JP2003027003A - コーティング組成物、その塗膜、反射防止膜、及び、反射防止フィルム - Google Patents

コーティング組成物、その塗膜、反射防止膜、及び、反射防止フィルム

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JP2003027003A
JP2003027003A JP2001214449A JP2001214449A JP2003027003A JP 2003027003 A JP2003027003 A JP 2003027003A JP 2001214449 A JP2001214449 A JP 2001214449A JP 2001214449 A JP2001214449 A JP 2001214449A JP 2003027003 A JP2003027003 A JP 2003027003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜に所定の屈折率や導電性などの何らかの
機能を付与するために配合される微粒子の分散性、分散
安定性に優れ、小さいヘイズと実使用に耐え得る膜強度
を保持しながら、微粒子の光触媒活性による塗膜の経時
劣化を極端に抑えることのできるコーティング組成物、
当該コーティング組成物を用いて形成した塗膜、当該塗
膜を用いた機能性透明薄膜を提供する。 【解決手段】 本発明に係るコーティング組成物は、
(1)一次粒子径が0.01〜0.1μmの無機酸化物
微粒子、(2)一次粒子径が0.005〜0.01μm
で、且つ、BET法による比表面積が10〜70m2
gの酸化亜鉛微粒子、(3)バインダー成分、(4)ア
ニオン性極性基を有する分散剤、及び、(5)有機溶
剤、を含有する。代表的には、このコーティング組成物
を用いて、反射防止膜17の中乃至高屈折率層18,1
9や、高屈折率ハードコート層を形成したり、或いは、
帯電防止膜や透明導電膜等の導電性透明薄膜を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散性、分散安定
性、塗工適性に優れるコーティング組成物、及び、当該
コーティング組成物を用いて形成した耐候性、特に紫外
線の影響による劣化が実使用上問題無いレベルにまで低
減された塗膜、及び、当該塗膜を利用した機能性膜に関
する。
【0002】代表的には、LCDやCRT等の表示面を
被覆する反射防止膜を構成する層、特に、中〜高屈折率
層を形成するのに適したコーティング組成物、帯電防止
層や透明導電層などの導電性透明薄膜を形成するのに適
したコーティング組成物、或いは、高い屈折率及び/又
は導電性を有する透明ハードコート層を形成するのに適
したコーティング組成物に関する。
【0003】さらには、これらのコーティング組成物を
用いて形成した塗膜の層を有する反射防止膜、帯電防止
膜、透明導電膜などの機能性膜、及び、これらの機能性
膜を適用した反射防止フィルム、帯電防止フィルム、透
明導電フィルムにも関する。
【0004】
【従来の技術】液晶ディスプレー(LCD)や陰極管表
示装置(CRT)等の画像表示装置の表示面は、その視
認性を高めるために、蛍光燈などの外部光源から照射さ
れた光線の反射が少ないことが求められる。
【0005】透明な物体の表面を屈折率の小さい透明皮
膜で被覆することにより反射率が小さくなる現象が従来
から知られており、このような現象を利用した反射防止
膜を画像表示装置の表示面に設けて視認性を向上させる
ことが可能である。反射防止膜は、表示面の上に屈折率
の小さい低屈折率層を設けた単層構成、または、反射防
止効果を更に良好にするために表示面の上に中〜高屈折
率層を1乃至複数層設け、中〜高屈折率層の上に最表面
の屈折率を小さくするための低屈折率層を設けた多層構
成を有する。
【0006】また、表示面に埃などが付着して視認性が
低下するのを防ぐために、表示面に比較的弱い導電性を
有する帯電防止膜を設ける場合がある。帯電防止膜は、
表示面に反射防止膜と共に設けたり、反射防止膜の一層
として設けたり、又は、前記反射防止膜を必要としない
表示面に帯電防止膜のみ設けたりするが、いずれの場合
も表示面の視認性を確保するために透明性が要求され
る。
【0007】さらに、表面が柔らかく傷つき易いプラス
チックの上に上記の反射防止膜や帯電防止膜を設ける場
合には、基材上に下地としてハードコート層を形成し、
当該ハードコート層を介して反射防止膜や帯電防止膜を
設けることが望ましいが、この場合にはハードコート層
にも透明性が要求される。
【0008】また、液晶表示装置などには透明電極とし
て比較的導電性の大きい透明導電膜が組み込まれる。
【0009】このような反射防止膜に含まれる各層、或
いは、透明導電膜等として利用される導電性透明薄膜を
形成する方法は、一般に気相法と塗布法に大別され、気
相法には真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的方法
と、CVD法等の化学的方法とがあり、塗布法にはロー
ルコート法、グラビアコート法、スライドコート法、ス
プレー法、浸漬法、及び、スクリーン印刷法等がある。
【0010】気相法による場合には、高機能且つ高品質
な透明薄膜を形成することが可能だが、高真空系での精
密な雰囲気の制御が必要であり、また、特殊な加熱装置
又はイオン発生加速装置が必要であり、そのために製造
装置が複雑で大型化するために必然的に製造コストが高
くなるという問題がある。また、気相法による場合に
は、透明薄膜を大面積化したり或いは複雑な形状を持つ
フィルム等の表面に透明薄膜を均一な膜厚に形成するこ
とが困難である。
【0011】一方、塗布法のうちスプレー法による場合
には、塗工液の利用効率が悪く、成膜条件の制御が困難
である等の問題がある。ロールコート法、グラビアコー
ト法、スライドコート法、浸漬法及びスクリーン印刷法
等による場合には、成膜原料の利用効率が良く、大量生
産や設備コスト面での有利さがあるが、一般的に、塗布
法により得られる透明薄膜は、気相法により得られるも
のと比較して機能及び品質が劣るという問題点がある。
【0012】近年、優れた品質を有する高屈折率層及び
中屈折率層の薄膜を形成し得る塗布法として、有機物か
らなるバインダーの溶液中に酸化チタンや酸化スズ等の
高屈折率微粒子や高屈折率で且つ導電性を有する微粒子
を分散させた塗工液を基板上に塗布し、塗膜を形成する
方法が提案されている。
【0013】中〜高屈折率層を形成する塗膜は可視光領
域において透明であることが必須であるため、高屈折率
微粒子としては一次粒子径が可視光線の波長以下である
所謂超微粒子を使用すると共に、当該高屈折率微粒子を
塗工液中及び塗膜中に均一に分散する必要がある。しか
しながら一般に、微粒子の粒子径を小さくしていくと、
微粒子の表面積が大きくなり、粒子間の凝集力が増大す
る。そして、塗工液の固形成分が凝集すると、得られる
塗膜のヘイズが悪化する。従って、高屈折率層及び中屈
折率層の薄膜を形成する塗工液には、ヘイズの小さい均
一な塗膜を形成するために十分な分散性を有することが
求められる。また、塗工液には、長期間に渡って容易に
保存できるように十分な分散安定性を有することが求め
られる。
【0014】超微粒子の凝集という問題は、当該超微粒
子に対して良好な分散性を示す分散剤を使用することに
より解決することができる。分散剤は、凝集する微粒子
間に浸透しながら微粒子表面に吸着し、分散処理の過程
で凝集状態をほぐしながら溶剤中への均一分散化を可能
とする。しかしながら、超微粒子は表面積が増大してい
るので、これを塗工液中に均一に分散させ、長期保存に
耐え得るほどに安定化させるためには大量の分散剤が必
要になる。塗工液に大量の分散剤を配合すると、当該塗
工液を用いて形成した塗膜にも分散剤が多量に存在する
こととなり、分散剤がバインダー成分の硬化を妨げ、塗
膜の強度を極端に低下させる。
【0015】さらに、塗工液には、大量生産の観点から
大面積薄膜を容易に形成できるように、塗工時に均一に
薄く塗布することができ、且つ、乾燥むらが生じないよ
うに塗工適性が求められる。
【0016】また、金属酸化物微粒子の粒子径が小さく
なって表面積が増大したものは、光触媒活性が強調され
るため、数μmの粒子径では光触媒活性を示さないジル
コニア微粒子などでさえ超微粒子サイズとして塗膜中に
大量に分散させた場合には、太陽光などの紫外線が含ま
れる環境に放置すると、バインダーとして用いるポリマ
ーの劣化を引き起こし、それに伴い所望の透明性や屈折
率や導電性を大きく変化させ、数日間放置しただけで薄
膜の性能が大きく損なわれるおそれがある。従って、透
明性を確保しつつ、屈折率及び/又は導電性を所望の値
に調節するために、塗工液中に配合される金属酸化物超
微粒子の光触媒活性を阻止する必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状を鑑
みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、塗
膜に所定の屈折率や導電性などの何らかの機能を付与す
るために配合される微粒子の分散性、分散安定性に優
れ、小さいヘイズと実使用に耐え得る膜強度を保持しな
がら、微粒子の光触媒活性による塗膜の経時劣化を極端
に抑えた塗膜を形成し得る保存性の良いコーティング組
成物を提供することにある。
【0018】また、本発明の第二の目的は、分散性、分
散安定性と共に、塗工適性にも優れ大面積薄膜を形成し
得るコーティング組成物を提供することにある。
【0019】本発明の第三の目的は、上記第一又は第二
の目的を達成し得るコーティング組成物を用いて、何ら
かの機能を有する透明薄膜、特に、低屈折率層や中乃至
高屈折率層や高屈折率ハードコート層などの反射防止膜
に含まれる層を形成したり、或いは、帯電防止膜や帯電
防止性ハードコート層や透明電極膜などの導電性透明薄
膜を形成するのに好適な塗膜を提供することにある。
【0020】本発明の第四の目的は、画像表示装置の表
示面に好適に適用される反射防止膜や帯電防止膜やハー
ドコート膜、及び、画像表示装置の画素駆動素子として
好適に用いられる透明導電膜を提供することにある。
【0021】本発明の第五の目的は、そのような反射防
止膜、帯電防止膜、ハードコート膜、透明導電膜を利用
した反射防止フィルム、帯電防止フィルム、ハードコー
トフィルム、透明導電フィルムを提供することにある。
【0022】本発明は、これらの目的のうち少なくとも
ひとつを解決するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係るコーティング組成物は、少なくとも、
(1)0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有す
る無機酸化物微粒子、(2)0.005〜0.1μmの
範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法による比表面
積が10〜70m2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒子、
(3)バインダー成分、(4)アニオン性の極性基を有
する分散剤、及び、(5)有機溶剤、からなることを特
徴とする。
【0024】本発明のコーティング組成物には、0.0
1〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有する、いわゆる
超微粒子サイズの無機酸化物微粒子を配合するので、当
該コーティング組成物を用いて形成する塗膜に、当該塗
膜の透明性を損なうこと無く、無機酸化物微粒子の物性
に起因する何らかの機能、例えば、所定の値に調節され
た屈折率や、導電性を付与することができる。
【0025】超微粒子サイズの無機酸化物微粒子は、有
機溶剤中で凝集しやすいが、本発明のコーティング組成
物は、無機酸化物微粒子との親和性の高いアニオン性極
性基を有する分散剤を配合されているので、分散性、分
散安定性に優れ、小さいヘイズと実使用に耐え得る膜強
度を有する塗膜を形成することができる。
【0026】また、超微粒子サイズの無機酸化物微粒子
は顕著な光触媒活性を示すので、当該無機酸化物微粒子
を含有する塗膜は劣化しやすいが、本発明のコーティン
グ組成物は、0.005〜0.1μmの範囲の一次粒子
径を有し、且つ、BET法による比表面積が10〜70
2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒子を配合することに
よって無機酸化物微粒子の光触媒活性を強力に抑制して
いるので、塗膜の耐候性を向上させることができる。
【0027】また、本発明のコーティング組成物は、無
機酸化物微粒子の分散安定性にも優れていることから、
ポットライフも長い。さらに、本発明のコーティング組
成物は塗工適性にも優れ、均一な大面積薄膜を容易に形
成することができる。
