JP2017049310A - 調光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温湿環境下においても傷の発生が抑制された調光装置を提供する。【解決手段】第1の偏光子と、第1の偏光子と離間して配置された第2の偏光子と、第1の偏光子と第2の偏光子との間に配置された、同一面内に複数の遅相軸方向を有する、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜とを備え、第1の偏光子、第1のパターン位相差膜、第2のパターン位相差膜、および、第2の偏光子はこの順に、互いに平行に配置されており、第1のパターン位相差膜、および、第2のパターン位相差膜の少なくとも一方が他方に対して平行に相対移動可能であり、第1のパターン位相差膜、および、第2のパターン位相差膜の少なくとも一方を相対的に平行に移動させることで、第1の偏光子または第2の偏光子から入射される入射光の透過率を変えることが可能な調光装置であって、第1のパターン位相差膜の第2のパターン位相差膜側の表面上に第1のハードコート膜がさらに配置され、第2のパターン位相差膜の第1のパターン位相差膜側の表面上に第2のハードコート膜がさらに配置される、調光装置。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光子とパターン位相差膜を用いて入射光を調光して透過光を得る調光装置に関し、特に、ハードコート膜を有する調光装置に関する。
現在、偏光子を利用した調光方法が種々提案されている。偏光子を利用した調光方法については、建物用窓から入射する太陽光の調光に利用することも期待されている。
例えば、特許文献1には、第1の透過軸を有する第1の偏光子と、第2の透過軸を有する第2の偏光子と、第1の偏光子および第2の偏光子の間に位置し、かつ、光軸、厚さおよび複屈折率の少なくとも1つを変化させるように構成された第1の複数の領域を含む、第1の模様付けされた波長リターダ(パターン位相差膜)、および、第1および第2の偏光子の間に位置し、かつ、光軸、厚さおよび複屈折率の少なくとも1つを変化させるように構成された第2の複数の領域を含む、第2の模様付けされた波長リターダを含み、第1または第2の波長リターダの一方が、同第1または第2の波長リターダの他方に対して直線的に移動するように構成された可変的な透過装置(調光装置)が記載されている。第1および第2の複数の領域は、位相差を変化させるように構成されている。
米国特許第8508681号明細書
特許文献1における発明の代表例としては、2枚の直線偏光子を平行に配置し、その間に互いに平行移動可能な2枚のパターン位相差膜を配置することで透過光の量を調節している。例えば、2枚の直線偏光子を互いの透過軸が平行になるように配置した場合、その間の位相差が実質的にゼロの時に最も明るくなる「明の状態」となり、位相差がλ/2の整数倍で、かつ、パターン位相差膜の遅相軸が直線偏光子の透過軸に対して±45°となった時に最も暗くなる「暗の状態」となる。
このような調光装置においては、2枚のパターン位相差膜の間隔をなるべく小さくすることが望ましい。より具体的には、通常、このような調光装置中の2枚のパターン位相差膜中には、それぞれ遅相軸方向が異なる領域が複数含まれている。この2枚のパターン位相差膜の間隔が大きすぎると、例えば、調光装置を視認した際に、2枚のパターン位相差膜中の特定の組み合わせの領域間とは異なる組み合わせの領域間を光が透過する状態となり得る場合がある。特に、このような現象は、パターン位相差膜中の複数の領域間の境界線付近で生じやすい。このような場合、当初設計していた位相差とズレが生じてしまい、その部分において「暗の状態」または「明の状態」が保たれないおそれがある。つまり、調光性に劣る場合がある。
本発明者は、調光装置中の2枚のパターン位相差膜の間隔を小さくし、その調光装置の特性について検討を行ったところ、以下のような問題が生じることを知見している。
具体的には、まず、温湿環境下にて調光装置が使用される際に、パターン位相差膜が収縮してその表面に凹凸が生じやすい。そして、このような凹凸が生じた2枚のパターン位相差膜を相対的に動かした際には、パターン位相差膜同士が近接しているため、両者の間で擦れが生じやすく、結果として2枚のパターン位相差膜の表面に傷が発生する場合があることを知見している。
本発明は、上記実情に鑑みて、温湿環境下においても傷の発生が抑制された調光装置を提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、ハードコート膜を所定の位置に配置することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 第1の偏光子と、第1の偏光子と離間して配置された第2の偏光子と、第1の偏光子と第2の偏光子との間に配置された、同一面内に複数の遅相軸方向を有する、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜とを備え、
第1の偏光子、第1のパターン位相差膜、第2のパターン位相差膜、および、第2の偏光子はこの順に、互いに平行に配置されており、
第1のパターン位相差膜、および、第2のパターン位相差膜の少なくとも一方が他方に対して平行に相対移動可能であり、
第1のパターン位相差膜、および、第2のパターン位相差膜の少なくとも一方を相対的に平行に移動させることで、第1の偏光子または第2の偏光子から入射される入射光の透過率を変えることが可能な調光装置であって、
第1のパターン位相差膜の第2のパターン位相差膜側の表面上に第1のハードコート膜がさらに配置され、
第2のパターン位相差膜の第1のパターン位相差膜側の表面上に第2のハードコート膜がさらに配置される、調光装置。
(2) 第1のハードコート膜と第2のハードコート膜との間隔が0.5mm以下である、(1)に記載の調光装置。
(3) 第1のハードコート膜の表面および第2のハードコート膜の表面の水に対する接触角がそれぞれ70°以下である、(1)または(2)に記載の調光装置。
(4) 第1のハードコート膜の表面および第2のハードコート膜の表面の水に対する接触角がそれぞれ60°以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の調光装置。
(5) 第1のハードコート膜および第2のハードコート膜にそれぞれ無機粒子が含まれ、
第1のハードコート膜中における無機粒子の含有量が、第1のハードコート膜全質量に対して、0.5〜25質量%であり、
第2のハードコート膜中における無機粒子の含有量が、第2のハードコート膜全質量に対して、0.5〜25質量%である、(1)〜(4)のいずれかに記載の調光装置。
(6) 第1の偏光子の第1のパターン位相差膜側とは反対側の表面上、および、第2の偏光子の第2のパターン位相差膜側とは反対側の表面上の少なくとも一方に、金属元素を含む金属含有層がさらに配置される、(1)〜(5)のいずれかに記載の調光装置。
本発明によれば、温湿環境下においても傷の発生が抑制された調光装置を提供することができる。
(a)は本発明の第1実施形態の調光装置を示す模式的斜視図であり、(b)は調光部の模式的断面図であり、(c)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。 (a)は本発明の実施形態の調光装置のパターン位相差膜の第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の調光装置のパターン位相差膜の第2の例を示す模式図である。 (a)は本発明の第1実施形態の調光装置の移動部の第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の調光装置の移動部の第2の例を示す模式図である。 (a)〜(b)は本発明の第1実施形態の調光装置の調光の一例を示す模式的断面図である。 (a)は本発明の第2実施形態の調光装置を示す模式的斜視図であり、(b)は調光部の模式的断面図であり、(c)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。 (a)本発明の第3実施形態の調光装置に含まれる調光部の模式的断面図であり、(b)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。 本発明の第3実施形態の調光装置の変形例を示す模式的平面図である。 本発明の第4実施形態の調光装置に含まれる調光部の模式的断面図である。 平板状金属粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、円形状の平板状金属粒子を示す。 平板状金属粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、六角形状の平板状金属粒子を示す。 (a)は3方向以上の遅相軸方向を有する第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜の模式的平面図である。(b)は(a)の第2のパターン位相差膜をスライドさせた場合の模式的平面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の調光装置を詳細に説明する。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「45°」、「平行」、「垂直」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
また、「同一」とは、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、「全部」、「いずれも」または「全面」等は、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば、99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
なお、面内レタデーションの値Reおよび屈折率について特に測定波長が付記されていない場合は、測定波長は550nmである。
本明細書において「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)はそれぞれ、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。Re(λ)はAxometrics社製AxoScanにおいて波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸および進相軸を傾斜軸(回転軸)として−45°〜+45°を5°ステップでそれぞれその傾斜した方向から測定波長(nm)の光を入射させて全部で19点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にAxoScanにおいて算出される。遅相軸および進相軸に対して算出された値の平均値をそのフィルムのRthと定義する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)および数式(2)によりRthを算出することもできる。
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタデーション値を表す。nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、AxoScanにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
本発明の特徴点としては、パターン位相差膜上にハードコート膜を設けている点が挙げられる。
上述したように、本発明者は、調光装置中のパターン位相差膜同士の間隔を狭めた際に、調光装置を温湿環境下にして使用した場合に、パターン位相差膜表面上に傷が発生することを初めて見出している。このような課題に対して、対向する2枚のパターン位相差膜の表面上にハードコート膜をそれぞれ配置することにより、上記課題が解決できることを見出している。
<第1実施形態>
図1(a)は本発明の第1実施形態の調光装置を示す模式的斜視図であり、(b)は調光部の模式的断面図であり、(b)は調光部の模式的断面図であり、(c)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。
図1(a)に示す調光装置10は、入射光Liの透過率を調節し、透過光Ltの光量を調節するものである。調光装置10では、後述するように、入射光について透過状態(「明の状態」)および遮光状態(「暗の状態」)を実現することができる。
調光装置10は、調光部12aと、移動部14と、制御部16とを有する。移動部14は、制御部16に制御される。
調光部12aは、図1(b)に示すように、第1の偏光子20と、第1のパターン位相差膜30aと、第1のハードコート膜50aと、第2のハードコート膜50bと、第2のパターン位相差膜30bと、第2の偏光子22とをこの順で備える。言い換えると、調光部12aは、第1の偏光子20と、第1の偏光子20と離間して配置された第2の偏光子22と、第1の偏光子20と第2の偏光子22の間に配置された第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bの2枚のパターン位相差膜と、第1のパターン位相差膜30aの第2のパターン位相差膜30b側の表面上に配置された第1のハードコート膜50aと、第2のパターン位相差膜30bの第1のパターン位相差膜30a側の表面上に配置された第2のハードコート膜50bとを備える。
なお、本明細書において「表面上に配置」とは、ある部材の表面上に直接他の部材が配置される場合、および、別の部材を介して他の部材が配置される場合の両方の態様を含む。例えば、「第1のハードコート膜50aが、第1のパターン位相差膜30aの表面上に配置される」とは、第1のハードコート膜50aが第1のパターン位相差膜30aの表面上に直接配置される場合、および、第1のハードコート膜50aが別の部材(例えば、接着層、配向膜、または、透明基材)を介して第1のパターン位相差膜30a上に配置される場合の両方の概念を含む。
また、図1(c)中の調光部12a中においては、調光装置10の機構を把握しやすくするために、第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bは図示していない。
