JP6532228B2 - 光学部材及び光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材及び光学部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6532228B2
JP6532228B2 JP2014249675A JP2014249675A JP6532228B2 JP 6532228 B2 JP6532228 B2 JP 6532228B2 JP 2014249675 A JP2014249675 A JP 2014249675A JP 2014249675 A JP2014249675 A JP 2014249675A JP 6532228 B2 JP6532228 B2 JP 6532228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous layer
optical member
binder
silicon oxide
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014249675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016109999A (ja
Inventor
寛晴 中山
寛晴 中山
憲治 槇野
憲治 槇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014249675A priority Critical patent/JP6532228B2/ja
Priority to EP15196719.7A priority patent/EP3032296A1/en
Priority to US14/962,957 priority patent/US10564321B2/en
Priority to CN201510917177.2A priority patent/CN105700046B/zh
Publication of JP2016109999A publication Critical patent/JP2016109999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6532228B2 publication Critical patent/JP6532228B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/111Anti-reflection coatings using layers comprising organic materials
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B2207/00Coding scheme for general features or characteristics of optical elements and systems of subclass G02B, but not including elements and systems which would be classified in G02B6/00 and subgroups
    • G02B2207/107Porous materials, e.g. for reducing the refractive index

Description

本発明は、光学特性および耐摩耗性に優れた光学部材及び光学部材の製造方法に関する。
従来、光学素子の光入出射界面での反射を抑えるために、屈折率の異なる光学膜を数十から数百nmの厚みで単層あるいは複数層を積層した反射防止膜を形成することが知られている。これら反射防止膜を形成するためには、蒸着、スパッタリング等の真空成膜法やディップコート、スピンコート等の湿式成膜法が用いられる。
反射防止膜の最表層に用いられる材料には屈折率が低く、透明な材料である、シリカやフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどの無機材料やシリコーン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。
近年、更に反射率を低く抑えるために、空気の屈折率1.0を利用する低屈折膜を反射
防止膜に用いることが知られている。シリカやフッ化マグネシウムの層内に空隙を形成することによって屈折率を下げることが可能である。例えば、屈折率1.38のフッ化マグネシウムの薄膜内に30体積%の空隙を設けることによって屈折率を1.27まで下げることが可能となる。しかしながら、空隙を形成した低屈折率層は、耐摩耗性が低下するという課題があった。
特許文献1は、耐摩耗性を向上させるために、フッ素ポリマーを含むオーバーコート層を低屈折率層の上に設けた反射防止膜を開示している。
特許文献2は、中空粒子を第1のバインダーで結合した低屈折率層の中空微粒子間の空隙に、耐摩耗性を向上させるために第2のバインダーを充填した反射防止膜を開示している。
特開2000−284102号公報 特開2004−258267号公報
しかしながら、引用文献1では、オーバーコート層を形成するための塗布液が低屈折率層内の空隙に侵入し、低屈折率層の屈折率が高くなるという課題があった。
また、引用文献2では、中空微粒子間の空隙に第2のバインダーを充填しているので、第2のバインダーを充填していない反射防止膜と比べて屈折率が高くなるという課題があった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性を有して低屈折率である反射防止膜を有する光学部材および光学部材の製造方法を提供するものである。
本発明は、基材と、前記基材上に反射防止膜とを有する光学部材であって、前記反射防止膜は、表面に多孔質層を有し、前記多孔質層は、酸化ケイ素粒子と、バインダーとを有し、前記多孔質層は、屈折率が1.19以上1.30以下であり、前記酸化ケイ素粒子および前記バインダーの表面は、アルキルシリル化されていることを特徴とする光学部材に関する。
また、本発明は、基材と、前記基材上に表面が多孔質層の反射防止膜を有する光学部材の製造方法であって、前記基材上に、酸化ケイ素粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成する形成工程と、前記多孔質層を、シラザン化合物を含む雰囲気に暴露することで前記酸化ケイ素粒子及びバインダーの表面をアルキルシリル化する表面処理工程と、を有することを特徴とする光学部材の製造方法に関する。
本発明によれば、優れた光学特性と耐摩耗性を有する光学部材を提供することができる。
本発明の光学部材の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学部材の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学部材の製造方法の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学部材の製造方法の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学部材の製造方法の一実施態様を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[光学部材]
図1は、本発明の光学部材の一実施形態を示す模式図である。
本発明の光学部材1は、少なくとも基材2と、基材2の上に多孔質層3を有する反射防止膜4とを有している。多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5とバインダー6を有している。
図1に示すように、多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5がバインダー6で結合されている。酸化ケイ素粒子5およびバインダー6の表面は、アルキルシリル化されていてアルキルシリル基を有している。すなわち、酸化ケイ素粒子5と大気のとの界面5´、およびバインダー6と大気との界面6´はアルキルシリル化されている。
多孔質層3では、酸化ケイ素粒子5同士が接触していても、酸化ケイ素粒子5間にバインダーを挟んで結合されていても良い。耐摩耗性向上の観点から、多孔質層3では、酸化ケイ素粒子5同士は接触している方が好ましい。
図2は、本発明の光学部材1の他の一実施形態を示す模式図である。図2は、基材2と多孔質層3との間に、酸化物層7を有している。酸化物層7は、高屈折率層と低屈折率層を積層したものが好ましい。高屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウムを含有する層を用いることができる。また、低屈折率層としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムを含有する層を用いることができる。
本発明の光学部材は、光学レンズ、光学ミラー、フィルター、光学フィルムに用いることができる。これらの中で、光学レンズに用いることが好ましい。
(基材)
