JP2002122713A - 視野選択性フィルムおびその製造方法 - Google Patents

視野選択性フィルムおびその製造方法

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JP2002122713A JP2000351957A JP2000351957A JP2002122713A JP 2002122713 A JP2002122713 A JP 2002122713A JP 2000351957 A JP2000351957 A JP 2000351957A JP 2000351957 A JP2000351957 A JP 2000351957A JP 2002122713 A JP2002122713 A JP 2002122713A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の視野選択性を有しカラーバリエーショ
ン豊富な視野選択性フィルム、および、その製造方法を
提供する。 【解決手段】 クレーズ領域が縞状に形成され、該クレ
ーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルム
を、延伸処理すること、又は、熱処理することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視野選択性フィ
ルムおよびその製造方法に関するものである。さらに、
詳しくは、この発明は、カラーに着色された視野選択性
フィルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、正面から見ると透明であるが、斜
めから見ると不透明になる視野選択性フィルムが、例え
ば、パソコン等のディスプレイ、建築物の窓、自動車や
飛行機等の乗り物用窓、計器類等における可視の範囲を
限定する用途に使用されてきている。
【0003】本発明者等は、透明な高分子樹脂フィルム
にクレージング処理することで、クレーズ領域を縞状に
形成させて得られたフィルムを、視野選択性フィルムの
一つとして使用できることを提案している(特開平6−
82607号公報参照)。
【0004】図11に示すように、クレーズ領域1と
は、高分子樹脂フィルム2の表面に現れる表面クレーズ
と内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微
細なひび状の模様を有する領域をさす。
【0005】透明な高分子樹脂フィルム2に形成された
クレーズ領域1は、図12に模式的に示すように、一般
に、分子束(フィブリル)3とボイド4とから構成さ
れ、全体がスポンジに似た構造となっており、これが縞
状に形成されることで、視野選択性を示すことになる。
なお、図12において、矢印d方向がクレーズ領域の幅
方向を、矢印L方向がクレーズ領域の長さ方向を意味す
る。
【0006】クレーズ領域が縞状に形成された透明な高
分子樹脂フィルムによる視野選択性とは、例えば、クレ
ーズ領域がフィルムを表から裏まで貫通して形成された
ものとして例示した場合、図13(a)に示すように、
略平行な光がフィルム2に略垂直に入射した時、クレー
ズ領域1の間を光が透過することから、フィルムの裏側
に置いた文字、図形等パターンが表側から確認できる
が、(b)に示すように、フィルム2に斜めに入射した
時は、光はクレーズ領域1で主に散乱され、フィルムは
不透明となって、文字、図形等のパターンが表側から確
認ができなくなることを意味する。
【0007】上記特開平6−82607号公報では、視
野選択性フィルムの機能を高めるための一つとして、ク
レーズ領域に油溶染料等の着色剤等からなる添加剤層を
設けることでカラーバリエーションを付与することも提
案している。
【0008】しかしながら、クレーズ領域を油溶染料等
によって染着すると、染着前の視野選択性フィルムの視
野選択性と比べ、染着時のクレーズ領域の緩和、フィル
ムの収縮等により、視野選択性が乱れたり劣化したりし
て、所定の視野選択性を保つことが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
所定の視野選択性を有する染着された視野選択性フィル
ム、および、その製造方法を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の視野選択性フィルム及びその製造方法
は、以下の構成からなることを特徴とする。以下におい
て「クレーズ領域」は、前述したものを意味し、「縞
状」とは、クレーズ領域がほぼ平行して形成されている
ことを意味する。また、「フィルム」とはウエッブだけ
でなくシートをも含むことを意味する。
【0011】この発明の視野選択性フィルムとしては、
クレーズ領域が縞状に形成され、該クレーズ領域が染料
で染着されてなる高分子樹脂フィルムが、延伸処理され
てなることを特徴とする。これによれば、クレーズ領域
を染料で染着すること等で、視野選択性が乱れたり劣化
したりした高分子樹脂フィルムの視野選択性を改善し、
しかも、延伸の程度をコントロールすることで所定の視
野選択性を有するクレーズ領域が染料で染着されたフィ