第1の偏光子20、第1のパターン位相差膜30a、第1のハードコート膜50a、第2のハードコート膜50b、第2のパターン位相差膜30b、および、第2の偏光子22は互いに平行に配置されている。
以下、まず、調光装置10を構成する各部材について詳述し、その後、調光装置10を用いた透過および遮光のメカニズムについて詳述する。
(第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30b)
第1のパターン位相差膜30aは、遅相軸(面内遅相軸)方向が互いに異なる、第1位相差領域31および第2位相差領域33を含み、第1位相差領域31および第2位相差領域33が面内において交互に配置されている。また、第2のパターン位相差膜30bも、遅相軸方向が互いに異なる、第3位相差領域35および第4位相差領域37を含み、第3位相差領域35および第4位相差領域37が面内において交互に配置されている。より具体的には、各パターン位相差膜は、それぞれ2つの互いに遅相軸が直交する領域を有する。
なお、第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bは、両方とも単層構造の膜(単層膜)である。
図1においては、第1位相差領域31、第2位相差領域33、第3位相差領域35、および、第4位相差領域37がいずれも同じ幅(ピッチ)のストライプ状に配置された形態を示すが、第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bの相対移動方向に沿った所定のピッチでそれぞれの領域が配置されていれば、この形態には限定されない。
第1位相差領域31、第2位相差領域33、第3位相差領域35、および、第4位相差領域37は、それぞれ偏光子(第1の偏光子20a)を透過した光に対して予め定められた位相差の位相差領域である。図1においては、第1位相差領域31および第2位相差領域33は、遅相軸の向きが異なるが、λ/4位相差領域である。また、第3位相差領域35および第4位相差領域37も、遅相軸の向きが異なるが、λ/4位相差領域である。
偏光子を透過した光に対するλ/4位相差領域とは、制御波長域内の波長、好ましくは制御波長域の中心波長の1/4の長さ、または、「中心波長×n±中心波長の1/4(nは0または1以上の整数)」の面内レタデーションを有する領域を意図する。例えば、制御波長域の中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nm等の位相差の位相差板をλ/4位相差板として用いることができる。
より具体的には、例えば、偏光子を透過した光が可視光領域の光である場合、測定波長550nmで測定した第1位相差領域31、第2位相差領域33、第3位相差領域35、および、第4位相差領域37の面内レタデーションの値であるRe(550)は、120nm≦Re(550)≦165nmであることが好ましく、130nm≦Re(550)≦155nmであることがより好ましい。
なお、面内レタデーションの測定方法については、上述の通りである。
調光装置10では、第1の偏光子20の透過軸21、第2の偏光子22の透過軸23、並びに、第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bに含まれる遅相軸は図1(c)中の矢印で示すように配置される。
第1のパターン位相差膜30aは、上述したように、第1位相差領域31と第2位相差領域33とを有し、第1位相差領域31と第2位相差領域33とは同じ面内に交互にストライプ状に配置されている。
第1位相差領域31には遅相軸32があり、第2位相差領域33には遅相軸34がある。第1のパターン位相差膜30aは同一面内に複数の遅相軸方向を有する。
第1のパターン位相差膜30aにおいて、第1位相差領域31の遅相軸32と、第2位相差領域33の遅相軸34とは、直交する。直交の定義は、上述の通りである。
なお、図1(c)においては、第1位相差領域31の遅相軸32と、第2位相差領域33の遅相軸34とが直交する形態を示したが、この形態には限られず、第1位相差領域31の遅相軸32と第2位相差領域33の遅相軸34とのなす角は、70〜110°であることが好ましく、80〜100°であることがより好ましく、90°、すなわち、直交することがさらに好ましい。
第2のパターン位相差膜30bは、上述したように、第3位相差領域35と第4位相差領域37とを有し、第3位相差領域35と第4位相差領域37とは同じ面内に交互にストライプ状に配置されている。
第3位相差領域35には遅相軸36があり、第4位相差領域37には遅相軸38がある。第2のパターン位相差膜30bは同一面内に複数の遅相軸方向を有する。
第2のパターン位相差膜30bにおいて、第3位相差領域35の遅相軸36と、第4位相差領域37の遅相軸38とは、直交する。直交の定義は、上述の通りである。
なお、図1(c)においては、第3位相差領域35の遅相軸36と、第4位相差領域37の遅相軸38とが直交する形態を示したが、この形態には限られず、第3位相差領域35の遅相軸36と第4位相差領域37の遅相軸38とのなす角は、70〜110°であることが好ましく、80〜100°であることがより好ましく、90°、すなわち、直交することがさらに好ましい。
なお、第1位相差領域31の遅相軸32と第3位相差領域35の遅相軸36とは平行であり、第2位相差領域33の遅相軸34と第4位相差領域37の遅相軸38とも平行である。
また、第1位相差領域31の遅相軸32および第2位相差領域33の遅相軸34と、第1の偏光子20の透過軸21とのなす角は45°であり、第3位相差領域35の遅相軸36および第4位相差領域37の遅相軸38と、第2の偏光子22の透過軸23とのなす角も45°である。
なお、後述するように、第1の偏光子20の透過軸21と第2の偏光子22の透過軸23は直交している。
第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bを構成する材料は上述した特性を示す材料であれば特に制限されず、例えば、液晶性化合物が挙げられる。より具体的には、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる位相差膜(光学異方性層)、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって配向を固定化して得られる位相差膜(光学異方性層)を用いることもできる。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶性化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶性化合物)に分類できる。さらにそれぞれ低分子タイプと高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできる。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上のディスコティック液晶性化合物、または、棒状液晶性化合物とディスコティック液晶性化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
パターン位相差膜は、温度変化や湿度変化を小さくできることから、重合性基を有する液晶性化合物(棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物)を用いて形成することがより好ましい。液晶性化合物は2種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の重合性基を有していることが好ましい。
つまり、パターン位相差膜は、重合性基を有する棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物が重合等によって固定されて形成された層であることが好ましく、この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
ディスコティック液晶性化合物および棒状液晶性化合物に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
上述の第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bの形成方法は特に制限されず公知の方法を採用でき、例えば、WO2015/33932号の段落0026〜0028に記載の方法が挙げられる。
図1(a)〜(c)に示す第1のパターン位相差膜30aは、第1位相差領域31と第2位相差領域33とがストライブ状に配置された構成であるが、これに限定されるものではない。
ここで、図2(a)は本発明の実施形態の調光装置のパターン位相差膜の第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の調光装置のパターン位相差膜の第2の例を示す模式図である。
図2(a)、(b)において、図1(a)〜(c)に示す第1のパターン位相差膜30aと同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
例えば、図2(a)に示すように、第1のパターン位相差膜30aは、第1位相差領域31と第2位相差領域33とが格子状に配置されていてもよい。また、図2(b)に示すように第1位相差領域31と第2位相差領域33とが互い違いに配置されていてもよい。この場合でも、第1位相差領域31の遅相軸32と第2位相差領域33の遅相軸34とは直交することが好ましい。
図2(a)、(b)に示す第1のパターン位相差膜30aとした場合、第2のパターン位相差膜30bも同様の構成とする。
(第1の偏光子および第2の偏光子)
第1の偏光子20および第2の偏光子22としては、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子が用いられる。特に、図1においては、第1の偏光子20および第2の偏光子22としては、吸収型の直線偏光子が用いられる。
吸収型の直線偏光子の種類は特に制限はなく、公知の吸収型偏光子を用いることができ、例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料(二色性有機染料)を利用した染料系偏光膜、および、ポリエン系偏光膜のいずれも用いることができる。ヨウ素系偏光膜、および、染料系偏光膜は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、第1の偏光子20および第2の偏光子22としては、吸収型の直線偏光子以外にも、反射型の直線偏光子を用いてもよい。
反射型の直線偏光子としては、公知のものを使用することができ、例えば、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子(特表平9−506837号公報等に記載されたもの。市販品としては、3M社製の商品名:DBEF)、ワイヤーグリッド型偏光子(市販品としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルター50×50、NT46−636等)等が使用される。
なお、反射型の直線偏光子とは、入射光のうち、第1の方向の偏光成分を透過し、第1の方向と直交する方向の偏光成分を反射する性質を持つ。つまり、第1の偏光子20および第2の偏光子22の片側から非偏光が入射された時、他方側から直線偏光が得られる。このような反射型偏光子を使用することにより、所定の偏光成分を反射させて、光吸収を抑制し、遮熱性、耐久性、および遮光性を高めている。
第1の偏光子20および第2の偏光子22により透過または反射される光の波長域(以後、「制御波長域」ともいう)は特に制限されず、赤外光の波長域内であっても、可視光の波長域内であっても、紫外光の波長域内であってもよく、赤外光および可視光の波長域、可視光および紫外光の波長域、または、赤外光、可視光および紫外光の波長域にまたがる波長域であってもよい。特に、調光装置の遮熱性および耐久性がより優れる点からは、可視光、または近赤外光の波長域にあることが好ましい。
なお、赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。近赤外光とは一般的に750nm超2500nm以下の波長域の電磁波である。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜750nmの波長域の光を示す。紫外線は、可視光線より短くX線より長い波長域電磁波である。紫外線は可視光線およびX線と区別される波長領域の光であればよく、例えば、波長10nm以上380nm未満の範囲の光である。
(第1のハードコート膜および第2のハードコート膜)
第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bは、上述したように、第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bの間で、対向するように配置される。このように第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bが配置されることにより、温湿環境下にて調光装置10が使用されて第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bが収縮してその表面に凹凸が生じ、パターン位相差膜同士を相対的に移動させた際に、両者が擦れた場合であっても、パターン位相差膜表面に傷が発生するのを抑制する。
なお、上述した第1の偏光子20、第1のパターン位相差膜30a、および、第1のハードコート膜50aを含む積層体(調光用フィルム)が形成される場合、第1のハードコート膜50aは最も外側(言い換えれば、積層体中の最外層)に配置される。つまり、第1の偏光子20、第1のパターン位相差膜30a、および、第1のハードコート膜50aを少なくとも含み、他の層を含んでもよい上記積層体においては、各層が積層される積層方向における最上層(または最下層)に第1のハードコート膜50aが配置される。
