JP4838534B2 - 光制御フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

光制御フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光制御フィルムおよびその製造方法に関し、詳細には、透過・散乱等の光学特性を制御でき、視野選択フィルム、異方性光散乱フィルム等に使用される光制御フィルムおよびその製造方法に関する。
透過・散乱等の光学特性を制御することができ、視野選択フィルム、異方性光散乱フィルム等に使用されている種々の光制御フィルムが知られている。
このような光制御フィルムの製造方法として、例えば、光吸収性物質または光散乱性物質を含有する樹脂のシートまたはフィルムと透明樹脂とを交互に積層してブロックを形成し、このブロックを裁断してルーバー入りフィルムとする製造方法(特許文献1)が知られている。
また、膜状の紫外線硬化性組成物に所定角度から線状の紫外線を照射して紫外線硬化性組成物を硬化させ、次いで、硬化した紫外線硬化性組成物上に第2の紫外線硬化性組成物を膜状に保持し、この状態で別の角度から線状の紫外線を照射して第2の紫外線硬化性組成物を硬化させ、シートの厚さ方向と直交する方向に光学的特性が異なる部分が積層したシートとする製造方法(特許文献2)も知られている。
さらに、透明性樹脂のフィルムにブレードを押し当ててしごき、フィルム内にクレーズ(クレイズ)を形成し、このクレーズ内に光吸収性物質または光散乱性物質を浸透させることにより光の透過・散乱等の光学特性を制御できるフィルムを製造する方法(特許文献3)も知られている。
特開昭63−190683号公報 特開昭63−309902号公報 特開平6−82607号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、製造プロセスが煩雑で、生産性が低く、製品であるフィルムが高価になるという問題を有する。また、積層する光吸収性物質または光散乱性物質を含有するシートまたはフィルムの厚みを薄くすることが困難であり、光透過性が低下するという問題がある。
また、特許文献2の方法は、製造されたフィルム中で、屈折率の異なる領域の境界がシャープではなく、光の透過・散乱を十分に制御することができないという問題を有する。
さらに、特許文献3の方法は、発生するクレーズのサイズやピッチが不規則であり、光の透過が十分でないという問題を有する。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、生産性が高く、製品である光制御フィルムの透過または散乱等の光学特性を、高い光透過性を維持したまま高度に制御することができる光制御フィルムおよびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明によれば、光学特性を制御する光制御フィルムの製造方法であって、所定のノッチパターンが表面に付与されたフィルム材料に応力を加え、前記ノッチパターンを起点としてクレーズまたはクラックを発生させるステップを備えていることを特徴とする光制御フィルムの製造方法が提供される。
このような構成によれば、クレーズまたはクラックが、フィルム材料の表面に付与されている所定のノッチパターンを起点として形成されるので、クレーズまたはクラックの位置、サイズ等を自由にコントロールでき、その結果、製品である光制御フィルムの光の透過・散乱等の光学特性を、高い光透過性を維持したまま、高度に制御することができる。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記応力を加えるステップに先立って、
a)前記ノッチパターンに対応する形状を備えた型を前記フィルム材料の表面に押しつけて、前記フィルム材料にノッチパターンを機械的に転写するステップ、
b)ノッチパターンに対応するマスクを前記フィルム材料に被せた状態で前記フィルム材料の表面に活性光線を照射し前記フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、前記フィルム材料内にノッチパターンに対応する潜像を形成するステップ、および
c)インクジェットノズルを用い前記フィルム材料の表面に溶剤の微細パターンを形成し前記フィルム材料の表層にノッチパターンに対応する溶剤による膨潤層を形成するステップ、のいずれかの1のステップを備えている。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記応力を加えるステップが、張力をかけながら前記フィルム材料を曲げて該フィルム材料の表面に曲げ応力をかけるステップである。