【0028】前記無機酸化物微粒子の表面の少なくとも
一部が、光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物に
より被覆されていることが好ましい。本発明のコーティ
ング組成物は、無機酸化物超微粒子の光触媒活性を抑制
するために、酸化亜鉛微粒子を組み合わせて用いるが、
それに加えて、無機酸化物微粒子の表面を、光触媒活性
を低下又は消失させる無機化合物により被覆すると光触
媒活性をさらに強力に抑制することができ、塗膜の耐光
性が向上するので好ましい。
【0029】また、前記無機酸化物微粒子の表面の少な
くとも一部が、有機溶剤中での分散性を高めるために有
機化合物又は有機金属化合物により被覆されていること
が好ましい。本発明に係るコーティング組成物には、無
機酸化物微粒子を分散させるためにアニオン性の極性基
を有する分散剤を配合するが、無機酸化物微粒子を、当
該無機酸化物微粒子との親和性が大きいアニオン性の極
性基を有する有機化合物又は有機金属化合物で表面処理
して疎水性を付与することにより、塗工液中での無機酸
化物微粒子の分散性を、さらに向上させることができ
る。
【0030】アニオン性の極性基を有する前記の分散剤
としては、エチレンオキサイド鎖の骨格を有する主鎖に
アニオン性の極性基からなる側鎖又はアニオン性の極性
基を有する側鎖が結合した分子構造を有し、数平均分子
量が2,000から20,000の化合物が好適に用い
られる。
【0031】バインダー成分としては、塗工後に露光硬
化可能な電離放射線硬化性のバインダー成分を用いるの
が好ましい。特に、電離放射線硬化性バインダー成分の
中でも、アニオン性の極性基を有するバインダー成分を
用いるのが好ましい。アニオン性の極性基を有するバイ
ンダー成分は、無機酸化物微粒子との親和性が高く、分
散助剤として作用するので、コーティング組成物中およ
び塗膜中での無機酸化物微粒子の分散性を向上させ、ま
た、分散剤の使用量を減らす効果もある。分散剤はバイ
ンダーとしては機能しないので、分散剤の配合割合を減
らすことによって塗膜強度の向上を図ることができる。
【0032】バインダー成分は、アニオン性の極性基と
して水素結合形成基を有するものが特に好ましい。バイ
ンダー成分が水素結合形成基を有する場合には、アニオ
ン性極性基としての効果により無機酸化物微粒子の分散
性を向上させることに加えて、水素結合によりハードコ
ート層や低屈折率層などの隣接層に対する密着性を向上
させることが可能となる。
【0033】無機酸化物微粒子と酸化亜鉛微粒子の配合
割合は適宜調節可能であるが、一般的には、無機酸化物
微粒子10重量部に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜
5重量部の割合で配合する。
【0034】酸化亜鉛微粒子以外の各成分の配合割合も
適宜調節可能であるが、バインダー成分として分子中に
アニオン性の極性基を有するものを用いる場合には、当
該バインダー成分が分散助剤として作用するので、アニ
オン性極性基を有する分散剤の使用量を大幅に減らし
て、塗膜強度の向上を図ることができる。
【0035】具体的には、無機酸化物微粒子10重量部
に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、アニオ
ン性の極性基を有するバインダー成分を4〜20重量
部、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤を2〜4
重量部の割合で配合することができる。この配合割合
は、低屈折率層、中〜高屈折率層、帯電防止層、透明電
極膜などの比較的薄い塗膜を形成するためのコーティン
グ組成物として好適である。
【0036】また、無機酸化物微粒子10〜20重量部
に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、分子中
にアニオン性の極性基を有する前記バインダー成分を4
〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量部の割合で
含有するコーティング組成物は、高屈折率ハードコート
層や導電性ハードコート層のように、無機酸化物微粒子
によって何らかの機能が付加され、且つ、中〜高屈折率
層よりも厚く形成する必要があるハードコート層を形成
するために好適である。
【0037】前記の有機溶剤としてはケトン系溶剤が好
適に用いられる。本発明に係るコーティング組成物をケ
トン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に薄く
均一に塗布することができ、且つ、塗工後において溶剤
の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な
薄さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
【0038】有機溶剤の割合は、本発明に係るコーティ
ング組成物中の固形分と有機溶剤の合計量を100重量
部とした時に、本発明に係るコーティング組成物の全固
形分0.5〜50重量部に対して、前記有機溶剤を50
〜99.5重量部の割合で配合するのが好ましい。有機
溶剤の使用量がこの範囲にあると、特に分散安定性に優
れ、長期保存に適したコーティング組成物が得られる。
【0039】本発明に係る塗膜は、本発明に係る上記コ
ーティング組成物を被塗工体の表面に塗布し、必要に応
じて硬化させることにより得られる。硬化後の塗膜は、
0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有する無機
酸化物微粒子、0.005〜0.1μmの範囲の一次粒
子径を有し、且つ、BET法による比表面積が10〜7
0m2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒子、及び、アニオ
ン性の極性基を有する分散剤が、バインダー中に均一に
混合されてなるものである。
【0040】この塗膜は、透明性が高く、ヘーズが小さ
く、且つ、無機酸化物微粒子の配合量をコントロールし
て機能、性能を調節できるので、さまざまな機能性透明
薄膜として利用できる。代表的には、反射防止膜の低屈
折率層や中乃至高屈折率層や高屈折率ハードコート層の
ような光学薄膜や、帯電防止膜や帯電防止性ハードコー
ト層や透明電極膜などの導電性透明薄膜を形成するのに
好適に利用できる。
【0041】本発明によれば、膜厚が0.05〜0.2
μmの塗膜を形成した時に、屈折率を1.55〜2.3
0の範囲に調節し、且つ、JIS−K7361−1の規
定に従って基材と一体の状態で測定したヘイズ値を、前
記基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけ
のヘイズ値との差が1%以内に抑制することが可能であ
る。
【0042】また、本発明によれば、膜厚が0.2〜
3.0μmの時に、屈折率を1.55〜2.30の範囲
に調節し、且つ、JIS−K7361−1に規定される
ヘイズ値を、前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又
は前記基材だけのヘイズ値との差が10%以内に抑制す
ることが可能である。
【0043】また、本発明によれば、膜厚が0.2〜1
0μmの塗膜を形成した時に、屈折率を1.55〜2.
30の範囲に調節し、且つ、JIS−K7361−1に
規定されるヘイズ値を前記基材だけのヘイズ値と変わら
ないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が10%以内
に抑制し、且つ、JIS−K5600−5−4に規定さ
れる鉛筆硬度が2H以上となるように物性を調節するこ
とが可能であり、高屈折率ハードコート層を形成でき
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳しく説明
する。先ず、本発明に係るコーティング組成物について
説明する。本発明に係るコーティング組成物は、少なく
とも下記の必須成分: (1)0.01〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有す
る無機酸化物微粒子、(2)0.005〜0.1μmの
範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法による比表面
積が10〜70m2/gの範囲にある酸化亜鉛(Zn
O)微粒子、(3)バインダー成分、(4)アニオン性
の極性基を有する分散剤、及び、(5)有機溶剤、から
なる塗工材料であり、必要に応じて、その他の成分を含
んでいることもある。
【0045】上記必須成分のうち0.01〜0.1μm
の範囲の一次粒子径を有する無機酸化物微粒子は、本発
明に係るコーティング組成物を用いて形成する塗膜に、
当該塗膜の透明性を損なうこと無く、無機酸化物微粒子
の物性に起因する何らかの機能、例えば、所定の値に調
節された屈折率や、導電性を付与するために配合され
る。無機酸化物微粒子としては、塗膜に付与したい機能
を考慮して適切なものが選択される。
【0046】反射防止膜の中屈折率層、高屈折率層又は
高屈折率ハードコート層を形成したい場合には、屈折率
が比較的高い無機酸化物微粒子をコーティング組成物に
配合して所定の屈折率に調節する。屈折率が高い無機酸
化物としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジル
コニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化
セリウム、酸化アンチモン、スズをドープした酸化イン
ジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ
(ATO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZ
O)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、
及び、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)などを用
いることができる。
【0047】高屈折率を有する無機酸化物のうちでも酸
化チタンは、特に屈折率が高く且つ透明性も高いので、
屈折率を調節するための成分として適している。酸化チ
タンには、ルチル型、アナターゼ型、アモルファス型が
あるが、本発明においてはアナターゼ型やアモルファス
型と比べて屈折率の高いルチル型の酸化チタンを用いる
のが好ましい。
【0048】また、反射防止膜の低屈折率層を形成した
い場合には、屈折率が比較的低い無機酸化物微粒子をコ
ーティング組成物に配合して所定の屈折率に調節する。
屈折率が低い無機酸化物としては、例えば、フッ化マグ
ネシウム、フッ化カルシウム、二酸化ケイ素などを用い
ることができる。
【0049】なお、本発明のコーティング組成物中に無
機酸化物微粒子と共に配合される酸化亜鉛微粒子は屈折
率が比較的高いので、屈折率の低い無機酸化物微粒子を
組み合わせて屈折率を低くするよりも、屈折率の高い無
機酸化物微粒子を組み合わせて屈折率を高くするほうが
容易である。従って、本発明のコーティング組成物及び
当該コーティング組成物から形成される塗膜は、屈折率
の低い無機酸化物微粒子を用いて低屈折率層を形成する
よりも、どちらかというと、屈折率の高い無機酸化物微
粒子を用いて中屈折率層、高屈折率層又は高屈折率ハー
ドコート層を形成するのに適している。
【0050】また、帯電防止膜、帯電防止膜としての機
能を有するハードコート層、又は、透明導電膜等として
利用できる導電性透明薄膜を形成したい場合には、導電
性が比較的大きい無機酸化物微粒子をコーティング組成
物に配合して所定の導電率に調節する。導電性が大きい
無機酸化物としては、例えば、酸化錫、スズをドープし
た酸化インジウム(ITO)、及び、アンチモンをドー
プした酸化スズ(ATO)、亜鉛をドープした酸化イン
ジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛
(AZO)、及び、フッ素をドープした酸化スズ(FT
O)などを用いることができる。
【0051】特に上記例示の導電性無機酸化物は、比較
的大きい導電性と共に比較的高い屈折率も有するので、
これらを用いる場合には透明薄膜に高い屈折率と共に導
電性を付与することができ、帯電防止膜としての機能を
有する中乃至高屈折率層、及び、帯電防止膜としての機
能を有する高屈折率ハードコート層を形成することも可
能である。
【0052】無機酸化物微粒子は、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。その場合には、主となる機能が異な
る無機酸化物微粒子同士を組み合わせることにより、複
数の機能をバランスよく備えた透明薄膜を形成すること
