JP2023014241A - 光学部材及び光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材及び光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低屈折率でかつ低散乱である反射防止膜を有する光学部材および光学部材の製造方法を提供する。【解決手段】 基材の上に多孔質層を有する光学部材であって、前記多孔質層は、親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子と、酸化ケイ素バインダーと、フッ化炭素基および非イオン性親水基を有するフッ素化合物と、を含み、前記フッ素化合物の量が酸化ケイ素に対し0.1~2.5質量%であることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、低散乱で反射防止性能に優れた光学部材及び光学部材の製造方法に関する。
従来、光学素子の光入出射界面での反射を抑えるために、屈折率の異なる光学膜を数十から数百nmの厚みで単層あるいは複数層を積層した反射防止膜を形成することが知られている。これら反射防止膜を形成するためには、蒸着、スパッタリング等の真空成膜法やディップコート、スピンコート等の湿式成膜法が用いられる。
反射防止膜の表層に用いられる材料には、屈折率が低くて透明な、シリカ(酸化ケイ素)やフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどの無機材料やシリコーン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。
近年、より反射率を低く抑えるため、反射防止膜に空気の屈折率1.0を利用した低屈折膜を用いることが知られている。シリカやフッ化マグネシウムの層内に空隙を形成することによって屈折率を下げることが可能である。例えば、屈折率1.38のフッ化マグネシウムの薄膜内に30体積%の空隙を設けると、屈折率を1.27まで下げることができる。
膜内に空隙を形成する方法としては、酸化ケイ素粒子の分散液を塗布、乾燥する方法が知られている。ところが、分散液中の粒子の分散状態が悪いと、粒子の凝集に起因して散乱が大きくなってしまう。
そこで、特許文献1には、溶媒との親和性の高い分散剤を添加することによって粒子の凝集を抑制した粒子スラリーから反射防止膜を形成する方法が開示されている。
特許文献2は、表面処理を施してポリマーとの親和性を改善した粒子とポリマーバインダーとを組み合わせて反射防止膜を形成する方法が開示されている。
特開2007-065522号公報 特開2001-188104号公報
しかしながら、特許文献1の場合、分散剤自体には屈折率を下げる効果が無いかまたは小さい。屈折率を下げるには、溶媒を気化させてできる気泡を利用して空隙を作らなければならず、空隙が大きくなって膜の散乱が大きくなるという課題があった。
特許文献2の場合、微細な空隙が形成されて散乱の小さい反射防止膜が得られるが、表面処理した粒子とポリマーバインダーのどちらも屈折率が高いため、膜の屈折率が上昇してしまうという課題があった。
本発明は、この様な課題に鑑みてなされたものであり、低屈折率かつ低散乱を実現する光学部材および光学部材の製造方法を提供するものである。
本発明にかかる光学部材は、基材の上に多孔質層を有する光学部材であって、前記多孔質層は、親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子と、酸化ケイ素バインダーと、フッ化炭素基および非イオン性親水基を有するフッ素化合物と、を含み、前記フッ素化合物の量が酸化ケイ素に対し0.1~2.5質量%であることを特徴とする。
また、本発明にかかる光学部材の製造方法は、基材上に多孔質層を有する光学部材の製造方法であって、前記基材上に、親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子と、酸化ケイ素バインダーと、フッ化炭素基および非イオン性親水基を有するフッ素化合物と、溶媒と、を含む液体を塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を形成した基材を、乾燥および/または焼成して多孔質層を形成する工程と、を有しており、前記液体中のフッ素化合物の量が前記酸化ケイ素粒子および酸化ケイ素バインダー中に含まれる酸化ケイ素に対し0.1~2.5質量%であることを特徴とする。ただし、酸化ケイ素バインダー中に含まれる酸化ケイ素量は酸化ケイ素バインダーを縮合により酸化ケイ素に変換した時の質量を指す。
本発明によれば、低反射で低散乱の光学部材を提供することができる。
本発明の光学部材の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学部材の別の実施態様を示す概略図である。 実施例8の反射防止膜表面の絶対反射率を示すグラフである。 実施例8の多孔質層のIR吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例9の反射防止膜表面の絶対反射率を示すグラフである。 比較例5の反射防止膜表面の絶対反射率を示すグラフである。 比較例5の多孔質層のIR吸収スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
[光学部材]
図1は、本発明の光学部材の一実施形態を示す模式図である。光学部材1は、少なくとも基材2と、基材2の上に多孔質層3と、を有している。多孔質層3は、酸化ケイ素粒子5、酸化ケイ素バインダー6、とフッ素化合物7を含んでおり、膜中に複数の空隙4が存在し、反射防止膜として機能する。酸化ケイ素粒子5は、酸化ケイ素からなる複数の粒子が酸化ケイ素バインダーによって結合された鎖状の酸化ケイ素粒子である。フッ素化合物7は、非イオン性親水基とフッ化炭素基とを有しており、酸化ケイ素粒子5の表面および/または酸化ケイ素バインダー6の結合部表面に化学吸着して、空隙4のサイズを調整する役割を有している。