基材2は、ガラス、樹脂などを用いることが可能である。また、その形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良い。
(酸化ケイ素粒子)
酸化ケイ素粒子5は、平均粒子径が10nm以上80nm以下であることが好ましく、12nm以上60nm以下であることがより好ましい。酸化ケイ素粒子5の平均粒子径が10nm未満の場合には、粒子間、粒子内いずれの空隙も小さくなり過ぎて屈折率を下げることが難しい。また、平均粒径が80nmを超える場合には、粒子間の空隙の大きさが大きくなるため、大きなボイドが発生しやすく、また粒子の大きさに伴う散乱が発生するため好ましくない。
ここで酸化ケイ素粒子の平均粒子径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。
酸化ケイ素粒子5は、真円状、楕円上、円盤状、棒状、針状、鎖状、角型のいずれの形状であっても良く、粒子内部に空孔を有する中空粒子であっても良い。
さらに、多孔質層3の空隙率を高めて低屈折率化できるので、酸化ケイ素粒子5は、中空粒子又は鎖状の粒子が50質量%であることが好ましく、80質量%であることがより好ましい。
酸化ケイ素の中空粒子は、内部に空孔を有し、前記空孔の外側を酸化ケイ素のシェルが覆っている粒子である。空孔に含まれる空気(屈折率1.0)によって空孔を有しない粒子に比較して膜の屈折率を下げることができる。空孔は単孔、多孔どちらでも良く適宜選択することができる。中空粒子のシェルの厚みは、平均粒子径の10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上35%以下がより好ましい。シェルの厚みが10%未満であると、粒子の強度が不足するため好ましくない。またシェルの厚みが50%を超えると、屈折率の低下が顕著には現れないため好ましくない。
一方、鎖状の粒子は、複数個の微粒子が鎖状もしくは数珠状に連なった粒子である。膜となってもその鎖状もしくは数珠状の連なりは維持されるため、単一粒子を用いた時に比較して空隙率を上げることができる。その上、1個1個の粒子は小さくできるのでボイドは発生し難い。1本の鎖状の微粒子中に連なる微粒子の数は2個以上10個以下、好ましくは3個以上6個以下である。連なる微粒子の数が10個を超えると、ボイドが発生し易く、耐摩耗性が低下する。
酸化ケイ素粒子5は、SiOを主成分とする微粒子であり、酸素を除く元素の中でSiが80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることがより好ましい。Siが80原子%未満だとバインダー6と反応する微粒子表面のシラノール(Si−OH)基が減少するため耐摩耗性が低下する。
酸化ケイ素粒子5には、SiOの他に、Al、TiO、ZnO、ZrOなどの金属酸化物や、Si原子を介してアルキル基やフッ化アルキル基などの有機成分を、酸化ケイ素粒子中または粒子表面に導入することができる。
酸化ケイ素粒子5の含有量は、多孔質層3に対して50質量%以上90質量%が好ましく、65質量%以上85質量%がより好ましい。
酸化ケイ素粒子5は、下記で示すバインダー6と同様に、表面がアルキルアシル化されている。
(バインダー)
バインダー6は、膜の耐摩耗性、密着力、環境信頼性によって適宜選択することが可能であるが、酸化ケイ素粒子5との親和性が高く多孔質膜3の耐摩耗性を向上するので、酸化ケイ素バインダーを用いることが好ましい。酸化ケイ素バインダーの中で、シリケート加水分解縮合物を用いることが好ましい。
酸化ケイ素バインダーの重量平均分子量としては、ポリスチレン換算で500以上3000以下が好ましい。重量平均分子量が500未満であると硬化後のクラックが入りやすく、また塗料としての安定性が低下する。また重量平均分子量が3000を超えると粘度が上昇するためバインダー内部のボイドが不均一になりやすくなるため大きなボイドが発生しやすくなる。
バインダー6の含有量は、多孔質層3に対して5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
酸化ケイ素バインダーは、下記一般式(1)で表される組成を有することが好ましい。
(式(1)中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香環であって、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、アクリロイル基、ハロゲン原子が置換していても良く、0.90≦m≦0.99を満たす。)
一般式(1)で、mが0.9未満であるとバインダー6の親水性が下がり、バインダー6と酸化ケイ素粒子5との相互作用が弱くなり、多孔質層3の耐摩耗性が低下する。一般式(1)で0.95≦m≦0.99を満たすことがより好ましい。
バインダー6の表面は、アルキルシリル化されている。酸化ケイ素バインダーを用いた場合、バインダー内部にはシラノール基を有していることが好ましい。バインダー6が内部にシラノール基を有することにより、水素結合によって多孔質層3の耐摩耗性が向上する。
アルキルシリル化により導入されたアルキルシリル基は、−SiR、=SiRあるいは≡SiRで表される置換基であり、Rはそれぞれ1価の有機基である。有機基の嵩が小さい方が有機基同士の立体障害が小さく、撥水性や屈折率の面内バラつきが小さくなる点で、下記式(2)で表されるアルキルシリル基でアルキルシリル化されていることが好ましい。また、2つのシラノール基を結んで置換することでき、高い撥水性が得られる点で、下記式(3)のアルキルシリル基でアルキルシリル化されていることが好ましい。
(式中、R2は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基である。)
(式中、R3は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基である。)
アルキルシリル基は2種類以上組み合わせて用いることもできる。
(多孔質層)
多孔質層3は、厚さが80nm以上200nm以下であることが好まく、100nm以上160nm以下であることがより好ましい。膜厚が80nm未満だと耐摩耗性が得られ難く、200nmを超えると散乱が大きくなり易い。
多孔質層3の空隙率は、30%以上50%以下であることが好ましい。空隙率が30%未満だと屈折率が高く、高い反射防止効果が得られない時があり、50%を超えると粒子間の空隙が大きくなり過ぎて耐摩耗性が低くなる。
多孔質層3の屈折率は、1.19以上1.30以下であることが好ましく、1.22以上、1.27以下であることがより好ましく、1.22以上1.25以下であることが更に好ましい。
多孔質層3は、アルキルシリル化することで、多孔質層3の表面と水との接触角を110°以上140°以下にすることができる。接触角が110°未満だと界面5´にアルキルシリル化されずに残ったシラノール基が多いために、不織布での拭き取り時に微細な傷が入ることがある。一方、接触角が140°を超えると界面5´のアルキルシリル基以外(アルキルシリル化に用いた原材料など)の残存物が残っている可能性があり、局所的に屈折率が高いなど面内で均一な光学特性が得られない場合がある。
多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5の表面に存在したシラノール基および酸化ケイ素バインダー6中のシラノール基の中で、空気との界面に残存したシラノール基の水素がアルキルシリル基に置換されている。仮に、これらの部分のシラノール基がアルキルシリル化されずに残存すると、多孔質層3はアルコールなどの溶媒や不織布の繊維などとの親和性が高いために、多孔質層3の表面がアルコールに触れると痕が残ったり、不織布で擦ると傷が残ったりする。また、アルキルシリル化されていない多孔質層3は、装置などの内壁に使用されているコーキング材から揮散したシリコーン成分などにより汚染されやすい。これに対して、本発明の多孔質層3は、アルキルシリルカ化されているので、シリコーン成分などにより汚染され難い。
多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5およびバインダー6の表面がアルキルシリル化されているため空隙が多く、屈折率が低いと同時に撥水性が高い。また、多孔質層3は、酸化ケイ素粒子2とバインダー6とが強固なSi−O−Si結合を形成しているため、熱や拭き取りなどの外部刺激によっても撥水性が低下し難い。
[光学部材の製造方法]
本発明の光学部材1の製造方法は、基材2上または基材2上に形成された1層以上の膜の表面に、酸化ケイ素粒子5がバインダー6で結合した多孔質層3を形成する形成工程を有する。
多孔質層3を形成する工程は、乾式法と湿式法のいずれを用いても良いが、簡便に多孔質層3を作成できる湿式法を用いることが好ましい。
多孔質層3を湿式法で形成する工程としては、酸化ケイ素粒子5とバインダー6の両方を含む分散液を塗布する方法、酸化ケイ素粒子の分散液とバインダー溶液を順に塗布する方法を用いることができる。多孔質層3の耐摩耗性を高めることができるので、酸化ケイ素粒子5の分散液とバインダー6溶液を順に塗布する方法を用いることが好ましい。
酸化ケイ素粒子5の分散液とバインダー6溶液を順に塗布する方法について、図面を用いて説明する。基材2上に、酸化ケイ素粒子5の分散液を塗布して、図3に示すように、酸化ケイ素粒子5が積み重なった層を形成する。この時、接触した酸化ケイ素粒子5同士は粒子表面のシラノール基が水素結合による緩い結合状態を作ると考えられる。続いて、酸化ケイ素粒子5が積み重なった層にバインダー6溶液を塗布することで、図4に示すように、基材2上に酸化ケイ素粒子5がバインダー6で結合した層を形成する。
酸化ケイ素粒子5の分散液は、溶媒に酸化ケイ素粒子を分散した液であり、酸化ケイ素粒子の含有量が2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。酸化ケイ素粒子5の分散液には、酸化ケイ素粒子5の分散性を上げるために、シランカップリング剤や界面活性剤を加えても良い。ただし、酸化ケイ素粒子5表面のシラノール基の多くにこれらの化合物が反応すると、酸化ケイ素粒子5とバインダー6との結合が弱くなり、多孔質層3の耐摩耗性が低下する。そのため、シランカップリング剤や界面活性剤等の添加剤は、酸化ケイ素粒子100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
バインダー溶液は、酸化ケイ素粒子5とバインダー6との結合力が強いので、酸化ケイ素バインダー溶液を用いることが好ましい。酸化ケイ素バインダー溶液は、溶媒中でケイ酸メチル、ケイ酸エチルなどのケイ酸エステルに水や酸または塩基を加えて加水分解縮合することによって調製され、シリケート加水分解縮合物を主成分とすることが好ましい。反応に用いることができる酸は塩酸、硝酸などであり、塩基はアンモニアや各種アミン類であり、溶媒への溶解性やケイ酸エステルの反応性を考慮して選択される。また、酸化ケイ素バインダーの溶液は、水中でケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩を中和して縮合させてから溶媒で希釈することでも調製できる。中和に用いることができる酸は、塩酸、硝酸などである。
酸化ケイ素バインダーには、溶解性や塗布性の改善を目的として、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、などの有機基が置換した3官能シランアルコキシドを添加することができる。3官能シランアルコキシドの添加量は、シランアルコキシド全体の内10モル%以下であることが好ましい。添加量が10モル%を超えると、バインダー内部で有機基がシラノール基どうしの水素結合を阻害するため、耐摩耗性が低下する。
酸化ケイ素バインダー溶液中の酸化ケイ素の含有量は、0.2質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
酸化ケイ素粒子5の分散液および酸化ケイ素バインダー6の溶液に用いることができる溶媒は、原料が均一に溶解し、かつ反応物が析出しない溶媒であれば良い。例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、シクロペンタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−2―ペンタノール、2−メチル−1―ペンタノール、2−エチルブタノール、2,4−ジメチル−3―ペンタノール、3−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノールなどの1価のアルコール類。エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類。メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1―エトキシ−2−プロパノール、1―プロポキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類。ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類。n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類。クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類。N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。溶媒は2種類を混ぜて使用することもできる。
酸化ケイ素粒子5の分散液および酸化ケイ素バインダー6の溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スリットコート法、印刷法やディップコート法などが挙げられる。凹面などの立体的に複雑な形状を有する光学部材を製造する場合、膜厚の均一性の観点からスピンコート法が好ましい。
酸化ケイ素粒子5がバインダー6で結合した層を形成後に、乾燥および/または硬化が行われる。乾燥および硬化は、溶媒を除去したり、酸化ケイ素バインダー同士あるいは酸化ケイ素バインダーと酸化ケイ素粒子との反応を進めたりするための工程である。乾燥および硬化の温度は、20℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。乾燥および硬化の温度が20℃未満だと溶媒が残留して耐摩耗性が低下する。また、乾燥および硬化の温度が200℃以上だと、バインダーの硬化が進み過ぎて、バインダーに割れが発生しやすくなる。乾燥および硬化の時間は5分以上24時間以下が好ましく、15分以上5時間以下がより好ましい。乾燥および硬化の時間が5分未満だと部分的に溶媒が残留して屈折率の面内バラつきが大きくなる場合があり、24時間を超えるとバインダーに割れが発生しやすくなる。
基材2上に酸化ケイ素粒子5の分散液と酸化ケイ素バインダー溶液を順に塗布する場合、酸化ケイ素粒子5の分散液を塗布した後に、乾燥および/または焼成の工程を入れることもできる。
次に、多孔質層3を、シラザン化合物を含む雰囲気に暴露することで酸化ケイ素粒子5及びバインダー6の表面をアルキルシリル化する表面処理工程について説明する。
多孔質層を形成する形成工程で基材2上に形成された多孔質層3を、シラザン化合物を含む雰囲気に暴露する。この時、雰囲気中に含まれるシラザン化合物は、多孔質層3の空隙に取り込まれて、酸化ケイ素粒子5およびバインダー6の表面に接触する。シラザン化合物のシラザン(Si−N)結合は反応性が高いため、酸化ケイ素粒子5およびバインダー6の表面に存在するシラノール(Si−OH)基と反応して、Si−O−Si結合を形成してアルキルシリル化され多孔質層3が形成される。
本発明と異なり、シラザン化合物やシランアルコキシド溶液に浸漬する方法では、シラザン化合物などの反応性が低下するだけでなく、溶媒による膨潤の影響で、選択的なアルキルシリル化および酸化ケイ素粒子5とバインダー6との骨格構造の維持が困難である。本発明のアルキルシリル化の方法では、シラザン化合物が酸化ケイ素粒子5の内部やバインダー6の内部まで浸入することはない。したがって、図5に示すように、酸化ケイ素粒子5とバインダー6との骨格を維持したまま、酸化ケイ素粒子5及びバインダー6の表面をアルキルシリル化した多孔質層3が得られる。
本発明で用いることができるシラザン化合物の例としては、(ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ブチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、オクチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、ジフェニルメチル(ジメチルアミノ)シラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−ジテトラメチルジシラザン、1,3−ジオクチル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ジメチルビス(s−ブチルアミノ)シラン、フェニルメチルビス(ジメチルアミノ)シラン、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシラザン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタメチルシクロテトラシラザン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシランなどが挙げられる。
シラザン化合物の中で、反応性が高く未反応のシラザン化合物が残り難い点で、下記式(4)または(5)で表されるシラザン化合物を用いることが好ましい。
(式中、R4は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R5およびR6はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
(式中、R7は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R8は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
具体的な例として(ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが挙げられる。
