JP2006095443A - グラビア塗布方法、装置、及び光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚の高度な均一性が求められている光学フィルムの製造に使用できる、グラビア塗布方法及び装置を提供する。
【解決手段】走行する帯状可撓性の支持体16に塗布液を塗布するグラビアローラ12を備えるグラビア塗布装置100。このグラビア塗布装置において、グラビアローラ12の最大撓み量Vmax とローラ長さLとの比Vmax /Lを2×10-5以下とする。
【選択図】 図1
【解決手段】走行する帯状可撓性の支持体16に塗布液を塗布するグラビアローラ12を備えるグラビア塗布装置100。このグラビア塗布装置において、グラビアローラ12の最大撓み量Vmax とローラ長さLとの比Vmax /Lを2×10-5以下とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はグラビア塗布方法、装置、及び光学フィルムに係り、特に、光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の光学フィルムや、液晶層のムラを改善するために有用な光学フィルム等の製造に好適に適用できるグラビア塗布方法、装置、及びこれを使用して製造された光学フィルムに関する。
近年、光学フィルムの需要が増加しつつある。この光学フィルムとしては、液晶セルに位相差板として使用される光学補償フィルムや、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の各種の機能を有するフィルムが代表的である。
このような光学フィルムの製造方法の代表的なものとして、帯状可撓性の支持体(以下、「ウェブ」と言う)の表面に各種塗布装置を使用して、各種組成の塗布膜を形成する方法が挙げられる。
これらの塗布装置としては、ワイヤーバーコーター、グラビアコーター又はロールコーター等が代表的であり、特にグラビアコーター(グラビア塗布装置)が好んで採用される場合が多い。
このようなグラビア塗布装置として、各種の構成のものが提案されている(特許文献1、2参照。)。このうち、特許文献1は、マイクログラビアを使用して、塗布時の膜厚のウェブ幅方向の分布を±5%以内に制御しようとするものであり、特許文献2は、グラビアローラの下側にバックアップローラを設け、グラビアローラの撓みを減少させて塗布時の膜厚の均一性を得ようとするものである。
特開平9−294959号公報
特開2000−334190号公報
しかしながら、特許文献1、2で提案されているような構成のものでは、昨今の要求には充分には対応しきれていないのが実状である。すなわち、反射防止フィルムのような光学フィルムの表面に形成される塗布層には、膜厚の高度な均一性が求められており、たとえば、ウェブ幅方向の分布で±3%以内が要求されている。
ところが、特許文献1の構成では、マイクログラビアを使用しており、グラビアローラの外径が20〜50mmであるため、グラビアローラの撓みが大きく、膜厚の高度な均一性を得るのは至難である。
また、特許文献2の構成では、グラビアローラの撓みを少なくすることはできても、バックアップローラが塗布液を掻き揚げて、液戻りを生じさせ、これによるスジ故障を生じ易いという問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、膜厚の高度な均一性が求められている光学フィルムの製造に使用できる、グラビア塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、走行する帯状可撓性の支持体に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗布装置において、前記グラビアローラの最大撓み量とローラ長さとの比が2×10-5以下となっていることを特徴とするグラビア塗布装置を提供する。
本発明によれば、グラビアローラの最大撓み量とローラ長さとの比が2×10-5以下となっているので、グラビアローラと支持体とのラップ角(巻き掛け角)を支持体の幅方向で非常に均一にでき、その結果、塗布膜厚の高度な均一性が得られる。したがって、本発明によって、高品質の光学フィルムの製造が可能となる。
本発明において、前記グラビアローラの外径が70〜150mmであることが好ましい。このような外径のグラビアローラであれば、撓み量を小さくでき、ローラ表面と支持体表面とのクリアランスを非常に均一にできる。
なお、グラビアローラの外径が70mm未満では、撓み量が大きくなり、一方、グラビアローラの外径が150mm超では、支持体の巻き掛け角度が大きくなり易く、スジ欠点を生じ易いので、いずれも好ましくない。
また、本発明において、前記グラビアローラに巻き掛けられる前記支持体の巻き掛け角度が1〜5度となっていることが好ましい。このような巻き掛け角度であれば、欠点の出にくい塗布が行なえる。なお、支持体の巻き掛け角度が1度未満では、装置精度が出しにくく、支持体にシワが生じ易く、その結果、シワによるスジ故障となり易い。一方、支持体の巻き掛け角度が5度超では、ビード(液溜り部)の内部に渦を生じ易く、これにより塗布欠点を生じ易いので、いずれも好ましくない。