ルムを得ることができる。前記延伸処理がクレーズ領域
の略幅方向にされてなるものであることが好ましい。本
発明におけるクレーズ領域の幅方向とは、図12におけ
る矢印d方向を意味する。また、この発明の別の視野選
択性フィルムとしては、クレーズ領域が縞状に形成さ
れ、該クレーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂
フィルムが、熱処理されてなることを特徴とする。これ
によれば、少なくとも染着した染料の余色の吸収波長付
近に対し視野選択性を有するフィルムを得ることができ
る。そして、前記クレーズ領域が、高分子樹脂フィルム
の分子配向方向と略平行であることが好ましい。
【0012】この発明の視野選択性フィルムの製造方法
としては、クレーズ領域が縞状に形成され、該クレーズ
領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルムを、延
伸処理することを特徴とする。前記延伸処理をクレーズ
領域の略幅方向に行うことが好ましい。また、この発明
の別の視野選択性フィルムの製造方法としては、クレー
ズ領域が縞状に形成され、前記クレーズ領域が染料で染
着されてなる高分子樹脂フィルムを、熱処理することを
特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。
【0014】この発明において、クレーズ領域を縞状に
形成させる素材である高分子樹脂としては、透明であっ
てフィルムの成形が可能な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
であれば、特に制限されることなくいずれも採用可能で
あるが、クレーズ領域の形成の容易性等からは、熱可塑
性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ポ
リカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル
樹脂等が例示できる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、
フィルムへの成形性や経済的観点から、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可
塑性樹脂を使用することが好ましい。これらの熱可塑性
樹脂は、単独でも複合した組成物として用いても、或い
は、別の高分子樹脂をブレンドしたりしても良く、さら
には二種以上の樹脂を多層化して用いても良い。もちろ
ん、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とをブレンドしたフィ
ルム、または、多層化したフィルムであってもよい。ま
た、室温でのクレーズ領域の形成の容易さからは、前記
熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃以上、好まし
くは−30℃以上、特に好ましくは−15℃以上の樹脂
を使用することが望ましい。組成物として使用するとき
や多層化して使用するときは、主な構成成分である熱可
塑性樹脂のガラス転移温度が上記範囲内にあることが好
ましい。これより低いガラス転移温度を示す熱可塑性樹
脂の場合は、柔軟過ぎるために室温でのクレーズ領域の
効率的な形成は難しい。もちろん、クレージング処理時
の雰囲気温度を適切な温度に設定すれば、上記ガラス転
移温度に限定されるものではない。
【0015】ポリオレフィンとしては、低密度分岐ポリ
エチレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエ
チレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタ
クチックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ
(4−メチル−1−ペンテン)等が例示できる。
【0016】ポリアミドとしては、ナイロン−4、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイ
ロン−12、非晶性ナイロン等が例示でき、好ましいポ
リアミドは、ナイロン−6、ナイロン−6,6、非晶性
ナイロンである。
【0017】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタ
レンテレフタレートが例示できる。
【0018】スチレン系樹脂としては、ポリステレン、
ゴムグラフトポリスチレン(HIPS)、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体が例示できる。
【0019】ポリカーボネートとしては、2,2−ビス
(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシ
フェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)ス
ルフォン、スルフィド又はスルフォキサイド系のビスフ
ェノール類からなる芳香族ポリカーボネートが例示でき
る。
【0020】ハロゲン含有熱可塑性樹脂としては、ポリ
弗化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレンとの共重合体並びビニリデンクロライドが例示で
きる。
【0021】ニトリル樹脂としては、アクリロニトリル
及びメタクリロニトリル及びそれらの混合物が例示でき
る。
【0022】上記熱可塑性樹脂を高分子樹脂フィルムと
し、該高分子樹脂フィルムをクレージング処理をしてク
レーズ領域を縞状に形成する。
【0023】上記熱可塑性樹脂を用いて得られる高分子
樹脂フィルムは、その製造方法において特別な制約はな
く、各種の成形方法を適用することにより得ることがで
きるが、一般に広く行なわれているTダイ押出成形法や
ブローアップを行なうインフレーション成形法を適用し
て得られたものが工業的には有利である。
【0024】また、高分子樹脂フィルムの厚みは、一般
に0.5〜1,000μm、好ましくは1〜800μ
m、特に好ましくは2〜500μmである。
【0025】また、配向した高分子樹脂フィルムである
ことが、クレーズ領域を縞状に形成させることが容易で
あることから好ましい。配向度は、該フィルムの成形時
の、樹脂温度、引き取り速度、冷却速度、樹脂の分子
量、分子量分布、タクティスティ等の分子構造を、特に
Tダイ法であればドロー比を、特にインフレーション法
であればブローアップ比等を変えることにより制御する
ことができるので、これらを適当に制御して目的とする
好ましい範囲の配向度のフィルムを製造することができ
る。配向度が不十分な場合は、延伸処理して適切な配向
度とすればよい。
【0026】このような高分子樹脂フィルムに分子配向
方向と略平行にクレーズ領域を縞状に形成させる。高分
子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状に形成するには、
例えば、図1に示すような装置によってクレーズ領域を
縞状に形成することが、クレーズ領域の幅、クレーズ領
域の隔たり等を調節することが容易であることから好ま
しい。すなわち、図1に示されるクレーズ形成装置は、
概略、先端部が鋭角なエッジ11aとなった支持体11
とガイドローラ12で構成されるクレージング処理機1
3と、張力付与機構(図示せず)とからなる。緊張状態
に保持された高分子樹脂フィルム14をその分子配向方
向と略平行方向に支持体のエッジ11aに当接して、該
高分子樹脂フィルム14を局部的に折り曲げて変形域を
形成し、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂フィルム
に対して相対的に徐々に移動させることで、移動方向と
略直角の方向に連続的にクレーズ領域を縞状に形成する
ことができる。高分子樹脂フィルムに対し折り曲げ変形
域を相対的に移動させるには、(ア)高分子樹脂フィル
ム14の変形の屈曲角度を維持して支持体11とガイド
ローラ12を一体として高分子樹脂フィルム14に対し
移動させる構造、または、(イ)高分子樹脂フィルム1
4の変形の屈曲角度を維持しつつ支持体11とガイドロ
ーラ12に対し高分子樹脂フィルム14を移動させる構
造により可能である。(ア)の構造によると、高分子樹
脂フィルムの長さ方向にわたり、必要とする任意の距離
だけクレージング処理を複数回繰り返し行うことが可能
であり、高分子樹脂フィルムに、より容易に規則的で連
続したクレーズ領域を形成することができることから好
ましい。また、規則的で連続したクレーズ領域を形成す
るには、高分子樹脂フィルムに付与する張力を比較的低
く設定し、クレージング処理を複数回繰り返し行うこと
が好ましい。
【0027】このようにクレーズ領域を分子配向方向と
略平行の方向に形成するのは、分子鎖の配向の方向と直
角の方向に引っ張ることによって比較的容易にクレーズ
領域が形成され、分子鎖の配向の方向と直角の方向にク
レーズ領域を形成することが難しいことによる。縞状に
形成されたクレーズ領域は、高分子樹脂フィルムの分子
配向の方向と略平行であって、幅は0.5〜100μm
が好ましく、1〜50μmがより好ましい。そして、縞
状とは、クレーズ領域が、0.1〜1,000μm、好
ましくは、1〜800μmの間隔で形成された状態をい
う。
【0028】無配向の高分子樹脂フィルムにクレーズ領
域を縞状に形成させる場合も、図1に示すような装置に
よってクレーズ領域を縞状に形成することが、クレーズ
領域の幅、クレーズ領域の隔たり等を調節することが容
易であることから好ましい。すなわち、図1に示される
クレーズ形成装置においては、緊張状態に保持された高
分子樹脂フィルム14を支持体のエッジ11aに当接し
て、該高分子樹脂フィルム14を局部的に折り曲げて変
形域を形成し、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂フ
ィルムに対して相対的に徐々に移動させることで、移動
方向と略直角の方向に、連続的にクレーズ領域を縞状に
形成することができる。なお、特開平11−23110
8号公報において開示されているように、高分子樹脂フ
ィルムを引き伸ばすようにしてクレーズ領域を縞状に形
成するようにしてもよい。
【0029】高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状
に形成させるには、高分子樹脂フィルムに付与する張力
は、高分子樹脂フィルムの材質により異なるが、破断応
力の90%以上〜100%未満が好ましい。支持体のエ
ッジ角度αは、50度以下が好ましく、30度以下がよ
り好ましい。また、高分子樹脂フィルムの折り曲げ角度
θは、140度以下が好ましく、120度以下がより好
ましく、110度以下が望ましい。また、移動速度は1
00mm/min以下が好ましく、特に10mm/mi
n〜4mm/minが望ましい。もちろん、形成される
クレーズ領域は、高分子樹脂フィルムの材質、厚さ等に
よっても相違することはいうまでもない。
【0030】高分子樹脂フィルムに形成されたクレーズ
領域の幅、クレーズ領域間の隔たり、クレーズ領域の貫
通された数の割合等は、高分子樹脂フィルムの分子配向
の度合いやクレーズ領域を形成させる時の温度、高分子
樹脂フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、支持
体のエッジ角度α、フィルムの折り曲げ角度θ等によっ
て調節することができる。例えば、クレーズ領域を形成
させる時の張力を増大させたり、折り曲げ角度θを小さ
くすると、縞状に形成されるクレーズ領域の間隔は小さ
くなり、クレーズ領域の貫通された数の割合が増大す
る。ただし、クレーズ領域の幅が大きすぎると、染着し
た後、延伸処理する際、フィルムが破断しやすくなる。
なお、クレージング処理を複数回行うと、クレーズ領域
を深さ方向へも成長させることができ、優れた視野選択
性が得られる。
【0031】前記したクレージング処理によって得られ
る高分子樹脂フィルムのクレーズ領域領域中に存在する
ボイドは、光の波長に比べ著しく小さく、光の散乱は起
こらず、高分子樹脂フィルムの素材が透明であれば、そ
の透明性が残ったものとなる。
【0032】クレージング処理されてクレーズ領域が縞
状に形成された高分子樹脂フィルム(以下、「クレージ
ングフィルム」という)のクレーズ領域を染着する染料
としては、分散染料、カチオン系染料等が使用できる。
【0033】クレージングフィルムのクレーズ領域への
染料の染着には、染料液中に浸漬する方法、染料液をロ
ーラ、ドクターによって塗布する方法、または、スプレ
ー等によって塗布する方法が例示できる。染料液の溶媒
としては、水、有機溶媒が使用可能である。また、界面
活性剤等を添加してもよい。クレージングフィルムへの
染着は、フィルムの材質、染料、溶媒、界面活性剤等に
応じ、染料等の使用量、染着時間、染着温度等が適宜決
定される。
【0034】浸漬による染着において、染料や溶媒の種
類によって、クレーズ領域が緩和したり、フィルムが収
縮等したりする場合には特に、例えば、簡易な引張試験
機(延伸機)で、クレージングフィルムに、浸透中常に
一定の張力(クレージング処理時とほぼ同じ張力)が加
わるように保持しておくと、染着時での視野選択性の乱
れや劣化を少なくしたり、染着時間を短縮したりするこ
とができる。また、染着時間を短縮するには、クレージ
ングフィルムを、例えば、湾曲させた状態で浸漬するこ
とが好ましい。とりわけ、クレージング領域のボイドが
フィルムの厚み方向に貫通していない場合は、ボイドを
外側になるように湾曲させて染色すると染着時間を短縮
するのに極めて有効である。クレージングフィルムを湾
曲させるには、例えば、円筒の表面に巻き付ける方法が
採用できる。本発明者等の経験によれば、厚さ約0.7
mmのクレージング処理されたポリエチレンフィルムの
浸漬による染着が、通常数日では完了しなかったが、フ
ィルムを湾曲させたことで24時間以内で可能となっ
た。
【0035】染液中で高分子樹脂フィルムをクレージン
グ処理することで、クレーズ領域の形成と同時に染着す
るようにすると、クレーズ領域に気泡が残りにくく、染
着が良好となる。
【0036】塗布による染着においては、クレージング
フィルムの片面または両面から染料液の塗布を行えばよ
い。ローラ、または、ドクターによる塗布では、ロー
ラ、または、ドクターをクレージングフィルムと相対的
に移動させて、クレージングフィルムの表面に傷を付け
ないようにしつつ、クレーズ領域に染料液を圧入するよ
うにすると、短時間で染着が可能となる。ローラ、また
は、ドクターによる塗布、または、スプレーによる塗布
であって、フィルムを貫通するボイドを多数有するクレ
ージングフィルムにおいて、染料液を片面塗布する場
合、塗布面の反対面側を減圧したり、塗布面側から加圧
したりするようにすれば、より深部までの迅速な染着が
可能となる。本発明者等の経験によれば、厚さ25μm
のポリフッ化ビニリデンフィルムへの染着が、浸漬では
数日かかるのが、減圧塗布によれば数分で完了してい
る。
【0037】このようにして、クレージングフィルムを
染着することによって得られたフィルムは、その視野選
択性が局部的に乱れたり劣化していることが通常である
ことから、そのままでは視野選択性が不十分な場合が多
いが、延伸処理することにより、視野選択性を改善する
ことができる。その根拠ははっきりしていないが、延伸
