JPWO2007046467A1 - 光制御フィルム、積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法 - Google Patents

光制御フィルム、積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

比較的大きなクレーズまたはクラックを有し、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することができる光制御フィルム、積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法を提供すること。フィルムFにドラム6の刃6aをあてて、刃6aの形状をフィルムFに機械的に転写して、一定間隔の線状のノッチパターンを形成する。ノッチパターンは、ドラム6の軸線方向に略平行に形成される。このフィルムFを所定の張力を加えながら、曲げロール8を通すことにより、フィルムFの搬送方向に曲げ応力を加えると、ノッチパターンのノッチを起点として、ノッチパターン内に、クレーズまたはクラックが形成される。ノッチパターンを起点としてクレーズまたはクラックを形成するので、比較的大きなクレーズまたはクラックが得られ、光学特性を高度に制御できる。

Description

本発明は、透過・散乱等の光学特性を制御でき、視野選択フィルム、異方性光散乱フィルム等に使用される光制御フィルム、この光制御フィルムを備えて構成される積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法に関する。
透過・散乱等の光学特性を制御することができ、視野選択フィルム、異方性光散乱フィルム等に使用されている種々の光制御フィルムが知られている。
このような光制御フィルムの製造方法として、例えば、光吸収性物質または光散乱性物質を含有する樹脂のシートまたはフィルムと透明樹脂とを交互に積層してブロックを形成し、このブロックを裁断してルーバー入りフィルムとする製造方法(特許文献1)が知られている。
また、膜状の紫外線硬化性組成物に所定角度から線状の紫外線を照射して紫外線硬化性組成物を硬化させ、次いで、硬化した紫外線硬化性組成物上に第2の紫外線硬化性組成物を膜状に保持し、この状態で別の角度から線状の紫外線を照射して第2の紫外線硬化性組成物を硬化させ、シートの厚さ方向と直交する方向に光学的特性が異なる部分が積層したシートとする製造方法(特許文献2)も知られている。
さらに、透明性樹脂のフィルムにブレードを押し当ててしごき、フィルム内にクレーズ(クレイズ)を形成し、このクレーズ内に光吸収性物質または光散乱性物質を浸透させることにより光の透過・散乱等の光学特性を制御できるフィルムを製造する方法(特許文献3)も知られている。
特開昭63−190683号公報 特開昭63−309902号公報 特開平6−82607号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、製造プロセスが煩雑で、生産性が低く、製品であるフィルムが高価になるという問題を有する。また、光吸収層または散乱層の厚さを薄くすることが困難であり、光透過性が悪くなるという問題がある。
また、特許文献2の方法は、製造されたフィルム中で、屈折率の異なる領域の境界がシャープではなく、光の透過・散乱を十分に制御することができないという問題を有する。
さらに、特許文献3の方法は、非常に簡便に該光学フィルムを作成可能な方法であるが、フィルムにブレードを押し当ててしごくという操作により、フィルム表面に傷がつきやすく、また、ブレードによる押し圧の精密な制御が必要となるために、ブレードの精密な位置あわせが必要であるという制約もあった。
これらの問題を解決するために、近年、特開平9−281306号公報で無配向の光透過性高分子フィルムに応力をかけることによって、規則的な方向性のクラックを形成する方法が提示されている。しかしながら、この手法では、クラックの形成位置を制御することができず、また、形成されたクラックは微小であり、例えば、その部分に光学的な特性が異なる物質を効果的に導入することは困難であり、そのため、高度な光制御性を得ることが難しい。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、形成位置が制御され、比較的大きなクレーズまたはクラックを有し、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することができる光制御フィルム、積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の光制御フィルムは、フィルム材料の表面に所定パターンで配置された複数の起点部を起点にして形成されたクレーズまたはクラックを備えている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、より大きな(深い)クレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、例えばクレーズまたはクラックに光学特性が異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。また、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、起点部を所望の間隔や密度で形成することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
本発明において、好ましくは、起点部は、直線状である。
このように構成された本発明においては、起点部が直線状に形成されているので、この直線状の起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、直線状の起点部の間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックは、線状の起点部からフィルム材料の厚さ方向に延びるように形成されている。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、起点部からフィルムの厚さ方向に延びるように形成されているので、クレーズまたはクラックの形成パターンが、起点パターンに応じて形成される。したがって、起点部の形成パターンを制御することにより、クレーズまたはクラックを所望の位置に所望の間隔で形成できる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御できる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックは、線状の起点部が延びる方向と交差して延びるように形成されている。
本発明においては、好ましくは、クレーズまたはクラックは、線状の起点部が延びる方向と略直交して延びるように形成されている。
本発明において、好ましくは、起点部は、ドットである。
このように構成された本発明においては、起点部がドットであるので、このドット(起点部)を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、ドットの間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔等の形成パターンを制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。また、ドットのパターンに応じてクレーズまたはクラックが形成されるので、任意の点に任意の密度でクレーズまたはクラックを形成することができる。したがって、一つの光制御フィルムの中でも、異なる密度、パターンのクレーズまたはクラックを形成することも可能となる。
本発明において、好ましくは、複数の起点部が、一定の間隔で形成されている。
このように構成された本発明においては、複数の起点部が一定の間隔で形成されているので、クレーズまたはクラックの形成パターンを、起点部に対応して一定の間隔で容易に形成できる。したがって、光制御フィルムの光学特性を容易且つ高度に制御できる。また、起点部が一定間隔で形成されているので、所定パターンの起点部を形成する工程を容易に行え、製造工程を簡略化できる。
本発明において、好ましくは、一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックから独立している。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックから独立しているので、個々のクレーズまたはクラックの表面寸法が微小となる。したがって、光制御フィルムの光学特性を細かく制御することが可能となる。
本発明において、好ましくは、一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックと連続している。
このように構成された本発明においては、クレーズ又はクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックと連続しているので、一つのクレーズまたはクラックの表面寸法が大きくなる。したがって、光制御フィルムの光学特性をより良好に制御することができ、クレーズまたはクラック内に光学特性の異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。
本発明において、好ましくは、起点部は、第1の起点部および第2の起点部を有し、クレーズまたはクラックは、第1の起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、第2の起点部を起点にし、第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックとを有する。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、互いに交差する第1および第2のクレーズまたはクラックを有しているので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックは、起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、第1のクレーズまたはクラックを起点にし、第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックを有する。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、互いに交差する第1および第2のクレーズまたはクラックを有しているので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。また、第2のクレーズまたはクラックは、第1のクレーズまたはクラックを起点として形成されているので、第2のクレーズまたはクラックのために、起点パターンを別途形成する必要がないため、光制御フィルムの製造工程が簡単となり、製造時間が短縮される。
また、本発明において、第1のクレーズまたはクラックと第2のクレーズまたはクラックは、略直交することが好ましい。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックに、フィルム材料と光学特性が異なる物質が充填されている。
このように構成された本発明においては、フィルム材料と光学特性が異なる物質が、クレーズまたはクラックに充填されているので、視野角特性や、透過率等の光学特性がより優れた光制御フィルムを提供することが可能となる。
