JPWO2007046467A1 - 光制御フィルム、積層光制御フィルム、光制御フィルムの製造方法、および積層光制御フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このように構成された本発明においては、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、より大きな(深い)クレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、例えばクレーズまたはクラックに光学特性が異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。また、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、起点部を所望の間隔や密度で形成することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
このように構成された本発明においては、起点部が直線状に形成されているので、この直線状の起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、直線状の起点部の間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、起点部からフィルムの厚さ方向に延びるように形成されているので、クレーズまたはクラックの形成パターンが、起点パターンに応じて形成される。したがって、起点部の形成パターンを制御することにより、クレーズまたはクラックを所望の位置に所望の間隔で形成できる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御できる。
本発明においては、好ましくは、クレーズまたはクラックは、線状の起点部が延びる方向と略直交して延びるように形成されている。
このように構成された本発明においては、起点部がドットであるので、このドット(起点部)を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、ドットの間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔等の形成パターンを制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。また、ドットのパターンに応じてクレーズまたはクラックが形成されるので、任意の点に任意の密度でクレーズまたはクラックを形成することができる。したがって、一つの光制御フィルムの中でも、異なる密度、パターンのクレーズまたはクラックを形成することも可能となる。
このように構成された本発明においては、複数の起点部が一定の間隔で形成されているので、クレーズまたはクラックの形成パターンを、起点部に対応して一定の間隔で容易に形成できる。したがって、光制御フィルムの光学特性を容易且つ高度に制御できる。また、起点部が一定間隔で形成されているので、所定パターンの起点部を形成する工程を容易に行え、製造工程を簡略化できる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックから独立しているので、個々のクレーズまたはクラックの表面寸法が微小となる。したがって、光制御フィルムの光学特性を細かく制御することが可能となる。
このように構成された本発明においては、クレーズ又はクラックが、隣接する起点部を起点としたクレーズまたはクラックと連続しているので、一つのクレーズまたはクラックの表面寸法が大きくなる。したがって、光制御フィルムの光学特性をより良好に制御することができ、クレーズまたはクラック内に光学特性の異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、互いに交差する第1および第2のクレーズまたはクラックを有しているので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックが、互いに交差する第1および第2のクレーズまたはクラックを有しているので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。また、第2のクレーズまたはクラックは、第1のクレーズまたはクラックを起点として形成されているので、第2のクレーズまたはクラックのために、起点パターンを別途形成する必要がないため、光制御フィルムの製造工程が簡単となり、製造時間が短縮される。
また、本発明において、第1のクレーズまたはクラックと第2のクレーズまたはクラックは、略直交することが好ましい。
このように構成された本発明においては、フィルム材料と光学特性が異なる物質が、クレーズまたはクラックに充填されているので、視野角特性や、透過率等の光学特性がより優れた光制御フィルムを提供することが可能となる。
このように構成された本発明においては、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下のフィルム材料を曲げ変形させてクレーズまたはクラックを形成することにより、非常にシャープな形状のクレーズまたはクラックを、均一なピッチで形成することが可能になる。
また、使用するフィルム材料の曲げ弾性率が、2900Mpa以下の場合は、曲げ変形を加えた段階で断裂してしまい、安定した製造が行うことができなくなる。
このような構成の本発明においては、積層光制御フィルムが、前述の光制御フィルムを備えているので、前述の光制御フィルムの効果と同様の効果が得られ、クレーズまたはクラックの形成位置が制御され、比較的大きなクレーズまたはクラックを形成することができ、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
このように構成された本発明においては、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、より大きな(深い)クレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、例えばクレーズまたはクラックに光学特性が異なる物質を導入しやすくなり、光制御性等を高めることが容易に可能となる。また、起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成されるので、起点部を所望の間隔や密度で形成することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの透過、散乱等の光学特性を高度に制御することが可能となる。
