JP2000284102A - 反射防止膜および画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜および画像表示装置

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JP2000284102A JP11089800A JP8980099A JP2000284102A JP 2000284102 A JP2000284102 A JP 2000284102A JP 11089800 A JP11089800 A JP 11089800A JP 8980099 A JP8980099 A JP 8980099A JP 2000284102 A JP2000284102 A JP 2000284102A
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知一 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性、耐傷性、特に滑り性に優れた反射防
止膜を提供する。 【解決手段】 透明支持体および透明支持体の屈折率よ
りも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する
低屈折率層が積層されている反射防止膜であって、低屈
折率層の上にオーバーコート層がさらに積層されてお
り、該オーバーコート層がパーフルオロアルキルポリエ
ーテル側鎖を有する重合体を含むことを特徴とする反射
防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体、低屈
折率層およびオーバーコート層が、この順で積層されて
いる反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けら
れている。反射防止膜としては、金属酸化物の透明薄膜
を積層させた多層膜が従来から普通に用いられている。
複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を
防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸
着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着
法の一種である真空蒸着法により形成されている。金属
酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学的性
質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性が低
く大量生産に適していない。蒸着法に代えて、透明支持
体上に光学的機能層を塗布により形成して反射防止膜を
製造する方法も提案されている。
【0003】反射防止機能のためには、透明支持体の屈
折率よりも低い屈折率を有する層(低屈折率層)を設け
る必要がある。透明支持体上に複数の光学的機能層を設
ける場合、低屈折率層は透明支持体から最も遠い側に設
けられる。塗布層の屈折率を低下させるためには、低屈
折率層内に空隙を導入する方法が有効である。空気の屈
折率は1.00であって、空隙中に空気を含む層は、非
常に低い屈折率を有する。低屈折率層に微粒子を含ま
せ、微粒子間または微粒子内に空隙を形成する方法が提
案されている。特公昭60−59250号公報は、微細
空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示して
いる。反射防止層は、塗布により形成される。微細空孔
は、層の塗布後に活性化ガス処理を行ない、ガスが層か
ら離脱することによって形成される。
【0004】特開平2−245702号公報は、二種類
以上の超微粒子(例えば、MgF2とSiO2 )を混在
させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜
を開示している。混合比を変化させることにより屈折率
を変化させ、高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止
膜と同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチル
シリケートの熱分解で生じたSiO2 により接着してい
る。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼
によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。同公報の第
1図に示されているように、二酸化炭素と水蒸気が層か
ら離脱することにより、超微粒子の間に間隙が生じてい
る。特開平7−48527号公報は、多孔質シリカより
なる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止膜を
開示している。特開平9−288201号公報は、含フ
ッ素ポリマーからなる微粒子を二個以上積み重ねること
により、微粒子間に空隙を形成した低屈折率層を有する
反射防止膜を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】空隙を有する低屈折率
層は、空隙中の空気によって非常に低い屈折率が得られ
るとの特徴がある。一方、低屈折率層は、透明支持体か
ら最も遠い側、すなわち反射防止膜の表面側に設けられ
る。そのため、低屈折率層の表面は汚れやすく、傷も付
きやすい。汚れや傷により、低屈折率層の反射防止機能
が低下する。表面側の層を汚れから保護し、耐傷性を向
上させるためには、含フッ素化合物を含むオーバーコー
ト層を表面側の層の上に設ける対策が、反射防止膜の技
術分野に限らず一般に良く知られている。その中でもパ
ーフルオロアルキルポリエーテル化合物は滑り性の点で
特に優れており、特開昭62−62520号公報はパー
フルオロアルキルポリエーテル化合物、特開平9−32
5500号公報はパーフルオロアルキルポリエーテルカ
ルボン酸、をそれぞれ用いた反射防止膜を開示してい
る。しかし、本発明者が研究したところ、空隙を有する
低屈折率層の上に、パーフルオロアルキルポリエーテル
を含むオーバーコート層を設けようとすると、オーバー
コート層の塗布液が低屈折率層の空隙に浸入して、低屈
折率層の空隙率が低下する問題が認められた。低屈折率
層の空隙率が低下すれば、低屈折率層の屈折率は上昇し
てしまう。特開昭58−164672号公報では撥水撥
油剤としてパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有
する重合体を開示しているが、該公報記載の化合物を用
いても空隙への侵入は十分には抑制できなかった。本発
明の目的は、低屈折率層の屈折率を上昇させることな
く、低屈折率層の表面が汚れから保護され、かつ耐傷性
も改善されている反射防止膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の反射防止膜および下記(7)の画像表
示装置により達成された。 (1)透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い
屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率
層が積層されている反射防止膜であって、低屈折率層の
上にオーバーコート層がさらに積層されており、該オー
バーコート層がパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖
を有する重合体を含むことを特徴とする反射防止膜。 (2)パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する
重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物の重合体
であることを特徴とする(1)記載の反射防止膜。 一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】一般式(1)において、RはHまたはCH
3 、Lは2価の連結基、XはHまたはアルキル基または
ハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。 (3)一般式(1)においてnが10以上50以下であ
ることを特徴とする(2)記載の反射防止膜。 (4)該重合体が平均粒径20乃至100nmのポリマ
−粒子であることを特徴とする(1)〜(3)記載の反
射防止膜。 (5)低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間または微粒
子内に空隙が形成されている(1)〜(4)記載の反射
防止膜。 (6)透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高
屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられて
いる(1)〜(5)記載の反射防止膜。 (7) (1)〜(6)記載の反射防止膜を搭載した画
像表示装置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止膜の基本的な構
成を図面を引用しながら説明する。図1は、反射防止膜
の主な層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に
示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層
(2)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層
(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低
屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有す
る。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率 図1の(b)に示す態様は、透明支持体(1)、ハード
コート層(2)、高屈折率層(5)、低屈折率層
(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成
を有する。透明支持体(1)、高屈折率層(5)および
低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有
する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層
の屈折率 図1の(c)に示す態様は、透明支持体(1)、ハード
コート層(2)、中屈折率層(6)、高屈折率層
(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層
(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、中
屈折率層(6)、高屈折率層(5)および低屈折率層
(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層
の屈折率<高屈折率層の屈折率
【0010】[透明支持体]透明支持体としては、プラ
スチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチッ
クフイルムを形成するポリマーの例には、セルロースエ
ステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセル
ロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロー
ス、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロー
ス)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエ
タン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテ
レフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチッ
クポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエー
テルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエー
テルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリ
カーボネートおよびポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。透明支持体の光透過率は、80%以上であること
が好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ま
しく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明
支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ま
しい。
【0011】[ハードコート層]透明支持体に耐傷性を
付与するために、ハードコート層を支持体表面に設ける
ことが好ましい。ハードコート層は、架橋しているポリ
マーを含むことが好ましい。架橋しているポリマーを含
むハードコート層は、多官能モノマーと重合開始剤を含
む塗布液を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーを重
合させることにより形成できる。多官能モノマーは、多
価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエス
テルであることが好ましい。多価アルコールの例には、
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサノール、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4
−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよび
ポリエステルポリオールが含まれる。トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ルおよびポリウレタンポリオールが好ましい。二種類以
上の多官能モノマーを併用してもよい。多官能モノマー
の重合反応には、光重合開始剤を用いることが好まし
い。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾ
フェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−
アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサル
ファイドおよびチオキサントン類が含まれる。光重合開
始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例
には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサ
ントンが含まれる。
【0012】光重合開始剤は、多官能モノマー100重
量部に対して、0.1乃至15重量部の範囲で使用する
ことが好ましく、1乃至10重量部の範囲で使用するこ
とがさらに好ましい。光重合反応は、ハードコート層の
塗布および乾燥後、紫外線照射により実施することが好
ましい。ハードコート層には、充填剤を添加することが
好ましい。充填剤はハードコート層の硬度を高くし、多
官能モノマーの硬化収縮を抑える機能がある。充填剤と
しては、無機微粒子または有機微粒子を用いることが好
ましい。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸
チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸
カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリン
および硫酸カルシウム粒子が含まれる。有機微粒子の例
には、メタクリル酸−メチルアクリレートコポリマー粉
末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン粉末、ポリカーボ
ネート粉末、アクリル酸−スチレンコポリマー粉末、ベ
ンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレ
フィン粉末、ポリエステル粉末、ポリアミド粉末、ポリ
イミド粉末およびポリフッ化エチレン粉末が含まれる。
充填剤として使用する微粒子の平均粒子径は、0.01
乃至2μmであることが好ましく、0.02乃至0.5
μmであることがさらに好ましい。ハードコート層また
はその塗布液には、さらに、着色剤(顔料、染料)、消
泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤や改質用樹脂を添加してもよい。ハードコー
ト層の厚さは、1乃至15μmであることが好ましい。
【0013】[高屈折率層および中屈折率層]図1の
(b)に示すように、透明支持体と低屈折率層との間
に、高屈折率層を設けてもよい。また、図1の(c)に
示すように、透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率
層を設けてもよい。高屈折率層の屈折率は、1.65乃
至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.2
0であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率
は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間
の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、
1.55乃至1.70であることが好ましい。高屈折率
層および中屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmで
あることが好ましく、10nm乃至10μmであること
がさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最
も好ましい。高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、
5%以下であることが好ましく、3%以下であることが
さらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛
筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上である
ことがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ま
しい。高屈折率層および中屈折率層は、無機微粒子とポ
リマーとを含むことが好ましい。
【0014】高屈折率層および中屈折率層に用いる無機
微粒子は、屈折率が1.80乃至2.80であることが
好ましく、1.90乃至2.80であることがさらに好
ましい。無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1乃至
150nmであることが好ましく、1乃至100nmで
あることがさらに好ましく、1乃至80nmであること
が最も好ましい。塗布層中の無機微粒子の重量平均径
は、1乃至200nmであるることが好ましく、5乃至
150nmであることがより好ましく、10乃至100
nmであることがさらに好ましく、10乃至80nmで
あることが最も好ましい。無機微粒子の比表面積は、1
0乃至400m2 /gであることが好ましく、20乃至
200m2 /gであることがさらに好ましく、30乃至
150m2 /gであることが最も好ましい。
【0015】無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物
から形成することが好ましい。金属の酸化物または硫化
物の例には、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナ
ターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化
錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよ
び硫化亜鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化
インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金
属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素
を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分
の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他
の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、F
e、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、A
l、Mg、Si、PおよびSが含まれる。無機微粒子を
表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有
機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合
物の例には、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムおよ
び酸化鉄が含まれる。アルミナおよびシリカが好まし
い。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオー
ル、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップ
リング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。
シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表
面処理を組み合わせて実施してもよい。以上を組み合わ
せて処理されていても構わない。無機微粒子の形状は、
米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状
であることが好ましい。二種類以上の無機微粒子を高屈
折率層および中屈折率層内で併用してもよい。
【0016】高屈折率層および中屈折率層中の無機微粒
子の割合は、5乃至65体積%である。無機微粒子の割
合は、10乃至60体積%であることが好ましく、20
乃至55体積%であることがさらに好ましい。無機微粒
子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形
成に使用する。高屈折率層および中屈折率層の無機微粒
子の分散媒体は、沸点が60乃至170℃の液体を用い
ることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール
(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素
(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水
素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭
素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル
(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロ
フラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2
−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンおよびブタノールが特に好ましい。無機微粒子
は、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例に
は、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミ
ル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミ
ル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サン
ドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好
ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分
散処理に用いる分散基の例には、ボールミル、三本ロー
ルミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0017】中屈折率層および高屈折率層には、比較的
屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率
が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重
合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イ
ソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレ
タンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂
環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原
子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二
重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの
重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0018】[低屈折率層]低屈折率層の屈折率は、
1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30
乃至1.55であることがさらに好ましい。低屈折率層
の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、
50乃至200nmであることがさらに好ましい。低屈
折率層は、オーバーコート層の形成前に、3乃至50体
積%の空隙率を有する層として形成する。オーバーコー
ト層の形成前の低屈折率層の空隙率は、5乃至35体積
%であることがさらに好ましい。低屈折率層の空隙は、
微粒子を用いて微粒子間または微粒子内のミクロボイド
として形成することができる。微粒子の平均粒径は、
0.5乃至200mmであることが好ましく、1乃至1
00nmであることがより好ましく、3乃至70nmで
あることがさらに好ましく、5乃至40nmの範囲であ
ることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一
(単分散)であることが好ましい。無機微粒子あるいは
有機微粒子を低屈折率層に用いることができる。
【0019】無機微粒子は、非晶質であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物また
はハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物ま
たは金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、
金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ま
しい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、B
a、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、
Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、
B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが
好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好まし
い。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特
に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリ
カである。
【0020】無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒
子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成
することができる。シリカの分子を架橋させると体積が
縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する
(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−
112732号、特公昭57−9051号の各公報記
載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(198
8)記載)により、分散物として直接合成することがで
きる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に
粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機
微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。
ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成
のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好
ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケ
トン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン)が好ましい。
【0021】有機微粒子も、非晶質であることが好まし
い。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重
合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好
ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むこと
が好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35乃
至80重量%であることが好ましく、45乃至75重量
%であることがさらに好ましい。含フッ素ポリマーを合
成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例に
は、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビ
ニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタク
リル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビ
ニルエーテル類が含まれる。フッ素原子を含むモノマー
とフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用い
てもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例には、オ
レフィン類(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類
(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類
(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル)、スチレン類(例、スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類
(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類
(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルア
ミド類(例、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シ
クロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類お
よびアクリルニトリル類が含まれる。
【0022】有機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒
子を形成するポリマーを架橋させることにより形成する
ことができる。ポリマーを架橋させると体積が縮小し、
粒子が多孔質になる。粒子を形成するポリマーを架橋さ
せるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの2
0モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。
多官能モノマーの割合は、30乃至80モル%であるこ
とがさらに好ましく、35乃至50モル%であることが
最も好ましい。多官能モノマーの例には、ジエン類
(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールと
アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジア
クリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価ア
ルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレング
リコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシク
ロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルス
ルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアク
リルアミド)およびビスメタクリルアミド類が含まれ
る。
【0023】粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なく
とも2個以上積み重ねることにより形成することができ
る。なお、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子
を最密充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミク
ロボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純
