JP2012163835A - 光学シートの製造方法、及び表示装置の製造方法 - Google Patents

光学シートの製造方法、及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学機能層の基材層が備えられる側とは反対側に粘着剤層を備えた光学シートの製造方法であって、生産性に優れた光学シートの製造方法、及び表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シート状の部材である第1基材の一方の面側に、該第1基材の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部、を有する光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、シート状の部材である第2基材の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程と、粘着剤層を養生する前に、光学機能層と粘着剤層とを貼合する貼合工程と、を含む、光学シートの製造方法、及び該光学シートの製造方法を用いた表示装置の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像光源より観察者側に配置されて映像光や外光を適切に制御することができる光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた表示装置の製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記載することがある。)を用いたテレビ等の表示装置では、PDPよりも観察者側に光学シートが配置されている。この光学シートは観察者に良質な映像を提供する役割を有する。このため該光学シートは、シート面に沿って並列され、PDPからの映像光を透過させる光透過部と、該光透過部間に配置され、映像光や外光を適切に遮断又は反射してコントラストを向上させたり、ゴーストを抑制したりする光吸収部と、を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
近年、プラズマテレビの薄型化等の観点から光学シートを直接又はある層を介してPDPに貼りつける手法(直貼り方式)が採用されることが増えてきている(例えば、特許文献2参照。)。この場合には、粘着剤を含む粘着剤層を、光学シートに備える必要がある。そのため、光学シートは、例えば、図9(a)に示した光学シート110のような層構成となる。すなわち、PDP側(紙面上側)から観察者側(紙面下側)に向けて、粘着剤層117、光学機能層112、基材層111がこの順で積層される。ここで光学機能層112は、光透過部113、113、…及び光吸収部114、114、…を備える層である。光学シート110のような構成にすることによって、光学シートをPDPに直貼りすることが可能となる。
しかしながら、光学シート110のような構成の光学シートを製造するための従来の製造方法は、工程が多くなっていた。そのため、より簡易な方法で製造したいという旨の要望があった。図10に光学シート110の従来の製造方法の一例についてフロー図を示した。図10に示した製造方法では、はじめに基材上に光透過部を形成する(S111)。その後、光透過部間に光吸収部を形成する(S112)。これにより基材層上に光学機能層が形成されたシートを得る。一方、図10に示した製造方法では、上記工程S111及び工程S112とは別個に工程S121〜工程S123を有する。具体的には、工程S121は、2次離型フィルム上に粘着剤を塗工する工程である。工程S122は、粘着剤の上記2次離型フィルムが配置されていない側の面に別の離型フィルムである1次離型フィルムを積層する工程である。工程S121及び工程S122により、粘着剤が2枚の離型フィルムではさまれたシートを得る。工程S123は、当該シートを巻き取って養生し、粘着剤を安定させる工程である。上記工程S112及び工程S123が終了した時点で、基材層上に光学機能層が形成されたシートと、2枚の離型フィルムに粘着剤層が挟持されたシートとが別個に存在する。そしてこれらを組み合わせるために1次離型フィルムを剥離し(S131)、該剥離により露出した粘着剤層を光学機能層に貼り付ける(S132)。その後、巻き取り(S133)や打ち抜き(S134)を経て、光学シート110を製造することができる。
このように従来の製造方法では工程が多いという問題があった。また、1次離型フィルムは光学シート110の製造過程においてのみ必要とされ、剥離後は廃棄されていたため、材料の無駄が多く余分なコストがかかるという問題もあった。さらに、光学機能層と粘着剤層との間に気泡が入りやすいという問題もあった。この理由について、図9(b)を参照しつつ説明する。図9(b)は、図9(a)に破線IXbで示した部分を拡大した図である。図9(b)に示すように、光学シートの製造過程において、光吸収部114上に溝114aが形成される場合がある。当該溝114aを有する光学機能層112と、養生されてある程度硬化した粘着剤層117とを貼合すると、溝114aの部分が光学機能層112と粘着剤層117との間で空間となって存在することによる。このように光学機能層と粘着剤層との間に気泡が入ると、光学シートを表示装置に用いた際に、映像光が乱反射する、表示面が白濁する等の問題を生じる虞があった。
上記問題に鑑み、製造工程の削減と材料の無駄の削減をするという観点からは、例えば、特許文献3に記載の発明がある。特許文献3には、基材層に粘着剤を塗工する工程と、粘着剤が塗工された基材層に光学機能層を形成する工程とを含む光学シートの製造方法が開示されている。特許文献3に記載された発明によれば、製造工程を削減し、材料の無駄も削減した光学シートの製造方法を提供することができる。
特開2006−189867号公報 特開2006−350324号公報 特開2009−080153号公報
しかしながら、特許文献3に記載の発明は、基材層の一方の面側に光学機能層が備えられ、基材層の他方の面側に粘着剤層が備えられた光学シートを製造する方法である。係る方法では、光学機能層の基材層が備えられる側とは反対側の面に粘着剤層を備えさせることができなかった。また、特許文献3に記載の発明は、粘着剤層と光学機能層との間に気泡が入るという上記問題について、考慮されていなかった。
このような問題に鑑み、本発明は、光学機能層のうち基材層が備えられる側とは反対側に粘着剤層を備えた光学シートの製造方法であって、生産性に優れた光学シートの製造方法、及び該生産性に優れた光学シートを備えた表示装置の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、第1基材層(11)の一方の面側に、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部(13)と、該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部(14)とを有する光学機能層(12)を形成する光学機能層形成工程(S10)、第2基材層(18)の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層(17)を形成する粘着剤層形成工程(S20)、及び、粘着剤層を養生する前に、光学機能層と粘着剤層とを貼合する貼合工程(S30)を含む、光学シート(10)の製造方法である。
ここに、「粘着剤層を養生する」とは、粘着剤層を構成する組成物の架橋反応を進行させ、粘着剤層の形状を固定させる工程を意味する。すなわち、粘着剤層を養生する前は、粘着剤層はある程度の形状追従性を有している。
請求項2に記載の発明は、映像光源と、該映像光源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、第1基材層(11)の一方の面側に、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部(13)と、該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部(14)とを有する光学機能層(12)を形成する光学機能層形成工程(S10)、第2基材層(18)の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層(17)を形成する粘着剤層形成工程(S20)、及び、光学機能層と粘着剤層とを貼合する貼合工程(S30)を含む方法で光学シート(10)を製造する工程、並びに、該光学シートを映像光源より観察者側に配置する工程を含む、表示装置の製造方法である。
本発明によれば、光学機能層のうち基材層が備えられる側とは反対側に粘着剤層を備えた光学シートの製造方法であって、生産性に優れた光学シートの製造方法、及び該生産性に優れた光学シートを備えた表示装置の製造方法を提供することができる。
図1(a)は、一つの実施形態にかかる本発明の光学シートの製造方法により製造された光学シートの断面を概略的に示した図である。図1(b)は、図1(a)に破線Ibで示した部分を拡大して示した図である。 光学機能層の一部を概略的に示した断面図である。 一つの実施形態に係る本発明の光学シートの製造方法に含まれる工程を示したフロー図である。 図4(a)は、光透過部形成工程の一例を模式的に示した断面図である。図4(b)は、光透過部形成工程を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。 図5(a)は、光吸収部形成工程の一例を模式的に示した斜視図である。図5(b)は、光吸収部形成工程を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。 粘着剤層形成工程の一例について説明する図である。 一つの実施形態に係る本発明の表示装置の製造方法によって製造されるプラズマテレビを模式的に示した分解斜視図である。 図7に示したプラズマテレビに備えられるプラズマディスプレイパネルユニットの断面の一部を概略的に示した図である。 図9(a)は、従来の光学シートの断面を概略的にした図である。図9(b)は、図9(a)に破線IXbで示した部分を拡大して示した図である。 従来の光学シートの製造方法に含まれる工程を示したフロー図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれから変更し、誇張している。また、各図面において、見易さのために繰り返しとなる符号を一部省略している場合がある。
図1(a)は一つの実施形態にかかる本発明の光学シートの製造方法により製造された光学シート10の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1(a)に示したように、光学シート10は、第1基材層11、光学機能層12、及び粘着剤層17を備えている。上記各層は図1(a)で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在している。これらの層について以下に説明する。
(第1基材層11)
