JP2015143778A - 偏光子保護フィルム、偏光板、それを用いた液晶表示装置 - Google Patents

偏光子保護フィルム、偏光板、それを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルムを薄膜化した場合であっても、液晶表示装置の表示面における垂直方向に対する斜め方向から観察した際に、虹ムラがなく良好な視認性を確保することが可能な偏光子保護フィルムを提供することを課題とする。【解決手段】ポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムは、共重合成分にポリエーテル成分を含有するポリエステルからなり、面内レタデーションが3000nm以上30000nm以下である、偏光子保護フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、視認性が良好で薄型化に適した偏光子保護フィルム及びこれを用いた偏光板、液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は液晶セルの両面に偏光板を配し、一方の面に対して配された冷陰極蛍光ランプ(以下、CCFLと記す)や発光ダイオード(以下、LEDと記す)などの光源を有するバックライトによって、画像等を表示する装置である。
偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)を主体に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させた偏光子と呼ばれるフィルムと、この両面に配された偏光子保護フィルムからなる。一般に、偏光子保護フィルムはトリアセチルセルロース(以下、TACと記す)フィルムより構成されている。
近年、液晶表示装置の薄型化に伴い、偏光板の薄層化が求められている。これにより、偏光子保護フィルムの薄膜化が望まれていたが、偏光子保護フィルムがTACフィルムの場合、充分な力学強度が得られず、また、透湿しやすい等の問題があり、更に、高価であるため、安価な代替素材が強く望まれていた。
上記の問題に対して、代替素材として、ポリエステルフィルムを用いることが提案されている(特許文献1〜4)。
ポリエステルフィルムは、TACフィルムに比べて、力学強度が高く、透湿性も低いことから、代替素材として有望であるが、薄化により光学的異方性の影響が発現し易くなり、液晶表示装置における表示面の垂直方向に対して斜め方向から観察した場合に虹ムラ(色ムラ)などが認められやすくなるといった課題があった。
上記の課題に対して、特許文献1〜3では、ポリエステルとして共重合ポリエステルを用いることで、光学的異方性を小さくする対策がなされているが、虹ムラ(色ムラ)を解消するには至っていない。
特許文献4には、ポリエステルフィルムの複屈折とバックライトの発光スペクトルに着目し、特定のバックライト光源と特定のレタデーションを有するポリエステルフィルムとを組み合せて用いることにより、上記の虹ムラ(色ムラ)の問題を解消できることを開示している。
特開2002−116320号公報 特開2004−219620号公報 特開2004−205773号公報 特許4962661号公報
しかし、特許文献4に開示された偏光子保護フィルムであっても、ポリエステルフィルムの更なる薄膜化の要望に対して、虹ムラが生じてしまうことがあった。
本発明者は、鋭意検討を行なった結果、下記組成を有するポリエステルを用いた偏光子保護フィルムであれば、上記の課題を解消でき、更なる薄膜化に適合できるフィルムが得られることを見出した。
項1.
ポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであって、
前記ポリエステルフィルムは、共重合成分にポリエーテル成分を含有するポリエステルからなり、面内レタデーションが3000nm以上30000nm以下である、偏光子保護フィルム。
項2.
前記ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率をNy、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をNx、厚み方向の屈折率をNzとしたときに、(Nz−Ny)/(Nx−Ny)で表されるNZ係数が1.55以下である、項1記載の偏光子保護フィルム。
項3.
前記ポリエステルは、共重合成分にポリエーテル成分を0.1mol%以上5mol%未満含有する、項1または2記載の偏光子保護フィルム。
項4.
前記ポリエーテル成分の数平均分子量が500以上10000以下である、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項5.
前記ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上100μm以下である、項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項6.
偏光子の少なくとも一方の偏光子保護フィルムが、項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、偏光板。
項7.
