JP2008081743A - 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム - Google Patents

低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2008081743A
JP2008081743A JP2007268743A JP2007268743A JP2008081743A JP 2008081743 A JP2008081743 A JP 2008081743A JP 2007268743 A JP2007268743 A JP 2007268743A JP 2007268743 A JP2007268743 A JP 2007268743A JP 2008081743 A JP2008081743 A JP 2008081743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
low refractive
coating agent
meth
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007268743A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoya Ohira
知也 大衡
Koichi Ohata
浩一 大畑
Yoshimi Inaba
喜己 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2007268743A priority Critical patent/JP2008081743A/ja
Publication of JP2008081743A publication Critical patent/JP2008081743A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 屈折率が非常に低く、擦過などによる低屈折率層の表面に傷が付きにくく、低屈折率層の剥離がなく、また、低屈折率層の表面に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着することを防止し、付着しても容易に拭き取れるようにする低屈折率層を有する反射防止フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂と、平均粒径0.5〜200nmの中空微粒子から成ることを特徴とする低屈折率コーティング剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、低屈折率コーティング剤、およびこの低屈折率コーティング剤を透明基材上に設けたディスプレイ(液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の表示画面表面に適用される反射防止フィルムに関するものである。
多くのディスプレイは、室内外を問わず外光などが入射するような環境下で使用される。この外光などの入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下させ、表示画像を見にくくしている。
特に、最近のオフィスのOA化に伴い、コンピューターを使用する頻度が増し、ディスプレイと相対していることが長時間化した。これにより反射像等による表示品質の低下は、目の疲労など健康障害等を引き起こす要因とも考えられている。
更には、近年ではアウトドアライフの普及に伴い、各種ディスプレイを室外で使用する機会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上して表示画像を明確に認識できるような要求が出てきている。
これらの要求を満たす為の例として、透明プラスチックフィルム基材の表面に透明な微粒子を含むコーティング層を形成し、凹凸状の表面により外光を乱反射させることが知られている。
これとは別に、透明プラスチックフィルム基材の表面に、金属酸化物などから成る高屈折率層と低屈折率層を積層した、或いは無機化合物や有機フッ素化合物などの低屈折率層を単層で形成した可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有する反射防止フィルムをディスプレイ表面に張り合わせる等して利用することが知られている。
上記の金属化合物などから成る高屈折率層と低屈折率層を積層した、或いは無機化合物や有機フッ素化合物などの低屈折率層を単層で形成した反射防止層は、一般的に、PVD(Physical Vapor Deposition)法(真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等のドライコーティング法により形成される。このようなドライコーティング法は、基材の大きさが限定され、又、連続生産には適さなく、生産コストが高いという欠点が有る。
そこで、大面積化、及び連続生産が可能で有るために低コスト化が可能なウェットコーティング法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等)による反射防止フィルムの生産が注目されている。
ウェットコーティング法による低屈折率層を得る手段としては、1)屈折率の低いフッ素元素を含有する材料を用いる手法と、2)層中に空孔を設け、空気の混入により屈折率を低くする手法とに大別される。
上記の手法により、低屈折率層を構成する具体的な材料としては、フッ素含有有機材料、低屈折率の微粒子等が挙げられ、これらの材料を単独に、或いは組み合わせることが考案されている。
例えば、特許文献1には、フッ素含有有機材料を用いることが提案されている。特許文献2には、フッ素含有有機材料と低屈折率微粒子を用いることが提案されている。特許文献3には、フッ素含有有機材料とアルコキシシランを用いることが提案されている。特許文献4には、アルコキシシランと低屈折率微粒子を用いることが提案されている。
特開平2−19801号公報 特開平6−230201号公報 特開平7−331115号公報 特開平8−211202号公報
この反射防止フィルムの最外層に使用する低屈折率層は、屈折率が低いことはもちろん、擦過などによる傷が付きにくいことが必要である。また、人が使用するにあたって、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着することを防止し、また、付着しても容易に拭き取れるようにしなければならない。
しかし、従来技術においての低屈折率層は、屈折率、機械強度、防汚性の特性を全て満足することが出来ない。これらの特性を全て満たしていなければ、実用上、低屈折率層を有する反射防止フィルムに使用することは出来ない。
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、屈折率が非常に低く、擦過などによる低屈折率層の表面に傷が付きにくく、低屈折率層の剥離がなく、また、低屈折率層の表面に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着することを防止し、付着しても容易に拭き取れるようにする低屈折率層を有する反射防止フィルムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、少なくとも(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂と、平均粒径0.5〜200nmの中空微粒子から成ることを特徴とする低屈折率コーティング剤である。
