JP2014180614A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬度や耐摩耗性が比較的小さい基材フィルム表面あるいは下地層表面に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層する場合のスジ状欠点の発生を抑制することができる製造方法を提供する。
【解決手段】下記のa1〜a3からなる群より選ばれるいずれか1つの基材フィルム50上、または下記のb1またはb2の下地層が設けられた基材フィルムの前記下地層上に、グラビアロール10を用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。(a1)ポリカーボネート樹脂フィルム(a2)セルロース樹脂フィルム(a3)アクリル樹脂フィルム(b1)下地層の固形分総量100質量%に対して粒子を10質量%以上含有する下地層(b2)厚みが50nm以下である下地層。
【選択図】図2

Description

本発明は、グラビアロールを用いた積層フィルムの製造方法に関し、詳しくはスジ状欠点の発生を抑制する積層フィルムの製造方法に関する。
グラビアロールを用いた塗布方式は一般的に知られており、特に薄膜の均一な塗布に好適である。グラビアロールはロールの周面にセルが形成されたロールで、グラビアロールに供給された塗布液はセルに一旦保持された後、連続搬送する基材フィルムにグラビアロールが接触することによってセル内の塗布液が基材フィルム上に塗布される。
一般的に用いられているグラビアロールは、炭素鋼やステンレス鋼を母材とするロールの周面にセルが形成され、さらにロール周面の硬度を上げるためにハードクロム(HCr)等の硬質膜が被覆されている。硬質膜としては上記のハードクロム(HCr)が一般的であるが、セラミックやダイヤモンダライクカーボンも硬質膜として使用されることが知られている。
近年、積層フィルムの製造方法において、ダイヤモンダライクカーボン被膜が表面に被覆されたグラビアロールを用いて基材フィルム上に塗布層を積層することが提案されている(特許文献1、2)。
一方、画像表示装置やタッチパネル等には、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、帯電防止機能、色補正機能等の機能を有する光学フィルムが、画像表示面や表示装置(タッチパネル)の内部に用いられている。これらの光学フィルムは、上記機能に加えて透過率が高いことはもちろんであるが、スジやムラ等の欠点が少ないことが要求されている。
特開2013−6983号公報 特開2013−30389号公報
従来から、光学フィルムの基材フィルムとしては二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが一般的に用いられている。この二軸延伸PETフィルムは、物理特性(強度や耐摩耗性等)に優れている。一方、ポリカーボネート樹脂フィルム、セルロース樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルムを光学フィルムの基材フィルムに用いることが知られているが、これらの樹脂フィルムは二軸延伸PETフィルムに比べて硬度や耐摩耗性等の物理特性が一般に小さい。
また、基材フィルム上に積層される塗布層と基材フィルムとの間に、特定の機能(例えば密着性(接着性)向上機能、滑り性向上機能、ブロッキング防止機能、ニュートンリング防止機能(干渉縞防止機能)、屈折率調整機能、色補正機能、帯電防止機能等)を有する下地層を介在させることがある。
これらの下地層には、上記の機能を付与するために粒子を比較的多量に含有させる場合がある。また、これらの下地層は、その上に積層される塗布層への光学的影響や生産性向上を配慮して下地層の厚みを比較的小さくすることがある。上記したように、下地層が粒子を比較的多量に含有する場合、あるいは下地層の厚みが比較的小さい場合、下地層の硬度や耐摩耗性が低下する傾向にある。
一方、グラビアロールを用いた塗布方式は、前述したように薄膜塗工に好適であるが、一方で、基材フィルムとグラビアロールとが接触しながら薄膜を形成するという塗布方式であることから、スジ状欠点が発生しやすいという問題がある。
加えて、本発明者らによる検討の結果、上述のグラビアロール塗布方式におけるスジ状欠点は、基材フィルムあるいは基材フィルムに設けられた下地層の硬度や耐摩耗性が小さい場合に発生しやすいことが新たに判明した。
そこで、本発明の目的は、積層フィルムの製造方法において、硬度や耐摩耗性が比較的小さい基材フィルム表面あるいは下地層表面に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層する場合のスジ状欠点の発生を抑制することができる製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
[1] 下記のa1〜a3からなる群より選ばれるいずれか1つの基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
(a1)ポリカーボネート樹脂フィルム
(a2)セルロース樹脂フィルム
(a3)アクリル樹脂フィルム
[2] 下記のb1またはb2の下地層が設けられた基材フィルムの前記下地層上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
(b1)下地層が粒子を含有し、当該粒子の含有量が下地層の固形分総量(固形分総量を100質量%とする)に対して10質量%以上である下地層
(b2)厚みが50nm以下である下地層
[3] 前記基材フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである、前記[2]に記載の積層フィルムの製造方法。
[4] 前記b1の下地層における粒子が金属酸化物粒子である、前記[2]または[3]に記載の積層フィルムの製造方法。
[5] 前記金属酸化物粒子が酸化ジルコニウムまたは酸化チタンである、前記[4]に記載の積層フィルムの製造方法。
[6] 前記塗布層の乾燥厚みが50nm未満である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
[7] 前記グラビアロールの母材の材質がセラミックまたは炭素繊維である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
[8] 前記塗布層が、ハードコート層、反射防止層、防眩層、導電層、帯電防止層、屈折率調整層、色調調整層及び防汚層からなる群より選ばれるいずれか1つの機能層である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
[9] 前記積層フィルムが光学フィルムである、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
本発明によれば、硬度や耐摩耗性が比較的小さい基材フィルム表面あるいは下地層表面に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層する場合のスジ状欠点の発生を抑制することができる。本発明の積層フィルムの製造方法は、特に光学フィルムの製造に好適に用いられる。
