JP2002275430A - コーティング組成物、及び、その塗膜 - Google Patents

コーティング組成物、及び、その塗膜

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JP2002275430A JP2001220332A JP2001220332A JP2002275430A JP 2002275430 A JP2002275430 A JP 2002275430A JP 2001220332 A JP2001220332 A JP 2001220332A JP 2001220332 A JP2001220332 A JP 2001220332A JP 2002275430 A JP2002275430 A JP 2002275430A
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誠司 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率の調節された高品質の薄膜を形成し得
る塗工材料、当該塗工材料を用いて形成した塗膜、当該
塗膜を用いた反射防止膜、当該反射防止膜を適用した反
射防止フィルム及び画像表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るコーティング組成物は、
(1)光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物とア
ニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又は有機金
属化合物により被覆され、0.01〜0.1μmの範囲
の一次粒子径を有するルチル型の酸化チタン、(2)電
離放射線硬化性のバインダー成分、(3)アニオン性の
極性基を有する分散剤、及び、(4)有機溶剤、を含有
する。このコーティング組成物を用いて形成した塗膜
は、単層型又は多層型の反射防止膜17を構成する光透
過層、特に中屈折率層18を形成するのに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散性、分散安定
性、塗工適性に優れるコーティング組成物、及び、当該
コーティング組成物を用いて形成した塗膜に関する。よ
り具体的には、LCDやCRT等の表示面を被覆する反
射防止膜を構成する層、特に、中〜高屈折率層の支持層
としての機能と高屈折率層としての機能を併せ持つ高屈
折率ハードコート層、及び、蒸着層などの隣接層との密
着性が良好な中〜高屈折率層を形成するのに適したコー
ティング組成物に関する。
【0002】また、本発明は、当該コーティング組成物
を用いて形成した塗膜の層を有する反射防止膜、及び、
そのような反射防止膜を適用した反射防止フィルム及び
画像表示装置にも関する。
【0003】
【従来の技術】液晶ディスプレー(LCD)や陰極管表
示装置(CRT)等の画像表示装置の表示面は、その視
認性を高めるために、蛍光燈などの外部光源から照射さ
れた光線の反射が少ないことが求められる。
【0004】透明な物体の表面を屈折率の小さい透明皮
膜で被覆することにより反射率が小さくなる現象が従来
から知られており、このような現象を利用した反射防止
膜を画像表示装置の表示面に設けて視認性を向上させる
ことが可能である。反射防止膜は、十分な硬度を確保す
る目的で基材上にハードコートを設け、その上に最表面
の屈折率を小さくするためにハードコートよりも屈折率
の小さい低屈折率層を設けた層構成、または、反射防止
効果を更に良好にするために前記ハードコートの上に中
〜高屈折率層を1乃至複数層設け、中〜高屈折率層の上
に最表面の屈折率を小さくするための低屈折率層を設け
た層構成を有する。
【0005】このような反射防止膜の高屈折率層または
中屈折率層を形成する方法は、一般に気相法と塗布法に
大別され、気相法には真空蒸着法、スパッタリング法等
の物理的方法と、CVD法等の化学的方法とがあり、塗
布法にはロールコート法、グラビアコート法、スライド
コート法、スプレー法、浸漬法、及び、スクリーン印刷
法等がある。
【0006】気相法による場合には、高機能且つ高品質
な薄膜の高屈折率層及び中屈折率層を形成することが可
能だが、高真空系での精密な雰囲気の制御が必要であ
り、また、特殊な加熱装置又はイオン発生加速装置が必
要であり、そのために製造装置が複雑で大型化するため
に必然的に製造コストが高くなるという問題がある。ま
た、高屈折率層及び中屈折率層の薄膜を大面積化したり
或いは複雑な形状を持つフィルム等の表面に薄膜を均一
な膜厚に形成することが困難である。
【0007】一方、塗布法のうちスプレー法による場合
には、塗工液の利用効率が悪く、成膜条件の制御が困難
である等の問題がある。ロールコート法、グラビアコー
ト法、スライドコート法、浸漬法及びスクリーン印刷法
等による場合には、成膜原料の利用効率が良く、大量生
産や設備コスト面での有利さがあるが、一般的に、塗布
法により得られる高屈折率層及び中屈折率層は、気相法
により得られるものと比較して機能及び品質が劣るとい
う問題点がある。
【0008】近年、優れた品質を有する高屈折率層及び
中屈折率層の薄膜を形成し得る塗布法として、有機物か
らなるバインダーの溶液中に酸化チタンや酸化スズ等の
高屈折率微粒子を分散させた塗工液を基板上に塗布し、
塗膜を形成する方法が提案されている。
【0009】中〜高屈折率層を形成する塗膜は可視光領
域において透明であることが必須であるため、高屈折率
微粒子としては一次粒子径が可視光線の波長以下である
所謂超微粒子を使用すると共に、当該高屈折率微粒子を
塗工液中及び塗膜中に均一に分散する必要がある。しか
しながら一般に、微粒子の粒子径を小さくしていくと、
微粒子の表面積が大きくなり、粒子間の凝集力が増大す
る。そして、塗工液の固形成分が凝集すると、得られる
塗膜のヘイズが悪化する。従って、高屈折率層及び中屈
折率層の薄膜を形成する塗工液には、ヘイズの小さい均
一な塗膜を形成するために十分な分散性を有することが
求められる。また、塗工液には、長期間に渡って容易に
保存できるように十分な分散安定性を有することが求め
られる。
【0010】超微粒子の凝集という問題は、当該超微粒
子に対して良好な分散性を示す分散剤を使用することに
より解決することができる。分散剤は、凝集する微粒子
間に浸透しながら微粒子表面に吸着し、分散処理の過程
で凝集状態をほぐしながら溶剤中への均一分散化を可能
とする。しかしながら、超微粒子は表面積が増大してい
るので、これを塗工液中に均一に分散させ、長期保存に
耐え得るほどに安定化させるためには大量の分散剤が必
要になる。塗工液に大量の分散剤を配合すると、当該塗
工液を用いて形成した塗膜にも分散剤が多量に存在する
こととなり、分散剤がバインダー成分の硬化を妨げ、塗
膜の強度を極端に低下させる。
【0011】さらに、塗工液には、大量生産の観点から
大面積薄膜を容易に形成できるように、塗工時に均一に
薄く塗布することができ、且つ、乾燥むらが生じないよ
うに塗工適性が求められる。
【0012】また、中〜高屈折率層には、当該中〜高屈
折率層に隣接しているハードコート層や低屈折率層に対
して十分な密着性を有することが求められる。いわゆる
ウエット法により塗工液から形成した中〜高屈折率層の
上に、蒸着法などのいわゆるドライ法により酸化ケイ素
(SiOx)膜などの低屈折率層を形成する場合には、
密着性が極めて足りず簡単に剥離してしまうので、特に
優れた密着性が求められる。
【0013】また、ハードコート層は本来、反射防止膜
の傷付きを防止するために中〜高屈折率層の支持層とし
ての役割を持っているが、このハードコート層に高屈折
率微粒子を配合して、高屈折率層としての機能を併せ持
つ高屈折率ハードコート層とする場合には、高屈折率層
が不要になり、反射防止膜の構成層数を減らすことがで
きる。しかし、中〜高屈折率層の厚さは0.05〜0.
