JP5740856B2 - 光学シート、光学シートの製造方法、及び映像表示装置 - Google Patents

光学シート、光学シートの製造方法、及び映像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置に関する。
映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
例えば、プラズマディスプレイパネルは、観察者側が明るい場合、コントラストが不十分となって画像品質が低下する。よって、コントラストを向上させるための層として、光を透過可能な光透過部と光を吸収可能な光吸収部とを有し、外光を適切に遮蔽する光学機能シート層が設けられることがある。また、液晶パネルにも、視野角の拡大などを目的として、光を透過可能な光透過部と光を吸収可能な光吸収部とを有する光学機能シート層が設けられることがある。
上記光学機能シート層については、例えば、特許文献1にその構成が開示されている。
特開2009−80153号公報
上述したように、光学機能シート層は、光を透過可能な光透過部を有している。このような光学機能シート層の製造過程において、光透過部内に気泡が混入すると、該気泡によって光が拡散し、コントラストが低下するという問題があった。
そこで本発明は、所定の大きさの気泡の混入数が少ない光透過部を備えた光学機能シート層を有する光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、複数の層を有する光学シート(10)の製造方法であって、複数の層のうち、少なくとも1層が、基材層(11)の表面に沿って並列に形成される、光を透過可能な光透過部(13)と、光透過部間に並列される、光を吸収可能な光吸収部(14)と、を有する光学機能シート層(12)であり、粘着剤層(20)を介して離型フィルム層(21)及び前記基材層が貼合された積層体(10’)を得る、積層体作製工程と、積層体の基材層側の面上に光透過部構成組成物を供給して硬化させて光透過部を形成する、光透過部形成工程と、光吸収粒子(16)及び樹脂からなるバインダー(15)を含む光吸収部構成組成物を光透過部間に充填して硬化させることで光吸収部を形成する、光吸収部形成工程と、を含み、積層体作製工程後において、積層体の離型フィルム層側の表面の水の接触角が80度以下であり、光透過部形成工程において、積層体の基材層側の面上に、光透過部構成組成物の液溜まり(31)を形成し、該液溜まりから離れた位置の基材層上に、光透過部構成組成物を液滴の滴下により供給する、光学シートの製造方法により、前記課題を解決する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光学シート(10)の製造方法において、光透過部形成工程時の積層体(10’)の基材層(11)側の表面の水の接触角が74度以下であることを特徴とする。
本発明によれば、気泡の混入数が少ない光透過部を備えた光学機能シート層を有する光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することができる。
1つの実施形態にかかる本発明の光学シートの断面の一部を概略的に示した図である。 図1に示した光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。 光吸収部の他の例を示した図である。 図1に示した光学シートの製造方法の一例について、その過程を概略的に示した断面図である。 図1に示した光学機能シート層を形成する装置の構成を概略的に示した図である。 図5に示した矢印VIの方向から見た様子を概略的に示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態にかかる本発明の光学シート10の断面の一部を示し、その層構成を模式的に表した図である。
光学シート10は、ここに入射した映像源側からの光を観察者にとって適切な映像光として透過させ、出射させるシート状の部材である。光学シート10は、基材層11、光学機能シート層12、粘着剤層20、及び離型フィルム層21を備えている。これらの層について以下に説明する。
(基材層11)
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能シート層12を形成するための基材層としての層で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とすることができる。基材層11がPETを主成分とする場合、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
基材層11の主成分は、必ずしもPETである必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
ただし、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点から、基材層11にはPETを主成分とする樹脂を用いることが好ましい。
(光学機能シート層12)
光学機能シート層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能シート層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において断面が略台形である光透過部13、13、…と、該光透過部13、13、…の間に配置される光吸収部14、14、…とを備えている。図2に、図1に示した光学シート10のうち、光学機能シート層12の1つの光吸収部14とこれに隣接する光透過部13、13を拡大して示した。図1、図2及び適宜示す図を参照しつつ光学機能シート層12についてさらに説明する。
光透過部13、13、…は、光透過部として機能する部位で、略台形断面における短い上底及び長い下底が光学シート10のシート面に沿う方向に配置されている。そして、略台形断面における長い下底が基材層11側に面する向きである。また、光透過部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部13、13、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物は、光硬化型樹脂と光重合開始剤とを含んでいる。このような光透過部構成組成物としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち光透過部13、13、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドである。なお、上記光重合開始剤(S1)は、光透過部構成組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
上記光透過部構成組成物を用いて後に詳述するようにして光透過部13、13、…形成することにより、光透過部13、13、…に含まれる気泡の数を減らすことができる。具体的には、面積が0.3mm以上の気泡が光透過部13、13、…に含まれないようにすることができる。また、本発明の光学シートを映像表示装置などの最終製品に組み込んだ際、光透過部13、13、…に含まれる気泡は、面積が0.1mm以上、0.3mm未満のものが最終製品の1画面当たり4個以下であり、かつ該気泡が互いに30mm以上離れていることが好ましい。ここで、「1画面」とは、光学シートを適当な大きさに切り出して映像表示装置などの最終製品に組み込んだときに、該最終製品の観察者が視認できる範囲を意味する。また、気泡が「互いに30mm以上離れている」とは、気泡の端から他の気泡の端までの距離が30mm以上離れていることを意味する。また、「気泡が4個以下」とは、光透過部13、13、…に気泡が全く含まれてないことも含む。このように、光透過部13、13、…に含まれる気泡の数を減らすことによって、光学シート10の外観を向上させることができる。また、光透過部内に混入した気泡によって光が拡散してコントラストが低下するということを防止できる。
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の間に配置され、図1、図2に表れる断面において略三角形断面を有する要素である。当該三角形断面の底辺に相当する面が光透過部13、13、…の上底間に並列されている。これにより光吸収部14、14、…の底辺、及び光透過部13、13、…の上底により光学機能シート層12の一方の面が形成されている。ここで、このとき当該三角形断面における斜辺は、光学機能シート層12のシート面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合は、実質三角形ではなく、矩形となる。
ただし、光吸収部の断面形状は三角形に限定されない。例えば、光吸収部の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。また、光吸収部の断面形状は非対称の多角形であっても良い。図3に光学機能シート層の変形例である光学機能シート層12a、12b、12cのうち、光吸収部14a、14b、14cの断面を示した。図3において、(a)は光吸収部の断面形状が略台形の例、(b)は光吸収部の上記斜辺が折れ線状とされた例、(c)は光吸収部の上記斜辺が曲線状とされた例である。
図3(a)に示した場合には、光吸収部14aの断面形状が略台形となっている。詳しくは、光吸収部14aの断面形状が略平行な上底及び下底と、上底及び下底を結ぶ2つの斜辺とを有する略等脚台形である。当該斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ1をなしている。θ1は0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。
図3(b)に示した場合には、光吸収部14bの斜辺(光透過部13b、13bの斜辺)は、1つの辺からではなく、2つの辺から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜辺を有している。詳しくは、底辺側の斜辺は光学機能シート層12bのシート面の法線方向に対して角度θ2をなしている。一方、頂点側(基材層11側に配置される斜辺は光学機能シート層12bのシート面の法線方向に対して角度θ3をなしている。この角度は、θ2>θ3の関係であるとともに、いずれも0度以上10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、当該2つの斜辺は、図3(b)に示したように、光学機能シート層12bの厚さ方向(紙面上下方向)には、それぞれT1とT2の大きさを有している。T1とT2とは同じ大きさであることが好ましい。
また、図3(b)の例は2つの斜辺により構成されている例であるが、さらに多くの辺で折れ線状が構成されてもよい。
図3(c)に示した場合には、光吸収部14cの斜面(光透過部13c、13c、…の斜辺)は曲線状で構成されている。このように光吸収部における断面形状略三角形である斜辺が曲線状であってよい。この場合でも、当該曲線と光学機能シート層12bのシート面の法線方向とのなす角は、光吸収部の底辺側より基材層11側の方が小さいことが好ましい。さらにその角度もいずれの部分でも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。ここで、曲線のある部分が光学機能シート層12bのシート面の法線方向との成す角は、曲線を10等分し、各端部同士を結ぶ線と、光学機能シート層12bのシート面の法線方向との成す角により定義される。
その他、光吸収部の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、外光を適切に吸収することが可能であれば適宜変更することが可能である。
また、光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の屈折率Npと同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、光吸収部14、14、…と光透過部13、13、…との界面で、所定の条件で光透過部13、13、…に入射した光源からの映像光を適切に反射させるとともに吸収することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…とバインダー15とを含む光吸収部構成組成物が当該光吸収部14、14、…に充填されることにより構成されている。すなわち、バインダー(バインダー部)15の中に光吸収粒子16、16、…が分散されている。これにより、光吸収部14、14、…において、光透過部13、13、…と、光吸収部14、14、…との界面で反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、コントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダー部15のバインダーが上記の屈折率Nbである材料により構成される。当該バインダーとして用いられるものは特に限定されないが、例えば、光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置による硬化性に合わせて、任意に選択することができる。本発明において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマーおよび反応性希釈モノマー)を、屈折率、粘度、あるいは光学機能シート層12の性能への影響等を考慮し、任意に配合して用いることができる。
なお、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光硬化型樹脂組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられる。ただし、光吸収粒子16、16、…はこれらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を光吸収粒子16、16、…として使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光硬化型樹脂組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒径は、1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。ここで「平均粒径」とは、重量分布法による粒度測定で得られるものを意味する。平均粒径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、以下に説明するようにして光吸収部14、14、…を形成する際に、着色粒子がドクターブレードによって掻き落とされずに、光透過部の上底部分の上に残留するということを防止できる。
なお、光を吸収させるための手段は、本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、光吸収部を構成する光吸収部構成組成物全体を顔料や染料によって着色し、全体が着色された光吸収部を形成することを挙げられる。
光吸収部14、14、…は、上記光吸収部構成組成物を用いて、後に詳述するようにして形成することができる。
(粘着剤層20)
図1に戻って、粘着剤層20について説明する。粘着剤層20は、粘着剤を含む粘着剤組成物によって構成される層である。該粘着剤としては、公知のもの用いることができる。本発明に用いることができる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、粘着剤組成物にはUV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含める場合もある。
(離型フィルム層21)
次に、離型フィルム層21について説明する。離型フィルム層21は、光学シート10の加工時や輸送時などに粘着剤層20に異物が付着することや、粘着剤層20が他のものと接触することを防止するために設けられる層である。離型フィルム層21を構成する離型フィルムとしては、公知の離型フィルムを用いることができる。
(光学シート10の製造方法)
次に、光学シート10の製造方法について説明する。図4は、光学シート10の製造方法の一例について、その過程を概略的に示した断面図である。図5は、光学シート10に備えられる光学機能シート層12を形成する装置の一部の構成を概略的に示した断面図である。図6は、図5に示した矢印VIの方向から見た様子を概略的に示した図である。
まず、離型フィルム層21を構成する離型フィルムについて説明する。当該離型フィルムは、粘着剤層20に貼合される側の表面21b(図4(a)参照)に離型剤が1μm以下の厚みで塗布されたフィルムである。この離型フィルムは長尺部材であるため、使用するまでロール状に巻回して保管されることがある。離型フィルムをロール状に巻回すると、表面21bに塗布した離型剤が、離型剤を塗布してない側の表面21aに接触し、該表面21aに離型剤に含まれる成分(以下、「離型剤成分」という。)が転写される。このことを前提として、光学シート10の製造方法の説明を続ける。
光学シート10を製造する際、まず、離型フィルム層21上に粘着剤層20を形成した後、該粘着剤層20を基材層11に貼合する、若しくは、基材層11上に粘着剤層20を形成した後、該粘着剤層20上に離型フィルム層21を貼合する。そして、図4(a)に示すように、離型フィルム層21、粘着剤層20、及び基材層11を列記した順で積層してなる積層体10’を得る。
その後、積層体10’は、一旦、ロール状に巻回して保管、輸送されることがある。このとき、上述した通り、離型フィルム層21の表面21aには、離型剤成分が転写されている。よって、積層体10’をロール状に巻回すると、表面21aに転写されていた離型剤成分が基材層11の表面11aに接触し、該表面11aにも離型剤成分が転写される場合がある。この場合、基材層11の表面11aの水の接触角が増大し、後に説明するように、光透過部13、13、…に含まれる気泡が大きくなったり、光透過部13、13、…に含まれる気泡の数が増えたりする傾向にある。そのため、基材層11の表面11aに転写される離型剤成分は、少ない方が好ましい。基材層11の表面11aに転写される離型剤成分が少ないことの目安として、基材層11の表面11aの水の接触角は、78度以下であることが好ましく、75度以下であることがより好ましい。
基材層11の表面11aに転写される離型剤成分の量を減らすためには、離型フィルム層21の表面21aに転写される離型剤成分が少ないことが好ましい。離型フィルム層21の表面21aに転写される離型剤成分が少ないことの目安として、離型フィルム層21の表面21aの水の接触角は、86度以下であることが好ましく、84度以下であることがより好ましく、82度以下であることがさらに好ましい。
次に、図4(b)に示すように、積層体10’(基材層11の表面11a)の上に、光透過部13、13、…を形成し、シート10’’を得る。光透過部13、13、…を形成するには、まず、所定のピッチで所定の開口幅及び所定の深さを有する溝を形成し得る金型ロール42を準備する(図5参照)。次に、図5に示すように、当該金型ロール42とニップロール41との間に基材層11を含む積層体10’を送り込む。図5に示した矢印Xは、積層体10’を送り込む方向である。積層体10’の送り込みに合わせて、金型ロール42と基材層11との間に供給手段40から光透過部構成組成物の液滴30を供給し続ける。なお、供給手段40は、積層体10’の幅方向(図5の紙面奥/手前方向)に所定の間隔(例えば、1cm程度。)で複数備えられている。
供給手段40から基材層11上に光透過部構成組成物を供給するとき、金型ロール42と基材層11との間に、光透過部構成組成物が溜まった液溜まり31が形成されるようにする。この液溜まり31において、光透過部構成組成物が基材層11の幅方向に広がる。また、供給手段40から供給される光透過部構成組成物の液滴30は、液溜まり31から少し離れた位置に供給し続ける。すなわち、図6に示すように、供給手段40から供給された光透過部構成組成物の液滴30の落下地点32、32、…が、液溜まり31から少し離れた位置にくるようにする。光透過部構成組成物の液滴30を液溜まり31に直接供給すると、液溜まり31内に気泡を含み易くなる。液溜まり31内に気泡が含まれると、該気泡が光透過部13、13、…に残留しやすくなる。
また、供給手段40から光透過部構成組成物の液滴30を基材層11の表面11aに供給するときに、基材層11の表面11aの水の接触角が大きいと、光透過部構成組成物が基材層11の表面11aで弾かれ易くなり、液溜まり31内に気泡が含まれ易くなる。そのため、上記のように、基材層11の表面11aの水の接触角は、78度以下であることが好ましく、75度以下であることがより好ましい。
さらに、液溜まり31内に気泡が含まれ易くなる要因としては、基材層11の表面11aに供給する光透過部構成組成物の温度(粘度)や積層体10’の送り込み速度などもある。基材層11の表面11aに供給する光透過部構成組成物の温度は、30度以上が好ましく、40度以上60度以下がより好ましい。光透過部構成組成物の粘度は、0.5Pa・s以上2.0Pa・s以下程度であることが好ましい。光透過部構成組成物の温度(粘度)を調整する方法としては、光透過部構成組成物を供給する供給手段40の温度や、液溜まり31に接触する金型ロール42の温度を調整することが考えられる。供給手段40の温度は、30度以上60度以下が好ましく、40度以上55度以下がより好ましい。金型ロール42の温度は、30度以上60度以下が好ましく、40度以上55度以下がより好ましい。また、積層体10’の送り込み速度は、2.0m/分以上4.0m/分以下が好ましく、2.0m/分以上3.5m/分以下がより好ましい。
上記のようにして金型ロール42と基材層11との間に供給された光透過部構成組成物30は、金型ロール42およびニップロール41間の押圧力により、基材層11と金型ロール42との間に充填される。その後、光照射装置44によって光透過部構成組成物30に光を照射し、光透過部構成組成物を硬化させることによって光透過部13、13、…を形成することができる。光透過部13、13、…が形成された後、積層体10’上に光透過部13、13、…が形成されたシート10’’は、剥離ロール43を介して引かれることによって、金型ロール42から引き剥がされる。
次に、図4(c)に示すように、シート10’’の光透過部13、13、…間に、光吸収部14、14、…を形成して、光学シート10を得る。具体的には、光透過部13、13、…上に光吸収部構成組成物を供給し、ドクターブレードによって該光吸収部構成組成物を光透過部13、13、…間の溝に充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とし、光透過部13、13、…間の溝に残った光吸収部構成組成物に光を照射して硬化させることにより、光吸収部14、14、…を形成することができる。
(その他の層)
これまでの本発明の説明では、基材層11、光学機能シート層12、粘着剤層20、及び離型フィルム層21を備えた光学シート10について説明したが、本発明の光学シートは、少なくとも、上述した基材層、及び該基材層上に形成された、気泡の混入数が少ない光透過部を有する光学機能シート層を備えていればよい。よって、本発明の光学シートは、用途に応じてこれまでに説明した層以外の様々な機能を有する層も備えることができる。本発明の光学シートに備えられ得るその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波シールド層、防眩層、反射防止層、ハードコート層、波長フィルタ層などを、粘着剤層を用いて貼合することで構成することができる。また、粘着剤層を構成する粘着剤組成物にはUV吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含める場合もある。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
電磁波シールド層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えばエッチング方式、印刷方式、蒸着方式、スパッタ方式で形成されるものを挙げることができ、遮断すべき電磁波により適宜設計される。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
波長フィルタ層は、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する層である。透過を抑制されるべき波長は必要に応じて適宜選択することができる。波長フィルタ層の具体例としては、ネオン線、赤外線、近赤外線、紫外線などを吸収する層、色調を調整する層等を挙げることができる。
(本発明の光学シートの用途)
本発明の光学シートは、適当な大きさに切り出して、プラズマディスプレイパネルや液晶ディスプレイパネルに貼合し、映像表示装置に備えさせることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に説明する実施例及び比較例にかかる光学シートを作製し、以下に説明する評価を行った。評価結果及び光学シートの作製条件を表1に示した。
(光透過部に含まれる気泡の大きさ及び数の評価)
蛍光灯と観察者との間に光学シートを配置し、該光学シートの表面に対して垂直に当てられた蛍光灯の光によって投影される、光透過部に含まれる気泡の大きさと数を確認した。評価結果を表1の「光透過部の外観」に示した。面積が0.3mm以上の気泡が光透過部に含まれていなかった場合を「○」、含まれていた場合を「×」とした。
(基材層の水の接触角の評価)
光透過部を形成する直前の基材層について、接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−X型)を用いて、光透過部を形成する側の面の水の接触角を評価した。具体的には、乾燥状態(20℃、65%RH)で針先に作った直径2mmの液滴(純水を使用。)を基材層の表面に接触させ、基材層上にできた液滴の表面の接線と基材層の表面とが成す角(接触角)を求めた。評価結果を表1の「基材層の接触角」に示した。
(離型フィルム層の水の接触角の評価)
基材層に粘着剤層を介して離型フィルム層を貼合した後、該離型フィルム層の粘着剤層が形成されていない側の面について、接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−X型)を用いて水の接触角を評価した。具体的な接触角の求め方は、上記基材層の水の接触角の求め方と同様である。評価結果を表1の「離型フィルム層の接触角」に示した。
<実施例1>
(1)粘着剤層の形成
(メタ)アクリル系樹脂粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100質量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25質量部、溶剤MIBK30質量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤組成物を調製した。当該粘着剤組成物を、厚み25μm、幅1370mmとなるように基材層(PETフィルム、厚み:100μm、幅:1400mm、東洋紡績株式会社製、商品名:コスモシャインA4300)上に塗工し、80℃で3分乾燥した。その後、上記粘着剤組成物からなる塗膜上に、更に、離型フィルム層(離型処理PETフィルム、品名:PET−O3−BU、東セロ株式会社製)を粘着層と相対して被覆して、ロール状に巻取り、40℃の環境下で72時間放置した。
以上により、基材層の一方の面側に粘着剤層を有する、粘着剤層付PETフィルムを作製した。
(2)光透過部構成組成物の調整
ポリテトラメチレングリコール及びイソホロンジイソシアネートからなるウレタンアクリレート15質量部、ビスフェノールA−エトキシ付加物及びキシリレンジイソシアネートからなるウレタンアクリレート55質量部、フェノキシエチルアクリレート20質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4質量部、ビスフェノールAジグリシジルエーテル4質量部、並びに、テトラデカノール−エトキシ付加物のリン酸エステル2質量部の混合物に対して、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を添加して均一化した。
(3)光透過部の形成
ピッチが87μmで開口幅が15μmで深さが130μmの溝を形成し得る温度調整が可能な金型ロールを準備した。この金形ロールを約50℃に加温した後、上記粘着剤層付PETフィルムを5m/分の速さで金型ロールとニップロールとの間に送り込んだ。この粘着剤層付PETフィルムの送り込みに合わせ、金型ロールと粘着剤層付PETフィルムのPETフィルム側との間に上で得られた光透過部構成組成物を供給した。このとき、金型ロールと粘着剤層付PETフィルムのPETフィルム側との間において、光透過部構成組成物の液溜まりが幅1330mmとなるように、供給装置から光透過部構成組成物を供給した。そして、金型ロールおよびニップロール間の押圧力(ニップ圧0.65MPa)により、PETフィルムと金型ロールとの間に光透過部構成組成物を充填した。その後、そのPETフィルム側から、高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して、光透過部構成組成物を硬化させた。
(4)光吸収部構成組成物の調整
ウレタンアクリレート33.6質量部とエポキシアクリレート14.4質量部とが混合されたプレポリマーに、反応性希釈モノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート28質量部と、メトキシトリエチレングリコールアクリレート4質量部とを加え調整した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド3質量部と、着色粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部とを混合して均一化した。
(5)光吸収部の形成
幅1260mmの液溜まりが形成されるようにして、上で得られた光吸収部構成組成物を供給装置から光透過部上に供給した。ドクターブレードを用いて、当該光吸収部構成組成物を光透過部間の溝に充填しながら、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とした。その後、光透過部が形成されている側から紫外線を照射して、光透過部間の溝に充填された光吸収部構成組成物を硬化させ、光吸収部を形成した。
以上のようにして、離型フィルム層と、粘着剤層と、基材層と、該基材層上に形成された光透過部及び光吸収部を有する光学機能シート層とを列記した順に備えた光学シートを得た。
<実施例2>
離型フィルム層を東セロ株式会社製のPET−O2−BU(品名)とした以外は実施例1と同様にして、光学シートを作製した。
<実施例3>
離型フィルム層を東セロ株式会社製のPET−O4−BU(品名)とした以外は実施例1と同様にして、光学シートを作製した。
<比較例1>
離型フィルム層を東セロ株式会社製のPET−OV−BU(品名)とした以外は実施例1と同様にして、光学シートを作製した。
Figure 0005740856
表1に示したように、実施例1〜3にかかる光学シートは、光透過部の外観が良好であった。一方、比較例1にかかる光学シートは、基材層の水の接触角が74度を超え、離型フィルム層の水の接触角が80度を超えており、面積が0.3mm以上の気泡が光透過部に含まれていた。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート、光学シートの製造方法、及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
10 光学シート
10’ 積層体
11 基材層
12 光学機能シート層
13 光透過部
14 光吸収部
15 バインダー部
16 光吸収粒子
20 粘着剤層
21 離型フィルム層
30 液滴
31 液溜まり
40 供給手段
41 ニップロール
42 金型ロール
43 剥離ロール

Claims (2)

  1. 複数の層を有する光学シートの製造方法であって、
    前記複数の層のうち、少なくとも1層が、基材層の表面に沿って並列に形成される、光を透過可能な光透過部と、前記光透過部間に並列される、光を吸収可能な光吸収部と、を有する光学機能シート層であり、
    粘着剤層を介して離型フィルム層及び前記基材層が貼合された積層体を得る、積層体作製工程と、
    前記積層体の前記基材層側の面上に光透過部構成組成物を供給して硬化させて前記光透過部を形成する、光透過部形成工程と、
    光吸収粒子及び樹脂からなるバインダーを含む光吸収部構成組成物を前記光透過部間に充填して硬化させることで前記光吸収部を形成する、光吸収部形成工程と、
    を含み、
    前記積層体作製工程後において、前記積層体の前記離型フィルム層側の表面の水の接触角が80度以下であり、
    前記光透過部形成工程において、前記積層体の前記基材層側の面上に、前記光透過部構成組成物の液溜まりを形成し、該液溜まりから離れた位置の前記基材層上に、前記光透過部構成組成物を液滴の滴下により供給する、光学シートの製造方法。
  2. 前記光透過部形成工程時の前記積層体の前記基材層側の表面の水の接触角が74度以下である、請求項1に記載の光学シートの製造方法。
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