JPH07146403A - 視野選択フィルムもしくはシート、その製造方法及び積層板 - Google Patents

視野選択フィルムもしくはシート、その製造方法及び積層板

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JPH07146403A
JPH07146403A JP3122794A JP3122794A JPH07146403A JP H07146403 A JPH07146403 A JP H07146403A JP 3122794 A JP3122794 A JP 3122794A JP 3122794 A JP3122794 A JP 3122794A JP H07146403 A JPH07146403 A JP H07146403A
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JP
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film
craze
sheet
light
parallel
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JP3122794A
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English (en)
Inventor
Akihisa Miura
明久 三浦
Yasumasa Okada
安正 岡田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に製造され得、視野選択性が良好で、且
つ透過してみる対面の景色が鮮明に見える視野選択フィ
ルムもしくはシートの提供。 【構成】 一方向に配向し、かつ分子配向方向と平行に
クレイズCが生じているフィルムもしくはシートAであ
って、垂直入射光の平行光線透過率が50%以上であ
り、30°斜め入射光の平行光線透過率が5%以下であ
ることを特徴とする視野選択フィルムもしくはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ある一定範囲方向に
は光を通すが、その他の方向には光を通さないという視
野選択性を有するフィルムもしくはシート、その製造方
法及び該フィルムもしくはシートを用いた積層板に関
し、パソコン等のディスプレイ;自動車、飛行機等の
窓;および計器類等に使用し、可視の範囲を限定する用
途で使用に供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の視野選択フィルムとし
て、例えば特開昭63−190683号公報または特開
昭63−309902号公報の技術がある。
【0003】前者は、保護塗膜を有する可撓性のルーバ
ー付きプラスチックとその製造法に係り、不透明領域と
透明領域を一定厚みで交互に積層し、所望の厚さになっ
た処で積層方向に対して垂直方向にフィルム状にスライ
スしてルーバー付きプラスチックを作るという技術内容
が示されている。図10はこのようにして得られたフィ
ルムであり、31は不透明領域(黒色体)、32は透明
領域(光透過帯)、33は保護層である。図11はこの
フィルムの断面図(保護層は図示せず)であるが、矢印
L1のように積層方向に平行な光は透過するが、矢印L
2のように積層方向に対して斜めに入射する光は遮光す
る。すなわち、垂直方向の入射光はこれを透過させるこ
とができるが、特定角度以上の光は、不透明領域が一種
のブラインドとして働くので遮光されて透過することが
できないという視野選択性フィルムが得られる。
【0004】また、後者の技術は、紫外線硬化樹脂を一
定方向から照射し光硬化させると、特定の入射角度の光
を選択的に散乱させることかできるという性質を利用し
た視野選択性フィルムであって、紫外線照射を斜め方向
から行い、場合によっては更に硬化樹脂を塗布、別方向
から硬化積層させることで、2種以上の角度の光を選択
的に散乱することも可能であると記述されている。図1
2はこのようにして得られたフィルムであり、34は紫
外線硬化層、矢印X1は紫外線硬化樹脂硬化方向、Pは
紫外線硬化層ピッチである。この場合は、紫外線硬化層
ピッチPは、例えば10μm程度となっており、紫外線
硬化層34の層間隔が小さく、また、層界面が荒れてい
るため、矢印L3のように紫外線硬化層34と平行方向
の光は乱反射され、最終的に散乱光となり、遮光され、
一方、矢印L4のように紫外線硬化層34に対してある
角度以上の斜め方向の光は、層界面の荒れの影響が少な
くなり透過する。また、上記技術で得られた視野選択性
フィルムを透明プラスチック板またはガラス板に積層さ
せた視野選択機能を有する積層板も提案されている(実
開昭64−11723号公報)。
【0005】そして、さらに、’93繊維学会(繊維学
会予稿集,S−2(1993))および’92高分子学
会(第41回高分子学会年次大会予稿集,41巻4号,
1594(1992))において、垂直入射光の平行光
線透過率が45%,30°斜め入射光の平行光線透過率
が6%である、クレイズ処理されたフィルム(以下、ク
レイズ処理されたフィルムのことを、「クレイズドフィ
ルム」という)が発表されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した特
開昭63−190683号公報に示される技術は、不透
明領域と透明領域とを一定厚みで積層し、所定の大きさ
になったところでフィルム状にスライスして製造してい
る。しかも積層した後、別工程で所望のフィルムにする
ため、工程が複雑になりコストが非常に高くなるという
問題がある。
【0007】また、特開昭63−309902号公報に
示される技術は、反射、散乱による斜め入射光の遮光で
あるので、完全には光を遮光することができない。本発
明者が紫外線硬化樹脂を試作して実験したところ最大透
過光量約60%(対全光線)に対し最小透過光は約20
%で遮光性は低く満足できるものではないことが分かっ
