JP2011232745A - 光学機能シート、光学シート及び映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】映像光源の観察者側に備えられたときに映像光のコントラストを向上させることができ、高精度に量産することが容易な光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置を提供する。
【解決手段】 基材層と、該基材層の一方の面側に形成された光学機能層とを有する光学機能シートであって、光学機能層が、光を透過可能に形成される光透過部と、光を吸収可能に形成される光吸収部とを有し、光透過部が、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、光透過部間に、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部が形成されており、光吸収部が、光透過部間に形成された凹部に形成されていることを特徴とする光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】 基材層と、該基材層の一方の面側に形成された光学機能層とを有する光学機能シートであって、光学機能層が、光を透過可能に形成される光透過部と、光を吸収可能に形成される光吸収部とを有し、光透過部が、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、光透過部間に、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部が形成されており、光吸収部が、光透過部間に形成された凹部に形成されていることを特徴とする光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、映像光源から出射される映像光によって構成される映像光のコントラスト向上を図ることができる光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置に関する。
プラズマディスプレイのような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像光源と、該映像光源からの映像光の質を高めて観察者に透過するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
映像表示装置が設置された場所の周囲が明るい場合は、その周囲の光(外光)が映像表示装置に照射されることによって、映像光のコントラストが不十分となり画像品質が低下する虞がある。そのため、外光を適切に遮蔽する機能を有する層を備えたシート(以下、このようなシートを「光学機能シート」ということがある。)を映像光源の観察者側に設け、映像光のコントラストの向上を図ることがある。なお、コントラストとは、画面に白黒の表示をしたときの最大輝度となる白い部分の輝度(白輝度)と、最小輝度となる黒い部分の輝度(黒輝度)との比を意味する。
上記のような光学機能シートとしては、例えば、特許文献1に、透明部分と着色部分とが平行して交互に配されて成り、発光又は受光画面の前面に上記透明部分と上記着色部分との界面が上記画面に対して所定の角度をなすように配置して用いられる外光遮蔽板に於て、上記透明部分の少なくとも一方の上記界面に、外光および上記画面から発する光の該界面での反射成分を散乱せしめる光散乱層を設けて成る微細スダレ状遮光板が開示されている。また、特許文献2には、プラスチック透明層、光反射層および遮光層を平行かつ交互に多数配置した縞状模様シートから成り、該反射層の少なくとも一面が乱反射面をなすことを特徴とする反射性および遮光性を有する透明な構造板が開示されている。
特許文献1に開示されている微細スダレ状遮光板や特許文献2に開示されている構造板などのような、従来の構成の光学機能シートは、光を透過可能な部分と遮光する部分とを交互に形成するために、透光性を有するシートと遮光性を有するシートとを交互に複数積層し、その後、該積層体を積層方向に平削りすることによって作製されていた。また、平削りしたままではシート表面の平滑性が不十分であるため、平削りして得られたシートの両面に、接着剤を介して透明なフィルムなどを貼り合せていた。
上記のように、従来の構成の光学機能シートは作製工程が複雑であり、大面積のものを量産することが難しかった。また、複数のシートを積層した後に平削りをするという工程を経るため、光を透過可能な部分同士や遮光する部分同士の間隔、シート面に対するそれらの部分の角度、シートの厚さなどを高精度に作製することが難しかった。
そこで本発明は、映像光源の観察者側に備えられたときに映像光のコントラストを向上させることができ、高精度に量産することが容易な光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、基材層(11)と、該基材層の一方の面側に形成された光学機能層(12)とを有する光学機能シートであって、光学機能層が、光を透過可能に形成される光透過部(13、13、…)と、光を吸収可能に形成される光吸収部(14、14、…)とを有し、光透過部が、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、光透過部間に、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部が形成されており、光吸収部が、光透過部間に形成された凹部に形成されていることを特徴とする光学機能シート(10)を提供することにより前記課題を解決する。
