JP4067224B2 - 反射防止膜、反射防止膜の製造方法および画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止膜の製造方法および画像表示装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体、低屈折率層およびオーバーコート層が、この順で積層されている反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。
反射防止膜としては、金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から普通に用いられている。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法により形成されている。金属酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学的性質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性が低く大量生産に適していない。蒸着法に代えて、透明支持体上に光学的機能層を塗布により形成して反射防止膜を製造する方法も提案されている。
【0003】
反射防止機能のためには、透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する層(低屈折率層)を設ける必要がある。透明支持体上に複数の光学的機能層を設ける場合、低屈折率層は透明支持体から最も遠い側に設けられる。塗布層の屈折率を低下させるためには、低屈折率層内に空隙を導入する方法が有効である。空気の屈折率は1.00であって、空隙中に空気を含む層は、非常に低い屈折率を有する。低屈折率層に微粒子を含ませ、微粒子間または微粒子内に空隙を形成する方法が提案されている。
特公昭60−59250号公報は、微細空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示している。反射防止層は、塗布により形成される。微細空孔は、層の塗布後に活性化ガス処理を行ない、ガスが層から離脱することによって形成される。
【0004】
特開平2−245702号公報は、二種類以上の超微粒子(例えば、MgF2 とSiO2 )を混在させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜を開示している。混合比を変化させることにより屈折率を変化させ、高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止膜と同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたSiO2 により接着している。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。同公報の第1図に示されているように、二酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒子の間に間隙が生じている。
特開平7−48527号公報は、多孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止膜を開示している。
特開平9−288201号公報は、含フッ素ポリマーからなる微粒子を二個以上積み重ねることにより、微粒子間に空隙を形成した低屈折率層を有する反射防止膜を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
空隙を有する低屈折率層は、空隙中の空気によって非常に低い屈折率が得られるとの特徴がある。
一方、低屈折率層は、透明支持体から最も遠い側、すなわち反射防止膜の表面側に設けられる。そのため、低屈折率層の表面は汚れやすく、傷も付きやすい。汚れや傷により、低屈折率層の反射防止機能が低下する。
表面側の層を汚れから保護し、耐傷性を向上させるためには、含フッ素化合物を含むオーバーコート層を表面側の層の上に設ける対策が、反射防止膜の技術分野に限らず一般に良く知られている。その中でもパーフルオロアルキルポリエーテル化合物は滑り性の点で特に優れており、特開昭62−62520号公報はパーフルオロアルキルポリエーテル化合物、特開平9−325500号公報はパーフルオロアルキルポリエーテルカルボン酸、をそれぞれ用いた反射防止膜を開示している。しかし、本発明者が研究したところ、空隙を有する低屈折率層の上に、パーフルオロアルキルポリエーテルを含むオーバーコート層を設けようとすると、オーバーコート層の塗布液が低屈折率層の空隙に浸入して、低屈折率層の空隙率が低下する問題が認められた。低屈折率層の空隙率が低下すれば、低屈折率層の屈折率は上昇してしまう。特開昭58−164672号公報では撥水撥油剤としてパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体を開示しているが、該公報記載の化合物を用いても空隙への侵入は十分には抑制できなかった。
本発明の目的は、低屈折率層の屈折率を上昇させることなく、低屈折率層の表面が汚れから保護され、かつ耐傷性も改善されている反射防止膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜()の反射防止膜下記()の画像表示装置及び下記(7)〜(10)の反射防止膜の製造方法により達成された。
(1)透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層が積層されている反射防止膜であって、低屈折率層の上にオーバーコート層がさらに積層されており、該オーバーコート層が、平均粒径20nm乃至100nmである、パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体の粒子を含有する塗布液から形成される層であることを特徴とする反射防止膜。
(2)パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物の重合体であることを特徴とする(1)記載の反射防止膜。
一般式(1)
【0007】
【化2】
Figure 0004067224
【0008】
一般式(1)において、RはHまたはCH3 、Lは2価の連結基、XはHまたはアルキル基またはハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。
(3)一般式(1)においてnが10以上50以下であることを特徴とする(2)記載の反射防止膜。
)低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間または微粒子内に空隙が形成されている(1)〜()記載の反射防止膜。
)透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられている(1)〜()記載の反射防止膜。
) (1)〜()記載の反射防止膜を搭載した画像表示装置。
(7) 透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層が積層されている反射防止膜の製造方法であって、
低屈折率層の上に、平均粒径20nm乃至100nmである、パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体の粒子を含有する塗布液を塗布してオーバーコート層を形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
該塗布液を塗布して低屈折率層の空隙の開口を塞ぐことを特徴とする(7)に記載の反射防止膜の製造方法。