た。さらに、この方法では、紫外線硬化を使用するが、
汎用の紫外線硬化樹脂では平行な層を10μmオーダー
のピッチで作製することは不可能であり、マスクした
り、レーザーを使用しても作製できず、特殊なタイプの
紫外線硬化樹脂を使用する必要がありコストが高くな
る。また、紫外線硬化のための時間が必要であり、例え
ばA4版サイズの作製に4分以上を必要とし、このた
め、製造ラインでの生産には不向きである。
【0008】さらに、上述の学会で発表されたクレイズ
ドフィルムでは、垂直入射光の平行光線透過率が45%
と低く、光学用途には使用しにくい。45%では透過し
て見る対面の景色がほとんどぼやけてしまうため、自動
車等のウィンドガラスには使用できず実用には供し得な
い。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、容易に製造され得、視
野選択性が良好で、且つ透過してみる対面の景色が鮮明
に見える視野選択フィルムもしくはシート、その製造方
法および積層板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明1の視野選択フィ
ルムもしくはシートは、一方向に配向し、かつ分子配向
方向と平行にクレイズが生じているフィルムもしくはシ
ートであって、垂直入射光の平行光線透過率が50%以
上であり、30°斜め入射光の平行光線透過率が5%以
下であることを特徴とする。本発明2の視野選択フィル
ムもしくはシートは、本発明1におけるクレイズの空間
内に光吸収性物質を有していることを特徴とする。本発
明3の視野選択フィルムもしくはシートは、一方向に配
向し、かつ分子配向方向と平行にクレイズが生じている
フィルムもしくはシートであって、該クレイズの内壁が
黒色化されていることを特徴とする。本発明4の積層板
は、本発明1〜3のいずれか1つの視野選択フィルムも
しくはシートに透明板が積層されてなる積層板である。
本発明5の視野選択フィルムもしくはシートの製造方法
は、フィルムもしくはシートの片面または両面の分子配
向方向と平行方向に一以上の合成樹脂製の刃を接触させ
て、分子配向方向と平行にクレイズを形成するようにし
たことを特徴とする。
【0011】本発明1〜5で使用されるフィルムもしく
はシートの材質としては、一方向に配向できクレイズを
生じさせることが可能で有れば、結晶性樹脂,非晶性樹
脂を問わない。例えば、PVDF(ポリふっ化ビニルデ
ン:-(CH2 −CF2)- n )、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリふっ化ビニル、ポリ3ふっ化エチレ
ン、ポリ4ふっ化エチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−m−フェニ
レンイソフタルアミド、ポリ−3,3−ビスクロロメチ
ルオキシシクロブタンが挙げられる。また、これらの樹
脂に他の樹脂を混合してもよい。特に、好適な材質とし
てはPVDFが挙げられる。
【0012】まず、本発明5の視野選択フィルムもしく
はシートの製造方法を説明する。本発明に係る視野選択
フィルムもしくはシートのクレイズ形成につき図1に示
す模式図を参考にして詳述する。
【0013】Aは、上記のPVDF等のフィルムもしく
はシート、BはクレイズC発生のための刃を示す。クレ
イズCは、フィルムまたはシートAに延伸直交方向にテ
ンションをかけながら、この延伸方向と平行に刃Bを接
触させ、かつ角度θを保持させて刃Bの当たる面と反対
側の面に発生する引張応力によって形成される。
【0014】したがって、クレイズCを発生させるため
には、 a)一定量以上の張力 b)一定角度以上のフィルム曲げ角θ が、必要であり、以下にクレイズC発生のメカニズムを
示す。
【0015】まず、PVDF等のフィルムもしくはシー
トを一軸延伸し、フィルムA内に応力を残留させる。こ
の応力の大きさは、屈折率異方性すなわち複屈折位相差
で表すことができるが、フィルム厚さに対し6nm/μ
m(λ=589nm測定)以上の残留応力が必要であ
る。6nm/μm(λ=589nm測定)未満の残留応
力の場合、クレイズを処理方向に対して直行方向に規則
正しく形成することができない。
【0016】つぎに、延伸直交方向にテンションをかけ
ながら、鋭角な刃Bを延伸方向に平行に接触させる。こ
のときフィルムAは刃Bとの接触点を支点として180
°より小さな角度θを保持する。好ましくは、90°以
下が良い。これはフィルムA外面に応力を発生させるた
めで、フィルムAを曲げること無しにはクレイズCを発
生させることはできない。
【0017】次に、刃BあるいはフィルムAのどちらか
一方を、上記状態を保持しながら延伸直交方向に一定速
度で進行させる。
【0018】この処理により、フィルムAに延伸方向す
なわち分子配向方向に一定量のクレイズを形成できる。
【0019】本発明5において、上記の刃Bの材質は、
合成樹脂製のものに限定される。従来、ステンレス製の
刃が提案されているが、ステンレスより銅や真鋳等の硬
度の低い金属が良く、合成樹脂製のものが更に良い。合
成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂やポ
リカーボネート(PC)等の熱可塑性プラスチックが良
い。合成樹脂を使用すると、処理中に図2に示すように
ゴミDがフイルムAと刃Bの間に挟まったり、フィルム
Aに凹凸があったりした場合も金属性の刃に比べ、樹脂
の柔軟性により、フィルムAを傷つけること無く処理す
ることが可能である。金属刃を使用すると、ゴミDが挟
まった場合、取れずにそのまま引きずるために筋状の傷
が処理方向(機械送り方向)に残ることになる。この傷
は外観不良であるばかりでなく、入射光の散乱の起点の
一つになるため全体の透過光量のダウンになる。ライン
で生産する場合、処理機を停止させねばならず、稼働率
のダウンの他、長尺物(巻き物)で出荷する場合、補修
後最初からまた巻き始めなければならず多量の不良品を
出すことになる。
【0020】また同様に、合成樹脂刃は刃先のレベリン