また、上述した第2の偏光子22、第2のパターン位相差膜30b、および、第2のハードコート膜50bを含む積層体(調光用フィルム)が形成される場合、第2のハードコート膜50bは最も外側(言い換えれば、積層体中の最外層)に配置される。つまり、第2の偏光子22、第1のパターン位相差膜30b、および、第2のハードコート膜50bを少なくとも含み、他の層を含んでもよい上記積層体においては、各層が積層される積層方向における最上層(または最下層)に第2のハードコート膜50bが配置される。
第1のハードコート膜50aと第2のハードコート膜50bとの間隔は特に制限されないが、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下がさらに好ましい。間隔が上記範囲であれば、調光装置を視認した際にも、パターン位相膜中の遅相軸方向が異なる領域間の境界線付近においても調光性がより優れる。
上記間隔の下限値は特に制限されないが、間隔が0mmではパターン位相差膜を移動させる際に摩擦力が加わるため移動しづらくなり、かつ、傷の発生のおそれが高くなる。そのため、間隔の下限値は0mmより大きいことが好ましく、温湿度などの外乱影響によるパターン位相差膜の膨張を考慮した場合、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。
上記間隔の値は平均値であり、第1のハードコート膜50aと第2のハードコート膜50bとの間隔を任意の5点で測定し、それらを算術平均したものである。
第1のハードコート膜50aの表面(第2のハードコート膜50b側の表面)および第2のハードコート膜50bの表面(第1のハードコート膜50a側の表面)の水に対する接触角はそれぞれ特に制限されないが、温湿環境下における調光装置の防曇性がより優れる点で、70°以下であることが好ましく、60°以下であることがより好ましく、50°以下であることがさらに好ましい。下限は制限されないが、0°が挙げられる。
なお、上記接触角の測定方法としては、ハードコート膜表面の接触角(静的接触角)をDrop Master700(協和界面科学(株))を用いて測定する。具体的には、シリンジ部をAUTO DISPENSER AD−31に接続し、一定量の純水をシリンジから押し出してハードコート膜表面に着滴させ、10秒後の接触角を測定する。
上記水に対する接触角(水接触角)は、ハードコート膜の組成を調整することにより、制御することができる。なかでも、ハードコート膜に無機粒子が含まれること上記水接触角が低下しやすく、具体的には、ハードコート膜全質量に対する無機粒子の含有量が10質量%以上であることが好ましい。
第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bの厚みはそれぞれ特に制限されないが、耐傷性がより優れる点から、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
上記厚みは平均値であり、ハードコート膜(第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50b)の厚みを任意の5点で測定し、それらを算術平均したものである。
なお、ハードコート膜とは、高硬度の膜であって、耐傷付き性を向上させる機能を有する膜である。
第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bの鉛筆硬度の大きさは特に制限されないが、通常、H以上が好ましく、2H以上がより好ましく、3H以上がさらに好ましい。
上記鉛筆硬度の測定方法としては、往復磨耗試験機トライボギア(登録商標) TYPE:30S(新東科学(株)製)を用いて、JIS K5600−5−4に基づき、移動速度0.5mm/秒、加重750gにて、ハードコート膜の鉛筆硬度を測定する。
第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bを構成する材料は特に制限されないが、通常、バインダーが含まれる。バインダーとしては、後段で詳述するように、通常、不飽和二重結合を有する化合物を重合させて形成されるバインダーが挙げられる。
第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bには、耐傷性がより優れる点から、粒子およびバインダーが含まれることが好ましい。
粒子としては、透光性粒子が含まれていてもよい。透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機粒子(無機化合物の粒子);アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の有機粒子(有機化合物(例えば、樹脂)の粒子)が好ましく挙げられる。
粒子の形状は、球形または不定形のいずれも使用できる。
また、ハードコート膜の硬度がより優れる点から、第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bには無機粒子が含まれることが好ましい。
無機粒子としては、例えば、金属酸化物の粒子や、無機層状化合物の粒子などが挙げられる。より具体的には、シリカ(オルガノシリカゾルを含む)、アルミナ、チタニア、ゼオライト、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、雲母、合成雲母、スメクタイト(スメクタイト群粘土鉱物)(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、合成スメクタイト(ヘクトライト、サポナイト、スティブンサイトなど)、パームキュライト(パームキュライト群粘土鉱物)、カオリナイト(カオリナイト群粘土鉱物)、フィロケイ酸塩(マイカ等)、合成マイカ等から形成される無機粒子が挙げられる。なかでも、シリカ粒子、または、スメクタイトが好ましい。
なお、無機粒子は、1種類に限られず、2種類以上が含まれていてもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は、1μm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。下限値は特に制限されないが、通常、5nm以上の場合が多い。
ハードコート膜形成用組成物中の無機粒子の含有量は、ハードコート膜形成用組成物中の全固形分に対して、耐傷性がより優れる点から、0.5〜50質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、7.5〜15質量%がさらに好ましい。
ハードコート膜の製造方法は特に制限されないが、生産性がより優れる点から、不飽和二重結合を有する化合物、粒子、重合開始剤、溶媒、および、任意の添加剤を含有するハードコート膜形成用組成物を、パターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30b)上に直接または他の層(部材)を介して塗布して、硬化することにより形成することが好ましい。
以下、ハードコート膜形成用組成物に含まれる各成分について説明する。
(不飽和二重結合を有する化合物(重合性モノマー))
ハードコート膜形成用組成物は、不飽和二重結合を有する化合物を含有することが好ましい。不飽和二重結合を有する化合物は重合後にバインダーとして機能することができ、不飽和二重結合(重合性不飽和基)を2つ以上有する多官能モノマーであることが好ましい。重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーは、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となる。重合性不飽和基は3つ以上であることがより好ましい。これらモノマーは、1または2官能のモノマーと3官能以上のモノマーを併用して用いることもできる。
不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基およびC(O)OCH=CH2が好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
重合性の不飽和結合を有する化合物の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基(メタアクリロイル基)を含む概念である。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸(メタアクリル酸)を含む概念である。さらに、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレート(メタアクリレート)を含む概念である。
なかでも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
ハードコート膜形成用組成物中の不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、十分な重合率を与えて硬度などを付与するため、ハードコート膜形成用組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、70〜99質量%がさらに好ましく、80〜99質量%が特に好ましい。
(重合開始剤)
次に、ハードコート膜形成用組成物に含有させることができる重合開始剤について説明する。重合開始剤としては、主に、光重合開始剤と熱重合開始剤とが使用できるが、光重合開始剤が好ましく使用される。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、および好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いる。
ハードコート膜形成用組成物中の光重合開始剤の含有量は、ハードコート膜形成用組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させるのに十分多く、かつ開始点が増えすぎないよう十分少ない量に設定するという理由から、ハードコート膜形成用組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
(粒子)
粒子の定義は上述の通りである。
粒子としては、上述したように無機粒子が好適に使用できる。
ハードコート膜形成用組成物中における無機粒子の含有量は、上述したように、形成されるハードコート膜全質量に対する無機粒子の含有量が所定の範囲となるように調整される。
(溶媒)
ハードコート膜形成用組成物は、溶媒を含有することができる。
溶媒としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性等を考慮し、各種溶媒(水または有機溶媒)を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードコート膜形成用組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶媒を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、さらに好ましくは40〜70質量%である。
なお、ハードコート膜形成用組成物においては、上述した成分以外の他の成分(例えば、レベリング剤、分散剤など)が含まれていてもよい。
ハードコート膜形成用組成物の塗布方法は特に制限されず、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法などが挙げられる。
なお、塗布後必要に応じて、溶媒を除去するために、加熱・乾燥処理を実施してもよい。
ハードコート膜を硬化させる際の処理は特に制限されず、例えば、光照射処理や加熱処理が挙げられる。例えば、ハードコート膜形成用組成物の塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプにより10〜1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して塗膜を硬化するのが好ましい。さらに、表面硬化を促進する為に窒素ガス等をパージして酸素濃度を低下する必要がある際には、酸素濃度0.01〜5%が好ましい。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。また、硬化反応を促進するために、硬化時に温度を高めることもでき、25〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
なお、上記では調光部12aを構成する部材として、偏光子(第1の偏光子20および第2の偏光子22)、パターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30b)、および、ハードコート膜(第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50b)について述べたが、本発明の効果を損なわない範囲で、調光部12aは他の部材を含んでいてもよい。
他の部材としては、例えば、各部材を接着するための接着層や、配向膜や、透明基材などが含まれていてもよい。なお、透明基材を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)や、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することができる。
(移動部および制御部)
移動部14は、2枚の各パターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30a、第2のパターン位相差膜30b)のうち、少なくとも1枚のパターン位相差膜を、他のパターン位相差膜に対して相対的に平行に移動させるものである。
移動部14は、例えば、第2のパターン位相差膜30bを相対的に平行に移動させる。また、移動部14では、2枚のパターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30a、第2のパターン位相差膜30b)のうち、いずれか1枚を、選択的に移動させるものであってもよく、2枚を移動させる構成でもよい。
移動部14により、2枚のパターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30a、第2のパターン位相差膜30b)のうち、少なくとも1枚のパターン位相差膜を相対的に平行に移動させることで、第1の偏光子20または第2の偏光子22から入射される入射光の透過率を変えることができる。