2μm程度であるのに対してハードコート層は十分な硬
度を確保すると言う本来の目的のために0.2〜20μ
m程度とかなり厚く形成されるので、高屈折率ハードコ
ート層を中〜高屈折率層用塗工液と同様の塗工液を用い
てウエット法により形成する場合には、中〜高屈折率層
をウエット法により形成する場合にも増して高屈折率微
粒子の凝集による透明性の悪化を招きやすい。しかも、
ハードコート層には高い硬度が求められるのに対して、
上記したように分散剤には塗膜のバインダー硬化を妨げ
る性質があるので、ハードコート層用塗工液に配合でき
る分散剤の量は、中〜高屈折率層用塗工液にも増して制
限される。従って、高屈折率ハードコート層用塗工液に
対する分散剤削減の要求は、中〜高屈折率層用塗工液に
対するよりも、さらに厳しい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状を鑑
みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、分
散性、分散安定性に優れ、ヘイズの小さい塗膜を形成し
得る保存性の良いコーティング組成物を提供することに
ある。また、本発明の第二の目的は、分散性、分散安定
性と共に、塗工適性にも優れ大面積薄膜を形成し得るコ
ーティング組成物を提供することにある。本発明の第三
の目的は、塗膜形成後、バインダー成分の硬化により十
分な塗膜強度が得られるコーティング組成物を提供する
ことにある。本発明の第四の目的は、隣接層、特に蒸着
層に対して十分な密着性を有する塗膜が得られるコーテ
ィング組成物を提供することにある。
【0015】本発明の第五の目的は、上記第一乃至第四
のうち少なくとも一の目的を達成し得るコーティング組
成物を用いて、反射防止膜の少なくとも一層を形成する
のに好適な塗膜を提供することにある。本発明の第六の
目的は、画像表示装置の表示面に好適に適用される反射
防止膜を提供することにある。本発明の第七の目的は、
そのような反射防止膜で表示面を被覆した画像表示装置
を提供することにある。本発明の第八の目的は、そのよ
うな反射防止膜を利用した反射防止フィルムを提供する
ことにある。本発明は、これらの目的のうち少なくとも
ひとつを解決するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係るコーティング組成物は、少なくとも、
(1)光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物とア
ニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又は有機金
属化合物により被覆され、0.01〜0.1μmの範囲
の一次粒子径を有するルチル型の酸化チタン、(2)電
離放射線硬化性のバインダー成分、(3)アニオン性の
極性基を有する分散剤、及び、(4)有機溶剤、からな
ることを特徴とする。
【0017】本発明に係るコーティング組成物は、高屈
折率のルチル型酸化チタンを含有しているので、塗膜の
屈折率を容易に調節することができる。本発明のコーテ
ィング組成物には、酸化チタンを均一且つ安定的に分散
させるために酸化チタンと共にアニオン性の極性基を有
する分散剤が配合されている。さらに本発明のコーティ
ング組成物においては、酸化チタンが無機化合物で被覆
されていると共に、アニオン性の極性基を有する有機化
合物及び/又は有機金属化合物により被覆されている。
酸化チタンを有機化合物や有機金属化合物で表面処理し
てバインダー成分等に対する親和性を付与することによ
り、塗工液中での酸化チタンの分散性を、さらに向上さ
せることができる。
【0018】従って、酸化チタンの超微粒子を十分に分
散させることが可能となるため、反射防止膜などの光学
部材に必要な高い透明性が得られると共に、分散剤の使
用量を少量に抑えることが可能となるため、塗膜形成後
の強度を十分に確保することができる。
【0019】本発明のコーティング組成物は、アニオン
性の極性基を有する分散剤の配合とアニオン性の極性基
を有する有機化合物及び/又は有機金属化合物による被
覆によって、酸化チタンの優れた分散性及び分散安定性
を有しており、屈折率の調節された、ヘイズの小さい、
さらには膜強度や隣接層との密着性も良好な透明膜を形
成することができる。また、本発明のコーティング組成
物は、ポットライフも長い。また、本発明のコーティン
グ組成物は塗工適性にも優れ、均一な大面積薄膜を容易
に形成することができる。さらに、本発明においては、
酸化チタンの光触媒活性を無機化合物による表面処理を
行って低下又は消失させて用いるので、バインダー成分
の劣化に伴う塗膜の強度低下や、反射防止性能低下の原
因となる黄変現象が起こり難い。
【0020】酸化チタンを被覆する前記無機化合物とし
ては、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、アンチモンをドープした酸化スズ(AT
O)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜
鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウ
ムをドープした酸化亜鉛(AZO)、及び、フッ素をド
ープした酸化スズ(FTO)よりなる群から選ばれる化
合物が好適に用いられる。
【0021】アニオン性の極性基を有する前記の分散剤
としては、エチレンオキサイド鎖の骨格を有する主鎖に
アニオン性の極性基からなる側鎖又はアニオン性の極性
基を有する側鎖が結合した分子構造を有し、数平均分子
量が2,000から20,000の化合物が好適に用い
られる。
【0022】電離放射線硬化性のバインダー成分として
は、アニオン性の極性基を有するバインダー成分を用い
るのが好ましい。アニオン性の極性基を有するバインダ
ー成分は、酸化チタンとの親和性が高く、分散助剤とし
て作用するので、コーティング組成物中および塗膜中で
の酸化チタンの分散性を向上させ、また、分散剤の使用
量を減らす効果もあるので好ましい。分散剤はバインダ
ーとしては機能しないので、分散剤の配合割合を減らす
ことによって塗膜強度の向上を図ることができる。
【0023】前記バインダー成分としては、分子中に水
酸基を残したものを用いるのが好ましい。水酸基はアニ
オン性の極性基であり酸化チタンに対する親和性が大き
いので、水酸基を有するバインダー成分は分散助剤とし
て作用し、上記分散剤の配合量を減らすことが可能であ
る。
【0024】バインダー成分は、アニオン性の極性基と
して水素結合形成基を有するものが特に好ましい。バイ
ンダー成分が水素結合形成基を有する場合には、アニオ
ン性極性基としての効果により酸化チタンの分散性を向
上させることに加えて、水素結合によりハードコート層
や低屈折率層などの隣接層に対する密着性を向上させる
ことが可能となる。
【0025】特に、水素結合形成基を有するバインダー
成分を配合したコーティング組成物を用いて中〜高屈折
率層を形成する場合には、当該中〜高屈折率層の上に密
着性の高い蒸着膜、例えば酸化ケイ素(SiOx)蒸着
膜を形成することができ、非常に有用である。
【0026】水素結合形成基を有するバインダー成分と
して、具体的には、分子中に水酸基を有するバインダー
成分を用いることができる。分子中に水酸基を有するバ
インダー成分としては、ペンタエリスリトール多官能ア
クリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレー
ト、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、また
はジペンタエリスリトール多官能メタクリレートが好適
に用いられる。これらは、ペンタエリスリトール又はジ
ペンタエリスリトールのもともとの水酸基を分子中に残
している。
【0027】上記の好ましいバインダー成分を用いる場
合には、具体的には、酸化チタン10重量部に対して、
前記バインダー成分を4〜20重量部、及び、アニオン
性の極性基を有する分散剤を2〜4重量部の割合で配合
することができる。この配合割合は、中〜高屈折率層用
のコーティング組成物として特に好適である。
【0028】また、酸化チタン10〜20重量部に対し
て、分子中にアニオン性の極性基を有する前記バインダ
ー成分を4〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量
部の割合で含有するコーティング組成物は、高屈折率ハ
ードコート層を形成するために特に好適である。
【0029】酸化チタンを被覆する前記有機化合物とし
ては、有機カルボン酸が好適に用いられる。また、酸化
チタンを被覆する前記有機金属化合物としては、シラン
カップリング剤及び/又はチタネートカップリング剤が
好適に用いられる。
【0030】前記の有機溶剤としてはケトン系溶剤が好
適に用いられる。本発明に係るコーティング組成物をケ
トン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に薄く
均一に塗布することができ、且つ、塗工後において溶剤
の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な
薄さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
【0031】反射防止膜の支持層であるハードコート層
の表面を微細凹凸に形成して、アンチグレア層としての
機能を付与する場合がある。本発明に係るコーティング
組成物をケトン系溶剤を用いて調製すると、このような
微細凹凸の表面にも均一に塗工することができ、塗工む
らを防止できる。
【0032】本発明に係るコーティング組成物は、光開
始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニ
ル−ケトン、及び/又は、2−メチル−1[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−
オンを含有していてもよい。
【0033】有機溶剤の割合は、本発明に係るコーティ
ング組成物中の固形分と有機溶剤の合計量を100重量
部とした時に、本発明に係るコーティング組成物の全固
形分0.5〜50重量部に対して、前記有機溶剤を50
〜99.5重量部の割合で配合するのが好ましい。有機
溶剤の使用量がこの範囲にあると、特に分散安定性に優
れ、長期保存に適したコーティング組成物が得られる。
【0034】本発明に係る塗膜は、本発明に係る上記コ
ーティング組成物を被塗工体の表面に塗布し硬化させる
ことにより得られる。硬化後の塗膜は、光触媒活性を低
下又は消失させる無機化合物とアニオン性の極性基を有
する有機化合物及び/又は有機金属化合物により被覆さ
れ0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有するル
チル型の酸化チタン、及び、アニオン性の極性基を有す
る分散剤が、硬化したバインダー中に均一に混合されて
なるものである。
【0035】この塗膜は、透明性が高く、ヘーズが小さ
く、酸化チタンの配合量をコントロールして屈折率を調
節できるので、反射防止膜を構成する一又は二以上の光
透過層、例えば、中〜高屈折率層や高屈折率ハードコー
ト層として好適に利用できる。
【0036】また、この塗膜中のバインダーが水素結合
形成基を有している場合には、隣接層、特に蒸着膜との
密着性が良好となる。
【0037】本発明によれば、硬化後膜厚が0.05〜
0.2μmの塗膜を形成した時に、屈折率を1.55〜
2.30の範囲に調節し、且つ、JIS−K7361−
1に規定に従って基材と一体の状態で測定したヘイズ値
を、前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基
材だけのヘイズ値との差が1%以内に抑制することが可
能であり、中〜高屈折率層を形成することができる。
【0038】また、本発明によれば、硬化後膜厚が0.