グがステンレスと同等の場合、その柔軟性によりステン
レスより均等にフィルムに刃を当てることが可能であ
る。ステンレスでは刃先が多少でもくぼんでいるとフィ
ルムに当たらなくなってしまう。仮に当たるようにフィ
ルムにより高いテンションをかけると、先にフィルムに
当たっていた刃先の高い部分が傷となって残り、問題が
生じる。合成樹脂刃と金属刃で同条件で処理すると、金
属刃を使用した場合の方がフィルムの傷は多く透過率も
10%以上低下する。以上の理由で、従来知られていた
ステンレスの刃は、望ましくない。
【0021】また、刃を用いたクレイズ形成において、
片面処理では、100μm以下の薄い膜厚のフィルムで
あれば処理できる。望ましくは25μm以下である。膜
厚が100μmを超えた厚いフィルムでは、クレイズが
貫通しない。高いテンションをかけて無理矢理貫通させ
ようとするとフィルム表面に細かい擦り傷が発生する。
この傷は透過光量を著しく低下させディスプレイ等には
使用できなくなる。
【0022】また片面処理したフィルムAは図3の断面
のようにクレイズCが向かってくる面、すなわち刃Bの
当たる面のクレイズCの開口度が小さく或は無く、例え
ば、カーボン等の顔料E等を挿入する際、十分、中まで
顔料Eが入りにくい。このため斜め入射光に対する遮光
性が不十分になりやすい。図3はクレイズが貫通してい
るが、50μm厚フィルムでは貫通しない場合の方が多
い、開口していないと顔料はほとんど入らないといって
もよい。
【0023】また、図4に示すように刃を2本設置し、
フィルムまたはシートAの両面にそれぞれ刃B,Bを接
触させる処理方法によると、より良好なクレイズCを得
やすい。この場合は、一本目の刃BでクレイズCを対向
表面付近まで進展或は貫通させ、2本目の刃で対向表面
の開口度の拡大を図る。この処理方法で行うと、一本刃
での処理に比べ低い張力で処理ができる。このためフィ
ルム表面に傷がつきにくくなり、垂直入射光の平行光線
透過光量が増加する。また、刃の両面処理で開口の大き
いクレイズが形成できるフィルムとなるため顔料等が挿
入し易く、また均一に挿入できるので遮光性も向上す
る。
【0024】ところで、クレイズは放置しておくと、非
クレイズ部の圧縮、応力緩和による回復のため開口度が
小さくなる(閉じる)性質があるので、開口度の高いフ
ィルムを成形すれば、クレイズに充填する顔料の量を制
御することで長期的なクレイズ幅を制御することができ
る。開口度が小さいと挿入できる顔料の量も制約される
ので、長期的なクレイズ幅の制御範囲も小さくなる。こ
の点からもクレイズ開口度を大きくできる2枚刃処理は
有効である。膜厚が大きい場合は、3枚以上でもよい。
クレイズの開口を保持する方法として、開口したところ
で加熱し、非クレイズ部の圧縮応力を除去する方法があ
る。ただし、この方法では、クレイズの規則性を乱す可
能性はある。
【0025】以下、本発明1〜4について説明する。
【0026】本発明1の視野選択フィルムもしくはシー
トは、垂直入射光の平行光線透過率が50%以上であ
り、30°斜め入射光の平行光線透過率が5%以下であ
るものに限定される。これは、正面方向はクリヤー、斜
め方向は遮光することが要求されるからであり、垂直入
射光の平行光線透過率が50%未満になると、フィルム
を透かして対向する景色を見た場合、かすんだ感じにな
り、ディスプレーや自動車の窓等には使用できない。ま
た、30°斜め入射光の平行光線透過率が5%を超える
と、対向景色の判別が可能になり、遮光が不十分とな
る。
【0027】次に、PVDFからなる視野選択フィルム
もしくはシートの場合を例にして、垂直入射光の平行光
線透過率の望ましい上限を求めてみる。一般に、遮光性
良好なクレイズドフィルムを作成した場合、クレイズが
閉じたとしてもフィルム面積(面内方向)に対するクレ
イズ領域の割合は垂直入射光で15%以上になる。この
数値は、次の方法で求めた。クレイズドフィルムに垂直
入射光を透過させ、透過側から顕微鏡で観察した画像を
デジタル処理する。クレイズ領域の黒色画像とクレイズ
の無い部分の白色画像を2値化し、全面積から黒色のク
レイズ領域の割合を求めた。クレイズ領域に入射したほ
とんどの光が散乱し、あるいは顔料等による吸収により
透過しない。そこで、クレイズのないPVDFフィルム
の透過率が、フィルムの厚みが50μmの場合、89%
前後であることから計算すると、 89%(透過率)×(100−15)%(面積比の透過
率)=75% となり、PVDFからなるクレイズドフィルムの垂直入
射光の平行光線透過率は最大でも75%となる。もし仮
に75%を超えるように、低張力等でクレイズの進展が
不十分になるように成形したものでは、先に述べたよう
に、斜め入射光が遮光できなくなる。すなわち視野選択
性が消失するので、本発明の目的を達成できなくなる。
したがってPVDFの場合は、垂直入射光の平行光線透
過率は最大でも75%であるものが望ましい。
【0028】本発明2の視野選択フィルムもしくはシー
トは、本発明1におけるクレイズの空間内に光吸収性物
質を有していることを特徴とする。光吸収性物質として
は、黒色顔料が望ましいが他の色でも良い。好適な材料
としてはブラックカーボンやアニリンブラック等が挙げ
られる。また、クレイズの空間内に充填する物質は、光
散乱体でも良好な遮光性を得ることができる。白色顔料
(酸化亜鉛,二酸化チタン,炭酸カルシウム他)や金属
粉(アルミニウム粉,銅−亜鉛混合粉他)であっても良
い。紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂であってもそれ自体
着色しており遮光するものであれば良い。この場合、封
入可能でクレイズドフィルムを侵さないものであれば液
体やゾル、ゲルであってもよい。
【0029】上記の顔料を充填する方法としては、例え
ば、ブラックカーボンの場合、ブラックカーボンをポリ
ビニルアルコールと界面活性剤で分散させた水分散液
を、クレイズドフィルムに塗布し、オーブン等で乾燥し
た後、拭き取る方法が挙げられる。また、溶液を塗布す
