JP7458734B2 - 光学部材および光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材および光学部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学特性および耐摩耗性に優れた光学部材に関する。
シリカやフッ化マグネシウムなどの無機粒子を用いて膜中に空隙を形成することにより、空気の屈折率1.0を利用した、低屈折率な反射防止膜が知られている。このような膜の表面に油成分などの汚れが付着すると、屈折率が上昇して反射防止性能が低下してしまう。
特許文献1には、無機粒子を含む低屈折率膜の表面を撥油性のフッ素化合物で被覆して防汚性を向上させた光学部材が記載されている。
特開2005-249982号公報
一般に、レンズ表面に付着した油成分は、市販のレンズ用のクリーナーを染み込ませた布で拭き取ることにより、除去することが可能である。レンズ用のクリーナーにはいくつかの種類が知られているが、皮脂に含まれる油成分の除去には、油成分を溶解しやすい炭化水素系の溶剤を含むクリーナーが特に適している。レンズが使用される環境において、レンズ表面に油成分が付着する恐れはなくならないため、クリーナーで拭き取られた後も、レンズ表面には防汚性と、クリーナーでの拭き取りが可能であることが望まれている。
ところが、特許文献1で用いられるフッ素化合物は、炭化水素系の溶剤やアルコールに溶解しやすいため、炭化水素系の溶剤を含むクリーナーで表面を何度も拭き取ると、徐々に表面からフッ素化合物が除去されて防汚性が低下してしまう。
本発明は、この様な課題に鑑みてなされたものであり、炭化水素系の溶剤を含むクリーナーを用いた拭き取りを複数回行った後も防汚性を維持することのできる反射防止膜を提供するものである。
本発明にかかる光学部材は、多孔質層を含む反射防止層を備える光学部材であって、前記多孔質層は、酸化ケイ素を主成分とする粒子とバインダーとを含み、前記反射防止層は、前記多孔質層の表層部に、炭化水素の主鎖と、シリル基と、炭素の鎖長が4~8のパーフルオロアルキル基と、を有し、前記シリル基と前記パーフルオロアルキル基の比が1:10から1:30の範囲にあるポリマーを有し、前記多孔質層の表層部の一部が、前記ポリマーから露出することを特徴とする。
また、本発明にかかる光学部材の製造方法は、基材の上に、酸化ケイ素を主成分とする複数の粒子が互いにバインダーで結合した多孔質層を形成する工程と、前記多孔質層の表層に、炭化水素の主鎖と、シリル基と、炭素の鎖長が4~8のパーフルオロアルキル基と、を有し、前記シリル基と前記パーフルオロアルキル基の比が1:10から1:30の範囲にあるポリマーを設ける工程と、を有し、前記表層部の一部を、前記ポリマーから露出させることを特徴とする。
本発明によれば、優れた光学特性と防汚性、および、耐溶剤拭き性を有する光学部材を提供することができる。
本発明にかかる光学部材の一実施態様を示す概略図である。 本発明にかかる光学部材の他の実施態様を示す概略図である。 実施例1で得られた、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を示す図である。 実施例4で得られた、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を示す図である。 比較例4について得られた、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を示す図である。 本発明にかかる光学機器および撮像装置の実施態様例を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[光学部材]
図1は、本発明の光学部材の一実施形態を示す模式図である。
本発明の光学部材1は、基材2と、基材2の上に多孔質層3を含む反射防止層4と、有しており、多孔質層3は、粒子5とバインダー6を含んでいる。
図1に示すように、多孔質層3は、複数の粒子5がバインダー6で互いに結合されており、複数の粒子5の間には空隙が形成されている。多孔質層3を構成する複数の粒子5は、互いに接触した状態でバインダーによって固定されていても良いし、バインダーを介して互いに結合されていても良い。耐摩耗性向上の観点で、複数の粒子5は互いに接触している方が好ましい。
多孔質層3の表面、すなわち、反射防止層4の基材2とは反対側の表面には、全体にわたってポリマー7が離散的に設けられている。
図2は、本発明の他の実施形態である光学部材1を示す模式図である。図2の構成では、反射防止層4が、基材2と多孔質層3との間に設けられた、複数の酸化物層を含む積層体8を有している。積層体8は、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層を積層したものが好ましい。高屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウムを含有する層を用いることができる。また、低屈折率層としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムを含有する層を用いることができる。
本発明の光学部材は、光学レンズ、光学ミラー、フィルター、光学フィルムなどの光学素子に用いることができる。中でも、光学レンズとして用いるのに適している。
(基材)
基材2は、ガラス、樹脂などを用いることが可能である。光学部材の基材2としては透明なものが好ましく、具体的には、光透過率が70%以上のものが好ましい。その形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良い。
(多孔質層)
多孔質層3は、複数の粒子5を含んでおり、複数の粒子5の間に形成される空隙によって多孔質となっている。多孔質層3に含まれる粒子5同士は、直接接触していてもバインダーを挟んで結合されていても良いが、耐摩耗性向上の観点から、粒子5同士はバインダーを挟んで結合されている方が好ましい。
多孔質層3は、粒子の種類や平均粒子径、バインダーの種類および添加量、ポリマーの分子サイズや添加量などを適宜調整することによって、光学部材の反射防止層として好適な多孔質膜を実現することができる。
多孔質層3は、厚さが80nm以上200nm以下であることが好ましい。膜厚が80nm以上200nm以下の範囲であれば、耐摩耗性と反射防止効果とを両立させることができる。より高い反射防止性能が得られるため、100nm以上160nm以下であることがより好ましい。
また、多孔質層3を反射防止層として機能させるためには、波長550nmの光に対する屈折率が1.19以上1.35以下であるのが好ましい。特に優れた反射防止性能と耐摩耗性が得られる点で、波長550nmの光に対する屈折率が1.22以上、1.32以下であることがより好ましい
このような屈折率を得るため、多孔質層3の空隙率を30%以上50%以下の範囲で調整するとよい。空隙率が30%以上50%以下の範囲にあれば、粒子間に形成される空隙が多くなりすぎて耐摩耗性が低下することもなく、反射防止層に適した屈折率を実現することができる。
(粒子)
多孔質層3に含まれる粒子5は、真円状、楕円上、円盤状、棒状、針状、鎖状、角型のいずれの形状であっても良く、また、粒子内部が詰まった中実粒子でも、粒子内部に空洞(空隙)を有する中空粒子でも良い。多孔質層3の空隙率を高めてより低屈折率化を可能とするためには、多孔質層3に含まれる粒子5の50質量%以上が、中空粒子又は鎖状の粒子であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
中空粒子とは、シェルで覆われた空洞に空気を含んだ粒子を指す。粒子の空洞に含まれる空気(屈折率1.0)によって、中実粒子に較べて膜の屈折率を下げることができる。粒子が有する空洞は、1つでも複数でも良く、適宜選択することができる。中空粒子のシェルの厚みは、平均粒子径の10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上35%以下がより好ましい。シェルの厚みが10%未満であると、粒子の強度が不足するため好ましくない。またシェルの厚みが50%を超えると、屈折率の低下が顕著には現れないため好ましくない。
鎖状粒子とは、複数個の粒子が鎖状(数珠状ともいう)に連なった粒子である。膜となっても粒子の形状が維持されるため、単粒子を用いた時に較べて空隙率を上げることができる。その上、1個1個の粒子を小さくできるので、光の散乱を生じるような大きなボイドが発生し難い。1本の鎖状の粒子中に連なる粒子の数は2個以上10個以下、好ましくは3個以上6個以下である。連なる粒子の数が10個を超えると、大きなボイドが発生し易く、光の散乱が生じたり耐摩耗性が低下したりする。
粒子5は、平均粒子径が10nm以上80nm以下であることが好ましく、12nm以上60nm以下であることがより好ましい。粒子5の平均粒子径が10nm未満の場合には、多孔質層内に形成される空隙が小さくなってしまい、屈折率を下げることが難しくなる傾向にある。また、平均粒子径が80nmを超える場合には、空隙サイズが大きくなりやすく、また粒子の大きさに伴う散乱も発生しやすくなる傾向がある。
ここで、多孔質層中の粒子の平均粒子径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理ソフトウエアを用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。鎖状粒子のような単径と長径を持った粒子の平均粒径は、短径の平均フェレ径を平均粒子径とする。
粒子5は、酸化ケイ素を主成分とする粒子(以下、単に酸化ケイ素粒子と記述する場合がある)が好ましい。酸化ケイ素粒子は、酸素を除く元素のうち80原子%以上がケイ素(Si)であることが好ましく、90原子%以上であることがより好ましい。Siが80原子%以上であれば、バインダー6と反応する粒子表面のシラノール(Si-OH)基が十分に存在するため、耐摩耗性が向上する。
粒子5には、酸化ケイ素の他に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物や、ケイ素原子を介してアルキル基やフッ化アルキル基などの有機成分を、粒子中または粒子表面に導入することができる。粒子とバインダーとの反応性や低屈折率の維持を考慮すると、粒子表面の70%以上のシラノール(Si-OH)基が残存した親水性粒子を用いることがより好ましい。さらに好ましくは90%以上のシラノール基が残存した粒子を用いる。粒子表面が有機基などによって修飾されシラノール基残存が70%未満になった粒子は親水性が失われ、それを用いた膜は粒子同士やバインダーとの相互作用、反応性の低下により膜強度が低下する。本発明では、多孔質層3の粒子5の親水性は保たれるため、膜強度は低下しない。
(バインダー)
粒子5を結合するバインダー6は、酸化ケイ素バインダーが好ましい。酸化ケイ素バインダーは、シロキサンオリゴマーがシラノール基を介して粒子同士を結合している部分である。シロキサンオリゴマーは、酸化ケイ素粒子との親和性が高いため、酸化ケイ素粒子の間に存在して粒子同士を結合し、多孔質層3の耐摩耗性を向上させることができる。
バインダー6は、多孔質層3の強度向上や散乱低減の観点から、有機基を含まない酸化ケイ素のみで構成されていることが好ましいが、Si原子に対して10モル%以下であれば、シラノール基の代わりに有機基を含んでいても良い。有機基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または、それらの一部がアミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、アクリロイル基、ハロゲン原子のいずれかで置換された有機基が挙げられる。
(ポリマー)
多孔質層3の上に離散的に設けられたポリマー7は、炭化水素を主鎖に持つポリマーであり、パーフルオロアルキル基とシリル基を特定の割合で有する。ポリマー7の種類は特に限定されないが、オレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂などが好適に用いられる。
本発明において、ポリマーとは、平均分子量が5、000以上の重合体(樹脂)を意味している。本発明に用いられるポリマー7は、平均分子量が5、000以上100、000以下であることが望ましい。平均分子量が5、000よりも小さいと、有機溶剤への溶解性が上がるため耐溶剤拭き性が低下してしまうため不適である。また、100、000よりも大きいと、成膜するための溶液を作製する際に溶媒に溶けにくいため、濃度を調製しづらくなる傾向がある。
パーフルオロアルキル基とシリル基は主鎖に直接結合していてもよいが、-C-や-(Si-O)-、-COO-などを介して結合していてもよい。
パーフルオロアルキル基が有する炭素の鎖長は4以上8以下であることが好ましく、5か6であることがより好ましい。炭素の鎖長が3以下の場合、ポリマーのフッ素含有量が少なくなるため、防汚性が不足してしまう。炭素の鎖長が9以上だと、ポリマー7の分子量が大きくなりすぎて多孔質層3の空隙に侵入できなくなる。そのため、ポリマー7が、多孔質層表面の粒子5とシリル基との親和力だけで付着している状態となり、密着力が不足して剥がれが生じる場合がある。炭素の鎖長は8以下であれば、粒子5の表面とポリマー7が有するシリル基の親和力に加え、ポリマー7が多孔質層3の表面から数nm~10nm程度の深さに侵入するためアンカー効果を発現し、強い密着力を得ることができる。
シリル基は-SiRの一般式で表される。R、R、Rはフッ素溶媒に溶解するものであればよい。R、R、Rは、例えばメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基などの中から互いに独立して選択することができる。R、R、Rはすべてが同じ基であってもよいし、すべてが互いに違っていてもよいし、一部が同じ基であってもよい。
ポリマー7に含まれるシリル基とパーフルオロアルキル基の比は、1:10から1:30の範囲にあることが好ましい。
シリル基1に対するパーフルオロアルキル基の割合が10よりも少ないと、多孔質層3との親和性が高いシリル基の割合が増えることになる。ポリマー7は、ポリマー7を含む塗工液を多孔質層の表面に塗布して形成されるが、ポリマー7が有するシリル基の割合が多いと、多孔質層3との親和性が高いため塗工液が多孔質層内の空隙に浸入しやすくなる。塗工液が少量の場合は、多孔質層3の内部に染み込んでポリマー7が多孔質層3の表面に留まらないため、防汚性が得られなくなる。防汚性が十分得られるまで塗工液の量を増やすと、多孔質層3に染みこむ量が増えて反射防止層4全体の屈折率が上昇してしまい、反射防止性能が低減してしまう。
一方、シリル基1にするパーフルオロアルキル基の割合が30よりも多いと、シリル基の割合が相対的に減少するため、ポリマー7と多孔質層3との間の密着性が低下する。そのため、レンズクリーナーで表面を拭いた際に一部が除去されてしまい、ヘキサデカンに対する接触角が低下してしまう。
ポリマー7に含まれるシリル基とパーフルオロアルキル基の比が、1:15から1:25の範囲にあれば、特に優れた反射防止性能と防汚性が両立できるため好ましい。
前述の通り、ポリマー7は多孔質層3の表面に離散的に付着しているが、油分は粘性があるので、ヘキサデカンに対する接触角を0°以上100°以下にすることができ、表面に付着した油分などの汚れの浸透や拡散を抑制することができる。
ポリマー7が撥油性を十分に発現しつつ、多孔質層3全体に与える屈折率の増加分は0.0075以上0.02以下、より好ましくは0.01以上0.02以下であることが好ましい。屈折率増加分が0.0075未満の場合には、ポリマー7の量が少なすぎて、ヘキサデカンに対する接触角が50°未満となる場合がある。また、屈折率の増加分が0.02を超えると、多孔質層3の表面、即ち空気との界面に屈折率の高い部分ができてしまい、反射防止性能が低下してしまうので好ましくない。ポリマー7による屈折率の上昇を抑制するためには、ポリマー7が、多孔質層3の表面全体に薄く離散的に設けられるよう、ポリマー7を形成する際の条件(濃度や塗布量)を調整すると良い。詳しくは、光学部材の製造方法にて説明する。
[光学部材の製造方法]
本発明の光学部材1の製造方法は、基材2上または基材2上に形成された1層以上の膜の表面に、粒子5がバインダー6で結合した多孔質層3を形成する形成工程を有する。
多孔質層3は、湿式法を用いて形成することができる。具体的には、粒子の分散液とバインダー溶液を順に塗布する方法、あるいは、粒子とバインダー成分の両方を含む分散液を塗布する方法を用いることができる。
粒子の分散液は、溶媒に粒子5を分散した液であり、粒子5の含有量が2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
粒子の分散液には、粒子の分散性を向上させるための添加剤を加えてもよい。粒子5が酸化シリコンを主成分とする場合、分散性を向上させる添加剤としては、シランカップリング剤や界面活性剤が好適である。ただし、粒子5の表面のシラノール基の多くがこれらの化合物が反応すると、粒子5とバインダー6との結合が弱くなり、多孔質層3の耐摩耗性が低下してしまう。そのため、シランカップリング剤や界面活性剤等の添加剤は、粒子100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
バインダー溶液は、粒子と強く結合するバインダー成分を含んでいるのが好ましく、酸化シリコンを主成分とする粒子の場合は、酸化ケイ素バインダー溶液を用いることが好ましい。酸化ケイ素バインダー溶液は、溶媒中でケイ酸メチル、ケイ酸エチルなどのケイ酸エステルに水や酸または塩基を加えて加水分解縮合することによって調製され、シリケート加水分解縮合物を主成分とすることが好ましい。反応に用いることができる酸は塩酸、硝酸などであり、塩基はアンモニアや各種アミン類であり、溶媒への溶解性やケイ酸エステルの反応性を考慮して選択される。また、酸化ケイ素バインダーの溶液は、水中でケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩を中和して縮合させてから溶媒で希釈することでも調製できる。中和に用いることができる酸は、塩酸、硝酸などである。バインダー溶液を調製する際には80℃以下の温度で加熱することも可能である。
バインダー6に酸化ケイ素バインダーを用いる場合、溶解性や塗布性の改善を目的として、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、などの有機基が置換した3官能シランアルコキシドを添加することができる。3官能シランアルコキシドの添加量は、シランアルコキシド全体の内10モル%以下であることが好ましい。添加量が10モル%を超えると、バインダー内部で有機基がシラノール基どうしの水素結合を阻害するため、耐摩耗性が低下する。
酸化ケイ素バインダー溶液中の酸化ケイ素の含有量は、0.2質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
粒子とバインダー成分の両方を含む分散液を用いる場合は、粒子の分散液とバインダーを形成する成分の溶液とをそれぞれ予め調製してから混合する方法や、粒子の分散液中にバインダーの原料を加えて反応させる方法を用いることができる。例えば、酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダー成分を含む分散液は、酸化ケイ素粒子の分散液にケイ酸エチルと水と酸触媒とを加えて反応させることで調製することが可能である。バインダーの反応を制御したり、反応状態を確認しながら調製したりできる点で、予めバインダー溶液を調製してから混合する方法が好ましい。
酸化ケイ素粒子と酸化ケイ素バインダー成分とを含む分散液中のバインダー成分の量は、酸化ケイ素粒子を100質量部に対して5質量部以上35質量部以下が好ましく、10質量部以上20質量部以下がより好ましい。
粒子の分散液およびバインダーの溶液に用いることができる溶媒は、原料が均一に溶解し、かつ反応物が析出しない溶媒であれば良い。例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、シクロペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2―ペンタノール、2-メチル-1―ペンタノール、2-エチルブタノール、2,4-ジメチル-3―ペンタノール、3-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノールなどの1価のアルコール類が挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1―エトキシ-2-プロパノール、1―プロポキシ-2-プロパノールなどのエーテルアルコール類、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類が挙げられる。さらに、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、n-ヘキサン、n-オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類、クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。溶媒は2種類を混ぜて使用することもできる。
粒子5の分散液やバインダー6の溶液、あるいはそれらの混合液を塗布する方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スリットコート法、印刷法やディップコート法などが挙げられる。凹面や凸面などの立体的な形状を有する光学部材を製造する場合、膜厚の均一性の観点からスピンコート法が好ましい。
多孔質層3を形成するための溶液を塗布して層を形成した後に、乾燥および/または硬化を目的として加熱処理が行われる。加熱処理は、溶媒を除去したり、バインダー同士あるいはバインダーと粒子との反応を進めたりするための工程である。加熱処理の温度は、20℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。温度が20℃未満だと溶媒が残留して耐摩耗性が低下する。また、乾燥および硬化の温度が200℃を超えると、バインダーの硬化が進み過ぎて、バインダーに割れが発生しやすくなる。加熱処理の時間は5分以上24時間以下が好ましく、15分以上5時間以下がより好ましい。加熱処理の時間が5分未満だと、部分的に溶媒が残留して屈折率の面内バラつきが大きくなる場合があり、24時間を超えるとバインダーに割れが発生しやすくなる。
基材2上に粒子の分散液を塗布してからバインダー溶液を塗布する場合、粒子の分散液を塗布した後バインダー溶液を塗布する前に、乾燥および/または焼成のための加熱処理工程を入れることもできる。
多孔質層3上にポリマー7を設ける工程は、ポリマー7を含む溶液(ポリマー溶液)をスピンコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スリットコート法、印刷法やディップコート法など公知の方法で塗布する。ポリマー溶液に用いる溶媒は、ポリマー7との相溶性が高い溶媒を選択することが好ましい。ポリマー溶液に用いる溶媒の例としては、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボンなどまたはそれらを用いた混合溶媒が挙げられる。
ポリマー7を設けることによる反射防止層4全体の屈折率の上昇を抑制するためには、ポリマーの濃度が0.04質量%以上0.1質量%以下のポリマー溶液を用いることが好ましい。
[光学機器および撮像装置]
図6は、本発明の撮像装置の好適な実施態様の一例であり、本発明の光学機器の一例であるレンズ鏡筒(交換レンズ)が結合された一眼レフデジタルカメラの構成を示している。
本発明の光学機器とは、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置、交換レンズ等、本発明の光学素子を含む光学系を備える機器のことをいう。あるいは本発明の光学素子を通過した光によって画像を生成する機器のことをいう。
また、本発明の撮像装置とは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機等の本発明の光学素子を通過した光を受光する撮像素子を備える電子機器のことをいう。なお、電子機器に搭載されるモジュール状の形態、例えばカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
図6において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体620の内部に設けられた、撮影光学系の光軸上に配置された複数のレンズ603、605などからなる光学系を通過し、撮像素子に受光される。本発明の光学素子は例えば、レンズ603に用いることができる。
ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621の内部に設けられた主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610にレンズ鏡筒601から入射した撮影光像を結像させる。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
(塗工液の調製)
(1)鎖状シリカ粒子塗工液1の調製
鎖状シリカ(SiO)粒子のIPA分散液(日産化学工業株式会社製 IPA-ST-UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%、)6.00gを、1-エトキシ-2-プロパノール22.13gで希釈し、鎖状シリカ粒子塗工液1を調整した。得られた鎖状シリカ粒子塗工液1の固形分濃度は3.20質量%である。鎖状シリカ粒子塗工液1に対して動的光散乱法による粒度分布測定(マルバーン社製 ゼータサイザーナノZS)を行い、分散液中には短径が12nm、長径が90nmの鎖状シリカ粒子が分散していることを確認した。
(2)中空シリカ粒子塗工液2の調製
中空シリカ粒子の2-プロパノール(IPA)分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均粒径55nm・固形分濃度20.50質量%、)6.00gを、1-メトキシ-2-プロパノール(PGME)28.17gで希釈した。得られた中空シリカ粒子塗工液2の固形分濃度が3.60質量%である。中空シリカ粒子塗工液2に対して、動的光散乱法による粒度分布測定(マルバーン社製 ゼータサイザーナノZS)を行い、平均粒子径が55nmの中空シリカ粒子が分散していることを確認した。
(3)シリカバインダー塗工液の調製
ケイ酸エチル4.17gとエタノール2.30gとの混合液に、予め希釈しておいた硝酸水(濃度3.7質量%)1.7gとエタノール2.30gの溶液をゆっくり加え、室温で15時間攪拌して反応溶液を得た。得られた反応溶液から2.00gを計り取り、2-エチル-1-ブタノール36.33gで希釈し、シリカバインダー塗工液4(固形分濃度0.6質量%)を調製した。
(4)ポリマーの調製
(ポリマーAの調製)
攪拌装置とコンデンサーと温度計とを備えた耐圧密閉反応容器に、第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を16質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.2質量部、1-メトキシ-2-プロパノール25.5質量部を仕込んだ。反応容器内を窒素パージし、65℃で加熱しながら15時間反応させた。その後、室温付近まで冷却し、ポリマーAを含む液を得た。
この液を精製したあと、得られたポリマーAの構造を、H、13C、19Fの各NMRスペクトル、H-H COSYスペクトル(Bruker製、Advanceシリーズ)、および、GCMS(フロンティア・ラボ社製 PY-3030D)で分析した。ポリマーAは、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16の構造であることを確認した。
ポリマーAを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーA溶液とした。
(ポリマーBの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を10質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.1質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを16.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーBを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーBの構造をポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:10であることを確認した。
ポリマーBを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーB溶液とした。
(ポリマーCの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を30質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.3質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを46.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーCを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーCの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:30であることを確認した。
ポリマーCを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーC溶液とした。
(ポリマーDの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOCを16質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.2質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを25.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーDを含む液を得た。
この液を精製し、得られたポリマーDの構造をポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16であることを確認した。
このポリマーDを溶媒で濃度が0.1質量%になるまで希釈し、ポリマーD溶液とした。
(ポリマーEの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC17を16質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.2質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを25.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーEを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーEの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもつポリマーで、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16であることを確認した。
ポリマーEを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーE溶液とした。
(ポリマーFの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を10質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.1質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを15.0質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーFを含む液を得た。
この液を精製し、得られたポリマーFの構造をポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、パーフルオロアルキル基を有することを確認した。
このポリマーFを溶媒で濃度が0.1質量%になるまで希釈し、ポリマーF溶液とした。
(ポリマーGの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を50質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.5質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを76.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーGを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーGの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、有するシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:50であることを確認した。
このポリマーGを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーG溶液とした。
(ポリマーHの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC13を8質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.1質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを13.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーHを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーHの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16であることを確認した。
このポリマーHを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーH溶液とした。
(ポリマーIの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOCを16質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.2質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを25.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーIを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーIの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16であることを確認した。
このポリマーIを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーI溶液とした。
(ポリマーJの調製)
第一の単量体に相当するCH=C(CH)COOC19を16質量部、第二の単量体に相当するCH=C(CH)COO(CHSi(OCHを1質量部、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)を0.2質量部、1-メトキシ-2-プロパノールを25.5質量部にそれぞれ変更する点を除いて、ポリマーAの調製と同様の処理を行うことによりポリマーJを含む液を得た。
この液を精製して得られたポリマーJの構造を、ポリマーAと同様の方法で分析し、炭化水素を主鎖にもち、分子内のシリル基とパーフルオロアルキル基の比が1:16であることを確認した。
このポリマーJを濃度が0.1質量%になるまで溶媒で希釈し、ポリマーJ溶液とした。
(評価)
(5)膜厚の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまでの入射光と反射光の偏光の変化量を測定した。測定結果を解析することにより、膜厚を求めた。
(6)屈折率の測定
分光エリプソメータ(VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用い、波長380nmから800nmまでの入射光と反射光の偏光の変化量を測定した。測定結果から、波長550nmの屈折率を求めた。
(7)接触角の評価
光学部材を形成した後、クリーナーを用いた拭き取りを行う前に、全自動接触角計(共和界面科学株式会社製 DM-701)を用い、ヘキサデカン2μlの液滴を接触させた時の接触角を測定した。
得られた結果は、以下の基準で評価した。
A:65°以上
B:50°以上65°未満
C:50°未満
(8)拭き取り評価
膜付き基材を、クリーナーを浸み込ませたポリエステルワイパー(テックスワイプ社製 アルファワイパーTX1009)で50g/cmの力を加えて10回拭きとった後、(8)の接触角の評価をおこなった。イソヘキサンを80~90重量%を含む有機溶媒をクリーナーとして使用した。結果は以下の基準で評価した。
A:65°以上
B:50°以上65°未満
C:50°未満
(9)熱分解GCMS分析
熱分解GCMS(フロンティア・ラボ社製 PY-3030D)を用い、以下の条件にて光学部材の表面、即ち、反射防止層の表面の測定を行った。
熱分解温度:550℃(1分保持)
Interface温度:250℃
Inlet温度:250℃
カラム: DB-5MS
カラム温度:40℃から320℃まで一定の速度で昇温
(10)X線光電子分光法(XPS)による成分分析
X線光電子分光装置(アルバック・ファイ株式会社製 QuanteraII)を用い、アルゴンイオン銃で6~7nmエッチングする毎に成分分析を行うことにより、反射防止層4の表面から80nm弱の深さにかけて成分分析を行った。
100μmのビーム径のX線を、25W、15kVの条件で、500μm×500μmの領域に走査することにより計測される検出強度から、それぞれの深さにおけるフッ素濃度を算出した。そして、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を評価した。
(実施例1)
実施例1は、直径(φ)30mm厚さ1mmのガラス基材(nd=1.835、νd=50)上に、鎖状シリカ粒子塗工液1を適量滴下し、3500rpmで20秒間スピンコートを行なうことで基材上に鎖状シリカ粒子からなる多孔質層を形成した。形成した多孔質層上にシリカバインダー塗工液4を適量滴下して4500rpmで20秒間スピンコートを行ない、続いてポリマーA溶液を適量滴下して3000rpmで20秒間スピンコートを行なった。その後、熱風循環オーブンにて140℃で30分間加熱し、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーAとを含む光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.246、膜厚は110nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は74°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を再度測定したところ、66°であった。
また、反射防止層の表面を熱分解GCMS分析したところ、CF(CFCH=CH、CF(CFCHCHO、メタクリル酸、CF(CFCHCHOH、CH=CSi(OCH、メタクリル酸1H、1H、2H、2H-トリデカフルオロ-n-オクチル、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルのピークが検出され、反射防止層の表面にポリマーAが存在していることが確認された。
さらに、光学部材の表面から深さ方向にXPSによる成分分析を行い、反射防止層表面におけるフッ素濃度フッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を評価した結果を図3に示す。図3から、膜の表面から10nm未満の表層部にフッ素が多く存在していることがわかる。
以上の結果から、ポリマーAが、反射防止層4の表層部に集中して存在することで、優れた光学特性と防汚性、および、耐溶剤拭き性が得られることが確認された。
(実施例2)
ポリマーA溶液をポリマーB溶液に変更する点を除き、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーBとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.245、膜厚は118nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は65°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を再度測定したところ、66°であった。
(実施例3)
ポリマーA溶液をポリマーC溶液に変更する点を除き、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーCとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.247、膜厚は116nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は74°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、52°であった。
(実施例4)
ポリマーA溶液をポリマーD溶液に変更する点を除き、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーDとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価したところ、基材の上に形成された膜の屈折率は1.253、膜厚は118nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は55°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ54°であった。
さらに、光学部材の表面から深さ方向にXPSによる成分分析を行い、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を評価した結果を図4に示す。図4から、膜の表面から10nm未満の表層部にフッ素が多く存在していることがわかる。
以上の結果から、ポリマーDが、反射防止層4の表層部に集中して存在することで、優れた光学特性と防汚性、および、耐溶剤拭き性が得られることが確認された。
(実施例5)
ポリマーA溶液をポリマーE溶液に変更する点を除き、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーEとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.246、膜厚は120nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は78°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、65°であった。
(実施例6)
鎖状シリカ粒子塗工液1を中空シリカ粒子塗工液2に変更する点を除き、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーAとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.246、膜厚は120nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は74°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、66°であった。
(比較例1)
ガラス基材の上に形成した多孔質層の上にシリカバインダー塗工液4をスピンコートした後、ポリマーF溶液を滴下した以外は、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーFとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.245、膜厚は115nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は75°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、6°であった。
(比較例2)
ガラス基材の上に形成した多孔質層の上にシリカバインダー塗工液4をスピンコートした後、ポリマーG溶液を滴下した以外は、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーGとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価したところ、基材の上に形成された膜の屈折率は1.245、膜厚は118nm、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は76°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、7°であった。
(比較例3)
ガラス基材の上に形成した多孔質層の上にシリカバインダー塗工液4をスピンコートした後、ポリマーH溶液を滴下した以外は、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーHとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.255、膜厚は118nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する触角は45°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取り、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、42°であった。
(比較例4)
ガラス基材の上に形成した多孔質層の上にシリカバインダー塗工液4をスピンコートした後、ポリマーI溶液を滴下した以外は、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーIとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.257、膜厚は119nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は46°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取った後に測定したヘキサデカンに対する接触角は、45°であった。
さらに、光学部材の表面から深さ方向にXPSによる成分分析を行い、反射防止層表面におけるフッ素濃度を基準とする深さ方向のフッ素濃度を評価した結果を図5に示す。図5から、膜の内部にかけてフッ素が存在し、膜の表層にフッ素が集中して存在する様子は見られなかった。そのため、比較例4の光学部材は、ポリマーJの多くが反射防止層の表層に留まらずに内部に染み込んでしまい、作製直後のヘキサデカンに対する接触角が45°と低い値となったと考えられる。
(比較例5)
ガラス基材の上に形成した多孔質層の上にシリカバインダー塗工液4をスピンコートした後、ポリマーJ溶液を滴下した以外は、実施例1と同様にして、鎖状シリカ粒子同士がバインダーで結合された多孔質層とポリマーJとを有する光学部材を作製した。
作製した光学部材を評価した結果、基材の上に形成された膜の屈折率は1.245、膜厚は118nmであり、表面におけるヘキサデカンに対する接触角は79°であった。接触角の測定に用いたヘキサデカン液滴が付着した表面を、レンズクリーナーを浸み込ませたワイパーで拭き取った後、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、45°であった。
実施例1~6および比較例1~5について行った、各種評価結果を表1にまとめて示しておく。
Figure 0007458734000001
表1から、実施例1から6にかかる光学部材は、反射防止層の屈折率が低い上に、レンズクリーナーを用いた拭き取りの前後において、ヘキサデカンに対する接触角がいずれも50°を超えており、優れた防汚性能を維持することが確認された。
それに対して、比較例1から5は、レンズクリーナーを用いた拭き取りの後に、大幅にヘキサデカンに対する接触角が低下し、防汚性能を維持することができなかった。
1 光学部材
2 基材
3 多孔質層
4 反射防止層
5 酸化ケイ素粒子
6 バインダー
7 ポリマー
8 酸化物層

Claims (22)

  1. 多孔質層を含む反射防止層を備える光学部材であって、
    前記多孔質層は、酸化ケイ素を主成分とする粒子とバインダーとを含み、
    前記反射防止層は、前記多孔質層の表層部に、炭化水素の主鎖と、シリル基と、炭素の鎖長が4以上8以下のパーフルオロアルキル基と、を有し、前記シリル基と前記パーフルオロアルキル基の比が1:10から1:30の範囲にあるポリマーを有し、
    前記多孔質層の表層部の一部が、前記ポリマーから露出することを特徴とする光学部材。
  2. 前記パーフルオロアルキル基の炭素の鎖長は、5以上8以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記ポリマーは、前記酸化ケイ素粒子に接触して設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記酸化ケイ素粒子の一部は、前記多孔質層の表層を形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学部材。
  5. 前記ポリマーの平均分子量が、5、000以上100、000以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学部材。
  6. 前記ポリマーが、オレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂のいずれかを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光学部材。
  7. 前記多孔質層の波長550nmの光に対する屈折率が、1.22以上、1.32以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光学部材。
  8. 前記多孔質層の厚さが、80nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光学部材。
  9. 前記多孔質層の空隙率が、30%以上50%以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光学部材。
  10. 前記粒子の平均粒子径が、10nm以上80nm以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光学部材。
  11. 前記粒子は、酸素を除く元素のうち80原子%以上がケイ素であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光学部材。
  12. 前記多孔質層が、鎖状の粒子を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光学部材。
  13. 前記多孔質層が、中空粒子を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光学部材。
  14. 前記バインダーが、酸化ケイ素バインダーであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光学部材。
  15. 前記反射防止層が、基材と多孔質層との間に設けられた、複数の酸化物層を含む積層体を有していることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光学部材。
  16. 前記積層体が、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層を含むことを特徴とする請求項15に記載の光学部材。
  17. 筐体と、該筐体の内部に複数のレンズを含む光学系を備える光学機器であって、
    前記光学系に含まれる少なくとも1つのレンズが、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光学部材であることを特徴とする光学機器。
  18. 筐体と、該筐体の内部に複数のレンズを含む光学系と、該光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備える撮像装置であって、
    前記光学系に含まれる少なくとも1つのレンズが、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の光学部材であることを特徴とする撮像装置。
  19. 光学部材の製造方法であって、
    基材の上に、酸化ケイ素を主成分とする複数の粒子が互いにバインダーで結合した多孔質層を形成する工程と、
    前記多孔質層の表層に、炭化水素の主鎖と、シリル基と、炭素の鎖長が4以上8以下のパーフルオロアルキル基と、を有し、前記シリル基と前記パーフルオロアルキル基の比が1:10から1:30の範囲にあるポリマーを設ける工程と、
    を有し、
    前記表層部の一部を、前記ポリマーから露出させることを特徴とする光学部材の製造方法。
  20. 前記ポリマーを設ける工程が、前記ポリマーの濃度が0.04質量%以上0.1質量%以下の溶液を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の光学部材の製造方法。
  21. 前記多孔質層を形成する工程が、溶媒に粒子を分散した液を塗布した後に、バインダー成分を含む溶液を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項19または20に記載の光学部材の製造方法。
  22. 前記多孔質層を形成する工程が、粒子とバインダー成分の両方を含む分散液を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項19または20に記載の光学部材の製造方法。
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