JP6781111B2 - 位相差フィルム、円偏光板、および位相差フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記加熱処理工程での加熱温度をT1(℃)とし、上記加熱処理工程での加熱時間をt1(分)とし、上記加熱処理工程前の上記延伸フィルムの上記加熱TMA試験における上記収縮率をA1としたとき、10×t1/{(Tg−T1)2×A1 2}>2を満たす。
1つの実施形態においては、上記加熱処理工程での加熱温度をT1(℃)とし、上記加熱処理工程での加熱時間をt1(分)とし、上記加熱処理工程前の上記延伸フィルムの上記加湿TMA試験における上記収縮率をA2としたとき、10×t1/{(Tg−T1)2×A2 2}>0.9を満たす。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たす位相差フィルムを得る製造方法であって、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.7%以下である延伸フィルムを、60℃以上の温水に3分間以上浸漬する温水処理工程を含む。
1つの実施形態においては、上記温水処理工程での浸漬時間をt2(分)とし、上記温水処理工程前の上記延伸フィルムの上記加湿TMA試験における上記収縮率をA3としたとき、t2/A3 2>20を満たす。
本発明の別の局面によれば、位相差フィルムが提供される。この位相差フィルムは、面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たし、30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返す加熱TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.1%以下であり、かつ、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.2%以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、ポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート系樹脂から選択される樹脂で形成されている。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、Re(450)/Re(550)が0.8〜0.9である。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、光弾性係数が1×10−12(m2/N)〜40×10−12(m2/N)である。
本発明の別の局面によれば、円偏光板が提供される。この円偏光板は、上記位相差フィルムで構成された位相差層と、偏光子と、を有し、上記位相差層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度が35°〜55°である。
1つの実施形態においては、上記円偏光板は枚葉状であり、上記位相差層の中心部の面内位相差値をRA0とし、頂点部分の面内位相差値をRB0とし、両面にガラスを貼り合せて85℃で240時間保持した後の、上記位相差層の中心部の面内位相差値をRA1とし、上記頂点部分の面内位相差値をRB1とし、両面にガラスを貼り合せて65℃/90%RHで240時間保持した後の、上記位相差層の上記中心部の面内位相差値をRA2とし、上記頂点部分の面内位相差値をRB2としたとき、(RA1−RB1)−(RA0−RB0)の絶対値が3nm以下であり、かつ(RA2−RB2)−(RA0−RB0)の絶対値が3nm以下である。
1つの実施形態においては、上記円偏光板は、保護フィルムと、上記位相差層と、上記偏光子と、屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を有する別の位相差層と、をこの順に有する。
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
本発明の製造方法は、面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たす、いわゆる逆分散の波長依存性を示す位相差フィルムの製造に用いられる製造方法である。本発明の1つの実施形態による位相差フィルムの製造方法は、延伸フィルムを105℃以上の温度で2分間以上加熱する加熱処理工程を含む。上記延伸フィルムは、30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返す加熱TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.4%以下であるか、または、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.7%以下である。加熱処理工程での加熱温度をT1(℃)とし、加熱処理工程での加熱時間をt1(分)とし、加熱処理工程前の延伸フィルムの加熱TMA試験における収縮率をA1としたとき、好ましくは、10×t1/{(Tg−T1)2×A1 2}>2を満たす。加熱処理工程前の延伸フィルムの加湿TMA試験における収縮率をA2としたとき、好ましくは、10×t1/{(Tg−T1)2×A2 2}>0.9を満たす。
延伸フィルムは、上記のとおり、30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返す加熱TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.4%以下であるか、または、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.7%以下である。
加熱処理工程では、上記のとおり、延伸フィルムを105℃以上の温度で2分間以上加熱する。
温水処理工程では、上記のとおり、延伸フィルムを60℃以上の温水に3分間以上浸漬する。
本発明の位相差フィルムは、面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たす、いわゆる逆分散の波長依存性を示す位相差フィルムである。上記位相差フィルムは、30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返す加熱TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.1%以下であり、かつ、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.2%以下である。上記加熱TMA試験における遅相軸方向の収縮率は、好ましくは0%〜0.08%であり、より好ましくは0%〜0.05%である。上記加湿TMA試験における遅相軸方向の収縮率は、好ましくは0%〜0.15%であり、より好ましくは0%〜0.10%である。上記のような位相差フィルムは、高温高湿環境下での位相差値の変化が抑制され得る。
本発明の円偏光板は、上記位相差フィルムで構成された位相差層と、偏光子と、を有する。位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、35°〜55°であり、好ましくは40°〜50°であり、特に好ましくは43〜47°であり、最も好ましくは約45°である。
(RA1−RB1)−(RA0−RB0)
ここで、RA0は位相差層30の中心部の面内位相差値であり、RB0は位相差層30の頂点部分の面内位相差値であり、RA1は上記加熱後の位相差層30の中心部の面内位相差値であり、RB1は上記加熱後の上記頂点部分の面内位相差値である。
(RA2−RB2)−(RA0−RB0)
ここで、RA2は上記加湿後の位相差層30の中心部の面内位相差値であり、RB2は上記加湿後の上記頂点部分の面内位相差値である。
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
第2の位相差層は、上記のとおり、屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を有し、いわゆるポジティブCプレートとして機能し得る。このような第2の位相差層を有する円偏光板は、有機ELパネルに用いた場合における反射率および反射色相の変化を抑制し得る。
保護層は、偏光子を保護するフィルムとして使用できる任意の適切な保護フィルムで形成される。当該保護フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
(1)厚み
ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、製品名「DG−205 type pds−2」)を用いて測定した。
(2)位相差値
Axometrics社製のAxoscanを用いて測定した。
(3)加熱による寸法変化率(加熱TMA試験)
実施例および比較例で得られた延伸フィルムまたは位相差フィルムを、20mm(遅相軸方向)×4mm(進相軸方向)にカットして測定サンプルとした。熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、型番「TMA7100」)を用いて、測定サンプルを30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返した後、測定サンプルの長さ方向(遅相軸方向)における寸法変化率(収縮率)を測定した。なお、昇温速度は5℃/minとし、各温度での保持時間は10分とした。
(4)加湿による寸法変化率(加湿TMA試験)
実施例および比較例で得られた延伸フィルムまたは位相差フィルムを、20mm(遅相軸方向)×5mm(進相軸方向)にカットして測定サンプルとした。熱機械分析装置を用いて、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させた後、測定サンプルの長さ方向(遅相軸方向)における寸法変化率(収縮率)を測定した。なお、25℃/25%RHでの保持時間は60分とし、85℃/2%RHでの保持時間は60分とし、85℃/85%RHでの保持時間は300分とした。
(5)加熱位相差ムラ
実施例および比較例で得られた円偏光板を、偏光子の吸収軸が短辺方向となるように75mm×150mmに切り出し、円偏光板の両側に粘着剤を介してガラス基板を貼り合せて測定サンプルとした。
測定サンプルについて、中央部の面内位相差値RA0と、中心部から遅相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB01と、中心部から進相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB02と、を測定した。
次いで、測定サンプルを85℃のオーブンで240時間加熱し、加熱後の測定サンプルについて、中央部の面内位相差値RA1と、中心部から遅相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB11と、中心部から進相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB12と、を測定した。
以下の式から得られる値AおよびBの絶対値のうち大きい方の値を、加熱位相差ムラとした。
A=(RA1−RB11)−(RA0−RB01)
B=(RA1−RB12)−(RA0−RB02)
(6)加湿位相差ムラ
上記(5)と同様にして円偏光板の測定サンプルを作製し、中央部の面内位相差値RA0と、中心部から遅相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB01と、中心部から進相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB02と、を測定した。
次いで、測定サンプルを65℃/90%のオーブンで240時間加湿し、加湿後の測定サンプルについて、中央部の面内位相差値RA2と、中心部から遅相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB21と、中心部から進相軸方向に位置する頂点部分の面内位相差値RB22と、を測定した。
以下の式から得られる値CおよびDの絶対値のうち大きい方の値を、加湿位相差ムラとした。
C=(RA2−RB21)−(RA0−RB01)
D=(RA2−RB22)−(RA0−RB02)
1.位相差フィルムの作製
(ポリカーボネート樹脂)
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、ISB 29.21質量部(0.200mol)、SPG 42.28質量部(0.139mol)、DPC 63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
(樹脂フィルム)
得られたポリカーボネート樹脂を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み135μmの樹脂フィルムを作製した。
(位相差フィルム)
得られた長尺状の樹脂フィルムを、幅方向に、延伸温度134℃、延伸倍率2.8倍で延伸し、続いて、延伸後のフィルムの幅方向に緩和処理を施すことにより、延伸フィルムを作製した。緩和処理の条件は、緩和温度130℃、緩和率4.5%とした。この延伸フィルムを上記(4)の加湿TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.30%であった。また、この延伸フィルムを上記(3)の加熱TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.05%であった。
次いで、上記延伸フィルムを125℃で2分間加熱(加熱処理)することにより、厚み48μmの位相差フィルムを得た。
(偏光子)
長尺状の非晶質ポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルム(三菱樹脂社製、商品名「ノバクリア」、厚み:100μm)を基材として用意し、基材の片面に、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセノール(登録商標)NH−26」)の水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み7μmのPVA系樹脂層を形成した。このようにして得られた積層体を、液温30℃の不溶化浴に30秒間浸漬させた(不溶化工程)。次いで、液温30℃の染色浴に60秒間浸漬させた(染色工程)。次いで、液温30℃の架橋浴に30秒間浸漬させた(架橋工程)。その後、積層体を、液温60℃のホウ酸水溶液に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長尺方向)に一軸延伸を行った。ホウ酸水溶液への浸漬時間は120秒であり、積層体が破断する直前まで延伸した。その後、積層体を洗浄浴に浸漬させた後、60℃の温風で乾燥させた(洗浄・乾燥工程)。このようにして、基材上に厚み5μmの偏光子が形成された長尺状の積層体(偏光子積層体)を得た。
(偏光板)
上記積層体の偏光子側の面に、粘着剤を介して、保護フィルムとしてのシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ゼオノアフィルム」、厚み25μm)を貼り合せ、偏光子から上記基材を剥離することにより、偏光板を得た。
(第2の位相差層)
下記化学式(I)で示される側鎖型液晶ポリマー20重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製:商品名PaliocolorLC242)80重量部および光重合開始剤(BASF社製:商品名イルガキュア907)5重量部をシクロペンタノン400重量部に溶解して液晶塗工液を調製した。そして、基材フィルム(ノルボルネン系樹脂フィルム:日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノア」)に当該塗工液をバーコーターにより塗工した後、70℃で4分間加熱乾燥することによって液晶を配向させた。この液晶層に紫外線を照射し、液晶層を硬化させることにより、基材上に位相差フィルムとなる液晶固化層(厚み:1μm)を形成した。この層のRe(550)は0nm、Rth(550)は−71nmであり(nx:1.5326、ny:1.5326、nz:1.6550)、を示した。
上記偏光板の偏光子側に上記位相差フィルムを、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角度が45°となるようにして、粘着剤を介して貼り合せた。次いで、位相差フィルムの偏光子とは反対側の面に、上記液晶固化層を転写することにより、保護層/偏光子/位相差層/第2の位相差層の構成を有する円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で30分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で60分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で120分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
緩和温度を110℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィルムを上記(4)の加湿TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.50%であった。また、この延伸フィルムを上記(3)の加熱TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.08%であった。
上記延伸フィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
緩和温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィルムを上記(4)の加湿TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.70%であった。また、この延伸フィルムを上記(3)の加熱TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.13%であった。
上記延伸フィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを105℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを110℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを115℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを120℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを130℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に3分間浸漬(温水処理)したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に10分間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に30分間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に60分間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に10分間浸漬したこと以外は実施例6と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に10分間浸漬したこと以外は実施例7と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムとして市販のポリカーボネート樹脂フィルム(帝人株式会社製、製品名「ピュアエースRM」、厚み50μm)を用いた。この延伸フィルムを上記(3)の加熱TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.22%であった。また、この延伸フィルムを上記(4)の加湿TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.10%であった。
次いで、上記延伸フィルムを125℃で2分間加熱(加熱処理)することにより、位相差フィルムを得た。さらに、上記位相差フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で30分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で60分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で120分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを105℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを110℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを115℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを120℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で1分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを100℃で10分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
緩和温度を80℃とし、緩和率を0%としたこと以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィルムを上記(4)の加湿TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.90%であった。また、この延伸フィルムを上記(3)の加熱TMA試験に供したところ、寸法変化率は0.18%であった。
上記延伸フィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
<比較例4>
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に1分間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを、上記加熱処理に代えて60℃の温水に10分間浸漬したこと以外は比較例3と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
加熱処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを100℃で10分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
延伸フィルムを125℃で1分間加熱したこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
加熱処理を施さなかったこと以外は実施例19と同様にして位相差フィルムおよび円偏光板を作製した。
実施例1〜12、実施例19〜27、比較例1〜3、および比較例7〜8について、加熱処理条件の指標として、
10×t1/{(Tg−T1)2×A1 2}
および、
10×t1/{(Tg−T1)2×A2 2}
を算出した。ここで、T1は加熱処理工程での加熱温度(℃)、t1は加熱処理工程での加熱時間(分)、A1は加熱処理工程前の延伸フィルムの加熱TMA試験における収縮率(%)、A2は加熱処理工程前の延伸フィルムの加湿TMA試験における収縮率(%)とする。
実施例13〜18および比較例4〜5について、温水処理条件の指標として、
t2/A3 2
を算出した。ここで、t2は温水処理工程での浸漬時間(分)、A3は温水処理工程前の延伸フィルムの加湿TMA試験における収縮率(%)とする。
実施例1〜27および比較例1〜9の位相差フィルムを加湿TMA試験および加熱TMA試験に供し、それぞれの試験による寸法変化率を測定した。
さらに、実施例1〜27および比較例1〜9について、加湿位相差ムラおよび加熱位相差ムラを測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
20 偏光子
30 位相差層
40 第2の位相差層
100 円偏光板
Claims (5)
- 面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たす位相差フィルムを得る製造方法であって、
30℃からTg−25℃まで昇温して再度30℃に冷却することを3サイクル繰り返す加熱TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.4%以下であるか、または、25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.7%以下である延伸フィルムを、105℃以上の温度で2分間以上加熱する加熱処理工程を含み、該延伸フィルムが樹脂フィルムから作製され、該樹脂フィルムがポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート系樹脂から選択される樹脂で形成されている、
位相差フィルムの製造方法:
ここで、Re(450)およびRe(550)は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した面内位相差を表す。 - 前記加熱処理工程での加熱温度をT1(℃)とし、前記加熱処理工程での加熱時間をt1(分)とし、前記加熱処理工程前の前記延伸フィルムの前記加熱TMA試験における前記収縮率をA1 (%)としたとき、
10×t1/{(Tg−T1)2×A1 2}>2
を満たす、請求項1に記載の製造方法。 - 前記加熱処理工程での加熱温度をT1(℃)とし、前記加熱処理工程での加熱時間をt1(分)とし、前記加熱処理工程前の前記延伸フィルムの前記加湿TMA試験における前記収縮率をA2 (%)としたとき、
10×t1/{(Tg−T1)2×A2 2}>0.9
を満たす、請求項1に記載の製造方法。 - 面内位相差がRe(450)<Re(550)の関係を満たす位相差フィルムを得る製造方法であって、
25℃/25%RH、85℃/2%RH、85℃/85%RH、85℃/2%RHの順に環境を変化させる加湿TMA試験において遅相軸方向の収縮率が0.7%以下である延伸フィルムを、60℃以上の温水に3分間以上浸漬する温水処理工程を含む、
位相差フィルムの製造方法:
ここで、Re(450)およびRe(550)は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した面内位相差を表す。 - 前記温水処理工程での浸漬時間をt2(分)とし、前記温水処理工程前の前記延伸フィルムの前記加湿TMA試験における前記収縮率をA3 (%)としたとき、
t2/A3 2>20
を満たす、請求項4に記載の製造方法。
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