本発明において「断面が略矩形である凹部」とは、略平らな底面と該底面の両端に備えられる略平らな側面とによって構成される凹部であって、該底面と該両側面とのなす角がそれぞれ91度±1度である凹部を意味する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学機能シート(10)において、光吸収部(14、14、…)が、厚さ方向の断面において、基材層(11)側の面に対向する面に凹部(14a)を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、入射した光を制御して観察者側に透過する複数の層を有する光学シートであって、少なくとも請求項1または2に記載の光学機能シート(10)からなる層を含むことを特徴とする光学シート(100)を提供することにより前記課題を解決する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光学シート(100)と、プラズマディスプレイパネル(2)とを備えることを特徴とする映像表示装置(1)を提供することにより前記課題を解決する。
本発明によれば、映像光源の観察者側に備えられたときに外光を適切に遮蔽して映像光のコントラストを向上させることができ、高精度に量産することが容易な光学機能シート、該光学機能シートを備えた光学シート、および該光学シートを備えた映像表示装置を提供することができる。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
1.光学機能シート
図1は、1つの実施形態にかかる本発明の光学機能シート10の断面の一部を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学機能シート10は、映像光源の観察者側に備えられたときに、観察者側から照射された光(外光)を適切に遮蔽し、映像光のコントラストを向上させることができるシート状の部材である。
図1は、1つの実施形態にかかる本発明の光学機能シート10の断面の一部を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学機能シート10は、映像光源の観察者側に備えられたときに、観察者側から照射された光(外光)を適切に遮蔽し、映像光のコントラストを向上させることができるシート状の部材である。
光学機能シート10は、基材層11と、該基材層11上に形成された光学機能層12とを有している。以下に基材層11および光学機能層12について説明する。
<基材層>
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能層12を形成するための基材層としての層である。基材層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材層11がPETを主成分とする場合、基材層11には、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能層12を形成するための基材層としての層である。基材層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材層11がPETを主成分とする場合、基材層11には、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材層11を構成する材料の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材層11を構成することが好ましい。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材層11を構成することが好ましい。
<光学機能層>
光学機能層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において、断面が略矩形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に形成された長手方向の断面が略矩形の凹部14b(図2(b)参照)に形成される光吸収部14、14、…とを備えている。図2(a)に、図1に示した光学機能シート10のうち、光学機能層12の1つの光吸収部14とこれに隣接するプリズム部13、13を拡大して示した。図2(b)に、図2(a)に示した光学機能層12の一部のうち、光吸収部14を省略して示した。図1及び図2を参照しつつ光学機能層12についてさらに説明する。
光学機能層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において、断面が略矩形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に形成された長手方向の断面が略矩形の凹部14b(図2(b)参照)に形成される光吸収部14、14、…とを備えている。図2(a)に、図1に示した光学機能シート10のうち、光学機能層12の1つの光吸収部14とこれに隣接するプリズム部13、13を拡大して示した。図2(b)に、図2(a)に示した光学機能層12の一部のうち、光吸収部14を省略して示した。図1及び図2を参照しつつ光学機能層12についてさらに説明する。
(プリズム部)
プリズム部13、13、…は光透過部として機能する部位であり、図1、図2(a)に表れる断面において略矩形の断面を有する要素である。また、プリズム部13、13、…は、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、プリズム部13、13、…間には、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部14b、14b、…が形成されている(図2(b)参照)。プリズム部13、13、…が並列される間隔(プリズム部13と隣りのプリズム部13との間隔)は、特に限定されないが、30μm以上100μm以下であることが好ましい。凹部14bの幅(凹部14bの開口面において、長手方向に直交する方向の長さ)は特に限定されないが、5μm以上20μm以下であることが好ましい。凹部14bの深さは特に限定されないが、通常、50μm以上150μm以下であることが好ましい。
