JP2006171235A - 円偏光板、及び光学フィルム、及び画像表示装置 - Google Patents

円偏光板、及び光学フィルム、及び画像表示装置 Download PDF

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裕 大森
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亨枝 坂本
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Abstract

【課題】 広帯域で円偏光を得られ、且つ薄層に形成することができる円偏光板を提供する。
【解決手段】 繰り返し単位(A)として一般式(V)で表される構造を有する複屈折性の鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムからなる位相差板と偏光子とを備え、位相差板のRe(550)が120〜160nmであり、且つ位相差板の遅相軸と偏光子の吸収軸のなす角が45±3度となるように、位相差板と偏光子が積層されている。
Figure 2006171235

(一般式(V)中、Rは、水素又はアルキル基、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又アルキル基、又アルコキシ基、チオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基(R及びRは同時に水素ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素又は置換基を示す)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、円偏光板、及び光学フィルム、及び画像表示装置に関する。
位相差板は、直線偏光、円偏光、楕円偏光などの偏光を得るために用いられる光学部材である。位相差板としては、その位相差が波長λの1/4に相当するλ/4板(1/4波長板ともいわれる)や、位相差が波長λの1/2に相当するλ/2板(1/2波長板ともいわれる)などが知られている。λ/4板は、直線偏光を円偏光に変換する光学的機能を有するものであり、λ/2板は、直線偏光の偏光振動面を90度変換する光学的機能を有するものである。
このうちλ/4板は偏光子と積層することによって円偏光板を構成でき、円偏光板は、例えば、反射系に於いて、反射防止効果のある光学部材として利用できる。具体的には、反射系における円偏光板は、偏光子を通過した直線偏光がλ/4板を通過して円偏光となり、該円偏光は反射板などで反射した際、回転方向が反転した円偏光となるため、再びλ/4板を通過して得られる直線偏光は、入射時と直交する直線偏光となるため偏光子を通過できず、入射光を反射させない。かかる反射防止機能を利用して、円偏光板は、例えば、反射型液晶表示装置や有機EL装置などの画像表示装置の光学部材として用いられている他、防眩フィルム、光ディスク用ピックアップなどの種々の用途に用いられている。
ところで、一般に、位相差板は、特定波長の光に対してλ/4板やλ/2板として機能するが、異なる波長の光に対してはλ/4板やλ/2板として機能しない。例えば、波長550nmの光に対してλ/4板として機能するように設計された位相差板は、波長450nmや650nmの光に対してはλ/4板として機能しないことが知られている。このように位相差板は、その位相差が波長に依存している波長分散性を示し、例えば単層ポリマーフィルムに於ける波長分散は、短波長側ほど大きく、長波長側ほど小さいことが一般に知られている。
このような波長分散性を示すλ/4板を偏光子に積層した円偏光板は、例えば、波長550nmの入射光に対しては、上記反射防止機能を十分に奏するが、円偏光板に短波長や長波長の光が入射した際には、楕円偏光などに変換される結果、一部の反射光が偏光子を通過してしまい、十分な反射防止機能を奏しない。
この点、特開平10−239518号公報には、波長分散値α(α=Δn(450nm)/Δn(650nm))の異なる2種類以上の複屈折媒体を各遅相軸が直交した状態で積層し、波長分散値αが1より小さい位相差板が提案されている。該公報記載の位相差板によれば、可視光の全ての波長における光学的位相差が、波長によらず一様な位相差を発生するような波長分散性を示す位相差板を得られるという作用効果を奏すると述べられている。
しかしながら、上記公報記載の位相差板は、2種以上の複屈折媒体を積層した積層体からなるので、積層接着工程が必要であり、又接着剤の選定や2種以上の材料の選定などを行わなければならない。さらに、積層体からなる位相差板は、比較的肉厚が厚く、より薄型化が望まれている液晶表示装置などの用途としては相応しいものとは言えない。
特開平10−239518号公報
そこで、本発明は、広帯域で円偏光を得ることができ、且つ比較的薄層に形成することができる円偏光板、及び光学フィルム、及び画像表示装置を提供することを課題とするものである。
本発明は、側鎖(a)として下記一般式(I)で表される基を有する複屈折性の鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムからなる位相差板と、偏光子とを備え、位相差板の下記式で表される面内位相差Re(550)が120〜160nmであり、且つ位相差板の遅相軸と偏光子の吸収軸のなす角が45±3度となるように、位相差板と偏光子が積層されている円偏光板により、上記課題を解決するものである。
ここで、Re(550)=(n−n)×dで表される(但し、(Re(550)は、波長550nmに於ける位相差板の面内位相差を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の進相軸方向の屈折率を示し、dは、位相差板の厚みを示す)
Figure 2006171235
(一般式(I)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は芳香族基を示す。但し、R及びRの少なくとも何れか一方は芳香族基であり、R又は/及びRの芳香族基は、その平面構造が前記2つの酸素原子を結んだ仮想線と略直交する方向に配置している)。
本発明の円偏光板は、位相差板を単層フィルムにて構成することができるので、従来のものに比して厚みを薄くできる。さらに、本発明の円偏光板は、400〜700nmの可視光領域の略全ての波長λの光に対して略λ/4の位相差を示すので、各波長で略一様な円偏光を得ることができる。従って、本発明によれば、広帯域の光に対して、良好な円偏光を得ることができる。
本発明者らは、−OCO−に芳香族基が導入された側鎖(a)を有する鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムが、少なくとも波長450〜650nmの可視光領域に於ける面内位相差が短波長側ほど小さくなることを見出し、このフィルムの性質を専ら利用することにより、厚みが薄く、且つ波長400〜700nmの可視光領域略全体で直線偏光を円偏光に変換できる円偏光板を提供するものである。
かかる円偏光板は、上記位相差板の面内位相差Re(550)を120〜160nmとし、該位相差板の遅相軸と偏光子の吸収軸のなす角が45±3度となるように、位相差板に対して偏光子を積層することによって提供できる。
以下、本発明を具体的に説明する。尚、本明細書に於いて、可視光線領域に於ける面内位相差が短波長側ほど小さくなる本発明の位相差板の性質を「逆波長分散特性」という場合がある。
本発明で使用される位相差板は、複屈折性を示す鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムからなり、このポリマーは側鎖(a)として下記一般式(I)で表される基を有するものである。
