JP6932524B2 - 光学部材及び光学部材の製造方法 - Google Patents
光学部材及び光学部材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6932524B2 JP6932524B2 JP2017046632A JP2017046632A JP6932524B2 JP 6932524 B2 JP6932524 B2 JP 6932524B2 JP 2017046632 A JP2017046632 A JP 2017046632A JP 2017046632 A JP2017046632 A JP 2017046632A JP 6932524 B2 JP6932524 B2 JP 6932524B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon oxide
- optical member
- group
- fluorine compound
- porous layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/10—Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
- G02B1/11—Anti-reflection coatings
- G02B1/111—Anti-reflection coatings using layers comprising organic materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D1/00—Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on inorganic substances
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D5/00—Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
- C09D5/006—Anti-reflective coatings
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D7/00—Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
- C09D7/40—Additives
- C09D7/60—Additives non-macromolecular
- C09D7/61—Additives non-macromolecular inorganic
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D7/00—Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
- C09D7/40—Additives
- C09D7/66—Additives characterised by particle size
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B2207/00—Coding scheme for general features or characteristics of optical elements and systems of subclass G02B, but not including elements and systems which would be classified in G02B6/00 and subgroups
- G02B2207/107—Porous materials, e.g. for reducing the refractive index
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
前記フッ素化合物が、一般式(1)で表される繰り返し構造の非イオン性親水基を有しており、lが3以上50以下の整数であり、
前記フッ素化合物の量が、前記鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対し0.1〜2.5質量%であることを特徴とする。
前記液体中のフッ素化合物の量が、前記鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダー成分から形成される酸化ケイ素とを合わせた酸化ケイ素100質量%に対し0.1〜2.5質量%であることを特徴とする。
図1は、本発明の光学部材の一実施形態を示す模式図である。光学部材1は、少なくとも基材2と、基材2の上に多孔質層3と、を有している。多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5、酸化ケイ素バインダー6、とフッ素化合物7を含んでおり、膜中に複数の空隙4が存在し、反射防止膜として機能する。酸化ケイ素粒子5は、酸化ケイ素からなる複数の粒子が酸化ケイ素バインダーによって結合された鎖状の酸化ケイ素粒子である。フッ素化合物7は、非イオン性親水基とフッ化炭素基とを有しており、酸化ケイ素粒子5の表面および/または酸化ケイ素バインダー6の結合部表面に化学吸着して、空隙4のサイズを調整する役割を有している。
基材2の特に限定されるものではないが、ガラスや樹脂などからなる基材を用いることが可能である。ガラスとしては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウムなどを含有する無機ガラスを用いることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
酸化ケイ素粒子5は親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子である。
酸化ケイ素バインダー6は、シロキサンオリゴマーがシラノール基を介して粒子同士を結合している部分である。シロキサンオリゴマーは、酸化ケイ素粒子5との親和性が高いため、酸化ケイ素粒子5の間に存在して粒子同士を結合し、多孔質層3の耐摩耗性を向上させることができる。
多孔質層3に含まれるフッ素化合物7は、フッ化炭素基と非イオン性親水基を有している。フッ素化合物7の非イオン性親水基が、酸化ケイ素粒子5表面のシラノール基と互いに引き付け合って相互作用することでフッ素化合物7は酸化ケイ素粒子5に吸着する。吸着したフッ素化合物7のフッ化炭素基同士は、互いに反発するため、フッ素化合物のサイズに応じて酸化ケイ素粒子5間の間隔を広げることができる。従って、フッ素化合物のサイズを適切に選択すれば、大きな空隙による散乱を生じさせずに、多孔質層3の屈折率を低減することができる。
以上説明したように、鎖状粒子の短径および長径、バインダーの種類および添加量、フッ素化合物の分子サイズや添加量などを前述した範囲で適宜調整することによって、光学部材の反射防止層として好適な多孔質膜を実現することができる。ここでは、反射防止層として好適な、本発明にかかる多孔質層の特性について説明する。