該塗布液を塗布した後、加熱して乾燥することを特徴とする(7)又は(8)に記載の反射防止膜の製造方法
10パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物の重合体であることを特徴とする(7)〜(9)に記載の反射防止膜の製造方法。
一般式(1)
【化15】
Figure 0004067224
一般式(1)において、RはHまたはCH 3 、Lは2価の連結基、XはH、アルキル基またはハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜の基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
図1は、反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図である。
図1の(a)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層(2)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率
図1の(b)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層(2)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、高屈折率層(5)および低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層の屈折率
図1の(c)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層(2)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)および低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈折率<高屈折率層の屈折率
【0010】
[透明支持体]
透明支持体としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムを形成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましい。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
【0011】
[ハードコート層]
透明支持体に耐傷性を付与するために、ハードコート層を支持体表面に設けることが好ましい。
ハードコート層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。架橋しているポリマーを含むハードコート層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。多官能モノマーは、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであることが好ましい。多価アルコールの例には、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサノール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールが含まれる。トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびポリウレタンポリオールが好ましい。二種類以上の多官能モノマーを併用してもよい。
多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン類が含まれる。光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンが含まれる。
【0012】
光重合開始剤は、多官能モノマー100重量部に対して、0.1乃至15重量部の範囲で使用することが好ましく、1乃至10重量部の範囲で使用することがさらに好ましい。
光重合反応は、ハードコート層の塗布および乾燥後、紫外線照射により実施することが好ましい。
ハードコート層には、充填剤を添加することが好ましい。充填剤はハードコート層の硬度を高くし、多官能モノマーの硬化収縮を抑える機能がある。充填剤としては、無機微粒子または有機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリンおよび硫酸カルシウム粒子が含まれる。有機微粒子の例には、メタクリル酸−メチルアクリレートコポリマー粉末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン粉末、ポリカーボネート粉末、アクリル酸−スチレンコポリマー粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン粉末、ポリエステル粉末、ポリアミド粉末、ポリイミド粉末およびポリフッ化エチレン粉末が含まれる。
充填剤として使用する微粒子の平均粒子径は、0.01乃至2μmであることが好ましく、0.02乃至0.5μmであることがさらに好ましい。
ハードコート層またはその塗布液には、さらに、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤や改質用樹脂を添加してもよい。
ハードコート層の厚さは、1乃至15μmであることが好ましい。
【0013】
[高屈折率層および中屈折率層]
図1の(b)に示すように、透明支持体と低屈折率層との間に、高屈折率層を設けてもよい。また、図1の(c)に示すように、透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けてもよい。
高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.70であることが好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmであることが好ましく、10nm乃至10μmであることがさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層は、無機微粒子とポリマーとを含むことが好ましい。
【0014】
高屈折率層および中屈折率層に用いる無機微粒子は、屈折率が1.80乃至2.80であることが好ましく、1.90乃至2.80であることがさらに好ましい。
無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1乃至150nmであることが好ましく、1乃至100nmであることがさらに好ましく、1乃至80nmであることが最も好ましい。
塗布層中の無機微粒子の重量平均径は、1乃至200nmであるることが好ましく、5乃至150nmであることがより好ましく、10乃至100nmであることがさらに好ましく、10乃至80nmであることが最も好ましい。
無機微粒子の比表面積は、10乃至400m2 /gであることが好ましく、20乃至200m2 /gであることがさらに好ましく、30乃至150m2 /gであることが最も好ましい。
【0015】
無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例には、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSが含まれる。
無機微粒子を表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合物の例には、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムおよび酸化鉄が含まれる。アルミナおよびシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表面処理を組み合わせて実施してもよい。以上を組み合わせて処理されていても構わない。
無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。
二種類以上の無機微粒子を高屈折率層および中屈折率層内で併用してもよい。
【0016】
高屈折率層および中屈折率層中の無機微粒子の割合は、5乃至65体積%である。無機微粒子の割合は、10乃至60体積%であることが好ましく、20乃至55体積%であることがさらに好ましい。
無機微粒子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形成に使用する。高屈折率層および中屈折率層の無機微粒子の分散媒体は、沸点が60乃至170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが特に好ましい。
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散基の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0017】
中屈折率層および高屈折率層には、比較的屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0018】
[低屈折率層]
低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30乃至1.55であることがさらに好ましい。
低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、50乃至200nmであることがさらに好ましい。
低屈折率層は、オーバーコート層の形成前に、3乃至50体積%の空隙率を有する層として形成する。オーバーコート層の形成前の低屈折率層の空隙率は、5乃至35体積%であることがさらに好ましい。低屈折率層の空隙は、微粒子を用いて微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして形成することができる。
微粒子の平均粒径は、0.5乃至200mmであることが好ましく、1乃至100nmであることがより好ましく、3乃至70nmであることがさらに好ましく、5乃至40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
無機微粒子あるいは有機微粒子を低屈折率層に用いることができる。
【0019】
無機微粒子は、非晶質であることが好ましい。
無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。
特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
【0020】
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。
ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。
ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
【0021】
有機微粒子も、非晶質であることが好ましい。
有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35乃至80重量%であることが好ましく、45乃至75重量%であることがさらに好ましい。
含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例には、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビニルエーテル類が含まれる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例には、オレフィン類(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン類(例、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミド類(例、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類およびアクリルニトリル類が含まれる。
【0022】
有機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させることにより形成することができる。ポリマーを架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。粒子を形成するポリマーを架橋させるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの20モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。多官能モノマーの割合は、30乃至80モル%であることがさらに好ましく、35乃至50モル%であることが最も好ましい。
多官能モノマーの例には、ジエン類(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアクリルアミド)およびビスメタクリルアミド類が含まれる。
【0023】
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。なお、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。実際の低屈折率層では、微粒子の粒径の分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙率は上記の理論値からかなり変動する。
空隙率を増加させると、低屈折率層の屈折率が低下する。微粒子を積み重ねてミクロボイドを形成と、微粒子の粒径を調整することで、粒子間ミクロボイドの大きさも適度の(光を散乱せず、低屈折率層の強度に問題が生じない)値に容易に調節できる。さらに、微粒子の粒径を均一にすることで、粒子間ミクロボイドの大きさも均一である光学的に均一な低屈折率層を得ることができる。これにより、低屈折率層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、光学的あるいは巨視的には均一な膜にすることができる。
【0024】
ミクロボイドを形成することにより、低屈折率層の巨視的屈折率は、低屈折率層を構成する成分の屈折率の和よりも低い値になる。層の屈折率は、層の構成要素の体積当りの屈折率の和になる。微粒子やポリマーのような低屈折率層の構成成分の屈折率は1よりも大きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00である。そのため、ミクロボイドを形成することによって、屈折率が非常に低い低屈折率層を得ることができる。
粒子間ミクロボイドは、微粒子およびポリマーによって低屈折率層内で閉じていることが好ましい。空隙を閉じると、オーバーコート層の形成後も空隙が低屈折率層内に残存する。閉じている空隙には、低屈折率層表面に開かれた開口と比較して、低屈折率層表面での光の散乱が少ないとの利点もある。
【0025】
低屈折率層は、5乃至50重量%の量のポリマーを含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持できるように調整する。ポリマーの量は、低屈折率層の全量の10乃至30重量%であることが好ましい。