る場合は、クレイズドフィルムをそのまま溶液に浸漬す
るだけでも良いが、クレイズを広げるように張力を加え
押し込むように塗ればより充填される。
【0030】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トは、一方向に配向し、かつ分子配向方向と平行にクレ
イズが生じているフィルムもしくはシートであって、該
クレイズの内壁が黒色化されていることを特徴とする。
【0031】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トは、クレイズの内壁面が黒色なので光を吸収する。斜
め入射光は黒色化されていないクレイズドフィルムに比
べより多く吸収され、目に入りにくくなり、相対的にフ
ィルムを透過する光は垂直入射平行光線の割合が多くな
り、垂直入射光の平行光線透過率が同じであっても、黒
色化クレイズドフィルムの方が視認性を向上させること
ができる。従って、本発明3の視野選択フィルムもしく
はシートは、視野選択性が良好で、且つ透過してみる対
面の景色が鮮明に見える。
【0032】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トのクレイズ処理は、本発明5と同様にして行われたも
のである。
【0033】クレイズドフィルムを黒色化する方法とし
ては、例えば、化学的処理が挙げられる。クレイズは応
力による亀裂であり、いわば局所的破壊現象にあたる。
そのため、破壊表面すなわちクレイズ内壁は粗面状態
で、フィルム表面に比べ化学的な処理によって黒色化を
受けやすい状態になっている。化学的な処理方法として
は、種々の薬剤処理が考えられるが、最適な薬剤はフィ
ルムの材質によって変わり得る。一般的には、アルカリ
や酸による処理が選ばれる。
【0034】フィルムがPVDFの場合、黒色化する方
法としてアルカリ溶液が使用される。具体的には、例え
ば、水酸化ナトリウムとテトラブチルアンモニウムクロ
ライド(N(C4 9 4 Cl)の混合水溶液を挙げる
ことができる。また、テトラブチルアンモニウムクロラ
イドとの混合水溶液の場合、水酸化ナトリウムの代わり
に水酸化カリウムや水酸化リチウム等でも良く、その他
の物質でもアルカリ水溶液を生成するものであれば、何
でも良い。PHは高い程黒色化し易く、10以上が望ま
しい。また、水溶液でなくてもよく、イソプロピルアル
コールのようにOH基を有する溶媒に、水酸化カリウム
等を溶解したものでも良い。
【0035】これらの溶液のいずれかを使用して、PV
DFクレイズドフィルムに塗布すると、PVDFのふっ
素と水素がOH基により脱離してカーボンの2重結合化
が促進される。この結果、PVDFのこれらの溶液が塗
布された部分は黒色化する。塗布の直後、ローラーや布
等を用いて溶液を拭き取ると溶液は十分フィルムに浸透
していないので、拭き取った時点で黒色化は終了する。
これを利用してフィルムを溶液中に浸漬する等の処理に
て全表面(クレイズ内を含む)に溶液を塗布した後、フ
ィルムの表面のみローラーや布等を用いて溶液を除去す
る。フィルム表面の黒色化は拭き取られた時点で終了す
るが、クレイズ内の溶液はローラーや布等の拭き取り作
業では除去出来ずに残る。この結果、クレイズ内の黒色
化のみ進行し、結果的にクレイズ内壁面が黒色化され
る。クレイズ内壁面の黒色化に要する時間は、約5〜1
5分程度である。
【0036】また、上記の黒色化処理を、クレイズ処理
に続けて生産ラインの中に組み込んで行うには、図5に
示すような装置で行うことができる。図5において、1
0はクレイズ処理されるフィルムであり、巻出機11か
ら供給されるフィルム原反を処理刃12にて擦った後、
黒色化処理溶液溜13に搬送し処理液14に接触させ、
該溶液溜13を出たところで拭き取りローラー15等で
フィルム表面に付着した処理液を拭き取った後、巻取機
16にてフィルム10を巻き取る。巻き取られたフィル
ムの表面には処理液はないが、クレイズ内には残り黒色
化が進行する。ある程度の時間の経過後クレイズ内壁面
は黒色化する。
【0037】次に、黒色化により視認性が向上するメカ
ニズムについて詳細に説明する。図6は黒色化処理され
ていないクレイズドフィルムであり、クレイズ21内壁
面は粗面で、斜め入射平行光線22はクレイズ内壁面で
の散乱により遮光されている。このため、クレイズドフ
ィルムを透かして向こう側を目視する場合、目の中に入
る光は垂直入射平行透過光線23のみならず、斜め入射
平行光線22の拡散透過光24やクレイズドフィルムの
手前側の斜め入射平行光線25がクレイズ21で散乱さ
れた拡散反射光26も含んだ状態になる。この結果、ク
レイズドフィルムを透して見た向こう側の景色は、白け
て見え、ぼんやりした感じになる。
【0038】これに対し、黒色化クレイズドフィルムは
クレイズ壁面が黒色なので光を吸収する。斜め入射平行
光線22は黒色化処理無しのクレイズドフィルムに比べ
より多く吸収され、目に入りにくくなる。相対的にフィ
ルムを透過する光は垂直入射平行光線の割合が多くな
り、垂直入射光の平行光線透過率が同じ値であっても黒
色化クレイズドフィルムの方が視認性を向上させること
ができる。
【0039】また、本発明3の視野選択フィルムもしく
はシートは、クレイズ内壁表面のみが黒色化されている
ので、膜の垂直入射光の平行光線透過率の低下が少ない
点が長所である。顔料や染料にて内壁に着色した場合、
それ自体の厚みにより、(遮光性は確保できるものの)
垂直入射平行光線の吸収も起きてしまう。その結果、垂
直入射光の平行光線透過率の低下につながるが、本発明
は内壁表面だけで、黒色部分の厚みが殆どなく上記の不
備は起こらない。
【0040】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トの光学特性は、垂直入射光の平行光線透過率は30%
以上、ヘーズ率は50%以下であるものが好ましい。例
えば、通常市販されている偏光板等は垂直入射光の平行
光線透過率が30%程度であるが、これはフィルムを透