本発明において、好ましくは、フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、クレーズまたはクラックは、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによって形成される。
このように構成された本発明においては、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下のフィルム材料を曲げ変形させてクレーズまたはクラックを形成することにより、非常にシャープな形状のクレーズまたはクラックを、均一なピッチで形成することが可能になる。
ここで、使用するフィルム材料のアイゾット衝撃強さが、40J/cmより大きくなると、樹脂自体の衝撃強度により、クレーズまたはクラックが入り難くなる。実際には曲げ変形を加える際にフィルム材料に10N/cmより大きな張力を加えることにより、アイゾット衝撃強さが、40J/cmより大きなフィルム材料にも、微小なクレーズまたはクラックを断続的に形成することができるが、クレーズまたはクラックの寸法が小さすぎて、所望の光学特性が得られない。また、張力が10N/cmより大きくなってくると、フィルム材料の搬送時のこすれ等により、裏面に傷がつきやすいという問題も生じてくる。
また、使用するフィルム材料の曲げ弾性率が、2900Mpa以下の場合は、曲げ変形を加えた段階で断裂してしまい、安定した製造が行うことができなくなる。
具体的には、フィルム材料は、未架橋あるいは部分架橋したメタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂、紫外線硬化性透明樹脂、熱硬化性透明エポキシ樹脂等のフィルムが好ましい。
また、フィルム材料の厚さは、0.35mmより大きくなってしまうと、内面と外面との変形量が大きくなりすぎて、うまく曲げ変形を加えることが困難となってしまう。さらに、工程安定性を考慮に入れた場合は、フィルム材料の厚さは0.30mm以下のほうがより好ましい。一方、厚さが5μmより薄い場合には、薄膜を均一に形成することが困難であり、現状では均一なクレーズまたはクラックを形成することが非常に難しくなる。また、安定的に形状を形成するためには、厚さが10μm以上であることが好ましい。
本発明の積層光制御フィルムは、基材フィルムと、この基材フィルムに積層された前述の光制御フィルムとを備えていることを特徴としている。
このような構成の本発明においては、積層光制御フィルムが、前述の光制御フィルムを備えているので、前述の光制御フィルムの効果と同様の効果が得られ、クレーズまたはクラックの形成位置が制御され、比較的大きなクレーズまたはクラックを形成することができ、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
本発明の光制御フィルムの製造方法は、フィルム材料の表面に所定のパターンで複数の起点部を形成する工程と、起点部を起点としてクレーズまたはクラックを形成する工程と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、より大きな(深い)クレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、例えばクレーズまたはクラックに光学特性が異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。また、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、起点部を所望の間隔や密度で形成することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
本発明において、好ましくは、起点部を形成する工程が、フィルム材料の表面に起点部に対応した型を押しつける工程である。
このように構成された本発明においては、起点部を形成する工程は、型を押しつける工程であるので、簡単な作業で起点部を形成することができる。また、型が起点部に対応して形成されているので、起点部のパターンを正確にフィルム材料に形成することができる。
本発明において、好ましくは、型は、外周面に凸部が形成されたドラムである。
このように構成された本発明においては、型が、外周面に凸部が形成されたドラムであるので、ドラムを回転させながらフィルム材料に押しつけることにより、容易に起点部を形成することができる。また、型が、ドラムであるので、連続的に光制御フィルムを製造することができ、生産性が向上する。
本発明において、好ましくは、起点部を形成する工程は、起点部に対応した刃でフィルム材料に傷を付ける工程である。
このように構成された本発明においては、刃でフィルム材料を傷つけることによって起点部を形成するので、起点部を簡単に形成することができる。
本発明において、好ましくは、起点部を形成する工程は、フィルム材料の起点部に対応する部分の特性を変化させる工程である。
このように構成された本発明においては、フィルム材料の起点部に対応する部分の特性を変化させることによって、起点部を形成するので、物理的に起点部を形成する場合に比べて、フィルム材料を傷つけることなく起点部を形成することができる。また、フィルム材料の特性を変化させることによって起点部を形成するので、起点部の間隔等の形成パターンを高精度に制御できる。
本発明において、特性を変化させる工程は、所定パターンのマスクを被せたフィルム材料に電磁波を照射する工程を含むことが好ましい。
あるいは、本発明において、特性を変化させる工程は、フィルム材料の表面の起点部に対応する部分に有機溶剤を付着させる工程を含むことが好ましい。
本発明において、好ましくは、起点部がドットである。
このように構成された本発明においては、起点部がドットであるので、このドット(起点部)を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、ドットの間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔等の形成パターンを制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。また、ドットのパターンに応じてクレーズまたはクラックが形成されるので、任意の点に任意の密度でクレーズまたはクラックを形成することができる。したがって、一つの光制御フィルムの中でも、異なる密度、パターンのクレーズまたはクラックを形成することも可能となる。
本発明において、好ましくは、起点部が直線状である。
このように構成された本発明においては、起点部が直線状に形成されるので、この直線状の起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、直線状の起点部の間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。
本発明において、フィルム材料が長尺状であり、線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に延びていることが好ましい。
あるいは、本発明において、フィルム材料が長尺状であり、線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に対して傾斜して延びていることが好ましい。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを形成する工程は、フィルム材料に張力を加えながら曲げ応力を加えることによってなされる。
このような構成の本発明においては、フィルム材料に張力を加えながら曲げ応力を加えることによって、クレーズまたはクラックを形成するので、簡単な工程でクレーズまたはクラックを容易に形成することができる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを形成する工程は、線状の起点部の延びる方向と略直交する方向にフィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックを、折り曲げ方向と略直交する方向に、即ち、線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に形成することができる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを形成する工程が、線状の起点部の延びる方向と略平行な方向にフィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略平行な方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックが、折り曲げ方向と略直交する方向に、即ち、線上の起点部の延びる方向に沿って形成される。よって、クレーズまたはクラックを、起点部とほぼ同じパターンに形成することができる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを形成する工程が、線状の起点部の延びる方向と略直交する方向にフィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックを、線状の起点部の延びる方向に沿った配列で、折り曲げ方向と略直交する方向に形成することができる。
本発明において、好ましくは、起点部を形成する工程が、第1の起点部を形成する工程と、第2の起点部を形成する工程とを含み、クレーズまたはクラックを形成する工程は、第1の起点部を起点にして第1のクレーズまたはクラックを形成する工程と、第2の起点部を起点にして第1のクレーズまたはクラックの形成方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程とを含む。
このように構成された本発明においては、第1および第2のクレーズまたはクラックが、互いに交差する方向に形成されるので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを起点として、該クレーズまたはクラックが延びる方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程をさらに備えている。
このように構成された本発明においては、第1および第2のクレーズまたはクラックが、互いに交差する方向に形成されるので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。また、第2のクレーズまたはクラックは、第1のクレーズまたはクラックを起点として形成されているので、第2のクレーズまたはクラックのために、起点パターンを別途形成する必要がないため、光制御フィルムの製造工程が簡単となり、製造時間が短縮される。
また、本発明において、第1のクレーズまたはクラックと第2のクレーズまたはクラックを、略直交する方向に形成することが好ましい。
本発明において、好ましくは、フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、クレーズまたはクラックを形成する工程は、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによってなされる。