請求項2の発明は、前記中空微粒子の添加量が前記樹脂に対して5〜250wt%であることを特徴とする請求項1記載の低屈折率コーティング剤である。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のコーティング剤によるコーティング膜の屈折率が、1.40〜1.33の範囲であることを特徴とする低屈折率
コーティング剤である。
請求項4の発明は、透明基材上に、請求項1ないし請求項3のいずれかの低屈折率コーティング剤を塗布し、低屈折率層を設けたことを特徴とする反射防止フィルムである。
請求項5の発明は、透明基材と低屈折率層との間にハードコート層を設けたことを特徴とする請求項4記載の反射防止フィルムである。
請求項6の発明は、前記ハードコート層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性モノマーを主成分とする重合体からなることを特徴とする請求項5記載の反射防止フィルムである。
請求項7の発明は、前記ハードコート層の低屈折率層を設ける面を表面処理したことを特徴とする請求項5または6記載の反射防止フィルムである。
請求項8の発明は、前記表面処理が、アルカリ処理であることを特徴とする請求項7記載の反射防止フィルムである。
本発明は、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも片面に、多官能性モノマーを主成分とする重合体からなるハードコート層を有したものに対し、アルカリ処理などの前処理を行い、その後、ハードコート層上に官能性アクリレート化合物組成物と中空微粒子を含む低屈折率コーティング剤からなる低屈折率層を形成していることから、屈折率が非常に低く、擦過などによる低屈折率層の表面に傷が付きにくく、低屈折率層の剥離がなく、また、低屈折率層の表面に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着することを防止し、付着しても容易に拭き取れるようにする低屈折率層を有する反射防止フィルムが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における低屈折率コーティング剤の前記活性エネルギー線硬化型樹脂としては特に制限はなく、従来公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。この活性エネルギー線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤等を含有するものである。前記光重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、光重合性モノマーとしては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に本発明では、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。
更に、光重合開始剤としては例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルフォスフィン等を混合して用いることができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線などが挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。
また、活性エネルギー線を照射する際、その雰囲気に限定されるものではなく、大気、窒素やアルゴンなどの不活性ガスなど様々な雰囲気下で照射することができる。
上記の活性エネルギー線硬化型樹脂から成るマトリックス中に、中空微粒子を添加することにより、低屈折率化が可能となる。前記中空微粒子は、シリカ、アルミナなどの無機微粒子、スチレン、アクリルなどの有機微粒子が挙げられるが、シリカ微粒子が特に好ましい。この中空微粒子は内部に空気を含有しているために、それ自身の屈折率は、通常の粒子と比較して低く、例としては、シリカ粒子(屈折率=1.46)に対して中空シリカ粒子(屈折率≦1.45)である。
また、中空微粒子をマトリックス中に添加した場合、この微粒子は中空であるために、マトリックスが微粒子内部に浸漬することが無く、屈折率の上昇を防ぐことが出来る。
中空微粒子の平均粒径は、0.5〜200nmの範囲内であれは良い。この平均粒径が200nmよりも大きくなると、低屈折率層の表面においてレイリー散乱によって光が散乱され、白っぽく見え、その透明性が低下する。また、この平均粒径が0.5nm未満であると、中空微粒子が凝集しやすくなってしまう。
前記低屈折率コーティング剤は、通常、揮発性溶媒に希釈して塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、組成物の安定性、ハードコート層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。
前記低屈折率コーティング剤は、ウェットコーティング法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等)により塗工される。
塗工後、加熱乾燥により塗膜中の溶媒を揮発させ、その後、加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等を行い塗膜を硬化させる。
本発明の低屈折率コーティング剤を用いて形成された低屈折率層の屈折率は、前記透明プラスチックフィルム基材、ハードコート層のいずれの屈折率よりも低い値であり、また、この低屈折率層の厚さ(d)は、低屈折率層の屈折率をn、光の波長をλとすると、nd=λ/4であることが好ましい。
また、前記低屈折率コーティング剤中には、平均粒径0.01〜3μmの無機或いは有機物微粒子を混合分散させることにより光拡散、帯電防止、紫外線吸収、可塑、滑剤、着色、酸化防止、難燃等の機能を付与することができる。例えば光拡散機能を持たせる場合、これらの微粒子は透明な低屈折率材料が好ましく、酸化珪素、フッ化マグネシウムが安定性、耐熱性等で好ましい。また、これらの微粒子を加える場合、中空微粒子との比重差で組成比が傾斜したものとなる。また、これらの微粒子は一部が低屈折率層から突出していても良い。
図1は、本発明の反射防止フィルムの一実施形態を示す断面図である。図に示すように、透明基材2上の少なくとも片面に、ハードコート層3、反射防止層4を形成した場合の反射防止フィルム1である。
透明基材2としては、特に限定するものではないが、種々の有機高分子からなる基材をあげることができる。通常、光学部材として使用される基材は、透明性、屈折率、分散などの光学特性、更には耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点から、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等)等、或いはこれらの有機高分子の共重合体などからなっている。
これらの透明プラスチックフィルム基材を構成する有機高分子に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させたものも使用することができる。
また、この透明プラスチックフィルム基材としては、単層、あるいは複数の有機高分子を積層したものでも良い。また、その厚みは、特に限定されるものではないが、40〜200μmが好ましい。