図1(a)においては、パターン位相差膜およびハードコート膜を含む積層体のみを移動部14によって移動させているが、この態様には限定されず、第1の偏光子20、第1のパターン位相差膜30a、および、第1のハードコート膜50aを含む積層体X(調光用フィルム)、および/または、第2の偏光子22、第2のパターン位相差膜30b、および、第2のハードコート膜50bを含む積層体Y(調光用フィルム)を移動させる態様であってもよい。
2枚のパターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30a、第2のパターン位相差膜30b)のいずれかを相対的に平行に移動させる手順およびタイミングは、制御部16に記憶されており、制御部16により、移動部14が制御されて、パターン位相差膜の移動がなされる。
ここで、図3(a)は本発明の実施形態の調光装置の移動部の第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の調光装置の移動部の第2の例を示す模式図である。
移動部14では、例えば、図3(a)に示す移動機構40が用いられる。移動機構40では、1対のガイドレール42にフレーム44が、ガイドレール42の長手方向に移動可能に設けられている。フレーム44には第2のパターン位相差膜30bが設けられる。フレーム44を移動させることにより、第2のパターン位相差膜30bを第1のパターン位相差膜30aに対して相対的に平行に移動させることができる。
また、図3(b)に示す移動機構40aを用いることもできる。移動機構40aでは、第2のパターン位相差膜30bにフィルム46を貼り付け、一対のローラ48に渡して、ローラ48を回転させることで、第2のパターン位相差膜30bを第2のパターン位相差膜30bに対して相対的に平行に移動させることができる。
上述の移動機構40、40aは、第2のパターン位相差膜30bを例にして説明したが、これに限定されるものではなく、第1のパターン位相差膜30aについても同様の構成とすることができる。また、上述したように、偏光子、パターン位相差膜、および、ハードコート膜を含む積層体(調光用フィルム)を用いてもよい。
(調光機構)
次に、調光装置10による調光機構について説明する。
図4(a)〜(b)は本発明の実施形態の調光装置の調光の一例を示す模式的断面図である。なお、ここではハードコート膜(第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50b)は、通常、位相差を略有さず(Re(550)は0〜10nmが好ましい)、調光機構には影響しないため、図4(a)〜(b)では省略し、偏光子(第1の偏光子20および第2の偏光子22)およびパターン位相差膜(第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30b)を用いて調光機構について説明する。
図4(a)〜(b)は、第2のパターン位相差膜30bをスライドさせる前後の概略図を示す。図4(a)に示すように、第1の偏光子20の法線方向(第1の偏光子20の表面に対して直交する方向)から見た際(図4(a)中の第1の偏光子20上部にある白抜き矢印から見た際)に、第1位相差領域31と第3位相差領域35と重なる場合(言い換えれば、第2位相差領域33と第4位相差領域37とが重なる場合)、図4(a)中の白抜き矢印方向から第1の偏光子20に入射される光は、白矢印で示すように調光装置10を透過する。つまり、図4(a)の状態は、透過状態(「明の状態」)である。
一方、図4(b)は、図4(a)から第2のパターン位相差膜30bをパターン1領域分だけスライド(移動)させた図である。この場合、第1の偏光子20の法線方向から見た際に、第1位相差領域31と第4位相差領域37と重なり(言い換えれば、第2位相差領域33と第3位相差領域35とが重なる)、図4(b)中の白抜き矢印方向から第1の偏光子20に入射される光は、調光装置10を透過しない。つまり、図4(b)の状態は、遮光状態(「暗の状態」)となる。
以下、調光装置10により光が透過する、または、遮光されるメカニズムについてより詳細に詳述する。より具体的には、第1の偏光子20に入射された光が各層を通過する際のメカニズムについて詳述する。
図4(a)中のX1領域において、第1の偏光子20へと入射された光のうち、第1の偏光子20の透過軸と平行な直線偏光のみが第1の偏光子20を透過する。次に、第1の偏光子20を透過した光は、第1位相差領域31によって円偏光に変換される。次に、第1位相差領域31を透過した円偏光は、第3位相差領域35によって再び直線偏光に変換される。第3位相差領域35を透過した直線偏光は、第2の偏光子22の透過軸と平行であるため、第2の偏光子22を透過する。つまり、第1の偏光子20に入射した光は、第2の偏光子22より出射され、調光装置10を透過する。
なお、図4(a)中のY1領域においても、上記と同様に、第1の偏光子20に入射した光は、第2の偏光子22より出射され、調光装置10を透過する。
つまり、図4(a)の形態の場合は、調光装置10に入射した光は、調光装置10を透過する。そのため、例えば、室内にいる観察者が調光装置10を介して外部を観察した場合、外部を観察することができる。なお、上記では図4(a)中の白抜き矢印方向から第1の偏光子20に光が入射した場合について説明したが、第2の偏光子22側から光が入射した場合も同様の機構により光が調光装置10を透過する。
次に、図4(b)に示すように、図4(a)から第2のパターン位相差膜30bをパターン1領域分だけスライド(移動)させた場合について、以下に述べる。
図4(b)中のX2領域において、第1の偏光子20へと入射された光のうち、第1の偏光子20の透過軸と平行な直線偏光のみが第1の偏光子20を透過する。次に、第1の偏光子20を透過した光は、第1位相差領域31によって円偏光に変換される。次に、第1位相差領域31を透過した円偏光は、第4位相差領域37によって再び直線偏光に変換される。第4位相差領域37を透過した直線偏光は、第2の偏光子22の透過軸と直交するため、第2の偏光子22によって吸収される。つまり、第1の偏光子20に入射した光は、第2の偏光子22より出射されず、調光装置10を透過できない。
なお、Y2領域においても、上記と同様に、第1の偏光子20に入射した光は、第2の偏光子22により吸収され、調光装置10を透過できない。
つまり、図4(b)の形態の場合は、調光装置10に入射した光は、調光装置10を透過できない。そのため、例えば、室内にいる観察者が調光装置10を介して外部を観察した場合、外部を観察することができない。
なお、上記では図4(b)中の白抜き矢印方向から第1の偏光子20に光が入射した場合について説明したが、第2の偏光子22側から光が入射した場合も同様の機構により光が調光装置10を透過できない。
なお、上記においては、第1位相差領域31、第2位相差領域33、第3位相差領域35、および、第4位相差領域37がいずれもλ/4位相差領域の形態について詳述したが、本実施形態は上記形態に限定されず、第1位相差領域31、第2位相差領域33、第3位相差領域35、および第4位相差領域37がλ/4位相差領域とは異なる面内レタデーションを示す領域であってもよい。なお、その場合、各領域中の遅相軸と、第1の偏光子20および第2の偏光子22の透過軸とは、所定の角度となるように調整される。
<第2実施形態>
図5(a)は、本発明の第2実施形態の調光装置を示す模式的斜視図であり、(b)は調光部の模式的断面図であり、(c)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。
図5(a)に示す調光装置100は、第1の偏光子20の透過軸21と第2の偏光子22の透過軸23とが平行になっている点以外は、第1実施形態の調光装置10と同じ構成であり、第1実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。また、図5(c)中の調光部12b中においては、調光装置100の機構を把握しやすくするために、第1のハードコート膜50aおよび第2のハードコート膜50bは図示していない。
以下では、主として第1の偏光子20の透過軸21と第2の偏光子22の透過軸23との関係について説明する。
調光装置100においては、第1の偏光子20の透過軸21と第2の偏光子22の透過軸23とが平行であるため、図5(a)および(c)に示す状態はいわゆる遮光状態(「暗の状態」)となる。つまり、第1の偏光子20に入射された光は、第2の偏光子22を透過することができない。
また、第2のパターン位相差膜30bを1パターン分スライドさせた場合は、透過状態(「明の状態」)となる。つまり、第1の偏光子20に入射された光は、第2の偏光子22を透過する。
調光装置100は、製造適性に優れる。
調光装置100の製造適性が優れる理由としては、まず、調光装置100においては、第1の偏光子20の透過軸21に平行な方向に第1のパターン位相差膜30aの第1位相差領域31および第2位相差領域33が交互に配置されていると共に、第2の偏光子22の透過軸23に平行な方向に第2のパターン位相差膜30bの第3位相差領域35および第4位相差領域37が交互に配置されており、偏光子の透過軸と位相差領域の配置方向とが同じである。そのため、第1の偏光子20と第1のパターン位相差膜30aとを備える積層体を1種のみを用いて、この積層体を対向させて配置すれば、調光装置100を製造することができる。より具体的には、長尺状の偏光子上に、所定のピッチで配置された領域を有するパターン位相差膜を貼り合わせて、得られた長尺状の積層体を所定の形状に切断して、2枚の切断された積層体をパターン位相差膜同士が対向するに配置することにより調光装置100を製造することが可能となる。つまり、この形態は、部材の共通化という点で好ましい。
それに対して、上述した調光装置10においては、第1の偏光子20の透過軸21に直交する方向に第1のパターン位相差膜30aの第1位相差領域31および第2位相差領域33が交互に配置されているのに対して、第2の偏光子22の透過軸23に平行な方向に第2のパターン位相差膜30bの第3位相差領域35および第4位相差領域37が交互に配置されており、偏光子の透過軸と位相差領域の配置方向とは異なる。そのため、調光装置10を製造するためには、偏光子とパターン位相差膜とを有する積層体を少なくも2種用意する必要がある。
また、一般的に偏光子として、延伸フィルムを用いる場合が多く、延伸フィルムにおいては延伸方向と延伸方向に直交する方向とでは線膨張係数が異なる。
一方、上記調光装置100においては、上述したように、偏光子とパターン位相差膜とを備える積層体を1種製造して、それらを対向することにより製造できるため、偏光子が延伸フィルムである場合、2枚の対向する偏光子の延伸方向が一致する。
調光装置は外光などにより加熱されて高温になることがあり、偏光子が熱膨張・収縮する場合が想定される。一方、調光装置100においては、対向する2枚の偏光子の延伸方向を合わせることができるため、仮に、一方の偏光子が所定の方向に熱膨張しても、他方も同じ方向に熱膨張するため、対向するパターン位相差膜中の所定の領域のピッチがずれにくく、遮光状態および透過状態を良好に担保することができる。
<第3実施形態>
図6(a)は、本発明の第3実施形態の調光装置に含まれる調光部の模式的断面図であり、図(6)(b)は調光部中の偏光子の透過軸およびパターン位相差膜中の遅相軸の関係を説明するための模式的平面図である。
第3実施形態の調光装置は、直線偏光子(第1の偏光子20および第2の偏光子22)の代わりに右円偏光子である第1の偏光子120および第2の偏光子122を用いている点以外は、第1実施形態の調光装置10と同じ構成であり、第1実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。以下では、調光部12cに含まれる主として、調光部12cに含まれる、右円偏光子である第1の偏光子120および第2の偏光子122について説明する。
右円偏光子とは、特定の波長域において右円偏光を選択的に透過させる機能を有する偏光子である。つまり、第1の偏光子120および第2の偏光子122は、片側面から入射した特定の波長域の光(自然光、非偏光)のうち右円偏光を選択的に他面側に透過させることができる。
第1の偏光子120および第2の偏光子122が右円偏光を選択的に透過させる特定の波長域は、上記第1の偏光子20および第2の偏光子22において制御波長域として説明したものと同様であればよい。
第1の偏光子120および第2の偏光子122のような右円偏光子としては公知のものを使用することができ、例えば、コレステリック液晶や強誘電性液晶による選択反射特性を利用した反射型円偏光子などが使用される。
なお、コレステリック液晶を用いた円偏光子は、重合性の液晶性化合物に対し、右捩れまたは左捩れを誘起するカイラル剤を所定量添加することで、コレステリック性を発現させ、左右の円偏光成分を選択的に反射し、残りの円偏光成分を透過させる円偏光子とすることができる。
なお、第3実施形態の調光装置は上述した調光装置10と同様に光を透過または遮光することできる。以下に、一例として、光が透過するメカニズムについて述べる。
まず、第1の偏光子120へと入射された光のうち、右円偏光のみが第1の偏光子120を透過する。次に、第1の偏光子120を透過した右円偏光は、第1のパターン位相差膜30aによって直線偏光に変換される。次に、第1のパターン位相差膜30aを透過した直線偏光は、第2のパターン位相差膜30bによって再び右円偏光に変換される。次に、第2のパターン位相差膜30bを透過した右円偏光は、第2の偏光子122を透過する。
なお、図6においては、第1の偏光子120および第2の偏光子122として右円偏光子を用いたが、この態様には限定されず、第1の偏光子120および第2の偏光子122として左円偏光子を用いてもよい。つまり、本発明においては、第1の偏光子および第2の偏光子として、いわゆる円偏光子(右円偏光子および左円偏光子)を用いてもよい。
また、図7に示すように、右円偏光子である第1の偏光子120と左円偏光子である第2の偏光子222とを組み合わせて使用してもよい。