バックライト、液晶セル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が、項6に記載の偏光板である液晶表示装置。
本発明の偏光子保護フィルムであれば、偏光子保護フィルムを薄膜化した場合であっても、液晶表示装置の表示面における垂直方向に対する斜め方向から観察した際に、虹ムラ(色ムラ)がなく良好な視認性を確保することが可能である。また、本発明によれば、視認性に優れ、より薄型の偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の偏光子保護フィルムは共重合成分にポリエーテルを含有するポリエステルからなるフィルムであって、面内レタデーションが3000nm以上30000nm以下であることを特徴とする。
ポリエステルフィルムの面内レタデーションは3000nm以上30000nm以下が好ましく、3500nm以上30000nm以下がより好ましい。4000nm以上30000nm以下が更に好ましい。面内レタデーションが3000nm未満である場合、虹ムラが発生してしまう。また面内レタデーションは厚みに比例するために大きくすることは可能であるが、偏光子保護フィルムとして厚みが厚いものは実用上好まれないため、30000nm以下が好ましい。
ポリエステルフィルムのNZ係数は、1.55以下が好ましい。ここで、NZ係数とは、面内の遅相軸方向の屈折率をNy、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をNx、厚み方向の屈折率をNzとしたときに、(Nz−Ny)/(Nx−Ny)で求まる値のことである。NZ係数は、より好ましくは1.5以下、さらにより好ましくは1.48以下であり、1.45以下が特に好ましい。NZ係数は1が理想値であり、NZ係数が小さくなるほど斜め方向からの虹ムラの発生を抑制できる。NZ係数が大きくなると、斜め方向からの虹ムラが発生しやすくなる。
本発明者らは、共重合成分としてポリエーテル成分を含有するポリエステルからなるフィルムであれば、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーからなるフィルム等に比して、比較的容易にNZ係数を下げることが可能であり、その結果、フィルムを薄膜化した場にも、斜め方向から観察される虹ムラを抑制できることを見出した。
ポリエーテルのようにポリマー中で嵩高い構造を取ることのできる成分を共重合することで、フィルム製造工程中の延伸時においてフィルム進行方向に発生する応力を低減することができ、その結果、Nxの増大を低減し、NZ係数を下げることが可能になるためと考えられる。
ポリエステルの共重合成分として使用するポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールが好ましい。中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールがより好ましく、ポリエチレングリコールが更に好ましい。
ポリエーテル成分の含有量は、ポリエステルの全酸成分を100mol%、全ジオール成分を100mol%としたときに、0.1mol%以上5mol%未満が好ましく、中でも0.1mol%以上3mol%以下がより好ましい。0.1mol%未満であると、NZ係数を下げる効果が発現せず斜め方向からの虹ムラが発生してしまう。また5mol%以上であると安定した製膜が困難となり、連続してフィルムサンプルを得られなくなる。
上記のポリエーテル成分を、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル、エチレンナフタレート単位を主体とするポリエステル、又はブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルに共重合することが好ましい。エチレンテレフタレート単位、エチレンナフタレート単位又はブチレンナフタレート単位を、好ましくは90mol%以上、より好ましくは95mol%以上、さらにより好ましくは97mol%以上含有されたポリエステルが好ましい。
本発明の効果を奏する範囲内で、ポリエーテル以外の他の共重合成分、例えばイソフタル酸やネオペンチルグリコール等の共重合成分を含むことも許容されるが、スルホン酸を含む成分は製膜した際の透湿性が高くなるため好ましくはない。
ポリエーテル成分の数平均分子量としては200以上10000以下であることが好ましい。中でも500以上10000以下であることが好ましく、500以上8000以下であることが更に好ましい。数平均分子量が200未満であるとポリエーテルとは言えない。一方、数平均分子量が10000以上であると安定した製膜が困難となる場合がある。またポリエーテルの価格が高くなるため、現実的ではない。ポリエーテルは市販のものを使用することができ、数平均分子量は市販品のカタログに掲載された値を用いればよい。また、ポリエステルフィルムを適当な溶媒に溶解してH−NMR測定を行い、ポリエーテル成分の末端ピーク(ポリエチレングリコールの場合、末端メチレンピーク)、ポリエーテル成分の末端以外のピーク(ポリエチレングリコールの場合、末端メチレンピークを除く主鎖メチレンピーク)の積分値を読み取り、簡単な計算から共重合成分であるポリエーテルの数平均分子量を評価することができる。