このように構成された本発明においては、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下のフィルム材料を曲げ変形させてクレーズまたはクラックを形成することにより、非常にシャープな形状のクレーズまたはクラックを、均一なピッチで形成することが可能になる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラック内にフィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を、更に備えている。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラック内にフィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を更に備えているので、より多様な光学特性を有する光制御フィルムが得られる。
本発明において、好ましくは、光学特性が異なる物質を充填する工程が、フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料にフィルム材料を浸漬させる工程を含む。
このように構成された本発明においては、フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料にフィルム材料を浸漬させることによって、該物質をクレーズまたはクラック内に充填するので、光学特性が異なる物質を充填する工程を容易に行うことができる。
本発明において、好ましくは、クレーズまたはクラックを形成する工程が、フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料にフィルム材料を浸漬させた状態で行われる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックを形成する工程を、液体材料にフィルム材料を浸漬させた状態で行うので、クレーズまたはクラックを形成する工程と、形成したクレーズまたはクラックにフィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を同時に行うことができる。これにより、製造工程を簡略化でき、製造時間を短縮できる。
本発明の積層光制御フィルムの製造方法は、基材フィルムと、前述の光制御フィルムの製造方法により製造された光制御フィルムとを積層する工程を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、前述の光制御フィルムの製造方法により製造された光制御フィルムを用いて積層光制御フィルムを製造するので、前述の光制御フィルムの製造方法と同様の効果が得られ、比較的大きなクレーズまたはクラックを形成でき、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することができる。
[第一実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。図1は、本発明の第一実施形態の光制御フィルムの製造方法に用いる光制御フィルムの製造装置1の構成の一部を模式的に示す図面である。
製造装置1は、フィルムの表面にクレーズまたはクラックを形成するためのクレーズ形成装置2を備えている。クレーズ形成装置2は、図1に示すように、矢印Aで示す長尺状のフィルムFの搬送方向に沿って上流側から、フィルムFが巻回された供給ロール4と、フィルムFの表面に、クレーズまたはクラックの起点部となる、ノッチを所定パターンで形成する起点パターン形成装置としてのドラム6と、フィルムFに曲げ変形を加えクレーズまたはクラックを形成する曲げロール8と、クレーズ等が形成されたフィルムFを巻き取る巻取りロール10とを備えている。フィルムFを巻回している供給ロール4にはトルクモータが取り付けられており、フィルム搬送時の張力をコントロールすることが可能となっている。
ドラム6は、フィルムFの幅より長さが長い円柱状の金属製部材であり、長手方向軸線Xを中心に回転可能に構成されている。図1に模式的に示されているように、ドラム6の外表面全体には、軸線方向に平行に延びる多数の刃6aが、規則的に配置されている。本実施形態の製造装置1では、刃6aは、三角形の断面形状を有し、約25μmピッチで並列配置されている。ピッチの違うドラムを用いることで、形成するノッチのピッチを変更することができる。
ドラム6の上流および下流側には、ガイドロール12、14がそれぞれ配置され、供給ロール4から搬送されてくる長尺状のフィルムFを所定の力でドラム6の外周面の刃6aに押しつけるように構成されている。
上述のようにドラム6は、長手方向軸線Xを中心に回転可能に構成されているので、フィルムFの搬送速度と同じ速度で回転し、外周面の刃6aに押しつけられるフィルムFの表面に刃6aに対応したパターンの、一定間隔のノッチを転写(形成)していく。
上述したように本実施形態の製造装置1では、刃6aは25μmピッチで並列配置されているので、長尺状のフィルムFには、ドラム6によって、全幅にわたって延びるノッチが、ドラム6の軸線方向と略平行な方向に、約25μm間隔で形成され、フィルムFの表面にこれらの互いに略平行な線状のノッチによるノッチパターンが転写される。
このとき、フィルムFにかかる張力は幅1cmあたり5〜100Nであることが好ましい。張力が5N未満の場合にはフィルムFにクレーズまたはクラックが形成されない場合があり、100Nを越える場合には、ノッチ以外の部分を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される場合がある。張力の適用範囲は、実際にはノッチの間隔によって変動するので、その間隔に応じて、適宜調整することが必要となる。また、フィルムFの引き取り速度は5cm/min以上が好ましい。
ここで、フィルムFは、ドラム6に設けられた刃6aによってノッチを形成可能であり、引張応力および/または曲げ応力を加えられることによってノッチを起点としてクレーズまたはクラックを形成されるものであれば、特に限定されないが、クレーズまたはクラックのコントロール性の点から非晶性の高分子材料が望ましい。
フィルムFの材料としては、具体的には、未架橋あるいは部分架橋したメタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリルニトリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂、紫外線硬化性透明樹脂、熱硬化性透明エポキシ樹脂等のフィルムが挙げられる。
また、フィルムFは、厚さが5μm以上500μm以下の範囲であるのが好ましく、10μm以上200μm以下の範囲がより好ましい。厚さが5μm以下になると、そのような薄膜を均一に形成することが困難であり、よって、現状では均一なクレーズまたはクラックを形成することが非常に困難である。また、厚さが500μm以上になると曲げ応力によって変形させにくくなり、フィルムの厚み方向に貫通するクレーズまたはクラックを形成することが難しくなるためである。
なお、フィルムFとして、上述したような材料のフィルムを透明樹脂フィルムに積層した複合シートを用いても良い。このとき使用される透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明フィルムが挙げられる。
本実施形態では、フィルムFは、10N/cm以下の張力をかけた状態で搬送されるのがよい。また、フィルムFとして、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下のフィルムが使用される。
曲げロール8は、ガイドレール14の下流側に配置され、矢印A方向に搬送されてくるフィルムFを外周に沿って、ノッチが形成された面が外側を向くようにして、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルムの厚さ)の曲げ半径となるように曲げ、フィルムFに曲げ応力を付与して、フィルムFにクレーズまたはクラックを形成するものである。したがって、曲げロール8を通過することによって、フィルムFにクレーズまたはクラックが形成される。このとき、フィルムFには、フィルムFの搬送方向Aに沿って張力および曲げ応力が加えられ、フィルムFには、ノッチを起点として、クレーズまたはクラックが形成される。各ノッチは、フィルムFの搬送方向と略直交する方向に、つまり曲げロール8の軸線と略平行な方向に形成されるので、クレーズまたはクラックは、ノッチ内に、つまり、ノッチの形成位置からフィルムFの厚さ方向に形成され、フィルムFの全幅にわたって連続的に、曲げロール8の軸線方向に略平行な方向に約25μm間隔で形成される。
本実施形態では、曲げロール8として、外径6mmの金属製円柱部材が使用されているが、他の寸法の円柱部材を使用してもよい。
また、曲げロール8に代えて、搬送されてくるフィルムFの経路をr/d<30(r=曲げ半径、d=フィルムの厚さ)の曲げ半径に沿って折り曲げる固定の曲げガイドを使用しても良い。
曲げロール8の下流側には、クレーズまたはクラックが形成されたフィルムF’を巻き取る巻き取りロール10が配置され、曲げロール8と巻き取りロール10との間には、ガイドロール16が設けられている。
供給ロール4、曲げロール8、巻取りロール10、およびガイドレール12,14,16の各ロールは、フィルムFを供給ロール4から巻取りロール10に順次、搬送することができるように回転可能に構成されている。
光制御フィルムの製造装置1は、クレーズまたはクラックが形成されたフィルムF’のクレーズまたはクラック内に、光吸収性物質、フィルムF’と屈折率が異なる透明樹脂等の、フィルムF’と異なる光学特性を有する物質を充填するクレーズ充填装置20を備える。
図2は、クレーズ充填装置20の構成を模式的に示す図面である。クレーズ充填装置20は、クレーズ形成装置2の下流側に設けられる。
クレーズ充填装置20は、図2に示されているように、矢印Bで示すフィルム搬送方向に沿って上流側から、巻回されているクレーズ付きフィルムF’を送り出す供給ロール22と、第1ガイドロール24と、充填物質を含む液体材料Lを収容する浸漬槽26と、浸漬槽26中に配置された第2ガイドロール28と、浸漬槽26の上方に配置された第3戯画緯度ロール30と、一対のクリーニングロール32、34と、加熱装置36と、巻取りロール38とを備えている。
クレーズ充填装置20の、各ロール22、24、28、30、32、34、38は、クレーズ付きフィルムF’を矢印B方向の搬送するように回転可能に構成されている。
本実施形態では、液体材料Lの充填物質として、顔料、または染料が選択されているが、これらの他に、カーボンナノチューブ、フラーレン、金属ナノ粒子等の光吸収性物質、または、フィルム材料と屈折率が異なる低屈折率のフッ素系高分子や高屈折率のイオウ含有高分子、フィルム材料と屈折率が異なるその他の樹脂などを選択しても良い。これらの充填物質は、クレーズまたはクラック内の空間に充填可能なサイズの粒子とされている。
また、本実施形態では、液体材料Lは、熱硬化性組成物を含んでいるが、熱硬化性組成物に代えて、フィルムを構成する樹脂材料を溶解させない溶剤、または紫外線硬化性組成物を含ませてもよい。
クリーニングロール32、34は、浸漬槽26でクレーズ付きフィルムF’の表面に付着した余分な液体材料L等をふき取るものである。このクリーニングロール32、34に代えて、液体材料をかきとる機能を有しているドクターブレードを使用してもよい。
加熱装置36は、浸漬槽26内の液体材料Lに浸漬されたフィルムF’に熱風を吹きつけ、クレーズ付きフィルムF’のクレーズ内に侵入している液体材料L中の熱硬化組成物を硬化させ、この液体材料中の充填物質をクレーズ内に固定させるものである。
液体材料(浸漬液)Lを構成する液体材料として光(紫外線)硬化性組成物が選択されたときには、加熱装置に代えて光(紫外線)照射装置が配置され、クレーズ付きフィルムF’のクレーズ内に侵入している液体材料L中の紫外線硬化性組成物を紫外線によって硬化させ、この液体材料中の充填物質をクレーズ内に固定させる。
溶剤を用いた場合は乾燥により、溶剤が揮散して、充填物質はクレーズまたはクラック内に固定される。
クレーズ充填装置20で行われる充填工程は、クレーズまたはクラックが新たに形成されることを回避するため、クレーズ形成装置2におけるクレーズまたはクラックの形成工程よりは低い張力、例えば0.5N以下の張力をクレーズ付きフィルムF’にかけた状態で、行われるのが好ましい。
第2ガイドロール28における曲げ曲率は、曲げロール6でのクレーズ形成における曲げ曲率、即ち、曲げロール8における曲げ曲率より大きくするのが好ましい。なお、第2ガイドロール28では、クレーズ付きフィルムF’は、クレーズが形成された側が外方に向くように配置される。
このような構成を有するクレーズ充填装置20によれば、クレーズ付きフィルムF’を浸漬槽26内の液体材料L中を搬送することにより、クレーズ付きフィルムF’のクレーズ内には、浸漬槽26内の充填物質を含有する液体材料Lが侵入する。このとき、液体材料Lは、ノッチパターン内にも侵入する。
その後、クレーズ内に侵入した充填物質を含む液体材料Lが熱硬化装置36によって硬化されることにより、充填物質は、クレーズ内に充填された状態で固定される。
以上の第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
クレーズまたはクラックが、ノッチパターンのノッチを起点として形成されるので、従来のものと比較して、より大きなクレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、クレーズまたはクラックの内部に、フィルムFの材料とは光学特性が異なる物質を充填しやすくなるから、光制御性を向上させることができる。
また、所定のパターンに配置されたノッチを起点としてクレーズまたはクラックが形成されるので、ノッチの形成間隔や形状を調整することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔を容易に制御できる。したがって、光制御フィルムの光学特性を高度に制御できる。
クレーズまたはクラックが、ノッチ内にのみに、ノッチの形成位置からフィルムFの厚さ方向に形成されるので、クレーズまたはクラックの形成方向、形成パターン等を、ノッチのパターンを調整することによって調整できる。したがって、光制御フィルムの光学特性を高度に制御できる。
ノッチが、一定間隔を有する線状に形成されているので、ドラム6を回転させながらフィルムFをドラム6に押しつけることで、フィルムFにノッチを容易に形成できる。また、これにより、クレーズまたはクラックも一定間隔を有する線状に形成されるので、クレーズまたはクラックの形状を確実に制御でき、シャープな視野制御性を得ることができる。
ノッチが、ドラム6によって機械的に転写されるので、ノッチを容易に形成できる。また、ドラム6を回転させることによって転写できるので、連続生産を容易に行うことができる。
クレーズまたはクラック内に液体材料Lを充填するので、光制御フィルムの光制御性を著しく向上させることができる。また、ノッチの幅寸法は、本実施形態ではクレーズまたはクラックの幅寸法よりも大きく形成されており、このノッチ内にも液体材料Lが導入されるので、光制御性をより一層向上させることができると考えられる。
なお、クレーズまたはクラックが形成されたフィルムF’を、上述したような透明樹脂フィルムに積層して複合シートとなった積層光制御フィルムとしてもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第二実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、クレーズまたはクラックを形成する工程と液体材料を充填する工程を同時に行う点が、第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
図3は、本発明の第二実施形態にかかる光制御フィルムの製造装置40を示す。本実施形態の製造装置40では、曲げロール8は、浸漬液Lを収容した浸漬槽26内に配置されている。
ドラム6によって、ノッチが形成されたフィルムFは、さらに、浸漬液Lを収容する浸漬槽26内に配置された曲げロール8の外周にかけられ、浸漬液L中で経路が曲げられる。この曲げによって、フィルムFに、曲げロール8の略接線方向に沿って曲げ応力および引張応力が加えられると、ノッチを起点として、ノッチ内にクレーズまたはクラックが発生する。つまり、クレーズまたはクラックは、ノッチの延びる方向に沿って、曲げロール8の軸方向に略平行な方向に一定間隔(約25μm)で形成される。フィルムFにクレーズまたはクラックを形成する行程は、浸漬槽26に収容された浸漬液L内で行なわれ、この結果、フィルムFにクレーズまたはクラックが形成されると同時に、形成されたクレーズまたはクラック内の空間に浸漬槽26内の浸漬液Lが侵入する。
以上のような第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
クレーズまたはクラックを形成する工程と、クレーズまたはクラックに液体材料を充填する工程とを同時に行うので、光制御フィルムの製造工程を簡略化でき、製造装置40の省スペース化を図れるとともに、製造時間の短縮を図れる。
また、クレーズまたはクラックが、曲げロール8によって開いた状態で、浸漬槽26に浸すことができるから、より確実に液体材料Lをクレーズまたはクラック内に充填できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、ノッチの形成方向に対するクレーズまたはクラックの形成方向が異なる点が、第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法とは異なる。
図4は、本発明の第三実施形態に係る光制御フィルムの製造装置50のドラム6を下から見た図である。この図4に示すように、本実施形態ではフィルムFの搬送方向が、ドラム6の接線方向に対して、例えば45°の角度傾けて配置される。このような構成により、フィルムFがドラム6上を搬送されると、フィルムFの長尺方向に対して角度を有する斜めの線状のノッチNが形成される。
なお、このようなノッチNは、例えば、ドラム6の外周に、長手方向に対して所定角度をなす刃を形成し、このドラム6をフィルムFの表面に押しつけることによって、形成してもよい。また、軸線方向に平行な刃を有するドラム6の軸線を、フィルムFの搬送方向に対して45°傾くように配置することにより、ノッチNを形成してもよい。
ノッチパターンNが形成されたフィルムFは、その後、曲げロール8の外周に剃って折り曲げられるが、このとき、フィルムFは、その長尺方向が曲げロール8の軸線方向に略直角となるように配置される。したがって、ノッチNの形成方向は、曲げロール8の軸線方向に対して、所定角度をなすように配置されることとなる。
フィルムFが曲げロール8の外周に沿って搬送されると、フィルムFの表面に張力および曲げ応力が加えられ、フィルムFには、ノッチを起点にして、曲げロール8の軸線に略平行な方向に延びるようにクレーズまたはクラックが形成される。ここで、ノッチは、曲げロール8の軸線に対して角度を有して延びるように形成されているので、クレーズまたはクラックは、ノッチを起点にして形成されるが、図5に示すように、ノッチの延びる方向に対して角度を有する方向に、ノッチの外側まで延びるように形成される。本実施形態では、クレーズまたはクラックは、隣接するノッチを起点として形成される隣のクレーズまたはクラックと連結することなく、微小で不連続な(断続的な)クレーズまたはクラックとなり、隣接するノッチを起点として形成されたクレーズまたはクラックとは独立している。したがって、クレーズまたはクラックは、線状のノッチに沿って所定方向に多数形成されることとなる。
以上のような第三実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
フィルムFに、ノッチの形成方向と交差する方向に曲げ応力を加えてクレーズまたはクラックを形成するので、フィルムFに、ノッチの形成方向に沿って配置され、曲げ応力がかかる方向と略直交する方向に延びる微小なクレーズまたはクラックを形成できる。
また、ノッチを起点にして、線状のノッチに沿って微小なクレーズまたはクラックが形成されるので、ノッチの形成密度を調整することにより、クレーズまたはクラックが形成される密度もある程度制御できるから、光制御性を向上させることができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第四実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、クレーズまたはクラックをフィルムFの表面上の二方向に形成した点が、第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
まず、第三実施形態と同様に、フィルムFに、ドラム6の接線方向に対して、例えば45°の角度を有する斜めの線状のパターンを有するノッチを形成する。
次に、ノッチの延びる方向が曲げロール8の軸線方向と略平行となるようにフィルムFを配置し、曲げロール8で曲げ応力を加える。ノッチの形成方向に略直交する方向に曲げ変形を加えることにより、フィルムFの表面には、ノッチを起点にして、ノッチの延びる方向に沿って、フィルムFの全幅にわたって連続的な第1のクレーズまたはクラックが形成される。第1のクレーズまたはクラックは、フィルムFの長尺方向に対して約45°の角度で斜めに形成されることとなる。
その後、フィルムFの搬送方向またはドラム6の角度を、約90°変更し、再びクレーズ形成装置50にフィルムFを通し、第1のクレーズまたはクラックの形成方向に対して略直交する方向に沿ってフィルムFを搬送する。フィルムFに、第1のクレーズまたはクラックの形成方向と略直交する方向に張力および曲げ応力を加えると、第1のクレーズまたはクラックを起点として、第1のクレーズまたはクラックの形成方向に略直交する方向に、第2のクレーズまたはクラックが形成される。
ここで、ノッチの延びる方向に対して略直交する方向にクレーズまたはクラックを形成する場合には、ノッチの形状やピッチによって、連続したクレーズまたはクラックが得られる。例えば、フィルムFの幅方向に連続的なクレーズまたはクラックを形成する場合には、線状のノッチの間隔を75μm以下にすることが好ましい。また、50μm以下とすることが、さらに好ましい。ノッチの間隔が100μm以上となると、形成されるクレーズまたはクラックが不連続のものとなる。本実施形態では、図6に示すように、第2のクレーズまたはクラックは、隣接する第1のクレーズまたはクラックを起点として形成された第2のクレーズまたはクラックと連結して、連続的に形成される。
以上のような第四実施形態によれば、第三実施形態と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
フィルムFに、互いに略直交する二方向に張力および曲げ応力を加えるので、フィルムFの表面に、第1のクレーズまたはクラックと、これに略直交する方向に形成された第2のクレーズまたはクラックを形成できる。したがって、光制御フィルムの光制御性をより高度に制御できる。また、この場合に、第1のクレーズまたはクラックのために、第1のノッチを形成しているので、クレーズまたはクラックの間隔を正確に設定できる。
第1のクレーズまたはクラックを、第2のクレーズまたはクラックの形成のための起点として利用するので、第2のクレーズまたはクラックのための第2のノッチを形成する必要がないから、光制御フィルムの製造工程を簡略化でき、製造時間を短縮することができる。
フィルムFの搬送方向をドラム6および曲げロール8に対して約45°傾け、ノッチおよびクレーズまたはクラックを斜めに形成するので、二方向にクレーズまたはクラックが形成された光制御フィルムを連続生産することができ、生産性を向上させることができる。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第五実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、ノッチの形状が、ドットであることが第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
図7は、第五実施形態の光制御フィルムの製造装置60の一部を示す。この図7に示すように、製造装置60のドラム61は、第一実施形態のように軸線方向に沿って刃が形成されているものとは異なり、ドラム61の外面に、ランダムに、ドット状の突起が多数形成されている。ドットは、ドラム61の外面に、ランダムに無数形成されており、隣接するドットは、ドラム61の軸線Yに沿った方向に整列しないように配置されている。
このような製造装置60において、フィルムFを搬送すると、ドラム61上の突起にフィルムFが押しつけられることによって、フィルムFにドット状のノッチが形成される。このフィルムを、曲げロール8で曲げると、ドット状のノッチを起点にして、張力および曲げ応力を加えた方向と略直交する方向に、つまり曲げロール8の軸線方向に沿った方向に、クレーズまたはクラックが形成される。形成されたクレーズまたはクラックは、図8に示すように、隣接するノッチを起点として発生したクレーズまたはクラックから独立して、不連続に形成される。
なお、クレーズまたはクラックは、曲げロール8の軸線方向に沿って隣接するノッチの距離や、曲げロール8の曲げ半径などに応じて、隣接するノッチを起点として発生したクレーズまたはクラックと連続する場合もある。また、ドットの配列を、クレーズまたはクラックの延びる方向に沿って十分小さい間隔で整列させると、クレーズまたはクラックを連続的に形成することができるし、また、ドットの配列を整列させなければ、断続的な不連続のクレーズまたはクラックを形成することができる。
さらに、このようなドット状のノッチをドラム6を押しつけることによって形成したが、これに限らず例えばサンドペーパー等をフィルムに押しつけることによってノッチを形成したり、サンドブラスト装置によって形成してもよい。
このような第五実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
起点部がドット状のノッチで構成されているので、ドラム6を回転させながらフィルムFをドラム6に押しつけることで、簡単に所望のパターンのノッチを形成できる。また、ノッチが、ドット状に形成されているので、曲げロール8による曲げ方向に応じた方向にクレーズまたはクラックを形成できる。さらに、ノッチがドット状に形成されているので、ノッチの密度などを調整することによって、クレーズまたはクラックの形成密度やパターンを調整することができる。
クレーズまたはクラックが、隣接するノッチを起点にして形成されたクレーズまたはクラックから独立しているので、フィルムFの表面の寸法が比較的小さい微小なクレーズまたはクラックを形成できる。この場合でも、ノッチを起点にしてクレーズまたはクラックが形成されているので、クレーズまたはクラック内に、フィルムFの材料とは光学特性が異なる物質を良好に充填することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、起点部は、刃でフィルムの表面を傷つけることによって形成してもよい。また、起点部は、前述の実施形態のように、フィルムの表面を物理的に変形させて形成された、凹状に形成されるノッチ(凹部)に限らず、フィルムに曲げ変形を加えたときに、その部分からクレーズまたはクラックが生じるような起点となるものであればどのようなものでもよい。
つまり、クレーズまたはクラックを形成する際の起点となる所定パターンを有する起点部を形成する工程は、例えば、フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、フィルム材料内に起点パターンに対応する潜像を形成することによって、フィルム材料に起点部を形成してもよい。この場合には、起点部のパターンに対応するように所定幅寸法のスリットが所定ピッチで打ち抜かれたアルミ箔マスクをフィルム材料に被せ、上方から紫外線等の活性光線を照射すればよい。
この方法は、紫外線照射で主鎖切断が生じるメタクリル系樹脂材料をフィルム材料として使用した場合に有効である。
この方法では、マスクを被せた状態で光照射部を連続的に通すことによって起点部を形成するのであるが、最終的に用いる光部品にとって最適となる所望の長さのマスクを使用し、そのマスクをのせ替えることによって、断続的に起点部が形成される。また、キャタビラのような連続シート状のマスクを使用し、フィルム材の移動とともに同じスピードでマスクパターンを連続的に移動させることによって、マスクのパターンを連続的に転写することもできる。また、この起点部はレーザー光を高速に移動させ描画することによっても、形成することができる。
また、例えば、形成する起点部のパターンに対応するように有機溶剤をインクジェットプリンタヘッドにより、所望の起点部に合致したパターンをフィルム状に印刷することにより、フィルム上に溶剤による膨潤層を形成することによって、フィルム材料に起点部を形成するものであってもよい。ここで用いる溶剤は、フィルム基材を溶解する能力があり、揮発性があるものであれば使用可能である。好適な溶剤としては、アセトン、2-ブタノン、等の低沸点の脂肪族ケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等の低沸点の塩素化合物、低沸点の各種エーテル化合物、酢酸エチル、酢酸メチル等の脂肪族エステル類、エタノール、メタノールに代表される低沸点のアルコール類等があげられる。
起点部の形状、パターンは、所定間隔を有して互いに略平行に配置される線状のパターンに限らず、例えばドット状のものや、連続的、断続的な線状のものなど、その形状、寸法等は、光制御フィルムの使用用途、必要とされる仕様等に応じて任意に選択できる。したがって、起点部は、例えば、波状、曲線状のものであってもよい。
また、起点部は、所定の方向に一定間隔で形成されているものに限らず、光制御フィルムの仕様用途等に応じて、一つのフィルム内で、形成間隔を変動させてもよい。
クレーズまたはクラックの形成方向は、起点部の延びる方向に沿っていてもよいし、起点部の延びる方向に対して交差していてもよく、あるいは略直交していてもよい。起点部の延びる方向に対して交差する方向にクレーズまたはクラックを形成する場合には、起点部の形状やピッチ等のパターンによって、断続的なクレーズまたはクラックが得られる。
クレーズまたはクラックは、隣の起点部を起点として形成されるクレーズまたはクラックと連結する連続的なものであってもよく、あるいは、不連続に断続的に形成されるものであってもよい。なお、クレーズまたはクラックが、起点部から、フィルム材料の厚さ方向に形成される場合に、例えば、起点パターンの形成に、マスクを用いて活性光線を露光する場合や、インクジェット方式を用いる場合に、マスクを通過する際の回折現象等や、インクのにじみ等により、起点パターンの幅寸法がクレーズまたはクラックの幅寸法に対して大きくなる。このような場合、クレーズまたはクラックが、起点パターン内で完全に連続的に形成されない場合もある。しかし、このような場合でも、クレーズまたはクラックは、起点パターン内に選択的に形成され、連続的に形成された場合と同様の機能を発現する。
フィルムの表面に、二方向に延びる第1および第2のクレーズまたはクラックを形成する場合に、第1および第2のクレーズまたはクラックは、互いに略直交せず、ある角度を有して交差して配置されていてもよい。
また、第1および第2のクレーズまたはクラックを形成する場合には、第四実施毛位置あのように、第1のクレーズまたはクラックを第2のクレーズまたはクラックの起点とする方法の他、例えば第2のクレーズまたはクラックの形成方向に沿って、あるいは角度を有して、第2の起点パターンを形成してもよい。この第2の起点パターンの形成は、第1のクレーズまたはクラックを形成する前に行ってもよく、あるいは、その後に行ってもよい。このように、第2のクレーズまたはクラックに対応する起点パターンを形成しておくことにより、第2のクレーズまたはクラックのピッチ及び形状を正確にコントロールすることができる。
また、第五実施形態のように、フィルムにドット状の起点部を形成する場合には、フィルムを異なる二方向に曲げ変形させれば、ドット状の起点が、両方向のクレーズまたはクラックのための起点を兼ねることができると考えられる。
第2のクレーズまたはクラックを形成する手法としては、例えば、連続するフィルムに、第1のクレーズまたはクラックを形成後、フィルムを一旦ある程度の長さに切断し、そのフィルムを補助フィルムと両面粘着テープ等で接続することで長尺状のフィルムを形成し、このフィルムをもう一度クレーズ形成装置で搬送して、第2のクレーズまたはクラックを形成することが考えられる。あるいは、第1のクレーズまたはクラックを形成後、ある程度の長さに切断したフィルムを、曲率をかけた状態においてバッチで張力および曲げ応力を加えてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、実施例および比較例におけるフィルムの視野制御性の評価は、図9に示されているように、平行光線をシート表面に垂直に入射させたときの透過率と、平行光線をシート表面に対して60度の角度で入射させたときの透過率を計測し、これらを比較することによって行った。
(実施例1)
厚さ125μmの幅10cmのポリエステルフィルムに、メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリライトL)をメチルエチルケトンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗布した後、乾燥させ、厚さ150μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成した。
この複合フィルムを用い、幅2μmのスリットが50μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクをフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射し、フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、フィルム内にノッチパターンに対応する潜像を形成することによって、フィルムにノッチパターンを付与した。
その後、この複合フィルムをフィルムFとして使用して、図1のクレーズ形成装置1でドラム6によるノッチパターンの形成工程を省いて、光制御フィルム(ルーバー入りフィルム)を製造した。引き取り速度は毎分56cm、張力2N/cm(アルファミラージュ(株)製 デジタルフォースゲージ クイックミニ25で測定した値)の条件でフィルムを引き取った。曲げロール8の直径は6mmとした。
このフィルム材料を、液体材料として熱硬化性塗料を、充填物質としてカーボンブラックを用いた液体材料中を通し、表面に付着した液体材料を取除した後に、黒色塗料を熱硬化させることで光制御フィルムとした。
完成したルーバー入りフィルムは、ルーバーの間隔がノッチパターンの50μmとほぼ同一のピッチとなり、きわめて制御されたものであった。また、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が82%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.3%であり、透過率は高く、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、厚さ125μmの幅30cmのポリエステルフィルムに、厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成した。このフィルムを図1のクレーズ形成装置2を用い、約25μmのピッチでドラム6の軸線方向と略平行に配置された刃6aにフィルムを押しつけることにより、引き取り方向(搬送方向)と垂直に線状の25μmピッチの第1のノッチパターンを入れた。その後、直径4mmの曲げロール8に通し、ノッチと平行に折り曲げて曲げ応力を加え、170°の角度で変形させながら通過させ、25μmピッチの第1の線状クレーズを発生させた。この際に搬送速度は40cm/minであり、張力5N/cmをかけていた。なお、曲げロール8の直径を4mmに設定しているが、これは、本実施例のようにノッチパターンの間隔が小さいと、フィルムの張力を高くするか、曲げロール8の直径を小さくするなどの対応が必要となってくるからである。本実施例では、曲げロール8を第一実施形態の6mmよりも小さい4mmとすることで、間隔の小さいノッチパターンの形成を可能としている。
この得られたフィルムを長さ30cmに切断し、先に使用した連続したポリエステルフィルムに強力両面テープでつなぎ合わせて、さらに図1の装置を用い、第1の線状クレーズの形成時と同じ条件で、第1の線状クレーズの形成方向と略直交する方向に再度ノッチを入れて第2のノッチパターンを形成し、同様の条件でノッチの形成方向と平行にフィルムを折り曲げて第2の線状クレーズを形成し、これらの第1および第2の線状クレーズによって、フィルムに互いに交差する格子状クレーズを作成した。その後強力両面テープをはずし、略直交した方向に格子状のクレーズを有する30cm×30cmのフィルムを得た。
山陽色素株式会社製カーボンブラックナノ水分散液EMACOL BLACK Cを液体材料として使用して、このフィルム材料を、液体材料中に通し、表面に付着した液体材料を取除した後に、水を揮発除去してクレーズ中へカーボンブラックを導入した光制御フィルムとした。
完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が78%、それぞれのクレーズの形成方向と平行な向きからフィルム表面に60度で入射させたときの透過率は第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.2%であり、第2のクレーズの形成方向に対しては1.3%となり、透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性を示した。
(実施例3)
実施例2で作成したフィルムを、実施例2と同様の操作を行うのであるが、第2のクレーズを形成する際に、第1のクレーズの形成方向をフィルムの長尺方向(曲げロール8の接線方向)に対して40°傾けた状態で、クレーズ形成装置にかけた。その際には図10に示すように第1のクレーズに添った形で搬送方向と垂直の方向に、微小なクレーズで構成される第2のクレーズが形成された。
実施例2と同様にしてクレーズ中へカーボンブラックを導入した。完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が78%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は、第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.2%であり、第1のクレーズの形成方向と垂直な場合は40.5%となり、異方性が確認された。透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性と視野選択性の異方性を示した。
(実施例4)
実施例2で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステル複合フィルムを図1のクレーズ形成装置2を用い、図4のようにドラム6に対するフィルムの位置構成を変更することで、引き取り方向と45°の角度でドラム6を通し、フィルムの長さ方向に対し45°傾いた第1のノッチパターンを形成した。さらに第1のノッチの方向と曲げロール8の軸線方向が平行に配置されるように曲げロール8の軸線に対しても45°の角度で通し、フィルム長さ方向と45°の角度を有する第1の線状のクレーズまたはクラックを形成した。さらにフィルムの引き取り方向と-45°の角度で同様に装置を通し、フィルム長さ方向と-45°の角度を有する25μmピッチの第2の線状クレーズを発生させた。発生した2つの方向を有する線状クレーズは、互いに略直交し、フィルムには、交差する二方向のクレーズを有する格子状クレーズが形成された。この際の一連の処理において、搬送速度は40cm/minであり、張力5N/cmであった。また、曲げロール8の直径は4mmとした。
次に、連続的に一旦テンションをカットし、搬送方向をフィルムの長尺方向に平行に変更した後に、図2記載のクレーズ充填装置20へ導入した。クレーズ充填装置20の充填槽26には山陽色素株式会社製カーボンブラックナノ水分散液EMACOL BLACK Cが満たしてあり、その温度は20℃に保たれていた。フィルムの浸漬距離は40cmに設計されていた。(浸漬時間は1分)その後ドクターブレードにより余分な液を除去し、80℃の熱風を吹き付ける加熱装置36を通し水分を除去し、クレーズ中にカーボンブラックを導入した光制御フィルムを得た。
完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が78%、それぞれのクレーズの形成方向と平行な向きからフィルム表面に60度で入射させたときの透過率は第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.3%であり、第2のクレーズの形成方向に対しては1.4%となり、透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性を示した。
(実施例5)
実施例2で作成した25μmピッチの第1の線状クレーズを有するフィルムを、再びドラム6を除いた図1の装置を用いて、張力7N/cmをかけた状態で搬送速度は20cm/minで、フィルムの連続方向に直径4mmの変形ロール8に通し、第1のクレーズと直交の関係で折り曲げ、170°の角度で変形させながら通過させたところ、実施例1のように完全に規則的では無いものの、平均ピッチで約30μmの第2のクレーズが第1のクレーズを起点として、第1のクレーズの形成方向とは略直交した方向に形成できた。このフィルムは連続的に作成することができた。
実施例1と同様にして、クレーズにカーボンブラックを充填し、光制御フィルムを形成した。完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が79%、それぞれのクレーズの形成方向と平行な向きからフィルム表面に60度で入射させたときの透過率は第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.2%であり、第2のクレーズの形成方向に対しては1.9%となり、透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性を示した。
(実施例6)
厚さ50μmの幅10cmのポリエステルフィルムに、メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリライトL)をメチルエチルケトンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗布した後、乾燥させ、厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成し、この複合フィルムをフィルム材料2として使用して、図3の製造装置1で光制御フィルム(ルーバー入りフィルム)を製造した。
ドラム6でノッチパターンを付与したフィルム材料を、液体材料として熱硬化性塗料を、充填物質としてカーボンブラックを用いた浸漬液中で曲げロール8に沿って曲げることによって曲げ応力等をかけ、ノッチパターンを起点とするクレーズを形成した。その後、黒色塗料を熱硬化させることで光制御フィルムとした。
この際の引き取り速度は25cm/minで張力は15N/cm(フィルム幅方向単位張力)で、浸漬温度は15℃の条件で処理を行った。また、曲げロール8の直径は6mmとした。
完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が80%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.5%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例7)
メタクリル樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムに代えて厚さ0.4mm、幅10cmのアクリル樹脂板を用い、ノッチパターンを200μmとした以外は実施例6と同様の方法でシートルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が83%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.2%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例8)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクをフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射する以外は実施例6と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
この時、マスクパターンの2μmに対し、形成されたノッチパターンは幅5μmに広がっていた。形成されたクレーズまたはクラックは連続的とはいえないが、ノッチパターン中に選択的に形成されていた。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が81%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例9)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1においてドラム6に押し付る代わりに、インクジェットヘッドを用い幅3μmでピッチ25μmで2-ブタノンを印刷した以外は実施例6と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
この際、マスクパターンの形成のために印画した設定は幅2μmであったが、形成されたノッチパターンは幅4μmに広がっていた。形成されたクラックまたはクレーズは実施例12のものと同様に連続的とはいえないが、ノッチパターン中に選択的に形成されていた。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が79%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例10)
実施例1において、カーボンブラック入り熱硬化性塗料の代わりに、フッ化ビニリデンとテトラフルオルエチレンが重量比で80対20の割合で共重合されたフッ素系ポリマー(屈折率nD:1.38)をエチルアセテートに溶解した溶液を用いて、液温を5℃とする以外は実施例1と同様の方法で、ルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が72%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は7.0%であり、比較的明るくシャープな視野制御性を示した。
(実施例11)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6で物理的にノッチパターンをつける代わりに、バッチ処理とはなるが、長さ20cm、幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向がフィルムの搬送方向と略直交となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して20cmの長さで紫外光によるノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
この複合フィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力10N/cmで処理することで、搬送方向に略直交して延びるクレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
この時、マスクパターンの幅2μmに対し、形成されたノッチパターンの幅は約5μmに広がっていた。形成されたクレーズまたはクラックの顕微鏡写真を図11に示す。クレーズまたはクラックは連続的とはいえないが、ノッチパターン中に選択的に形成されていた。
次にクレーズまたはクラックを形成した複合フィルムを、水分散カーボンブラック(東海カーボン(株)製)を収容した温度17℃の浸漬槽26に浸漬し、直径10mmのガイドロールにポリエステル面が接するように搬送速度20cm/min、張力0.5N/cmで通過させた。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が79%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例12)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、1000番のサンドペーパーを用い、そのサンドペーパーをフィルムに押し付けることによって、ドット状のノッチパターンを得た。
この複合フィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力10N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
この時、形成されたクレーズまたはクラックの顕微鏡写真を図12に示す。クレーズまたはクラックは全てとはいえないが、ドット状のノッチパターンを起点として選択的に形成されているのがわかる。
次にクレーズまたはクラックを形成した複合フィルムを、水分散カーボンブラック(東海カーボン(株)製)を収容した温度17℃の浸漬槽26に浸漬し、直径10mmのガイドローラーにポリエステル面が接するように搬送速度20cm/min、張力0.5N/cmで通過させた。
(実施例13)
実施例12と同様の複合フィルムを用い、複合フィルムの半面を1000番のサンドペーパーに、もう半面を500番のサンドペーパーに押し付けて、ドットパターンのノッチを形成した。500番のサンドペーパーを用いた場合、1000番のものを用いた場合に比較して、ドットパターン密度は半分になった。
このフィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力8N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
図13および図14に示すように、500番のサンドペーパーでノッチをつけた側は、クレーズまたはクラックの密度も半分近くになった。
(実施例14)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6で物理的にノッチパターンをつける代わりに、バッチ処理とはなるが長さ20cm、幅5μmのスリットが50μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向がフィルムの搬送方向と約45°となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して紫外光による長さ20cmのノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
この複合フィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力10N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
この時、マスクパターンの5μmに対し、形成されたノッチパターンの幅は約10μmに広がっていた。形成されたクレーズまたはクラックは、連続的なものではなく、ノッチパターン中に沿って搬送方向に対して45°の方向に配列された微小なクレーズまたはクラックが形成されていた。このときの顕微鏡写真を図15に示す。うっすらと45°の角度で見えているのが、紫外線によるノッチパターンで、そこに沿って微小クレーズまたはクラックが確認できる。
(実施例15)
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、長さ20cm、幅2μmのスリットが25μmのピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向が、フィルムの搬送方向と平行となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して紫外光による長さ20cmのノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
この複合フィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力12N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
この時、マスクパターンの2μmに対し、形成されたノッチパターンの幅は約5μmに広がっていた。形成されたクラックまたはクレーズの顕微鏡写真を図16に示す。クレーズまたはクラックは連続的なものになっており、ノッチパターンの形成方向と略垂直な方向に形成されていた。
次に、この複合フィルムを、水分散カーボンブラック(東海カーボン(株)製)を収容した温度17℃の浸漬槽26に浸漬し、直径10mmのガイドロールにポリエステル面が接するように搬送速度20cm/min、張力0.5N/cmで通過させた。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が72%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例16)
マスクパターンとして100μmピッチのものを用い、直径6mmの曲げロール8を用いた以外、実施例15と同様にして、クレーズまたはクラックを形成した複合フィルムおよびカーボンブラック含有複合フィルムを作成した。
形成されたクレーズまたはクラックは、ところにより不連続なものとなっていた。
完成したルーバー入りフィルムは透過率が73%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.6%であった。
(比較例)
ノッチパターンの付与工程を省き、さらに製造装置1の曲げロール8に代えて頂角30度、剣先径約100μmの円形状ステンレス製ブレードを使用する以外は、実施例1と同様の条件でクレーズを発生させ、カーボンブラックを含有するフィルムを作成した。
完成したフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が60%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は1%であり、透過特性が不十分であった。
本発明の第一実施形態に係る光制御フィルムの製造装置の一部を示す概略図である。 本発明の第一実施形態に係る光制御フィルムの製造装置の一部を示す概略図である。 本発明の第二実施形態に係る光制御フィルムの製造装置を示す概略図である。 本発明の第三実施形態に係る光制御フィルムの製造装置の一部を示す概略図である。 本発明の第三実施形態に係る光制御フィルムのノッチパターンおよびクレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の第四実施形態に係る光制御フィルムのクレーズまたはクラックの形成パターンを示す図である。 本発明の第五実施形態に係る光制御フィルムの製造装置の一部を示す図である。 本発明の第五実施形態に係る光制御フィルムのクレーズまたはクラックの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例等におけるフィルムの視野制御性の評価方法を説明する為の図面である。 本発明の実施例3における光制御フィルムのクレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例11における光制御フィルムのクレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例12における光制御フィルムのクレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例13において1000番のサンドペーパーを用いてノッチパターンを形成した場合の、クレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例13において500番のサンドペーパーを用いてノッチパターンを形成した場合の、クレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例14における光制御フィルムのクレーズの形成パターンを示す図である。 本発明の実施例15における光制御フィルムのクレーズの形成パターンを示す図である。
符号の説明
1:光制御フィルムの製造装置
2:クレーズ形成装置
6:ドラム