多孔質層を有する光学部材1の反射防止効果をより高めるため、基材2と多孔質層3との間に、高屈折率層と低屈折率層とを積層した酸化物積層体8を設けるのも好ましい。酸化物積層体8における干渉を利用してより反射を低減することができる。基材2の屈折率と多孔質層3の屈折率とを考慮して、高屈折率層と低屈折率層それぞれに用いる材料を選択するとよい。高屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウムを含有する層を用いることができる。また、低屈折率層としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムを含有する層を用いることができる。
次に、本発明の光学部材1の製造方法について説明するが、基材2上に前述した多孔質膜3が形成できれば、ここで説明する製造方法に限定されるものではない。
本発明にかかる光学部材1の製造方法は、以下の工程を有している。
(II)塗膜を形成した基材を乾燥および/または焼成して多孔質層3を形成する工程
上記(I)(II)の工程を実施する前に、まず塗工液の調製を行う。
(1)鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液1の調製
鎖状の酸化ケイ素粒子の2−プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製 IPA−ST−UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%、)500gに、1−エトキシ−2−プロパノールを加えながらIPAを留去した。これにより、固形分濃度が3.64質量%の分散液が2060.8g得られた。
100gの鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液1に、種類の異なるフッ素化合物またはポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を、添加量を変えて加え、30分攪拌して鎖状酸化ケイ素粒子塗工液2〜11を調製した。各塗工液の詳細な成分は、後に示す表1にまとめて示しておく。塗工液1と同様の粒度分布測定により、各塗工液には、短径が11〜12nm、長径が70〜77nmの鎖状酸化ケイ素粒子が分散していることが確認された。
(3)膜厚の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定し、解析から膜厚を求めた。
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定した。屈折率は波長550nmの屈折率とした。平均反射率は以下の基準で評価した。
A:1.235以下のもの。
B:1.235超1.25以下のもの。
反射率測定機(オリンパス株式会社製 USPM−RU)を用いて波長380nmから780nmの絶対反射率を測定し、波長450〜650nmの反射率の最大値を求めた。反射率の最大値は以下の基準で評価した。
A:0.05%以下のもの。
B:0.05%超0.1%以下のもの。
全自動接触角計(共和界面科学株式会社製 DM−701)を用い、純水2μlの液滴を接触した時の接触角を23℃40%RHの環境で測定した。以下の基準で評価した。
光源に150Wのハロゲンファイバー照明装置(PHL−150C)を用い、ハロゲンファイバー照明装置で発せられた光はロッドホモジナイザ(RHO−13S−E2)を通り、虹彩絞りで照度を4000lxにした。その光を光学部材の多孔質層の付いた面に垂直に入射させ、光学面の裏面に対して45°の角度からカメラレンズ(Compact−Macro Lens EF 50mm)を装着したカメラ(Canon EOS70D)で撮影した。撮影条件は、シャッタースピード10秒、絞りF10、ISO400の条件である。
A:25以下のもの。
B:25超30以下のもの。
C:30超のもの。
ポリエステルワイパー(テックスワイプ社製 アルファワイパーTX1009)で300g/cm2の荷重をかけ、20回往復させた後、目視による傷や擦り痕の有無を観察した。以下の基準で評価した。
A:サンプルに変化がなかった。
B:サンプルに、傷が付かなかったが擦り痕が見える。
C:サンプルに傷が付いた。
基材上または酸化物積層体上に成膜した多孔質層のみを削り取って粉末状にした。得られた粉末の赤外線吸収スペクトルをユニバーサルATR(赤外全反射吸収測定法)サンプリングユニットを装備したフーリエ変換赤外分光分析装置(パーキンエルマー社製 商品名Spectrum One)を用いて測定した。測定結果から、900〜980cm−1の範囲のシラノール(Si−OH)基のSi−O伸縮振動の吸収ピーク波数を求めた。
A:900〜945cm−1にピークが見られる。
B:900〜945cm−1にピークが見られない。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液2を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃で30分間加熱して多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して2質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液3を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.68質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント212M:Rfが1個、xの平均が12、フッ素含有量の平均が33質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液4を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.63質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント215M:Rfが1個、xの平均が15、フッ素含有量の平均が29質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液5を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.68質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント209F:Rfが2個、xの平均が9、フッ素含有量の平均が50質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液6を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素の量100質量%に対して0.5質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液7を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.75質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液8を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.38質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液1を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで、鎖状酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーからなる多孔質層を有する光学部材を作製した。