プリズム部13、13、…は光透過部として機能する部位であり、図1、図2(a)に表れる断面において略矩形の断面を有する要素である。また、プリズム部13、13、…は、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、プリズム部13、13、…間には、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部14b、14b、…が形成されている(図2(b)参照)。プリズム部13、13、…が並列される間隔(プリズム部13と隣りのプリズム部13との間隔)は、特に限定されないが、30μm以上100μm以下であることが好ましい。凹部14bの幅(凹部14bの開口面において、長手方向に直交する方向の長さ)は特に限定されないが、5μm以上20μm以下であることが好ましい。凹部14bの深さは特に限定されないが、通常、50μm以上150μm以下であることが好ましい。
さらに、プリズム部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このようなプリズム部13、13、…は、以下に説明するプリズム部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
プリズム部構成組成物としては、例えば、放射線硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した放射線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記放射線硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、放射線硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および放射線硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、プリズム部13、13、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
本発明において放射線硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S1)の量は、放射線硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、プリズム部構成組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。一般に、光重合開始剤は少なくとも部分的に可溶性(例えば、樹脂の処理温度で)であり、重合された後、実質的に無色である。光重合開始剤を着色(例えば、黄色に着色)していてもよいが、プリズム部構成組成物を硬化させてプリズム部を形成したときに実質的に無色になることを条件とする。
これらの放射線硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種類で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、プリズム部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、等を添加することも可能である。
(光吸収部)
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…間の長手方向の断面が略矩形の凹部14b、14b、…に配置され、図1、図2(a)に表れる断面において略矩形の断面を有する要素である。凹部14bについて、長手方向の断面が略矩形とは、すなわち、図2(b)に表れる断面において、凹部14bを構成する底面14dと該底面14dの両端に備えられる側面14c、14eとがそれぞれ略平らであり、角θ1およびθ2がそれぞれ91度±1度であることを意味する。
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…間の長手方向の断面が略矩形の凹部14b、14b、…に配置され、図1、図2(a)に表れる断面において略矩形の断面を有する要素である。凹部14bについて、長手方向の断面が略矩形とは、すなわち、図2(b)に表れる断面において、凹部14bを構成する底面14dと該底面14dの両端に備えられる側面14c、14eとがそれぞれ略平らであり、角θ1およびθ2がそれぞれ91度±1度であることを意味する。
また、光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の屈折率Npと同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このようにプリズム部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件でプリズム部13、13、…に入射した光源からの映像光を光吸収部14、14、…とプリズム部13、13、…との界面で適切に反射させるとともに吸収させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プリズム部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダとを含む光吸収部構成組成物が凹部14b、14b、…に充填されることにより構成されている。すなわち、バインダ(バインダ部)15の中に光吸収粒子16、16、…が分散されている。これにより、光吸収部14、14、…において、プリズム部13、13、…と、光吸収部14、14、…との界面で反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、コントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダ部15のバインダが上記の屈折率Nbである材料により構成される。当該バインダとして用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、放射線硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した放射線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記放射線硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、放射線硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および放射線硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
