JP2010277059A - 反射防止フィルム及びこれを含む偏光板 - Google Patents

反射防止フィルム及びこれを含む偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、反射防止フィルム及びこれを含む偏光板を提供し、さらに詳細には、反射率スペクトル波長の振動幅を減らすことによって、反射外観に優れ、かつ反射率の非常に低い反射防止フィルム及びこれを含む偏光板を提供する。
【解決手段】本発明に係る反射防止フィルムは、ポリビニルアルコール(PVA)偏光子保護用として使用されるセルローストリアセテート(TAC)透明基材と、前記透明基材上にコーティングされる高屈折の高硬度層として、屈折率が1.50〜1.60で、帯電防止機能を含む高屈折の高硬度層と、前記高屈折の高硬度層上にコーティングされる低屈折層として、屈折率が1.31〜1.40で、ウェットコーティングされた低屈折層と、を含み、480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.1〜0.4%の平均鏡面反射率(average specular reflectance)を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルム及びこれを含む偏光板に関し、さらに詳細には、反射率スペクトル波長の振動幅を減らすことによって、反射外観に優れ、かつ反射率の非常に低い反射防止フィルム及びこれを含む偏光板に関する。
一般に、反射防止フィルムは、液晶ディスプレイ(LCDs)、プラズマディスプレイパネル(PDPs)、電子発光ディスプレイ(ELDs)、及び陰極線管ディスプレイ(CRTs)のような各種イメージディスプレイに使用される。また、前記反射防止フィルムは、眼鏡レンズ及びカメラに使用される。かかる反射防止フィルムでは、薄い透明な金属酸化物層のスタック(stack)を有する多重層反射防止フィルムが一般に使用されてきた。このような複数の透明層の使用は、可視光線領域で可能な限り広い波長範囲で光の反射を防止するためである。
一方、薄い透明金属酸化物フィルムは、化学的蒸気蒸着(CVD)又は物理的蒸気蒸着(PVD)、特にPVD技術として分類される真空蒸着又はスパッタリング(sputtering)により形成される。薄い透明金属酸化物フィルムは、反射防止コート(coat)として優れた光学性質を有する一方、これらのフィルムを形成するのに真空蒸着及びスパッタリングが使用された場合、生産性が低く、かつ大規模の生産に不適当である。
また、蒸気蒸着技術に対する代替方法として、無機粒子を使用してウェットコーティングにより反射防止フィルムを形成する方法が提案されてきた。例として、下記の特許文献1は、粒子化された無機物質を含有し、微小孔隙(microvoids)を有する反射防止層を開示し、これは、コーティングにより得られる。このような微小孔隙を有する前記反射防止層は、コーティング組成物を適用し活性気体でコーティング層を処理することによって得られる。また、下記の特許文献2は、二種類以上の超微粒子(例え:MgF及びSiO)を含有する反射防止フィルムを開示している。ここで、粒子の混合比は、屈折率を変化させるために、フィルム厚方向で変化し、それによって屈折層/低屈折層の組合せを有する下記の特許文献3の反射防止フィルムと類似の光学性質を達成する。前記超微粒子は、エチルシリケートの熱分解により生成されたSiOにより結合される。エチルシリケートの熱分解は、エチル部分の燃焼を伴って二酸化炭素及びスチームを生成し、これは、コーティング層から放出されて超微粒子の中に間隙を残す。また、下記の特許文献4は、超微粒子の中に前記記載の間隙を結合剤で充填することを提案している。下記の特許文献5は、多孔性シリカ及び結合剤を含有する粒子化無機成分を含有する反射防止フィルムを開示している。そして、下記の特許文献6は、高いフィルムの強度及び少ない反射を有する反射防止フィルムを低費用で製造するためのオール−ウェット(all-wet)コーティング技術を説明しており、ウェットコーティングにより形成された3層化された反射防止層を有するフィルムを開示しており、ここで、二つ以上の無機粒子が低反射層上に積層されて微細孔隙を含有する層を形成する。
一方、ウェットコーティング技術により形成された反射防止フィルムに無光沢(antiglare)性を付与する公知の手段は、下記の特許文献7及び下記の特許文献8に記載されたように、表面の不均一性を有する基材を反射防止層としてコーティングし、表面の不均一性を作るために、マット(matting)粒子を反射防止層に混入させ、滑らかな反射防止フィルムをエンボス(embossing)して表面の不均一性を形成することを含む。
しかしながら、真空蒸着又はスパッタリングにより形成された反射防止フィルムは、450〜650nmの波長領域で平均反射率が0.4%以下であるものは、反射光の色味が赤味〜青い光の深紅色で強く着色し、光源が観察者(viewer)の後にある場合、このような色味(rainbow)を帯びた反射光は、ディスプレイ品質を損傷させる。一方、ウェットコーティングにより形成された反射防止フィルムは、ほとんどぼやけた色(neutral)の反射光を有することに対し、平均反射率が1%以上であり、これは、特に外部光が直接ディスプレイの前面に入射するようにした使用状況では、反射防止の性能が不充分である。
特公昭60−59250号公報 特開平02−245702号公報 特開昭59−50401号公報 特開平05−13021号公報 特開平07−48527号公報 特開平11−6902号公報 特開2000−275401号公報 特開2000−275404号公報
本発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、反射率スペクトル波長の振動幅を減らすことによって、反射外観に優れ、かつ反射率の非常に低い反射防止フィルム及びこれを含む偏光板を提供することにある。
本発明の前記及び他の目的と利点は、好ましい実施例を説明した下記の説明からより明確になるはずである。
前記目的は、ポリビニルアルコール(PVA)偏光子保護用として使用されるセルローストリアセテート(TAC)透明基材と、前記透明基材上にコーティングされる高屈折の高硬度層として、屈折率が1.50〜1.60で、帯電防止機能を含む高屈折の高硬度層と、前記高屈折の高硬度層上にコーティングされる低屈折層として、屈折率が1.31〜1.40で、ウェットコーティングされた低屈折層とを含み、480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.1〜0.4%の平均鏡面反射率(average specular reflectance)を有することを特徴とする反射防止フィルムにより達成される。
ここで、前記反射防止フィルムの帯電防止数値(antistatic index)は、E^4〜E^10であることを特徴とする。
好ましくは、前記高屈折の高硬度層の厚さは、0.1〜20μmで、前記低屈折層の厚さは、90〜130nmであることを特徴とする。
好ましくは、前記低屈折層と前記高屈折の高硬度層との間に接着層をさらに含むものであり、前記高屈折の高硬度層が前記接着層を含み、前記低屈折層の下部面と接触する前記接着層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.001〜0.030μmであることを特徴とする。
好ましくは、前記高屈折の高硬度層は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物又はアンチモン酸化物の中から選択された少なくとも一つの金属酸化物粒子と、負イオン性分散剤と、3官能以上の重合性器を含有する硬化性樹脂と、重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物とでコーティングされたことを特徴とする。
好ましくは、前記高屈折の高硬度層は、前記コーティング組成物を塗布し乾燥させて溶媒を除去した後、熱又はイオン化放射線のうち、少なくとも一つを適用して硬化させたことを特徴とする。
好ましくは、前記低屈折層は、熱又はイオン化放射線照射のうち、少なくとも一つにより硬化されうるフッ素含有化合物を含み、動的摩擦係数が0.03〜0.15であり、水に対する接触角が95゜〜120゜であることを特徴とする。
また、前記目的は、反射防止フィルムを含む偏光板であって、偏光子及び前記偏光子の少なくとも一面に表面保護フィルムが付着された偏光板として、前記表面保護フィルムは、前記反射防止フィルムであり、前記低屈折層の形成される面の反対側の透明基材面を低屈折層の形成又は後にアルカリ溶液でコーティング化して石鹸化(saponification)させて、コーティングされた基材を加熱した後、水で洗浄又は中和させて、偏光子に付着したことを特徴とする、反射防止フィルムを含む偏光板により達成される。
また、前記目的は、反射防止フィルム又は前記反射防止フィルムを含む偏光板を含むことを特徴とする、ディスプレイ用装置により達成される。
本発明によれば、反射率が低く、かつ反射外観に優れているなどの効果を有する。
本発明に係る反射防止フィルムの断面図である。 本発明に係る反射防止フィルムと従来の反射防止フィルムの反射UVスペクトル波長を比較したグラフである。
以下、本発明の実施例と図面を参照して、本発明を詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明をさらに具体的に説明するために例示的に提示したものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されないことは、当業界における通常の知識を有するものにとって自明である。
本発明に係る反射防止フィルムの断面図として基本層構造を図1に示した。図1より確認できるように、本発明に係る反射防止フィルムは、透明基材10上に順にコーティングされた高屈折の高硬度層20と低屈折層30であって、実質的に2層構造の反射防止層を有する。このような2層の反射防止層を有する場合、各層の光学厚、すなわち生成物の屈折率及びフィルム厚を変更することでスペクトルの波長を調節することができる。
前記2層構造を有した本発明に係る反射防止フィルムは、低反射効果と反射外観(Rainbow)の低減効果の両方を達成することができるため、本発明に係る反射防止フィルムがディスプレイの最外層として適用される場合、従来では、得られなかった高い視認性(visibility)を有したディスプレイ(例えば、LCD)を提供することができる。また、本発明に係る反射防止フィルムは、5゜入射角での鏡面反射率(specular reflectance)の480nm〜680nmの範囲の波長領域での平均値が0.4%以下であるから、ディスプレイ前面での外部光の反射による視認性の減少を満足するよう防止できる。
本発明の反射防止フィルムは、既存の多重層反射防止フィルムと係わった問題であった赤い光又は青い光の反射光によるレインボー現象がなく、超低反射率を有する。また、本発明に係る反射防止フィルムをLCDに適用するとき、高輝度の外部光、例えば、室内蛍光灯から光の反射により誘発された反射光の色はぼやけており、それは無視できる程度になる。
本発明に係る反射防止フィルムの透明基材は、1.45〜1.55の屈折率を有することが好ましいが、例えば、セルローストリアセテート(TAC、屈折率:1.49)基材である。この場合、高屈折の高硬度層の屈折率(n1)は、1.50〜1.60であり、低屈折層の屈折率(n2)は、1.40であることが求められ、好ましくは、1.31〜1.40である。高屈折樹脂層及び低屈折数値層として好ましい屈折率を有した物質を入手するのが不可能であるか、又は不適当な場合、目的とする屈折率より屈折率の高い層及び目的とする屈折率より屈折率の低い層を含有する複数の層の組合せを使用して、本技術分野に公知されたもののように設定された高屈折樹脂層又は低屈折層に対して、実質的な光学均等性を達成することができる。本発明において反射防止層に対して使用される「実質的に2層構造」という表現は、このような光学的に均等な層を含有する構造を意味し、3層又は4層以上の構造を有しうる反射防止層を含むための意図によるものである。