多孔質層3に含まれる酸化ケイ素粒子5同士は、直接接触していてもよいし、バインダーを挟んで結合されていても良いが、耐摩耗性向上の観点から、酸化ケイ素粒子5同士はバインダーを挟んで結合されている方が好ましい。
図2は、本発明の光学部材1の他の一実施形態を示す模式図である。図2の光学部材には、基材2と多孔質層3との間に、酸化物積層体8を有している。図2の構成は、図1よりもさらに反射を低減することができる。
本発明の光学部材は、光学レンズ、光学ミラー、フィルター、光学フィルムに用いることができる。これらの中で、特に光学レンズに用いることが好ましい。本発明にかかる光学部材を撮像装置の光学レンズあるいはレンズのカバーガラスとして用い、本発明にかかる光学部材を介して被写体像を撮像部で撮影すれば、クリアな画像を取得することができる。
以下、光学部材1の各構成要素について詳細に説明する。
(基材)
基材2の特に限定されるものではないが、ガラスや樹脂などからなる基材を用いることが可能である。ガラスとしては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウムなどを含有する無機ガラスを用いることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
また、基材2の形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良く、研削研磨法、モールド成形法、フロート成形法などで成形することができる。
(酸化ケイ素粒子)
酸化ケイ素粒子5は親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子である。
鎖状の粒子(以下、鎖状粒子と記述する場合がある。)とは、複数個の粒子が直線状または屈曲しながら連なった粒子の集合体である。鎖状の粒子は、膜となってもその連なりが維持されるために、単一粒子を用いた時に比較して膜中の空隙率を高めることができる。また、鎖状粒子を構成する一個一個の粒子を小さくすれば、散乱の原因になる大きな空隙も生じ難い。鎖状の酸化ケイ素粒子を形作る一個一個の粒子の形状が明確に観察できる状態でも、粒子同士が融着するなどして形が崩れていても構わない。
鎖状の酸化ケイ素粒子は短径と長径を持ったランダムな形状の粒子であり、短径の平均は5nm以上40nm以下であることが好ましく、8nm以上30nm以下であることがより好ましい。鎖状の酸化ケイ素粒子の短径の平均が5nm未満の場合、粒子の表面積が大きくなるため、雰囲気中の水分や化学物質の取り込みによる信頼性低下の可能性が高まる。短径の平均が40nmを超える場合には、粒子間にできる空隙が大きくなるため、ボイドが発生して散乱が生じる恐れがある。加えて、粒子の大きさに伴う散乱も生じる。
ここで、空隙とは、膜中の粒子間にできる隙間のことをいう。また、ボイドとは、粒子サイズ以上の大きさの空隙のことをいい、散乱の原因になり得る大きさの空隙をいう。
長径は短径に対して3倍以上12倍以下であることが好ましく、4倍以上10倍以下であることがより好ましい。長径が短径に対して3倍未満だと、空隙が小さくなり過ぎて屈折率を下げることが難しく、12倍を超えると粒子間にボイドができて散乱が発生してしまう恐れがある。
ここで酸化ケイ素粒子の平均径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は、透過電子顕微鏡像で膜の断面を観察した画像を画像処理することによって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。
酸化ケイ素粒子5には、鎖状の粒子に、真円状、楕円上、円盤状、棒状、針状、角型などの鎖状以外の形状の粒子を適宜混合して使用しても良い。ただし、酸化ケイ素粒子5全体に対して、鎖状以外の形状の粒子を混合する割合は、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。鎖状以外の形状の粒子が40質量%を超えると、フッ素化合物の添加による屈折率の低減効果を得られない場合がある。
酸化ケイ素粒子5は、粒子表面に多くのシラノール(Si-OH)基を有した親水性の粒子であるのが好ましい。粒子表面のシラノール基が多いと、粒子の溶媒中での分散性を高め、粒子5とフッ素化合物7とが互いに引き付け合う力を強める効果がある。親水性の酸化ケイ素粒子5としては、オルトケイ酸(HSiO)を原料に水熱合成で製造される湿式合成粒子が好適である。乾式合成粒子であっても、一旦酸性またはアルカリ性水溶液を用いて表面にシラノール基を多く形成しておけば、親水性の酸化ケイ素粒子5として使用することができる。
酸化ケイ素粒子5は、酸化ケイ素を主成分とする粒子であるが、Si元素の一部をAl、Ti、Zn、Zr、Bなどの他の元素で置き換えたり、Si元素に有機基を結合させたりしてもよい。その場合でも、酸化ケイ素粒子5成分は、酸素と水素を除く元素の中でSi以外の元素が10原子%以下であることが好ましく、5原子%以下であることがより好ましい。Si以外の元素が10原子%を超えると、酸化ケイ素バインダー6との結合に寄与する粒子表面のシラノール基が減少するため、耐摩耗性が低下するおそれがある。
酸化ケイ素粒子5の表面は、酸化ケイ素とシラノールだけで構成されていることが好ましいが、Al、TiO、ZnO、ZrOなどの金属酸化物が付着していたり、粒子表面のシラノールの一部を有機基で修飾したりしてもよい。ただし、酸化ケイ素粒子5の表面のシラノールが少なくなりすぎると、粒子の親水性が失われ、それを用いた膜は、粒子同士や酸化ケイ素バインダー6との結合部位の減少により膜強度が低下するおそれがある。また粒子とフッ素化合物7との相互作用が小さくなることで低屈折率が実現できなかったりする。