なお、本発明において放射線硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、放射線硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、放射線硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
これらの放射線硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種類で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、放射線硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいは光学機能層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。後に説明するように、光吸収部14、14、…を形成する際には、着色粒子を含有する光吸収部構成組成物をプリズム部13、13、…間の凹部14b、14b、…に充填した後にドクターブレードを用いて余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子がドクターブレードとプリズム部13、13、…の上部13a、13a、…との間の隙間を抜け難くなり、プリズム部13、13、…の上部13a、13a、…に着色粒子が残留することを防止できる。
また、光吸収部14は、図2(a)に示すように、光学機能シート10の厚さ方向の断面において、基材層11側が備えられる側とは反対側の面に凹部14aを有することが好ましい。かかる形態とすることによって、光学機能シート10を映像光源の観察者側に備えたときに、凹部14aを構成する曲面または斜面を利用して、凹部14aに達した外光を効率的に吸収できるのでコントラストを高くすることができる。ただし、光吸収部14、14、…は、シート厚方向断面において、表面(基材層11側の反対側の面)がプリズム部13、13、…の表面(基材層11側の反対側の面)13a、13a、…に対して、同一平面上(略平滑)に形成される場合もある。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
このような光学機能シート10によれば、外光を適切に遮蔽することができる。図3に、光学機能シート10に入射した外光の光路例を概略的に示した。図3では紙面右が観察者側である。
図3に示すように、所定の角度をもって光学機能シート10に入射した外光L1、L2は、光学機能シート10を透過中に、光吸収部14、14、…によって吸収される。光学機能シート10の光吸収部14、14、…は、略矩形の断面形状を有しているため、光吸収部の断面を三角形や台形とした場合に比べて、吸収できる外光の入射角度の範囲が大きい。そのため、光学機能シート10によれば、多くの外光を吸収できる。よって、光学機能シート10が映像光源の観察者側に備えられれば、映像光のコントラストを向上させることができる。また、光学機能シート10は、以下に説明するように、高精度に量産することが容易である。
(光学機能シート10の製造方法)
上記光学機能シート10は、以下に説明するようにして作製することができる。
上記光学機能シート10は、以下に説明するようにして作製することができる。
まず、光学機能シート10の作製に用いる金型を作製する。当該金型は、金属製の円柱状体を用意し、該円柱状体の外周面に溝を切削することによって作製する。当該円柱状体は、後に説明する金型の使用時(プリズム部13、13、…形成時)の環境に耐え得るものであれば特に限定されない。当該円柱状体の具体例としては、表面を銅でメッキされた鋼材などを挙げることができる。
上記金属製の円柱状体を用意した後、バイトを用いて、該円柱状体の円周方向一周に亘って深さが一定の溝を切削する。当該溝は、円柱状体の長手方向に所定の間隔で複数形成する。
上記溝を切削するとき、前逃げ面と該前逃げ面の両端に備えられる横逃げ面とのなす角の直角に対する傾き(以下、「テーパー角」という。)が−0.5度から2度程度(テーパー角がプラスの場合は、前逃げ面に対して両端の横逃げ面同士の間隔が広がるように形成されていることを意味し、テーパー角がマイナスの場合は、前逃げ面に対して両端の横逃げ面同士の間隔が狭まるように形成されていることを意味する。)のバイトを用いる。すなわち、図4に示したθ3及びθ4が−0.5度から2度程度のバイトを用いる。図4は、本発明の光学機能シートの作製に用いる金型を作製する際に用いるバイトの一例について、断面を概略的に示した図である。図4において、41は前逃げ面であり、42および43は横逃げ面である。θ3及びθ4がテーパー角である。このように、テーパー角が−0.5度から2度程度のバイトを用いて金型の溝を形成することによって、後に説明するようにして該金型を用いてプリズム部13、13、…を形成したときに、長手方向の断面形状が略矩形の凹部14b、14b、…をプリズム部13、13、…間に形成することができる。なお、バイトの材質は、上記円柱状体を切削できるものであれば特に限定されない。バイトの具体例としては、ダイヤモンドバイトなどを挙げることができる。
金型の使用時に、金型が腐食することを防止するなどの観点からは、バイトで上記溝を切削した後、該溝の部分も含めて金型の表面をクロムなどでメッキすることが好ましい。金型の表面をメッキした場合、後に説明する実施例のように、上記溝の形状は、切削された直後の形状と若干異なることになる。具体的には、溝の上部(開口部側)の方が溝の底部より厚くメッキされることになる。
次に、上記のようにして作製した金型を用いてプリズム部13、13、…を形成する。まず、金型と基材層11となる基材との間にプリズム部構成組成物を供給しながら基材上で金型を回転させる。そして、金型と基材との間で押圧したプリズム部構成組成物を硬化させる。プリズム部構成組成物を硬化させるには、プリズム部構成組成物が金型と基材とに挟まれている間に、基材側から紫外線を照射すればよい。このようにして、金型の外周面に形成された溝に対応した形状のプリズム部13、13、…が基材層11上に形成され、金型の外周面に形成された溝と溝との間の凸部に対応した形状の凹部14b、14b、…がプリズム部13、13、…間に形成される。
次に、光吸収部14、14、…を形成する。光吸収部14、14、…を形成するには、まず、凹部14b、14b、…に光吸収部構成組成物を充填する。その後、余剰分の光吸収部構成組成物をドクターブレードなどで掻き落とす。そして、凹部14b、14b、…に残った光吸収部構成組成物にプリズム部側から紫外線を照射することによって、光吸収部構成組成物に含まれるバインダ15を硬化させ、光吸収部14、14、…を形成することができる。
上記のようにして、基材層11上にプリズム部13、13、…および光吸収部14、14、…を形成することによって光学機能シート10を得ることができる。
従来の光学機能シートは、複数のシートを積層した後に平削りする工程などを経て製造されていたが、本発明の光学機能シートは、上記のように金型を用いて作製することができるため、高精度に量産することが容易である。
また、本発明の光学機能シートは、適当な大きさに切断したものを製品とすることも可能であるが、長い帯状のままロール状に巻回したものを製品とすることも可能である。したがって、本発明の光学機能シートを用いれば、本発明の光学機能シートからなる層(以下、「光学機能シート層」ということがある。)を含む光学シートを得る場合に、ロール状に巻回された光学機能シートと、ロール状に巻回された他のシートとを、互いに引き出しながら積層してから適当な大きさに切断することによって、様々な大きさの光学シートを量産することが容易になる。
2.光学シート
次に、本発明の光学シートについて説明する。
次に、本発明の光学シートについて説明する。
本発明の光学シートは、入射した光を制御して観察者側に透過する複数の層を有するシート状の部材であって、少なくとも光学機能シート層を含む。よって、上記のように、本発明の光学シートが映像光源の観察者側に備えられれば、映像光のコントラストを向上させることができる。
本発明の光学シートは、少なくとも光学機能シート層を有しており、用途に応じてその他の様々な機能を有する層が備えられる。本発明の光学シートに備えられ得るその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波シールド層、波長フィルタ層、防眩層、反射防止層、ハードコート層などを、接着層(粘着層)を用いて貼合することで構成することができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
電磁波シールド層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えばエッチング方式、印刷方式、蒸着方式、スパッタ方式で形成されるものを挙げることができ、遮断すべき電磁波により適宜設計される。
波長フィルタ層は、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する層である。フィルタリングされるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、プラズマディスプレイパネル(PDP)から出射されるネオン線をカットしたり、赤外線、近赤外線や紫外線をカットしたりする層を挙げることができる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
接着層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてアクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、色素の劣化を防止するために、紫外線を吸収する効果のあるUV吸収剤(ベンゾトリアゾール系など)を粘着剤に含めることが望ましい。また、接着層にはUV吸収剤、近赤外吸収剤、Neカット吸収剤(ネオン線を吸収するもの)、および調色色素などを粘着剤に含める場合もある。
3.映像表示装置
次に、本発明の映像表示装置について説明する。図5は、一つの実施形態にかかる本発明の映像表示装置の断面の一部を概略的に示した図である。図5は、本発明の光学シート100がPDP2の映像光出射側に配置され、該PDP2及び光学シート100がプラズマテレビ1に備えられた場面において、該PDP2及び光学シート100の配置を説明する模式図である。図5では紙面右が観察者側である。なお、図5では、接着層20と、光学機能シート層10(基材層11、及び光学機能層12)と、接着層21と、一方の面側に波長フィルタ層22が形成され、他方の面側に反射防止層24が形成された基材層23とを備えた光学シート100を例示しているが、通常、光学シートには上記したその他の層も適宜備えられている。
