JP4125823B2 - 反射防止膜および画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜および画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体、ハードコート層、および低屈折率層が、この順で積層されている反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。
反射防止膜としては、透明支持体上に金属酸化物の透明薄膜を積層させた反射防止膜が従来から用いられている。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法により形成できる。通常は、物理蒸着法の一種である真空蒸着法により形成している。金属酸化物の多層蒸着膜は、反射防止膜として優れた光学的性質を有している。反射防止膜を蒸着により形成する方法については、特開昭60−144702号、同61−245449号、同62−178901号および特開平9−197103号の各公報に記載がある。
【0003】
蒸着に代えて、塗布により反射防止膜を形成する方法が提案されている。塗布による方法は、光学的機能の観点では蒸着による方法よりも少し劣るが、製造が容易で生産性が高いとの特徴がある。塗布による方法では、透明支持体上に、光学的機能層(低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層)の成分を塗布して、反射防止膜を形成する。反射防止膜を塗布により形成する方法については、特公昭60−59250号、特開昭59−50401号、特開平2−245702号、同5−13021号、同8−110401号および同8−179123号の各公報に記載がある。
蒸着により光学的機能層を設ける方法でも、塗布により光学的機能層を設ける方法でも、光学的機能層を設ける前に透明支持体上にハードコート層を設けることが普通である。ハードコート層は、透明支持体の耐傷性を改善する機能を有する。そのため、ハードコート層は、架橋しているバインダーポリマーのような硬い材料を用いて形成することが普通である。バインダーポリマーは、ハードコート層を形成してから架橋させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者がハードコート層について研究したところ、バインダーポリマーが架橋反応において収縮し、ハードコート層にひび割れが生じていることが判明した。また、ハードコート層全体も収縮するため、反射防止膜が変形する問題も認められた。反射防止膜の変形は、反射防止膜を画像表示装置の画像表示面に取り付けて使用する場合に特に深刻な問題となる。
本発明の目的は、バインダーポリマーが架橋していてもハードコート層の収縮が抑制されている反射防止膜を提供することである。
また、本発明の目的は、ハードコート層の強度を低下させることなく、反射防止膜の変形を防止することでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(5)の反射防止膜および下記(6)の画像表示装置により達成された。
(1)透明支持体、ハードコート層、および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順で積層されている反射防止膜であって、ハードコート層がエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子と、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群より選ばれる多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルからなるエチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーから合成された架橋しているバインダーポリマーとを含み、シランカップリング剤が架橋しているバインダーポリマーとエチレン性不飽和基の反応により化学的に結合していることを特徴とする反射防止膜
(2)表面処理に使用するシランカップリング剤が下記式(Ia)または(Id)で表される化合物である(1)に記載の反射防止膜。
【0006】
【化3】
Figure 0004125823
【0007】
【化4】
Figure 0004125823
【0008】
式(Ia)および(Id)において、R 、R 、R およびR は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃至4のアルキル基または炭素原子数が2乃至4のアルコキシアルキル基であり、R 7 は水素原子または炭素原子数が1乃至4のアルキル基であり;nは、2または3であり;そしてpは、2または3である。
【0009】
(3)ハードコート層が、1乃至15μmの厚さを有する(1)に記載の反射防止膜。
(4)透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が、ハードコート層と低屈折率層との間に設けられている(1)に記載の反射防止膜。
(5)透明支持体の屈折率よりも高く高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有する中屈折率層が、ハードコート層と高屈折率層との間に設けられている(4)に記載の反射防止膜。
【0010】
(6)画像表示面上に、透明支持体、ハードコート層、および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順で積層されている画像表示装置であって、ハードコート層がエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子と、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群より選ばれる多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルからなるエチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーから合成された架橋しているバインダーポリマーとを含み、シランカップリング剤が架橋しているバインダーポリマーとエチレン性不飽和基の反応により化学的に結合していることを特徴とする画像表示装置。
【0011】
【発明の効果】
無機微粒子をハードコート層に添加することで、架橋反応によるハードコート層の収縮が抑制され、反射防止膜の変形も防止できる。ただし、無機微粒子はバインダーポリマーとの親和性が低いため、無機微粒子のまま添加したのでは、ハードコート層の強度が低下し、透明支持体の耐傷性を改善するハードコート層の機能が不充分になる。そこで、無機微粒子をシランカップリング剤で表面処理することにより、無機微粒子とバインダーポリマーとの親和性を改善する。なお、シランカップリング剤を使用してもハードコート層の強度が低下する問題が認められる場合は、シランカップリング剤と架橋しているバインダーポリマーとを化学的に結合させることで問題を完全に解消することができる。
以上の結果、本発明では、ハードコート層の強度を低下させることなく、反射防止膜の変形が防止されている。このような反射防止膜を用いることで、画像表示装置の画像表示面における光の反射を有効に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜の基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
図1は、反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図である。
図1の(a)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層(2)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率