2〜20μmの塗膜を形成した時に、屈折率が1.55
〜2.30で、且つ、JIS−K7361−1に規定さ
れるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値と変わらないか
又は前記基材だけのヘイズ値との差が10%以内となる
ように抑制することが可能であり、高屈折率ハードコー
ト層も形成できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳しく説明
する。本発明に係るコーティング組成物は、少なくとも
下記の必須成分: (1)光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物とア
ニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又は有機金
属化合物により被覆され、0.01〜0.1μmの範囲
の一次粒子径を有するルチル型の酸化チタン、(2)電
離放射線硬化性のバインダー成分、(3)アニオン性の
極性基を有する分散剤、及び、(4)有機溶剤、からな
る塗工材料であり、必要に応じて、その他の成分を含ん
でいることもある。
【0040】上記必須成分のうち酸化チタンは、本発明
に係るコーティング組成物を用いて形成する塗膜の屈折
率を所望の値に調節するための主要成分である。酸化チ
タンは、屈折率が高く、且つ、無色であるか又はほとん
ど着色していないので、屈折率を調節するための成分と
して適している。酸化チタンには、ルチル型、アナター
ゼ型、アモルファス型があるが、本発明においてはアナ
ターゼ型やアモルファス型と比べて屈折率の高いルチル
型の酸化チタンを用いる。
【0041】酸化チタンは、塗膜の透明性を低下させな
いために、いわゆる超微粒子サイズのものを用いる。こ
こで、「超微粒子」とは、一般的にサブミクロンオーダ
ーの粒子のことであり、一般的に「微粒子」と呼ばれて
いる数μmから数100μmの粒径を有する粒子よりも
粒径の小さいものを意味している。すなわち本発明にお
いて酸化チタンは、一次粒子径が0.01μm以上であ
り、且つ、0.1μm以下、好ましくは0.03μm以
下のものを用いる。平均粒子径が0.01μm未満のも
のは、コーティング組成物中に均一に分散させることが
困難であり、ひいては、酸化チタン超微粒子を均一に分
散させた塗膜が得られなくなる。また、平均粒子径が
0.1μm超のものは、塗膜の透明性を損なうので好ま
しくない。酸化チタンの一次粒子径は、走査型電子顕微
鏡(SEM)等により目視計測してもよいし、動的光散
乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機
械計測してもよい。
【0042】酸化チタン超微粒子の一次粒子径が上記範
囲内であれば、その粒子形状が球状であっても針状であ
っても、その他どのような形状であっても本発明に用い
ることができる。
【0043】酸化チタンは光触媒活性を有しているの
で、表面処理を何も行っていない酸化チタンを含有する
塗工液を用いて塗膜を形成すると、光触媒作用によって
塗膜を形成しているバインダー間の化学結合が切れて塗
膜強度が低下したり、塗膜が黄変して塗膜の透明度、ヘ
イズが劣化しやすい。そのため、酸化チタンの表面を、
光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物により被覆
して用いる。そのような無機化合物としては、例えば、
アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金
属酸化物や、アンチモンをドープした酸化スズ(AT
O)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜
鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウ
ムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープし
た酸化スズ(FTO)等の導電性複合金属酸化物などを
例示することができ、これらの中から1種単独で又は2
種以上の組み合わせて用いることができる。
【0044】酸化チタン微粒子の表面を無機化合物によ
り被覆するには、酸化チタン微粒子を水に分散させた分
散液中に、被覆させたい無機化合物の塩、或いは、加水
分解により被覆させたい無機化合物を生じ得る有機金属
化合物を添加し、pH及び/又は温度条件を変えること
で、酸化チタン微粒子の表面に所望の無機化合物を物理
化学的に吸着させる。
【0045】また、無機化合物で被覆した酸化チタン
は、市販品にも存在しており、例えば、アルミナで被覆
した酸化チタンとしてはTTO51(A)の商品名で石
原産業から入手することができる。
【0046】酸化チタンの表面は、光触媒活性を低下又
は消失させるために無機化合物で被覆すると共に、有機
溶剤中での分散性を高めるために有機化合物又は有機金
属化合物により被覆する。本発明に係るコーティング組
成物には、酸化チタンを分散させるために後述するよう
にアニオン性の極性基を有する分散剤を配合するが、酸
化チタンを有機化合物又は有機金属化合物で表面処理し
て疎水性を付与することにより、塗工液中での酸化チタ
ンの分散性を、さらに向上させることができる。アニオ
ン性の極性基は酸化チタンとの親和性が大きいので、本
発明においては特にアニオン性の極性基を有する有機化
合物及び/又はアニオン性の極性基を有する有機金属化
合物で酸化チタンを被覆する。
【0047】アニオン性の極性基を有する有機化合物と
しては、カルボキシル基、リン酸基、又は、水酸基のよ
うなアニオン性の極性基を有するものを用いることがで
き、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレイン酸、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、EO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリアク
リレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート等
を例示することができる。
【0048】また、アニオン性の極性基を有する有機金
属化合物としては、シランカップリング剤及び/又はチ
タネートカップリング剤を用いることができる。
【0049】シランカップリング剤としては、具体的に
は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示するこ
とができる。
【0050】チタネートカップリング剤としては、具体
的には、味の素(株)より市販されている、製品名プレ
ンアクトKR−TTS、KR−46B、KR−55、K
R−41B、KR−38S、KR−138S、KR−2
38S、338X、KR−44、KR−9SA、KR−
ET等が例示でき、更に、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラn−プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、
テトラsec−ブトキシチタン、テトラtert−ブト
キシチタン等の金属アルコキシドも使用することができ
る。
【0051】酸化チタンを表面処理する有機化合物及び
/又は有機金属化合物としては、特にカップリング剤、
及び有機カルボン酸を用いるのが好ましい。また、後述
するケトン系溶剤を用いてコーティング組成物を調製す
る場合には、カップリング剤、及び、ステアリン酸、ラ
ウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸の中
から1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いるの
が好ましく、十分な分散性が得られる。
【0052】酸化チタンの表面を有機化合物及び/又は
有機金属化合物により被覆して疎水性を付与するには、
アニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又は有機
金属化合物を有機溶剤中に溶解させておき、この溶液中
に、無機化合物表面処理を未だ施していないか或いはす
でに施した酸化チタンを分散させた後に有機溶剤を完全
に蒸発除去することにより、被覆できる。
【0053】また、無機化合物及び有機化合物の両方を
用いて被覆した酸化チタンは、市販品にも存在してお
り、例えば、アルミナ及びステアリン酸で被覆した酸化
チタンとしてはTTO51(C)の商品名で石原産業か
ら入手することができる。
【0054】電離放射線硬化性のバインダー成分は、本
発明に係るコーティング組成物に成膜性や、基材や隣接
する層に対する密着性を付与するために、必須成分とし
て配合される。電離放射線硬化性のバインダー成分は、
コーティング組成物中において重合していないモノマー
又はオリゴマーの状態で存在しているので、コーティン
グ組成物の塗工適性に優れ、均一な大面積薄膜を形成し
やすい。また、塗膜中のバインダー成分を塗工後に重
合、硬化させることにより十分な塗膜強度が得られる。
【0055】電離放射線硬化性のバインダー成分として
は、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直