次に、本発明の映像表示装置について説明する。図5は、一つの実施形態にかかる本発明の映像表示装置の断面の一部を概略的に示した図である。図5は、本発明の光学シート100がPDP2の映像光出射側に配置され、該PDP2及び光学シート100がプラズマテレビ1に備えられた場面において、該PDP2及び光学シート100の配置を説明する模式図である。図5では紙面右が観察者側である。なお、図5では、接着層20と、光学機能シート層10(基材層11、及び光学機能層12)と、接着層21と、一方の面側に波長フィルタ層22が形成され、他方の面側に反射防止層24が形成された基材層23とを備えた光学シート100を例示しているが、通常、光学シートには上記したその他の層も適宜備えられている。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に説明する手順で、実施例1〜3及び比較例1、2にかかる光学機能シートを作製した。表1に、実施例1〜3及び比較例1、2にかかる光学機能シートの作製条件を示した。表1において、W、T、BS−U、BS−B、θはそれぞれ図6(a)及び図6(b)に示した寸法を意味している。図6(a)は、実施例及び比較例にかかる光学機能シートを作製する際に用いたバイトの寸法を説明する図であり、図4と同様の図である。また、図6(b)は、実施例及び比較例にかかる光学機能シートの光吸収部の寸法を説明する図であり、図2(a)と同様の図である。すなわち、Wは以下に説明する金型の作製に用いたダイヤモンドバイトの先端幅、Tは該ダイヤモンドバイトのテーパー角(図4のθ3、θ4に相当)、BS−Uは光吸収部の基材層とは反対側の幅、BS−Bは光吸収部の底(基材層側)の幅、θは光吸収部の底において、光吸収部とプリズム部との界面がシート面に平行な面となす角を意味している。
(金型作製)
表面に硬質銅メッキを施した鋼製の円柱状体を用意し、表1に示した条件のダイヤモンドバイトで該円柱状体の外周面に、円周方向に沿って溝を切削した。当該溝は58μmピッチで複数設け、各溝の深さは円周方向一周に亘って一定であり、105μmとした。円柱状体の外周面に溝を切削後、表面にCrメッキを施し、ロール状の金型を作製した。なお、当該メッキの厚さは、平均0.5μmにした。
表面に硬質銅メッキを施した鋼製の円柱状体を用意し、表1に示した条件のダイヤモンドバイトで該円柱状体の外周面に、円周方向に沿って溝を切削した。当該溝は58μmピッチで複数設け、各溝の深さは円周方向一周に亘って一定であり、105μmとした。円柱状体の外周面に溝を切削後、表面にCrメッキを施し、ロール状の金型を作製した。なお、当該メッキの厚さは、平均0.5μmにした。
(プリズム部形成)
上記金型とニップロールとの間に、基材層となるPETフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚み100μm)を送り込みながら、プリズム部構成組成物を金型とPETフィルムとの間に供給した。金型およびニップロール間の押圧力により、当該プリズム部構成組成物をPETフィルム上に貼り合わせ、PETフィルム側からDバルブ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製)により3J/cm2の紫外線を照射して、プリズム部構成組成物の硬化物からなるプリズム部を、基材層上に形成した。
上記金型とニップロールとの間に、基材層となるPETフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚み100μm)を送り込みながら、プリズム部構成組成物を金型とPETフィルムとの間に供給した。金型およびニップロール間の押圧力により、当該プリズム部構成組成物をPETフィルム上に貼り合わせ、PETフィルム側からDバルブ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製)により3J/cm2の紫外線を照射して、プリズム部構成組成物の硬化物からなるプリズム部を、基材層上に形成した。
(光吸収部形成)
上記のようにしてプリズム部を形成した後、プリズム部上に、光吸収部構成組成物を供給した。その後、ドクターブレードを用いて、プリズム部間の凹部に光吸収部構成組成物を充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落として、該凹部に残った光吸収部構成組成物に紫外線を照射して硬化させ、プリズム部間の凹部に光吸収部を形成した。形成された光吸収部の断面を観察すると、図6(b)に示した各寸法は、表1に示した通りであった。また、光吸収部の上部(基材層が備えられる側の反対側の面)には、深さ2〜3μmの凹部が形成されていた。
上記のようにしてプリズム部を形成した後、プリズム部上に、光吸収部構成組成物を供給した。その後、ドクターブレードを用いて、プリズム部間の凹部に光吸収部構成組成物を充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落として、該凹部に残った光吸収部構成組成物に紫外線を照射して硬化させ、プリズム部間の凹部に光吸収部を形成した。形成された光吸収部の断面を観察すると、図6(b)に示した各寸法は、表1に示した通りであった。また、光吸収部の上部(基材層が備えられる側の反対側の面)には、深さ2〜3μmの凹部が形成されていた。
<コントラスト測定>