図1の(b)に示す態様は、透明支持
体(1)、ハードコート層(2)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、高屈折率層(5)および低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層の屈折率
図1の(c)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層(2)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)および低屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈折率<高屈折率層の屈折率
【0013】
[透明支持体]
透明支持体としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムを形成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましい。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
【0014】
[ハードコート層]
ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与する機能を有する。
ハードコート層は、架橋しているポリマーを含む。架橋しているポリマーを含むハードコート層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。官能基としては、エチレン性不飽和基が好ましい。
多官能モノマーは、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであることが好ましい。本発明では、多価アルコールとして、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールを用いることができる。トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびポリウレタンポリオールが好ましい。二種類以上の多官能モノマーを併用してもよい。
ハードコート層には、無機微粒子を添加する。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリンおよび硫酸カルシウム粒子が含まれる。二酸化ケイ素粒子(コロイド状シリカ)が特に好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、1乃至2000nmであることが好ましく、2乃至1000nmであることがより好ましく、5乃至500nmであることがさらに好ましく、10乃至200nmであることが最も好ましい。
無機微粒子の添加量は、ハードコート層の全量の1乃至99重量%であることが好ましく、10乃至90重量%であることがより好ましく、20乃至80重量%であることがさらに好ましく、40乃至60重量%であることが最も好ましい。
【0015】
無機微粒子は、シランカップリング剤で表面処理する。シランカップリング剤は、架橋しているバインダーポリマーと化学的に結合させることが好ましい。化学的結合の形成は、バインダーポリマーの重合性基または架橋性基と同じ種類の官能基をシランカップリング剤に導入して、バインダーポリマーの重合反応または架橋反応において、バインダーポリマーの一部とシランカップリング剤とを反応させる方法が最も容易で好ましい。本発明ではエチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーからバインダーポリマーを合成するため、シランカップリング剤もエチレン性不飽和基を有している。
好ましいシランカップリング剤は、下記式(Ia)または(Id)で表される化合物である。
【0016】
【化5】
Figure 0004125823
【0017】
【化6】
Figure 0004125823
【0018】
式(Ia)および(Id)において、R 、R 、R およびR は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃至4のアルキル基(例、メチル、エチル)または炭素原子数が2乃至4のアルコキシアルキル基(例、メトキシエチル)である。アルコキシアルキル基よりもアルキル基の方が好ましい。アルキル基およびアルコキシアルキル基のアルキル部分は、環状構造よりも鎖状構造を有していることが好ましい。鎖状構造は、直鎖でも分岐を有していてもよい。
【0019】
式(Id)において、R 7 は水素原子または炭素原子数が1乃至4のアルキル基(例、メチル、エチル)である。水素原子またはメチルであることが好ましく、メチルであることが特に好ましい。
式(Id)において、nは2または3である。
式(Id)において、pは2または3である。
【0020】
チレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーからバインダーポリマーを合成するため、エチレン性不飽和基を有する式(Ia)または(Id)で表されるシランカップリング剤を用いる。
シランカップリング剤の例を以下に示す。
【0021】
【化7】
Figure 0004125823
【0022】
【化8】
Figure 0004125823
【0023】
【化9】
Figure 0004125823
【0024】
【化10】
Figure 0004125823
【0025】
架橋しているバインダーポリマーの合成反応(多官能モノマーの重合反応)には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン類が含まれる。光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンが含まれる。
【0026】
光重合開始剤は、多官能モノマー100重量部に対して、0.1乃至15重量部の範囲で使用することが好ましく、1乃至10重量部の範囲で使用することがさらに好ましい。 光重合反応は、ハードコート層の塗布および乾燥後、紫外線照射により実施することが好ましい。
【0027】
ハードコート層またはその塗布液には、さらに、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤や改質用樹脂を添加してもよい。
ハードコート層の塗布液は、有機溶媒を媒体として用いて調製することが好ましい。有機溶媒の例には、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
ハードコート層の厚さは、1乃至15μmであることが好ましい。
【0028】
[高屈折率層および中屈折率層]
図1の(b)に示すように、ハードコート層と低屈折率層との間に、高屈折率層を設けてもよい。また、図1の(c)に示すように、ハードコート層と高屈折率層との間に中屈折率層を設けてもよい。
高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.70であることが好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmであることが好ましく、10nm乃至10μmであることがさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層は、無機微粒子とポリマーとを含むことが好ましい。
【0029】
高屈折率層および中屈折率層に用いる無機微粒子は、屈折率が1.80乃至2.80であることが好ましく、1.90乃至2.80であることがさらに好ましい。
無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1乃至150nmであることが好ましく、1乃至100nmであることがさらに好ましく、1乃至80nmであることが最も好ましい。