また、図示しないが、第1の偏光子および第2の偏光子の一方に直線偏光子を用いて、他方に円偏光子を用いてもよい。
<第4実施形態>
図8は、本発明の第4実施形態の調光装置に含まれる調光部の模式的断面図である。
第4実施形態の調光装置に含まれる調光部12dは、第1の偏光子20の表面上(第1のパターン位相差膜30a側とは反対側の表面上)に金属含有層60を有する点以外は、第1実施形態の調光装置10中の調光部12aと同じ構成であり、第1実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
なお、後段で詳述するが、金属含有層60は偏光子の外側、より具体的には、第1の偏光子20の表面(第1のパターン位相差膜30a側とは反対側の表面)上に配置され、第1の偏光子20などへの光(特に、赤外線)の入射を防止する機能を有する。例えば、調光装置が屋内と屋外とを仕切る窓などに装着される場合、金属含有層60は屋外側に配置されることが好ましい。つまり、遮光したい光(例えば、太陽光)が入射される側の偏光子上に金属含有層60を配置することが好ましく、このような金属含有層60を有する調光装置は遮熱機能を有する。
なお、図8においては、金属含有層60は第1の偏光子20上に配置されるが、この態様には限定されず、第2の偏光子22上(第2の偏光子22の第2のパターン位相差膜30b側とは反対側の表面上)に配置されていても、第1の偏光子20上および第2の偏光子上の両方に配置されていてもよい。
以下、金属含有層60について詳述する。
金属含有層60は、熱線を反射することができる。そのため、このような金属含有層60が調光装置に含まれると、赤外線などの熱線を遮断することができる。
金属含有層60は、少なくとも1種の金属元素を含有する層である。
金属元素としては、周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、および第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素が好ましく、第2〜14族から選ばれる少なくとも1種の金属元素がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、および第14族から選ばれる少なくとも1種の金属元素がさらに好ましく、これらの金属元素を主成分として含むことが特に好ましい。
金属元素としては、具体的には銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金、錫、コバルト、パラジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、カドミウム、クロム、亜鉛、鉛などが挙げられる。これらの中でも、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金、錫、コバルト、パラジウム、イリジウムが好ましく、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金がより好ましく、銀が特に好ましい。
金属含有層60における金属元素はどのような形態で含有されていてもよく、例えば、金属粒子として金属含有層に含有される態様、並びに、金属含有層自体が金属膜および金属酸化物膜である態様が挙げられる。
なかでも、遮熱性と透明性との両立の観点から金属粒子として含有されていることが好ましい。
(金属粒子)
金属粒子は、平板状金属粒子(平板状の金属粒子)であることが好ましく、金属含有層60の一方の表面に平板状金属粒子を偏析させることがより好ましい。
金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線(近赤外線)の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、その中でも銀がより好ましい。
すなわち、金属含有層60は、銀粒子を含むことが好ましく、平板状銀粒子を含むことがより好ましい。
−平板状金属粒子−
平板状金属粒子としては、2つの主平面を有する平板形状の粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三角形状、四角形状、六角形状、八角形状、円形状などが挙げられる。これらの中でも、可視光透過率が高い点で、六角形状以上の多角形状乃至円形状であることがより好ましい。
円形状の平板状金属粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で平板状金属粒子を主平面の上方から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
六角形状の平板状金属粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で平板状金属粒子を主平面の上方から観察した際に、六角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状の角が鋭角のものでも、鈍っているものでもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、角が鈍っているものであることが好ましい。角の鈍りの程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
金属含有層60に存在し得る金属粒子のうち、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の含有比率は多いほど好ましく、さらには、金属粒子の全個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上がより好ましく、70個数%以上が特に好ましい。平板状金属粒子の割合が、60個数%以上であると、可視光線透過率が高くなる。
−平板状金属粒子の面配向および存在状態−
六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、その主平面が金属含有層60の一方の表面に対して、平均0°〜±30°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることがより好ましく、平均0°〜±10°の範囲で面配向していることが特に好ましい。また、平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上であることが好ましく、70個数%以上であることがより好ましく、90個数%以上であることがさらに好ましい。
平板状金属粒子の存在状態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば特開2014−184688号公報の段落〔0050〕〜〔0059〕に記載の態様が好ましい。
−平板状金属粒子の平均粒子径(平均円相当径)および変動係数−
平均粒子径は、平板状金属粒子の透過型電子顕微鏡写真上での投影面積を測定し、撮影倍率を補正する公知の方法により得ることができる。円相当径は、上記の方法により得られた粒子の透過型電子顕微鏡写真を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施し、個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を算出することで得ることができる。200個の平板状金属粒子の円相当径Dの統計で粒径分布(粒度分布)が得られ、算術平均を計算することで平均粒子径(平均円相当径)を求めることができる。平板状金属粒子の粒度分布における変動係数は、粒度分布の標準偏差を前述の平均粒子径(平均円相当径)で割った値(%)で求めることができる。
平板状金属粒子の粒度分布における変動係数としては、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下が特に好ましい。変動係数が、35%以下であることが熱線の反射波長域がシャープになることから好ましい。
平板状金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、平均粒子径は10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。
−平板状金属粒子の厚み・アスペクト比−
平板状金属粒子の厚みは14nm以下であることが好ましく、5〜14nmであることがより好ましく、5〜12nmであることが特に好ましい。
平板状金属粒子のアスペクト比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、波長800〜1,800nmの赤外光領域での反射率が高くなる点から、6〜40が好ましく、10〜35がより好ましい。アスペクト比が6以上であると反射波長が800nmより大きく、40以下であると、反射波長が1,800nmより小さくなり、熱線反射能がより向上する。
アスペクト比は、平板状金属粒子の平均粒子径(平均円相当径)を平板状金属粒子の平均粒子厚みで除算した値を意味する。
例えば、平板状金属粒子が円形状である場合、アスペクト比は、図9に示す直径Dを厚みaで除算した値である。
また、平板状金属粒子が六角形状である場合、アスペクト比は、図10に示す円相当径Dを厚みaで除算した値である。
粒子厚みは、平板状金属粒子の主平面間距離に相当し、原子間力顕微鏡(AFM)や透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
AFMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板ガラスに平板状金属粒子を含有する平板状金属粒子分散液を滴下し、乾燥させて、平板状金属粒子1個の厚みを測定する方法が挙げられる。
TEMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン基板上に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させた後、カーボン蒸着、金属蒸着による被覆処理を施し、集束イオンビーム(FIB)加工により断面切片を作製し、断面をTEMによる観察することにより、粒子の厚み測定を行う方法が挙げられる。
−平板状金属粒子の面積率−
金属含有層60を上から見た時の基材(偏光子)の面積A(金属含有層60に対して垂直方向から見たときの金属含有層60の全投影面積A)に対する平板状金属粒子の面積の合計値Bの割合である面積率〔(B/A)×100〕としては、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。面積率が、15%以上であると、熱線の最大反射率が増加し、より高い遮熱効果が得られる。
ここで、上記の面積率は、例えば金属含有層60を上からSEM(走査型電子顕微鏡)観察で得られた画像や、AFM(原子間力顕微鏡)観察で得られた画像を画像処理することにより測定することができる。
−平板状金属粒子の配列−
金属含有層60における平板状金属粒子の配列は均一であることが好ましい。ここでいう配列の均一とは、各粒子に対する最近接粒子までの距離(最近接粒子間距離)を粒子の中心間距離で数値化した際、各々の粒子の最近接粒子間距離の変動係数(=標準偏差÷平均値)が小さいことを差す。最近接粒子間距離の変動係数は小さいほど好ましく、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、理想的には0%である。最近接粒子間距離の変動係数が大きい場合には、金属含有層60内で平板状金属粒子の粗密や粒子間の凝集が生じ、ヘイズが悪化する傾向があるため好ましくない。最近接粒子間距離は金属含有層塗布面をSEMなどで観察することにより測定が可能である。
−平板状金属粒子の合成方法−
平板状金属粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を合成し得るものとして挙げられる。なかでも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。六角形〜三角形状の平板状金属粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウムの銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の平板状金属粒子の角を鈍らせて、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を得てもよい。
平板状金属粒子の合成方法としては、上記の他、予め材料、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
平板状金属粒子には、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2014−184688号公報の段落〔0068〕〜〔0070〕に記載の高屈折率シェル層の形成、特開2014−184688号公報の段落〔0072〕〜〔0073〕に記載の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
(バインダー)
金属含有層60はバインダーを含んでもよい。
バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なかでも、金属含有層60のバインダーとしてポリマーを含むことが好ましく、透明ポリマーを含むことがより好ましい。ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。
なかでも、ポリマーの主成分がポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂の少なくとも1種であることが好ましく、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂であることが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上を金属含有層60の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点からより好ましく、ウレタン樹脂であることがこすり耐性をより改善する観点から特に好ましい。
ポリエステル樹脂の中でも、飽和ポリエステル樹脂であることが二重結合を含まないために優れた耐候性を付与できる観点からより特に好ましい。また、分子末端に水酸基またはカルボキシ基を持つことが、水溶性または水分散性の硬化剤等で硬化させることで高い硬度、耐久性および耐熱性を得られる観点からより好ましい。
ポリマーとしては、商業的に入手できるものを好ましく用いることもでき、例えば、互応化学工業(株)製の水溶性ポリエステル樹脂であるプラスコートZ−867、DIC(株)製のハイドランHW350を挙げることができる。
また、本明細書中、ポリマーの主成分とは、バインダーに含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことをいう。
金属含有層60に含まれ得る金属粒子に対するポリエステル樹脂およびウレタン樹脂の含有量が1質量%〜10000質量%であることが好ましく、10質量%〜1000質量%であることがより好ましく、20質量%〜500質量%であることが特に好ましい。金属含有層60に含まれるバインダーを上記範囲以上とすることで、こすり耐性等の物理特性をより改善することができる。
バインダーの屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の厚みをaとしたとき、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、厚み方向のa/10以上をポリマーに覆われていることが好ましく、厚み方向のa/10〜10aをポリマーに覆われていることがより好ましく、a/8〜4aをポリマーに覆われていることが特に好ましい。このように六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が金属含有層60に一定割合以上埋没していることにより、よりこすり耐性を高めることができる。
(その他の添加剤)
金属含有層60はその他の添加剤として、架橋剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤を含んでもよい。
架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤などが挙げられる。中でカルボジイミド系架橋剤およびオキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の具体例としては、例えば、カルボジライト(登録商標)V−02−L2(日清紡ケミカル(株)製)などが挙げられる。金属含有層60中の全バインダーに対して1質量%〜20質量%の架橋剤由来の成分を含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜20質量%である。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤を用いることができる界面活性剤の具体例としては、例えば、ラピゾール(登録商標)A−90(日油(株)製)、ナロアクティー(登録商標)CL−95(三洋化成工業(株)製)、リパール870P(ライオン(株)製)が挙げられる。金属含有層60は、金属含有層60中の全バインダーの含有量に対して0.05〜10質量%の界面活性剤を含有することが好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
金属含有層60は、平板状金属粒子を構成する銀などの金属の酸化を防止するために、メルカプトテトラゾール、アスコルビン酸等の酸化防止剤を含んでもよい。また、酸化防止を目的として、Ni等の酸化犠牲層が平板状金属粒子の表面に形成されていてもよい。また、酸素を遮断することを目的として、SiOなどの金属酸化物膜で被覆されていてもよい。
分散剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、アミン類等の窒素元素、硫黄元素、およびリン元素の少なくともいずれかを含む低分子量分散剤、高分子量分散剤などの分散剤が挙げられる。
(金属膜、金属酸化物膜)
金属含有層60は、上記金属粒子以外の形態で金属元素を含んでもよい。例えば、金属含有層自体が金属膜、金属酸化物膜である態様でもよい。
金属膜としては、銀、金、アルミニウム、銅、パラジウム、白金、錫、インジウム、亜鉛、チタン、カドミウム、鉄、コバルト、クロム、ニッケルなどの金属または合金等でなる膜が挙げられる。
金属酸化物膜としては、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウムの膜が挙げられる。
(金属含有層の厚み)
金属含有層60の厚みは、5〜120nmであることが好ましく、7〜80nmであることがより好ましく、10〜40nmであることが特に好ましい。
〜金属含有層の形成〜
金属含有層60の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、偏光子の表面上に、金属含有層形成用分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜(Langmuir−Blodgett膜)法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。
なお、面配向を促進するために、金属含有層形成用分散液を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通すことにより促進させてもよい。
金属含有層60が金属膜および金属酸化物膜の場合は、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD(chemical vapor deposition)、プラズマCVD法等の化学的方式等の中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜することができる。
金属含有層形成用分散液は、消泡剤や防腐剤を含有してもよい。
金属粒子の調製や再分散においては、反応液や粗分散液を激しく撹拌することがある。対象となる液の性質に依存するが、表面張力を低下させる物質の存在により泡が安定化されるので、金属粒子分散液が界面活性剤や分散剤などの含有することにより発泡が促進される。そのため、消泡剤を含有することが好ましい。
消泡剤としては、界面活性剤、ポリエーテル系消泡剤、エステル系消泡剤、高級アルコール系消泡剤、ミネラルオイル系消泡剤、シリコーン系消泡剤など、一般的なものから選択して用いることができる。中でも界面活性剤は少量の添加で高い消泡効果を発揮でき、且つ経時安定性に優れているので好ましく用いられる。
水系に用いる場合、親油性が高く液体表面に広がりやすいもの、すなわちHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値の低いものが好ましく用いられる。水系に用いる場合、HLB値で7以下のものが好ましく、5以下のものがさらに好ましく、3以下のものが最も好ましい。
消泡剤としては、市販のものを用いることもでき、例えば、Pluronic31R1(BASF社製)などを好ましく用いることができる。
防腐剤としては、例えば、特開2014−184688号公報の段落〔0073〕〜〔0090〕に記載の防腐剤を用いることができる。
<その他の実施形態>
また、上述した第1実施形態〜第4実施形態においては、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜が2つの遅相軸の方向が異なる位相差領域を有する形態であったが、その形態には限定されず、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜が面内に少なくとも3方向以上の遅相軸方向を有していてもよい。つまり、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜が、面内に少なくとも3つ以上の遅相軸の方向の異なる位相差領域を有していてもよい。このような3つ以上の遅相軸の異なる位相差領域を有する場合、第1のパターン位相差膜30aおよび第2のパターン位相差膜30bのいずれか一方の相対移動量において、入射光の透過率を多段階に調節することが可能となる。つまり、階調性を付与するという観点から好ましい。
なお、パターン位相差膜中の遅相軸の方向の数の上限は特に制限されないが、製造適性の観点から、180以下が好ましい。
第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜が3つ以上の遅相軸を有する場合、遅相軸方向が異なる領域が同じ幅(ピッチ)のストライプ状に配置された形態であることが好ましい。その際、パターン位相差膜(第1および第2のパターン位相差膜)には遅相軸方向が異なる3つ以上の領域が含まれるが、隣接する領域間において一方の領域の遅相軸と他方の領域の遅相軸とのなす角度が一定であることが好ましい。例えば、後述する図11(a)においては隣接する領域間において、一方の領域の遅相軸と他方の領域の遅相軸とのなす角度は15°にそれぞれ設定されている。
なお、3方向以上の遅相軸方向を有する第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜を上下に重ね合わせた場合、第1のパターン位相差膜と第2のパターン位相差膜とが向かい合った領域において、いずれの領域においても、第1のパターン位相差膜中の遅相軸と第2のパターン位相差膜中の遅相軸とのなす角が一定であるように設計されることが好ましい。
そのようなパターン位相差膜(第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜)の好適態様としては、遅相軸方向が180°/nの等間隔で変化する位相差膜が挙げられる。つまり、遅相軸方向が互いに異なる各領域において、その遅相軸方向が180°/nずつ変化する位相差膜が挙げられる。nは3以上の整数であり、nが大きくなるほど多段階階調が可能となる。また、最大の透過率と最小の透過率を実現するためには、第1のパターン位相差膜の遅相軸と、第2のパターン位相差膜の遅相軸とのなす角度が、m×90°および45°+m×90°(mは整数)となる2つの状態を取りうるようにすることが好ましい。すなわち先述のnは、4の倍数であることが好ましく、そのときの階調数はn/4+1で表される。階調数がより多くなる点からは、nはなるべく大きいことが好ましいが、透過率がより滑らかに変化するという点で、nは12以上が好ましく、24以上がより好ましく、36以上がさらに好ましい。製造適性の観点から、nは180以下が好ましい。
具体的には、図11を用いて説明する。図11(a)中、3方向以上の遅相軸方向を有する第1のパターン位相差膜130aおよび第2のパターン位相差膜130bには、それぞれ12方向の遅相軸が含まれている。より具体的には、第1のパターン位相差膜130aおよび第2のパターン位相差膜130bにおいては、遅相軸が0〜165°まで15°ずつ傾くように等間隔に配置されている。図11(a)のように、第1のパターン位相差膜130aと第2のパターン位相差膜130bとを対向させた場合、第1のパターン位相差膜130a中の一領域の遅相軸と、その領域に対向する第2のパターン位相差膜130b中の一領域の遅相軸とのなす角は、いずれの領域においても90°と設定されており、上記好適要件を満たしている。
また、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜の少なくとも一方を他方に対して平行に相対移動させた場合にも、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜が対向するいずれの領域においても、第1のパターン位相差膜中の遅相軸と第2のパターン位相差膜中の遅相軸とのなす角が一定であることが好ましい。より具体的には、図11(b)に示すように、図11(a)中の第2のパターン位相差膜を3領域分スライドさせた場合において、第1のパターン位相差膜130a中の一領域の遅相軸と、その領域に対向する第2のパターン位相差膜130b中の一領域の遅相軸とのなす角は、いずれの領域においても同じ角度をなすことが好ましい。
このように、第1のパターン位相差膜と第2のパターン位相差膜の面内の遅相軸角度分布は、平行移動軸に対して、一定の変化量と一定の周期を有することが好ましく、それらの変化量と周期は第1のパターン位相差膜と第2のパターン位相差膜において、等しいことが好ましい。
上述した調光装置は種々の用途に適用することができ、例えば、窓(特に、窓ガラス)上に設置して、窓用調光装置として好適に適用できる。
なお、「窓ガラス」は、建物に設置される窓ガラスおよび乗り物に設置される窓ガラスを包含する意味で用いる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の調光装置について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<透明支持体Aの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
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セルロースアシレート溶液Aの組成
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置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
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別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
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添加剤溶液Bの組成
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下記化合物B1(Re低下剤) 40質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
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<セルロースアセテート透明支持体の作製>
セルロースアシレート溶液A(477質量部)に、添加剤溶液B(40質量部)を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延して、フィルムの形成を行った。溶媒含有率70質量%の状態でフィルムをドラムから剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート透明支持体(以下、透明支持体Aという)を作製した。透明支持体AのRe(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。
<ハードコート膜の作製>
(ハードコート膜形成用組成物の調製)
下記の組成となるように各成分をMIBK(メチルイソブチルケトン)とMEK(メチルエチルケトン)との混合溶媒(89対11(質量比))と混合した。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート膜形成用組成物を調製した。組成物の固形分濃度は40質量%であった。
なお、無機粒子の使用量に関しては、後述する表1に示すようなハードコート膜中における含有量(ハードコート膜全質量に対する無機粒子の含有量)となるように調整した。
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ハードコート膜形成用組成物
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無機粒子 表1参照
樹脂粒子(テクポリマーSSX、積水化成品工業社製) 8.00質量部
アクリレートモノマー(NKエステルA9550、新中村化学工業社製)
87.79質量部
重合開始剤(イルガキュア907、BASF社製) 3.00質量部
レベリング剤(P−4) 0.15質量部
分散剤(DISPERBYK−2164、ビックケミー・ジャパン社製)
0.06質量部
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(樹脂粒子分散液の調製)
透光性樹脂粒子の分散液は、撹拌しているMIBK溶液中に透光性樹脂粒子(テクポリマーSSX、積水化成社製)を分散液の固形分濃度が30質量%になるまで徐々に加え、30分間撹拌して調製した。
(ハードコート膜の塗設)
上記で作製した透明支持体Aをロール形態で巻き出して、各ハードコート膜形成用組成物をそれぞれ使用し、膜厚4μmとなるようにハードコート膜を塗設した。
具体的には、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で各ハードコート膜形成用組成物を塗布し、80℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下、酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量388mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させてハードコート膜を形成した後、巻き取り、ハードコート膜付き透明支持体Bを作製した。
<アルカリ鹸化処理した透明支持体Cの作製>
上述の作製したハードコート膜付き透明支持体Bを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面(ハードコート膜が配置されていない表面)に下記に示す組成のアルカリ溶液を、#6のワイヤーバーで連続的に塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じく#6のワイヤーバーを用いて、純水を3ml/m塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理した透明支持体Cを作製した。
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アルカリ溶液の組成
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水酸化カリウム 2.0質量部
水 6.5質量部
イソプロパノール 85.0質量部
界面活性剤SF−1:C1429O(CHCHO)20H 0.035質量部
プロピレングリコール 6.5質量部
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<パターン位相差膜の作製>
上述の作製したアルカリ鹸化処理した透明支持体Cの、鹸化処理を施した面に、下記の組成の配向膜形成用塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、露光前配向膜付支持体Dを形成した。露光前配向膜の膜厚は0.45μmであった。
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配向膜形成用塗布液の組成
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配向膜用ポリマー材料(P−1) 2.4質量部
光酸発生剤(S−1) 0.17質量部
ラジカル重合開始剤
(イルガキュア(登録商標)2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.18質量部
ラジカル開始剤(R−1) 0.18質量部
メタノール 16.5質量部
IPA(イソプロパノール) 7.2質量部
水 73.55質量部
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次に、透過部の横ストライプ幅12.7mm、遮蔽部の横ストライプ幅12.7mmのストライプマスクを上述の作製した露光前配向膜付支持体D上に配置し、室温空気下にて、200nm〜400nmの波長領域における照度500mW/cmの紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を光源ユニットとして用いて紫外線を0.06秒間(30mJ/cm)照射しパターン配向膜を形成した。
上述の紫外線露光後のパターン配向膜に、ストライプマスクのストライプに対して45°の角度を保持して500rpmで一方向に1往復、ラビング処理を行った。次いで、下記の位相差膜形成用組成物を、#3.2のワイヤーバーで塗布した。さらに、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて紫外線を20秒間照射して、その配向状態を固定化することによりパターン位相差膜を形成した。マスク露光部分は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行にディスコティック液晶性化合物が垂直配向しており、未露光部分はラビング方向に対し遅相軸方向が直交にディスコティック液晶性化合物が垂直配向していた。なお、パターン位相差膜の膜厚は、1.15μmであり、各パターン領域のRe(550)は130nmであった。
上記手順により、ハードコート膜およびパターン位相差膜を有する積層体が得られた。
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位相差膜形成用組成物の組成
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ディスコティック液晶E−2 80質量部
ディスコティック液晶E−3 20質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 0.9質量部
配向膜界面配向剤(III−1) 0.08質量部
空気界面配向剤(P−2) 0.2質量部
空気界面配向剤(P−3) 0.6質量部
光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)907、BASF社製)3.0質量部
他官能モノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート(ビスコート360、大阪有機化学社製)) 10質量部
メチルエチルケトン 268質量部
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以下のE−2およびE−3中の「*」は結合位置を表す。
<実施例1〜13:調光用フィルムの作製>
上記で得られた各積層体中のパターン位相差膜と偏光子(ポラテクノ社製染料偏光板VHC−128)とを接着剤(PDS−1、パナック社製)を介して貼り合せ、偏光子、パターン位相差膜、および、ハードコート膜をこの順で有する積層体(フィルム)を作製した。なお、積層体の大きさは10cm×20cmであった。
なお、上記積層体を作製する際には、パターン位相差膜中のストライプ状の領域が交互に配置される方向と偏光子の透過軸方向とが平行となるように両者が張り付けられた第1積層体と、パターン位相差膜中のストライプ状の領域が交互に配置される方向と偏光子の透過軸方向とが直行となるように両者が張り付けられた第2積層体との2種を製造した。
さらに、上記で作製した積層体(第1積層体および第2積層体)中の偏光子側の表面上に接着剤(PDS−1、パナック社製)を介してガラス基板(ソーダガラス10cm×20cm×厚1.1mm)を張り合わせて、各実施例において調光用フィルムをそれぞれ作製した。
上記のように、各実施例においては、調光用フィルムとして、パターン位相差膜中のストライプ状の領域が交互に配置される方向と偏光子の透過軸方向とが平行となるように配置された調光用フィルムと、パターン位相差膜中のストライプ状の領域が交互に配置される方向と偏光子の透過軸方向とが直行となるように配置された調光用フィルムとの2種を用意した。
<実施例14:調光用フィルムの作製>
偏光子(ポラテクノ社製染料偏光板VHC−128)上に、後述する金属含有層形成用分散液をワイヤーバーにより10.6ml/mとなるように塗布し、140℃で乾燥処理を施して、銀平板粒子を含む金属含有層を設けた。塗布乾燥後の厚みは10nmであった。
次に、偏光子の金属含有層が配置されている側とは反対側の表面と、実施例13にて作製した積層体中のパターン位相差膜とを接着剤(PDS−1、パナック社製)を介して貼り合せ、金属含有層、偏光子、パターン位相差膜、および、ハードコート膜をこの順で有する積層体(フィルム)を作製した。なお、積層体の大きさは10cm×20cmであった。
なお、上記積層体を作製する際には、パターン位相差膜中のストライプ状の領域が交互に配置される方向と偏光子の透過軸方向とが平行となるように両者が張り付けられた。
さらに、上記で作製した積層体中の金属含有層側の表面上に接着剤(PDS−1、パナック社製)を介してガラス基板(ソーダガラス10cm×20cm×厚1.1mm)を張り合わせて、調光用フィルムを作製した。
(平板状金属粒子の調製)
−銀平板粒子分散液Aの調製−
高Cr−Ni−Moステンレス鋼(NTKR−4、日本金属工業(株)製)製の反応容器にイオン交換水13L(リットル)を計量し、ステンレス鋼(SUS316L)製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚およびNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えるチャンバーを用いてイオン交換水を100rpmで撹拌しながら、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加して35℃に保温した。この溶液に8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、さらに0.04Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて23g/Lに調製した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。さらに0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/minで添加した。
その後、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lとイオン交換水11Lを添加して、さらに80g/Lのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液0.68Lを添加した。撹拌の速度を800rpmに上げて、0.10g/Lの硝酸銀水溶液8.1Lを0.95L/minで添加した後、30℃に降温した。
44g/Lのメチルヒドロキノン水溶液8.0Lを添加し、次いで、後述する40℃のゼラチン水溶液を全量添加した。撹拌の速度を1200rpmに上げて、後述する亜硫酸銀白色沈殿物混合液を全量添加して調製液を得た。
調製液のpH変化が止まった段階で、1N(1mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0Lを0.33L/minで添加した。その後、2.0g/Lの1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム水溶液(NaOHとクエン酸(無水物)とを用いてpH=7.0±1.0に調節して溶解した)0.18Lを添加し、さらに70g/Lの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(NaOHで水溶液をアルカリ性に調節して溶解した)0.078Lを添加した。このようにして銀平板粒子分散液Aを調製した。
−ゼラチン水溶液の調製−
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水16.7Lを計量した。SUS316L製のアジターで低速撹拌を行いながら、脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC(Gel permeation chromatography)重量平均分子量20万)1.4kgを添加した。さらに、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、および過酸化水素による酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC重量平均分子量2.1万)0.91kgを添加した。その後40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤と溶解を同時に行って完全に溶解させた。