かして向こう側を見た場合不快に思わないギリギリの透
過光量である。これ以下の透過光量になると対面景色が
良く見えにくくなり、不快である。光学フィルムとして
は、望ましくない。また、ヘーズ率が50%を超える
と、たとえ垂直入射光の平行光線透過率が40%以上あ
ったとしても対面景色はぼやけてしまい、見えにくくな
り不快である。
【0041】上記のヘーズ率の計算は以下の通りであ
る。 ヘーズ率=(拡散透過率)/(全光線透過率) ただし、拡散透過率=全光線透過率−垂直入射光の平行
光線透過率 すなわち、ヘーズ率は、対面景色の「ぼやけの度合い」
を表している。ヘーズ率は大きいほどぼやけ感は強い。
【0042】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トのクレイズの深さは、貫通していることが望ましい
が、必ずしも貫通する必要はない。クレイズの幅や長さ
はそれ独自では規定されない。しかし、表面積(端面や
クレイズ内壁面を含まない)に占めるクレイズの面積
(便宜上、クレイズ占有率と呼ぶ)としては、制約があ
る。クレイズ占有率が大きくなるほど、垂直入射光の平
行光線透過率は低下する。これはクレイズに光が散乱さ
せられるためでクレイズ占有率が50%を超えていれ
ば、垂直入射光の平行光線透過率は50%以上にはなら
ない。前記の望ましい範囲である、垂直入射光の平行光
線透過率を30%以上にするためには、クレイズ占有率
は70%未満でなければならない。
【0043】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トの膜厚は、クレイズ処理のし易さの点から100μm
以下が好ましく、25μm以下が特に好ましい。本発明
3の視野選択フィルムもしくはシートの製造に使用する
原反フィルムには、一軸延伸したフィルムが使用される
が、その際の複屈折位相差で表した残留応力は、フィル
ム厚さに対し6nm/μm(λ=589nm測定)以上
必要である。6nm/μm(λ=589nm測定)未満
の残留応力の場合、クレイズを処理方向に対して直行方
向に規則正しく形成することができない。
【0044】本発明4の積層板は、本発明1〜3のいず
れか1つの視野選択フィルムもしくはシートに透明板が
積層されてなる積層板である。
【0045】本発明4の積層板は、上記の視野選択フィ
ルムもしくはシートに透明板が積層されてなるので、視
野選択機能を有する透明な板状体となる。
【0046】本発明4で使用される透明板としては、平
滑な表面で光線を透過するシートもしくはフィルムであ
れば、特に限定されず、例えば、透明なガラスやプラス
チックからなるものが挙げられる。
【0047】上記プラスチックとしては、例えば、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニー
ル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレート、アセチルセルロース、ポリアクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げら
れる。
【0048】ガラスを使用すれば、耐候性及び耐擦傷性
等が特に強くなり、プラスチックのフィルムを使用し
て、その厚みを20〜200μmにすれば、曲面にして
も利用可能でありその適用範囲が拡がる。また、プラス
チックのフィルムを使用しても、一般に耐候性及び耐擦
傷性等の物性を向上させることができる。
【0049】積層態様としては、視野選択フィルムもし
くはシートを、少なくとも2枚の透明板の間に挟み込む
態様、または1枚の透明板の少なくとも一つの表面に積
層する態様が挙げられる。
【0050】積層方法は、特に限定されず公知の方法が
採用され、例えば、接着剤を使用して直接接着させる方
法、視野選択フィルムもしくはシートと透明板との間に
ポリビニルブチラール膜を挟み込んで加熱・加圧成形す
る方法が挙げられる。
【0051】本発明4の積層板は、上記の視野選択フィ
ルムもしくはシートの表面に存在する僅かな凹凸による
光散乱が、透明板が積層されたことにより、抑えられる
という効果も有する。
【0052】
【作用】本発明1の視野選択フィルムもしくはシート
は、垂直入射光の平行光線透過率が50%以上であるの
で、透視効果は十分保持されると共に、フィルムまたは
シートの表面に形成されるクレイズによって、30度斜
め入射光の平行光線透過率が5%以下であるので、一種
のブラインド効果が奏せられ、有効な視野選択を可能と
することができる。
【0053】本発明2の視野選択フィルムもしくはシー
トは、クレイズの空間に設けられる光吸収性物質によ
り、斜め方向の入射光に対する遮光性を向上できる。
【0054】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トは、クレイズの内壁面が黒色なので光を吸収する。斜
め入射光は黒色化されていないクレイズドフィルムに比
べより多く吸収され、目に入りにくくなり、相対的にフ
ィルムを透過する光は垂直入射平行光線の割合が多くな
り、垂直入射光の平行光線透過率が同じであっても、黒
色化クレイズドフィルムの方が視認性を向上させること
ができ、視野選択性が良好で、且つ透過してみる対面の
景色が鮮明に見える。
【0055】本発明4の積層板は、視野選択フィルムも
しくはシートに透明板が積層されてなるので、視野選択
機能を有する透明な板状体となるとともに、透明板の材
質によって耐候性、耐擦傷性その他の物性が視野選択フ
ィルムもしくはシートの物性よりも改善されたものとな
り得る。また、上記の視野選択フィルムもしくはシート
の表面に存在する僅かな凹凸による光散乱が、透明板が
積層されたことにより、抑えられるという効果も有す
る。
【0056】本発明5の視野選択フィルムもしくはシー
トの製造方法は、クレイズを形成するための刃の構成を
合成樹脂としているので、製造中にゴミが挟まったり、
フィルムに凹凸があったりした場合でも、フィルムを傷
つけること無く製造することが可能である。また、合成