塗布層中の無機微粒子の重量平均径は、1乃至200nmであるることが好ましく、5乃至150nmであることがより好ましく、10乃至100nmであることがさらに好ましく、10乃至80nmであることが最も好ましい。
無機微粒子の比表面積は、10乃至400m2 /gであることが好ましく、20乃至200m2 /gであることがさらに好ましく、30乃至150m2 /gであることが最も好ましい。
【0030】
無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例には、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSが含まれる。
無機微粒子を表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合物の例には、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムおよび酸化鉄が含まれる。アルミナおよびシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表面処理を組み合わせて実施してもよい。以上を組み合わせて処理されていても構わない。
無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。
二種類以上の無機微粒子を高屈折率層および中屈折率層内で併用してもよい。
【0031】
高屈折率層および中屈折率層中の無機微粒子の割合は、5乃至65体積%である。無機微粒子の割合は、10乃至60体積%であることが好ましく、20乃至55体積%であることがさらに好ましい。
無機微粒子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形成に使用する。高屈折率層および中屈折率層の無機微粒子の分散媒体は、沸点が60乃至170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが特に好ましい。
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散基の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0032】
中屈折率層および高屈折率層には、比較的屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0033】
[低屈折率層]
低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30乃至1.55であることがさらに好ましい。
低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、50乃至200nmであることがさらに好ましい。
低屈折率層は、3乃至50体積%の空隙率を有することが好ましく、5乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好ましい。低屈折率層の空隙は、微粒子を用いて微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして形成することができる。微粒子の平均粒径は、0.5乃至200mmであることが好ましく、1乃至100nmであることがより好ましく、3乃至70nmであることがさらに好ましく、5乃至40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
無機微粒子あるいは有機微粒子を低屈折率層に用いることができる。
【0034】
無機微粒子は、非晶質であることが好ましい。
無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。
特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
【0035】
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。
ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。
ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
【0036】
有機微粒子も、非晶質であることが好ましい。
有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35乃至80重量%であることが好ましく、45乃至75重量%であることがさらに好ましい。
含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例には、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビニルエーテル類が含まれる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例には、オレフィン類(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン類(例、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミド類(例、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類およびアクリルニトリル類が含まれる。
【0037】
有機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させることにより形成することができる。ポリマーを架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。粒子を形成するポリマーを架橋させるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの20モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。多官能モノマーの割合は、30乃至80モル%であることがさらに好ましく、35乃至50モル%であることが最も好ましい。
多官能モノマーの例には、ジエン類(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアクリルアミド)およびビスメタクリルアミド類が含まれる。
【0038】
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。なお、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。実際の低屈折率層では、微粒子の粒径の分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙率は上記の理論値からかなり変動する。
空隙率を増加させると、低屈折率層の屈折率が低下する。微粒子を積み重ねてミクロボイドを形成と、微粒子の粒径を調整することで、粒子間ミクロボイドの大きさも適度の(光を散乱せず、低屈折率層の強度に問題が生じない)値に容易に調節できる。さらに、微粒子の粒径を均一にすることで、粒子間ミクロボイドの大きさも均一である光学的に均一な低屈折率層を得ることができる。これにより、低屈折率層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、光学的あるいは巨視的には均一な膜にすることができる。
【0039】
ミクロボイドを形成することにより、低屈折率層の巨視的屈折率は、低屈折率層を構成する成分の屈折率の和よりも低い値になる。層の屈折率は、層の構成要素の体積当りの屈折率の和になる。微粒子やポリマーのような低屈折率層の構成成分の屈折率は1よりも大きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00である。そのため、ミクロボイドを形成することによって、屈折率が非常に低い低屈折率層を得ることができる。
粒子間ミクロボイドは、微粒子およびポリマーによって低屈折率層内で閉じていることが好ましい。閉じている空隙には、低屈折率層表面に開かれた開口と比較して、低屈折率層表面での光の散乱が少ないとの利点がある。
【0040】
低屈折率層は、5乃至50重量%の量のポリマーを含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持できるように調整する。ポリマーの量は、低屈折率層の全量の10乃至30重量%であることが好ましい。
ポリマーで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ましい。
(1)の表面処理剤に結合させるポリマーは、(2)のシェルポリマーまたは(3)のバインダーポリマーであることが好ましい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布液の調製前に、微粒子の周囲に重合反応により形成することが好ましい。(3)のポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。(1)〜(3)を二種類または三種類組み合わせて、実施することが好ましく、(1)と(3)の二種類の組み合わせ、または(1)〜(3)の三種類の組み合わせで実施することが特に好ましい。
(1)表面処理、(2)シェルおよび(3)バインダーについて、順次説明する。
【0041】
(1)表面処理
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、ポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。
シランカップリング剤の例には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec-ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)およびその加水分解物が含まれる。
カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
【0042】
(2)シェル
シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。
シェルポリマーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるため、シェルポリマーは35乃至80重量%のフッ素原子を含むことが好ましく、45乃至75重量%のフッ素原子を含むことがさらに好ましい。
フッ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレフィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが含まれる。
【0043】
シェルを形成するポリマーは、フッ素原子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単位からなるコポリマーであってもよい。
フッ素原子を含まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの例には、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが含まれる。
【0044】
後述する(3)のバインダーポリマーを併用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入して、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋により化学的に結合させてもよい。
シェルポリマーは、結晶性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。ただし、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されない(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バインダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成することが望ましい。
微粒子の周囲にポリマーシェルを形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微粒子中に無機微粒子からなるコアが5乃至90体積%含まれていることが好ましく、15乃至80体積%含まれていることがさらに好ましい。
ポリマーシェルは、ラジカル重合法により形成することが好ましい。ラジカル重合法については、大津隆行・木下雅悦共著、高分子合成の実験法、化学同人(1972)および大津隆行、講座重合反応論1ラジカル重合(I)、化学同人(1971)に記載がある。ラジカル重合法は、具体的には、乳化重合法または分散重合により実施することが好ましい。乳化重合については、室井宗一、高分子ラテックスの化学、高分子刊行会(1970)に記載がある。分散重合法については、Barrett, Keih E.J.、Dispersion Polymerization in Organic Media、JOHN WILLEY & SONS(1975)に記載がある。
【0045】
乳化重合法に使用する熱重合開始剤の例には、無機過酸化物(例、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、アゾニトリル化合物(例、アゾビスシアノ吉草酸ナトリウム)、アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩)、環状アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩)、アゾアミド化合物(例、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド)が含まれる。無機過酸化物が好ましく、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
分散重合法に使用する熱重合開始剤の例には、アゾ化合物(例、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)および有機過酸化物(例、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート)が含まれる。
【0046】
分散重合法では、表面処理された微粒子にポリマー分散剤を加え、モノマーと重合開始剤を溶解し、生成するポリマーは不溶である重合媒体中で重合反応を実施することが好ましい。
重合媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ネオペンタノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール)、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルが含まれる。水、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。二種類以上の重合媒体を併用してもよい。
乳化重合法または分散重合法において、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の例には、ハロゲン化炭化水素(例、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、二塩化エタン)、炭化水素(例、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン)、チオエーテル(例、ジアゾチオエーテル)、メルカプタン(例、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、チオグリセロール),ジスルフィド(例、ジイソプロピルザントゲンジスルフィド)、チオグリコール酸およびその誘導体(例、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート))が含まれる。
二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよい。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子とを併用してもよい。
【0047】
(3)バインダー
バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0048】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。
また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
バインダーポリマーの重合反応および架橋反応に使用する重合開始剤は、(2)シェルポリマーの合成に用いる熱重合開始剤よりも、光重合開始剤の方が好ましい。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
【0049】
前記(2)のシェルポリマーと併用する場合、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)は、シェルポリマーのTgよりも低いことが好ましい。バインダーポリマーのTgとシェルポリマーのTgとの温度差は、5℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。
バインダーポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。
低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0050】
[反射防止膜]
反射防止膜には、以上述べた以外の層を設けてもよい。例えば、透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。
低屈折率層の上にオーバーコート層を設けてもよい。オーバーコート層は、含フッ素化合物を含むことが好ましい。
反射防止膜のヘイズは、3乃至30%であることが好ましく、5乃至20%であることがさらに好ましく、7乃至20%であることが最も好ましい。
反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜の透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
【0051】
【実施例】
[実施例1]
(シリカ微粒子の表面処理)
平均粒径が15nmのシリカ微粒子の40重量%メタノール分散液200gを、攪拌装置、温度計および還流冷却管を装着した500mlのガラス製三口フラスコに入れた。ここに2N塩酸0.2gを加え、窒素気流下で60℃に昇温した後、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(I−6)10gを添加し、4時間攪拌を続け、シリカ微粒子を表面処理した。
【0052】
(ハードコート層用塗布液の調製)
表面処理したシリカ微粒子の43重量%メタノール分散液116gに、メタノール97g、イソプロパノール163gおよび酢酸ブチル163gを加えた。混合液に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)200gを加えて溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを4加えて溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液を調製した。
【0053】
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30重量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
【0054】
(中屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、中屈折率層用塗布液を調製した。
【0055】
(高屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン1152.8gおよびメチルエチルケトン37.2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物13.13gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、高屈折率層用塗布液を調製した。
【0056】
(低屈折率層用塗布液の調製)
平均粒径が15nmのシリカ微粒子のメタノール分散液(メタノールシリカゾル、日産化学(株)製)200gに、シランカップリング剤(KBM−503、信越シリコーン(株)製)3gおよび1N塩酸2gを加え、室温で5時間攪拌した後、3日間放置して、シランカップリング処理したシリカ微粒子分散液を調製した。
上記分散液35.04gに、イソプロピルアルコール58.35gおよびジアセトンアルコール39.34gを加えた。光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)1.02gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.51gをイソプロピルアルコール772.85gに溶解し、さらにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6gを加えて溶解した。得られた溶液67.23gを、上記分散液、イソプロピルアルコールおよびジアセトンアルコールの混合液に添加した。混合物を20分間室温で各何下後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0057】
(オーバーコート層用塗布液の調製)
熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成ゴム(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、0.6重量%の粗分散液を調製した。粗分散液を、超音波で細分散し、オーバーコート層用塗布液を調製した。
【0058】
(反射防止膜の作成)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)上に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、上記のハードコート層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、厚さ9.0μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率:1.72、厚さ:0.081μm)を形成した。
中屈折率層の上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率:1.92、厚さ:0.053μm)を形成した。
高屈折率層の上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率層(屈折率:1.40、厚さ:0.072μm)を形成した。形成した低屈折率層の空隙率は、16体積%であった。
低屈折率層の上に、上記オーバーコート層用塗布液を#3のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1時間乾燥して、反射防止膜を作成した。
【0059】
(反射防止膜の評価)
得られた反射防止膜について、以下の項目の評価を行った。結果は第1表に示す。
【0060】
(1)耐傷性
反射防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認められない硬度を測定した。
【0061】
(2)カール値
反射防止膜を35mm×3mmのサンプルに切り取り、F式カール値読み取り板にはさみ、温度25℃、相対湿度60%の条件で30分間調湿した後、カール値を読みとった。
【0062】
[実施例2]
シリカ微粒子の表面処理において、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(I−6)10gに代えて、ビニルトリエトキシシラン(I−2)10gを使用した以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第1表に示す。
【0063】
[実施例3]
実施例1で表面処理したシリカ微粒子の43重量%メタノール分散液233gに、メタノール30g、イソプロパノール163gおよび酢酸ブチル163gを加えた。混合液に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)150gを加えて溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを4加えて溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液を調製した。
以上のように調製したハードコート層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第1表に示す。
【0064】
[実施例4]
シリカ微粒子の表面処理において、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(I−6)10gに代えて、ビニルトリエトキシシラン(I−2)10gを使用した以外は、実施例2と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第1表に示す。
【0065】
[比較例1]
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)125gを、450gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを47.5gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層の塗布液を調製した。
以上のように調製したハードコート層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第1表に示す。
【0066】
[比較例2]
平均粒径が15nmのシリカ微粒子(表面処理なし)の40重量%メタノール分散液125gに、メタノール88g、イソプロパノール163gおよび酢酸ブチル163gを加えた。混合液に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)200gを加えて溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを4加えて溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液を調製した。
以上のように調製したハードコート層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果は第1表に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0004125823
【0068】
[実施例5〜8および比較例3〜4]
80μmの厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フイルムに代えて、175μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを透明支持体として使用した以外は、実施例1〜4および比較例1〜2と同様にして反射防止膜を作成して評価した。結果を第2表に示す。
【0069】
【表2】
Figure 0004125823

【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明支持体
2 ハードコート層
3 低屈折率層
4 オーバーコート層
5 高屈折率層
6 中屈折率層

Claims (6)

  1. 透明支持体、ハードコート層、および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順で積層されている反射防止膜であって、ハードコート層がエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子と、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群より選ばれる多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルからなるエチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーから合成された架橋しているバインダーポリマーとを含み、シランカップリング剤が架橋しているバインダーポリマーとエチレン性不飽和基の反応により化学的に結合していることを特徴とする反射防止膜。
  2. 表面処理に使用するシランカップリング剤が下記式(Ia)または(Id)で表される化合物である請求項1に記載の反射防止膜。
    Figure 0004125823
    Figure 0004125823
    式(Ia)および(Id)において、R 、R 、R およびR は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃至4のアルキル基または炭素原子数が2乃至4のアルコキシアルキル基であり、R 7 は水素原子または炭素原子数が1乃至4のアルキル基であり;nは、2または3であり;そしてpは、2または3である。
  3. ハードコート層が、1乃至15μmの厚さを有する請求項1に記載の反射防止膜。
  4. 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が、ハードコート層と低屈折率層との間に設けられている請求項1に記載の反射防止膜。
  5. 透明支持体の屈折率よりも高く高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有する中屈折率層が、ハードコート層と高屈折率層との間に設けられている請求項4に記載の反射防止膜。
  6. 画像表示面上に、透明支持体、ハードコート層、および透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順で積層されている画像表示装置であって、ハードコート層がエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子と、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群より選ばれる多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルからなるエチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーから合成された架橋しているバインダーポリマーとを含み、シランカップリング剤が架橋しているバインダーポリマーとエチレン性不飽和基の反応により化学的に結合していることを特徴とする画像表示装置
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