ができる。例えば、屈折率は極めて大きいが導電性の小
さいルチル型酸化チタン微粒子と、導電性は極めて大き
いが屈折率はルチル型酸化チタンよりも小さい上記の導
電性無機酸化物を組み合わせて、所定の屈折率と良好な
帯電防止性能を兼ね備えた高屈折率層を形成することが
可能である。
【0053】無機酸化物は、塗膜の透明性を低下させな
いために、いわゆる超微粒子サイズのものを用いる。こ
こで、「超微粒子」とは、一般的にサブミクロンオーダ
ーの粒子のことであり、一般的に「微粒子」と呼ばれて
いる数μmから数100μmの粒径を有する粒子よりも
粒径の小さいものを意味している。すなわち本発明にお
いて無機酸化物微粒子は、一次粒子径が0.01μm以
上であり、且つ、0.1μm以下、好ましくは0.03
μm以下のものを用いる。平均粒子径が0.01μm未
満のものは、コーティング組成物中に均一に分散させる
ことが困難であり、ひいては、無機酸化物超微粒子を均
一に分散させた塗膜が得られなくなる。また、平均粒子
径が0.1μm超のものは、塗膜の透明性を損なうので
好ましくない。無機酸化物微粒子の一次粒子径は、走査
型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出
のイメージ写真から目視計測してもよいし、動的光散乱
法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械
計測してもよい。
【0054】無機酸化物微粒子の一次粒子径が上記範囲
内であれば、その粒子形状が球状であっても針状であっ
ても、その他どのような形状であっても本発明に用いる
ことができる。
【0055】無機酸化物微粒子の表面の少なくとも一部
が、光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物により
被覆されていることが好ましい。本発明のコーティング
組成物は、無機酸化物超微粒子の光触媒活性を抑制する
ために、後述する酸化亜鉛微粒子を組み合わせて用いる
が、それに加えて、無機酸化物微粒子の表面を、光触媒
活性を低下又は消失させる無機化合物により被覆すると
光触媒活性をさらに強力に抑制することができ、塗膜の
耐光性が向上するので好ましい。
【0056】無機酸化物微粒子の表面の少なくとも一部
を被覆する無機化合物としては、例えば、アルミナ、シ
リカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、
アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、スズをド
ープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした
酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした
酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(F
TO)等の導電性複合金属酸化物などを例示することが
でき、これらの中から1種単独で又は2種以上の組み合
わせて用いることができる。
【0057】上記した材料又は他の材料の中から、被覆
すべき無機酸化物微粒子との比較において光触媒活性の
低い無機化合物を選択して用いる。無機酸化物微粒子
は、自己の光触媒活性よりも弱い光触媒活性を有する無
機化合物により光線から遮断されることになり、光触媒
活性が抑制される。
【0058】塗膜の屈折率を高い又は低い値に調節する
ために無機酸化物微粒子を用いる場合には、無機酸化物
微粒子に合わせて出来るだけ屈折率の高い又は低い無機
化合物を用いるのが好ましい。
【0059】導電性を有しない無機酸化物微粒子に、上
記したような導電性複合金属酸化物を被覆することによ
って、無機酸化物微粒子に導電性を付与することが可能
である。例えば、反射防止膜の高屈折率層を形成するた
めに、無機酸化物微粒子として屈折率は高いが導電性を
有しない酸化チタン微粒子を用いる場合には、当該酸化
チタン微粒子の表面を上記したような導電性複合金属酸
化物で被覆して導電性を付与することによって、帯電防
止機能を有する高屈折率層が得られる。
【0060】無機酸化物微粒子の表面を無機化合物によ
り被覆するには、無機酸化物微粒子を水に分散させた分
散液中に、被覆させたい無機化合物の塩、或いは、加水
分解により被覆させたい無機化合物を生じ得る有機金属
化合物を添加し、pH及び/又は温度条件を変えること
で、無機酸化物微粒子の表面に所望の無機化合物を物理
化学的に吸着させる。
【0061】無機化合物で被覆した無機酸化物微粒子
は、市販品にも存在しており、例えば、アルミナで被覆
した酸化チタンとしては石原産業のTTO51(A)
や、テイカ株式会社のMT−500シリーズを入手する
ことができる。
【0062】また、無機酸化物微粒子の表面の少なくと
も一部が、有機溶剤中での分散性を高めるために有機化
合物又は有機金属化合物により被覆されていることが好
ましい。本発明に係るコーティング組成物には、無機酸
化物微粒子を分散させるためにアニオン性の極性基を有
する分散剤を配合するが、無機酸化物微粒子を有機化合
物又は有機金属化合物で表面処理して疎水性を付与する
ことにより、塗工液中での無機酸化物微粒子の分散性
を、さらに向上させることができる。アニオン性の極性
基は無機酸化物微粒子との親和性が大きいので、本発明
においては特にアニオン性の極性基を有する有機化合物
及び/又はアニオン性の極性基を有する有機金属化合物
で無機酸化物微粒子を被覆する。
【0063】なお、無機酸化物微粒子の表面は、光触媒
活性を低下又は消失させるための無機化合物、又は、分
散性を向上させるためのアニオン性極性基を有する有機
化合物及び/又は有機金属化合物のいずれかだけで被覆
されていてもよいし、無機化合物と有機化合物及び/又
は有機金属化合物との両方で被覆されていてもよい。
【0064】アニオン性の極性基を有する有機化合物と
しては、カルボキシル基、リン酸基、又は、水酸基のよ
うなアニオン性の極性基を有するものを用いることがで
き、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレイン酸、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、EO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリアク
リレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート等
を例示することができる。
【0065】また、アニオン性の極性基を有する有機金
属化合物としては、シランカップリング剤及び/又はチ
タネートカップリング剤を用いることができる。
【0066】シランカップリング剤としては、具体的に
は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示するこ
とができる。
【0067】チタネートカップリング剤としては、具体
的には、味の素(株)より市販されている、製品名プレ
ンアクトKR−TTS、KR−46B、KR−55、K
R−41B、KR−38S、KR−138S、KR−2
38S、338X、KR−44、KR−9SA、KR−
ET等が例示でき、更に、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラn−プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、
テトラsec−ブトキシチタン、テトラtert−ブト
キシチタン等の金属アルコキシドも使用することができ
る。
【0068】無機酸化物微粒子を表面処理する有機化合
物及び/又は有機金属化合物としては、特にカップリン
グ剤、及び有機カルボン酸を用いるのが好ましい。ま
た、後述するケトン系溶剤を用いてコーティング組成物
を調製する場合には、カップリング剤、及び、ステアリ
ン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸の中から1種を単独で又は2種以上を組み合わせて
用いるのが好ましく、十分な分散性が得られる。
【0069】無機酸化物微粒子の表面を有機化合物及び
/又は有機金属化合物により被覆して疎水性を付与する
には、アニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又
は有機金属化合物を有機溶剤中に溶解させておき、この
溶液中に、無機化合物表面処理を未だ施していないか或
いはすでに施した無機酸化物微粒子を分散させた後に有
機溶剤を完全に蒸発除去することにより、被覆できる。
【0070】無機化合物及び有機化合物の両方を用いて
被覆した無機酸化物微粒子は、市販品にも存在してお
り、例えば、アルミナ及びステアリン酸で被覆した酸化
チタンとしてはTTO51(C)の商品名で石原産業か
ら入手することができる。
【0071】本発明に係るコーティング組成物の必須成
分のうち、0.005〜0.1μmの範囲の一次粒子径
を有し、且つ、BET法による比表面積が10〜70m
2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒子は、無機酸化物微粒
子の光触媒活性を抑制するために用いられる。
【0072】超微粒子サイズの無機酸化物は顕著な光触
媒活性を示し、数μm程度の粒子径では光触媒活性を示
さないジルコニアですら超微粒子サイズになると光触媒
活性を示すようになる。本発明のコーティング組成物を
用いて塗膜を形成し、紫外線を含有する光線、例えば通
常の太陽光を照射した時に無機酸化物微粒子の光触媒活
性が顕著に表れると、塗膜を形成しているバインダー間
の化学結合が切れて塗膜強度が低下したり、塗膜が黄変
して透明度、ヘイズが悪化するなど、塗膜が劣化しやす
い。
【0073】これに対して、塗工液中に無機酸化物超微
粒子と共に、0.005〜0.1μmの範囲の一次粒子
径を有し、且つ、BET法による比表面積が10〜70
2/gの範囲にある酸化亜鉛(ZnO)微粒子を配合
すると、塗膜の透明性を損なうこと無く無機酸化物微粒
子の光触媒活性を低下又は消失させることができ、塗膜
の耐候性を向上させることができる。
【0074】酸化亜鉛微粒子が無機酸化物微粒子の光触
媒活性を抑制できる理由は明らかでないが、おそらく
は、酸化亜鉛微粒子が他の無機酸化物微粒子と比べて紫
外線の吸収波長帯域が広いことから、酸化亜鉛微粒子の
紫外線吸収と他の無機酸化物微粒子の紫外線吸収とが競
合し、無機酸化物微粒子の紫外線吸収量が大幅に少なく
なる結果として無機酸化物微粒子の光触媒活性を阻害す
ると共に、酸化亜鉛微粒子自体は上記した粒子径及び比
表面積の範囲では光触媒活性を発現しないために、コー
ティング組成物及び当該コーティング組成物から形成さ
れる塗膜全体としては光触媒活性が低下するためである
と推測される。
【0075】無機酸化物微粒子の紫外線吸収と競合する
材料としては、紫外線吸収剤(UV吸収剤)を用いるこ
とも考えられる。しかしながら、UV吸収剤は有機化合
物であり、紫外線照射により徐々に分解して効果が減弱
していく。すなわち、UV吸収剤の紫外線吸収効果には
寿命がある。そのため、仮に、無機酸化物微粒子を含有
するコーティング組成物にUV吸収剤を配合するとして
も、塗膜形成後の初期に耐候性を発現するだけであり、
長期に渡る耐候性を得ることは出来ない。また、UV吸
収剤は、本発明におけるような無機酸化物微粒子を含有
するコーティング組成物に対しては大量に用いないと充
分な耐候性を得ることが出来ないので、塗膜の物性に悪
影響を与えたり、UV吸収剤から生じる多量の分解物に
より塗膜の黄変を引き起こすおそれもある。
【0076】特に、バインダー成分として電離放射線硬
化性樹脂を用いる場合には、UV吸収剤は、塗膜を硬化
させるための露光工程において光重合開始剤から発生さ
せたラジカルを消費してしまう。この現象は、塗膜の硬
化反応を阻害して露光エネルギーの浪費及び塗膜の硬化
不足を招くと共に、UV吸収剤自体が塗膜形成の途中で
分解し、塗膜形成後の耐候性に寄与できないという問題
を招く。
【0077】これに対して酸化亜鉛微粒子は、詳しい理
由は明らかでないが、無機酸化物微粒子の光触媒活性は
抑制するが、バインダー成分として電離放射線硬化性樹
脂を用いる場合であっても、塗膜を硬化させるための露
光工程において光重合開始剤から発生させたラジカルを
消費することはなく、硬化反応の妨げにならない。従っ
て、本発明における酸化亜鉛微粒子の作用は、コーティ
ング組成物のバインダー成分として電離放射線硬化性樹
脂を配合する場合に、特に有利である。
【0078】酸化亜鉛微粒子は、塗膜の透明性を低下さ
せないために、無機酸化物微粒子と同様、いわゆる超微
粒子サイズのものを用いる。具体的には、酸化亜鉛微粒
子の一次粒子径を0.005μm以上、好ましくは0.
01μm以上で、且つ、0.1μm以下、好ましくは
0.05μm以下とする。平均粒子径が0.005μm
未満のものは、コーティング組成物中に均一に分散させ
ることが困難であり、ひいては、酸化亜鉛超微粒子を均
一に分散させた塗膜が得られなくなる。また、平均粒子
径が0.1μm超のものは、塗膜の透明性を損なうので
好ましくない。
【0079】また、酸化亜鉛微粒子も他の無機酸化物微
粒子ほどではないが、粒子サイズが非常に小さくなって
比表面積が大きくなるとマイルドながら光触媒活性を発
現する。そこで本発明においては、酸化亜鉛微粒子が光
触媒活性を発現しないように、一次粒子径の割には比表
面積が比較的小さい酸化亜鉛微粒子を用いる。具体的に
は、一次粒子径が0.005〜0.1μmであると同時
に、BET法による比表面積が10m2/g以上、好ま
しくは30m2/g以上で、且つ、70m2/g以下、好
ましくは60m2/g以下の酸化亜鉛微粒子を用いる。
BET法による比表面積が70m2/gを超えると、酸
化亜鉛微粒子がマイルドながら光触媒活性を発現するお
それや、酸化亜鉛微粒子が凝集しやすくなるという問題
がある。
【0080】バインダー成分は、本発明に係るコーティ
ング組成物に成膜性や、基材や隣接する層に対する密着
性を付与するために、必須成分として配合される。バイ
ンダー成分としては、それ自体は重合反応性のない樹脂
のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー
成分を用いてもよい。そのようなバインダー成分として
は、光学薄膜を形成するために従来から用いられている
非重合反応性の透明樹脂、例えば、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリオレフィン、ポリスチロール、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート等を挙げ
ることができる。
【0081】しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久
性、密着性を付与するためには、本発明に係るコーティ
ング組成物を被塗工体の表面に塗布し、必要に応じて乾
燥させた後、何らかの化学反応によって重合、好ましく
は架橋して硬化するものを用いるのが好ましい。そのよ
うな重合反応性のバインダー成分としては、例えば、
(メタ)アクリレート系のモノマー、オリゴマー、ポリ
マーのように可視光線、紫外線、電子線等により硬化さ
せることができる光硬化性の又は電離放射線硬化性のバ
インダー成分や、エポキシ樹脂のような熱硬化性のバイ
ンダー成分を用いることができる。
【0082】以下においては、特に、本発明において酸
化亜鉛微粒子の利点が最も生かされる電離放射線硬化性
のバインダー成分について詳しく説明する。
【0083】電離放射線硬化性のバインダー成分は、コ
ーティング組成物中において重合していないモノマー又
はオリゴマーの状態で存在しているので、コーティング
組成物の塗工適性に優れ、均一な大面積薄膜を形成しや
すい。また、塗膜中のバインダー成分を塗工後に重合、
硬化させることにより十分な塗膜強度が得られる。
【0084】電離放射線硬化性のバインダー成分として
は、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直
接、又は開始剤の作用を受けて間接的に重合反応を生じ
る官能基を有するモノマー又はオリゴマーを用いること
ができる。本発明においては、主に、エチレン性不飽和
結合を有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを
用いることができ、必要に応じて光開始剤が組み合わせ
られる。しかしながら、その他の電離放射線硬化性のバ
インダー成分を用いることも可能であり、例えば、エチ
レン性不飽和結合を有するラジカル重合性のポリマー
や、エポキシ基含有化合物のような光カチオン重合性の
モノマーやオリゴマーを用いてもよい。光カチオン重合
性のバインダー成分には、必要に応じて光カチオン開始
剤が組み合わせて用いられる。バインダー成分の分子間
で架橋結合が生じるように、バインダー成分であるモノ
マー又はオリゴマーは、重合性官能基を2個以上有する
多官能性のバインダー成分であることが好ましい。
【0085】エチレン性不飽和結合を有するラジカル重
合性のモノマー及びオリゴマーとしては、具体的には、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピ
ルアクリレート、カルボキシポリカプロラクトンアクリ
レート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等
の単官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール
トリアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレ
ート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート
等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、或
いは、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリ
ゴマーを例示することができる。
【0086】電離放射線硬化性のバインダー成分のうち
でも、アニオン性の極性基を有するバインダー成分は、
無機酸化物微粒子との親和性が高く、分散助剤として作
用する。従って、アニオン性極性基を有する分散剤と協
調してコーティング組成物中および塗膜中での無機酸化
物微粒子の分散性を向上させたり、前記分散剤の使用量
を減らす効果があるので好ましい。
【0087】バインダー成分は、アニオン性の極性基と
して水素結合形成基を有するものが特に好ましい。バイ
ンダー成分が水素結合形成基を有する場合には、アニオ
ン性極性基としての効果により無機酸化物微粒子の分散
性を向上させることに加えて、水素結合によりハードコ
ート層、低屈折率層、透明電極層などの隣接層に対する
密着性を向上させることが可能となる。
【0088】例えば、水素結合形成基を有するバインダ
ー成分を配合した本発明のコーティング組成物を用いて
中〜高屈折率層を形成する場合には、いわゆるウエット
コーティング法により塗工液から形成したハードコート
層や低屈折率層やその他の光透過層に対しても、また、
蒸着法等のいわゆるドライコーティング法により形成し
た低屈折率層やその他の光透過層に対しても優れた密着
性が得られる。
【0089】低屈折率層としては、ドライ法である蒸着
法又はウエット法であるゾルゲル反応により酸化ケイ素
(SiOx)膜を形成する場合がある。酸化ケイ素膜は
シラノール基を含有しており水素結合を形成し得るが、
このような水素結合形成基を含有する膜に対して、水素
結合形成基を有するバインダー成分は特に密着性を飛躍
的に向上させる効果が大きい。
【0090】従来は、ウエット法により形成された中〜
高屈折率層の上に酸化ケイ素膜を蒸着により形成する場
合には十分な密着性が得られず、酸化ケイ素蒸着膜が剥
離し易かったのに対して、水素結合形成基を有するバイ
ンダー成分を配合したコーティング組成物を用いて中〜
高屈折率層を形成する場合には、当該中〜高屈折率層の
上に酸化ケイ素(SiOx)蒸着膜を密着性よく形成す
ることができるので、非常に有用である。
【0091】また、帯電防止の目的で反射防止膜中にI
TO蒸着膜やATO蒸着膜などの透明導電層を設け、当
該透明導電層上にハードコート層を形成する場合があ
る。このような場合にも水素結合形成基を有するバイン
ダー成分を配合したコーティング組成物を用いることに
より、高屈折率ハードコート層を密着性よく形成するこ
とができ、非常に有用である。
【0092】水素結合形成基を有するバインダー成分と
して、具体的には、分子中に水酸基を有するバインダー
成分を用いることができる。分子中に水酸基を有するバ
インダー成分としては、ペンタエリスリトール多官能
(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトール多
官能(メタ)アクリレートであって分子中に水酸基を残
したバインダー成分を用いることができる。すなわち、
そのようなバインダー成分は、一分子のペンタエリスリ
トール又はジペンタエリスリトールに2分子以上の(メ
タ)アクリル酸がエステル結合しているが、ペンタエリ
スリトール又はジペンタエリスリトールの分子中にもと
もとある水酸基の一部はエステル化されないまま残って
いるものであり、例えば、ペンタエリスリトールトリア
クリレートを例示することができる。ペンタエリスリト
ール多官能アクリレート及びジペンタエリスリトール多
官能アクリレートは、一分子中にエチレン性二重結合を
2個以上有するので、重合時に架橋反応を起こし、高い
塗膜強度が得られる。
【0093】ラジカル重合を開始させる光開始剤として
は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケ
タール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ
化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物
類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオ
ロアミン化合物などが用いられる。より具体的には、1
−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2
−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケト
ン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。
これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトン、及び、2−メチル−1[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−
オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開
始し促進するので、本発明において好ましく用いられ
る。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組
み合わせて用いることができる。これらは市販品にも存
在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトンはイルガキュアー 184(Irgacure 18
4)の商品名で日本チバガイギーから入手できる。
【0094】アニオン性の極性基を有する分散剤は、無
機酸化物微粒子に対して親和性の高いアニオン性の極性
基を有しており、本発明に係るコーティング組成物に無
機酸化物微粒子に対する分散性を付与するために配合さ
れる。アニオン性の極性基としては、例えば、カルボキ
シル基、リン酸基、水酸基などが該当する。
【0095】アニオン性の極性基を有する分散剤として
は、具体的には、ビックケミー・ジャパン社がディスパ
ービックの商品名で供給する製品群、すなわち、Disper
byk-111, Disperbyk-110, Disperbyk-116, Disperbyk-1
40, Disperbyk-161, Disperbyk-162, Disperbyk-163, D
isperbyk-164, Disperbyk-170, Disperbyk-171, Disper
byk-174, Disperbyk-180, Disperbyk-182等を例示する
ことができる。
【0096】これらのうちでも、エチレンオキサイド鎖
の骨格を有する主鎖に上記したようなアニオン性の極性
基からなる側鎖又はアニオン性の極性基を有する側鎖が
結合した分子構造を有し、数平均分子量が2,000か
ら20,000の化合物を用いると、特に良好な分散性
が得られ好ましい。数平均分子量は、GPC(ゲル浸透
クロマトグラフィー)法により測定することができる。
このような条件に合うものとして、上記ディスパービッ
クシリーズの中ではディスパービック163(Disperby
k 163)がある。
【0097】本発明のコーティング組成物の固形成分を
溶解分散するための有機溶剤は特に制限されず、種々の
もの、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、
エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン
化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
或いはこれらの混合物を用いることができる。
【0098】本発明においては、ケトン系の有機溶剤を
用いるのが好ましい。本発明に係るコーティング組成物
をケトン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に
薄く均一に塗布することができ、且つ、塗工後において
溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均
一な薄さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
【0099】反射防止膜の支持層であるハードコート層
にアンチグレア層としての機能を付与するために当該ハ
ードコート層の表面を微細凹凸に形成し、その上に本発
明に係るコーティング組成物を塗布して中屈折率層又は
高屈折率層を形成する場合がある。本発明に係るコーテ
ィング組成物をケトン系溶剤を用いて調製すると、この
ような微細凹凸の表面にも均一に塗工することができ、
塗工むらを防止できる。
【0100】ケトン系溶剤としては、1種のケトンから
なる単独溶剤、2種以上のケトンからなる混合溶剤、及
び、1種又は2種以上のケトンと共に他の溶剤を含有し
ケトン溶剤としての性質を失っていないものを用いるこ
とができる。好ましくは、溶剤の70重量%以上、特に
80重量%以上を1種又は2種以上のケトンで占められ
ているケトン系溶剤が用いられる。
【0101】有機溶剤としてケトン系溶剤を用い、無機
酸化物微粒子の表面を上記したような有機化合物及び/
又は有機金属化合物で被覆することにより、特に塗工適
性に優れたコーティング組成物が得られ、均一な大面積
薄膜を容易に形成できるようになる。この場合でも、ア
ニオン性の極性基を有する分散剤として上記したような
エチレンオキサイド系の分散剤、すなわち、エチレンオ
キサイド鎖の骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基か
らなる側鎖又はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合
した分子構造を有し、数平均分子量が2,000から2
0,000の化合物を用いると、さらに好ましい。或い
は、バインダー成分として、ペンタエリスリトール多官
能(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトール
多官能(メタ)アクリレートであって分子中に水酸基を
残したバインダー成分を用いるのも効果的である。
【0102】本発明に係るコーティング組成物は、必須
成分として、無機酸化物微粒子、酸化亜鉛微粒子、バイ
ンダー成分、アニオン性の極性基を有する分散剤、およ
び、有機溶剤を含有するが、さらに必要に応じて、その
他の成分を配合してもよい。例えば、電離放射線硬化性
のバインダー成分を用いる場合には重合開始剤を含有す
ることができる。また、必要に応じて、紫外線遮蔽剤、
紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、酸化ジル
コニウム、アンチモンでドープした酸化スズ(ATO)
などを用いることができる。
【0103】上記コーティング組成物を用いて高屈折率
ハードコート層を形成する場合には、コーティング組成
物に有機系微粒子などを配合して塗布することにより、
高屈折率ハードコート層の表面を微細凹凸にしてアンチ
グレア層としての機能を付与することができる。ここ
で、微細凹凸を形成するための有機系微粒子として、具
体的にはSEM観察による平均粒子径が0.5〜10.
0μm程度のスチレンビーズ、アクリルビーズ、及び、
スチレン/アクリル共重合体ビーズを用いることができ
る。
【0104】無機酸化物微粒子と酸化亜鉛微粒子の配合
割合は適宜調節可能であるが、一般的には、無機酸化物
微粒子10重量部に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜
5重量部の割合で配合する。酸化亜鉛微粒子の配合量が
少なすぎると無機酸化物微粒子の光触媒活性を抑制する
効果が不充分となり、一方、酸化亜鉛微粒子の配合量が
多すぎると、光触媒活性の抑制効果が頭打ちになるだけ
でなく、塗膜物性を損なう原因になる。
【0105】酸化亜鉛微粒子以外の各成分の配合割合も
適宜調節可能であるが、一般的には、無機酸化物微粒子
10重量部に対して、前記酸化亜鉛微粒子を0.1〜5
重量部、バインダー成分を4〜20重量部、及び、アニ
オン性の極性基を有する分散剤を4〜10重量部の割合
で配合する。ただし、バインダー成分として分子中にア
ニオン性の極性基を有するものを用いる場合には、当該
バインダー成分が分散助剤として作用するので、アニオ
ン性極性基を有する分散剤の使用量を大幅に減らすこと
ができる。分散剤はバインダーとしては機能しないの
で、分散剤の配合割合を減らすことによって塗膜強度の
向上を図ることができる。
【0106】具体的には、無機酸化物微粒子10重量部
に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、アニオ
ン性の極性基を有するバインダー成分を4〜20重量
部、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤を2〜4
重量部の割合で配合することができる。この配合割合
は、低屈折率層、中〜高屈折率層、帯電防止層、透明電
極膜などの比較的薄い塗膜を形成するためのコーティン
グ組成物として好適であり、必須成分である酸化亜鉛微
粒子の屈折率が比較的高いことから、比較的高い屈折率
が要求される中〜高屈折率層、又は、屈折率を問題とし
ない帯電防止層や透明導電層を形成するのに特に好適で
ある。
【0107】また、無機酸化物微粒子10〜20重量部
に対して、酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、分子中
にアニオン性の極性基を有する前記バインダー成分を4
〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量部の割合で
含有するコーティング組成物は、高屈折率ハードコート
層や導電性ハードコート層のように、無機酸化物微粒子
によって何らかの機能が付加され、且つ、中〜高屈折率
層よりも厚く形成する必要があるハードコート層を形成
するために好適である。高屈折率ハードコート層を形成
するためのコーティング組成物を調製する場合には、ア
ンチグレア層としての機能を付与するための有機系微粒
子を1〜20重量部の割合で配合してもよい。
【0108】光重合開始剤を用いる場合には、バインダ
ー成分100重量部に対して、光重合開始剤を通常は3
〜8重量部の割合で配合する。
【0109】また、有機溶剤の量は、各成分を均一に溶
解、分散することができ、調製後の保存時に凝集を来た
さず、且つ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適
宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用
量を少なくして高濃度のコーティング組成物を調製し、
容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出
して塗工作業に適した濃度に希釈するのが好ましい。本
発明においては、固形分と有機溶剤の合計量を100重
量部とした時に、必須成分及びその他の成分を含む全固
形分0.5〜50重量部に対して、有機溶剤を50〜9
5.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30
重量部に対して、有機溶剤を70〜90重量部の割合で
用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に
適したコーティング組成物が得られる。
【0110】上記各成分を用いて本発明に係るコーティ
ング組成物を調製するには、塗工液の一般的な調製法に
従って分散処理すればよい。例えば、各必須成分及び各
所望成分を任意の順序で混合し、得られた混合物にビー
ズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル
等で適切に分散処理することにより、コーティング組成
物が得られる。
【0111】こうして得られたコーティング組成物は、
必須成分として、所定の一次粒子径を有する無機酸化物
微粒子と、所定の一次粒子径と共に所定の比表面積を有
する酸化亜鉛微粒子と、バインダー成分と、アニオン性
の極性基を有する分散剤を有機溶剤中に溶解、分散して
なるものであり、特に、無機酸化物微粒子は、当該無機
酸化物微粒子の光触媒活性が酸化亜鉛微粒子の作用によ
り非常に低いレベルにまで抑制されていると共に、アニ
オン性の極性基を有する分散剤の作用により、コーティ
ング組成物中に均一に分散されている。
【0112】本発明に係るコーティング組成物は、酸化
亜鉛微粒子を配合することにより耐候性に優れ、黄変や
膜強度の低下などの経時劣化を引き起こしにくい塗膜を
形成することができる。無機酸化物微粒子の表面が無機
化合物により被覆されている場合には、当該無機化合物
による光触媒活性阻止作用が、酸化亜鉛微粒子による光
触媒活性阻止作用と協調することにより、さらに耐候性
が向上する。
【0113】本発明に係るコーティング組成物は、アニ
オン性の極性基を有する分散剤を配合することにより、
無機酸化物微粒子の優れた分散性及び分散安定性を有し
ており、ヘイズが非常に小さい塗膜を形成することがで
きる。無機酸化物微粒子の表面がアニオン性極性基を有
する有機化合物及び/又は有機金属化合物により被覆さ
れている場合には、当該有機化合物及び/又は有機金属
化合物による分散作用が、アニオン性の極性基を有する
分散剤による分散作用と協調することにより、さらに無
機酸化物微粒子の分散性及び分散安定性が向上する。
【0114】すなわち、本発明に係るコーティング組成
物中の無機酸化物微粒子の配合量をコントロールして、
当該コーティング組成物を基材等の被塗工体の表面に塗
布し、乾燥し、必要に応じて硬化させることによって、
無機酸化物微粒子の物性に起因する何らかの機能が付加
され、透明性が高く、ヘイズが小さく、且つ、耐候性に
優れた塗膜が得られる。
【0115】従って、本発明に係るコーティング組成物
は、高い透明性が要求される光学薄膜を形成するのに適
しており、例えば、反射防止膜を構成する1又は2以上
の層を形成するのに用いることができる。特に、本発明
に係るコーティング組成物に高屈折率を有する無機酸化
物微粒子を配合する場合には、反射防止膜の中屈折率
層、高屈折率層又は高屈折率ハードコート層を形成する
のに適している。また、本発明に係るコーティング組成
物に、導電性の高い無機酸化物微粒子を配合する場合に
は、透明性の高い導電性透明薄膜が得られ、反射防止膜
等の光学薄膜に設ける帯電防止膜や、液晶表示装置の画
素駆動素子に設ける透明電極膜などを形成するのに適し
ている。
【0116】また、本発明に係るコーティング組成物
は、長期間に渡る分散安定性にも優れているのでポット
ライフが長く、長期間保存した後に使用する場合でも透
明性が高く且つヘイズの小さい塗膜を形成することがで
きる。
【0117】さらに、本発明に係るコーティング組成物
は、塗工適性に優れ、被塗工体の表面に、容易に薄く広
く且つ均一に塗布することができ、均一な大面積薄膜を
形成できる。特に、ケトン系溶剤を用いると蒸発速度が
適度で、塗膜の乾燥むらが生じ難いので、均一な大面積
薄膜を特に形成しやすい。
【0118】上記したような本発明のコーティング組成
物を基材等の被塗工体の表面に塗布し、乾燥し、必要に
応じて電離放射線の照射などの化学反応工程により硬化
させることによって、実質的に無色透明でヘイズの小さ
い塗膜を形成することができる。
【0119】本発明のコーティング組成物を塗布する支
持体は特に制限されない。好ましい基材としては、例え
ば、ガラス板; トリアセテートセルロース(TA
C)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセ
チルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポ
リエーテルサルホン、アクリル系樹脂;ポリウレタン系
樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホ
ン;ポリエーテル;トリメチルペンテン;ポリエーテル
ケトン;(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成
したフィルム等を例示することができる。基材の厚さ
は、通常25μm〜1000μm程度であり、好ましく
は50μm〜190μmである。
【0120】コーティング組成物は、例えば、スピンコ
ート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、
バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター
法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコータ
ー法等の各種方法で基材上に塗布することができる。
【0121】本発明に係るコーティング組成物を基材等
の被塗工体の表面に所望の塗工量で塗布した後、通常
は、オーブン等の加熱手段で加熱乾燥し、その後、必要
に応じて紫外線や電子線等の電離放射線を放射する等の
適切な方法により硬化させることにより塗膜が形成され
る。
【0122】次に、本発明に係る塗膜について説明す
る。本発明に係る塗膜は、0.01〜0.1μmの範囲
の一次粒子径を有する無機酸化物微粒子、0.005〜
0.1μmの範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法
による比表面積が10〜70m 2/gの範囲にある酸化
亜鉛微粒子、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤
が、バインダー中に均一に混合されてなるものである
が、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
【0123】本発明により得られる塗膜は、反射防止膜
を構成する1又は2以上の層として好適に利用すること
ができ、特に、酸化チタン等の屈折率が高い無機酸化物
微粒子を配合して屈折率を調節する場合には、中〜高屈
折率層を形成するのに適している。本発明によれば、膜
厚が0.05〜0.2μmの塗膜を形成した時に、屈折
率を1.55〜2.30の範囲に調節し、且つ、JIS
−K7361−1の規定に従って基材と一体の状態で測
定したヘイズ値を、前記基材だけのヘイズ値と変わらな
いか又は前記基材だけのヘイズ値との差が1%以内に抑
制することが可能である。
【0124】また、本発明により得られた塗膜を膜厚が
0.2〜3.0μmの範囲で調整した場合は、反射防止
膜のような高度な透明性が必要とされるハードコート層
として使用することができる。特に、酸化チタンなどの
屈折率が高い無機酸化物超微粒子を配合して屈折率を
1.55〜2.30の範囲で調節した場合、反射防止性
能を有するために必要とされる積層数の簡略化を図るこ
とが可能となる。このことは例えば、反射防止性能を得
るために通常、ハードコート層の上に高屈折率層/低屈
折率層という層構成の薄膜を作るべきところを、ハード
コート層の屈折率を上げることで低屈折率層のみで同様
の反射防止性能が得られるため、製造工程の簡略化など
が可能となる。本発明によれば、膜厚が0.2〜3.0
μmの時に、屈折率を1.55〜2.30の範囲に調節
し、且つ、JIS−K7361−1に規定されるヘイズ
値を、前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記
基材だけのヘイズ値との差が10%以内に抑制すること
が可能である。
【0125】また、本発明により得られる塗膜は、高屈
折率ハードコート層を形成するのにも適している。本発
明によれば、酸化チタン等の屈折率が高い無機酸化物微
粒子を配合して屈折率を調節することにより、膜厚が
0.2〜10μmの塗膜を形成した時に、屈折率を1.
55〜2.30の範囲に調節し、且つ、JIS−K73
61−1に規定されるヘイズ値を前記基材だけのヘイズ
値と変わらないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が
10%以内に抑制し、且つ、JIS−K5600−5−
4に規定される鉛筆硬度が2H以上となるように物性を
調節することが可能であり、高屈折率ハードコート層を
形成できる。
【0126】また、本発明により得られる塗膜は、反射
防止膜に設けられる帯電防止層や、液晶表示装置の画素
駆動素子に設けられる透明導電層などの導電性透明薄膜
としても好適に利用することができる。本発明によれ
ば、膜厚が0.05〜0.2μmの時に、JIS−K7
361−1の規定に従って基材と一体の状態で測定した
ヘイズ値が、前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又
は前記基材だけのヘイズ値との差が1%以内である導電
性透明薄膜が得られる。また、本発明によれば、膜厚が
0.2〜3.0μmの時に、JIS−K7361−1に
規定されるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値と変わら
ないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が10%以内
である導電性透明薄膜が得られる。本発明により得られ
る塗膜を帯電防止層などの導電性透明薄膜として反射防
止膜に付加する場合、本発明により得られる塗膜は単な
る導電性透明薄膜として反射防止膜に付加することがで
きるだけでなく、反射防止膜を構成する低、中又は高屈
折率層としても機能する層として付加しても良い。本発
明により得られる塗膜を単なる導電性透明薄膜として反
射防止膜に付加する場合には、反射防止膜を支持する基
材フィルムの反射防止膜を設けたのと同じ側、又は、そ
の反対側のどちら側に導電性透明薄膜を設けても良い。
【0127】さらに本発明によれば、膜厚が0.2〜1
0μmの時に、JIS−K7361−1に規定されるヘ
イズ値が前記基材だけのヘイズ値と変わらないか又は前
記基材だけのヘイズ値との差が10%以内であり、且
つ、JIS−K5600−5−4に規定される鉛筆硬度
が2H以上である導電性透明薄膜が得られる。この導電
性透明薄膜は、透明性に優れると共に硬度が高いので、
透明性が要求される皮膜の下地を構成する帯電防止性ハ
ードコート層として好適である。
【0128】次に、本発明に係る塗膜を適用した機能性
膜の具体例について説明する。先ず、本発明に係る塗膜
を適用した反射防止膜について説明する。本発明に係る
塗膜は、光透過性を有し且つ互いに屈折率の異なる層
(光透過層)を二層以上積層してなる多層型反射防止膜
のうちの一層を形成するのに用いることができる。本発
明に係る塗膜は、主として中乃至高屈折率層として用い
られるが、高屈折率ハードコート層や低屈折率層や帯電
防止層として用いることもできる。なお、多層型反射防
止膜の中で最も屈折率の高い層を高屈折率層と称し、最
も屈折率の低い層を低屈折率層と称し、それ以外の中間
的な屈折率を有する層を中屈折率層と称する。
【0129】また、反射防止膜で被覆する面、例えば画
像表示装置の表示面に、本発明に係る塗膜をただ一層設
けただけでも、被覆面自体の屈折率と本発明に係る塗膜
の屈折率のバランスが丁度良い場合には反射防止効果が
得られる。従って、本発明に係る塗膜は、単層の反射防
止膜としても有効に機能する場合がある。
【0130】本発明に係る塗膜は、特に、液晶表示装置
(LCD)や陰極管表示装置(CRT)、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の表示面を被
覆する多層型反射防止膜の少なくとも一層、特に中乃至
高屈折率層を形成するのに好適に用いられる。
【0131】図1は、本発明に係る塗膜を光透過層とし
て含んだ多層型反射防止膜により表示面を被覆した液晶
表示装置の一例(101)の断面を模式的に示したもの
である。液晶表示装置101は、表示面側のガラス基板
1の一面にRGBの画素部2(2R、2G、2B)とブ
ラックマトリックス層3を形成してなるカラーフィルタ
ー4を準備し、当該カラーフィルターの画素部2上に透
明電極層5を設け、バックライト側のガラス基板6の一
面に透明電極層7を設け、バックライト側のガラス基板
とカラーフィルターとを、透明電極層5、7同士が向き
合うようにして所定のギャップを空けて対向させ、周囲
をシール材8で接着し、ギャップに液晶Lを封入し、背
面側のガラス基板6の外面に配向膜9を形成し、表示面
側のガラス基板1の外面に偏光フィルム10を貼り付
け、後方にバックライトユニット11を配置したもので
ある。なお、上記透明電極層5、7も、本発明に係る塗
膜により構成することが可能である。
【0132】図2は、表示面側のガラス基板1の外面に
貼り付けた偏光フィルム10の断面を模式的に示したも
のである。表示面側の偏光フィルム10は、ポリビニル
アルコール(PVA)等からなる偏光素子12の両面を
トリアセチルセルロース(TAC)等からなる保護フィ
ルム13、14で被覆し、その裏面側に接着剤層15を
設け、その鑑賞側にハードコート層16と多層型反射防
止膜17を順次形成したものであり、接着剤層15を介
して表示面側のガラス基板1に貼着されている。
【0133】ここで、液晶表示装置等のように内部から
射出する光を拡散させて眩しさを低減させるために、ハ
ードコート層16は、当該ハードコート層の表面を凹凸
形状に形成したり或いは当該ハードコート層の内部に無
機や有機のフィラーを分散させてハードコート層内部で
光を散乱させる機能を持たせた防眩層(アンチグレア
層)としてもよい。
【0134】多層型反射防止膜17の部分は、バックラ
イト側から鑑賞側に向かって中屈折率層18、高屈折率
層19、低屈折率層20が順次積層された3層構造を有
している。多層型反射防止膜17は、高屈折率層19と
低屈折率層20が順次積層された2層構造であってもよ
い。なお、ハードコート層16の表面が凹凸形状に形成
される場合には、その上に形成される多層型反射防止膜
17も図示のように凹凸形状となる。
【0135】低屈折率層20は、本発明に係る塗膜に屈
折率の低い無機酸化物微粒子を配合することにより形成
しても良いが、その他の方法として、シリカやフッ化マ
グネシウム等の無機物、フッ素系樹脂等を含有する塗工
液から得られる屈折率1.46以下の塗膜や、シリカや
フッ化マグネシウムなどを化学蒸着法(CVD)や物理
蒸着法(PVD)などの蒸着法を用いた蒸着膜とするこ
とができる。また、中屈折率層18及び高屈折率層19
は、本発明に係る塗膜に酸化チタンのような屈折率の高
い無機酸化物微粒子を配合することにより形成すること
ができ、中屈折率層18には屈折率1.46〜1.80
の範囲の光透過層、高屈折率層19には屈折率1.65
以上の光透過層が使用される。
【0136】この反射防止膜の作用により、外部光源か
ら照射された光の反射率が低減するので、景色や蛍光燈
の映り込みが少なくなり、表示の視認性が向上する。ま
た、外光がディスプレイ表面に映り込んだり、眩しく光
ったりする状態であるのを、ハードコート層16の凹凸
による光散乱効果によって外光の反射光が軽減し、表示
の視認性がさらに向上する。
【0137】液晶表示装置101の場合には、偏光素子
12と保護フィルム13、14からなる積層体に本発明
に係るコーティング組成物を塗布して屈折率を1.46
〜1.80の範囲で調節した中屈折率層18と屈折率を
1.65以上に調節した高屈折率層19を形成し、さら
に低屈折率層20を設けることができる。そして、反射
防止膜17を含む偏光フィルム10を接着剤層15を介
して鑑賞側のガラス基板1上に貼着することができる。
【0138】これに対し、CRTの表示面には配向板を
貼着しないので、反射防止膜を直接設ける必要がある。
しかしながら、CRTの表示面に本発明に係るコーティ
ング組成物を塗布するのは煩雑な作業である。このよう
な場合には、本発明に係る塗膜を含んでいる反射防止フ
ィルムを作製し、それを表示面に貼着すれば反射防止膜
が形成されるので、表示面に本発明に係るコーティング
組成物を塗布しなくて済む。
【0139】光透過性を有する基材フィルムの一面側又
は両面に、光透過性を有し且つ互いに屈折率が異なる光
透過層を二層以上積層してなり、当該光透過層のうちの
少なくとも一つを本発明に係る塗膜で形成することによ
り、反射防止フィルムが得られる。基材フィルム及び光
透過層は、反射防止フィルムの材料として使用できる程
度の光透過性を有する必要があり、できるだけ透明に近
いものが好ましい。
【0140】図3は、本発明に係る塗膜を含んだ反射防
止フィルムの一例(102)の断面を模式的に示したも
のである。反射防止フィルム102は、光透過性を有す
る基材フィルム21の一面側に、本発明に係るコーティ
ング組成物を塗布して高屈折率層22を形成し、さらに
当該高屈折率層の上に低屈折率層23を設けたものであ
る。この例では、互いに屈折率の異なる光透過層は高屈
折率層と低屈折率層の二層だけだが、光透過層を三層以
上設けてもよい。その場合には、高屈折率層だけでなく
中屈折率層も、本発明に係るコーティング組成物を塗布
して形成することができる。
【0141】反射防止膜以外に本発明に係る塗膜を適用
し得る具体例としては、透明導電フィルムがある。図4
は、本発明に係る塗膜を含んだ透明導電フィルムの一例
(103)の断面を模式的に示したものである。透明導
電フィルム103は、光透過性を有する基材フィルム2
1の一面側に、本発明に係るコーティング組成物を塗布
して導電性透明薄膜25を形成したものであり、導電性
透明薄膜の導電率が比較的小さい場合には帯電防止フィ
ルムとして利用することができ、導電率が比較的大きい
場合には、透明電極膜のような透明導電膜として利用す
ることができる。導電性透明薄膜を設けたい場所に本発
明に係るコーティング組成物を直接塗布することができ
ない場合には、このような透明導電フィルム103を作
成し、必要な場所に貼付又は設置することにより、導電
性透明薄膜の機能を発揮させることができる。
【0142】さらに図4の透明導電フィルム103にお
いて、基材フィルム21の一面側に導電性の無機酸化物
微粒子を含有する本発明のコーティング組成物を比較的
厚く塗布して、帯電防止機能を有するハードコート層を
形成することにより、ハードコートフィルムを得ること
も可能である。
【0143】
【実施例】(実施例1) (1)コーティング組成物の調製 ルチル型酸化チタンとして、酸化チタン含量が79〜8
5%で、Al23およびステアリン酸で表面処理し、一
次粒径0.01〜0.03μmで、比表面積が50〜6
0m2/gで、吸油量が24〜30g/100gで、表
面が撥水性のルチル型酸化チタン(TTO51(C)、
石原産業社製)を用意した。酸化亜鉛微粒子として、平
均粒子径が0.031μmで、BET法による比表面積
が35m 2/gの酸化亜鉛(シーアイ化成(株)製Zn
O)を用意した。電離放射線硬化性バインダー成分とし
て、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3
0、日本化薬社製)を用意した。アニオン性の極性基を
有する分散剤としては、顔料に親和性のあるブロック共
重合体(ディスパービック 163、ビックケミー・ジ
ャパン社製)を用意した。光開始剤としては、1−ヒド
ロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキ
ュアー 184、チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製)を用意した。有機溶剤としては、メチルイソ
ブチルケトンを用意した。
【0144】ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、分散剤(ディスパービ
ック 163)、および、メチルイソブチルケトンをマ
ヨネーズ瓶に入れ、混合物の約4倍量のジルコニアビー
ズ(φ0.3mm)を媒体に用いてペイントシェーカー
で10時間振とうした後に、光開始剤(イルガキュアー
184)を加えて下記組成のコーティング組成物を得
た。
【0145】<コーティング組成物の組成> ・ルチル型酸化チタン(Al23およびステアリン酸に
よる表面処理品、一次粒径0.01〜0.03μm)
(TTO51(C)、石原産業(株)製):10重量部 ・酸化亜鉛(平均粒子径0.031μm、BET法によ
る比表面積35m2/g)(シーアイ化成(株)製Zn
O)):0.5重量部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3
0、日本化薬(株)製):4重量部 ・アニオン性基含有分散剤(ディスパービック163、
ビックケミー・ジャパン(株)製):2重量部 ・光開始剤(イルガキュアー184、チバスペシャリテ