樹脂刃は刃先のレベリングがステンレスと同等の場合、
その柔軟性によりステンレスより均等にフィルムに刃を
当てることが可能である。さらに、フィルムまたはシー
トの片面のみならず、両面を二以上の刃で処理する場合
には、低いテンションでのクレイズ形成を可能とするの
みならず、シート状の比較的厚さの大きい材料のクレイ
ズ成形作業を有効に行うことができる。
【0057】
【実施例】図7に、クレイズ成形工程の一例を示す処理
外観図を示す。1はトルクモータを備えた原反フィルム
のロール装置、2および3は互いに原反ロール1より送
り出されるフィルムAを両面より接触させて図1,図
2,図3に示すクレイズCを発生させるための刃装置を
示し、それぞれ180°より小さいフィルム曲げ角
θ1 ,θ2 を保持させている。4はスピードモータを備
えるクレイズ成形後のクレイズ処理済フィルムロール装
置である。
【0058】上述の構成に基づいて、さらに具体的な例
示を以下に示す。 (実施例1) 原反:縦一軸延伸機にて2倍に延伸され、かつ残留応力
位相差(複屈折位相差8nm/μm)を有するポリふっ
化ビニリデン(PVDF) 刃の接触方向:フィルムの分子配向方向に対し平行方向 膜厚:50μm 幅:50mm 刃先端角:2刃共に30° 刃材質:PMMA 刃枚数:2枚 第1刃フィルム曲げ角:θ1 =90° 第2刃フィルム曲げ角:θ2 =90° 巻き取り速度:2mm/秒 トルクモーター張力:4Kgf 以上の条件で処理を行った。作製したフィルムの特性は
以下の通りであった。
【0059】垂直入射光の平行光線透過率:65.1% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.5% フィルム垂直方向からの視認性良好。フィルム後方20
mmの新聞文字の読解は可能であった。30°斜め入射
方向からの遮光性良好。この、30°斜め入射方向から
の遮光性試験(以下、「30°遮光性試験」とする)は
以下のようにして行った。図8に示すように、クレイズ
5を図に示した方向に有するフィルム6を、その後方の
新聞7に対して30°傾けた状態に置き、目8を新聞7
に対して垂直方向において、フィルム6の後方20mm
の位置の新聞の文字を見た(この試験のことを、以下、
「30°遮光性試験」と呼ぶ)。その結果、フィルム後
方20mmの新聞文字の読解は不可能であった。
【0060】(実施例2)原反を始めすべて実施例1と
同条件であるが、さらに充填剤としてブラックカーボン
を使用した。水中に、ブラックカーボン15重量%、ポ
リビニルアルコール3重量%、界面活性剤(第一工業製
薬社製、商品名:ノイゲンEA177)2重量%の割合
で分散させ、その溶液中に実施例1で作製したフィルム
を浸漬し、溶液から取り出した後、柔らかい布を使用し
こすりつけた。十分に顔料挿入作業を行った後、表面に
残っている顔料を拭き取った。作製したフィルムの特性
は以下の通りであった。
【0061】垂直入射光の平行光線透過率:62.4% 30°斜め入射光の平行光線透過率:0.4% フィルム垂直方向からの視認性良好。フィルム後方20
mmの新聞文字の読解は可能であった。30°斜め入射
方向からの遮光性良好。30°遮光性試験の結果、フィ
ルム後方20mmの新聞文字の読解は不可能であった。
【0062】つぎに、以上の二実施例と対比するために
以下に比較例を示す。 (比較例1)刃の接触方向を、フィルムの分子配向方向
に対し直交方向としたことの他は、実施例1と同条件で
クレイズ形成処理をした。得られたフィルムの特性は以
下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:71.4% 30°斜め入射光の平行光線透過率:68.3% フィルム垂直方向からの視認性良好。フィルム後方20
mmの新聞文字の読解は可能であった。30°斜め入射
方向からの遮光性不良。30°遮光性試験の結果、フィ
ルム後方20mmの新聞文字の読解は可能であった。従
って、遮光性は得られず、視野選択性フィルムとしては
使用できない。
【0063】(比較例2)刃材質を、SUS304とす
る以外、すべて実施例1と同条件で処理した。得られた
フィルムの特性は以下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:27.5% 30°斜め入射光の平行光線透過率:2.2% フィルム垂直方向からの視認性不良。フィルム後方20
mmの新聞文字の読解は不可能であった。30°斜め入
射方向からの遮光性良好。30°遮光性試験の結果、フ
ィルム後方20mmの新聞文字の読解は不可能であっ
た。
【0064】(実施例3) 原反:縦一軸延伸機にて2倍に延伸され、かつ残留応力
位相差(複屈折位相差8nm/μm)を有するポリふっ
化ビニリデン(PVDF) 刃の接触方向:フィルムの分子配向方向に対し平行方向 膜厚:50μm 幅:50mm 刃先端角:2刃共に30° 刃材質:PMMA 刃枚数:2枚 第1刃フィルム曲げ角:θ1 =80° 第2刃フィルム曲げ角:θ2 =80° 巻き取り速度:1mm/秒 トルクモーター張力:6.5Kgf 以上の条件で処理を行った。作製したフィルムの特性は
以下の通りであった。
【0065】フィルム垂直方向からの視認性不良。フィ
ルム後方20mmの新聞文字白濁。読解は困難。30°
斜め入射方向からの遮光性良好。30°遮光性試験の結
果、フィルム後方20mmの新聞文字の読解は不可能で
あった。 垂直入射光の平行光線透過率:40.3% 拡散透過率:56.8% ヘーズ率:58.5% 30°斜め入射光の平行光線透過率:3.5% このように、ヘーズ率が高く、フィルムを透過してみる
景色や図形は白濁し鮮明には見えなかった。
【0066】以上のようにして作製したフィルムを、
水:カセイソーダ:テトラブチルアンモニウムクロライ
ド=180:20:1(重量比)の割合で配合した溶液
に全面を20秒間浸漬した。取り出し後、直ちに表面の
溶液をタオルで拭き取った。光をフィルム表面に反射さ
せて溶液の拭き取り残しがないことを確認した後、室温
で10分間放置した。フィルムは徐々に黒色化するが、
完全に黒色化が終了した後、フィルムの光学特性を測定
した。結果は以下の通りであった。
【0067】フィルム垂直方向からの視認性良好。フィ
ルム後方20mmの新聞文字の読解は可能であった。3
0°斜め入射方向からの遮光性良好。30°遮光性試験
の結果、フィルム後方20mmの新聞文字の読解は不可
能であった。 垂直入射光の平行光線透過率:40.3% 拡散透過率:32.7% ヘーズ率:44.8% 30°斜め入射光の平行光線透過率:2.4% このように、ヘーズ率が低くなり、黒色化処理前に比
べ、フィルムを透過してみる景色や図形が見易くなっ
た。
【0068】(実施例4)実施例3において、フィルム
を、水、カセイソーダ及びテトラブチルアンモニウムク
ロライド配合溶液に20秒間浸漬したことの代わりに、
同溶液に30秒間浸漬したことの他は、実施例3と同様
にして黒色化処理フィルムを得た。得られたフィルムの
光学特性を測定した結果は以下の通りであった。フィル
ム垂直方向からの視認性良好。フィルム後方20mmの
新聞文字の読解は可能であった。30°斜め入射方向か
らの遮光性良好。30°遮光性試験の結果、フィルム後
方20mmの新聞文字の読解は不可能であった。 垂直入射光の平行光線透過率:37.5% 拡散透過率:15.6% ヘーズ率:29.3% 30°斜め入射光の平行光線透過率:1.2% このように、垂直入射光の平行光線透過率が低下した
が、ヘーズ率が更に低くなったため、実施例3で得られ
た黒色化フィルムに比べ、フィルムを透過してみる景色
や図形が見易くなった。
【0069】(実施例5)実施例1と同様にしてクレイ
ズ処理PVDFフィルムを得た。作製したフィルムの光
学特性は以下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:65.1% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.3%
【0070】図9(a)に示すように、上記のクレイズ
処理PVDFフィルムFを、2枚のガラス板Gの間に挟
み込んで積層板を作製した。なお、挟み込むときに、ポ
リビニルアルコール溶液を中間層として使用し、クレイ
ズ処理PVDFフィルム表面の凹凸を埋めるように光学
密着させた。上記の積層板作製の具体的手順は以下の通
りに行った。50mm×100mmの厚み2mmの2枚
のガラス板を用意し、それぞれの片側表面に30重量%
のポリビニルアルコール水溶液を薄く塗布した。50m
m×100mmのクレイズドフィルムに上記の塗布面が
接触するようにして、クレイズドフィルムを隙間のない
ように挟み込み、200gfの圧力で加圧成形した。
【0071】得られた積層板の光学特性は以下の通りで
あった。 垂直入射光の平行光線透過率:72.1% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.5% また、太陽の光が斜め方向から差し込む時間帯に、この
積層板を窓際において、外の景色を観察すると、前方の
景色は見えて、視界は良好であった。そして、この積層
板の視野選択効果により、直接、目に差し込む太陽光は
カットでき、眩しさはなかった。また、ポリビニルアル
コールを使用してガラス板で挟み込んだので、クレイズ
ドフィルム表面の凹凸が平になり、該表面での光散乱が
抑えられていることも確認できた。
【0072】(実施例6)実施例5と同様にして得られ
たクレイズドフィルムFを、実施例5と同じ手法で、図
6(b)に示すように、ガラス板Gの片側表面に貼りつ
けた。得られた積層板の光学特性は以下の通りであっ
た。 垂直入射光の平行光線透過率:68.3% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.4% 実施例5と比較すると、クレイズドフィルムの片側表面
はガラスの貼り合わせによる光散乱防止効果がないの
で、垂直入射光の平行光線透過率が僅かに小さくなる
が、目的は達成できた。
【0073】(実施例7)実施例5において積層に際し
て使用したポリビニルアルコールを、本実施例では使用
しなかった他は実施例5と同様にして積層板を作製し
た。得られた積層板の光学特性は以下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:70.1% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.9% 実施例5と比較すると、クレイズドフィルムの表面での
散乱のため垂直入射光の平行光線透過率は低下したが、
目的は達成できた。
【0074】(実施例8)実施例5と同様にして得られ
たクレイズドフィルムを50mm×100mmに切り出
し、55mm×105mmの厚み2mmの2枚のPMM
Aシートの間に接着して積層板を作製した。上記の積層
板作製の具体的手順は以下の通りに行った。PMMAシ
ートの表面中央上にクレイズドフィルムを置いた。次
に、シアノアクリレート接着剤を、PMMAシートの端
からクレイズドフィルムの端までの間に数滴ずつ滴下
し、すばやく他のもう一枚のPMMAシートをクレイズ
ドフィルムの上に押しつけ接着した。この時、接着剤の
量は3〜10mm3 に抑えた。得られた積層板の光学特
性は以下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:71.2% 30°斜め入射光の平行光線透過率:4.0%
【0075】(実施例9)実施例5と同様にして得られ
たクレイズドフィルムのクレイズ空間内に光吸収物質と
してブラックカーボンを充填した。具体的には、水中
に、ブラックカーボン15重量%、ポリビニルアルコー
ル2.5重量%、界面活性剤(第一工業製薬社製、商品
名:ノイゲンEA177)2.5重量%の割合で分散さ
せた分散液を、クレイズドフィルム上に塗布しながら手
で押し込んでいった。擦りこむ方向はクレイズに対して
垂直方向に行った。塗る込む工程中、クレイズドフィル
ムにはクレイズに対して垂直方向に張力を加えクレイズ
を拡げた状態で行った。塗り終わったフィルムを、張力