立方充填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロ
ボイドが形成される。実際の低屈折率層では、微粒子の
粒径の分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙
率は上記の理論値からかなり変動する。空隙率を増加さ
せると、低屈折率層の屈折率が低下する。微粒子を積み
重ねてミクロボイドを形成と、微粒子の粒径を調整する
ことで、粒子間ミクロボイドの大きさも適度の(光を散
乱せず、低屈折率層の強度に問題が生じない)値に容易
に調節できる。さらに、微粒子の粒径を均一にすること
で、粒子間ミクロボイドの大きさも均一である光学的に
均一な低屈折率層を得ることができる。これにより、低
屈折率層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜である
が、光学的あるいは巨視的には均一な膜にすることがで
きる。
【0024】ミクロボイドを形成することにより、低屈
折率層の巨視的屈折率は、低屈折率層を構成する成分の
屈折率の和よりも低い値になる。層の屈折率は、層の構
成要素の体積当りの屈折率の和になる。微粒子やポリマ
ーのような低屈折率層の構成成分の屈折率は1よりも大
きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00であ
る。そのため、ミクロボイドを形成することによって、
屈折率が非常に低い低屈折率層を得ることができる。粒
子間ミクロボイドは、微粒子およびポリマーによって低
屈折率層内で閉じていることが好ましい。空隙を閉じる
と、オーバーコート層の形成後も空隙が低屈折率層内に
残存する。閉じている空隙には、低屈折率層表面に開か
れた開口と比較して、低屈折率層表面での光の散乱が少
ないとの利点もある。
【0025】低屈折率層は、5乃至50重量%の量のポ
リマーを含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子を接
着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有
する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低
屈折率層の強度を維持できるように調整する。ポリマー
の量は、低屈折率層の全量の10乃至30重量%である
ことが好ましい。ポリマーで微粒子を接着するために
は、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させる
か、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシ
ェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダ
ーとして、ポリマーを使用することが好ましい。(1)
の表面処理剤に結合させるポリマーは、(2)のシェル
ポリマーまたは(3)のバインダーポリマーであること
が好ましい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布液
の調製前に、微粒子の周囲に重合反応により形成するこ
とが好ましい。(3)のポリマーは、低屈折率層の塗布
液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または
塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。
(1)〜(3)を二種類または三種類組み合わせて、実
施することが好ましく、(1)と(3)の二種類の組み
合わせ、または(1)〜(3)の三種類の組み合わせで
実施することが特に好ましい。(1)表面処理、(2)
シェルおよび(3)バインダーについて、順次説明す
る。
【0026】(1)表面処理 微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、
ポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処
理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理
的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処
理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表
面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが
好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキ
シメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカ
ップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化
ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表
面処理が特に有効に実施できる。シランカップリング剤
の例には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例、オル
トケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n
−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸
n−ブチル、オルトケイ酸sec-ブチル、オルトケイ酸t
−ブチル)およびその加水分解物が含まれる。カップリ
ング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリ
ング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間か
ら10日間分散物を放置することにより実施できる。表
面処理反応を促進するため、無機酸(例、硫酸、塩酸、
硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、
リン酸、炭酸)、有機酸(例、酢酸、ポリアクリル酸、
ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン
酸)、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム
塩)を、分散物に添加してもよい。
【0027】(2)シェル シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖とし
て有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を
主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子
を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル
酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好まし
く、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリ
メタクリル酸とのエステルが最も好ましい。シェルポリ
マーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増
加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるた
め、シェルポリマーは35乃至80重量%のフッ素原子
を含むことが好ましく、45乃至75重量%のフッ素原
子を含むことがさらに好ましい。フッ素原子を含むポリ
マーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの
重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を
含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレ
フィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライ
ド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換ア
ルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル
が含まれる。
【0028】シェルを形成するポリマーは、フッ素原子
を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単
位からなるコポリマーであってもよい。フッ素原子を含
まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン
性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好まし
い。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの
例には、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソ
プレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エ
ステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル
(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレー
ト)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビ
ニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、
ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブ
チルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが含ま
れる。
【0029】後述する(3)のバインダーポリマーを併
用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入し
て、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋によ
り化学的に結合させてもよい。シェルポリマーは、結晶
性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温
度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、
低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。ただ
し、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微
粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されな
い(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合
は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バ
インダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成
することが望ましい。微粒子の周囲にポリマーシェルを
形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微
粒子中に無機微粒子からなるコアが5乃至90体積%含
まれていることが好ましく、15乃至80体積%含まれ
