JP2021187965A - コーティング用硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂に対して、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与する技術を提供する。【解決手段】コーティング用硬化性組成物は、共重合体を含むコーティング用硬化性組成物であって、前記共重合体は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、所定の化学式で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)と、が重合し、前記(メタ)アクリレート化合物(c1)が、(メタ)アクリレート化合物(c2)とウレタン結合しており、前記(メタ)アクリレート化合物(c2)に由来する(メタ)アクリレート基を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング用硬化性組成物に関する。
フッ素樹脂は、フッ素原子固有の特性に基づき、さまざまな機能性を発現し得る。これらの機能性は、一般的に、樹脂中のフッ素原子含有率との相関が強く、その含有率が高いものは耐候性、耐薬品性、低屈折率性、低誘電率性等に優れる加工物を与える。しかし、一般にフッ素原子含有率が高いフッ素樹脂は、溶剤溶解性、各種基材に対する密着性、塗膜の力学強度が不足する場合が少なくない。従って、フッ素樹脂の実用性を高めるために、フッ素樹脂中に各種官能基を導入するなどの、フッ素樹脂の化学変性が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、得られる塗膜の表面機能性の劣化を抑制するコーティング用硬化性組成物として、重合型フッ素系界面活性剤(A)と(メタ)アクリル単量体類(B)とを含有するコーティング用硬化性組成物が開示されている。上記コーティング用硬化性組成物において、重合型フッ素系界面活性剤(A)は、側鎖にフッ素化アルキル基と活性水素基とを有する含フッ素(メタ)アクリル系重合体(a1)と、イソシアネート基含有(メタ)アクリル単量体(a2)とを反応させて得られる。
特開2007−246696号公報
しかしながら、本発明者らが実際に試験したところ、特許文献1に記載のコーティング用硬化性組成物では、ムラや濁りが発生する等の外観不良が見られるとともに、耐久性が十分ではないことを見出した。この原因は明らかではないが、特許文献1に記載のコーティング用硬化性組成物では、含フッ素(メタ)アクリル系重合体とアクリル単量体の結合部位においてウレタン結合やヒドロキシ基のような水素結合供与対部位が生成され、これらの部位同士が水素結合することによって、重合型フッ素系界面活性剤同士が凝集しやすくなるためと考えられる。
このため、樹脂に対して、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与する技術の開発が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、コーティング用硬化性組成物が提供される。このコーティング用硬化性組成物は、共重合体を含むコーティング用硬化性組成物であって、前記共重合体は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、下記化学式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)と、が重合し、前記(メタ)アクリレート化合物(c1)が、(メタ)アクリレート化合物(c2)とウレタン結合しており、前記(メタ)アクリレート化合物(c2)に由来する(メタ)アクリレート基を有することを特徴とする。
CH=C(R)−C=OO−(RO)−R (1)
(式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、nは6以上の整数であり、Rは炭化水素基を示し、構造中に水素結合供与性基を有さない)
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与することができる。
(2)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記官能基は、ヒドロキシ基であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、容易に製造することができる。
(3)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記nは、7以上50以下であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、より優れた耐久性を付与することができる。
(4)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記Rは、炭素数1〜8の炭化水素基であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、より優れた外観を付与するとともに、より優れた耐久性を付与することができる。
(5)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記(メタ)アクリレート化合物(a)の配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、30質量部以上80質量部以下であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、より優れた外観を付与するとともに、より優れた耐久性を付与することができる。
(6)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記(メタ)アクリレート化合物(b)の配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、より優れた外観を付与するとともに、より優れた耐久性を付与することができる。
(7)上記形態のコーティング用硬化性組成物において、前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)との合計配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、2質量部以上40質量部以下であってもよい。
この形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、より優れた外観を付与するとともに、より優れた耐久性を付与することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、コーティング用硬化性組成物を含むコーティング剤等の態様で実現することができる。
コーティング用硬化性組成物の製造方法の一例を示す図。
A.コーティング用硬化性組成物