また、本発明は、前記のグラビア塗布装置を使用したグラビア塗布方法であって、前記支持体に塗布する塗布液の塗布時の平均膜厚を10μm以下とし、該塗布時の膜厚の前記支持体幅方向の分布を±3%以内とすることを特徴とするグラビア塗布方法を提供する。
本発明によれば、各種光学フィルムのように、平均膜厚が10μm以下の薄膜の塗布に前記のグラビア塗布装置が使用されるので、膜厚の支持体幅方向の分布を非常に均一にできる。
本発明において、前記塗布液の粘度を20mPas以下とすることが好ましい。このような低粘度の塗布液の塗布は、膜厚分布を均一にするのが困難であり、前記のグラビア塗布装置が使用される意義がある。
また、本発明は、前記のグラビア塗布方法により前記支持体の表面に塗布膜を塗布して塗布層を形成したことを特徴とする光学フィルムを提供する。
本発明によれば、前記の塗布方法により塗布膜の膜厚分布を均一にできるので、光学フィルムとして良好な性能、品質が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、グラビアローラの最大撓み量とローラ長さとの比が2×10-5以下となっているので、グラビアローラと支持体とのラップ角(巻き掛け角)を支持体の幅方向で非常に均一にでき、その結果、塗布膜厚の高度な均一性が得られる。
以下、添付図面に従って本発明に係るグラビア塗布方法、装置、及び光学フィルムの好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係るグラビア塗布方法、及び装置が適用される光学フィルムの製造ラインを説明する説明図である。図2は、この製造ラインのうち、グラビア塗布装置100の一例を示す拡大図である。
光学フィルムの製造ライン10において、図1に示されるように、送り出し機66から予めポリマー層が形成された透明支持体であるウェブ16が送り出されるようになっている。ウェブ16はガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれようになっている。除塵機74は、ウェブ16の表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流には、グラビア塗布装置100が設けられており、塗布液がウェブ16に塗布できるようになっている。グラビア塗布装置100の詳細については後述する。
グラビア塗布装置100の下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウェブ16上に光学機能層が形成できるようになっている。更に、この下流には紫外線ランプ80が設けられており、紫外線照射により、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウェブ16が巻き取られるようになっている。
。
。
図2に示されるように、グラビア塗布装置100は、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18でガイドされて走行するウェブ16に対して、回転駆動されるグラビアローラ12によりウェブ16に所期の膜厚の塗布液を塗布する装置である。
グラビアローラ12、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、ウェブ16の幅と略同一の長さを有する。グラビアローラ12は、図2の矢印に示される方向に回転駆動される。この回転方向は、ウェブ16の走行方向に対して逆転方向となる。なお、図2とは逆の順転の駆動による塗布も、塗布条件によっては採用できる。
グラビアローラ12の駆動方法は、インバータモータによるダイレクト駆動(軸直結)であるが、各種モータと減速機(ギアヘッド)との組み合わせ、各種モータよりタイミングベルト等の巻き掛け伝達手段による方法であってもよい。
グラビアローラ12表面のセル(cell)形状は、公知のピラミッド型、格子型及び斜線型等のいずれであってもよい。すなわち、塗布速度、塗布液の粘度、塗布層厚等により適宜のセルを選択すればよい。
グラビアローラ12の下方には、液受けパン14が設けられており、この液受けパン14には塗布液が満たされている。そして、グラビアローラ12の約下半分は塗布液に浸漬されている。この構成により、グラビアローラ12表面のセルに塗布液が供給されることとなる。
塗布前に塗布液の余剰分を掻き落とすべく、グラビアローラ12の約10時の位置にその先端が接するようにドクターブレード15が設置されている。このドクターブレード15は、基端部の回動中心15Aを中心として、図1の矢印方向に、図示しない付勢手段により付勢されている。
本実施形態において、グラビアローラ12の最大撓み量とローラ長さとの比が2×10-5以下となっている。このようなグラビアローラ12であれば、グラビアローラ12とウェブ16とのラップ角(巻き掛け角)をウェブ16の幅方向で非常に均一にでき、その結果、塗布膜厚の高度な均一性が得られる。
