JPH11153703A - 反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置

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JPH11153703A
JPH11153703A JP10236340A JP23634098A JPH11153703A JP H11153703 A JPH11153703 A JP H11153703A JP 10236340 A JP10236340 A JP 10236340A JP 23634098 A JP23634098 A JP 23634098A JP H11153703 A JPH11153703 A JP H11153703A
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謙一 中村
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和浩 中村
Taku Nakamura
卓 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産に適し、屈折率が非常に高く、強度
が優れた高屈折率層を有する反射防止膜を得る。 【解決手段】 反射防止膜の高屈折率層に、1乃至20
0nmの平均粒径を有する無機微粒子を5乃至65体積
%および架橋しているアニオン性ポリマーを35乃至9
5体積%含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率層と低屈
折率層とを有する反射防止膜およびそれを用いた画像表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けら
れている。眼鏡やカメラのレンズにも反射防止膜が設け
られている。反射防止膜としては、金属酸化物の透明薄
膜を積層させた多層膜が従来から普通に用いられてい
る。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反
射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化
学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理
蒸着法の一種である真空蒸着法により形成されている。
金属酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学
的性質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性
が低く大量生産に適していない。蒸着法に代えて、無機
微粒子の塗布により反射防止膜を形成する方法が提案さ
れている。
【0003】特公昭60−59250号公報は、微細空
孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示してい
る。反射防止層は、塗布により形成される。微細空孔
は、層の塗布後に活性化ガス処理を行ない、ガスが層か
ら離脱することによって形成される。特開昭59−50
401号公報は、支持体、高屈折率層および低屈折率層
の順に積層した反射防止膜を開示している。同公報は、
支持体と高屈折率層の間に中屈折率層を設けた反射防止
膜も開示している。低屈折率層は、ポリマーまたは無機
微粒子の塗布により形成されている。特開平2−245
702号公報は、二種類以上の超微粒子(例えば、Mg
2とSiO2 )を混在させて、膜厚方向にその混合比
を変化させた反射防止膜を開示している。混合比を変化
させることにより屈折率を変化させ、上記特開昭59−
50401号公報に記載されている高屈折率層と低屈折
率層を設けた反射防止膜と同様の光学的性質を得てい
る。超微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたS
iO2 により接着している。エチルシリケートの熱分解
では、エチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気
も発生する。同公報の第1図に示されているように、二
酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒
子の間に間隙が生じている。特開平5−13021号公
報は、上記特開平2−245702号公報記載の反射防
止膜に存在する超微粒子間隙をバインダーで充填するこ
とを開示している。特開平7−48527号公報は、多
孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有す
る反射防止膜を開示している。特開平8−110401
号、同8−179123号の各公報には、プラスチック
中に高屈折率の無機微粒子を導入することで、屈折率
1.80以上の高屈折率皮膜を形成し、反射防止膜に適
用することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、反射防止
膜の高屈折率層への無機微粒子の導入について、研究を
進めた。無機微粒子の塗布により高屈折率層を形成する
方法は、生産性が高く大量生産に適している。しかし、
本発明者の研究により、高屈折率層に無機微粒子を導入
すると、解決すべき問題が生じることが判明した。無機
微粒子を微細に分散し、その微細な分散状態を保ったま
ま高屈折率層を形成することが難しい。高屈折率層を透
明な皮膜として形成するためには、無機微粒子を微細か
つ均一に層内に分散させる必要がある。無機微粒子の分
散手段としては、界面活性剤や分散用(アニオン性また
はカチオン性)ポリマーの使用が知られている。しか
し、これらの分散手段は、高屈折率層の形成段階におい
てのみ機能する。高屈折率層の形成後は、これらの分散
手段は全く機能しないだけではなく、高屈折率層の物理
的強度(耐磨耗性)や化学的強度(耐薬品性)を劣化さ
せてしまう。
【0005】本発明の目的は、大量生産に適した反射防
止膜を提供することである。また、本発明の目的は、屈
折率が非常に高く透明な高屈折率層を有する反射防止膜
を提供することでもある。さらに、本発明の目的は、強
度が優れた高屈折率層を有する反射防止膜を提供するこ
とでもある。さらにまた、本発明の目的は、適切な手段
により反射が防止されている画像表示装置を提供するこ
とでもある。
【0006】本発明の目的は、下記(1)〜(6)の反
射防止膜および下記(7)の画像表示装置により達成さ
れた。 (1)屈折率が1.65乃至2.40である高屈折率層
と、屈折率が1.20乃至1.55である低屈折率層と
を有する反射防止膜であって、高屈折率層が、1乃至2
00nmの平均粒径を有する無機微粒子を5乃至65体
積%および架橋しているアニオン性基を有するポリマー
を35乃至95体積%含むことを特徴とする反射防止
膜。 (2)高屈折率層のアニオン性基を有するポリマーが、
リン酸基またはスルホン酸基をアニオン性基として有す
る(1)に記載の反射防止膜。 (3)高屈折率層のアニオン性基を有するポリマーが、
さらにアミノ基またはアンモニウム基を有する(1)に
記載の反射防止膜。 (4)高屈折率層の無機微粒子が、1.80乃至2.8
0の屈折率を有する(1)に記載の反射防止膜。 (5)高屈折率層が塗布により形成された層であり、ア
ニオン性基を有するポリマーが層の塗布と同時または塗
布後に、重合反応により形成されたポリマーである
(1)に記載の反射防止膜。
【0007】(6)低屈折率層が、0.5乃至200n
mの平均粒径を有する無機微粒子を50乃至95重量%
およびポリマーを5乃至50重量%含み、該無機微粒子
を少なくとも2個以上積み重ねることにより微粒子間に
ミクロボイドが形成されている層である(1)に記載の
反射防止膜。 (7)屈折率が1.65乃至2.40である高屈折率層
と、屈折率が1.20乃至1.55である低屈折率層と
を有し、高屈折率層が、1乃至200nmの平均粒径を
有する無機微粒子を5乃至65体積%および架橋してい
るアニオン性基を有するポリマーを35乃至95体積%
含む反射防止膜を、高屈折率層が画像表示装置側となる
ように配置したことを特徴とする画像表示装置。
【0008】本発明者が研究を進めた結果、高屈折率層
において架橋しているアニオン性基を有するポリマーを
35乃至95体積%用いることで、高屈折率層の無機微
粒子を微細に分散し、その微細な分散状態を保ったまま
層を形成することに成功した。アニオン性基を有するポ
リマーは、高屈折率層の形成前のアニオン性モノマーの
状態において、無機微粒子の優れた分散剤として機能す
る。そして、アニオン性モノマーを高屈折率層の形成後
に、重合および架橋させることにより、架橋しているア
ニオン性基を有するポリマーが形成される。架橋してい
るアニオン性基を有するポリマーによって、無機微粒子
が強固に結合し、強度が優れた高屈折率層が得られる。
以上のように改良された高屈折率層を有する反射防止膜
は、塗布により簡単に製造することができ、大量生産に
適している。この反射防止膜を用いることで、画像表示
装置の画像表示面における光の反射を有効に防止するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】(反射防止膜の層構成)反射防止
膜の層構成を図1を引用しながら説明する。図1は、反
射防止膜の様々な層構成を示す断面模式図である。図1
の(a)に示す態様は、透明支持体(4)、ハードコー
ト層(3)、高屈折率層(2)、そして低屈折率層
(1)の順序の層構成を有する。(a)のように、高屈
折率層(2)と低屈折率層(1)とを有する反射防止膜
では、特開昭59−50401号公報に記載されている
ように、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下記
式(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0010】
【数1】
【0011】式中、mは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n1は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d1は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0012】
【数2】
【0013】式中、nは正の奇数(一般に1)であり、
n2は低屈折率層の屈折率であり、そして、d2は低屈
折率層の層厚(nm)である。図1の(b)に示す態様
は、透明支持体(4)、ハードコート層(3)、中屈折
率層(5)、高屈折率層(2)、そして低屈折率層
(1)の順序の層構成を有する。(b)のように、中屈
折率層(5)、高屈折率層(2)と低屈折率層(1)と
を有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公
報に記載されているように、中屈折率層が下記式(II
I)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率層が下記式
(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0014】
【数3】
【0015】式中、hは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n3は中屈折率層の屈折率であり、そし
て、d3は中屈折率層の層厚(nm)である。
【0016】
【数4】
【0017】式中、jは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n4は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d4は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0018】
【数5】
【0019】式中、kは正の奇数(一般に1)であり、
n5は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5は低屈
折率層の層厚(nm)である。以上の層構成を有する反
射防止膜に、本発明に従い改良された高屈折率層を用い
る。
【0020】(高屈折率層)図2は、高屈折率層の断面
模式図である。図2の高屈折率層の上側に低屈折率層が
あり、下側に画像表示装置またはレンズがある。図2に
示すように、高屈折率層(2)は、空孔がなく、無機微
粒子(21)の間にポリマー(22)が充填されている
層である。高屈折率層(2)内では、平均粒径が1乃至
200nmの無機微粒子(21)が(図2では3個)積
み重なっている。そして、無機微粒子(21)の間に、
架橋しているアニオン性基を有するポリマー(22)が
充填されている。高屈折率層の屈折率は、1.65乃至
2.40である。屈折率は、1.70乃至2.20であ
ることが好ましい。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる
測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより
求めることができる。高屈折率層の厚さは、5nm乃至
10μmであることが好ましく、10nm乃至1μmで
あることがさらに好ましく、30nm乃至0.5μmで
あることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%
以下であることが好ましく、3%以下であることがさら
に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。本発
明に従い改良された高屈折率層は、強度が優れている。
具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で
H以上であることが好ましく、2H以上であることがさ
らに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0021】(高屈折率層の無機微粒子)高屈折率層に
用いる無機微粒子は、屈折率が1.80乃至2.80で
あることが好ましく、1.90乃至2.80であること
がさらに好ましい。無機微粒子の一次粒子の重量平均径
は、1乃至150nmであることが好ましく、1乃至1
00nmであることがさらに好ましく、1乃至80nm
であることが最も好ましい。形成される高屈折率層中の
無機微粒子の重量平均径は、1乃至200nmである。
高屈折率層中の無機微粒子の重量平均径は、5乃至15
0nmであることが好ましく、10乃至100nmであ
ることがさらに好ましく、10乃至80nmであること
が最も好ましい。無機微粒子の粒子径は、光散乱法や電
子顕微鏡写真により測定できる。無機微粒子の比表面積
は、10乃至400m2 /gであることが好ましく、2
0乃至200m2 /gであることがさらに好ましく、3
0乃至150m2 /gであることが最も好ましい。無機
微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成すること
が好ましい。金属の酸化物または硫化物の例には、二酸
化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、ア
ナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜鉛が含ま
れる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウムが特に
好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物または
硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができ
る。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量
(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、
Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、C
d、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、Pお
よびSが含まれる。
【0022】無機微粒子を表面処理してもよい。表面処
理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施する。
表面処理に用いる無機化合物の例には、アルミナ、シリ
カ、酸化ジルコニウムおよび酸化鉄が含まれる。アルミ
ナおよびシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合
物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステア
リン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップ
リング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ま
しい。二種類以上の表面処理を組み合わせて実施しても
よい。以上を組み合わせて処理されていても構わない。
高屈折率層の無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立
方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好まし
い。二種類以上の無機微粒子を高屈折率層内で併用して
もよい。高屈折率層中の無機微粒子の割合は、5乃至6
5体積%である。無機微粒子の割合は、10乃至60体
積%であることが好ましく、20乃至55体積%である
ことがさらに好ましい。無機微粒子は、分散物の状態で
高屈折率層の形成に使用する。高屈折率層の無機微粒子
の分散媒体は、沸点が60乃至170℃の液体を用いる
ことが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール
(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素
(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水
素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭
素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル
(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロ
フラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2
−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンおよびブタノールが特に好ましい。無機微粒子
は、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例に
は、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミ
ル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミ
ル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サン
ドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好
ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分
散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロー
ルミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0023】(高屈折率層のバインダー)高屈折率層
は、架橋しているアニオン性基を有するポリマーをバイ
ンダーとして用いる。架橋しているアニオン性基を有す
るポリマーは、アニオン性基を有するポリマーの主鎖が
架橋している構造を有する。アニオン性基は、無機微粒
子の分散状態を維持する機能を有する。架橋構造は、ポ
リマーに皮膜形成能を付与して、高屈折率層を強化する
機能を有する。ポリマーの主鎖の例には、ポリオレフィ
ン(飽和炭化水素)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリ
ウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミドおよ
びメラミン樹脂が含まれる。ポリオレフィン主鎖、ポリ
エーテル主鎖およびポリウレア主鎖が好ましく、ポリオ
レフィン主鎖およびポリエーテル主鎖がさらに好まし
く、ポリオレフィン主鎖が最も好ましい。ポリオレフィ
ン主鎖は、飽和炭化水素からなる。ポリオレフィン主鎖
は、例えば、不飽和重合性基の付加重合反応により得ら
れる。ポリエーテル主鎖は、エーテル結合(−O−)に
よって繰り返し単位が結合している。ポリエーテル主鎖
は、例えば、エポキシ基の開環重合反応により得られ
る。ポリウレア主鎖は、ウレア結合(−NH−CO−N
H−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリウ
レア主鎖は、例えば、イソシアネート基とアミノ基との
縮重合反応により得られる。ポリウレタン主鎖は、ウレ
タン結合(−NH−CO−O−)によって、繰り返し単
位が結合している。ポリウレタン主鎖は、例えば、イソ
シアネート基と、水酸基(N−メチロール基を含む)と
の縮重合反応により得られる。ポリエステル主鎖は、エ
ステル結合(−CO−O−)によって、繰り返し単位が
結合している。ポリエステル主鎖は、例えば、カルボキ
シル基(酸ハライド基を含む)と水酸基(N−メチロー
ル基を含む)との縮重合反応により得られる。ポリアミ