本発明の一実施形態であるコーティング用硬化性組成物は、共重合体を含むコーティング用硬化性組成物である。この共重合体は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、下記化学式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)と、が重合し、(メタ)アクリレート化合物(c1)が、(メタ)アクリレート化合物(c2)とウレタン結合しており、前記(メタ)アクリレート化合物(c2)に由来する(メタ)アクリレート基を有することを特徴とする。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
CH=C(R)−C=OO−(RO)−R (1)
(式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、nは6以上の整数であり、Rは炭化水素基を示し、構造中に水素結合供与性基を有さない)
本実施形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与することができる。このメカニズムは明らかではないが、以下の推定メカニズムが考えられる。つまり、本実施形態のコーティング用硬化性組成物に含まれる共重合体は、一定以上の長さのアルキレンオキシド鎖を有することにより、樹脂との相溶性に優れることが考えられる。また、このアルキレンオキシド鎖の中の酸素原子が水素結合受容体として働くことにより、(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)が形成するウレタン結合部位が水素結合を駆動力として凝集することを抑制できると考えられる。また、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有することにより、撥水性及び撥油性に優れるとともに、防汚性にも優れると考えられる。さらに、樹脂と(メタ)アクリレート化合物(c2)の(メタ)アクリレート基との双方と相溶性に優れるアルキレンオキシド鎖が存在することにより、樹脂と(メタ)アクリレート化合物(c2)の(メタ)アクリレート基とが混和しやすくなることによって、コーティング中に均一かつ効果的に硬化反応が進行することにより、耐久性が向上すると考えられる。また、(メタ)アクリレート化合物(b)の構造中に水素結合供与性基を有さないことにより、アルキレンオキシド鎖がシュリンクすることを抑制することにより、樹脂に対して、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与することができると考えられる。以下、本実施形態のコーティング用硬化性組成物に関する構成モノマーについて説明する。
<(メタ)アクリレート化合物(a)>
本実施形態の(メタ)アクリレート化合物(a)は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する。(メタ)アクリレート化合物(a)としては、特に限定されないが、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキルポリオキシフルオロアルキレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、本明細書において、「フルオロ」は、パーフルオロを含む。
ここで、フルオロアルキル(メタ)アクリレートは、下記一般式(2)で表すこともできる。
−O−X ・・・(2)
ただし、Rはフルオロアルキル基であり、Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基である。
フルオロアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、フルオロメチル(メタ)アクリレート、フルオロエチル(メタ)アクリレート、フルオロプロピル(メタ)アクリレート、フルオロブチル(メタ)アクリレート、フルオロペンチル(メタ)アクリレート、フルオロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
フルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレートは、下記一般式(3)で表すこともできる。
−Y−O−X ・・・(3)
ただし、Rはフルオロアルキル基であり、Yはアルキレン基であり、Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基である。
フルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、フルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、フルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、フルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、フルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、フルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、フルオロプロピルエチル(メタ)アクリレート、フルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、フルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、フルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、フルオロペンチルエチル(メタ)アクリレート、フルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、フルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
フルオロアルキルポリオキシフルオロアルキレン(メタ)アクリレートは、下記一般式(4)で表すことができる。
−Z―A―O―X ・・・(4)
ただし、Rはフルオロアルキル基であり、Zはポリオキシフルオロアルキレン基であり、Aはエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合を含んでよい二価の連結基であり、Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基である。フルオロアルキル基としてはフルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロペンチル、フルオロヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(a)としては、外観及び耐久性が優れるため、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、フルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、フルオロアルキル基としては、撥水撥油性に優れるため、パーフルオロアルキル基が好ましい。また、フルオロアルキル基は、撥水撥油性に優れるため、炭素数2〜6のフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜6のフルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数6のフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。具体的には、(メタ)アクリレート化合物(a)としては、撥水撥油性に優れるため、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、(メタ)アクリレート化合物(a)におけるアクリレート部位のα置換基としては、特に限定されないが、例えば、水素原子、メチル基、それ以外の一価の有機基などが挙げられる。これらのうち、撥水性および撥油性がより優れることから、このα置換基としては、水素原子、メチル基であることが好ましい。
<(メタ)アクリレート化合物(b)>
本実施形態における(メタ)アクリレート化合物(b)は、下記化学式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物である。(メタ)アクリレート化合物(b)を、アルコキシポリアルキレンオキシド鎖を有する(メタ)アクリレート化合物(b)とも呼ぶ。
CH=C(R)−C=OO−(RO)−R (1)
化学式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、nは6以上の整数であり、Rは炭化水素基を示し、構造中に水素結合供与性基を有さない。本明細書において、「水素結合供与性基」とは、電気陰性度が高い原子と結合した水素原子を有し、この水素原子と他の電気陰性度が高い官能基との間に水素結合を形成できる官能基であり、具体的には、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基を意味する。
上記Rは、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1のアルキル基であることがさらに好ましい。上記Rは、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがさらに好ましく、炭素数2のアルキレン基であることが特に好ましい。上記nは、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、6以上80以下の整数であることが好ましく、7以上50以下の整数であることがより好ましく、8以上30以下の整数であることがさらに好ましい。上記Rは、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜8の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基であることがさらに好ましく、炭化水素基はアルキル基であることが特に好ましい。
<(メタ)アクリレート化合物(c1)>
本実施形態における(メタ)アクリレート化合物(c1)は、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物である。本実施形態における(メタ)アクリレート化合物(c1)は、製造が容易である観点から、ヒドロキシ基を有することが好ましい。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)としては、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)としては、特に限定されないが、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2―(2―メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート等が挙げられる。また、(c1)はイソシアネートブロック体であってもよく、そのような(c2)としては、特に限定されないが、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、2−[0−(1'−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート等が挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)としては、製造が容易である観点、及び優れた外観及び耐久性を付与する観点から、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが好ましく、特に2−イソシアナトエチルメタクリレートが好ましい。
<(メタ)アクリレート化合物(c2)>
本実施形態における(メタ)アクリレート化合物(c2)は、(メタ)アクリレート化合物(c1)とウレタン結合を形成する(メタ)アクリレート化合物である。つまり、(メタ)アクリレート化合物(c2)は、(メタ)アクリレート化合物(c1)とウレタン結合を形成するための、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する。つまり、(メタ)アクリレート化合物(c1)がヒドロキシ基を有する場合において(メタ)アクリレート化合物(c2)はイソシアネート基を有し、(メタ)アクリレート化合物(c1)がイソシアネート基を有する場合において(メタ)アクリレート化合物(c2)はヒドロキシ基を有する。本実施形態における(メタ)アクリレート化合物(c2)は、製造が容易である観点から、イソシアネート基を有することが好ましい。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(c2)としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(c2)としては、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物(c2)としては、特に限定されないが、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2―(2―メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート等が挙げられる。また、(c2)はイソシアネートブロック体であってもよく、そのような(c2)としては、特に限定されないが、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、2−[0−(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート等が挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物(c2)としては、製造が容易である観点、及び優れた外観及び耐久性を付与する観点から、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが好ましく、特に2−イソシアナトエチルメタクリレートが好ましい。
本実施形態の共重合体を構成する構成モノマーは、発明の目的に反しない範囲で、上記成分(a)、(b)、(c1)、(c2)以外のモノマーを含んでいてもよい。同様に、本実施形態のコーティング用硬化性組成物は、発明の目的に反しない範囲で、上述の共重合体以外の共重合体やその他の重合体を含んでいてもよい。
本実施形態では、(a)、(b)、(c1)、(c2)を含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対する各成分(a)、(b)、(c1)、(c2)の配合量は、特に限定されないが、構成モノマーの合計配合量100質量部に対する、(メタ)アクリレート化合物(a)と(メタ)アクリレート化合物(b)と(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)との合計配合量は、樹脂に対して優れた撥水撥油性を均一に付与する観点から、80質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましく、95質量部以上であることがさらに好ましい。なお、構成モノマーの合計配合量100質量部に対する(メタ)アクリレート化合物(a)と、(メタ)アクリレート化合物(b)と、(メタ)アクリレート化合物(c1)と、(メタ)アクリレート化合物(c2)との合計配合量は、100質量部以下である。
(メタ)アクリレート化合物(a)の配合量は、特に限定されないが、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、(メタ)アクリレート化合物(a)と(メタ)アクリレート化合物(b)と(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、30質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、50質量部以上がさらに好ましく、また、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(b)の配合量は、特に限定されないが、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、(メタ)アクリレート化合物(a)と(メタ)アクリレート化合物(b)と(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましく、また、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)との合計配合量は、特に限定されないが、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、(メタ)アクリレート化合物(a)と(メタ)アクリレート化合物(b)と(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、また、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(b)の配合量は、特に限定されないが、優れた外観及び耐久性を付与する観点から、(メタ)アクリレート化合物(a)の配合量100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、また、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物に用いる溶剤は、特に限定されず、例えば、有機溶剤であってもよい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、イソホロンなどの脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールジアセテートなどのエステル系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートなどのグリコールエーテルエステル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジメチルトリグリコール、メチルエチルジグリコール、ジメチルプロピレンジグリコールなどのグリコールエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、この中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルエチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、ジメチルプロピレンジグリコールであることが好ましい。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物を添加する樹脂(以下、「マトリクス樹脂」とも呼ぶ)としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。特に、本実施形態のコーティング用硬化性組成物を添加することで均一で高い撥水撥油性を発現する観点から、上述の樹脂の中で、ポリアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、ポリアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂がより好ましい。
硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート、多官能アクリレートなどを、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、チオキサントン系等の光重合開始剤で硬化させたものが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン等が挙げられる。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物を樹脂に添加する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂と本実施形態のコーティング用硬化性組成物とを混合する方法が挙げられる。具体的には、例えば、樹脂を溶融又は溶剤に溶解させた後、本実施形態のコーティング用硬化性組成物を添加し、その後、混合する方法が挙げられる。樹脂と本実施形態のコーティング用硬化性組成物とを混合した樹脂組成物は、コーティング剤として用いられる。樹脂組成物をコーティング剤として用いる場合、例えば、金属、ガラス、樹脂等の基材上に塗布することによりコーティング層を形成することができる。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物の樹脂への添加量は、特に限定されないが、添加する樹脂に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.8質量%以上7.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がさらに好ましい。
次に本実施形態のコーティング用硬化性組成物の製造方法を説明する。コーティング用硬化性組成物の製造方法は、特に限定されない。
図1は、コーティング用硬化性組成物の製造方法の一例を示す図である。コーティング用硬化性組成物の製造方法としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物(a)と、(メタ)アクリレート化合物(b)と、(メタ)アクリレート化合物(c1)と、溶剤と、を混合後加熱することにより共重合体反応をさせた後、さらに、(メタ)アクリレート化合物(c2)を加え、(メタ)アクリレート化合物(c1)と(メタ)アクリレート化合物(c2)と反応させることによって共重合体を得る方法が挙げられる。