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液9を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して3質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%である。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液10を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.65質量%のフッ化有機基が無く親水基だけのポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を含んでいる。
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液11を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して1.80質量%のフッ化有機基が無く親水基だけのポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を含んでいる。
表面に酸化物積層体を有する、直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.52、νd=64.1)の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液4を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行って基材上に塗膜を形成した。酸化物積層体は、表2に示した膜厚と屈折率とを有する膜を積層したものである。これを熱風循環オーブン中で140℃30分は加熱し、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して2質量%のフッ素化合物(ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%)を含んでいる。
実施例8と同様のガラス基材の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子を含む塗工液7を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行なって基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーとを合わせた酸化ケイ素100質量%に対して0.75質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
実施例8と同様のガラス基材の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子を含む塗工液1を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーとを含んでいる。
2 基材
3 多孔質層
4 空隙
5 酸化ケイ素粒子
6 酸化ケイ素バインダー
7 フッ素化合物
8 酸化物積層体
Claims (14)
- 前記フッ素化合物が含有するフッ素の量が、前記フッ素化合物全体の10質量%以上60質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の光学部材。
- 前記多孔質層の波長550nmの光に対する屈折率が1.21以上1.27以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光学部材。
- 前記多孔質層の赤外線吸収スペクトルが900〜945cm−1の範囲にピークを持つSi−O伸縮振動由来の吸収を示すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学部材。
- 前記基材と前記多孔質層との間に、高屈折率層と低屈折率層とを積層した酸化物積層体を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光学部材。
- 前記高屈折率層が、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウムのいずれかを含有する層であり、前記低屈折率層が、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムのいずれかを含有する層であることを特徴とする請求項7に記載の光学部材。
- 撮像部と、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学部材と、を備える撮像装置。
- 基材上に多孔質層を有する光学部材の製造方法であって、
前記基材上に、親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子と、酸化ケイ素バインダー成分と、フッ化炭素基および非イオン性親水基を有するフッ素化合物と、溶媒と、を含む液体を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を形成した基材を、乾燥および/または焼成して多孔質層を形成する工程と、を有しており、
前記フッ素化合物が、一般式(1)で表される繰り返し構造の非イオン性親水基を有しており、lが3以上50以下の整数であり、
前記液体に含まれるフッ素化合物の量が、前記鎖状の酸化ケイ素粒子と前記酸化ケイ素バインダー成分から形成される酸化ケイ素とを合わせた酸化ケイ素100質量%に対し0.1〜2.5質量%であることを特徴とする光学部材の製造方法。 - 前記フッ素化合物が含有するフッ素の量が、前記フッ素化合物全体の10質量%以上、60質量%以下であることを特徴とする請求項10に記載の光学部材の製造方法。
- 前記鎖状の酸化ケイ素粒子が、短径の平均が5nm以上40nm以下であり、長径が短径の3倍以上12倍以下であることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017046632A JP6932524B2 (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
US15/911,704 US11009627B2 (en) | 2017-03-10 | 2018-03-05 | Antireflective optical member and method for producing antireflective optical member |