−亜硫酸銀白色沈殿物混合液の調製−
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水8.2Lを計量し、100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。SUS316L製のアジターで高速撹拌を行いながら、140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加して、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む混合液を調製した。この混合液は、使用する直前に調製した。
銀平板粒子分散液Aをイオン交換水で希釈し、分光光度計((株)日立製作所製U−3500)を用いて分光吸収を測定したところ、吸収ピーク波長は900nmであり、半値全幅は270nmであった。
銀平板粒子分散液Aの物理特性は、25℃においてpH=9.4(アズワン(株)製KR5Eで測定)、電気伝導度8.1mS/cm(東亜ディーケーケー(株)製CM−25Rで測定)、粘度2.1mPa・s((株)エー・アンド・デイ製SV−10で測定)であった。得られた銀平板粒子分散液は、ユニオンコンテナーII型(低密度ポリエチレン製、販売元:アズワン(株))の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。
−平板状金属粒子分散液の脱塩および再分散−
前述の銀平板粒子分散液Aを遠沈管に800g採取して、1N(1mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)および/または1N(1mol/L)の硫酸を用いて25℃でpH=9.2±0.2に調整した。遠心分離機(日立工機(株)製himacCR22GIII、アングルローターR9A)を用いて、35℃に設定して9000rpm、60分間の遠心分離操作を行った後、上澄液を784g捨てた。沈殿した銀平板粒子に0.2mM(0.2mg/mol)のNaOH水溶液を加えて合計400gとし、撹拌棒を用いて手撹拌して粗分散液にした。これと同様の操作で24本分の粗分散液を調製して合計9600gとし、SUS316L製のタンクに添加して混合した。さらに、Pluronic31R1(BASF社製)の10g/L溶液(メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液で希釈)を10mL添加した。プライミクス(株)製オートミクサー20型(撹拌部はホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液混合物に9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。分散後、25℃に降温してから、プロファイルIIフィルター(日本ポール(株)製、製品型式MCY1001Y030H13)を用いてシングルパスの濾過を行った。
このようにして、分散液に脱塩処理および再分散処理を施して、銀平板粒子分散液Bを調製した。
銀平板粒子分散液Bの分光透過率を、銀平板粒子分散液Aと同様の方法で測定したところ、吸収ピーク波長および半値幅は銀平板粒子分散液Aとほぼ同じ結果であった。
分散液Bの物理特性は、25℃においてpH=7.6、電気伝導度0.37mS/cm、粘度1.1mPa・sであった。得られた銀平板粒子分散液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。なお、pH、電気伝導度、および粘度は、上記の銀平板粒子分散液Aと同様の方法で測定した。
−平板状金属粒子の評価−
銀平板粒子分散液Aの中には、六角形状乃至円形状および三角形状の平板粒子が生成していることを確認した。
銀平板粒子分散液Aの透過型電子顕微鏡(TEM)観察により得られた像を、画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。数視野のTEM像から任意に抽出した200個の粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。これらの母集団に基づき統計処理した結果、平均直径は120nmであった。
レーザー回折・散乱式の粒子径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製、粒子透過性は反射に設定)を用いて銀平板粒子分散液Aを測定して、メジアン径D50=48nm、D10=33nm、D90=70nm、および平均粒径(体積加重)51nmの結果を得た。また、平板状の金属粒子を測定したところ97個数%であった。
銀平板粒子分散液Bを同様に測定したところ、粒度分布の形状も含め銀平板粒子分散液Aとほぼ同じ結果を得た。
銀平板粒子分散液Bをシリコン基板上に滴下して乾燥し、銀平板粒子の個々の厚みをFIB−TEM(Focused Ion Beam−Transmission Electron Microscope)法により測定した。銀平板粒子分散液B中の銀平板粒子10個を測定して平均厚みは8nmであった。
(金属含有層形成用分散液の調製)
下記に示す組成となるように金属含有層形成用分散液を調製した。
−金属含有層形成用分散液−
水性ウレタン樹脂・・・0.27質量部
(ハイドランHW350、DIC(株)製、固形分30質量%)
銀平板粒子分散液B・・・16.24質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール・・・0.61質量部
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)
界面活性剤・・・0.96質量部
(リパール870P、ライオン(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤)
界面活性剤・・・1.19質量部
(ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1.0質量%、ノニオン系界面活性剤)
メタノール・・・30.00質量部
蒸留水・・・50.73質量部
<調光装置の作製>
上記で得られた各調光用フィルムを用いて、調光装置を作製した。具体的には、各実施例で作製した2枚の調光用フィルムを用意し、パターン位相差膜のストライプパターンが平行に揃うように向かい合わせて設置した(図1参照)。また、2枚の調光用フィルムにおいては、ハードコート膜同士が対向するように配置されており、各実施例においてはハードコート膜同士の間隔は表1中の「間隔」欄に示す距離となるように配置した(図1(b)参照)。また、2枚の偏光子の透過軸方向は、図1に示すように直行していた。
なお、上記で製造された調光装置においては、2枚の調光用フィルムの一方が他方に対して平行に相対移動可能であるように、治具で固定されている(図1(a)参照)。また、調光装置を調光用フィルムの法線方向から視認した際に、2枚の調光用フィルムが完全に重なる状況から、全く重ならない状況まで調光用フィルムの一方をスライド可能に配置されている。
また、実施例14の調光装置の製造においては、上記で製造した金属含有層を含む調光用フィルムと、実施例13で用いた金属含有層を含まない調光用フィルムとを用いた。
また、比較例1では、ハードコート膜を設けていないパターン位相差膜を用いて調光装置を製造した。つまり、比較例1はハードコート膜がない点以外は、実施例1の調光装置と同様の構成を有する。
<調光装置の評価>
<傷評価>
30℃、65%の環境下にて、上記で製造した調光装置中の一方の調光用フィルムを1000回スライドさせ、調光装置(特に、調光用フィルム表面)中において傷の発生の程度を目視にて確認し、以下の基準に従って評価した。結果は表1にまとめて示す。
「1」:傷が31ケ所以上視認できる。
「2」:傷が1〜30ケ所視認できる。
「3」:傷が視認できない。
<視認性評価>
所定距離離れて調光装置(図1(c)の状態で観察)を視認した際に、パターン位相差膜中のパターン領域間の境界線を視認可能かどうかを観察し、以下の基準に従って評価した。なお、観察者の視力は、両眼とも1.0以上2.0以下であった。実用上、「2」または「3」であることが好ましい。
「1」:境界線が3m離れたところから視認できる。
「2」:境界線が3m離れたところから視認できないが、2m離れたところでは視認できる。
「3」:境界線が2m離れたところからでも視認できない。
<防曇性評価>
調光装置を23℃、65%の恒温恒湿室中で一昼夜置き、その後、調光装置の一方の面から40℃の温風、他方の面から10℃の風を当てたときの曇りを目視で観察し、以下の基準に従って評価した。
「1」:曇ってしまい反対側の景色が判断できない。
「2」:曇るが反対側の景色が判断できる。
「3」:曇りがほとんどない。
<鉛筆硬度評価>
往復磨耗試験機トライボギア(登録商標) TYPE:30S(新東科学(株)製)を用いて、JIS K5600−5−4に基づき、移動速度0.5mm/秒、加重750gにて、ハードコート膜の鉛筆硬度を測定した。ハードコート膜の鉛筆硬度は、用途によって求められるレベルが異なるものの、「H」以上であればフィルムとしての耐傷性は満足するといえる。
<接触角評価>
水接触角の測定方法は、ハードコート膜表面の接触角(静的接触角)をDrop Master700(協和界面科学(株))を用いて測定した。具体的には、シリンジ部をAUTO DISPENSER AD−31に接続し、一定量の純水をシリンジから押し出してハードコート膜表面に着滴させ、10秒後の接触角を測定した。
表1中、「無機粒子」欄の「質量%」は、ハードコート膜(第1のハードコート膜および第2のハードコート膜)全質量に対する無機粒子の質量%を意図する。
表1中、「膜厚(μm)」は、ハードコート膜(第1のハードコート膜および第2のハードコート膜)の膜厚を意図する。
表1中、「間隔」は調光装置中の第1のハードコート膜と第2のハードコート膜との間隔(平均値)を意図する。
表1に示すように、本発明の調光装置においては、境界線が見えづらく、かつ、湿熱環境下においても傷の発生が抑制されることが確認された。
なお、実施例1と2との比較から分かるように、ハードコート膜に無機粒子が含まれる場合、傷の発生がより抑制されることが確認された。
また、実施例1〜7の結果から分かるように、ハードコート膜の水接触角が60°以下の場合、防曇性がより優れることが確認された。
また、実施例13と14とを比較すると、実施例14においては遮熱効果が得られることが確認された。なお、ここで言う遮熱とは波長700〜1200nmの熱線を平均反射率で5%以上反射することを意味する。この結果より、金属含有層を設けることで、遮熱と調光を備えた調光装置を提供できる。なお、金属含有層に平板状銀粒子が含まれることで、日射吸収率を下げることができ、熱割れのおそれもより低減できる。
一方、ハードコート膜を設けていない比較例1では、所望の効果が得られなかった。
10,100 調光装置
12 調光部
14 移動部
16 制御部
20,120 第1の偏光子
22,122,222 第2の偏光子
30a,130a 第1のパターン位相差膜
30b,130b 第2のパターン位相差膜
31 第1位相差領域
32,34,36,38 遅相軸
33 第2位相差領域
35 第3位相差領域
37 第4位相差領域
40、40a 移動機構
50a 第1のハードコート膜
50b 第2のハードコート膜
60 金属含有層

Claims (6)

  1. 第1の偏光子と、前記第1の偏光子と離間して配置された第2の偏光子と、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間に配置された、同一面内に複数の遅相軸方向を有する、第1のパターン位相差膜および第2のパターン位相差膜とを備え、
    前記第1の偏光子、前記第1のパターン位相差膜、前記第2のパターン位相差膜、および、前記第2の偏光子はこの順に、互いに平行に配置されており、
    前記第1のパターン位相差膜、および、前記第2のパターン位相差膜の少なくとも一方が他方に対して平行に相対移動可能であり、
    前記第1のパターン位相差膜、および、前記第2のパターン位相差膜の少なくとも一方を相対的に平行に移動させることで、前記第1の偏光子または前記第2の偏光子から入射される入射光の透過率を変えることが可能な調光装置であって、
    前記第1のパターン位相差膜の前記第2のパターン位相差膜側の表面上に第1のハードコート膜がさらに配置され、
    前記第2のパターン位相差膜の前記第1のパターン位相差膜側の表面上に第2のハードコート膜がさらに配置される、調光装置。
  2. 前記第1のハードコート膜と前記第2のハードコート膜との間隔が0.5mm以下である、請求項1に記載の調光装置。
  3. 前記第1のハードコート膜の表面および前記第2のハードコート膜の表面の水に対する接触角がそれぞれ70°以下である、請求項1または2に記載の調光装置。
  4. 前記第1のハードコート膜の表面および前記第2のハードコート膜の表面の水に対する接触角がそれぞれ60°以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光装置。
  5. 前記第1のハードコート膜および前記第2のハードコート膜にそれぞれ無機粒子が含まれ、
    前記第1のハードコート膜中における前記無機粒子の含有量が、前記第1のハードコート膜全質量に対して、0.5〜25質量%であり、
    前記第2のハードコート膜中における前記無機粒子の含有量が、前記第2のハードコート膜全質量に対して、0.5〜25質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光装置。
  6. 前記第1の偏光子の前記第1のパターン位相差膜側とは反対側の表面上、および、前記第2の偏光子の前記第2のパターン位相差膜側とは反対側の表面上の少なくとも一方に、金属元素を含む金属含有層がさらに配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光装置。
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