このような構成によれば、フィルム材料に張力をかけながら曲げ応力を加えることでクレーズ又はクラックの形成がされるので、クレーズ又はクラックの形成を連続的かつ容易に行うことができ、生産性がより高くなる。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記応力を加えるステップが、前記クレーズまたはクラックに充填する液体材料に前記フィルム材料を浸漬した状態で行なわれる。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記液体材料が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記液体材料が、紫外線硬化性または熱硬化性の組成物を含む。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記フィルム材料として、クレーズまたはクラックが発生させられるフィルムと、該フィルムが積層された透明樹脂とを備えた複合フィルムが用いられる。
また、本発明によれば、一定ピッチで配設されたクレーズまたはクラックを有するフィルムであって、前記クレーズまたはクラックの内部に前記フィルムを構成する材料とは光学特性が異なる物質が存在することを特徴とする光制御フィルムが提供される。
このような構成によれば、光の透過・散乱等の光学特性を、高い光透過性を維持したまま高度に制御することができる。
本発明によれば、生産性が高く、製品である光制御フィルムの透過または散乱等の光学特性を、高い光透過性を維持したまま高度に制御することができる光制御フィルムおよびその製造方法が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本実施形態の光制御フィルム製造方法に用いる光制御フィルムの製造装置1の構成を模式的に示す図面である。
図1に示されているように、製造装置1は、長尺状のフィルム材料2が巻回された送り出しロール4と、フィルム材料2の表面にノッチパターンを付与するドラム6とを備えている。
送り出しロール4はトルクモータ(図示せず)に連結され、外周に巻回されている長尺状のフィルム材料2を所定の速度で、矢印Aで示す下流方向すなわちドラム6方向に送り出すように構成されている。
フィルム材料2は、ドラムに設けられた刃によってノッチパターンが付与可能であり、引張応力あるいは曲げ応力を加えられることによってノッチパターンを起点としてクレーズまたはクラックを形成されるものであれば、特に限定されないが、クレーズまたはクラックのコントロール性の点から非晶性の高分子材料が望ましい。
具体的には、未架橋あるいは部分架橋したメタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリルニトリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂、紫外線硬化性透明樹脂、熱硬化性透明エポキシ樹脂等の透明フィルムが挙げられる。
フィルム材料2は、厚さが5μm以上500μm以下の範囲であるのが好ましく、10μm以上200μm以下の範囲がより好ましい。厚さが5μm以下になると、ノッチパターンの大きさや間隔を小さくする必要があり、そのようなノッチパターンを付与するためのドラム6の作製が難しくなる等して装置のコストが上昇し、厚さが500μm以上になると曲げ応力によって変形させにくくなり、フィルムの厚み方向に貫通するクレーズまたはクラックを形成することが難しくなるためである。
フィルム材料2として、上述したような材料のフィルムを透明樹脂フィルムに積層した複合シートを用いても良い。このとき使用される透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明フィルムが挙げられる。
また、クレーズまたはクラックを形成したフィルム材料2を、上述したような透明樹脂フィルムに積層して複合シートとしてもよい。
ドラム6は、フィルム材料2の幅より長さが長い円柱状の金属製部材であり、長手方向軸線Xを中心に回転可能に構成されている。図1に模式的に示されているように、ドラム6の外表面全体には、軸線方向に平行に延びる多数の刃6aが、規則的に配置されている。本実施形態の製造装置1では、刃6aは、三角柱状の断面形状を有し、25μmピッチで並列配置されている。なお、ドラム6に配置される刃6aのピッチを変更することにより、フィルム材料2に所望のピッチのノッチパターンを形成することができる。
ドラム6の上流および下流側には、ガイドロール8、10がそれぞれ配置され、送り出しロール4から搬送されてくる長尺状のフィルム材料2を所定の力でドラム6の外周面の刃6aに押しつけるように構成されている。
上述のようにドラム6は、長手方向軸線Xを中心に回転可能に構成されているので、フィルム材料2の搬送速度と同じ速度で回転し、外周面の刃6aに押しつけられるフィルム材料の表面に刃6aに対応したノッチパターンを転写(付与)していく。
上述したように本実施形態の製造装置1では、刃6aは25μmピッチで並列配置されているので、長尺状のフィルム材料1には、ドラム6によって、全幅にわたって延びるノッチが25μm間隔で形成されているノッチパターンが転写される。
本実施形態の製造装置1は、ドラム6の下流側に、ノッチパターンが付与されたフィルム材料2に応力を与えるための曲げロール12と、液体を収容する浸漬槽14とを備えている。
曲げロール12は、ドラム6によってノッチパターンが付与され矢印Bで示す方向に搬送されていくフィルム材料2を外周に沿って曲げ、フィルム材料2に曲げ応力を付与してフィルム材料2にノッチパターンの起点としてクレーズまたはクラックを発生させるものであり、本実施形態では、外径20mmの金属製円柱部材である。
曲げロール12の外径、搬送されるフィルム材料2にかける張力を変更することにより、フィルム材料2に形成されるクレーズもしくはクラックの形状、サイズを変更することができる。
本実施形態の製造装置1では、曲げロール12は、浸漬液Lを収容した浸漬槽14内に配置され、フィルム材料2にクレーズまたはクラックを形成する行程が、浸漬槽14に収容された浸漬液L内で行なわれ、この結果、形成されたクレーズまたはクラック内の空間に浸漬槽14内の浸漬液Lが侵入する。
浸漬液Lとして用いられる液体材料は、フィルム材料2を溶解させない溶剤、または液状の熱硬化もしくは光(紫外線)硬化性組成物等を含む。本実施形態では、浸漬液Lとして用いられる液体材料に、熱硬化組成物が含有されている。
浸漬液Lに、フィルム材料2のクレーズまたはクラックの空間内に充填される物質を分散あるいは溶解させてもよい。充填物質としては、染料、顔料、カーボンナノチューブ、フラーレン、金属ナノ粒子や低屈折率のフッ素系高分子や高屈折率のイオウ含有高分子、フィルム材料と屈折率が異なる樹脂などが挙げられる、これらは、クレーズまたはクラック内の空間に充填可能なサイズの粒子とされている。
充填物質は、フィルム材料2を溶解させない溶剤、熱硬化もしくは光(紫外線)硬化性組成物等の液体材料とともにクレーズまたはクラック内に注入される。溶剤を用いた場合には、乾燥させることによって溶剤が揮散され、充填物質がクレーズまたはクラックの内部に固定される。また、熱硬化もしくは光(紫外線)硬化性組成物等の液体材料を用いた場合には、熱または光(紫外線)で液体材料が硬化させることにより、充填物質がクレーズまたはクラックの内部に固定される。
本実施形態の製造装置1は、浸漬槽14の下流側に、クリーニングロール16と、加熱装置18と、巻取りロール20とを備えている。浸漬液Lを構成する液体材料として光(紫外線)硬化性組成物を選択するときには、加熱装置18に代えて光(紫外線)照射装置が配置される。
クリーニングロール16は、浸漬槽14でフィルム材料2に付着した余分な浸漬液Lを拭き取ることにより除去するものである。このクリーニングロール16に変えて、液を掻き取る機能を有しているドクターブレード等を使用することもできる。
加熱装置18は、搬送中のフィルム材料2に熱風を吹きつけ、クレーズまたはクラック内の熱硬化組成物を硬化させ、この熱硬化組成物中の含有物をクレーズまたはクラック内に固定させるものである。巻取りロール20は、送り出しロール4と同様の装置であり、図示しないトルクモータにより回転駆動され、クレーズ等が形成されて矢印Cで示す方向に搬送されてくるフィルム材料2を外周に巻き取っていく。
次に、製造装置1で行なわれる光制御フィルムの製造行程について説明する。
まず、送り出しロール4に巻回されているフィルム材料2が、送り出しロール4および巻取りロール20等の回転駆動によって、所定の張力をかけられた状態で送り出しロール4から巻取りロール20方向に送り出される。
次いで、フィルム材料2は、ドラム6の外表面に接触してドラム6の刃6aに押しつけられ、幅方向に延び25μm間隔で形成されたノッチからなるノッチパターンが表面に機械的に転写される。フィルム材料2は、さらに、浸漬液Lを収容する浸漬槽14内に配置された曲げロール12の外周にかけられ、浸漬液L中で経路が曲げられる。この曲げによって、フィルム材料2に曲げ応力および引張応力が加えられ、ノッチパターンを起点としてクレーズまたはクラックが発生する。
このクレーズまたはクラックは、充填物質が分散または溶解している浸漬液L中で形成されるので、形成されたクレーズまたはクラックには充填物質が分散または溶解している浸漬液Lが流れ込む。
クレーズまたはクラックに浸漬液Lが流れ込んだフィルム材料2は、クリーニングロール16によって表面に付着した余分な浸漬液Lが除去される。さらに、フィルム材料2は、加熱装置18によって加熱され、クレーズまたはクラックに侵入していた浸漬液Lに含まれる熱硬化組成物を硬化させる。この硬化により、浸漬液Lに含まれる充填物質もクレーズまたはクラック内に固定される。フィルム材料2を最後に巻き取りロール20に巻き取って処理を終了する。
上記実施形態の製造装置1およびこれを用いた光制御フィルムの製造方法は、フィルム材料2をドラム6の外周面に形成された刃6aに押しつけていくことによりフィルム材料にノッチパターンを付与するものであったが、他の方法でフィルム材料にノッチパターンを付与してもよい。