このように構成された本発明においては、起点部を形成する工程は、型を押しつける工程であるので、簡単な作業で起点部を形成することができる。また、型が起点部に対応して形成されているので、起点部のパターンを正確にフィルム材料に形成することができる。
このように構成された本発明においては、型が、外周面に凸部が形成されたドラムであるので、ドラムを回転させながらフィルム材料に押しつけることにより、容易に起点部を形成することができる。また、型が、ドラムであるので、連続的に光制御フィルムを製造することができ、生産性が向上する。
このように構成された本発明においては、刃でフィルム材料を傷つけることによって起点部を形成するので、起点部を簡単に形成することができる。
このように構成された本発明においては、フィルム材料の起点部に対応する部分の特性を変化させることによって、起点部を形成するので、物理的に起点部を形成する場合に比べて、フィルム材料を傷つけることなく起点部を形成することができる。また、フィルム材料の特性を変化させることによって起点部を形成するので、起点部の間隔等の形成パターンを高精度に制御できる。
あるいは、本発明において、特性を変化させる工程は、フィルム材料の表面の起点部に対応する部分に有機溶剤を付着させる工程を含むことが好ましい。
このように構成された本発明においては、起点部がドットであるので、このドット(起点部)を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、ドットの間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔等の形成パターンを制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。また、ドットのパターンに応じてクレーズまたはクラックが形成されるので、任意の点に任意の密度でクレーズまたはクラックを形成することができる。したがって、一つの光制御フィルムの中でも、異なる密度、パターンのクレーズまたはクラックを形成することも可能となる。
このように構成された本発明においては、起点部が直線状に形成されるので、この直線状の起点部を起点にしてクレーズまたはクラックが形成される。したがって、直線状の起点部の間隔等を調整することによって、クレーズまたはクラックの間隔や形成方向等の形成位置を制御することができる。この結果、光制御フィルムの光学特性を高度に制御することが可能となる。
あるいは、本発明において、フィルム材料が長尺状であり、線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に対して傾斜して延びていることが好ましい。
このような構成の本発明においては、フィルム材料に張力を加えながら曲げ応力を加えることによって、クレーズまたはクラックを形成するので、簡単な工程でクレーズまたはクラックを容易に形成することができる。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックを、折り曲げ方向と略直交する方向に、即ち、線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に形成することができる。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略平行な方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックが、折り曲げ方向と略直交する方向に、即ち、線上の起点部の延びる方向に沿って形成される。よって、クレーズまたはクラックを、起点部とほぼ同じパターンに形成することができる。
このように構成された本発明においては、フィルム材料が線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に曲げ応力が加えられるので、クレーズまたはクラックを、線状の起点部の延びる方向に沿った配列で、折り曲げ方向と略直交する方向に形成することができる。
このように構成された本発明においては、第1および第2のクレーズまたはクラックが、互いに交差する方向に形成されるので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。
このように構成された本発明においては、第1および第2のクレーズまたはクラックが、互いに交差する方向に形成されるので、光制御フィルムの光学特性を二方向で制御できるから、より高度かつ正確な制御が可能となる。また、第2のクレーズまたはクラックは、第1のクレーズまたはクラックを起点として形成されているので、第2のクレーズまたはクラックのために、起点パターンを別途形成する必要がないため、光制御フィルムの製造工程が簡単となり、製造時間が短縮される。
また、本発明において、第1のクレーズまたはクラックと第2のクレーズまたはクラックを、略直交する方向に形成することが好ましい。
このように構成された本発明においては、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下のフィルム材料を曲げ変形させてクレーズまたはクラックを形成することにより、非常にシャープな形状のクレーズまたはクラックを、均一なピッチで形成することが可能になる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラック内にフィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を更に備えているので、より多様な光学特性を有する光制御フィルムが得られる。
このように構成された本発明においては、フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料にフィルム材料を浸漬させることによって、該物質をクレーズまたはクラック内に充填するので、光学特性が異なる物質を充填する工程を容易に行うことができる。