第1基材層11は、後で詳しく説明する光学機能層12を形成するための基材となる層である。第1基材層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。第1基材層11がPETを主成分とする場合、第1基材層11には他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、第1基材層11を構成する材料の主成分は、必ずしもPETである必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点から、PETを主成分とする樹脂によって基材層11を構成する例を挙げた。
(光学機能層12)
光学機能層12は、映像光源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。図2は、図1(a)に示した光学機能層12の一部を拡大して示した図である。図1(a)、図2及び適宜示す図を参照しつつ光学機能層12についてさらに説明する。
光学機能層12は、光を透過可能に層面に沿って並列された光透過部13、13、…と、光透過部13、13、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部14、14、…とを備えている。光学機能層12は、このような光透過部13、13、…及び光吸収部14、14、…を備えることによって、表示装置に備えられた際に、映像光源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有することができる。
光透過部13、13、…は、映像光を透過する機能を有する部位で、図1(a)及び図2に表れる断面において、略台形の断面を有する要素である。当該略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層12の層面に沿う方向に配置されている。また、光透過部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部13、13、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物としては、紫外線などの光で硬化させられるものが好ましく、例えば、以下に挙げる光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち光透過部13、13、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。なお、上記光重合開始剤(S1)は、光透過部構成組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の間に配置され、図1(a)及び図2に表れる断面において略台形面を有する要素である。光吸収部14、14、…の略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層12の層面に沿う方向に配置されている。また、光吸収部14、14、…の略台形断面の下底に相当する面が光透過部13、13、…の上底間に並列されている。そして、光吸収部14、14、…の下底、及び光透過部13、13、…の上底により光学機能層12の一方の面が形成されている。光吸収部14、14、…の略台形断面における斜辺は、光学機能層12の層面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合、光吸収部14、14、…の断面は略矩形となる。また、光吸収部14、14、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく、折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。さらに、光吸収部13、13、…断面は、略三角形であってもよい。
また、光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の屈折率Npより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp>Nbとすることにより、光透過部13、13、…に入射した映像光源からの映像光を、光吸収部14、14、…と光透過部13、13、…との界面でスネルの法則によって全反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp>Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率と光吸収部の屈折率とを同じにしてもよく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さくすることも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダー15とを含む光吸収部構成組成物が光透過部13、13、…間の溝に充填されることにより構成されている。これにより、光透過部13、13、…と光吸収部14、14、…との界面でスネルの法則によって反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を光吸収粒子16、16、…で適切に吸収することができ、映像のコントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダー15が上記の屈折率Nbである材料により構成される。当該バインダーとして用いられるものは特に限定されないが、紫外線などの光によって硬化されるものが好ましく、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。