例えば、付与するノッチパターンに対応するように幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔等のマスクをフィルム材料に被せ、上方から紫外線等の活性光線を照射し、フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、フィルム材料内にノッチパターンに対応する潜像を形成することによって、フィルム材料にノッチパターンを付与するものであってもよい。
この手法は、紫外線照射で主鎖切断が生じるメタクリル系樹脂材料をフィルム材料として使用した場合に有効である。
具体的には、マスクをフィルム材料に被せた状態で連続的に紫外線等の活性光線を照射部すことによってノッチパターンを形成することができる。また、所望の長さのマスクを使用し、そのマスクをのせ替えることによって断続的にノッチパターンを形成させることもできる。さらに、キャタビラのような連続シート状(無限軌道状)のマスクを使用し、フィルム材料の移動とともに同じ速度でマスクを連続的に移動させることによって、ノッチパターンを連続的に形成させることもできる。また、このようなマスクを使用することなく、レーザ光を高速に移動させ、フィルム材料にレーザ光で所望のパターンを描画することによっても、ノッチパターンを形成することができる。
さらに、有機溶剤をインクジェットプリンタにより所望のノッチパターンに合致したパターンをフィルム材料上に印刷し、フィルム材料に溶剤による膨潤層を形成することによって、ノッチパターンを付与することもできる。この場合、使用する溶剤としては、フィルム材料を膨潤させることが可能であり、揮発性があるものであれば使用可能である。例えば、アセトン、2−ブタノン等の低沸点の脂肪族ケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等の低沸点の塩素化合物、低沸点の各種エーテル化合物、酢酸エチル、酢酸メチル等の脂肪族エステル類、エタノール、メタノール等の低沸点のアルコール類等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、実施例および比較例におけるフィルムの視野制御性の評価は、図2に示されているように、平行光線をシート表面に垂直に入射させたときの透過率と、平行光線をシート表面に対して60度の角度で入射させたときの透過率を計測し、これらを比較することによって行った。
(実施例1)
厚さ50μmの幅10cmのポリエステルフィルムに、メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリライトL)をメチルエチルケトンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗布した後、乾燥させ、厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有する複合フィルムを作製し、この複合フィルムをフィルム材料2として使用して、図1の製造装置1で光制御フィルム(ルーバー入りフィルム)を製造した。
ピッチ25μmで三角柱状の断面形状を有する刃6aが並列に形成されているドラム6でノッチパターン(ピッチ25μm)を付与したフィルム材料を、液体材料として熱硬化性塗料を、充填物質としてカーボンブラックを用いた浸漬液中で曲げロールに沿って曲げることによって曲げ応力等をかけ、ノッチパターンを起点とするクレーズを形成した。その後、黒色塗料を熱硬化させることで光制御フィルムとした。
完成した光制御フィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が80%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.5%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例2)
メタクリル樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムに代えて厚さ0.4mm、幅10cmのアクリル樹脂板を用い、ノッチパターンのピッチを200μmとした以外は実施例1と同様の方法でシートルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作製した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が83%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.2%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例3)
実施例1で作製した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、上記実施形態の製造装置1のドラム6に代えて、幅2μmのスリットが25μmピッチで打ち抜かれたアルミ箔のマスクをフィルム材料に被せ、上方から高圧水銀灯で紫外線を照射する以外は実施例1と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作製した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が81%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例4)
