JP2002258010A - 視野選択性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

視野選択性フィルムおよびその製造方法

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JP2002258010A JP2001107836A JP2001107836A JP2002258010A JP 2002258010 A JP2002258010 A JP 2002258010A JP 2001107836 A JP2001107836 A JP 2001107836A JP 2001107836 A JP2001107836 A JP 2001107836A JP 2002258010 A JP2002258010 A JP 2002258010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タッチパネル、帯電防止用のフィルム等、多
様な分野において利用できる優れた視野選択性を示すと
ともに導電性を備えた視野選択性フィルム、および、そ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 クレーズ領域が縞状に形成されてなる高
分子樹脂フィルムのクレーズ領域のボイド内に、ポリピ
ロール、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリ
(3−メチルチオフェン)、ポリアニリン等の暗色を呈
する導電性ポリマーが充填されてなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視野選択性フィ
ルムおよびその製造方法に関するものである。さらに、
詳しくは、この発明は、優れた視野選択性とともに導電
性の機能を備えた視野選択性フィルムおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、正面から見ると透明であるが、斜
めから見ると不透明になる視野選択性フィルムが、例え
ば、パソコン等のディスプレイ、建築物の窓、自動車や
飛行機等の乗り物用窓、計器類等における可視の範囲を
限定する用途に使用されてきている。また、タッチパネ
ル、帯電防止等のため、導電性を有するフィルムが使用
されてきている。
【0003】本発明者等は、透明な高分子樹脂フィルム
にクレージング処理することで、クレーズ領域を縞状に
形成させて得られたフィルムを、視野選択性フィルムの
一つとして使用できることを提案している(特開平6−
82607号公報参照)。
【0004】図10に示すように、クレーズ領域1と
は、高分子樹脂フィルム2の表面に現れる表面クレーズ
と内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微
細なひび状の模様を有する領域をさす。
【0005】透明な高分子樹脂フィルム2に形成された
クレーズ領域1は、図11に模式的に示すように、一般
に、分子束(フィブリル)3とボイド4とから構成さ
れ、全体がスポンジに似た構造となっており、これが縞
状に形成されることで、視野選択性を示すことになる。
なお、図11において、矢印d方向がクレーズ領域の幅
方向を、矢印L方向がクレーズ領域の長さ方向を意味す
る。
【0006】クレーズ領域が縞状に形成された透明な高
分子樹脂フィルムによる視野選択性とは、例えば、クレ
ーズ領域がフィルムを表から裏まで貫通して形成された
ものとして例示した場合、図12(a)に示すように、
ほぼ平行な光がフィルム2にほぼ垂直に入射した時、ク
レーズ領域1の間を光が透過することから、フィルムの
裏側に置いた文字、図形等パターンが表側から確認でき
るが、(b)に示すように、フィルム2に斜めに入射し
た時は、光はクレーズ領域1で主に散乱され、フィルム
は不透明となって、文字、図形等のパターンが表側から
確認ができなくなることを意味する。
【0007】上記特開平6−82607号公報では、視
野選択性フィルムの機能を高めるため、クレーズ領域に
カーボンブラック等からなる添加剤層を設けることも提
案している。
【0008】しかしながら、カーボンブラックでは多様
なクレーズ形態に十分対応ができるものとはいえない。
すなわち、クレーズ領域の幅(ボイドの口径)が十分広
くないと、クレーズ領域のボイド内部にまでカーボンブ
ラックを確実に充填させることは困難であり、カーボン
ブラックが充填できる程にまでクレーズ領域の幅を広く
することは、フィルムが脆弱となり好ましくない。クレ
ーズ領域の幅が狭いと、カーボンブラックはクレーズ領
域のボイド内部まで浸透せず、フィルムの表面近傍に留
まり、視野選択性が不足することになる。そして、カー
ボンブラックをクレーズ領域に充填しても十分な導電性
を得ることができない。また、使用中にカーボンブラッ
ク等が粉末状となってフィルム表面に浮き上がったり、
フィルムから脱落したりする不都合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
多様なクレーズ形態であっても、良好な視野選択性と導
電性とが得られ、しかも、使用中に不都合のない視野選
択性フィルムおよびその製造方法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の視野選択性フィルムおよびその製造方法
は、以下の構成からなることを特徴とする。以下におい
て「クレーズ領域」は、前述したものを意味し、「縞
状」とは、後述するようにクレーズ領域がほぼ平行して
形成されていることを意味する。また、「フィルム」と
はウエッブだけでなくシートをも含むことを意味する。
【0011】この発明の視野選択性フィルムは、クレー
ズ領域が縞状に形成されてなる高分子樹脂フィルムのク
レーズ領域のボイド内に、導電性ポリマーが充填されて
なることを特徴とする。この発明における素材である高
分子樹脂フィルムは、得られた視野選択性フィルムを介
して後方の画像等が視認できることが必要であることか
ら、透明であることが好ましいが、透明着色されたもの
であってもよく、また半透明であってもよい。この視野
選択性フィルムは、良好な視野選択性と導電性を備えて
おり、しかも、使用中に導電性ポリマーが粉末状になっ
てフィルム表面に浮き上がったり、フィルムから脱落し
たりする等といった不都合が生じない。そして、前記導
電性ポリマーが暗色を呈しているものであることが好ま
しい。これによれば、主に導電性ポリマーによる光の吸
収で遮光され視野選択性が発現されることから、視野角
範囲をシャープにすることができる。導電性ポリマーと
しては、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリチオ
フェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリアニリン
が例示できる。このうち、ポリピロールが好ましい。そ
して、クレーズ領域とほぼ平行な方向の導電率が1.0
×10−9S・cm−1以上であることが好ましい。こ
れによれば、視野選択性を備えたタッチパネル、帯電防
止用のフィルム等、多様な分野において利用できること
になる。そして、前記クレーズ領域が、高分子樹脂フィ
ルムの分子配向方向とほぼ平行であることが好ましい。
【0012】この発明の視野選択性フィルムの製造方法
は、クレーズ領域が縞状に形成されてなる高分子樹脂フ
ィルムのクレーズ領域のボイド内に導電性ポリマー用の
モノマーを浸透させた後、重合させ、導電性ポリマーと
してクレーズ領域のボイド内に充填させることを特徴と
する。ここにおいて、モノマー中に、オリゴマーが含ま
れていてもよい。クレーズ領域のボイド内へのモノマー
の浸透は、モノマー単独で行うことができるが、モノマ
ーを可溶とする適宜な溶媒に溶解した溶液にして行って
もよい。モノマーが、ピロールの場合、有機溶媒として
はアセトニトリルが例示でき、水溶液ならばヨウ素を加
えた蒸留水が例示できる。なお、モノマーには、重合触
媒等が通常添加される。クレーズ領域のボイド内への浸
透のし易さからは、モノマー溶液が好ましいが、溶媒を
クレーズ領域のボイド内から除去する必要がない点から
は、溶媒を使用しないモノマー単独のほうが好ましい。
モノマーとしては、ピロール、パラフェニレン、チオフ
ェン、3−メチルチオフェン、アニリンが例示できる。
この製造方法は、モノマーを浸透させ、重合させればよ
いことから、多様なクレーズ形態に対応することがで
き、また、製造操作が簡便で容易であって、目的とする
視野選択性フィルムを確実にかつ安価に製造することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。
【0014】この発明において、クレーズ領域を縞状に
形成させる素材である高分子樹脂としては、透明または
半透明であってフィルムの成形が可能な熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂であれば、特に制限されることなくいずれ
も採用可能であるが、クレーズ領域の形成の容易性等か
らは、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂として
は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性
樹脂、ニトリル樹脂等が例示できる。これらの熱可塑性
樹脂の中でも、フィルムへの成形性や経済的観点から、
ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロ
ゲン含有熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。これ
らの熱可塑性樹脂は、単独でも複合した組成物として用
いても、或いは、別の高分子樹脂をブレンドしたりして
も良く、さらには二種以上の樹脂を多層化して用いても
良い。もちろん、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とをブレ
ンドしたフィルム、または、多層化したフィルムであっ
てもよい。また、室温でのクレーズ領域の形成の容易さ
からは、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃
以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−15
℃以上の樹脂を使用することが望ましい。組成物として