(酸化ケイ素バインダー)
酸化ケイ素バインダー6は、シロキサンオリゴマーがシラノール基を介して粒子同士を結合している部分である。シロキサンオリゴマーは、酸化ケイ素粒子5との親和性が高いため、酸化ケイ素粒子5の間に存在して粒子同士を結合し、多孔質層3の耐摩耗性を向上させることができる。
酸化ケイ素バインダー6は、多孔質層3の強度向上や散乱低減の観点から、有機基を含まない酸化ケイ素のみで構成されていることが好ましいが、Si原子に対して10モル%以下であれば、シラノール基の代わりに有機基を含んでいても良い。有機基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または、それらの一部がアミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、アクリロイル基、ハロゲン原子のいずれかで置換された有機基が挙げられる。
(フッ素化合物)
多孔質層3に含まれるフッ素化合物7は、フッ化炭素基と非イオン性親水基を有している。フッ素化合物7の非イオン性親水基が、酸化ケイ素粒子5表面のシラノール基と互いに引き付け合って相互作用することでフッ素化合物7は酸化ケイ素粒子5に吸着する。吸着したフッ素化合物7のフッ化炭素基同士は、互いに反発するため、フッ素化合物のサイズに応じて酸化ケイ素粒子5間の間隔を広げることができる。従って、フッ素化合物のサイズを適切に選択すれば、大きな空隙による散乱を生じさせずに、多孔質層3の屈折率を低減することができる。
フッ化炭素基は、炭化水素基の水素原子がフッ素原子に置換された基であって、フッ素化合物7の一分子中に1個以上含まれる。親水性の高い酸化ケイ素粒子5に対しフッ素化合物7が親和性を保てる点で、疎水性の高いフッ化炭素基の数は一分子中1以上5個以下が好ましい。一方、非イオン性の親水基とは、水に親和性を有するが、水中でイオン化しないエーテル結合(-O-)や水酸基(-OH)を1つ以上含む基である。
非イオン性親水基は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造であることが好ましく、lを3以上50以下の範囲の整数にすることでフッ素化合物の親水性を制御できる。lが3未満であると親水性が不足して、多孔質層3内にフッ素化合物を均一に分布させることができず、多孔質層3の屈折率が面内で一定にならない可能性が高まる。lが50を超えると、フッ素化合物が長くなり過ぎて粒子間の空隙が大きくなり、散乱が増大する可能性が高まる。
Figure 2023014241000002
フッ素化合物7は、下記一般式(2)または(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023014241000003
Figure 2023014241000004
フッ化炭素基R1~R3は、炭素数4以上15以下のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基、パーフルオロアルキニル基、部分フッ化アルキル基、部分フッ化アルケニル基、部分フッ化アルキニル基からなる群の中から選択されるいずれかの基であることが好ましい。mおよびnは、それぞれ3以上50以下であることが好ましい。
より少量の添加で屈折率を下げる効果が得られるという点で、フッ素化合物7が分岐状のパーフルオロアルキル基、分岐状のパーフルオロアルケニル基を有しているのが好ましく、一般式(4)で表されるフッ化炭素基を有しているのがより好ましい。
Figure 2023014241000005
フッ素化合物7のフッ素含有量は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。フッ素含有量が10質量%未満であると、フッ素化合物7の酸化ケイ素粒子5に対する吸着力が強くなり過ぎて酸化ケイ素粒子5が凝集してボイドが生じ、散乱が大きくなる可能性が高まる。フッ素含有量が60質量%を超えると、親水基の結合力が弱められ、フッ素化合物7が酸化ケイ素粒子5に吸着し難くなって屈折率が十分に低下しない可能性がある。
多孔質層3に含まれる酸化ケイ素粒子5を100質量%とすると、多孔質層3に含まれるフッ素化合物7の量は、0.1質量%以上、2.5質量%以下である。フッ素化合物7の量が0.1質量%未満だと、フッ化炭素基同士の反発力が小さく屈折率を下げる効果が十分に得られない。2.5質量%を超えると多孔質層3内の空隙が大きくなり過ぎて散乱が大きくなったり、酸化ケイ素より屈折率の高いフッ素化合物の割合が増えてしまい、かえって屈折率の上昇を招いたりする。多孔質層に含まれる酸化ケイ素粒子に対するフッ素化合物の質量%は、基材から多孔質層を分離したものを質量分析して測定することができる。本発明にかかる多孔質層は、光学部材として用いるのに適した膜の均一性を有しているため、基材から多孔質層全体を剥離して測定する必要はなく、多孔質層の30%以上の体積について測定すれば、多孔質層に含まれる酸化ケイ素粒子に対するフッ素化合物の質量%の値として用いることができる。
(多孔質層)
以上説明したように、鎖状粒子の短径および長径、バインダーの種類および添加量、フッ素化合物の分子サイズや添加量などを前述した範囲で適宜調整することによって、光学部材の反射防止層として好適な多孔質膜を実現することができる。ここでは、反射防止層として好適な、本発明にかかる多孔質層の特性について説明する。
多孔質層3の空隙率は、30%以上55%以下であることが好ましい。空隙率が30%未満だと屈折率が高く、十分な反射防止効果が得られない時があり、55%を超えると、粒子間の空隙が大きくなり過ぎて耐摩耗性が低くなる。
多孔質層3の屈折率は、波長550nmの光に対して1.21以上1.27以下であることが好ましい。屈折率が1.21未満では多孔質層の耐摩耗性が不足する場合があり、屈折率が1.27を超えると反射防止効果が十分に得られない場合がある。
多孔質層3の表面は、室温23℃湿度45%RHにおける純水の接触角が3°以上40°未満であることが好ましい。純水の接触角が3°未満であると多孔質層3表面から膜中に水分などが入り易くなって環境安定性が損なわれる可能性があり、40°を超えるとフッ素化合物7の偏在により屈折率のバラつきが大きくなる場合がある。
多孔質層3中の酸化ケイ素粒子5はフッ素化合物7と引き付け合う相互作用していることが好ましく、相互作用しているかどうかは多孔質層3の赤外吸収スペクトルから確認することができる。酸化ケイ素粒子5は親水性酸化ケイ素粒子であることから、その赤外吸収スペクトルは950~990cm-1の間にピークを持つシラノール(Si-OH)基のSi-O伸縮振動由来の吸収を示す。一方、酸化ケイ素粒子5、酸化ケイ素バインダー6およびフッ素化合物7からなる多孔質層3は、シラノール基とフッ素化合物7とが互いに引き付け合う相互作用によってシラノール基のSi-O伸縮振動由来の吸収ピークが低波数側にシフトする。Si-O伸縮振動由来の吸収ピークが900~945cm-1の範囲にある時、酸化ケイ素粒子5とフッ素化合物7の相互作用が多孔質層3の屈折率を下げるのに十分な強さになるため好ましい。その範囲より高波数側では屈折率が十分に下がらず、一方低波数側では酸化ケイ素粒子5とフッ素化合物7の相互作用が強過ぎて酸化ケイ素粒子5と酸化ケイ素バインダー6との間の結合を阻害し、膜の強度が不足する可能性がある。
また、多孔質層3の厚さは、80nm以上200nm以下であることが好まく、100nm以上160nm以下であることがより好ましい。膜厚が80nm未満だと耐摩耗性が得られ難く、200nmを超えると反射率を下げるのが難しくなる。
本発明にかかる多孔質層3を有する光学部材1の表面に撥水性や撥油性を付与するため、多孔質層3の表面にポリマー層などを設けることもできる。光学部材1の表面を撥油性にする場合、室温23℃湿度45%RHにおける、ポリマー層表面とヘキサデカンとの接触角は50°以上80°以下であることが好ましい。より好ましくは60°以上75°以下である。ヘキサデカン接触角が50°未満の場合は油の拡散抑制効果が低下し、80°を超える場合はポリマーが多孔質層の表面に大きな島状に付着して光の散乱要因になる可能性がある。
(酸化物積層体)
多孔質層を有する光学部材1の反射防止効果をより高めるため、基材2と多孔質層3との間に、高屈折率層と低屈折率層とを積層した酸化物積層体8を設けるのも好ましい。酸化物積層体8における干渉を利用してより反射を低減することができる。基材2の屈折率と多孔質層3の屈折率とを考慮して、高屈折率層と低屈折率層それぞれに用いる材料を選択するとよい。高屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウムを含有する層を用いることができる。また、低屈折率層としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムを含有する層を用いることができる。
[光学部材の製造方法]
次に、本発明の光学部材1の製造方法について説明するが、基材2上に前述した多孔質膜3が形成できれば、ここで説明する製造方法に限定されるものではない。
本発明にかかる光学部材1の製造方法は、以下の工程を有している。
(I)基材2の上に、酸化ケイ素粒子5、酸化ケイ素バインダー6、フッ化炭素基と非イオン性親水基を有するフッ素化合物7、および溶媒を含む液体(以下、塗工液)を塗布して塗膜を形成する工程
(II)塗膜を形成した基材を乾燥および/または焼成して多孔質層3を形成する工程
上記(I)(II)の工程を実施する前に、まず塗工液の調製を行う。塗工液は、予め調製した酸化ケイ素バインダー溶液を、酸化ケイ素粒子5の分散液に混ぜる方法によって調製する。フッ素化合物7は、酸化ケイ素粒子5や酸化ケイ素バインダー6とは化学反応しないので、予め酸化ケイ素バインダー溶液あるいは酸化ケイ素粒子5の分散液に加えておいてもよいし、バインダー溶液を、酸化ケイ素粒子5の分散液に混ぜた後に加えても良い。塗工液は、液全体の2質量%以上10質量%以下の酸化ケイ素粒子5を含み、さらに、塗工液中に含まれる酸化ケイ素に対して0.1~2.5質量%のフッ素化合物を含むように調整することが好ましい。
酸化ケイ素バインダー溶液には、溶媒中でケイ酸メチル、ケイ酸エチルなどのケイ酸エステルに水や酸または塩基を加えて加水分解縮合することによって調製されたシリケート加水分解縮合物を主成分とする溶液を用いるのが好ましい。縮合反応に用いることができる酸は、塩酸、硝酸などであり、塩基はアンモニアや各種アミン類であり、溶媒への溶解性やケイ酸エステルの反応性を考慮して選択するとよい。
酸化ケイ素バインダー溶液は、水中でケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩を中和して縮合させてから溶媒で希釈することでも調製することができる。中和に用いることができる酸は、塩酸、硝酸などである。バインダー溶液を調製する際には80℃以下の温度で加熱することも可能である。他に、酸化ケイ素粒子5の分散液中に酸化ケイ素バインダー6の原料を加えて反応させる方法を用いることもできる。具体的には酸化ケイ素粒子5の分散液にケイ酸エチルと水、酸触媒を加えて反応を行い、必要に応じて加熱などを行う。
酸化ケイ素バインダー溶液に含まれる酸化ケイ素縮合物の重量平均分子量としては、ポリスチレン換算で500以上3000以下が好ましい。重量平均分子量が500未満であると硬化後のクラックが入りやすく、また塗料としての安定性が低下する。また重量平均分子量が3000を超えると粘度が上昇するため、塗工液中の粒子の分散状態が不均一になりやすくなるため大きなボイドが発生しやすくなる。
酸化ケイ素バインダー6を合成する際には、溶解性や塗布性の改善を目的として、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、などの有機基が置換した3官能シランアルコキシドを添加することができる。3官能シランアルコキシドの添加量は、シランアルコキシド全体の内10モル%以下であることが好ましい。添加量が10モル%を超えると、バインダー内部で有機基がシラノール基間の水素結合を阻害するため、耐摩耗性が低下する。
塗工液中の酸化ケイ素バインダー6の量は、酸化ケイ素バインダーを縮合により酸化ケイ素に変換した時の質量が、酸化ケイ素粒子5の100質量%に対して3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。塗工液中の酸化ケイ素バインダーの量が3質量%未満だと、膜の耐摩耗性が低下してしまう場合があり、30質量%を超えると、バインダーが空隙を埋めてしまうため多孔質層3の屈折率を下げられず、十分な反射防止特性が得られない場合がある。
酸化ケイ素粒子の分散液および酸化ケイ素バインダーの溶液に用いることができる溶媒は、原料が均一に溶解し、かつ反応物が析出しない溶媒であれば良い。例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、シクロペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2―ペンタノール、2-メチル-1―ペンタノール、2-エチルブタノール、2,4-ジメチル-3―ペンタノール、3-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノールなどの1価のアルコール類。エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類。メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1―エトキシ-2-プロパノール、1―プロポキシ-2-プロパノールなどのエーテルアルコール類、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類。ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類。n-ヘキサン、n-オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類。クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類。N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。溶媒は2種類を混ぜて使用することもできる。
塗工液を基材に塗布する方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スリットコート法、印刷法やディップコート法などが挙げられる。凹面などの立体的に複雑な形状を有する光学部材を製造する場合、膜厚の均一性の観点からスピンコート法が好ましい。
塗工液を基材に塗布して塗膜を形成後、塗膜の乾燥および/または硬化が行われる。乾燥および硬化は、溶媒を除去したり、酸化ケイ素バインダー同士あるいは酸化ケイ素バインダーと酸化ケイ素粒子との反応を進めたりするための工程である。乾燥および硬化の温度は、20℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。乾燥および硬化の温度が20℃未満だと溶媒が残留して膜の耐摩耗性が低下する。また、乾燥および硬化の温度が200℃を超えると、バインダーの硬化が進み過ぎて、バインダーに割れが発生しやすくなる。乾燥および硬化の時間は5分以上24時間以下が好ましく、15分以上5時間以下がより好ましい。乾燥および硬化の時間が5分未満だと部分的に溶媒が残留して屈折率の面内バラつきが大きくなる場合があり、24時間を超えるとバインダーに割れが発生しやすくなる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
各実施例について説明する前に、本実施例で用いた塗工液の調整法と膜の評価法について説明しておく。
(塗工液の調製)
(1)鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液1の調製
鎖状の酸化ケイ素粒子の2-プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製IPA-ST-UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%、)500gに、1-エトキシ-2-プロパノールを加えながらIPAを留去した。これにより、固形分濃度が3.64質量%の分散液が2060.8g得られた。
次に、ケイ酸エチル62.6gと1-エトキシ-2-プロパノール36.8gとの混合液に、0.01mol/lの希塩酸54gをゆっくり加えた。得られた液を、室温で90分間攪拌した後、さらに40℃で1時間加熱して、固形分濃度が11.8質量%の酸化ケイ素バインダー溶液を調製した。
鎖状の酸化ケイ素粒子を分散させた1-エトキシ-2-プロパノール分散液に、酸化ケイ素バインダー溶液95.5gをゆっくり加えてから、室温で2時間攪拌して鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液1を調製した。
調製した塗工液1を動的光散乱法による粒度分布測定(マルバーン社製 ゼータサイザーナノZS)したところ、液中に短径が11nm、長径が77nmの鎖状の酸化ケイ素粒子が分散していることが確認された。
(2)鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液2~11の調製
