JP2010277059A - 反射防止フィルム及びこれを含む偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る反射防止フィルムは、ポリビニルアルコール(PVA)偏光子保護用として使用されるセルローストリアセテート(TAC)透明基材と、前記透明基材上にコーティングされる高屈折の高硬度層として、屈折率が1.50〜1.60で、帯電防止機能を含む高屈折の高硬度層と、前記高屈折の高硬度層上にコーティングされる低屈折層として、屈折率が1.31〜1.40で、ウェットコーティングされた低屈折層と、を含み、480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.1〜0.4%の平均鏡面反射率(average specular reflectance)を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明の前記及び他の目的と利点は、好ましい実施例を説明した下記の説明からより明確になるはずである。
ここで、前記反射防止フィルムの帯電防止数値(antistatic index)は、E^4〜E^10であることを特徴とする。
好ましくは、前記低屈折層と前記高屈折の高硬度層との間に接着層をさらに含むものであり、前記高屈折の高硬度層が前記接着層を含み、前記低屈折層の下部面と接触する前記接着層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.001〜0.030μmであることを特徴とする。
好ましくは、前記高屈折の高硬度層は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物又はアンチモン酸化物の中から選択された少なくとも一つの金属酸化物粒子と、負イオン性分散剤と、3官能以上の重合性器を含有する硬化性樹脂と、重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物とでコーティングされたことを特徴とする。
好ましくは、前記高屈折の高硬度層は、前記コーティング組成物を塗布し乾燥させて溶媒を除去した後、熱又はイオン化放射線のうち、少なくとも一つを適用して硬化させたことを特徴とする。
好ましくは、前記低屈折層は、熱又はイオン化放射線照射のうち、少なくとも一つにより硬化されうるフッ素含有化合物を含み、動的摩擦係数が0.03〜0.15であり、水に対する接触角が95゜〜120゜であることを特徴とする。
また、エチレン性不飽和基を有する単量体は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下にイオン化放射線又は熱を適用することによって重合される。
方法(1):低屈折層がその上に形成された透明基材をアルカリ溶液に1回以上浸漬させて基材の後面を石鹸化させる。
方法(2):低屈折層の形成される面の反対側の透明基材面を低屈折層の形成又は後にアルカリ溶液でコーティングし、コーティングされた基材を加熱した後、水で洗浄及び又は中和することにより反射防止フィルムの後面のみを石鹸化させる。
方法(1)は、通常の目的のセルローストリアセテートフィルムと同じ加工工程により行われうるという点で優れている。しかしながら、方法(1)は、基材の後面のみでなく、反射防止層面を加水分解させて、反射防止層の劣化をもたらすおそれがあり、アルカリ処理溶液が反射防止層上に残留して染みを発生させるという短所を有する。このような短所が問題になる場合、特定工程をを含む方法(2)に従うことが好ましい。
1.1 高屈折の高硬度層
本発明に係る反射防止フィルムの必須薄膜層である高屈折の高硬度層の屈折率は、上述した通り、1.50〜1.60であり、さらに好ましくは、1.52〜1.56である。このような高屈折の高硬度層を形成する方法として、化学気相蒸着(CVD)又は物理気相蒸着(PVD)、特に物理気相蒸着法の一種類である真空蒸着又はスパッタリングにより形成された無機酸化物の透明薄膜を使用することもできるが、オール−ウェットコート(all-wet coating)により形成された薄膜が好ましい。
無機微粒子としては、金属(例えば、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Sb、Al)の酸化物が好ましく、屈折率の観点で、酸化ジルコニウムの微粒子が最も好ましい。しかしながら、導電性の観点で、Sb、In及びSnのうちの少なくとも一つの金属の酸化物を主成分とする無機微粒子を使用することが好ましい。屈折率は、無機微粒子の量を変更することによって所定範囲に調整されうる。酸化ジルコニウムを主成分として使用する場合、層内の無機微粒子の平均粒子の直径は、1〜120nmが好ましく、1〜60nmがさらに好ましく、2〜40nmがさらに好ましい。この範囲は、ヘイズを減少させ、分散安定性及び表面上の適切な凹凸により上部層への接着性を改善するから好ましい。本発明で使用される酸化ジルコニウムを主成分として含む無機微粒子の屈折率は、1.90〜2.80が好ましく、2.10〜2.80がさらに好ましく、2.20〜2.80が最も好ましい。無機微粒子の添加量は、無機微粒子が添加される層によって異なり、高屈折層での添加量は、全体高屈折層の固形分に対して40〜85質量%であり、50〜75質量%が好ましく、60〜70質量%がさらに好ましい。無機微粒子の粒子の直径は、光散乱法又は電子顕微鏡写真により測定されうる。無機微粒子の比表面積は、10〜400m2/gが好ましく、20〜200m2/gがさらに好ましく、30〜150m2/gが最も好ましい。
硬化性樹脂としては重合性化合物が好ましく、重合性化合物として、電離放射線−硬化性多官能モノマー又は多官能オリゴマーを使用することが好ましい。この化合物中の官能基としては、光−、電子線−又は放射線−重合性官能基が好ましく、光重合性官能基がさらに好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートのような多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;及び2,2−ビス{4−アクリルオキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン及び2−2−ビス{4−(アクリルオキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパンのようなエチレン酸化物又はプロピレン酸化物付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類を含む。
重合開始剤として、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤又は光陽イオン重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がさらに好ましい。
溶媒としては、沸点が60〜170℃である液体を使用することが好ましい。その具体例としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例えば、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、及びエーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)を含む。この中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが好ましい。特に、分散媒体としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンが好ましい。
高屈折の高硬度層に使用される酸化ジルコニウムを主成分として含む無機微粒子は、分散物状態で高屈折の高硬度層の形成に使用されることが好ましい。無機微粒子は、分散器を使用して分散されうる。分散器の例としては、サンドグラインダーミル(例えば、ピン付きビズミル)、高速インペラーミル、ぺブルミル、ローラーミル、磨砕機(attritor)及びコロイドミルを含む。これらの中でも、サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが好ましい。予備分散処理を行うこともできる。予備分散処理に使用される分散器の例としては、ボールミル、3−ロールミル、ニーダー(kneader)及び押出器を含む。
2.1 低屈折層
本発明に係る反射防止フィルムの低屈折層は、1.31〜1.40の屈折率を有することが好ましく、さらに好ましくは、1.38以下である。この範囲は、反射率を減少させつつフィルムの強度を維持することができるから好ましい。低屈折層を形成する方法も、前記と同様に、化学気相蒸着(CVD)又は物理気相蒸着(PVD)、特に物理気相蒸着法の一種類である真空蒸着又はスパッタリングにより形成された無機酸化物の透明薄膜を使用することもできるが、後述する低屈折層形成用コーティング組成物を使用するオール−ウェットコートによる方法が好ましい。低屈折層は、無機微粒子を含有することが好ましく、無機微粒子の中で、少なくとも一種類の無機微粒子が中空粒子であるものが好ましく、シリカを主成分として含む中空粒子(以後、「中空シリカ粒子」ともする)がさらに好ましい。
また、低屈折層のヘイズは、3%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。
また、低屈折率層までの層の形成された反射防止フィルムの強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験で、H以上が好ましく、2H以上がさらに好ましく、3H以上が最も好ましい。
また、反射防止フィルムの指紋防止性能を向上させるために、表面の水に対する接触角は、95゜〜120゜であることが好ましい。
低屈折層に使用されうる無機微粒子は、中空粒子が好ましい。
中空粒子の屈折率は、1.40以下が好ましく、1.28〜1.38がさらに好ましく、1.32〜1.36が最も好ましい。中空粒子は、中空シリカ粒子が好ましく、以下、無機微粒子について中空シリカ粒子を参照しつつ説明する。ここで使用される屈折率は、全体粒子の屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成する外側シェルとしてのシリカのみの屈折率を表すことではない。このとき、粒子内部のキャビティの半径をaと仮定し、粒子の外側シェルの半径をbと仮定すると、以下の式1により表れる孔隙率xは、10〜60%が好ましく、20〜60%がさらに好ましく、30〜60%が最も好ましい。
[式1] x=(4πa3/3)(4πb3/3)×100
フッ素含有硬化性樹脂(以後、「フッ素含有ポリマー」ともする)としては、ペルフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解物、その脱水縮合物及びフッ素含有モノマー単位と架橋反応性の付与のための構成単位を構成成分として含有するフッ素含有コポリマーを含む。特に、本発明に使用される低屈折層は、フッ素含有ビニルモノマーから誘導された繰り返し単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位を必須構成成分として含むコポリマーの硬化フィルムにより形成されることが好ましい。また、屈折率の減少及びフィルムの強度の両方を満たす観点で、多官能(メタ)アクリレートのような硬化剤を組み合わせて使用することが好ましい。フッ素含有ポリマー及び多官能(メタ)アクリレートの混合比は、特に制限されないが、乾燥後にフィルムでそれらの間の位相分離を引き起こさない混合比が好ましい。もちろん、いずれか一つのみを使用することもできる。多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、高屈折率層に対して説明した光重合性多官能モノマーを含む。
[化学式1]
化学式1において、Lは、炭素数が1〜10である連結基を表し、炭素数が1〜6の連結基が好ましく、炭素数が2〜4の連結基がなおさらに好ましく、連結基は、線形又は分岐状構造又は環状構造を有することもでき、O、N及びSから選択されるヘテロ原子を含有することもできる。
[化学式2]
化学式2において、X、x及びyは、化学式1と同じ意味を有し、その好ましい範囲も同一である。
nは、2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6が好ましく、2≦n≦4がさらに好ましい。
Bは、任意のビニルモノマーから誘導された繰り返し単位を表し、単一の組成物又は複数の組成物から構成されることもできる。その例としては、化学式1においてAの例として上述したものを含む。
z1及びz2は、それぞれの繰り返し単位のモール%を表し、0≦z1≦65及び0≦z2≦65を満たす値を表し、但しx+y+z1+z2=100である。0≦z1≦30及び0≦z2≦10を満たすことがさらに好ましく、0≦z1≦10及び0≦z2≦5を満たすことがさらに好ましい。
通常、低屈折層形成用コーティング組成物は、液体状であり、適切な溶媒に、好ましく含有された前述した無機微粒子及びフッ素含有硬化性樹脂を溶解させ、必要に応じて、多様な添加剤及びラジカル重合開始剤を溶解させることによって製造される。ここで、固形分の濃度は、用途によって適切に選択されることもできるが、略0.01〜60質量%が一般であり、0.5〜50質量%がさらに好ましく、略1〜20質量%がさらに好ましい。
低屈折層用コーティング組成物に含有された溶媒は、フッ素含有硬化性樹脂が沈殿を誘発せずに均一に溶解又は分散されうるかぎり、特に制限されず、2種以上溶媒を組み合わせて利用することもできる。その好ましい例としては、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン)及び水を含む。
指紋防止特性、耐水性、耐薬品性及びすべり性のような特性を付与するために、公知されたシリコン系又はフッ素系指紋防止剤、潤滑剤などが適切に添加されることもできる。このような添加剤を添加する場合、添加剤の添加量は、低屈折層の全体固形分に基づいて0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
前記潤滑剤は、ジメチルシリコンのようなシリコン化合物又はポリシロキサン部分が導入されたフッ素含有化合物であることが好ましい。
有機シリル化合物は、低屈折層形成用コーティング組成物で加水分解及び縮合により加水分解物及び又は部分縮合物になり、組成物の中でバインダーとして作用し、かつフィルムコーティングの柔軟化も可能にし耐アルカリ性を向上させる。
[化学式3] R11mSi(X11)n
ここで、X11は、−OH、ハロゲン原子、−OR12基又は−OCOR12基を表し、R11は、アルキル基、アルケニル基又はアリル基を表し、R12は、アルキル基を表し、m+nは、4であり、mとnは、それぞれ正の整数を表す。さらに詳細には、R11は、1〜10の炭素数を有する置換又は未置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル)、2〜10の炭素数を有する置換又は未置換アルケニル基(例えば、ビニル、アリル又は2−ブテン−1−イル)又は6〜10の炭素数を有する置換又は未置換アリル基(例えば、フェニル、ナフチル)を表し、R12は、R11で表現されたアルキル基と同じ意味を有する基を表す。R11又はR12で表現された基が置換基を有する場合、置換基の好ましい例としては、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、ブロム)、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、tert−ブチル)、アリル基(例えば、フェニル、ナフチル)、芳香族複素環式基(例えば、フリル、ピラゾリル、ピリジル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ)、アリルオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリルチオ基(例えば、フェニルチオ)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリルオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル)、及びアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ)を含む。
[化学式3a] Si(X11)4
[化学式3b] R11Si(X11)3
[化学式3c] R11 2Si(X11)2
[化学式3d] R11 3SiX11
化学式3aで表現された化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン及びテトラ−tert−ブトキシシランを含む。特に、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。
化学式3bの成分で、R11は、化学式3のR11と同じ意味を有する基を表し、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びi−プロピル基のようなアルキル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、CF3CH2CH2CH2−、C2F5CH2CH2CH2−、C3F7CH2CH2CH2−、C2F5CH2CH2−、CF3OCH2CH2CH2−、C2F5OCH2CH2CH2−、C3F7OCH2CH2CH2−、(CF3)2CHOCH2CH2CH2−、C4F9CH2OCH2CH2CH2−、3−(ペルフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル基、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2−、H(CF2)4CH2CH2CH2−、3−グリシドキシプロピル基、3−アクリルオキシプロピル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、フェニル基及び3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基を含む。
化学式3cの成分は、式R11 2Si(X11)2で表現された有機シリル化合物である{R11及びX11は、化学式3bの成分として利用された有機シリル化合物に定義されたR11及びX11と同じ意味を有する}。
化学式3dの成分は、式R11 3SiX11で表現された有機シリル化合物である{ここで、R11及びX11は、化学式3bの成分として利用される有機シリル化合物に定義されたR11及びX11と同じ意味を有する}。ここで、複数のR11は、同じでなくても良い。この有機シリル化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プロピルエトキシシラン、トリ−i−プロピルメトキシシラン、トリ−i−プロピルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン及びトリフェニルエトキシシランを含む。
低屈折層は、中空粒子、フッ素含有硬化性樹脂、有機シリル化合物、及び必要によってその他の任意の成分がその内部に溶解又は分散されたコーティング組成物を塗布し、コーティングと同時に又はコーティング及び乾燥後に、電離放射線の照射(例えば、光照射又は電子ビームの照射)又は加熱下で架橋又は重合反応を介しててそのコーティングを硬化させることによって形成されることが好ましい。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.51である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.5μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。生成された反射防止フィルムを下記の方法によって評価した。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.6μmであり、屈折率が1.57である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.3μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが115nmで、屈折率が1.33である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.38である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.3μmで、屈折率が1.45である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが3.9μmで、屈折率が1.48である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.5μmで、屈折率が1.63である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.68である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.43である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.48である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
380〜780nmの波長領域のうち、入射角(=反射角)5゜で表面反射率をアダプター付きUV Spectrophometer[Shimazu UV−PC3600]を利用して、反射防止フィルムの反対面に黒い色無光沢テープや無光沢ペイントを使用して、黒い色で背面処理した後、表面反射率を測定した。得られた反射スペクトルを図2に示した。480〜680nmの範囲で平均鏡面反射率を計算して反射防止性能を評価した。
A4サイズの反射防止フィルムの反対面に黒い色無光沢テープや無光沢ペイントを使用して、黒い色で背面処理した後、白熱燈下で肉眼にて反射外観(Rainbow)を確認した。反射外観の評価基準は、◎(優良)、○(良好)、△(普通)及びX(悪い)で表現した。
2…従来の反射防止フィルムの反射UVスペクトル波長
10…透明基材
20…高屈折の高硬度層
30…低屈折層
Claims (10)
- 反射防止フィルムであって、
ポリビニルアルコール(PVA)偏光子保護用として使用されるセルローストリアセテート(TAC)透明基材と、
前記透明基材上にコーティングされる高屈折の高硬度層として、屈折率が1.50〜1.60で、帯電防止機能を含む高屈折の高硬度層と、
前記高屈折の高硬度層上にコーティングされる低屈折層として、屈折率が1.31〜1.40で、ウェットコーティングされた低屈折層と、を含み、
480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.1〜0.4%の平均鏡面反射率(average specular reflectance)を有することを特徴とする、反射防止フィルム。 - 前記反射防止フィルムの帯電防止数値は、E^4〜E^10であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記高屈折の高硬度層の厚さは、0.1〜20μmで、前記低屈折層の厚さは、90〜130nmであることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記低屈折層と前記高屈折の高硬度層との間に接着層をさらに含むものであり、前記高屈折の高硬度層が前記接着層を含み、前記低屈折層の下部面と接触する前記接着層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.001〜0.030μmであることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記高屈折の高硬度層は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物又はアンチモン酸化物の中から選択された少なくとも一つの金属酸化物粒子と、負イオン性分散剤と、3官能以上の重合性器を含有する硬化性樹脂と、重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物とでコーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記高屈折の高硬度層は、前記コーティング組成物を塗布し乾燥させて溶媒を除去した後、熱又はイオン化放射線のうち、少なくとも一つを適用して硬化させたことを特徴とする、請求項5に記載の反射防止フィルム。
- 前記低屈折層は、熱又はイオン化放射線照射のうち、少なくとも一つにより硬化されうるフッ素含有化合物を含み、動的摩擦係数が0.03〜0.15であり、水に対する接触角が95゜〜120゜であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 反射防止フィルムを含む偏光板であって、
偏光子及び前記偏光子の少なくとも一面に表面保護フィルムが付着された偏光板として、
前記表面保護フィルムは、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の反射防止フィルムであり、前記低屈折層の形成される面の反対側の透明基材面を低屈折層の形成又は後にアルカリ溶液でコーティング化して石鹸化(saponification)させて、コーティングされた基材を加熱した後、水で洗浄又は中和させて、偏光子に付着したことを特徴とする、反射防止フィルムを含む偏光板。 - 請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の反射防止フィルムを含むことを特徴とする、ディスプレイ用装置。
- 請求項8に記載の偏光板を含むことを特徴とする、ディスプレイ用装置。
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