ィーケミカルズ(株)製):0.2重量部 ・メチルイソブチルケトン:37重量部 (2)塗膜の作成及び物性評価 (a) 塗膜1の形成 厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(FT
−T80UZ、富士写真フィルム(株)製)上に厚さ3
μmのペンタエリスリトールトリアクリレート硬化膜を
形成した後、調製直後のコーティング組成物をバーコー
ター#2で塗工し、60℃で1分間加熱乾燥した後、5
00mJのUV照射によって硬化させ、硬化後膜厚が
0.1μmの透明膜を形成した。
【0146】この透明膜について、下記試験により膜強
度、蒸着膜密着性、及び耐光性を評価した。
【0147】(膜強度)スチールウールの#0000番
を用い200g〜1kg荷重で膜表面を20回擦った時
のヘイズの変化により膜強度を評価した。
【0148】(蒸着膜との密着性)以下の条件でPVD
法により膜厚84.7μmのシリカ蒸着膜を形成し、得
られた蒸着膜について以下のセロハンテープ碁盤目剥離
試験を行った <PVD法条件> ・熱蒸着用ターゲット:一酸化ケイ素(純度99.9
%) ・出力:電流値0.4A、電圧480V ・真空チャンバー内の真空度:0.13Pa ・アルゴン流量:38.8sccm ・酸素流量:5sccm ・蒸着速度:8.47nm/分 <セロハンテープ碁盤目剥離試験の条件>塗膜表面にカ
ッターで縦10本×横10本の傷を直交させて付け、1
00個の碁盤目状の桝目を設けた。その上からセロハン
テープを強く密着させた後、一気に引き剥がし、膜面に
残った桝目の数を数えた。
【0149】(耐光性)塗膜をスガ試験機(株)製の耐
光性試験機「紫外線フェードメーター」を用いてカーボ
ンアークランプ下、湿度60%で200時間照射し、こ
の照射前後に550nmでの反射率カーブを測定した。
反射カーブは、株式会社島津製作所製の分光光度計UV
−3100PCを用い、入射角と反射角を15度に調節
した時の値を測定した。
【0150】(試験結果)各試験の結果を第1表に示
す。この透明膜は、膜強度試験において1kg荷重で傷
が全くつかないことを確認した。また、この透明膜は、
セロハンテープ碁盤目剥離試験においてシリカ膜は全く
剥離せず、蒸着膜に対して良好な密着性を示した。さら
に、この透明膜は、耐光性試験の照射前後において反射
率カーブに変化は全く見られなかった。
【0151】(2) 塗膜2の形成 また、ヘイズ及び屈折率の測定用に、厚さ50μmの表
面未処理PET基材(東レ(株)製ルミナーT60)上
に、調製直後のコーティング組成物をバーコーター#2
で塗工し、60℃で1分間加熱乾燥した後、500mJ
のUV照射によって硬化させ、硬化後膜厚が0.1μm
の透明膜を形成した。
【0152】また、コーティング組成物を室温で30日
間放置して沈殿の発生状況を観察し、さらに放置後のコ
ーティング組成物を用いて、上記と同様に厚さ50μm
の表面未処理PET基材(東レ(株)製ルミナーT6
0)上に硬化後膜厚が0.1μmの透明膜を形成した。
【0153】調製直後および室温放置後のコーティング
組成物それぞれから形成した硬化後膜厚が0.1μmの
透明膜について、下記方法でヘイズと屈折率を測定し
た。 (ヘイズ)ヘイズは、濁度計NDH2000(日本電色
工業社製)を用いて測定した。
【0154】(屈折率)硬化後の塗膜の屈折率は、分光
エリプソメーター(UVSEL、ジョバン−イーボン社
製)を用い、ヘリウムレーザー光の波長633nmでの
屈折率を測定した。
【0155】(試験結果)各試験の結果を第2表に示
す。実施例1において調製したコーティング組成物を用
いたところ、塗膜のヘイズは0(ゼロ)、屈折率は1.
83であり、ヘイズおよび屈折率が良好な透明膜が得ら
れた。また、実施例1のコーティング組成物は、室温放
置後も分散性に優れ、調製直後と同様にヘイズおよび屈
折率が良好な透明膜が得られた。
【0156】(比較例1)実施例1において、酸化亜鉛
粒子を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行って
コーティング組成物を調製し、塗膜1及び塗膜2を作成
し、物性を評価した。試験結果を第1表及び第2表に示
す。比較例1のコーティング組成物により作成した塗膜
は、膜強度、蒸着膜密着性、ヘイズ、及び屈折率は良好
であった。しかし、耐光性は、実施例1と同様の条件で
反射率は照射前と比べて照射後には5%程度低波長側に
移動した。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るコー
ティング組成物は、塗膜に所定の屈折率や導電性などの
何らかの機能を付与するために配合される無機酸化物微
粒子の分散性、分散安定性に優れ、小さいヘイズと実使
用に耐え得る膜強度を保持しながら、微粒子の光触媒活
性による塗膜の経時劣化を極端に抑えた耐候性の高い塗
膜を形成することができる。
【0160】また、本発明に係るコーティング組成物
は、塗工適性に優れ、均一な大面積の薄膜を容易に形成
することができ、屈折率が調節されたヘイズの小さい機
能性透明薄膜を低コストで大量生産するのに適してい
る。
【0161】また、本発明に係る塗膜は、本発明に係る
上記コーティング組成物を用いて形成されるものであ
る。この塗膜は、透明性が高く、ヘイズが小さく、且
つ、無機酸化物微粒子の配合量をコントロールして機
能、性能を調節できるので、さまざまな機能性透明薄膜
として利用できる。代表的には、反射防止膜の低屈折率
層や中乃至高屈折率層や高屈折率ハードコート層のよう
な光学薄膜や、帯電防止膜や帯電防止性ハードコート層
や透明電極膜などの導電性透明薄膜を形成するのに好適
に利用できる。
【0162】さらに、本発明に係る塗膜のバインダーが
水素結合形成基を有する場合には、隣接層、その中でも
特に蒸着層との密着性が特に優れている。
【0163】そして、本発明に係る塗膜を含んでいる反
射防止膜は、液晶表示装置やCRT等の表示面に好適に
適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗膜を含んだ多層型反射防止膜に
より表示面を被覆した液晶表示装置の一例であり、その
断面を模式的に示した図である。
【図2】本発明に係る塗膜を含んだ多層型反射防止膜を
設けた配向板の一例であり、その断面を模式的に示した
図である。
【図3】本発明に係る塗膜を含んだ反射防止フィルムの
一例であり、その断面を模式的に示した図である。
【図4】本発明に係る塗膜を含んだ透明導電フィルムの
一例であり、その断面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
101…液晶表示装置 102…反射防止フィルム 1…表示面側のガラス基板 2…画素部 3…ブラックマトリックス層 4…カラーフィルター 5、7…透明電極層 6…背面側のガラス基板 8…シール材 9…配向膜 10…偏光フィルム 11…バックライトユニット 12…偏光素子 13、14…保護フィルム 15…接着剤層 16…ハードコート層 17…多層型反射防止膜 18…中屈折率層 19…高屈折率層 20…低屈折率層 21…基材フィルム 22…高屈折率層 23…低屈折率層 25…導電性透明薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 G02B 1/10 G02B 1/10 A 1/11 Z Fターム(参考) 2K009 AA03 AA15 BB02 CC03 CC09 CC24 CC47 DD02 DD05 DD06 EE03 4F100 AA17B AA17C AA19C AA19H AA20C AA20H AA25B AA25C AA27C AA28H AA29C AA29H AJ01A AJ01B AK01A AK25B AK25C AT00A BA03 BA07 BA27 CA23B CA23H CC01B GB41 JG01 JL09 JN01 JN18B YY00B YY00C 4J037 AA11 AA22 CA09 CA12 CA24 CB09 CB23 CB26 EE03 4J038 DF022 FA111 GA03 HA216 JA35 JC32 JC38 KA06 KA09 KA15 KA20 MA14 PA17

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(1)0.01〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有する無機酸化物微粒子、 (2)0.005〜0.1μmの範囲の一次粒子径を有
    し、且つ、BET法による比表面積が10〜70m2
    gの範囲にある酸化亜鉛微粒子、 (3)バインダー成分、 (4)アニオン性の極性基を有する分散剤、及び、 (5)有機溶剤、からなることを特徴とする、コーティ
    ング組成物。
  2. 【請求項2】 前記の無機酸化物微粒子が、チタニア、
    ジルコニア、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、酸化ア
    ンチモン、スズをドープした酸化インジウム(IT
    O)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、亜
    鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウ
    ムをドープした酸化亜鉛(AZO)、及び、フッ素をド
    ープした酸化スズ(FTO)よりなる群から選ばれるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のコーティング組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記無機酸化物微粒子の表面の少なくと
    も一部が、光触媒活性を低下又は消失させる無機化合物
    により被覆されていることを特徴とする、請求項1又は
    2に記載のコーティング組成物。
  4. 【請求項4】 前記の無機化合物が、アルミナ、シリ
    カ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ、アンチモ
    ンをドープした酸化スズ(ATO)、スズをドープした
    酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化イン
    ジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛
    (AZO)、及び、フッ素をドープした酸化スズ(FT
    O)よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項
    3記載のコーティング組成物。
  5. 【請求項5】 前記無機酸化物微粒子の表面の少なくと
    も一部が、アニオン性の極性基を有する有機化合物及び
    /又は有機金属化合物により被覆されていることを特徴
    とする、請求項1乃至4いずれかに記載のコーティング
    組成物。
  6. 【請求項6】 アニオン性の極性基を有する前記有機化
    合物及び/又は有機金属化合物が、有機カルボン酸、シ
    ランカップリング剤、及び、チタネートカップリング剤
    よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5記
    載のコーティング組成物。
  7. 【請求項7】 前記分散剤は、エチレンオキサイド鎖の
    骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基からなる側鎖又
    はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合した分子構造
    を有し、数平均分子量が2,000から20,000の
    化合物であることを特徴とする、請求項1乃至6いずれ
    かに記載のコーティング組成物。
  8. 【請求項8】 前記バインダー成分は、電離放射線硬化
    性のバインダー成分であることを特徴とする、請求項1
    乃至7いずれかに記載のコーティング組成物。
  9. 【請求項9】 前記バインダー成分は、分子中にアニオ
    ン性の極性基を有するバインダー成分であることを特徴
    とする、請求項1乃至8いずれかに記載のコーティング
    組成物。
  10. 【請求項10】 前記バインダー成分のアニオン性極性
    基が、水素結合形成基であることを特徴とする、請求項
    9記載のコーティング組成物。
  11. 【請求項11】 前記バインダー成分の水素結合形成基
    が、水酸基であることを特徴とする、請求項10記載の
    コーティング組成物。
  12. 【請求項12】 分子中に水酸基を有する前記バインダ