ていることがさらに好ましい。ポリマーシェルは、ラジ
カル重合法により形成することが好ましい。ラジカル重
合法については、大津隆行・木下雅悦共著、高分子合成
の実験法、化学同人(1972)および大津隆行、講座重合反
応論1ラジカル重合(I)、化学同人(1971)に記載があ
る。ラジカル重合法は、具体的には、乳化重合法または
分散重合により実施することが好ましい。乳化重合につ
いては、室井宗一、高分子ラテックスの化学、高分子刊
行会(1970)に記載がある。分散重合法については、Barr
ett, Keih E.J.、Dispersion Polymerization in Organ
ic Media、JOHN WILLEY & SONS(1975)に記載がある。
【0030】乳化重合法に使用する熱重合開始剤の例に
は、無機過酸化物(例、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム)、アゾニトリル化合物(例、アゾビスシアノ吉
草酸ナトリウム)、アゾアミジン化合物(例、2,2’
−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩)、
環状アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス〔2
−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン塩酸塩)、アゾアミド化合物(例、2,2’−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド)が
含まれる。無機過酸化物が好ましく、過硫酸カリウムお
よび過硫酸アンモニウムが特に好ましい。分散重合法に
使用する熱重合開始剤の例には、アゾ化合物(例、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ
メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)および有
機過酸化物(例、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート)が含まれ
る。
【0031】分散重合法では、表面処理された微粒子に
ポリマー分散剤を加え、モノマーと重合開始剤を溶解
し、生成するポリマーは不溶である重合媒体中で重合反
応を実施することが好ましい。重合媒体の例には、水、
アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、2−メトキシ−1−プロパノー
ル、ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ネオ
ペンタノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2
−プロパノール)、メチルエチルケトン、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルが含まれる。水、
メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ま
しい。二種類以上の重合媒体を併用してもよい。乳化重
合法または分散重合法において、連鎖移動剤を使用して
もよい。連鎖移動剤の例には、ハロゲン化炭化水素
(例、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三
臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタ
ン、二塩化エタン)、炭化水素(例、ベンゼン、エチル
ベンゼン、イソプロピルベンゼン)、チオエーテル
(例、ジアゾチオエーテル)、メルカプタン(例、t−
ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘ
キサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタ
ン、チオグリセロール),ジスルフィド(例、ジイソプ
ロピルザントゲンジスルフィド)、チオグリコール酸お
よびその誘導体(例、チオグリコール酸、チオグリコー
ル酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸ブチル、チ
オグリコール酸メトキシブチル、トリメチロールプロパ
ントリス(チオグリコレート))が含まれる。低屈折率
層には二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよ
い。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子と
を併用してもよい。
【0032】(3)バインダー バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテ
ルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、
飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが
さらに好ましい。バインダーポリマーは架橋しているこ
とが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマ
ーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得る
ことが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得
るためには、2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモ
ノマーを用いることが好ましい。2つ以上のエチレン性
不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサン
ジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレー
ト、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリ
アクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体
(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸
−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニル
シクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルス
ルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリル
アミド)およびメタクリルアミドが含まれる。ポリエー
テルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化
合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0033】2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモ
ノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応に
より、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよ
い。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキ
シ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、
カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロ
ール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホ
ン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミ
ン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン
も、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用でき
る。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結
果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本
発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能
基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。バ
インダーポリマーの重合反応および架橋反応に使用する
重合開始剤は、(2)シェルポリマーの合成に用いる熱
重合開始剤よりも、光重合開始剤の方が好ましい。光重
合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾイン類、
ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール
類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合
物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、
ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香
族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセ
トフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェ
ノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピル
エーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベン
ゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4
−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェ
ノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン
オキシドが含まれる。
【0034】前記(2)のシェルポリマーと併用する場
合、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)は、
シェルポリマーのTgよりも低いことが好ましい。バイ
ンダーポリマーのTgとシェルポリマーのTgとの温度
差は、5℃以上であることが好ましく、20℃以上であ
ることがさらに好ましい。バインダーポリマーは、低屈
折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布
と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋
反応)により形成することが好ましい。低屈折率層の塗
布液に、少量のポリマー(例、ポリビニルアルコール、
ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセ
チルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、ア
ルキド樹脂)を添加してもよい。
【0035】[オーバーコート層]以下に本発明のオー
バーコート層に用いられるパーフルオロアルキルポリエ
ーテル側鎖を有する重合体について説明する。このよう
な側鎖にポリマ−鎖あるいはオリゴマ−鎖を有するグラ
フト重合体の合成法としては、マクロモノマ−を用いる
方法、および高分子反応により側鎖を導入す方法、の2
つが一般的であり、本発明においてもいずれの方法も用
いることが可能であるが、マクロモノマ−を用いる方法
の方が側鎖導入の確度が高く容易であり好ましい。特に
本発明のように側鎖含フッ素ポリマ−であり、特異な溶
解性を有する場合は高分子反応は困難な場合が多い。
【0036】本発明の重合体を得るのに好ましく用いら
れるマクロモノマ−について以下に説明する。このよう
なマクロモノマ−は下記一般式(1)で表される。 一般式(1)
【0037】
【化3】
【0038】一般式(1)において、RはHまたはCH
3 、Lは2価の連結基、XはHまたはアルキル基または
ハロゲン原子、nは整数をそれぞれ表す。Xで表される
アルキル基としては置換アルキル基でもよく、メチル
基、エチル基等が挙げられ、Xで表されるハロゲン原子
としてはフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。Xは好
ましくはフッ素原子である。nは1以上の整数を表す
が、滑り性、防汚性の観点から大きい方が好ましい。n
の好ましい範囲は10以上50以下、更に好ましくは1
4以上25以下である。上記2価の連結基Lは重合性ビ
ニル基とパーフルオロアルキルポリエーテル基を共有結
合で連結できる基であれば特に制限はないが、好ましく
は下記一般式(2)で表される。
【0039】一般式(2)
【0040】
【化4】
【0041】一般式(2)において、YはCOOまたは
CONHまたはフェニル基、Aは炭素数1〜10のアル
キレン基であり、分岐あるいは脂環構造を有してもよ
く、またOH基を有してもよい。ZはOまたはNHを表
す。上記のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、好ましく
はメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
【0042】上記2価の連結基Lの好ましい例を以下に
列挙するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化5】
【0044】マクロモノマ−はマクロマーとも称され、
すでに多くの研究が成されており、その詳細は、例えば
山下雄也;日本接着協会誌17巻371頁(1981
年)、川上雄資、山下雄也;化学37巻20頁(198
2年)、米国特許3,786,116号、同3,84
2,050号、Y.Yamashita et al;Macromolecules vo
l.13 P.216(1980年)、kawakami et al;Jou
rnal of Polymer Science,Polymer Letter Edition vo
l. 19 P. 629(1981年)、R.Asami et al;Pol
ymer Bulletin vol.2 P.713 (1980年)、kawakam
i et al; Polymer Journal vol.14 p.913(1982
年)、Mitadori,Tsuruta;Die Makromolecular Chemie v
ol.180 P.1877 (1979年)、M.Maeda et al;Die Ma
kromolecular Chemie Rapid Communication vol.2 P.53
7 (1981年),Percec et al;PolymerBulletin Vo
l.10 p.215(1983年)、山下雄也;マクロモノマー
の化学と工業、アイピーシー出版(1989年)などに
記載されている。
【0045】本発明のマクロモノマーの合成法として
は、例えば、合成あるいは市販の末端官能基化パーフル
オロアルキルポリエーテルを利用して末端に重合性官能
基を修飾させる方法がある。
【0046】末端官能基化パーフルオロアルキルポリエ
ーテルの合成法としては、例えば、ヘキサフルオロプロ
ペンオキシドをCF3COOF 、COF2などを開始剤として重合
して得られるパーフルオロアルキルポリエーテルの酸フ
ッ化物を相当するカルボン酸やアルコールなどに変換す
ることにより得られる。また、市販品としては、末端カ
ルボン酸パーフルオロアルキルポリエーテルがデュポン
社よりKrytoxの商標で市販されている。その構造を以下
に示した。
【0047】
【化6】
【0048】ここで、nは1以上の整数を表し、滑り
性、防汚性の観点から大きい方が好ましく、7以上が好
ましく、14以上がより好ましい。
【0049】該末端官能基化パーフルオロアルキルポリ
エーテルの末端官能基への重合性基修飾は縮合や付加な
ど普通に用いられる有機反応が利用できる。例えば、末
端官能基がカルボン酸の場合は、ヒドロキシ基、アミノ
基、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアナート基、
などとの反応が利用可能であり、これらの官能基と重合
性官能基を有する種々のモノマーが用いることができ
る。このようなモノマーとしては例えば、ヒドロキシ基
を有する2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、アミノ基を有する4−アミノメチルスチレン、4−
アミノスチレン、エポキシ基を有するグリシジルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、オキサゾリン基を
有する2−ビニル−2−オキサゾリン、イソシアナート
基を有する2−イソシアナートエチルメタクリレート、
などが使用可能である。同様にパーフルオロアルキルポ
リエーテル末端官能基がヒドロキシ基の場合は、例えば
酸ハロゲン化物、カルボキシル基、イソシアナート基な
どとの反応が利用可能であり、例えば酸ハロゲン化物と
して、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド、カ
ルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、2−
カルボキシエチルアクリレート、イソシアナート基を有
する2−イソシアナートエチルメタクリレート、などが
利用可能である。しかしながら本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0050】以下に本発明のパーフルオロアルキルポリ
エーテルマクロモノマーの具体例を示すが本発明はこれ
らに限定されるものではない。構造式中、nは数平均重
合度を示す。
【0051】
【化7】
【0052】
【化8】
【0053】本発明のパーフルオロアルキルポリエーテ
ル側鎖を有する重合体は該マクロモノマーの単独重合体
あるいは他のコモノマーとの共重合体として得られる。
滑り性および防汚性の点では該マクロモノマーの含量は
可能な限り大きいことが好ましいが、該マクロモノマー
の分子量が大きくなると相対的に重合性官能基含量が小
さくなり、また立体的にも不利になり、高重合度の共重
合体が得られにくくなるため、必要に応じて他のコモノ
マーを用いることが好ましい。該コモノマーとしてはフ
ッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーあるいはフッ
素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーのいずれも
用いることができるが、防汚性および屈折率の観点より
ポリマー中のフッ素原子の含有率は大きい方が好まし
く、そのため含フッ素モノマーを多く用いることが好ま
しい。
【0054】含フッ素モノマーの例としては、フルオロ
オレフィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオ
ライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジ
オキソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置
換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエス
テルなどが挙げられる。
【0055】フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モ
ノマーの例としては、オレフィン(例、エチレン、プロ
ピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、
アクリル酸エステル(例、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリ
ル酸エステル(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレンおよびその誘
導体(例、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例、メチ
ルビニルエーテル)、ビニルエステル(例、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルア
ミド(例、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミドおよびア
クリロニトリルなどが挙げられる。
【0056】上記コモノマーがさらに架橋性官能基を有
することも好ましい。架橋性基は、光(好ましくは紫外
線)の照射、電子ビーム(EB)照射あるいは加熱によ
り反応して該共重合体を架橋させる官能基であれば特に
制限はなく、例えば、アクリロイル、メタクリロイル、
イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリ
ン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシ
ル、メチロールおよび活性メチレン基などである。含フ
ッ素ポリマーの架橋反応(光照射、電子ビーム照射や加
熱)は、オーバーコート層の形成後に実施することが好
ましい。
【0057】また上記単官能モノマーに加え、多官能モ
ノマーも用いることができる。多官能モノマーは一分子
中に複数個の重合性官能基を有するものであれば特に制
限はなく、市販または合成のものを使用でき、例えば、
ジエン類(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アル
コールとアクリル酸とのエステル(例、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル
(例、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,
4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物
(例、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベン
ゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびビスメタク
リルアミド類、などが挙げられる。これら多官能モノマ
ーは重合体の分子運動を制限し、低屈折率層の空隙への
侵入を防止する効果があるが、過剰に用いると成膜性が
悪化するため、含量は15重量%以下が好ましく、10
重量%以下がより好ましい。
【0058】上記のマクロモノマーおよびコモノマーの
重合は、溶液重合、乳化重合、分散重合、懸濁重合、な
ど通常の重合反応により行うことができる。しかしなが
ら塗布成分が低屈折率層空隙へ侵入するのを防止するた
めには該共重合体は粒子の形態で塗布されることが好ま
しく、塗布液調整の容易さの点で乳化重合または分散重
合が好ましく、乳化重合が特に好ましい。該共重合体を
微粒子として使用する場合は、前述したように微粒子の
粒径を20nm以上とすることが好ましい。粒径は、20
乃至60nmであることがさらに好ましく、25乃至40
nmであることが最も好ましい。
【0059】乳化重合法は、例えば、水あるいは水と水
に混和しうる有機溶媒(例えばメタノール、エタノー
