JP2021063975A - 位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置 - Google Patents

位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制された位相差層付偏光板を提供すること。【解決手段】本発明の位相差層付偏光板は、偏光子と偏光子の少なくとも視認側に保護層とを含む偏光板と、偏光板の視認側と反対側に配置された位相差層と、を有する。視認側の保護層の透湿度は、200g/m2・24h以上であり、かつ、位相差層の透湿度よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有するため、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、円偏光板を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、有機EL表示装置に設けられた円偏光板は脱色しやすいという問題がある。
特開2003−311239号公報 特開2002−372622号公報 特許第3325560号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制された位相差層付偏光板を提供することにある。
本発明の位相差層付偏光板は、偏光子と該偏光子の少なくとも視認側に保護層とを含む偏光板と、該偏光板の視認側と反対側に配置された位相差層と、を有する。該視認側の保護層の透湿度は200g/m・24h以上であり、かつ、該位相差層の透湿度よりも大きい。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、視認側のみに保護層を含む。
1つの実施形態においては、上記視認側の保護層の透湿度と上記位相差層の透湿度との差は200g/m・24h以上である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、上記偏光子の視認側と反対側に別の保護層をさらに含み、上記視認側の保護層の透湿度は、該別の保護層の透湿度および上記位相差層の透湿度のうち小さいほうの透湿度よりも大きい。1つの実施形態においては、上記位相差層は液晶化合物の配向固化層であり、上記視認側の保護層の透湿度は上記別の保護層の透湿度よりも大きい。1つの実施形態においては、上記視認側の保護層の透湿度と上記別の保護層の透湿度および上記位相差層の透湿度のうち小さいほうの透湿度との差は、200g/m・24h以上である。
1つの実施形態においては、上記別の保護層の透湿度は150g/m・24h以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは8μm以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板の総厚みは、20μm以上100μm以下である。
本発明の別の局面によれば、有機エレクトロルミネセンス表示装置が提供される。この有機エレクトロルミネセンス表示装置は、上記の位相差層付偏光板を備える。
本発明の実施形態によれば、位相差層付偏光板において、視認側保護層の透湿度を視認側と反対側の保護層(存在する場合)の透湿度および位相差層の透湿度のうち小さいほうの透湿度よりも大きくすることにより、有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制された位相差層付偏光板を実現することができる。
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
A.位相差層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。図示例の位相差層付偏光板100は、代表的には、偏光板10と位相差層20とを視認側からこの順に有する。偏光板10は、偏光子11と偏光子11の少なくとも視認側に保護層(視認側保護層)12とを含む。図示例では、偏光子11の視認側と反対側に保護層(内側保護層)13が設けられているが、保護層13は目的等に応じて省略されてもよい。例えば、位相差層20が樹脂フィルムの延伸フィルムで構成され、偏光子の保護層を兼ねることができる場合には、保護層13は省略され得る。一方、位相差層20が液晶化合物の配向固化層である場合には、代表的には、保護層13が設けられる。実用的には、位相差層20の偏光板10と反対側に(すなわち、視認側と反対側の最外層として)粘着剤層(図示せず)が設けられ、位相差層付偏光板は有機ELセルに貼り付け可能とされている。さらに、粘着剤層の表面には、位相差層付偏光板が使用に供されるまで、剥離フィルムが仮着されていることが好ましい。剥離フィルムを仮着することにより、粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール形成が可能となる。
本発明の実施形態においては、保護層12の透湿度は、保護層13(存在する場合)の透湿度および位相差層20の透湿度のうち小さいほうの透湿度よりも大きい。具体的には以下のとおりである:(1)保護層13が省略される場合、保護層12の透湿度は位相差層20の透湿度よりも大きく;(2)保護層13が存在する場合、保護層12の透湿度は保護層13の透湿度および位相差層20の透湿度のうち小さいほうの透湿度よりも大きく;(3)保護層13が存在し、かつ、位相差層20が液晶化合物の配向固化層である場合には、保護層12の透湿度は保護層13の透湿度よりも大きい。本発明者らは、位相差層付偏光板を有機EL表示装置に適用した場合に、位相差層付偏光板が脱色するという新たな課題に直面し、当該課題について鋭意検討した結果、脱色の原因は、有機ELパネルから発生するアンモニア(実質的には、アンモニウムイオン)であることを発見した。さらに、アンモニアによる脱色を抑制する手段について鋭意検討した結果、偏光子に侵入するアンモニウムイオンをできる限り遮断し、かつ、侵入してしまったアンモニウムイオンをできる限り排出することにより、当該脱色を顕著に抑制できることを発見した。このような知見に基づき、視認側と反対側(有機ELパネル側)の保護層または位相差層の透湿度を小さくすることにより偏光子に侵入するアンモニウムイオンをできる限り遮断し、視認側(有機ELパネルから遠い側)の透湿度を大きくすることにより侵入してしまったアンモニウムイオンをできる限り排出することを実現し、当該新たな課題を解決した。なお、偏光子の保護層は偏光子を水分(水蒸気)から保護することを主目的とすることに起因して、外側(視認側)の保護層の透湿度を小さくするよう設計されるところ、本発明の実施形態は、このような当業界の技術常識とは全く逆の技術的思想に基づくものである。
保護層12の透湿度と保護層13(存在する場合)の透湿度および位相差層20の透湿度のうち小さいほうの透湿度との差は、好ましくは200g/m・24h以上であり、より好ましくは220g/m・24h以上であり、さらに好ましくは250g/m・24h以上であり、特に好ましくは300g/m・24h以上である。当該差の上限は、例えば600g/m・24hであり得る。当該差がこのような範囲であれば、位相差層付偏光板の脱色をさらに良好に抑制することができる。
保護層12の透湿度は、200g/m・24h以上であり、好ましくは300g/m・24h以上であり、より好ましくは330g/m・24h以上であり、さらに好ましくは360g/m・24h以上であり、特に好ましくは400g/m・24h以上である。保護層12の透湿度の上限は、例えば650g/m・24hであり得る。保護層13の透湿度は、好ましくは150g/m・24h以下であり、より好ましくは100g/m・24h以下であり、さらに好ましくは70g/m・24h以下であり、特に好ましくは50g/m・24h以下である。保護層13の透湿度は低いほど好ましく、その下限は、例えば5g/m・24hであり得る。保護層13が存在しない場合、あるいは、位相差層20の透湿度が保護層13の透湿度よりも小さい場合、位相差層20の透湿度は、好ましくは150g/m・24h以下であり、より好ましくは100g/m・24h以下であり、さらに好ましくは70g/m・24h以下であり、特に好ましくは50g/m・24h以下である。位相差層20の透湿度は低いほど好ましく、その下限は、例えば5g/m・24hであり得る。保護層12および13ならびに位相差層20の透湿度がこのような範囲であれば、上記の透湿度の差を所望の範囲とすることが容易である。なお、透湿度は、JIS Z 0208に準じて測定され得る。
位相差層付偏光板の総厚みは、好ましくは120μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下である。総厚みの下限は、好ましくは20μmであり、より好ましくは45μmである。このような総厚みを有する位相差層付偏光板は、きわめて優れた可撓性および折り曲げ耐久性を有し得る。その結果、位相差層付偏光板は、湾曲した有機EL表示装置および/または屈曲もしくは折り曲げ可能な有機EL表示装置に特に好適に適用され得る。
位相差層付偏光板は、その他の光学機能層をさらに含んでいてもよい。位相差層付偏光板に設けられ得る光学機能層の種類、特性、数、組み合わせ、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、位相差層付偏光板は、導電層または導電層付等方性基材をさらに有していてもよい(いずれも図示せず)。導電層または導電層付等方性基材は、代表的には、位相差層20の外側(偏光板10と反対側)に設けられる。導電層または導電層付等方性基材が設けられる場合、位相差層付偏光板は、有機ELセルと偏光板との間にタッチセンサが組み込まれた、いわゆるインナータッチパネル型入力表示装置に適用され得る。また例えば、位相差層付偏光板は、その他の位相差層をさらに含んでいてもよい。その他の位相差層の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。
位相差層付偏光板は、枚葉状であってもよく長尺状であってもよい。本明細書において「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状を意味し、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状を含む。長尺状の位相差層付偏光板は、ロール状に巻回可能である。
以下、位相差層付偏光板の構成要素について、より詳細に説明する。
B.偏光板
B−1.偏光子
偏光子11としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは12μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、さらに好ましくは3μm以上である。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
偏光子は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%〜46.0%であり、好ましくは43.0%〜46.0%であり、好ましくは44.5%〜46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
B−2.保護層
視認側保護層12および内側保護層13(存在する場合)は、それぞれ、上記のような透湿度を有する限りにおいて、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで構成される。内側保護層13を構成する材料としては、代表的には、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂の代表例としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報に記載されている。これらの公報は、本明細書に参考として援用されている。内側保護層13は、好ましくはシクロオレフィン系樹脂で構成される。視認側保護層12を構成する材料としては、代表的には、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、微多孔質フィルムを形成し得る樹脂(例えば、ポリウレタン系樹脂)が挙げられる。
位相差層付偏光板は、後述するように代表的には有機EL表示装置の視認側に配置され、保護層12は、その視認側に配置される。したがって、保護層12には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、保護層12には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。このような処理を施すことにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、位相差層付偏光板は、屋外で用いられ得る有機EL表示装置にも好適に適用され得る。
保護層12の厚みは、所望の透湿度に応じて適切に設定され得る。保護層12の厚みは、好ましくは10μm〜80μm、より好ましくは15μm〜70μm、さらに好ましくは20μm〜50μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護層12の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
保護層13は、1つの実施形態においては、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が−10nm〜+10nmであることをいう。保護層13の厚みもまた、所望の透湿度に応じて適切に設定され得る。保護層13の厚みは、好ましくは10μm〜80μm、より好ましくは20μm〜70μm、さらに好ましくは30μm〜50μmである。位相差層20が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、薄型化の観点から、保護層13は好ましくは省略され得る。
C.位相差層
位相差層20は、単一層であってもよく、積層構造(実質的には、2層構造)を有していてもよい。
位相差層20が単一層である場合、位相差層20は代表的にはλ/4板として機能し得る。位相差層は、代表的には有機EL表示装置に反射防止特性を付与するために設けられる。位相差層は、代表的には、屈折率特性がnx>ny=nzの関係を示す。位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm〜190nmであり、より好ましくは110nm〜170nmであり、さらに好ましくは120nm〜160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny>nzまたはny<nzとなる場合があり得る。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.9〜1.5であり、より好ましくは0.9〜1.3である。このような関係を満たすことにより、非常に優れた反射色相を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層が単一層である場合、位相差層は、好ましくは、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。このような構成であれば、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°〜50°であり、より好ましくは42°〜48°であり、さらに好ましくは約45°である。角度がこのような範囲であれば、上記のように位相差層をλ/4板とすることにより、非常に優れた反射防止特性を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層は、上記のような特性を満足し得る限りにおいて、任意の適切な材料で構成され得る。具体的には、位相差層は、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよく、液晶化合物の配向固化層(以下、液晶配向固化層)であってもよい。
位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、樹脂フィルムを構成する樹脂の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂またはポリエステルカーボネート系樹脂(以下、単にポリカーボネート系樹脂と称する場合がある)が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂としては、所望の透湿度が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート系樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。位相差層は、上記のようなポリカーボネート系樹脂で構成されるフィルムを、任意の適切な延伸条件で延伸することにより形成され得る。なお、ポリカーボネート系樹脂および位相差層の形成方法の詳細は、例えば、特開2014−10291号公報、特開2014−26266号公報、特開2015−212816号公報、特開2015−212817号公報、特開2015−212818号公報、特開2017−54093号公報、特開2018−60014号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層が液晶配向固化層である場合、液晶化合物を用いることにより、得られる位相差層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができるので、所望の面内位相差を得るための位相差層の厚みを格段に小さくすることができる。その結果、位相差層付偏光板(結果として、有機EL表示装置)のさらなる薄型化を実現することができる。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、液晶モノマーを硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。本実施形態においては、代表的には、棒状の液晶化合物が位相差層の遅相軸方向に並んだ状態で配向している(ホモジニアス配向)。液晶化合物の具体例および液晶配向固化層の形成方法の詳細は、例えば、特開2006−163343号公報、特開2006−178389号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層の厚みは、代表的には、λ/4板として適切に機能し得る厚みに設定され得る。位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、位相差層の厚みは、例えば10μm〜60μmであり得る。位相差層が液晶配向固化層である場合、位相差層の厚みは、例えば1μm〜5μmであり得る。
位相差層が積層構造を有する場合、位相差層は、代表的には、第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層の2層構造を有する。この場合、第1の液晶配向固化層または第2の液晶配向固化層のいずれか一方はλ/2板として機能し得、他方はλ/4板として機能し得る。ここでは、第1の液晶配向固化層がλ/2板として機能し得、第2の液晶配向固化層がλ/4板として機能し得る場合を説明するが、これらは逆であってもよい。第1の液晶配向固化層の厚みは、λ/2板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば2.0μm〜4.0μmであり得る。第2の液晶配向固化層の厚みは、λ/4板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば1.0μm〜2.5μmであり得る。第1の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、好ましくは200nm〜300nmであり、より好ましくは230nm〜290nmであり、さらに好ましくは250nm〜280nmである。第2の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、上記のとおり、好ましくは100nm〜190nmであり、より好ましくは110nm〜170nmであり、さらに好ましくは120nm〜160nmである。第1の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは10°〜20°であり、より好ましくは12°〜18°であり、さらに好ましくは約15°である。第2の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは70°〜80°であり、より好ましくは72°〜78°であり、さらに好ましくは約75°である。このような構成であれば、理想的な逆波長分散特性に近い特性を得ることが可能であり、結果として、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
D.画像表示装置
上記A項からC項に記載の位相差層付偏光板は、有機EL表示装置に適用され得る。したがって、本発明の実施形態は、そのような位相差層付偏光板を用いた有機EL表示装置を包含する。本発明の実施形態による有機EL表示装置は、その視認側に上記A項からC項に記載の位相差層付偏光板を備える。位相差層付偏光板は、位相差層が有機ELセル側となるように(偏光板が視認側となるように)積層されている。1つの実施形態においては、有機EL表示装置は、湾曲した形状(実質的には、湾曲した表示画面)を有し、および/または、屈曲もしくは折り曲げ可能である。上記のとおり、本発明者らは、位相差層付偏光板を有機EL表示装置に適用した場合に、有機ELパネルから発生するアンモニア(実質的には、アンモニウムイオン)により位相差層付偏光板が脱色するという新たな課題を発見し、上記A項からC項に記載の位相差層付偏光板により当該課題を解決した。すなわち、有機EL表示装置において、本発明の実施形態による位相差層付偏光板の効果が顕著である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD−3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
(2)単体透過率および偏光度
実施例および比較例に用いた偏光板について、紫外可視分光光度計(大塚電子社製「LPF−2000」)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光子のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
(3)透湿度
JIS Z 0208に準じて測定した。具体的には、実施例および比較例で用いた保護層または位相差層(を構成するフィルム)を10cmΦの円状に切り出し、測定試料とした。この測定試料について、日立製作所社製「MOCON」を用いて、40℃、92%RHの試験条件で透湿度を測定した。
(4)アンモニア脱色試験
ガラス瓶(直径30mmおよび深さ50mmの円筒状)に10%アンモニア水溶液10gを入れた。このとき、アンモニア水溶液の液面からガラス瓶の口(上端)までの距離は約30mmであった。実施例および比較例で得られた位相差層付偏光板を15mm×15mmサイズに切り出し、位相差層側に粘着剤層を設けて測定資料とした。この測定資料でガラス瓶の口がすべて覆われるようにして、かつ、蒸気が隙間から漏れないようにして、粘着剤層を介してガラス瓶の口の縁に測定資料を貼り合わせた。測定資料で覆われたガラス瓶を60℃で2時間加熱した。位相差層付偏光板(実質的には、偏光子)の加熱前の偏光度をP、加熱後の偏光度をP20として、下記式からΔPを算出した。ΔPが小さいほど、アンモニアによる脱色が抑制されていることを意味する。
ΔP=P20−P
[実施例1]
1.偏光子の作製
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光膜の単体透過率(Ts)が43.0%となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0重量%、ヨウ化カリウム5.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は5.2%であった。
このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光子を形成した。
2.偏光板の作製
上記で得られた樹脂基材/偏光子の積層体の偏光子表面に、紫外線硬化型接着剤を介してHC−TACフィルムを貼り合わせた。具体的には、硬化型接着剤の厚みが1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をHC−TACフィルム側から照射して接着剤を硬化させた。なお、HC−TACフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み25μm)にハードコート(HC)層(厚み7μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離し、当該剥離面にシクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm:以下、COPフィルム)を上記と同様にして貼り合わせた。HC−TACフィルムの透湿度は427g/m・24hであり、COPフィルムの透湿度は35g/m・24hであった。このようにして、視認側保護層(HC−TACフィルム)/偏光子/別の保護層(COPフィルム)の構成を有する偏光板を得た。
3.位相差層を構成する位相差フィルムの作製
3−1.ポリエステルカーボネート系樹脂の重合
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド(ISB)29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール(SPG)42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート(DPC)63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネート系樹脂を水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
3−2.位相差フィルムの作製
得られたポリエステルカーボネート系樹脂(ペレット)を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み135μmの長尺状の樹脂フィルムを作製した。得られた長尺状の樹脂フィルムを、幅方向に、延伸温度133℃、延伸倍率2.8倍で延伸し、厚み47μmの位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムのRe(550)は141nmであり、Re(450)/Re(550)は0.82であり、Nz係数は1.12であった。また、得られた位相差フィルムの透湿度は75g/m・24hであった。
4.位相差層付偏光板の作製
上記2.で得られた偏光板の別の保護層(COPフィルム)表面に、上記3.で得られた位相差フィルムを、アクリル系粘着剤(厚み5μm)を介して貼り合わせた。このとき、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とが45°の角度をなすようにして貼り合わせた。このようにして、視認側保護層(HC−TACフィルム)/偏光子/別の保護層(COPフィルム)/粘着剤層/位相差層の構成を有する位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板の総厚みは112μmであった。さらに、得られた位相差層付偏光板を上記(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
1.偏光板の作製
実施例1と同様にして偏光板を作製した。
2.位相差層を構成する液晶配向固化層の作製
式(I)で表される化合物55部、式(II)で表される化合物25部、式(III)で表される化合物20部をシクロペンタノン(CPN)400部に加えた後、60℃に加温、撹拌して溶解させ、溶解が確認された後、室温に戻し、イルガキュア907(BASFジャパン株式会社製)3部、メガファックF−554(DIC株式会社製)0.2部、p−メトキシフェノール(MEHQ)0.1部を加えて、さらに撹拌を行い、溶液を得た。溶液は、透明で均一であった。得られた溶液を0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性組成物を得た。一方、配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理し、配向膜を形成した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。基材(実質的には、配向膜)に、上記で得られた重合性組成物をスピンコート法で塗布し、100℃で2分乾燥した。得られた塗布膜を室温まで冷却した後、高圧水銀ランプを用いて、30mW/cmの強度で30秒間紫外線を照射して液晶配向固化層を得た。液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は130nmであった。また、液晶配向固化層のRe(450)/Re(550)は0.851であり、逆分散波長特性を示した。
Figure 2021063975
Figure 2021063975
3.位相差層付偏光板の作製
上記1.で得られた偏光板の別の保護層(COPフィルム)表面に、上記2.で得られた液晶配向固化層を転写した。このとき、偏光子の吸収軸と液晶配向固化層の遅相軸とのなす角度が45°になるようにして転写(貼り合わせ)を行った。なお、転写(貼り合わせ)は、紫外線硬化型接着剤(厚み1.0μm)を介して行った。このようにして、視認側保護層(HC−TACフィルム)/偏光子/別の保護層(COPフィルム)/接着剤層/位相差層(液晶配向固化層)の構成を有する位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例3]
別の保護層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例4〜6]
視認側保護層、偏光子、別の保護層および位相差層を表1に示す構成として位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして樹脂基材/偏光子の積層体を作製した。得られた樹脂基材/偏光子の積層体の偏光子表面に、実施例1と同様にしてHC−COPフィルムを貼り合わせた。HC−COPフィルムは、COPフィルム(厚み25μm)にハードコート(HC)層(厚み2μm)が形成されたフィルムであり、COPフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離し、当該剥離面に実施例1と同様のCOPフィルムを実施例1と同様にして貼り合わせた。HC−COPフィルムの透湿度は17g/m・24hであり、COPフィルムの透湿度は35g/m・24hであった。このようにして、視認側保護層(HC−COPフィルム)/偏光子/別の保護層(COPフィルム)の構成を有する偏光板を得た。以下の手順は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2〜10]
視認側保護層、偏光子、別の保護層および位相差層を表1に示す構成として位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2021063975
[評価]
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、アンモニアに曝されても偏光度がほとんど変化しない(すなわち、脱色しない)位相差層付偏光板を得ることができる。すなわち、本発明の実施例によれば、有機EL表示装置に適用した場合に脱色が抑制された位相差層付偏光板を実現できることがわかる。一方、比較例の位相差層付偏光板は偏光機能が大幅に減少し、その過半数は偏光機能がほとんど消失している。
本発明の位相差層付偏光板は、有機EL表示装置の反射防止用円偏光板として好適に用いられる。
10 偏光板
11 偏光子
12 保護層
13 保護層
20 位相差層
100 位相差層付偏光板

Claims (10)

  1. 偏光子と該偏光子の少なくとも視認側に保護層とを含む偏光板と、該偏光板の視認側と反対側に配置された位相差層と、を有し、
    該視認側の保護層の透湿度が200g/m・24h以上であり、かつ、該位相差層の透湿度よりも大きい、
    位相差層付偏光板。
  2. 前記偏光板が、視認側のみに保護層を含む、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  3. 前記視認側の保護層の透湿度と前記位相差層の透湿度との差が200g/m・24h以上である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  4. 前記偏光板が、前記偏光子の視認側と反対側に別の保護層をさらに含み、
    前記視認側の保護層の透湿度が、該別の保護層の透湿度および前記位相差層の透湿度のうち小さいほうの透湿度よりも大きい、
    請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  5. 前記位相差層が液晶化合物の配向固化層であり、前記視認側の保護層の透湿度が前記別の保護層の透湿度よりも大きい、請求項4に記載の位相差層付偏光板。
  6. 前記視認側の保護層の透湿度と前記別の保護層の透湿度および前記位相差層の透湿度のうち小さいほうの透湿度との差が、200g/m・24h以上である、請求項4または5に記載の位相差層付偏光板。
  7. 前記別の保護層の透湿度が150g/m・24h以下である、請求項3から6のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  8. 前記偏光子の厚みが8μm以下である、請求項1から7のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  9. 総厚みが20μm以上100μm以下である、請求項1から8のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の位相差層付偏光板を備える、有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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