ハードコート層3は、透明プラスチック基材表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、透明プラスチックフィルム基材の屈曲による反射防止層のクラック発生を抑制することができ、反射防止フィルムの機械的強度が改善できる。ハードコート層は1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合物からなる。多官能性モノマーとしては、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2、3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1、2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1、2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3、8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1、4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、一種類のみを使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。ハードコート層は透明基材と屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましい。
また、前記ハードコート層中に平均粒径0.01〜3μmの無機或いは有機物微粒子を混合分散させ、表面形状を凹凸させることで一般的にアンチグレアと呼ばれる光拡散性処理を施すことが出来る。これらの微粒子は透明であれば特に限定されるものではないが、低屈折率材料が好ましく、酸化珪素、フッ化マグネシウムが安定性、耐熱性等で好ましい。膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、透明性、塗工精度、取り扱いから4〜7μmの範囲が好ましい。
また、前記ハードコート層中の微粒子には、さらに帯電防止、紫外線吸収、可塑、滑剤、着色、酸化防止、難燃等の機能を持たせても良いし、これらの機能を持つ微粒子をさらに加えてもよい。
反射防止層4は本発明の低屈折率コーティング剤による単層、あるいは屈折率の異なる多層の積層体であるものとする。屈折率の異なる層としては、本発明の体屈折率コーティング剤はもちろんのこと、MgF(屈折率:1.38)、Al(屈折率:1.62)、TiO(屈折率:2.3〜2.7)などの微粒子を分散した活性エネルギー線硬化型樹脂からなるものとする。しかしながら、これに限定されるものではない。層形成方法としては、前述のウェットコーティング法に加えて、一般的な薄膜形成方法である真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーディング法、電気めっき等の適宜な手段であってもよく、膜厚100nm程度のTiOの薄膜や金属蒸着膜により形成してもよい。反射防止層としては、単層では生産コストが低いという利点があり、多層では単層と比較して反射防止性能に優れるという利点がある。
ハードコート層上に本発明の低屈折率コーティング剤を単層で塗工する場合は、表面処理を行うことが必要である。表面処理を行うことにより、ハードコート層と低屈折率層との密着性を向上させることができる。
ハードコート層の表面処理としては、高周波放電プラズマ法、電子ビーム法、イオンビーム法、蒸着法、スパッタリング法、アルカリ処理法、酸処理法、コロナ処理法、大気圧グロー放電プラズマ法等を挙げることができる。特に、アルカリ処理が有効である。アルカリ処理法に使用するアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液、それらに更にアルコール等の各種有機溶媒を加えたアルカリ水溶液等を挙げることができる。アルカリ処理の条件は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合、0.1〜10Nの濃度の水溶液として使用することが望ましく、更には、1〜2Mの濃度が望ましい。
また、アルカリ水溶液の温度は、0〜100℃、好ましくは、20〜80℃である。アルカリ処理の時間は、0.01〜10時間、好ましくは0.1〜1時間である。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
透明基材2としてトリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm)を用いた。また、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いてハードコート層用の塗布液を調整した。
このハードコート層用塗布液をマイクログラビア法によりトリアセチルセルロースフィルム上に膜厚5μmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射することにより、ハードコート層3を形成した。
(表面処理)
上記のハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルムを、50℃に加熱した1.5N−NaOH水溶液に2分間浸漬しアルカリ処理を行い、水洗後、0.5wt%−HSO水溶液に室温で30秒間浸漬し中和させ、水洗、乾燥処理を行った。
(低屈折率層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートを90wt%、CH=CHCOOCH(CFHを10wt%で混合したマトリックスに対して、平均粒径60nmの中空シリカゾルを80wt%添加した低屈折率コーティング剤を作製した。上記表面処理を行ったハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルム上に、マイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から30秒間照射することにより低屈折率層4を形成した。
<実施例2>
(ハードコート層の形成)及び(表面処理)は実施例1と同様にして行った。
(低屈折率層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートを90wt%、CH=CHCOOCH(CFHを10wt%で混合したマトリックスに対して、平均粒径60nmの中空シリカゾルを150wt%添加した低屈折率コーティング剤を作製した。実施例1と同様の表面処理を行ったハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルム上に、マイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から30秒間照射することにより低屈折率層4を形成した。
<実施例3>
(ハードコート層の形成)及び(表面処理)は実施例1と同様にして行った。
(低屈折率層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートを90wt%、CH=CHCOOCH(CFHを10wt%で混合したマトリックスに対して、平均粒径100nmの中空シリカゾルを80wt%添加した低屈折率コーティング剤を作製した。実施例1と同様の表面処理を行ったハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルム上に、マイクログラビア法を用いてコーティング溶液を膜厚100nmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から30秒間照射することにより低屈折率層4を形成した。