接、又は開始剤の作用を受けて間接的に重合反応を生じ
る官能基を有するモノマー又はオリゴマーを用いること
ができる。本発明においては、主に、エチレン性二重結
合を有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを用
いることができ、必要に応じて光開始剤が組み合わせら
れる。しかしながら、その他の電離放射線硬化性のバイ
ンダー成分を用いることも可能であり、例えば、エポキ
シ基含有化合物のような光カチオン重合性のモノマーや
オリゴマーを用いてもよい。光カチオン重合性のバイン
ダー成分には、必要に応じて光カチオン開始剤が組み合
わせて用いられる。バインダー成分の分子間で架橋結合
が生じるように、バインダー成分であるモノマー又はオ
リゴマーは、重合性官能基を2個以上有する多官能性の
バインダー成分であることが好ましい。
【0056】エチレン性二重結合を有するラジカル重合
性のモノマー及びオリゴマーとしては、具体的には、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル
アクリレート、カルボキシポリカプロラクトンアクリレ
ート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等の
単官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールト
リアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート
等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、或い
は、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴ
マーを例示することができる。ここで「(メタ)アクリ
レート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレート
を意味する。
【0057】電離放射線硬化性のバインダー成分のうち
でも、アニオン性の極性基を有するバインダー成分は、
酸化チタンとの親和性が高く、分散助剤として作用す
る。従って、コーティング組成物中および塗膜中での酸
化チタンの分散性が向上し、また、分散剤の使用量を減
らす効果もあるので好ましい。
【0058】バインダー成分は、アニオン性の極性基と
して水素結合形成基を有するものが特に好ましい。バイ
ンダー成分が水素結合形成基を有する場合には、アニオ
ン性極性基としての効果により酸化チタンの分散性を向
上させることに加えて、水素結合によりハードコート
層、低屈折率層、透明電極層などの隣接層に対する密着
性を向上させることが可能となる。
【0059】例えば、水素結合形成基を有するバインダ
ー成分を配合したコーティング組成物を用いて中〜高屈
折率層を形成する場合には、いわゆるウエット法により
塗工液から形成したハードコート層や低屈折率層に対し
ても、また、蒸着法等のいわゆるドライ法により形成し
た低屈折率層に対しても優れた密着性が得られる。
【0060】低屈折率層としては、ドライ法である蒸着
法又はウエット法であるゾルゲル反応により酸化ケイ素
(SiOx)膜を形成する場合がある。酸化ケイ素膜は
シラノール基を含有しており水素結合を形成し得るが、
このような水素結合形成基を含有する膜に対して、水素
結合形成基を有するバインダー成分は特に密着性を飛躍
的に向上させる効果が大きい。
【0061】従来は、ウエット法により形成された中〜
高屈折率層の上に酸化ケイ素膜を蒸着により形成する場
合には十分な密着性が得られず、酸化ケイ素蒸着膜が剥
離し易かったのに対して、水素結合形成基を有するバイ
ンダー成分を配合したコーティング組成物を用いて中〜
高屈折率層を形成する場合には、当該中〜高屈折率層の
上に酸化ケイ素(SiOx)蒸着膜を密着性よく形成す
ることができるので、非常に有用である。
【0062】また、帯電防止の目的で反射防止膜中にI
TO蒸着膜やATO蒸着膜などの透明導電層を設け、当
該透明導電層上にハードコート層を形成する場合があ
る。このような場合にも水素結合形成基を有するバイン
ダー成分を配合したコーティング組成物を用いることに
より、高屈折率ハードコート層を密着性よく形成するこ
とができ、非常に有用である。
【0063】水素結合形成基を有するバインダー成分と
して、具体的には、分子中に水酸基を有するバインダー
成分を用いることができる。分子中に水酸基を有するバ
インダー成分としては、ペンタエリスリトール多官能
(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトール多
官能(メタ)アクリレートであって分子中に水酸基を残
したバインダー成分を用いることができる。すなわち、
そのようなバインダー成分は、一分子のペンタエリスリ
トール又はジペンタエリスリトールに2分子以上の(メ
タ)アクリル酸がエステル結合しているが、ペンタエリ
スリトール又はジペンタエリスリトールの分子中にもと
もとある水酸基の一部はエステル化されないまま残って
いるものであり、例えば、ペンタエリスリトールトリア
クリレートを例示することができる。ペンタエリスリト
ール多官能アクリレート及びジペンタエリスリトール多
官能アクリレートは、一分子中にエチレン性二重結合を
2個以上有するので、重合時に架橋反応を起こし、高い
塗膜強度が得られる。
【0064】ラジカル重合を開始させる光開始剤として
は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケ
タール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ
化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物
類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオ
ロアミン化合物などが用いられる。より具体的には、1
−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2
−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケト
ン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。
これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトン、及び、2−メチル−1[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−
オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開
始し促進するので、本発明において好ましく用いられ
る。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組
み合わせて用いることができる。これらは市販品にも存
在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトンはイルガキュアー 184(Irgacure 18
4)の商品名で日本チバガイギーから入手できる。
【0065】アニオン性の極性基を有する分散剤は、酸
化チタンに対して親和性の高いアニオン性の極性基を有
しており、本発明に係るコーティング組成物に酸化チタ
ンに対する分散性を付与するために配合される。アニオ
ン性の極性基としては、例えば、カルボキシル基、リン
酸基、水酸基などが該当する。
【0066】アニオン性の極性基を有する分散剤として
は、具体的には、ビックケミー・ジャパン社がディスパ
ービックの商品名で供給する製品群、すなわち、Disper
byk-111, Disperbyk-110, Disperbyk-116, Disperbyk-1
40, Disperbyk-161, Disperbyk-162, Disperbyk-163, D
isperbyk-164, Disperbyk-170, Disperbyk-171, Disper
byk-174, Disperbyk-180, Disperbyk-182等を例示する
ことができる。
【0067】これらのうちでも、エチレンオキサイド鎖
の骨格を有する主鎖に上記したようなアニオン性の極性
基からなる側鎖又はアニオン性の極性基を有する側鎖が
結合した分子構造を有し、数平均分子量が2,000か
ら20,000の化合物を用いると、特に良好な分散性
が得られ好ましい。数平均分子量は、GPC(ゲル浸透
クロマトグラフィー)法により測定することができる。
このような条件に合うものとして、上記ディスパービッ
クシリーズの中ではディスパービック163(Disperby
k 163)がある。
【0068】上記コーティング組成物を用いて高屈折率
ハードコート層を形成する場合には、コーティング組成
物に有機系微粒子などを配合して塗布することにより、
高屈折率ハードコート層の表面を微細凹凸にしてアンチ
グレア層としての機能を付与することができる。ここ
で、微細凹凸を形成するための有機系微粒子として、具
体的にはSEM観察による平均粒子径が0.5〜10.
0μm程度のスチレンビーズやアクリルビーズを用いる
ことができる。
【0069】本発明のコーティング組成物の固形成分を
溶解分散するための有機溶剤は特に制限されず、種々の
もの、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、
エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン
化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
或いはこれらの混合物を用いることができる。
【0070】本発明においては、ケトン系の有機溶剤を
用いるのが好ましい。本発明に係るコーティング組成物
をケトン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に
薄く均一に塗布することができ、且つ、塗工後において
溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均
一な薄さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
【0071】反射防止膜の支持層であるハードコート層
にアンチグレア層としての機能を付与するために当該ハ
ードコート層の表面を微細凹凸に形成し、その上に本発
明に係るコーティング組成物を塗布して中屈折率層又は
高屈折率層を形成する場合がある。本発明に係るコーテ
ィング組成物をケトン系溶剤を用いて調製すると、この
ような微細凹凸の表面にも均一に塗工することができ、
塗工むらを防止できる。
【0072】ケトン系溶剤としては、1種のケトンから
なる単独溶剤、2種以上のケトンからなる混合溶剤、及
び、1種又は2種以上のケトンと共に他の溶剤を含有し
ケトン溶剤としての性質を失っていないものを用いるこ
とができる。好ましくは、溶剤の70重量%以上、特に
80重量%以上を1種又は2種以上のケトンで占められ
ているケトン系溶剤が用いられる。
【0073】有機溶剤としてケトン系溶剤を用い、酸化
チタンの表面を上記したような有機化合物及び/又は有
機金属化合物で被覆することにより、特に塗工適性に優
れたコーティング組成物が得られ、均一な大面積薄膜を
容易に形成できるようになる。この場合でも、アニオン
性の極性基を有する分散剤として上記したようなエチレ
ンオキサイド系の分散剤、すなわち、エチレンオキサイ
ド鎖の骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基からなる
側鎖又はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合した分
子構造を有し、数平均分子量が2,000から20,0
00の化合物を用いると、さらに好ましい。或いは、バ
インダー成分として、ペンタエリスリトール多官能(メ
タ)アクリレートまたはジペンタエリスリトール多官能
(メタ)アクリレートであって分子中に水酸基を残した
バインダー成分を用いるのも効果的である。
【0074】本発明に係るコーティング組成物は、必須
成分として、酸化チタン、電離放射線硬化性のバインダ
ー成分、アニオン性の極性基を有する分散剤、および、
有機溶剤を含有し、必要に応じて電離放射線硬化性のバ
インダー成分の重合開始剤を含有するが、さらに、その
他の成分を配合してもよい。例えば、必要に応じて紫外
線遮蔽剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング
剤)、酸化ジルコニウム、アンチモンでドープした酸化
スズ(ATO)などを用いることができる。
【0075】各成分の配合割合は適宜調節可能である
が、一般的には、酸化チタン10重量部に対して、前記
バインダー成分を4〜20重量部、及び、アニオン性の
極性基を有する分散剤を4〜10重量部の割合で配合す
る。ただし、バインダー成分として分子中にアニオン性
の極性基を有するものを用いる場合には、当該バインダ
ー成分が分散助剤として作用するので、アニオン性の極
性基を有する分散剤の使用量を大幅に減らすことができ
る。分散剤はバインダーとしては機能しないので、分散
剤の配合割合を減らすことによって塗膜強度の向上を図
ることができる。
【0076】具体的には、酸化チタン10重量部に対し
て、アニオン性の極性基を有するバインダー成分を4〜
20重量部、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤
を2〜4重量部の割合で配合することができる。この配
合割合は、中〜高屈折率層用のコーティング組成物をと
して特に好適である。
【0077】また、酸化チタン10〜20重量部に対し
て、分子中にアニオン性の極性基を有する前記バインダ
ー成分を4〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量
部の割合で含有するコーティング組成物は、高屈折率ハ
ードコート層を形成するために特に好適である。さら
に、この高屈折率ハードコート層用コーティング組成物
には、アンチグレア層としての機能を付与するための有
機系微粒子を1〜20重量部の割合で配合してもよい。
【0078】光重合開始剤を用いる場合には、バインダ
ー成分100重量部に対して、光重合開始剤を通常は3
〜8重量部の割合で配合する。
【0079】また、有機溶剤の量は、各成分を均一に溶
解、分散することができ、調製後の保存時に凝集を来た
さず、且つ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適
宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用
量を少なくして高濃度のコーティング組成物を調製し、
容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出
して塗工作業に適した濃度に希釈するのが好ましい。本
発明においては、固形分と有機溶剤の合計量を100重
量部とした時に、必須成分及びその他の成分を含む全固
形分0.5〜50重量部に対して、有機溶剤を50〜9
5.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30
重量部に対して、有機溶剤を70〜90重量部の割合で
用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に
適したコーティング組成物が得られる。
【0080】上記各成分を用いて本発明に係るコーティ
ング組成物を調製するには、塗工液の一般的な調製法に
従って分散処理すればよい。例えば、各必須成分及び各
所望成分を任意の順序で混合し、得られた混合物にビー
ズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル
等で適切に分散処理することにより、コーティング組成
物が得られる。
【0081】こうして得られたコーティング組成物は、
必須成分として、所定の一次粒径を有し無機化合物と有
機化合物及び/又は有機金属化合物で被覆されたルチル
型の酸化チタン粒子と、電離放射線硬化性のバインダー
成分と、アニオン性の極性基を有する分散剤を有機溶剤
中に溶解、分散してなるものであり、特に、酸化チタン
粒子は、当該チタン粒子を被覆している有機化合物及び
/又は有機金属化合物と、アニオン性の極性基を有する
分散剤により、コーティング組成物中に均一に分散され
ている。
【0082】本発明に係るコーティング組成物は、アニ
オン性の極性基を有する分散剤の配合とアニオン性の極
性基を有する有機化合物及び/又は有機金属化合物によ
る被覆によって、酸化チタンの優れた分散性及び分散安
定性を有しており、ヘイズが非常に小さい。すなわち、
本発明に係るコーティング組成物中の酸化チタン配合量
をコントロールして屈折率を調節し、当該コーティング
組成物を基材等の被塗工体の表面に塗布し、乾燥、硬化
させることによって、所定の屈折率を有し、透明性が高
く、ヘイズの小さい塗膜が得られる。従って、本発明に
係るコーティング組成物は、反射防止膜を構成する1又
は2以上の層を形成するのに適しており、特に、酸化チ
タンの配合量を変えて調節できる屈折率の範囲から考え
て、中屈折率層、高屈折率層又は高屈折率ハードコート
層を形成するのに適している。
【0083】また、本発明に係るコーティング組成物
は、長期間に渡る分散安定性にも優れているのでポット
ライフが長く、長期間保存した後に使用する場合でも透
明性が高く且つヘイズの小さい塗膜を形成することがで
きる。
【0084】さらに、本発明に係るコーティング組成物
は、塗工適性に優れ、被塗工体の表面に、容易に薄く広
く且つ均一に塗布することができ、均一な大面積薄膜を
形成できる。特に、ケトン系溶剤を用いると蒸発速度が
適度で、塗膜の乾燥むらが生じ難いので、均一な大面積
薄膜を特に形成しやすい。
【0085】本発明の反射防止膜コーティング組成物を
基材等の被塗工体の表面に塗布し、乾燥し、電離放射線
硬化させることによって、実質的に無色透明でヘイズの
小さい塗膜を形成することができる。
【0086】本発明のコーティング組成物を塗布する支
持体は特に制限されない。好ましい基材としては、例え
ば、ガラス板; トリアセテートセルロース(TA
C)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセ
チルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポ
リエーテルサルホン、アクリル系樹脂;ポリウレタン系
樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホ
ン;ポリエーテル;トリメチルペンテン;ポリエーテル
ケトン;(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成
したフィルム等を例示することができる。基材の厚さ
は、通常25μm〜1000μm程度であり、好ましく
は50μm〜190μmである。
【0087】コーティング組成物は、例えば、スピンコ
ート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、
バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター
法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコータ
ー法等の各種方法で基材上に塗布することができる。
【0088】本発明に係るコーティング組成物を基材等
の被塗工体の表面に所望の塗工量で塗布した後、通常
は、オーブン等の加熱手段で加熱乾燥し、その後、紫外
線や電子線等の電離放射線を放射して硬化させることに
より塗膜が形成される。
【0089】このようにして得られた塗膜は、光触媒活
性を低下又は消失させる無機化合物とアニオン性の極性
基を有する有機化合物及び/又は有機金属化合物により
被覆され0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有
するルチル型の酸化チタン、及び、アニオン性の極性基
を有する分散剤が、硬化したバインダー中に均一に混合
されてなるものであるが、必要に応じてその他の成分を
含有していてもよい。
【0090】本発明により得られる塗膜は、反射防止膜
を構成する1又は2以上の層として好適に利用すること
ができ、特に、酸化チタンの配合量を変えて調節できる
屈折率の範囲から考えて、中〜高屈折率層を形成するの
に適している。本発明によれば、硬化後膜厚が0.05
〜0.2μmの塗膜を形成した時に、屈折率が1.55
〜2.30の範囲に調節し、且つ、JIS−K7361
−1の規定に従って基材と一体の状態で測定したヘイズ
値が、前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記
基材だけのヘイズ値との差が1%以内に抑制することが
可能である。
【0091】また、本発明により得られる塗膜は、高屈
折率ハードコート層を形成するのにも適している。本発
明によれば、硬化後膜厚が0.2〜20μmの塗膜を形
成した時に、屈折率が1.55〜2.30で、且つ、J
IS−K7361−1に規定されるヘイズ値が前記基材
だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘイ
ズ値との差が10%以内となるように抑制することが可
能であり、高屈折率ハードコート層も形成できる。
【0092】本発明に係る高屈折率塗膜は、反射防止膜
を形成するのに好適に利用できる。本発明に係る塗膜
は、光透過性を有し且つ互いに屈折率の異なる層(光透
過層)を二層以上積層してなる多層型反射防止膜のうち
の一層を形成するのに用いることができる。本発明に係
る塗膜は、主として中屈折率層として用いられるが、高
屈折率層、又は、高屈折率ハードコート層として用いる
こともできる。なお、多層型反射防止膜の中で最も屈折
率の高い層を高屈折率層と称し、最も屈折率の低い層を
低屈折率層と称し、それ以外の中間的な屈折率を有する
層を中屈折率層と称する。
【0093】また、反射防止膜で被覆する面、例えば画
像表示装置の表示面に、本発明に係る塗膜をただ一層設
けただけでも、被覆面自体の屈折率と本発明に係る塗膜
の屈折率のバランスが丁度良い場合には反射防止効果が
得られる。従って、本発明に係る塗膜は、単層の反射防
止膜としても有効に機能する場合がある。
【0094】本発明に係る塗膜は、特に、液晶表示装置
(LCD)や陰極管表示装置(CRT)、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の表示面を被
覆する多層型反射防止膜の少なくとも一層、特に中屈折
率層を形成するのに好適に用いられる。
【0095】図1は、本発明に係る塗膜を光透過層とし
て含んだ多層型反射防止膜により表示面を被覆した液晶
表示装置の一例(101)の断面を模式的に示したもの
である。液晶表示装置101は、表示面側のガラス基板
1の一面にRGBの画素部2(2R、2G、2B)とブ
ラックマトリックス層3を形成してなるカラーフィルタ
ー4を準備し、当該カラーフィルターの画素部2上に透
明電極層5を設け、バックライト側のガラス基板6の一
面に透明電極層7を設け、バックライト側のガラス基板
とカラーフィルターとを、透明電極層5、7同士が向き
合うようにして所定のギャップを空けて対向させ、周囲
をシール材8で接着し、ギャップに液晶Lを封入し、背
面側のガラス基板6の外面に配向膜9を形成し、表示面
側のガラス基板1の外面に偏光フィルム10を貼り付
け、後方にバックライトユニット11を配置したもので
ある。
【0096】図2は、表示面側のガラス基板1の外面に
貼り付けた偏光フィルム10の断面を模式的に示したも
のである。表示面側の偏光フィルム10は、ポリビニル
アルコール(PVA)等からなる偏光素子12の両面を
トリアセチルセルロース(TAC)等からなる保護フィ
ルム13、14で被覆し、その裏面側に接着剤層15を
設け、その鑑賞側にハードコート層16と多層型反射防
止膜17を順次形成したものであり、接着剤層15を介
して表示面側のガラス基板1に貼着されている。
【0097】ここで、液晶表示装置等のように内部から
射出する光を拡散させて眩しさを低減させるために、ハ
ードコート層16は、当該ハードコート層の表面を凹凸
形状に形成したり或いは当該ハードコート層の内部に無
機や有機のフィラーを分散させてハードコート層内部で
光を散乱させる機能を持たせた防眩層(アンチグレア
層)としてもよい。
【0098】多層型反射防止膜17の部分は、バックラ
イト側から鑑賞側に向かって中屈折率層18、高屈折率
層19、低屈折率層20が順次積層された3層構造を有
している。多層型反射防止膜17は、高屈折率層19と
低屈折率層20が順次積層された2層構造であってもよ
い。なお、ハードコート層16の表面が凹凸形状に形成
される場合には、その上に形成される多層型反射防止膜
17も図示のように凹凸形状となる。
【0099】低屈折率層20は、例えば、シリカやフッ
化マグネシウム等の無機物、フッ素系樹脂等を含有する
塗工液から得られる屈折率1.46以下の塗膜や、シリ
カやフッ化マグネシウムなどを化学蒸着法(CVD)や
物理蒸着法(PVD)などの蒸着法を用いた蒸着膜とす
ることができる。また、中屈折率層18及び高屈折率層
19は、本発明に係る塗膜を用いて形成することがで
き、中屈折率層18には屈折率1.46〜1.80の範
囲の光透過層、高屈折率層19には屈折率1.65以上
の光透過層が使用される。
【0100】この反射防止膜の作用により、外部光源か
ら照射された光の反射率が低減するので、景色や蛍光燈
の映り込みが少なくなり、表示の視認性が向上する。ま
た、外光がディスプレイ表面に映り込んだり、眩しく光
ったりする状態であるのを、ハードコート層16の凹凸
による光散乱効果によって外光の反射光が軽減し、表示
の視認性がさらに向上する。
【0101】液晶表示装置101の場合には、偏光素子
12と保護フィルム13、14からなる積層体に本発明
に係るコーティング組成物を塗布して屈折率を1.46
〜1.80の範囲で調節した中屈折率層18と屈折率を
1.65以上に調節した高屈折率層19を形成し、さら
に低屈折率層20を設けることができる。そして、反射
防止膜17を含む偏光フィルム10を接着剤層15を介
して鑑賞側のガラス基板1上に貼着することができる。
【0102】これに対し、CRTの表示面には配向板を
貼着しないので、反射防止膜を直接設ける必要がある。
しかしながら、CRTの表示面に本発明に係るコーティ
ング組成物を塗布するのは煩雑な作業である。このよう
な場合には、本発明に係る塗膜を含んでいる反射防止フ
ィルムを作製し、それを表示面に貼着すれば反射防止膜
が形成されるので、表示面に本発明に係るコーティング
組成物を塗布しなくて済む。
【0103】光透過性を有する基材フィルムの一面側又
は両面に、光透過性を有し且つ互いに屈折率が異なる光
透過層を二層以上積層してなり、当該光透過層のうちの
少なくとも一つを本発明に係る塗膜で形成することによ
り、反射防止フィルムが得られる。基材フィルム及び光
透過層は、反射防止フィルムの材料として使用できる程
度の光透過性を有する必要があり、できるだけ透明に近
いものが好ましい。
【0104】図3は、本発明に係る塗膜を含んだ反射防
止フィルムの一例(102)の断面を模式的に示したも
のである。反射防止フィルム102は、光透過性を有す
る基材フィルム21の一面側に、本発明に係るコーティ
ング組成物を塗布して高屈折率層22を形成し、さらに
当該高屈折率層の上に低屈折率層23を設けたものであ
る。この例では、互いに屈折率の異なる光透過層は高屈
折率層と低屈折率層の二層だけだが、光透過層を三層以
上設けてもよい。その場合には、高屈折率層だけでなく
中屈折率層も、本発明に係るコーティング組成物を塗布
して形成することができる。
【0105】
【実施例】(実施例1) (1)コーティング組成物の調製 ルチル型酸化チタンとして、酸化チタン含量が79〜8
5%で、Al23およびステアリン酸で表面処理し、一
次粒径0.01〜0.03μmで、比表面積が50〜6
0m2/gで、吸油量が24〜30g/100gで、表
面が撥水性のルチル型酸化チタン(TTO51(C)、
石原産業社製)を用意した。電離放射線硬化性バインダ
ー成分として、ペンタエリスリトールトリアクリレート
(PET30、日本化薬社製)を用意した。アニオン性
の極性基を有する分散剤としては、顔料に親和性のある
ブロック共重合体(ディスパービック 163、ビック
ケミー・ジャパン社製)を用意した。光開始剤として
は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト
ン(イルガキュアー 184、日本チバガイギー社製)
を用意した。有機溶剤としては、メチルイソブチルケト
ンを用意した。
【0106】ルチル型酸化チタン、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、分散剤(ディスパービック 16
3)、および、メチルイソブチルケトンをマヨネーズ瓶
に入れ、混合物の約4倍量のジルコニアビーズ(φ0.
3mm)を媒体に用いてペイントシェーカーで10時間
攪拌し、攪拌後に光開始剤(イルガキュアー 184)
を加えて下記組成のコーティング組成物を得た。 〈コーティング組成物の組成〉 ・ルチル型酸化チタン(Al23およびステアリン酸に
よる表面処理品、一次粒径0.01〜0.03μm)
(TTO51(C)、石原産業社製):10重量部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3
0、日本化薬社製):4重量部 ・アニオン性基含有分散剤(ディスパービック163、
ビックケミー・ジャパン社製):2重量部 ・光開始剤(イルガキュアー184、日本チバガイギー
社製):0.2重量部 ・メチルイソブチルケトン:37.3重量部 (2)塗膜の作成 厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(FT
−T80UZ、富士写真フィルム(株)製)上に厚さ3
μmのペンタエリスリトールトリアクリレート硬化膜を
形成した後、調製直後のコーティング組成物をバーコー
ター#2で塗工し、60℃で1分間加熱乾燥した後、5
00mJのUV照射によって硬化させ、硬化後膜厚が
0.1μmの透明膜を形成した。
【0107】また、ヘイズ測定用に、厚さ50μmの表
面未処理PET基材(東レ(株)製ルミナーT60)上
に、調製直後のコーティング組成物をバーコーター#2
で塗工し、60℃で1分間加熱乾燥した後、500mJ
のUV照射によって硬化させ、硬化後膜厚が0.1μm
の透明膜を形成した。
【0108】また、コーティング組成物を室温で30日
間放置して沈殿の発生状況を観察し、さらに放置後のコ
ーティング組成物を用いて、上記と同様に厚さ50μm
の表面未処理PET基材(東レ(株)製ルミナーT6
0)上に透明膜を形成した。
【0109】調製直後および室温放置後のコーティング
組成物それぞれから形成した硬化後膜厚が0.1μmの
透明膜について、ヘイズと屈折率を測定した。ヘイズ
は、濁度計NDH2000(日本電色工業社製)を用い
て測定した。また、硬化後の塗膜の屈折率は、分光エリ
プソメーター(UVSEL、ジョバン−イーボン社製)
を用い、ヘリウムレーザー光の波長633nmでの屈折
率を測定した。また、この透明膜について、スチールウ
ールの#0000番を用い200g〜1kg荷重で膜表
面を20回擦った時のヘイズの変化により膜強度を評価
した。
【0110】各試験の結果を第1表に示す。実施例1に
おいて調製したコーティング組成物を用いたところ、ヘ
イズおよび屈折率が良好な透明膜が得られた。また、実
施例1のコーティング組成物は、室温放置後も分散性に
優れ、調製直後と同様にヘイズおよび屈折率が良好な透
明膜が得られた。
【0111】(比較例1)実施例1において、疎水性処
理を施したルチル型酸化チタン(TTO51(C)、石
原産業社製)に代えて、酸化チタン含量が76〜83%
で、Al23のみで表面処理し、一次粒径0.01〜
0.03μmで、比表面積が75〜85m2/gで、吸
油量が40〜47g/100gで、表面が親水性のルチ
ル型酸化チタン(TTO51(A)、石原産業製)を同
量用いた以外は実施例1と同様に実施して、コーティン
グ組成物を得た。得られたコーティング組成物を実施例
1と同様に試験した。
【0112】試験結果を第1表に示す。比較例1のコー
ティング組成物を調製直後に用いて塗膜を形成したが、
得られた塗膜のヘイズは高く、屈折率は低かった。ま
た、室温放置により多量の沈殿を生じた。なお、室温放
置後の塗膜形成は中止した。
【0113】(比較例2)実施例1において、ペンタエ
リスリトールトリアクリレートの代わりに、水酸基を持
たないペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE
T−40、日本化薬製)を同量用いた以外は実施例1と
同様に実施して、コーティング組成物を得た。得られた
コーティング組成物を実施例1と同様に試験した。
【0114】試験結果を比較例2−1として第1表に示
す。得られたコーティング組成物は、分散性が悪く、す
でに調製直後にゲル化しており、均一な薄膜を形成する
ことはできなかった。ヘイズと屈折率の測定、および、
室温放置の観察は中止した。
【0115】そこで、実施例1で使用したアニオン性基
含有分散剤(ディスパービック163、ビックケミー・
ジャパン社製)を6重量部まで増量してコーティング組
成物を調製し、実施例1と同様に試験した。このコーテ
ィング組成物の試験結果を比較例2−2として第1表に
示す。この場合には、ルチル型酸化チタンが均一に分散
され、室温放置しても粘度の変化や沈殿物の出現は観察
されなかった。調製直後のものと室温放置後のもの、そ
れぞれを用いて塗膜を形成したところ、得られた塗膜の
ヘイズは良好であったが、屈折率は実施例1に比べて低
く、また、塗膜の強度が極端に低かった。
【0116】(比較例3)実施例1において、ルチル型
酸化チタンとして、Al23およびステアリン酸で表面
処理した一次粒径0.01〜0.03μmのルチル型酸
化チタン(TTO51(C)、石原産業社製)を使用し
ているのに代えて、一次粒径0.01〜0.03μmで
あるがAl23およびステアリン酸いずれの表面処理も
していないルチル型酸化チタン(TT051(N)、石
原産業製)を同量用いた以外は実施例1と同様に実施し
て、コーティング組成物を得た。得られたコーティング
組成物を実施例1と同様に試験した。
【0117】得られたコーティング組成物は、分散性が
悪く、すでに調製直後にゲル化しており、均一な薄膜を
形成することはできなかった。ヘイズと屈折率の測定、
および、室温放置の観察は中止した。
【0118】(蒸着膜との密着性)厚さ80μmのトリ
アセチルセルロースフィルム(FT−T80UZ、富士
写真フィルム(株)製)上に厚さ3μmのペンタエリス
リトールトリアクリレート硬化膜を形成した後、実施例
1及び比較例2で得られたコーティング組成物をバーコ
ーター#2で塗工し、60℃で1分間加熱乾燥した後、
500mJのUV照射によって硬化させ、硬化後膜厚が
0.1μmの透明膜を形成した。次に、以下の条件でP
VD法により膜厚84.7μmのシリカ蒸着膜を形成し
た。 <PVD法条件> ・熱蒸着用ターゲット:一酸化ケイ素(純度99.9
%) ・出力:電流値0.4A、電圧480V ・真空チャンバー内の真空度:0.13Pa ・アルゴン流量:38.8sccm ・酸素流量:5sccm ・蒸着速度:8.47nm/分 得られた蒸着膜についてセロハンテープ碁盤目剥離試験
を行ったところ、比較例2のシリカ蒸着膜は全面が剥離
したのに対し、実施例1のシリカ膜は全く剥離せず、塗
膜への良好な密着性を示した。 <セロハンテープ碁盤目剥離試験の条件>塗膜表面にカ
ッターで縦10本×横10本の傷を直交させて付け、1
00個の碁盤目状の桝目を設けた。その上からニチバン
製セロハンテープを強く密着させた後、一気に引き剥が
し、膜面に残った桝目の数を数えた。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るコー
ティング組成物は、酸化チタンの分散性、分散安定性に
優れ、屈折率が調節されたヘーズの小さい透明膜を形成
することができる。また、本発明に係るコーティング組
成物は、塗工適性に優れ、均一な大面積の薄膜を容易に
形成することができ、屈折率が調節されたヘーズの小さ
い透明膜を低コストで大量生産するのに適している。
【0121】また、本発明に係る塗膜は、本発明に係る
上記コーティング組成物を用いて形成されるものであ
る。この塗膜は、透明性が高く、ヘーズが小さく、酸化
チタンの配合量をコントロールして屈折率を調節できる
ので、光学部材を構成する一又は二以上の光透過層、特
に、反射防止膜の中〜高屈折率層や高屈折率ハードコー
ト層として好適に利用できる。また、バインダー成分が
水素結合含有基を有する場合には、隣接層、その中でも
特に蒸着層との密着性が特に優れている。
【0122】そして、本発明に係る塗膜を含んでいる反
射防止膜は、液晶表示装置やCRT等の表示面に好適に
適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗膜を含んだ多層型反射防止膜に
より表示面を被覆した液晶表示装置の一例であり、その
断面を模式的に示した図である。
【図2】本発明に係る塗膜を含んだ多層型反射防止膜を
設けた配向板の一例であり、その断面を模式的に示した
図である。
【図3】本発明に係る塗膜を含んだ反射防止フィルムの
一例であり、その断面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
101…液晶表示装置 102…反射防止フィルム 1…表示面側のガラス基板 2…画素部 3…ブラックマトリックス層 4…カラーフィルター 5、7…透明電極層 6…背面側のガラス基板 8…シール材 9…配向膜 10…偏光フィルム 11…バックライトユニット 12…偏光素子 13、14…保護フィルム 15…接着剤層 16…ハードコート層 17…多層型反射防止膜 18…中屈折率層 19…高屈折率層 20…低屈折率層 21…基材フィルム 22…高屈折率層 23…低屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 5G435 7/12 7/12 171/00 171/00 201/02 201/02 G02B 1/10 G02F 1/1335 1/11 G09F 9/00 313 G02F 1/1335 G02B 1/10 A G09F 9/00 313 Z (72)発明者 塩田 聡 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 鈴木 裕子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA37X FB04 FB13 FC12 FC23 LA02 LA03 2K009 AA05 AA06 AA15 BB28 CC03 CC09 CC24 CC25 CC42 DD02 DD05 DD06 4F100 AA17B AA17C AA19B AA19C AA20B AA20C AA25B AA25C AA27B AA27C AA28B AA28C AA33B AA33C AG00A AH00B AH00C AK25A AK42A AK54B AK54C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C BA26 CC01B CC01C EH46 GB90 JB14B JB14C JL08B JL08C JN06 JN18B JN18C JN30 4J037 AA22 CA09 CB03 CB05 CB09 CB23 CB26 CC16 DD05 DD24 EE04 EE14 EE35 FF21 FF23 4J038 CE052 FA071 FA091 FA111 GA03 HA216 JA32 JA55 KA03 KA06 KA09 KA12 KA20 MA03 MA09 MA14 NA01 NA11 NA12 NA18 NA24 NA26 PA17 PB09 PC08 5G435 AA00 AA01 AA17 BB02 BB12 BB15 CC09 EE25 EE33 FF02 FF05 GG12 HH02 HH03 KK07