このように構成された本発明においては、クレーズまたはクラックを形成する工程を、液体材料にフィルム材料を浸漬させた状態で行うので、クレーズまたはクラックを形成する工程と、形成したクレーズまたはクラックにフィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を同時に行うことができる。これにより、製造工程を簡略化でき、製造時間を短縮できる。
このように構成された本発明においては、前述の光制御フィルムの製造方法により製造された光制御フィルムを用いて積層光制御フィルムを製造するので、前述の光制御フィルムの製造方法と同様の効果が得られ、比較的大きなクレーズまたはクラックを形成でき、透過、散乱等の光学特性を高度に制御することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。図1は、本発明の第一実施形態の光制御フィルムの製造方法に用いる光制御フィルムの製造装置1の構成の一部を模式的に示す図面である。
上述したように本実施形態の製造装置1では、刃6aは25μmピッチで並列配置されているので、長尺状のフィルムFには、ドラム6によって、全幅にわたって延びるノッチが、ドラム6の軸線方向と略平行な方向に、約25μm間隔で形成され、フィルムFの表面にこれらの互いに略平行な線状のノッチによるノッチパターンが転写される。
また、曲げロール8に代えて、搬送されてくるフィルムFの経路をr/d<30(r=曲げ半径、d=フィルムの厚さ)の曲げ半径に沿って折り曲げる固定の曲げガイドを使用しても良い。
曲げロール8の下流側には、クレーズまたはクラックが形成されたフィルムF’を巻き取る巻き取りロール10が配置され、曲げロール8と巻き取りロール10との間には、ガイドロール16が設けられている。
図2は、クレーズ充填装置20の構成を模式的に示す図面である。クレーズ充填装置20は、クレーズ形成装置2の下流側に設けられる。
クレーズ充填装置20の、各ロール22、24、28、30、32、34、38は、クレーズ付きフィルムF’を矢印B方向の搬送するように回転可能に構成されている。
液体材料(浸漬液)Lを構成する液体材料として光(紫外線)硬化性組成物が選択されたときには、加熱装置に代えて光(紫外線)照射装置が配置され、クレーズ付きフィルムF’のクレーズ内に侵入している液体材料L中の紫外線硬化性組成物を紫外線によって硬化させ、この液体材料中の充填物質をクレーズ内に固定させる。
溶剤を用いた場合は乾燥により、溶剤が揮散して、充填物質はクレーズまたはクラック内に固定される。
クレーズまたはクラックが、ノッチパターンのノッチを起点として形成されるので、従来のものと比較して、より大きなクレーズまたはクラックを得ることができる。したがって、クレーズまたはクラックの内部に、フィルムFの材料とは光学特性が異なる物質を充填しやすくなるから、光制御性を向上させることができる。
また、所定のパターンに配置されたノッチを起点としてクレーズまたはクラックが形成されるので、ノッチの形成間隔や形状を調整することにより、クレーズまたはクラックの形成間隔を容易に制御できる。したがって、光制御フィルムの光学特性を高度に制御できる。
ノッチが、一定間隔を有する線状に形成されているので、ドラム6を回転させながらフィルムFをドラム6に押しつけることで、フィルムFにノッチを容易に形成できる。また、これにより、クレーズまたはクラックも一定間隔を有する線状に形成されるので、クレーズまたはクラックの形状を確実に制御でき、シャープな視野制御性を得ることができる。
なお、クレーズまたはクラックが形成されたフィルムF’を、上述したような透明樹脂フィルムに積層して複合シートとなった積層光制御フィルムとしてもよい。
次に、本発明の第二実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第二実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、クレーズまたはクラックを形成する工程と液体材料を充填する工程を同時に行う点が、第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
図3は、本発明の第二実施形態にかかる光制御フィルムの製造装置40を示す。本実施形態の製造装置40では、曲げロール8は、浸漬液Lを収容した浸漬槽26内に配置されている。
クレーズまたはクラックを形成する工程と、クレーズまたはクラックに液体材料を充填する工程とを同時に行うので、光制御フィルムの製造工程を簡略化でき、製造装置40の省スペース化を図れるとともに、製造時間の短縮を図れる。
また、クレーズまたはクラックが、曲げロール8によって開いた状態で、浸漬槽26に浸すことができるから、より確実に液体材料Lをクレーズまたはクラック内に充填できる。
次に、本発明の第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、ノッチの形成方向に対するクレーズまたはクラックの形成方向が異なる点が、第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法とは異なる。
図4は、本発明の第三実施形態に係る光制御フィルムの製造装置50のドラム6を下から見た図である。この図4に示すように、本実施形態ではフィルムFの搬送方向が、ドラム6の接線方向に対して、例えば45°の角度傾けて配置される。このような構成により、フィルムFがドラム6上を搬送されると、フィルムFの長尺方向に対して角度を有する斜めの線状のノッチNが形成される。
なお、このようなノッチNは、例えば、ドラム6の外周に、長手方向に対して所定角度をなす刃を形成し、このドラム6をフィルムFの表面に押しつけることによって、形成してもよい。また、軸線方向に平行な刃を有するドラム6の軸線を、フィルムFの搬送方向に対して45°傾くように配置することにより、ノッチNを形成してもよい。
フィルムFが曲げロール8の外周に沿って搬送されると、フィルムFの表面に張力および曲げ応力が加えられ、フィルムFには、ノッチを起点にして、曲げロール8の軸線に略平行な方向に延びるようにクレーズまたはクラックが形成される。ここで、ノッチは、曲げロール8の軸線に対して角度を有して延びるように形成されているので、クレーズまたはクラックは、ノッチを起点にして形成されるが、図5に示すように、ノッチの延びる方向に対して角度を有する方向に、ノッチの外側まで延びるように形成される。本実施形態では、クレーズまたはクラックは、隣接するノッチを起点として形成される隣のクレーズまたはクラックと連結することなく、微小で不連続な(断続的な)クレーズまたはクラックとなり、隣接するノッチを起点として形成されたクレーズまたはクラックとは独立している。したがって、クレーズまたはクラックは、線状のノッチに沿って所定方向に多数形成されることとなる。
フィルムFに、ノッチの形成方向と交差する方向に曲げ応力を加えてクレーズまたはクラックを形成するので、フィルムFに、ノッチの形成方向に沿って配置され、曲げ応力がかかる方向と略直交する方向に延びる微小なクレーズまたはクラックを形成できる。
また、ノッチを起点にして、線状のノッチに沿って微小なクレーズまたはクラックが形成されるので、ノッチの形成密度を調整することにより、クレーズまたはクラックが形成される密度もある程度制御できるから、光制御性を向上させることができる。
次に、本発明の第四実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第四実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、クレーズまたはクラックをフィルムFの表面上の二方向に形成した点が、第三実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
まず、第三実施形態と同様に、フィルムFに、ドラム6の接線方向に対して、例えば45°の角度を有する斜めの線状のパターンを有するノッチを形成する。
次に、ノッチの延びる方向が曲げロール8の軸線方向と略平行となるようにフィルムFを配置し、曲げロール8で曲げ応力を加える。ノッチの形成方向に略直交する方向に曲げ変形を加えることにより、フィルムFの表面には、ノッチを起点にして、ノッチの延びる方向に沿って、フィルムFの全幅にわたって連続的な第1のクレーズまたはクラックが形成される。第1のクレーズまたはクラックは、フィルムFの長尺方向に対して約45°の角度で斜めに形成されることとなる。
フィルムFに、互いに略直交する二方向に張力および曲げ応力を加えるので、フィルムFの表面に、第1のクレーズまたはクラックと、これに略直交する方向に形成された第2のクレーズまたはクラックを形成できる。したがって、光制御フィルムの光制御性をより高度に制御できる。また、この場合に、第1のクレーズまたはクラックのために、第1のノッチを形成しているので、クレーズまたはクラックの間隔を正確に設定できる。
フィルムFの搬送方向をドラム6および曲げロール8に対して約45°傾け、ノッチおよびクレーズまたはクラックを斜めに形成するので、二方向にクレーズまたはクラックが形成された光制御フィルムを連続生産することができ、生産性を向上させることができる。
次に、本発明の第五実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法について説明する。第五実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法は、ノッチの形状が、ドットであることが第一実施形態の光制御フィルムおよびその製造方法と異なる。
図7は、第五実施形態の光制御フィルムの製造装置60の一部を示す。この図7に示すように、製造装置60のドラム61は、第一実施形態のように軸線方向に沿って刃が形成されているものとは異なり、ドラム61の外面に、ランダムに、ドット状の突起が多数形成されている。ドットは、ドラム61の外面に、ランダムに無数形成されており、隣接するドットは、ドラム61の軸線Yに沿った方向に整列しないように配置されている。
さらに、このようなドット状のノッチをドラム6を押しつけることによって形成したが、これに限らず例えばサンドペーパー等をフィルムに押しつけることによってノッチを形成したり、サンドブラスト装置によって形成してもよい。
起点部がドット状のノッチで構成されているので、ドラム6を回転させながらフィルムFをドラム6に押しつけることで、簡単に所望のパターンのノッチを形成できる。また、ノッチが、ドット状に形成されているので、曲げロール8による曲げ方向に応じた方向にクレーズまたはクラックを形成できる。さらに、ノッチがドット状に形成されているので、ノッチの密度などを調整することによって、クレーズまたはクラックの形成密度やパターンを調整することができる。
つまり、クレーズまたはクラックを形成する際の起点となる所定パターンを有する起点部を形成する工程は、例えば、フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、フィルム材料内に起点パターンに対応する潜像を形成することによって、フィルム材料に起点部を形成してもよい。この場合には、起点部のパターンに対応するように所定幅寸法のスリットが所定ピッチで打ち抜かれたアルミ箔マスクをフィルム材料に被せ、上方から紫外線等の活性光線を照射すればよい。
この方法は、紫外線照射で主鎖切断が生じるメタクリル系樹脂材料をフィルム材料として使用した場合に有効である。
また、起点部は、所定の方向に一定間隔で形成されているものに限らず、光制御フィルムの仕様用途等に応じて、一つのフィルム内で、形成間隔を変動させてもよい。
また、第1および第2のクレーズまたはクラックを形成する場合には、第四実施毛位置あのように、第1のクレーズまたはクラックを第2のクレーズまたはクラックの起点とする方法の他、例えば第2のクレーズまたはクラックの形成方向に沿って、あるいは角度を有して、第2の起点パターンを形成してもよい。この第2の起点パターンの形成は、第1のクレーズまたはクラックを形成する前に行ってもよく、あるいは、その後に行ってもよい。このように、第2のクレーズまたはクラックに対応する起点パターンを形成しておくことにより、第2のクレーズまたはクラックのピッチ及び形状を正確にコントロールすることができる。
また、第五実施形態のように、フィルムにドット状の起点部を形成する場合には、フィルムを異なる二方向に曲げ変形させれば、ドット状の起点が、両方向のクレーズまたはクラックのための起点を兼ねることができると考えられる。
なお、実施例および比較例におけるフィルムの視野制御性の評価は、図9に示されているように、平行光線をシート表面に垂直に入射させたときの透過率と、平行光線をシート表面に対して60度の角度で入射させたときの透過率を計測し、これらを比較することによって行った。