<比較例1>
(ハードコート層の形成)及び(表面処理)は実施例1と同様にして行った。
(低屈折率層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートを95wt%に対して、CH=CHCOOCH(CFHを5wt%で混合した低屈折率コーティング剤を作製した。
実施例1と同一の表面処理を行ったハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルム上にマイクログラビア法を用いて低屈折率コーティング剤を膜厚100nmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から30秒間照射することにより、低屈折率層4を形成した。
<比較例2>
(ハードコート層の形成)及び(表面処理)は実施例1と同様にして行った。
(低屈折率層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートを70wt%に対して、CH=CHCOOCH(CFHを30wt%で混合した低屈折率コーティング剤を作製した。
実施例1と同一の表面処理を行ったハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルム上にマイクログラビア法を用いて低屈折率コーティング剤を膜厚100nmで塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から30秒間照射することにより、低屈折率層4を形成した。
上記の実施例、比較例において、各種物性評価方法を以下に示す。
<光学特性>
反射率測定:フィルム面をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、波長550nmの光の入射角5゜での片面の反射率を測定した。
<防汚性>
(接触角測定)
接触角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8μlの液滴を針先に作り、これを基材(固体)の表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義した。液体には蒸留水を使用した。
(油性ペンの拭き取り性)
基材表面に付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。
○:油性ペンを完全に拭き取ることが出来る。
△:油性ペンの拭き取り跡が残る。
×:油性ペンを拭き取ることが出来ない。
<指紋の拭き取り性>
基材表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。
○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。
△:指紋の拭き取り跡が残る。
×:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることが出来ない。
<機械強度>
(耐擦傷性)
基材表面をスチールウール〔ボンスター#0000:日本スチールウール(株)製〕により250g/cmで20回擦り、傷の有無の目視判定を行った(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
(密着性)
基材表面を1mm角100点カット後、粘着セロハンテープ〔ニチバン(株)製工業用24mm巾セロテープ(登録商標)〕による剥離の有無の目視判定を行った(クロスカットテープピール試験)。
<各種物性評価結果>
表1に実施例1〜3、比較例1の評価結果を示す。
Figure 2008081743
本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の低屈折率層の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 反射防止フィルム
2 透明基材
3 ハードコート層
4 反射防止層
5 マトリックス
6 中空微粒子

Claims (8)

  1. 少なくとも(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂と、平均粒径0.5〜200nmの中空微粒子から成ることを特徴とする低屈折率コーティング剤。
  2. 前記中空微粒子の添加量が前記樹脂に対して5〜250wt%であることを特徴とする請求項1記載の低屈折率コーティング剤。
  3. 請求項1または2に記載のコーティング剤によるコーティング膜の屈折率が、1.40〜1.33の範囲であることを特徴とする低屈折率コーティング剤。
  4. 透明基材上に、請求項1ないし請求項3のいずれかの低屈折率コーティング剤を塗布し、低屈折率層を設けたことを特徴とする反射防止フィルム。
  5. 透明基材と低屈折率層との間にハードコート層を設けたことを特徴とする請求項4記載の反射防止フィルム。
  6. 前記ハードコート層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性モノマーを主成分とする重合体からなることを特徴とする請求項5記載の反射防止フィルム。
  7. 前記ハードコート層の低屈折率層を設ける面を表面処理したことを特徴とする請求項5または6記載の反射防止フィルム。
  8. 前記表面処理が、アルカリ処理であることを特徴とする請求項7記載の反射防止フィルム。
JP2007268743A 2007-10-16 2007-10-16 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム Pending JP2008081743A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268743A JP2008081743A (ja) 2007-10-16 2007-10-16 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268743A JP2008081743A (ja) 2007-10-16 2007-10-16 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002099745A Division JP2003292831A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008081743A true JP2008081743A (ja) 2008-04-10

Family

ID=39352907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007268743A Pending JP2008081743A (ja) 2007-10-16 2007-10-16 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008081743A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014119042A1 (ja) * 2013-02-04 2017-01-26 積水化成品工業株式会社 樹脂粒子及びその用途
CN108424691A (zh) * 2018-02-28 2018-08-21 合肥乐凯科技产业有限公司 一种水性扩散膜涂料