    ー成分が、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、
    ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエ
    リスリトール多官能メタクリレート、及び、ジペンタエ
    リスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ば
    れる一又は二以上の成分であることを特徴とする、請求
    項11記載のコーティング組成物。
  13. 【請求項13】 前記無機酸化物微粒子10重量部に対
    して、前記酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部の割合で
    含有することを特徴とする、請求項1乃至12いずれか
    に記載のコーティング組成物。
  14. 【請求項14】 前記無機酸化物微粒子10重量部に対
    して、前記酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、分子中
    にアニオン性の極性基を有する前記バインダー成分を4
    〜20重量部、及び、分散剤を2〜4重量部の割合で含
    有することを特徴とする、請求項13に記載のコーティ
    ング組成物。
  15. 【請求項15】 前記酸化チタン10〜20重量部に対
    して、前記酸化亜鉛微粒子を0.1〜5重量部、分子中
    にアニオン性の極性基を有する前記バインダー成分を4
    〜40重量部、及び、分散剤を2〜10重量部の割合で
    含有することを特徴とする、請求項1乃至12いずれか
    に記載のコーティング組成物。
  16. 【請求項16】 前記の有機溶剤は、ケトン系溶剤であ
    ることを特徴とする、請求項1乃至15いずれかに記載
    のコーティング組成物。
  17. 【請求項17】 全固形分0.5〜50重量部に対し
    て、前記有機溶剤が50〜99.5重量部の割合で配合
    されていることを特徴とする、請求項1乃至16いずれ
    かに記載のコーティング組成物。
  18. 【請求項18】 光学薄膜を形成するために用いられる
    ものであることを特徴とする、請求項1乃至17いずれ
    かに記載のコーティング組成物。
  19. 【請求項19】 反射防止膜の中屈折率層、反射防止膜
    の高屈折率層、又は、導電性透明薄膜を形成するために
    用いられるものであることを特徴とする、請求項14記
    載のコーティング組成物。
  20. 【請求項20】 反射防止膜の高屈折率ハードコート層
    を形成するために用いられるものであることを特徴とす
    る、請求項15記載のコーティング組成物。
  21. 【請求項21】 透明導電性薄膜を形成するために用い
    られるものであることを特徴とする、請求項1乃至17
    いずれかに記載のコーティング組成物。
  22. 【請求項22】 前記請求項1乃至21いずれかに記載
    のコーティング組成物を被塗工体の表面に塗布すること
    により得られ、膜厚が0.05〜0.2μmの時に、屈
    折率が1.55〜2.30で、且つ、JIS−K736
    1−1に規定されるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値
    と変わらないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が1
    %以内であることを特徴とする、塗膜。
  23. 【請求項23】 前記請求項1乃至21いずれかに記載
    のコーティング組成物を被塗工体の表面に塗布すること
    により得られ、膜厚が0.2〜3.0μmの時に、屈折
    率が1.55〜2.30で、且つ、JIS−K7361
    −1に規定されるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値と
    変わらないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が10
    %以内であることを特徴とする、塗膜。
  24. 【請求項24】 前記請求項1乃至21いずれかに記載
    のコーティング組成物を被塗工体の表面に塗布すること
    により得られ、膜厚が0.2〜10μmの時に、屈折率
    が1.55〜2.30で、且つ、JIS−K7361−
    1に規定されるヘイズ値が前記基材だけのヘイズ値と変
    わらないか又は前記基材だけのヘイズ値との差が10%
    以内であり、且つ、JIS−K5600−5−4に規定
    される鉛筆硬度が2H以上であることを特徴とする、塗
    膜。
  25. 【請求項25】 0.01〜0.1μmの範囲の一次粒
    子径を有する無機酸化物微粒子、0.005〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法による比
    表面積が10〜70m2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒
    子、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤が、バイ
    ンダー中に均一に混合されてなり、膜厚が0.05〜
    0.2μmの時に、屈折率が1.55〜2.30で、且
    つ、JIS−K7361−1に規定されるヘイズ値が基
    材だけのヘイズ値と変わらないか又は基材だけのヘイズ
    値との差が1%以内であることを特徴とする、塗膜。
  26. 【請求項26】 0.01〜0.1μmの範囲の一次粒
    子径を有する無機酸化物微粒子、0.005〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法による比
    表面積が10〜70m2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒
    子、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤が、バイ
    ンダー中に均一に混合されてなり、膜厚が0.2〜3.
    0μmの時に、屈折率が1.55〜2.30で、且つ、
    JIS−K7361−1に規定されるヘイズ値が前記基
    材だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘ
    イズ値との差が10%以内であることを特徴とする、塗
    膜。
  27. 【請求項27】 0.01〜0.1μmの範囲の一次粒
    子径を有する無機酸化物微粒子、0.005〜0.1μ
    mの範囲の一次粒子径を有し、且つ、BET法による比
    表面積が10〜70m2/gの範囲にある酸化亜鉛微粒
    子、及び、アニオン性の極性基を有する分散剤が、バイ
    ンダー中に均一に混合されてなり、膜厚が0.2〜10
    μmの時に、屈折率が1.55〜2.30で、且つ、J
    IS−K7361−1に規定されるヘイズ値が前記基材
    だけのヘイズ値と変わらないか又は前記基材だけのヘイ
    ズ値との差が10%以内であり、且つ、JIS−K56
    00−5−4に規定される鉛筆硬度が2H以上であるこ
    とを特徴とする、塗膜。
  28. 【請求項28】 前記の無機酸化物微粒子が、チタニ
    ア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、酸
    化アンチモン、スズをドープした酸化インジウム(IT
    O)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、亜
    鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウ
    ムをドープした酸化亜鉛(AZO)、及び、フッ素をド
    ープした酸化スズ(FTO)よりなる群から選ばれる少
    なくとも1種であることを特徴とする、請求項22乃至
    27いずれかに記載の塗膜。
  29. 【請求項29】 前記無機酸化物微粒子の表面の少なく
    とも一部が、光触媒活性を低下又は消失させる無機化合
    物により被覆されていることを特徴とする、請求項22
    乃至28いずれかに記載の塗膜。
  30. 【請求項30】 前記の無機化合物が、アルミナ、シリ
    カ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ、アンチモ
    ンをドープした酸化スズ(ATO)、スズをドープした
    酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化イン
    ジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛
    (AZO)、及び、フッ素をドープした酸化スズ(FT
    O)よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項
    29に記載の塗膜。
  31. 【請求項31】 前記無機酸化物微粒子の表面の少なく
    とも一部が、アニオン性の極性基を有する有機化合物及
    び/又は有機金属化合物により被覆されていることを特
    徴とする、請求項22乃至30いずれかに記載の塗膜。
  32. 【請求項32】 アニオン性の極性基を有する前記有機
    化合物及び/又は有機金属化合物が、有機カルボン酸、
    シランカップリング剤、及び、チタネートカップリング
    剤よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項3
    1記載の塗膜。
  33. 【請求項33】 前記分散剤は、エチレンオキサイド鎖
    の骨格を有する主鎖にアニオン性の極性基からなる側鎖
    又はアニオン性の極性基を有する側鎖が結合した分子構
    造を有することを特徴とする、請求項22乃至32いず
    れかに記載の塗膜。
  34. 【請求項34】 前記バインダーが、電離放射線硬化性
    バインダー成分の硬化物であることを特徴とする、請求
    項22乃至33のいずれかに記載の塗膜。
  35. 【請求項35】 前記バインダーは、ペンタエリスリト
    ール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官
    能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリ
    レート、及び、ジペンタエリスリトール多官能メタクリ
    レートよりなる群から選ばれる一又は二以上の成分の硬
    化物であることを特徴とする、請求項34に記載の塗
    膜。
  36. 【請求項36】 光透過性を有し且つ互いに屈折率が異
    なる光透過層を二層以上積層してなり、前記光透過層の
    うちの少なくとも一つが前記請求項22乃至35いずれ
    かに記載の塗膜であることを特徴とする、反射防止膜。
  37. 【請求項37】 前記請求項22乃至35いずれかに記
    載の塗膜からなるハードコート層を有することを特徴と
    する、反射防止膜。
  38. 【請求項38】 前記請求項22乃至35いずれかに記
    載の塗膜からなる導電性透明薄膜の層を有することを特
    徴とする、反射防止膜。
  39. 【請求項39】 光透過性を有する基材フィルムの少な
    くとも一面側に、光透過性を有し且つ互いに屈折率が異
    なる光透過層を二層以上積層してなり、前記光透過層の
    うちの少なくとも一つが前記請求項22乃至35いずれ
    かに記載の塗膜であることを特徴とする、反射防止フィ
    ルム。
  40. 【請求項40】 光透過性を有する基材フィルムの少な
    くとも一面側に、前記請求項22乃至35いずれかに記
    載の塗膜からなるハードコート層を介して1又は2以上
    の光透過層を積層してなることを特徴とする、反射防止
    フィルム。
  41. 【請求項41】 光透過性を有する基材フィルムの少な
    くとも一面側に、1又は2以上の光透過層を積層してな
    る反射防止膜を設けると共に、前記基材フィルムの反射
    防止膜を設けた側又はその反対側に前記請求項22乃至
    35いずれかに記載の塗膜からなる導電性透明薄膜の層
    を設けてなることを特徴とする、反射防止フィルム。
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