ポリエステルフィルムの厚みは20μm以上100μm以下が好ましい。中でも25μm以上95μm以下がより好ましく、30μm以上90μm以下が更に好ましい。20μm未満である場合、製膜時の破断または後加工時の工程通過性が悪化する恐れがある。一方、100μmより厚い場合、上記課題は解決するが、偏光板の薄肉化に反し工業材料としての取り扱い性を悪化させる。
本発明の液晶表示装置は、バックライト、液晶セル、液晶セルの両側に配置された偏光板を有する。一方の面に対して配されたCCFLやLEDなどを光源としたバックライトによって、画像等が表示される。偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)を主体に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させた偏光子と呼ばれるフィルム、及びその両面に配された偏光子保護フィルムからなる。液晶表示装置は、これら以外の他の構成部材として、例えば、カラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。
バックライトの構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であっても構わないが、本発明では、液晶表示装置のバックライト光源として連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を用いることが好ましい。
「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDとは、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発するLEDと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子及び有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等があり、中でも、化合物半導体を使用した青色LEDとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDは、連続的で幅広い発光スペクトルを有しているとともに発光効率にも優れるため、省エネルギー化が期待できる。
以下、本発明の偏光子保護フィルムの製造方法に関して説明する。
一般的な高分子フィルムの製造方法に準拠して得ることができる。例えば、ポリエステルを溶融し、押出しにより無配向のシート状物を得た後、ポリエステルのガラス転移温度以上の温度で、ロールの速度差を利用したMD延伸(フィルム流れ方向の延伸)、テンターによるTD延伸(フィルム幅方向の延伸)を単独、あるいは、組み合わせて行なってから熱処理を施す方法が例示できる。
ポリエステルフィルムの製造方法は、上述の方法に限定されないが、二軸に延伸したフィルムの場合、偏光子保護フィルムの面に垂直な方向に対して、斜めから観察した場合に、虹ムラ(色ムラ)が認められやすくなる傾向にあるので、虹ムラ(色ムラ)を解消する観点からは、単純な一軸のTD延伸が好ましく、TD延伸と同時にMD方向にリラックスを行なうことがより好ましい。なお、単純な一軸のMD延伸も可能であるが、延伸ムラが生じやすいなどの課題があり、留意が必要である。
本発明で使用するポリエステルフィルムは、フィルム製造時の延伸条件等を調整することによりリタデーションを制御することができる。具体的には、樹脂の分子量や添加剤、ならびに、モノマーなどによって、調整が好ましいが、延伸温度は、ガラス転移温度(Tg)を目安として、−10℃〜+50℃の範囲で設定を行ない、延伸の進行に伴って、延伸温度を高くしていくことが好ましい。延伸温度が低い場合は、破断が頻発し、高い場合は、厚みムラや白化などが発生することがある。
フィルムの全延伸倍率(=MD延伸倍率×TD延伸倍率)は3.0倍〜10.0倍の範囲で設定を行ない、多段階で延伸を行なう場合は、初期の段階で延伸倍率を高くすると破断しやすくなり初期の延伸倍率に対して、後半の延伸倍率が高くなるようにすることが好ましい。
MD延伸を行なう場合は、MD延伸倍率を単独で実施する場合、3.5倍近傍が好ましい。TD延伸を併用する場合は、MD延伸倍率は1.0倍〜2.5倍が好ましい。
TD延伸におけるTD延伸倍率は3.0〜6.0倍が好ましく、3.5〜5.0倍がさらに好ましい。また、TD延伸と同時にMD方向にリラックスを行なうことも可能で、TD延伸倍率にもよるが、リラックス倍率は0.5〜0.9倍が好ましく、0.65〜0.8倍がより好ましい。これらの方法で虹ムラを解消したフィルムに収まるように制御することが好ましい。なお、前記MD方向にリラックス処理をすることにより、偏光板製造時などの後加工工程において加熱加工処理を行なう場合、もしくは、ディスプレイを長時間高温下で使用する場合、フィルムの熱収縮により発生する光学特性の歪、平面性の悪化、シワ、カール等などを、より効果的に抑えることが可能になる。
また、同時二軸延伸により製造することもできる。具体的には、一般に、同時二軸延伸機と呼称される設備を使用し、TD延伸とMD延伸を同時に実施してから熱処理を施す方法、あるいは、TD延伸と同時にMD方向にリラックスを行なってから熱処理を施す方法が例示でき、後者の場合、厚みムラの状況などに留意し、MD方向のリラックス倍率を0.5〜0.9倍、更には0.65〜0.8倍にすることが好ましい。MD方向のリラックス倍率をこのように設定することにより、偏光板製造時などの後加工工程において加熱加工処理を行なう場合、もしくは、ディスプレイを長時間高温下で使用する場合、フィルムの熱収縮により発生する光学特性の歪、平面性の悪化、シワ、カール等などを、より効果的に抑えることが可能になる。