上記実施例および比較例にかかる光学機能シートの基材層が備えられる側とは反対側に、透明な接着層を介してPETフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚み100μm)で熱ラミネートしたシートを作製した。さらに、プラズマディスプレイパネル(2007年パナソニック社製 TH−50PZ700SK)のパネル表面に、プリズム部の稜線の方向(長手方向)を横方向とし、透明な接着層を熱ラミネートした側を観察者側として上記シートを実装し、明室コントラスト測定を行った。また、周囲の明るさは、パネル中央部において、照度を570〜580ルクスとした。パネル表面と輝度計(MINOLTA LS−110)との距離は2mとした。測定結果を表1に示した。表1中の「白輝度」は、株式会社ケンウッド製パターンジェネレーション(CG−935N)を使用してWHITE表示としたときのパネル中央部の輝度を測定した値であり、「黒輝度」は、CROSS HATCH表示としたときのパネル中央部の黒表示部の輝度を測定した値である。なお、「白輝度」は、実施例1の場合を100とした相対的な値を記載している。また、表1において「コントラスト(白輝度/黒輝度)」とは、白輝度の値を黒輝度の値で除したものであり、この値が高いほどコントラストが高いといえる。また、表1において「コントラスト(目視評価)」とは、コントラストを目視で評価した結果である。当該評価において、黒表示部が大きく沈んで見えた場合を「◎」、黒表示部が沈んで見えた場合を「○」、黒表示部が少々白っぽく見えた場合を「△」、黒表示部が白っぽく見えた場合を「▲」とした。
上記実施例および比較例にかかる光学機能シートの基材層が備えられる側とは反対側に、透明な接着層を介してPETフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚み100μm)で熱ラミネートしたシートを作製した。さらに、プラズマディスプレイパネル(2007年パナソニック社製 TH−50PZ700SK)のパネル表面に、プリズム部の稜線の方向(長手方向)を横方向とし、透明な接着層を熱ラミネートした側を観察者側として上記シートを実装し、明室コントラスト測定を行った。また、周囲の明るさは、パネル中央部において、照度を570〜580ルクスとした。パネル表面と輝度計(MINOLTA LS−110)との距離は2mとした。測定結果を表1に示した。表1中の「白輝度」は、株式会社ケンウッド製パターンジェネレーション(CG−935N)を使用してWHITE表示としたときのパネル中央部の輝度を測定した値であり、「黒輝度」は、CROSS HATCH表示としたときのパネル中央部の黒表示部の輝度を測定した値である。なお、「白輝度」は、実施例1の場合を100とした相対的な値を記載している。また、表1において「コントラスト(白輝度/黒輝度)」とは、白輝度の値を黒輝度の値で除したものであり、この値が高いほどコントラストが高いといえる。また、表1において「コントラスト(目視評価)」とは、コントラストを目視で評価した結果である。当該評価において、黒表示部が大きく沈んで見えた場合を「◎」、黒表示部が沈んで見えた場合を「○」、黒表示部が少々白っぽく見えた場合を「△」、黒表示部が白っぽく見えた場合を「▲」とした。
表1に示した結果より、光吸収部を略矩形断面を有する形状とすることによって、映像光のコントラストを向上させられることがわかった。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学機能シート、光学シート及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 プラズマテレビ(映像表示装置)
2 プラズマディスプレイパネル(PDP)
10 光学機能シート
11 基材層
12 光学機能層
13 プリズム部
14 光吸収部
14a 凹部
15 バインダ部
16 光吸収粒子
20 接着層
21 接着層
22 波長フィルタ層
23 基材層
24 反射防止層
100 光学シート
2 プラズマディスプレイパネル(PDP)
10 光学機能シート
11 基材層
12 光学機能層
13 プリズム部
14 光吸収部
14a 凹部
15 バインダ部
16 光吸収粒子
20 接着層
21 接着層
22 波長フィルタ層
23 基材層
24 反射防止層
100 光学シート
Claims (4)
- 基材層と、該基材層の一方の面側に形成された光学機能層とを有する光学機能シートであって、
前記光学機能層が、光を透過可能に形成される光透過部と、光を吸収可能に形成される光吸収部とを有し、
前記光透過部が、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、前記光透過部間に、長手方向に直交する方向の断面が略矩形である凹部が形成されており、
前記光吸収部が、前記光透過部間に形成された前記凹部に形成されていることを特徴とする光学機能シート。 - 前記光吸収部が、厚さ方向の断面において、前記基材層が備えられる側とは反対側の面に凹部を有することを特徴とする、請求項1に記載の光学機能シート。
- 入射した光を制御して観察者側に透過する複数の層を有する光学シートであって、
少なくとも請求項1または2に記載の光学機能シートからなる層を含むことを特徴とする光学シート。 - 請求項3に記載の光学シートと、プラズマディスプレイパネルとを備えることを特徴とする映像表示装置。
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JP2011084772A JP2011232745A (ja) | 2010-04-07 | 2011-04-06 | 光学機能シート、光学シート及び映像表示装置 |
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Cited By (1)
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2009524080A (ja) * | 2006-01-12 | 2009-06-25 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 光コリメーティングフィルム |
JP2009198749A (ja) * | 2008-02-21 | 2009-09-03 | Toray Ind Inc | 光線制御部材 |
-
2011
- 2011-04-06 JP JP2011084772A patent/JP2011232745A/ja active Pending
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