Figure 2006171235
(一般式(I)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は芳香族基を示す。但し、R及びRの少なくとも何れか一方は芳香族基であり、R又は/及びRの芳香族基は、その平面構造が前記2つの酸素原子を結んだ仮想線と略直交する方向に配置している)。
ここで、本発明に於ける鎖状ポリマーは、主鎖が直鎖状のポリマーであり、一部に短い分枝鎖を有しているものも含まれる。また、鎖状ポリマーの配向は、一般に、フィルムの延伸によってもたらされる。従って、ポリマーの配向方向は、一軸延伸の場合にはその延伸方向と等しいと言え、二軸延伸の場合には主たる延伸方向と等しい方向と言える。
また、側鎖(a)に於いて、2つの酸素原子が主鎖を構成する原子にそれぞれ結合するとは、各酸素原子が、主鎖を構成する原子であってそれぞれ同一でない主鎖構成原子に結合していることをいう。芳香族基とは、平面環状に連なったπ電子をもつ芳香族化合物基をいい、ベンゼン環若しくはベンゼン環が2以上縮合した化合物、又は炭素原子以外の原子を含むヘテロ芳香族化合物が含まれる。芳香族基の平面構造が2つの酸素原子を結んだ仮想線と略直交する方向に配置しているとは、2つの酸素原子を結ぶ線を仮想した場合、その仮想線に平行な線が芳香族基の平面構造に対して略直角に交わるように芳香族基が配置していることを意味し、酸素原子を結んだ仮想線自体が芳香族基の平面構造と交わっているという意味ではない。
上記位相差板は、そのポリマーを配向させた際、2つの酸素原子が主鎖の配向方向に沿って並び、この2つの酸素原子の仮想線と略直交する方向に側鎖(a)の芳香族基が配置されていることから、該芳香族基の平面構造が主鎖の配向方向と略直交する方向に向くこととなる(但し、側鎖(a)の芳香族基の平面構造が主鎖の配向方向に対して厳密に90度に配置しているものではなく、実際上、75〜105度程度となっているものと考えられる)。かかる配置の側鎖(a)の存在により、本発明の位相差板は、通常のポリマーからなる位相差板とは逆の波長分散性、すなわち、面内位相差が可視光領域に於いて短波長側ほど小さく、長波長側ほど大きい性質を示すものと考えられる。
上記一般式(I)のR、Rの炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−へキシル基、2−エチルへキシル基などが例示される。
上記一般式(I)で示される側鎖(a)のうち、R又はRの何れか一方のみが芳香族基である側鎖(a)としては、例えば、下記一般式(II)又は一般式(III)のものが例示される。
Figure 2006171235
(一般式(II)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す)。
Figure 2006171235
(一般式(III)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい)。
かかる一般式(II)で示される構造の側鎖(a)は、ベンゼン環のオルト位R、Rが同時に水素原子ではなく、何れか一方がアルキル基等の置換基で置換されている。このようにオルト位に置換基が導入されていることにより、該置換基と酸素原子の間の立体障害が増すこととなる。その結果、該置換基は2つの酸素原子の間に配座し、よって、一般式(II)で示す側鎖(a)は、そのベンゼン環の平面構造が2つの酸素原子を結ぶ仮想線に略直交する方向に配置するものと考えられる。
また、一般式(III)で示される側鎖(a)は、2以上のベンゼン環が縮合した形の芳香族基を有する。かかる縮合形の芳香族基は、−OCO−に結合したベンゼン環に縮合形で存在するベンゼン環によって、立体的に嵩高くなり、該縮合形の芳香族基と酸素原子の間の立体障害が増すこととなる。その結果、該芳香族基の平面構造が、2つの酸素原子を結ぶ仮想線に略直交する方向に配置するものと考えられる。
上記一般式(II)のRの炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−へキシル基、2−エチルへキシル基などが例示される。また、同R及びRの炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基などが例示される。また、同R〜Rの置換基としては、下記一般式(III)のAの置換基として例示したものなどが挙げられる。
上記一般式(II)で示される側鎖(a)のうち、酸素原子との立体障害によって芳香族基の平面構造が略直交方向に配置し易くなることから、一般式(II)のRが、(立体的に小さい)水素原子であるものが好ましい。特に、芳香族基の平面構造が略直交方向に配置し易くなることから、一般式(II)のRが水素原子で、R及びRが何れも炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基、又はチオール基であるもの(R及びRが何れも水素原子でないもの)が好ましい。さらに、一般式(II)のRが水素原子で、R及びRが何れも炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲンである側鎖(a)が好ましい。また、前記理由に加えて、アセタール構造の導入の容易さやアセタール構造の安定性という点から、一般式(II)で示されるR、R及びRのそれぞれが水素原子で、R、R及びRのそれぞれがメチル基である側鎖(a)が特に好ましい。
また、上記一般式(III)のAに於いて、ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基が置換基を有する場合、その置換基は特に限定されず、例えば、上記のような炭素数1〜8の直鎖状又は分枝状のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、チオール基、アルデヒド基、シアノ基、スルホン酸基などが例示される。これらは1個置換されていても良く、また、同種又は異種の置換基の2個以上で置換されてもいてもよい。
また、上記一般式(III)で示される側鎖(a)のうち、酸素原子との立体障害によってベンゼン環の平面構造が略直交方向に配置し易くなることから、一般式(III)で示すAが、置換基を有していてもよい(無置換又は置換基を有する)9−アントラニル基であるものが好ましい。
次に、上記一般式(I)で示される側鎖(a)のうち、R及びRの何れもが芳香族基である側鎖(a)としては、例えば、下記一般式(XI)のものが例示される。
Figure 2006171235
(式(XI)中、R10〜R19は、水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基(但し、R10及びR14は同時に水素原子でない。R15及びR19は同時に水素原子でない)。また、2つのベンゼン環は、単結合で部分的に結合していてもよい)。
上記一般式(XI)で表されるものに含まれる具体例としては、式(XII)で示される構造のものが例示される。
Figure 2006171235
上記鎖状ポリマーには、上記例示した側鎖(a)の少なくとも何れか1種のものが主鎖に結合していればよく、例えば、一般式(II)で示す基及び一般式(III)で示す基の双方がそれぞれ主鎖に導入されていてもよい。
側鎖(a)の主鎖に対する導入量は、位相差板が確実に逆波長分散特性を示すようにする点から、側鎖全量の1モル%以上が好ましく、更に5モル%以上であることがより好ましい。また、同導入量は、正の複屈折異方性を有する位相差板として利用するという点から、側鎖全量の50モル%以下が好ましく、更に30モル%以下であることがより好ましい。
また、鎖状ポリマーは、側鎖(a)を有するものであるが、更に、側鎖(a)以外の側鎖が導入されているものでもよい。この側鎖(a)以外の側鎖は、特に限定されず、例えば、水酸基、アミノ基、チオール基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、エステル基、ケトン基、アルデヒド基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート基、下記一般式(IV)で示される基などが例示される。
Figure 2006171235
(一般式(IV)中、Rは、水素原子、又は直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を示し、アルキル基の炭素原子は隣接しない酸素原子によって置換されていてもよい)。
これらの中でも、位相差板として用いられる鎖状ポリマーは、逆波長分散特性が向上し、及び製膜時に於ける溶媒に対する溶解性が良好になることから、側鎖(a)以外の側鎖(b)として、水酸基を有するものが好ましい。
また、同ポリマーは、透明性が向上すること、及びガラス転移温度を低くできることから、側鎖(a)以外の側鎖(c)として、上記一般式(IV)で示す基を有することが好ましい。この一般式(IV)で表される基の中でも、Rが水素原子、又炭素数1〜12の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基(アルキル基の炭素原子は隣接しない酸素原子によって置換されていてもよい)から選ばれる少なくとも1種のものが側鎖(c)として導入されていることが好ましく、更に、下記式(XIII)に示す基がより好ましい。
Figure 2006171235
側鎖(b)及び/又は側鎖(c)の主鎖に対する導入量は、目的とする位相差板の特性に鑑み、側鎖(a)の残量の範囲で適宜調整すればよい。もっとも、より好適な逆波長分散特性を得ること、溶解性の向上を図るため、水酸基である側鎖(b)は、側鎖全量に対して1モル%以上が好ましく、更に5モル%以上、更に20モル%以上がより好ましい。一方、その上限は、側鎖(a)や側鎖(c)の量に応じて適宜調整され、95モル%以下、更に80モル%以下、更に70モル%以下程度が好ましい。また、側鎖(c)の導入量についても同様に、透明性の向上などの実効を図る上で、側鎖(c)は、側鎖全量に対して1モル%以上が好ましく、更に5モル%以上、更に20モル%以上がより好ましい。一方、その上限は、90モル%以下が好ましく、更に80モル%以下、更に50モル%以下程度が好ましい。
上記鎖状ポリマーは、上記のような側鎖(a)及び必要に応じてそれ以外の側鎖(b)及び/又は側鎖(c)を有するものであるが、該ポリマーの主鎖は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない限り、複屈折性を示す各種の主鎖構造のものを用いることができる。尚、本発明において主鎖とは、何らかの構造からなる主鎖構成原子が繰り返し単位として結合した長鎖状の部分をいい、分枝鎖を有していてもよい。
該主鎖としては、例えば、下記一般式(XIV)で表される繰り返し単位を有するポリマーなどが例示される。
Figure 2006171235
(一般式(XIV)中、E及びEはそれぞれ独立して、単結合、−NH−、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−O−CO−NH−、−NH−CO−NH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−を示す。Gは、炭素数1〜12のアルキレン基、−Si−、−C−、−CN−、−C10−、−C10−、−CN−、−CN−、−CO−、−CS−、
Figure 2006171235
を示す)。
これら主鎖の中でも、側鎖(a)及び必要に応じて側鎖(b)、(c)を導入し易いこと、安定であることから、一般式(XIV)中のE及びEが何れも単結合であるポリマーが好ましい。また、一般式(XIV)中のGが少なくともアルキレンであるポリマーが好ましい。
このアルキレンを主鎖に有するポリマーに上記側鎖(a)が結合したもののうち、好ましいポリマーは、繰り返し単位(A)として下記一般式(V)又は一般式(VI)で表される構造の少なくとも何れかを有しているものである。
Figure 2006171235
(一般式(V)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す)。
Figure 2006171235
(一般式(VI)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい)。
かかる一般式(V)の繰り返し単位(A)を有するポリマーは、2つの酸素原子が、結合する主鎖の構成原子(炭素原子)の配向方向に沿って並び、さらに、ベンゼン環のオルト位R又は/及びRの置換基と酸素原子の間の立体障害が増すため、該置換基は2つの酸素原子の間に配座し、よって、ベンゼン環の平面構造が2つの酸素原子を結ぶ仮想線に略直交する方向に配置するものと考えられる。一般式(VI)の繰り返し単位(A)を有するポリマーについても同様に縮合形芳香環の平面構造が、2つの酸素原子を結ぶ仮想線に略直交する方向に配置するものと考えられる。
上記一般式(V)及び(VI)は、上記一般式(II)及び(III)で表される側鎖を有するものであり、一般式(V)及び(VI)のR〜R及びAの好ましい選択例や置換基の具体例は、上記一般式(II)及び(III)と同様であって、例えば、上記一般式(V)中、Rが水素原子のものが好ましい。また、一般式(V)のR及びRのが何れも(水素原子でなく)上記置換基で置換されているものも好ましい。このR及びRは、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基又は塩素原子などのハロゲンが好ましい。より具体的には、一般式(V)のR、R及びRのそれぞれが水素原子で、R及びRのそれぞれがメチル基である繰り返し単位(A)を有するポリマーである(尚、Rは水素原子又はメチル基の何れでもよいが、メチル基であるものが好ましい)。
さらに、位相差板として用いた場合に逆波長分散特性をより良好に示し、及び製膜時に於ける溶媒に対する溶解性が良好になることから、上記繰り返し単位(A)以外に、繰り返し単位(B)として下記一般式(VII)を有するポリマーも好ましい。
Figure 2006171235
さらに、透明性が向上すること、及び低いガラス転移温度となることから、繰り返し単位(A)及び(B)以外に、下記一般式(VIII)で示す繰り返し単位(C)を有するポリマーが好ましい。
Figure 2006171235
(一般式(VIII)中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜12の直鎖状、分鎖状若しくは環状のアルキル基を示し、アルキル基の炭素原子は隣接しない酸素原子によって置換されていてもよい)。
上記繰り返し単位(A)及び(B)又は繰り返し単位(A)〜(C)の配列は、ブロック状、ランダム状のいずれでもよい。
尚、本発明の目的を阻害しない限り、上記ポリマーは、繰り返し単位(A)及び必要に応じて繰り返し単位(B)、(C)以外に、他の構造の繰り返し単位を有するものでも構わない。
上記鎖状ポリマーは、主鎖に上記側鎖(a)が結合しており、必要に応じて側鎖(b)や側鎖(c)などを有するものの中から選ばれるものである。また、同ポリマーは、繰り返し単位(A)を有し、必要に応じて繰り返し単位(B)や繰り返し単位(C)などを有するものである。このように本発明の位相差板に用いられる鎖状ポリマーは、上記の中から選ばれる種々の態様のものが含まれるが、そのうち最も好適なものは、下記一般式(IX)や下記一般式(X)の少なくとも何れかの構造を有するものである。
Figure 2006171235
(一般式(IX)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す)。
Figure 2006171235
(一般式(X)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す)。
以上の如く、本発明に用いられる位相差板は、単層フィルムからなるため、従来の積層位相差板に比して、厚みを薄くすることができる。さらに、該位相差板は、400〜700nmの可視光領域の略全ての波長λの光に対して、所定の面内位相差を示すものである。従って、位相差板をλ/4板に調整することにより、広帯域に於いて直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換することができる。加えて、本発明の位相差板は、透明性に優れ、製膜時に於ける溶解性が良好で、ガラス転移温度が好適な範囲となり、耐熱性も向上し、Z延伸も可能となるという種々の効果を奏する。
次に、上記鎖状ポリマーの製法について説明する。
上記鎖状ポリマーの製法は、特に限定されず、種々の製法で製造することができる。
種々の製法の中でも、上記側鎖(a)が主鎖に導入されたポリマーを比較的簡易に得られることから、主鎖に水酸基を有する原料ポリマーに、特定の芳香族アルデヒド又は芳香族ケトンを反応させてポリマーを製造することが好ましい。特に、側鎖(a)を安定して導入できること、波長分散性が比較的小さいポリマーであること、汎用的であることなどから、原料ポリマーとしてポリビニルアルコールを用い、この水酸基に特定の芳香族アルデヒド又は芳香族ケトンを反応させてアセタール化(RCH(OR)(OR)構造の導入)又はケタール化(RRC(OR)(OR)構造の導入)を行うことにより製造することが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)としては、例えば位相差板用フィルムに用いられる通常のポリビニルアルコールを適宜使用することができるが、その耐熱性を考慮すると、高ケン化度であり、高重合度のものが好ましい。好適に使用し得るポリビニルアルコールとしては、例えばケン化度が95%以上、さらには98%以上のもので、重合度が1000以上、更には1500〜3000程度のものなどがあげられる。
尚、ポリビニルアルコールに特定の芳香族アルデヒドを反応させると側鎖にアセタール構造が導入されるので、上記一般式(V)及び(VI)のRが水素原子であるポリマーが得られる。同様に、特定の芳香族ケトンを反応させると側鎖にケタール構造が導入されるので、上記一般式(V)及び(VI)のRがアルキル基であるポリマーが得られる。
例えば、一般式(V)で示す繰り返し単位(A)を有するポリマーを得る場合には、ポリビニルアルコールに、酸性条件下で、オルト位の少なくとも一方に置換基を有するベンズアルデヒド又は同アセトフェノンなどを反応させればよい。オルト位の一方に少なくとも置換基を有するベンズアルデヒド又は同アセトフェノンの具体例としては、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、2,4,6−トリエチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、2−メチルアセトフェノン、2,4−ジメチルアセトフェノンなどが例示される。
また、一般式(VI)で示す繰り返し単位(A)を有するポリマーを得る場合も同様に、ポリビニルアルコールに縮合形芳香族アルデヒド又は縮合形芳香族ケトンなどを反応させればよい。この縮合形芳香族アルデヒド又はケトンの具体例としては、置換基を有する1−ナフトアルデヒド、置換基を有する2−ナフトアルデヒド、9−アントラアルデヒド、置換基を有する9−アントラアルデヒド、アセトナフトンなどが例示される。
さらに、ポリビニルアルコールに反応させる芳香族アルデヒドや芳香族ケトンなどの量を調整することにより、ポリビニルアルコールの水酸基が芳香族基に置換されると共に、未置換の水酸基が残存し、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)を有するポリマーを得ることができる。
また、芳香族アルデヒドや芳香族ケトンと共に、炭素数1〜12の飽和脂肪族アルデヒド(例えばプロピオンアルデヒドやアセトアルデヒドなど)やホルムアルデヒド、脂環族アルデヒドなどを同時及び/又は逐次にアセタール化することにより、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(C)を有するポリマーを得ることができる。さらに、ポリビニルアルコールに反応させる芳香族アルデヒドや芳香族ケトン、及び上記飽和脂肪族アルデヒド、ホルムアルデヒド又は脂環族アルデヒドなどの量を調整することにより、未置換の水酸基が残存し、繰り返し単位(A)〜(C)を有するポリマーを得ることができる。
かくして得られるポリマーの重合度は、例えば位相差板として好適に使用し得る程度であれば特に限定されず、延伸に耐え得る十分なフィルム強度という点から、例えば100〜20000程度、好ましくは500〜10000程度の重合度のものが好ましく、主鎖の種類や側鎖(a)などの種類や量を適宜変更して調整することができる。
また、ポリマーのガラス転移温度は、主鎖の種類、側鎖(a)乃至(c)の種類や量によって異なるが、例えば80〜180℃程度であり、位相差板として十分な耐熱性を有するものである。さらに、例えば、約200℃を越えるような高いガラス転移温度を示す従来のポリマーとは異なり、適度なガラス転移温度を示すので、一軸延伸だけでなく、従来公知の方法でのZ延伸も可能である。
次に、上記鎖状ポリマーをフィルムに製膜して位相差板を得る方法について説明する。尚、本明細書に於ける「フィルム」という用語は、一般に「シート」と言われるものも含む意味である。
位相差板は、上記鎖状ポリマーを製膜した単層フィルムからなるものであり、その製膜法は、特に限定されず、例えば、キャスト法、溶融押出法、カレンダー法などによってフィルム状に成形することができる。中でも、より厚み精度に優れ、光学的に均質なフィルムを得ることができることから、キャスト法で成形することが好ましい。キャスト法では、通常ポリマーを溶解させるため溶媒が用いられるが、側鎖(b)として水酸基を有する本発明のポリマーは、ポリマーフィルムからなる従来の位相差板をキャスト成形する際に用いることができなかった溶剤に対しても良好な溶解性を示す場合がある。本発明のポリマーの溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、トルエンなどが例示される。尚、ポリマーを溶解させる際には、必要に応じて加温してもよい。
得られたフィルムを延伸することにより、位相差板を得ることができる。かかる延伸方法には特に限定がなく、例えばデンター延伸法、ロール間延伸法、ロール間圧縮延伸法といった通常の一軸延伸法や、全テンター方式による同時二軸延伸処理方式や、ロール・テンター法による逐次二次延伸処理方式といった通常の二軸延伸法などを採用することができる。
また、本発明においては、ポリマーの種類(特性)に応じて、二軸延伸のなかでも、そのフィルムをZ延伸することも可能である。かかるZ延伸も、例えばフィルムを過熱延伸する際に延伸方向(X軸方向)と直交する又は交差する方向(Y軸方向)に該フィルムを収縮させることによって厚み方向(Z軸方向)に延伸応力を発生させる方法といった通常のZ延伸法にて行うことができる。
尚、フィルム中には、その延伸性を向上させる目的で、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル、トリメチルリン酸エステル、トリエチルリン酸エステル、トリフェニルイン酸エステルなどのリン酸エステル、ジエチルアジペート、ジブチルフマレートなどの脂肪酸などの可塑剤を1種以上添加してもよい。該可塑剤の添加量は、延伸性の向上効果及び得られる位相差板の波長分散性への影響を考慮すると、ポリマー100重量部に対して1〜20重量部程度であることが好ましい。また、可塑剤のほかにも、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤といった添加剤を、それぞれの目的に応じて適宜添加してもよい。
また、必要に応じて、上記鎖状ポリマーと相溶し得る他のポリマーを混合してフィルムを製膜してもよい。このようなポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテル、ポリエステルポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリスルフィド、ポリノルボルネン、ポリアセタール、セルロースエステルなどから選択される少なくとも1種類が挙げられる。
フィルムを延伸する際の温度、倍率といった延伸条件は、ポリマーを構成する主鎖の種類ならびに側鎖(a)及び必要に応じて導入されている側鎖(b)及び(c)の種類や量によって異なるため、適宜設定されるものであるが、例えば延伸温度が50〜200℃程度、延伸倍率が1.1〜4.0倍程度であることが好ましい。
かくして得られる位相差板は透明性に優れており、JIS K 7105に準拠した測定での可視光線透過率が88〜93%程度、ヘイズが0.1〜3%程度である。また、その厚みは、通常20〜200μm程度、さらには40〜100μm程度と充分に小さいものである。
上記位相差板は、可視光領域全体のほぼ全ての波長λの光に対して、それ自身1枚で所定の位相差を示す逆波長分散特性を有するが、後述する条件にて測定した本発明の位相差板の波長分散は、ポリマーを構成する主鎖の種類並びに側鎖(a)及び必要に応じて導入されている側鎖(b)の種類や量によって異なるものの、概ね、Re(450)/Re(550) ≦0.97、Re(650)/Re(550)≧1.01の関係を満たしている。
ここで、位相差板の面内位相差Reは、Re=(n−n)×dで表される。
尚、nは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nは、位相差板の面内の進相軸方向の屈折率を示し、dは、位相差板の厚みを示す。遅相軸方向とは、光の進む速度が遅い(位相が遅れる)方位を意味し、進相軸方向とは、(この遅相軸に比して)光の進む速度が速い(位相が進む)方位を意味する。Re(450)、Re(550)及びRe(650)は、それぞれ波長450nm、550nm及び650nmに於ける面内位相差を示す。
本発明の円偏光板に用いられる位相差板は、λ/4板とするために、波長550nmの光に対する面内位相差Re(550)が120〜160nm、好ましくは130〜150nm、より好ましくは135〜140nmに調整されている。
上記位相差板に用いられるフィルムの複屈折率(n−n)は、ポリマーを構成する主鎖の種類並びに側鎖(a)及び必要に応じて導入されている側鎖(b)(c)などの種類や量など、ポリマーの種類によって異なるものの、550nmの波長で概ね0.005以下である。該複屈折率は、フィルムの種類に応じて固有の数値を示すため、フィルムを適宜の厚みに製膜することにより、Re(550)がλ/4となる位相差板を得ることができる。
また、本発明の位相差板が、例えば一軸延伸法にて得られたフィルムからなる場合には、屈折率は、延伸方向(X軸方向(面内屈折率が最大の方向))の屈折率をnx、延伸の直交方向(Y軸方向)の屈折率をny、厚み方向(Z軸方向)の屈折率をnzとした場合、式:nx>ny=nzで表される関係を満足している。一方、二軸延伸法のなかでも上記Z延伸法にて本発明の位相差板が得られる場合には、これら屈折率nx、ny及びnzは、式:nx>nz>nyで表される関係を満足している。ところで、視覚特性を示すパラメータとして式:Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が繁用されるが、該Nz値が0.5であるならば、遅相軸方向(X軸方向)に位相差板を傾斜させた場合であっても、傾斜角に対する位相差は変化しない。すなわち位相差の視覚依存性がなくなることが明らかとなっている。よって、視覚特性の向上効果を考慮すると、特に三次元屈折率の制御に留意して延伸を行うことが望まれる。
また、上記鎖状ポリマーに、液晶性化合物を混合して製膜したフィルムを用いた場合には、通常液晶性化合物から得られるフィルム自身の複屈折率が比較的高いことから、得られるフィルムの複屈折率を0.01以上にすることも可能である。
このように複屈折率が高くなることにより、λ/4の位相差を発現させるためのフィルム厚を薄くすることが可能になる。
かかる液晶性化合物としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定がなく、例えばアゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類などの液晶低分子化合物、該液晶低分子化合物の分子末端に例えば(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、ビニルオキシ基、プロパルギル基、イソシアナート基などの重合性基を有する液晶モノマーなどがあげられる。これらの中から、得られる位相差板の△nが所望の値となるように、また用いるポリマーの種類に応じて、1種以上を適宜選択して用いればよい。該液晶性化合物の量は、これを用いたことによる△n向上効果が充分に発現されるように、高分子材料100重量部に対して1重量部以上、好ましくは3重量部以上とすることが望ましい。また位相差が長波長側ほど大きくなる特性を維持するために、上記鎖状ポリマー100重量部に対して20重量部以下、好ましくは10重量部以下とすることが望ましい。
次に、上記位相差板に積層される偏光子について説明する。
本発明に用いられる偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
上記偏光子の片面又は両面に設けられる透明保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性などに優れるものが好ましい。上記透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルムなども前記透明保護フィルムを形成する樹脂の例として挙げられる。また、上記透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
透明保護フィルムとして、好ましくは、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂及び、ノルボルネン系樹脂が用いられる。具体的には、富士写真フィルム(株)製 製品名「フジタック」や、日本ゼオン(株)製 製品名「ゼオノア」、JSR(株)製 製品名「アートン」などが挙げられる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。より好ましくは、5〜200μmである。特に好ましくは、10〜150μmである。上記の範囲であれば、偏光子を機械的に保護し、高温高湿下に曝されても偏光子が収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。
上記透明保護フィルムは、フィルム面内の位相差値及び厚み方向の位相差値が液晶表示装置の視野角特性に影響を及ぼす場合があるので、位相差値が最適化されたものを用いることが好ましい。ただし、位相差値の最適化が望まれる透明保護フィルムとは、画像表示装置に使用された場合、液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムであり、液晶セルに遠い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムは、液晶表示装置の光学特性を変化させることはないので、この限りではない。よって、液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムは、複屈折や光弾性係数ができる限り小さいものが好ましい。
例えば、透明保護フィルムは、下記式を満足するものが好ましい。
0nm<Re(590)≦5nm
0nm<Rth(590)≦10nm
但し、Re(590)、Rth(590)は、それぞれ23℃における波長590nmの光で測定したフィルム面内の位相差値、厚み方向の位相差値を意味する。
この透明保護フィルムのRe(590)としては、0を超え5nm以下であり、更に好ましくは0を超え3nm以下であるものが用いられる。特に好ましくは、0を超え2nm以下である。最も好ましくは、0を超え1nm以下である。上記透明保護フィルムのRth(590)としては、0を超え10nm以下であり、更に好ましくは0を超え6nm以下であるものが用いられる。特に好ましくは、0を超え4nm以下である。最も好ましくは、0を超え3nm以下である。透明保護フィルムの位相差値が上記の範囲であれば、液晶表示装置に用いた際にコントラスト比やカラーシフト等の表示特性に悪影響を及ぼさず、良好な表示特性を得ることができる。
上記液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムの光弾性係数として好ましくは、23℃における波長590nmの光で測定した値の絶対値:C(590)(m/N)が、2.0×10−13〜2.0×10−11の範囲あるものが用いられる。更に好ましくは、5.0×10−13〜8.0×10−12である。特に好ましくは、2.0×10−12〜6.0×10−12である。最も好ましくは、2.0×10−12〜5.0×10−12である。
上記複屈折や光弾性係数が小さい透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、特開平6−51117号公報に記載のノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のごときポリマー変性を行った後に、水素添加したノルボルネン系樹脂;ノルボルネン系モノマーを付加型重合させたノルボルネン系樹脂;ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させたノルボルネン系樹脂などを用いることができる。また、特開2002−348324号公報に記載のノルボルネン等の多環シクロオレフィンモノマー又は単環シクロオレフィンモノマー又は非環式1−オレフィンモノマーの少なくとも一種類を溶液状態、懸濁状態、モノマー溶融状態または気相において、メタロセン触媒下で重合したシクロオレフィン系樹脂なども用いることができる。
また、特開2001−253960号公報に記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを側鎖に有するポリカーボネート系樹脂や、特開平7−112446号公報に記載のセルロース系樹脂なども用いることができる。更に、特開2001−343529号公報に記載の高分子フィルム、たとえば、(1)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(2)側鎖に置換及び/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物なども用いられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の高分子フィルムがあげられる。
また、(株)エヌ・ティー・エス出版「オプティカルポリマー材料の開発・応用技術」2003年版P.194〜P.207に記載の正の配向複屈折を示すポリマーを構成するモノマーと負の配向複屈折を示すポリマーを構成するモノマーのランダム共重合体や異方性低分子及び/又は又は複屈折性結晶をドープしたポリマーなども用いることができる。
透明保護フィルムと偏光子の積層方法は、特に限定されず、例えばアクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミンやシュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。これにより湿度や熱の影響で剥がれにくく光透過率や偏光度に優れるものとすることができる。前記接着剤としては、偏光子の原料であるポリビルアルコールとの接着性に優れる点より、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムを透明保護フィルムとして、偏光子と積層する場合の粘着剤としては、透明性に優れ、複屈折などが小さく、薄い層として用いても充分に粘着力を発揮できるものが好ましい。そのような粘着剤としては、例えば、ウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤、例えば、エポキシ樹脂とポリチオールの二液からなるもの、エポキシ樹脂とポリアミドの二液からなるものなどを用いることができ、特に溶剤型接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤が好ましく、透明のものが好ましい。接着剤によっては、適当な接着用下塗り剤を用いることで接着力を向上させることができるものがあり、そのような接着剤を用いる場合は接着用下塗り剤を用いることが好ましい。
上記接着用下塗り剤としては、接着性を向上できる層であれば特に制限はないが、例えば、同一分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤、および同一分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等のいわゆるカップリング剤、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エステルウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂を用いることができる。なかでも、工業的に取扱いやすいという観点から、シラン系カップリング剤を含有する層であることが好ましい。
尚、透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理や、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)を施すことがきる。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優る硬化皮膜を上記透明保護フィルムの表面に形成することができる。上記反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施される。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
また、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドプラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルム表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。また、上記アンチグア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