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10142402A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびそれを配置した表示装置
JPH11174971A (ja) * 1997-12-15 1999-07-02 Nof Corp 反射防止ディスプレイ
JPH11326601A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置
JP2000009907A (ja) * 1998-06-18 2000-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2000009908A (ja) * 1998-06-18 2000-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2000275401A (ja) * 1999-03-19 2000-10-06 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびその製造方法
JP2001233611A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Catalysts & Chem Ind Co Ltd シリカ系微粒子、該微粒子分散液の製造方法、および被膜付基材
JP2001281405A (ja) * 2000-03-28 2001-10-10 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2002079616A (ja) * 2000-06-23 2002-03-19 Toshiba Corp 透明被膜付基材、透明被膜形成用塗布液、および表示装置
JP2002079600A (ja) * 2000-09-05 2002-03-19 Toppan Printing Co Ltd 反射防止積層体

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10142402A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびそれを配置した表示装置
JPH11174971A (ja) * 1997-12-15 1999-07-02 Nof Corp 反射防止ディスプレイ
JPH11326601A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置
JP2000009907A (ja) * 1998-06-18 2000-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2000009908A (ja) * 1998-06-18 2000-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2000275401A (ja) * 1999-03-19 2000-10-06 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜およびその製造方法
JP2001233611A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Catalysts & Chem Ind Co Ltd シリカ系微粒子、該微粒子分散液の製造方法、および被膜付基材
JP2001281405A (ja) * 2000-03-28 2001-10-10 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2002079616A (ja) * 2000-06-23 2002-03-19 Toshiba Corp 透明被膜付基材、透明被膜形成用塗布液、および表示装置
JP2002079600A (ja) * 2000-09-05 2002-03-19 Toppan Printing Co Ltd 反射防止積層体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014119042A1 (ja) * 2013-02-04 2017-01-26 積水化成品工業株式会社 樹脂粒子及びその用途
CN108424691A (zh) * 2018-02-28 2018-08-21 合肥乐凯科技产业有限公司 一种水性扩散膜涂料
CN108424691B (zh) * 2018-02-28 2020-05-05 合肥乐凯科技产业有限公司 一种水性扩散膜涂料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003292831A (ja) 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム
JP4918743B2 (ja) 反射防止フィルム
TWI416158B (zh) Optical laminated body and optical laminate
TWI498212B (zh) 光學積層體及硬質塗膜
KR101870473B1 (ko) 반사 방지 필름, 반사 방지 필름의 제조 방법, 편광판 및 화상 표시 장치
TWI585535B (zh) 感光性樹脂組合物及抗反射膜
TWI513587B (zh) An optical laminate, a polarizing plate, and an image display device
JP2002277604A (ja) 反射防止フイルム
WO2007099721A1 (ja) 透明導電性フィルムおよびタッチパネル
TW201100872A (en) Anti-glare film, method of manufacturing same, and display device
TWI479179B (zh) 光學薄膜,光學薄膜之製造方法,偏光板,顯示面板及顯示器
JP2002265866A (ja) 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム
TW201024813A (en) Optical sheet
TWI373632B (en) Optical laminate
JP2001188102A (ja) 反射防止フィルム
JP4887608B2 (ja) ハードコートフィルム及びそのフィルムを備えた表示装置
KR101432987B1 (ko) 투과도가 우수한 내지문성 방현코팅액 조성물 및 상기 조성물을 이용하여 제조된 내지문성 방현필름
JP2020034416A (ja) 耐指紋性の評価方法、光学部材の生産方法および光学部材
CN103460078A (zh) 防反射膜及偏振片
JP2006348171A (ja) 低屈折率コーティング用硬化性樹脂組成物、反射防止フィルム
JP2009222801A (ja) 光学フィルム
JP2002139602A (ja) 反射防止フィルム
JP2008081743A (ja) 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム
JP2012126073A (ja) 撥水性フィルム
JP2004326100A (ja) 反射防止材

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111108