8:曲げロール
10:巻取りロール
20:クレーズ充填装置
22:供給ロール
26:浸漬槽
32、34:クリーニングロール
36:加熱装置
F:フィルム
F’:クレーズ付きフィルム
L:液体材料
A:搬送方向

Claims (37)

  1. フィルム材料の表面に所定パターンで配置された複数の起点部を起点にして形成されたクレーズまたはクラックを備えている、
    ことを特徴とする光制御フィルム。
  2. 前記起点部は、直線状である、
    請求項1に記載の光制御フィルム。
  3. 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部から前記フィルム材料の厚さ方向に延びるように形成されている、
    請求項2に記載の光制御フィルム。
  4. 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部が延びる方向と交差して延びるように形成されている、
    請求項1または2に記載の光制御フィルム。
  5. 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部が延びる方向と略直交して延びるように形成されている、
    請求項4に記載の光制御フィルム。
  6. 前記起点部は、ドットである、
    請求項1に記載の光制御フィルム。
  7. 前記複数の起点部が、一定の間隔で形成されている
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  8. 一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する前記起点部を起点としたクレーズまたはクラックから独立している、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  9. 一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する前記起点部を起点としたクレーズまたはクラックと連続している、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  10. 前記起点部は、第1の起点部および第2の起点部を有し、
    前記クレーズまたはクラックは、前記第1の起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、前記第2の起点部を起点にし、前記第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックとを有する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  11. 前記クレーズまたはクラックは、前記起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、前記第1のクレーズまたはクラックを起点にし、前記第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックを有する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  12. 前記第1のクレーズまたはクラックと前記第2のクレーズまたはクラックは、略直交する、
    請求項10または請求項11に記載の光制御フィルム。
  13. 前記クレーズまたはクラックに、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質が充填されている、
    請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  14. 前記フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、
    前記クレーズまたはクラックは、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによって形成される、
    請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
  15. 基材フィルムと、この基材フィルムに積層された請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の光制御フィルムとを備えている、
    ことを特徴とする積層光制御フィルム。
  16. フィルム材料の表面に所定のパターンで複数の起点部を形成する工程と、
    前記起点部を起点としてクレーズまたはクラックを形成する工程と、を備えている、
    ことを特徴とする光制御フィルムの製造方法。
  17. 前記起点部を形成する工程は、前記フィルム材料の表面に起点部に対応した型を押しつける工程である、
    請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。
  18. 前記型は、外周面に凸部が形成されたドラムである、
    請求項17に記載の光制御フィルムの製造方法。
  19. 前記起点部を形成する工程は、前記起点部に対応した刃で前記フィルム材料に傷を付ける工程である、
    請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。
  20. 前記起点部を形成する工程は、前記フィルム材料の起点部に対応する部分の特性を変化させる工程である、
    請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。
  21. 前記特性を変化させる工程は、所定パターンのマスクを被せた前記フィルム材料に電磁波を照射する工程を含む、
    請求項20に記載の光制御フィルムの製造方法。
  22. 前記特性を変化させる工程は、前記フィルム材料の表面の前記起点部に対応する部分に有機溶剤を付着させる工程を含む、
    請求項20に記載の光制御フィルムの製造方法。
  23. 前記起点部がドットである、
    請求項16から請求項22のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  24. 前記起点部が線状である、
    請求項16から請求項22のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  25. 前記フィルム材料が長尺状であり、
    前記線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に延びている、
    請求項24に記載の光制御フィルムの製造方法。
  26. 前記フィルム材料が長尺状であり、
    前記線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に対して傾斜して延びている、
    請求項24に記載の光制御フィルムの製造方法。
  27. 前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、前記フィルム材料に張力を加えながら曲げ応力を加えることによってなされる、
    請求項16から請求項26のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  28. 前記起点部が線状であり、
    前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
    請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。
  29. 前記起点部が線状であり、
    前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向に略平行な方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
    請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。
  30. 前記起点部が線状であり、
    前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向と交差する方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
    請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。
  31. 前記起点部を形成する工程が、第1の起点部を形成する工程と、第2の起点部を形成する工程とを含み、
    前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、前記第1の起点部を起点にして第1のクレーズまたはクラックを形成する工程と、前記第2の起点部を起点にして前記第1のクレーズまたはクラックの形成方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程とを含む、
    請求項16から請求項30のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  32. 前記クレーズまたはクラックを起点として、該クレーズまたはクラックが延びる方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程をさらに備えている、
    請求項16から請求項30のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  33. 前記フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、
    前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによってなされる、
    請求項16から請求項32のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  34. 前記クレーズまたはクラック内に前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を、更に備えている、
    請求項16から請求項33のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
  35. 前記光学特性が異なる物質を充填する工程が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料に前記フィルム材料を浸漬させる工程を含む、
    請求項34に記載の光制御フィルムの製造方法。
  36. 前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料に前記フィルム材料を浸漬させた状態で行われる、
    請求項34に記載の光制御フィルムの製造方法。
  37. 基材フィルムと、請求項16から請求項36のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法により製造された前記光制御フィルムとを積層する工程を備えた
    ことを特徴とする積層光制御フィルムの製造方法。
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