ン主鎖は、イミノ結合(−NH−)によって、繰り返し
単位が結合している。ポリアミン主鎖は、例えば、エチ
レンイミン基の開環重合反応により得られる。ポリアミ
ド主鎖は、アミド結合(−NH−CO−)によって、繰
り返し単位が結合している。ポリアミド主鎖は、例え
ば、イソシアネート基とカルボキシル基(酸ハライド基
を含む)との反応により得られる。メラミン樹脂主鎖
は、例えば、トリアジン基(例、メラミン)とアルデヒ
ド(例、ホルムアルデヒド)との縮重合反応により得ら
れる。なお、メラミン樹脂は、主鎖そのものが架橋構造
を有する。
【0024】アニオン性基は、ポリマーの主鎖に直接結
合させるか、あるいは連結基を介して主鎖に結合させ
る。アニオン性基は、連結基を介して側鎖として、主鎖
に結合させることが好ましい。アニオン性基の例には、
カルボン酸基(カルボキシル)、スルホン酸基(スル
ホ)およびリン酸基(ホスホノ)が含まれる。スルホン
酸基およびリン酸基が好ましい。アニオン性基は、塩の
状態であってもよい。アニオン性基と塩を形成するカチ
オンは、アルカリ金属イオンであることが好ましい。ま
た、アニオン性基のプロトンは、解離していてもよい。
アニオン性基とポリマーの主鎖とを結合する連結基は、
−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、およ
びこれらの組み合わせから選ばれる二価の基であること
が好ましい。架橋構造は、二以上の主鎖を化学的に結合
(好ましくは共有結合)する。架橋構造は、三以上の主
鎖を共有結合することが好ましい。架橋構造は、−CO
−、−O−、−S−、窒素原子、リン原子、脂肪族残
基、芳香族残基およびこれらの組み合わせから選ばれる
二価以上の基からなることが好ましい。ポリマーは、ア
ニオン性基を有する繰り返し単位と、架橋構造を有する
繰り返し単位とを有するコポリマーであることが好まし
い。コポリマー中のアニオン性基を有する繰り返し単位
の割合は、2乃至96重量%であることが好ましく、4
乃至94重量%であることがさらに好ましく、6乃至9
2重量%であることが最も好ましい。繰り返し単位は、
二以上のアニオン性基を有していてもよい。コポリマー
中の架橋構造を有する繰り返し単位の割合は、4乃至9
8重量%であることが好ましく、6乃至96重量%であ
ることがさらに好ましく、8乃至94重量%であること
が最も好ましい。
【0025】ポリマーの繰り返し単位は、アニオン性基
と架橋構造の双方を有していてもよい。ポリマーには、
その他の繰り返し単位(アニオン性基も架橋構造もない
繰り返し単位)が含まれていてもよい。その他の繰り返
し単位としては、アミノ基または四級アンモニウム基を
有する繰り返し単位およびベンゼン環を有する繰り返し
単位が好ましい。アミノ基または四級アンモニウム基
は、アニオン性基と同様に、無機微粒子の分散状態を維
持する機能を有する。ベンゼン環は、高屈折率層の屈折
率を高くする機能を有する。なお、アミノ基、四級アン
モニウム基およびベンゼン環は、アニオン性基を有する
繰り返し単位あるいは架橋構造を有する繰り返し単位に
含まれていても、同様の効果が得られる。アミノ基また
は四級アンモニウム基を有する繰り返し単位では、アミ
ノ基または四級アンモニウム基は、ポリマーの主鎖に直
接結合させるか、あるいは連結基を介して主鎖に結合さ
せる。アミノ基または四級アンモニウム基は、連結基を
介して側鎖として、主鎖に結合させることが好ましい。
アミノ基または四級アンモニウム基は、二級アミノ基、
三級アミノ基または四級アンモニウム基であることが好
ましく、三級アミノ基または四級アンモニウム基である
ことがさらに好ましい。二級アミノ基、三級アミノ基ま
たは四級アンモニウム基の窒素原子に結合する基は、ア
ルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1乃至1
2のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1
乃至6のアルキル基であることがさらに好ましい。四級
アンモニウム基の対イオンは、ハライドイオンであるこ
とが好ましい。アミノ基または四級アンモニウム基とポ
リマーの主鎖とを結合する連結基は、−CO−、−NH
−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、およびこれ
らの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ま
しい。ポリマーが、アミノ基または四級アンモニウム基
を有する繰り返し単位を含む場合、その割合は、0.0
6乃至32重量%であることが好ましく、0.08乃至
30重量%であることがさらに好ましく、0.1乃至2
8重量%であることが最も好ましい。
【0026】ベンゼン環を有する繰り返し単位では、ベ
ンゼン環は、ポリマーの主鎖に直接結合させるか、ある
いは連結基を介して主鎖に結合させる。ベンゼン環は、
連結基を介して側鎖として、主鎖に結合させることが好
ましい。ベンゼン環は、置換基(例、アルキル基、ヒド
ロキシ、ハロゲン原子)を有していてもよい。ベンゼン
環とポリマーの主鎖とを結合する連結基は、−CO−、
−O−、アルキレン基、アリーレン基、およびこれらの
組み合わせから選ばれる二価の基であることが好まし
い。ポリマーが、ベンゼン環を有する繰り返し単位を含
む場合、その割合は、2乃至98重量%であることが好
ましく、4乃至96重量%であることがさらに好まし
く、6乃至94重量%であることが最も好ましい。最も
好ましいポリオレフィン主鎖を有するポリマーについ
て、アニオン性基を有する繰り返し単位(VI)、架橋構
造を有する繰り返し単位(VII)、アニオン性基と架橋構
造の両方を有する繰り返し単位(VIII)、アミノ基または
四級アンモニウム基を有する繰り返し単位(IX)および
ベンゼン環を有する繰り返し単位(X)の例を、それぞ
れ以下の各式で示す。
【0027】
【化1】
【0028】式中、R1 は水素原子またはメチルであ
り、L1 は二価の連結基であり、そして、Anはカルボ
ン酸基、スルホン酸基またはリン酸基である。式(VI)
において、L1 は、−CO−、−O−、アルキレン基、
アリーレン基およびこれらの組み合わせから選ばれる二
価の連結基であることが好ましい。アルキレン基の炭素
原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至1
5であることがさらに好ましく、1乃至10であること
が最も好ましい。アルキレン基は環状構造を有していて
もよい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至20であ
ることが好ましく、6乃至15であることがさらに好ま
しく、6乃至10であることが最も好ましい。アルキレ
ン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、
ヒドロキシ、ハロゲン原子)を有していてもよい。L1
の例を以下に示す。左側が主鎖に結合し、右側がAnに
結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン基を
意味する。
【0029】L11:−CO−O−AL−(O−CO−A
L)m1− (m1は、正の整数) L12:−CO−O−(AL−O)m2−AR−AL−AR
−(O−AL)m3−(m2およびm3は、それぞれ正の
整数) L13:−CO−O−AL− L14:−CO−O−AL−O−CO− L15:−CO−O−AL−O−CO−AR− L16:−CO−O−AL−O−CO−AL−
【0030】式(VI)のAnのカルボン酸基、スルホン
酸基およびリン酸基は、前述した定義を有する。式(V
I)で表わされる繰り返し単位は、対応するエチレン性
不飽和モノマーの付加重合反応により得られる。対応す
るエチレン性不飽和モノマーの例には、ビス(ポリオキ
シエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸
エステル塩、2−スルホエチルメタクリレート、フタル
酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイ
マー、2−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフ
タレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジ
ェンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキ
サヒドロハイドロジェンフタレート、2−アクリロイル
オキシプロピルテトラヒドロハイドロジェンフタレー
ト、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサク
シネート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジ
ェンフアレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイ
ドロジェンサクシネート、モノ(2−アクリロイルオキ
シエチル)アシッドホスフェートおよびモノ(2−メタ
クリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートが含ま
れる。これらのアニオン性基を有するエチレン性不飽和
モノマーは、市販品を利用することもできる。
【0031】
【化2】
【0032】式中、R2 は水素原子またはメチルであ
り、nは2以上の整数であり、そして、L2 はn価の炭
化水素残基である。式(VII)において、nは2乃至20
であることが好ましく、2乃至10であることがさらに
好ましく、3乃至6であることが最も好ましい。式(VI
I)において、L2 は脂肪族残基であることが好ましく、
飽和脂肪族残基であることがさらに好ましい。脂肪族残
基中にエーテル結合(−O−)が含まれていてもよい。
脂肪族残基は、分岐を有していてもよい。L2 の炭素原
子数は、1乃至20であることが好ましく、2乃至15
であることがさらに好ましく、3乃至10であることが
最も好ましい。式(VII)で表わされる繰り返し単位は、
対応するエチレン性不飽和モノマーの付加重合反応によ
り得られる。さらに、対応するエチレン性不飽和モノマ
ーは、L2 (−OH)n に相当する多価アルコールまた
は多価フェノール(好ましくは多価アルコール)とアク
リル酸またはメタクリル酸とのエステルである。対応す
るモノマーの例には、ネオペンチルグリコールアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレートなどのアルキレングリコ
ール、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロ
ピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビス
{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパ
ン、ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェ
ニル}プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリ
レート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリス
リトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリ
スリトールトリアクリレートおよびトリペンタエリスリ
トールヘキサトリアクリレートが含まれる。これらの多
価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエス
テルも、市販品を利用することができる。
【0033】
【化3】
【0034】式中、R31、R32、R33およびR34は、そ
れぞれ、水素原子またはメチルであり、そして、L31
よびL32は、それぞれ、二価の連結基である。式(VIII-
a)および(VIII-b)において、L31およびL32は、そ
れぞれ、−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン
基およびこれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基
であることが好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、
1乃至20であることが好ましく、1乃至15であるこ
とがさらに好ましく、1乃至10であることが最も好ま
しい。アルキレン基は環状構造を有していてもよい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至20であることが好
ましく、6乃至15であることがさらに好ましく、6乃
至10であることが最も好ましい。アルキレン基および
アリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ヒドロキ
シ、ハロゲン原子)を有していてもよい。L31およびL
32の例は、前述したL1 の例(L11〜L16)と同様であ
る。式(VIII-a)および(VIII-b)で表わされる繰り返
し単位も、対応するエチレン性不飽和モノマーの付加重
合反応により得られる。式(VIII-a)に対応するエチレ
ン性不飽和モノマーの例には、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートの6−ヘキサノリド付加物重合体と無水リ
ン酸との反応生成物、ビス(メタクリルオキシエチル)
フォスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッ
ドホスフェートおよび2−メタクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェートが含まれる。式(VIII-b)に対応
するエチレン性不飽和モノマーの例には、β−アクリロ
イルオキシエチルハイドロジェンフマレートおよびβ−
アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエートが
含まれる。エチレン性不飽和モノマーも、市販品を利用
することもできる。
【0035】
【化4】
【0036】式中、R41、R42およびR43は、それぞ
れ、水素原子またはメチルであり、L4 、L4aおよびL
4bは、それぞれ、二価の連結基であり、そして、Am
は、アミノ基または四級アンモニウム基である。式(IX
−a)および(IX−b)において、L4 、L4aおよびL
4bは、それぞれ、−CO−、−NH−、−O−、アルキ
レン基、アリーレン基およびこれらの組み合わせから選
ばれる二価の連結基であることが好ましい。アルキレン
基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至10で
あることが最も好ましい。アルキレン基は環状構造を有
していてもよい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至
20であることが好ましく、6乃至15であることがさ
らに好ましく、6乃至10であることが最も好ましい。
アルキレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アル
キル基、ヒドロキシ、ハロゲン原子)を有していてもよ
い。L4 、L4aおよびL4bの例を以下に示す。左側が主
鎖に結合し、右側がAmに結合する。ALはアルキレン
基を意味する。
【0037】L41:−CO−O−AL− L42:−CO−NH−AL− L43:−AL−
【0038】式(IX−a)および(IX−b)のAmのア
ミノ基および四級アンモニウム基は、前述した定義を有
する。式(IX−a)および(IX−b)で表わされる繰り
返し単位は、対応するエチレン性不飽和モノマーの付加
重合反応により得られる。式(IX−a)に対応するエチ
レン性不飽和モノマーの例には、ジメチルアミノエチル
アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタクリル酸エチルトリメチルアン
モニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミドおよびメタクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドが含まれる。式(IX−b)に対応
するエチレン性不飽和モノマーの例には、ジアリルジメ
チルアンモニウムクロライドが含まれる。アミノ基また
は四級アンモニウム基エチレン性不飽和モノマーも、市
販品を利用することもできる。
【0039】
【化5】
【0040】式中、R51は水素原子またはメチルであ
り、R52は水素原子、カルボキシル、炭素原子数が1乃
至6のアルキル基またはハロゲン原子であり、そして、
5 は単結合または二価の連結基である。式(X)のR
52がカルボキシルの場合、R52はベンゼン環のオルト位
に結合することが好ましい。式(X)において、L5
は、−CO−、−O−、アルキレン基の組み合わせから
選ばれる二価の連結基であることが好ましい。アルキレ
ン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好まし
く、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至1
0であることが最も好ましい。アルキレン基は環状構造
を有していてもよい。アルキレン基は、置換基(例、ア
ルキル基、ヒドロキシ、ハロゲン原子)を有していても
よい。L5 の例を以下に示す。左側が主鎖に結合し、右
側がベンゼン環に結合する。ALはアルキレン基を意味
する。
【0041】 L50:単結合 L51:−CO−O−(AL−O)m4− (m4は正の整数) L52:−CO−O−AL−
【0042】式(X)で表わされる繰り返し単位は、対
応するエチレン性不飽和モノマーの付加重合反応により
得られる。対応するエチレン性不飽和モノマーの例に
は、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエ
チレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオ
キシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸および2−
アクリロイルオキシエチルフタル酸が含まれる。ベンゼ
ン環を有するエチレン性不飽和モノマーも、市販品を利
用することができる。エポキシ基から誘導されるポリエ
ーテル主鎖を有するポリマーの場合は、以上の各式の繰
り返し単位のエチレン基(−CH2 −)の左側に酸素原
子(−O−)を結合させた構造の繰り返し単位を用いれ
ばよい。架橋しているアニオン性基を有するポリマー
は、高屈折率層の塗布液(前述した無機微粒子の分散
液)にモノマーとして添加し、層の塗布と同時または塗
布後に、重合反応によって形成することが好ましい。ア
ニオン性基を有するモノマーは、塗布液中で無機微粒子
の分散剤として機能する。アニオン性基を有するモノマ
ーの無機微粒子に対する使用量は、1乃至50重量%の
範囲であることが好ましく、5乃至40重量%の範囲で
あることが好ましく、10乃至30重量%であることが
最も好ましい。また、アミノ基または四級アンモニウム
基を有するモノマーは、塗布液中で分散助剤として機能
する。アミノ基または四級アンモニウム基を有するモノ
マーのアニオン性基を有するモノマーに対する使用量
は、3乃至33重量%であることが好ましい。層の塗布
と同時または塗布後に、重合反応によってポリマーを形
成すれば、層の塗布前にこれらのモノマーを有効に機能
させることができる。
【0043】ポリマーの重合反応は、光重合反応または
熱重合反応を用いることができる。光重合反応が好まし
い。重合反応のため、重合開始剤を使用することが好ま
しい。重合開始剤には、アセトフェノン類、ベンゾイン
類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケター
ル類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合
物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、
ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香
族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセ
トフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェ
ノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。
ベンゾイン類には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエー
テルが含まれる。ベンゾフェノン類には、ベンゾフェノ
ン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロ
ロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含
まれる。ホスフィンオキシド類には、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含
まれる。
【0044】市販の重合開始剤を使用してもよい。重合
開始剤に加えて、重合促進剤を使用してもよい。重合開
始剤と重合促進剤の添加量は、モノマーの全量の0.2
乃至10重量%の範囲であることが好ましい。光重合反
応によりポリマーを形成する場合、光源として低圧水銀
ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ケミカル
ランプあるいはメタルハライドランプを用いることがで
きる。照射効率が良好な高圧水銀ランプの使用が、最も
好ましい。塗布液(モノマーを含む無機微粒子の分散
液)を加熱して、モノマー(またはオリゴマー)の重合
を促進してもよい。また、塗布後の光重合反応の後に加
熱して、形成されたポリマーの熱硬化反応を追加処理し
てもよい。アニオン性基を有するポリマーは、架橋して
いるため分子量の規定は困難である。高屈折率層中の架
橋しているアニオン性基を有するポリマーの割合は、3
5乃至95体積%である。架橋しているアニオン性基を
有するポリマーの割合は、40乃至90体積%であるこ
とが好ましく、45乃至80体積%であることがさらに
好ましい。高屈折率層またはその塗布液には、前述した
成分(無機微粒子、ポリマー、分散媒体、重合開始剤、
重合促進剤)以外に、重合禁止剤、レベリング剤、増粘
剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング
剤、帯電防止剤や接着付与剤を添加してもよい。レベリ
ング剤の例には、フッ素化アルキルエステル(例えば、
住友3M(株)のFC−430、FC−431)および
ポリシロキサン(例えば、General Electric(株)のS
F1023、SF1054、SF1079、Dow Cornin
g(株)のDC190、DC200、DC510、DC1
248、BYK Chemie(株)のBYK300、BYK31
0、BYK320、BYK322、BYK330、BY
K370)が含まれる。
【0045】(低屈折率層)図3は、好ましい低屈折率
層の断面模式図である。図3の低屈折率層の上側が反射
防止膜の表面であり、下側に画像表示装置またはレンズ
がある。図3に示すように、低屈折率層(1)は多孔質
層であることが好ましい。多孔質低屈折率層(1)内で
は、平均粒径が0.5乃至200nmの無機微粒子(1
1)が少なくとも2個以上(図1では3個)積み重なっ
ている。そして、無機微粒子(11)の間に、ミクロボ
イド(12)が形成されている。低屈折率層(1)は、
さらにポリマー(13)を5乃至50重量%の量で含
む。ポリマー(13)は、無機微粒子(11)を接着し
ているが、ミクロボイド(12)を充填していない。図
1に示すように、ミクロボイド(12)は、ポリマー
(13)と無機微粒子(11)により閉じている(開口
ではない)ことが好ましい。低屈折率層の屈折率は、
1.20乃至1.55である。屈折率は、1.30乃至
1.55であることが好ましく、1.30乃至1.50
であることがさらに好ましく、1.35乃至1.45で
あることが最も好ましい。低屈折率層の厚さは、50乃
至400nmであることが好ましく、50乃至200n
mであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズ
は、3%以下であることが好ましく、2%以下であるこ
とがさらに好ましく、1%以下であることが最も好まし
い。本発明に従い改良された低屈折率層は、強度が優れ
ている。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛
筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上である
ことがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ま
しい。
【0046】(低屈折率層の無機微粒子)低屈折率層の
無機微粒子の平均粒径は、0.5乃至200nmである
ことが好ましい。粒子径が増大すると前方散乱が増加
し、200nmを越えると散乱光に色付きが生じる。平
均粒径は、1乃至100nmであることがより好まし
く、3乃至70nmであることがさらに好ましく、5乃
至40nmの範囲であることが最も好ましい。無機微粒
子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ま
しい。低屈折率層の無機微粒子は、金属の酸化物、窒化
物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好まし
く、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることが
さらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からな
ることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、
Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、S
n、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、T
a、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、
PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSi
がさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用
いてもよい。特に好ましいい無機化合物は、アルカリ金
属フッ化物(例、NaF、KF)、アルカリ土類金属フ
ッ化物(例、CaF2 、MgF2 )および二酸化ケイ素
(SiO2 )である。
【0047】低屈折率層の無機微粒子は、非晶質である
ことが好ましい。無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭
53−112732号、特公昭57−9051号の各公
報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁
(1988)記載)により、分散物として直接合成すること
ができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械
的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の無機微
粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。無
機微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分
散した状態で使用することが好ましい。分散媒として
は、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール)およびケトン(例、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。無機
微粒子の量は、低屈折率層全量の50乃至95重量%で
ある。無機微粒子の量は、50乃至90重量%であるこ
とが好ましく、60乃至90重量%であることがさらに
好ましく、70乃至90重量%であることが最も好まし
い。
【0048】(低屈折率層のミクロボイド)低屈折率層
では、無機微粒子を少なくとも2個以上積み重ねること
により微粒子間にミクロボイドが形成することが好まし
い。低屈折率層の空隙率は、3乃至50体積%であるこ
とが好ましく、5乃至35体積%であることがさらに好
ましい。なお、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微
粒子を最密充填すると、微粒子間に26体積%の空隙率
のボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純
立方充填すると、微粒子間に48体積%の空隙率のボイ
ドが形成される。実際の低屈折率層では、微粒子の粒径
にある程度の分布が存在するため、空隙率は上記よりも
低めの値となる。空隙率(ミクロボイドの大きさ)を増
加させると、低屈折率層の屈折率が低下する。本発明で
は、無機微粒子を積み重ねてミクロボイドを形成するた
め、無機微粒子の粒径を調整することで、ミクロボイド
の大きさも適度の(光を散乱せず、低屈折率層の強度に
問題が生じない)値に容易に調節できる。さらに、無機
微粒子の粒径を均一にすることで、ミクロボイドの大き
さも均一である光学的に均一な低屈折率層を得ることが
できる。これにより、低屈折率層は微視的にはミクロボ
イド含有多孔質膜であるが、光学的あるいは巨視的には
均一な膜にすることができる。ミクロボイドを形成する
ことにより、低屈折率層の巨視的屈折率は、低屈折率層
を構成する微粒子とポリマーとの総屈折率和よりも低い
値になる。層の屈折率は、層の構成要素の体積当りの屈
折率の和になる。微粒子とポリマーの屈折率は1よりも
大きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00で
ある。そのため、ミクロボイドを形成することによっ
て、屈折率が非常に低い低屈折率層を得ることができ
る。ミクロボイドは、無機微粒子およびポリマーによっ
て低屈折率層内で閉じていることが好ましい。閉じてい
る空隙は、低屈折率層表面に開かれた開口と比較して、
低屈折率層表面での光の散乱が少ないとの利点がある。
【0049】(低屈折率層のポリマー)低屈折率層は、
5乃至50重量%の量のポリマーを含むことが好まし
い。ポリマーは、無機微粒子を接着し、ミクロボイドを
含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマ
ーの使用量は、ミクロボイドを充填することなく低屈折
率層の強度を維持できるように調整する。ポリマーの量
は、低屈折率層の全量の10乃至30重量%であること
が好ましい。ポリマーで無機微粒子を接着するために
は、(1)無機微粒子の表面処理剤にポリマーを結合さ
せるか、(2)無機微粒子をコアとして、その周囲にポ
リマーシェルを形成するか、あるいは(3)無機微粒子
間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ま
しい。(1)の表面処理剤に結合させるポリマーは、
(2)のシェルポリマーまたは(3)のバインダーポリ
マーであることが好ましい。(2)のポリマーは、低屈
折率層の塗布液の調製前に、無機微粒子の周囲に重合反
応により形成することが好ましい。(3)のポリマー
は、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率
層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成す
ることが好ましい。(1)〜(3)を二種類または三種
類組み合わせて、実施することが好ましく、(1)と
(3)の二種類の組み合わせ、または(1)〜(3)の
三種類の組み合わせで実施することが特に好ましい。
(1)表面処理、(2)シェルおよび(3)バインダー
について、順次説明する。
【0050】(1)表面処理 無機微粒子には、表面処理を実施して、ポリマーとの親
和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ
放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、
カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類でき
る。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学
的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。カ
ップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合
物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング
剤)が好ましく用いられる。無機微粒子が二酸化ケイ素
からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理
が特に有効に実施できる。好ましいシランカップリング
剤を、下記式(XI−a)および(XI−b)で示す。
【0051】
【化6】
【0052】式中、R61、R65およびR66は、それぞれ
独立に、炭素原子数が1乃至10のアルキル基、炭素原
子数が6乃至10のアリール基、炭素原子数が2乃至1
0のアルケニル基、炭素原子数が2乃至10のアルキニ
ル基または炭素原子数が7乃至10のアラルキル基であ
り、R62、R63、R64、R67およびR68は、それぞれ独
立に、炭素原子数が1乃至6のアルキル基または炭素原
子数が2乃至6のアシル基である。式(XI−a)および
式(XI−b)において、R61、R65およびR66は、アル
キル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基
であることが好ましく、アルキル基、アリール基または
アルケニル基であることがさらに好ましく、アルキル基
またはアルケニル基であることが最も好ましい。アルキ
ル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基および
アラルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の
例には、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基(例、アクリロイ
ルオキシ、メタクリロイルオキシ)、メルカプト、アミ
ノ、カルボキシル、シアノ、イソシアナトおよびアルケ
ニルスルホニル基(例、ビニルスルホニル)が含まれ
る。式(XI−a)および式(XI−b)において、R62
63、R64、R67およびR68は、アルキル基であること
が好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよ
い。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。シラン
カップリング剤は、分子内に二重結合を有し、その二重
結合の反応によりポリマーと結合させることが好まし
い。二重結合は、式(XI−a)と式(XI−b)のR61
65またはR66の置換基中に存在していることが好まし
い。特に好ましいシランカップッリング剤を、下記式(X
II−a)および(XII−b)で示す。
【0053】
【化7】
【0054】式中、R71およびR75は、それぞれ独立
に、水素原子またはメチルであり、R76は、炭素原子数
が1乃至10のアルキル基、炭素原子数が6乃至10の
アリール基、炭素原子数が2乃至10のアルケニル基、
炭素原子数が2乃至10のアルキニル基または炭素原子
数が7乃至10のアラルキル基であり、R72、R73、R
74、R77およびR78は、それぞれ独立に、炭素原子数が
1乃至6のアルキル基または炭素原子数が2乃至6のア
シル基であり、L71およびL72は、それぞれ独立に二価
の連結基である。式(XII−b)において、R76は、式
(XI−a)および式(XI−b)のR61、R65およびR66
と同様の定義を有する。式(XII−a)式(XII−b)にお
いて、R72、R73、R74、R77およびR78は、式(XI−
a)および式(XI−b)のR62、R63、R64、R67およ
びR68と同様の定義を有する。式(XII−a)式(XII−
b)において、L71およびL72は、アルキレン基である
ことが好ましく、炭素原子数が1乃至10のアルキレン
基であることがさらに好ましく、炭素原子数が1乃至6
のアルキレン基であることが最も好ましい。式(XI−
a)で示されるシランカップリング剤の例には、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランおよびβ−シアノエチルトリエト
キシシランが含まれる。
【0055】分子内に二重結合を有するビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、
γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランお
よびγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ランが好ましく、式(XII−a)で示されるγ−アクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好
ましい。式(XI−b)で示されるシランカップリング剤
の例には、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニ
ルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシ
プロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラ
ン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
メチルビニルジメトキシシランおよびメチルビニルジエ
トキシシランが含まれる。分子内に二重結合を有するγ
−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシランお
よびメチルビニルジエトキシシランが好ましく、式(XII
−b)で示されるγ−アクリロイルオキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシランおよびγ−メタクリロイ
ルオキシプロピルメチルジエトキシシランが特に好まし
い。
【0056】二種類以上のカップリング剤を併用しても
よい。式(XI−a)および式(XI−b)で示されるシラ
ンカップリング剤に加えて、他のシランカップリングを
用いてもよい。他のシランカップリング剤には、オルト
ケイ酸のアルキルエステル(例、オルトケイ酸メチル、
オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オル
トケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オル
トケイ酸sec-ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)および
その加水分解物が含まれる。カップリング剤による表面
処理は、無機微粒子の分散物に、カップリング剤を加
え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間
分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応
を促進するため、無機酸(例、硫酸、塩酸、硝酸、クロ
ム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭
酸)、有機酸(例、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンス
ルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこ
れらの塩(例、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に
添加してもよい。
【0057】(2)シェル シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖とし
て有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を
主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子
を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル
酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好まし
く、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリ
メタクリル酸とのエステルが最も好ましい。シェルポリ
マーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増
加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるた
め、シェルポリマーは35乃至80重量%のフッ素原子
を含むことが好ましく、45乃至75重量%のフッ素原
子を含むことがさらに好ましい。フッ素原子を含むポリ
マーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの
重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を
含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレ
フィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライ
ド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換ア
ルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル
が含まれる。フッ素原子を含むポリマーは、下記式(XII
I)で示すフッ素を含む繰り返し単位を有することが特に
好ましい。
【0058】
【化8】
【0059】式中、R81は、水素原子、フッ素原子また
はメチルであり、pは0または正の整数であり、nは正
の整数である。シェルを形成するポリマーは、フッ素原
子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し
単位からなるコポリマーであってもよい。フッ素原子を
含まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレ
ン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好まし
い。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの
例には、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソ
プレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エ
ステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル
(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレー
ト)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビ
ニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、
ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブ
チルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが含ま
れる。
【0060】後述する(3)のバインダーポリマーを併
用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入し
て、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋によ
り化学的に結合させてもよい。シェルポリマーは、結晶
性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温
度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、
低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。ただ
し、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微
粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されな
い(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合
は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バ
インダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成
することが望ましい。無機微粒子の周囲にポリマーシェ
ルを形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェ
ル微粒子中に無機微粒子からなるコアが5乃至90体積
%含まれていることが好ましく、15乃至80体積%含
まれていることがさらに好ましい。ポリマーシェルは、
ラジカル重合法により形成することが好ましい。ラジカ
ル重合法については、大津隆行・木下雅悦共著、高分子
合成の実験法、化学同人(1972)および大津隆行、講座重
合反応論1ラジカル重合(I)、化学同人(1971)に記載
がある。ラジカル重合法は、具体的には、乳化重合法ま
たは分散重合により実施することが好ましい。乳化重合
については、室井宗一、高分子ラテックスの化学、高分
子刊行会(1970)に記載がある。分散重合法については、
Barrett, Keih E.J.、Dispersion Polymerization in O
rganic Media、JOHN WILLEY & SONS(1975)に記載があ
る。
【0061】乳化重合法に使用する重合開始剤の例に
は、無機過酸化物(例、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム)、アゾニトリル化合物(例、アゾビスシアノ吉
草酸ナトリウム)、アゾアミジン化合物(例、2,2’
−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩)、
環状アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス〔2
−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン塩酸塩)、アゾアミド化合物(例、2,2’−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド)が
含まれる。無機過酸化物が好ましく、過硫酸カリウムお
よび過硫酸アンモニウムが特に好ましい。分散重合法に
使用する重合開始剤の例には、アゾ化合物(例、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ
メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)および有
機過酸化物(例、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート)が含まれ
る。分散重合法では、表面処理された無機微粒子にポリ
マー分散剤を加え、モノマーと重合開始剤を溶解し、生
成するポリマーは不溶である重合媒体中で重合反応を実
施することが好ましい。重合媒体の例には、水、アルコ
ール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ブ
タノール、t−ブタノール、ペンタノール、ネオペンタ
ノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロ
パノール)、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチルが含まれる。水、メタノ
ール、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。
二種類以上の重合媒体を併用してもよい。
【0062】乳化重合法または分散重合法において、連
鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の例には、ハロ
ゲン化炭化水素(例、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化
酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼ
ン、二臭化エタン、二塩化エタン)、炭化水素(例、ベ
ンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン)、チ
オエーテル(例、ジアゾチオエーテル)、メルカプタン
(例、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシル
メルカプタン、チオグリセロール),ジスルフィド
(例、ジイソプロピルザントゲンジスルフィド)、チオ
グリコール酸およびその誘導体(例、チオグリコール
酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコ
ール酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、トリ
メチロールプロパントリス(チオグリコレート))が含
まれる。二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよ
い。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子と
を併用してもよい。
【0063】(3)バインダー バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテ
ルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、
飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが
さらに好ましい。バインダーポリマーは架橋しているこ
とが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマ
ーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得る
ことが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得
るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽
和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレー
ト、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリ
アクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体
(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸
−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニル
シクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルス
ルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリル
アミド)およびメタクリルアミドが含まれる。ポリエー
テルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化
合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0064】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ
基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロー
ル基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン
酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、
エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架
橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブ
ロックイソシアナート基のように、分解反応の結果とし
て架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明に
おいて架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分
解した結果反応性を示すものであってもよい。前記
(2)のシェルポリマーと併用する場合、バインダーポ
リマーのガラス転移温度(Tg)は、シェルポリマーの
Tgよりも低いことが好ましい。バインダーポリマーの
TgとシェルポリマーのTgとの温度差は、5℃以上で
あることが好ましく、20℃以上であることがさらに好
ましい。バインダーポリマーは、低屈折率層の塗布液に
モノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布
後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成
することが好ましい。重合開始剤については、前述した
シェルポリマーの合成に用いる重合開始剤と同様であ
る。低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例、ポリ
ビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセ
ルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロー
ス、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0065】(透明支持体)反射防止膜をCRT画像表
示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜
は透明支持体を有することが好ましい。透明支持体とし
ては、ガラス板よりもプラスチックフイルムの方が好ま
しい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロー
スエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチル
セルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロ
ース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロ
ース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエ
タン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテ
レフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチッ
クポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエー
テルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエー
テルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ
エチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の光透過
率は、80%以上であることが好ましく、86%以上で
あることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、
2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であ
ることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.
4乃至1.7であることが好ましい。透明支持体には、
赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。
赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01乃至2
0重量%であることが好ましく、0.05乃至10重量
%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性
無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機
化合物の例には、SiO2 、TiO2 、BaSO4 、C
aCO3 、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持
体に、表面処理を実施してもよい。表面処理の例には、
薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫
外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラ
ズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処
理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロ
ナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理
と紫外線処理処理がさらに好ましい。
【0066】[中屈折率層]図1の(b)に示すよう
に、高屈折率層と透明支持体との間に中屈折率層を設け
てもよい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率
と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整す
る、中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.85であ
ることが好ましい。中屈折率層は、比較的屈折率が高い
ポリマーを用いて形成することが好ましい。屈折率が高
いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合
体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イ
ソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレ
タンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂
環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原
子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二
重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの
重合反応によりポリマーを形成してもよい。屈折率の高
い無機微粒子を上記ポリマー中に分散してもよい。屈折
率の高い無機微粒子を用いる場合は、比較的屈折率の低
いポリマー、例えば、ビニル系ポリマー(アクリル系ポ
リマーを含む)、ポリエステル系ポリマー(アルキド系
ポリマーを含む)、セルロース系ポリマーやウレタン系
ポリマーでも、無機微粒子を安定に分散するために用い
ることができる。有機置換されたケイ素化合物を、中屈
折率層に添加してもよい。ケイ素化合物としては、低屈
折率層の無機微粒子の表面処理に使用するシランカップ
リング剤またはその加水分解物が好ましく用いられる。
【0067】無機微粒子としては、金属(例、アルミニ
ウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン)の酸化
物が好ましい。無機微粒子の粉末またはコロイド状分散
物を上記のポリマーまたは有機ケイ素化合物中と混合し
て、使用する。無機微粒子の平均粒径は、10乃至20
0nmであることが好ましい。被膜形成能を有する有機
金属化合物から、中屈折率層を形成してもよい。有機金
属化合物は、適当な媒体に分散できるか、液状であるこ
とが好ましい。有機金属化合物の例には、金属アルコレ
ート(例、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i
−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チ
タンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec-ブト
キシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウ
ムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシ
ド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエト
キシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテト
ラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシ
ド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニ
ウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−se
c-ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシ
ド)、キレート化合物(例、ジ−イソプロポキシチタニ
ウムビスアセチルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウ
ムビスアセチルアセトネート、ジ−エトキシチタニウム
ビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセトンジル
コニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミ
ニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセ
トアセテート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノ
エチルアセトアセテート)、有機酸塩(例、炭酸ジルコ
ニールアンモニウム)およびジルコニウムを主成分とす
る活性無機ポリマーが含まれる。アルキルシリケート
類、その加水分解物および微粒子状シリカ、特にコロイ
ド状に分散したシリカゲルを中屈折率層に添加してもよ
い。中屈折率層は、高屈折率層に使用する無機微粒子と
ポリマーを用い、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節
して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズ
は、3%以下であることが好ましい。
【0068】(その他の層)反射防止膜には、さらに、
ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護
層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐
傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明
支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。
ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポ
リマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシ
リカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハ
ードコート層に添加してもよい。アクリル系ポリマー
は、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成
することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メ
ラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーと
しては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、
アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポ
キシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との
共加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリ
マーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物とし
ては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハード
コート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上で
ある好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、
3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上に
は、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑
り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁
波や赤外線を遮蔽するために設けられる。低屈折率層の
上に、保護層を設けてもよい。保護層は、滑り層または
汚れ防止層として機能する。
【0069】滑り層に用いる滑り剤の例には、ポリオル
ガノシロキサン(例、ポリジメチルシロキサン、ポリジ
エチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメ
チルフェニルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシ
ロキサン)、天然ワックス(例、カルナウバワックス、
キャンデリラワックス、ホホバ油、ライスワックス、木
ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワック
ス)、石油ワックス(例、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス)、合成ワックス(例、ポリエ
チレンワックス、フィッシャー・トロプシュワック
ス)、高級脂肪酸アミド(例、ステアラミド、オレイン
アミド、N,N’−メチレンビスステアラミド)、高級
脂肪酸エステル(例、ステアリン酸メチル、ステアリン
酸ブチル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモ
ノオレエート)、高級脂肪酸金属塩(例、ステアリン酸
亜鉛)およびフッ素含有ポリマー(パーフルオロ主鎖型
パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフ
ルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリ
エーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテ
ル)が含まれる。汚れ防止層には、含フッ素疎水性化合
物(例、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤、含フ
ッ素オイル)を添加する。保護層の厚さは、反射防止機
能に影響しないようにするため、20nm以下であるこ
とが好ましい。保護層の厚さは、2乃至20nmである
ことが好ましく、3乃至20nmであることがさらに好
ましく、5乃至10nmであることが最も好ましい。
【0070】(反射防止膜)反射防止膜の各層は、ディ
ップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2
681294号明細書記載)により、塗布により形成す
ることができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同
時塗布の方法については、米国特許2761791号、
同2941898号、同3508947号、同3526
528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工
学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。反射防止
膜の反射率は低いほど好ましい。具体的には450乃至
650nmの波長領域での平均反射率が2%以下である
ことが好ましく、1%以下であることがさらに好まし
く、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止
膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、
3%以下であることが好ましく、1%以下であることが
さらに好ましく、0.5%以下であることが最も好まし
い。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H
以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ま
しく、3H以上であることが最も好ましい。反射防止膜
は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していても
よい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を
形成することにより得られる。図3に示すような微粒子
を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防止膜の
表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られるアンチ
グレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高屈折率
層、中屈折率層あるいはハードコート層に比較的大きな
粒子(粒径:50nm乃至2μm)を少量(0.1乃至
50重量%)添加してもよい。反射防止膜がアンチグレ
ア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3乃至3
0%であることが好ましく、5乃至20%であることが
さらに好ましく、7乃至20%であることが最も好まし
い。反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ
ディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセ
ンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CR
T)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜は、
高屈折率層が画像表示装置の画像表示面側になるように
配置する。反射防止膜が透明支持体を有する場合は、透
明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。反
射防止膜は、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼
鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘル
メットシールドにも利用できる。
【0071】
【実施例】[実施例1] (二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタン(一次粒子
重量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30重量
部、下記のアニオン性モノマー(1)3重量部、下記の
アニオン性モノマー(2)3重量部およびメチルエチル
ケトン64重量部を、サンドグラインダーミルにより分
散し、二酸化チタン分散物を調製した。
【0072】
【化9】
【0073】
【化10】
【0074】得られた分散物中の二酸化チタンの重量平
均径をコールターカウンターで評価した。結果は第1表
に示す。
【0075】(高屈折率層用塗布液の調製)二酸化チタ
ン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イ
ルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カ
ヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)およびメチル
エチルケトンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折
率が1.75となるように調節した。具体的には、モノ
マーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、アニオン性モノマー(1)およびアニオン性モノ
マー(2)の合計量)と二酸化チタンとの体積比が7
9.0/21.0、光重合開始剤と光増感剤との重量比
が3/1、そして、光重合開始剤と光増感剤の合計量と
モノマーの合計量との重量比が6/100になるように
調節した。
【0076】(高屈折率層の形成)厚さ90μmのポリ
エチレンテレフタレートフイルムにハードコート層を設
けた。ハードコート層の上に、高屈折率層用塗布液をバ
ーコーターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させ
た。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が60nmの高
屈折率層を形成した。
【0077】(低屈折率層の形成)ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)6g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガ
イギー社製)0.5g、光増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)0.2gおよび酢酸エチル20
gを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gを用
いて水100gに乳化分散した。乳化物液とメチルメタ
クリレート(80重量部)−ジビニルベンゼン(25重
量部)コポリマーからなる微粒子(平均粒径:52n
m)100gとを混合、攪拌して、低屈折率層の塗布液
を調製した。塗布液を高屈折率層の上にワイヤーバーを
用いて厚さ100nmに塗布し、これを乾燥後、100
℃に加熱して12W/cmの高圧水銀灯を用いて1分間
紫外線照射し架橋させた。その後室温まで放冷して低屈
折率層(屈折率:1.55)を形成した。このようにし
て、反射防止膜を作成した。反射防止膜の平均反射率
(400乃至700nmの波長領域)を、反射率計(V
−550、ARV−474(日本分光(株)製)で測定
した。また、反射防止膜のヘイズをヘイズメーター(N
DH−1001DP、日本電色工業(株)製)で測定し
た。さらに、反射防止膜の強度を鉛筆硬度計(1kg荷
重)で評価した。結果は第1表に示す。
【0078】[比較例1]実施例1のハードコート層の
上に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA、日本化薬(株)製)を、均一に塗布し、紫外線
を照射し硬化させ、乾燥膜厚が60nmの層(屈折率:
1.53)を形成した。その上に、実施例1と同様にし
て、低屈折率層を形成し、反射防止膜を作成して評価し
た。結果は第1表に示す。
【0079】[比較例2]二酸化チタン(一次粒子重量
平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30重量部、
リン酸系界面活性剤(ホスファノールRD-720、東邦化学
工業(株)製)6重量部およびメチルエチルケトン64
重量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、二酸
化チタン分散物を調製した。二酸化チタン分散物に、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、
日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキュア90
7、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュアーDE
TX、日本化薬(株)製)およびメチルエチルケトンを
添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.75と
なるように調節した。具体的には、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートと上記リン酸系界面活性剤の合
計量と二酸化チタンとの体積比が79.0/21.0、
光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/1、そして、
光重合開始剤と光増感剤の合計量とジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートと上記リン酸系界面活性剤の合
計量との重量比が6/100になるように調節した。得
られた高屈折率層用塗布液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、反射防止膜を作成して評価した。結果は第
1表に示す。
【0080】[実施例2]実施例1と同様に、高屈折率
層を形成した。高屈折率層の上に、微細空孔(ミクロボ
イド)を有するシリコン系化合物からなる厚さ100n
mの低屈折率層(屈折率1.40)を形成した。低屈折
率層に含まれる微細空孔の体積分率は、6体積%であっ
た。得られた反射防止膜を実施例1と同様に評価した。
結果は第1表に示す。
【0081】[実施例3]実施例1と同様に、高屈折率
層を形成した。高屈折率層の上に、ヘキサフルオロイソ
プロピルメタクリレート(75重量部)−1,4−ジビ
ニルベンゼン(20重量部)−2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート(3重量部)−メタクリル酸(2重量部)
コポリマーの微粒子(重量平均径:30nm)およびジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(バインダ
ー)を含む低屈折率層用塗布液(微粒子/バインダー
(重量比)=84/16)(重量比)を塗布、乾燥し
て、厚さ100nmの低屈折率層(屈折率:1.40)
を形成した。低屈折率層の微細空孔(ミクロボイド)の
体積分率は、11体積%であった。得られた反射防止膜
を実施例1と同様に評価した。結果は第1表に示す。
【0082】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 番号 高屈折率層ポリマー 平均粒径 低屈折率 ヘイズ 強度 反射率 ──────────────────────────────────── 実1 アニオン性架橋 65nm 1.55 0.3% 3H 2.3% 比1 架橋のみ 粒子なし 1.55 0.2% 3H 5.2% 比2 架橋+界面活性剤 67nm 1.55 0.3% B 2.3% 実2 アニオン性架橋 65nm 1.40 0.1% 3H 0.8% 実3 アニオン性架橋 65nm 1.40 0.1% 3H 0.8% ──────────────────────────────────── (註) 低屈折率:低屈折率層の屈折率
【0083】[実施例4] (中屈折率層用塗布液の調製)実施例1で調製した二酸
化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始
剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)および
メチルエチルケトンを添加した。添加量は、中屈折率層
の屈折率が1.72となるように調節した。具体的に
は、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、アニオン性モノマー(1)およびアニオ
ン性モノマー(2)の合計量)と二酸化チタンとの体積
比が81.5/18.5、光重合開始剤と光増感剤との
重量比が3/1、そして、光重合開始剤と光増感剤の合
計量とモノマーの合計量との重量比が6/100になる
ように調節した。
【0084】(中屈折率層の形成)厚さ90μmのトリ
アセチルセルロースフイルムにハードコート層を設け
た。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバー
コーターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が75nmの中屈折
率層を形成した。
【0085】(高屈折率層用塗布液の調製)実施例1で
調製した二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)およびメチルエチルケトンを添加した。添加
量は、高屈折率層の屈折率が2.20となるように調節
した。具体的には、モノマーの合計量(ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー
(1)およびアニオン性モノマー(2)の合計量)と二
酸化チタンとの体積比が49.0/51.0、光重合開
始剤と光増感剤との重量比が3/1、そして、光重合開
始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量との重量比
が6/100になるように調節した。
【0086】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで塗布し、紫外
線を照射して層を硬化させた。このようにして、厚さ
(乾燥膜厚)が80nmの高屈折率層を形成した。
【0087】(低屈折率層の形成)実施例1と同様に、
高屈折率層の上に厚さ80nmの低屈折率層を設け、反
射防止膜を作成した。作成した反射防止膜の平均反射
率、ヘイズおよび皮膜強度を実施例1と同様に評価し
た。結果は第2表に示す。
【0088】[比較例3] (中屈折率層用塗布液の調製)比較例2で調製した二酸
化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始
剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)および
メチルエチルケトンを添加した。添加量は、中屈折率層
の屈折率が1.72となるように調節した。具体的に
は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと上記
リン酸系界面活性剤の合計量と二酸化チタンとの体積比
が81.5/18.5、光重合開始剤と光増感剤との重
量比が3/1、そして、光重合開始剤と光増感剤の合計
量とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと上記
リン酸系界面活性剤の合計量との重量比が6/100に
なるように調節した。
【0089】(中屈折率層の形成)厚さ90μmのトリ
アセチルセルロースフイルムにハードコート層を設け
た。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバー
コーターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が75nmの中屈折
率層を形成した。
【0090】(高屈折率層用塗布液の調製)比較例2で
調製した二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)およびメチルエチルケトンを添加した。添加
量は、高屈折率層の屈折率が2.20となるように調節
した。具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートと上記リン酸系界面活性剤の合計量と二酸化チ
タンとの体積比が49.0/51.0、光重合開始剤と
光増感剤との重量比が3/1、そして、光重合開始剤と
光増感剤の合計量とジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートと上記リン酸系界面活性剤の合計量との重量比
が6/100になるように調節した。
【0091】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで塗布し、紫外
線を照射して層を硬化させた。このようにして、厚さ
(乾燥膜厚)が115nmの高屈折率層を形成した。
【0092】(低屈折率層の形成)実施例1と同様に、
高屈折率層の上に厚さ80nmの低屈折率層を設け、反
射防止膜を作成した。作成した反射防止膜の平均反射
率、ヘイズおよび皮膜強度を実施例1と同様に評価し
た。結果は第2表に示す。
【0093】[実施例5] (酸化錫分散物の調製)酸化錫(一次粒子重量平均粒
径:10nm、屈折率:2.00)30重量部、実施例
1で用いたアニオン性モノマー(1)3重量部、実施例
1で用いたアニオン性モノマー(2)3重量部およびメ
