JP2022141116A - 位相差層付偏光板 - Google Patents

位相差層付偏光板 Download PDF

Info

Publication number
JP2022141116A
JP2022141116A JP2021041270A JP2021041270A JP2022141116A JP 2022141116 A JP2022141116 A JP 2022141116A JP 2021041270 A JP2021041270 A JP 2021041270A JP 2021041270 A JP2021041270 A JP 2021041270A JP 2022141116 A JP2022141116 A JP 2022141116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
layer
retardation
retardation layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021041270A
Other languages
English (en)
Inventor
亮太 石塚
Ryota Ishizuka
智之 木村
Tomoyuki Kimura
寛大 小野
Kanta Ono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2021041270A priority Critical patent/JP2022141116A/ja
Publication of JP2022141116A publication Critical patent/JP2022141116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】有機EL表示装置に適用した場合に、偏光子および位相差フィルムの光学特性の変化が抑制された位相差層付偏光板を提供すること。【解決手段】本発明の位相差層付偏光板は、偏光板と位相差層と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層が酸無水物を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有するため、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、円偏光板を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1および2)。しかし、当該円偏光板を有機EL表示装置に適用した場合に、円偏光板を構成する偏光子や位相差フィルムの光学特性が変化するという問題がある。
特開2002-372622号公報 特許第3325560号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、有機EL表示装置に適用した場合に、偏光子および位相差フィルムの光学特性の変化が抑制された位相差層付偏光板を提供することにある。
本発明の位相差層付偏光板は、偏光板と位相差層と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層は酸無水物を含む。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層を構成する粘着剤100重量部に対して、上記酸無水物は1重量部~20重量部含まれている。
1つの実施形態においては、上記酸無水物は無水フタル酸である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、偏光子と、偏光子の少なくとも一方に保護層を備える。
1つの実施形態においては、上記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂から形成されている。
1つの実施形態においては、上記位相差層の面内位相差Re(550)は100nm~180nmであり、かつ、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板は、別の位相差層をさらに備え、該別の位相差層はnz>nx=nyの屈折率特性を示す。
本発明の実施形態によれば、位相差層付偏光板が偏光板と位相差層と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層が酸無水物を含むことにより、有機EL表示装置に適用した場合に、偏光子および位相差フィルムの光学特性の変化が抑制された位相差層付偏光板を実現することができる。
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
A.位相差層付偏光板の全体構成
本発明の位相差層付偏光板は、偏光板と位相差層と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層は酸無水物を含む。図1は、本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。図示例の位相差層付偏光板100は、偏光板10と位相差層20と粘着剤層30とをこの順に有する。図示例の偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の一方の側に設けられた保護層(視認側保護層)12と、偏光子11のもう一方の側に設けられた保護層(内側保護層)13と、を有する。目的に応じて、保護層12および保護層13の少なくとも一方は省略してもよい。さらに、必要に応じて、図示例のように、位相差層20と粘着剤層30との間に、別の位相差層21を設けてもよい。
本発明の実施形態においては、上記のとおり、粘着剤層30は酸無水物を含む。本発明者らは、位相差層付偏光板を有機EL表示装置に適用した場合に、位相差層付偏光板を構成する偏光子および位相差フィルムの光学特性が変化するという課題に直面した。具体的には、下記のとおりである;有機ELパネルの製造の際に、有機EL素子の封止膜が作製されるところ、アンモニア系ガスがその成膜ガスとして使用されている。本発明者らは、該アンモニア系ガスが有機ELパネルから脱ガスすることで、偏光子および位相差フィルムの光学特性(例えば、透過率、位相差値)が変化することを発見した。そこで、アンモニア系ガスによる偏光子および位相差フィルムの光学特性の変化を抑制する手段について鋭意検討した結果、偏光子および位相差フィルムに侵入するアンモニウムイオンをできる限り遮断することにより、当該光学特性の変化を顕著に抑制できることを見出した。具体的には、位相差層付偏光板を構成する粘着剤層に酸無水物を添加することで、成膜ガス由来のアンモニアと該酸無水物とを反応させる。すなわち、アンモニウムイオンと酸無水物との反応により、アミド酸が形成される。当該反応により、粘着剤層においてアンモニアが捕捉され、偏光子および位相差フィルムへのアンモニウムイオンの侵入を遮断することができる。
位相差層付偏光板は、その他の光学機能層をさらに含んでいてもよい。位相差層付偏光板に設けられ得る光学機能層の種類、特性、数、組み合わせ、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、位相差層付偏光板は、導電層または導電層付等方性基材をさらに有していてもよい(いずれも図示せず)。導電層または導電層付等方性基材は、代表的には、位相差層20の偏光板10と反対側に設けられる。導電層または導電層付等方性基材が設けられる場合、位相差層付偏光板は、有機ELセルと偏光板との間にタッチセンサが組み込まれた、いわゆるインナータッチパネル型入力表示装置に適用され得る。また例えば、位相差層付偏光板は、その他の位相差層をさらに含んでいてもよい。その他の位相差層の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。
位相差層付偏光板は、枚葉状であってもよく長尺状であってもよい。本明細書において「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状を意味し、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状を含む。長尺状の位相差層付偏光板は、ロール状に巻回可能である。
粘着剤層30の表面には、位相差層付偏光板が使用に供されるまで、剥離フィルムが仮着されていることが好ましい。剥離フィルムを仮着することにより、粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール形成が可能となる。
以下、位相差層付偏光板の構成要素について、より詳細に説明する。
B.偏光板
以下、偏光板の構成要素について、より詳細に説明する。
B-1.偏光子
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報(特許第5414738号)、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは1μm~22μmであり、さらに好ましくは1μm~12μmであり、特に好ましくは3μm~12μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%~46.0%であり、好ましくは43.0%~46.0%であり、好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
B-2.保護層
上記保護層は、任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
位相差層付偏光板は、代表的には有機EL表示装置の視認側に配置され、保護層12は、その視認側に配置される。したがって、保護層12には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、保護層12には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。このような処理を施すことにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、位相差層付偏光板は、屋外で用いられ得る有機EL表示装置にも好適に適用され得る。
視認側保護層12の厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、より好ましくは20μm~70μmであり、さらに好ましくは30μm~60μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護層12の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
内側保護層13は、1つの実施形態においては、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。保護層13の厚みは、好ましくは10μm~50μmであり、より好ましくは20μm~40μmである。
C.位相差層
位相差層20は、代表的にはλ/4板として機能し得る。位相差層は、代表的には、屈折率特性がnx>ny=nzの関係を示す。位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~180nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny>nzまたはny<nzとなる場合があり得る。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.9~1.5であり、より好ましくは0.9~1.3である。
位相差層は、好ましくは、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層はRe(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たし、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。このような構成であれば、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは約45°である。角度がこのような範囲であれば、上記のように位相差層をλ/4板とすることにより、非常に優れた反射防止特性を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層は、上記のような特性を満足し得る限りにおいて、任意の適切な材料で構成され得る。具体的には、位相差層は、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよい。
樹脂フィルムを構成する樹脂の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂またはポリエステルカーボネート系樹脂(以下、単にポリカーボネート系樹脂と称する場合がある)が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂としては、所望の透湿度が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート系樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。位相差層は、上記のようなポリカーボネート系樹脂で構成されるフィルムを、任意の適切な延伸条件で延伸することにより形成され得る。なお、ポリカーボネート系樹脂および位相差層の形成方法の詳細は、例えば、特開2014-10291号公報、特開2014-26266号公報(特許第5528606号)、特開2015-212816号公報(特許第6189355号)、特開2015-212817号公報(特許第6823899号)、特開2015-212818号公報、特開2017-54093号公報(特許第6360821号)、特開2018-60014号公報(特許第6321107号)に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層の厚みは、代表的には、λ/4板として適切に機能し得る厚みに設定され得る。位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、位相差層の厚みは、例えば10μm~60μmであり得る。
C-2.別の位相差層
本発明に実施形態によれば、位相差層付偏光板は、別の位相差層をさらに含んでいてもよい。別の位相差層は、好ましくはnz>nx=nyの屈折率特性を示す、いわゆるポジティブCプレートであり得る。別の位相差層としてポジティブCプレートを用いることにより、斜め方向の反射を良好に防止することができ、反射防止機能の広視野角化が可能となる。この場合、別の位相差層の厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは-50nm~-300nm、より好ましくは-70nm~-250nm、さらに好ましくは-90nm~-200nm、特に好ましくは-100nm~-180nmである。ここで、「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。すなわち、別の位相差層の面内位相差Re(550)は10nm未満であり得る。
nz>nx=nyの屈折率特性を有する別の位相差層は、任意の適切な材料で形成され得る。別の位相差層は、好ましくは、ホメオトロピック配向に固定された液晶材料を含むフィルムからなる。ホメオトロピック配向させることができる液晶材料(液晶化合物)は、液晶モノマーであっても液晶ポリマーであってもよい。当該液晶化合物および当該液晶配向固化層の形成方法の具体例としては、特開2002-333642号公報(特許第4174192号)の[0020]~[0028]に記載の液晶化合物および当該液晶配向固化層の形成方法が挙げられる。この場合、別の位相差層の厚みは、好ましくは0.5μm~10μmであり、より好ましくは0.5μm~8μmであり、さらに好ましくは0.5μm~5μmである。
D.粘着剤層
粘着剤層を形成する粘着剤としては、任意の適切な粘着剤が採用され得る。上記粘着剤組成物としては、アクリル系、合成ゴム系、ゴム系、シリコーン系等の粘着剤とすることができる。この中でも特に、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤に含まれ得る架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物が挙げられる。粘着剤は、例えば重合開始剤、シランカップリング剤を含んでいてもよい。粘着剤の配合処方は、目的および所望の特性に応じて適切に設定され得る。このような粘着剤の詳細は、特開2015-120337号公報(特許第6457789号)、特開2011-201983号公報または特開2018―72712号公報に記載されている。これらの公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、炭素数2~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマー成分を重合して得られることが好ましく、炭素数2~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして含むモノマー成分を重合して得られることがより好ましい。ここで、主モノマーとは、(メタ)アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分に対して、60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
炭素数2~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらを1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
上記モノマー成分には、炭素数が2~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系酸エステル以外のその他の重合性モノマーを含むことができる。上記その他の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合に係る重合性の官能基を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー等を挙げることができる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ、ヒドロキシル基を有するものを特に制限なく用いることができる。ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらを1種単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
ヒドロキシル基含有モノマーの含有量は、モノマー成分中10重量%以下であることが好ましく、0重量%~5重量%であることがより好ましく、0.01重量%~2重量%であることがさらに好ましい。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ、カルボキシル基を有するものを特に制限なく用いることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられ、これらは単独または組み合わせて使用できる。
カルボキシル基含有モノマーの含有量は、モノマー成分中10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態における粘着剤層は、酸無水物を含む。該酸無水物の含有量は、粘着剤層を構成する粘着剤100重量部に対して、好ましくは1重量部~20重量部であり、より好ましくは1重量部~10重量部であり、さらに好ましくは1重量部~5重量部である。粘着剤層における酸無水物の含有量がこのような範囲であることにより、有機EL表示装置に適用した場合に、偏光子および位相差フィルムの光学特性(例えば、透過率、位相差値)の変化が抑制された位相差層付偏光板が得られ得る。また、酸無水物の含有量が粘着剤100重量部に対して20重量部を超えると、酸無水物が溶解せず、粘着剤として機能できなくなるため、好ましくない。
上記酸無水物としては、任意の適切な酸無水物が採用され得る。酸無水物としては、好ましくはカルボン酸無水物が挙げられる。カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および無水安息香酸が挙げられる。これらの中でも、無水フタル酸が好適に用いられ得る。無水フタル酸が粘着剤層に含まれる場合、無水フタル酸とアンモニアとが反応して、フタルアミド酸が形成される。その結果、粘着剤層にアンモニアが捕捉され、アンモニウムイオンが偏光子および位相差フィルムへ侵入することが遮断され、偏光子および位相差フィルムの光学特性の変化が抑制された位相差層付偏光板が得られ得る。
粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm~40μmであり、より好ましくは15μm~30μmであり、さらに好ましくは20μm~25μmである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD-3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
(2)透過率変化
実施例および比較例で得られた位相差層付偏光板について、日立ハイテク社製の分光高度計(U-4100)を用いて、波長範囲200nm~800nmで透過率スペクトルを測定し、波長470nmにおける透過率を読み取った。評価用サンプルのサイズは、50mm角とした。
次いで、30%NHOH溶液1.5mLをガラス瓶に入れ、ガラス瓶の開口部に該位相差層付偏光板の粘着剤層側を貼り付け、85℃で4時間加熱し、得られたアンモニア暴露サンプルの透過率を測定した。位相差層付偏光板のアンモニア未暴露サンプルおよびアンモニア暴露サンプルの透過率の差を計算し、下記の基準で評価した。
良:波長470nmの透過率の差が2.5%未満
不良:波長470nmの透過率の差が2.5%以上
(3)面内位相差値変化
実施例および比較例で得られた位相差層付偏光板から50mm×50mmのサンプルを切り出して測定サンプルとし、王子計測機器社製のKOBRA-WPRを用いて測定した。測定波長は587.4nm、測定温度は23℃であった。
次いで、30%NHOH溶液1.5mLをガラス瓶に入れ、ガラス瓶の開口部に該位相差層付偏光板の粘着剤層側を貼り付け、85℃で4時間加熱し、得られたアンモニア暴露サンプルの面内位相差値を測定した。位相差層付偏光板のアンモニア未暴露サンプルおよびアンモニア暴露サンプルの面内位相差値の差を計算し、下記の基準で評価した。
良:面内位相差値の差が3.5nm未満
不良:面内位相差値の差が3.5nm以上
[実施例1]
1.偏光子の作製