ル、アセトンなど)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒
に対して5〜40重量%のモノマー混合物と、モノマー
に対して0.05〜5重量%の重合開始剤、0.1〜2
0重量%の分散剤を用い、30〜100℃程度、好まし
くは60〜90℃で3〜8時間、攪拌下重合させること
により行われる。分散媒、モノマーの濃度、開始剤量、
分散剤量、反応温度、時間などの条件は目的とする粒子
の平均粒径などを考慮し、適宜設定すればよい。
【0060】開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の無機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸
のナトリウム塩等のアゾニトリル化合物、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩等のアゾ
アミジン化合物、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチ
ル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩等
の環状アゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス{2−
メチル−N−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)−
2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾア
ミド化合物が挙げられる。この中でも過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウムが好ましい。
【0061】分散剤としてはアニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくはア
ニオン性界面活性剤である。本発明においては含フッ素
モノマーを主成分として用いるため、界面活性剤の中で
も特に含フッ素界面活性剤が好ましい。含フッ素界面活
性剤では、疎水性部分を構成する炭化水素の水素原子の
一部または全部がフッ素原子により置換されている。
【0062】本発明のパーフルオロアルキルポリエーテ
ル側鎖を有する重合体の具体例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。式中モノマー含有
率は重量%で表される。また、nは数平均重合度を示
す。
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】オーバーコート層はパーフルオロアルキル
ポリエーテル側鎖を有する重合体を含む塗布液を、低屈
折率層の上に塗布して形成する。本発明では、オーバー
コート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合
を70体積%未満とする。オーバーコート層の材料が低
屈折率層の空隙を占有している割合は、50体積%未満
であることが好ましく、40体積%未満であることがよ
り好ましく、30体積%未満であることがさらに好まし
く、20体積%未満であることが最も好ましい。低屈折
率層の空隙を残してオーバーコート層を形成するために
は、様々な手段が採用できる。例えば、前述したように
低屈折率層の空隙を微粒子とバインダーポリマーで閉じ
た状態で形成すれば、オーバーコート層を塗布により形
成しても低屈折率層の空隙が残存する。また、オーバー
コート層の塗布液が低屈折率層の空隙に侵入しないよう
に塗布液の粘度を高くしてもよい。ただし、オーバーコ
ート層中の重合体を粒径が20nm以上の微粒子として、
微粒子により低屈折率層の空隙の開口を塞ぐ方法か、あ
るいはオーバーコート層の塗布量を、低屈折率層の空隙
の80体積%以下となるように調整する方法が実施が容
易で好ましい。オーバーコート層の塗布量は、前述した
ように、オーバーコート層の形成前の低屈折率層の空隙
の80体積%以下に調整することが好ましい。オーバー
コート層の塗布量は、オーバーコート層の形成前の低屈
折率層の空隙の70体積%以下であることがさらに好ま
しく、60体積%以下であることが最も好ましい。オー
バーコート層の塗布量は、一般に2mg/m2以上である。
オーバーコート層の厚さは、20nm以下であることが好
ましく、2乃至20nmであることがより好ましく、3乃
至20nmであることがさらに好ましく、5乃至10nmで
あることが最も好ましい。
【0068】〔反射防止膜〕反射防止膜には、以上述べ
た以外の層を設けてもよい。例えば、透明支持体の上に
は、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑
り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁
波や赤外線を遮蔽するために設けられる。反射防止膜
は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していても
よい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を
形成することにより得られる。反射防止膜のヘイズは、
3乃至30%であることが好ましく、5呈し20%であ
ることがさらに好ましく、7乃至20%であることが最
も好ましい。反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、
プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置
(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止
膜の透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着す
る。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】(パーフルオロアルキルポリエーテルマク
ロモノマーM1の合成)冷却管と攪拌装置を取り付けた
500ml三ツ口フラスコに、4−ジメチルアミノピリジ
ン0.24g(2mmol)、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド15g(72mmol)、塩化メチレン25
0ml、末端カルボン酸パーフルオロアルキルポリエーテ
ル(Krytox157FSL、デュポン社製、重量平均分子量約2
500)100g(COOH基36mmol)、をこの順に加
え、室温で5分間攪拌して懸濁させた。この液に2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート9.4g(72mmol)を
加え、室温で3日間攪拌して懸濁させた。この液に0.
5N塩酸水を加え、30分間攪拌して懸濁させた。反応
溶液からパーフルオロアルカン溶媒(n-C6F14)を用いて
生成物を抽出し、濾過した後、減圧乾燥することにより
無色透明オイル状のパーフルオロアルキルポリエーテル
マクロモノマーM1を97.6g得た(収率93.8
%)。
【0071】(パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖
を有する重合体P1の合成)冷却管と攪拌装置を取り付
けた500ml三ツ口フラスコに、含フッソ素界面活性剤
としてナトリウム−4−〔ω−(N−プロピル−N−ペ
ルフルオロオクチルスルホニルアミノ)ポリオシキエチ
レン〕ブタンスルホナート5gを蒸留水250ml、エタ
ノール80ml、に溶解した溶液を入れ、次いでパーフル
オロアルキルポリエーテルマクロモノマーM1を6gと
1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレ
ート24gの混合溶液を加え、窒素気流下で200rpm
の速度で攪拌した。この反応溶液を75℃に加熱し、過
硫酸カリウム0.5gを蒸留水20mlに溶解した溶液を
添加して2時間重合させた。さらに過硫酸カリウム0.
5gを蒸留水20mlに溶解した溶液を添加して2時間重
合させた。この反応溶液を室温まで冷却し、分画分子量
1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤
や無機塩類を除去した後、濾過にて不溶分を除去して微
乳濁白色の分散液698gを得た。この分散液は不揮発
分4.0重量%を含む平均粒子径36nmの微細ラテック
ス液であった。粒子サイズはコールター社粒子測定装置
N4を用いて動的光散乱法により評価した。本発明に用
いるその他のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を
有する重合体も上記と同じまたはこれに準じた方法で合
成を行った。上記方法で合成した本発明の重合体を表1
に示す。
【0072】
【表1】
【0073】また比較用化合物も上記合成法と同じまた
はこれに準じた方法で合成した。比較用重合体を表2に
示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【化13】
【0076】[実施例1] (ハードコート層用塗布液の調製)ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー
(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)12
5gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、
チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュ
アーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gの
メチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を
攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター
で濾過してハードコート層の塗布液を調製した。
【0077】(二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタ
ン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.7
0)30重量部、アニオン性ジアクリレートモノマー
(PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオ
ン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)
製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重
量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタ
ン分散物を調製した。
【0078】(中屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0
gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDE
TX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さら
に、上記の二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化
薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
て、中屈折率層用塗布液を調製した。
【0079】(高屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン1152.8gおよびメチルエチルケトン37.