チルエチルケトン64重量部を、サンドグラインダーミ
ルにより分散し、酸化錫分散物を調製した。
【0094】(中屈折率層用塗布液の調製)酸化錫分散
物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキ
ュア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュ
アーDETX、日本化薬(株)製)およびメチルエチル
ケトンを添加した。添加量は、中屈折率層の屈折率が
1.72となるように調節した。具体的には、モノマー
の合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、アニオン性モノマー(1)およびアニオン性モノマ
ー(2)の合計量)と酸化錫との体積比が55.0/4
5.0、光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/1、
そして、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの
合計量との重量比が6/100になるように調節した。
【0095】(中屈折率層の形成)厚さ90μmのトリ
アセチルセルロースフイルムにハードコート層を設け
た。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバー
コーターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が75nmの中屈折
率層を形成した。
【0096】(二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタ
ン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.7
0)30重量部、実施例1で用いたアニオン性モノマー
(1)3重量部、実施例1で用いたアニオン性モノマー
(2)3重量部、下記のカチオン性モノマー1重量部お
よびメチルエチルケトン63重量部を、サンドグライン
ダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製し
た。
【0097】
【化11】
【0098】(高屈折率層用塗布液の調製)上記二酸化
チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤
(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)およびメ
チルエチルケトンを添加した。添加量は、高屈折率層の
屈折率が2.20となるように調節した。具体的には、
モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、アニオン性モノマー(1)、アニオン性モノ
マー(2)およびカチオン性モノマーの合計量)と二酸
化チタンとの体積比が49.0/51.0、光重合開始
剤と光増感剤との重量比が3/1、そして、光重合開始
剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量との重量比が
6/100になるように調節した。
【0099】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで塗布し、紫外
線を照射して層を硬化させた。このようにして、厚さ
(乾燥膜厚)が115nmの高屈折率層を形成した。
【0100】(低屈折率層の形成)実施例2と同様に、
高屈折率層の上に厚さ80nmの低屈折率層(屈折率:
1.40)を設け、反射防止膜を作成した。なお、低屈
折率層の微細空孔(ミクロボイド)の体積分率は、6体
積%であった。作成した反射防止膜の平均反射率、ヘイ
ズおよび皮膜強度を実施例1と同様に評価した。結果は
第2表に示す。
【0101】[実施例6]実施例5と同様に、中屈折率
層および高屈折率層を形成した。実施例3と同様に、高
屈折率層の上に厚さ80nmの低屈折率層(屈折率:
1.40)を設け、反射防止膜を作成した。なお、低屈
折率層の微細空孔(ミクロボイド)の体積分率は、11
体積%であった。作成した反射防止膜の平均反射率、ヘ
イズおよび皮膜強度を実施例1と同様に評価した。結果
は第2表に示す。
【0102】[実施例7] (中屈折率層用塗布液の調製)実施例1で調製した二酸
化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始
剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)および
メチルエチルケトンを添加した。添加量は、中屈折率層
の屈折率が1.72となるように調節した。具体的に
は、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、アニオン性モノマー(1)、アニオン性
モノマー(2)およびカチオン性モノマーの合計量)と
二酸化チタンとの体積比が81.5/18.5、光重合
開始剤と光増感剤との重量比が3/1、そして、光重合
開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量との重量
比が6/100になるように調節した。
【0103】(中屈折率層の形成)厚さ90μmのトリ
アセチルセルロースフイルムにハードコート層を設け
た。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバー
コーターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が75nmの中屈折
率層を形成した。
【0104】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、実施例5で調製した高屈折率層用塗布液をバーコー
ターで塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。この
ようにして、厚さ(乾燥膜厚)が115nmの高屈折率
層を形成した。
【0105】(低屈折率層の形成)上記高屈折率層の上
に、実施例3と同様に厚さ80nmの低屈折率層(屈折
率:1.40)を設け、反射防止膜を作成した。なお、
低屈折率層の微細空孔(ミクロボイド)の体積分率は、
11体積%であった。作成した反射防止膜の平均反射
率、ヘイズおよび皮膜強度を実施例1と同様に評価し
た。結果は第2表に示す。
【0106】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 番号 高屈折率層ポリマー 平均粒径 低屈折率 ヘイズ 強度 反射率 ──────────────────────────────────── 実4 アニオン性架橋 65nm 1.55 0.5% 3H 1.1% 比3 架橋+界面活性剤 67nm 1.55 0.5% B 1.4% 実5 アニオン性架橋 65nm 1.40 0.5% 3H 0.3% 実6 両性架橋 65nm 1.40 0.5% 3H 0.3% 実7 両性架橋 65nm 1.40 0.5% 3H 0.3% ──────────────────────────────────── (註) 低屈折率:低屈折率層の屈折率
【0107】[実施例8] (ハードコート層の形成)ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)125
gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−63
00B、日本合成化学工業(株)製)125gを、43
9gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液
に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー
社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチ
ルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
てハードコート層の塗布液を調製した。80μmの厚さ
のトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80
U、富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコー
ト層の塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120
℃で乾燥した。次に紫外線を照射して、塗布層を硬化さ
せ、厚さ7.5μmのハードコート層を形成した。
【0108】(低屈折率層用塗布液の調製)シリカ微粒
子のメタノール分散液(メタノールシリカゾル、日産化
学(株)製)200gにシランカップリング剤(KBM
−503、信越シリコーン(株)製)3gおよび0.1
N塩酸2gを加え、室温で5時間攪拌した後、約3日間
室温で放置して、シランカップリング処理したシリカ微
粒子の分散物を調製した。分散物149gに、イソプロ
ピルアルコール789gおよびメタノール450gを加
えた。光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)0.458gおよび光増感剤(カヤキュアーD
ETX、日本化薬(株)製)0.229gを31.62
gのイソプロピルアルコールに溶解した溶液を加え、さ
らに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA、日本化薬(株)製)11.44gを78.13
gのイソプロピルアルコールに溶解した溶液を加えた。
混合物を20分間室温で攪拌し、孔径1μmのポリプロ
ピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を
調製した。
【0109】(二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタ
ン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.7
0)30重量部、アニオン性メタクリレートモノマー
(PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオ
ン性アクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)
製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重
量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、二酸化
チタン分散物を調製した。
【0110】(中屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン172gおよびメチルエチルケトン43gに、光
重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.18gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日
本化薬(株)製)0.059gを溶解した。さらに、二
酸化チタン分散物15.8gおよびジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)3.1gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径
1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、中屈
折率層用塗布液を調製した。
【0111】(高屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン183gおよびメチルエチルケトン46gに、光
重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.085gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、
日本化薬(株)製)0.028gを溶解した。さらに、
二酸化チタン分散物17.9gおよびジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)1.0gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径
1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、高屈
折率層用塗布液を調製した。
【0112】(反射防止膜の作成)ハードコート層の上
に、中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布
し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を
硬化させ、中屈折率層(厚さ:0.081μm)を設け
た。中屈折率層の上に、高屈折率層用塗布液をバーコー
ターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を
照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(厚さ:0.0
53μm)を設けた。高屈折率層の上に、低屈折率層用
塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥
した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率
層(厚さ:0.092μm)を設けた。このようにして
反射防止膜を作成した。得られた反射防止膜について、
450〜650nmの波長における平均反射率および表
面の鉛筆硬度を測定した。さらに、指紋付着性を評価す
るため表面の接触角も測定した。結果は第3表に示す。
【0113】[実施例9]低屈折率層の厚さを0.07
2μmとする以外は、実施例8と同様にして、ハードコ
ート層の上に、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を
設けた。低屈折率層の上に、架橋性含フッ素ポリマーの
溶液を塗布し、120℃に加熱して含フッ素ポリマーを
架橋させ、厚さ0.02μmの保護層を設けた。得られ
た反射防止膜について、450〜650nmの波長にお
ける平均反射率および表面の鉛筆硬度を測定した。さら
に、指紋付着性を評価するため表面の接触角も測定し
た。結果は第3表に示す。
【0114】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 反射防止膜 保護層 平均反射率 鉛筆硬度 接触角 ──────────────────────────────────── 実施例8 なし 0.35% 2H 28° 実施例9 あり 0.36% 2H 106° ────────────────────────────────────
【0115】[実施例10] (二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタン(一次粒子
重量平均粒径:30nm)30.0重量部、実施例1で
用いたアニオン性モノマー(1)2.25重量部、実施
例1で用いたアニオン性モノマー(2)2.25重量部
およびシクロヘキサノン65.5重量部を、サンドグラ
インダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製
した。得られた分散物中の二酸化チタンの重量平均径を
コールターカウンターで評価した。結果は第4表に示
す。
【0116】(高屈折率層用塗布液の調製)二酸化チタ
ン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イ
ルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カ
ヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)、メチルエチ
ルケトンおよびシクロヘキサノンを添加した。添加量
は、高屈折率層の屈折率が1.75となるように調節し
た。具体的には、モノマーの合計量(ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー(1)
およびアニオン性モノマー(2)の合計量)と二酸化チ
タンとの重量比が53.4/46.6、光重合開始剤と
光増感剤との重量比が3/1、光重合開始剤と光増感剤
の合計量とモノマーの合計量との重量比が6/100、
そして、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンとの重
量比が1/1となるように調節した。塗布液中の二酸化
チタンの分散・安定性を沈降試験により評価した。塗布
液を静置して100時間後に、上澄み液が現れなければ
A、現れればBとした。結果は第4表に示す。
【0117】(高屈折率層の形成)ポリエチレンテレフ
タレートフイルムにハードコート層(エリスリトール系
多官能アクリレート、ポリエステル系多官能およびヒド
ロキシプロピル系多官能アクリレートの混合重合物)を
設けた。ハードコート層の上に、高屈折率層用塗布液を
バーコーターで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬
化させた。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が60n
mの高屈折率層を形成した。高屈折率層のヘイズをヘイ
ズメーター(NDH−1001DP、日本電色工業
(株)製)で測定した。また、屈折率を反射率の測定値
(Vー550,ARV−474、日本分光(株)製)か
ら計算した。さらに、高屈折率層の強度を鉛筆硬度計
(JIS−K−5400)で評価した。結果は第4表に
示す。
【0118】(低屈折率層用塗布液の調製)濃度30重
量%のシリカ微粒子のメタノール分散液(メタノールシ
リカゾル、日産化学(株)製)300gにシランカップ
リング剤(KBM−503、信越化学工業(株)製)
4.5gおよび0.1N塩酸3gを加え、室温で5時間
攪拌した後、5日間室温で放置して、シランカップリン
グ処理したシリカ微粒子の分散物を調製した。分散物
に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DP
HA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキュ
ア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)、イソプロピルアルコ
ールおよびジアセトンアルコールを添加して低屈折率層
用塗布液を調製した。添加量は、低屈折率層の屈折率が
1.40となるように調節した。具体的には、表面処理
シリカ微粒子とジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ートとの重量比が83.7/16.3、光重合開始剤と
光増感剤との重量比が2/1、光重合開始剤と光増感剤
の合計量とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
との重量比が6/100、そして、シリカ微粒子分散物
中のメタノールと、イソプロパノールとジアセトンアル
コールとの重量比が15/65/20となるように調節
した。
【0119】(低屈折率層の形成)低屈折率層用塗布液
を高屈折率層の上に、バーコーターを用いて均一に塗布
し、紫外線照射して硬化させ、ミクロボイド含む低屈折
率層(乾燥膜厚:100nm)を形成した。このように
して、反射防止膜を作成した。得られた反射防止膜につ
いて、ヘイズと鉛筆硬度を高屈折率層と同様に評価し
た。また、波長450〜650nmにおける平均反射率
を、反射率計(V−550、ARV−474(日本分光
(株)製)で測定した。結果を第4表に示す。
【0120】[比較例4]二酸化チタン(一次粒子重量
平均粒径:30nm)30重量部およびシクロヘキサノ
ン70重量部を、サンドグラインダーミルにより分散
し、二酸化チタン分散物を調製した。上記二酸化チタン
分散物を用いた以外は、実施例10と同様にして、反射
防止膜を作成し、評価した。結果は第4表に示す。
【0121】[比較例5]二酸化チタン(一次粒子重量
平均粒径:30nm)30重量部、界面活性剤(ブレノ
ールA−17、吉村油化学(株)製)4.5重量部およ
びシクロヘキサノン65.5重量部を、サンドグライン
ダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製し
た。上記二酸化チタン分散物を用い、高屈折率層用塗布
液に使用する光重合開始剤と光増感剤の合計量とジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートと上記界面活性剤
の合計量との重量比を6/100に調節した以外は、実
施例10と同様にして、反射防止膜を作成し、評価し
た。結果は第4表に示す。
【0122】[比較例6]二酸化チタン(一次粒子重量
平均粒径:30nm)30重量部、界面活性剤(ブレノ
ールA−17、吉村油化学(株)製)1.5重量部およ
びシクロヘキサノン68.5重量部を、サンドグライン
ダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製し
た。上記二酸化チタン分散物を用い、高屈折率層用塗布
液に使用する光重合開始剤と光増感剤の合計量とジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートと上記界面活性剤
の合計量との重量比を6/100に調節した以外は、実
施例10と同様にして、反射防止膜を作成し、評価し
た。結果は第4表に示す。
【0123】[実施例11]二酸化チタン(一次粒子重
量平均粒径:30nm)20重量部、下記のアニオン性
モノマー(3)3重量部およびシクロヘキサノン77.
0重量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、二
酸化チタン分散物を調製した。
【0124】
【化12】
【0125】上記二酸化チタン分散物を用いた以外は、
実施例10と同様にして、反射防止膜を作成し、評価し
た。結果は第4表に示す。
【0126】[実施例12]酸化錫(一次粒子重量平均
粒径:10nm)30重量部、実施例1で用いたアニオ
ン性モノマー(1)2.25重量部、実施例1で用いた
アニオン性モノマー(2)2.25重量部およびシクロ
ヘキサノン65.5重量部を、サンドグラインダーミル
により分散し、酸化錫分散物を調製した。酸化錫分散物
に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DP
HA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキュ
ア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)、メチルエチルケトン
およびシクロヘキサノンを添加した。添加量は、高屈折
率層の屈折率が1.66となるように調節した。具体的
には、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、アニオン性モノマー(1)およびアニ
オン性モノマー(2)の合計量)と酸化錫との重量比が
30.0/70.0、光重合開始剤と光増感剤との重量
比が3/1、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマ
ーの合計量との重量比が6/100、そして、メチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンとの重量比が1/1とな
るように調節した。塗布液中の酸化錫の分散・安定性を
沈降試験により評価した。塗布液を静置して100時間
後に、上澄み液が現れなければA、現れればBとした。
結果は第4表に示す。実施例10で作成したハードコー
ト層の上に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで均一
に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。このよう
にして、厚さ(乾燥膜厚)が60nmの高屈折率層を形
成した。高屈折率層の上に、実施例10と同様に厚さ
(乾燥膜厚)が95nmの低屈折率層を形成した。この
ようにして反射防止膜を作成し、実施例10と同様に評
価した。結果は第4表に示す。
【0127】[実施例13]酸化錫(一次粒子重量平均
粒径:10nm)20重量部、下記のアニオン性モノマ
ー(4)3重量部およびシクロヘキサノン77重量部
を、サンドグラインダーミルにより分散し、酸化錫分散
物を調製した。
【0128】
【化13】
【0129】酸化錫分散物に、グリセロールジメタクリ
レート(ブレンマーGMR、日本油脂(株)製)、光重
合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、
光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)
製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを添
加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.66とな
るように調節した。具体的には、モノマーの合計量(グ
リセロールジメタクリレートおよびアニオン性モノマー
(3)の合計量)と酸化錫との重量比が30.0/7
0.0調節した以外は、実施例12と同様に調節した。
塗布液中の酸化錫の分散・安定性を沈降試験により評価
した。塗布液を静置して100時間後に、上澄み液が現
れなければA、現れればBとした。結果は第4表に示
す。実施例10で作成したハードコート層の上に、高屈
折率層用塗布液をバーコーターで均一に塗布し、紫外線
を照射し、さらに100℃で1時間加熱して層を硬化さ
せた。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が60nmの
高屈折率層を形成した。高屈折率層の上に、実施例10
と同様に厚さ(乾燥膜厚)が95nmの低屈折率層を形
成した。このようにして反射防止膜を作成し、実施例1
0と同様に評価した。結果は第4表に示す。
【0130】[実施例14]酸化錫(一次粒子重量平均
粒径:10nm)20重量部、下記のアニオン性モノマ
ー(5)3重量部およびシクロヘキサノン77重量部
を、サンドグラインダーミルにより分散し、酸化錫分散
物を調製した。
【0131】
【化14】
【0132】酸化錫分散物に、下記のエポキシ化シクロ
ヘキサン系モノマー(エポリードGT300、ダイセル
化学工業(株))、下記の芳香族スルホニウム塩(光重
合開始剤)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノ
ンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.6
6となるように調節した。具体的には、モノマーの合計
量(エポキシ化シクロヘキサン系モノマーおよびアニオ
ン性モノマー(5)の合計量)と酸化錫との重量比が3
0.0/70.0、芳香族スルホニウム塩(光重合開始
剤)とモノマーの合計量との重量比が6/100、そし
て、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンとの重量比
が1/1となるように調節した。
【0133】
【化15】
【0134】
【化16】
【0135】塗布液中の酸化錫の分散・安定性を沈降試
験により評価した。塗布液を静置して100時間後に、
上澄み液が現れなければA、現れればBとした。結果は
第4表に示す。実施例10で作成したハードコート層の
上に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで均一に塗布
し、紫外線を照射し、さらに100℃で1時間加熱して
層を硬化させた。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が
60nmの高屈折率層を形成した。高屈折率層の上に、
実施例10と同様に厚さ(乾燥膜厚)が95nmの低屈
折率層を形成した。このようにして反射防止膜を作成
し、実施例10と同様に評価した。結果は第4表に示
す。
【0136】[実施例15]二酸化チタン(一次粒子重
量平均粒径:30nm)20重量部、下記のアニオン性
モノマー(6)3重量部、n−オクチルアミン0.3重
量部およびシクロヘキサノン76.7重量部を、サンド
グラインダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を
調製した。
【0137】
【化17】
【0138】上記の二酸化チタン分散物を用いた以外
は、実施例10と同様にして反射防止膜を作成し、評価
した。結果は第4表に示す。
【0139】[実施例16]二酸化チタン(一次粒子重
量平均粒径:30nm)30重量部、実施例1で用いた
アニオン性モノマー(1)2.25重量部、実施例1で
用いたアニオン性モノマー(2)2.25重量部、実施
例5で用いたカチオン性モノマー0.3重量部およびシ
クロヘキサノン65.2重量部を、サンドグラインダー
ミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
【0140】上記の二酸化チタン分散物を用いた以外
は、実施例10と同様にして反射防止膜を作成し、評価
した。結果は第4表に示す。
【0141】[実施例17]実施例10で作成したシラ
ンカップリング剤処理したシリカ微粒子の分散物に、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、
日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキュア90
7、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュアーDE
TX、日本化薬(株)製)、イソプロピルアルコールお
よびジアセトンアルコールを添加して低屈折率層用塗布
液を調製した。添加量は、低屈折率層の屈折率が1.5
0となるように調節した。具体的には、表面処理したシ
リカ微粒子とジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
トとの重量比が56.7/43.3、光重合開始剤と光
増感剤との重量比が2/1、光重合開始剤と光増感剤の
合計量とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと
の重量比が6/100、そして、シリカ微粒子分散物中
のメタノールと、イソプロパノールとジアセトンアルコ
ールとの重量比が15/65/20となるように調節し
た。低屈折率層用塗布液を実施例10で形成した高屈折
率層の上に、バーコーターを用いて均一に塗布し、紫外
線照射して硬化させ、ミクロボイドを含まない低屈折率
層(乾燥膜厚:95nm)を形成した。このようにし
て、反射防止膜を作成した。得られた反射防止膜につい
て、実施例10と同様に評価した。結果を第4表に示
す。
【0142】[比較例7]ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)に、光
重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社
製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサ御
を添加して塗布液を調製した。添加量は、層の屈折率が
1.53となるように調節した。具体的には、光重合開
始剤と光増感剤との重量比が3/1、そして光重合開始
剤と光増感剤の合計量とジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートとの重量比が6/100となるように調節
した。塗布液を実施例10で形成したハードコート層の
上に、バーコーターを用いて均一に塗布し、紫外線照射
して硬化させ、塗布層(乾燥膜厚:60nm)を形成し
た。塗布層の上に、実施例17と同様に低屈折率層を形
成した。このようにして、反射防止膜を作成した。得ら
れた反射防止膜について、実施例10と同様に評価し
た。結果を第4表に示す。
【0143】
【表4】 第4表(高屈折率層の評価) ──────────────────────────────────── 番号 高屈折率層ポリマー 高屈折率層粒子 平均粒径 分散 ヘイズ 強度 ──────────────────────────────────── 実10 アニオン性架橋 二酸化チタン 58nm A 0.3% 3H 比4 架橋のみ 二酸化チタン 253nm B 30% 3H 比5 架橋+界面活性剤 二酸化チタン 58nm A 0.3% 3B 比6 架橋+界面活性剤 二酸化チタン 205nm B 27% B 実11 アニオン性架橋 二酸化チタン 58nm A 0.3% 3H 実12 アニオン性架橋 酸化錫 55nm A 0.1% 2H 実13 アニオン性架橋 酸化錫 55nm A 0.1% 2H 実14 アニオン性架橋 酸化錫 55nm A 0.1% 2H 実15 アニオン性架橋 二酸化チタン 58nm A 0.3% 3H 実16 両性架橋 二酸化チタン 55nm A 0.2% 3H 実17 両性架橋 二酸化チタン 55nm A 0.3% 3H 比7 架橋のみ なし − − 0% 3H ────────────────────────────────────
【0144】
【表5】 第4表(反射防止膜の評価) ──────────────────────────────────── 番号 低屈折率層のミクロボイド ヘイズ 強度 平均反射率 ──────────────────────────────────── 実10 あり 0.4% 3H 0.62% 比4 あり 27% 3H 測定不能 比5 あり 0.4% 3B 0.63% 比6 あり 24% B 測定不能 実11 あり 0.3% 3H 0.60% 実12 あり 0.2% 2H 0.85% 実13 あり 0.2% 2H 0.83% 実14 あり 0.2% 2H 0.82% 実15 あり 0.4% 3H 0.63% 実16 あり 0.3% 3H 0.60% 実17 なし 0.3% 3H 1.35% 比7 なし 0.2% 3H 4.20% ────────────────────────────────────
【0145】[実施例18]実施例10で作成した高屈
折率層の上に、光架橋性含フッ素ポリマーからなる乾燥
膜厚が100nmの低屈折率層(屈折率:1.40、鉛
筆硬度:2H)を設けた。得られた反射防止膜につい
て、ヘイズ、強度(鉛筆硬度)および平均反射率を実施
例10と同様に評価した。さらに、防汚性を評価するた
め、水の接触角も測定した。結果は第5表に示す。
【0146】[実施例19]実施例10で作成した反射
防止膜の低屈折率層の上に、含フッ素シランカップリン
グ剤を10mg/m2 塗布し、100℃で1時間加熱し
た。得られた反射防止膜について、ヘイズ、強度(鉛筆
硬度)および平均反射率を実施例10と同様に評価し
た。さらに、防汚性を評価するため、水の接触角も測定
した。結果は第5表に示す。
【0147】
【表6】 第5表 ──────────────────────────────────── 試料番号 ヘイズ 強度 平均反射率 接触角 ──────────────────────────────────── 実施例18 0.4% 2H 0.62% 100゜ 実施例19 0.2% 3H 0.61% 105゜ ────────────────────────────────────
【0148】[実施例20] (中屈折率層用塗布液の調製)実施例10で調製した二
酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開
始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)、メ
チルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを添加した。
添加量は、中屈折率層の屈折率が1.66となるように
調節した。具体的には、モノマーの合計量(ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー
(1)およびアニオン性モノマー(2)の合計量)と二
酸化チタンとの重量比が71.6/28.4、光重合開
始剤と光増感剤との重量比が3/1、光重合開始剤と光
増感剤の合計量とモノマーの合計量との重量比が6/1
00、そして、メチルエチルケトンとシクロヘキサノン
との重量比が1/1となるように調節した。塗布液中の
二酸化チタンの分散・安定性を、実施例10と同様に評
価したところ、良好な結果(A)が得られた。
【0149】(中屈折率層の形成)実施例10で形成し
たハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバーコ
ーターで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させ
た。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が79nmの中
屈折率層を形成した。
【0150】(高屈折率層用塗布液の調製)実施例10
で調製した二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノ
ンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.9
5となるように調節した。具体的には、モノマーの合計
量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニ
オン性モノマー(1)およびアニオン性モノマー(2)
の合計量)と二酸化チタンとの重量比が26.0/7
4.0、光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/1、
光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量と
の重量比が6/100、そして、メチルエチルケトンと
シクロヘキサノンとの重量比が1/1となるように調節
した。塗布液中の二酸化チタンの分散・安定性を、実施
例10と同様に評価したところ、良好な結果(A)が得
られた。
【0151】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで均一に塗布
し、紫外線を照射して層を硬化させた。このようにし
て、厚さ(乾燥膜厚)が129nmの高屈折率層を形成
した。中屈折率層と高屈折率層の積層膜について、ヘイ
ズおよび強度(鉛筆硬度)を実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0152】(低屈折率層の形成)実施例17で調製し
た低屈折率層用塗布液を、高屈折率層の上にバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ミクロ
ボイドを含まない厚さ(乾燥膜厚)が85nmの低屈折
率層を設けた。作成した反射防止膜のヘイズ、強度(鉛
筆硬度)および平均反射率を、実施例10と同様に評価
した。結果は第6表に示す。
【0153】[比較例8]比較例5で調製した二酸化チ
タン分散物を用いて中屈折率層用塗布液と高屈折率層用
塗布液を調製し、それぞれの塗布液において、光重合開
始剤と光増感剤の合計量とジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレートと界面活性剤の合計量との重量比を6/
100に調節した以外は、実施例20と同様にして反射
防止膜を作成して評価した。結果は第6表に示す。
【0154】[実施例21]実施例10で調製した低屈
折率層用塗布液を、実施例20で作成した高屈折率層の
上にバーコーターで均一に塗布し、紫外線を照射して硬
化させ、ミクロボイドを含む厚さ(乾燥膜厚)が92n
mの低屈折率層を設けた。作成した反射防止膜を実施例
20と同様に評価した。結果は第6表に示す。
【0155】[実施例22] (中屈折率層用塗布液の調製)実施例16で調製した二
酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開
始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)、メ
チルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを添加した。
添加量は、中屈折率層の屈折率が1.66となるように
調節した。具体的には、モノマーの合計量(ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー
(1)、アニオン性モノマー(2)およびカチオン性モ
ノマーの合計量)と二酸化チタンとの重量比が71.6
/28.4、光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/