実施例1で作製した厚さ50μmのメタクリル樹脂塗膜を有するポリエステルフィルムを用い、ドラム6を用いてノッチパターンを形成する代わりに、インクジェットによって幅3μm、ピッチ25μmのパターンで2-ブタノンをフィルムに印刷した以外は実施例1と同様の方法でルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作製した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が79%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は0.4%であり、極めてシャープな視野制御性を示した。
(実施例5)
カーボンブラック入り熱硬化性塗料の代わりに、フッ化ビニリデンとテトラフルオルエチレンが重量比で80対20の割合で共重合されたフッ素系ポリマー(屈折率nD:1.38)をエチルアセテートに溶解した溶液を用いる以外は実施例3と同様の方法で、ルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作製した。
完成したルーバー入りフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が72%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は7.0%であり、比較的明るくシャープな視野制御性を示した。
(比較例)
ノッチパターンの付与工程を省き、さらに製造装置1の曲げロール12に代えて頂角30度、剣先径約100μmの円形状ステンレス製ブレードを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、ルーバー入りフィルム(光制御フィルム)を作製した。
完成したフィルムは、平行光線をフィルム表面に垂直入射させたときの透過率が60%、フィルム表面に60度で入射させたときの透過率は1%であり、光透過特性が不十分であった。
本発明の好ましい実施形態の光制御フィルム製造方法を実施するための光制御フィルム製造装置の構成を示す概略的な図面である。 製造した光制御フィルムの透過率の角度依存性測定の条件を説明するための図面である。
符号の説明
1:製造装置
2:フィルム材料
4:送り出しロール
6:ドラム
6a:刃
8、10:ガイドロール
12:曲げロール
14:浸漬槽
18:加熱装置
20:巻取りロール
L:浸漬液

Claims (7)

  1. 光学特性を制御する光制御フィルムの製造方法であって、
    所定のノッチパターンが表面に付与されたフィルム材料に応力を加え、前記ノッチパターンを起点としてクレーズまたはクラックを発生させるステップを備えている、
    ことを特徴とする光制御フィルムの製造方法。
  2. 前記応力を加えるステップに先立って、
    a)前記ノッチパターンに対応する形状を備えた型を前記フィルム材料の表面に押しつけて、前記フィルム材料にノッチパターンを機械的に転写するステップ、
    b)ノッチパターンに対応するマスクを前記フィルム材料に被せた状態で前記フィルム材料の表面に活性光線を照射し前記フィルム材料の表層に化学的変化を起こさせ、前記フィルム材料内にノッチパターンに対応する潜像を形成するステップ、および
    c)インクジェットノズルを用い前記フィルム材料の表面に溶剤の微細パターンを形成し前記フィルム材料の表層にノッチパターンに対応する溶剤による膨潤層を形成するステップ、のいずれかの1のステップを備えている、
    請求項1に記載の光制御フィルムの製造方法。
  3. 前記応力を加えるステップが、張力をかけながら前記フィルム材料を曲げて該フィルム材料の表面に曲げ応力をかけるステップである、
    請求項1または2に記載の光制御フィルムの製造方法。
  4. 前記応力を加えるステップが、前記クレーズまたはクラックに充填する液体材料に前記フィルム材料を浸漬した状態で行なわれる、
    請求項3に記載の光制御フィルムの製造方法。
  5. 前記液体材料が、前記フィルム材料と光学特性が異なる物質を含む、
    請求項4に記載の光制御フィルムの製造方法。
  6. 前記液体材料が、紫外線硬化性または熱硬化性の組成物を含む、
    請求項4または5に記載の光制御フィルムの製造方法。
  7. 前記フィルム材料として、クレーズまたはクラックが発生させられるフィルムと、該フィルムが積層された透明樹脂とを備えた複合フィルムが用いられる、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光制御フィルムの製造方法。
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