本発明に係る反射防止フィルムは、上述した反射光の着色の顕著な減少結果、反射防止層の厚さ変化による反射光の色味での不均一性も大きく減少する。すなわち、許容可能な厚さ変化の範囲が広くなり、これは、生産収率を増加させ、ひいては生産費用を減少させる効果を有することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの透明基材は、好ましくは、プラスチックフィルムを含む。プラスチックフィルムの製造に適した重合体は、セルロースエステル(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカルボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチルレンテレフタレート、ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4´−ジカルボキシレート及びポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例えば、シンジオタクチック(syndiotactic)ポリスチレン)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテル−イミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンを含む。
本発明に係る反射防止フィルムがLCDs、有機ELDsなどの適用の際に、偏光子の保護フィルムの一つとして使用される場合、透明基材としては、セルローストリアセテートが最も好ましい。前記セルローストリアセテート基材は、好ましくは、技術開示便覧2001−1745に開示された方法により製造される。また、平面CTRs、PDPsなどのように、反射防止フィルムがガラスなどで製造された前面(faceplat)に付着される適用では、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートが好ましく使用される。
前記透明基材は、80%以上、特に86%以上の光透過度、2.0%以下、特に1.0%以下のヘイズ及び1.4〜1.7の屈折率を有することが好ましい。また、前記透明基材の厚さは、これに制限されるものではないが、好ましくは、30〜200μm、さらに好ましくは、75〜125μmである。
次に、本発明に係る反射防止フィルムの高屈折の高硬度層は、高屈折率を有する無機粒子、加熱又はイオン化放射線硬化単量体、重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物を透明基材上に塗布し、乾燥させて溶媒を除去した後、熱又はイオン化放射線照射のうちの少なくとも一つを適用してコーティングフィルムを硬化させることによって形成される。このように形成された高屈折の高硬度層は、耐スクラッチ性及び高屈折率を有する重合体溶液を適用しコーティングフィルムを乾燥させることによって形成されたものに対する接着性に優れている。また、特開平11−153703号公報及び米国特許第6210858号明細書によく説明されたように、多官能性(メータ(METH))アクリレート単量体及び負イオン基含有(メータ(METH))アクリレート分散剤(負イオン性分散剤)をコーティング組成物に添加して、分散安定性及び硬化フィルムの強度を改善することが好ましい。
前記無機粒子は、好ましくは、チタン、ジルコニウム、インジウム、亜鉛、錫又はアンチモンの酸化物から選択された少なくとも一つの金属酸化物の粒子である。また、前記無機粒子は、好ましくは、コールター(Coulter)・カウンターで測定して平均粒子のサイズが1〜100nmであることが好ましい。1nmより小さな粒子は、比表面積があまりにも大きいから分散液の中で充分な安定性を保障することができない。また、100nmより大きな粒子は、屈折率面で結合剤との差によって可視光が散乱されて濁度(HAZE)が高まり、透過率が悪くなりうる。
一方、前記高屈折の高硬度層のヘイズは、好ましくは、3%以下、さらに好ましくは、1%以下である。
また、本発明に係る反射防止フィルムの低屈折層は、熱又はイオン化放射線の適用時に硬化されうるフッ素含有化合物を含み、前記低屈折層は、0.03〜0.15の動的摩擦係数を有し、水に対する接触角が95゜〜120゜である。動的摩擦係数が0.15を超過すると、摩擦時に前記層は容易にスクラッチされる。また、水との接触角が95゜未満であれば、前記層は、指紋又はオイル性染みによる汚染に対して不良な抵抗性を有する。
また、前記熱又はイオン化放射線硬化フッ素含有化合物は、ペルフルオロアルキル含有シラン化合物(例えば、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン))及びフッ素含有単量体及び架橋結合性基を提供する単量体を含有するフッ素含有共重合体を含む。フッ素含有重合体を提供するフッ素含有単量体は、フルオロオレフィン、例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフッ素、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソノール;部分的に又は完全にフッ素化されたアルキル(メータ(METH))アクリレート、例えば、ビスコート(Viscote)6FM[Osaka Organic Chemical Industry Ltdから入手可能]、及びM−2020[Daikin Industries,Ltd.から入手可能];及び部分的に又は完全にフッ素化されたビニルエーテルを含む。生成された重合体の低い屈折率及び取扱いの容易性面でヘキサフルオロプロピレンが好ましい。
また、前記架橋結合性器を提供する単量体は、分子内で架橋結合性基を有する(メータ(METH))アクリレート単量体、例えば、グリシジルメタクリレート、及びカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基又はスルホン酸基などを有する(メータ(METH))アクリレート単量体、例えば、(メータ(METH))アクリル酸、メチロール(メータ(METH))アクリレート、ヒドロキシアルキル(メータ(METH))アクリレート)、及びアリルアクリレートを含む。後者の単量体群は、共重合後に架橋結合された構造を導入することができるものと知られており、これらが特に好ましい(特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報)。
また、フッ素を含有しない共単量体は、フッ素含有単量体と組合わせられて使用されうる。このような共単量体は、これに制限されないが、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、及び塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレート)、メタクリル酸エステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びエチレングリコールジメタクリレート)、スチレン誘導体(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、及びビニルシンナメート)、アクリルアミド(例えば、N−t−ブチルアクリルアミド及びN−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド、及びアクリロニトリル誘導体を含む。詳細な内容は、特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報に開示されている。
また、前記フッ素含有重合体は、滑り性(slip)の改善及び動的摩擦係数の減少のために提供される共単量体単位をさらに含有し、これは、耐スクラッチ性を改善させる。例として、特開平11−228631号公報に提示されたように、ポリジメチルシロキサン片の主鎖内への導入が好ましく採択される。また、耐スクラッチ性を改善するために、フッ素含有重合体の中に酸化ケイ素の超微粒子を分散させることが好ましい。
また、本発明に係る反射防止フィルムの低屈折層は、低屈折率を有することが反射防止にさらに好ましいが、耐スクラッチ性は、屈折率の低下によって減少する。したがって、フッ素含有重合体の屈折率及び添加される酸化ケイ素粒子の量を最適化して、耐スクラッチ性と低屈折率の最善の均衡を提供する。商業的に入手可能な有機溶媒中のシリカゾル又は商業的に入手可能な有機溶媒中のシリカ粉末の製造分散液を低屈折層用コーティング組成物に添加できる。酸化物の超微粒子は、好ましくは、0.001〜0.2μm、特に0.001〜0.05μmの平均粒子のサイズ及び可能なかぎり狭い大きさの分布(単分散される)を有する。酸化物の超微粒子は、適合には、低屈折層の総重量を基準に、5〜90%、好ましくは、10〜70%、さらに好ましくは、10〜50%で添加される。
また、本発明に係る反射防止フィルムは、前記低屈折層と前記高屈折の高硬度層との間に接着層をさらに一層含むことができ、前記高屈折の高硬度層が接着層を含み、前記低屈折層の下部面と接触する前記接着層の表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.001〜0.030μmであることを特徴とする。
前記接着層は、上部層及び下部層の両方に優れた接着性を表す層である。本発明において、上部層(接着層上に直接提供される層)は、一般に他の層に対して不良な接着性を有する低屈折物質である。本発明の反射防止フィルムは、接着層のこのような接着性改善効果によってスクラッチに対して非常に高い抵抗性を表す。本発明の接着層は、その表面上での粗さにより特徴付けられる。前記接着層は、低屈折層が改善された接着性を提供するように良好な固定手段(anchorage)を提供することと判断される。前記接着層は、好ましくは、0.001〜0.030μm、特に0.001〜0.020μm、さらに好ましくは0.001〜0.010μmの厚さを有し、光学干渉に基づいた反射防止機能に影響を及ぼさない。このような接着層の中心線平均粗さ(Ra)があまりにも小さければ、固定効果が損失し、接着層の中心線平均粗さ(Ra)があまりにも大きければ、界面の外乱(disturbance)が起き、これは、光学干渉に基づいた反射防止性能によくない影響を及ぼす。
接着層の屈折率が低屈折層(上部層)の屈折率と同じ場合、接着層の厚さは、前記接着層及び低屈折層の総厚が低屈折層に対して本来設定された厚さになるように選択される。接着層の屈折率が下部層の屈折率と同じ場合、接着層の厚さを接着層及び下部層の総厚が下部層に対して本来設定されたものと同じ厚さになるように選択することを考えることができる。接着層が下部層を代替、すなわち本来設定された下部層の機能を組み合わせることがさらに好ましい。すなわち、接着層は、接着層である高屈折層、接着層である硬質コート層又は接着層である無光沢層でありうる。このような場合に、接着層の厚さは、対応する機能性層に対して設定されたものでありうる。
前記接着層の表面粗さは、JISB−0601によって決定される中心線平均粗さ(Ra)で表す。Raとは、原子力顕微鏡を使用して4μmの評価長に対して測定される表面プロファイル(profile)を分析することによって得られる。以下に記載されるようなマット粒子によって表面が無光沢不均一性を有する場合、このような不均一性の期間は、前記データから排除する。
前記言及されたRaと共に接着層を作りうる物質は、特に限定されない。言及された平均粗さを得るための好ましい構築は、有機結合剤及び微粒子で構成された二成分系であって、前記有機結合剤は、下部層に対する接着及び接着フィルムの強度を保障するために提供され、前記粒子は、表面の不均一性を作るために提供される。好ましい粒子含量は、接着層の総重量を基準に20〜95重量%、特に50〜95重量%である。粒子が可能なかぎり微細なものが透明性面で好ましい。好ましい体積平均粒子の直径は、0.001〜0.2μm、特に0.005〜0.1μmである。体積平均粒子の直径は、Beckman Coulter,Incから入手可能な粒子サイズ分析機N4を使用して動的光散乱法により決定されることができる。また、無機粒子は、フィルムの強度を有する接着層を提供することが好ましい。
前記無機粒子の形態は、特に制限されないが、球形、テーブル形、繊維状、棒形、無定形又は中空形態を含む。球形粒子が分散性面で好ましい。無機粒子の材料も特に制限されない。無定形物質が好ましい。金属酸化物、窒化物、硫化物又はハライドが好ましく、金属酸化物が特に好ましい。有用な金属種は、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb及びNiを含む。また、無機粒子の使用方法は、特に制限されない。例として、粒子は、乾燥状態又は水や有機溶媒中に分散されて添加されうる。