厚さ125μmの幅10cmのポリエステルフィルムに、メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリライトL)をメチルエチルケトンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗布した後、乾燥させ、厚さ150μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成した。
この複合フィルムを用い、幅2μmのスリットが50μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクをフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射し、フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、フィルム内にノッチパターンに対応する潜像を形成することによって、フィルムにノッチパターンを付与した。
その後、この複合フィルムをフィルムFとして使用して、図1のクレーズ形成装置1でドラム6によるノッチパターンの形成工程を省いて、光制御フィルム(ルーバー入りフィルム)を製造した。引き取り速度は毎分56cm、張力2N/cm(アルファミラージュ(株)製 デジタルフォースゲージ クイックミニ25で測定した値)の条件でフィルムを引き取った。曲げロール8の直径は6mmとした。
実施例1と同様にして、厚さ125μmの幅30cmのポリエステルフィルムに、厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成した。このフィルムを図1のクレーズ形成装置2を用い、約25μmのピッチでドラム6の軸線方向と略平行に配置された刃6aにフィルムを押しつけることにより、引き取り方向(搬送方向)と垂直に線状の25μmピッチの第1のノッチパターンを入れた。その後、直径4mmの曲げロール8に通し、ノッチと平行に折り曲げて曲げ応力を加え、170°の角度で変形させながら通過させ、25μmピッチの第1の線状クレーズを発生させた。この際に搬送速度は40cm/minであり、張力5N/cmをかけていた。なお、曲げロール8の直径を4mmに設定しているが、これは、本実施例のようにノッチパターンの間隔が小さいと、フィルムの張力を高くするか、曲げロール8の直径を小さくするなどの対応が必要となってくるからである。本実施例では、曲げロール8を第一実施形態の6mmよりも小さい4mmとすることで、間隔の小さいノッチパターンの形成を可能としている。
この得られたフィルムを長さ30cmに切断し、先に使用した連続したポリエステルフィルムに強力両面テープでつなぎ合わせて、さらに図1の装置を用い、第1の線状クレーズの形成時と同じ条件で、第1の線状クレーズの形成方向と略直交する方向に再度ノッチを入れて第2のノッチパターンを形成し、同様の条件でノッチの形成方向と平行にフィルムを折り曲げて第2の線状クレーズを形成し、これらの第1および第2の線状クレーズによって、フィルムに互いに交差する格子状クレーズを作成した。その後強力両面テープをはずし、略直交した方向に格子状のクレーズを有する30cm×30cmのフィルムを得た。
山陽色素株式会社製カーボンブラックナノ水分散液EMACOL BLACK Cを液体材料として使用して、このフィルム材料を、液体材料中に通し、表面に付着した液体材料を取除した後に、水を揮発除去してクレーズ中へカーボンブラックを導入した光制御フィルムとした。
実施例2で作成したフィルムを、実施例2と同様の操作を行うのであるが、第2のクレーズを形成する際に、第1のクレーズの形成方向をフィルムの長尺方向(曲げロール8の接線方向)に対して40°傾けた状態で、クレーズ形成装置にかけた。その際には図10に示すように第1のクレーズに添った形で搬送方向と垂直の方向に、微小なクレーズで構成される第2のクレーズが形成された。
実施例2と同様にしてクレーズ中へカーボンブラックを導入した。完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が78%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は、第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.2%であり、第1のクレーズの形成方向と垂直な場合は40.5%となり、異方性が確認された。透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性と視野選択性の異方性を示した。
実施例2で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステル複合フィルムを図1のクレーズ形成装置2を用い、図4のようにドラム6に対するフィルムの位置構成を変更することで、引き取り方向と45°の角度でドラム6を通し、フィルムの長さ方向に対し45°傾いた第1のノッチパターンを形成した。さらに第1のノッチの方向と曲げロール8の軸線方向が平行に配置されるように曲げロール8の軸線に対しても45°の角度で通し、フィルム長さ方向と45°の角度を有する第1の線状のクレーズまたはクラックを形成した。さらにフィルムの引き取り方向と-45°の角度で同様に装置を通し、フィルム長さ方向と-45°の角度を有する25μmピッチの第2の線状クレーズを発生させた。発生した2つの方向を有する線状クレーズは、互いに略直交し、フィルムには、交差する二方向のクレーズを有する格子状クレーズが形成された。この際の一連の処理において、搬送速度は40cm/minであり、張力5N/cmであった。また、曲げロール8の直径は4mmとした。
実施例2で作成した25μmピッチの第1の線状クレーズを有するフィルムを、再びドラム6を除いた図1の装置を用いて、張力7N/cmをかけた状態で搬送速度は20cm/minで、フィルムの連続方向に直径4mmの変形ロール8に通し、第1のクレーズと直交の関係で折り曲げ、170°の角度で変形させながら通過させたところ、実施例1のように完全に規則的では無いものの、平均ピッチで約30μmの第2のクレーズが第1のクレーズを起点として、第1のクレーズの形成方向とは略直交した方向に形成できた。このフィルムは連続的に作成することができた。
実施例1と同様にして、クレーズにカーボンブラックを充填し、光制御フィルムを形成した。完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が79%、それぞれのクレーズの形成方向と平行な向きからフィルム表面に60度で入射させたときの透過率は第1のクレーズの形成方向に対して平行な場合は1.2%であり、第2のクレーズの形成方向に対しては1.9%となり、透過率が優れたうえで、シャープな視野制御性を示した。
厚さ50μmの幅10cmのポリエステルフィルムに、メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリライトL)をメチルエチルケトンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗布した後、乾燥させ、厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作成し、この複合フィルムをフィルム材料2として使用して、図3の製造装置1で光制御フィルム(ルーバー入りフィルム)を製造した。
この際の引き取り速度は25cm/minで張力は15N/cm(フィルム幅方向単位張力)で、浸漬温度は15℃の条件で処理を行った。また、曲げロール8の直径は6mmとした。
メタクリル樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムに代えて厚さ0.4mm、幅10cmのアクリル樹脂板を用い、ノッチパターンを200μmとした以外は実施例6と同様の方法でシートルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が83%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.2%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクをフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射する以外は実施例6と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が81%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1においてドラム6に押し付る代わりに、インクジェットヘッドを用い幅3μmでピッチ25μmで2-ブタノンを印刷した以外は実施例6と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
この際、マスクパターンの形成のために印画した設定は幅2μmであったが、形成されたノッチパターンは幅4μmに広がっていた。形成されたクラックまたはクレーズは実施例12のものと同様に連続的とはいえないが、ノッチパターン中に選択的に形成されていた。
実施例1において、カーボンブラック入り熱硬化性塗料の代わりに、フッ化ビニリデンとテトラフルオルエチレンが重量比で80対20の割合で共重合されたフッ素系ポリマー(屈折率nD:1.38)をエチルアセテートに溶解した溶液を用いて、液温を5℃とする以外は実施例1と同様の方法で、ルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作成した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が72%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は7.0%であり、比較的明るくシャープな視野制御性を示した。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6で物理的にノッチパターンをつける代わりに、バッチ処理とはなるが、長さ20cm、幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向がフィルムの搬送方向と略直交となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して20cmの長さで紫外光によるノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
この時、マスクパターンの幅2μmに対し、形成されたノッチパターンの幅は約5μmに広がっていた。形成されたクレーズまたはクラックの顕微鏡写真を図11に示す。クレーズまたはクラックは連続的とはいえないが、ノッチパターン中に選択的に形成されていた。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、1000番のサンドペーパーを用い、そのサンドペーパーをフィルムに押し付けることによって、ドット状のノッチパターンを得た。
この複合フィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力10N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
次にクレーズまたはクラックを形成した複合フィルムを、水分散カーボンブラック(東海カーボン(株)製)を収容した温度17℃の浸漬槽26に浸漬し、直径10mmのガイドローラーにポリエステル面が接するように搬送速度20cm/min、張力0.5N/cmで通過させた。
実施例12と同様の複合フィルムを用い、複合フィルムの半面を1000番のサンドペーパーに、もう半面を500番のサンドペーパーに押し付けて、ドットパターンのノッチを形成した。500番のサンドペーパーを用いた場合、1000番のものを用いた場合に比較して、ドットパターン密度は半分になった。
このフィルムを、温度20℃において直径4mmの曲げロール8に通し、搬送速度50cm/minで単位長さあたり張力8N/cmで処理することで、クレーズまたはクラックを含有する複合フィルムを得た。
図13および図14に示すように、500番のサンドペーパーでノッチをつけた側は、クレーズまたはクラックの密度も半分近くになった。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6で物理的にノッチパターンをつける代わりに、バッチ処理とはなるが長さ20cm、幅5μmのスリットが50μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向がフィルムの搬送方向と約45°となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して紫外光による長さ20cmのノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