図3は、グラビアローラ12の斜視図である。このグラビアローラ12は、外径がDで長さがLの版胴部12Aと、この版胴部12Aの両側に延設される、版胴部12Aより外径が小さい軸部12B、12Bとより構成される。
そして、グラビアローラ12の自重による最大撓み量vmax は、版胴部12Aの長さ方向の中央部に生じる。したがって、グラビアローラ12の最大撓み量とローラ長さとの比は、vmax /Lとなる。
この比の根拠となる具体的数値を示すと、たとえば、長さLが1mの版胴部12Aに対し、最大撓み量vmax が20μm以下であれば、vmax /Lは2×10-5以下となる。
この場合、版胴部12Aの長さLは、所与の値であることより、最大撓み量vmax を極力小さくすることが重要である。材料力学における梁の撓みの式を示すと、両端支持状態における最大撓み量vmax は、以下の式1で得られる。
[数1]
vmax =5wL4 /(384EI)・・・(式1)
また、両端固定状態における最大撓み量vmax は、以下の式2で得られる。
[数2]
vmax =wL4 /(384EI)・・・(式2)
ここで、wは、版胴部12Aの単位長さ当りの自重に該当し、Eは、縦弾性係数(ヤング率)であり、Iは、断面二次モーメントである。
[数1]
vmax =5wL4 /(384EI)・・・(式1)
また、両端固定状態における最大撓み量vmax は、以下の式2で得られる。
[数2]
vmax =wL4 /(384EI)・・・(式2)
ここで、wは、版胴部12Aの単位長さ当りの自重に該当し、Eは、縦弾性係数(ヤング率)であり、Iは、断面二次モーメントである。
図3に示されるようなグラビアローラ12の場合、軸部12B、12Bがベアリング部材等により回動自在に支持されるのが一般的であることより、軸部12B、12Bの支持される状態は、両端支持状態よりは強固であり、両端固定状態よりは緩やかであると推定される。したがって、実際の最大撓み量vmax は、式1と式2との中間の値を示すと推定される。
この最大撓み量vmax を極力小さくする具体的手段としては、式1及び式2中のwを小さくすることであり、E及びIを大きくすることである。
このうち、縦弾性係数Eは、材料に固有の値であり、グラビアローラ12の表面のセル(cell)の形成の関係もあり、選択の余地は多くはない。
一方、版胴部12Aの単位長さ当りの自重w、及び、断面二次モーメントIは、設計に依存し、選択の余地が多い。したがって、版胴部12Aの単位長さ当りの自重wを小さくするとともに、断面二次モーメントIを大きくとるべく、版胴部12Aの断面形状を工夫することができる。
たとえば、版胴部12Aを異なる材質の2層の中空パイプ材で形成する態様、版胴部12Aを中空パイプ材で形成するとともに、長さ方向において肉厚を変化させる態様、版胴部12Aの内部をハニカム状に形成する態様、等、各種の手法を採用できる。
この際、グラビアローラ12の外径を70〜150mmとすることが、最大撓み量vmax を小さくするのに有効である。
次に、グラビア塗布装置100の他の構成部材について説明する。
上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、グラビアローラ12と平行な状態で支持されている。そして、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、両端部分を軸受部材(ボール軸受等)により回動自在に支持され、駆動機構を付されない構成のものが好ましい。
上述したグラビア塗布装置100は、特に薄層塗布に有効であるので、たとえば、ウエット塗布量が10ml/m2 以下(塗布時の膜厚が10μm以下)の薄層塗布を行う光学フィルムの製造ラインに好適に適用できる。
本実施の形態において、グラビア塗布装置100は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
本発明において、塗布される塗布液の塗布層の数は単層に限定されるものではなく、必要に応じて同時多層塗布方法にも適用できる。
なお、図1に示される光学フィルムの製造ラインにおいて、ウェブ16のテンションとしては、100〜300N/mにすることが好ましい。
次に、光学フィルムに使用される各種材料について説明する。
ウェブ16はその用途により適宜好ましいものが選択され、具体的には透明支持体が用いられる。透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例:トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィンなどが挙げられる。
塗布液は、特に限定されないが、固形分濃度0.01〜50重量%で、粘度0.1〜20mPas、塗布量20ml/m2 以下のものが本発明の効果が得られやすく、また、水系でも有機溶剤系でもよい。水系のバインダとしては、ゼラチンやPVAなど水に溶解し、乾燥後膜を形成するものなら何でもよい。また、溶剤系のバインダとしては、モノマーでもポリマーでもよいが、たとえばモノマーの場合、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例:1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが含まれる。
更に、以下の無機超微粒子を添加することができる。チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン及びジルコニウムの酸化物からなる粒径100nm以下の超微粒子、好ましくは50nm以下の超微粒子。このような超微粒子の例としては、TiO2 、Al2 O3 、In2 O3 、ZnO、SnO2 、Sb2 O2 、ITO、ZrO2 等が挙げられる。
バインダ中の上記微粒子の含有量は、塗布液の全重量の10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であると更に好ましい。その他のバインダの例としては、架橋性のフッ素高分子化合物があり、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(たとえば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマー成分と架橋性基付与のためのモノマー成分を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
上記含フッ素モノマー成分の具体例としては、たとえばフルオロオレフィン類(たとえばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(たとえばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマー成分としてはグリシジルメタクリレートのように分子内に予め架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(たとえば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報に知られている。
また上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いてもよい。
併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、たとえばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
溶剤としてはアルコール類、ケトン類が主に使用され、アルコールではメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが主に使用される。ケトンではメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが主に使用される。その他ではトルエンやアセトンなども使用される。これらは単独の場合もあるが、混合されて使用される場合もある。
次に、図1に示される光学フィルムの製造ラインを使用した光学フィルムの製造方法について説明する。先ず、送り出し機66から、予めポリマー層が形成された、厚さが40〜300μmのウェブ16が送り出される。ウェブ16はガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれ、これにより、ウェブ16の表面に付着した塵が取り除かれる。そして、グラビア塗布装置100により塗布液がウェブ16に塗布される。
この際、塗布液の粘度を20mPas以下に調整する。そして、ウェブ16に塗布する塗布液の塗布時の平均膜厚を10μm以下とし、グラビアローラ12に巻き掛けられるウェブ16の巻き掛け角度を1〜5度とする。これにより、既述のグラビアローラ12の構成と相俟って、塗布時の膜厚のウェブ16の幅方向の分布を±3%以内とすることが可能となる。
塗布が終了した後には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78を経て、液晶層が形成される。更に紫外線ランプ80により液晶層を照射し、液晶を架橋させることにより、所望のポリマーが形成される。そして、このポリマーが形成されたウェブ16は巻取り機82により巻き取られる。
以上、本発明に係るグラビア塗布方法、装置、及び光学フィルムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態では、キスリバース方式のグラビア塗布方法が採用されており、この方式が光学フィルムの製造には最も好ましいが、これ以外の方式、たとえば、順転のキス方式のグラビア塗布方法も採用できる。
また、図1に示される光学フィルムの製造ライン10において、グラビア塗布装置100及び乾燥ゾーン76等が1式設けられているが、これらが複数設けられる、いわゆる重層塗布に対応した構成とすることもできる。
次に、本発明の実施例を説明する。本発明の実施例として、図1に示される光学フィルムの製造ライン10を使用して光学フィルムの製造を行った。
(実施例1)
低屈折率層用の塗布液をグラビアキスリバース方式でPETベース上に塗布した場合の、ウェブ16の幅方向の塗布厚さ分布の評価とスジ故障の有無の判定を行った。
低屈折率層用の塗布液をグラビアキスリバース方式でPETベース上に塗布した場合の、ウェブ16の幅方向の塗布厚さ分布の評価とスジ故障の有無の判定を行った。
ウェブ16として、幅が1000mmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラー、厚さ100μm)を使用した。
グラビア塗布装置100に使用する低屈折率層用の塗布液は、以下のように調整した。
屈折率が1.42であり、熱架橋性合フッ素ポリマーを6重量%含有するメチルエチルケトン溶液(JSR(株)製、製品番号:JN−7228)93gに、MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルを分散させたメチルエチルケトン、日産化学(株)製)を8g、メチルエチルケトンを94g、及びシクロヘキサノン6gを添加し、これを攪拌させた後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して調製した。
なお、塗布液の粘度は5mPas、15mPas及び25mPasの3種に調整した。
グラビアローラ12として、図3に示される版胴部12Aの外径Dが50、80、150及び200mmのもの4種を準備した。いずれも版胴部12Aの長さLは1200mmである。
グラビアローラ12の版胴部12Aの最大撓み量をレーザー式変位計により実測したところ、外径Dが50mmのものでは60μm、80mmのものでは22μm、150mmのものでは12μm、200mmmmのものでは6μmであった。
グラビアローラ12の版胴部12Aの外径Dと、グラビアローラ12に巻き掛けられるウェブ16の巻き掛け角度θと、塗布液の粘度との3条件を組み合わせて9種類の条件で塗布を行なった。
乾燥後の塗布層の膜厚は、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5度における分光反射率を測定して計算により求めた。
スジ故障は、目視による官能検査により判定した。この判定は、◎が目視で認められないレベル、○が少し難あるが問題ないレベル、△が一部にスジが発生、×が表面全体にスジ発生、の4段階の評価とした。
以上の塗布条件と評価結果を図4の表に纏める。
実施例1、2、3及び4では、幅方向塗布量分布が光学フィルムを製造するのに必要な±3.0%以内に制御できており、スジ故障についても問題ないレベルとなっている。
比較例1より、グラビアローラ径が小さくなることにより、幅方向塗布量分布が悪化することが確認できる。比較例2より、グラビアローラ径が大きくなることにより、スジ故障が悪化することが確認できる。
比較例3より、塗布液の粘度が大きくなるとスジ故障が全面に発生し、問題となることが確認できる。比較例4では、ラップ角を1度としたが、ベースとグラビアローラが均一に接触せず、塗布できなかった。比較例5では、ラップ角を大きくすることにより、スジ故障が問題あるレベルで発生することが確認できた。
(実施例2)
防眩性反射防止層用の塗布液をグラビアキスリバース方式でウェブ上に塗布した場合の、ウェブ16の幅方向の塗布厚さ分布の評価と防眩特性の評価を行った。
防眩性反射防止層用の塗布液をグラビアキスリバース方式でウェブ上に塗布した場合の、ウェブ16の幅方向の塗布厚さ分布の評価と防眩特性の評価を行った。
ウェブ16として、共流延により3層からなる厚さが80μm、幅が1340mmのトリアセチルセルロースフイルムを使用した。なお、このフイルムには明確な界面は観察されなかった。
グラビア塗布装置100に使用する防眩層用の塗布液は、以下のように調整した。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)240gを、52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶解させた。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チパフアインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解させた後に、20重量%の含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素界面活性剤(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した(なお、この溶液を塗布、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.65であった。)。
更に、この溶液に個数平均粒径2.0μm、屈折率1.61の架橋ポリスチレン粒子(SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを、80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散させ、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルタ(それぞれPPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて濾過して得られた分散液29gを添加、攪拌させた後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して防眩層用塗布液を調製した。