100gの鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液1に、種類の異なるフッ素化合物またはポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を、添加量を変えて加え、30分攪拌して鎖状酸化ケイ素粒子塗工液2~11を調製した。各塗工液の詳細な成分は、後に示す表1にまとめて示しておく。塗工液1と同様の粒度分布測定により、各塗工液には、短径が11~12nm、長径が70~77nmの鎖状酸化ケイ素粒子が分散していることが確認された。
各実施例で用いるフッ素化合物は、下式で表されるフッ化炭素基Rfを一分子中に1~3個有している。
Figure 2023014241000006
さらに、下式で表される親水基を有している。
Figure 2023014241000007
具体的には、繰り返し個数xの平均が8以上45以下、平均フッ素含有量がおおよそ22質量%以上50質量%であるフッ素化合物(ネオス社製 フタージェントシリーズ)を用いた。
(膜の評価)
(3)膜厚の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定し、解析から膜厚を求めた。
(4)屈折率の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまで測定した。屈折率は波長550nmの屈折率とした。平均反射率は以下の基準で評価した。
A:1.235以下のもの。
B:1.235超1.25以下のもの。
(5)反射率の測定
反射率測定機(オリンパス株式会社製 USPM-RU)を用いて波長380nmから780nmの絶対反射率を測定し、波長450~650nmの反射率の最大値を求めた。反射率の最大値は以下の基準で評価した。
A:0.05%以下のもの。
B:0.05%超0.1%以下のもの。
(6)接触角の評価
全自動接触角計(共和界面科学株式会社製 DM-701)を用い、純水2μlの液滴を接触した時の接触角を23℃40%RHの環境で測定した。以下の基準で評価した。
(7)微小光散乱値測定
光源に150Wのハロゲンファイバー照明装置(PHL-150C)を用い、ハロゲンファイバー照明装置で発せられた光はロッドホモジナイザ(RHO-13S-E2)を通り、虹彩絞りで照度を4000lxにした。その光を光学部材の多孔質層の付いた面に垂直に入射させ、光学面の裏面に対して45°の角度からカメラレンズ(Compact-Macro Lens EF 50mm)を装着したカメラ(Canon EOS70D)で撮影した。撮影条件は、シャッタースピード10秒、絞りF10、ISO400の条件である。
得られた画像を汎用画像処理ソフト(Adobe Photoshop)で解析した。700×700ピクセルを定量し、輝度を自然数で表した。以下の基準で評価した。
A:25以下のもの。
B:25超30以下のもの。
C:30超のもの。
(8)耐摩耗性の評価
ポリエステルワイパー(テックスワイプ社製 アルファワイパーTX1009)で300g/cm2の荷重をかけ、20回往復させた後、目視による傷や擦り痕の有無を観察した。以下の基準で評価した。
A:サンプルに変化がなかった。
B:サンプルに、傷が付かなかったが擦り痕が見える。
C:サンプルに傷が付いた。
(9)赤外線吸収スペクトル測定
基材上または酸化物積層体上に成膜した多孔質層のみを削り取って粉末状にした。得られた粉末の赤外線吸収スペクトルをユニバーサルATR(赤外全反射吸収測定法)サンプリングユニットを装備したフーリエ変換赤外分光分析装置(パーキンエルマー社製 商品名Spectrum One)を用いて測定した。測定結果から、900~980cm-1の範囲のシラノール(Si-OH)基のSi-O伸縮振動の吸収ピーク波数を求めた。
A:900~945cm-1にピークが見られる。
B:900~945cm-1にピークが見られない。
(実施例1)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状の酸化ケイ素粒子を含む塗工液2を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃で30分間加熱して多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して2質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.231、膜厚は120nm、純水の接触角は11°であった。また、光学部材の微小光散乱値は23であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例2)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液3を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.68質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント212M:Rfが1個、xの平均が12、フッ素含有量の平均が33質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.228、膜厚は118nm、純水の接触角は9°であった。また、光学部材の微小光散乱値は21であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例3)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液4を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.63質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント215M:Rfが1個、xの平均が15、フッ素含有量の平均が29質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.232、膜厚は119nm、純水の接触角は8°であった。