実施例6で作成した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、長さ20cm、幅2μmのスリットが25μmのピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクを、スリットの方向が、フィルムの搬送方向と平行となるようにフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射して紫外光による長さ20cmのノッチパターンを有する複合フィルムを作成した。
次に、この複合フィルムを、水分散カーボンブラック(東海カーボン(株)製)を収容した温度17℃の浸漬槽26に浸漬し、直径10mmのガイドロールにポリエステル面が接するように搬送速度20cm/min、張力0.5N/cmで通過させた。
マスクパターンとして100μmピッチのものを用い、直径6mmの曲げロール8を用いた以外、実施例15と同様にして、クレーズまたはクラックを形成した複合フィルムおよびカーボンブラック含有複合フィルムを作成した。
形成されたクレーズまたはクラックは、ところにより不連続なものとなっていた。
完成したルーバー入りフィルムは透過率が73%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.6%であった。
ノッチパターンの付与工程を省き、さらに製造装置1の曲げロール8に代えて頂角30度、剣先径約100μmの円形状ステンレス製ブレードを使用する以外は、実施例1と同様の条件でクレーズを発生させ、カーボンブラックを含有するフィルムを作成した。
完成したフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が60%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は1%であり、透過特性が不十分であった。
2:クレーズ形成装置
6:ドラム
8:曲げロール
10:巻取りロール
20:クレーズ充填装置
22:供給ロール
26:浸漬槽
32、34:クリーニングロール
36:加熱装置
F:フィルム
F’:クレーズ付きフィルム
L:液体材料
A:搬送方向
Claims (37)
- フィルム材料の表面に所定パターンで配置された複数の起点部を起点にして形成されたクレーズまたはクラックを備えている、
ことを特徴とする光制御フィルム。 - 前記起点部は、直線状である、
請求項1に記載の光制御フィルム。 - 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部から前記フィルム材料の厚さ方向に延びるように形成されている、
請求項2に記載の光制御フィルム。 - 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部が延びる方向と交差して延びるように形成されている、
請求項1または2に記載の光制御フィルム。 - 前記クレーズまたはクラックは、前記線状の起点部が延びる方向と略直交して延びるように形成されている、
請求項4に記載の光制御フィルム。 - 前記起点部は、ドットである、
請求項1に記載の光制御フィルム。 - 前記複数の起点部が、一定の間隔で形成されている
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する前記起点部を起点としたクレーズまたはクラックから独立している、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 一の起点部を起点に形成されているクレーズまたはクラックが、隣接する前記起点部を起点としたクレーズまたはクラックと連続している、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 前記起点部は、第1の起点部および第2の起点部を有し、
前記クレーズまたはクラックは、前記第1の起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、前記第2の起点部を起点にし、前記第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックとを有する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 前記クレーズまたはクラックは、前記起点部を起点にして形成された第1のクレーズまたはクラックと、前記第1のクレーズまたはクラックを起点にし、前記第1のクレーズまたはクラックと交差する方向に延びるように形成された第2のクレーズまたはクラックを有する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 前記第1のクレーズまたはクラックと前記第2のクレーズまたはクラックは、略直交する、
請求項10または請求項11に記載の光制御フィルム。 - 前記クレーズまたはクラックに、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質が充填されている、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 前記フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、
前記クレーズまたはクラックは、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによって形成される、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 基材フィルムと、この基材フィルムに積層された請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の光制御フィルムとを備えている、
ことを特徴とする積層光制御フィルム。 - フィルム材料の表面に所定のパターンで複数の起点部を形成する工程と、
前記起点部を起点としてクレーズまたはクラックを形成する工程と、を備えている、
ことを特徴とする光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部を形成する工程は、前記フィルム材料の表面に起点部に対応した型を押しつける工程である、