張力によるクレーズ領域やボイドへの応力集中が上手く
分散緩和され、先ず、視野選択性が局部的に乱れたり劣
化している箇所のフィブリルが塑性的に伸長したり、ボ
イドの孔径を塑性的に拡大したりし、次いで、染料がボ
イドと混在した状態となり、フィルム全体として、視野
選択性が均一化することによると考えられる。延伸方向
は、クレーズ領域の幅方向に行うことが、延伸処理が効
率よく、容易に染着されたフィルムの視野選択性を改善
することができることから好ましいが、これに限定され
るものではなく、クレーズ領域の幅方向に対し斜め方向
であっても、延伸処理が可能な角度であればよい。延伸
張力、延伸率、時間等の処理条件は、クレージングフィ
ルムの材質、配向度、染着されたクレーズ領域の状態等
に応じ適宜決定される。延伸処理は、常温で行うことが
操作上好ましいが、これに限られるものではない。従っ
て、延伸の程度をコントロールすることで、クレーズ領
域が染料で染着された所定の視野選択性を有するフィル
ムを得ることができる。
【0038】クレージングフィルムを染着することによ
って得られたフィルムを、熱処理することでクレーズ領
域を緩和させ、一旦、染料をボイドに密に充填させた
後、延伸処理するようにすると、延伸処理の設定が容易
であり、より均一な視野選択性のあるフィルムを得るこ
とができる。熱処理の温度、時間等の処理条件は、クレ
ージングフィルムの材質、配向度、染着されたクレーズ
領域の状態等に応じ適宜決定される。そして、クレージ
ングフィルムを染着することによって得られたフィルム
を熱処理してクレーズ領域を緩和させ、染料をボイドに
密に充填させたフィルムは、少なくとも染着した染料の
余色の吸収波長付近に対し視野選択性を有する。その根
拠は、はっきりしていないが、クレーズ領域が染着され
た高分子樹脂フィルムの熱処理により、クレーズ領域が
緩和され、染料がボイドに密に充填されるため、染料の
色素の吸収波長付近においては、ボイド内の色素によっ
て光が吸収、散乱により損失し、視野選択性を示すが、
それ以外の波長においては、色素による吸収、散乱がほ
とんどないため、光の損失がほとんどなく、視野選択性
が現れないものと考えられる。このような染着した染料
の余色の吸収波長付近に対し視野選択性を有するフィル
ムは、例えば、秘密事項のみを特定の色で記述すると、
秘密事項以外は斜めからも見えるが、秘密事項は正面か
らは見えるが斜めからは見えないため、プライバシー保
護フィルム等として使用することができる。
【0039】図2(a)はクレージングフィルムのクレ
ーズ領域、(b)は染着後、クレーズ領域が緩和され染
料の余色の吸収波長付近に対し視野選択性を有するフィ
ルムのクレーズ領域、(c)は(b)のフィルムを延伸
した視野選択性を有するフィルムのクレーズ領域の概念
図を示す。図2(a)では、クレーズ領域1のボイド4
は中空となっていることを示す。図2(b)では、ボイ
ド4中に染料5が密に充填されていることを示す。図2
(c)では、染料5がボイド4と混在していることを示
す。
【0040】このようにして染着された視野選択フィル
ムの片面または両面に透明基板を積層して視野選択性積
層板としてもよい。
【0041】
【実施例】次に、以下に示す実施例によってこの発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。
【0042】<参考例>素材フィルムとして、ポリフッ
化ビニリデン(PVDF)のTダイ法により成形された
厚さ50μmの1軸延伸フィルム(三菱化学(株)製、
KYNAR720)を使用した。このフィルムを以下の
ようにしてクレージング処理し、参考例とした。
【0043】クレージング処理におけるクレージング処
理機としては、図1に示すクレージング処理機であっ
て、支持体とガイドローラを一体としてフィルムに対し
移動させる構造のものを採用した。具体的には、引張試
験機(TOYO BALDWIN製、TENSILON
−UTM−4−200)の下部チャックに、図1のクレ
ージング処理機を取り付けて、クレージング処理機を上
下に移動できるようにし、フィルムの上端を引張試験機
の上部チャックに固定し、支持体のエッジをフィルムの
幅方向に当接させてフィルムを折り曲げ、ガイドローラ
を介して下方に案内し、下端に荷重をかけて一定張力を
フィルムに付与し、折り曲げ変形域をフィルムに対し移
動させることを繰り返し行えるようにした。
【0044】PVDFフィルムは、幅50mm、長さ3
50mm、厚さ50μmとした。支持体のエッジ角度α
は30度、フィルムの屈曲角度θは107度、張力は1
6N/cm、クレージング処理速度は10mm/min
とし、PVDFフィルムの分子配向方向と平行にエッジ
を接触させ、分子配向方向と直交する方向にエッジを移
動させ、室温で、クレージング処理を行った。支持体
は、ステンレス製のものを用いた。
【0045】得られたクレージングフィルム(参考例)
の視野選択性を、以下の試験方法によって測定した。 <透過率試験方法>図3に示すように、可視UV装置
(自記分光光度計 U−4000形 (株)日立製作所
製))20の試料台21に、試料フィルムFをクレージ
ング処理方向と垂直となるようにセットし、光源22か