また、光学部材の微小光散乱値は22であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例4)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液5を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.68質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント209F:Rfが2個、xの平均が9、フッ素含有量の平均が50質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.228、膜厚は119nm、純水の接触角は12°であった。また、光学部材の微小光散乱値は20であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例5)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液6を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.5質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.231、膜厚は118nm、純水の接触角は9°であった。また、光学部材の微小光散乱値は22であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例6)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液7を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.75質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.222、膜厚は121nm、純水の接触角は10°であった。また、光学部材の微小光散乱値は22であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(実施例7)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液8を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.38質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.225、膜厚は121nm、純水の接触角は8°であった。また、光学部材の微小光散乱値は21であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(比較例1)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液1を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱することで、鎖状酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーからなる多孔質層を有する光学部材を作製した。
得られた多孔質層の屈折率は1.240、膜厚は114nm、純水の接触角は8°であり、また、光学部材の微小光散乱値は22であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(比較例2)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液9を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して3質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%である。
得られた多孔質層の屈折率は1.236、膜厚は122nm、純水の接触角は15°であった。一方、光学部材の微小光散乱値は30を超え、拭き取り後にサンプルに傷が付いた。
(比較例3)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液10を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.65質量%のフッ化有機基が無く親水基だけのポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を含んでいる。
得られた多孔質層の屈折率は1.239、膜厚は115nm、純水の接触角は8°であり、屈折率を下げる効果は見られなかった。一方、光学部材の微小光散乱値は24であり、拭き取り時にサンプルに変化は無かった。
(比較例4)
直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.77、νd=50)上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液11を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行い、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、多孔質層を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して1.80質量%のフッ化有機基が無く親水基だけのポリエチレングリコール(東京化成社製 平均分子量300g/モル)を含んでいる。
得られた多孔質層の屈折率は1.228、膜厚は122nm、純水の接触角は8°であった。一方、光学部材の微小光散乱値は30を超えた。拭き取り時にサンプルに傷は付かなかったが擦り痕が見えた。
実施例1~7、比較例1~4について得られた結果を表1にまとめておく。表から、比較例1で形成したフッ素化合物を含まない多孔質層の屈折率が1.240であるのに対し、実施例1~7で形成したフッ素化合物を含む多孔質層の屈折率は1.222~1.235と低い屈折率を有していることがわかる。さらに、微小散乱値についても、比較例、実施例1~7ともに20~23を示し、同等の低い散乱を示した。一方、比較例2のようにフッ素化合物の添加量が多過ぎると、多孔質層の屈折率が却って上昇することが示された。
また、比較例3はフッ化炭素基を持たず親水基のみを有する化合物を添加しても屈折率低減効果は僅かであり、比較例4のように多量に添加すれば屈折率は下がるものの、散乱は著しく悪化(微小散乱値30超)することが示された。
以上の結果から、含有するフッ素化合物の量が、酸化ケイ素粒子100質量%に対し0.1~2.5質量%である多孔質層は、屈折率、散乱および耐摩耗性のすべての点で優れた特性が得られることが確認できた。
Figure 2023014241000008
(実施例8)
表面に酸化物積層体を有する、直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.52、νd=64.1)の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子塗工液4を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行って基材上に塗膜を形成した。酸化物積層体は、表2に示した膜厚と屈折率とを有する膜を積層したものである。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱し、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して2質量%のフッ素化合物(ネオス社製 製品名フタージェント251:Rfが1個、xの平均が8、フッ素含有量の平均が40質量%)を含んでいる。
得られた反射防止膜の絶対反射率のグラフを図3に示した。波長450~650nmの反射率の最大値は0.049%と、優れた反射防止機能を示した。
表層の多孔質層だけを削り取って粉末化し赤外吸収スペクトルを測定した結果を図4に示した。シラノール基のSi-O伸縮振動に由来する吸収ピークは934cm-1であった。
Figure 2023014241000009
Figure 2023014241000010
(実施例9)
実施例8と同様のガラス基材の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子を含む塗工液7を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行なって基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。形成される多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーおよび粒子100質量%に対して0.75質量%のフッ素化合物を含んでいる。膜に含まれるフッ素化合物は、ネオス社製 製品名フタージェント222F:Rfが2個、xの平均が22、フッ素含有量の平均が34質量%である。
得られた反射防止膜の絶対反射率のグラフを図5に示す。波長450~650nmの反射率の最大値は0.043%と、優れた反射防止機能を有していることが確認された。
表層の多孔質層のシラノール基のSi-O伸縮振動に由来する吸収ピークは930cm-1であった。
(比較例5)
実施例8と同様のガラス基材の酸化物積層体上に、鎖状酸化ケイ素粒子を含む塗工液1を適量滴下し、3500rpmで20秒スピンコートを行ない、基材上に塗膜を形成した。これを熱風循環オーブン中で140℃30分間加熱して、酸化物積層と多孔質層を含む反射防止膜を有する光学部材を作製した。多孔質層は、鎖状の酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダーとを含んでいる。
得られた反射防止膜の絶対反射率のグラフを図6に示す。波長450~650nmの反射率の最大値は0.090%と0.050%を超え、実施例8、9によりも反射防止機能が低いことがわかる。
表層の多孔質層だけを削り取って粉末化し赤外吸収スペクトルを測定した結果を図7に示す。表層の多孔質層のシラノール基のSi-O伸縮振動に由来する吸収ピークは960cm-1であり、900~940cm-1の範囲を外れていた。
実施例8~9、比較例5の結果から、本発明にかかるフッ素化合物を含む多孔質層を有する反射防止膜は、優れた反射防止性能を示すことが確認できた。
本発明の光学部材は、例えばカメラやビデオカメラをはじめとする撮像装置、もしくは液晶プロジェクターや電子写真機器の光走査装置をはじめとする投影機器に利用することが可能である。
1 光学部材
2 基材
3 多孔質層
4 空隙
5 酸化ケイ素粒子
6 酸化ケイ素バインダー
7 フッ素化合物
8 酸化物積層体

Claims (1)

  1. 基材の上に多孔質層を有する光学部材であって、
    前記多孔質層は、親水性でかつ鎖状の酸化ケイ素粒子と、酸化ケイ素バインダーと、フッ化炭素基および非イオン性親水基を有するフッ素化合物と、を含み、
    前記フッ素化合物の量が酸化ケイ素に対し0.1~2.5質量%であることを特徴とする光学部材。
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