本発明において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいは光学機能層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。光吸収部14、14、…を形成する際には、後に説明するように(図5参照)、着色粒子を含有する光吸収部構成組成物46を光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に充填しつつ、ドクターブレード47を用いて余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子がドクターブレード47と光透過部13、13、…との間の隙間を抜け難くなることを防止し、光透過部13、13、…上に着色粒子が残留することを防止できる。
また、光透過部を構成する材料によっては、光吸収部の表面は光透過部の表面に対して、同一平面上(平滑)に充填される場合もあれば、凹部状に充填される場合もある。光吸収部の表面が光透過部の表面に対して凹部状に充填される場合とは、例えば、図1(b)に示したように、光吸収部14上に溝14aが形成される場合である。図1(b)は、図1(a)に破線Ibで示した部分を拡大して示した図である。当該溝14aは、後に説明するようにしてドクターブレード47を用いて光吸収部構成組成物46を掻き落とす際(図5参照)や、光吸収部構成組成物46を硬化させた際等に形成される。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。例えば、顔料や染料により着色された光吸収部構成組成物を用いて、光吸収部全体を着色することもできる。
(粘着剤層17)
粘着剤層17は粘着剤を含む粘着剤組成物によって構成される層である。当該粘着剤組成物は、光を透過させるとともに、適切な粘着性を有すればその材質は特に限定されるものではない。粘着剤層17の粘着力は、例えば、数N/25mm〜20N/25mm程度とすることができる。
粘着剤層17に用いることができる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、粘着剤組成物には、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含めることもできる。なお、粘着剤層17を後に説明する電磁波遮蔽層に貼り合わせる場合は、ベンゾトリアゾールなどの酸化防止剤が含まれているか、−COOH、−NHなどの酸基が含まれていないことが望ましい。
これまでに説明した光学シート10を例にして、本発明の光学シートの製造方法について以下に説明する。図3は、一つの実施形態に係る本発明の光学シートの製造方法に含まれる工程を示したフロー図である。図3に示した本発明の光学シートの製造方法は、光学機能層形成工程(以下、単に「工程S10」と記載する場合がある。)、粘着剤層形成工程(以下、単に「工程S20」と記載する場合がある。)、貼合工程(以下、単に「工程S30」と記載する場合がある。)、巻き取り工程(以下、単に「工程S31」と記載する場合がある。)、及び打ち抜き工程(以下、単に「工程S32」と記載する場合がある。)を含んでいる。
<光学機能層形成工程(工程S10)>
工程S10は、第1基材層11の一方の面側に、光学機能層12を形成する工程である。工程S10は、図3に示すように、光透過部形成工程(以下、単に「工程S11」と記載する場合がある。)及び光吸収部形成工程(以下、単に「工程S12」と記載する場合がある。)を含んでいる。
(光透過部形成工程(工程S11))
工程S11は、第1基材層11の表面に沿って並列し、光を透過可能な光透過部13、13、…を形成する工程である。図4(a)は、工程S11の一例を模式的に示した断面図である。図4(b)は、工程S11を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。図4(a)及び図4(b)を参照しつつ、工程S11について説明する。
光透過部13、13、…を形成するには、まず、光透過部13、13、…の形に対応した形の溝を所定のピッチで有する金型ロール42を準備する。次に、当該金型ロール42とニップロール41との間に、基材層11となる、又は基材層11となる層を含む基材11’を送り込む。図4(a)に示した矢印x1は、基材11’を送り込む方向である。基材11’の送り込みに合わせて、金型ロール42と基材11’との間に供給装置45から光透過部構成組成物40の液滴を供給し続ける。供給装置45から基材11’上に光透過部構成組成物40を供給するとき、金型ロール42と基材11’との間に、光透過部構成組成物40が溜まったバンクが形成されるようにする。このバンクにおいて、光透過部構成組成物40が基材11’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール42と基材11’との間に供給された光透過部構成組成物40は、金型ロール42およびニップロール41間の押圧力により、基材11’と金型ロール42との間に充填される。その後、光照射装置44によって光透過部構成組成物40に紫外線等を照射し、光透過部構成組成物を硬化させることによって光透過部13、13、…を形成することができる。光透過部13、13、…が形成された後、基材11’上に光透過部13、13、…が形成されたシートは、剥離ロール43を介して引かれることによって、金型ロール42から引き剥がされる。