図1は本発明で用いるグラビアロールの部分模式断面図である。 図1における土手部の範囲を説明するために、土手部を実線で示し、セルを点線で示した、説明用の図である。 図2は本発明で用いるリバースグラビア塗布装置の一例を示す概略図である。 図3は本発明で用いるグラビアロールの側面図である。
[第1の発明]
本発明の第1の発明は、比較的硬度(耐摩耗性)の小さい基材フィルムの表面に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層する場合のスジ状欠点の発生を抑制することを目的とするものである。
係る第1の発明は、下記のa1〜a3からなる群より選ばれるいずれか1つの基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする。
(a1)ポリカーボネート樹脂フィルム
(a2)セルロース樹脂フィルム
(a3)アクリル樹脂フィルム。
[第1の発明で用いる基材フィルム]
第1の発明で用いる基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂フィルム、セルロース樹脂フィルムおよびアクリル樹脂フィルムからなる群より選ばれるいずれか1つの樹脂フィルムである。
ポリカーボネート樹脂フィルム、セルロース樹脂フィルムおよびアクリル樹脂フィルムは、特に限定されないが、特に、光学フィルムを本発明の製造方法によって製造する場合はそれぞれ透明度の高いフィルムが用いられることが好ましい。
第1の発明で用いる基材フィルムの厚みは、10〜300μmの範囲が適当であり、20〜250μmの範囲が好ましく、特に20〜200μmの範囲が好ましい。
[第2の発明]
本発明の第2の発明は、比較的硬度(耐摩耗性)の小さい下地層の表面に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層する場合のスジ状欠点の発生を抑制することを目的とするものである。
係る第2の発明は、下記のb1またはb2の下地層が設けられた基材フィルムの前記下地層上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする。
(b1)下地層の固形分総量100質量%に対して粒子を10質量%以上含有する下地層
(b2)厚みが50nm以下である下地層。
[第2の発明で用いる基材フィルム]
第2の発明で用いる基材フィルムとしては、ポリエステル樹脂フィルム、セルロース樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、環状オレフィン樹脂フィルム、エポキシ樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリスルフォン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、ポリエーテルスルフォン樹脂フィルム等が挙げられる。これらの樹脂フィルムの中でもポリエステル樹脂フィルムが好ましく、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。二軸延伸PETフィルムは、物理特性(強度や耐摩耗性等)や耐溶剤性等に特に優れているためである。
上記基材フィルムの厚みは、10〜300μmの範囲が適当であり、20〜250μmの範囲が好ましく、特に20〜200μmの範囲が好ましい。
そして、第2の発明で用いる基材フィルムには、以下に説明する下地層が設けられる。
[基材フィルムに設けられる下地層]
基材フィルムに設けられる下地層は上記(b1)または(b2)の何れかに該当していれば良く、その組成や機能は特に限定されるものではない。例えば、下地層は、密着性(接着性)向上機能、滑り性向上機能、ブロッキング防止機能、オリゴマー析出防止機能、ニュートンリング防止機能(干渉縞防止機能)、屈折率調整機能、色補正機能、帯電防止機能等の機能を有する層であることができる。

また、基材フィルムに下地層を設ける手段は、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
また、基材フィルムと下地層との間に、他の機能層(例えば、密着性(接着性)向上機能、滑り性向上機能、ブロッキング防止機能、オリゴマー析出防止機能、ニュートンリング防止機能(干渉縞防止機能)、ハードコート機能、反射防止機能、屈折率調整機能、色補正機能、帯電防止機能等の機能を有する層)が設けられていてもよい。
続いて、(b1)の下地層と(b2)の下地層の詳細について説明する。
[(b1)の下地層]
以下、(b1)の下地層を下地層b1と言うことがある。下地層b1は、粒子を含有する層であって、当該粒子の含有量が下地層b1の固形分総量(固形分総量を100質量%とする)に対して10質量%以上である層である。
一般に、粒子の含有量が多くなるに伴って下地層の硬度(耐摩耗性)が小さくなる傾向にあり、下地層b1の上に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層するとスジ状欠点が発生しやすくなるが、係る課題は最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されているグラビアロールを用いることによって解決する。
第2の発明は、下地層b1における粒子の含有量が多くなるほど高い効果を発現する。つまり第2の発明は、下地層b1における粒子の含有量が下地層b1の固形分総量100質量%に対して20質量%以上である場合に有益であり、特に粒子の含有量が30質量%以上の場合に有益である。
下地層b1における粒子含有量の上限は、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、特に85質量%以下が好ましい。
一方、下地層の厚みが小さくなるに従って硬度(耐摩耗性)も小さくなる傾向にあり、粒子を比較的多量に含有する下地層b1の場合はその厚みが小さくなると、硬度(耐摩耗性)の低下が助長される傾向にある。従って、第2の発明は、下地層b1の厚みが50nm以下の場合に更に有益であり、下地層b1の厚みが40nm以下の場合に特に有益であり、下地層b1の厚みが30nm以下の場合に最も有益である。厚みの下限は特に限定されるものではないが、5nm程度である。
なお、下地層b1に含まれる粒子は、下地層b1の機能に応じて適宜選択される。例えば、下地層b1が屈折率調整機能を有する層である場合であって、下地層b1の屈折率を小さくする場合(例えば、屈折率を1.50以下に調整する場合)は、シリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率の粒子が用いられる。一方、下地層b1の屈折率を大きくする場合(例えば、屈折率を1.55以上に調整する場合)は、高屈折率の金属酸化物粒子が用いられる。また、下地層b1が滑り性向上機能あるいはブロッキング防止機能を有する場合は無機粒子(シリカ粒子など)や有機粒子(アクリル粒子など)が用いられる。
上記の高屈折率の金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子の中でも酸化ジルコニウムや酸化チタンが好ましく用いられる。
下地層b1に含有する粒子の平均粒子径は、下地層b1あるいは下地層b1上に塗布層を積層して得られる積層フィルムの高い透明性を確保するという観点から、500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、特に100nm以下が好ましく、50nm以下が最も好ましい。粒子の平均粒子径の下限は、1nm程度である。
下地層b1は、樹脂を含有することが好ましい。係る樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、あるいは紫外線や電子線等の活性エネルギー線で重合し硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂であってもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂については、後述の塗布層で詳細に説明する。
下地層b1における樹脂の含有量は、下地層b1の固形分総量100質量%に対して5〜90質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましく、特に20〜70質量%の範囲が好ましい。
下地層b1は、さらに架橋剤あるいは光重合開始剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤が好ましく用いられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
下地層b1における架橋剤の含有量は、下地層b1の固形分総量100質量%に対して、1〜40質量%の範囲が好ましく、3〜30質量%の範囲がより好ましく、5〜25質量%の範囲が特に好ましい。
光重合開始剤については、後述の塗布層で詳細に説明する。下地層b1における光重合開始剤の含有量は、下地層b1の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
下地層b1の厚み(乾燥厚み)はその機能によって適宜設定されるが、下地層b1は粒子を比較的多量に含有するので、積層フィルムへの光学特性の影響(透明性の低下、ヘイズ値の上昇、白濁など)を小さくすると言う観点から、下地層b1の厚みは500nm以下好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。下限の厚みは5nm程度である。
下地層b1は屈折率調整機能を有する層であることが好ましく、更に高屈折率層であることが好ましい。下地層b1が高屈折率層である場合、下地層b1の屈折率は1.60〜1.80の範囲が好ましく、1.62〜1.75の範囲がより好ましく、特に1.63〜1.70の範囲が好ましい。
本発明では、基材フィルムが二軸延伸PETフィルムであり、下地層b1が高屈折率層であることが好ましく、加えて、下地層b1が密着性向上機能を併せ持つ層であることが好ましい。
二軸延伸PETフィルムの屈折率は一般に1.60〜1.70の範囲であるので、下地層b1が密着性向上機能を併せ持つ高屈折率層である場合、下地層b1の屈折率を二軸延伸PETフィルムの屈折率と同程度とすることにより、二軸延伸PETフィルムと下地層b1との屈折率差による影響(例えば、干渉縞等の発生)が軽減される。
下地層b1が二軸延伸PETフィルムの密着性向上機能を併せ持つ高屈折率層である場合、二軸延伸PETフィルムの屈折率と下地層b1の屈折率との差の絶対値は、0.03以下が好ましく、0.02以下がより好ましく、特に0.01以下が好ましい。
下地層b1が二軸延伸PETフィルムの密着性向上機能を併せ持つ高屈折率層である場合、下地層b1は、上述した金属酸化物粒子、樹脂、および架橋剤を含有する層であることが好ましい。係る金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、酸化チタンが好ましい。また、係る樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことが好ましい。係る架橋剤としては、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。
下地層b1が二軸延伸PETフィルムの密着性向上機能を併せ持つ高屈折率層である場合、下地層b1の厚み(乾燥厚み)は二軸延伸PETフィルムと塗布層との密着性を向上させるという観点から5nm以上が好ましく、10nm以上が好ましい。粒子を比較的多く含有する下地層b1はクラックが発生しやすいので、クラックを抑制するという観点から200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、特に50nm以下が好ましい。
[(b2)の下地層]
以下、(b2)の下地層を下地層b2と言うことがある。下地層b2は、その厚みが50nm以下である。
一般に、被膜の厚みが小さくなるに従って硬度(耐摩耗性)も小さくなる傾向にあり、厚みが50nm以下の下地層b2上に直接にグラビアロールを用いて塗布層を積層するとスジ状欠点が発生しやすくなるが、係る課題は最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されているグラビアロールを用いることによって解決する。
第2の発明は、下地層b2の厚みが小さいほど高い効果を発現する。従って第2の発明は、下地層b2の厚みが40nm以下の場合に有益であり、更に下地層b2の厚みが30nm以下の場合に有益である。下地層b2の厚みの下限は5nm程度である。
下地層b2は、樹脂を含有することが好ましい。係る樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、あるいは紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂であってもよい。
下地層b2における樹脂の含有量は、下地層b2の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は100質量%であるが、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、特に好ましくは85質量%以下である。
下地層b2は、さらに架橋剤あるいは光重合開始剤を含有することが好ましい。架橋剤および光重合開始剤は、下地層b1で例示した化合物と同様のものが用いられる。また、架橋剤および光重合開始剤の含有量も下地層b1と同様である。
下地層b2は、粒子を含有することができる。係る粒子としては、下地層b1に例示したものと同様の粒子が挙げられる。下地層b2が粒子を含有する場合の粒子の含有量は、下地層b2の固形分総量100質量%に対し0.1質量%以上10質量%未満の範囲が適当である。
本発明では、基材フィルムが二軸延伸PETフィルムであり、下地層b2が二軸延伸PETフィルムと塗布層の密着性を向上せしめる機能を有する層、あるいは二軸延伸PETフィルムからのオリゴマーの析出を防止する機能を有する層であることが好ましい。
[積層フィルムの製造方法]
以下、本発明の第1の発明および第2の発明における積層フィルムの製造方法について詳細に説明する。以下に説明する実施態様および技術思想は、断りのない限り、第1の発明および第2の発明に共通する。
本発明の積層フィルムの製造方法は、基材フィルム上(あるいは下地層上)に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする。
本発明では、塗布層を構成する塗布液をグラビアロールを用いて、基材フィルム上(あるいは下地層)に直接に塗布し、塗布層を積層する製造方法であることが好ましい。また、本発明の製造方法では、塗布液を塗布した後に、該塗布液を乾燥させたり、熱や活性エネルギー線(例えば、光)によって硬化させたりすることによって、塗布層を形成せしめても良い。
続いて、本発明で用いるグラビアロールの詳細について説明する。
[グラビアロール]
上述した第1の発明および第2の発明の目的は、最表面がダイヤモンドライクカーボン(以下「DLC」と略記する)で被覆されているグラビアロールを用いることによって達成される。
グラビアロールはその周面に塗布液を一旦保持するためのセルが設けられている。図1は、本発明にて用いるグラビアロールの一部を示す部分模式断面図である。グラビアロール1の周面2には、複数のセル3とこれらのセルを区画する土手部4で構成されている(ここで、土手部4の範囲を、図1Aを用いて説明すると、図1Aにおいて実線にて示されている部分が土手部である。)。
本発明において、グラビアロールの最表面がDLCで被覆されているとは、グラビアロール1の周面2の少なくとも土手部4が被覆されていることを意味する
グラビアロールを用いた塗布方式は、グラビアロールの周面を基材フィルム(あるいは下地層)に押し当てて(接触させて)塗布する方式であり、グラビアロールにおける基材フィルム(あるいは下地層)との接触部分である土手部がDLC被膜で被覆されていることが重要である。
以下の説明において、下地層が積層された基材フィルムも含めて単に基材フィルムと言うことがある。
本発明において、土手部のみがDLC被膜で被覆されていてもよいし、または土手部とセル内の両方がDLC被膜で被覆されていてもよい。グラビアロールの耐摩耗性を向上させるという観点から、土手部とセル内の両方がDLC被膜で被覆されていることが好ましい。つまり、グラビアロールの周面における露出部の全域がDLC被膜で被覆されていることが好ましい。
グラビアロールは、炭素鋼あるいはステンレス鋼などの材料からなる母材ロールの周面にセルが形成されたものが一般的に知られており、本発明でも用いることができる。セルの形成は、母材ロールに直接あるいは金属めっき層(ニッケル、銅、チタン、クロム等の金属めっき層)を介して、エッチング方式、彫刻方式、レーザー方式等で形成される。
本発明で用いるグラビアロールは、セルが形成されたロール周面の少なくとも土手部はDLC被膜で被覆されている。DLC被膜はスパッタリングまたはプラズマCVD等によってロール周面に被覆されるので、通常、ロール周面の土手部とセル内は一緒にDLC被膜で被覆される。
本発明において、DLC被膜の厚みは、スジ状欠点の発生を効果的に抑制するという観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、特に1μm以上が好ましい。上限の厚みは、グラビアロールの加工性や塗布安定性の観点から15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、特に5μm以下が好ましい。
DLC被膜はグラビアロールの最表面にあればよく、母材ロールとの密着を高める目的あるいは錆防止の目的で母材ロールとDLC被膜との間に、例えばハードクロム(HCr)めっき層やニッケルめっき層などの別の層を1層もしくは複数層設けられてもよい。
グラビアロールの周面に設けられるセルの形状は特に限定されず、例えば一般的に知られている、斜線型、格子型(矩形状)、ハニカム型(亀甲型)、ピラミッド型等を採用することができる。上記のセルの中でも、特に斜線型セルが好適である。
斜線型セルのグラビアロールは、ロール周面に螺旋状の斜線彫刻溝からなるセルが形成されたものであり、グラビア塗布方式に一般的に用いられているグラビアロールである。
斜線型セルの線数は1インチ(25.4mm)当たり30〜300線の範囲が好ましく、50〜250線の範囲がより好ましく、特に80〜200線の範囲が好ましい。セルの深度は、20〜300μmの範囲が好ましく、30〜200μmの範囲がより好ましく、特に40〜100μmの範囲が好ましい。また、斜線型セルの傾斜角度(グラビアロールの回転軸方向に対する角度)は、30〜70度の範囲が一般的であり、40〜60度の範囲が好ましい。
グラビアロールの外径は、スジ状欠点の発生を効果的に抑制するという観点から、100mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましい。グラビアロールの外径を100mm以下とすることにより、基材フィルムとの接触面積が小さくなり、スジ状欠点の発生が抑制されていると推測される。グラビアロールの外径の下限は、塗布安定性を確保するという観点から20mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましい。
詳しくは後述するが、グラビアロールの母材ロールの材質は、グラビアロールの長さ(面長)方向のたわみ量を軽減するという観点から、セラミックまたは炭素繊維が好ましく用いられる。
セラミックおよび炭素繊維を母材ロールとする場合は、例えば、母材ロールに更にセラミックを溶射して母剤ロールの周面にセラミック被膜を形成し、このセラミック被膜にレーザーアブレーション方式によってセルを形成し、更にDLC被膜を被覆することにより本発明で用いるグラビアロールを得ることができる。
[グラビアロールを用いた塗布層の積層方法]
本発明の第1の発明および第2の発明は、グラビアロールを用いたリバースグラビア塗布方式を採用することが好ましい。係るリバースグラビア塗布方式は、連続搬送される基材フィルムの搬送方向とは逆方向に回転させられるグラビアロールが基材フィルムに押し当てられることによって、グラビアロールに供給された(塗布層を構成する)塗布液が基材フィルムに塗布される塗布方法である。通常、グラビアロールに供給された塗布液は基材フィルムに塗布される前に、その余剰分がドクターブレードによって掻き落とされて塗布量が調整される。
リバースグラビア塗布方式について以下に説明する。図2は、リバースグラビア塗布装置の一例を示す概略図である。このリバースグラビア塗工装置はキス方式であり、グラビアロール10、塗布液供給手段20、ドクターブレード30、及び一対の搬送ローラ41、42を具備している。ここで、キス方式とは、基材フィルム50を挟んでグラビアロール10に対向する位置にバックロールが配置されていない方式であって、一対の搬送ローラ41と42に支持されながら搬送する基材フィルム50にグラビアロール10を押し当てて塗布する方式である。
グラビアロール10は、図示しない回転駆動手段によって矢印yの方向へ駆動回転させられる。塗布液供給手段20は、塗布液貯留容器21と、この塗布液貯留容器21に収容されている塗布液22とで構成されている。一対の搬送ローラ41、42は、グラビアロール10の両側に所定間隔をおいて配置されており、基材フィルム50はグラビアロール10が押し当てられた状態で矢印zの方向に搬送される。
グラビアロール10は、その下部が塗布液貯留容器21内の塗布液22に浸漬するように配置されている。グラビアロール10を回転させることによってグラビアロール10の周面に形成されたセルに塗布液が供給され、ドクターブレード30によってグラビアロール10の周面の余剰塗布液が掻き落とされ、塗布液の量が調整される。グラビアロール10を基材フィルム50の搬送方向(矢印zの方向)とは逆方向(矢印yの方向)に回転させながら、グラビアロール10を基材フィルム50に押し当てることによって、グラビアロール10のセル内の塗布液が基材フィルム50に塗布される。
ドクターブレードの材質は特に制限されないが、ステンレス鋼や炭素鋼などからなるドクター母材のグラビアロールとの接触部がフッ素樹脂でコーティングされたものが好ましく用いられる。
本発明において、生産性アップの観点から塗布幅は広い方が好ましい。具体的には、塗布幅は1000mm以上が好ましく、1300mm以上がより好ましく、1500mm以上が特に好ましい。上限の塗布幅は、2500mm程度である。
このように塗布幅を広くするとスジ状欠点が発生しやすくなるが、本発明の製造方法を採用することによって、塗布幅が広い場合であっても有効にスジ状欠点の発生を抑制することができる。塗布幅の広幅化において、更にスジ状欠点の発生を抑制するにはグラビアロールの母材ロールの材質を厳選することが好ましい。母材ロールの材質は、具体的にはセラミックまたは炭素繊維であることが好ましい。セラミックの材質としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化クロム等の金属酸化物系セラミックが挙げられる。
前述したように、本発明におけるグラビアロールの外径は100mm以下であることが好ましいが、このような比較的外径が小さいグラビアロールは、塗布幅の広幅化に対応するためにグラビアロールの長さ(面長)を大きくするとグラビアロールの長さ方向の撓み量が大きくなる。グラビアロールの撓み量が大きくなると、グラビアロールと基材フィルムとの接触圧が両端部で部分的に大きくなるという現象が起こり、それがスジ状欠点の発生を助長することがある。
グラビアロールの母材ロールとしてセラミックまたは炭素繊維を用いることによって、グラビアロールの長さ方向における撓み量が小さくなり、スジ状欠点の発生が抑制される。
グラビアロールの長さ方向における撓み量(自重による最大撓み量)は、0.1mm以下が好ましく、0.08mm以下がより好ましい。例えば、グラビアロールの外径が60mmで面長が1800mmの場合、母材ロールの材質がステンレス鋼のグラビアロールの撓み量は0.15mm、母材ロールの材質が炭素繊維のグラビアロールの撓み量は0.05mm、母材ロールの材質がセラミックのグラビアロールの撓み量は0.04mmである。
上記したような撓み量の小さいグラビアロールの使用は、特に塗布幅が1500mm以上のときに、キズ状欠点の発生がさらに抑制されることから好ましい。
図3は、本発明で用いるグラビアロールの側面図(模式図)である。グラビアロール10の長さ(面長)は符号Lで示される寸法である。グラビアロールの撓み量Vは、例えば、図示しない設置台にグラビアロール10の両端の軸部11を水平に設置して、グラビアロール10の自重による撓み量(最大撓み量)Vを、例えばレーザー式変位計で測定することができる。
本発明において、塗布層を形成するための塗布液は、比較的低粘度の塗布液であることが好ましい。塗布液の粘度(23℃)は、具体的には30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、特に10mPa・s以下が好ましい。塗布液の下限粘度は、0.3mPa・s程度である。
また、塗布液のWet塗布量は0.5〜20g/mの範囲が好ましく、1〜10g/mの範囲がより好ましく、特に1〜7g/mの範囲が好ましい。
本発明における塗布層の乾燥厚みは、10〜3000nmの範囲が適当である。本発明は、塗布層の乾燥厚みが薄膜であっても、有効にスジ状欠点を抑制することができるという特長がある。従って、本発明は塗布層の乾燥厚みが50nm未満の場合に特に有効である。
[塗布層]
塗布層の組成や機能は特に限定されるものではなく、積層フィルムの用途に応じて適宜選択される。例えば、積層フィルムが反射防止フィルムである場合、反射防止層(高屈折率層、中屈折率層、低屈折率など)が塗布層となり、積層フィルムがハードコートフィルムの場合、ハードコート層が塗布層となる。
また、積層フィルムが透明導電性フィルムの場合は、導電層が塗布層となる。この導電層としては、銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブのような導電性繊維、ポリチオフェンやポリアニリンのようなπ共役系導電性高分子、4級アンモニウム塩ポリマーのようなカチオン系高分子などの導電性材料を含むものが挙げられる。
また、タッチパネルの電極に用いられる透明導電性フィルムは、導電層の色味調整や電極パターンの骨見え(パターンが見えること)を防止するために、導電層が積層される面に特定屈折率の中間層やハードコート層が設けられることがある。本発明の製造方法によって得られる積層フィルムは、透明導電性フィルムの導電層が積層される前の中間層やハードコート層が設けられた積層フィルムとしても好適である。この場合、中間層やハードコート層が塗布層となる。
係る中間層としては、屈折率が1.60〜1.80の高屈折率層、屈折率が1.30〜1.50の低屈折率層が挙げられる。係るハードコート層としては、屈折率が1.48〜1.54の一般的なハードコート層、あるいは屈折率が1.55〜1.80の高屈折率ハードコート層が挙げられる。
本発明では、塗布層は、ハードコート層、反射防止層、防眩層、導電層、帯電防止層、屈折率調整層、色調調整層及び防汚層からなる群より選ばれるいずれか1つの機能層であることが好ましい。
塗布層は、熱硬化性樹脂層あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂層であることが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂層であることが好ましい。
熱硬化性樹脂層は、熱によって重合または架橋する樹脂、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する組成物(塗布液)を塗布した後、加熱されることにより硬化される層である。
活性エネルギー線硬化性樹脂層とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で重合し硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する組成物(塗布液)を塗布した後、活性エネルギー線が照射されることにより硬化される層である。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーが好ましく用いられる。ここで、エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
上記の分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
上記の分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有するオリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記した、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーは、単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。少なくとも、3官能以上の多官能モノマーや多官能オリゴマーを用いることが好ましい。