1、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計
量との重量比が6/100、そして、メチルエチルケト
ンとシクロヘキサノンとの重量比が1/1となるように
調節した。塗布液中の二酸化チタンの分散・安定性を、
実施例10と同様に評価したところ、良好な結果(A)
が得られた。
【0156】(中屈折率層の形成)実施例10で形成し
たハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバーコ
ーターで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させ
た。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が79nmの中
屈折率層を形成した。
【0157】(高屈折率層用塗布液の調製)実施例16
で調製した二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノ
ンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.9
5となるように調節した。具体的には、モノマーの合計
量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニ
オン性モノマー(1)、アニオン性モノマー(2)およ
びカチオン性モノマーの合計量)と二酸化チタンとの重
量比が26.0/74.0、光重合開始剤と光増感剤と
の重量比が3/1、光重合開始剤と光増感剤の合計量と
モノマーの合計量との重量比が6/100、そして、メ
チルエチルケトンとシクロヘキサノンとの重量比が1/
1となるように調節した。塗布液中の二酸化チタンの分
散・安定性を、実施例10と同様に評価したところ、良
好な結果(A)が得られた。
【0158】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで均一に塗布
し、紫外線を照射して層を硬化させた。このようにし
て、厚さ(乾燥膜厚)が129nmの高屈折率層を形成
した。中屈折率層と高屈折率層の積層膜について、ヘイ
ズおよび強度(鉛筆硬度)を実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0159】(低屈折率層の形成)実施例10で調製し
た低屈折率層用塗布液を、高屈折率層の上にバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ミクロ
ボイドを含む厚さ(乾燥膜厚)が92nmの低屈折率層
を設けた。作成した反射防止膜のヘイズ、強度(鉛筆硬
度)および平均反射率を、実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0160】[実施例23] (中屈折率層用塗布液の調製)酸化錫(一次粒子重量平
均粒径:10nm)30重量部、実施例1で用いたアニ
オン性モノマー(1)2.25重量部、実施例1で用い
たアニオン性モノマー(2)2.25重量部およびシク
ロヘキサノン65.5重量部を、サンドグラインダーミ
ルにより分散し、酸化錫分散物を調製した。酸化錫分散
物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキ
ュア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュ
アーDETX、日本化薬(株)製)、メチルエチルケト
ンおよびシクロヘキサノンを添加した。添加量は、中屈
折率層の屈折率が1.66となるように調節した。具体
的には、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、アニオン性モノマー(1)およびア
ニオン性モノマー(2)の合計量)と酸化錫との重量比
が30.0/70.0、光重合開始剤と光増感剤との重
量比が3/1、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノ
マーの合計量との重量比が6/100、そして、メチル
エチルケトンとシクロヘキサノンとの重量比が1/1と
なるように調節した。塗布液中の酸化錫の分散・安定性
を、実施例10と同様に評価したところ、良好な結果
(A)が得られた。
【0161】(中屈折率層の形成)実施例10で作成し
たハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバーコ
ーターで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させ
た。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が79nmの中
屈折率層を形成した。
【0162】(高屈折率層の形成)中屈折率層の上に、
実施例22で調製した高屈折率層用塗布液をバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が129nmの高屈
折率層を形成した。中屈折率層と高屈折率層の積層膜に
ついて、ヘイズおよび強度(鉛筆硬度)を実施例10と
同様に評価した。結果は第6表に示す。
【0163】(低屈折率層の形成)実施例10で調製し
た低屈折率層用塗布液を、高屈折率層の上にバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ミクロ
ボイドを含む厚さ(乾燥膜厚)が92nmの低屈折率層
を設けた。作成した反射防止膜のヘイズ、強度(鉛筆硬
度)および平均反射率を、実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0164】[実施例24] (中屈折率層用塗布液の調製)実施例16で調製した二
酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開
始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)、メ
チルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを添加した。
添加量は、中屈折率層の屈折率が1.80となるように
調節した。具体的には、モノマーの合計量(ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー
(1)、アニオン性モノマー(2)およびカチオン性モ
ノマーの合計量)と二酸化チタンとの重量比が45.2
/54.8、光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/
1、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計
量との重量比が6/100、そして、メチルエチルケト
ンとシクロヘキサノンとの重量比が1/1となるように
調節した。塗布液中の二酸化チタンの分散・安定性を、
実施例10と同様に評価したところ、良好な結果(A)
が得られた。
【0165】(中屈折率層の形成)実施例10で形成し
たハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバーコ
ーターで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させ
た。このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が78nmの中
屈折率層を形成した。
【0166】(高屈折率層用塗布液の調製)実施例16
で調製した二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノ
ンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.9
5となるように調節した。具体的には、モノマーの合計
量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニ
オン性モノマー(1)、アニオン性モノマー(2)およ
びカチオン性モノマーの合計量)と二酸化チタンとの重
量比が26.0/74.0、光重合開始剤と光増感剤と
の重量比が3/1、光重合開始剤と光増感剤の合計量と
モノマーの合計量との重量比が6/100、そして、メ
チルエチルケトンとシクロヘキサノンとの重量比が1/
1となるように調節した。塗布液中の二酸化チタンの分
散・安定性を、実施例10と同様に評価したところ、良
好な結果(A)が得られた。
【0167】(高屈折率層の形成)上記中屈折率層の上
に、高屈折率層用塗布液をバーコーターで均一に塗布
し、紫外線を照射して層を硬化させた。このようにし
て、厚さ(乾燥膜厚)が58nmの高屈折率層を形成し
た。中屈折率層と高屈折率層の積層膜について、ヘイズ
および強度(鉛筆硬度)を実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0168】(低屈折率層の形成)実施例10で調製し
た低屈折率層用塗布液を、高屈折率層の上にバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ミクロ
ボイドを含む厚さ(乾燥膜厚)が95nmの低屈折率層
を設けた。作成した反射防止膜のヘイズ、強度(鉛筆硬
度)および平均反射率を、実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0169】[実施例25] (高屈折率層用塗布液の調製)二酸化チタン(一次粒子
重量平均粒径:110nm)20.0重量部、実施例1
で用いたアニオン性モノマー(1)1.5重量部、実施
例1で用いたアニオン性モノマー(2)1.5重量部、
実施例5で用いたカチオン性モノマー0.2重量部およ
びシクロヘキサノン76.8重量部を、サンドグライン
ダーミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製し
た。
【0170】二酸化チタン分散物に、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)
製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノ
ンを添加した。添加量は、高屈折率層の屈折率が1.9
5となるように調節した。具体的には、モノマーの合計
量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニ
オン性モノマー(7)およびカチオン性モノマーの合計
量)と二酸化チタンとの重量比が26.0/74.0、
光重合開始剤と光増感剤との重量比が3/1、光重合開
始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量との重量比
が6/100、そして、メチルエチルケトンとシクロヘ
キサノンとの重量比が1/1となるように調節した。塗
布液中の二酸化チタンの分散・安定性を、実施例10と
同様に評価したところ、良好な結果(A)が得られた。
【0171】(高屈折率層の形成)実施例22で形成し
た中屈折率層の上に、高屈折率層用塗布液をバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して層を硬化させた。
このようにして、厚さ(乾燥膜厚)が129nmの高屈
折率層を形成した。中屈折率層と高屈折率層の積層膜に
ついて、ヘイズおよび強度(鉛筆硬度)を実施例10と
同様に評価した。結果は第6表に示す。
【0172】(低屈折率層の形成)実施例10で調製し
た低屈折率層用塗布液を、高屈折率層の上にバーコータ
ーで均一に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ミクロ
ボイドを含む厚さ(乾燥膜厚)が92nmの低屈折率層
を設けた。作成した反射防止膜のヘイズ、強度(鉛筆硬
度)および平均反射率を、実施例10と同様に評価し
た。結果は第6表に示す。
【0173】[比較例9]二酸化チタン(一次粒子重量
平均粒径:200nm)20.0重量部、実施例1で用
いたアニオン性モノマー(1)1.5重量部、実施例1
で用いたアニオン性モノマー(2)1.5重量部、実施
例5で用いたカチオン性モノマー0.2重量部およびシ
クロヘキサノン76.8重量部を、サンドグラインダー
ミルにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。上
記二酸化チタン分散物を用いた以外は、実施例25と同
様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第6表
に示す。
【0174】
【表7】 第6表(中屈折率層および高屈折率層の構成) ──────────────────────────────────── 試料 中屈折率層 高屈折率層 番号 バインダーポリマー 粒子 平均粒径 バインダーポリマー 粒子 平均粒径 ──────────────────────────────────── 実20 アニオン性架橋 Ti 58nm アニオン性架橋 Ti 58nm 比8 架橋+界面活性剤 Ti 58nm 架橋+界面活性剤 Ti 58nm 実21 アニオン性架橋 Ti 58nm アニオン性架橋 Ti 58nm 実22 両性架橋 Ti 55nm 両性架橋 Ti 55nm 実23 アニオン性架橋 Sn 55nm 両性架橋 Ti 55nm 実24 両性架橋 Ti 55nm 両性架橋 Ti 55nm 実25 両性架橋 Ti 55nm 両性架橋 Ti 115nm 比9 両性架橋 Ti 55nm 両性架橋 Ti 215nm ────────────────────────────────────
【0175】
【表8】 第6表(反射防止膜の評価) ──────────────────────────────────── 試料 低屈折率層の 中/高屈折率層積層体 反射防止膜 番号 ミクロボイド ヘイズ 強度 ヘイズ 強度 平均反射率 ──────────────────────────────────── 実20 なし 0.4% 3H 0.3% 3H 1.15% 比8 なし 0.4% 4B 0.3% 3B 1.18% 実21 あり 0.4% 3H 0.4% 3H 0.31% 実22 あり 0.3% 3H 0.3% 3H 0.32% 実23 あり 0.3% 3H 0.4% 3H 0.32% 実24 あり 0.3% 3H 0.3% 3H 0.34% 実25 あり 1.0% 3H 1.5% 3H 0.45% 比9 あり 12% 3H 10% 3H 測定不能 ────────────────────────────────────
【0176】[実施例26]実施例24で作成した高屈
折率層の上に、光架橋性含フッ素ポリマーからなる乾燥
膜厚が95nmの低屈折率層(屈折率:1.40、鉛筆
硬度:2H)を設けた。得られた反射防止膜について、
ヘイズ、強度(鉛筆硬度)および平均反射率を実施例1
0と同様に評価した。さらに、防汚性を評価するため、
水の接触角も測定した。結果は第7表に示す。
【0177】[実施例27]実施例23で作成した反射
防止膜の低高屈折率層の上に、含フッ素シランカップリ
ング剤を10mg/m2 塗布し、100℃で1時間加熱
した。得られた反射防止膜について、ヘイズ、強度(鉛
筆硬度)および平均反射率を実施例10と同様に評価し
た。さらに、防汚性を評価するため、水の接触角も測定
した。結果は第7表に示す。
【0178】[実施例28]実施例24で作成した反射
防止膜の低高屈折率層の上に、含フッ素シランカップリ
ング剤を10mg/m2 塗布し、100℃で1時間加熱
した。得られた反射防止膜について、ヘイズ、強度(鉛
筆硬度)および平均反射率を実施例10と同様に評価し
た。さらに、防汚性を評価するため、水の接触角も測定
した。結果は第7表に示す。
【0179】
【表9】 第7表 ──────────────────────────────────── 試料番号 ヘイズ 強度 平均反射率 接触角 ──────────────────────────────────── 実施例26 0.3% 2H 0.34% 100゜ 実施例27 0.4% 3H 0.35% 105゜ 実施例28 0.3% 3H 0.33% 106゜ ────────────────────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜の様々な層構成を示す断面模式図で
ある。
【図2】高屈折率層の断面模式図である。
【図3】低屈折率層の断面模式図である。
【符号の説明】
1 低屈折率層 2 高屈折率層 3 ハードコート層 4 透明支持体 5 中屈折率層 11 低屈折率層の無機微粒子 12 低屈折率層内のミクロボイド 13 低屈折率層のバインダー 21 高屈折率層の無機微粒子 22 高屈折率層のバインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 知一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.65乃至2.40である高
    屈折率層と、屈折率が1.20乃至1.55である低屈
    折率層とを有する反射防止膜であって、高屈折率層が、
    1乃至200nmの平均粒径を有する無機微粒子を5乃
    至65体積%および架橋しているアニオン性基を有する
    ポリマーを35乃至95体積%含むことを特徴とする反
    射防止膜。
  2. 【請求項2】 高屈折率層のアニオン性基を有するポリ
    マーが、リン酸基またはスルホン酸基をアニオン性基と
    して有する請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 高屈折率層のアニオン性基を有するポリ
    マーが、さらにアミノ基またはアンモニウム基を有する
    請求項1に記載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 高屈折率層の無機微粒子が、1.80乃
    至2.80の屈折率を有する請求項1に記載の反射防止
    膜。
  5. 【請求項5】 高屈折率層が塗布により形成された層で
    あり、アニオン性基を有するポリマーが層の塗布と同時
    または塗布後に、重合反応により形成されたポリマーで
    ある請求項1に記載の反射防止膜。
  6. 【請求項6】 低屈折率層が、0.5乃至200nmの
    平均粒径を有する無機微粒子を50乃至95重量%およ
    びポリマーを5乃至50重量%含み、該無機微粒子を少
    なくとも2個以上積み重ねることにより微粒子間にミク
    ロボイドが形成されている層である請求項1に記載の反
    射防止膜。
  7. 【請求項7】 屈折率が1.65乃至2.40である高
    屈折率層と、屈折率が1.20乃至1.55である低屈
    折率層とを有し、高屈折率層が、1乃至200nmの平
    均粒径を有する無機微粒子を5乃至65体積%および架
    橋しているアニオン性基を有するポリマーを35乃至9
    5体積%含む反射防止膜を、高屈折率層が画像表示装置
    側となるように配置したことを特徴とする画像表示装
    置。
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