JP2021133353A JP7187631B2 (ja) | 2017-03-10 | 2021-08-18 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
JP2022191866A JP2023014241A (ja) | 2017-03-10 | 2022-11-30 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017046632A JP6932524B2 (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021133353A Division JP7187631B2 (ja) | 2017-03-10 | 2021-08-18 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018151484A JP2018151484A (ja) | 2018-09-27 |
JP6932524B2 true JP6932524B2 (ja) | 2021-09-08 |
Family
ID=63446446
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017046632A Active JP6932524B2 (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
JP2021133353A Active JP7187631B2 (ja) | 2017-03-10 | 2021-08-18 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
JP2022191866A Pending JP2023014241A (ja) | 2017-03-10 | 2022-11-30 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
Family Applications After (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021133353A Active JP7187631B2 (ja) | 2017-03-10 | 2021-08-18 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
JP2022191866A Pending JP2023014241A (ja) | 2017-03-10 | 2022-11-30 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US11009627B2 (ja) |
JP (3) | JP6932524B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020153144A1 (ja) * | 2019-01-25 | 2020-07-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 色変換素子 |
JP7401351B2 (ja) * | 2019-03-27 | 2023-12-19 | キヤノン株式会社 | 部材、光学機器、塗工液、部材の製造方法、多孔質膜 |
JP7471892B2 (ja) * | 2019-05-31 | 2024-04-22 | キヤノン株式会社 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
US11531142B2 (en) * | 2019-05-31 | 2022-12-20 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical member and method for manufacturing optical member |
JP7458734B2 (ja) * | 2019-09-30 | 2024-04-01 | キヤノン株式会社 | 光学部材および光学部材の製造方法 |
FR3128032A1 (fr) * | 2021-10-13 | 2023-04-14 | Safran Electronics & Defense | Elément optique antireflet |
KR20240136152A (ko) | 2023-03-06 | 2024-09-13 | 삼성전기주식회사 | 반사 방지 필름 및 그 제조 방법 |
Family Cites Families (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19829986C1 (de) | 1998-07-04 | 2000-03-30 | Lis Laser Imaging Systems Gmbh | Verfahren zur Direktbelichtung von Leiterplattensubstraten |
JP4836316B2 (ja) | 1999-09-29 | 2011-12-14 | 富士フイルム株式会社 | 反射防止膜、偏光板、及び画像表示装置 |
JP2004302112A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Nikon Corp | 光学薄膜、光学部材、光学系、及び投影露光装置、並びに光学薄膜の製造方法 |
JP2005157037A (ja) | 2003-11-27 | 2005-06-16 | Konica Minolta Opto Inc | 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置 |
JP4855781B2 (ja) * | 2005-02-01 | 2012-01-18 | 日東電工株式会社 | 反射防止ハードコートフィルム、光学素子および画像表示装置 |
JP4760237B2 (ja) | 2005-09-02 | 2011-08-31 | 株式会社日立製作所 | 光学部品及びそれを用いた投射型画像表示装置 |
JP5437662B2 (ja) * | 2008-03-03 | 2014-03-12 | 学校法人慶應義塾 | 反射防止膜及びその形成方法 |
EP2347896A4 (en) * | 2008-10-17 | 2016-01-13 | Hitachi Chemical Co Ltd | LOW BREAKING INDEX FILM AND METHOD FOR THE PRODUCTION, ANTI-REFLECTIONS AND PRODUCTION METHOD THEREFOR, COATING LIQUID FOR LOW BREAKING INDEX, SUBSTRATE WITH MICROPARTICELLAMINATED THIN LAYER AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF, AND OPTICAL ELEMENT |