塗布層が高屈折率層あるいは高屈折率ハードコート層の場合は、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化性組成物(塗布液)は、更に金属酸化物粒子を含有する。係る金属酸化物粒子としては、前述の下地層b1と同様のものが用いられる。金属酸化物粒子としては、特に酸化ジルコニウム、酸化チタンが好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物における金属酸化物粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましく、50質量%以上が最も好ましい。上限は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。このような光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。
また、光重合開始剤は一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のイルガキュア184、907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
塗布層が低屈折率層である場合は、上記の高屈折率層を形成する活性エネルギー線硬化性組成物における金属酸化物粒子に代えて、シリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率粒子、あるいはフッ素化合物が用いられる。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムの製造方法は、光学フィルムの製造方法に好適である。光学フィルムは、画像表示装置やタッチパネル等の画像表示面や表示装置(タッチパネル)の内部に用いられる。光学フィルムとしては、例えば、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、透明導電性フィルム、タッチパネルの電極用透明導電性フィルムの導電層を積層する前の積層フィルム(前述の導電層の色味調整や電極パターンの骨見え(パターンが見えること)を防止するための積層フィルム等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法、評価方法および使用材料を以下に示す。
[測定方法および評価方法]
(1)下地層および塗布層の屈折率の測定
各層を構成するそれぞれの塗布組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。
(2)基材フィルムの屈折率の測定
基材フィルム(下地層が設けられる前の基材フィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じてアッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
(3)下地層および塗布層の厚み(乾燥厚み)の測定
積層フィルムの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて5万倍〜30万倍の倍率で積層フィルムの断面を観察し、それぞれ層の厚みを測定した。尚、各層の境界が明確でない場合は必要に応じて染色処理を施した。
(4)粒子の平均粒子径の測定
積層フィルムの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて5万倍〜30万倍の倍率で、下地層あるいは塗布層の断面を観察し、その断面写真から、無作為に選択した30個の粒子のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
(5)スジ状欠点の評価
積層フィルムの塗布層が積層された面にLEDランプを照射して目視でスジ状欠点を観察した。年齢が20歳代の健康な男性3人に目視で認識できるスジ状欠点の個数を観察調査させ、それらの個数を平均した。観察面積はそれぞれ30mである。評価基準を以下に示す。
G1;スジ状欠点個数が0.5個/m未満
G2;スジ状欠点個数が0.5個/m以上1.0個/m未満
G3;スジ状欠点個数が1.0個/m以上2.0個/m未満
G4;スジ状欠点個数が2.0個/m以上5.0個/m未満
G5;スジ状欠点個数が5.0個/m以上10.0個/m未満
G6;スジ状欠点個数が10.0個/m以上。
[グラビアロール]
<グラビアロールa1、a2>
ステンレス鋼からなる母材ロールの周面に斜線型セルが形成されたロールの周面に、厚みが10μmのハードクロム(HCr)めっきを施し、さらにその表面にDLC被膜(厚み2μm)をプラズマCVD法によりコーティングした。
このグラビアロールの外径は60mmである。面長が1200mm(グラビアロールa1)と1800mm(グラビアロールa2)の2本のグラビアロールを用意した。
<グラビアロールb1、b2>
ステンレス鋼からなる母材ロールの周面に斜線型セルが形成されたロールの周面に、厚みが10μmのハードクロム(HCr)めっきを施した。
このグラビアロールの外径は60mmである。面長が1200mm(グラビアロールb1)と1800mm(グラビアロールb2)の2本のグラビアロールを用意した。
<グラビアロールc1、c2>
ステンレス鋼からなる母材ロールの周面に斜線型セルが形成されたロールの周面に、厚みが10μmのハードクロム(HCr)めっきを施し、さらにその表面にセラミック(厚み2μm)を溶射した。
このグラビアロールの外径は60mmである。面長が1200mm(グラビアロールc1)と1800mm(グラビアロールc2)の2本のグラビアロールを用意した。
<グラビアロールd1、d2>
セラミックからなる母材ロールの周面に斜線型セルを形成するためのセラミック溶射被膜をコーティングし、このロール周面にレーザーアブレーション法により斜線型セルを形成した。次に、斜線型セルが形成されたロール周面に厚みが10μmのハードクロム(HCr)めっきを施し、さらにその表面にDLC被膜(厚み2μm)をプラズマCVD法によりコーティングした。
このグラビアロールの外径は60mmである。面長が1200mm(グラビアロールd1)と1800mm(グラビアロールd2)の2本のグラビアロールを用意した。
<グラビアロールe1、e2>
炭素繊維からなる母材ロールの周面に斜線型セルを形成するためのセラミック溶射被膜をコーティングし、このロール周面にレーザーアブレーション法により斜線型セルを形成した。次に、斜線型セルが形成されたロール周面に厚みが10μmのハードクロム(HCr)めっきを施し、さらにその表面にDLC被膜(厚み2μm)をプラズマCVD法によりコーティングした。
このグラビアロールの外径は60mmである。面長が1200mm(グラビアロールe1)と1800mm(グラビアロールe2)の2本のグラビアロールを用意した。
[基材フィルム]
<ポリカーボネート樹脂フィルム>
厚みが125μmのポリカーボネート樹脂フィルム(帝人化成(株)製の「パンライトフィルム」)を用意した。
<セルロース樹脂フィルム>
厚みが80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタオプト(株)製の「KC8UY」)を用意した。
<アクリル樹脂フィルム>
厚みが125μmのポリメチルメタクリレート樹脂フィルム(住友化学(株)製の「テクノロイ」)を用意した。
[下地層b1を形成するための塗布組成物]
<下地層b1aを形成するための塗布組成物>
下地層b1aを形成するための塗布組成物は、下記のポリエステル樹脂Aを100質量部、平均粒子径が15nmの酸化ジルコニウム粒子を60質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」))を15質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物における粒子(酸化ジルコニウム)含有量は、塗布組成物の固形分総量100質量%に対して34質量%である。この塗布組成物の屈折率は1.65であった。
<ポリエステル樹脂A>
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂である。
・カルボン酸成分
テレフタル酸 35モル%
2,6−ナフタレンジカルボン酸 9モル%
5−Naスルホイソフタル酸 6モル%
・グリコール成分
エチレングリコール 49モル%
ジエチレングリコール 1モル%。
<下地層b1bを形成するための塗布組成物>
下地層b1bを形成するための塗布組成物は、上記ポリエステル樹脂Aを100質量部、平均粒子径が15nmの酸化チタン粒子を20質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」))を15質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物における粒子(酸化チタン)含有量は、塗布組成物の固形分総量100質量%に対して15質量%である。この塗布組成物の屈折率は1.58であった。
[下地層b2を形成するための塗布組成物]
<下地層b2を形成するための塗布組成物>
下地層b2を形成するための塗布組成物は、下記のポリエステル樹脂Bを100質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」))を15質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物の屈折率は1.63であった。
<ポリエステル樹脂B>
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂である。
・カルボン酸成分
コハク酸 40モル%
5−Naスルホイソフタル酸 10モル%
・グリコール成分
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン 42モル%
エチレングリコール 8モル%。
[塗布層を形成するための組成物]
<塗布層aを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物>
活性エネルギー線硬化性樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとウレタンアクリレートを質量比3:7で含む)95質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=30/70(質量比))に分散あるいは溶解して調製した。この組成物の粘度(23℃)は7.0mPa・s、屈折率は1.51であった。
<塗布層bを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物>
活性エネルギー線硬化性樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとウレタンアクリレートを質量比3:7で含む)47質量部、平均粒子径が30nmの酸化ジルコニウム50質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル)に分散あるいは溶解して調製した。この組成物の粘度(23℃)は7.0mPa・s、屈折率は1.65であった。
<塗布層cを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物>
活性エネルギー線硬化性樹脂(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)50質量部、フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 イルガキュア184) 5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散あるいは溶解して調製した。この組成物の粘度(23℃)は2.0mPa・s、屈折率は1.43であった。
[実施例1−1]
下記の要領で積層フィルムを製造した。
<塗布層の積層>
図2のリバースグラビア塗布装置およびグラビアロールa1を用いて、上記のポリカーボネート樹脂フィルムに直接に、塗布層aを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて、厚みが2000nm(2μm)の塗布層(ハードコート層)を形成した。塗布幅は1100mmである。
[実施例1−2〜1−6および比較例1−1〜1−4]
実施例1−1において、グラビアロールの種類、グラビアロールの面長および塗布幅を表1のように変更する以外は、実施例1−1と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。
[実施例2−1〜2−6および比較例2−1〜2−4]
基材フィルムを上記のセルロース樹脂フィルムに変更する以外は、上記の実施例・比較例(実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−4)と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。詳細を表1に示す。
[実施例3−1〜3−6および比較例3−1〜3−4]
基材フィルムを上記のアクリル樹脂フィルムに変更する以外は、上記の実施例・比較例(実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−4)と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。詳細を表1に示す。
[評価]
上記の実施例および比較例で製造された積層フィルムについて、スジ状欠点を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2014180614
Figure 2014180614
[実施例4−1]
下記の要領で積層フィルムを製造した。
<二軸延伸PETフィルムの製造>
フィラーを含まないポリエチレンテレフタレートを280℃で溶融押出し、静電印可された20℃のキャストドラム上にキャストし無延伸シートとした後、これを100℃で予熱し、この温度にてロール延伸で長手方向に3.0倍延伸した。この後、下記の易滑層Aの水系塗料を上記フィルム片面に塗布した。その後、120℃で幅方向に3.5倍延伸し、220℃で熱処理した。これにより、乾燥厚みが80nmの易滑層Aが片面に形成された二軸延伸PETフィルム(厚み100μm)を得た。
上記易滑層Aを積層しないで製造した二軸延伸PETフィルムの屈折率は1.65であった。
<易滑層Aの水系塗料>
上記ポリエステル樹脂Aを100質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」))を15質量部、平均粒子径190nmのコロイダルシリカを1質量部含有する、水系塗料。
<下地層が設けられた基材フィルムの作製>
上記で製造した二軸延伸PETフィルムの易滑層Aが設けられた面とは反対面に下地層b1aを形成するための塗布組成物をウェットコーティング法(バーコート法)により塗布して、下地層b1aが積層された二軸延伸PETフィルムを得た。下地層b1aの厚み(乾燥厚み)は80nmであった。
<塗布層の積層>
図2のリバースグラビア塗布装置およびグラビアロールa1を用いて、下地層b1aが積層された二軸延伸PETフィルムの下地層b1aの上に直接に、塗布層bを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて、厚みが40nmの塗布層(高屈折率層)を形成した。塗布幅は1100mmである。
[実施例4−2〜4−13および比較例4−1〜4−10]
実施例4−1において、グラビアロールの種類、グラビアロールの面長、塗布幅、下地層b1aの厚み(乾燥厚み)および塗布層の厚み(乾燥厚み)を表2に示すように変更する以外は、実施例4−1と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。
[評価]
上記の実施例および比較例で製造された積層フィルムについて、スジ状欠点を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2014180614
[実施例5−1]
実施例4−1において、塗布層bを塗布層c(低屈折率層)に変更し、かつ塗布層cの厚み(乾燥厚み)を100nmに変更する以外は実施例4−1と同様にして積層フィルムを製造した。
[実施例5−2〜5−12および比較例5−1〜5−8]
実施例5−1において、グラビアロールの種類、グラビアロールの面長、塗布幅、下地層b1aの厚み(乾燥厚み)および塗布層の厚み(乾燥厚み)を表3に示すように変更する以外は、実施例4−1と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。
[評価]
上記の実施例および比較例で製造された積層フィルムについて、スジ状欠点を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2014180614
[実施例6−1]
下記の要領で積層フィルムを製造した。
<下地層が設けられた基材フィルムの作製>
実施例4−1で製造した二軸延伸PETフィルムの易滑層Aが設けられた面とは反対面に下地層b1bを形成するための塗布組成物をウェットコーティング法(バーコート法)により塗布して、下地層b1bが積層された二軸延伸PETフィルムを得た。下地層b1bの厚み(乾燥厚み)は80nmであった。
<塗布層の積層>
図2のリバースグラビア塗布装置およびグラビアロールa2を用いて、下地層b1bが積層された二軸延伸PETフィルムの下地層b1bの上に直接に、塗布層aを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて、厚みが1000nmの塗布層(ハードコート層)を形成した。塗布幅は1700mmである。
[実施例6−2〜6−3および比較例6−1〜6−2]
実施例6−1において、グラビアロールの種類を表4に示すように変更する以外は、実施例6−1と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。
[評価]
上記の実施例および比較例で製造された積層フィルムについて、スジ状欠点を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2014180614
[実施例7−1]
下記の要領で積層フィルムを製造した。
<下地層が設けられた基材フィルムの作製>
実施例4−1で製造した二軸延伸PETフィルムの易滑層Aが設けられた面とは反対面に下地層b2を形成するための塗布組成物をウェットコーティング法(バーコート法)により塗布して、下地層b2が積層された二軸延伸PETフィルムを得た。下地層b2の厚み(乾燥厚み)は40nmであった。
<塗布層の積層>
図2のリバースグラビア塗布装置およびグラビアロールa1を用いて、下地層b2が積層された二軸延伸PETフィルムの下地層b2の上に直接に、塗布層bを形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて、厚みが40nmの塗布層(高屈折率層)を形成した。塗布幅は1100mmである。
[実施例7−2〜7−6および比較例7−1〜7−4]
実施例7−1において、グラビアロールの種類および塗布幅を表5に示すように変更する以外は、実施例7−1と同様にしてそれぞれの積層フィルムを製造した。
[評価]
上記の実施例および比較例で製造された積層フィルムについて、スジ状欠点を評価した。その結果を表5に示す。
Figure 2014180614
1、10 グラビアロール
2 グラビアロールの周面
3 セル
4 土手部
11 グラビアロールの軸部
20 塗布液供給手段
21 塗布液貯留容器
22 塗布液
30 ドクターブレード
41、42 一対の搬送ローラ
50 基材フィルム
L グラビアロールの長さ(面長)
V グラビアロールの撓み量(自重による最大撓み量)

Claims (9)

  1. 下記のa1〜a3からなる群より選ばれるいずれか1つの基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
    (a1)ポリカーボネート樹脂フィルム
    (a2)セルロース樹脂フィルム
    (a3)アクリル樹脂フィルム
  2. 下記のb1またはb2の下地層が設けられた基材フィルムの前記下地層上に、グラビアロールを用いて塗布層を直接に積層する積層フィルムの製造方法であって、前記グラビアロールの最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されていることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
    (b1)下地層が粒子を含有し、当該粒子の含有量が下地層の固形分総量(固形分総量を100質量%とする)に対して10質量%以上である下地層
    (b2)厚みが50nm以下である下地層
  3. 前記基材フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項2に記載の積層フィルムの製造方法。
  4. 前記b1の下地層における粒子が金属酸化物粒子である、請求項2または3に記載の積層フィルムの製造方法。
  5. 前記金属酸化物粒子が酸化ジルコニウムまたは酸化チタンである、請求項4に記載の積層フィルムの製造方法。
  6. 前記塗布層の乾燥厚みが50nm未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  7. 前記グラビアロールの母材の材質がセラミックまたは炭素繊維である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  8. 前記塗布層が、ハードコート層、反射防止層、防眩層、導電層、帯電防止層、屈折率調整層、色調調整層及び防汚層からなる群より選ばれるいずれか1つの機能層である、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  9. 前記積層フィルムが光学フィルムである、請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
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