使用するときや多層化して使用するときは、主な構成成
分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記範囲内に
あることが好ましい。これより低いガラス転移温度を示
す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過ぎるために室温でのク
レーズ領域の効率的な形成は難しい。もちろん、クレー
ジング処理時の雰囲気温度を適切な温度に設定すれば、
上記ガラス転移温度に限定されるものではない。
【0015】ポリオレフィンとしては、低密度分岐ポリ
エチレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエ
チレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタ
クチックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ
(4−メチル−1−ペンテン)等が例示できる。
【0016】ポリアミドとしては、ナイロン−4、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイ
ロン−12、非晶性ナイロン等が例示でき、好ましいポ
リアミドは、ナイロン−6、ナイロン−6,6、非晶性
ナイロンである。
【0017】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタ
レンテレフタレートが例示できる。
【0018】スチレン系樹脂としては、ポリステレン、
ゴムグラフトポリスチレン(HIPS)、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体が例示できる。
【0019】ポリカーボネートとしては、2,2−ビス
(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシ
フェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)ス
ルフォン、スルフィド又はスルフォキサイド系のビスフ
ェノール類からなる芳香族ポリカーボネートが例示でき
る。
【0020】ハロゲン含有熱可塑性樹脂としては、ポリ
弗化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレンとの共重合体並びビニリデンクロライドが例示で
きる。
【0021】ニトリル樹脂としては、アクリロニトリル
及びメタクリロニトリル及びそれらの混合物が例示でき
る。
【0022】上記熱可塑性樹脂を高分子樹脂フィルムと
し、該高分子樹脂フィルムをクレージング処理をしてク
レーズ領域を縞状に形成する。
【0023】上記熱可塑性樹脂を用いて得られる高分子
樹脂フィルムは、その製造方法において特別な制約はな
く、各種の成形方法を適用することにより得ることがで
きるが、一般に広く行なわれているTダイ押出成形法や
ブローアップを行なうインフレーション成形法を適用し
て得られたものが工業的には有利である。
【0024】また、高分子樹脂フィルムの厚みは、一般
に0.5〜1,000μm、好ましくは1〜800μ
m、特に好ましくは2〜500μmである。
【0025】また、配向した高分子樹脂フィルムである
ことが、クレーズ領域を縞状に形成させることが容易で
あることから好ましい。配向度は、該フィルムの成形時
の樹脂温度、引き取り速度、冷却速度、樹脂の分子量、
分子量分布、タクティスティ等の分子構造を、特にTダ
イ法であればドロー比を、特にインフレーション法であ
ればブローアップ比等を変えることにより制御すること
ができるので、これらを適当に制御して目的とする好ま
しい範囲の配向度のフィルムを製造することができる。
配向度が不十分な場合は、延伸処理して適切な配向度と
すればよい。
【0026】このような高分子樹脂フィルムに分子配向
方向とほぼ平行にクレーズ領域を縞状に形成させる。高
分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状に形成するに
は、例えば、図1に示すような装置を用いると、クレー
ズ領域の幅、クレーズ領域の隔たり等を調節することが
容易であることから好ましい。すなわち、図1に示され
るクレーズ形成装置は、概略、先端部が鋭角なエッジ1
1aとなった支持体11とガイドローラ12で構成され
るクレージング処理機13と、張力付与機構(図示せ
ず)とからなる。緊張状態に保持された高分子樹脂フィ
ルム14をその分子配向方向とほぼ平行方向に支持体の
エッジ11aに当接して、該高分子樹脂フィルム14を
局部的に折り曲げて変形域を形成し、その折り曲げ変形
域を、該高分子樹脂フィルムに対して相対的に徐々に移
動させることで、移動方向とほぼ直角の方向に連続的に
クレーズ領域を縞状に形成することができる。高分子樹
脂フィルムに対し折り曲げ変形域を相対的に移動させる
には、(ア)高分子樹脂フィルム14の変形の屈曲角度
を維持して支持体11とガイドローラ12を一体として
高分子樹脂フィルム14に対し移動させる構造、また
は、(イ)高分子樹脂フィルム14の変形の屈曲角度を
維持しつつ支持体11とガイドローラ12に対し高分子
樹脂フィルム14を移動させる構造により可能である。
(ア)の構造によると、高分子樹脂フィルムの長さ方向
にわたり、必要とする任意の距離だけクレージング処理
を複数回繰り返し行うことが可能であり、高分子樹脂フ
ィルムに、より容易に規則的で連続したクレーズ領域を
形成することができることから好ましい。また、規則的
で連続したクレーズ領域を形成するには、高分子樹脂フ
ィルムに付与する張力を比較的低く設定し、クレージン
グ処理を複数回繰り返し行うことが好ましい。
【0027】このようにクレーズ領域を分子配向方向と
ほぼ平行の方向に形成するのは、分子鎖の配向の方向と
直角の方向に引っ張ることによって比較的容易にクレー
ズ領域が形成され、分子鎖の配向の方向と直角の方向に
クレーズ領域を形成することが難しいことによる。縞状
に形成されたクレーズ領域は、高分子樹脂フィルムの分
子配向の方向とほぼ平行であって、幅は0.5〜100
μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。そし
て、縞状とは、クレーズ領域が、0.1〜1,000μ
m、好ましくは、1〜800μmの間隔で形成された状
態をいう。
【0028】無配向の高分子樹脂フィルムにクレーズ領
域を縞状に形成させる場合も、図1に示すような装置に
よってクレーズ領域を縞状に形成することが、クレーズ
領域の幅、クレーズ領域の隔たり等を調節することが容
易であることから好ましい。すなわち、図1に示される
クレーズ形成装置においては、緊張状態に保持された高
分子樹脂フィルム14を支持体のエッジ11aに当接し
て、該高分子樹脂フィルム14を局部的に折り曲げて変
形域を形成し、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂フ
ィルムに対して相対的に徐々に移動させることで、移動
方向とほぼ直角の方向に、連続的にクレーズ領域を縞状
に形成することができる。なお、特開平11−2311
08号公報において開示されているように、高分子樹脂
フィルムを引き伸ばすようにしてクレーズ領域を縞状に
形成するようにしてもよい。
【0029】高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状
に形成させるには、高分子樹脂フィルムに付与する張力
は、高分子樹脂フィルムの材質により異なるが、破断応
力の90%以上〜100%未満が好ましい。支持体のエ
ッジ角度αは、50度以下が好ましく、30度以下がよ
り好ましい。また、高分子樹脂フィルムの折り曲げ角度
θは、140度以下が好ましく、120度以下がより好
ましく、110度以下が望ましい。また、移動速度は1
00mm/min以下が好ましく、特に10mm〜4m
m/minが望ましい。もちろん、形成されるクレーズ
領域は、高分子樹脂フィルムの材質、厚さ等によっても
相違することはいうまでもない。
【0030】高分子樹脂フィルムに形成されたクレーズ
領域の幅、クレーズ領域間の間隔、クレーズ領域の貫通
された数の割合等は、高分子樹脂フィルムの分子配向の
度合いやクレーズ領域を形成させる時の温度、速度、高
分子樹脂フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、
支持体のエッジ角度α、フィルムの折り曲げ角度θ等に
よって調節することができる。例えば、クレーズ領域を
形成させる時の張力を増大させたり、折り曲げ角度θを
小さくすると、縞状に形成されるクレーズ領域の間隔は
狭くなり、クレーズ領域の貫通された数の割合が増大す
る。なお、クレージング処理を複数回行うと、クレーズ
領域を深さ方向へも成長させることができ、優れた視野
選択性が得られる。
【0031】前記したクレージング処理によって得られ
る高分子樹脂フィルムのクレーズ領域領域中に存在する
ボイドは、光の波長に比べ著しく小さく、光の散乱は起
こらず、高分子樹脂フィルムの素材が透明であれば、そ
の透明性が残ったものとなる。
【0032】クレーズ領域が縞状に形成されてなる高分
子樹脂フィルムのクレーズ領域のボイド内にモノマーを
浸透させた後、重合させる。モノマーとしては、重合後
のポリマーによりフィルムの視野選択性に支障が生ぜ
ず、導電性を呈するものであれば、特に限定されるもの
ではないが、ポリマーが暗色、とりわけ、ほぼ黒色を呈
するものであれば、後述するように、遮光による視野選
択性と導電性とが得られることから、ピロール、パラフ
ェニレン、チオフェン、3−メチルチオフェン、アニリ
ンが好適である。このうち、ピロールは、溶媒等を使用
しないで各種の重合方法が採用でき、しかも、重合操作
が容易であること、また、得られたポリピロールの導電
率が良好なこと等の点から好ましい。すなわち、ポリピ
ロールは、ピロールを電気化学的重縮合、過酸化水素、
過硫酸カリウム、亜硝酸、二酸化鉛、三塩化鉄、キノ
ン、ジアゾニウム塩、オゾン等の酸化剤を触媒とする酸
化的重合で得ることができる。また、溶融塩電解(Ag
Cl−塩化ブチルピリジン)重合、超音波下での重
合、水銀電極上での重合等の重合により、ポリピロール
の性質を改善することができる。また、ドーパントの種
類により、ポリピロールの導電率、機械的性質等を広範
囲に制御することができる利点もある。また、例えば、