らの光線の光軸に対してフィルムFが垂直の時の入射角
を0°とし、試料台21を左右に10°ごとに光源に対
し±60°まで回転させながら透過する光の強度を光量
計23(レーザーパワーメーター PM−201 日本
化学エンジニアリング(株)製)によって測定し、光の
透過率を求めた。光源の波長範囲は、300〜850n
m、スキャンスピードは、600nm/minである。
試料のサイズは、20mm×20mmとした。
【0046】参考例のフィルムの透過率は、図4のとお
りである。すなわち、このフィルムの入射角0°の方向
の透過率は、光のいずれの波長でも高いが、略30°の
方向までは急激に透過率が低下し、それ以上の角度60
°まで、大きな変化はなくなるといった視野選択性を示
す。そして、いずれの入射角度についても波長による違
いは見られない。
【0047】(実施例1)参考例のクレージングフィル
ムを、水100重量部に対し赤色分散染料(Color
Index No.207と111のミックス 三井
東圧(株)製)5重量部を混合した染料液中に1週間浸
漬し、室温で、染料をクレーズ領域に染着させた。その
後、フィルム表面の染料を水洗いによって除去し、室温
下、デシケーター中で乾燥させた。そして、約90℃の
加熱雰囲気中で、5分間熱処理を行い、フリー状態で、
クレーズ領域を緩和させた。得られたフィルムは、元の
長さの約95%になった。得られたフィルム(以下、
「フィルム1」という)の表面を光学顕微鏡観察したと
ころ、染料がクレーズ領域のボイドに密に充填されてい
ることが確認できた。そして、フィルム1の透過率を参
考例において示した透過率試験方法によって測定した。
得られた結果は、図5に示すとおりである。すなわち、
フィルム1の透過率は、光源が染料の色(赤)の余色の
吸収波長500nm付近である時は、フィルム1への入
射角度を大きくすると大きく低下するが、500nm付
近から離れた波長においては、入射角に対する透過率
は、変化が小さい。フィルム1は、少なくとも染料の色
(赤)の余色の吸収波長500nm付近の光に対して視
野選択性を示すことになる。
【0048】(実施例2)参考例のクレージングフィル
ムを、水100重量部に対し青色分散染料(Color
Index No.148と149のミックス 三井
東圧(株)製)5重量部を混合した染料液によって、実
施例1と同様にして染料をクレーズ領域に染着させ、表
面の染料を水洗いによって除去し、室温下、デシケータ
ー中で乾燥させた。そして、実施例1と同様約90℃の
加熱雰囲気中で、5分間熱処理を行い、フリー状態で、
クレーズ領域を緩和させた。得られたフィルムは、元の
長さの約95%になった。得られたフィルム(以下、
「フィルム2」という)の表面を光学顕微鏡観察したと
ころ、染料がクレーズ領域のボイドに密に充填されてい
ることが確認できた。そして、フィルム2の透過率を参
考例において示した透過率試験方法によって測定した。
得られた結果は、図6に示すとおりである。すなわち、
フィルム2の透過率は、光源が染料の色(青)の余色の
吸収波長600nm付近である時は、フィルム2への入
射角度を大きくすると大きく低下するが、600nm付
近から離れた波長、とりわけ、800nm付近において
は、入射角に対する透過率は、変化が小さい。フィルム
2は、少なくとも染料の色(青)の余色の吸収波長60
0nm付近の光に対して視野選択性を示すことになる。
【0049】(実施例3)参考例のクレージングフィル
ムを、水100重量部に対し黄色分散染料(Color
Index No.42と64のミックス 三井東圧
(株)製)5重量部を混合した染料液によって、実施例
1と同様にして染料をクレーズ領域に染着させ、表面の
染料を水洗いによって除去し、室温下、デシケーター中
で乾燥させた。そして、実施例1と同様約90℃の加熱
雰囲気中で、5分間熱処理を行い、フリー状態で、クレ
ーズ領域を緩和させた。得られたフィルムは、元の長さ
の約95%になった。得られたフィルム(以下、「フィ
ルム3」という)の表面を光学顕微鏡観察したところ、
染料がクレーズ領域のボイドに密に充填されていること
が確認できた。そして、フィルム3の透過率を参考例に
おいて示した透過率試験方法によって測定した。得られ
た結果は、図7に示すとおりである。すなわち、フィル
ム3の透過率は、光源が染料の色(黄)の余色の吸収波
長400nm付近である時は、フィルム3への入射角度
を大きくすると大きく低下するが、400nm付近から
離れた波長においては、入射角に対する透過率は、変化
が小さい。フィルム3は、少なくとも染料の色(黄)の
余色の吸収波長400nm付近の光に対して視野選択性
を示すことになる。
【0050】(実施例4)実施例1で得られたフィルム
1を幅10mm、長さ50mmとし、引張試験機(TO
YO BALDWIN製、TENSILON−UTM−
4−200)によって、クレージング処理時と同じ張力
を加え、延伸処理し、元の長さとほぼ同じ長さのフィル
ム4を得た。得られたフィルム4の表面を光学顕微鏡観
察したところ、クレーズ領域には染料がボイドと混在し
た状態であることが確認できた。染料がボイド内に偏在
したり、ボイドの内面に膜状に付着していた。クレーズ
の幅、長さは染着前のクレージング処理フィルムとほぼ
同じであった。そして、フィルム4の透過率を参考例に
おいて示した透過率試験方法によって測定した。得られ
た結果は、図8に示すとおりである。すなわち、フィル
ム4は、染料の色(赤)の余色の吸収波長500nm付
近の光源での視野選択性が、実施例1のフィルム1と比
べ改善されている。例えば、吸収波長500nm付近の
光源での透過率は、入射光が30°以上になるとほとん
ど0になり、顕著な視野選択性が現れている。また、そ
の他の波長においても入射光に対する視野選択性が改善
されている。そして、各波長に対する透過率も改善され
ている。従って、例えば、フィルム4の裏側に置かれた
文字、図形等パターンをフィルムの表側から見ると、白
色光では、フィルム4に対し略垂直の場合は、赤色の透
明のフィルムであって、フィルム4を通して裏側に置い
た文字、図形等パターンが確認できるが、斜めから見る
と赤色の不透明フィルムとなって文字、図形等のパター
ンが確認できなくなる。
【0051】(実施例5)実施例2で得られたフィルム
1を幅10mm、長さ50mmとし、実施例4と同様に
して延伸処理し、フィルム5を得た。得られたフィルム
5の表面を光学顕微鏡観察したところ、クレーズ領域に
は染料がボイドと混在した状態であることが確認でき
た。染料がボイド内に偏在したり、ボイドの内面に膜状
に付着していた。クレーズの幅、長さは染着前のクレー
ジング処理フィルムとほぼ同じであった。そして、フィ
ルム5の透過率を参考例において示した透過率試験方法
によって測定した。得られた結果は、図9に示すとおり
である。すなわち、フィルム4は、染料の色(青)の余
色の吸収波長600nm付近の光源での視野選択性が、
実施例2のフィルム2と比べ改善されている。例えば、
吸収波長600nm付近の光源での透過率は、入射光が
30°以上になるとほとんど0になり、顕著な視野選択
性が現れている。また、その他の波長においても入射光
に対する視野選択性が改善されている。そして、各波長
に対する透過率も改善されている。従って、例えば、フ
ィルム5の裏側に置かれた文字、図形等パターンをフィ
ルムの表側から見ると、白色光では、フィルム5に対し
略垂直の場合は、青色の透明のフィルムであって、フィ
ルム5を通して裏側に置いた文字、図形等パターンが確
認できるが、斜めから見ると青色の不透明フィルムとな
って文字、図形等のパターンが確認できなくなる。
【0052】(実施例6)実施例3で得られたフィルム
1を幅10mm、長さ50mmとし、実施例4と同様に
して延伸処理し、フィルム6を得た。得られたフィルム
6の表面を光学顕微鏡観察したところ、クレーズ領域に
は染料がボイドと混在した状態であることが確認でき
た。染料がボイド内に偏在したり、ボイドの内面に膜状
に付着していた。クレーズの幅、長さは染着前のクレー
ジング処理フィルムとほぼ同じであった。そして、フィ
ルム6の透過率を参考例において示した透過率試験方法
によって測定した。得られた結果は、図10に示すとお
りである。すなわち、フィルム6は、染料の色(黄)の
余色の吸収波長4nm付近の光源での視野選択性が、実
施例3のフィルム3と比べ改善されている。例えば、吸
収波長400nm付近の光源での透過率は、入射光が3
0°以上になるとほとんど0になり、顕著な視野選択性
が現れている。また、その他の波長においても入射光に
対する視野選択性が改善されている。そして、各波長に
対する透過率も改善されている。従って、例えば、フィ
ルム6の裏側に置かれた文字、図形等パターンをフィル
ムの表側から見ると、白色光では、フィルム6に対し略
垂直の場合は、黄色の透明のフィルムであって、フィル
ム6を通して裏側に置いた文字、図形等パターンが確認
できるが、斜めから見ると黄色の不透明フィルムとなっ
て文字、図形等のパターンが確認できなくなる。
【0053】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。クレーズ領域が縞状に形成され、該クレーズ領域
が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルムが、延伸処
理されてなるフィルムによれば、クレーズ領域が染料で
染着された視野選択性フィルムを得ることができ、しか
も、延伸の程度をコントロールすることで、所定の視野
選択性を有するクレーズ領域が染料で染着されたフィル
ムを得ることができる。そして、この視野選択性フィル
ムは、染着されたフィルムを延伸をすることで得ること
ができ、その製造が容易で、確実であり、製造コストが
低く、得られたフィルムは安価でもある。また、クレー
ズ領域が縞状に形成され、該クレーズ領域が染料で染着
されてなる高分子樹脂フィルムが、熱処理されてなるフ
ィルムによれば、少なくとも染着した染料の余色の吸収
波長付近に対し視野選択性を有するフィルムを得ること
ができる。そして、この視野選択性フィルムは、染着さ
れたフィルムを熱処理をすることで得ることができ、そ
の製造が容易で、確実であり、製造コストが低く、得ら
れたフィルムは安価でもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状に形