また、シラザン化合物の中で、2官能で撥水効果の高い点で、下記式(6)または(7)で表されるシラザン化合物を用いることが好ましい。
(式中、R9は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R10およびR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
(式中、R12は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R13は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
具体的な例として、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ジメチルビス(s−ブチルアミノ)シラン、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシラザンが挙げられる。
シラザン化合物を含む雰囲気に暴露する方法としては、シラザン化合物を含む気体を多孔質層3に吹きかける方法、シラザン化合物を含む気体と多孔質層3を容器内に閉じ込める方法などがある。少量のシラザン化合物で処理できる点で、シラザン化合物を含む混合気体と多孔質層3を容器内に閉じ込める方法が好ましい。容器内で処理する場合、大気圧または減圧下で行うことができるが、混合気体中のシラザン化合物の濃度は5mg/L以上200mg/L以下であることが好ましい。
多孔質層3をシラザン化合物を含む雰囲気に暴露する際、温度は10℃以上60℃以下で行うことが好ましく、20℃以上40℃以下で行うことがより好ましい。雰囲気の温度が10℃未満では雰囲気中のシラザン化合物濃度が低過ぎて十分な撥水効果が得られない場合があり、60℃を超えると過剰なシラザン化合物によって多孔質層3が膨潤する可能性がある。
シラザン化合物を含む雰囲気に暴露する時間は、雰囲気中のシラザン化合物の濃度や温度にもよるが、0.5時間以上72時間以下が好ましく、3時間以上24時間以下がより好ましい。暴露時間が0.5時間未満だとアルキルシリル化が不十分で耐摩耗性が向上しない場合があり、72時間を超えるとシラザン化合物が水などと反応して副生成物として多孔質層3中に残ってしまうことがある。
シラザン化合物を含む雰囲気に暴露した後に、膜中の余剰のシラザン化合物を取り除く工程を入れても良い。シラザン化合物の揮発性が高い場合は、多孔質層3をシラザン化合物を含まない雰囲気中に放置するだけで余剰のシラザン化合物は大気中に放出される。シラザン化合物の揮発性が低い場合は、加熱や減圧によりシラザン化合物を除去しても良い。シラザン化合物を除去するため加熱する場合には、40℃以上150℃以下で加熱することが好ましい。また、余剰のシラザン化合物を溶媒で洗い流すこともできる。その場合、メタノール、エタノール、アセトンなどの揮発性の高い溶媒を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例により限定されるものではない。
(塗工液の調製)
(1)中空SiO粒子塗工液1の調製
中空SiO粒子のIPA分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均粒径55nm・固形分濃度20.50質量%、)6.00gに1−メトキシ−2−プロパノール28.17gで希釈を行い、中空SiO微粒子塗工液(固形分濃度3.60質量%)を調製した。
(2)鎖状SiO粒子塗工液2の調製
鎖状SiO粒子のIPA分散液(日産化学工業株式会社製 IPA−ST−UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%、)6.00gに1−メトキシ−2−プロパノール24.00gで希釈を行い、鎖状SiO微粒子塗工液(固形分濃度3.00質量%)を調製した。
(3)SiOバインダー塗工液3の調製
ケイ酸エチル4.17gとエタノール2.30gの溶液に、予め希釈しておいた硝酸水(濃度3.7質量%)1.7gとエタノール2.30gの溶液をゆっくり加えた。15時間室温で攪拌した後、計り取った反応溶液2.00gに2−エチル−1−ブタノール36.33gで希釈を行い、SiOバインダー塗工液3(固形分濃度0.6質量%)を調製した。
(4)SiOバインダー塗工液4の調製
ケイ酸エチル3.83g、メチルトリエトキシシラン0.29gとエタノール2.26gの溶液に、予め希釈しておいた硝酸水(濃度3.7質量%)1.56gとエタノール2.26gの溶液をゆっくり加えた。15時間室温で攪拌した後、計り取った反応溶液2.00gに2−エチル−1−ブタノール37.66gで希釈を行い、8mol%だけSi上にメチル基が置換したSiOバインダー塗工液(固形分濃度0.6質量%)を調製した。
(5)SiOバインダー塗工液5の調製
ケイ酸エチル3.63g、メチルトリエトキシシラン0.46gとエタノール2.23gの溶液に、予め希釈しておいた硝酸水(濃度3.7質量%)1.46gとエタノール2.23gの溶液をゆっくり加えた。15時間室温で攪拌した後、計り取った反応溶液2.00gに2−エチル−1−ブタノール38.66gで希釈を行い、13mol%だけSi上にメチル基が置換したSiOバインダー塗工液(固形分濃度0.6質量%)を調製した。
(評価)
(6)膜厚の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定し、解析から膜厚を求めた。
(7)屈折率の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定した。屈折率は波長550nmの屈折率とした。
(8)空隙率の計算
波長550nmの屈折率から膜全体に対する空隙部(粒子の中空部を含む)の体積比を求め空隙率とした。粒子(中空部を除く)およびSiOバインダーの屈折率は1.45、空隙部(粒子の中空部を含む)は1.0とした。
(9)耐摩耗性の評価
ポリエステルワイパー(テックスワイプ社製 アルファワイパーTX1009)で300g/cm2の荷重をかけ、20回往復させた後、目視による傷や擦り痕の有無を観察した。以下の基準で評価した。
A:サンプルに変化がなかった。
B:サンプルに、傷が付かなかったが擦り痕が見える。
C:サンプルに傷が付いた。
(10)接触角の評価
全自動接触角計(共和界面科学株式会社製 DM−701)を用い、純水2μlの液滴を接触した時の接触角を測定した。作製直後と純水に10分間浸漬した後の接触角をそれぞれ3回測定した平均値を水の接触角とした。以下の基準で評価した。
A:110°以上のもの。
B:100°以上110°未満のもの。
C:100°未満のもの。
(11)高温高湿試験
70℃/100%RHに設定した環境試験機(エスペック株式会社製 SH−241)中に72時間置いた後の屈折率と純水の接触角の変化を確認した。
A:屈折率変化が0.01未満で、屈折率変化がほとんどないもの。
B:屈折率変化が0.01以上であるもの。
(12)赤外吸収スペクトル測定
赤外分光スペクトル測定装置(Spectrum One,パーキンエルマー製)と付属のダイヤモンドプローブ付きのユニバーサルATRを用いて3750cm−1のシラノール由来のピークを観察した。
(実施例1)
実施例1は、直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、中空SiO微粒子塗工液1を適量滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行なうことで基材上に中空SiO微粒子からなる多孔質層を形成した。さらに中空SiO微粒子のみからなる多孔質層上にSiOバインダー塗工液3を適量滴下し、4500rpmで20秒スピンコートを行なった。その後、熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。さらに、シラザン化合物として1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.1gを6mlのガラス製サンプル管に計り取って、前述の多孔質層付き基材と一緒に容量610mlのガラス製容器内に入れた。このガラス製容器をシリコン樹脂性のパッキンが付いたポリプロピレン製の蓋で密閉した状態で、23℃15時間静置した。その後、多孔質層付き基材を取り出し、30分間大気中に放置した。容器内に置いた全ての1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンが15時間で揮発したことを確認した。揮発量から計算した容器内のシラザン化合物の濃度は167mg/Lであった。
その結果、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚124nmで水の接触角が112°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は110°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。各種評価結果を表1にまとめた。
また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。