支持電解質としてパラトルエンスルホン酸ナトリウムを
用いると、導電性、機械的強度、安定性の優れたポリピ
ロールを得ることができる。
【0033】モノマーをクレージングフィルムのクレー
ズ領域のボイド内へ浸透させる。具体的には、モノマー
中に浸漬する方法、モノマーをローラ、ドクターによっ
て塗布する方法、または、スプレー等によって塗布する
方法が例示できる。クレージングフィルムへのモノマー
の浸透には、フィルムの材質、モノマー等により、モノ
マーの使用量、処理温度等が適宜決定される。
【0034】浸漬によるモノマーの浸透において、例え
ば、クレージング領域のボイドがクレージングフィルム
の厚み方向に貫通していない場合は、クレージングフィ
ルムのボイドが外側になるように湾曲させてモノマーを
浸透させることも時間を短縮するのに有効である。クレ
ージングフィルムを湾曲させるには、例えば、円筒の表
面に巻き付ける方法が採用できる。
【0035】塗布によってクレージングフィルムのクレ
ーズ領域のボイド内にモノマーを浸透させるには、クレ
ージングフィルムの片面または両面からモノマーの塗布
を行えばよい。ローラ、または、ドクターによる塗布で
は、ローラ、または、ドクターをクレージングフィルム
と相対的に移動させて、クレージングフィルムの表面に
傷を付けないようにしつつ、クレーズ領域のボイド内に
モノマーを圧入するようにすると、短時間で浸透が可能
となる。ローラ、または、ドクターによる塗布、また
は、スプレーによる塗布であって、フィルムを貫通する
ボイドを多数有するクレージングフィルムにおいて、モ
ノマーを片面塗布する場合、塗布面の反対面側を減圧し
たり、塗布面側から加圧したりするようにすれば、より
深部までの迅速な浸透が可能となる。
【0036】クレージングフィルムのクレーズ領域のボ
イド内へ浸透したモノマーを重合させ、本発明の視野選
択性フィルムを得る。モノマーの重合条件は、モノマー
の種類等により適宜決定される。
【0037】このようにして得られた視野選択フィルム
の片面または両面に透明基板を積層して視野選択性積層
板としてもよい。
【0038】
【実施例】次に、以下に示す実施例によってこの発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。
【0039】<参考例>素材フィルムとして、ポリフッ
化ビニリデン(PVDF)のTダイ法により成形された
厚さ50μmの1軸延伸フィルム(三菱化学(株)製、
KYNAR720)を使用した。このPVDFフィルム
を参考例1とする。このフィルムを以下のようにしてク
レージング処理し、参考例2〜8とした。
【0040】クレージング処理におけるクレージング処
理機としては、図1に示すクレージング処理機であっ
て、支持体とガイドローラを一体としてフィルムに対し
移動させる構造のもの(前記(ア)参照)を採用した。
具体的には、引張試験機(TOYO BALDWIN
製、TENSILON−UTM−4−200)の下部チ
ャックに、図1のクレージング処理機を取り付けて、ク
レージング処理機を上下に移動できるようにし、フィル
ムの上端を引張試験機の上部チャックに固定し、支持体
のエッジをフィルムの幅方向に当接させてフィルムを折
り曲げ、ガイドローラを介して下方に案内し、下端に荷
重をかけて一定張力をフィルムに付与し、折り曲げ変形
域をフィルムに対し移動させることを繰り返し行えるよ
うにした。
【0041】PVDFフィルムは、幅50mm、長さ3
50mm、厚さ50μmとした。支持体のエッジ角度α
は30度、フィルムの屈曲角度θは107度、クレージ
ング処理速度は10mm/minとし、PVDFフィル
ムの分子配向方向と平行にエッジを接触させ、分子配向
方向と直交する方向にエッジを移動させ、室温で、クレ
ージング処理を行った。支持体の材質は、ステンレスを
用いた。参考例2〜8は、それぞれクレージング処理に
おける張力を8N/cm、10N/cm、12N/c
m、14N/cm、16N/cm、18N/cm、20
N/cmとしたものである。
【0042】光透過率の試験方法は、以下の通りであ
る。 <透過率試験方法>図2に示すように、レーザー光散乱
測定装置(SALS−100G イストプランニング
(株)製)20の試料台21に、試料フィルムFをクレ
ージング処理方向と垂直となるようにセットし、光源2
2からの光線の光軸に対してフィルムFが垂直の時の入
射角を0°とし、試料台21を左右に2°ごと光源22
に対し±60°まで回転させながら透過する光の強度を
受光器23(イストプランニング(株)製)によって測
定し、光の透過率を求めた。光源22には、He−Ne
レーザーを用いた。試料のサイズは、20mm×20m
mとした。
【0043】素材フィルムである参考例1、および、得
られたクレージングフィルム(参考例2〜8)の視野選
択性を、透過率試験方法によって測定した。測定におい
ては、各フィルムを試料台にクレージング処理方向と垂
直となるようにセットした。得られた参考例1〜8のフ
ィルムの透過率は、図3の通りである。処理張力10N
/cm以下においては、クレージング処理を行っていな
い素材フィルムとほぼ同様な傾向を示す。12N/cm
において、ようやく実質的な視野選択性を発現し、14
N/cm以上においては、入射角0°の透過率と比べ入
射角10°のそれは半減し、入射角30°以上となると
ほとんど0、すなわち、不透明になり、顕著な視野選択
性を発現する。また、これらの参考例2〜8のクレーズ
領域は、いずれもPVDFフィルムの分子配向に平行に
生じていた。
【0044】(実施例1)参考例3のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、フィル
ムの表面側に、ピロールを塗布したところ、毛管現象に
より速やかにクレーズ領域に浸透した。次いで、フィル
ム表面のモノマーを拭き取った後、フィルムを室温で乾
燥させ、0.1mol塩化鉄(III)のエタノール溶
液をフィルム表面側に塗布し、ピロールを重合させた。
得られたフィルム(以下、「PPy複合フィルムi」と
いう)の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリピロールは、分子配向に平行に縞状に形成さ
れ、厚さ方向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填
されていた。PPy複合フィルムiを、透過率試験方法
に基づき光透過率を測定した。測定においては、PPy
複合フィルムiを試料台にクレージング処理方向と垂直
となるようにセットした。結果は、図4に示すとおりで
ある。これによると、低い張力によるクレージング処理
では、十分な視野選択性を示さなかったクレージングフ
ィルムであっても、ポリピロールをクレーズ領域のボイ
ド内に充填することで、視野選択性が向上することにな
る。
【0045】(比較例)参考例2のクレージングフィル
ムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例1
と同様にしてピロールを塗布し、重合させたところ、ク
レーズ領域がフィルムの厚さ方向に貫通しておらず浅
く、クレーズ領域の幅も狭いため、クレーズ領域のボイ
ド内にポリピロールが十分充填されなかった。
【0046】(実施例2)参考例4のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例
1と同様にしてピロールを塗布し、重合させた。得られ
たフィルム(以下、「PPy複合フィルムii」とい
う)の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したところ、
ポリピロールは、分子配向に平行に縞状に形成され、厚
さ方向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填されて
いた。PPy複合フィルムiiを、透過率試験方法に基
づき光透過率を測定した。測定においては、PPy複合
フィルムiiを試料台にクレージング処理方向と垂直と
なるようにセットした。結果は、図4に示すとおりであ
る。
【0047】(実施例3)参考例5のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例
1と同様にしてピロールを塗布し、重合させた。得られ
たフィルム(以下、「PPy複合フィルムiii」とい
う)の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したところ、
ポリピロールは、分子配向に平行に縞状に形成され、厚
さ方向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填されて
いた。PPy複合フィルムiiiを、透過率試験方法に
基づき光透過率を測定した。測定においては、PPy複
合フィルムiiiを試料台にクレージング処理方向と垂
直となるようにセットした。結果は、図4に示すとおり
である。
【0048】(実施例4)参考例6のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例
1と同様にしてピロールを塗布し、重合させた。得られ
たフィルム(以下、「PPy複合フィルムiv」とい
う)の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したところ、
ポリピロールは、分子配向に平行に縞状に形成され、厚
さ方向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填されて
いた。PPy複合フィルムivを、透過率試験方法に基
づき光透過率を測定した。測定においては、PPy複合
フィルムivを試料台にクレージング処理方向と垂直と
なるようにセットした。結果は、図4に示すとおりであ
る。
【0049】(実施例5)参考例7のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例
1と同様にしてピロールを塗布し、重合させた。得られ
たフィルム(以下、「PPy複合フィルムv」という)
の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したところ、ポリ
ピロールは、分子配向に平行に縞状に形成され、厚さ方
向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填されてい
た。PPy複合フィルムvを、透過率試験方法に基づき
光透過率を測定した。測定においては、PPy複合フィ
ルムvを試料台にクレージング処理方向と垂直となるよ
うにセットした。結果は、図4に示すとおりである。
【0050】(実施例6)参考例8のクレージングフィ
ルムを手回し延伸機にたるまないように固定し、実施例
1と同様にしてピロールを塗布し、重合させた。得られ
たフィルム(以下、「PPy複合フィルムvi」とい
う)の表面と断面を透過光学顕微鏡で観察したところ、
ポリピロールは、分子配向に平行に縞状に形成され、厚
さ方向に貫通したクレーズ領域のボイド内に充填されて
いた。PPy複合フィルムviを、透過率試験方法に基
づき光透過率を測定した。測定においては、PPy複合
フィルムviを試料台にクレージング処理方向と垂直と
なるようにセットした。結果は、図4に示すとおりであ
る。
【0051】以上の実施例等から明らかなように、視野
選択性を示すクレージングフィルムのクレーズ領域内に
ポリピロールを充填したPPy複合フィルムは、同一の
クレージング処理張力によって得られたクレージングフ
ィルムよりも視野角範囲をシャープにすることができ
る。従って、例えば、銀行のオンライン端末のディスプ
レイに、このPPy複合フィルムを使用すると、フィル
ムを透して見える文字、図形等は、シャープな視野角範
囲内に限られることから、他人からは文字、図形等の内
容が覗き難くなり、安全である。また、図5に、参考例
3のフィルムと、PPy複合フィルムiの透過率試験方
法による試験結果を用いて示すように、充分な視野選択
性を示さない程度のクレージング処理張力によるクレー
ジングフィルムにおいても、そのクレーズ領域のボイド
内にポリピロールを充填することで、顕著な視野選択性
を発現させることができる。
【0052】<光散乱特性試験方法>実施例2、4、6
において得られたPPy複合フィルムii、iv、vi
の光散乱特性を以下の光散乱特性試験法に基づき測定し
た。すなわち、透過率試験方法で使用したと同じ装置を
用い、試料台を固定し、光源に対し試料フィルムを垂直
にセットし、受光部23を0.5°ごとに0°から10
°まで回転させたときの散乱光の強度を測定し、散乱量
を求めた。試料のサイズは、20mm×20mmとし
た。測定においては、PPy複合フィルムii、iv、
viを試料台にクレージング処理方向と垂直となるよう
にセットした。結果は、図6に示すとおりである。な
お、参考例6のフィルムについても、同様にして光散乱
特性を測定した。結果は図7に示す通りであり、PPy
複合フィルムivの光散乱特性試験法の結果と比較する
と、PPy複合フィルムivは、同一のクレージング処
理張力によって得られたクレージングフィルム(参考例
6)よりも大幅に光散乱を低減させることができること
がわかる。ただし、PPy複合フィルムの光散乱に及ぼ
すクレージング処理張力の影響は、図6に示されるよう
にそれ程顕著ではない。
【0053】クレージングフィルムのクレージング領域
のボイド内にポリピロールが充填されたPPy複合フィ
ルムによるこのような光透過率、光散乱特性は、ポリピ
ロールがほぼ黒色を呈するとともにボイド内にほぼ全体
にわたって充填されていることによるものと考えられ
る。PPy複合フィルムの優れた視野選択性の発現は、
ポリピロールが充填された領域が一種のブラインドの羽
根のように作用し、主に、遮光、すなわち、光を吸収す
ることによるものと説明づけることができ、主にボイド
による光の散乱に基づくクレージングフィルムの視野選
択性の発現とのメカニズムの相違によるものと考えられ
る。そのため、クレージングフィルムでは、フィルムの
裏面とフィルムの裏側においた文字や図形等のパターン
とは僅かな空間を保つことが、視野選択性を発現させる
には必要であるが、このPPy複合フィルムでは、フィ
ルムを文字や図形等のパターンに密着させることによっ
ても、視野選択性を発現させることができる。
【0054】実施例2〜6において得られたPPy複合
フィルムii、iii、iv、v、viの導電性を以下
の試験方法により測定した。
【0055】<導電性試験方法>図8に示すようにPP
y複合フィルム30のクレイズ領域1に対し平行方向
(H)、垂直方向(S)、厚さ方向(T)の抵抗率をデ
ジタル超抵抗計(ADVANTEST(株)製)によっ
て測定し、これに基づき導電度を求めた。
【0056】結果は、図9に示すとおりであり、導電率
はフィルムの方向による異方性がある。このような導電
率の異方性は、ポリピロールをボイド内に内包している
クレーズ領域が、PVDFフィルムの分子配向に平行に
存在しているために、電流がクレーズ領域内を優先的に
流れているためと考えられる。実施例3〜6のクレーズ
領域と平行な方向の導電率が1.0×10−9S・cm
−1以上であることは、良好な帯電防止機能を備えるこ
とになり、埃等が付着し難く、タッチパネルを含め幅広
い用途に使用できる。
【0057】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。クレーズ領域が縞状に形成されてなる高分子樹脂
フィルムのクレーズ領域のボイド内に、導電性ポリマー
が充填されてなる視野選択性フィルムは、良好な視野選
択性と導電性を備えており、しかも、使用中に導電性ポ
リマーが粉末状になってフィルム表面に浮き上がった
り、フィルムから脱落したりする等といった不都合が生
じない。そのため、視野選択性を備えたタッチパネル、
帯電防止用のフィルム等、多様な分野において利用でき
ることになる。そして、この視野選択性フィルムは、ク
レーズ領域が縞状に形成されてなる高分子樹脂フィルム
のクレーズ領域のボイド内に導電性ポリマー用のモノマ
ーまたはモノマーを浸透させた後、重合させ、導電性ポ
リマーとしてクレーズ領域のボイド内に充填させること
ことで得られるものであって、モノマーを浸透させ、重
合させればよいことから、多様なクレーズ形態に対応す
ることができ、また、製造操作が簡便で容易であって、
目的とする視野選択性フィルムを確実にかつ安価に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状に形
成させるための装置の一例を示す概略図である。
【図2】透過率を測定するための装置の概略図である。
【図3】参考例としてのクレーズ処理された視野選択性
フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図であ
る。
【図4】この発明の実施例1〜6の視野選択性フィルム
の透過率と入射光の角度との関係を示す図である。
【図5】参考例3の視野選択性フィルムとこの発明の1
例である実施例1の視野選択性フィルムの透過率と入射
光の角度との関係を比較するために示した図である。
【図6】この発明の実施例2、4、6の視野選択性フィ
ルムの光散乱特性と散乱角度との関係を示す図である。
【図7】参考例6の視野選択性フィルムとこの発明の1
例である実施例4の視野選択性フィルムの光散乱特性と
散乱角度との関係を比較するために示した図である。
【図8】この発明の視野選択性フィルムの導電率の測定
方向を示す概念図である。
【図9】この発明の実施例2〜6の視野選択性フィルム
の導電率とクレーズ処理張力との関係を示す図である。
【図10】高分子樹脂フィルムにおけるクレーズ領域の
一例を示す図である。
【図11】クレーズの模式図である。
【図12】クレーズが形成された高分子樹脂フィルムの
視野選択性の説明図で、(a)は光がフィルムにほぼ垂
直に入射した場合、(b)は斜めに入射した場合を示
す。
【符号の説明】
1 クレーズ領域 3 分子束 4 ボイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 313 G09F 9/00 313 (72)発明者 三輪 實 岐阜県各務原市尾崎西町5丁目1番地 合 同宿舎尾崎西町住宅1−31 (72)発明者 武野 明義 岐阜県岐阜市守口町3丁目1番地 Fターム(参考) 2H042 AA10 AA26 AA33 4F073 AA14 BA06 BA19 BA23 BA26 BA29 BB01 FA05 FA09 FA13 4J002 AA011 BB011 BC021 CE002 CF001 CG001 CL001 5G435 AA00 AA16 AA17 GG11 GG32 KK07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーズ領域が縞状に形成されてなる高
    分子樹脂フィルムのクレーズ領域のボイド内に、導電性
    ポリマーが充填されてなることを特徴とする視野選択性
    フィルム。
  2. 【請求項2】 前記導電性ポリマーが暗色を呈している
    ことを特徴とする請求項1記載の視野選択性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記導電性ポリマーがポリピロールであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の視野選択性
    フィルム。
  4. 【請求項4】 クレーズ領域とほぼ平行な方向の導電率
    が1.0×10−9S・cm−1以上であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の視野選択性フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記クレーズ領域が、高分子樹脂フィル
    ムの分子配向方向とほぼ平行であることを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載の視野選択性フィルム。
  6. 【請求項6】 クレーズ領域が縞状に形成されてなる高
    分子樹脂フィルムのクレーズ領域のボイド内に導電性ポ
    リマー用のモノマーを浸透させた後、重合させ、導電性
    ポリマーとしてクレーズ領域のボイド内に充填させるこ
    とを特徴とする視野選択性フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記モノマーは、重合して暗色を呈する
    導電性ポリマーとなるものであることを特徴とする請求
    項6記載の導電フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 モノマーがピロールであることを特徴と
    する請求項6または7記載の視野選択性フィルムの製造
    方法。
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