請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記型は、外周面に凸部が形成されたドラムである、
請求項17に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部を形成する工程は、前記起点部に対応した刃で前記フィルム材料に傷を付ける工程である、
請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部を形成する工程は、前記フィルム材料の起点部に対応する部分の特性を変化させる工程である、
請求項16に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記特性を変化させる工程は、所定パターンのマスクを被せた前記フィルム材料に電磁波を照射する工程を含む、
請求項20に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記特性を変化させる工程は、前記フィルム材料の表面の前記起点部に対応する部分に有機溶剤を付着させる工程を含む、
請求項20に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部がドットである、
請求項16から請求項22のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部が線状である、
請求項16から請求項22のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記フィルム材料が長尺状であり、
前記線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に延びている、
請求項24に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記フィルム材料が長尺状であり、
前記線状の起点部が該長尺状のフィルム材料の長手方向に対して傾斜して延びている、
請求項24に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、前記フィルム材料に張力を加えながら曲げ応力を加えることによってなされる、
請求項16から請求項26のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部が線状であり、
前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向と略直交する方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部が線状であり、
前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向に略平行な方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部が線状であり、
前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記線状の起点部の延びる方向と交差する方向に前記フィルム材料に曲げ応力を加える工程を含む、
請求項27に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記起点部を形成する工程が、第1の起点部を形成する工程と、第2の起点部を形成する工程とを含み、
前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、前記第1の起点部を起点にして第1のクレーズまたはクラックを形成する工程と、前記第2の起点部を起点にして前記第1のクレーズまたはクラックの形成方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程とを含む、
請求項16から請求項30のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記クレーズまたはクラックを起点として、該クレーズまたはクラックが延びる方向と交差する方向に延びる第2のクレーズまたはクラックを形成する工程をさらに備えている、
請求項16から請求項30のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記フィルム材料は、アイゾット衝撃強さ(ASTM D 256)が40J/m以下、曲げ弾性率(ASTM D 790)が2950Mpa以上、厚さが0.35mm以下であり、
前記クレーズまたはクラックを形成する工程は、10N/cm以下の張力をかけた状態で、r/d<30(r=曲げ半径、d=フィルム材料の厚さ)の曲げ半径で曲げ変形を加えることによってなされる、
請求項16から請求項32のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記クレーズまたはクラック内に前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を充填する工程を、更に備えている、
請求項16から請求項33のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記光学特性が異なる物質を充填する工程が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料に前記フィルム材料を浸漬させる工程を含む、
請求項34に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 前記クレーズまたはクラックを形成する工程が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む液体材料に前記フィルム材料を浸漬させた状態で行われる、
請求項34に記載の光制御フィルムの製造方法。 - 基材フィルムと、請求項16から請求項36のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法により製造された前記光制御フィルムとを積層する工程を備えた
ことを特徴とする積層光制御フィルムの製造方法。
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