熱処理は樹脂の分子量や添加剤、ならびに、モノマー、および、延伸倍率などによって、調整することが好ましく、その処理温度は、ガラス転移温度(Tg)、ならびに、融点(Tm)を目安にTg+50℃以上〜Tm−30℃の範囲に設定し、特に、熱収縮率が大きくならないように、制御することが好ましい。具体的には、150℃、30分間の加熱前後の熱収縮率が、MD方向とTD方向の何れにおいても2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下であり、より更に好ましくは0.8%以下であり、特に好ましくは0.5%以下である。熱処理の際に、MD方向にリラックスを行なうことで、更に、熱収縮率を効率的に低減させることが可能である。
偏光子保護フィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに望ましく、5%以下が特に望ましい。例えば、ポリエステルに紫外線吸収剤を添加することで、波長380nmの光線透過率を20%以下にすることができる。
また、紫外線吸収剤の他に、添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、及び/又は界面活性剤等も本発明の効果を妨げず、かつ、透明性を損なわない範囲でポリエステルに添加することが可能である。
本発明で使用するポリエステルフィルムは、性能を損なわない範囲で、添加剤や粒子などを混入したポリエステルをコンバイニングアダプタ法、マルチスロット法、マルチマニホールド法などの公知の方法で、例えば、A/Bの2種2層構成、B/A/B構成の2種3層構成、C/A/Bの3種3層構成、などの積層構造にすることもできる。
更に、偏光子保護フィルムは、偏光子との接着性を良好にするため、少なくとも片面に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、または、ポリアクリル樹脂の少なくとも1種類を主成分とする易接着層を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは易接着層を構成する固形成分のうち50質量%以上である成分をいう。
偏光子保護フィルムに形成される易接着層の塗布液は、水溶性、または、水分散性の共重合ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及び、ポリウレタン樹脂の内、少なくとも1種を含む水性塗布液が好ましく、これらの塗布液としては、特許第3567927号公報、特許第3589232号公報、特許第3589233号公報、特許第3900191号公報、特許第4150982号公報等に開示された水溶性、または、水分散性共重合ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、ポリウレタン樹脂溶液等が例示される。
偏光子保護フィルムに形成される易接着層は、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、などの公知の方法を単独、あるいは、組み合わせて塗布することができる。
また、本発明の偏光板には、写り込み防止やギラツキ抑制、キズ抑制などを目的とした、種々の機能層を表面に塗布した偏光子保護フィルムを用いることも好ましい。
偏光子保護フィルムの視認側の任意の位置に積層する機能層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層、帯電防止層、シリコーン層、粘着層、防汚層、撥水層、及びブルーカット層等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。
種々の機能層を設けるに際して、偏光子保護フィルムの表面に易接着層を有することが好ましい。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率とポリエステルフィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
(ハードコート層)
ハードコート層は、硬度及び透明性を有する層であれば良く、通常、紫外線又は電子線で代表的には硬化させる電離放射線硬化性樹脂、熱で硬化させる熱硬化性樹脂等の各種の硬化性樹脂の硬化樹脂層として形成されたものが利用される。これら硬化性樹脂に、適宜柔軟性、その他物性等を付加する為に、熱可塑性樹脂等も適宜添加してもよい。硬化性樹脂のなかでも、代表的であり且つ優れた硬質塗膜が得られる点で好ましいのが電離放射線硬化性樹脂である。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂を適宜採用すれば良い。なお、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性化合物、エポキシ化合物等の様なカチオン重合性化合物等が代表的に用いられ、これら化合物はモノマー、オリゴマー、プレポリマー等としてこれらを単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。代表的な化合物は、ラジカル重合性化合物である各種(メタ)アクリレート系化合物である。(メタ)アクリレート系化合物の中で、比較的低分子量で用いる化合物としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー;或いは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等も適宜用いられる。(メタ)アクリレートとは、アクリレート或いはメタクリレートを意味する。
電離放射線硬化性樹脂を電子線で硬化させる場合、光重合開始剤は不要であるが、紫外線で硬化させる場合は、公知の光重合開始剤を用いる。例えば、ラジカル重合系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。カチオン重合系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合して用いることができる。
ハードコート層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、例えば0.1〜100μmであるが、通常は1〜30μmとする。また、ハードコート層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂には、適宜物性調整等の為に、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等も適宜添加することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、各々、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
ハードコート層に耐光性を付与し、日光等に含まれる紫外線による変色、強度劣化、亀裂発生等を防止する為には、電離放射線硬化性樹脂中に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。紫外線吸収剤を添加する場合、該紫外線吸収剤によってハードコート層の硬化が阻害されることを確実に防ぐ為、電離放射線硬化性樹脂は電子線で硬化させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の有機系紫外線吸収剤、或いは粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤等、公知の物の中から選択して用いれば良い。紫外線吸収剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物中に0.01〜5質量%程度である。耐光性をより向上させる為に、紫外線吸収剤と併用して、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を添加するのが好ましい。なお、電子線照射は加速電圧70kV〜1MV、照射線量5〜100kGy(0.5〜10Mrad)程度である。
(防眩層)
画像表示装置の最視認側には防眩層が設けられていることが好ましい形態の一つである。防眩層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に防眩剤を分散した層として形成される。防眩剤としては、無機系又は有機系の微粒子が用いられる。これら微粒子の形状は、真球状、楕円状等である。微粒子は、好ましくは透明性のものが良い。この様な微粒子は、例えば、無機系微粒子としてはシリカビーズ、有機系微粒子としては樹脂ビーズが挙げられる。樹脂ビーズとしては、例えば、スチレンビーズ、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリルースチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドビーズなどが挙げられる。微粒子は、通常、樹脂分100質量部に対し、2〜30質量部、好ましくは10〜25質量部程度添加することができる。
防眩剤を分散保持する上記樹脂は、ハードコート層と同じ様に、なるべく硬度が高い方が好ましい。よって、上記樹脂として、例えば、上記ハードコート層で述べた電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等を用いることができる。
防眩層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、通常は1〜20μm程度とする。防眩層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。なお、防眩層を形成する為の塗液中には、防眩剤の沈殿を防ぐ為に、シリカ等の公知の沈降防止剤を適宜添加することが好ましい。
(反射防止層)
画像表示装置の最表面側、各フィルムの空気との界面には反射防止層が設けられていることも好ましい形態の一つである。反射防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良い。一般に、反射防止層は少なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層よりも屈折率が高い)高屈折率層とを交互に隣接積層し且つ表面側を低屈折率層とした多層の層からなる。低屈折率層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、隣接積層時は各々0.1μm前後、低屈折率層単独時は0.1〜1μm程度であることが好ましい。
