上させることができる。
次に、第七実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10g(以下、単に「シート10g」ということがある。)について説明する。図13は帯状のシート10gの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10gは、シート10aに対して下記の点で異なる。すなわち、第2の基材層21及び第1の光学機能層22に代えて第2の基材層41及び第2の光学機能層42を備えており、第2の基材層41と第1の光学機能層12とが粘着剤層17gを介して貼合されている。
第2の基材層41は第2の光学機能層42の基材となる層であるが、第2の基材層21と同様の構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。第2の光学機能層42は、第2の光学機能層42に対して光透過部(光吸収部)の並列方向が異なる以外は、同様の構成とすることができる。第五及び第六実施形態と同様に、本実施形態では、第2の光学機能層42と第1の光学機能層12とで、光透過部(光吸収部)の並列方向を変えなければ、第2の光学機能層42に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向と、第1の光学機能層12に備えられる光透過部(光吸収部)の並列方向とを、シート面法線方向から見て交差するように配置することができない。
粘着剤層17gは、粘着剤又は接着剤を含む組成物(以下、「粘着剤組成物」ということがある。)によって構成される層である。当該粘着剤組成物としては、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができ、第2の基材層41と第1の光学機能層12とを適切に貼合可能な公知のものを特に限定することなく用いることができる。ただし、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることによって、第1の光学機能層12の表面に生じる凹凸への粘着剤層17gの追従性が良くなり、第1の光学機能層12と粘着剤層17gとの間に気泡が生じることを防ぎやすくなるからである。また、粘着剤層17gを構成する粘着剤組成物には、UV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などの公知の添加剤を含めてもよい。
図13に示した形態において、シート10gの最も光源側となる側(図13の紙面下側)の層は第1の基材層11となっているが、第1の基材層11の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10gから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10gは、例えば、第1の基材層11及び第1の光学機能層12を有する積層シートと、第2の基材層41、及び第2の光学機能層42を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17gを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。なお、AG層18は上記積層シートを貼合する前に形成してもよく、貼合後に形成してもよい。
第七実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様に、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。
また、シート10gから切り出された光学シートによれば、第2の光学機能層42が第1の光学機能層12と同様に基材層41より観察者側となる側に配置されており、第1の光学機能層12と同様に光源側からの光を拡散させる機能を有する。したがって、シート10gから切り出された光学シートによれば、表示装置の光源側に配置することによって、光源側からの光を四方に拡散させて該表示装置の視野角を広げることができる。
次に、第八実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10h(以下、単に「シート10h」ということがある。)について説明する。図14は帯状のシート10hの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10hは、AG層18が第2の光学機能層42上に形成されておらず、他の基材層19上に形成されており、当該基材層19と第2の光学機能層42とが粘着剤層17gを介して貼合されている以外は、上述したシート10gと同様である。
図14に示した形態において、シート10hの最も光源側となる側(図14の紙面下側)の層は第1の基材層11となっているが、第1の基材層11の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10hから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10hは、例えば、第1の基材層11及び第1の光学機能層12を有する積層シートと、第2の光学機能層42及び第2の基材層41を有する積層シートと、基材層19及びAG層18を有する積層シートとをそれぞれ製造し、粘着剤層17g、17dを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。
第八実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様に、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。
また、シート10hから切り出された光学シートによれば、シート10gから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、光源側からの光を四方に拡散させて該表示装置の視野角を広げることができる。
次に、第九実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10i(以下、単に「シート10i」ということがある。)について説明する。図15は帯状のシート10iの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10iは、基材層51の一方の面側に第1の光学機能層12が形成され、該基材層51の他方の面側に第2の光学機能層22が形成され、第1の光学機能層12上にAG層18が形成された構成を有している。基材層51は、第1の光学機能層12及び第2の光学機能層22の基材となる層であり、上述した第1の基材層11及び第2の基材層21と同様の構成とすることができる。
図15に示した形態において、シート10iの最も光源側となる側(図15の紙面下側)の層は第2の光学機能層22となっているが、第2の光学機能層22の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10iから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第2の光学機能層22を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10iを巻回してなるシートコイルの製造方法は、例えば、以下のような方法とすることができる。すなわち、基材層51となる基材上に、並列方向がシート10iの長手方向及び幅方向に対して傾斜するように光透過部13を形成するとともに該光透過部13間に光吸収部14を形成して、第1の光学機能層12を積層する第1積層工程と、当該基材の第1の光学機能層12が積層された側とは反対の面上に、並列方向がシート10iの長手方向及び幅方向に対して傾斜するように光透過部23を形成するとともに該光透過部23間に光吸収部24を形成して、第2の光学機能層22を積層する第2積層工程とを有するシートコイルの製造方法とすることができる。ただし、第1の光学機能層12より先に第2の光学機能層22を形成してもよい。なお、AG層18を形成するタイミングは特に限定されない。