また、無機粒子の凝集又は沈降を抑制するために、分散安定化剤を組み合わせて使用することが好ましい。有用な分散安定化剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステル、ポリエーテル、界面活性剤、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤を含む。有機結合剤と共重合可能な官能基を前記無機粒子の表面に導入して強い硬化フィルムを提供するシランカップリング剤が特に好ましい。例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどがビニル基のラジカル重合を介して硬化可能な有機結合剤に効果的であり、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランなどがエポキシ基の陽イオン重合を介して硬化可能な有機結合剤に効果的である。制限されないが、分散安定化剤としてシランカップリング剤は、好ましくは、無機粒子100重量部当たり1重量部以上の量で添加される。シランカップリング剤は、添加前に加水分解されることができるか、又はシランカップリング剤を無機粒子と混合した後、加水分解及び濃縮することができる。後者の添加方法が好ましい。
また、接着層に使用される有機結合剤は、下部層に優れた接着を提供しなければならず、強いフィルム形成能力を持たなければならない。このような要求事項を充足させるためには、飽和炭化水素又はポリエーテルを主鎖として有する重合体が好ましい。主鎖として飽和炭化水素を有する重合体が好ましい。結合剤重合体が架橋結合構造を有するものも好ましい。
主鎖として飽和炭化水素を有する結合剤重合体は、エチレン性不飽和単量体を含有するものが好ましい。主鎖として飽和炭化水素鎖及び架橋結合構造を有する結合剤重合体は、分子当たり二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体を含有する同種−又は共重合体を含む。高屈折接着層を得るためには、二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体及び芳香族環又はフッ素、硫黄、リン及び窒素を除いたハロゲンから選択された一つ以上の原子を使用することが好ましい。
前記二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体の例は、多価水素アルコール及び(メータ(METH))アクリル酸とのエステル、例えば、エチレングリコールジ(メータ(METH))アクリレート、1,4−ジシクロへキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メータ(METH))アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メータ(METH))アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メータ(METH))アクリレート、トリメチロールエタントリ(メータ(METH))アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メータ(METH))アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メータ(METH))アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メータ(METH))アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、及びポリエステルポリアクリレート;ビニルベンゼン及びその誘導体、例えば、1,4−ジビニルベンゼン、2−アクリロイルエチル、4−ビニルベンゾエート及び1,4−ジビニルシクロヘキサノン;ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)、及びメタクリルアミドを含む。
また、高屈折結合剤を提供する単量体の例は、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、及び4−メタクリルオキシフェニル−4´−メトキシフェニルチオエーテルを含む。
また、エチレン性不飽和基を有する単量体は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下にイオン化放射線又は熱を適用することによって重合される。
また、前記主鎖としてポリエーテルを有する結合剤重合体は、好ましくは、多官能性エポキシ化合物の開環重合体を含む。多官能性エポキシ化合物の開環重合は、光酸(photo acid)発生剤又は熱酸発生剤の存在下にイオン化放射線又は熱適用により行われることができる。
また、架橋結合性官能基を有する単量体を、二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体の代わりに又はそれに追加して使用して、反応して架橋結合された構造を結合剤重合体に導入させる架橋結合性官能基を導入することができる。架橋結合性官能基は、イソシアネート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基、及び活性メチレン基を含む。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール化合物、エステル、ウレタン、及び金属アルコキシドの例としてテトラメトキシシランも架橋結合された構造を導入するための単量体として有用である。分解後に架橋可能性を発現させる官能基、例えば、ブロックされたイソシアネート基も使用可能である。すなわち、架橋結合性官能基は、直ちに反応可能であるもの又は分解結果として反応性を表すものでありうる。前記記載の架橋結合性官能基を有する結合剤重合体は、フィルムとして適用した後に加熱して架橋結合された構造を形成する。
一方、接着層中の孔隙は、孔隙の体積(体積%)で表示され、これは、接着層中に含有された空気(屈折率:1.00)による、接着層の屈折率と接着層組成物を基準に計算された屈折率間の差により得られる。孔隙の体積はまた、前記層の薄い片を透過電子顕微鏡(TEM)下で観察することによって得られることができる。本発明の接着層は、好ましくは、0.5〜30体積%、特に1〜25体積%を有する。孔隙の体積の好ましい下限値は、固定効果を保障するための限界であり、好ましい上限値は、接着層の強度を保障するための限界である。前記言及された孔隙の体積を有する接着層を作りうる物質は、特に制限されない。言及された孔隙の体積を得るための好ましい構築は、有機結合剤及び微細粒子から構成された2成分界であり、前記有機結合剤は、下部層に対する接着及び接着層の強度を保障するために提供され、前記粒子は、それら自分らの中に孔隙を作るために提供される。前記粒子の好ましい含量は、60〜95重量%、特に80〜95重量%である。粒子は、可能なかぎり微細であることが透明性面で好ましい。好ましい体積平均粒子の直径は、0.001〜0.2μmであり、特に0.005〜0.1μmである。本実施例に使用された有機結合剤及び粒子の種類は、接着層が特定Raを有する実施例に対して記載されたものと同様である。
好ましい場合、本発明に係る反射防止フィルムは、硬質コート層、前方−散乱層、帯電防止層及び又は保護層を有することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの帯電防止数値は、E^4〜E^10であることを特徴とする。
前記硬質コート層は、透明な基材を耐スクラッチ性に作る。これは、また、提供されて透明基材及び上部層間の接着を改善させることもある。硬質コート層は、好ましくは、多官能性アクリル単量体のオリゴマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどのアクリレート、重合開始剤、及び無機充填剤(例えば、シリカ又はアルミナ)を含むことのできる溶媒を含有するコーティング組成物を適用し、溶媒を除去してコーティング層を乾燥させ、熱及び/又はイオン化放射線を適用することによってコーティング層を硬化させることで形成される。前記硬質コート層の厚さは、好ましくは、0.1〜20μm、好ましくは、1〜10μm、特に好ましくは、2〜8μmである。硬質コート層の鉛筆硬度は、好ましくは、H以上であり、依然として好ましくは、2H以上であり、特に好ましくは、3H以上である。硬質コート層の屈折率は、好ましくは、1.50〜1.60、特に1.52〜1.56である。
このような硬質コート層は、主に二酸化硅素を含有する無機層、主鎖としてポリエーテル又は飽和炭化水素を有する重合体を含有する有機層、又は無機化合物及び有機化合物の混合物を含有する混成層でありうる。主鎖として飽和炭化水素を有する重合体で製造された層が特に好ましい。前記重合体は、好ましくは、架橋結合された構造を有する。主鎖として飽和炭化水素を有する重合体は、エチレン性不飽和単量体を重合することで好ましく製造される。二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体は、好ましくは、架橋結合された結合剤重合体を提供するのに使用される。
前記二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体の例は、多価水素アルコール及び(メタ)アクリル酸間のエステル、例えば、エチレングリコールジ(メータ(METH))アクリレート、1,4−ジシクロへキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メータ(METH))アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メータ(METH))アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メータ(METH))アクリレート、トリメチロールエタントリ(メータ(METH))アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メータ(METH))アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メータ(METH))アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メータ(METH))アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート及びポリエステルポリアクリレート;ビニルベンゼン及びその誘導体、例えば、1,4−ジビニルベンゼン、2−アクリロイルエチル4−ビニルベンゾエート、及び1,4−ジビニルシクロヘキサノン);ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドを含む。
前記エチレン性不飽和基を有する単量体をウェットコーティングした後に、イオン化放射線−又は加熱−誘導重合により硬化させる。また、主鎖としてポリエーテルを有する重合体は、好ましくは、多官能性エポキシ化合物の開環重合により合成される。
また、二つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体の代わりに、又はそれに追加して、架橋結合性官能基を有する単量体を使用して、架橋結合された構造を結合剤重合体内に導入できる。架橋結合性官能基は、イソシアネート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基、及び活性メチレン基を含む。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール化合物、エステル、ウレタン及び金属アルコキシド、例えば、テトラメトキシシランも架橋結合された構造を導入するための単量体として有用である。分解結果、架橋結合性を発現する官能基を有する化合物、例えば、ブロックされたイソシアネート基を有する化合物も使用可能である。前記記載された架橋結合性官能基を有する結合剤重合体は、フィルム中にウェットコーティングした後、加熱適用などにより架橋結合される。
また、前記硬質コート層は、屈折率の調整又はフィルムの強度を増加させるために無機粒子を含有することができる。平均粒子のサイズが0.001〜0.5μm、特に0.001〜0.2μmである無機粒子が好ましく使用される。適合した無機粒子は、二酸化硅素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン及び硫酸カルシウムの粒子である。二酸化硅素、二酸化チタン及び酸化アルミニウムの粒子が特に好ましい。前記無機粒子は、硬質コート層を基準に、好ましくは、10〜90重量%、特に20〜80重量%、特に30〜60重量%の量で添加される。
前記前方−散乱層は、垂直及び水平方向での視野角を拡大するためにLCDs適用に提供される。相異なる屈折率を有する微粒子を含有する前記記載された硬質コート層は、前方−散乱層としての機能を行うことができる。
また、ウェットコーティングにより形成された本発明の多重層反射防止フィルムが表面の不均一性を提供して無光性質を表す場合(観察者の後面の反射をぼやけるようにする)、マット粒子などを含有する表面の不均一性を有する層上に前記反射防止層を形成することより、基材上に形成された反射防止層をエンボスすることで表面の不均一性を製造することがさらに好ましい。先行された方法がフィルム厚のより良好な均一性を達成して、反射防止性能を改善させる。
前記反射防止層を構成する各層は、各種のウェットコーティング技術、例えば、ディップ(dip)コート、エアーナイフ(air knife)コート、カーテン(curtain)コート、ローラ(roller)コート、ワイヤーバー(wire bar)コート、グラビア(gravure)コート、マイクログラビアコート、及び押出コート(US特許2,681,294参照)により形成されることができる。マイクログラビアコート及びグラビアコートは、スプレッド(spread)を最小化して乾燥不均一性を減少させるのに好ましい。グラビアコートが交差方向で厚さの均一性を保障するのに好ましい。二つ以上の層を同時に形成できる。同時コートに対して、米国特許US2,761,791、US2,941,898、US3,508,947及びUS3,526,528とYuji Harasaki,Coating Kogaku,p.253,Asakura Shoten(1973)を参照することができる。
また、本発明に係る反射防止フィルムを利用した偏光板は、前記反射防止フィルムを一つ以上含有する。本発明に係る反射防止フィルムを偏光子の表面保護フィルム(保護層)のうちの一つとして使用して偏光板を製造する場合、反射防止層(低屈折層)面の反対側の透明基材面をアルカリで石鹸化しなければならない。アルカリを使用した石鹸化は、下記の方法(1)及び(2)に従って実施できる。
方法(1):低屈折層がその上に形成された透明基材をアルカリ溶液に1回以上浸漬させて基材の後面を石鹸化させる。
方法(2):低屈折層の形成される面の反対側の透明基材面を低屈折層の形成又は後にアルカリ溶液でコーティングし、コーティングされた基材を加熱した後、水で洗浄及び又は中和することにより反射防止フィルムの後面のみを石鹸化させる。
方法(1)は、通常の目的のセルローストリアセテートフィルムと同じ加工工程により行われうるという点で優れている。しかしながら、方法(1)は、基材の後面のみでなく、反射防止層面を加水分解させて、反射防止層の劣化をもたらすおそれがあり、アルカリ処理溶液が反射防止層上に残留して染みを発生させるという短所を有する。このような短所が問題になる場合、特定工程をを含む方法(2)に従うことが好ましい。
前記偏光子は、ヨード基材の偏光子、二色性染料偏光子、及びポリエン系偏光子を含む。前記ヨード基材の偏光子及び前記二色性染料偏光子は、一般に、延伸前又は後にポリビニルアルコール(PVA)フィルムを染色することによって製造される。一般に、ポリビニルアセテートを石鹸化することによって製造されたポリビニルアルコール(PVA)を使用する。改質PVAも有用である。PVAフィルムの染色は、任意の手段、例えば、ヨード−カリウムヨード水溶液中に浸漬させるか、又はヨード溶液又は染色溶液でスプレッドコート又は噴霧することによって実施できる。PVAフィルムの延伸時に、PVAを架橋結合するための添加剤、例えば、ほう酸化合物が好ましく使用される。偏光板が550nmの波長で30〜50%、特に35〜50%の透過率を有し、550nmの波長で90〜100%、特に95〜100%、特に99〜100%の偏光度を有することが好ましい。
本発明の反射防止フィルムをその一面上に保護フィルムとして有する偏光板は、TNモード、STNモード、VAモード、IPSモード又はOCBモードで、透過、反射又は反透過型LCDsに対した適用に適している。透過又は反透過型LCDsに適用する際、商業的に入手可能な輝度改善フィルム、すなわち偏光選択層を有する偏光光線分割フィルム、例えば、Sumitomo 3M Ltd.より入手可能なDBEF(二重輝度改善フィルム)と組合わせられる場合、前記偏光板は、より高い視認性を保障する。偏光板を1/4波長板と組み合わせて、表面及び内部の両方からの反射光を減少させる有機ELDs用表面保護板を提供することができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを透明基材として有する本発明の反射防止フィルムは、PDPs及びCRTsのようなイメージディスプレイに適用可能である。
また、本発明は、前記反射防止フィルムを含むことを特徴とするディスプレイ用装置と前記偏光板とを含むことを特徴とするディスプレイ用装置にも本発明の権利範囲が及ぼすということは、当業者にとって自明である。
以下、本発明に係る実施例と比較例を使用して、本発明をさらに詳細に説明する。
1.高屈折の高硬度層の製造
1.1 高屈折の高硬度層
本発明に係る反射防止フィルムの必須薄膜層である高屈折の高硬度層の屈折率は、上述した通り、1.50〜1.60であり、さらに好ましくは、1.52〜1.56である。このような高屈折の高硬度層を形成する方法として、化学気相蒸着(CVD)又は物理気相蒸着(PVD)、特に物理気相蒸着法の一種類である真空蒸着又はスパッタリングにより形成された無機酸化物の透明薄膜を使用することもできるが、オール−ウェットコート(all-wet coating)により形成された薄膜が好ましい。
また、高屈折の高硬度層は、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Al及びSbから選択される少なくとも一つの金属の酸化物を含む無機微粒子と負イオン性分散剤と3官能以上の重合性器を含有する硬化性樹脂(以後、「バインダー」と称する場合もある)と重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物を塗布し、溶媒を乾燥し、加熱及び電離放射線の照射のうちの何れか一つの手段又は両手段によりコーティングを硬化させることによって形成されることが好ましい。硬化性樹脂又は開始剤を使用する場合、硬化性樹脂は、コーティング以後の加熱及び又は電離放射線の影響による重合反応を介して硬化されるので、耐擦傷性及び接着性に優れた高屈折の高硬度層を形成することができる。
1.2 無機微粒子
無機微粒子としては、金属(例えば、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Sb、Al)の酸化物が好ましく、屈折率の観点で、酸化ジルコニウムの微粒子が最も好ましい。しかしながら、導電性の観点で、Sb、In及びSnのうちの少なくとも一つの金属の酸化物を主成分とする無機微粒子を使用することが好ましい。屈折率は、無機微粒子の量を変更することによって所定範囲に調整されうる。酸化ジルコニウムを主成分として使用する場合、層内の無機微粒子の平均粒子の直径は、1〜120nmが好ましく、1〜60nmがさらに好ましく、2〜40nmがさらに好ましい。この範囲は、ヘイズを減少させ、分散安定性及び表面上の適切な凹凸により上部層への接着性を改善するから好ましい。本発明で使用される酸化ジルコニウムを主成分として含む無機微粒子の屈折率は、1.90〜2.80が好ましく、2.10〜2.80がさらに好ましく、2.20〜2.80が最も好ましい。無機微粒子の添加量は、無機微粒子が添加される層によって異なり、高屈折層での添加量は、全体高屈折層の固形分に対して40〜85質量%であり、50〜75質量%が好ましく、60〜70質量%がさらに好ましい。無機微粒子の粒子の直径は、光散乱法又は電子顕微鏡写真により測定されうる。無機微粒子の比表面積は、10〜400m/gが好ましく、20〜200m/gがさらに好ましく、30〜150m/gが最も好ましい。
分散液又はコーティング溶液での分散を安定化するか、又はバインダー成分との親和性又は結合性を向上させるために、無機微粒子に対してプラズマ放電処理及びコロナ放電処理のような物理的表面処理、又は界面活性剤、カップリング剤などによる化学的表面処理を施すこともできる。カップリング剤を使用することが特に好ましい。
前記カップリング剤として、アルコキシ金属化合物(例えば、チタニウムカップリング剤、シランカップリング剤)を使用することが好ましい。特に、アクリロイル又はメタクリロイル基を有するシランカップリング剤による処理が効果的である。無機微粒子の化学的表面処理剤、溶媒、触媒及び分散安定剤は、特開2006−17870号公報の段落[0058]〜[0083]に記載されている。
1.3 硬化性樹脂
硬化性樹脂としては重合性化合物が好ましく、重合性化合物として、電離放射線−硬化性多官能モノマー又は多官能オリゴマーを使用することが好ましい。この化合物中の官能基としては、光−、電子線−又は放射線−重合性官能基が好ましく、光重合性官能基がさらに好ましい。
光重合性官能基の例としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、スチリル基及びアリル基のような不飽和重合性官能基を含む。このうち、(メタ)アクリル基がましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートのような多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;及び2,2−ビス{4−アクリルオキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン及び2−2−ビス{4−(アクリルオキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパンのようなエチレン酸化物又はプロピレン酸化物付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類を含む。
また、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類及びポリエステル(メタ)アクリレート類も光重合性多官能モノマーとして好ましく使用される。
これらのうち、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル類が好ましく、1分子内に3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能モノマーがさらに好ましい。その具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート及びトリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレートを含む。多官能モノマーのうち2種類以上を組み合わせて使用することもできる。硬化性樹脂の使用量は、上述した各層の屈折率を満たす範囲内で調整されうる。
1.4 重合開始剤
重合開始剤として、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤又は光陽イオン重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がさらに好ましい。
光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー(Michler)<207>のベンゾイルベンゾエート、α−アミルオキシムエステル、テトラメチルチウラムモノスルフィド及びチオキサントン類を含む。市販される光ラジカル重合開始剤の例としては、Nippon Kayaku Co.,Ltd.製造のKAYACURE(例えば、DETX−S、BP−100、BDMK、CTX、BMS、2−EAQ、ABQ、CPTX、EPD、ITX、QTX、BTC、MCA);Ciba Specialty Chemicals Corp.製造のIrgacure(例えば、651、184、127、500、907、369、1173、2959、4265、4263);及びSartomer Company Inc.製造のEsacure(KIP100F、KB1、EB3、BP、X33、KT046、KT37、KIP150、TZT)を含む。特に、光分裂型(photocleavage-type)光ラジカル重合開始剤が好ましい。光分裂型光ラジカル重合開始剤は、Technical Information Institute Co.,Ltd.(発行人:Kazuhiro Takausu)(1991)による最新UV硬化技術159頁に記載されている。市販される光分裂型光ラジカル重合開始剤の例としては、Ciba Specialty Chemicals Corp.製造のIrgacure(例えば、651、184、127、907)を含む。光重合開始剤の使用量は、硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
前記光重合開始剤に追加して、光増感剤を使用することもできる。光増感剤の具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン及びチオキサントンを含む。市販される光増感剤の例としては、Nippon Kayaku Co.,Ltd.製造のKAYACURE(例えば、DMBI、EPA)を含む。
光重合反応は、高屈折の高硬度層をコーティングし乾燥させた後に、紫外線照射により行われることが好ましい。
また、高屈折の高硬度層には、上述した成分(例えば、無機微粒子、硬化性樹脂、重合開始剤、光増感剤)の他に、界面活性剤、酸化防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(例えば、顔料、染料)、消泡剤、レべリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、導電性金属微粒子などを添加することもできる。
1.5 溶媒
溶媒としては、沸点が60〜170℃である液体を使用することが好ましい。その具体例としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例えば、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、及びエーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)を含む。この中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが好ましい。特に、分散媒体としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンが好ましい。
前記溶媒は、高屈折率層用コーティング組成物が固形分濃度2〜30質量%になるように使用することが好ましく、固形分濃度3〜20質量%になるように使用することがさらに好ましい。
1.6 高屈折の高硬度層の形成方法
高屈折の高硬度層に使用される酸化ジルコニウムを主成分として含む無機微粒子は、分散物状態で高屈折の高硬度層の形成に使用されることが好ましい。無機微粒子は、分散器を使用して分散されうる。分散器の例としては、サンドグラインダーミル(例えば、ピン付きビズミル)、高速インペラーミル、ぺブルミル、ローラーミル、磨砕機(attritor)及びコロイドミルを含む。これらの中でも、サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが好ましい。予備分散処理を行うこともできる。予備分散処理に使用される分散器の例としては、ボールミル、3−ロールミル、ニーダー(kneader)及び押出器を含む。
無機微粒子は、分散媒体中に可能なかぎり小さな粒子のサイズを有するように分散されることが好ましい。質量平均粒子の直径は、10〜120nmで、20〜100nmが好ましく、30〜90nmがさらに好ましく、30〜80nmがさらに好ましい。無機微粒子を200nm以下の小さな粒子のサイズに分散させることによって、透明性を損傷させずに高屈折の高硬度層を形成することができる。
本発明に使用される高屈折の高硬度層は、次のように形成される。上述したような分散媒体中に無機微粒子を分散させることによって得られた分散液に、マトリクス形成に必要なバインダー前駆体としての硬化性樹脂(例えば、上述した電離放射線−硬化性多官能モノマー又は多官能オリゴマー)、光重合開始剤などを添加して、高屈折率層又は中屈折率層の形成用コーティング組成物を製作し、得られた高屈折率層又は中屈折率層の形成用コーティング組成物を透明支持体上にコーティングし、硬化性樹脂の架橋反応又は重合反応を介して硬化させる。高屈折の高硬度層のコーティングと同時に又はコーティング以後に、層のバインダーは、分散剤と架橋又は重合されることが好ましい。
このように製造された高屈折率層又は中屈折率層のバインダーは、例えば、上述した好ましい分散剤と電離放射線−硬化性多官能モノマー又は多官能オリゴマーの架橋反応又は重合反応の結果としてバインダーに分散剤の負イオン性基が取られる形態となる。高屈折率層又は中屈折率層のバインダーに取られた負イオン性基は、無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーにフィルム−形成能力を付与し、これにより無機微粒子を含有する高屈折の高硬度層は、物理的強度、耐薬品性及び耐候性が改善される。
高屈折の高硬度層の形成時に、硬化性樹脂の架橋又は重合反応は、酸素濃度10体積%以下である雰囲気で行われることが好ましい。酸素濃度10体積%以下である雰囲気で高屈折の高硬度層を形成することによって、高屈折の高硬度層は、物理的強度、耐薬品性、耐候性及び高屈折層とこの高屈折層に隣接した層間の接着性が改善されることができる。
硬化性樹脂の架橋反応又は重合反応を介した層の形成は、酸素濃度6体積%以下である雰囲気で行われることが好ましく、酸素濃度4体積%以下である雰囲気で行われることがさらに好ましく、酸素濃度2体積%以下である雰囲気で行われることがさらに好ましく、酸素濃度1体積%以下である雰囲気で行われることが最も好ましい。
高屈折の高硬度層の厚さは、0.1〜20μmが好ましく、2〜8μmがさらに好ましい。具体的に、例えば、高屈折の高硬度層のフィルム厚さ及び屈折率を満足しうるように、微粒子の種類及び樹脂の種類を選択し、これらの配合割合を決定することによって主要組成が決まる。
2.低屈折層の製造
2.1 低屈折層
本発明に係る反射防止フィルムの低屈折層は、1.31〜1.40の屈折率を有することが好ましく、さらに好ましくは、1.38以下である。この範囲は、反射率を減少させつつフィルムの強度を維持することができるから好ましい。低屈折層を形成する方法も、前記と同様に、化学気相蒸着(CVD)又は物理気相蒸着(PVD)、特に物理気相蒸着法の一種類である真空蒸着又はスパッタリングにより形成された無機酸化物の透明薄膜を使用することもできるが、後述する低屈折層形成用コーティング組成物を使用するオール−ウェットコートによる方法が好ましい。低屈折層は、無機微粒子を含有することが好ましく、無機微粒子の中で、少なくとも一種類の無機微粒子が中空粒子であるものが好ましく、シリカを主成分として含む中空粒子(以後、「中空シリカ粒子」ともする)がさらに好ましい。
このような屈折層の厚さは、90〜130nmが好ましく、100〜120nmがさらに好ましい。
また、低屈折層のヘイズは、3%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。
また、低屈折率層までの層の形成された反射防止フィルムの強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験で、H以上が好ましく、2H以上がさらに好ましく、3H以上が最も好ましい。
また、反射防止フィルムの指紋防止性能を向上させるために、表面の水に対する接触角は、95゜〜120゜であることが好ましい。
2.2 無機微粒子
低屈折層に使用されうる無機微粒子は、中空粒子が好ましい。
中空粒子の屈折率は、1.40以下が好ましく、1.28〜1.38がさらに好ましく、1.32〜1.36が最も好ましい。中空粒子は、中空シリカ粒子が好ましく、以下、無機微粒子について中空シリカ粒子を参照しつつ説明する。ここで使用される屈折率は、全体粒子の屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成する外側シェルとしてのシリカのみの屈折率を表すことではない。このとき、粒子内部のキャビティの半径をaと仮定し、粒子の外側シェルの半径をbと仮定すると、以下の式1により表れる孔隙率xは、10〜60%が好ましく、20〜60%がさらに好ましく、30〜60%が最も好ましい。
[式1] x=(4πa/3)(4πb/3)×100
中空シリカ粒子がより低い屈折率及びより高い孔隙率を有するように意図される場合、外側シェルの厚さが薄くなり、粒子としての強度が低下する。そのため、耐擦傷性の観点で、上述した範囲内の屈折率を有する粒子が好ましい。
ここで、中空シリカ粒子の屈折率は、アッベの屈折計により測定されうる(ATAGO K.K.製造)。中空シリカの製造方法は、例えば特開2001−233611号公報及び特開2002−79616号公報に記載されている。また、市販される中空シリカ粒子を使用することもできる。
また、中空シリカ粒子のコーティング量は、1〜100mg/mが好ましく、5〜80mg/mがさらに好ましく、10〜60mg/mがなおさらに好ましい。この範囲内で、屈折率を減少させるか、又は耐擦傷性を改良させる良好な効果が得られ、低屈折層の表面上の微細な凹凸の発生を防止することができ、外観(例えば、濃厚なブラック外観)及び積分反射率を良好に維持できる。
また、中空シリカ粒子の平均粒子の直径は、低屈折層の厚さに対して30〜150%が好ましく、35〜80%がさらに好ましく、40〜60%がなおさらに好ましい。すなわち、低屈折層の厚さが100nmであれば、中空シリカ粒子の粒子の直径は、30〜150nmが好ましく、35〜80nmがさらに好ましく、40〜60nmがなおさらに好ましい。粒子の直径がこのような範囲内にあれば、キャビティの割合が満足するように維持されることができ、屈折率を十分に減少させることができ、低屈折層の表面上の微細な凹凸の発生を防止することができ、外観(例えば、濃厚なブラック外観)及び積分反射率を良好に維持できる。シリカ微粒子は、結晶質又は非晶質でありえ、単分散粒子が好ましい。その形状は、球形が最も好ましいが、不定形であっても良い。中空シリカ粒子の平均粒子の直径は、電子顕微鏡写真から決定されることができる。
本発明において、中空シリカ粒子と組み合わせてキャビティのないシリカ粒子を使用することもできる。キャビティのないシリカの粒子のサイズは、5〜150nmが好ましく、10〜80nmがさらに好ましく、15〜60nmが最も好ましい。
また、低屈折層の厚さの25%未満である平均粒子の直径を有する少なくとも1種類のシリカ微粒子(「小粒子サイズのシリカ微粒子」ともする)を、上述した粒子の直径を有するシリカ微粒子(「大粒子サイズのシリカ微粒子」ともする)と組み合わせて使用することが好ましい。
前記小粒子サイズのシリカ微粒子は、大粒子サイズのシリカ微粒子間の間隙に存在することもできるので、大粒子サイズのシリカ微粒子に対する維持剤として寄与できる。小粒子サイズのシリカ微粒子の平均粒子の直径は、1〜20nmが好ましく、5〜15nmがさらに好ましく、10〜15nmがなおさらに好ましい。このようなシリカ微粒子の使用は、原料費用及び維持剤効果の観点で好ましい。分散液又はコーティング溶液内の分散を安定化させるか、又はバインダー成分との親和性又は結合性を向上させるために、中空粒子に対してプラズマ放電処理及びコロナ放電処理のような物理的表面処理、又は界面活性剤、カップリング剤などによる化学的表面処理を行うこともできる。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシ金属化合物(例えば、チタニウムカップリング剤、シランカップリング剤)を使用することが好ましい。この中でも、アクリロイル又はメタクリロイル基を有するシランカップリング剤による処理が効果的である。中空粒子の化学的表面処理剤、溶媒、触媒及び分散安定剤は、特開2006−17870号公報の段落[0058]〜[0083]に記載されている。
また、低屈折層は、フィルム−形成溶質及び1種類以上の溶媒を含有するコーティング組成物を塗布し、溶媒を乾燥し、加熱及び電離放射線の照射のうち何れかの手段又は両手段によりコーティングを硬化させることによって形成されることが好ましい。
溶質としては、熱−硬化性又は電離放射線−硬化性フッ素含有硬化性樹脂を含有する組成物、有機シリル化合物の加水分解物、又はその部分縮合物が好ましい。
また、低屈折層は、フッ素含有硬化性樹脂を含有する組成物を使用することが好ましく、有機シリル化合物の加水分解物又はその部分縮合物を補助的に使用する様態がさらに好ましい。補助的に使用される有機シリル化合物の加水分解物又はその部分縮合物の添加量は、フッ素含有硬化性樹脂に対して10〜40質量%である。
2.3 フッ素含有硬化性樹脂
フッ素含有硬化性樹脂(以後、「フッ素含有ポリマー」ともする)としては、ペルフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解物、その脱水縮合物及びフッ素含有モノマー単位と架橋反応性の付与のための構成単位を構成成分として含有するフッ素含有コポリマーを含む。特に、本発明に使用される低屈折層は、フッ素含有ビニルモノマーから誘導された繰り返し単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位を必須構成成分として含むコポリマーの硬化フィルムにより形成されることが好ましい。また、屈折率の減少及びフィルムの強度の両方を満たす観点で、多官能(メタ)アクリレートのような硬化剤を組み合わせて使用することが好ましい。フッ素含有ポリマー及び多官能(メタ)アクリレートの混合比は、特に制限されないが、乾燥後にフィルムでそれらの間の位相分離を引き起こさない混合比が好ましい。もちろん、いずれか一つのみを使用することもできる。多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、高屈折率層に対して説明した光重合性多官能モノマーを含む。
以下、本発明の低屈折層に使用される好ましいフッ素含有硬化性樹脂について詳細に説明する。
フッ素含有ビニルモノマーの例としては、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、VISCOAT 6FM(商品名、Osaka Organic Chemical Industry Ltd.製造)、M−2020(商品名、Daikin Industries,Ltd.製造))、及び完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類を含む。この中でも、ペルフルオロオレフィン類が好ましく、屈折率、溶解性、透明性、入手性などの観点で、ヘキサフルオロプロピレンがさらに好ましい。本発明において、コポリマーのフッ素含量が20〜60質量%になるように、フッ素含有ビニルモノマーを導入することが好ましく、フッ素含量が25〜55質量%であることがさらに好ましく、フッ素含量が30〜50質量%であることがさらに好ましい。フッ素含有ビニルモノマーの組成比がこの範囲内にある場合、屈折率を満たすように減少させることができるだけでなく、フィルムの強度も維持することができる。
低屈折層に使用されるフッ素含有硬化性樹脂は、架橋反応性基を有することが好ましい。架橋反応性付与のための構成単位の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジルビニルエーテルのように、分子内に自体−架橋可能な官能基を予め有するモノマーの重合により得られる構成単位;カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基などを有するモノマー((メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸及びクロトン酸)の重合により得られる構成単位;及びポリマー反応により(メタ)アクリロイル基のような架橋反応性基を上述した構成単位に導入することによって得られる構成単位(例えば、架橋反応性基は、アクリル酸クロライドがヒドロキシ基に対して作用するようにすることによって導入できる)を含む。低屈折層に使用されるフッ素含有ポリマーとしてのコポリマーは必須構成成分であって、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。フッ素含有ビニルモノマーから誘導された繰り返し単位の種類によって変化されうるが、一般に、(メタ)アクリロイル基含有の繰り返し単位が5〜90質量%を占めることが好ましく、30〜70質量%を占めることがさらに好ましく、40〜60質量%を占めることがなおさらに好ましい。(メタ)アクリロイル基−含有繰り返し単位の組成比が増加する場合、フィルムの強度が向上し屈折率が高まるから、これは好ましい。
本発明に有用なコポリマーでは、フッ素含有ビニルモノマーから誘導された繰り返し単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位の他に、透明支持体に対する接着性、ポリマーの(フィルムの硬度に寄与する)Tg、溶媒に対する溶解性、透明性、すべり性、ホコリ防止及び汚損防止特性のような多様な観点で、他のビニルモノマーを適切に共重合することもできる。これらのビニルモノマーを目的によって複数組み合わせることもでき、これらのモノマーは、コポリマーの中で合計0〜65モール%で導入されることが好ましく、0〜40モール%で導入されることがさらに好ましく、0〜30モール%で導入されることがさらに好ましい。
組み合わせて使用されうるビニルモノマーは、特に制限されず、その例としては、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド)、アクリル酸エステル類(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート)、メタクリル酸エステル類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、スチレン誘導体類(例えば、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルシンナメート)、不飽和カルボン酸類(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸)、アクリルアミド類(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類(例えば、N,N−ジメチルメタクリルアミド)、及びアクリロニトリルを含む。
このようなポリマーに対して、特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報に記載された通り、硬化剤を適切に組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用されるフッ素含有硬化性樹脂の好ましい形態としては、化学式1で表れる樹脂を含む。
[化学式1]


化学式1において、Lは、炭素数が1〜10である連結基を表し、炭素数が1〜6の連結基が好ましく、炭素数が2〜4の連結基がなおさらに好ましく、連結基は、線形又は分岐状構造又は環状構造を有することもでき、O、N及びSから選択されるヘテロ原子を含有することもできる。
その好ましい例としては、*−(CH−O−**、*−(CH−NH−**、*−(CH−O−**、*−(CH−O−**、*−(CH−O−(CH−O−**、*−CONH−(CH−O−**、*−CHCH(OH)CH−O−**及び*−CHCHOCONH(CH−O−**(ここで、*は、ポリマー主鎖側に対する連結部位を表し、**は、(メタ)アクリロイル基側に対する連結部位を表す)を含む。mは、0又は1を表す。
また、化学式1において、Xは、水素原子又はメチル基を表し、硬化反応性の観点で、水素原子が好ましい。
また、化学式1において、Aは、任意のビニルモノマーから誘導された繰り返し単位を表す。この繰り返し単位は、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能なモノマーの構成成分であれば特に制限されず、透明支持体に対する接着性、ポリマーの(フィルムの硬度に寄与する)Tg、溶媒に対する溶解性、透明性、すべり性、ホコリ防止及び汚損防止特性のような多様な観点で適切に選択されることもできる。この繰り返し単位は、目的によって単一のビニルモノマー又は複数のビニルモノマーから構成されることもできる。
このようなビニルモノマーの好ましい例には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル及びアリルビニルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート及びビニルブチレートのようなビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランのような(メタ)アクリレート類;スチレン及びp−ヒドロキシメチルスチレンのようなスチレン誘導体類;及びクロトン酸、マレイン酸及びイタコン酸のような不飽和カルボン酸及びその誘導体を含む。この中でも、ビニルエーテル誘導体類及びビニルエステル誘導体類が好ましく、ビニルエーテル誘導体類がさらに好ましい。
また、化学式1において、x、y及びzは、それぞれの構成成分のモール%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70及び0≦<276>z≦65を満たす値を表し、但しx+y+z=100である。35≦x≦55、30≦y≦60及び0≦z≦20を満たすことがさらに好ましく、40≦x≦55、40≦y≦55及び0≦z≦10を満たすことがさらに好ましい。
本発明に使用されるコポリマーの特に好ましい形態としては、化学式2で表れる化合物を含む。
[化学式2]


化学式2において、X、x及びyは、化学式1と同じ意味を有し、その好ましい範囲も同一である。
nは、2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6が好ましく、2≦n≦4がさらに好ましい。
Bは、任意のビニルモノマーから誘導された繰り返し単位を表し、単一の組成物又は複数の組成物から構成されることもできる。その例としては、化学式1においてAの例として上述したものを含む。
z1及びz2は、それぞれの繰り返し単位のモール%を表し、0≦z1≦65及び0≦z2≦65を満たす値を表し、但しx+y+z1+z2=100である。0≦z1≦30及び0≦z2≦10を満たすことがさらに好ましく、0≦z1≦10及び0≦z2≦5を満たすことがさらに好ましい。
化学式1又は化学式2により表れるコポリマーは、例えば、上述した任意の手段によりヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分を含むコポリマーに(メタ)アクリロイル基を導入することによって、合成されうる。
本発明に有用なコポリマーの好ましい例を以下に説明するが、本発明は、これに限定されない。







本発明に使用されるフッ素含有硬化性樹脂としてのコポリマーの合成は、溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、バルク重合及びエマルジョン重合のような多様な重合方法によりヒドロキシル基−含有ポリマーのような前駆体を合成した後、前述したポリマー反応により(メタ)アクリロイル基を導入することによって行われることができる。重合反応は、配置システム、半−連続システム及び連続システムのような公知された操作で行われることができる。
重合を開始するための方法の例としては、ラジカル開始剤を利用する方法、及び光又は放射線を照射する方法を含む。これらの重合方法及び重合−開始方法は、例えば、Teiji Tsurutaの高分子合成方法、Nikkan Kogyo新聞社(1971)改訂版及びTakayuki OhtsuとMasayoshi Kinoshitaの高分子合成の実験法、124−154頁、Kagaku Dojin(1972)に記載されている。
これらの重合方法の中で、ラジカル開始剤を利用する溶液重合法が好ましい。溶液重合に利用される溶媒の例としては、エチルアセテート、ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、メチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールのような多様な有機溶媒を含み、これらの溶媒のうちの何れかの溶媒を単独で利用するか、又はそのうち2種以上の溶媒の混合物を利用することもできる。また、水との混合溶媒を利用することもできる。
重合温度は、製造されたポリマーの分子量、開始剤の種類などによって設定される必要があり、0℃又は0℃より低い温度から100℃又は100℃より高い温度まで重合温度が利用されることもできるが、重合は、50〜100℃の範囲で行われることが好ましい。
反応圧力は、適切に選択されることもできるが、0.098〜9.8MPa(1〜100kg/cm)が通常であり、略0.098〜2.94MPa(1〜30kg/cm)が好ましい。反応時間は、略5〜30時間である。得られたポリマーの再沈殿用溶媒は、イソプロパノール、ヘキサン、メタノールなどが好ましい。また、フッ素含有硬化性樹脂としては、市販される製品が利用されることもできる。このように得られたフッ素含有硬化性樹脂の使用量は、低屈折層に対するコーティング組成物の全体固形分に基づいて10〜98質量%が好ましく、30〜95質量%がさらに好ましい。特に、無機微粒子を組み合わせて使用する場合、その使用量は、30〜80質量%が好ましく、40〜75質量%がさらに好ましい。
2.4 低屈折層形成用コーティング組成物
通常、低屈折層形成用コーティング組成物は、液体状であり、適切な溶媒に、好ましく含有された前述した無機微粒子及びフッ素含有硬化性樹脂を溶解させ、必要に応じて、多様な添加剤及びラジカル重合開始剤を溶解させることによって製造される。ここで、固形分の濃度は、用途によって適切に選択されることもできるが、略0.01〜60質量%が一般であり、0.5〜50質量%がさらに好ましく、略1〜20質量%がさらに好ましい。
ラジカル重合開始剤は、熱作用下でラジカルを発生させる類型、又は光作用下でラジカルを発生させる類型のうちの何れかでありうる。熱作用下でラジカル重合を開始する化合物に対して、有機又は無機過酸化物、有機アゾ又はジアゾ化合物などが利用されることもできる。
さらに詳細には、有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロペルオキシド及びブチルヒドロペルオキシドを含み;無機過酸化物の例としは、過酸化水素、過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウムを含み;アゾ化合物の例としては、2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル及び2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリルを含み;ジアゾ化合物の例としては、ジアゾアミノベンゼン及びp−ニトロベンゼンジアゾニウムを含む。
光作用下でラジカル重合を開始する化合物を利用する場合、電離放射線の照射によりフィルムが硬化される。このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物類、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類及び芳香族スルホニウムを含む。アセトフェノン類の例としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルホリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルポリノフェニル)ブタノンを含む。ベンゾイン類の例としては、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルを含む。ベンゾフェノン類の例としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンを含む。ホスフィンオキシド類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含む。また、このような光ラジカル重合開始剤と組み合わせて、増減染料を好ましく利用することもできる。
熱又は光の作用下でラジカル重合を開始する化合物の添加量は、炭素−炭素二重結合の重合を開始するのに十分に大きな量であれば良く、その添加量は、低屈折層形成用組成物の全体固形分に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましく、2〜5質量%であることがなおさらに好ましい。
2.5 溶媒
低屈折層用コーティング組成物に含有された溶媒は、フッ素含有硬化性樹脂が沈殿を誘発せずに均一に溶解又は分散されうるかぎり、特に制限されず、2種以上溶媒を組み合わせて利用することもできる。その好ましい例としては、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン)及び水を含む。
2.6 低屈折層形成用コーティング組成物に適切に含有されたその他の化合物
指紋防止特性、耐水性、耐薬品性及びすべり性のような特性を付与するために、公知されたシリコン系又はフッ素系指紋防止剤、潤滑剤などが適切に添加されることもできる。このような添加剤を添加する場合、添加剤の添加量は、低屈折層の全体固形分に基づいて0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
低屈折層は、無機フィラー、シランカップリング剤、潤滑剤、界面活性剤などを含有することもできる。特に、無機微粒子、シランカップリング剤及び潤滑剤が含有されることが好ましい。
前記シランカップリング剤に対する例として、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシ基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基又はアシルアミノ基を含有するシランカップリング剤が好ましく、エポキシ基、重合性アシルオキシ基(例えば、(メタ)アクリロイル)又は重合性アシルアミノ基(例えば、アクリルアミノ、メタクリルアミノ)を含有するシランカップリング剤がさらに好ましい。
前記潤滑剤は、ジメチルシリコンのようなシリコン化合物又はポリシロキサン部分が導入されたフッ素含有化合物であることが好ましい。
2.7 有機シリル化合物
有機シリル化合物は、低屈折層形成用コーティング組成物で加水分解及び縮合により加水分解物及び又は部分縮合物になり、組成物の中でバインダーとして作用し、かつフィルムコーティングの柔軟化も可能にし耐アルカリ性を向上させる。
本発明で、低屈折層形成用コーティング組成物に好ましく利用される有機シリル化合物としては、以下の化学式3で表された化合物を含む。
[化学式3] R11mSi(X11)n
ここで、X11は、−OH、ハロゲン原子、−OR12基又は−OCOR12基を表し、R11は、アルキル基、アルケニル基又はアリル基を表し、R12は、アルキル基を表し、m+nは、4であり、mとnは、それぞれ正の整数を表す。さらに詳細には、R11は、1〜10の炭素数を有する置換又は未置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル)、2〜10の炭素数を有する置換又は未置換アルケニル基(例えば、ビニル、アリル又は2−ブテン−1−イル)又は6〜10の炭素数を有する置換又は未置換アリル基(例えば、フェニル、ナフチル)を表し、R12は、R11で表現されたアルキル基と同じ意味を有する基を表す。R11又はR12で表現された基が置換基を有する場合、置換基の好ましい例としては、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、ブロム)、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、tert−ブチル)、アリル基(例えば、フェニル、ナフチル)、芳香族複素環式基(例えば、フリル、ピラゾリル、ピリジル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ)、アリルオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリルチオ基(例えば、フェニルチオ)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリルオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル)、及びアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ)を含む。
化学式3の化合物は、加水分解及び相互縮合を含むいわゆるゾル−ゲル法によりマトリクスを形成する。化学式3の化合物は、以下の4つの式で表現される。
[化学式3a] Si(X11
[化学式3b] R11Si(X11
[化学式3c] R11 Si(X11
[化学式3d] R11 SiX11
以下、化学式3aの成分について、詳細に説明する。
化学式3aで表現された化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン及びテトラ−tert−ブトキシシランを含む。特に、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。
化学式3bの成分について、以下に説明する。
化学式3bの成分で、R11は、化学式3のR11と同じ意味を有する基を表し、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びi−プロピル基のようなアルキル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、CFCHCHCH−、CCHCHCH−、CCHCHCH−、CCHCH−、CFOCHCHCH−、COCHCHCH−、COCHCHCH−、(CFCHOCHCHCH−、CCHOCHCHCH−、3−(ペルフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル基、H(CFCHOCHCHCH−、H(CFCHCHCH−、3−グリシドキシプロピル基、3−アクリルオキシプロピル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、フェニル基及び3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基を含む。
11は、−OH、ハロゲン原子、−OR12基又は−OCOR12基を表す。R12は、式(2)のR12と同じ意味を有する基を表し、1〜5の炭素数を有するアルコキシ基又は1〜4の炭素数を有するアシルオキシ基であることが好ましく、その例としては、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基及びアセチルオキシ基を含む。
化学式3bの成分の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CFCHCHCHSi(OCH−、CCHCHCHSi(OCH−、CCHCHSi(OCH−、CCHCHCHSi(OCH−、COCHCHCHSi(OCH−、COCHCHCHSi(OC−、(CFCHOCHCHCHSi(OCH−、CCHOCHCHCHSi(OCH−、H(CFCHOCHCHCHSi(OCH−、及び3−(ペルフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルシランを含む。
これらの中で、フッ素原子を有する有機シリル化合物が好ましい。Rとしてフッ素原子を有しない有機シリル化合物を利用する場合、メチルトリメトキシシラン又はメチルトリエトキシシランを利用することが好ましい。これらの有機シリル化合物のうち、1種を単独で利用することもでき、又は、2種以上を組み合わせて利用することもできる。
以下、化学式3cの成分について説明する。
化学式3cの成分は、式R11 Si(X11で表現された有機シリル化合物である{R11及びX11は、化学式3bの成分として利用された有機シリル化合物に定義されたR11及びX11と同じ意味を有する}。
ここで、複数のR11は、同じ基でなくても良い。この有機シリル化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、(CFCHCHSi(OCH、(CFCHCHCHSi(OCH、(COCHCHCHSi(OCH、[H(CFCHOCHCHCHSi(OCH及び(COCHCHSi(OCHを含む。フッ素原子を有する有機シリル化合物が好ましい。R11としてフッ素原子を有しない有機シリル化合物を利用する場合、ジメチルジメトキシシラン又はジメチルジエトキシシランが好ましい。化学式3cの成分で表現された有機シリル化合物のうちの1種を単独で利用することもでき、又は2種以上を組み合わせて利用することもできる。
以下、化学式3dの成分について説明する。
化学式3dの成分は、式R11 SiX11で表現された有機シリル化合物である{ここで、R11及びX11は、化学式3bの成分として利用される有機シリル化合物に定義されたR11及びX11と同じ意味を有する}。ここで、複数のR11は、同じでなくても良い。この有機シリル化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プロピルエトキシシラン、トリ−i−プロピルメトキシシラン、トリ−i−プロピルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン及びトリフェニルエトキシシランを含む。
本発明で、化学式3a〜化学式3dの成分のそれぞれは、単独又は混合物として利用されることができ、この場合、混合割合は、化学式3bは、成分化学式3aの100質量部に対して0〜100質量部であり、好ましくは、1〜60質量部であり、さらに好ましくは、1〜40質量部であり;化学式3cの成分は、化学式3a成分の100質量部に対して好ましくは、0〜10質量部であり、さらに好ましくは、0.1〜5質量部であり、さらに好ましくは、0.5〜3質量部であり;化学式3dの成分は、化学式3aの成分100質量部に対して好ましくは、0〜10質量部であり、さらに好ましくは、0.1〜5質量部であり、なおさらに好ましくは、0.5〜3質量部である。化学式3aの成分乃至化学式3dの成分の中で、化学式3aの成分の割合は、全体有機シリル化合物の100質量%のうち30質量%以上であることが好ましい。化学式3aの成分の割合が30質量%以上である場合、得られるフィルムコーティングの接着性又は硬化性の減少のような問題が発生しないから好ましい。化学式3a乃至化学式3dの成分の他に、特開2006−30740号公報の段落[0039]及び[0052]〜[0067]に記載された化合物を好ましく添加することもでき、又はここに記載された低屈折層形成用コーティング組成物を好ましく製作することもできる。
2.8 低屈折層の形成
低屈折層は、中空粒子、フッ素含有硬化性樹脂、有機シリル化合物、及び必要によってその他の任意の成分がその内部に溶解又は分散されたコーティング組成物を塗布し、コーティングと同時に又はコーティング及び乾燥後に、電離放射線の照射(例えば、光照射又は電子ビームの照射)又は加熱下で架橋又は重合反応を介しててそのコーティングを硬化させることによって形成されることが好ましい。
特に、低屈折層が電離放射線−硬化性化合物の架橋又は重合反応を介して形成される場合、その架橋又は重合反応は、10体積%以下の酸素濃度を有する雰囲気で行われることが好ましい。10体積%以下の酸素濃度を有する雰囲気で低屈折層を形成することによって、物理的強度及び耐薬品性に優れた最外層が得られうる。
酸素濃度は、6体積%以下であることが好ましく、4体積%以下であることがさらに好ましく、2体積%以下であることがなおさらに好ましく、1体積%以下であることが最も好ましい。
10体積%以下に酸素濃度を減少させるための手段としては、大気(窒素濃度:約79体積%、酸素濃度:約21体積%)を他の気体に置換させることが好ましく、窒素(窒素パージ)への置換がさらに好ましい。
実施例1
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.51である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
実施例2
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.5μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。生成された反射防止フィルムを下記の方法によって評価した。
実施例3
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.6μmであり、屈折率が1.57である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
実施例4
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.3μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが115nmで、屈折率が1.33である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
実施例5
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
実施例6
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.38である低屈折層を形成した。これにより、本発明の反射防止フィルムを得た。
比較例1
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.3μmで、屈折率が1.45である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
比較例2
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが3.9μmで、屈折率が1.48である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
比較例3
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.5μmで、屈折率が1.63である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
比較例4
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.68である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.36である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
比較例5
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.43である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
比較例6
高屈折の高硬度層用コーティング組成物を80μm厚のセルローストリアセテート基材(TAC−TD8OU、屈折率:1.49、Fuji Photo Film Co.,Ltd.により製造)に110メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが4.2μmで、屈折率が1.54である高屈折の高硬度層を形成した。
次に、低屈折層用コーティング組成物を前記高屈折層に180メッシュのグラビアコーターを使用して適用し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照射により硬化させて、厚さが110nmで、屈折率が1.48である低屈折層を形成した。これにより、比較例に係る反射防止フィルムを得た。
前記実施例と比較例で製造された反射防止フィルムを下記実験例によって評し、その結果を表1に表した。
[実験例1:表面反射率の評価]
380〜780nmの波長領域のうち、入射角(=反射角)5゜で表面反射率をアダプター付きUV Spectrophometer[Shimazu UV−PC3600]を利用して、反射防止フィルムの反対面に黒い色無光沢テープや無光沢ペイントを使用して、黒い色で背面処理した後、表面反射率を測定した。得られた反射スペクトルを図2に示した。480〜680nmの範囲で平均鏡面反射率を計算して反射防止性能を評価した。
[実験例2:反射外観の評価]
A4サイズの反射防止フィルムの反対面に黒い色無光沢テープや無光沢ペイントを使用して、黒い色で背面処理した後、白熱燈下で肉眼にて反射外観(Rainbow)を確認した。反射外観の評価基準は、◎(優良)、○(良好)、△(普通)及びX(悪い)で表現した。
本発明に係る反射防止フィルムは、図2から確認できるように、表面反射率が1%以上である従来の反射防止フィルムでは、反射率スペクトル波長の振動幅が大きいから反射外観がよくなかったが、本発明に係る反射防止フィルムは、表面平均反射率が0.4%以下で反射率スペクトル波長の振動幅が減るために反射外観に優れていることが確認でき、また、前記表1から確認できるように、実施例は、480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.4%以下の極めて低い平均表面反射率を有し、反射外観(Rainbow)の低減効果を達成することができるため、本発明に係る反射防止フィルムは、反射率が低く反射外観に優れるなどの効果を有する。
1…本発明に係る反射防止フィルムの反射UVスペクトル波長
2…従来の反射防止フィルムの反射UVスペクトル波長
10…透明基材
20…高屈折の高硬度層
30…低屈折層

Claims (10)

  1. 反射防止フィルムであって、
    ポリビニルアルコール(PVA)偏光子保護用として使用されるセルローストリアセテート(TAC)透明基材と、
    前記透明基材上にコーティングされる高屈折の高硬度層として、屈折率が1.50〜1.60で、帯電防止機能を含む高屈折の高硬度層と、
    前記高屈折の高硬度層上にコーティングされる低屈折層として、屈折率が1.31〜1.40で、ウェットコーティングされた低屈折層と、を含み、
    480〜680nmの波長領域のうち、5゜入射角で0.1〜0.4%の平均鏡面反射率(average specular reflectance)を有することを特徴とする、反射防止フィルム。
  2. 前記反射防止フィルムの帯電防止数値は、E^4〜E^10であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記高屈折の高硬度層の厚さは、0.1〜20μmで、前記低屈折層の厚さは、90〜130nmであることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記低屈折層と前記高屈折の高硬度層との間に接着層をさらに含むものであり、前記高屈折の高硬度層が前記接着層を含み、前記低屈折層の下部面と接触する前記接着層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.001〜0.030μmであることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記高屈折の高硬度層は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物又はアンチモン酸化物の中から選択された少なくとも一つの金属酸化物粒子と、負イオン性分散剤と、3官能以上の重合性器を含有する硬化性樹脂と、重合開始剤及び溶媒を含有するコーティング組成物とでコーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  6. 前記高屈折の高硬度層は、前記コーティング組成物を塗布し乾燥させて溶媒を除去した後、熱又はイオン化放射線のうち、少なくとも一つを適用して硬化させたことを特徴とする、請求項5に記載の反射防止フィルム。
  7. 前記低屈折層は、熱又はイオン化放射線照射のうち、少なくとも一つにより硬化されうるフッ素含有化合物を含み、動的摩擦係数が0.03〜0.15であり、水に対する接触角が95゜〜120゜であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  8. 反射防止フィルムを含む偏光板であって、
    偏光子及び前記偏光子の少なくとも一面に表面保護フィルムが付着された偏光板として、
    前記表面保護フィルムは、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の反射防止フィルムであり、前記低屈折層の形成される面の反対側の透明基材面を低屈折層の形成又は後にアルカリ溶液でコーティング化して石鹸化(saponification)させて、コーティングされた基材を加熱した後、水で洗浄又は中和させて、偏光子に付着したことを特徴とする、反射防止フィルムを含む偏光板。
  9. 請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の反射防止フィルムを含むことを特徴とする、ディスプレイ用装置。
  10. 請求項8に記載の偏光板を含むことを特徴とする、ディスプレイ用装置。
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