以上のように詳述した位相差板と、偏光子(好ましくは保護フィルムが積層された偏光子)とを、位相差板の遅相軸に対して偏光子の吸収軸が45±3度(42〜48度)、好ましくは45度±2度の角度を成すように配置させて貼り合わせることにより、本発明の円偏光板が構成される。
位相差板と偏光子の積層方法は、特に限定されず、例えばアクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミンやシュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。位相差板として、ポリビニルアルコールを原料にしたフィルムを用いた場合には、接着性に優れる点より、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。
本発明の円偏光板は、位相差板が単層フィルムからなるので、全体として薄層に形成でき、また、積層された位相差板が、400〜700nmの可視光領域の略全ての波長λの光に対して略λ/4の位相差を示すので、広帯域の光に対して略一様な円偏光を得ることができる。従って、本発明の円偏光板を反射系に用いることにより、反射防止効果に優れた光学部材を提供できる。
尚、本発明の円偏光板は、他の光学材料などと積層することにより、光学フィルムの態様で使用することができる。例えば、本発明の円偏光板と、位相差がλ/2に調整された他の位相差板を積層したり、バンドパスフィルターを積層などして光学フィルムを構成してもよい。
また、本発明の円偏光板を、液晶セルなどの他部材と容易に接着させるため、接着剤層や粘着剤層を設けておくこともできる。
前記接着剤又は粘着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるという点で、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
前記接着剤又は粘着剤にはベースポリマーに応じた架橋剤を含有させることができる。また、粘着剤層には必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また透明微粒子を含有させて光拡散性を示す粘着剤層とすることもできる。尚、透明微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナやチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレタの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
前記接着剤又は粘着剤は、通常、ベースポリマー又はその組成物を溶剤に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の接着剤溶液として用いられる。上記溶剤としては、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤や水等の接着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。
接着剤又は粘着剤の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
前記接着剤層又は粘着剤層等の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に剥離紙又は離型フィルム(セパレータともいう)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で接着剤層又は粘着剤層に接触することを防止できる。上記セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フツ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いることができる。
また、本発明の円偏光板又は該円偏光板が積層された光学フィルムは、液晶表示装置などの各種画像表示装置などの構成部品として好ましく用いることができる。例えば、液晶表示装置は、上記光学フィルムなどを液晶セルの片側または両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜な構造とすることができる。したがって、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであっても良い。また、液晶セルの両側に本発明の光学フィルムを設ける場合、それらは同じ物であってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
尚、本発明の円偏光板は、画像表示装置に組み込まれる用途に限定されず、他の光学装置、例えば、DVD記録装置、光分析装置、光計測装置などの他、防眩フィルムなどとして利用することもできる。
つぎに本発明の円偏光板を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、各特性の測定条件は、それぞれ以下に示すとおりである。
(組成比の測定)
測定対象であるポリマーを200mg取り、THF10ml中、窒素下、室温で、イミダゾール0.93g、t−ブチルジメチルクロロシラン1.37gを加え、室温下で12時間攪拌する。反応終了後、メタノールに3回再沈殿を行い精製する。得られたポリマーをH−NMR(CDCl3溶媒)で、0ppm付近、0.8ppm、6.8ppmのピークにより組成比を求めた。
(反射分光スペクトルの測定)
大塚電子(株)製、「MCPD−7000」を用いて測定した。
(面内位相差の測定)
王子計測機器(株)製、「KOBRA21−ADH」を用いて測定した。
(厚みの測定)
マイクロメータ(MITUTOYO製)を用いて測定した。
製造例1
105℃で2時間乾燥させた重合度1800のPVA(日本合成化学、NH−18)8.8gをDMSO500mlに溶解した。ここにメシトアルデヒド 4.9g、プロピオンアルデヒド 3.9g及びp−トルエンスルホン酸・1水和物 3.1gを加えて、40℃で4時間撹拌した。1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、水に再沈殿を行った。ろ過して得られたポリマーをDMFに溶解し、ジエチルエーテルに再沈殿した。ろ過して乾燥したのち、白色ポリマーが12.1g得られた。H−NMRによりメシトアルデヒド、プロピオンアルデヒドがアセタールの形でPVAに導入されている一般式(IX)の構造であることが確認された。このポリマーのビニルメシタール、ビニルプロピオナール、ビニルアルコールの各部位のモル比は16:34:50であった。
実施例1
製造例1で得られたポリマーをDMFに溶解し、アプリケーターを用いて製膜した。乾燥して得られたフィルムを、延伸機を用いて100℃で1.5倍延伸を行い、膜厚76μmの一軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの面内位相差を測定したところ、Re(450)=120.0nm、Re(550)=141.2nm、Re(650)=149.6nmと逆波長分散になっていた。
次にこの位相差フィルムをクロスニコル条件下で観察したところ、透過光は色づいておらず、無色の位相差板となっていた。このフィルムの遅相軸と偏光子(ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルム)の吸収軸が45度となるように、アクリル系粘着剤(20μm)を介して貼り合わせることにより円偏光板を作成した。この円偏光板を同アクリル系粘着剤を介して鏡に貼り合わせ反射分光スペクトルを測定したところ、広帯域の波長で反射率が低く、反射防止フィルムとして優れた特性を示すことがわかった。その結果を図1のグラフに示す。
比較例1