1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン

トリメチルシリル基
(実施例2)
実施例2は、直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状SiO微粒子塗工液2を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行なうことで基材上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。さらに鎖状SiO微粒子からなる多孔質層上にSiOバインダー塗工液3を適量滴下し、4500rpmで20秒スピンコートを行なった。その後、熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
それ以降は実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚119nmで純水の接触角が114°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は112°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材上に形成した中空SiO微粒子のみからなる多孔質層上に、SiOバインダー塗工液4を適量滴下し、4500rpmで20秒スピンコートを行なった。その後、熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
それ以降は実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚123nmで純水の接触角が113°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は112°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例4)
実施例4は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に形成した鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層上に、実施例2と同様の方法でSiOバインダー塗工液4をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
それ以降は実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚119nmで純水の接触角が114°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は112°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例5)
実施例5は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材上に形成した中空SiO微粒子のみからなる多孔質層上に、SiOバインダー塗工液5を適量滴下し、4500rpmで20秒スピンコートを行なった。その後、熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
それ以降は実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚122nmで純水の接触角が113°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は112°で変化は小さかった。耐摩耗性評価ではわずかに拭き痕が見られた。高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例6)
実施襟6は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、実施例2と同様の方法でSiOバインダー塗工液4をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
それ以降は実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚118nmで純水の接触角が115°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は114°で変化は小さかった。耐摩耗性評価ではわずかに拭き痕が見られた。高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例7)
実施例7は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、シラザン化合物として1,1,3,3−テトラメチルジシラザンに変えて、実施例1と同様の方法でアルキルシリル化を行った。容器内に置いた全ての1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが15時間で揮発したことを確認した。
その結果、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚123nmで純水の接触角が126°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は109°で値は高いものの変化は大きかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリル基で置換されていることが確認された。

1,1,3,3−テトラメチルジシラザン

ジメチルシリル基
(実施例8)
実施例8は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、実施例7と同様の方法で1,1,3,3−テトラメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚118nmで純水の接触角が127°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は108°で値は高いものの変化は大きかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例9)
実施例9は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、シラザン化合物として1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンに変えて、実施例1と同様の方法でアルキルシリル化を行った。容器内に置いた1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンの内、15時間で揮発した量は0.004gであることを確認した。揮発量から計算した容器内のシラザン化合物の濃度は6.7mg/Lであった。
その結果、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚122nmで純水の接触角が112°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は110°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面が3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルアルキルシリル化されていることが確認された。

1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン

3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシリル基
(実施例10)
実施例10は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、実施例9と同様の方法で1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行なった。そして、屈折率が1.26、空隙率は42%、膜厚119nmで純水の接触角が112°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は110°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面が3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例11)
実施例11は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、シラザン化合物としてジメチルアミノトリメチルシランに変えて、実施例1と同様の方法でアルキルシリル化を行った。容器内に置いた全てのジメチルアミノトリメチルシランが15時間で揮発したことを確認した。
その結果、屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚123nmで純水の接触角が112°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は110°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。

ジメチルアミノトリメチルシラン

トリメチルシリル基
(実施例12)
実施例12は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、実施例11と同様の方法でジメチルアミノトリメチルシランを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚118nmで純水の接触角が114°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は112°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がトリメチルシリル基で置換されていることが確認された。
(実施例13)
実施例13は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、シラザン化合物としてビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン0.005gを計り取った以外は実施例1と同様の方法でアルキルシリル化を行った。容器内に置いた全てのビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランが15時間で揮発したことを確認した。揮発量から計算した容器内のシラザン化合物の濃度は8.4mg/Lであった。多孔質層上には過剰なシラザン化合物を残っていたためエタノールで洗い流した後、乾燥エアーでブロア乾燥した。
その結果、屈折率が1.27、空隙率は40%、膜厚122nmで水の接触角が122°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は121°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリレン基で置換されていることが確認された。

ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン

ジメチルシリレン基
(実施例14)
実施例14は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、実施例13と同様の方法でビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.28、空隙率は38%、膜厚117nmで水の接触角が123°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は122°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリレン基で置換されていることが確認された。
(実施例15)
実施例15は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、シラザン化合物として2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン0.005gを計り取った以外は実施例1と同様の方法でアルキルシリル化を行った。容器内に置いた全ての2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザンが15時間で揮発したことを確認した。揮発量から計算した容器内のシラザン化合物の濃度は8.4mg/Lであった。多孔質層上には過剰なシラザン化合物を残っていたためエタノールで洗い流した後、乾燥エアーでブロア乾燥した。
その結果、屈折率が1.25、空隙率は44%、膜厚123nmで水の接触角が122°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は121°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリレン基で置換されていることが確認された。

2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン

ジメチルシリレン基
(実施例16)
実施例16は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
さらに、実施例15と同様の方法で2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.26、空隙率は42%、膜厚118nmで水の接触角が123°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は122°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では変化は見られず、高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは半減しており、中空SiO微粒子およびバインダーの表面がジメチルシリレン基で置換されていることが確認された。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
アルキルシリル化は行わず屈折率が1.23、空隙率は49%、膜厚124nmで水の接触角が8°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は5°未満とさらに小さくなった。耐摩耗性評価では僅かに傷が付いた。高温高湿試験での屈折率変化は大きく0.01を超えた。水分や試験層中の微量の有機成分の吸着が確認された。
(比較例2)
比較例2は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液3をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
アルキルシリル化は行わず屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚118nmで水の接触角が7°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は5°未満とさらに小さくなった。耐摩耗性評価では僅かに傷が付いた。高温高湿試験での屈折率変化は大きく0.02であった。水分や試験層中の微量の有機成分の吸着が確認された。
(比較例3)
比較例3は、実施例3と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液4をコート、加熱することで中空SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
アルキルシリル化は行わず屈折率が1.23、空隙率は49%、膜厚123nmで水の接触角が20°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は15°とさらに小さくなった。耐摩耗性評価では傷が付いた。高温高湿試験での屈折率変化は大きく0.01を超えた。水分や試験層中の微量の有機成分の吸着が確認された。
(比較例4)
比較例4は、実施例4と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。この多孔質層に、SiOバインダー塗工液4をコート、加熱することで鎖状SiO微粒子がバインダーで結合した多孔質層を形成した。
アルキルシリル化は行わず屈折率が1.24、空隙率は47%、膜厚119nmで水の接触角が15°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は11°とさらに小さくなった。耐摩耗性評価では傷が付いた。高温高湿試験での屈折率変化は大きく0.01を超えた。水分や試験層中の微量の有機成分の吸着が確認された。
(比較例5)
比較例5は、実施例1と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に形成した中空SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。
引き続き、実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.20、空隙率は56%、膜厚124nmで水の接触角が112°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は111°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では完全に膜が剥離した。高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは消失しており、バインダーが無いため、中空SiO微粒子およびバインダーの表面アルキルシリル化されていることが確認された。
(比較例6)
比較例6は、実施例2と同様の方法で直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に形成した鎖状SiO微粒子のみからなる多孔質層を形成した。
引き続き、実施例1と同様の方法で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを用いてアルキルシリル化を行ない、屈折率が1.21、空隙率は53%、膜厚119nmで水の接触角が113°の多孔質層が基材上に形成された光学部材を作製した。純水に10分間浸漬した後の水の接触角は111°で変化は小さかった。耐摩耗性評価では完全に膜が剥離した。高温高湿試験での屈折率変化は小さく0.01未満であった。また、IRスペクトルからシラノール基のピークは消失しており、バインダーが無いため、中空SiO微粒子およびバインダーの表面アルキルシリル化されていることが確認された。
(実施例及び比較例の評価)
実施例1乃至16の光学部材は、多孔質層の屈折率が1.24〜1.25と低く、反射防止膜(多孔質層)の表面と水との接触角が112〜127と撥水性を有しており、耐摩耗性に優れている。また、実施例1乃至16の光学部材は、酸化ケイ素粒子およびバインダーの表面アルキルシリル化されているので、高温高湿試験前後の屈折率変化が少ない。これに対して、アルキルシリル化されていない比較例1乃至4の光学部材は、実施例1乃至16の光学部材と比較して、撥水性を有さず、耐摩耗性に劣り、高温高湿試験前後の屈折率変化が大きい。バインダーを有さない比較例5および6の光学部材は、実施例1乃至16の光学部材と比較して、耐摩耗性に劣っていた。
本発明の光学部材は、光例えばカメラやビデオカメラをはじめとする撮像機器、もしくは液晶プロジェクターや電子写真機器の光走査装置をはじめとする投影機器に利用することが可能である。
1 光学部材
2 基材
3 多孔質層
4 反射防止膜
5 酸化ケイ素粒子
6 バインダー
7 酸化物層

Claims (14)

  1. 基材と、前記基材上に反射防止膜とを有する光学部材であって、
    前記反射防止膜は、表面に多孔質層を有し、
    前記多孔質層は、複数の酸化ケイ素粒子と、バインダーと、前記複数の酸化ケイ素粒子間に形成される空隙とを有し、
    前記多孔質層は、屈折率が1.22以上1.27以下であり、
    前記酸化ケイ素粒子および前記バインダーの前記空隙に面する表面に、下記一般式(2)及び/または下記式(3)で表されるアルキルシリル基を有していることを特徴とする光学部材。

    (式中、R2は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基である。)

    (式中、R3は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基である。)
  2. 前記多孔質層は、空隙率が30%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が10nm以上80nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部材。
  4. 前記酸化ケイ素粒子は、50質量%以上が中空粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記酸化ケイ素粒子は、50質量%以上が鎖状の粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記多孔質層は、前記多孔質層の表面と水との接触角が110°以上140°以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材を有する撮像機器。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材を有する投影機器。
  9. 基材と、前記基材上に表面が多孔質層の反射防止膜を有する光学部材の製造方法であって、
    前記基材上に、複数の酸化ケイ素粒子をバインダーで結合することにより、前記複数の酸化ケイ素粒子間に空隙を有する多孔質層を形成する形成工程と、
    前記多孔質層を、シラザン化合物を含む雰囲気に暴露することで、前記酸化ケイ素粒子及びバインダーの前記空隙に面する表面をアルキルシリル化する表面処理工程と、を有することを特徴とする光学部材の製造方法。
  10. 前記形成工程は、前記多孔質層を湿式法で形成した後に、乾燥および/または硬化する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の光学部材の製造方法。
  11. 前記シラザン化合物は、下記一般式(4)又は(5)のいずれかの化合物を含むことを特徴とする請求項又は10に記載の光学部材の製造方法。

    (式中、R4は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R5およびR6はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)

    (式中、R7は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R8は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
  12. 前記シラザン化合物は、下記一般式(6)又は(7)のいずれかの化合物を含むことを特徴とする請求項又は10に記載の光学部材の製造方法。

    (式中、R9は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R10およびR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)

    (式中、R12は1価の有機基であって、炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、フッ素アルキル基であり、R13は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)
  13. 前記表面処理工程は、前記シラザン化合物の濃度が5mg/L以上200mg/L以下の雰囲気で行うことを特徴とする請求項乃至12のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
  14. 前記形成工程は、前記酸化ケイ素粒子の分散液を塗布した後に、前記バインダー又はバインダーを生成するための成分を有する溶液を塗布する工程を有することを特徴とする請求項乃至13のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
JP2014249675A 2014-12-10 2014-12-10 光学部材及び光学部材の製造方法 Active JP6532228B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249675A JP6532228B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 光学部材及び光学部材の製造方法
EP15196719.7A EP3032296A1 (en) 2014-12-10 2015-11-27 Optical member and method for manufacturing optical member
US14/962,957 US10564321B2 (en) 2014-12-10 2015-12-08 Optical member and method for manufacturing optical member
CN201510917177.2A CN105700046B (zh) 2014-12-10 2015-12-10 光学部件和光学部件的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249675A JP6532228B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 光学部材及び光学部材の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019097166A Division JP2019185050A (ja) 2019-05-23 2019-05-23 光学部材及び光学部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016109999A JP2016109999A (ja) 2016-06-20
JP6532228B2 true JP6532228B2 (ja) 2019-06-19

Family

ID=54707642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014249675A Active JP6532228B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 光学部材及び光学部材の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10564321B2 (ja)
EP (1) EP3032296A1 (ja)
JP (1) JP6532228B2 (ja)
CN (1) CN105700046B (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6599699B2 (ja) 2014-12-26 2019-10-30 日東電工株式会社 触媒作用を介して結合した空隙構造フィルムおよびその製造方法
JP6604781B2 (ja) 2014-12-26 2019-11-13 日東電工株式会社 積層フィルムロールおよびその製造方法
JP6713872B2 (ja) 2015-07-31 2020-06-24 日東電工株式会社 積層フィルム、積層フィルムの製造方法、光学部材、画像表示装置、光学部材の製造方法および画像表示装置の製造方法
JP6713871B2 (ja) 2015-07-31 2020-06-24 日東電工株式会社 光学積層体、光学積層体の製造方法、光学部材、画像表示装置、光学部材の製造方法および画像表示装置の製造方法
JP6892744B2 (ja) 2015-08-24 2021-06-23 日東電工株式会社 積層光学フィルム、積層光学フィルムの製造方法、光学部材、および画像表示装置
JP7152130B2 (ja) * 2015-09-07 2022-10-12 日東電工株式会社 低屈折率層、積層フィルム、低屈折率層の製造方法、積層フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置
EP3141934B1 (en) * 2015-09-11 2020-10-07 Canon Kabushiki Kaisha Optical member comprising an antireflective film including a porous layer and method for manufacturing the same
JP2018017930A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 キヤノン株式会社 光学素子およびそれを有する光学系、撮像装置
JP7118614B2 (ja) * 2017-03-10 2022-08-16 キヤノン株式会社 光学部材、撮像装置、及び光学部材の製造方法
JP6932524B2 (ja) * 2017-03-10 2021-09-08 キヤノン株式会社 光学部材及び光学部材の製造方法
US10459123B2 (en) * 2017-03-10 2019-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Optical member, image pickup apparatus, and method for manufacturing optical member
JP7118615B2 (ja) * 2017-10-12 2022-08-16 キヤノン株式会社 光学素子、光学系および撮像装置
US20190295391A1 (en) * 2018-03-20 2019-09-26 Canon Kabushiki Kaisha Transparent member, imaging apparatus, and method of producing transparent member
JP7422450B2 (ja) * 2018-03-20 2024-01-26 キヤノン株式会社 透明部材、撮像装置、透明部材の製造方法および部材
JP7229691B2 (ja) * 2018-07-26 2023-02-28 キヤノン株式会社 光学膜とその製造方法
US20200186685A1 (en) * 2018-12-07 2020-06-11 Canon Kabushiki Kaisha Transparent member and image pickup apparatus, and method of manufacturing transparent member
CN109502987B (zh) * 2018-12-17 2021-09-28 常州大学 一种基于空心氧化硅制备高硬度减反膜的方法
JP7401351B2 (ja) * 2019-03-27 2023-12-19 キヤノン株式会社 部材、光学機器、塗工液、部材の製造方法、多孔質膜
JP7458734B2 (ja) * 2019-09-30 2024-04-01 キヤノン株式会社 光学部材および光学部材の製造方法
JP6972271B1 (ja) * 2020-10-09 2021-11-24 キヤノン株式会社 透光部材およびシールド

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2680583B1 (fr) * 1991-08-22 1993-10-08 Commissariat A Energie Atomique Materiau presentant des proprietes antireflet, hydrophobes et de resistance a l'abrasion et procede de depot d'une couche antireflet, hydrophobe et resistante a l'abrasion sur un substrat.
JP3120371B2 (ja) * 1997-09-12 2000-12-25 セイコーエプソン株式会社 光学物品の製造方法
JP4042196B2 (ja) * 1998-01-31 2008-02-06 凸版印刷株式会社 防汚剤及び防汚層の形成方法
JP4067224B2 (ja) 1999-03-30 2008-03-26 富士フイルム株式会社 反射防止膜、反射防止膜の製造方法および画像表示装置
JP3722418B2 (ja) * 2000-12-08 2005-11-30 信越化学工業株式会社 反射防止膜及びこれを利用した光学部材
JP4378972B2 (ja) * 2003-02-25 2009-12-09 パナソニック電工株式会社 反射防止膜、反射防止膜の製造方法、反射防止部材
JP2005208290A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Konica Minolta Opto Inc 防汚性光学薄膜、防汚性反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、表示装置
GB2424382A (en) * 2005-02-25 2006-09-27 Asahi Chemical Ind Antireflective coatings
JP2007078818A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Asahi Kasei Corp 反射防止膜
US20070086091A1 (en) * 2005-09-26 2007-04-19 Fujifilm Corporation Antireflection film, polarizing plate, and image display device including the same
FR2896887B1 (fr) 2006-02-02 2008-05-30 Essilor Int Article comportant un revetement mesoporeux presentant un profil d'indice de refraction et ses procedes de fabrication
JP2007256925A (ja) 2006-02-24 2007-10-04 Fujifilm Corp 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、ディスプレイ装置、光学フィルムの製造方法
US20090041984A1 (en) * 2007-08-10 2009-02-12 Nano Terra Inc. Structured Smudge-Resistant Coatings and Methods of Making and Using the Same
US9523004B2 (en) 2009-11-11 2016-12-20 Essilor International Surface treatment composition, process for producing the same, and surface-treated article
US20130182328A1 (en) * 2009-12-10 2013-07-18 Nano Terra Inc. Structured Smudge-Resistant Anti-Reflective Coatings and Methods of Making and Using the Same
JP5340252B2 (ja) 2010-11-17 2013-11-13 キヤノン株式会社 反射防止膜及びその製造方法
KR20140005209A (ko) 2011-01-21 2014-01-14 디아이씨 가부시끼가이샤 다공질 실리카 입자의 제조 방법, 반사 방지막용 수지 조성물, 반사 방지막을 갖는 물품 및 반사 방지 필름
JP5733564B2 (ja) * 2011-02-24 2015-06-10 Dic株式会社 反射防止膜用組成物、それを用いた物品及び反射防止フィルム
US9176259B2 (en) * 2011-03-04 2015-11-03 Intermolecular, Inc. Sol-gel based antireflective (AR) coatings with controllable pore size using organic nanocrystals and dendrimers
US9715043B2 (en) * 2011-07-21 2017-07-25 Canon Kabushiki Kaisha Optical member and method of producing the same
JP2013152425A (ja) * 2011-12-28 2013-08-08 Tamron Co Ltd 反射防止膜及び光学素子
JP2013160799A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Asahi Glass Co Ltd 低反射膜付き物品の製造方法
US20130323464A1 (en) * 2012-05-31 2013-12-05 Liang Liang Coated article comprising a hydrophobic anti-reflection surface, and methods for making the same
US20140050914A1 (en) * 2012-08-14 2014-02-20 Intermolecular, Inc. Antireflective coatings with controllable porosity and refractive index properties using a combination of thermal or chemical treatments

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016109999A (ja) 2016-06-20
US20160170094A1 (en) 2016-06-16
US10564321B2 (en) 2020-02-18
CN105700046B (zh) 2019-05-28
CN105700046A (zh) 2016-06-22
EP3032296A1 (en) 2016-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6532228B2 (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
JP6598750B2 (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
US11009627B2 (en) Antireflective optical member and method for producing antireflective optical member
JP2017518521A (ja) 光学素子
JP2013218172A5 (ja)
JP5665404B2 (ja) 光学膜の製造方法、光学膜および光学部品
US20190309421A1 (en) Self-curing mixed-metal oxides
JP4279063B2 (ja) 多孔性シリカ膜、それを有する積層体
JP5683146B2 (ja) 光学膜の製造方法および光学素子の製造方法
JP2024022641A (ja) 塗工液、部材の製造方法および部材
JP2017167271A (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
JP7129247B2 (ja) コーティング組成物とその製造方法、および光学部材、ならびに撮像装置
JP2020032719A (ja) 部材および部材の製造方法
JP2019185050A (ja) 光学部材及び光学部材の製造方法
JP2012076932A (ja) 光学膜製造用塗布液、その製造方法および光学膜の製造方法
WO2020213726A1 (ja) 光吸収性組成物及び光学フィルタ
JP2003292342A (ja) シリカ系膜被覆物品
JP7439555B2 (ja) 光学部材及びその製造方法
JP7422450B2 (ja) 透明部材、撮像装置、透明部材の製造方法および部材
JP2019211662A (ja) 親水性シリカ多孔質膜、光学部材、および光学機器
JP2020154014A (ja) 反射防止膜及びその製造方法、及びそれを用いた光学部材
KR20080063325A (ko) 유기 무기 복합막 형성 물품
JP2003013048A (ja) 撥水性物品の製造方法、撥水性物品および撥水性被膜形成用溶液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190521

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6532228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151