JPH1164609A - クレイズを有する視野選択性フィルムの製造方法 - Google Patents

クレイズを有する視野選択性フィルムの製造方法

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JPH1164609A
JPH1164609A JP23084697A JP23084697A JPH1164609A JP H1164609 A JPH1164609 A JP H1164609A JP 23084697 A JP23084697 A JP 23084697A JP 23084697 A JP23084697 A JP 23084697A JP H1164609 A JPH1164609 A JP H1164609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い視野選択性を有する、クレイズを利用し
た視野選択性フィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 着色物質を含む規則的な方向性の多数の
クレイズを有する透明なプラスチックフィルムからなる
視野選択性シートの製造方法であって、プラスチックフ
ィルムに規則的な方向性を有するクレイズを形成し、ク
レイズ内に着色物質を導入することを含み、着色物質を
含む着色液の存在下でクレイズを形成することを特徴と
する視野選択性フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、規則的に方向性のある
クレイズを利用した、特定の範囲方向には光を通すが、
他の方向には光を通さない性質を有する視野選択性フィ
ルムの製造方法に係わる。特に、着色物質をクレイズ中
に十分に充填でき、視野選択性の優れた視野選択フィル
ムを製造することができる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、視野選択性を有するフィルムまた
はシートとしては、特定方向の光線を散乱させ視野選択
性を得るタイプと特定の方向の光線を遮光して視野選択
性を得るものが知られている。
【0003】近年、フィルム中に規則的に形成された多
数のクレイズを利用した視野選択性シートが開発されて
おり、特開平6−82607号、特開平7−14640
3号、特開平7−241917号各公報等に開示されて
いる。
【0004】これらの公報においては、分子配向をもつ
透明性の高分子樹脂フィルムをブレード等を用いて分子
配向方向とブレードの刃が平行になるようにして折り曲
げ、この状態で張力をかけながら分子配向方向に対して
垂直方向に引き取って分子配向方向と略平行に連続的に
縞状のクレイズを発生させることにより製造され、その
クレイズ自体による光の散乱、またはクレイズ内に導入
された光吸収性物質による遮光により視野選択性を示
す、視野選択性フィルムの製造方法が開示されている。
【0005】上記のような従来の視野選択性フィルムま
たはシートにおいて、クレイズ内での光の散乱のみを利
用するものは、光線を完全には遮光できず、またギラツ
キを嫌う用途には不向きである。
【0006】特開平6−82607号では、上記のよう
に形成されたフィルムのクレイズ中に着色剤を導入し得
ること、特開平7−146403号ではクレイズ中に光
吸収物質を導入し、クレイズの遮光性を改良することに
ついても記載されており、クレイズまたはクラック内に
光吸収性物質、光散乱性物質等を充填させると、充填さ
せないものよりも遮光性、散乱性とも改善された視野選
択性フィルムが得られる。
【0007】しかし、上記公報をはじめとする従来技術
においてはクレイズもしくはクラックを形成した後に光
吸収性物質等を充填しており、そのような方法では、ク
レイズ等の中の微細な空間に既に空気が存在しているた
め、クレイズ中の空間全部に光吸収性物質等を充填でき
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は上記問
題点を解決するために完成されたものであり、クレイズ
を利用した視野選択性フィルムの製造において、そのク
レイズ内に光吸収性物質等の物質を充填する際にクレイ
ズ内に上記物質を十分に充填でき、従って視野選択性を
さらに改良することができる、クレイズを利用した視野
選択性フィルムの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、着色物質を含
む規則的な方向性の多数のクレイズを有する透明なプラ
スチックフィルムからなる視野選択性シートの製造方法
であって、プラスチックフィルムに規則的な方向性のク
レイズを形成し、クレイズ内に着色物質を導入すること
を含み、クレイズを着色物質を含む着色液の存在下で形
成することを特徴とする視野選択性フィルムの製造方法
を提供するものである。
【0010】上記本発明方法の1つの態様においては、
張力を加えたプラスチックフィルムに直線的に力を加え
ることによりフィルムに局部的な折り曲げ部を形成し、
折り曲げ部の折り曲げ方向に垂直にフィルムを引き取る
ことにより、フィルムに折り曲げ方向に略平行な規則的
な方向性を有する多数のクレイズを形成する。
【0011】上記態様の1つの具体例においては、プラ
スチックフィルムに局部的な折り曲げ部を形成する前に
フィルムのクレイズが形成される面に着色液を塗布する
ことにより着色液の存在下でクレイズを発生させる。
【0012】上記態様の別の具体例においては、プラス
チックフィルムの局部的な折り曲げ部を着色液浴中で形
成することにより着色液の存在下でクレイズを発生させ
る。
【0013】本発明方法のまた別の態様においては、他
の層に積層されたプラスチックフィルムを、局部的な折
り曲げ部が形成されるように剥離することにより、フィ
ルムに折り曲げ方向に略平行な規則的な方向性を有する
多数のクレイズを形成する。
【0014】上記態様の1つの具体例においては、フィ
ルムの局部的な折り曲げ部を着色液浴中に配置すること
により着色液の存在下でクレイズを形成する。
【0015】本発明方法のさらに別の態様においては、
プラスチックフィルムに局部的な折り曲げ部を形成する
前にフィルムを溶媒及び/または界面活性剤により処理
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の視野選択性フィル
ムの製造方法について詳細に説明する。
【0017】本発明の方法は、一定の方向から入射する
光は透過するが、別の方向から入射する光は透過できな
いフィルムであって、従ってそのフィルムを通しては、
一定の方向からはその後ろにある物体等を視認すること
ができるが、別の方向からは視認できないという特性
(視野選択性)を有するフィルムの製造方法である。
尚、本発明にいう視野選択性は、一定の方向から入射す
る光は透過するが、別の方向から入射する特定の波長の
光は透過できないような性質も含む。即ち、一定の方向
から見ると実質的に無色透明であるが、別の方向から見
ると透明であるが特定の色に着色しており、フィルムの
後ろにあるその色の物体はその方向からは視認できない
ような特性も視野選択性に含まれるものである。
【0018】本発明の方法により製造される視野選択性
フィルムは、着色物質を含む規則的な方向性のクレイズ
を有する透明なプラスチックからなる。
【0019】本発明にいう「クレイズ」とは、プラスチ
ックフィルム表面に形成される略直線上のひび、あるい
は割れ目のことをいう。尚、一般にはプラスチックフィ
ルムに形成されるひびあるいは割れ目の壁面間に樹脂フ
ィブリルが残存しているものを「クレイズ」といい、さ
らにそれが広げられ樹脂フィブリルが残存していないも
のを「クラック」という場合があるが、本発明にいうク
レイズはそれらのいずれをも含む。
【0020】また「規則的な方向性」とは、上記のクレ
イズが一定の方向に略平行に縞状に形成されており、ま
た各クレイズはその深さ方向においても略平行であるこ
とを示す。本発明にいう「透明なプラスチックフィル
ム」とは、フィルムがそれを通してその背後にある物品
等を肉眼により視認できる程度の光の透過性を有するプ
ラスチックフィルムを意味する。また本発明にいうフィ
ルムは一般には10μm〜2mmの厚さを有し、通常の
意味におけるフィルム及びシートのいずれをも含むもの
である。
【0021】本発明の方法により製造される視野選択性
フィルムの機能について図1に示した概略図により説明
する。図1において断面で示された視野選択性フィルム
1はその中に光吸収性物質を含む多数のクレイズ2を有
している。従って、視野選択フィルム1の背後にある物
体3は観察者4の方向からは視認できるが、観察者5の
方向からはクレイズに遮られて視認できず、このフィル
ムを通しては、一定の方向からはその後ろにある物体等
を視認することができるが、別の方向からは視認できな
いという視野選択性を有する。
【0022】またクレイズ2を、完全に可視光を遮るも
のではなく、特定の波長の光のみを遮るものとすること
もできる。このようなクレイズは透明であるが特定の色
に着色したものとなり、そのようなクレイズを有するフ
ィルムによれば、一定の方向からはその後ろにある物体
等を視認することができるが、別の方向からはクレイズ
と同じ色の物体等を視認できないという視野選択性が得
られる。
【0023】本発明の視野選択性フィルムに使用される
透明なプラスチックフィルムは後述するような方法によ
り規則的な方向性のクレイズを形成することができるも
のであれば特に限定されるものではなく、結晶性あるい
は非晶性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性
樹脂等を使用することができる。
【0024】また、透明なプラスチックフィルムは1種
類の樹脂からなる単層のものに限定されず、1種類以上
の樹脂からなる多層のプラスチックフィルムでもよい。
多層のプラスチックフィルムの場合、その層の少なくと
も1層以上にクレイズが形成されるものとすることがで
きる。
【0025】単層のプラスチックフィルムを使用する場
合は、そのフィルム自体がある程度の可撓性(あるいは
高い靱性)を持つものとすることが適当である。そうで
ないとフィルムが破断しやすく、実用上使用し難くな
る。一方、多層のプラスチックフィルムを使用する場
合、上記の単層でクレイズを生じさせて実用的な用途に
使用にできるものに加え、剛性が高く脆いためにクレイ
ズを発生させるとそれ自体のみでは破断してしまうよう
な物性のものでも、強靱なべースフィルムに積層するこ
とにより実用的に使用できるようになる。具体的には、
例えば3000MPa以上の曲げ弾性率を示す材料は剛
性が高く脆いといえ、そのような材料はベースフィルム
に積層して使用することが好ましい。逆に上記未満の曲
げ弾性率、好ましくは2800MPa以下の曲げ弾性率
を有する材料は単層のフィルムとして好適に使用でき
る。但し、後述するような方法によりクレイズをフィル
ムに形成するためには、曲げ弾性率が300MPa以上
であることが好ましい。
【0026】上記のような規則的なクレイズを生じさせ
ることができる樹脂としては、熱可塑性の結晶性樹脂と
してポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、セルロース等が挙げられ、熱可塑性の非晶性樹脂と
してはポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、アク
リロニトリルブタジエンスチレン、スチレンブタジエン
等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート等が挙
げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリ
ル・エポキシ樹脂、ポリオール・イソシアネートウレタ
ン系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げら
れ、紫外線硬化樹脂としては、アクリルアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート系が挙げられる。
【0027】熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化樹脂を使
用すれば、主剤と硬化剤、あるいは反応性モノマーもし
くはオリゴマーの種類を適当に選択することにより樹脂
の物性を変化させることができ、適当なクレイズが得ら
れるような樹脂の物性を容易に得ることができる。また
熱硬化性樹脂及び紫外線硬化樹脂は耐熱性、耐候性等に
も優れているので、クレイズ形成後のクレイズの状態を
保存する安定性にも優れている。
【0028】また前記のような剛性が高く脆い材料のフ
ィルムを積層するためのベースフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート共重合
体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体等の少
なくとも1種以上からなるものが挙げられる。
【0029】クレイズを発生させるプラスチックフィル
ムは、クレイズを発生させる工程における材料の温度
(一般的には工程の雰囲気温度)によりクレイズが発生
したりしなかったりし得、また樹脂の種類、分子量等に
よりクレイズが発生する温度が異なり得る。
【0030】例えば、常温でクレイズを生じる樹脂材料
を選択した場合は、常温で製造ができるため、生産性の
点からは極めて有利である。しかし、このような樹脂を
用いて得られた視野選択性フィルムは折り曲げることに
より新たにクレイズを生じてしまうので、クレイズを形
成した後に折れ曲がらないような適度な硬さを有する基
材に積層するか、必要とされる場所に装着してしまう必
要がある。
【0031】逆に例えば0℃以下のような低温でのみク
レイズを生じる樹脂材料を選択した場合は、クレイズを
生じさせるときに低温の環境を必要とすることから生産
性の点では不利である。しかし、このような材料から製
造された視野選択性フィルムは常温では折り曲げても新
たなクレイズは生じないので安定した視野選択性が得ら
れる。
【0032】本発明の方法に用いられるプラスチックフ
ィルムとしては、上記のような点を考慮して、曲げ弾性
率等を目安に目的、用途に適当な材料を選択することが
できる。
【0033】以上のようなクレイズを形成させる樹脂
は、クレイズの幅、間隔、角度、長さ、深さを調節する
ために2種類以上混合してもよく、またその表面をマッ
ト状にするなどの目的で有機または無機の染料、顔料等
を添加してもよい。帯電防止剤、接着性改良剤等の添加
剤も任意に含有させることができる。
【0034】これらの規則的なクレイズを生じさせる透
明なプラスチックフィルムを製造する方法は、特に限定
されるものではなく、単層のものであれば一般的には溶
融Tダイ押出し法、インフレーション法、カレンダー法
(圧延法)、熱プレス法等により製造され、多層のものは
溶融共押出し法、ラミネート法、コーティング法等によ
り一般的に作成される。
【0035】またこれらのプラスチックフィルムは分子
配向したものでもよく、実質的に分子配向していないも
のでもよい。分子配向したフィルムを使用すると、分子
配向方向にクレイズが形成されやすいので好ましい。こ
のような分子配向を一軸延伸により得る場合は、使用す
る樹脂によっても異なるが、一般には1.2〜6.0倍
程度の延伸倍率が好ましい。1.2倍未満では配向させ
た効果が得られず、6.0倍以上では配向方向に裂けや
すくなってしまう。
【0036】次に上記のような透明のフィルムにクレイ
ズを生じさせる方法について説明する。透明のフィルム
にクレイズを生じさせる方法は、上記のような視野選択
性を付与するクレイズを形成し得るものであれば特に限
定されないが、一般にはフィルムに張力をかけてそれに
ブレードあるいは小径のロール等を押し当ててフィルム
に局部的な折り曲げ部を形成し、折り曲げ方向に対して
垂直にフィルムを引き取ることによりフィルム全体に連
続的に折り曲げ部を形成してフィルム全体に折り曲げ方
向に略平行な多数のクレイズを形成する方法、多層に積
層したフィルムのクレイズを発生させるフィルムを含む
一部の層を剥離し、その剥離時の屈曲により上記方法と
同様な局部的な折り曲げ部を形成して多数のクレイズを
生じさせる方法等を使用できる。
【0037】上記の方法においては、フィルムが折り曲
げられることによりフィルムの折り曲げ部の背部(凸
部)側表面に折り曲げ方向に対して垂直な方向に引っ張
る応力がかかり、それによりその表面に折り曲げ方向に
略平行なフィルムのひびとしてクレイズが形成され、フ
ィルムを引き取ることや剥離することによりフィルム全
面にわたって連続的に一定方向に折り曲げ部が形成さ
れ、フィルム全体に規則的な方向性の多数のクレイズが
形成されるものである。
【0038】上記のようにして得られるクレイズを有す
るフィルムは、適当な条件下ではそのままでも規則的に
形成されたクレイズ部分での入射光散乱により一応の視
野選択性が得られるが、先に述べたようにより高性能の
視野選択性を得るためにはクレイズの空間内に光吸収性
物質、光散乱性物質等として機能する着色物質を含有さ
せることが好ましい。
【0039】従来知られている方法では、前述のフィル
ムにあらかじめ先に規則的なクレイズを形成してから該
フィルムを染料、顔料等の溶液、分散液に浸漬して染料
等をクレイズ中に充填していたが、この方法では十分に
クレイズ内に染料等を充填できず、従って十分な視野選
択性を得ることができなかった。
【0040】これは、例えば幅が約0.1μm〜数μm
のクレイズをあらかじめフィルムに形成しておいた場合
には、その空間に空気が存在しており、後にフィルムに
染料等の溶液、分散液を塗布あるいはフィルムをそれら
に浸漬したとしても溶液あるいは分散液は完全にはクレ
イズ中の空気と置換することができないことによるもの
である。さらに典型的なクレイズの場合には、その空間
に多数のフィブリル(分子束)やボイド(空孔)が存在して
微細なスポンジ状構造を有しており、それらが溶液、分
散液の侵入を妨害することにもよる。
【0041】これに対し本発明の方法によれば、着色物
質を含む溶液または分散液である着色液の存在下でクレ
イズを形成させるので、クレイズが形成されると同時に
その中へ着色液が侵入し、空気等の空間を残すことなく
クレイズの全容量が着色液により置換され満たされる。
これによりフィルムにクレイズを空気中で形成した後に
その中へ上記のような染料等の溶液等を導入する場合よ
りも多い量の着色物質を導入することができ、従ってよ
り遮光性の優れたクレイズを形成することができ、得ら
れる視野選択性フィルムの視野選択性はより優れたもの
となる。またクレイズ形成と同時に着色液がクレイズの
空間に満たされるので、上記のように空気等が入らず着
色液がクレイズ壁面全面に接触し、またクレイズ壁面が
酸化されたり異物により汚染されないので着色物質のク
レイズ壁面への接着性が向上し、結果として染着性が向
上する。尚、本発明にいう「着色液の存在下」とは、ク
レイズ形成時にクレイズを形成するプラスチック表面に
形成されるクレイズの全容量を満たすのに十分な着色液
が存在することをいう。
【0042】着色液の存在下にクレイズを形成するため
には、フィルムに局部的な折り曲げ部を形成して折り曲
げ方向とは垂直にフィルムを引き取ることによりクレイ
ズを形成する場合は、例えば図2に概略図を示すよう
に、ローラ11からローラ12に引き取られるプラスチ
ックフィルム6にブレード7(図2(a))あるいは小径の
ローラ8(図2(b))を押し当てることにより形成される
クレイズ形成部位の折り曲げ部9にフィルムが達する前
に、スリットを設けた空洞体からなり、空洞体内に供給
される着色液13がスリットから噴出するようにした着
色液塗布装置10あるいは刷毛等を用いて均一にフィル
ム表面に着色液を塗布し、この状態でフィルムを折り曲
げ部9を通過させる方法、あるいは図3に示すように、
フィルム6にブレード7(図3(a))あるいは小径のロー
ラ8(図3(b))を押し当てることにより形成されたクレ
イズ形成部位の折り曲げ部9を着色液浴14中に配置す
る方法等を使用することができる。
【0043】上記のようなブレードあるいは小径のロー
ラは、浸漬する着色液に侵されない金属、フッ素樹脂等
の材料からなるものが好ましく、また特にブレードの場
合はクレイズを発生させるフィルムとの摩擦の観点から
精密な研磨加工を施したものが好ましい。
【0044】また、多層に積層したフィルムの一部の層
を剥離して、クレイズを発生させるフィルムに局部的な
折り曲げ部を形成してクレイズを形成する場合は、剥離
の際に形成される屈曲部を着色液浴中に存在するように
配置することにより行うことができる。
【0045】また、樹脂を溶剤、界面活性剤等により処
理するとその内部応力が大きくなり、より容易にクレイ
ズを形成することができる(特開平9-166702号
参照)。プラスチックフィルムの溶剤、界面活性剤等に
よる処理は、溶剤、界面活性剤及びその溶液等に浸漬す
ることにより行うことができる。このような処理に使用
される溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ヘキサ
ン、ヘプタン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、これらの混合物等が挙げられ、界面
活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンフェニルエーテル、アルキルベンゼ
ンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート等が挙
げられる。このような溶媒等により処理する場合はこれ
らの溶媒等の中に着色物質を存在させ、その溶媒等の中
でクレイズを形成することもできる。
【0046】上記のようにしてクレイズを発生させ、着
色物質を導入した後は、表面の不要な液をローラーや布
等のワイピングにより取り除き、不要な溶媒等を乾燥、
蒸発等させることにより除去し、視野選択性フィルムを
得ることができる。
【0047】本発明において光吸収性物質として使用さ
れる着色物質の色は特に限定されず、染料、顔料等の種
類も特に制限されることはない。好ましい物質として
は、カーボンブラック、アニリンブラック、鉄黒、モリ
ブデン赤、青化ブルー等の顔料、各種染料が挙げられ
る。
【0048】さらにクレイズ内に充填される着色物質と
して光散乱性物質を使用しても良好な視野選択性を得る
ことができる。このような物質としては酸化亜鉛、二酸
化チタン、炭酸カルシウム、シリカ等の顔料、アルミ粉
等の金属粉などが挙げられる。
【0049】これらの物質は、通常、水、有機溶剤に溶
解もしくは分散させて用いるが、さらに樹脂を加えて使
用してもよい。
【0050】クレイズによる視野選択性、即ち光の正面
透過率(クレイズのフィルム面に垂直な方向についての
透過率)、視野角(可視角度)等は形成されたクレイズ
の幅、深さ、クレイズ間の間隔、クレイズ内に導入され
た着色物質の種類、量等により変化し得る。例えばクレ
イズの幅(着色物質を導入し、プラスチックフィルムを
平面状に保持したときのフィルム表面におけるクレイズ
壁面上端間の距離をいう)が大きくなるほど、またクレ
イズ間の間隔(隣接するクレイズ間の距離)が小さくな
るほど正面透過率は低下し、クレイズ間の間隔が狭くな
るほど、またクレイズの深さが大きくなるほど視野角は
狭くなる。
【0051】所望の視野選択性が得られるように、クレ
イズの深さ、角度、間隔(クレイズの密度)、着色物質
導入量等を調節するためには、フィルムの樹脂の種類、
厚さ、折り曲げ角度、折り曲げ曲率、フィルムの張力、
引き取り速度、工程温度等を適当に調整することができ
る。例えば、選択した樹脂の剛性が高いものであるほど
クレイズの幅、間隔が小さくなりその密度も大きくな
る。フィルムの折り曲げ角度が大きくなるほどクレイズ
の密度は高くなり、クレイズの深さは大きくなる。一般
的な視野選択性フィルムを得るためには、フィルムの樹
脂の種類、厚さが選択されれば、折り曲げ角度、フィル
ムの張力及び引き取り速度を調節することにより所望の
視野選択性を得ることができる。これらの条件は樹脂の
種類等により変化するが、一般的には30〜150°の
折り曲げ角度(折り曲げ部以後のフィルム平面が折り曲
げ部以前のフィルム平面に対してローラーあるいはブレ
ードとは反対側でなす角度、図2及び3中のθ)、0.
5〜10kgf/mm2の張力、10mm/分〜10m
/分の引き取り速度の範囲で調整することができる。
【0052】また前記したような、完全に可視光を遮る
ものではなく、特定の波長の光のみを遮るようなクレイ
ズは、上記のような着色物質の種類、その溶液や分散液
(着色液)の濃度を適当に選択し、及び/またはクレイ
ズの寸法等を上記のように適当に調整することにより得
ることができる。
【0053】上記のようにして得られるクレイズの幅は
通常0.1〜10μm程度であり、このような幅とする
ことにより正面透過率に大きな影響を与えず遮光性のあ
るクレイズとすることができる。クレイズの深さは1μ
m程度あれば視野選択性が得られ、大きくなるほど視野
角は小さくなるが、上限としてはクレイズが形成される
フィルムに達するまでの深さを有し得る。上記のように
して形成されたクレイズのうち1μm程度より深いクレ
イズが視野選択性に寄与する。クレイズの長さは視野選
択性に特に影響を及ぼさず、限定されないが、通常は数
μmから数十mmである。
【0054】このようにして得られた視野選択性フィル
ムは表面保護などのために保護層を塗布したり、保護フ
ィルムをラミネートすることもできる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例に基づいてさら
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0056】[I]クレイズ形成方法 図2(a)または図3(a)に示したようにローラー間で引き
取られるフィルムにブレードをあてて一定の折り曲げ角
度で局所的折り曲げ部が形成されるようにし、所定の張
力、速度でフィルムを引き取ることによりブレード部分
で連続的にクレイズを発生させる。以下の実施例におい
ては、折り曲げ角度(折り曲げ部以後のフィルム平面が
折り曲げ部以前のフィルム平面に対してブレードとは反
対側でなす角度、図2(a)及び3(a)中のθ)60°、張
力0.68kgf/mm2、引き取り速度30mm/分
とした。
【0057】[II]着色方法 本発明による下記a)及びb)の方法、及び従来技術の
方法であるc)の方法の3種の方法により実施した。
【0058】a)クレイズ形成前にサンプルに着色液を
塗布する方法 図2(a)に示すように、引き取られるフィルムのブレー
ドを通過するより手前の部分のクレイズが形成される表
面に刷毛を用いて均一に着色液を塗布してクレイズ形成
時にその部分に着色液が存在するようにし、クレイズ形
成とクレイズ部の着色を同時に行う。その後表層部分の
余分な着色液を拭き取る。
【0059】b)着色液中でクレイズを形成する方法 図3(a)に示すように、クレイズ形成装置に着色液を満
たした容器をブレード先端が着色液中に入るようにして
セットし、この状態でフィルムを引き取る。これにより
フィルムはブレード部分で着色液中を通ることになり、
クレイズ形成とクレイズ内の着色を同時に行うことがで
きる。その後表層および裏面の余分な着色液を拭き取
る。
【0060】c)クレイズを形成した後に着色する方法 クレイズを形成した後、刷毛でクレイズ部分に着色液を
塗布し、所定時間放置した後、表層の余分な着色液を拭
き取る。
【0061】[III]評価方法 レーザー光源から発したレーザー光が、光パワーメータ
ー(オプティカルパワーメーターTQ8210:アドバ
ンテスト社)の受光部に当たるように光源と受光部を設
置し、このレーザー光路中に視野選択性フィルムのサン
プルの着色したクレイズ部分がくるようにサンプル設置
場所を設ける。このサンプルの設置角度を変えることに
より、入射角度、即ち視野選択性フィルムサンプルのフ
ィルム面に対して垂直な方向に対して光路がなす角度を
−60度から60度まで10度ごとに変化するようにサ
ンプルへのレーザー光の入射角度を変え、それぞれの角
度でのパワーメーターの値から、それぞれの入射角度で
の透過率を求める。入射角度はサンプルのクレイズ長さ
方向を軸として変化させる。なお各々の角度での透過率
は、次式で計算される。
【0062】透過率=各々の角度でサンプルを設置した
場合の測定値/サンプルがない場合での測定値×100
(%)
【0063】実施例1 厚さ25μm、延伸倍率約3倍の一軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムを、延伸方向が幅方向になるように5cm幅
の短冊に切り、これを上記のクレイズの形成方法a)に
よりクレイズを形成し、着色した。着色液として、下記
の黒色着色液1を使用した。その後メタ変性アルコール
を染み込ませたウェスで表層の余分な黒色着色液を拭き
取り、クレイズ部分だけが黒色に着色されたフィルムを
得た。
【0064】
【0065】実施例2 実施例1と同じ一軸延伸ポリプロピレンフィルムサンプ
ルを使用し、上記のクレイズの形成方法b)によりクレ
イズを形成し、着色した。着色液としては上記黒色着色
液1を使用した。その後メタ変性アルコールを染み込ま
せたウェスでフィルム表層及び裏面の余分な着色液を拭
き取り、クレイズ部分だけが黒色に着色されたフィルム
を得た。
【0066】比較例1 実施例1と同じ一軸延伸ポリプロピレンフィルムサンプ
ルを使用し、上記のクレイズの形成方法c)によりクレ
イズを形成し、その後着色した。着色液としては上記黒
色着色液1を使用した。その後メタ変性アルコールを染
み込ませたウェスでフィルム表層の余分な着色液を拭き
取ることによりクレイズ部分だけが黒色に着色されたフ
ィルムを得た。
【0067】実施例1、2及び比較例1で作成されたフ
ィルムについて、各々の入射角度でのレーザー光線透過
率の測定結果を下表に記す。測定は前記の方法に従っ
た。
【0068】
【表1】 上記の結果から明らかなように、本発明方法による実施
例1及び2で得られた視野選択性フィルムは比較例1の
ものと比べ、入射角度が大きくなるにつれて透過率が低
くなっており、良好な視野選択性を有していた。
【0069】実施例3 ポリスチレン樹脂(666R:旭化成工業社)をメチル
エチルケトン、トルエンの混合溶媒に溶解し、ワイヤー
バーにより厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム上
に塗布した後、加熱乾燥することにより、塗膜厚20μ
mのフィルムを得た。
【0070】得られたフィルムを、下記黒色着色液2を
用いる以外は実施例1と同様の処理を行い、クレイズ部
分が黒色に着色した視野選択性フィルムを得た。
【0071】
【0072】実施例4 実施例3で作成したポリスチレン樹脂塗工フィルムを上
記黒色着色液2を用いる以外は実施例2と同様に処理
し、クレイズ部分が黒色に着色された視野選択性フィル
ムを得た。
【0073】比較例2 実施例3で作成したポリスチレン樹脂塗工フィルムを上
記黒色着色液2を用いる以外は比較例1と同様に処理
し、クレイズ部分が薄く黒色に着色した視野選択性フィ
ルムを得た。
【0074】実施例3,4及び比較例2を目視評価した
ところ、実施例3,4で作製したフィルムは透過性に明
確な角度依存性が有り、斜めから見た場合の透過性が落
ちるという視野選択性効果を示したが、比較例2で作製
したフィルムは透過性の変化が少なく視野選択性効果が
弱かった。
【0075】実施例5 次の組成の透明プラスチックフィルム用の塗工液を調製
した。 ・アクリディックA−807 20重量部 (50%)(大日本インキ化学工業社) ・バーノック D−750 2.88重量部 (75%)(大日本インキ化学工業社) ・メチルエチルケトン 6重量部 ・トルオール 6重量部
【0076】この塗工液をワイヤーバーにより厚さ50
μmの透明ポリエステルフィルム上に塗布した後、加熱
乾燥することにより、塗膜厚20μmのフィルムを得
た。これをさらに60℃で48時間キュアリングした。
【0077】得られたフィルムを実施例1と同様に処理
し、クラック部分が黒色に着色した視野選択性フィルム
を得た。
【0078】実施例6 実施例5で作成した樹脂塗工フィルムを実施例2と同様
に処理し、クラック部分が黒色に着色した視野選択性フ
ィルムを得た。
【0079】比較例3 実施例5で作成した樹脂塗工フィルムを比較例1と同様
に処理し、クラック部分が極くわずかに着色した視野選
択性フィルムを得た。
【0080】実施例5、6及び比較例3の視野選択性フ
ィルムを目視評価したところ、実施例5、6で作製した
サンプルは透過性に明確な角度依存性が有り、斜めから
見た場合の透過性が落ちるという視野選択性効果を示し
たが、比較例3で作製したサンプルは透過性の変化が少
なく視野選択性効果が弱かった。
【0081】実施例7 黒色着色液1の代わりに下記顔料分散液を用いる以外
は、実施例1と同様にしてポリプロピレンフィルムのク
レイズ部分に光散乱性物質が充填された視野選択性フィ
ルムを得た。
【0082】
【0083】実施例8 黒色着色液1の代わりに前記顔料分散液を用いる以外は
実施例2と同様にしてポリプロピレンフィルムのクレイ
ズ部分に光散乱性物質が充填された視野選択性フィルム
を得た。
【0084】比較例4 黒色着色液1の代わりに前記顔料分散液を用いる以外は
比較例1と同様にしてポリプロピレンフィルムのクレイ
ズ部分に光散乱性物質が充填された視野選択性フィルム
を得た。
【0085】実施例7,8及び比較例4を目視評価した
ところ、実施例7,8で作製したサンプルは透過性及び
散乱性に明確な角度依存性が有り、斜めから見た場合の
透過性が落ち、さらに散乱性を増すという視野選択性効
果を示したが、比較例3で作製したサンプルは透過性及
び散乱性の変化が少なく視野選択性効果が弱かった。
【0086】
【発明の効果】本発明の方法によれば、優れた視野選択
性を有する、クレイズを利用した視野選択性フィルムを
製造することができる。
【0087】また、本発明の方法によれば、クレイズは
形成と同時に着色されるので形成されたクレイズを容易
に認識でき、不良なクレイズ形成部分をクレイズ形成時
に発見してその部分を除去したり、製造条件等を補正す
ることができる。従って、クレイズを形成してから着色
する場合に、着色されていないクレイズが判別しにくい
ためにクレイズ形成時に不良なクレイズ形成を発見でき
ず、フィルム全体にクレイズを形成した後に着色して初
めてクレイズ形成の不良が発見されるというような問題
を回避することができる。
【0088】さらに本発明の方法によれば、クレイズの
形成と着色を同時に行うので視野選択性フィルムの製造
を一工程で行うことができ、製造工程を短縮することが
できるので、高い製造効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法により製造される視野選択性フ
ィルムの機能を説明する図である。
【図2】 本発明の視野選択性フィルムの製造方法を説
明する図である。
【図3】 本発明の視野選択性フィルムの製造方法を説
明する図である。
【符号の説明】
1...視野選択性フィルム 2...クレイズ 3...物体 4...観察者 5...観察者 6...プラスチックフィルム 7...ブレード 8...小径のローラ 9...折り曲げ部 10...着色液塗布装置 11、12...ローラ 13...着色液 14...着色液浴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 實 岐阜県各務原市尾崎西町5丁目1番地 合 同宿舎尾崎西町住宅1−31 (72)発明者 武野 明義 岐阜県岐阜市下土居648番地の1 (72)発明者 今村 順一 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 (72)発明者 小池 敏浩 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 (72)発明者 安香 聡 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色物質を含む規則的な方向性の多数の
    クレイズを有する透明なプラスチックフィルムからなる
    視野選択性シートの製造方法であって、プラスチックフ
    ィルムに規則的な方向性を有するクレイズを形成し、ク
    レイズ内に着色物質を導入することを含み、着色物質を
    含む着色液の存在下でクレイズを形成することを特徴と
    する視野選択性フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 張力を加えたプラスチックフィルムに直
    線的に力を加えることによりフィルムに局部的な折り曲
    げ部を形成し、折り曲げ部の折り曲げ方向に垂直にフィ
    ルムを引き取ることによりフィルムに折り曲げ方向に略
    平行な規則的な方向性を有する多数のクレイズを形成す
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルムに局部的な折り曲
    げ部を形成する前にフィルムのクレイズが形成される面
    に着色液を塗布することにより、着色液の存在下でクレ
    イズを発生させることを特徴とする請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルムの局部的な折り曲
    げ部を着色液浴中で形成することにより着色液の存在下
    でクレイズを発生させることを特徴とする請求項2に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 他の層に積層されたプラスチックフィル
    ムを、局部的な折り曲げ部が形成されるように剥離する
    ことにより、フィルムに折り曲げ方向に略平行な規則的
    な方向性を有する多数のクレイズを形成することを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルムの局部的な折り曲
    げ部を着色液浴中で形成することにより着色液の存在下
    でクレイズを形成することを特徴とする請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 プラスチックフィルムに局部的な折り曲
    げ部を形成する前にフィルムを溶媒及び/または界面活
    性剤により処理することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の方法。
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