ポリマーで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ましい。
(1)の表面処理剤に結合させるポリマーは、(2)のシェルポリマーまたは(3)のバインダーポリマーであることが好ましい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布液の調製前に、微粒子の周囲に重合反応により形成することが好ましい。(3)のポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。(1)〜(3)を二種類または三種類組み合わせて、実施することが好ましく、(1)と(3)の二種類の組み合わせ、または(1)〜(3)の三種類の組み合わせで実施することが特に好ましい。
(1)表面処理、(2)シェルおよび(3)バインダーについて、順次説明する。
【0026】
(1)表面処理
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、ポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。
シランカップリング剤の例には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec-ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)およびその加水分解物が含まれる。
カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
【0027】
(2)シェル
シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。
シェルポリマーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるため、シェルポリマーは35乃至80重量%のフッ素原子を含むことが好ましく、45乃至75重量%のフッ素原子を含むことがさらに好ましい。
フッ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレフィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが含まれる。
【0028】
シェルを形成するポリマーは、フッ素原子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単位からなるコポリマーであってもよい。
フッ素原子を含まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの例には、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが含まれる。
【0029】
後述する(3)のバインダーポリマーを併用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入して、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋により化学的に結合させてもよい。
シェルポリマーは、結晶性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。ただし、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されない(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バインダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成することが望ましい。
微粒子の周囲にポリマーシェルを形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微粒子中に無機微粒子からなるコアが5乃至90体積%含まれていることが好ましく、15乃至80体積%含まれていることがさらに好ましい。
ポリマーシェルは、ラジカル重合法により形成することが好ましい。ラジカル重合法については、大津隆行・木下雅悦共著、高分子合成の実験法、化学同人(1972)および大津隆行、講座重合反応論1ラジカル重合(I)、化学同人(1971)に記載がある。ラジカル重合法は、具体的には、乳化重合法または分散重合により実施することが好ましい。乳化重合については、室井宗一、高分子ラテックスの化学、高分子刊行会(1970)に記載がある。分散重合法については、Barrett, Keih E.J.、Dispersion Polymerization in Organic Media、JOHN WILLEY & SONS(1975)に記載がある。
【0030】
乳化重合法に使用する熱重合開始剤の例には、無機過酸化物(例、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、アゾニトリル化合物(例、アゾビスシアノ吉草酸ナトリウム)、アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩)、環状アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩)、アゾアミド化合物(例、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド)が含まれる。無機過酸化物が好ましく、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
分散重合法に使用する熱重合開始剤の例には、アゾ化合物(例、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)および有機過酸化物(例、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート)が含まれる。
【0031】
分散重合法では、表面処理された微粒子にポリマー分散剤を加え、モノマーと重合開始剤を溶解し、生成するポリマーは不溶である重合媒体中で重合反応を実施することが好ましい。
重合媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ネオペンタノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール)、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルが含まれる。水、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。二種類以上の重合媒体を併用してもよい。
乳化重合法または分散重合法において、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の例には、ハロゲン化炭化水素(例、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、二塩化エタン)、炭化水素(例、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン)、チオエーテル(例、ジアゾチオエーテル)、メルカプタン(例、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、チオグリセロール),ジスルフィド(例、ジイソプロピルザントゲンジスルフィド)、チオグリコール酸およびその誘導体(例、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート))が含まれる。
低屈折率層には二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよい。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子とを併用してもよい。
【0032】
(3)バインダー
バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0033】
2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
バインダーポリマーの重合反応および架橋反応に使用する重合開始剤は、(2)シェルポリマーの合成に用いる熱重合開始剤よりも、光重合開始剤の方が好ましい。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
【0034】
前記(2)のシェルポリマーと併用する場合、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)は、シェルポリマーのTgよりも低いことが好ましい。バインダーポリマーのTgとシェルポリマーのTgとの温度差は、5℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。
バインダーポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。
低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0035】
[オーバーコート層]
以下に本発明のオーバーコート層に用いられるパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体について説明する。このような側鎖にポリマ−鎖あるいはオリゴマ−鎖を有するグラフト重合体の合成法としては、マクロモノマ−を用いる方法、および高分子反応により側鎖を導入す方法、の2つが一般的であり、本発明においてもいずれの方法も用いることが可能であるが、マクロモノマ−を用いる方法の方が側鎖導入の確度が高く容易であり好ましい。特に本発明のように側鎖含フッ素ポリマ−であり、特異な溶解性を有する場合は高分子反応は困難な場合が多い。
【0036】
本発明の重合体を得るのに好ましく用いられるマクロモノマ−について以下に説明する。このようなマクロモノマ−は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
【0037】
【化3】
Figure 0004067224
【0038】
一般式(1)において、RはHまたはCH3 、Lは2価の連結基、XはHまたはアルキル基またはハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。
Xで表されるアルキル基としては置換アルキル基でもよく、メチル基、エチル基等が挙げられ、Xで表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。Xは好ましくはフッ素原子である。
nは1以上の整数を表すが、滑り性、防汚性の観点から大きい方が好ましい。nの好ましい範囲は10以上50以下、更に好ましくは14以上25以下である。
上記2価の連結基Lは重合性ビニル基とパーフルオロアルキルポリエーテル基を共有結合で連結できる基であれば特に制限はないが、好ましくは下記一般式(2)で表される。
【0039】
一般式(2)
【0040】
【化4】
Figure 0004067224
【0041】
一般式(2)において、YはCOOまたはCONHまたはフェニル基、Aは炭素数1〜10のアルキレン基であり、分岐あるいは脂環構造を有してもよく、またOH基を有してもよい。ZはOまたはNHを表す。
上記のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
【0042】
上記2価の連結基Lの好ましい例を以下に列挙するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化5】
Figure 0004067224
【0044】
マクロモノマ−はマクロマーとも称され、すでに多くの研究が成されており、その詳細は、例えば山下雄也;日本接着協会誌17巻371頁(1981年)、川上雄資、山下雄也;化学37巻20頁(1982年)、米国特許3,786,116号、同3,842,050号、Y.Yamashita et al;Macromolecules vol. 13 P.216(1980年)、kawakami et al;Journal of Polymer Science,Polymer Letter Edition vol. 19 P. 629(1981年)、R.Asami et al;Polymer Bulletin vol.2 P.713 (1980年)、kawakami et al; Polymer Journal vol.14 p.913(1982年)、Mitadori,Tsuruta;Die Makromolecular Chemie vol.180 P.1877 (1979年)、M.Maeda et al;Die Makromolecular Chemie Rapid Communication vol.2 P.537 (1981年),Percec et al;Polymer Bulletin Vol.10 p.215(1983年)、山下雄也;マクロモノマーの化学と工業、アイピーシー出版(1989年)などに記載されている。
【0045】
本発明のマクロモノマーの合成法としては、例えば、合成あるいは市販の末端官能基化パーフルオロアルキルポリエーテルを利用して末端に重合性官能基を修飾させる方法がある。
【0046】
末端官能基化パーフルオロアルキルポリエーテルの合成法としては、例えば、ヘキサフルオロプロペンオキシドをCF3COOF 、COF2などを開始剤として重合して得られるパーフルオロアルキルポリエーテルの酸フッ化物を相当するカルボン酸やアルコールなどに変換することにより得られる。また、市販品としては、末端カルボン酸パーフルオロアルキルポリエーテルがデュポン社よりKrytoxの商標で市販されている。その構造を以下に示した。
【0047】
【化6】
Figure 0004067224
【0048】
ここで、nは1以上の整数を表し、滑り性、防汚性の観点から大きい方が好ましく、7以上が好ましく、14以上がより好ましい。
【0049】
該末端官能基化パーフルオロアルキルポリエーテルの末端官能基への重合性基修飾は縮合や付加など普通に用いられる有機反応が利用できる。例えば、末端官能基がカルボン酸の場合は、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアナート基、などとの反応が利用可能であり、これらの官能基と重合性官能基を有する種々のモノマーが用いることができる。このようなモノマーとしては例えば、ヒドロキシ基を有する2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アミノ基を有する4−アミノメチルスチレン、4−アミノスチレン、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、オキサゾリン基を有する2−ビニル−2−オキサゾリン、イソシアナート基を有する2−イソシアナートエチルメタクリレート、などが使用可能である。同様にパーフルオロアルキルポリエーテル末端官能基がヒドロキシ基の場合は、例えば酸ハロゲン化物、カルボキシル基、イソシアナート基などとの反応が利用可能であり、例えば酸ハロゲン化物として、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、イソシアナート基を有する2−イソシアナートエチルメタクリレート、などが利用可能である。しかしながら本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
以下に本発明のパーフルオロアルキルポリエーテルマクロモノマーの具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。構造式中、nは数平均重合度を示す。
【0051】
【化7】
Figure 0004067224
【0052】
【化8】
Figure 0004067224
【0053】
本発明のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体は該マクロモノマーの単独重合体あるいは他のコモノマーとの共重合体として得られる。滑り性および防汚性の点では該マクロモノマーの含量は可能な限り大きいことが好ましいが、該マクロモノマーの分子量が大きくなると相対的に重合性官能基含量が小さくなり、また立体的にも不利になり、高重合度の共重合体が得られにくくなるため、必要に応じて他のコモノマーを用いることが好ましい。該コモノマーとしてはフッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーあるいはフッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーのいずれも用いることができるが、防汚性および屈折率の観点よりポリマー中のフッ素原子の含有率は大きい方が好ましく、そのため含フッ素モノマーを多く用いることが好ましい。
【0054】
含フッ素モノマーの例としては、フルオロオレフィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルなどが挙げられる。
【0055】
フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの例としては、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルなどが挙げられる。
【0056】
上記コモノマーがさらに架橋性官能基を有することも好ましい。架橋性基は、光(好ましくは紫外線)の照射、電子ビーム(EB)照射あるいは加熱により反応して該共重合体を架橋させる官能基であれば特に制限はなく、例えば、アクリロイル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロールおよび活性メチレン基などである。含フッ素ポリマーの架橋反応(光照射、電子ビーム照射や加熱)は、オーバーコート層の形成後に実施することが好ましい。
【0057】
また上記単官能モノマーに加え、多官能モノマーも用いることができる。多官能モノマーは一分子中に複数個の重合性官能基を有するものであれば特に制限はなく、市販または合成のものを使用でき、例えば、ジエン類(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアクリルアミド)およびビスメタクリルアミド類、などが挙げられる。これら多官能モノマーは重合体の分子運動を制限し、低屈折率層の空隙への侵入を防止する効果があるが、過剰に用いると成膜性が悪化するため、含量は15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
【0058】
上記のマクロモノマーおよびコモノマーの重合は、溶液重合、乳化重合、分散重合、懸濁重合、など通常の重合反応により行うことができる。しかしながら塗布成分が低屈折率層空隙へ侵入するのを防止するためには該共重合体は粒子の形態で塗布されることが好ましく、塗布液調整の容易さの点で乳化重合または分散重合が好ましく、乳化重合が特に好ましい。該共重合体を微粒子として使用する場合は、前述したように微粒子の粒径を20nm以上とすることが好ましい。粒径は、20乃至60nmであることがさらに好ましく、25乃至40nmであることが最も好ましい。
【0059】
乳化重合法は、例えば、水あるいは水と水に混和しうる有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトンなど)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜40重量%のモノマー混合物と、モノマーに対して0.05〜5重量%の重合開始剤、0.1〜20重量%の分散剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜8時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマーの濃度、開始剤量、分散剤量、反応温度、時間などの条件は目的とする粒子の平均粒径などを考慮し、適宜設定すればよい。
【0060】
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸のナトリウム塩等のアゾニトリル化合物、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物が挙げられる。この中でも過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが好ましい。
【0061】
分散剤としてはアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくはアニオン性界面活性剤である。
本発明においては含フッ素モノマーを主成分として用いるため、界面活性剤の中でも特に含フッ素界面活性剤が好ましい。含フッ素界面活性剤では、疎水性部分を構成する炭化水素の水素原子の一部または全部がフッ素原子により置換されている。
【0062】
本発明のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。式中モノマー含有率は重量%で表される。また、nは数平均重合度を示す。
【0063】
【化9】
Figure 0004067224
【0064】
【化10】
Figure 0004067224
【0065】
【化11】
Figure 0004067224
【0066】
【化12】
Figure 0004067224
【0067】
オーバーコート層はパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体を含む塗布液を、低屈折率層の上に塗布して形成する。本発明では、オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合を70体積%未満とする。オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合は、50体積%未満であることが好ましく、40体積%未満であることがより好ましく、30体積%未満であることがさらに好ましく、20体積%未満であることが最も好ましい。
低屈折率層の空隙を残してオーバーコート層を形成するためには、様々な手段が採用できる。例えば、前述したように低屈折率層の空隙を微粒子とバインダーポリマーで閉じた状態で形成すれば、オーバーコート層を塗布により形成しても低屈折率層の空隙が残存する。また、オーバーコート層の塗布液が低屈折率層の空隙に侵入しないように塗布液の粘度を高くしてもよい。ただし、オーバーコート層中の重合体を粒径が20nm以上の微粒子として、微粒子により低屈折率層の空隙の開口を塞ぐ方法か、あるいはオーバーコート層の塗布量を、低屈折率層の空隙の80体積%以下となるように調整する方法が実施が容易で好ましい。
オーバーコート層の塗布量は、前述したように、オーバーコート層の形成前の低屈折率層の空隙の80体積%以下に調整することが好ましい。オーバーコート層の塗布量は、オーバーコート層の形成前の低屈折率層の空隙の70体積%以下であることがさらに好ましく、60体積%以下であることが最も好ましい。オーバーコート層の塗布量は、一般に2mg/m2以上である。
オーバーコート層の厚さは、20nm以下であることが好ましく、2乃至20nmであることがより好ましく、3乃至20nmであることがさらに好ましく、5乃至10nmであることが最も好ましい。
【0068】
〔反射防止膜〕
反射防止膜には、以上述べた以外の層を設けてもよい。例えば、透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。
反射防止膜のヘイズは、3乃至30%であることが好ましく、5呈し20%であることがさらに好ましく、7乃至20%であることが最も好ましい。
反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜の透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
(パーフルオロアルキルポリエーテルマクロモノマーM1の合成)
冷却管と攪拌装置を取り付けた500ml三ツ口フラスコに、4−ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド15g(72mmol)、塩化メチレン250ml、末端カルボン酸パーフルオロアルキルポリエーテル(Krytox157FSL、デュポン社製、重量平均分子量約2500)100g(COOH基36mmol)、をこの順に加え、室温で5分間攪拌して懸濁させた。この液に2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.4g(72mmol)を加え、室温で3日間攪拌して懸濁させた。この液に0.5N塩酸水を加え、30分間攪拌して懸濁させた。反応溶液からパーフルオロアルカン溶媒(n-C6F14)を用いて生成物を抽出し、濾過した後、減圧乾燥することにより無色透明オイル状のパーフルオロアルキルポリエーテルマクロモノマーM1を97.6g得た(収率93.8%)。
【0071】
(パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体P1の合成)
冷却管と攪拌装置を取り付けた500ml三ツ口フラスコに、含フッ素界面活性剤としてナトリウム−4−〔ω−(N−プロピル−N−ペルフルオロオクチルスルホニルアミノ)ポリオシキエチレン〕ブタンスルホナート5gを蒸留水250ml、エタノール80ml、に溶解した溶液を入れ、次いでパーフルオロアルキルポリエーテルマクロモノマーM1を6gと1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレート24gの混合溶液を加え、窒素気流下で200rpm の速度で攪拌した。この反応溶液を75℃に加熱し、過硫酸カリウム0.5gを蒸留水20mlに溶解した溶液を添加して2時間重合させた。さらに過硫酸カリウム0.5gを蒸留水20mlに溶解した溶液を添加して2時間重合させた。この反応溶液を室温まで冷却し、分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去した後、濾過にて不溶分を除去して微乳濁白色の分散液698gを得た。この分散液は不揮発分4.0重量%を含む平均粒子径36nmの微細ラテックス液であった。粒子サイズはコールター社粒子測定装置N4を用いて動的光散乱法により評価した。本発明に用いるその他のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体も上記と同じまたはこれに準じた方法で合成を行った。上記方法で合成した本発明の重合体を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0004067224
【0073】
また比較用化合物も上記合成法と同じまたはこれに準じた方法で合成した。比較用重合体を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004067224
【0075】
【化13】
Figure 0004067224
【0076】
[実施例1]
(ハードコート層用塗布液の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層の塗布液を調製した。
【0077】
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30重量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
【0078】
(中屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、中屈折率層用塗布液を調製した。
【0079】
(高屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン1152.8gおよびメチルエチルケトン37.2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物13.13gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、高屈折率層用塗布液を調製した。
【0080】
(低屈折率層用塗布液の調製)
平均粒径が15nmのシリカ微粒子のメタノール分散液(メタノールシリカゾル、日産化学(株)製)200gに、シランカップリング剤(KBM−503、信越シリコーン(株)製)3gおよび1N塩酸2gを加え、室温で5時間攪拌した後、3日間放置して、シランカップリング処理したシリカ微粒子分散液を調製した。
上記分散液35.04gに、イソプロピルアルコール58.35gおよびジアセトンアルコール39.34gを加えた。光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)1.02gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.51gをイソプロピルアルコール772.85gに溶解し、さらにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6gを加えて溶解した。得られた溶液67.23gを、上記分散液、イソプロピルアルコールおよびジアセトンアルコールの混合液に添加した。混合物を20分間室温で各何下後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0081】
(オーバーコート層用塗布液の調製)
本発明のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体P1に蒸留水を加えて、0.6重量%の該重合体分散液を調製し、オーバーコート層用塗布液とした。
【0082】
(反射防止膜AR1の作成)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)上に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、上記のハードコート層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、厚さ7.5μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率:1.72、厚さ:0.081μm)を形成した。
中屈折率層の上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率:1.92、厚さ:0.053μm)を形成した。
高屈折率層の上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率層(屈折率:1.40、厚さ:0.072μm)を形成した。形成した低屈折率層の空隙率は、16体積%であった。
低屈折率層の上に、上記オーバーコート層用塗布液を#3のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1時間乾燥して、反射防止膜AR1を作成した。
【0083】
(反射防止膜の評価)
得られた反射防止膜AR1について、以下の項目の評価を行った。結果は表3に示す。
【0084】
【表3】
Figure 0004067224
【0085】
(1)平均反射率
分光光度径(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5゜における分光反射率を測定した。反射防止性能は広い波長領域において反射率が小さいほど良好であるため、測定結果から450〜650nmにおける平均反射率を求めた。
【0086】
(2)表面接触角
反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、水に対する接触角を測定した。
(3)指紋付着性
反射防止膜表面に指紋を付着させて、それをクリーニングクロスで拭き取った時の状態を観察して、以下の3段階で評価した。
A:指紋が完全に拭き取れた
B:指紋の一部が拭き取れずに残った
C:指紋のほとんどが拭き取れずに残った
【0087】
(4)耐傷性
反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認められない硬度を測定した。
(5)動摩擦係数
反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、動摩擦測定機(HEIDON−14)で、直径5mmのステンレス剛球を用い、荷重100g、速度60cm/分にて測定した。
実施例1におけるオーバーコート層用塗布液の調製に用いる重合体をそれぞれP2〜P20に変更する以外は同様にして反射防止膜AR2〜AR20を作成し、評価を行った。結果は表3に示す。
【0088】
また実施例1におけるオ−バ−コ−ト層塗布液の調製に用いる重合体をP1とし、低屈折率用塗布液中のジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−トとジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−トの混合物(DPHA)の量を12.8gおよび38.4gに変更する以外は同様にして、それぞれ空隙率32体積%および8体積%の反射防止膜AR21およびAR22を作成し、評価を行った。
結果を表3に示す。
[比較例]
実施例1におけるオーバーコート層用塗布液の調製に用いる重合体をそれぞれ表3に示す素材に変更する以外は同様にして比較用反射防止膜AR23〜AR27を作成し、評価を行った。ただし、AR26、AR27においては塗布溶媒としてパ−フルオロアルカン(C6F14)を用いた。結果は表3に示す。
【0089】
実施例から明らかなように、本発明の反射防止膜は低い反射率を維持しながら防汚性、膜強度、特に滑り性に優れていることがわかる。
[実施例2]
実施例1で作成した反射防止膜を日本電気株式会社より入手したパ−ソナルコンピ−タ−PC9821Ns/340Wの液晶ディスプレイ表面に張り付け、表示装置サンプルを作成した。実用的評価を行ったところ、本発明の反射防止膜を設置した表示装置は周囲の風景映り込みがなく快適な視認性を示し、かつ、汚れの拭き取りが容易、傷がつかない、など取り扱い性にも優れていた。
【0090】
【発明の効果】
本発明では、低屈折率層の上にパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体から成るオーバーコート層を塗設することにより、防汚性、耐傷性、特に滑り性に優れた反射防止膜が得られる。また、本発明のオーバーコート層は空隙を有する低屈折率層の上に塗設しても、空隙に侵入しにくいため、画像表示装置の画像表示面における光の反射を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明支持体
2 ハードコート層
3 低屈折率層
4 オーバーコート層
5 高屈折率層
6 中屈折率層

Claims (10)

  1. 透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層が積層されている反射防止膜であって、低屈折率層の上にオーバーコート層がさらに積層されており、該オーバーコート層が、平均粒径20nm乃至100nmである、パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体の粒子を含有する塗布液から形成される層であることを特徴とする反射防止膜。
  2. パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物の重合体であることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
    一般式(1)
    Figure 0004067224
    一般式(1)において、RはHまたはCH3 、Lは2価の連結基、XはH、アルキル基またはハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。
  3. 一般式(1)においてnが10以上50以下であることを特徴とする請求項2記載の反射防止膜。
  4. 低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間または微粒子内に空隙が形成されている請求項1〜記載の反射防止膜。
  5. 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられている請求項1〜記載の反射防止膜。
  6. 請求項1〜記載の反射防止膜を搭載した画像表示装置。
  7. 透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層が積層されている反射防止膜の製造方法であって、
    低屈折率層の上に、平均粒径20nm乃至100nmである、パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体の粒子を含有する塗布液を塗布してオーバーコート層を形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  8. 該塗布液を塗布して低屈折率層の空隙の開口を塞ぐことを特徴とする請求項7に記載の反射防止膜の製造方法。
  9. 該塗布液を塗布した後、加熱して乾燥することを特徴とする請求項7又は8に記載の反射防止膜の製造方法
  10. パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物の重合体であることを特徴とする請求項7〜9に記載の反射防止膜の製造方法。
    一般式(1)
    Figure 0004067224
    一般式(1)において、RはHまたはCH 3 、Lは2価の連結基、XはH、アルキル基またはハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。
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