このようにして、工程S11によれば、図4(b)に示したように基材層11上に光透過部13、13、…が形成されたシートを得ることができる。当該シートは、光透過部13、13、…間に溝13a、13a、…を有している。
(光吸収部形成工程(工程S12))
工程S12は、工程S11で形成された光透過部13、13、…間に、光を吸収可能な光吸収部13、13、…を形成する工程である。図5(a)は、工程S12の一例を模式的に示した斜視図である。図5(b)は、工程S12を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。図5(a)及び図5(b)を参照しつつ、工程S12について説明する。
光吸収部14、14、…を形成するには、図5(a)に示すように、まず、光透過部13、13、…上に光吸収部構成組成物46を供給する。次に、ドクターブレード47によって該光吸収部構成組成物46を光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす。その後、光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に残った光吸収部構成組成物46に紫外線等を照射して硬化させることにより、光吸収部14、14、…を形成することができる。なお、図5(a)に示した矢印x2は、工程S11を経て得られたシートの送り方向である。
工程S12において、光透過部13、13、…の弾性率は10MPa以上2000MPa未満であることが好ましい。光透過部13、13、…の弾性率が2000MPa以上になると、硬くなり、ワレや欠けの不具合が発生したり、工程S12において光吸収部14、14、…を形成する際に、光学機能層12の表面に外観不良を生じたり、光学機能層12の透過率が低下したりする虞がある。すなわち、光透過部13、13、…が硬すぎると、光透過部13、13、…上に供給した光吸収部構成組成物46のうち余剰分をドクターブレード47で掻き取る際、ドクターブレード47を光透過部13、13、…に押し付けても光透過部13、13、…が変形しないため、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落としきれない虞がある。光透過部13、13、…の弾性率を上記範囲にすると、ドクターブレード47を押し付けた際、光透過部13、13、…の変形により、余剰分の光吸部構成組成物46の掻き取り不良を少なくし、光学機能層12の表面に外観不良を生じたり、光学機能層12の透過率が低下したりすることを防止できる。なお、光透過部13、13、…の弾性率が10MPa未満であれば、光透過部13、13、…が軟らか過ぎるため、工程S11において、光透過部13、13、…が金型ロール42から離型し難くなる虞がある。
このようにして、工程S11及び工程S12によれば、図5(b)に示したように、基材層11上に光透過部13、13、…及び光吸収部14、14、…を有する光学機能層12を形成することができる。
<粘着剤層形成工程(工程S20)>
図6は、工程S20で得られるシートの断面を概略的に示した図である。工程S20は、図6に示したように、第2基材層18の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層17を形成する工程である。粘着剤層17の形成方法は特に限定されない。例えば、上述した粘着剤組成物を第2基材層18の一方の面側に塗工及び乾燥することによって、粘着剤層17を形成することができる。また、粘着剤組成物の塗工方法も特に限定されない。粘着剤組成物の塗工方法の具体例としては、粘着剤組成物が一定の厚みとなるように、スリット状のノズルを用いて粘着剤組成物を吐出する方法を挙げることができる。
第2基材層18としては、例えば、離型フィルムを用いることができる。第2基材層18を離型フィルムで構成する場合、光学シート10の加工時や輸送時に、粘着剤層17に異物が付着することや、粘着剤層17が他のものと接触することを防止するために、第2基材層18を用いることができる。第2基材層18を離型フィルムで構成する場合、光学シート10をPDP等に取り付ける際には第2基材層18を粘着剤層17から剥がす。
第2基材層18に用いる離型フィルムとしては、公知の離型フィルムを用いることができる。ただし、第2基材層18を構成するフィルムは離型フィルムに限定されず、従来の光学シートに含まれる公知の層によって構成することも可能である。例えば、第2基材層18は、第1基材層11と同様の構成とすることも可能であり、電磁波遮蔽層、防眩層、反射防止層、ハードコート層、波長フィルタ層などによって構成することも可能である。これらの層の機能については、後に説明する。
<貼合工程(工程S30)>
工程S30は、工程S10で形成された光学機能層12と、工程S20で形成された粘着剤層17とを貼合する工程である。光学機能層12と粘着剤層17とを貼合する方法は特に限定されない。例えば、光学機能層12と粘着剤層17とが面するように、工程S10で作製したシートと工程S20で作製したシートとを積層し、積層方向に所定の圧力を加えることによって、光学機能層12と粘着剤層17とを貼合することができる。
このとき、粘着剤層17を養生する前、すなわち粘着剤層17を構成する組成物の架橋反応が進行して粘着剤層17の形状が固定される前に粘着剤層17と光学機能層12とを貼合する。そうすることによって、上述したように光吸収部14上に溝14aが形成されている場合であっても、粘着剤層17で溝14aを埋めることができる。粘着剤層17を養生する前は、粘着剤層17がある程度の形状追従性を有しており、粘着剤層17が溝14aの形状に追従できるからである。よって、光学機能層12と粘着剤層17との間に気泡が入ることを防止できる(図1(b)参照)。従来の光学シートの製造方法によれば、粘着剤層を離型フィルムで一旦挟持し、粘着剤層の両面を平滑化した状態で養生していたため、光吸収部上の溝を粘着剤層で埋められない場合があった。本発明の光学シートの製造方法によれば、ある程度柔らかい状態の粘着剤層を光学機能層と貼合することによって、光吸収部上の溝を粘着剤層で埋め易くなる。粘着剤層の柔らかさは、粘着剤層を形成してから粘着剤層と光学機能層とを貼合するまでの時間を調整することや、粘着剤層を構成する材料を適宜選択することによって、調整することができる。上記のように、気泡が光学機能層12と粘着剤層17との間に入ることを防止することによって、光学シート10を表示装置に用いた際に、映像光が乱反射することを防止でき、当該表示装置の表示面が白濁することを防止できる。
<巻き取り工程(工程S31)>
工程S31は、工程S30で得られたシートを使用時まで保管するために、ロール状に巻回する工程である。巻回する方法は特に限定されず、従来と同様の方法を用いることができる。
<打ち抜き工程(工程S32)>
打ち抜き工程は、工程S31で巻回したシートを巻き出して所定の大きさに打ち抜き、光学シート10を得る工程である。打ち抜く方法は特に限定されず、従来と同様の方法を用いることができる。
このように、本発明の光学シートの製造方法によれば、上記特許文献1及び特許文献2に開示されているような従来の製造方法に比べて製造工程を減らすことができる。また、本発明の光学シートの製造方法によれば、製造過程において粘着剤層を2枚の離型フィルムで挟持する必要がないため、破棄される離型フィルムを減らすことができる。すなわち、本発明の光学シートの製造方法によれば、工数の削減と材料の無駄の削減とによって、光学シートの生産性向上させることができる。さらに、本発明の光学シートの製造方法によれば、上述したように、光学機能層と粘着剤層との間に気泡が入ることを防止できる。
(その他の層)
これまでの本発明の説明では、基材層11、光学機能層12、及び粘着剤層17を備えた光学シート10について説明したが、光学シート10には、用途に応じてその他の機能を有する層も備えさせることができる。光学シート10に備えさせることができるその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波遮蔽層、防眩層、反射防止層、ハードコート層、波長フィルタ層、衝撃吸収層などを挙げることができる。これらの層は、上述したように第2基材層18として用いることも可能であり、粘着剤層を用いて貼合することも可能である。粘着剤層を用いて貼合する場合、その貼合は、工程S32によって光学シートを打ち抜く前であってもよく、打ち抜いた後であってもよい。なお、当該粘着剤層には、粘着剤層17と同様に公知の粘着剤を用いることが可能であり、粘着剤層17と同様に、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含めることも可能である。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。これらの層の機能などについて以下に説明する。
電磁波遮蔽層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えば、金属(銅等)メッシュを挙げることができる。当該金属メッシュを得る方法としてはエッチング、蒸着等により微細な金属のメッシュパターンを形成することが有効である。金属メッシュのピッチ等は遮断すべき電磁波や必要な透過率、モアレの発生状況により適宜設計されるが、例えばピッチ約300μm、線幅12μmであるものを挙げることができる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層は、市販のフィルムを用いる等して構成することが可能である。
反射防止層は外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、表示面にいわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層と呼ばれることもある。これは、表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
波長フィルタ層は、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する層である。透過を抑制されるべき波長は必要に応じて適宜選択することができる。波長フィルタ層の具体例としては、PDPから出射されるネオン線を吸収したり、赤外線、近赤外線や紫外線を吸収したりする層、色調を調整する層等を挙げることができる。波長フィルタ層は、他の機能層、例えば粘着剤層などと複合化させることもできる。
衝撃吸収層は、PDPのパネル(ガラス)を外部の衝撃から保護するための層である。通常は200〜1000μm程度の厚さで、かつ衝撃を吸収する樹脂材料が用いられる。
次に、本発明の表示装置の製造方法について説明する。本発明の表示装置の製造方法は、映像光源と、該映像光源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、上記本発明の光学シートの製造方法によって光学シートを製造する工程と、映像光源の観察者側に光学シートを配置する工程とを有している。図7及び図8を参照しつつ、本発明の表示装置の製造方法について説明する。
図7は一つの実施形態にかかる本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置100(プラズマテレビ100)を模式的に示した分解斜視図である。図7では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図7からわかるように、プラズマテレビ100は、前面側筐体101と背面側筐体102とにより形成される筐体の内側に、プラズマディスプレイパネルユニット103(PDPユニット103)を備えている。プラズマテレビ100にはその筐体内にPDPユニット103の他にもプラズマテレビに備えられる通常の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
図8は、PDPユニット103の構成を模式的に表している。図8では紙面右が観察者側である。PDPユニット103は、映像光源であるPDP104と、該PDP104の映像光出射側に配置される光学シート10aとを備えている。ここで、PDP104には、公知のPDPを適用することができる。また、光学シート10aは、層構成は光学シート10と異なるが、上述した本発明の光学シートの製造方法によって製造されたものである。光学シート10aは、波長フィルタ層31、基材層32a上に金属メッシュ層32bが形成された電磁波遮蔽層32、粘着剤層17、光学機能層12、第1基材層11、及び反射防止層33を備えている。
光学シート10aは、本発明の光学シートの製造方法によって製造される光学シートであり、製造方法は上述した通りであるので、説明を省略する。上述したようにして製造した光学シート10aをPDP104の観察者側に配置する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。このようにしてPDP104の観察者側に光学シート10aを配置し、PDPユニット103及びその他の部材を筐体に組み込むことによって、プラズマテレビ100を製造することができる。
上述したように、本発明の光学シートの製造方法によれば、工数を削減し、材料の無駄を削減して光学シートを製造することができる。よって、本発明の光学シートの製造方法によって製造された光学シートを用いる、本発明の表示装置の製造方法は、工数を削減し、材料の無駄を削減して表示装置を製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)光透過部構成組成物の調整
イソホロンジイソシアネート及びビスフェノールA−エトキシ変性アクリレートからなるウレタンアクリレートプレポリマー56質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部と、フェノキシエチルアクリレート37質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル−ケトン3質量部を混合し、均一化して光透過部構成組成物を得た。
(2)光透過部の形成
ピッチ(図4(b)に示したp)が51μmで開口幅(図4(b)に示したw)が10μmで深さ(図4(b)に示したd)が69μmの溝を形成し得る金型ロールを準備した。この金型ロールとニップロールとの間に基材層となるPETフィルム(東洋紡績社製、A4300、厚み100μm)を送り込んだ。このPETフィルムの送り込みに合わせ、上で得られた光透過部構成組成物を金型ロールとPETフィルムとの間に充填した。その後、PETフィルム側から高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、光透過部を形成した。基材層と光透過部とを含むシート(中間部材)の厚さは、189μm±20μmであった。
(3)光吸収部構成組成物の調整
ウレタンアクリレート33.6質量部、及び、エポキシアクリレート14.4質量部が混合されたプレポリマーに、反応性希釈モノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート28質量部、及び、メトキシトリエチレングリコールアクリレート4質量部を加え調整した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)16質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(4)光吸収部の形成
上で得られた光吸収部構成組成物を供給装置から上記の中間部材上に供給した。また、ドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光吸収部構成組成物を中間部材に形成された略V字形状の溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とした。その後、紫外線を照射して光吸収部構成組成物を硬化させ、硬化した光吸収部構成組成物によって光吸収部を形成した。
(5)保護フィルムの貼合
以上のようにして、基材層(PETフィルム)上に光透過部と光吸収部と有する光学機能シート層が形成されたシートを得た後、当該シートの基材層側に保護フィルム(株式会社スミロン製、EC7520)を貼合した。
(6)粘着剤組成物の調整
アクリル系樹脂粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100質量部と、エポキシ系硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25質量部と、希釈溶剤(MIBK(メチルイソブチルケトン))30質量部とを混合して均一化し、粘着剤組成物を調整した。
(7)粘着剤層の形成
離型フィルム(三井化学東セロ株式会社製、PET−O3−BU)上に、上記粘着剤組成物を塗工して乾燥し、粘着剤層を形成した。粘着剤組成物の塗工は、乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmになるようにして行った。粘着剤組成物の乾燥は、ドライヤーを用いて80℃で2分間行った。
(8)貼合・巻き取り・養生・裁断
上記のようにして作製した光学機能層と粘着剤層とを貼合した。このとき、粘着剤層を形成してすぐに(粘着剤層を養生させる前に)、光学機能層と粘着剤層とを貼合した。また、貼合時は、積層方向に0.5MPaで押圧した。貼合後、ロール状に巻き取り、室温で7日間養生した。その後、所定の大きさに打ち抜いて、光学シートを得た。
(比較例1)
実施例1の上記(1)〜(5)と同様の工程を経て、保護フィルム、基材層、及び光学機能層からなる積層シートを作製した。その後、当該積層シートをロール状に巻き取った。
次に、実施例1の上記(6)及び(7)と同様の工程を経て、離型フィルム上に粘着剤層を形成した。その後、当該粘着剤層に、離型フィルム(三井化学東セロ株式会社製、PET−O3−BU)を貼合し、粘着剤層が2枚の離型フィルムに挟持された積層シートを得た。その後、当該積層シートをロール状に巻き取り、室温で7日間養生した。このとき、2枚の離型フィルムのうち、一方の離型フィルムを粘着剤層から剥離させるのに要する力は、他方の離型フィルムを粘着剤層から剥離させるのに要する力により弱くなるようにした。以下、粘着剤層から剥離させるのに要する力が弱い方の離型フィルムを「弱剥離側離型フィルム」と記載する。
次に、粘着剤層から軽剥離側離型フィルムを剥離させ、露出した粘着剤層と光学機能層とを貼合した。貼合時は、積層方向に0.5MPaで押圧した。貼合後、ロール状に巻き取った。その後、所定の大きさに打ち抜いて、光学シートを得た。
(評価結果)
実施例1及び比較例1の光学シートについて、粘着剤層と光学機能層との間の気泡の有無(表1に示した「粘着埋込性」)、外観、及びヘイズを評価し、結果を表1に示した。粘着埋込性の評価は、オリンパス社製の測定顕微鏡(STM6)を用いて、光学機能層表面の光吸収部上の溝に気泡が存在するか否かを観察することによって行った。粘着埋込性が悪い場合、粘着層と光学機能層(光吸収部)表面との界面に気泡を確認できた。外観の評価は、蛍光灯と観察者との間に光学シートを配置し、蛍光灯の光を光学シートに透過させて目視することにより行った。ヘイズは、株式会社村上色彩技術研究所製のHR−100を用いて、離型フィルム側から入光して測定した。
Figure 2012163835
表1に示したように、実施例1の光学シートでは、光吸収部上の溝は粘着剤層で埋められており、粘着剤層と光学機能層との間に気泡を確認できなかった。一方、比較例1の光学シートでは、光吸収部上の溝が粘着剤層で埋められていない箇所があり、粘着剤層と光学機能層との間に気泡があった。また、外観では、実施例1の光学シートは白濁しておらず良好であった。一方、比較例1の光学シートは白濁していた。さらに、ヘイズは、実施例1の光学シートより比較例1の光学シートの方が高かった。
また、実施例1及び比較例1の光学シートについて、工数、及び製造時に生じた材料の無駄についても評価した。その結果、実施例1の光学シートは、比較例1の光学シートよりも少ない工数で製造することが可能であった。また、実施例1の光学シートは、製造過程において離型フィルム1枚分、比較例1よりも材料の無駄が少なかった。
10、10a 光学シート
11 第1基材層
12 光学機能層
13 光透過部
13a 溝
14 光吸収部
14a 溝
15 バインダー
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
18 第2基材層
100 プラズマテレビ(表示装置)
101 前面側筐体
102 背面側筐体
103 PDPユニット
104 PDP(映像光源)

Claims (2)

  1. 第1基材層の一方の面側に、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部と、該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部とを有する光学機能層を形成する、光学機能層形成工程、
    第2基材層の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層を形成する、粘着剤層形成工程、及び、
    前記粘着剤層を養生する前に、前記光学機能層と前記粘着剤層とを貼合する貼合工程、
    を含む、光学シートの製造方法。
  2. 映像光源と、該映像光源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、
    第1基材層の一方の面側に、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部と、該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部とを有する光学機能層を形成する、光学機能層形成工程、
    第2基材層の一方の面側に、粘着剤を含む粘着剤層を形成する、粘着剤層形成工程、及び、
    前記光学機能層と前記粘着剤層とを貼合する貼合工程、
    を含む方法で光学シートを製造する工程、並びに、
    前記光学シートを前記映像光源より観察者側に配置する工程、
    を含む、表示装置の製造方法。
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