を加えたままオーブンに入れ、40℃で1時間保持し十
分に乾燥させた。乾燥後のフィルムをオーブンより出し
張力を除いた後、ポリプロピレン製の不織布でフィルム
の表面に残ったブラックカーボンを拭き取った。
【0076】得られたブラックカーボン充填クレイズド
フィルムをクレイズドフィルムの代わりに使用したこと
の他は、実施例5と同様にして積層板を作製した。得ら
れた積層板の光学特性は以下の通りであった。 垂直入射光の平行光線透過率:71.0% 30°斜め入射光の平行光線透過率:0.5% このように、実施例5と同様な効果が得られると共に、
斜め方向からの光吸収効果によって遮光性が良くなっ
た。
【0077】
【発明の効果】本発明1の視野選択フィルムもしくはシ
ートは、垂直入射光の平行光線透過率が50%以上であ
るので、透視効果は十分保持されると共に、フィルムま
たはシートの表面に形成されるクレイズによって、30
度斜め入射光の平行光線透過率が5%以下であるので、
遮光性も良好である。すなわち、視野選択性が良好で、
且つ透過してみる対面の景色が鮮明に見えるので、各種
OA機器のディスプレイや自動車,飛行機,電車等の窓
に装填して実用に供し得る。
【0078】本発明2の視野選択フィルムもしくはシー
トは、本発明1と同様の効果が得られると共に、クレイ
ズの空間に設けられる光吸収性物質により、斜め方向の
入射光に対する遮光性を更に向上できる。
【0079】本発明3の視野選択フィルムもしくはシー
トは、クレイズの内壁面が黒色なので光を吸収する。斜
め入射光は黒色化されていないクレイズドフィルムに比
べより多く吸収され、目に入りにくくなり、相対的にフ
ィルムを透過する光は垂直入射平行光線の割合が多くな
り、垂直入射光の平行光線透過率が同じであっても、黒
色化クレイズドフィルムの方が視認性を向上させること
ができ、視野選択性が良好で、且つ透過してみる対面の
景色が鮮明に見える。
【0080】本発明4の積層板は、視野選択フィルムも
しくはシートに透明板が積層されてなるので、視野選択
機能を有する透明な板状体となるとともに、透明板の材
質によって耐候性、耐擦傷性その他の物性が視野選択フ
ィルムもしくはシートの物性よりも改善されたものとな
り得る。また、上記の視野選択フィルムもしくはシート
の表面に存在する僅かな凹凸による光散乱が、透明板が
積層されたことにより、抑えられるという効果も有す
る。
【0081】本発明5の視野選択フィルムもしくはシー
トの製造方法は、フィルムもしくはシートの片面または
両面の分子配向方向と平行方向に一以上の合成樹脂製の
刃を接触させることにより、製造する方法なので製造が
容易である。また、クレイズを形成するための刃の構成
を合成樹脂としているので、製造中にゴミが挟まった
り、フィルムに凹凸があったりした場合でも、フィルム
を傷つけること無く製造することが可能である。また、
合成樹脂刃は刃先のレベリングがステンレスと同等の場
合、その柔軟性によりステンレスより均等にフィルムに
刃を当てることが可能であり、美麗に製造できる効果を
有する。さらに、フィルムまたはシートの片面のみなら
ず、両面を二以上の刃で処理する場合には、低いテンシ
ョンでのクレイズ形成を可能とするのみならず、シート
状の比較的厚さの大きい材料のクレイズ成形作業を有効
に行うことができると共に、更に一層美麗に製造できる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るフィルムまたはシートのクレイ
ズ形成時の模式図
【図2】同上のクレイズ空間のゴミ送り模式図
【図3】片面処理で形成されるクレイズと光吸収性物質
の充填状態を示す模式図
【図4】二本の刃による両面処理の模式図
【図5】本発明3の視野選択フィルムもしくはシートの
連続生産を示す処理概観図
【図6】クレイズドフィルムへの光の透過状態を説明す
る模式図
【図7】この発明に係るクレイズ形成工程の一例を示す
処理外観図
【図8】30°斜め入射方向からの遮光性試験の方法を
説明する模式図
【図9】本発明4の積層板の実施例を示す断面図
【図10】従来技術の断面構造を示す斜視図である。
【図11】上記従来技術の断面図である。
【図12】他の従来技術の断面構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A フィルムまたはシート B 刃 C クレイズ E 顔料 F クレイズ処理PVDFフィルム G ガラス板 θ,θ1 ,θ2 フィルム(シート)曲げ角 1 原反フィルムのロール装置 2,3 刃装置 4 クレイズ処理済フィルムのロール装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に配向し、かつ分子配向方向と平
    行にクレイズが生じているフィルムもしくはシートであ
    って、垂直入射光の平行光線透過率が50%以上であ
    り、30°斜め入射光の平行光線透過率が5%以下であ
    ることを特徴とする視野選択フィルムもしくはシート。
  2. 【請求項2】 クレイズの空間内に光吸収性物質を有し
    ている請求項1記載の視野選択フィルムもしくはシー
    ト。
  3. 【請求項3】 一方向に配向し、かつ分子配向方向と平
    行にクレイズが生じているフィルムもしくはシートであ
    って、該クレイズの内壁が黒色化されていることを特徴
    とする視野選択フィルムもしくはシート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の視
    野選択フィルムもしくはシートに透明板が積層されてな
    る積層板。
  5. 【請求項5】 フィルムもしくはシートの片面または両
    面の分子配向方向と平行方向に一以上の合成樹脂製の刃
    を接触させて、分子配向方向と平行にクレイズを形成す
    るようにしたことを特徴とする視野選択フィルムもしく
    はシートの製造方法。
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