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(1)光触媒活性を低下又
    は消失させる無機化合物とアニオン性の極性基を有する
    有機化合物及び/又は有機金属化合物により被覆され、
    0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有するルチ
    ル型の酸化チタン、(2)電離放射線硬化性のバインダ
    ー成分、(3)アニオン性の極性基を有する分散剤、及
    び、(4)有機溶剤、からなることを特徴とする、コー
    ティング組成物。
  2. 【請求項2】 前記無機化合物は、アルミナ、シリカ、
    酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ、アンチモンを
    ドープした酸化スズ(ATO)、スズをドープした酸化
    インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウ
    ム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(A
    ZO)、及び、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)
    よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1記
    載のコーティング組成物。
  3. 【請求項3】 前記分散剤は、エチレンオキサイド鎖の
    骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基からなる側鎖又
    はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合した分子構造
    を有し、数平均分子量が2,000から20,000の
    化合物であることを特徴とする、請求項1記載のコーテ
    ィング組成物。
  4. 【請求項4】 前記バインダー成分は、分子中にアニオ
    ン性の極性基を有するバインダー成分であることを特徴
    とする、請求項1記載のコーティング組成物。
  5. 【請求項5】 前記バインダー成分のアニオン性極性基
    が、水素結合形成基であることを特徴とする、請求項4
    記載のコーティング組成物。
  6. 【請求項6】 前記バインダー成分の水素結合形成基
    が、水酸基であることを特徴とする、請求項5記載のコ
    ーティング組成物。
  7. 【請求項7】 分子中に水酸基を有する前記バインダー
    成分が、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジ
    ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリ
    スリトール多官能メタクリレート、及び、ジペンタエリ
    スリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれ
    る一又は二以上の成分であることを特徴とする、請求項
    6記載のコーティング組成物。
  8. 【請求項8】 前記酸化チタン10重量部に対して、分
    子中にアニオン性の極性基を有する前記バインダー成分
    を4〜20重量部、及び、分散剤を2〜4重量部の割合
    で含有することを特徴とする、請求項4乃至7いずれか
    に記載のコーティング組成物。
  9. 【請求項9】 前記酸化チタン10〜20重量部に対し
    て、分子中にアニオン性の極性基を有する前記バインダ
    ー成分を4〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量
    部の割合で含有することを特徴とする、請求項4乃至7
    いずれかに記載のコーティング組成物。
  10. 【請求項10】 アニオン性の極性基を有する前記有機
    化合物が、有機カルボン酸であることを特徴とする、請
    求項1記載のコーティング組成物。
  11. 【請求項11】 アニオン性の極性基を有する前記有機
    金属化合物が、シランカップリング剤及び/又はチタネ
    ートカップリング剤からなることを特徴とする、請求項
    1記載のコーティング組成物。
  12. 【請求項12】 前記の有機溶剤は、ケトン系溶剤であ
    ることを特徴とする、請求項1記載のコーティング組成
    物。
  13. 【請求項13】 さらに光開始剤として、1−ヒドロキ
    シ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び/又は、
    2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−
    モルフォリノプロパン−1−オンを含有することを特徴
    とする、請求項1記載のコーティング組成物。
  14. 【請求項14】 全固形分0.5〜50重量部に対し
    て、前記有機溶剤が50〜99.5重量部の割合で配合
    されていることを特徴とする、請求項1記載のコーティ
    ング組成物。
  15. 【請求項15】 反射防止膜を形成するために用いられ
    るものであることを特徴とする、請求項1乃至14いず
    れかに記載のコーティング組成物。
  16. 【請求項16】 反射防止膜の中屈折率層又は高屈折率
    層を形成するために用いられるものであることを特徴と
    する、請求項8記載のコーティング組成物。
  17. 【請求項17】 反射防止膜の高屈折率ハードコート層
    を形成するために用いられるものであることを特徴とす
    る、請求項9記載のコーティング組成物。
  18. 【請求項18】 前記請求項1乃至14いずれかに記載
    のコーティング組成物を被塗工体の表面に塗布し硬化さ
    せることにより得られ、硬化後膜厚が0.05〜0.2
    μmの時に、屈折率が1.55〜2.30で、且つ、J
    IS−K7361−1に規定されるヘイズ値が前記基材
    だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘイ
    ズ値との差が1%以内であることを特徴とする、塗膜。
  19. 【請求項19】 前記請求項1乃至14いずれかに記載
    のコーティング組成物を被塗工体の表面に塗布し硬化さ
    せることにより得られ、硬化後膜厚が0.2〜20μm
    の時に、屈折率が1.55〜2.30で、且つ、JIS
    −K7361−1に規定されるヘイズ値が前記基材だけ
    のヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘイズ値
    との差が10%以内であることを特徴とする、塗膜。
  20. 【請求項20】 光触媒活性を低下又は消失させる無機
    化合物とアニオン性の極性基を有する有機化合物及び/
    又は有機金属化合物により被覆され0.01〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有するルチル型の酸化チタン、
    及び、アニオン性の極性基を有する分散剤が、硬化した
    バインダー中に均一に混合されてなり、 硬化後膜厚が0.05〜0.2μmの時に、屈折率が
    1.55〜2.30で、且つ、JIS−K7361−1
    に規定されるヘイズ値が基材だけのヘイズ値と変わらな
    いか又は基材だけのヘイズ値との差が1%以内であるこ
    とを特徴とする、塗膜。
  21. 【請求項21】 光触媒活性を低下又は消失させる無機
    化合物とアニオン性の極性基を有する有機化合物及び/
    又は有機金属化合物により被覆され0.01〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有するルチル型の酸化チタン、
    及び、アニオン性の極性基を有する分散剤が、硬化した
    バインダー中に均一に混合されてなり、 硬化後膜厚が0.2〜20μmの時に、屈折率が1.5
    5〜2.30で、且つ、JIS−K7361−1に規定
    されるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値と変わらない
    か又は前記基材だけのヘイズ値との差が10%以内であ
    ることを特徴とする、塗膜。
  22. 【請求項22】 前記分散剤は、エチレンオキサイド鎖
    の骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基からなる側鎖
    又はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合した分子構
    造を有することを特徴とする、請求項20又は21に記
    載の塗膜。
  23. 【請求項23】 前記バインダーは、ペンタエリスリト
    ール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官
    能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリ
    レート、及び、ジペンタエリスリトール多官能メタクリ
    レートよりなる群から選ばれる一又は二以上の成分の硬
    化物であることを特徴とする、請求項20又は21記載
    の塗膜。
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