低屈折率層としては、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素系樹脂等の低屈折率樹脂の層、低屈折率物質を低屈折率樹脂中に含有させた層、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的又は化学的気相成長法)で形成した薄膜、酸化ケイ素のゾル液から酸化ケイ素ゲル膜を形成するゾルゲル法で形成した膜、或いは、低屈折率物質として空隙含有微粒子を樹脂中に含有させた層等が挙げられる。
上記空隙含有微粒子とは、内部に気体を含む微粒子、気体を含む多孔質構造の微粒子等のことであり、微粒子固体部分の本来の屈折率に対して、該気体による空隙によって微粒子全体としては、見かけ上屈折率が低下した微粒子を意味する。この様な空隙含有微粒子としては、特開2001−233611号公報に開示のシリカ微粒子等が挙げられる。また、空隙含有微粒子としては、シリカの様な無機物以外に、特開2002−805031号公報等に開示の中空ポリマー微粒子も挙げられる。空隙含有微粒子の粒径は、例えば5〜300nm程度である。
高屈折率層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素非含有樹脂等の高屈折率樹脂の層、高屈折率物質を高屈折率樹脂中に含有させた層、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的乃至は化学的気相成長法)で形成した薄膜等が挙げられる。
(防汚層)
防汚層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等の珪素系化合物;フッ素系界面活性剤、フッ素系樹脂等のフッ素系化合物;ワックス等の防汚染剤を含む塗料を用いて公知の塗工法で形成することができる。防汚層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は1〜10μm程度とすることが出来る。
(帯電防止層)
帯電防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に帯電防止層を含有させた層として形成される。帯電防止層としては、有機系や無機系の化合物が用いられる。例えば、有機系化合物の帯電防止層としては、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、有機金属系帯電防止剤等が挙げられ、またこれら帯電防止剤は低分子化合物として用いられるほか、高分子化合物としても用いられる。また、帯電防止剤としては、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性ポリマー等も用いられる。また、帯電防止剤として例えば金属酸化物からなる導電性微粒子等も用いられる。導電性微粒子の粒径は透明性の点で、例えば平均粒径0.1nm〜0.1μm程度である。なお、該金属酸化物としては、例えば、ZnO、CeO、Sb、SnO、ITO(インジウムドープ酸化錫)、In、Al、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。なお、これら帯電防止剤を前述したポリエステルフィルムの易接着層に含有させてもよい。
帯電防止層を含有させる上記樹脂としては、例えば、上記ハードコート層で述べた様な、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等が使用される他、帯電防止層を中間層として形成して帯電防止層自体の表面強度が不要な場合には、熱可塑性樹脂等も使用される。帯電防止層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は0.01〜5μm程度とする。帯電防止層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することが可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例における評価は、下記の方法に従って行った。
(1)リタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=Ny−Nxとフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性及び異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いてフィルムの遅相軸方向を求め、遅相軸方向が長辺となるように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)を用いて測定し、前記二軸の屈折率の差(Ny−Nx)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。なお、Nyは遅相軸方向の屈折率を示す。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
(2)NZ係数
(Nz−Ny)/(Nx−Ny)で得られる値をNZ係数とした。
(3)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
JIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠した示差走査熱量測定(DSC)のDSC曲線より得られる中間点ガラス転移温度をガラス転移温度(Tg)とし、融解ピーク温度を融点(Tm)とした。
(4)視認性(虹ムラ観察)
市販の偏光子の片側に後述する方法で作製した実施例、ならびに、比較例のフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの遅相軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面に市販のTACフィルムを貼り付けて偏光板Aを作製した。
白色LEDをバックライト光源に有し、2枚のTACフィルムを偏光子保護フィルムとする偏光板で挟まれた液晶セルを有する市販の液晶表示装置を用意した。この液晶表示装置の視認側の偏光板を前記偏光板Aと置き換え、視認側が実施例又は比較例のフィルムになるように設置した。このようにして得た液晶表示装置の正面、及び、斜め方向から目視観察を行ない、虹ムラの発生について、以下のように判定した。
a:いずれの方向から観察しても虹ムラの発生は見られない
b:斜め方向から観察した時に、一部極薄い虹ムラが観察できる
(5)製膜性
製膜工程において延伸をする際にフィルム破断の有無および延伸ムラを目視で観察し、以下のように判定した。
○:製膜時のフィルム破断および延伸ムラがなく、幅方向に均一なフィルムである
×:製膜時にフィルム破断が発生しサンプリングできない、または、延伸ムラがあり不均一なフィルムである
(6)熱収縮率
JIS C 2318「電気用ポリエチレンテレフタレートフィルム(寸法変化)」に準拠して、MD方向とTD方向に関して、150℃、30minの加熱前後の寸法変化率を熱収縮率として求めた。
(7)固有粘度(IV)
JIS K 7367−5「プラスチック―毛細管形粘度計を用いた希釈溶液の粘度の求め方―第5部:熱可塑性ポリエステル(TP)ホモポリマー及びコポリマー」に準拠して得た粘度数に対して、下記の測定条件で、溶液の質量濃度(c)に対する粘度数の関係から質量濃度(c)=0としたときの値を固有粘度(IV)とした。
溶媒 :フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(wt%)
管 :ウベローデ粘度管
温度 :30±0.1(℃)
(8)樹脂組成
サンプルを重水素化クロロホルム+少量のトリフルオロ酢酸に溶解し、BRUKER製AVANCE500を用いて、H−NMR分析を行い、得られたスペクトルの積分比より各組成のモル%比を決定した。
(製造例1−樹脂A:ポリエチレンルグリコール1.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート)
テレフタル酸(TPA)100mol%に対して、エチレングリコール(EG)98.5mol%、数平均分子量1000の市販のポリエチレングリコール(PEG)1.5mol%をエステル化反応釜に仕込み、圧力0.25MPa、温度220〜240℃の条件下で120分間エステル化反応を行なった後、反応釜内を常圧にして、重合触媒としてチタニウムテトラブトキシドなどを加えて、撹拌しながら反応系内を徐々に減圧し、75分間で0.5hPaとすると共に、温度を280℃に昇温して、280℃で溶融粘度が所定の値となるまで撹拌を続けて重合反応を行ない、その後、水中に吐出して冷却し、乾燥して、樹脂Aを得た。重合後の組成はH−NMRで測定したモル%を表1に示した。なお、他の物性は以下の通りであった。
IV:0.69dl/g、Tm:250℃、Tg:58℃
(製造例2、3、4−樹脂B:ポリエチレングリコール0.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート、樹脂C:ポリエチレングリコール3.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート、樹脂D:ポリエチレングリコール5.0mol%共重合ポリエチレンテレフタレート)
PEGを0.5mol%、3.5mol%、5.0mol%、EGをそれぞれ99.5mol%、96.5mol%、95mol%と変更した以外は製造例1と同様に製造し、樹脂B、C、Dを得た。なお、物性は以下の通りであった。
樹脂B IV:0.68dl/g、Tm:252℃、Tg:68℃
樹脂C IV:0.71dl/g、Tm:240℃、Tg:52℃
樹脂D IV:0.70dl/g、Tm:237℃、Tg:41℃
(製造例5、6、7−樹脂E:ポリプロピレングリコール1.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート、樹脂F:ポリエチレンテレフタレート、樹脂G:ネオペンペンチルグリコール1.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート)
PEGの代わりにポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量:700)を1.5mol%、EGを98.5mol%使用した以外は製造例1と同様に製造し、樹脂Eを得た。また樹脂FはPEGを0mol%、EGを100mol%使用し、樹脂GはPEGの代わりにネオペンチルグリコール(NPG)を1.5mol%、EGを98.5mol%使用した以外は製造例1と同様に製造した。物性はそれぞれ以下の通りであった。
