JP4819464B2 - 塗布方法、並びに光学フィルム及び反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、塗布方法及び装置、並びに光学フィルム及び反射防止フィルムの製造方法
に係り、特に、バックアップローラに支持されて連続走行する帯状支持体上に、スロットダイを使用して塗布液を塗布して光学フィルム、例えば反射防止フィルムを製造するための塗布方法及び装置、並びに光学フィルム及び反射防止フィルムの製造方法に関する。
従来より、帯状の可撓性支持体(以下、「ウェブ」という)の表面に所望の厚さの塗布膜(塗布層)を塗布する塗布装置として、バーコータ、リバースロールコータ、グラビアロールコータ、エクストルージョンコータなどのコータ(塗布装置)が知られている。この中でもスロットダイコータは、他の方式のコータと比較して、高速で薄層の塗布が可能であることから多用されている。
エクストルージョンコータに代表されるスロットダイコータでは、バックアップローラに支持されて走行するウェブとスロットダイ先端との間にビードを架橋することにより塗布液の塗布を行う。また、減圧チャンバによりビードの上流側(ウェブの走行方向から見てビードの上流側)を減圧することでビードの安定化を図ることも実施されている。
このスロットダイを用いた塗布方法において、いわゆる塗布液の塗り付けを安定に行い、スロットダイの幅方向端部における塗布膜の濡れ広がりや乱れを防止して塗布液をウェブ幅方向に対して均一に塗布することが重要である。すなわち、スロットダイのダイ幅方向端部における塗布膜の濡れ広がりや乱れが発生すると、塗り付き領域(ビード架橋範囲)が安定化しないため、ウェブに塗布された塗布膜のうち、ウェブ幅方向両端部が製品品質要求を満たさなくなり、製品得率が低下するという問題がある。
ところで、例えば反射防止フィルム等の光学フィルムをスロットダイを使用した塗布方法で製造する場合には、液粘度が3×10−3Pa・s以下で、且つ塗布量10cc/m以下となるような低粘度薄膜塗布となる。このような低粘度薄膜塗布の場合、減圧チャンバによる減圧によってダイ幅方向端部の塗布液が外側に引かれ、濡れ広がりを起こし易い。そうかと言って減圧度を下げると、ダイ幅方向端部の塗布液が内側に濡れ縮む現象が生じる。また、減圧度に変動が生じた場合に、低粘度薄膜塗布はダイ幅方向端部の塗布液に乱れが発生し易く、ウェブ幅方向の膜厚分布が大きくなる。すなわち、特に低粘度薄膜塗布においては、ウェブ幅方向の中央部は勿論のこと、両端部についても濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れのない安定塗布ができる塗布方法や塗布装置が要望されている。
このような事情を背景に、たとえば特許文献1では、スロットダイ先端の形状を凸形状にして中央部とウェブとのクリアランスが両端部とウェブとのクリアランスよりも狭くなるようにして、スロットダイの中央部から部分的に塗布液の塗り付けが開始されるようにすることで、塗り付け開始時や所謂接合通過時の塗布安定性を図るようにした塗布方法及び装置が開示されている。
特開昭62−110776号公報
しかしながら、特許文献1は、塗り付け開始時や所謂接合通過時の塗布安定性を図るためのものであり、特許文献1のようにスロットダイ先端の形状を凸形状にしても本発明が解決しようとしている、ダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、通常の粘度や塗布膜での塗布は勿論のこと、特に低粘度薄膜塗布において、スロットダイのダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止することができるので、塗布可能領域を広くでき、これにより、塗布膜幅方向の略全体を製品とすることができるので、製品得率を顕著に向上できる塗布方法及び装置、並びに光学フィルム及び反射防止フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、バックアップローラに支持されて連続走行する帯状の可撓性支持体上に、スロットダイを使用して塗布液を塗布する塗布方法において、前記バックアップローラに対するダイ先端形状がフラットな形状になるように前記スロットダイを形成する工程と、前記形成したスロットダイについて、前記バックアップローラに対する前記スロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差が1〜10μmになるように、前記スロットダイ先端を凹形状に撓ませる工程と、前記凹形状に撓ませた状態で塗布する工程と、を備えたことを特徴とする塗布方法を提供する。
本発明によれば、バックアップローラに対するスロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差が1〜10μmになるように、スロットダイ先端を凹形状にした状態で塗布するので、スロットダイのダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止することができる。これにより、塗布膜幅方向の略全体を製品とすることができ、製品得率を顕著に向上できる。また、本発明は、反射防止フィルム等の光学フィルムのように、特に低粘度薄膜塗布においてダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止する効果を発揮する。クリアランス差のより好ましい範囲は3〜6μmである。
本発明の請求項2は請求項1において、液粘度が3×10−3Pa・s以下の塗布液を使用して塗布量10cc/m以下になるように低粘度薄膜塗布を行うことを特徴とする。このような低粘度薄膜塗布において、本発明は一層の効果を発揮することができるからである。
本発明の請求項3は、前記スロットダイ先端と前記可撓性支持体との間に架橋される塗布液のビードの上流側を減圧することを特徴とする。
ビードの上流側を減圧することによりビードの安定性が向上するが、スロットダイのダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止するという観点から見た場合には、減圧がこれらを促進する。従って、ビードの減圧を行うスロットダイ塗布において、本発明は一層の効果を発揮することができる。
本発明の請求項4は請求項1〜3のいずれか1において、前記クリアランス差が塗布運転中において維持されるように前記スロットダイの前記ダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランスを調整することを特徴とする。
本発明における、バックアップローラに対するスロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差は、塗布前のみならず塗布運転中に維持されることが重要だからである。すなわち、塗布前の静的な状態でクリアランス差を1〜10μmの範囲に設定すれば、塗布運転中の動的な状態でもこのクリアランス差に維持できるスロットダイであれば、塗布前にこのクリアランスに設定すればよい。しかし、塗布運転中は外的な力によりクリアランス差が変動し易いので、その場合には塗布運転中のクリアランス差が1〜10μmの範囲になるように、ダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランスを調整する。
本発明の請求項5は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法を用いて光学特性を有する塗布層を形成する光学フィルムの製造方法であり、本発明の請求項6は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法を用いて反射防止機能を備える塗布層を形成する反射防止フィルムの製造方法である。
以上説明したように、本発明によれば、通常の粘度や塗布膜での塗布は勿論のこと、特に低粘度薄膜塗布において、スロットダイのダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止することができるので、塗布可能領域を広くできる。これにより、塗布膜幅方向の略全体を製品とすることができるので、製品得率を顕著に向上できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る塗布方法及び装置、並びに光学フィルム及び反射防止フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る塗布方法及び装置が適用される光学フィルムの製造ライン10の全体構成を説明する構成図である。
光学フィルムの製造ライン10は、図1に示されるように、送り出し機66から予めポリマー層が形成された透明支持体であるウェブWが送り出されるようになっている。ウェブWはガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれるようになっている。除塵機74は、ウェブWの表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流には、塗布手段であるエクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置のスロットダイ12が設けられており、塗布液がバックアップローラ11に巻き掛けられたウェブWに塗布できるようになっている。スロットダイ12の詳細については後述する。
スロットダイ12の下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウェブW上に液晶層が形成できるようになっている。更に、この下流には塗布膜の硬化装置である紫外線照射装置80が設けられており、紫外線照射により、液晶を架橋させ、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウェブWが巻き取られるようになっている。
なお、光学フィルムの製造ライン10の略全般に亘って、ウェブWを巻き掛けて支持し、ウェブWの搬送を可能ならしめるべくガイドローラ68、68…が設けられている。このガイドローラ68は、回動自在となっているローラ部材であり、ウェブWの幅と略同一の長さ(本例では、ウェブWの幅より若干長い)を有する。