JP5546184B2 (ja) * | 2009-09-08 | 2014-07-09 | 株式会社ネオス | 含フッ素ノニオン系界面活性剤 |
JP5718825B2 (ja) * | 2009-12-11 | 2015-05-13 | 日本板硝子株式会社 | 光電変換装置用カバーガラスおよびその製造方法 |
KR20120123741A (ko) * | 2010-01-13 | 2012-11-09 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 미세 구조화 저 굴절률 나노공극형 층을 갖는 광학 필름 및 이의 제조 방법 |
GB201014024D0 (en) | 2010-08-20 | 2010-10-06 | Oxford Energy Technologies Ltd | Optical coating |
JP5505281B2 (ja) | 2010-11-25 | 2014-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 回転電機のロータ |
KR101952463B1 (ko) * | 2011-02-21 | 2019-02-26 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 유기 무기 복합체를 포함하는 코팅재, 유기 무기 복합막 및 반사 방지 부재 |
US20130034722A1 (en) * | 2011-08-01 | 2013-02-07 | Intermolecular, Inc. | Sol-gel based antireflective coatings using particle-binder approach with high durability, moisture resistance, closed pore structure and controllable pore size |
US20140178657A1 (en) * | 2012-12-21 | 2014-06-26 | Intermolecular Inc. | Antireflection coatings |
JP6130692B2 (ja) | 2013-03-07 | 2017-05-17 | 株式会社小糸製作所 | 半導体光源点灯回路および車両用灯具 |
WO2014175124A1 (ja) * | 2013-04-24 | 2014-10-30 | 旭硝子株式会社 | 反射防止層付き基材 |
JP6532228B2 (ja) * | 2014-12-10 | 2019-06-19 | キヤノン株式会社 | 光学部材及び光学部材の製造方法 |
-
2017
- 2017-03-10 JP JP2017046632A patent/JP6932524B2/ja active Active
-
2018
- 2018-03-05 US US15/911,704 patent/US11009627B2/en active Active
-
2021
- 2021-08-18 JP JP2021133353A patent/JP7187631B2/ja active Active
-
2022
- 2022-11-30 JP JP2022191866A patent/JP2023014241A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018151484A (ja) | 2018-09-27 |
JP2021185427A (ja) | 2021-12-09 |
US20180259680A1 (en) | 2018-09-13 |
JP2023014241A (ja) | 2023-01-26 |
US11009627B2 (en) | 2021-05-18 |
JP7187631B2 (ja) | 2022-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6932524B2 (ja) | 光学部材及び光学部材の製造方法 | |
JP6532228B2 (ja) | 光学部材及び光学部材の製造方法 | |
JP6598750B2 (ja) | 光学部材及び光学部材の製造方法 | |
JP5645435B2 (ja) | 酸化アルミニウム前駆体ゾル及び光学用部材の製造方法 | |
JP5665404B2 (ja) | 光学膜の製造方法、光学膜および光学部品 | |
JP2024022641A (ja) | 塗工液、部材の製造方法および部材 | |
JP2017167271A (ja) | 光学部材及び光学部材の製造方法 | |
JP7129247B2 (ja) | コーティング組成物とその製造方法、および光学部材、ならびに撮像装置 | |
JP7118614B2 (ja) | 光学部材、撮像装置、及び光学部材の製造方法 | |
JP2013217977A (ja) | 反射防止膜及び光学素子 | |
CN108572404B (zh) | 光学构件、摄像设备和光学构件的制造方法 | |
JP2020032719A (ja) | 部材および部材の製造方法 | |
CN114249542B (zh) | 具有多孔层的部件和用于形成多孔层的涂覆液 | |
JP7423261B2 (ja) | 透明部材および撮像装置並びに透明部材の製造方法 | |
WO2020213726A1 (ja) | 光吸収性組成物及び光学フィルタ | |
JP7458734B2 (ja) | 光学部材および光学部材の製造方法 | |
JP7422450B2 (ja) | 透明部材、撮像装置、透明部材の製造方法および部材 | |
JP2019185050A (ja) | 光学部材及び光学部材の製造方法 | |
JP7439555B2 (ja) | 光学部材及びその製造方法 | |
JP7401351B2 (ja) | 部材、光学機器、塗工液、部材の製造方法、多孔質膜 | |
JP7343750B2 (ja) | 反射防止膜及びその製造方法、及びそれを用いた光学部材 | |
JP2020194066A (ja) | 光学素子およびその製造方法、並びに光学素子を含む光学装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200306 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210413 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210720 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210818 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6932524 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |