JP5546184B2 - 含フッ素ノニオン系界面活性剤 - Google Patents

含フッ素ノニオン系界面活性剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5546184B2
JP5546184B2 JP2009207197A JP2009207197A JP5546184B2 JP 5546184 B2 JP5546184 B2 JP 5546184B2 JP 2009207197 A JP2009207197 A JP 2009207197A JP 2009207197 A JP2009207197 A JP 2009207197A JP 5546184 B2 JP5546184 B2 JP 5546184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
group
nonionic surfactant
bond
single bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009207197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011057589A (ja
Inventor
信二 久保
千貴 菅田
卓也 傳谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neos Co Ltd
Original Assignee
Neos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neos Co Ltd filed Critical Neos Co Ltd
Priority to JP2009207197A priority Critical patent/JP5546184B2/ja
Publication of JP2011057589A publication Critical patent/JP2011057589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5546184B2 publication Critical patent/JP5546184B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Description

本発明は樹脂、光学材料、塗料等の分野で用いられる表面改質剤として有用な、パーフルオロアルケニル基及び反応性官能基を有する新規なノニオン系界面活性剤に関する。
樹脂、光学材料、塗料等の分野で用いられている塗工液は、部材表面への塗工工程を含んでいる。この工程で発生するスジ、ハジキ、ムラ、ブツ、不濡れ等の不良の抑制、すなわち、塗工膜表面への平滑性の付与を目的として、塗工膜表面への撥水撥油性等の機能性付与を目的として、塗工液には様々な物質が添加されている。
パーフルオロアルケニル基を含有する化合物も本用途での添加剤として用いられており、特に、表面平滑性付与の点で、パーフルオロアルケニル基を有するノニオン系界面活性剤が有用であることが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、通常のパーフルオロアルケニル基を有するノニオン系界面活性剤を用いた場合、表面の平滑性は得られるものの、化学的な結合を有しない為、撥水撥油性等の表面改質効果の持続性に乏しく、また、硬化後の塗膜の強度を損ないやすいという問題があった。特に、塗工後に光や熱等による硬化を要する塗工材料において、通常のパーフルオロアルケニル基を有するノニオン系界面活性剤を、表面平滑性付与、撥水撥油性付与等の表面改質効果付与を目的として塗工液中に添加した場合には、これらの問題は大きかった。
この様な問題を解決するため、パーフルオロアルキル基を有する重合性のモノマーを用い、共重合可能な他のモノマーとの共重合体に反応性官能基を導入する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に開示されている方法では、各モノマーを合成した後に更に共重合可能な他のモノマーとの共重合反応を行う必要がある。また、場合によっては、更に反応性官能基を導入するための反応を実施する必要が生じるため、製造コストの増大が見込まれる。
また、パーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルケニル基を有するアクリレート、又はこれらの基を有するメタクリレートを界面活性剤として用いた場合には、分子内に極性部分を有しない為、界面活性効果に乏しく、充分な表面平滑性を得ることは出来ない。
特開2008−77057号公報 特開2005−315984号公報
本発明は、前述の従来技術の問題点を解消する、反応性を有する新規な含フッ素ノニオン系界面活性剤を提供することを主な課題とする。
本発明者は、これらの問題点を解決すべく鋭意検討した結果、従来から塗工材料への表面平滑性付与剤として用いられていた含フッ素ノニオン系界面活性剤に重合性の官能基を導入することにより、塗工材料に容易に溶解でき、かつ、塗工材料を塗布した際の表面平滑性の付与及び塗膜表面への撥水撥油性の持続的な付与が可能となることを見出した。また、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンアクリレート又はメタクリレートを合成原料として用い、その末端水酸基とヘキサフルオロプロペン誘導体を反応させることによって、比較的温和な条件で容易に合成でき、重合反応や反応性官能基の導入反応等の多段階の工程を行うことなく所望の性能を発現する反応性含フッ素ノニオン系界面活性剤が調製できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、さらに鋭意検討を重ねて完成された発明である。すなわち、本発明は下記項1〜3の含フッ素ノニオン系界面活性剤に関する。
項1. 下記一般式(1)
Rf−O−X−Y−(AO)−C(=O)−C(R)=CH (1)
[式中、Xは単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価のアリーレン基を示し、Yは単結合、エステル結合、アミド結合、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、エーテル結合(ただし、Xが単結合の場合は、YもXと一緒になって単結合となる。)を示し、RはH又はCHを示し、AOは炭素数2〜4の2価のアルキレンオキサイドを示し、−(AO)−で表される基は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上の重合体(2種以上の重合体の場合はブロック状に重合していてもランダム状に重合していてもよい)を示し、nは平均付加モル数を示し、n=2〜20を示し、Rfは下記一般式(2)、(3)又は(4)
で表される基である]
で表される含フッ素ノニオン系界面活性剤。
項2. 前記一般式(1)において、Xが単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の2価のアルキレン基、又は置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、Yが単結合又はエステル結合(ただし、Xが単結合の場合は、Yも単結合である。)を示す、項1に記載の含フッ素ノニオン系界面活性剤。
項3. 前記一般式(1)において、
AOが下記一般式
で表される基の少なくとも1種である項1又は2に記載の含フッ素ノニオン系界面活性剤
以下、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤について詳述する。本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤は、下記一般式(1):
Rf−O−X−Y−(AO)−C(=O)−C(R)=CH (1)
で表されることを特徴とする。
一般式(1)において、Xは単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価のアリーレン基を示す。
Xにおいて、「置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基」のアルキレン基としては、直鎖、分岐鎖又は環状いずれであってもよい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。該アルキレン基の炭素数は1〜4が好ましい。また、これらのアルキレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、本発明に悪影響を与えないものであれば特に限定はない。該置換基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等が挙げられる。
Xにおいて、「置換基を有していてもよい2価のアリーレン基」のアリーレン基としては、フェニレン基等が挙げられる。また、該アリーレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、本発明に悪影響を与えないものであれば特に限定はない。該置換基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等が挙げられる。特に好ましいXは、単結合又はフェニレン基である。
また、一般式(1)において、Yは単結合、エステル結合(−C(=O)O−又は−OC(=O)−)、アミド結合(−C(=O)NH−又は−NHC(=O)−)、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、スルフィド結合、エーテル結合を示す。ただし、Xが単結合の場合は、YはXと一緒になって単結合となる。即ち、Xが単結合の場合は、−X−Y−は単結合となる。特に好ましいYは単結合又はエステル結合(合成のしやすさの観点からは、特に−C(=O)O−が好ましい)である。
一般式(1)において、RはH又はCHを示す。RはHが好ましい。
一般式(1)において、AOは炭素数2〜4の2価のアルキレンオキサイドを示す。式:−(AO)−で表される基は炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上の重合体を示す。nは平均付加モル数を示し、n=2〜20を示す。n=4〜15が好ましい。−(AO)−が炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上の重合体の場合は、ブロック状に重合していてもランダム状に重合していてもよい。
一般式(1)において、AOの好ましい具体例としては、例えば、下記一般式で表される基が挙げられる。
式:−(AO)−で表される基の好ましい具体例は、これらの基の少なくとも1種が、n個ブロック状又はランダム状に結合したものである。これらの基が2種以上共重合したものである場合、これらの基の結合順序は、特に限定されない。
一般式(1)において、Rfは下記一般式(2)、(3)又は(4)
で表される基である。
本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤は、従来公知の合成方法を採用して製造することができる。例えば、以下の反応式に従って容易に製造することができる。
[式中、Rf、X、Y、AO、n、Rは前記と同じである。]
上記一般式において、Rf−Fで表されるパーフルオロ化合物は、従来公知であり、ヘキサフルオロプロペンの2量化、3量化により容易に合成できる。
また、上記反応式において、式(5)で表される化合物は、日油社等から市販品が容易に入手可能であり、(メタ)アクリル酸、ポリアルキレングリコール等を順次反応させることにより容易に合成することもできる。上記反応において使用されるbase(塩基)としては、例えばトリエチルアミン等の脱F化剤を使用すればよい。
本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤は、上記特殊なパーフルオロ部位(前記一般式(2)〜(4)で表される基)が存在するため、塗工液の塗工工程におけるスジ、ハジキ、ムラ、ブツ、不濡れ等の不良の抑制、すなわち塗工膜表面への平滑性が付与される。
さらに、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤は、分子内に反応性の末端二重結合を有するため、樹脂、光学材料、塗料等の表面に塗布する塗工液に配合することにより、該塗工液中に含まれる硬化性樹脂モノマー成分と反応して硬化し、硬化膜(塗工膜)を形成する。これにより、塗工膜表面に上記特殊なパーフルオロ部位が存在することとなり、塗工膜表面への持続性のある撥水撥油性等の表面改質効果を付与できる。また、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤が導入された塗工膜は、硬化後にその強度を保つことができる。
硬化性モノマー成分としては、塗工液に使用される通常の硬化性樹脂モノマー成分であって、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤の末端二重結合と結合を形成し得るものであれば、特に限定されない。硬化性樹脂モノマー成分の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これらの硬化性樹脂モノマーは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤の使用量は、硬化性樹脂モノマー成分100重量部に対して、0.01〜15重量部程度、好ましくは0.1〜10重量部程度である。
塗工液全量中の硬化性樹脂モノマー成分の使用量は、5〜99.99重量%程度、好ましくは10〜99.9重量%程度である。また、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤の使用量は、塗工液全量中、0.0005〜13重量%程度、好ましくは0.01〜9重量%程度である。
塗工液中には、必要に応じて従来公知の光重合開始剤、溶剤等を配合することができる。光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾフェノン等が使用できる。これらの光重合開始剤は1種のみで使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
光重合開始剤及び/又は溶剤を使用する場合、塗工液全量中の硬化性樹脂モノマー成分の使用量は、5〜80重量%程度、好ましくは10〜70重量%程度である。また、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤の使用量は、塗工液全量中、0.0005〜13重量%程度、好ましくは0.01〜9重量%程度である。
光重合開始剤を使用する場合、光重合開始剤の使用量としては、硬化性樹脂モノマー成分100重量部に対して通常1〜20重量部程度、好ましくは2〜15重量部程度とすればよい。また、溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等を使用できる。これらの溶剤は1種のみで使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用量としては、硬化性樹脂モノマー成分100重量部に対して通常10〜1900重量部程度、好ましくは15〜900重量部程度とすればよい。
塗工方法は、特に制限されず、従来公知の塗工方法が採用でき、例えば、バーコーダー等を使用すればよい。硬化方法も紫外線、熱等のエネルギーにより硬化させる方法を採用できる。
本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤は、上記特殊なパーフルオロ部位が存在するため、塗工液の塗工工程におけるスジ、ハジキ、ムラ、ブツ、不濡れ等の不良の抑制、すなわち塗工膜表面への平滑性が付与される。さらに、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤が塗工液の硬化性樹脂モノマー成分と結合し、硬化膜を形成することにより、塗工膜表面に上記特殊なパーフルオロ部位が存在することとなり、塗工膜表面への持続性のある撥水撥油性等の表面改質効果を付与できる。また、本発明の含フッ素ノニオン系界面活性剤が導入された塗工膜は、硬化後にその強度を保つことができる。
本発明の内容を以下の実施例により説明するが、本発明の内容は実施例に限定されることは意図しない。
合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却機及び滴下漏斗を備えたフラスコ(50ml)にHO−(EO)C(=O)CH=CH[日油製、商品名:ブレンマーAE−400,n=10(平均値)、EOはエチレンオキシド]を0.02mol、トリエチルアミン0.022mol及びアセトニトリル20mlを投入し、室温で攪拌しながらヘキサフルオロプロペン3量体0.022molを除々に滴下した。更に攪拌を3〜4時間実施した後、反応混合物を水中に滴下した。反応生成物をNovecHFE‐7100(住友3M社製)を用いて抽出し、抽出した層を2〜3回水洗し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧条件下溶媒留去し、淡黄色の液体5.11gを収率27%で得た。合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤のFT−IRデータ及びNMRデータを表1に示す。
合成例2
ブレンマーAE−400の代わりにHO−(EO)C(=O)CH=CH[日油製、商品名:ブレンマーAE−200、n=4.5(平均値)、EOはエチレンオキシド]を用いる以外は、合成例1と同様にして、淡黄色の液体9.44gを収率63%で得た。合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤のFT−IRデータ及びNMRデータを表1に示す。
合成例3
ブレンマーAE−400の代わりにブレンマーAE−200を、ヘキサフルオロプロペン3量体の代わりにヘキサフルオロプロペン2量体を用いる以外は、合成例1と同様にして、淡黄色の液体8.89gを収率81%で得た。合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤のFT−IRデータ及びNMRデータを表1に示す。
合成例4
ブレンマーAE−400の代わりにHO−(PO)C(=O)CH=CH[日油製、商品名ブレンマーAP−400,n=6(平均値)、POはプロピレンオキシド]を、ヘキサフルオロプロペン3量体の代わりに4−ペルフルオロノネニルオキシ安息香酸塩化物(ネオス製)を用いる以外は合成例1と同様にして、淡黄色の液体14.46gを収率72%で得た。合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤のFT−IRデータ及びNMRデータを表1に示す。
合成例5
ブレンマーAE−400の代わりにHO−(BO)p(EO)qC(=O)C(CH)=CH[日油製、商品名:ブレンマー55PET800,p=5、q=10(平均値)、BOはブチレンオキシド、EOはエチレンオキシド]を用いる以外は、合成例1と同様にして、淡黄色の液体18.46gを収率70%で得た。合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤のFT−IRデータ及びNMRデータを表1に示す。
実施例1
硬化性樹脂モノマーとしてペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(日亜合成社製、商品名:M−305)40重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)を1.6重量部、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を58重量部、合成例1にて合成した反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤を0.4重量部混合し、硬化性塗工液を作成した。これをNo.8のバーコーターでポリエステルフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットSA)に塗り広げ、60℃に設定した乾燥機に2分間投入し、溶剤を揮発させた後、UV照射することで硬化膜を得た。
実施例2
合成例1にて合成した化合物の代わりに合成例2で合成した化合物を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
実施例3
合成例1にて合成した化合物の代わりに合成例3で合成した化合物を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
実施例4
合成例1にて合成した化合物の代わりに合成例4で合成した化合物を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
実施例5
合成例1にて合成した化合物の代わりに合成例5で合成した化合物を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
比較例1
合成例1にて合成した化合物の代わりにC17OCHCHOC(=O)C(CH)=CH(ネオス製)を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
比較例2
合成例1にて合成した化合物の代わりにC17O(EO)nCH[ネオス製,n=8(平均値)]を用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
比較例3
合成例1にて合成した化合物の代わりに2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートを用いる以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
比較例A
添加剤を用いないこと以外は実施例1と同様にして硬化膜を得た。
試験例
[評価]
上記実施例1〜5、比較例1〜3及びAについて、以下の評価を行った。
(1)表面平滑性
UV光照射後の硬化膜表面を目視で観察した。
・評価基準: スジ、ハジキ等がない ○
スジ、ハジキ等がある ×
(2)初期撥水性
実施例及び比較例で作成した硬化膜表面に対する水の接触角を接触角測定装置(協和界面化学製 DropMaster700)で測定した。
・評価基準: 水の接触角が60°以上 ◎
水の接触角が50°以上60°以下 ○
水の接触各が40°以上50°以下 △
水の接触角が40°以下 ×
(3)撥水持続性