上述したエクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置(スロットダイ12)は、特に液粘度が3×10−3Pa・s以下の塗布液粘度で、且つ塗布膜の塗布量が10cc/m以下となるような低粘度薄膜塗布を行う光学フィルムの製造ラインに好適に適用できる。
本実施の形態において、スロットダイ12は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
図2は、スロットダイ12の一部を切断して示す斜視図であり、図3は、スロットダイ12の先端部分とウェブWとの位置関係を示す概略断面図である。スロットダイ12は、はバックアップローラ11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロット20から塗布液Fをビードにして塗布することにより、ウェブW上に塗布膜を形成するものである。
図2及び図3に示されるように、スロットダイ12には、塗布液を供給できるような下記の液供給系が設けられている。すなわち、スロットダイ12の本体16には、長手方向(ウェブWの幅方向)に延びた液溜め部18と、液溜め部18と連通するとともに、長手方向(ウェブWの幅方向)においてウェブWと対向し、開口部より塗布液を塗出するスロット20と、液溜め部18へ塗布液を供給する液供給口22と、液溜め部18から塗布液を引き抜く液排出口24と、を備えている。
液溜め部18は、「ポケット」又は「マニホールド」とも称され、その断面が略円形をなし、図2に示されるように、ウェブWの幅方向に略同一の断面形状をもって延長された液溜め機能を有する空洞部である。その有効長さは、通常、塗布幅と同等又は若干長く設定される。液溜め部18の貫通した両端開口部は、図2に示されるように、本体16の両端部に取付けられる閉鎖板26、28により閉止されている。なお、既述の液供給口22は閉鎖板26に、液排出口24は閉鎖板28にそれぞれ設けられている。
スロット20(「スリット」とも称される)は、液溜め部18からウェブWに向け、通常、0. 01〜0. 5mmの開口幅をもってスロットダイ12の本体16内部を貫通し、かつ液溜め部18と同じようにウェブWの幅方向に延長された比較的狭隘な流路であり、ウェブWの幅方向の開口長さは塗布幅と略同等に設定される。
なお、スロット20の、液溜め部18との境界部から開口部までの距離(ウェブWに向けた流路の長さ)は、スロット20のウェブWの幅方向の開口長さ、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件を考慮して適宜設定し得る。すなわち、塗布液がウェブWの幅方向に均一な流量と液圧分布をもって層流状にスロット20から供給できればよい。たとえば、スロット20のウェブWの幅方向の開口長さが1000〜1200mm程度の場合には30〜80mmの範囲が好ましく採用できる。
次に、スロットダイ12の先端部分について、図3を参照しながら説明する。スロット20は、スロットダイ12の本体16(図2参照)のフロントエッジ30とバックエッジ32とにより形成される。スロットダイ12の本体16の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面30a(先端リップ)、バックエッジ面32a(後端リップ)がそれぞれ形成されている。
図3に示されるように、フロントエッジ面30aは及びバックエッジ面32aは、断面が略直線状に形成されている。このフロントエッジ面30a(先端リップ)のランド(平坦部)長さは、20〜100μmと短く形成され、バックエッジ面32a(後端リップ)のランド長さもほぼ同程度に形成されている。
フロントエッジ面30a(先端リップ)の先端より所定の角度をなして先端リップ前壁面30bが形成されており、バックエッジ面32a(後端リップ)の後端より所定の角度(図では約90度)をなして後端リップ後壁面32bが形成されている。この先端リップ前壁面30bとスロット20とがなす角度は、45度以下とすることが求められる。先端リップ前壁面30bとスロット20とがなす角度が45度超の場合には、ビードの形状が安定しないからである。
エクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置を使用した塗布における段ムラの発生原因の一つとして、スロットダイ12のフロントエッジ面30a(先端リップ)における上流側メニスカスが振動することが挙げられている。上流側メニスカスの振動を抑制する対策として、図4に示すような減圧チャンバ40を使用して減圧を行い、図の破線の円内に示されるフロントエッジ面30a(先端リップ)の最上流側の端部(フロントエッジ面30aと先端リップ前壁面30bとがなすエッジ)に塗布液Fを位置させる(以下、「ピンさせる」という)ことにより、上流側のメニスカス形状を安定化させることが行われてきた。すなわち、スロットダイ12に対し、ウェブWの走行方向側とは反対側に、塗布液Fのビードに対して充分な減圧調整を行えるよう、ウェブWと接触しない位置に減圧チャンバ40が設置されている。減圧チャンバ40には、減圧配管40aが接続されており、減圧配管40aは減圧手段(ブロワー、真空ポンプ等)に接続されており、チャンバ内が減圧状態に維持されるようになっている。
ところで、エクストルージョン方式のスロットダイ塗布装置においては、従来よりバックアップローラ11に対するスロットダイ先端12Aのダイ幅方向におけるクリアランス(バックアップローラ11とスロットダイ先端12Aとの間の隙間)は均等であることが良いと言われている(例えば、特開平2003−200097号公報)。
しかしながら、減圧チャンバ40を備えたスロットダイ塗布装置による塗布のうちでも特に低粘度薄膜塗布の場合、減圧チャンバ40による減圧によってダイ幅方向端部の塗布液が外側に引かれ、濡れ広がりを起こし易い。そうかと言って減圧度を下げると、ダイ幅方向端部の塗布液が内側に濡れ縮む現象が生じる。また、減圧度に変動が生じた場合に、低粘度薄膜塗布はダイ幅方向端部の塗布液に乱れが発生し易く、ウェブ幅方向の膜厚分布が大きくなることが問題となっていた。
そこで、本発明者達は、ダイ幅方向両端部についての濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れの防止対策について鋭意検討した結果、塗布膜の膜厚分布に影響が出ない範囲において、バックアップローラ11に対するスロットダイ先端12Aの形状を凹形状にすることで、ダイ幅方向端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止きるとの知見を得た。また、このスロットダイ先端の凹形状において、膜厚分布に影響が出ないようにし、しかもダイ幅方向両端部の塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを防止することができる範囲は、ダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差が1〜10μmになるようにすることが有効であることを見出した。
図5〜図7は、スロットダイ先端12Aの形状を凹形状にする各種の態様の概念図であり、バックアップローラ11とスロットダイ先端12Aの部分とを上から見た図である。尚、バックアップローラ11とスロットダイ先端12Aの部分とを対比し易いように、バックアップローラ11については斜視的に図示し、スロットダイ先端12Aの部分については平面的に図示してある。
図5は、スロットダイ先端12Aの凹形状を湾曲状にしたものであり、ダイ幅Dの方向における中央部(ダイ幅方向の真ん中)AのクリアランスC1とダイ幅方向両端部BのクリアランスC2とのクリアランス差Lが1〜10μmに、より好ましくは3〜6μmなるように設定される。
このように、バックアップローラ11に対するスロットダイ先端12Aのダイ幅方向中央部Aとダイ幅方向両端部Bとのクリアランス差が1〜10μmになるように、スロットダイ先端12Aを凹形状にし、塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを発生し易いダイ幅方向の両端部に向けてクリアランスを次第に狭くしていくことで、ダイ幅方向の中央部は勿論のことダイ幅方向両端部における塗布を安定して行うことができる。これにより、従来に比べて塗布可能領域をダイ幅方向に広げることができるので、ウェブWに塗布された塗布膜の幅方向全体の略全体を製品とすることができ、製品得率を向上させることができる。
また、塗布可能領域が広がることは、基本的に塗布限界速度が大きくなることであり、一層の塗布高速化につながる。この理由は、塗布可能領域の広がりは、減圧値の変動に対するロバストネス、エア同伴、液切れが発生しない塗布条件範囲が広くなることを意味するからである。すなわち、減圧チャンバ40を備えたスロットダイ塗布装置によって塗布速度を上げていくと、ウェブWとスロットダイ先端12Aとの間に架橋されるビードが安定する減圧ギャンバ40の減圧値下限と減圧値上限との許容範囲は、次第に小さくなり、塗布速度を更に上げると減圧度を調整しても塗り付けができなくなる。しかし、本発明を実施することにより、塗布速度に対する減圧値下限と減圧値上限との許容範囲が従来よりも大きくなるので、従来よりも高速の塗布領域まで塗り付けが可能となり、高速塗布化につながる。本来、高速塗布化を行うためにはクリアランスを狭くしなくてはならないが、クリアランスを狭くすることはビード形状が小さくなり、様々な外乱を受け易く、面状故障(例えばウェブ幅方向の塗布量分布)につながる。従って、本発明のように、スロットダイ先端12Aを凹形状にし、塗布液の濡れ広がり、濡れ縮み、及び乱れを発生し易いダイ幅方向の両端部に向けてクリアランスを次第に狭くしていくことで、出来る限りダイ幅方向全体のクリアランスを狭くすることなく、塗布可能領域を広げることができる。
図6は、スロットダイ先端12Aの凹形状をV字状にしたものであり、ダイ幅Wの方向における中央部(ダイ幅方向の真ん中)AのクリアランスC1とダイ幅方向両端部BのクリアランスC2とのクリアランス差Lが1〜10μmに、より好ましくは3〜6μmなるように設定される。
図7は、スロットダイ先端12Aの凹形状をダイ幅方向の両端から中央部に下る階段状にしたものであり、ダイ幅Wの方向における中央部(ダイ幅方向の真ん中)AのクリアランスC1とダイ幅方向両端部BのクリアランスC2とのクリアランス差Lが1〜10μmに、より好ましくは3〜6μmなるように設定される。
図6や図7の場合にも図5と同様の効果を得ることができるが、凹形状はこれら図5〜図7に限定するものではない。
また、本発明におけるバックアップローラ11に対するスロットダイ先端12Aのダイ幅方向中央部Aとダイ幅方向両端部Bとのクリアランス差Lは、塗布前のみならず塗布運転中に維持されることが重要である。
図8は、スロットダイ先端の凹形状を上記の如く形成するための凹形状形成手段17の一例を説明する説明図である。
凹形状形成手段17としては、色々な手段を用いることができるが、最も簡単な手段はスロットダイ12のダイ幅方向両端の底面と、スロットダイ12を支持する架台15との間に金属板(凹形状形成手段17)を挟み込むことにより、スロットダイ12の自重によりダイ幅方向の中央部Aを凹状に撓ませる方法である。すなわち、図8に示すように、バックアップローラ11に対するスロットダイ先端形状をフラット(中央部も両端部もクリアランスが同じ)に形成したスロットダイ12を、載置面が断面L字状をした架台15に載置してボルト等で部分的に固定する。そして、ダイ幅Wの方向における中央部(ダイ幅方向の真ん中)AのクリアランスC1とダイ幅方向両端部BのクリアランスC2とのクリアランス差Lを例えば4μmにしたい場合には、厚さ4μmの金属板17を、スロットダイ12のダイ幅方向両端の底面における1番位置及び5番位置と、架台15の載置面との間に挟み込む。これにより、スロットダイ12の自重によりダイ幅方向の中央部Aを凹状に撓ませることができる。金属板17のダイ幅方向の長さはダイ幅全長に応じて適宜調整する。
凹形状形成手段17のその他の形態としては、例えば、図8の3番位置を動かないように架台15に固定すると共に、1番位置と5番位置に架台15に螺合支持された調整用ボルトを設け、調整用ボルト先端で1番位置と5番位置に対応するスロットダイ低面を押圧するようにしたものを採用することができる。これにより、調整ボルトを回転させて押圧力を調整することでスロットダイ12のダイ幅方向の中央部Aを凹状に撓ませることができる。この場合、図8の2番位置と4番位置にも調整用ボルトを設けても良い。
次に、本発明に使用される各種材料について説明する。光学フィルムに限定されない広範な用途に使用されるウェブWとしては、樹脂フィルム、紙(レジンコーティッド紙、合成紙、等)、金属箔(アルミニウムウェブ等)等を使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましく使用できる。
ウェブWの幅としては、0. 1〜3mが、ウェブWの長さとしては、1000〜100000mが、ウェブWの厚さとしては、0. 5〜300μmのものがそれぞれ一般的に採用される。ただし、これ以外のサイズの適用も妨げられるものではない。
これらのウェブWは、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行っておいてもよい。ウェブWの表面粗さRaはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmが好ましい。
また、ウェブWには、あらかじめ接着層等の下地層を設け乾燥硬化させたもの、裏面に他の機能層があらかじめ形成されたもの、等を用いてもよい。
塗布液の液組成としては、目的に応じて公知の各種の組成が選択できる。
次に、本発明に係る光学フィルムの例として、反射防止フィルムの構成例を説明する。反射防止フィルムは、目的に応じて層数を選択することができるが、広い波長領域で低反射を実現するためには、3層以上であることが好ましい。3層反射防止フィルムは、「反射防止膜の特性と最適設計・膜作成技術」(技術情報協会発行、2002年2月5日、p.15〜16)に記載されているように、基板側から、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層され、それぞれの層の光学膜厚、すなわち屈折率と膜厚の積が設計波長λに対してλ/4、λ/4、λ/4、又はλ/4、λ/2、λ/4という設計が公知である。
図9は、優れた反射防止性能を有する多層反射防止フィルムを表面保護フィルムの片側に用いた偏光板の層構成を模式的に示す断面図である。透明支持体1(ウェブW)、ハードコート層2、中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層(最外層)5の順序の層構成を有する。
以下、反射防止フィルムを構成する層について詳しく説明する。
透明支持体1としては、プラスチックフイルムであることが好ましい。プラスチックフィルムとしてはセルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンが含まれる。トリアセチルセルロース、及びポリオレフィンがレターデーションが小さく、光学的均一性も高いため、偏光板用途として好ましく、特に、液晶表示装置に用いる場合、トリアセチルセルロースであることが好ましい。
トリアセチルセルロースとしては、特開2001−1745号公報にて公開されたものが好ましく用いられる。
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。たとえば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。また、ハードコート層の屈折率や強度を調整するために、無機微粒子を含んでもよい。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;2, 2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
更にはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。更に好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」等の記載は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリロイル又はメタクリロイル」等の意味を表す。
多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。
光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
光ラジカル重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド及びチオキサントン類等が挙げられる。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX-S,BP-100,BDMK,CTX ,BMS ,2-EAQ ,ABQ ,CPTX,EPD ,ITX ,QTX ,BTC ,MCA など)、日本チバガイギー(株)製のイルガキュア(651,184,500,907,369,1173,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure (KIP100F ,KB1 ,EB3 ,BP,X33 ,KT046 ,KT37,KIP150,TZT )等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(P .159 ,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)に記載されている。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン及びチオキサントンを挙げることができる。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA )などが挙げられる。
光重合反応は、層の塗布及び乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
ハードコート層は、脆性の付与のために重量平均分子量が500以上のオリゴマー及び/又はポリマーを添加してもよい。
オリゴマー、ポリマーとしては、(メタ)アクリレート系、セルロース系、スチレン系の重合体や、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。好ましくは、側鎖に官能基を有するポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)やポリ(アリル(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
ハードコート層におけるオリゴマー及び/又はポリマーの含有量は、ハードコート層の全質量に対し5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは35〜65質量%である。
ハードコート層は、防眩性を付与するために、マット粒子を含有していてもよい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層の形成において、電離放射線硬化性の化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成される場合、架橋反応、又は、重合反応は酸素濃度が2体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が2体積%以下の雰囲気で形成することにより、物理強度や耐薬品性に優れたハードコート層を形成することができる。
好ましくは酸素濃度が0.5体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が0.1体積%以下、最も好ましくは0.05体積%以下である。
酸素濃度を2体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
ハードコート層は、透明支持体の表面に、ハードコート層形成用の塗布組成物を塗布することで構築することが好ましい。
塗布溶媒としては、ケトン系溶剤であることが好ましい。ケトン系溶剤を用いることで、透明支持体(特に、トリアセチルセルロース支持体)の表面とハードコート層との接着性が更に改良する。
特に好ましい塗布溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
塗布溶媒は、ケトン系溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。
塗布溶媒には、ケトン系溶媒の含有量が塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。
本発明において、反射防止膜における高屈折率層の屈折率は、1.60乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
本発明において、高屈折率層及び中屈折率層には、屈折率の高い無機微粒子をモノマーと開始剤、有機置換されたケイ素化合物中に分散した組成物の硬化物が好ましく用いられる。無機微粒子としては、金属(例、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン)の酸化物が好ましく、屈折率の観点から、ニ酸化チタンの微粒子が最も好ましい。モノマーと開始剤を用いる場合は、塗布後に電離放射線又は熱による重合反応によりモノマーを硬化させることで、耐傷性や密着性に優れる中屈折率層や高屈折率層が形成できる。無機微粒子の平均粒径は、10〜100nmであることが好ましい。
本発明における二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.10〜2.80であることが更に好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の一次粒子の重量平均径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜150nm、更に好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜80nmである。
無機微粒子の粒子径は、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。無機微粒子の比表面積は、10〜400m/gであることが好ましく、20〜200m/gであることが更に好ましく、30〜150m/gであることが最も好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造が主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子に、Co(コバルト)、Al(アルミニウム)及びZr(ジルコニウム)から選ばれる少なくとも1つの元素を含有することで、二酸化チタンが有する光触媒活性を抑えることができ、本発明の高屈折率層及び中屈折率層の耐候性を改良することができる。
特に、好ましい元素はCo(コバルト)である。また、2種類以上を併用することも好ましい。
本発明において高屈折率層及び中屈折率層に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の分散には、分散剤を用いることができる。
本発明では、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の分散には、アニオン性基を有する分散剤を用いることが特に好ましい。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基(及びスルホ基)、リン酸基(及びホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、又はその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基及びその塩が好ましく、カルボキシル基及びリン酸基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1個以上含有されていればよい。
無機微粒子の分散性を更に改良する目的でアニオン性基は複数個が含有されていてもよい。平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有されるアニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
分散剤は、更に架橋又は重合性官能基を含有することが好ましい。架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(たとえば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。
本発明において高屈折率層に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の分散に用いる好ましい分散剤は、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤である。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが1000以上であることが好ましい。分散剤のより好ましい重量平均分子量(Mw)は2000〜1000000であり、更に好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。
分散剤の無機微粒子に対する使用量は、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、5〜30質量%の範囲であることがより好ましく、5〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
高屈折率層及び中屈折率層に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、分散物の状態で高屈折率層及び中屈折率層の形成に使用する。
無機微粒子の分散において、前記の分散剤の存在下で、分散媒体中に分散する。
分散媒体は、沸点が60〜170°Cの液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが好ましい。
特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
無機微粒子は、分散機を用いて分散する。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが含まれる。
無機微粒子は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、重量平均径は1〜200nmである。好ましくは5〜150nmであり、更に好ましくは10〜100nm、特に好ましくは10〜80nmである。
無機微粒子を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない高屈折率層及び中屈折率層を形成できる。
本発明に用いる高屈折率層及び中屈折率層は、上記のようにして分散媒体中に無機微粒子を分散した分散液に、好ましくは、更にマトリックス形成に必要なバインダー前駆体(たとえば、ハードコート層で述べた、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物とし、透明支持体上に高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、電離放射線硬化性化合物の架橋反応又は重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
更に、高屈折率層及び中屈折率層のバインダーを層の塗布と同時又は塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させることが好ましい。
このようにして作製した高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、たとえば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。更に高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機微粒子を含有する高屈折率層及び中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層及び中屈折率層には、前記の成分(無機微粒子、重合開始剤、光増感剤など)以外に、樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、導電性の金属微粒子、などを添加することもできる。
高屈折率層は、低屈折率層の直下であるため、低屈折率層と高屈折率層との間の密着性を付与するために、表面粗さと硬化条件を調節する必要がある。
表面粗さ(Ra)は原子間力顕微鏡によって測定することができる。層間密着を向上させるためには、表面粗さは1nm以上にすることが好ましく、2nm以上にすることがより好ましく、3nm以上にすることが最も好ましい。一方、20nm以上にすると、膜のヘイズが上昇したり、低屈折率層と高屈折率層の間に生じた屈折率勾配が無視できなくなったりするため好ましくない。表面粗さは、高屈折率層に添加する無機微粒子の添加量、粒径、膜厚により変化するため、これらを調整する必要がある。
低屈折率層との密着性を向上させるためには、低屈折率層塗布時に高屈折率層表面に未反応の結合性基を残存させておく必要がある。このため、高屈折率層はハーフキュアの状態であることが好ましい。
残存二重結合量は、硬化時の酸素濃度、放射照度、照射量、開始剤の種類、開始剤量に依存する。
硬化を緩めるほど、残存二重結合量を増やすことができるが、硬化を緩めすぎると、低屈折率層形成時に高屈折率層と界面混合を起こし、光学特性が制御できなくなったり、面状が悪くなったりするため好ましくない。
表面の残存二重結合量は、不飽和結合を臭素で修飾しておき、ESCAでピーク強度を測定することにより定量化することができる。下層表面の二重結合残存率は、硬化前の表面二重結合量Aと、硬化後の残存表面二重結合量Bの比で表すことができる。B/Aが0に近づくほど完全硬化に近い。上記観点から、残存率B/Aは0.2〜0.9であることが好ましく、0.3〜0.8であることがより好ましい。
低屈折率層は、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位を必須の構成成分とする共重合体の硬化皮膜によって形成されるのが好ましい。該共重合体由来の成分は皮膜樹脂成分の20質量%以上を占めることが好ましく、40質量%以上を占めることがより好ましく、80質量%以上を占めることが特に好ましい。低屈折率化と皮膜硬度の両立の観点から多官能(メタ)アクリレート等の硬化剤も相溶性を損なわない範囲の添加量で好ましく用いられる。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.50であることが好ましく、1.25〜1.48であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜130nmであることが更に好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
以下に、低屈性率層に用いられる共重合体について説明する。
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(たとえばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(たとえばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
共重合体は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位を必須の構成成分として有するのが好ましい。これらの(メタ)アクリロイル基含有繰返し単位の組成比を高めれば皮膜強度は向上するが屈折率も高くなる。含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位の種類によっても異なるが、一般に(メタ)アクリロイル基含有繰返し単位は5〜90質量%を占めることが好ましく、30〜70質量%を占めることがより好ましく、40〜60質量%を占めることが特に好ましい。
有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位以外に、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65mol%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40mol%の範囲であることがより好ましく、0〜30mol%の範囲であることが特に好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、たとえばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N-ジメチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N ‐ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。
本発明に用いられる共重合体の好ましい形態として下記一般式1のものが挙げられる。
Figure 0004819464
一般式1中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。
好ましい例としては、* ‐(CH2)2-O-**, *-(CH2)2-NH-**, *-(CH2)4-O-**, *-(CH2)6-O-**, *-(CH2)2-O-(CH2 )2-O-**, -CONH-(CH2)3-O-**, *-CH2CH(OH)CH2-O-*, *-CH2CH2OCONH(CH2)3-O-** (* はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0又は1を表わす。
一般式1中、Xは水素原子又はメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式1中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一又は複数のビニルモノマーによって構成されていてもよい。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。
本発明に用いられる共重合体の特に好ましい形態として一般式2が挙げられる。
Figure 0004819464
一般式2においてX、x、yは一般式1と同じ意味を表わし、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表わし、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていてもよい。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1及びz2はそれぞれの繰返し単位のモル%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表わす。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。
一般式1又は2で表わされる共重合体は、たとえば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。
本発明に用いられる低屈折率層形成組成物は、通常、液の形態をとり前記共重合体を必須の構成成分とし、必要に応じて各種添加剤及びラジカル重合開始剤を適当な溶剤に溶解して作製される。この際固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
前記したとおり、低屈折率層の皮膜硬度の観点からは硬化剤等の添加剤を添加することは必ずしも有利ではないが、高屈折率層との界面密着性等の観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸又はその無水物等の硬化剤、又はシリカ等の無機微粒子を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して0〜30質量% の範囲であることが好ましく、0〜20質量% の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
また、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系又はフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することもできる。これらの添加剤を添加する場合には低屈折率層全固形分の0〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0〜10質量% の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0〜5質量%の場合である。
ラジカル重合開始剤としては熱の作用によりラジカルを発生するもの、又は光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機又は無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービスープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行われる。
このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
熱又は光の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては、炭素- 炭素二重結合の重合を開始できる量であればよいが、一般的には低屈折率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%の場合である。
低屈折率層塗布液組成物に含まれる溶剤としては、含フッ素共重合体を含む組成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併用することもできる。好ましい例としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
低屈折率層は、含フッ素化合物以外に充填剤(たとえば、無機微粒子や有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤(ジメチルシリコーンなどのシリコーン化合物等)、界面活性剤等を含有することができる。特に、無機微粒子、シランカップリング剤、滑り剤を含有することが好ましい。
無機微粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化バリウム)などが好ましい。特に好ましいには二酸化珪素(シリカ)である。無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。最外層において無機微粒子は、より微細に分散されていることが好ましい。無機微粒子の形状は米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、短繊維状、リング状、又は不定形状であることが好ましい。また、屈折率を下げるためには、中空シリカであることが好ましい。
中空のシリカ微粒子は屈折率が1.17〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.17〜1.35、最も好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa 、粒子外殻の半径をb とすると、下記数式(VIII)で表される空隙率x は
(数式VIII)
x=(4πa/3) /(4πb/3)×100
= (a/b)×100
好ましくは10〜60% 、更に好ましくは20〜60% 、最も好ましくは30〜60% である。中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚さが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
中空シリカの製造方法は、たとえば特開2001−233611や特開2002−79616に記載されている。
シランカップリング剤としては、前記一般式Aで表される化合物、及び、又は、その誘導体化合物を用いることができる。好ましいのは、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基を含有するシランカップリング剤であり、特に好ましいのはエポキシ基、重合性のアシルオキシ基((メタ)アクリロイル)、重合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルアミノ)を含有するシランカップリング剤である。
一般式A
(R10)m−Si(X)4−m
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基又は加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
一般式Aで表される化合物で特に好ましいのは、架橋又は重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、たとえば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
滑り剤としては、ジメチルシリコーン、及びポリシロキサンセグメントが導入された含フッ素化合物が好ましい。
低屈折率層は、含フッ素化合物、その他所望により含有される任意成分を溶解又は分散させた塗布組成物を塗布と同時、又は塗布後に光照射、電子線ビーム照射や加熱することによる架橋反応、又は、重合反応により形成することが好ましい。
特に、高屈折率層との密着を向上させるためには、低屈折率層と高屈折率層とをきちんと結合させる必要がある。そのため、低屈折率層硬化時の酸素濃度は、0.3%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることが最も好ましい。また、照射量は250mJ/cm以上であることが好ましく、500mJ/cm以上であることがより好ましく、750mJ/cm以上であることが最も好ましい。
上述したように、より優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムを作製するために、高屈折率層の屈折率と透明支持体の屈折率の間の屈折率を有する中屈折率層を設けることが好ましい。
中屈折率層は、本発明の高屈折率層において記載したのと同様に作製することが好ましく、屈折率の調整には皮膜中の無機微粒子の含有率を制御することで可能である。
反射防止フィルムには、以上に述べた以外の層を設けてもよい。たとえば、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
また、反射防止フィルムを液晶表示装置に適用する場合、視野角特性を改良する目的で、平均粒径が0.1〜10μmの粒子を添加したアンダーコート層を新たに構築するか、ハードコート層中に上記粒子を添加して光散乱性ハードコート層とすることができる。粒子の平均粒径は、好ましくは0.2〜5.0μm、更に好ましくは0.3〜4.0μm、特に好ましくは0.5〜3.5μmである。
粒子の屈折率は1.35〜1.80であることが好ましく、より好ましくは1.40〜1.75、更に好ましくは1.45〜1.75である。粒子の粒径分布は狭いほど好ましい。
また、粒子の屈折率とアンダーコート層又は光拡散性ハードコート層の粒子以外の部分(主として多官能モノマー等の樹脂からなるバインダー成分で、屈折率調節のための無機微粒子を含んでいてもよい)の屈折率との屈折率の差が0.02以上であることが好ましい。より好ましくは、屈折率の差が0.03〜0.5、更に好ましくは屈折率の差が0.05〜0.4、特に好ましくは屈折率の差が0.07〜0.3である。
アンダーコート層に添加する粒子としては、上記屈折率を満たす種々の無機粒子、又は有機粒子を使用することができる。
アンダーコート層は、ハードコート層と透明支持体の間に構築することが好ましい。また、ハードコート層を兼ねることもできる。
アンダーコート層に平均粒径が0.1〜10μmの粒子を添加する場合、アンダーコート層のヘイズは、3〜60%であることが好ましい。より好ましくは、5〜50%であり、更に好ましくは7〜45%、特に好ましくは10〜40%である。
反射防止フィルムの各層は、既述したように、ワイヤーバーコート法、リバースグラビアコート法、順転グラビアコート法やダイコート法等の塗布方式により形成することができる。ウエット塗布量を最小化することで乾燥ムラをなくす観点や、幅方向の膜厚均一性及び塗布経時での長手方向の膜厚均一性の観点で、リバースグラビアコート法やダイコート法が特に好ましい。
本発明の反射防止フィルムの複数の光学薄膜のうちの少なくとも2層を、1回の支持体フィルムの送り出し、各々の該光学薄膜の形成、フィルムの巻取り、の工程にて形成するのが、生産コストの観点で好ましく、反射防止層が3層構成の場合には、3層を1回の工程にて形成するのがより好ましい。このような製造方法は、塗布機の支持体フィルムの送り出しから巻取りまでの間に、塗布ステーションと乾燥、硬化ゾーンのセットを複数個、好ましくは光学薄膜の数と同じ数以上、縦列して設けることによって達成される。
なお、既述の図1に示される光学フィルムの製造ライン10は、これを単純化した構成例である。
本発明の偏光板を作成するにあたり、反射防止フィルムを偏光膜の表面保護フイルム(偏光板用保護フイルム)として用いるために、高屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良することが必須である。
透明支持体としては、トリアセチルセルロースフィルムを用いることが特に好ましい。
偏光板用保護フィルムを作製する手法としては、(1)予め鹸化処理した透明支持体の一方の面に上記の各層(例、高屈折率層、ハードコート層、最外層など)を塗設する手法、(2)透明支持体の一方の面に上記の各層(例、高屈折率層、ハードコート層、低屈折率層、最外層など)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理する手法、の2つが考えられるが、(1)はハードコートを塗設するべき面まで親水化されるため、支持体とハードコート層との密着性の確保が困難となるため、(2)の手法が好ましい。
以下、鹸化処理について説明する。
(1)浸漬法
アルカリ液の中に反射防止フィルムを適切な条件で浸漬して、フイルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜70°C、特に好ましくは40〜60°Cである。
上記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、反射防止フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、透明支持体の反射防止層を有する表面と反対の表面が親水化される。偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、高屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に高屈折率層を有する表面までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる反射防止層の受けるダメージの指標として、反射防止構造層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち反射防止フィルムの貼り合わせ面の、水に対する接触角を用いた場合、特に支持体がトリアセチルセルロースであれば、20度〜50度、好ましくは30度〜50度、より好ましくは40度〜50度を上記接触角とするのが好ましい。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じる為、好ましくない。一方、20度未満では、反射防止膜の受けるダメージが大きすぎる為、物理強度、耐光性を損ない、好ましくない。
(2)アルカリ液塗布法
上述の浸漬法における反射防止膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を反射防止膜を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、この時、反射防止フィルムの貼り合わせ面の水に対する接触角が、10〜50度となるように鹸化処理を行なうことが好ましい。また、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。たとえば、蒸着膜やゾルーゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
上記(1)、(2)のどちらの鹸化方法においても、ロール状の支持体から巻き出して各層を形成後に行うことができるため、前述の反射防止フィルム製造工程の後に加えて一連の操作で行ってもよい。更に、同様に巻き出した支持体からなる偏光板との張り合わせ工程もあわせて連続で行うことにより、枚葉で同様の操作をするよりもより効率良く偏光板を作成することができる。
好ましい偏光板は、図9に示されるように、偏光膜の保護フイルム(偏光板用保護フイルム)の少なくとも一方に、本発明の反射防止フイルムを有する。図9では、反射防止フィルムの透明支持体(1)がポリビニルアルコールからなる接着剤層(6)を介して偏光膜(7)に接着しており、もう一方の偏光膜の保護フィルム(8)が接着剤層(6)を介して偏光膜(7)の反射防止フィルムが接着している主面と反対側の主面と接着している。もう一方の保護フィルム(8)の偏光膜と接着している主面と反対側の面主面には粘着剤層(9)を有している。
本発明の反射防止フイルムを偏光板用保護フイルムとして用いることにより、物理強度、耐光性に優れた反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の反射防止フイルムを偏光板用保護フイルムの一方に、後述する光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板を作製することにより、更に、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角が非常に広げることができる偏光板を作製できる。
光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性を有する層を有し、該ディスコティック化合物と支持体とのなす角度が透明支持体からの距離に伴って変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。
この角度は光学異方性層の支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
また、光学異方性層が更にセルロースエステルを含んでいる態様、光学異方性層と透明支持体との間に配向層が形成されている態様、該光学異方性層を有する光学補償フィルムの透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、更に下記の条件を満足する態様も好ましい。
20≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400
上記の条件式において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率、nyは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率、nzは、フイルムの厚さ方向の屈折率であり、またdは光学補償層の厚さを表す。
反射防止フィルムを有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)のような画像表示装置に適用することができ。
図9に示されるような本発明の反射防止フィルムを有する偏光板を、液晶表示装置の液晶セルのガラスに直接又は他の層を介して接着して用いる。
反射防止フィルムを用いた偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
また、透過型又は半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、たとえば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、更に視認性の高い表示装置を得ることができる。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面及び内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
次に、図1に示される光学フィルムの製造ラインを使用した光学フィルムの製造方法について説明する。先ず、送り出し機66から、予めポリマー層が形成された、厚さが40〜300μmのウェブWが送り出される。ウェブWはガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれ、これにより、ウェブWの表面に付着した塵が取り除かれる。そして、エクストルージョン方式の塗布装置のスロットダイ12により塗布液がウェブWに塗布される。
塗布が終了した後には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78を経て、塗布膜が形成される。更に紫外線照射装置50により塗布膜を照射し、液晶を架橋させることにより、所望のポリマーが形成される。そして、このポリマーが形成されたウェブWは巻取り機82により巻き取られる。
本実施形態の構成によれば、スロットダイ(スロットダイ12)の上流側先端リップ(フロントエッジ面30a)のランド長さLが20〜100μmであり、かつ、上流側先端リップ前壁面30bとスロット20とがなす角度αが45度以下となっているので、ウェブWとスロットダイ(スロットダイ12)との間のビードの形状を安定させることができ、これにより段ムラを抑制することができる。
以上、本発明に係る塗布方法、装置、光学フィルムの製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、光学フィルム(光学機能膜)、特に反射防止フィルムの製造について述べられているが、この例に限られるものではなく、塗布全般について適用できる。
また、本発明の効果は、低塗布量の塗布で特に顕著に現れるが、この例に限られるものではなく、各種の塗布液について適用できる。
また、エクストルージョン方式の塗布装置のスロットダイ12の形状も、本実施形態の例に限られるものではなく、各種の態様が採用できる。たとえば、フロントエッジ面30a及びバックエッジ面32aの断面形状も、他の断面形状、たとえば円弧状、放物線状等、各種の形状が採用できる。
また、フロントエッジ面30aの後端エッジ部とバックエッジ面32aの先端エッジ部とに所定の段差を設けた、いわゆるオーバーバイト形状とし、塗布液Fの所定厚さの膜が形成できるようにする構成も採用できる。
図10の(A),(B),(C)の3種類のスロットダイ先端12Aの形状を有するスロットダイ12を使用して、塗布速度、塗布量、塗布液粘度、リップクリアランス量、をそれぞれ変えたときに塗布可能領域がどのように変化するかを比較評価した。また、ウェブ幅方向における塗布厚み分布についても比較評価した。
塗布液としては反射防止膜用の塗布液を使用した。すなわち、屈折率が1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6質量%メチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30質量%のSiOゾルのメチルエチルケトン分散液、日産化学(株)製)8g、メチルエチルケトン94g及びシクロヘキサン6gを添加し、攪拌後に孔径1μmのポリプロピレン製のフィルタ(PPE−01)で濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
スロットダイ12のダイ幅は1400mmのものを使用した。また、スロットダイ先端12Aの凹形状のクリアランス差は、0.5μmの分解能を有するテーパゲージにて、ダイ幅方向について140点の位置で測定した。
そして、図10(A)の本発明のスロットダイ先端凹形状(表1のリップ形状1)については、図8で示したように、厚さ4μmの金属板17(凹形状形成手段17)を、スロットダイ12のダイ幅方向両端の底面における1番位置及び5番位置と、架台15の載置面との間に挟み込み、凹形状のクリアランス差Lを4μmに設定した。
図10(B)の比較例1(表1のリップ形状2)のスロットダイ先端凸形状については、図8の3番位置に(中央部に)厚さ4μmの金属板17を挟み込むことにより、凸形状のクリアランス差Lを4μmに設定した。
図10(C)の比較例2(表1のリップ形状3)のスロットダイ先端形状については、中央部Aも両端部Bもクリアランスが等しくなるように設定した。
以上3種類のスロットダイ先端12Aの形状を有するスロットダイ12で塗布液を、連続走行するウェブWに塗布したときの塗布可能領域は、減圧チャンバー40の減圧値下限と減圧値上限の減圧許容幅を調べることにより評価した。即ち、塗布ビード(液だまり)はウェブの搬送にともない搬送方向に引っ張られますが、その引っ張りを減圧チャンバーを減圧することにより逆に引っ張ります。従って、搬送方向への引っ張りと減圧による引っ張りとのバランスによりビードが形成されて塗布液が塗布されることになります。換言すると、ビードを形成可能な減圧の上限値と下限値との間の領域が塗り付け可能な領域になり、この領域が大きい方が安定した塗布を行うことができるためです。
また、ウェブWに塗布された塗布膜のウェブ幅方向における塗布量分布に関しては、光干渉型膜厚測定器(大塚電子社製の瞬間マルチ測定システムMCPD)を使用して測定した。
(実施例1)
表1は、上記3種類のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、塗布速度を10m/分、30m/分、50m/分としたときの塗布可能領域を比較した結果である。3種類のスロットダイ12ともに、スロット開口幅は150μm、塗布量3cc/m、塗布粘度0.7×10−3Pa・s、ダイ幅方向中央部でのリッププクリアランスC1が50μmになるようにした。
Figure 0004819464
表1から分かるように、バックアップローラに対して凹形状をしたリップ形状1の実施例の場合には、塗布速度を10m/分、30m/分、50m/分と高速化していっても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.4〜0.6kPaと広い減圧度領域で対応でき、これは塗布速度を高速化しても塗布可能領域が広いことを示している。
これに対し、バックアップローラに対して凸形状をしたリップ形状2の比較例1の場合には、塗布速度を50m/分に高速化すると、減圧チャンバで減圧してビードの安定化を図っても、ビードが安定にならず、塗り付けができなかった。また、塗布速度が10m/分や30m/分の場合にも、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.1〜0.2kPaと狭く、塗布可能領域が狭いことを示している。
また、バックアップローラに対して平行なリップ形状3の比較例2の場合には、塗布速度を50m/分まで高速化しても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.3kPaで塗り付けすることができるが、実施例における塗布速度50m/分のときのΔ差0.6に比べて塗布可能領域が狭くなっている。
このように、実施例は、塗布速度を高速化しても塗布可能領域が広いことが分かるとともに、塗布速度を速くするほど、Δ差が大きくなっていることが特徴的である。
(実施例2)
表2は、上記3種類のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、塗布量を15cc/m、10cc/m、3cc/mと少なくしたときの塗布可能領域を比較した結果である。3種類のスロットダイともに、スロット開口幅は150μm、塗布液粘度0.7×10−3Pa・s,塗布速度30m/分、ダイ幅方向中央部でのリップクリアランスC1が50μmになるようにした。
Figure 0004819464
表2から分かるように、バックアップローラに対して凹形状をしたリップ形状1の実施例の場合には、塗布量を15cc/m、10cc/m、3cc/mと少なくしても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.4〜0.5kPaと広い減圧度領域で対応でき、これは塗布量を少なくして薄膜塗布を行っても塗布可能領域が広いことを示している。
これに対し、バックアップローラに対して凸形状をしたリップ形状2の比較例1の場合には、塗布量を15cc/m、10cc/m、3cc/mと少なくしていくと、減圧値上限−減圧値下限のΔ差も次第に小さくなり、塗布量15cc/mのときのΔ差が0.4kPaであったものが、塗布量3cc/mではΔ差が0.1kPaとなり、極めて狭い範囲でしかビードを安定化できなかった。
また、バックアップローラに対して平行なリップ形状3の比較例2の場合には、塗布量を3cc/mまで少なくしても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.3kPaで塗り付けすることができるが、実施例における塗布量3cc/mのときのΔ差0.5kPaに比べて塗布可能領域が狭くなっている。
このように、実施例は、塗布量を少なくして薄膜塗布を行っても塗布可能領域が広いことが分かるとともに、塗布量が少なくなるほど、Δ差が大きくなっていることが特徴的である。
(実施例3)
表3は、上記3種類のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、塗布液粘度を、6×10−3、3×10−3、0.7×10−3Pa・sと小さくしたときの塗布可能領域を比較した結果である。3種類のスロットダイともに、スロット開口幅は150μm、塗布量3cc/m、塗布速度30m/分、ダイ幅方向中央部でのリップクリアランスC1が50μmになるようにした。
Figure 0004819464
表3から分かるように、バックアップローラに対して凹形状をしたリップ形状1の実例の場合には、塗布粘度を6×10−3、3×10−3、0.7×10−3Pa・sと小さくしても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.4〜0.5kPaと広い減圧度領域で対応でき、これは塗布粘度を小さくして低粘度塗布を行っても塗布可能領域が広いことを示している。
これに対し、バックアップローラに対して凸形状をしたリップ形状2の比較例1の場合には、塗布粘度を6×10−3、3×10−3、0.7×10−3Pa・sと小さくしていくと、減圧値上限−減圧値下限のΔ差も次第に小さくなり、塗布粘度6×10−3Pa・sのときのΔ差が0.5Paであったものが、塗布粘度0.7×10−3Pa・sではΔ差が0.1kPaとなり、極めて狭い範囲でしかビードを安定化できなかった。
また、バックアップローラに対して平行なリップ形状3の比較例2の場合には、塗布粘度を0.7×10−3Pa・sにしても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.3kPaで塗り付けすることができるが、実施例における塗布粘度0.7×10−3Pa・sのときのΔ差0.5kPaに比べて塗布可能領域が狭くなっている。
このように実施例では、低粘度塗布においても塗布可能領域が広いことが分かる。また、粘度6×10−3Pa・sと、粘度0.7−3Pa・sのとのΔ差に差がなく、Δ差0.5kPaであることが特徴的である。
(実施例4)
表4は、上記3種類のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、ダイ幅方向中央部のリップクリアランスC1を、40、60、80μmと大きくしたときの塗布可能領域を比較した結果である。3種類のスロットダイともに、スロット開口幅は150μm、塗布液粘度0.7×10−3Pa・s、塗布量3cc/m、塗布速度30m/分になるようにした。
Figure 0004819464
リップクリアランスを大きくしていくと、塗布可能領域は狭くなるが、表4から分かるように、バックアップローラに対して凹形状をしたリップ形状1の実施例の場合には、ダイ幅方向中央部のリップクリアランスを80μmまで大きくしても、減圧値上限−減圧値下限のΔ差は0.2kPaを維持することができた。
これに対し、バックアップローラに対して凸形状をしたリップ形状2の比較例1の場合には、ダイ幅方向中央部のリップクリアランスを80μmまで大きくすると、減圧チャンバで減圧してビードの安定化を図っても、ビードが安定にならず、塗り付けができなかった。また、バックアップローラに対して平行なリップ形状3の比較例2の場合にも、ダイ幅方向中央部のリップクリアランスを80μmまで大きくすると、減圧チャンバで減圧してビードの安定化を図っても、ビードが安定にならず、塗り付けができなかった。
このことは、実施例の場合には、リップクリアランスを大きくしてもダイ幅方向両端部の安定性が良い分、塗布可能領域が広くなったと考えられる。
(実施例5)
表5は、上記3種類のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、連続走行するウェブに塗布液を塗布したときのウェブ幅方向に塗布量分布を比較したものである。このときのスロット開口幅は150μm、塗布液粘度0.7×10−3Pa・s、塗布量3cc/m、塗布速度30m/分になるようにした。
また、塗布厚み分布は、ウェブ幅方向について100点の位置で測定し、(最大膜厚み−最小膜厚み)/膜厚平均値で求めた。
Figure 0004819464
表5から分かるように、塗布量分布はバックアップローラに対して平行なリップ形状3の比較例2が一番良く、0.5%であったが、本発明の実施例も1.4%と小さく、製品許容範囲として全く問題ない値であった。
(実施例6)
表6は、本発明における凹形状のスロットダイ先端形状を有するスロットダイ12について、バックアップローラに対するスロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差Lを,4、10、15μmと変えて連続走行するウェブWに塗布液を塗布したときのウェブ幅方向に塗布量分布を比較したものである。このときのスロット開口幅は150μm、塗布液粘度0.7×10−3Pa・s、塗布量3cc/m、塗布速度30m/分になるようにした。
また、塗布厚み分布は、ウェブ幅方向について100点の位置で測定し、(最大塗布量−最小塗布量)/平均塗布量で求めた。
Figure 0004819464
表6から分かるように、クリアランス差Lが10μmまでは、塗布量分布が2.6%以内で製品許容範囲内の○であるが、クリアランス差Lが15μmになると、塗布量分布が4.2%となり製品許容範囲外の×であった。このことから、バックアップローラに対するスロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差Lは10μm以下であることが要求される。
発明に係る塗布方法、装置、光学フィルムの製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法が適用される光学フィルムの製造ラインの全体構成を説明する構成図 エクストルージョン塗布装置のスロットダイの一部を切断して示す斜視図 図2のスロットダイの先端部分とウェブとの位置関係を示す概略断面図 スロットダイ及びその周辺を示す斜視図 スロットダイ先端の形状を凹形状にする各種の態様のうち湾曲状の凹状とした概念図 スロットダイ先端の形状を凹形状にする各種の態様のうちV字状の凹状とし概念図 スロットダイ先端の形状を凹形状にする各種の態様のうち階段状の凹状とし概念図 スロットダイを凹状にする凹状形成手段の説明図 偏光板の層構成を模式的に示す断面図 実施例で使用したスロットダイ先端の形状を示す概念図
符号の説明
10…光学フィルムの製造ライン、12…スロットダイ(塗布手段)、12A…スロットダイ先端、15…架台、17…凹形状形成手段、18…液溜め部、20…スロット、40…減圧チャンバー、68…ガイドローラ、F…塗布液、W…可撓性支持体(ウェブ)、L…バックアップローラに対するスロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差、C1…ダイ幅方向中央部のリップクリアランス、C2…ダイ幅方向両端部のリップクリアランス、D…ダイ幅

Claims (6)

  1. バックアップローラに支持されて連続走行する帯状の可撓性支持体上に、スロットダイを使用して塗布液を塗布する塗布方法において、
    前記バックアップローラに対するダイ先端形状がフラットな形状になるように前記スロットダイを形成する工程と、
    前記形成したスロットダイについて、前記バックアップローラに対する前記スロットダイ先端のダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランス差が1〜10μmになるように、前記スロットダイ先端を凹形状に撓ませる工程と、
    前記凹形状に撓ませた状態で塗布する工程と、を備えたことを特徴とする塗布方法。
  2. 液粘度が3×10−3Pa・s以下の塗布液を使用して塗布量10cc/m以下になるように低粘度薄膜塗布を行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記スロットダイ先端と前記可撓性支持体との間に架橋される塗布液のビードの上流側を減圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記クリアランス差が塗布運転中において維持されるように前記スロットダイの前記ダイ幅方向中央部とダイ幅方向両端部とのクリアランスを調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の塗布方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法を用いて光学特性を有する塗布層を形成することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法を用いて反射防止機能を備える塗布層を形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
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