グラビア塗布装置100に使用する低屈折率層用の塗布液は、以下のように調整した。
屈折率が1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6重量%のメチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)8g、メチルエチルケトン94g及びシクロヘキサノン6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
グラビア塗布装置100を使用して、ウェブ16上に防眩層用塗布液を塗布し、120°Cで乾燥させた後に、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量300mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化させ、厚さ1.5μmの防眩層を形成させた。
グラビア塗布装置100を使用して、この防眩層の上に、低屈折率層用塗布液を塗布し、80°Cで乾燥させた後に、更に120°Cで8分間熱架橋させ、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成させ、防眩性反射防止シートを得た。
防眩層及び低屈折率層を形成する際の塗布条件は、以下の如くである。
グラビアローラ12として、図3に示される版胴部12Aの外径Dが100mmのものを使用した。版胴部12Aの長さLは1500mmである。
グラビアローラ12の版胴部12Aの最大撓み量をレーザー式変位計により実測したところ、25μmであった。
グラビアローラ12に巻き掛けられるウェブ16の巻き掛け角度θは3度とした。
乾燥後の塗布層の膜厚は、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5度における分光反射率を測定して計算により求めた。
この防眩性反射防止シートの幅方向の膜厚を測定すると、塗布量(膜厚)分布は±1.5%であった。
また、この防眩性反射防止シートにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2 )を映し、その反射像のボケの程度を観察したところ、スジなどの故障は観察できず、更に、蛍光灯の輪郭が全く分からない程度の光学特性に優れたものが得られたことが分かった。
10…光学フィルムの製造ライン、12…グラビアローラ、14…液受けパン、15…ドクターブレード、16…ウェブ、17、18…ガイドローラ、66…送り出し機、68…ガイドローラ、76…乾燥ゾーン、78…加熱ゾーン、80…紫外線ランプ、82…巻取り機
Claims (6)
- 走行する帯状可撓性の支持体に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗布装置において、
前記グラビアローラの最大撓み量とローラ長さとの比が2×10-5以下となっていることを特徴とするグラビア塗布装置。 - 前記グラビアローラの外径が70〜150mmである請求項1に記載のグラビア塗布装置。
- 前記グラビアローラに巻き掛けられる前記支持体の巻き掛け角度が1〜5度となっている請求項1又は2に記載のグラビア塗布装置。
- 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラビア塗布装置を使用したグラビア塗布方法であって、
前記支持体に塗布する塗布液の塗布時の平均膜厚を10μm以下とし、
該塗布時の膜厚の前記支持体幅方向の分布を±3%以内とすることを特徴とするグラビア塗布方法。 - 前記塗布液の粘度を20mPas以下とする請求項4に記載のグラビア塗布方法。
- 前記請求項4又は5に記載のグラビア塗布方法により前記支持体の表面に塗布膜を塗布して塗布層を形成したことを特徴とする光学フィルム。
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JP2007293102A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Fujifilm Corp | 反射防止フィルムの製造方法 |
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TWI765314B (zh) * | 2020-08-10 | 2022-05-21 | 光群雷射科技股份有限公司 | 轉印滾輪與其製造方法、及光學膜片與其製造方法 |
-
2004
- 2004-09-29 JP JP2004285098A patent/JP2006095443A/ja active Pending
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