厚み45μmのポリビニルアルコール系フィルム(PVAフィルム)(クラレ社製、商品名:VF-PE#4500)を、液温25℃の温水(膨潤浴)中に浸漬して膨潤させつつ、元長に対して延伸倍率が2.4倍になるように流れ方向に延伸した。次いで、上記フィルムを液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素を0.04重量部配合し、ヨウ化カリウムを0.4重量部配合して得られたヨウ素水溶液)中に60秒間浸漬して、染色しながら、元長に対して延伸倍率が3.3倍になるように流れ方向に延伸した。次いで、上記フィルムを液温30℃の水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸4重量部を配合し、ヨウ化カリウム3重量部を配合して得られた水溶液)に30秒間浸漬した。次いで、上記フィルムを液温60℃の延伸浴(水100重量部に対して、ホウ酸4重量部を配合し、ヨウ化カリウム5重量部を配合して得られた水溶液)中に40秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率が6倍になるように流れ方向に延伸した。次いで、上記フィルムを液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウム3重量部を配合して得られた水溶液)に10秒間浸漬して洗浄し、さらに、50℃で4分間乾燥して偏光子(厚み18μm)を得た。
2.偏光板の作製
上記で得られた偏光子表面に、紫外線硬化型接着剤を介してHC-TACフィルムを貼り合わせた。具体的には、硬化型接着剤の厚みが1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をHC-TACフィルム側から照射して接着剤を硬化させた。なお、HC-TACフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み40μm)にハードコート(HC)層(厚み9μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。次いで、偏光子のTACフィルムと反対側の面にアクリル系樹脂フィルム(厚み30μm)を貼り合わせた。このようにして、視認側保護層(HC-TACフィルム)/偏光子/内側保護層(アクリル系フィルム)の構成を有する偏光板を得た。
3.位相差層を構成する位相差フィルムの作製
3-1.ポリエステルカーボネート系樹脂の重合
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9-(2-フェノキシカルボニルエチル)フルオレン-9-イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド(ISB)29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール(SPG)42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート(DPC)63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10-2質量部(6.78×10-5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネート系樹脂を水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
3-2.位相差フィルムの作製
得られたポリカーボネート樹脂を単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅300mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、長さ3m、幅300mm、厚み120μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。得られたポリカーボネートフィルムを、長さ150mm、幅120mmに切り出し、ラボストレッチャーKARO IV(Bruckner社製)を用いて、温度134℃、倍率2.8倍で固定端一軸延伸を行い、位相差フィルム(厚み:47μm)を得た。得られた位相差フィルムのRe(550)は147nmであり、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たした。
4.別の位相差層の作製
表面がコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、エチルシリケートのイソプロピルアルコール/ブタノール溶液(コルコート社製、商品名「コルコートP」、固形分:2重量%)を塗布し、130℃で1分間加熱して、基材(配向膜付)を得た。
下記化学式(I)(式中の数字65および35はモノマーユニットのモル%を示し、便宜的にブロックポリマー体で表している:重量平均分子量5000)で示される側鎖型液晶ポリマー5重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製、商品名「PaliocolorLC242」)20重量部および光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名イルガキュア907)5重量部をシクロヘキサノン75重量部に溶解して、液晶塗工液を調製した。そして、上記で得られた基材上に当該塗工液をバーコーターにより塗工した後、80℃で2分間加熱乾燥することによって液晶を配向させ、その後、室温まで一気に冷却し、さらに、紫外線を照射して液晶層を硬化させることによって、基材上に別の位相差層(厚み:2.5μm)が形成された積層体を得た。この層のRe(550)は0.1nm、Rth(550)は-100.0nmであり、nz>nx=nyの屈折率特性を示した。
Figure 2022141116000002
5.粘着剤層の作製
5-1.(メタ)アクリル系ポリマーの調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)94.9重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.1重量部およびアクリル酸(AA)5重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、上記モノマー混合物(固形分)100重量部に対して、重合開始剤として2,2´-アゾビスイソブチロニトリルを0.2重量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量220万の(メタ)アクリル系ポリマー溶液を調製した。
5-2.アクリル系粘着剤組成物の調製
得られた(メタ)アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)0.6重量部、シランカップリング剤(商品名:KBM403、信越化学工業(株)製)0.2重量部、および無水フタル酸2重量部(東京化成工業社製、商品名「Phthalic Anhydride」)を添加し撹拌することにより、アクリル系粘着剤組成物を得た。
5-3.粘着剤層の作製
上記アクリル系粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、透明基材)からなる離型フィルムの表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、厚さ23μmの粘着剤層を形成した。
6.位相差層付偏光板の作製
上記3.で得られた位相差フィルムに、紫外線硬化型接着剤(厚み1.5μm)を介して上記4.で得られた別の位相差層を貼り合わせ、上記基材を除去して積層体を得た。次いで、上記2.で得られた偏光板の内側保護層と、当該積層体の位相差フィルムとを、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して貼り合わせた。次いで、別の位相差層の位相差フィルムとは反対側の面に、上記5.で得られた粘着剤層を貼り合わせ、離型フィルムを除去した。このようにして、視認側保護層(HC-TACフィルム)/偏光子/内側保護層(アクリル系フィルム)/アクリル系粘着剤層/位相差層/接着剤層/別の位相差層/粘着剤層の構成を有する位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板の総厚みは191μmであった。得られた位相差層付偏光板を上記(2)および(3)の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
粘着剤層を構成する粘着剤100重量部に対して、無水フタル酸(東京化成工業社製、商品名「Phthalic Anhydride」)を3重量部加えたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
粘着剤層を構成する粘着剤に対して無水フタル酸を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。得られた位相差層付偏光板を、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2022141116000003
[評価]
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、アンモニアに曝されても透過率および面内位相差値の変化が抑制された位相差層付偏光板を得ることができる。
本発明の位相差層付偏光板は、有機EL表示装置に好適に用いられる。
10 偏光板
11 偏光子
12 保護層
13 保護層
20 位相差層
21 別の位相差層
30 粘着剤層
100 位相差層付偏光板

Claims (7)

  1. 偏光板と位相差層と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層が酸無水物を含む、位相差層付偏光板。
  2. 前記粘着剤層を構成する粘着剤100重量部に対して、前記酸無水物が1重量部~20重量部含まれている、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  3. 前記酸無水物が無水フタル酸である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  4. 前記偏光板が、偏光子と、偏光子の少なくとも一方に保護層を備える、請求項1から3のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  5. 前記偏光子が、ポリビニルアルコール系樹脂から形成されている、請求項4に記載の位相差層付偏光板。
  6. 前記位相差層の面内位相差Re(550)が100nm~180nmであり、かつ、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす、請求項1から5のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  7. 別の位相差層をさらに備え、該別の位相差層がnz>nx=nyの屈折率特性を示す、請求項1から6のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
JP2021041270A 2021-03-15 2021-03-15 位相差層付偏光板 Pending JP2022141116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021041270A JP2022141116A (ja) 2021-03-15 2021-03-15 位相差層付偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021041270A JP2022141116A (ja) 2021-03-15 2021-03-15 位相差層付偏光板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022141116A true JP2022141116A (ja) 2022-09-29

Family

ID=83402936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021041270A Pending JP2022141116A (ja) 2021-03-15 2021-03-15 位相差層付偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022141116A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020064278A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
TW202125000A (zh) 附相位差層之偏光板及使用其之有機電致發光顯示裝置
JP2024050947A (ja) 位相差層付き偏光板および有機el表示装置
JP2020064277A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
WO2017170019A1 (ja) 偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
WO2022185802A1 (ja) 円偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2018060152A (ja) Ipsモード用の偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
WO2021070467A1 (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置
JP2020064280A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2020064279A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2020064274A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2022141116A (ja) 位相差層付偏光板
WO2022107394A1 (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置
JP2020064276A (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
WO2022244301A1 (ja) 円偏光板およびそれを用いた画像表示装置
WO2022044500A1 (ja) 偏光板、位相差層付偏光板および画像表示装置
JP7411520B2 (ja) 偏光板、位相差層付偏光板および有機エレクトロルミネセンス表示装置
WO2022224494A1 (ja) 位相差層付偏光板
WO2022091471A1 (ja) 位相差層付偏光板および画像表示装置
WO2022124104A1 (ja) 粘着剤層付光学フィルムおよび該粘着剤層付光学フィルムを備える画像表示装置
WO2023132148A1 (ja) 偏光板および有機エレクトロルミネセンス表示装置
JP3840209B2 (ja) ライナー付き積層偏光板の製造方法
JP6699514B2 (ja) Ipsモード用の偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
JP6699513B2 (ja) 偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
JP2021157146A (ja) バリアフィルム付円偏光板およびそれを用いた巻き取り可能な画像表示装置