第九実施形態に係るシートコイルによれば、上記第一実施形態に係るシートコイル1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第九実施形態に係るシートコイルによれば、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。また、層数を第一実施形態に係るシートコイル1よりも少なくすることができ、生産コストをより低減させることができる。
また、シート10iから切り出された光学シートによれば、シート10aから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
次に、第十実施形態に係るシートコイルを構成する帯状のシート10j(以下、単に「シート10j」ということがある。)について説明する。図16は帯状のシート10jの断面を示す図であり、図2に対応する図である。
シート10jは、AG層18が第1の光学機能層12上に形成されておらず、他の基材層19上に形成されており、当該基材層19と第1の光学機能層12とが粘着剤層17dを介して貼合されている以外は、上述したシート10iと同様である。
図16に示した形態において、シート10jの最も光源側となる側(図16の紙面下側)の層は第2の光学機能層22となっているが、第2の光学機能層22の光源側となる側(紙面下側)の面には、シート10jから切り出した光学シートを他の部材に貼合できるように粘着剤層がさらに備えられていてもよく、第2の光学機能層22を保護する層(例えば、PETからなる層)等がさらに備えられていてもよい。
このようなシート10jは、例えば、上記シート10iと同様にして第1の光学機能層12、基材層51、及び第2の光学機能層22を有する積層シートと、基材層19及びAG層18を有する積層シートをそれぞれ製造し、粘着剤層17dを介してこれらの積層シートを貼合することによって製造することができる。
第十実施形態に係るシートコイルによれば、上記第九実施形態に係るシートコイルと同様に、光透過部と光吸収部とが交互に並列された光学機能層を複数備えた光学シートの生産効率を向上し得る。ただし、層数を少なくすることによって、より生産性の向上及び生産コストの低減を図れるという点では、上記第九実施形態にかかるシートコイルの方が好ましい。
また、シート10jから切り出された光学シートによれば、シート10jから切り出された光学シートと同様に、表示装置の光源側に配置することによって、所定の方向では集光させて、他の方向では光を拡散させることができるため、所定の方向では視野角を広げ、他の方向では視野角を狭めるようにして表示装置に指向性を持たせることができる。
これまでのシートコイル、該シートコイルを構成する帯状のシート、及び該帯状のシートから切り出される光学シートの説明では、光透過部及び光吸収部の断面形状が台形である形態を例示して説明したが、これらの断面形状は三角形や矩形であってもよく、これら台形、三角形、矩形は厳密な台形、三角形、矩形ではなく角を丸くした形状や各辺を折れ線状や曲線状とした形状であってもよい。
また、これまでの説明では、基材層や光学機能層等、帯状のシートから切り出したシートを光学シートとして利用する場合に最低限備えられている必要がある層、及び備えられていることが好ましい層の構成についてのみ説明したが、これまでに説明した以外の機能を有する層がさらに備えられていてもよい。他の層としては、公知の光学シートに備えられるものであれば特に限定されない。
次に、光学シートの製造方法について説明する。上述したシートコイルを用いることによって、光源より観察者側に配置され、該光源から出射された光を制御して観察者側に出射する光学シートを製造することができる。より具体的には、上述したシートコイルを製造し、該シートコイルから帯状のシートを巻き出し、該帯状のシートを所定の大きさに切り出す工程を経ることによって、光学シートまたは光学シートの一部を構成するシートを製造することができる。
上述したシートコイルを構成する帯状のシートは、光学機能層を少なくとも2層備えており、これらの光学機能層に備えられた光透過部及び光吸収部は位置が固定されている。したがって、光学シートを量産する場合、このような帯状のシートから光学シートを切り出すことによって、光学機能層を備えたシートを複数枚用意して貼合していた従来の方法に比べて、全ての光学シートについて、光学機能層に備えられる光透過部の並列方向が同一の方向になるように(光源又は観察者側となる側からみたときに、1つの光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)と他の光学機能層に備えられる光透過部(光吸収部)との交差角及びそれぞれの並列方向が全ての光学シートで同じになるように)制御して製造することが容易になる。また、光学機能層を備えたシートを複数枚用意して貼合していた従来の方法に比べ、光学シートの生産効率が良く、製造コストを低減させることができる。
次に、表示装置の製造方法について説明する。
図17は表示装置の一例であるプラズマテレビ100を模式的に示した分解斜視図である。図17では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図17からわかるように、プラズマテレビ100は、前面側筐体103と背面側筐体102とにより形成される筐体の内側に、映像源ユニットであるPDPユニット101を備えている。PDPユニット101は、プラズマテレビ100の背面側から観察者側に向かって、PDP、及び光学シートを備えており、光学シートは粘着剤層によってPDPに貼合されている。なお、当該光学シートは、上述した帯状のシートから切り出された光学シートである。また、PDPは、平板状の映像光源であるプラズマディスプレイパネルであり、通常のプラズマテレビに用いられるものをそのまま適用することができる。従って、通常のPDPと同様に、3原色のそれぞれの蛍光体を有する1画素を1単位とした画素が縦横に並列されるとともにガス放電をさせて発光させるための電極が備えられている。
プラズマテレビ100にはその筐体内にPDPユニット101の他にもプラズマテレビに備えられる通常の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
上記プラズマテレビ100のような、光源、及び該光源の観察者側に配置される光学シートを備えた表示装置を製造する場合に、上述した光学シートの製造方法を用いることによって、表示装置の製造方法における生産効率を向上させることができる。すなわち、上述した生産効率が良い光学シートの製造方法によって光学シートを製造し、該光学シートを光源の観察者側に配置する工程を経て製造装置を製造することによって、生産効率が高い表示装置の製造方法とすることができる。
ここでは、表示装置としてプラズマテレビを例示したが、例えば、光源として通常に知られている液晶ディスプレイ(LCD)、電界発光ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、有機EL等を用いることも可能である。