2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイ
ギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーD
ETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さ
らに、上記の二酸化チタン分散物13.13gおよびジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、
日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間
攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター
で濾過して、高屈折率層用塗布液を調製した。
【0080】(低屈折率層用塗布液の調製)平均粒径が
15nmのシリカ微粒子のメタノール分散液(メタノー
ルシリカゾル、日産化学(株)製)200gに、シラン
カップリング剤(KBM−503、信越シリコーン
(株)製)3gおよび1N塩酸2gを加え、室温で5時
間攪拌した後、3日間放置して、シランカップリング処
理したシリカ微粒子分散液を調製した。上記分散液3
5.04gに、イソプロピルアルコール58.35gお
よびジアセトンアルコール39.34gを加えた。光重
合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
1.02gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日
本化薬(株)製)0.51gをイソプロピルアルコール
772.85gに溶解し、さらにジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)
25.6gを加えて溶解した。得られた溶液67.23
gを、上記分散液、イソプロピルアルコールおよびジア
セトンアルコールの混合液に添加した。混合物を20分
間室温で各何下後、孔径1μmのポリプロピレン製フィ
ルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0081】(オーバーコート層用塗布液の調製)本発
明のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重
合体P1に蒸留水を加えて、0.6重量%の該重合体分
散液を調製し、オーバーコート層用塗布液とした。
【0082】(反射防止膜AR1の作成)80μmの厚
さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD8
0U、富士写真フイルム(株)製)上に、ゼラチン下塗
り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、上記のハード
コート層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、1
20℃で乾燥した後、紫外線を照射して、塗布層を硬化
させ、厚さ7.5μmのハードコート層を形成した。ハ
ードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコ
ーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線
を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率:
1.72、厚さ:0.081μm)を形成した。中屈折
率層の上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを
用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射し
て塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率:1.92、
厚さ:0.053μm)を形成した。高屈折率層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層
を硬化させ、低屈折率層(屈折率:1.40、厚さ:
0.072μm)を形成した。形成した低屈折率層の空
隙率は、16体積%であった。低屈折率層の上に、上記
オーバーコート層用塗布液を#3のワイヤーバーを用い
て塗布し、120℃で1時間乾燥して、反射防止膜AR
1を作成した。
【0083】(反射防止膜の評価)得られた反射防止膜
AR1について、以下の項目の評価を行った。結果は表
3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】(1)平均反射率 分光光度径(日本分光(株)製)を用いて、380〜7
80nmの波長領域において、入射角5゜における分光
反射率を測定した。反射防止性能は広い波長領域におい
て反射率が小さいほど良好であるため、測定結果から4
50〜650nmにおける平均反射率を求めた。
【0086】(2)表面接触角 反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時
間調湿した後、水に対する接触角を測定した。 (3)指紋付着性 反射防止膜表面に指紋を付着させて、それをクリーニン
グクロスで拭き取った時の状態を観察して、以下の3段
階で評価した。 A:指紋が完全に拭き取れた B:指紋の一部が拭き取れずに残った C:指紋のほとんどが拭き取れずに残った
【0087】(4)耐傷性 反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時
間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用
鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬
度評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認められ
ない硬度を測定した。 (5)動摩擦係数 反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時
間調湿した後、動摩擦測定機(HEIDON−14)
で、直径5mmのステンレス剛球を用い、荷重100
g、速度60cm/分にて測定した。実施例1における
オーバーコート層用塗布液の調製に用いる重合体をそれ
ぞれP2〜P20に変更する以外は同様にして反射防止
膜AR2〜AR20を作成し、評価を行った。結果は表
3に示す。
【0088】また実施例1におけるオ−バ−コ−ト層塗
布液の調製に用いる重合体をP1とし、低屈折率用塗布
液中のジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−トとジ
ペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−トの混合物(D
PHA)の量を12.8gおよび38.4gに変更する
以外は同様にして、それぞれ空隙率32体積%および8
体積%の反射防止膜AR21およびAR22を作成し、
評価を行った。結果を表3に示す。 [比較例]実施例1におけるオーバーコート層用塗布液
の調製に用いる重合体をそれぞれ表3に示す素材に変更
する以外は同様にして比較用反射防止膜AR23〜AR
27を作成し、評価を行った。ただし、AR26、AR
27においては塗布溶媒としてパ−フルオロアルカン
(C6F14)を用いた。結果は表3に示す。
【0089】実施例から明らかなように、本発明の反射
防止膜は低い反射率を維持しながら防汚性、膜強度、特
に滑り性に優れていることがわかる。 [実施例2]実施例1で作成した反射防止膜を日本電気
株式会社より入手したパ−ソナルコンピ−タ−PC98
21Ns/340Wの液晶ディスプレイ表面に張り付
け、表示装置サンプルを作成した。実用的評価を行った
ところ、本発明の反射防止膜を設置した表示装置は周囲
の風景映り込みがなく快適な視認性を示し、かつ、汚れ
の拭き取りが容易、傷がつかない、など取り扱い性にも
優れていた。
【0090】
【発明の効果】本発明では、低屈折率層の上にパーフル
オロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体から成る
オーバーコート層を塗設することにより、防汚性、耐傷
性、特に滑り性に優れた反射防止膜が得られる。また、
本発明のオーバーコート層は空隙を有する低屈折率層の
上に塗設しても、空隙に侵入しにくいため、画像表示装
置の画像表示面における光の反射を有効に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 ハードコート層 3 低屈折率層 4 オーバーコート層 5 高屈折率層 6 中屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池山 昭弘 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA37X FD06 GA16 LA02 LA07 2K009 AA04 AA05 AA06 AA15 BB28 CC26 DD02 EE00 EE05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する
    低屈折率層が積層されている反射防止膜であって、低屈
    折率層の上にオーバーコート層がさらに積層されてお
    り、該オーバーコート層がパーフルオロアルキルポリエ
    ーテル側鎖を有する重合体を含むことを特徴とする反射
    防止膜。
  2. 【請求項2】 パーフルオロアルキルポリエーテル側鎖
    を有する重合体が一般式(1)で示されるビニル化合物
    の重合体であることを特徴とする請求項1記載の反射防
    止膜。一般式(1) 【化1】 一般式(1)において、RはHまたはCH3 、Lは2価
    の連結基、XはH、アルキル基またはハロゲン原子、n
    は整数をそれぞれ表す。
  3. 【請求項3】 一般式(1)においてnが10以上50
    以下であることを特徴とする請求項2記載の反射防止
    膜。
  4. 【請求項4】 該重合体が平均粒径20乃至100nm
    のポリマ−粒子であることを特徴とする請求項1〜3記
    載の反射防止膜。
  5. 【請求項5】 低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間ま
    たは微粒子内に空隙が形成されている請求項1〜4記載
    の反射防止膜。
  6. 【請求項6】 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を
    有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設
    けられている請求項1〜5記載の反射防止膜。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の反射防止膜を搭載し
    た画像表示装置。
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