重合方法は、特に限定されないが、溶液重合であることが好ましい。重合温度は、特に限定されないが、一般に、40℃以上120℃以下の範囲が好ましい。重合時間は、特に限定されないが、一般に、4時間から15時間程度であることが好ましい。
重合を行う際に重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤の使用量は特に限定されないが、一般に、構成モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物は、発明の目的に反しない範囲で、例えば、その他の撥油剤、その他の撥水剤、防虫剤、難燃剤、防シワ剤、帯電防止剤、柔軟仕上げ剤、防腐剤、芳香剤、酸化防止剤、乳化剤、分散剤等をさらに含有していてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における「部」、「%」は、特に明示した場合を除き、「質量部」、「質量%」をそれぞれ表している。
(使用原料)
・炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)
(a−1)パーフルオロヘキシルエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
(a−2)パーフルオロブチルエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
・アルコキシポリアルキレンオキシド鎖を有する(メタ)アクリレート化合物(b)
(b−1)メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(平均EO:23、日油(株)製、商品名:ブレンマー(登録商標)PME−1000)
(b−2)メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(平均EO:9、日油(株)製、商品名:ブレンマー(登録商標)PME−400)
(b−3)メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(平均EO:90、日油(株)製、商品名:ブレンマー(登録商標)PME−4000)
・ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)
(c1−1)ヒドロキシエチルメタクリレート(ナカライテスク(株)製)
(c1−2)ポリエチレングリコールモノアクリレート(平均EO:10、日油(株)製、商品名:ブレンマー(登録商標)AE−400)
・イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物(c2)
(c2−1)2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI)
・その他の(メタ)アクリレート化合物(d)
(d−1)ステアリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライトエステルS)
(d−2)イソボルニルアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートIB−XA)
(d−3)ジシクロペンタニルアクリレート(東京化成工業(株)製)
(d−4)ベンジルメタクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライトエステルBZ)
(d−5)メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(平均EO:4、日油(株)製、商品名:ブレンマー(登録商標)200)
・マトリクス樹脂
(e−1)ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(PETA)(東亜合成(株)製、アロニックス(登録商標)M−305)
(e−2)ジペンタエリスリトールヘキサアクリエート(DPHA)(東亜合成(株)製、アロニックス(登録商標)M−402)
(共重合体溶液)
(A−1)
撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流管を備えた反応容器に、後述する表1に記載の質量割合で、(a)、(b)、(c1)の化合物、及び、溶剤としてメチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl ketone:MIBK)233部を加え、窒素置換を行った。続いて、t−ブチルパーオキシピバレート(日油(株)製、商品名:パーブチル(登録商標)PV)を、上記(a)、(b)、(c1)の化合物の合計量100質量部に対して3質量部となるように加えた後、65℃で8時間反応させた。その後、80℃まで昇温することにより開始剤を失活させた。
次に、この反応容器の窒素導入菅を空気導入菅に取り換え、この反応液に、後述する表1に記載の質量割合の(c2)の化合物と、ジブチルヒドロキシトルエン0.1部と、ジブチルスズジラウレート0.06部とを加えた後、空気気流下で、60℃で6時間反応させることにより、反応性二重結合を有する共重合体溶液(共重合体濃度30%)を得た。
(A−2〜A−9、B−2〜B−3、B−5〜B−8)
後述する表1に記載の材料及び質量割合とした点以外は、A−1と同様の方法により共重合体溶液を得た。
(B−1、B−4)
撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流管を備えた反応容器に、後述する表1に記載の質量割合で、(a)、(d)の化合物、及び、溶剤としてMIBK 233部を加え、窒素置換を行った。続いて、t−ブチルパーオキシピバレート(日油(株)製、商品名:パーブチル(登録商標)PV)を、上記(a)、(d)の化合物の合計量100質量部に対して3質量部となるように加えた後、65℃で8時間反応させた。その後、80℃まで昇温することにより開始剤を失活させることにより、共重合体溶液(共重合体濃度30%)を得た。
(コーティング剤)
PETAまたはDPHA 27質量部と、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF(株)製、Irgacure 184)0.9質量部と、MIBK 70質量部と、得られた共重合体溶液とを、後述する表2記載の質量割合で混合させることにより、コーティング剤を作製した。このコーティング剤を、バーコーター法によって、ウェット膜厚が10μmとなるようにガラス板上に塗布した後、80℃のオーブンで10分間乾燥させた。その後、UV照射装置((株)GSユアサ製、CSN2−4)及び高圧水銀灯を用いて、コンベア速度5m/分、ランプとの距離8cm、積算照度800mJ/cmの条件にて紫外線照射を行うことにより、試験片を作製した。
(仕込み量の質量から算出した二重結合等量[g/mоl])
以下の表1における「仕込み量の質量から算出した二重結合等量」は、共重合体に含まれる反応性アクリレート1molあたりの共重合体の質量を表す。つまり、「仕込み量の質量から算出した二重結合等量」は、(メタ)アクリレート化合物(c2) 1molあたりの共重合体の質量と同義である。例えば、(A−1)の場合、全構成モノマー108.3g中の(c2−1)の仕込み量は8.3gであり、(c2−1)の分子量は155.15である。このため(A−1)の二重結合等量は、108.3/(8.3/155.15)≒2024である。
(外観評価)
外観の評価は、以下の3段階で視認にて行った。
A:均一で透明な外観である
B:わずかに濁りまたはムラが見られる
C:濁りまたはムラが見られる
(撥水性及び撥油性の評価)
撥水性及び撥油性の評価は、接触角測定装置(協和界面科学(株)製、接触角計Drop Master 500)を用いて行った。具体的に、撥水性の評価は、塗布面における水の接触角を測定して行い、撥油性の評価は、塗布面におけるヘキサデカンの接触角を測定して行った。撥水性は水接触角、撥油性はヘキサデカン接触角を、各基準で評価した。なお、水の液滴容量は2μLとし、ヘキサデカンの液滴容量は4μLとした。各評価は、滴下5秒後の接触角を測定することにより行った。評価では、場所を変えて5回測定した平均値を用いた。
撥水性については、以下の基準で評価した。接触角が大きいほど、撥水性に優れるため好ましい。
A:接触角が110°以上
B:接触角が105°以上110°未満
C:接触角が100°以上105°未満
D:接触角が100°未満
撥油性については、以下の基準で評価した。接触角が大きいほど、撥油性に優れるため好ましい。
A:接触角が60°以上
B:接触角が50°以上60°未満
C:接触角が50°未満
(摩耗後の撥水性及び撥油性の評価)
帆布を取り付けた三連式平面摩耗試験機((株)大栄科学精機製作所製、PA−300A)を用いて、作製した試験片を、500gの加重をかけて1分間に60往復の速さで500回摩耗した。その後、上記と同じ方法で水およびヘキサデカンの接触角を測定し、上記の基準で撥水性及び撥油性を評価した。
以下に、試験結果等を示す。
Figure 2021187965
Figure 2021187965
実施例及び比較例の評価結果を示す表から以下のことが分かった。つまり、実施例1から実施例14は、(メタ)アクリレート化合物(b)、(c1)、(c2)の少なくとも一つを構成モノマーに含まない比較例1から比較例12と比較して、摩耗後の撥水撥油性に優れることが分かった。つまり、本実施形態のコーティング用硬化性組成物によれば、樹脂に対して優れた耐久性を付与できることが分かった。また、実施例1から実施例14は、比較例1から比較例12と比較して、外観が優れる傾向にあることが分かった。
また、実施例1,3,5を比較することにより、(メタ)アクリレート化合物(b)として、以下の一般式におけるnが50以下のほうが、50よりも大きい場合と比較して、より優れた耐久性を樹脂に付与できることが分かった。
CH=C(R)−C=OO−(RO)−R (1)
〈不可能・非実際的事情〉
本実施形態のコーティング用硬化性組成物に含まれる共重合体は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、上記化学式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)と、が重合し、(メタ)アクリレート化合物(c1)が、(メタ)アクリレート化合物(c2)とウレタン結合している。この共重合体の構造は複雑であるため、一般式で表すことは困難である。さらに、構造が特定されなければ、それに応じて定まるその物質の特性も容易には特定できない。すなわち、本実施形態のコーティング用硬化性組成物に含まれる共重合体を、その構造又は特性により直接特定することは不可能である。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本実施形態のコーティング用硬化性組成物は、優れた外観を付与するとともに、優れた耐久性を付与する為、コーティング剤に好適に使用できる。コーティング剤に本実施形態のコーティング用硬化性組成物を用いた場合の使用用途としては、例えば、自動車部品、建材、電子機器、家電製品、ディスプレイ等が挙げられる。

Claims (7)

  1. 共重合体を含むコーティング用硬化性組成物であって、
    前記共重合体は、
    炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、下記化学式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、ヒドロキシ基またはイソシアネート基のいずれか一方の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)と、が重合し、
    前記(メタ)アクリレート化合物(c1)が、(メタ)アクリレート化合物(c2)とウレタン結合しており、
    前記(メタ)アクリレート化合物(c2)に由来する(メタ)アクリレート基を有することを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
    CH=C(R)−C=OO−(RO)−R (1)
    (式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、nは6以上の整数であり、Rは炭化水素基を示し、構造中に水素結合供与性基を有さない)
  2. 請求項1に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記官能基は、ヒドロキシ基であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記nは、7以上50以下であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記Rは、炭素数1〜8の炭化水素基であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記(メタ)アクリレート化合物(a)の配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、30質量部以上80質量部以下であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記(メタ)アクリレート化合物(b)の配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のコーティング用硬化性組成物であって、
    前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)との合計配合量は、前記(メタ)アクリレート化合物(a)と前記(メタ)アクリレート化合物(b)と前記(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記(メタ)アクリレート化合物(c2)とを含む構成モノマーの合計配合量100質量部に対して、2質量部以上40質量部以下であることを特徴とする、コーティング用硬化性組成物。
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