成させるための装置の一例を示す概略図である。
【図2】この発明におけるクレーズ領域を説明するため
の概念図であって、(a)はクレージングフィルムのク
レーズ領域、(b)は染着後、クレーズ領域が緩和され
染料の余色の吸収波長付近に対し視野選択性を有するフ
ィルムのクレーズ領域、(c)は(b)のフィルムを延
伸した視野選択性を有するフィルムのクレーズ領域を示
す。
【図3】透過率を測定するための装置の概略図である。
【図4】参考例としてのクレーズ処理された視野選択性
フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図であ
る。
【図5】この発明の一例である染着された視野選択性フ
ィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図であ
る。
【図6】この発明の他例である染着された視野選択性フ
ィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図であ
る。
【図7】この発明のさらに他例である染着された視野選
択性フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図
である。
【図8】この発明のさらに他例である染着された視野選
択性フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図
である。
【図9】この発明のさらに他例である染着された視野選
択性フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す図
である。
【図10】この発明のさらに他例である染着された視野
選択性フィルムの透過率と入射光の角度との関係を示す
図である。
【図11】高分子樹脂フィルムにおけるクレーズ領域の
一例を示す図である。
【図12】クレーズ領域の模式図である。
【図13】クレーズ領域が形成された高分子樹脂フィル
ムの視野選択性の説明図で、(a)は光がフィルムに略
垂直に入射した場合、(b)は斜めに入射した場合を示
す。
【符号の説明】
1 クレーズ領域 3 分子束 4 ボイド 5 染料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 實 岐阜県各務原市尾崎西町5丁目1番地 合 同宿舎尾崎西町住宅1−31 (72)発明者 武野 明義 岐阜県岐阜市守口町3丁目1番地 Fターム(参考) 2H042 AA07 AA26 AA33 4F071 AA16 AA18 AA20 AA21 AA22 AA26 AA27 AA34 AA45 AA54 AA55 AA77 AF29 AF35 AH12 BA01 BB06 BB07 BC01 4F073 AA14 BA07 BA08 BA10 BA15 BA16 BA19 BA24 BA26 BA29 BB01 GA01 GA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーズ領域が縞状に形成され、該クレ
    ーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルム
    が、延伸処理されてなることを特徴とする視野選択性フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 前記延伸処理がクレーズ領域の略幅方向
    にされてなるものであることを特徴とする請求項1記載
    の視野選択性フィルム。
  3. 【請求項3】 クレーズ領域が縞状に形成され、該クレ
    ーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルム
    が、熱処理されてなることを特徴とする視野選択性フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記クレーズ領域が、高分子樹脂フィル
    ムの分子配向方向と略平行であることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の視野選択性フィルム。
  5. 【請求項5】 クレーズ領域が縞状に形成され、該クレ
    ーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルム
    を、延伸処理することを特徴とする視野選択性フィルム
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記延伸処理をクレーズ領域の略幅方向
    に行うことを特徴とする請求項5記載の視野選択性フィ
    ルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 クレーズ領域が縞状に形成され、前記ク
    レーズ領域が染料で染着されてなる高分子樹脂フィルム
    を、熱処理することを特徴とする視野選択性フィルムの
    製造方法。
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