樹脂E IV:0.68dl/g、Tm:253℃、Tg:69℃
樹脂F IV:0.68dl/g、Tm:256℃、Tg:77℃
樹脂G IV:0.70dl/g、Tm:250℃、Tg:70℃
(製造例7−接着性改質液)
ジカルボン酸の全成分に対して、テレフタル酸46mol%、イソフタル酸46mol%、ならびに、5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%とグリコールの全成分に対して、エチレングリコール50mol%、ネオペンチルグリコール50mol%よりなる水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を常法によりエステル交換反応、および、重縮合反応を行なって得た。次いで、これと凝集シリカ粒子とを水、イソプロピルアルコール、n−ブチルセルソルブ、ならびに、ノニオン系界面活性剤を混合した溶液に分散させた、接着性改質液を得た。
<実施例1>
押出機を使用し、樹脂Aを約280℃で溶融し、スリットから溶融押出した。表面温度が約25℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートをリバースロール・コート法により、両面に接着性改質液を乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように塗布し、設定温度80℃または100℃、延伸倍率4.0倍のテンターでTD延伸を行なった後、180℃の熱処理を行ない、厚さが約50μmのフィルムを得た。製膜条件、製膜結果に関する一覧を表1に示した。実施例のポリエステルフィルムはポリエーテル成分を共重合しているので、視認性が良好な結果が得られた。また、製膜性も良好であった。
<実施例2>
樹脂Bを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。ポリエステルフィルムはポリエーテル成分を共重合しているので、視認性が良好な結果が得られた。また、製膜性も良好であった。
<実施例3>
樹脂Cを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。ポリエステルフィルムはポリエーテル成分を共重合しているので、視認性が良好な結果が得られた。また、製膜性も良好であった。
<比較例1>
樹脂Dを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。PEGの共重合比率が高かったため、連続して製膜できずにフィルムを得ることができなかった。
<実施例4>
樹脂Eを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。PEGの代わりにPPGを用いても製膜性、視認性ともに良好なフィルムを得ることができた。
<比較例2>
樹脂Fを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。樹脂Fは、ポリエーテル成分を共重合しておらず、NZ係数が高くなり、斜め方向から観察した時に虹ムラが観察された。
<比較例3>
樹脂Gを用いた以外は実施例1と同様に製膜した。製膜条件、製膜結果は表1に示した。PEGではなく、NPGを共重合成分に用いた場合、斜め方向から観察した時に虹ムラが観察された。
本発明の液晶表示装置、偏光板、ならびに、偏光子保護フィルムを用いることで、虹ムラによる視認性を低下させることなく、表示装置の薄化、低コスト化に寄与することが可能であり、産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであって、
    前記ポリエステルフィルムは、共重合成分にポリエーテル成分を含有するポリエステルからなり、面内レタデーションが3000nm以上30000nm以下である、偏光子保護フィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率をNy、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をNx、厚み方向の屈折率をNzとしたときに、(Nz−Ny)/(Nx−Ny)で表されるNZ係数が1.55以下である、請求項1記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記ポリエステルは、共重合成分にポリエーテル成分を0.1mol%以上5mol%未満含有する、請求項1または2記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記ポリエーテル成分の数平均分子量が500以上10000以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上100μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  6. 偏光子の少なくとも一方の偏光子保護フィルムが、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、偏光板。
  7. バックライト、液晶セル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が、請求項6に記載の偏光板である液晶表示装置。
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