ポリカーボネートフィルム(帝人(株)製、商品名:パラライト)を160℃で1.2倍延伸を行い、膜厚75μmの一軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの位相差を測定したところ、Re(450)=150.5nm、Re(550)=140.5nm、Re(650)=135.2nmと正の波長分散であった。この位相差フィルムをクロスニコル下で観察したところ、青く色づいていた。この位相差フィルムを実施例1と同様にして偏光子に貼り合わせて円偏光板にし、同様に反射分光スペクトルを測定したところ、短波長側、長波長側の両方で反射率が高く、反射防止フィルムとして特性に劣ることがわかった。その結果を図1のグラフに示す。
製造例2
製造例1においてメシトアルデヒドを9.0g、プロピオンアルデヒドを2.3g用いたこと以外は製造例1と同様に行った。精製後、15.2gの白色ポリマーが得られた。このポリマーのビニルメシタール、ビニルプロピオナール、ビニルアルコールの各部位のモル比は30:21:49であった。
実施例2
製造例2で得られたポリマー100重量部、ポリビニルブチラール200重量部をDMFに溶解し、アプリケーターを用いて製膜した。乾燥して得られたフィルムを、延伸機を用いて95℃で1.5倍延伸を行い、膜厚70μmの一軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの位相差を測定したところ、Re(450)=116.0 nm、Re(550)=140.1nm、Re(650)=151.9nmと逆波長分散になっていた。この位相差フィルムをクロスニコル条件下で観察したところ、透過光は色づいておらず、無色の位相差板となっていた。この位相差フィルムを実施例1と同様にして円偏光板とし、鏡に貼り付けて目視で観察したところ、良好な黒表示が実現され、反射防止フィルムとして優れた特性を示すことがわかった。
製造例3
製造例1においてメシトアルデヒドを1.5g、プロピオンアルデヒドを5.2g用いたこと以外は製造例1と同様に行った。精製後、10.9gの白色ポリマーが得られた。このポリマーのビニルメシタール、ビニルプロピオナール、ビニルアルコールの各部位のモル比は7:51:42であった。
実施例3
製造例2で得られたポリマー100重量部、製造例3で得られたポリマー100重量部をDMFに溶解し、アプリケーターを用いて製膜した。乾燥して得られたフィルムを、延伸機を用いて100℃で1.5倍延伸を行い、膜厚75μmの一軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの位相差を測定したところ、Re(450)=120.5nm、Re(550)=141.4nm、Re(650)=148.0nmと逆波長分散になっていた。このフィルムをクロスニコル条件下で観察したところ、透過光は色づいておらず、無色の位相差板となっていた。このフィルムを実施例1と同様にして円偏光板とし、鏡に貼り付けて目視で観察したところ、良好な黒表示が実現され、反射防止フィルムとして優れた特性を示すことがわかった。
反射率を示すグラフ図。

Claims (10)

  1. 側鎖(a)として下記一般式(I)で表される基を有する複屈折性の鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムからなる位相差板と、偏光子とを備え、
    前記位相差板のRe(550)が120〜160nmであり、且つ位相差板の遅相軸と偏光子の吸収軸のなす角が45±3度となるように、位相差板と偏光子が積層されていることを特徴とする円偏光板。
    Re(550)=(n−n)×d
    (Re(550)は、波長550nmに於ける位相差板の面内位相差を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の進相軸方向の屈折率を示し、dは、前記位相差板の厚みを示す)
    Figure 2006171235
    (一般式(I)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は芳香族基を示す。但し、R及びRの少なくとも何れか一方は芳香族基であり、R又は/及びRの芳香族基は、その平面構造が前記2つの酸素原子を結んだ仮想線と略直交する方向に配置している)。
  2. 前記鎖状ポリマーが側鎖(a)として下記一般式(II)又は一般式(III)で表される基のうち少なくとも何れか一方を有する請求項1記載の円偏光板。
    Figure 2006171235
    (一般式(II)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す)。
    Figure 2006171235
    (一般式(III)中、2つの酸素原子は、主鎖を構成する原子にそれぞれ結合する。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい)。
  3. 前記位相差板の少なくとも波長450〜650nmに於ける面内位相差が、短波長側ほど小さく、長波長側ほど大きい請求項1又は2記載の円偏光板。
  4. 前記側鎖(a)が側鎖全量の1〜50モル%含まれている請求項1〜3の何れかに記載の円偏光板。
  5. さらに、前記鎖状ポリマーが、側鎖(a)以外に、側鎖(b)として水酸基を有する請求項1〜4の何れかに記載の円偏光板。
  6. さらに、前記鎖状ポリマーが、側鎖(a)及び(b)以外に、側鎖(c)として下記一般式(IV)で表される基を有する請求項5記載の円偏光板。
    Figure 2006171235
    (一般式(IV)中、Rは、水素原子、又は直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を示し、アルキル基の炭素原子は隣接しない酸素原子によって置換されていてもよい)。
  7. 繰り返し単位(A)として下記一般式(V)又は一般式(VI)で表される構造のうち少なくとも何れかを有する複屈折性の鎖状ポリマーを配向させた単層フィルムからなる位相差板と、偏光子とを備え、
    前記位相差板のRe(550)が120〜160nmであり、且つ位相差板の遅相軸と偏光子の吸収軸のなす角が45±3度となるように、前記位相差板と偏光子が積層されていることを特徴とする円偏光板。
    Re(550)=(n−n)×d
    (Re(550)は、波長550nmに於ける位相差板の面内位相差を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nは、波長550nmに於ける位相差板の面内の進相軸方向の屈折率を示し、dは、位相差板の厚みを示す)
    Figure 2006171235
    (一般式(V)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す)。
    Figure 2006171235
    (一般式(VI)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい)。
  8. 前記鎖状ポリマーが、下記一般式(IX)の構造を有する請求項7記載の円偏光板。
    Figure 2006171235
    (一般式(IX)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す)。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の円偏光板を備える光学フィルム。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の円偏光板または請求項9記載の光学フィルムを備える画像表示装置。
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