硬化膜の表面をエタノールで濡らしたティッシュペーパーで一方向に50回拭き、乾燥後の硬化膜に対する水の接触角を接触角測定装置(協和界面化学製 DropMaster700)で測定した。
・評価基準: エタノール拭き後の水の接触角が60°以上 ◎
エタノール拭き後の水の接触角が50°以上60°以下 ○
エタノール拭き後の水の接触角が40°以上50°以下 △
エタノール拭き後の水の接触角が40°以下 ×
実施例1〜5の反応性を有する含フッ素ノニオン系界面活性剤を用いた硬化膜は、いずれも良好な表面平滑性を示し、表面撥水性を付与できること、撥水持続性を有することがわかる。一方、不飽和のペルフルオロアルケニル基又は飽和のペルフルオロアルキル基を有していても、分子内にアルキレンオキサイド基を有しない比較例1及び比較例3では、充分な表面平滑性が得られなかった。重合性官能基を有しない比較例2では表面平滑性は得られたものの、充分な撥水性が得られなかった。添加剤を含まない比較例Aでは、表面平滑性、撥水性共に充分な性能が得られなかった。なお、比較例1、3及びAでは、表面平滑性が極めて悪かったため(×評価)、撥水持続性評価は行わなかった。
本発明における反応性を有する含フッ素界面活性剤は塗布後に光、熱等による硬化を目的とした塗工液用の表面改質剤として有用であり、特に硬化膜表面への平滑性付与及び持続的な撥水撥油性付与能力に優れる。加えて、製造が比較的容易であるため、経済性に優れるため、本発明の反応性を有する含フッ素界面活性剤及びこれを用いた、塗布後に光・熱等による硬化を目的とした塗工液は工業上有用な材料となり得る。また、界面活性作用と重合作用を併せ持つため、乳化重合用界面活性剤としての利用の可能性や共重合用モノマーとしての利用できる可能性も挙げられる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Rf−O−X−Y−(AO)n−C(=O)−C(R)=CH2 (1)
    [式中、Xは単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、
    又は置換基を有していてもよい2価のアリーレン基を示し、Yは単結合、エステル結合、アミド結合、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、エーテル結合(ただし、Xが単結合の場合は、YもXと一緒になって単結合となる。)を示し、RはH又はCH3を示し、AOは炭素数2〜4の2価のアルキレンオキサイドを示し、−(AO)n−で表される基は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上の重合体(2種以上の重合体の場合はブロック状に重合していてもランダム状に重合していてもよい)を示し、nは平均付加モル数を示し、n=2〜15を示し、Rfは下記一般式(2)、(3)又は(4)
    で表される基である]
    で表される含フッ素ノニオン系界面活性剤。
  2. 前記一般式(1)において、Xが単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の2価のアルキレン基、又は置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、Yが単結合又はエステル結合(ただし、Xが単結合の場合は、Yも単結合である。)を示す、請求項1に記載の含フッ素ノニオン系界面活性剤。
  3. 前記一般式(1)において、AOが下記一般式
    で表される基の少なくとも1種である請求項1又は2に記載の含フッ素ノニオン系界面活性剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素ノニオン系界面活性剤からなる表面改質剤。
JP2009207197A 2009-09-08 2009-09-08 含フッ素ノニオン系界面活性剤 Expired - Fee Related JP5546184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009207197A JP5546184B2 (ja) 2009-09-08 2009-09-08 含フッ素ノニオン系界面活性剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009207197A JP5546184B2 (ja) 2009-09-08 2009-09-08 含フッ素ノニオン系界面活性剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011057589A JP2011057589A (ja) 2011-03-24
JP5546184B2 true JP5546184B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=43945661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009207197A Expired - Fee Related JP5546184B2 (ja) 2009-09-08 2009-09-08 含フッ素ノニオン系界面活性剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5546184B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5674404B2 (ja) * 2010-09-29 2015-02-25 株式会社ネオス 含フッ素表面調整剤
CN104395363A (zh) * 2012-06-29 2015-03-04 株式会社尼欧斯 (甲基)丙烯酸酯系共聚物、抗菌剂、赋予抗菌性的树脂组合物和赋予抗静电性的树脂组合物
CN103755567B (zh) * 2014-01-06 2015-05-27 巨化集团技术中心 一种丙烯酸系全氟烯氧基烷基酯的制备方法
WO2015186688A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 日産化学工業株式会社 電荷輸送性ワニス
JP6372685B2 (ja) * 2014-06-26 2018-08-15 Dic株式会社 活性エネルギー線硬化性組成物及びそれを用いたフィルム
CN104974019B (zh) * 2015-06-11 2016-08-24 浙江工业大学 一种烯丙基醚类含氟单体及其合成方法和应用
JP6932524B2 (ja) * 2017-03-10 2021-09-08 キヤノン株式会社 光学部材及び光学部材の製造方法
JP7435446B2 (ja) 2018-07-24 2024-02-21 日産化学株式会社 電荷輸送性組成物
JPWO2021220676A1 (ja) * 2020-04-28 2021-11-04

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6018977B2 (ja) * 1978-06-02 1985-05-14 富士写真フイルム株式会社 写真感光材料
JP2575605B2 (ja) * 1983-12-28 1997-01-29 東レ株式会社 ポリエステルフイルム
JPH0813864B2 (ja) * 1988-11-18 1996-02-14 三井石油化学工業株式会社 酸素透過体およびコンタクトレンズ
ATE322524T1 (de) * 2000-08-18 2006-04-15 3M Innovative Properties Co Fluoro(meth)acrylatecopolymer-beschichtungsmass n
CA2451547A1 (en) * 2001-06-18 2002-12-27 David Nalewajek Fluorine-containing compounds and polymers derived therefrom
JP4937157B2 (ja) * 2008-02-20 2012-05-23 株式会社ネオス 含フッ素オリゴマー付加アルコキシシラン及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011057589A (ja) 2011-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5546184B2 (ja) 含フッ素ノニオン系界面活性剤
US7682771B2 (en) Compositions containing photosensitive fluorochemical and uses thereof
EP1833863B1 (en) Fluorochemical polymeric surfactants
JP5931758B2 (ja) 界面活性剤、該界面活性剤を含む組成物、その用途および含フッ素化合物
WO2011129426A1 (ja) 防汚性付与剤
CA2122411A1 (en) Coatings based on perfluoropolyethers containing acrylic groups
JP6308775B2 (ja) 含フッ素共重合体
KR102279540B1 (ko) 친수성기를 갖는 함불소 공중합체 및 해당 공중합체를 포함하는 표면 개질제
TWI745555B (zh) 含氟苯乙酮衍生物、氟系添加劑及含有其之硬化性組成物及其硬化物
JP7203835B2 (ja) ハロアルキル及びハロアルケニルエーテル(メタ)アクリレートのポリマー
EP3395794B1 (en) Carboxylic acid ester compound having polymerizable functional group and fluorine atom group, and method for producing same
JP5674404B2 (ja) 含フッ素表面調整剤
JP6863123B2 (ja) 反射防止塗料組成物及び反射防止フィルム
JPWO2011129426A1 (ja) 防汚性付与剤
JP6449089B2 (ja) 親水性コーティング樹脂組成物
JP2022019568A (ja) 含フッ素表面改質剤組成物
JP4253977B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
JPWO2009123013A1 (ja) 多官能含フッ素化合物及び該化合物の製造方法
EP1942091A1 (en) Novel fluoroadamantane derivative, fluorine-containing polymer and production method
JP5873224B1 (ja) 重合性官能基とフッ素原子団とを有するカルボン酸エステル・カルバメート化合物とその製造方法
JP2004231704A (ja) 硬化型組成物
JP2023035874A (ja) 含フッ素重合体及び表面改質剤組成物
JP4739602B2 (ja) 新規な(メタ)アクリル酸エステルおよび当該(メタ)アクリル酸エステルを含む硬化型組成物
JP2021187965A (ja) コーティング用硬化性組成物
JP2001026617A (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5546184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees